第189回労働政策審議会職業安定分科会 議事録

日時

令和4年12月27日(火)11:00~12:00

場所

会場
厚生労働省 職業安定局第1会議室及びオンライン
(東京都千代田区霞が関1丁目2番2号 中央合同庁舎5号館12階公園側)
傍聴会場
厚生労働省 職業安定局第2会議室
(東京都千代田区霞が関1丁目2番2号 中央合同庁舎5号館12階公園側)

議事

議事内容
○山川分科会長 それでは、定刻になりましたので、ただいまから、第189回「労働政策審議会職業安定分科会」を開催いたします。
 皆様方、大変お忙しい中御出席をいただきまして、誠にありがとうございます。
 本日の委員の御出欠ですけれども、公益代表の太田委員、使用者代表の小阪、小野委員が御欠席と伺っております。
 また、事務局では、田中職業安定局長、堀井審議官が公務で御欠席となります。
 カメラ撮影は、ここまでですが、よろしいですね。
 本日の分科会はZoomによるオンラインと会場での開催となります。オンラインでの発言方法等につきましては、事前に事務局からお送りしております「職業安定分科会の開催参加方法について」に沿って御操作をお願いいたします。
 それでは、早速、議事に入ります。
 議題の1は「雇用保険制度について」です。
 この議題内容の一部につきましては、今月19日に行われた、第179回「雇用保険部会」において、あらかじめ議論を行っていただいております。
 それでは、資料、それから、部会での議論につきまして、事務局から説明をお願いいたします。
○尾田雇用保険課長 まず、資料1-1につきまして、雇用保険課より御説明させていただきます。
 おめくりいただきまして1ページ目でございますが、まず、雇用情勢と今後の雇用政策をお話しして、休業支援金・給付金、そして雇用保険の財政運営ということで御説明させていただきたいと思います。
 2ページ目でございますけれども、現在の完全失業率及び有効求人倍率の状況でございます。
 直近の10月で有効求人倍率が1.35倍、完全失業率が2.6%と、一部に厳しさはございますが、数値的に見ますと、コロナ前の状況に戻りつつあるという状況でございます。
 次のページですが、人手不足の状況につきましては、業種別に見ても企業規模別に見ても、コロナ禍の下では、非常に人手が過剰という状況も一部の業種あるいは企業規模では見られたところでございますが、現在は全ての業種、企業規模におきまして、非常に厳しい人手不足という状況で、今後の見通しもさらに厳しくなるということが見込まれているところでございます。
 こういう状況下で、これは先般、この分科会でも御説明させていただきましたが、厚生労働省といたしましては、雇用労働総合政策パッケージというものを打ち出したところでございます。
 下の半分に記載がございますが、現在まで、コロナ禍の緊急的・短期的対策といたしまして、雇用維持、休業支援に重点を置いた施策をやってまいりました。今後は、賃金上昇あるいはそれを支える多様な働き方の実現という観点から、賃上げ、人材育成活性化、賃金上昇を伴う労働移動支援、そして、雇用セーフティーネットの再整備、こうしたものを一体的に取り組んでいくこととしているところでございます。
 次のページは、そのパッケージの全体像でございます。説明は割愛させていただきます。
 そして、次のページでございますが、先般、閣議決定された経済対策の中でも、最初の下線でございますが、今、申し上げた点を記載しているところでございます。
 下線はございませんが、次の段落で、雇用調整助成金につきましては、段階的な縮減を図るということにしております。
 また、次の下線でございますが、当面の雇調金の支給や、労働移動円滑化、人への投資への支援の強化に万全を期すとともに、雇用情勢が悪化した場合にも十分な対応を図るためには、雇用保険の財政基盤の安定が不可欠であり、そのための財源確保を図るということが記載されております。
 注の15で、そのときの対応として、先般の本年度の補正予算におきまして、一般会計から約7000億の雇用勘定への繰入れを行ったところでございます。
 続きまして、休業支援金・給付金についてでございます。8ページ目は、現在の制度概要でございます。
 2番に金額が書かれておりますが、賃金の6割というのが、今の制度になっております。
 次の9ページでございますが、これにつきましては、先月末、省令改正をお認めいただきましたが、今年の12月から来年の3月、年度末までの制度といたしまして、右の端でございますが、6割、そして上限が8,355円という原則的な措置一本の制度に、現在はなっているところでございます。
 次のページでございますが、支給実績を見ますと、緊急事態宣言等が講じられている時期には、やはり申請が高まるという傾向が見て取れますが、直近まで見ますと、大分申請件数は落ち着いてきているという状況でございます。
 また、休業支援金・給付金につきましては、宿泊、飲食、あるいはサービス、卸売、小売、こういったところが業種的には多くなっております。特に宿泊、飲食は4割近くを占めておりますが、これらの業種におきましても、右の図でございますけれども、業界全体で見ますと人手不足が深刻になってきているという状況でございます。
 また、この休業支援金・給付金の制度創設の前提といたしまして、コロナ禍において中小企業が資金繰りの面で大変厳しく、休業手当の支払いもままならないということで、労働者に対する直接給付という制度を特例的に講じたところでございます。
 この状況につきましては、確かに、感染が拡大していた2020年の4月、6月期は非常に厳しい状況で、どの業種におきましても資金繰りが厳しかったということでございますが、その後、徐々に回復し、サービス業も含めて、直近ですと、コロナ前の水準に戻りつつあるということでございますので、制度創設の前提条件も変わりつつあるということでございます。
 そして、13ページでございますが、この休業支援金・給付金につきましては、雇用保険臨時特例法に位置づけられております。その中では、下線を引いているところでございますけれども、令和5年3月31日までの休業を対象として、支給できるとなっておりますので、現下の状況におきましては、このまま本年度末までとするかどうかというところかと思っております。
 以上が休業支援金・給付金でございます。
 続きまして、雇用保険財政でございますが、15ページは全体構造で、雇用勘定の中で失業等給付、育児休業給付、雇用保険二事業と分かれております。雇用保険二事業は、事業主からの保険料、育児休業給付と失業等給付につきましては、労使双方から保険料をいただいております。
 次のページ以降、財政状況でございますが、これは、先月末にお示ししたものと基本的に同じになっております。
 まず、失業等給付でございますけれども、補正予算を踏まえた4年度の収支ということで書かせていただいておりますが、年度末の積立金残高は0.85兆円となる見込みでございます。
 この収支の中で、上から2行目が保険料、上から5行目が支出の内訳の失業等給付費とございますが、これが基本手当等々の支出に係る経費でございます。
 令和3年度までは、保険料を政策的に引き下げてきたということがございまして、上から2行目の保険料も、3年度までは4000億足らずということになっております。
 一方で、支出のほうは、毎年度1兆3000億超の支出が出ています。ここのところは、変動はございますが、1兆を超える支出が今後とも引き続きあるということは変わりません。
 こうした中で、4年度は失業等給付の保険料として、前半につきましては0.2%、後半につきましては、0.6%ということでいただいておるところでございますが、それでも保険料収入が0.79兆円ということで、失業等給付には、足りない状況にはなっているということでございます。
 次のページが二事業でございますが、二事業のほうにつきましては、補正予算後の姿といたしまして、赤字にしておりますけれども、雇用調整助成金の支出に充てられる経費として、1.2兆円を確保しております。その結果、本年度も収支といたしましてはゼロで、安定資金残高はゼロということが見込まれているところでございます。
 次のページでございますが、先ほど少し申し上げましたが、失業等給付の保険料率につきましては、本年度前半が0.2%、後半が0.6%にさせていただいているところでございます。
 0.8%と一番右に書いておりますが、これが法律に規定されている料率でございますので、このままでありますと、来年度の保険料率は0.8%ということで、右下に合計がございますが、労働者の皆様に0.6%、使用者の皆様に0.95%を御負担いただくということになるということでございます。
 19ページ、20ページにつきましては、保険料率の弾力条項の説明です。
 これは、毎年の支出と、積立金等のバランスを見まして、一定の水準を超えた場合には保険料を下げられる、一定の水準を下回った場合には、保険料を上げられるということが、労働保険徴収法で規定されているところでございます。
 この計算をした結果が、赤字で書いておりますけれども、まず、2.67という数字が出ております。これは2を超えておりますので、機械的に申し上げると、保険料の引き下げが可能ということでございますが、これについては、まず※の1に、小さい字で記載しておりますが、この趣旨といたしましては、真ん中に書いております計算式の分子の真ん中にございます積立金のところです。
 積立金につきましては、この2.67の計算においては、先ほどの収支表で、一番下のところで括弧で書いておりましたが、失業等給付から雇用保険二事業のほうに繰り入れている額も計上した形、すなわち現在保有していない、貸し出している金額も計上した形で計算しております。その結果2.67ということでございますが、今年の春の法律改正におきまして、これを実勢に合わせた、現実にある積立金で計算するということにされました。
 それを当てはめてみますと、この括弧内の0.12ということになります。ただし、これは、適用が本年度の決算から、つまり来年の計算から適用になるということでございますので、今回の計算では、2.67ということでございます。
 一方で、もう一つ※の2でございますけれども、労働保険徴収法の12条の第7項という規定がございまして、雇用保険の事業に係る失業等給付の支給に支障が生じないようにするために必要な額の積立金を保有しつつ、財政均衡を保つことができるよう配慮するということが、保険料率変更に当たっての留意事項として、法律上規定されております。
 こうした事情に鑑みますと、機械的には2を超えているという状況でございますが、趣旨あるいは経緯等に鑑みて、弾力条項を適用する状況にはないのではないかと、事務局としては考えております。
 次の20ページでございますが、同じく雇用保険二事業についても、この弾力条項というものがございます。
 これを計算した結果が赤字でございますけれども、マイナス7.08ということでございます。これは、まず、分子にございます雇用安定資金、二事業の積立金でございますが、こちらのほうに、失業等給付から借り入れている額をマイナスとして計上するというのが今の計算でございます。その結果、マイナス7.08でございます。これも法律改正で、それを考慮しない、今ある額で計算するということになっておりますが、それをやったとしても括弧内でございますが、いずれにしてもマイナス2.92ということでございます。
 ですので、いずれにしましても、1.5を上回る状況にはございませんので、二事業については、弾力条項は適用されないという状況でございます。
 資料の御説明としては、以上でございます。
 続いて、雇用保険部会におきまして、この資料1-1に基づきまして議論をいただきました。労使委員の皆様から様々御意見をいただきましたが、労働者側委員、使用者側委員いずれからも、財政運営については、審議会のほうで丁寧に議論をしてもらいたいというお話が繰り返しございました。また、使用者側委員からは、保険料率だけではなく、一般会計からの繰入れ、あるいは新しい国庫繰入制度の適切な運用、そういった点もしっかりと考えてもらいたいというお話もございました。
 そして、休業支援金・給付金につきましては、事業主に休業手当を支払う必要があるということをしっかりと周知、指導し、支援が必要な労働者には、個別の支援をきちんと行ってもらいたいという御指摘がございました。
 最終的に、事務局の方針につきまして御了解いただいたと認識しております。
 資料1-1については、以上でございます。
○小宅雇用開発企画課長 続きまして、資料1-2につきまして、緊急雇用安定助成金について、雇用開発企画課から御説明いたします。
 資料をおめくりいただきまして「雇用調整助成金の概要」と書いておりますが、緊安金も同じ仕組みでございますので、このような図をつけております。
 次のページでございますけれども、これも先般、こういった形で3月まで運営するということで御説明しているところでございます。
 緊安金につきまして、周辺状況としましては雇用情勢ですとか、経済対策の中で各種対策を拡充しているということは、先ほど申し上げたとおりでございますので、その辺は割愛させていただきますが、こういった中で緊安金をどうするかということでございます。
 次のページを見ていただきますと、こちらも活用状況は、かなり落ち着いてきているところでございます。
 また、次のページを見ていただきますと、どういった業種で使われているかということですが、宿泊、飲食、卸売、小売といったところで使われておりますが、いずれにしましても3ページにありますように、かなり落ち着いてきている。
 それから、2ページ目のところにありますように、雇調金本体については、特例は、終息させていくという状況でございます。
 こういった中で、やはり人手不足といったことですとか、経済対策で人材の活用、賃金の引き上げに向けた取組という流れの中で、雇用維持よりもそちらの流れということでございますので、緊安金につきましては、本年度をもって、その役割を終えるということではないかと考えておるところでございます。
 ただし、一方で、緊安金による雇用維持ということはないということになったとしても、求職者支援制度ですとか、それから、先般の経済対策に盛り込まれている各種制度、そういったものを総動員して、雇用の安定ですとか、円滑な労働移動を支援していくということには変わりはございませんので、そういったことで雇用の安定等を図っていくべきではないかということで、御理解いただければと考えております。
 緊安金について、以上でございます。
○山川分科会長 ありがとうございました。
 それでは、本件につきまして御質問、御意見がありましたら、挙手をしていただくか、または、画面上の手を挙げるボタンをクリックしていただいて、こちらで指名させていただいた後に、お名前をおっしゃってから御発言をお願いいたします。御質問、御意見等ございますでしょうか。
 馬渡委員、お願いいたします。
○馬渡委員 全国中央会の馬渡でございます。
 今日は、いろいろ御説明いただきましてありがとうございます。だんだんと通常の制度に戻りつつあると思ってはいるのですけれども、反面、今まで積み立ててきたものが、どちらもほぼほぼ空になっているというのは、厳然たる事実でございますので、これからどうやって埋めていくかというのは、大事な問題だと思います。
 ただ、中小企業が、これまでのコロナの間に、簡単に雇用を維持してきて、これからも全然問題がないかと言われると、消費税は上がっている、それから、いろいろな増税も控えているということを考えますと、非常に先行きが厳しいものがあります。2023年になると、ゼロゼロ融資の返済も迫られるということでありますので、雇用保険財政の立て直しには、こういった中小企業の状況を鑑みて、単に保険料率を引き上げるという御判断ではなく、さらなる一般会計の投入など、いろいろな面で政策を投入していただきたいなと思っておりますし、未曾有の事態でもございますので、東日本大震災のときは、いろいろな皆さんから増税をした上で手当をしていったということはあるかもしれませんけれども、今回のコロナ禍も未曾有の事態だととらまえていただいて、政府のほうも、一般会計の投入も含めて、ぜひお考えいただければなと思っております。
 以上です。
○山川分科会長 ありがとうございました。
 では、大下委員、お願いします。
○大下委員 御説明ありがとうございました。
 今の馬渡委員の御発言とも重なる部分がございますけれども、雇用保険財政の安定について3点申し上げたいと思います。
 まず1点目、保険料率の原則復帰についてですけれども、雇用労働政策がコロナ禍での緊急対応から新しいフェーズに入り、深刻な人手不足の中での労働移動円滑化、人への投資の支援が求められる中で、大きな役割を担うべき失業等給付及び雇用保険二事業の残高が枯渇をしている状況でありますので、次年度の収支等も考えれば、しっかりとしたセーフティーネットとしての役割を果たすためにも、保険料率の原則復帰はやむを得ないと思っております。
 他方、2点目ですけれども、雇用保険財政の安定と料率引き上げの企業経営の影響についてです。
 各種コストが相当上がっている中で、賃上げに伴って負担が増える形での料率の引き上げは、企業の持続的な賃上げが求められる中で、賃上げマインドにいささか水を差す懸念もございます。そもそも我々は、今回の財政枯渇の要因となったコロナ禍への対応というのは、本来、一般財源でしっかり対応すべきものと申し上げてまいりました。財政の安定に向けては、しっかりと一般会計からの投入を引き続き御検討いただきたいと思っております。
 最後3点目でございますけれども、それを踏まえて、今後将来の雇用保険財政の安定化に向けて、まだコロナ禍での雇調金特例対応が若干続いていますが、これがある程度めどがつきましたら、今回のコロナ禍への対応が雇用保険財政にどのような形で影響を与えたのか、しっかり整理していただいて、今後、雇用保険料率が万が一にも原則を超えるような引き上げとならないように、早期の財政安定化の道筋をしっかり示していただいて、この場での御議論をお願いしたいと思っております。
 私からは以上です。ありがとうございます。
○山川分科会長 ありがとうございました。
 では、勝野委員、お願いします。
○勝野委員 御説明ありがとうございました。
 私もこの間、コロナの中で、雇用調整助成金や休業支援金等の果たしてきた役割というのは、非常に大きなものがあったと思っています。これらの給付によって多くの働く人や事業者経営の支援になってまいりましたし、建設業においても私たちの組合員の多くが給付を受けることができております。
 組合が給付手続を行っただけでも、この2年間で雇調金が4,324件、休業支援金等が1万1779件手続をさせていただいたと把握をしております。
 ただ、先ほど説明があったとおり、そうした結果、雇用保険財源が枯渇をしている中で、雇用保険財政の健全化、安定化を図るために、保険料の引き上げを行っていくということでありました。雇用保険の安定運営のためにも、保険料の引き上げは、やむを得ないと判断をいたしますが、この4月、10月と2回にわたって引き上げられ、来年4月も含めると1年間で3回もの引き上げが行われるということについては、当然、労働者負担、事業者負担が伴うわけですから、今後のことを考えると、少しでもこの負担を減らし、安定的な財源を確保していくためにも、先ほど来御発言されているとおり、一般会計からの繰入れ等についても、ぜひ検討していただきたいと思っております。
 以上です。
○山川分科会長 ありがとうございました。
 ほかに御質問、御意見等は。冨髙委員、どうぞ。
○冨髙委員 ありがとうございます。
 財政運営については、雇用のセーフティーネットである雇用保険が将来にわたって安定的に運営され、労働者の雇用や生活を適切に支援するという役割を十分に発揮できるようにすることが重要です。料率も含めて通常制度に戻していく中でも、労使合意のもとで、国庫繰入れなども含めた対応を通じて、効果的かつ安定的に財政運営がなされるべきだと考えます。
 次年度の失業等給付に係る料率については、本則どおり0.8%とされています。仮に、今年度末決算の弾力倍率が2を下回り、次々年度の料率引き上げが可能になったとしても、あくまで収支が均衡する料率である0.8%を維持するということも重要だと考えます。
 閣議決定された次年度予算のうち雇調金の予算については、コロナ特例が講じられている現在の支給額が続いたとしても、不足しない予算額だと認識しています。一方で、そのような予算措置がなされたとしても、想定を超えた急激な状況変化が生じた場合には、本年1月の雇用保険部会報告にも記載のとおり、財政安定化のために必要な財源の内容やその確保策も含めて労政審で検討し、十分な国庫繰入れが機動的に実施できることが重要だと考えます。雇用保険財政に関するその他の課題も含めて、丁寧な議論をお願いします。
 以上です。
○山川分科会長 ありがとうございました。
 ほかに御質問、御意見等ございますでしょうか。
 よろしいでしょうか。
 本議題につきまして、事務局から第1に休業支援金・給付金と緊急雇用安定助成金につきましては、令和5年3月末までの休業期間を対象とすること。
 第2に、令和5年度の失業等給付に係る雇用保険料率につきましては、法律上の原則である0.8%に戻ることについて、御説明をいただきました。委員の皆様方から種々御意見をいただきました。今後に向けての御意見として受け止めさせていただくことになると思いますけれども、以上の方向性につきましては、皆様、御異論はなかったものと考えております。よろしいでしょうか。
(異議なしの意思表示あり)
○山川分科会長 それでは、本議題は以上となります。
 では、次の議題に移ります。
 議題の2、「技能実習制度及び特定技能制度の在り方に関する有識者会議」の設置、開催状況についての御報告となります。
 では、事務局から説明をお願いいたします。
○吉田外国人雇用対策課長 資料2に基づきまして、外国人雇用対策課から御説明いたします。
 資料の1ページでございます。
 技能実習制度及び特定技能制度につきましては、それぞれ法律の附則におきまして、見直しの規定がつけられております。
 資料1の上の箱の1つ目の○、技能実習制度につきましては、技能実習法の附則第2条において、「この法律の施行後5年を目途として」と規定されていまして、施行日が平成29年であったことから、この5年というのが本年の11月ということでございます。
 特定技能制度につきましては、特定技能制度を創設した入管法等の一部改正法の附則18条におきまして、「この法律の施行後2年を経過した場合において」と規定されておりまして、この一部改正法が施行されたのが、平成31年4月ということですので、この2年というのを経過しているということで、技能実習と特定技能の両制度について、検討条項による見直しの時期が到来しております。
 そして、1ページの下にございますように、上記法律の附則に基づき、技能実習制度と特定技能制度について、両制度の施行状況の検証、課題の洗い出し、そして外国人材を適切に受入れる方策を検討するため、外国人材の受入れ・共生に関する関係閣僚会議の下に、有識者会議を設置するという方向性が政府として示されております。
 資料の2ページ目、3ページ目、4ページ目というのは、具体的に、11月22日に開催されました関係閣僚会議で、有識者会議が設置されたということの決定の関係資料でございます。
 2ページ目が、有識者会議についての設置要綱、3ページ目が、座長、座長代理と構成員ということでございまして、具体的には4ページ目に、有識者会議の構成員が掲載されております。
 座長は、独立行政法人国際協力機構理事長の田中明彦先生、そして、以下の15名の委員で構成されておりますが、山川分科会長をはじめ、当分科会の関係から何名かこの有識者会議に参画されているという状況でございます。
 そして、この有識者会議は、先般、12月14日に第1回目が開催されまして、その中の資料として出されたもののごくごく一部だけを、今、お手元に表示しておりますが、論点案というものが示されております。この論点案も案ということで、当日事務局から示して、その後、委員の意見を踏まえて、これから変わってくると思いますが、このような案を事務局から示したということであります。
 第1が、技能実習制度と特定技能制度の趣旨ということで、第1番目が、技能実習の制度目的、人材育成を通じた国際貢献と実態、国内での人材確保や人材育成というものを踏まえた技能実習制度の在り方ということ。
 2つ目が、外国人が成長しつつ、中長期的に活躍できる制度の構築について。
 そして3番目は、受入れ見込数の設定であります。受入れ見込数は、現在、特定技能については分野別に数字がございますが、技能実習についてはないといった辺りをどう考えるかということだと思います。
 第2につきましては、人権侵害の防止、その他、外国人にとっても我が国にとってもプラスになる仕組みとするための方策ということでございまして、1つ目は、転籍の在り方、これは、技能実習制度について転籍が原則的にできないというところをどう考えるかであります。
 そして、2つ目は、管理監督や支援体制の在り方で、これは技能実習、特定技能それぞれ、例えば(1)であれば、技能実習は監理団体というものは必ず関与する仕組みである一方で、特定技能については、登録支援機関というものが、任意で支援をするという形になっているところ。
 そして(2)については、国の関与として、特定技能について業所管省庁というのが関与していますし、技能実習については外国人技能実習機構というものも関与している、そうした在り方。
 そして3つ目は、送出機関や送出しの在り方ということで、外国における対応ということ、借金による負担軽減策や、MOC、政府間の協議による、さらなる強化といった方策についてという論点であります。
 そして3つ目が、日本語能力の向上に向けた取組ということでございます。
 当日12月14日は、この論点案が示されて、各委員から御意見がいろいろあったところです。
 資料の最後でございますが、こちらも当日の資料の一部でございますが、春頃に向けて、この有識者会議を開催して、そして中間報告というものが関係閣僚会議に提出され、そして、また、秋頃の最終報告を目指して議論を進めていくと考えられているというところでございます。
 資料の説明は、以上でございます。
○山川分科会長 ありがとうございました。
 それでは、本件につきましても御質問、御意見等がありましたら、同様の方法で御発言をお願いいたします。御質問、御意見等ございますでしょうか。
 馬渡委員、お願いします。
○馬渡委員 全国中央会の馬渡でございます。
 特定技能実習制度及び特定技能制度の在り方そのものは、いろいろ他省庁さんとの関わり合いもあるかと思いますけれども、いずれにしても今の日本の置かれた立場自体が、1人当たりのGDPが韓国や台湾にも、もう抜かれてしまうという時代に、本当に日本に来たいような制度にしないと、そもそも他の国から来ていただけないというのもあると思いますし、来てもらうためには、技能実習でも自分の国に戻りなさいという単純なキャリアパスだけではなくて、日本にいろいろな技能を要請した上で、日本に居着いてもらうという制度も必要なのではないかなと思っております。
 今、全ての業種において技能実習制度が可能ではないので、我々、物流の業界などでは、まだ禁止されている状況ではありますので、一般のビザを取って入る法務省さんの制度、それから、この技能実習、特定技能制度等を、やはり根本から議論していただきたいなと思っております。
 以上でございます。
○山川分科会長 ありがとうございます。
 では、宮田委員、どうぞ。
○宮田委員 ANAの宮田でございます。ありがとうございます。
 馬渡委員とほぼ同じなのですけれども、今、人手不足の話も先ほどありましたし、まさにこれから日本企業にとっても、サプライチェーン全体を見た中で、やはり人材の確保という観点から、この問題をきちんとこのタイミングで考えていくのは、すごく大事なことだと思っています。
 まず1点目としては、技能実習制度に関わる、やはりグローバルから見たときの厳しい見方、制度自体の課題については、きちんと改善をしていくということが1つ。
 もう一つは、やはりこれらの外国人材の方々が、まさに日本企業の発展に寄与できるような形で、ウイン・ウインの形で働いていただけるような、人材としてのプラスの方向での見直しということも必要になってくるかと思っていますので、今回このタイミングの論点に沿って幅広い観点で、特に送出国から関係団体様々関わる機関との関係も含め、全体的に見直すということは、すごく有意義だと思っておりますので、どうぞよろしくお願いいたします。
 私のほうからは、以上でございます。
○山川分科会長 ありがとうございました。
 ほかに御質問、御意見等ございますでしょうか。
 よろしいでしょうか。御意見をいただきました。受け止めさせていただきますとともに、また、この分科会にもメンバーが入っておられますし、また、私も研究者としての立場ではありますが、メンバーに加わっておりますので、今後に向けて参考にさせていただきたいと思っております。
 では、ほかにございませんでしたら、本議題は、以上になります。
 本日予定の議題は、これで終了いたしましたけれども、この際、委員の皆様方から何か御発言等ございますでしょうか。
 よろしいでしょうか。それでは、本日の分科会は、これで終了いたします。ありがとうございました。
 もう今年も大変押し迫ってまいりましたので、どうぞ皆様、よいお年をお迎えください。ありがとうございました。