第23回過労死等防止対策推進協議会 議事録

労働基準局総務課(過労死等防止対策推進室)

日時

令和4年11月21日(月) 13:00~15:00

場所

TKP新橋カンファレンスセンター  ホール15E
(東京都千代田区内幸町1-3-1)

出席者

専門家委員
岩城穣委員、戎野淑子委員、川人博委員、黒田兼一委員、堤明純委員、中窪裕也委員、宮本俊明委員
当事者代表委員
工藤祥子委員、髙橋幸美委員、寺西笑子委員、渡辺しのぶ委員
労働者代表委員
北野眞一委員、冨髙裕子委員、永田一郎委員、西尾多聞委員
使用者代表委員
佐久間一浩委員、鈴木重也委員、山鼻恵子委員

議題

  1. (1)令和4年版過労死等防止対策白書について
  2. (2)令和4年度の取組状況及び令和5年度概算要求について

議事

議事内容
○中窪会長 それでは、定刻となりましたので、ただいまから、第23回「過労死等防止対策推進協議会」を開催いたします。 委員の皆様におかれましては、御多用中にもかかわらず、お集まりいただき、誠にありがとうございます。 本日は、御都合により、木下委員と大下委員が御欠席でございます。 本日、感染症対策として、座席の間隔を空けさせていただいております。また、一部の委員についてはオンラインで御参加いただいております。 オンラインで御参加されている委員におかれては、御発言等がありましたらチャット機能で事務局にお伝えいただければと思います。 それから、本日は、大下委員の代理として、日本商工会議所産業政策第二部課長、清田素弘さんがオンラインで参加されております。 本日は、会場にお越しの委員についてはタブレット、オンラインで御参加の委員については、事前にお送りした資料により御議論いただくことにしております。タブレットの操作が分からない場合は、随時事務局職員をお呼びください。 また、本日付けで委員の異動がございましたので、御報告いたします。資料の最後のページの参考資料の委員名簿を御覧ください。 労働者代表委員の八野正一委員が退任され、後任に西尾多聞委員が厚生労働大臣から任命されております。よろしくお願いいたします。 それから、事務局にも異動がありましたので、事務局から御紹介いただきます。
○企画官 前回の協議会以降、事務局に異動がありましたので、御紹介いたします。 労働基準局長の鈴木です。 労働基準局総務課長の古舘です。 労働基準局監督課長の竹野です。 また、今回は、労災管理課長も出席しています。 労働基準局労災管理課長の平嶋です。 事務局の紹介は以上です。
○中窪会長 カメラの撮影はここまでとさせていただきますので、御協力のほどよろしくお願いいたします。 それでは、議事に入ります。 10月21日に「令和4年版過労死等防止対策白書」が閣議決定され、公表されておりますので、まず、この白書について、引き続いて、令和4年度の過労死等防止のための取組状況及び令和5年度概算要求について、厚生労働省から15分程度で御説明をいただきます。 それに引き続きまして、人事院、内閣人事局、総務省、文部科学省の順で、令和4年度の取組状況をそれぞれ5分程度で御説明いただいた後、一括して質問等の時間を設けたいと思います。 委員からの発言をできるだけ多くいただきたいと思いますので、事務局の説明は簡潔にお願いいたします。 それでは、厚生労働省から順次御説明をお願いします。
○企画官 厚生労働省労働基準局過労死等防止対策推進企画官の角南です。座って説明いたします。 本日の資料には、右下に通し番号を振っております。私からは資料1、資料2、資料3及び資料8について説明します。 まず、資料1、令和4年版過労死等防止対策白書です。3ページをお開きください。上の囲みです。この白書は過労死等防止対策推進法に基づく法定白書で、7回目の作成となります。 2つ目、そのポイントとして、労働時間と睡眠時間の関係や、昨年7月に変更した過労死等防止対策大綱に定めるテレワークや新型コロナウイルス感染症の影響に関する調査結果などを掲載しています。 4ページ、第1章です。週60時間以上働く方の推移は、減少傾向にあります。上の赤線、週40時間以上のフルタイム勤務相当の者に占める割合は、直近、令和3年で8.8%です。その下は業種別の3か年の推移です。 5ページです。新型コロナウイルス感染拡大前後3か年の所定外労働時間の推移を毎月勤労統計調査から業種別に抽出したものです。 左上、全業種を御覧いただくと、新型コロナウイルス感染拡大前の令和元年の黒線から、令和2年は青線で、所定外労働時間が減少しており、令和3年は赤線のとおり、新型コロナウイルス感染拡大前の水準に戻りつつあります。 6ページを御覧ください。左のグラフは勤務間インターバル制度の関係です。下のグラフとおり、導入企業の割合は、令和3年は4.6%に増加しています。右上は年次有給休暇取得率の推移です。増加傾向を維持しており、令和2年は56.6%となっています。 7ページ、メンタルヘルス対策の状況です。左のグラフのメンタルヘルス対策に取り組む事業所割合は60%前後で推移しています。下の事業場規模別の比較を見ると、50人未満の事業場での取組促進が課題と言えます。 続いて8ページです。第2章は過労死等の現状として、労災及び公務災害の補償状況を掲載しています。1の民間労働者を御覧いただくと、左の「脳・心臓疾患の認定件数」は、この10年間はおおむね減少傾向となっています。右の「精神障害の認定件数」は、特に平成30年度以降、増加となっています。 9ページです。ここから第3章になります。10年分の労災認定事案が蓄積されたため、前の5年と後の5年に分けて傾向を比較しています。真ん中のグラフの精神障害について、40歳代の増加が顕著となっています。その右のグラフは、精神障害の主な出来事の上位を男女別に抽出しています。男性は、一番上の「仕事内容・仕事量の変化を生じさせる出来事があった」が最も多く、女性では、「悲惨な事故や災害の体験、目撃をした」が一番多く、「セクシュアルハラスメントを受けた」が2番目となっています。 10ページは、労働・社会分野のアンケート調査の結果です。睡眠時間の関係で、左の真ん中のグラフを御覧ください。1週間の実労働時間が長くなるほど、つまりグラフの下に向かうほど平均睡眠時間が短い人の割合が高くなります。その下のグラフは睡眠時間とうつ傾向・不安の関係で、1日の平均的な睡眠時間が短くなるほど、つまりグラフの下に向かうほど、うつ傾向・不安のある人の割合が増えています。右上はテレワークと睡眠時間の関係です。テレワークの頻度が高くなるほど、つまりグラフの上に向かうほど平均睡眠時間が長くなる傾向があります。 11ページです。左上のグラフは、世帯年収とうつ傾向・不安の関係です。世帯年収が少ないほど、つまりグラフの上に向かうほど、うつ傾向・不安のある人の割合が増えています。右上のグラフ、新型コロナウイルス感染拡大によって収入が減少した人が3割ほどいて、その収入が減少したグループはグラフの真ん中の収入不変のグループと比較して、うつ傾向・不安のある人の割合が高くなっています。 続いて12ページを御覧ください。過労死等防止対策大綱で定めている重点業種・職種のうち、建設業とIT産業に対して、時間外労働の発生原因などについて、アンケート調査とヒアリング調査を行っています。アンケート調査の集計結果はグラフのとおりですが、その要因として、いずれの業種も納期の厳守を求められたり、工程上のしわ寄せなどが時間外労働に影響するとの回答がみられています。 13ページです。勤務間インターバルの長短でストレス度合いが異なること。また、インターバルが確保されていても、仕事のメール頻度によって疲れの回復などに違いが生じるという過労死等防止調査研究センターにおける研究結果をコラムで紹介しています。 次の14ページからは第4章で、令和3年度の行政における対策の実施状況を記載していますが、本日は説明を割愛します。 続いて資料2です。17ページから、過労死等防止対策大綱制定後の対策の実施状況を項目別、年度別に記載していますが、こちらも本日は説明を割愛します。 資料3、67ページを御覧ください。令和4年度の厚生労働省の主な取組です。 68ページは、この11月の過労死等防止啓発月間における全国の過労死等防止対策推進シンポジウムの開催日程等の一覧です。 69ページは、周知・啓発内容の御紹介です。ここにあります統一的なイメージにより、ポスター、オンライン新聞、ネット広告、その他の広報を展開しています。 なお、本年は、左下のとおり、高速道路のサービスエリア、パーキングエリアや建設現場内にあるモニターにおいてデジタルサイネージ広告を掲出いただいています。 70ページ、11月は過重労働解消キャンペーンも展開しており、重点監督等の各種取組を実施しています。 71ページは調査研究です。2の労働・社会面のアンケート調査は、過労死等防止対策大綱に定める重点業種・業務等のうち、メディア業界、芸術・芸能分野の調査を実施しています。 4の過労死等防止対策支援ツールの開発等については、運輸業、建設業の関係者などステークホルダーを参集した会議などで検討を進めています。 72ページは高校、大学等への講師派遣事業です。9月末時点でおおむね昨年実績並みの申込状況等となっています。 なお、本事業の周知については、「※労働条件啓発事業の周知状況」2のとおり、文部科学省と連携して、都道府県・指定都市教育委員会の各教科等担当指導主事を対象としたチラシを作成、配布しているほか、授業を受けた学生の感想をこの月間中にツイッターで発信する取組も実施しています。 73ページです。遺児交流会は、本年も、新型コロナウイルスの感染状況から、夏開催は見送り、記載の内容で冬に行う予定としています。 続いて、95ページ、資料8の過労死等防止関連予算です。令和5年度要求額は225億円余りです。調査研究、啓発などの対策別の内訳を示していますので、適宜御参照ください。 私からの説明は以上です。
○人事院職員福祉局 人事院職員福祉局です。 資料の74ページを御覧ください。「人事院の取組」について、本年8月に国会及び内閣に提出された令和4年「公務員人事管理に関する報告」の内容に沿って御説明申し上げます。 取組の1つ目は、長時間労働の是正です。資料の78ページに掲げてございますが、国家公務員についても、超過勤務命令を行うことができる上限を定めています。公務においては、国民に行政サービスを提供する必要性から、例外的に上限を超えて超過勤務を命ずることができます。 75ページを御覧ください。これは令和2年度に上限を超えて超過勤務を命じられた職員の割合を示しています。9割以上の国家公務員の超過勤務は上限を超えないものとなっています。 76ページは、原則よりも高い上限が適用される「他律部署」と、それ以外の「自律部署」について、上限の基準別のデータを掲載しています。特に本府省の他律部署を見ると、いわゆる過労死ラインに相当する1か月100時間未満の上限を超えた職員が13.8%、2~6か月の平均80時間以下の上限を超えた職員が18.1%となっています。 次に、77ページを御覧ください。上限を超えて超過勤務を命ずることができる特例業務として、各府省から報告があった主なものを掲げています。 令和2年度は、年間を通じて新型コロナウイルス感染症対策関連業務が発生していたこと等により、令和元年度よりも上限を超えた職員が増加しています。 もう一度74ページにお戻りください。長時間労働の是正に向けて、本年4月1日に人事院に「勤務時間調査・指導室」を新設しました。各府省の官署に直接赴いて調査を行い、超過勤務時間の適正な管理などについて指導を行っています。また、業務量に応じた定員・人員の確保の必要性を改めて指摘し、定員管理を担当する部局に対して必要な働きかけを行うこととしています。 さらに、国会対応業務については、各府省から質問通告の早期化やオンラインによる対応が進み、超過勤務の縮減につながったとの声が聞かれるとともに、これらをより一層推進することを求める声があったところです。 人事院総裁が衆議院、参議院の議長にお話をさせていただいており、引き続き国会等の御理解と御協力をお願いしていくこととしています。 2つ目は、テレワーク等の柔軟な働き方に対応した勤務時間制度等の検討についてです。本年1月に学識経験者による研究会を設置し、7月にはフレックスタイム制及び休憩時間制度の柔軟化を早期に実施すべきとの中間報告をいただきました。 また、研究会では、過労死等防止対策大綱も踏まえ、公務における勤務間インターバルの確保の方策についても検討を行うこととしており、本年度内を目途に結論を得るべく、引き続き検討を進めていくこととしています。 3つ目は、ハラスメント防止、心の健康づくりの推進等についてです。 ハラスメント防止については、令和5年度から組織マネジメントの観点を反映したより実効性のある幹部管理職員ハラスメント防止研修を実施することとしています。 また、ハラスメント事案を迅速・適切に解決するためには、各府省のハラスメント担当者の専門性の向上や体制整備が必要であることから、各府省における事案の解決や相談体制に係る実情、課題を把握し、対応を検討します。 心の健康づくり対策については、人事院が設けている相談窓口により相談しやすくなるよう、オンライン相談を令和4年度から導入して、実際に利用されています。来年度は体制を拡充する予定です。 また、ストレスチェックを活用した職場環境改善の取組について報告書を取りまとめ、令和4年3月に、報告書の趣旨を参考にして更なる取組を進めるよう各府省に通知したところです。 さらに、脳・心臓疾患及び精神疾患等に係る公務災害認定事案の分析に基づき、過重な業務に従事している職員に対する勤務時間管理の徹底や体制面での配慮、日頃からの心身の健康管理や適切なケア等について、過労死等防止の観点から各府省に対して指導・助言を行ってきております。 人事院からの御説明は以上です。
○内閣官房内閣参事官 内閣人事局から御説明します。 79ページ、資料5を御覧ください。令和4年度の取組について、まず、働き方改革の推進については、令和3年に改正しました国家公務員の女性活躍とワークライフバランス推進のための取組指針に基づき、業務効率化・デジタル化の推進、マネジメント改革等に取り組んでいます。 内閣人事局の取組として、1つ目、各府省等の取組支援として、各府省等の取組状況の実態、職員の意識等を横断的に把握・検証するために、令和3年11月から12月にかけて職員アンケート調査を実施しました。その結果を各府省等にフィードバックし、現在、各府省等は、その結果等に基づいて働き方改革に関する取組計画の改定作業を進めているところです。 2つ目、業務効率化・デジタル化の推進について、業務見直しの更なる推進のため、業務見直しに関する各府省等の優良事例を、次官級会議等を通じて共有しました。 3つ目、長時間労働対策の強化ですが、引き続き各府省に対して超過勤務時間の確実な把握とこれに応じた超過勤務手当の支給、そのための適切な超過勤務命令と早期退庁の徹底を要請しています。 勤務時間管理システムについては、職員の勤務時間の正確な把握、上司が部下の勤務状況を随時把握することによる適切なマネジメントが可能となることから、各府省において速やかに導入されるよう支援してまいります。 在庁時間の客観的把握については、本府省のほうでは既に着手していますが、地方機関についても、業務に応じた勤務形態の多様性に配慮しつつ、計画的に導入を進めることとしており、推進に向けて働きかけてまいります。 さらに、人事院主催の研究会の議論を踏まえ、フレックスタイム制の柔軟化等を推進してまいります。 4つ目、WLB推進のためのマネジメントの向上です。まず、アのマネジメント研修について、本府省の新任管理職を対象として、マネジメント能力の向上を図るための研修を昨年度に引き続き実施しました。また、全管理職を対象として、マネジメントの具体的な行動例を、ケーススタディを通じて学ぶe-ラーニングを今年度新たに実施する予定です。 イの管理職員向けe-ラーニングも平成29年度から実施しており、啓発をしてまいります。 また、ウのとおり、各府省等への当局のこれまでの知見等を共有し、各府省等の状況に応じた研修実施などの自主的な取組を引き続き支援してまいります。 80ページ目です。心身の健康の保持増進について、国家公務員に対して周知・啓発の具体的な取組を実施しています。 まず1つ目、管理監督者がメンタルヘルスの基礎知識やメンタルヘルス不調者への実際の対応方法を習得するためのセミナーを本年9月に実開催しているほか、今後、オンラインで3回開催予定です。 2つ目、健康管理に関する意識啓発講演会として、先月10月1日から7日まで、国家公務員健康週間でしたが、そちらで女性の健康、心の健康について御講演をいただきました。 3つ目、新任の幹部職員、課長級職員、課長補佐等を対象に、メンタルヘルスやパワハラ防止の知識、部下からの相談対応方法、幹部職員等の果たすべき役割や責任の理解等のため、12月からe-ラーニングによるメンタルヘルス講習、ハラスメント防止講習を実施する予定です。 4つ目、過労死等の原因となる脳血管疾患等を予防する観点から、健康診断において、要医療・二次健診の対象となった職員への確実な受診の指導などを推進しています。また、国家公務員に対する相談体制の整備に関する取組として、カウンセリング能力向上のため、各府省等カウンセラー講習会を本年9月に開催しており、来年2月にもオンラインで実施予定です。 以上です。
○総務省自治行政局公務員部 続きまして、総務省から御説明いたします。 81ページ、資料6となります。総務省においては、地方公務員の過労死防止対策を担っている都道府県、市区町村に対して、継続的に助言、情報提供、要請、調査研究などを行っています。 82ページには、地方公共団体における時間外勤務縮減の取組を取りまとめています。上段のとおり、勤務時間の適正な把握、時間外勤務の縮減については、昨年末に公表した令和2年度の地方公共団体の勤務条件等に関する調査結果に基づき、本年1月14日に通知を発出して、地方公共団体に取組を要請しています。 この通知については、例年、年末に公表している勤務条件等調査に基づいて要請通知を発出しているところであり、今年度も同様の通知発出に向けて検討しているところです。 また、3点目のとおり、今年度も勤務条件等調査時に実施しているヒアリングや、関係する各種会議において、勤務時間の適正な把握や時間外勤務縮減の要請を行っているほか、4点目のとおり、テレワークの推進などの働き方改革に関する先進的な取組事例を紹介しています。 下段の地方公務員の過労死等をめぐる調査分析としては、令和4年度においても、これまでと同様、過労死等防止調査研究センターに委託し、平成22年1月から令和3年3月までの間の公務災害と認定された事案551件の分析と、平成27年4月から平成30年3月までの間の公務外と認定された事案338件のデータベース構築を行っており、判明した分析結果は総務省のホームページに掲載し、広く情報提供しています。 83ページには、地方公共団体におけるメンタルヘルス対策の実施状況を取りまとめています。総務省では、労働安全衛生法上は義務付けされていない50人未満の事業場を含め、全ての職員にストレスチェックを実施するよう地方公共団体に要請しています。 令和2年度のストレスチェックの実施状況は、左から3番目の欄のとおり、全事業場のうち約98%でメンタルヘルスチェックが実施されており、メンタルヘルス対策の取組状況の合計欄のとおり、約96%の地方公共団体で何らかのメンタルヘルス対策が実施されています。 また、一番下のポツのとおり、昨年度実施した「総合的なメンタルヘルス対策に関する研究会」を今年度も引き続き開催しており、地方公共団体が組織全体でメンタルヘルス対策に取り組めるよう、調査研究を実施しています。 84ページは、地方公務員に対する研修、相談窓口などの状況を示しています。地方公務員の研修機関として総務省に設置されている自治大学校では、幹部職員などを対象とした研修課程があり、特に表でお示ししている研修では、管理職候補の職員に対してメンタルヘルス対策におけるリーダーシップなどの講義を行っています。 また、総務省の関係団体である地方公務員安全衛生推進協会においては、東京、大阪のほか、全国13会場でメンタルヘルス・マネジメントなどの安全衛生研修会を行っており、そのうち東京会場、大阪会場には総務省から私どもも参加しまして、先ほど御説明しました過労死等をめぐる調査分析結果などを活用して、地方公共団体の労働安全衛生の取組の現状説明と、さらなる取組を促進するよう要請しています。 下段の地方公務員に対します相談窓口については、各地方公共団体の人事委員会などに苦情相談窓口が設置されていますが、これに加え、メンタルヘルス相談として、地方公務員共済組合における相談窓口の設置や、地方公務員災害補償基金などにおける相談窓口として、無料の電話、eメールによる相談を実施しているほか、消防庁においては、消防職員の惨事ストレスに対応する必要な支援を行う緊急時メンタルヘルスサポートチームの派遣などを行っています。 総務省からは以上です。
○文部科学省初等中等教育局 文部科学省における対策の実施状況について、最近の状況を簡単に御説明させていただきます。85ページの資料7を御覧ください。 まず、86ページは、公立学校における働き方改革の推進の取組について、一枚に整理した資料です。こちらに基づき、説明させていただきます。まず、資料の冒頭のとおり、学校における働き方改革については、特効薬のない総力戦であるため、国、教育委員会、学校のそれぞれの立場で取組を進め、教師が教師でなければできないことに全力投球できる環境整備を行ってまいりたいと考えています。 このため、文部科学省では、令和元年の給特法改正により、公立学校の教師の勤務時間の上限などについて指針を策定しているところです。この指針については、次の87ページから89ページの3ページに概要を載せています。例えば88ページを御覧ください。教育職員の服務を監督する教育委員会が講ずべき措置の(1)で、本指針を参考に各教育現場において上限方針を規則等で定めること、また(2)で、ICTの活用等により客観的に計測すること、また、計測した時間は公務災害が生じた場合などに重要な記録となることから、公文書としてその管理及び保存を適切に行うこと、また、(4)で、一定時間を超えた教員に医師等による面接指導を実施することや、終業から始業までに一定時間以上の継続した休憩時間を確保すること、(5)で、各学校の取組状況を把握した上で、業務分担の見直しや適正化、長時間化を防ぐための取組を実施することなどを示しています。 先ほどの86ページにお戻りいただき、こういった法令に基づく取組の推進のほか、各学校や教育委員会の取組を推進する観点から、青色のところ、少人数学級の推進、小学校高学年における教科担任制の推進、また、支援スタッフの配置支援などを進めております。こちらは、90、91ページに令和5年度概算要求の資料を参考につけていますので、後ほど御参照ください。 今年度は一番下のとおり、教員勤務実態状況調査を実施しており、この調査結果等を踏まえ、給特法の法制的な枠組みを含め今後検討していく予定となっています。 次に、部活動改革について御紹介します。94ページを御覧ください。 92ページに部活動について、また93ページに文化部活動についての有識者提言をつけております。これら提言を踏まえて、平成30年に策定した運動部活動に係るガイドラインと文化部活動に係るガイドラインを統合した上で全面的に改定することとして、現在お示ししている学校部活動及び新たな地域クラブのあり方等に関する総合的なガイドラインを、案ですが、策定しており、現在、パブリックコメントにかけているところです。 詳細は割愛させていただきますが、このガイドラインについては、主に中学生、特に公立の中学生を対象としており、Ⅰで、教師の部活動への関与について、法令に基づき業務改善や勤務管理を行うこと、また、部活動指導員や外部指導者を確保すること、また、週当たり2日以上の休養日を設定することなどを示しています。 また、Ⅲで、休日における取組を着実に推進すること、平日についてはできるところから取り組んでいくということで、令和5年度から令和7年度の3年間を改革集中期間として重点的に取り組み、地域の実情に応じて可能な限りの早期の実現を目指すということを示しているところです。 文部科学省からは以上です。
○中窪会長 ありがとうございました。 ただいまの各府省からの御説明につきまして御質問や御意見等をいただきたいと思います。多くの委員に御発言いただきたいと思いますので、各委員におかれましては進行に御協力いただきますようお願いいたします。 では、寺西委員、お願いします。
○寺西委員 ありがとうございます。過労死家族会の寺西でございます。 私から3点、要望と意見を述べます。まず1点目は、新型コロナウイルス関連で、地方公務員の時間外勤務など調査されていると思いますし、今も御報告いただきましたが、今問題になっているのは、長引くコロナ禍による劣悪な労働環境になっている保健師や介護職場、福祉保健局など、新型コロナウイルス関連に特化した職場の調査分析を要望いたします。 理由は、これらの地方公務員は、新型コロナウイルスの第7波、第8波の広がりや豪雨などの災害によって、労働基準法第33条を根拠に、残業の上限がないことで、過労死ラインを超える長時間労働を強いられて、心身の不調でメンタル休職者や、いつ倒れても不思議ではない職員が増えているからです。 先ほど、地方公務員について電話による無料の健康相談など実施されているという御報告もありましたが、過重労働している職員は相談する時間すら取れないという実情があります。また、メンタルで休職されている職員の職場復帰が大変難しいことで、退職せざるを得ない実態になっていることを聞いております。 私たち家族の会にも、35歳という前途ある若い男性が新型コロナウイルス対策の支援事業のプロジェクトチームで激務の末、昨年、痛ましい過労自死された被災者がおられます。このように、住民サービス向上のために職員の命と健康が奪われることがあってはならないと考えます。 2点目は、過労死を繰り返している企業や事業場の再発防止、職場改善の調査分析を要望します。理由は、今年9月に公共放送勤務の男性記者の労災認定を受けた緊急会見がありました。くしくも、6年前に同じ職場で31歳の女性記者Sさんが過労死されています。このとき使用者は、働き方改革宣言を出し、組織を挙げて再発防止に取り組むと宣言し、長時間労働している職員へ産業医の面接指導を勧めたようですが、所管の労基署から受診率の低さを指摘されているにもかかわらず、過労死ラインを超える長時間労働を放置していたことで、再び同じ職場から過労死が繰り返されました。 1度目にしっかり検証して改善していれば、同じ過ちはしないはずです。このような事業場はほかにもあると考えますので、過労死を出した事業場は二度と繰り返さないための再発防止対策の取組強化の指導と、最も必要とされているところの検証と調査分析を要望いたします。 3点目は啓発についてです。過労死等防止対策白書の145ページの建設業、そして161ページの情報サービスの帯グラフを見ると、過労死等防止対策推進法の各種のガイドライン等の認知度がとても低い結果が出ています。11月中旬に、過労死等防止対策推進室の事務局さんが過労死等防止の動画を作成しYouTubeで公開されました。今日の資料3の69ページにその一部のようなものが出ていますが、こうした本年のポスターデザインは、「しごとより、いのち。」という、すごく前面に出されて、見せていただきましたが、一般の方にも過労死等防止対策推進法が周知されると思いました。 なかなか認知度が難しくて、過労死等防止対策推進法といっても、「えっ、そんなんあるの?」というようなことも、私たち、授業とかシンポジウムに行った折に聞きます。ぜひ今後も受託業者さんとともに、事務局さん挙げて、また私たちも周知に励みますが、ぜひ認知度アップに励んでいただきますようお願いをいたします。 私からは以上です。
○中窪会長 ありがとうございました。 それでは、オンラインで手を挙げている方が2人おられますが、まず冨髙委員からお願いいたします。
○冨髙委員 ご説明ありがとうございます。 私から2点発言させていただきます。まず、令和4年度版過労死等防止対策白書の労働時間の状況について、週労働時間の60時間以上の割合は雇用者全体で減少トレンドにあると思いますが、業種別では、情報通信業やほかに分類されないサービス業など6つの業種で増加に転じている状況であり、大きな課題だと認識しています。また、運輸業、郵便業においては、週60時間以上の雇用者割合が微減しておりますが、全業種の中で、最も高い状況は変わらず、過労死等の労災支給決定件数も最も多い状況でございます。 来月には、自動車運転者の改善基準告示の改正が行われることを踏まえ、上限規制の適用を含めた周知や監督指導の徹底、また運輸業等につきましては、その荷主への働きかけをはじめ商慣行、取引環境の是正が非常に重要だと考えておりますので、改めてしっかりと対策していただければと思います。 次に施策の実施状況についてですが、過労死等防止対策大綱の議論の際にも、フリーランスの課題は含めるべきといったやり取りがあったと承知しております。やはり今、IT化の進展に伴って、フリーランスなど曖昧な雇用で働く方たちが増えてきており、こういった方たちは労働関係法令が適用されないという状況の中、長時間労働是正などの働き方改革が進められている一方、労働関係法令の適用逃れを目的とした非雇用化などは大変懸念されるものと考えております。 現過労死等防止対策大綱において、フリーランスが安心して働ける環境の整備に取り組むとの文言は明記されておりますけれども、フリーランス等に対する過労死等の防止に向けた具体的な対策は十分とは言えず、より充実させるべきだと考えております。従来の考え方の周知啓発、相談対応にとどまらず、フリーランスや雇用類似で働く方たちの実態を把握するための統計調査等の整備、フリーランス等を念頭に置いた過労死等防止の取組を強化する必要があることを強調しておきたいと思います。 以上です。
○中窪会長 ありがとうございました。それでは、岩城委員、お願いいたします。
○岩城委員 岩城でございます。私からは、過労死等防止対策白書の56ページ以下にあります脳・心臓疾患の労災認定について意見を述べさせていただきます。 56ページの2つの表を見ますと、平成13年から令和3年の21年間で脳・心臓疾患の労災請求件数はずっと700件から900件台で推移していますが、それに対する認定件数を見ますと、平成19年の392件をピークに、平成14年から25年までは300件台で維持していたにもかかわらず、その後はほぼ一貫して減少傾向が続き、令和2年は194件、令和3年は172件とほぼ半減しています。これはなぜでしょうか。 令和3年9月14日に脳・心臓疾患の認定基準が改正され、従前の発症前1か月間に100時間、または2か月間ないし6か月間の平均で80時間という基準を維持しつつ、これに至らない場合でも、これに加えて一定の労働時間以外の負荷が認められるときは、業務と発症との関連性が強いと評価されることが明記されました。 また、労働時間以外の負荷要因について、勤務間インターバルが短い業務や休日のない連続勤務といったものが新たに追加されたり、心理的負荷を伴う業務について詳細な別表がつけられるなどしました。このような新しい認定基準によって、少なくとも令和3年の後半以降は、それまで、いわば時間外労働至上主義のような運用がなされていた状況が改善され、認定件数の増加が期待されるところでありました。 ちなみに、2001年12月に前の認定基準がつくられたわけですけれども、それまでは毎年70~80件前後であったものが、56ページの表の左端にありますように、認定基準改正を受けて、平成13年に143件、翌平成14年には300件を超えるようになりました。ところが、今回の認定基準改正後の、先ほど述べた令和3年の認定件数は令和2年よりもさらに減少していることに強い懸念を感じております。 この点、過労死等防止対策白書64ページの時間外労働時間別の認定件数の表では、月60時間以上80時間未満の認定件数が25件とありますが、この件数の多くは新基準の運用開始後の認定という理解でよろしいでしょうか。 私は、認定基準が改正され、労働時間以外の負荷要因についても併せて考慮されることになっても認定件数の減少が続いていることの原因は、厚労省の令和3年3月30日付け基発0330第1号の通達が、「労災認定のための労働時間は労働基準法第32条で定める労働時間と同義であり、労働者が使用者の指揮命令下に置かれていたものと評価することができるか否かにより客観的に定まるものであることに留意されたい。」としていることが大きく関係しているのではないかと感じております。 このように述べた東京地裁判決が1件あることは承知しておりますが、労働基準法上の労働時間は長時間労働の抑制という趣旨のもと、労働基準法違反や割増賃金発生の基礎となるという性格を持つのに対し、労災保険法上の業務起因性は、発生した災害が業務に内在する危険を現実化させたものかを判断するための概念であり、業務の量、労働時間の長さ以外の要因も含むより広い概念であり、両者は、趣旨・性格が異なるものであります。 この労働基準法上の労働時間と認定基準の労働時間を機械的に同義とすることは理論的根拠に乏しく、実際上も多くの裁判例は、使用者の指揮監督があり、時間外賃金を発生させる労働基準法上の労働時間かどうかにこだわらず、過重性判断の一つの資料としての労働時間を分けて、独自に労働時間の検討を行っているところであります。私は、この通達によって労働基準監督署が労働時間の認定に消極的、抑制的になっているために認定件数の減少が続いているのではないかと感じております。 労働時間の適切な把握が求められていますが、例えば手待ち時間、仮眠時間、移動時間、持ち帰り残業、テレワークなど、労働時間の認定が容易でない事案も数多くあります。このようなケースでの労働時間の認定はあくまで当該労働者が業務と位置付けて行ったかどうか、その作業について過重性があったかどうかが重視されるべきであり、必要以上に使用者の指揮監督や使用者の認識を重視すれば労働時間の切り捨てにつながりかねないと考えます。 いくら労働時間以外の負荷要因を考慮することにしても、最大の負荷要因とされる労働時間が過少に認定されれば、実情に即した認定にはならず、過労死防止を実現していくためにも、このような労働時間の定義をする通達やそれに基づく運用は改善されるべきだと考えますが、この点について厚生労働省のお考えを教えていただきたく思います。 私の発言は以上です。
○中窪会長 ありがとうございました。それでは、黒田委員、お願いいたします。
○黒田委員 過労死防止学会の黒田と申します。 冒頭に御質問、御発言がありました寺西委員の意見に関連して、私からも質問が1つあります。それは、地方公務員の長時間労働の問題です。この点は、総務省の御報告の中でも出てきた問題かと思うのですけれども、新型コロナウイルスの問題は、また再発しているという現状を考えてみると、なかなか前のようには戻らないような感じがしまして、先ほど労働基準法第33条の話につきまして、これだけ長時間続くわけですから、コロナ対応を33条3項の一時的・緊急という形での問題として考えるべきなのかどうか、ここは見直す必要があると思うのです。 質問としては、先ほど総務省の説明の中にも1点ありましたが、令和2年度地方公共団体の勤務条件等の実態調査、その結果を見せてもらったのですが、私の見方が悪いのかどうか、月45時間の時間外勤務をした職員数が集計されておりまして、この点は大変重要で貴重な調査だと思うのですが、そこでは時間外長時間労働として月45~100時間、100時間以上という区分でその実態が報告されています。総務省の報告の前の人事院の方では、時間外労働1か月100時間というものと、複数月の80時間とされているのですが、この総務省の調査ではそのような調査区分になっておりません。月45~100時間、100時間以上として、その中間の月80時間というのがデータとして出されていないのです。もしこの私の見方が間違っていないのであれば、なぜそのような区分にしたのかをお尋ねします。また過労死防止という視点から、人事院と同じような形で、月45~80、80~100、100時間以上という形で少し細かな区分で調査をして公表すべきではないかと思います。今後はぜひそういう形で調査を変えていただければと思います。 同じように、地方公務員に関してはもう一つ、概算要求関連で、過労死等に関わる調査研究に関して、地方公務員の調査も書かれておりますけれども、どのようなことを計画しているのか、少し教えていただけませんでしょうか。 2点目は、同じように、厚労省の令和4年度の実施状況、資料3の中に出てくる、これは今日のスライドの中では71ページ、2番目に労働・社会面から見た調査分析というのがありまして、その中に芸術・芸能分野(実演家)へのアンケート調査とあります。かつてはこの労働・社会面の調査は別な機関で調査しておりましたが、今回は過労死防止調査研究センターでしょうか、ここが調査分析されていると理解しています。この調査、今、調査中かと思うのですけれども、また、そもそもここはフリーランスが多い分野かと思うのですが、どのような形でどのような内容で調査しているのか、もしお分かりになるのであれば教えていただきたい。労働時間だけでなくて、メンタルヘルスやパワハラ、セクハラなど様々な問題、この芸能関係分野では多いように思うのですけれども、どういう調査なのか、ぜひ教えていただきたいと思います。 それから3点目ですが、同じように概算要求に関わってですけれども、勤務間インターバル制度導入の中小企業への助成金支給と書かれております。96ページにあるのですけれども、これはこれまでの実績と今年の見積もり、あるいは予定、どのようなものになっているのか、ちょっと教えてください。 以上3点です。よろしくお願いします。
○中窪会長 ありがとうございました。それでは、髙橋委員、お願いいたします。
○髙橋委員 髙橋でございます。私からは、大まかに3点お話しします。 今回、過労死等防止対策白書で勤務間インターバル制度を導入していない企業の中で制度を知らなかったからという企業が増加しています。認知度が減っているという報告があり、大変残念に思います。勤務間インターバル制度を導入、認知度を上げていくという目標設定が挙げられていて、その中で下がっているということです。先日、バス・トラック運転手さんにインターバル規制9時間が義務化されるということを伺いました。9時間というのは十分ではありませんが、このバス・トラック運転者、事業所に対して勤務間インターバル制度が導入され、勤務間インターバルが締結されて勤務間インターバル制度の導入事業所が増えていくのかどうか、どのようにお考えなのかということと、この義務化ということに対して、ほかの業種、業種を問わず、全職種にどんどん広げていってほしいなと思います。 あと2点目なのですが、今回、過労死等防止対策白書は10年間の調査研究の集大成が報告されたと思います。先ほどの文部科学省さんの報告で、学校現場は特効薬がない中で働き方改革を行っていかなければいけないという報告がありましたが、私、個人的なのですが、小学校で勤務しておりまして、勤務校では、新型コロナウイルス対策で、児童の登校時間を遅らせる、かつ、授業と授業の休憩時間を短縮する、その中で授業の終了時間も繰り上げて、児童が下校する時間も早くなっています。当初はコロナ対策で児童の登校前から教員は出勤して健康チェックをしていましたので、職員は以前より早く出勤しなければいけなかったのですが、登校時間を遅らせることで職員の負担は減りました。児童の在校時間はコロナ前より50分減って、教員は授業準備や会議に余裕ができました。そして、各行事なども、ウィズコロナということで、少しずつもとには戻ってきていますが、今までやってきた、新型コロナウイルスでどのように行事を行ったらいいのかということを学校の先生、現場の先生たちが考えて、学校現場のほうも職員たちの働き方改革をこのまま続けていこうではないかということで、私の勤務校では行っています。 しかし、小さい町なのですが、全ての町の学校で行われていなくて、ほかの学校、全国でもそのような取組がされていければ先生たちの負担もどんどん減っていくのではないかなと考えているところであります。勤務校では6時以降は留守番電話にするとか、小学校のプールを夏休みに解放することを取りやめるなど、これまでは考えられなかった業務の削減をする工夫をして、保護者や地域の人に理解してもらったそうです。小学校ではプログラミング学習や外国語の教科が増えて教師のやらなければならないことは増えるばかりです。学校はこうあらなければならないと言うこれまでの固定概念を取り除いて、教員の働き方の改善につなげて欲しいと強く感じています。 それから第3ですが、今回の過労死等防止対策白書は10年間の集大成ということで、10年間の調査研究が十分行われて、過労死が起きる原因がしっかりと分かってきたのではないかと思います。過労死は原因があるところに起きています。長時間労働、ハラスメントや長時間過重労働があるところに労働者は苦しみ、病気になり、命を失っています。そして、年々精神障害からの労災請求件数は増えている。それも本当に悲しいことだと思います。 仕事が原因で亡くなる人や健康を失う人は減っていない。過労死等防止対策推進法が施行されて8年になりますが、増えているということは本当に悲しいことです。ここにある死亡者の数はただの数字ではありません。一人ひとりの人生があり、その人の周りの人、本当に大切に大切に育んで育てた家族がいて、亡くなったお父さん、お母さんには残された子供たちがいます。今回、精神障害の労災認定数、30代は減っているが、40代は増えている。何歳だから亡くなっていいというわけではありません。例えばこども園で3歳の小さい子が亡くなる痛ましい事故が起きたら、事故の再発防止に取り組むことができます。それをどうか過労死等防止においても行ってほしいと思います。 私たち遺族はもう二度と過労死を出してほしくないです。先ほど寺西委員からも、同じ事業所から過労死の再発が起きたという、それに対して検証してほしいという要望がありましたが、大企業で過労死が繰り返されているという事業所が何ヶ所もあります。また、中小企業においては、中小企業だけではないですが、労災認定がされていても、民事損害賠償請求では、事業所のほうが仕事が原因ではないという争いをもって、遺族に対し謝罪もしない、損害賠償もしないということがあります。そういう事業所では再発防止すら期待することはできません。 今後、過労死等防止対策白書には過労死を起こした事業所がどのように再発防止を決意して再発防止策を講じているのか、コラムなど、好事例として掲載してほしいなと思います。また、国からはこの10年間の調査研究をもってどのようにして事業所が再発防止を行ったらいいのかということをコラムにして、具体的にどのようなことをしていけばということを示してもらいたいと私からはお願いしたいと思います。 私からは以上です。ありがとうございました。
○中窪会長 ありがとうございました。それでは、西尾委員からお願いします。
○西尾委員 西尾と申します。本日からよろしくお願いします。 「過労死等の現状」でございますが、精神障害の労災請求件数や支給決定件数はともに増加傾向であり、また自殺者数も横ばいとなっておりまして、労働組合としても深刻に受け止めなければならない事態だと認識しております。 その中でも、業種別のデータがございますが、情報通信業は精神障害の労災支給決定件数の上位を占めている中、取引の関係において、発注者から納期厳守や不規則な要望があるといった取引環境の課題が明らかになっております。また、IT業界の働き方改革サポート事業の取組が記載されており、これは個別の労使でも取り組んでおりますが、その取組支援に加えて、取引環境の改善に向けて、さまざまな業種の発注者に対する効果的な啓発など、一層の対応をお願いしておきたいと考えております。 また職場におけるメンタルヘルス対策の関係では、取り組んでいる事業所の割合が2020年度よりも減少しているということで、来年度に目標値の80%達成が掲げられておりますけれども、到達が厳しい状況だと考えています。 そこで質問ですが、「過労死等防止対策の推進」に関して、相談体制の整備として、労働条件や健康管理に関する相談窓口の設置と記載されており、小規模事業場におけるメンタルヘルス対策等の産業保健活動への支援事業も盛り込まれています。この予算の増減を含めて具体的な取組の方向性についてお伺いしたいと思います。 さらに、メンタルヘルス対策に取り組んでいる事業所割合が少なくなってきている主な原因は、50人未満の事業所での取組が進んでいないということであり、小規模事業所に対する重点的な取組をお願いしておきたいと思います。 私からの発言は以上です。
○中窪会長 ありがとうございました。それでは、工藤委員、お願いします。
○工藤委員 ありがとうございます。神奈川家族の会の工藤と申します。 私からは3点述べさせていただきます。まず、地方公務員の働き方、過労死防止の点なのですけれども、82ページにあるように、「地方公務員の過労死等をめぐる調査・分析の取組」をされていらっしゃって、それを研修などでも生かしているというお話が先ほどございましたけれども、例えば地方公務員災害補償基金は、公務災害事案をたくさん持っているかと思いますが、地公災のほうと総務省のほうで定期的に何か情報交換とかそういうことをしていらっしゃるのかということと、人事院のほうから、過労死等の分析をして、職員への配慮とか、あと、各府庁への指導助言ということがありますが、総務省のほうもそういうことをしていらっしゃるのかということをまず1点お伺いしたいと思います。 2点目ですけれども、啓発事業につきまして、文科省のほうから各教育委員会宛てに、学校の先生に周知啓発をということで、72ページにも載っておりましたけれども、学校の先生とお話ししましたら、先生の手元にきちんと届いているということで、きちんとやっていただいたことに心から感謝申し上げます。 その先生がおっしゃるには、公立学校で行うということが、やはりとても忙しくてなかなかできない、難しいなあと、私たちのほうにも問題があるかなとお話をしていらっしゃいました。例えば具体的な取組例とか、またいろんな工夫が要るのかなということを感じております。 3点目なのですけれども、教員の過労死等につきまして、上限が定められていますけれども、まだ超えていて、管理職から早く帰るように言われているけれどもなかなかできないという、早く帰ることが管理職から目的化されているという話を聞いております。管理職とか、委員会のほうの研修として、例えばこの過労死等という観点からの研修があってもいいのかなと思います。 総務省さんが行っているような、例えばワークライフバランスの実現とか、管理者が講ずべきメンタルヘルス対策とか、そういうまた違う視点からの研修があってもいいのかなと思ったところでございます。 私からは以上になります。ありがとうございます。
○中窪会長 ありがとうございました。それでは、渡辺委員、お願いいたします。
○渡辺委員 過労死家族の会の渡辺と申します。御指名ありがとうございます。 私からは2点お願いしたいと思います。今年も、内容が詰まった過労死等防止対策白書を作成していただきまして、ありがとうございます。過労死の実態についての調査研究から、防止についての行動も考えることができますので、これにより、過労死を未然に防ぐことができるような行動につながることを期待しております。 私からのお願いの1点目ですけれども、過労死の防止のための啓発対策として、スライドの14ですとか32ですとか69に、ポスターとかパンフレットの配布に関する活動が書いてあります。今年度の図案は、「しごとより、いのち。」という言葉が大きく入っており、私たち遺族が一番訴えたいことを取り上げてくださって、ありがとうございました。 先日、過労死の御遺族とお話しする機会があり、この過労死等防止のパンフレットをお見せしたところ、今まで御覧になったことがないとのことでした。一番必要としている人の手に渡っていないと残念な気持ちになりました。市役所のロビーなど、普通の一般の人々の目に止まるところに過労死等防止のパンフレットを置いていただきたく、昨年度はパンフレットを持って何か所かの市役所を回りました。 そのとき対応してくださった人たちのコメントを昨年度の協議会で発言させていただき、今年度の改善をお願いいたしました。今年度も数か所の公共の場を回って確認いたしましたが、1か所だけ、昨年度のものでしたが、ロビーにパンフレットが置かれておりました。あちこちの市役所の方たちとお話しして、厚生労働省から届いているとは思いますが、どこに置かれているか分からないということでした。過労死被災者はもとより、家族の過重労働に不安を感じている普通の人たちの目に止まり、手に取れるような場所に置いていただきたく、よろしくお願いいたします。 また、公共の情報メールを利用するということはできないでしょうか。11月は児童虐待防止推進月間だそうで、11月に入るとすぐに市役所から住民に対して注意喚起の一斉メールが入りました。過労死等防止啓発月間も、広く多くの人に知っていただくために、公共機関の一斉メールを利用することをぜひとも御検討いただきたく、よろしくお願いいたします。 2点目は、過労死遺児のための取組です。スライド73に昨年度の実施報告を出していただいておりますが、12月に新型コロナウイルス感染者が落ち着いているときに対面で実施することができました。参加の御家族は、2年ぶりに会って、子供たちも保護者も大変喜んでおりました。子供たちのために有意義な集まりを御支援していただき、感謝しております。 また、今年は、スライド60にありますように、遺児のための相談体制の仕組みもつくっていただき、オンライン相談会の取組を行っていただき、本当にありがとうございます。 子供たちが自らこの仕組みを使えるようになるまでには、周知させたり心理士さんとの信頼関係をつくる必要がありますので、しばらく時間が必要かと思いますが、引き続きよろしくお願いいたします。 過労死は、真面目に頑張って働いた結果、死に至ります。そのことは周りの家族に深刻なダメージを与えます。このことが子供の将来にどんな影響を与えるか、ようやく関心を持っていただけるようになりました。遺児たちもようやく心理的な支援の必要性を認めていただけて感謝しております。 最近お会いした御遺族も、まだ小さいお子さんを残してお父様がお亡くなりになった人です。若い労働者が家族のために無理をして働き、過労死、過労自死で亡くなる事案が依然として後を絶ちません。そして、ご存じのとおり、過労死だと認められない事案のほうが多いのが実態です。このことは子供たちの将来に大きな影響を与えます。みんな命をかけて立派に働いたお父さん、お母さんです。でも、労働時間が証明できなかったり、ハラスメントの証拠がなかったりということで労災に認められないと、進学先や就職先にまで影響が出ます。中学、高校の時期に親を失って、過労死と認定されるまでに何年もかかると、一番支援が必要な、お金が必要なときに支援がないということになります。それによって子供の未来が影響を受けるとしたら、亡くなった父親、母親は浮かばれないでしょう。経済的な面を親が一人で支えている家庭、特に母親だけの一人親家庭の貧困は社会問題になっています。交通事故の自賠責保険のように、過労死遺児のためにも、過労死認定の有無とは別に、働いていた親を亡くした子ども達にせめて就学費用を支援していただく仕組みはできないでしょうか。御検討をよろしくお願いしたいと思います。 私からは以上です。ありがとうございました。
○中窪会長 ありがとうございました。では、戎野委員からお願いします。
○戎野委員 ありがとうございます。大きく2点、今後の検討に当たって、重視していったらいいのではないかということをお話ししたいと思います。 1つは精神障害です。多くの委員が御指摘されていましたが、8ページ、9ページ辺りに示されていますように、やはり今後注視していかなければならない課題であるということは一目瞭然だと思います。この問題は、当人が自分で認識して、自ら行動を起こし積極的に対応して解決できるということが難しいということが1つ大きな特徴にあると思っています。そのため、周囲の人であったり、特に上司であったりが、いかにこのメンタルヘルスに関する知識をもって対応していくかということがとても大事で、既にいろんなところで行っているという報告も今回あったかと思います。しかし、この問題について、もう一つの特徴として注目しなければいけないのは、精神障害を発症している年齢層です。これを見てみると、管理職や管理的立場、責任ある立場にいる人たちがそういった問題を抱えているということを十分注意していく必要があるのではないかと思います。 したがって、この問題に対しては、やはり全社的な取組というのが非常に重要であって、また、管理的な立場の人だけではなく、第三者、企業の中のある担当部署なりが見ていく、調査していく、そういった対応が必要になってくるかと思いました。 また、全社的な取組、把握する部署の設置等によって効果を見出しているようなところがあれば、そういったものを紹介していくということが、ほかの企業や、多くの労働者にとって参考になると思いましたので、今後そういった好事例など、より効果が発揮できたものを紹介していくといいと思います。 2つ目は働き方の変化に関してです。今、働き方は多様化していますし、諸条件によって働き方もいろいろ複雑になっていると思います。その中の一つに、所得減少によって兼業・副業を行うという人も少なからず出てきていることがあると思います。もちろんポジティブな意味で兼業・副業する人もたくさんいるのですが、仕方なくというか、所得のためにと。物価高もございまして、そういった動きが一部で見受けられると思っています。 兼業・副業については、まだまだ多くの人が十分な理解ができている働き方ではないと思います。そういった中で、トータルの労働時間をどのように管理していくのか、また、今申し上げた精神障害など、労働時間のみならず、心身への負荷についてどのように判断していくのかといった、健康の維持、安全の保持というものに対しても今後我々は注意して見ていく必要があるのではないかと思っております。 そして、働き方の変化に関しては、もう一つ、ウィズコロナという体制です。これまで、コロナのために長時間労働などかなり無理していた部分が、ここまで長期化してくると持ちこたえられなくなってきている。残念ながら、この先、終息していくという見込みがなかなか見えない中で、非常に不安であり、どこまで続けられるのかという、心身ともにその負荷が蓄積されてきてしまっているというところは見ていかなければいけないのではないかと思います。 さらには、この冬にはインフルエンザのことも懸念されますので、医療、介護分野、こういったところをはじめとして、このウィズコロナ体制というものに対しても常時実態把握とチェックが必要なのではないかと思いました。 最後になって、申し遅れましたけれども、今回、テレワークについての調査がありました。このような、実態を把握できる、また検討できるデータがあると、分析に当たって大変有益かと思います。こういったものをモデルにしながら、兼業・副業であったりウィズコロナ体制というものも今後見ていったらいいのではないかと思った次第です。 以上です。
○中窪会長 ありがとうございました。 前回までは途中で切ってお答えいただいていたのですが、今日はもう全体を通して皆さんにお話しいただいた上で、まとめて事務局からお答えいただきたいと思います。 それでは、川人委員、お願いいたします。
○川人委員 川人と申します。私から3点お話ししたいと思います。質問も一部あります。 まず第一に、いわゆる労災保険料のメリット制をめぐる現在の厚生労働省の制度設計の動きについてです。労災の業務上の判断、労災認定が出た場合に、現行制度では、その後、何年か後に、事業主が負担する労災保険料がアップされるということになることが多い。そのことについて、労災保険料がアップするということに対する異議申立てを行い、そして、それに関連して、そもそも労災認定をした労働基準監督署の判断自体が誤りであると、このような主張を行う動きが最近事業主から出ております。 これまで私が把握している範囲では、下級審含めて、地裁、高裁では請求は退けられていますが、現在、厚生労働省内で審議がされていると聞いております。私は、この問題について、ぜひ過労死防止との観点から慎重な制度設計を行っていただきたいと思います。 といいますのも、過労死の労災認定を労働基準監督署が行った場合に、それを受けて、会社のほうで職場改善なり様々なハラスメント防止等を行うということが、この間、不十分ながらもだんだん定着してきているわけであります。ところが、労災の決定に対して不服申立て、いずれできるのだということが行われた場合に、職場の改善という意味で、むしろ職場の関係者が居直ってしまうという危険性があるのではないかということであります。 今回の制度設計では、労災認定が一旦されたものについて、遺族に対する、あるいは被災労働者に対する保険金は引き続き継続されるということについては変わりがないという設計で進められていると聞いておりますが、しかし、過労死防止との関係で、この制度設計については十分慎重な審議を行い今後進めていただきたいと、このように考えております。 仮に何らかの形でそういう一見明白な誤りがあるような場合についてのみ、労災保険料の増額について再検討するということはあり得るかもしれませんが、いずれにしても、過労死防止の職場の改善との関係で、この問題が後ろ向きにならないような配慮を求めたいと思います。この点、労災管理課からのお答えをお願いしたいと思います。 2番目に、昨年5月に、WHO、ILOが、世界で74万5,000人が過労により、長時間労働により脳・心臓疾患で亡くなっているという報告を行いました。御存じのように、SDGsのゴール8で、ディーセントワークの実現ということで世界的な取組が始まっています。 その意味では、過労死は日本の問題だけでなく、世界的な課題にもなっております。私ども、弁護士の仲間で、世界に向けて、今度、過労死の英語版をつくり、関係各機関、国際機関に実態を伝えようと考えておりますが、ぜひ厚労省においても外務省等とも協力しながら、国際的な連携のもとで、日本の過労死、さらに世界の過労死をなくすための努力をお願いしたいと思います。 最後に、3番目にメディアについて一言申し上げたいと思います。今年度重点業種としてメディアについて調査されるということになっております。残念なことに、今年の8月に、都内の労働基準監督署でテレビ局の記者の過労死の労災認定がなされました。とりわけ、この同じ職場で6年前に記者が死亡している、労災認定されているということがあり、働き方改革を実現しようという掛け声とは別に、このような同じ部署での誤り、失敗、そして尊い犠牲が生まれているということについて、ぜひとも今後厚生労働省の調査研究において、なぜこのような事態が繰り返されるのか、労務管理の何に問題があるのか、あるいはもっと様々な社会的な要因があるのかということをしっかりと調査いただきたいと思います。 以上でございます。
○中窪会長 ありがとうございました。それでは、永田委員、お願いいたします。
○永田委員 ありがとうございます。自治労の永田と申します。 先ほど寺西委員から地方公務員の過労死の件でお話がありましたが、私どもも地方公務員の組合として、この間、保健所で働く職員の問題についてアピールをさせていただくとともに、基本的な安全衛生委員会等で毎月の残業時間等をチェックし、必要な人員を配置するという取組を全国でやっておりますが、まだまだ不十分だと考えております。今後、皆様と連携しながら、よりよい方策を求めていきたいと思いますので、ぜひよろしくお願いいたします。 その上で、民間と公務における勤務間インターバルについて御要望させていただきます。勤務間インターバル制度を知らない企業が15.4%に増えており、特に中小企業で制度を知らないという回答が多くなっています。そういったことを踏まえれば、中小企業には制度導入のための助成金を含めて、丁寧な周知が不可欠だと考えております。 一方、啓発に関する全体の予算については毎年少しずつ減ってきております。予算が多ければいいというわけではありませんが、一定の予算を確保した上で、勤務間インターバル制度の認知向上に向けて周知啓発の取組を強化することが重要だと考えております。 国においても、2025年までに勤務間インターバル制度の導入企業割合を15%以上にするとした目標がありますので、目標達成に向けて、労使の取組に加えて、国としての支援策の充実にも取り組んでいただきたいと思います。 次に、公務における勤務間インターバルについてです。人事院からも「テレワーク等の柔軟な働き方に対応した勤務時間制度等の在り方に関する研究会」の話がございましたが、国家公務員の勤務間インターバル確保に関して議論されており、恐らく来年の人事院勧告時に何らか報告されると認識しております。 この研究会においては、公務員労働組合連絡会もヒアリングを受けており、「勤務間インターバルを実効性ある制度にするためには、法的な位置付けを明確にすることが大切である。」、「勤務間インターバルについては、ILOなどが示す11時間以上とするべき」など意見を述べさせていただきました。この要望に沿って、制度設計が行われることを期待いたします。 また人事院の報告は、地方公務員においても非常に大きな影響を与えます。地方の現場からは、大規模災害時に対応する際の勤務間インターバルの必要性を聞いております。実際に、地方では、大規模水害や鳥インフルエンザ等で特例業務として上限を超えて働かざるを得ない実態がございます。災害時においては、住民の命を守るために、一定長時間にわたって勤務に従事することはやむを得ないということもありますが、そういった場合でも、勤務間インターバルを導入して職員の健康を守る必要があると考えております。各省庁においては、実効性のある勤務間インターバル制度導入に向けて、取組をお願いしたいと思います。
○中窪会長 ありがとうございました。それでは、宮本委員からお願いします。そろそろ時間が迫ってきましたので、皆さま、できるだけ簡潔にお願いできればありがたいと思います。
○宮本委員 宮本でございます。御指名ありがとうございます。 詳細な過労死等防止対策白書、また取りまとめの資料、ありがとうございます。本日の資料の96ページの来年度の予算のところで、啓発のところに医師、あるいはドライバーの対策というのを書かれているのですけれども、啓発も確かに重要でございますが、過労死等防止対策白書の228ページから、特定のそういった業種については、5年間猶予されて、2024年問題と言われているところのお話が書かれています。 ドライバーなどは具体的に書かれていて、大変ありがたいと思うのですが、過労死等防止対策白書の238から239ページあたりにある、医師の働き方改革につきまして、この進捗が今どうなっているのか、なかなか見えないところがございます。239ページの図も、2022年4月からが空白になっておりまして、あと、施行まで1年4か月になってしまっているのですけれども、具体的に医師の働き方改革が進んで行っているのか心配しております。病院経営を圧迫するという声が出ていることも聞いておりますが、例えばABC水準という病院の格付けによって何かが許されるとかそういうことではなくて、全体的に医師の働き方を改善し、長時間労働を減らすということで対策が進んでいっているはずなので、この進捗、あるいは課題感について分かるところがあれば教えていただきたいと思います。どうぞよろしくお願いいたします。
○中窪会長 ありがとうございました。それでは、鈴木委員からお願いします。
○鈴木委員 御指名ありがとうございます。鈴木でございます。 私からは、過労死等の防止に向けた経団連の最近の取組を御報告させていただきたいと思います。 1点目は、今月の「過重労働解消キャンペーン」に合わせた周知啓発活動の実施でございます。ちょうど1週間前の14日、経営者や人事担当者約240名が参加する「過重労働防止対策セミナー」を開催いたしました。本協議会の委員でいらっしゃいます川人先生と木下先生、それから小売業の総括産業医のお三方から、経営層が果たすべき役割や具体的な過重労働防止対策について御説明をいただきました。また、経団連の小路副会長より、過重労働防止の取組強化を訴えたところでございます。 2点目は、先程来お話があります長時間労働につながる商慣行の是正に向けた取組でございます。まず、民間企業における商慣行の是正ですが、パートナーシップ構築宣言の企業を増やすべく、経団連の役員会で会長自らが繰り返し参加の呼びかけをしているほか、先ほどご紹介したセミナーにおいて、国土交通省の担当者から、建設工事発注時の適正な工期の確保などの周知をいただいたところでございます。 次に、官公庁取引における商慣行の是正でございます。昨年7月、変更された過労死等防止対策大綱に各府省等への呼びかけを盛り込んでいただきました。どうもありがとうございます。厚生労働省の御協力もございまして、ペーパーレスやハンコレス等のデジタル化を通じた改善も見られるところですが、まだ長時間労働につながる商慣行が残っているようです。そのため、先月、厚生労働省に対しまして、3度目となる要請文の手交をさせていただきました。いわゆるGtoBの商慣行の是正は、行政機関の職員の方々の働き方改革にも資する面があると考えておりまして、さらなる改善に向けてお願いを申し上げます。 こうした種々の活動を通じまして、引き続き健康で充実して働き続けることのできる社会の実現に寄与してまいりたいと思っております。 私からは以上でございます。
○中窪会長 ありがとうございました。それでは、山鼻委員、お願いします。
○山鼻委員 御指名ありがとうございます。山鼻でございます。 1点目はお伺いです。71ページの調査研究で、4番に「過労死等防止対策支援ツールの開発等」と書かれております。これは以前、チェックリスト等開発とお伺いしているのですが、こちらのほう、非常に企業にとっては一つの目安として参考になると思いますので、これがいつ頃できるのかという見通しがもしありましたら教えていただきたく思います。 もう一点なのですが、資料5にあります内閣人事局様の取組の中で、4番に「WLB推進のためのマネジメントの向上」ということを挙げていらっしゃいます。いろいろやらなければいけないことというのは企業もよく分かっているのですけれども、どうやってそれを具体的にしたらいいかということに悩まれている企業が非常に多いので、マネジメントの具体的な行動例や、これまでの研修・セミナー等の事例や企画立案の知見を併せて提供し、と書かれておりますので、このような好事例がありましたら、ぜひ民間のほうでも分かるような形で御提供いただけると非常にありがたいと思っております。 今、厚生労働省さんでも、YouTube、かなりつくっていらっしゃいまして、直近で出されていた育介法のもの、非常に分かりやすく、私どもの会員にも非常に好評ですので、このような形で民間でも情報共有させていただけると非常にありがたいと思いますので、可能な範囲で結構ですので、御検討いただければと思います。 以上です。
○中窪会長 ありがとうございました。では、佐久間委員、お願いいたします。
○佐久間委員 ありがとうございます。 資料1の5ページに所定外労働時間が載っておりまして、これは12月の全業種を見ますと10.6時間となっています。私どもが今年の9月に、調査時点は7月1日だったのですけれども、まとめた全国2万社の中小の事業者の時間外労働を見ますと、10.56の時間数が出ていました。昨年は9.5時間だったのですね。ですから、経済活動が徐々に、コロナとともに動き出していくとなると、経済活動が巡航速度になっていくにつれ、残業時間も徐々に出てくるのだろうと思います。 先ほどもお話ありましたけれども、逆に規模の小さい中小企業は、残業時間の数というのは結構少ない傾向があります。私も、この協議会でも以前から申し上げているところですが、勤務間インターバル制度について、中小企業の導入はまだ少ないのですけれども、PRをしながら導入させていくということが必要なのではないでしょうか。時間外労働の時間が少ない企業に入れやすいわけですよね。実態としては時間外労働がそんなにないわけですから。もちろん、中小企業の数は多いですから、見えないところで労働者に過労させている案件もあると思いますけれども、「勤務間インターバル」という言葉を知らない事業者はほとんどいないというのですね。しかし、助成金とかそういうのがセットになった形での制度がまだまだ十分に知らないのだろうなということがありますので、私どももPRはしているのですが、ここはいろいろな事業機会において、例えば労働局とかハローワークとか、中小企業と接するときにいろんな支援策とかの中でPR、この勤務間インターバル制度、こういうのありますよと言いにくいと思いますけれども、何とか労働局、ハローワークのほうからも、企業と接するときにはやはり優先的な形でPRしていくということが必要なのではないかなと思っております。 特に、先ほど永田委員からもお話があったとおり、運輸、宿泊、飲食、教育、学習支援、そして公務、建設ですね。この業種というのはどうしても労働時間長かったり適用除外になっていたりとかしております。でも、また経済活動が活発になるとそれだけ人手不足感はまだまだ出てくる。そこで見ていると、労働集約的な、人を使うという業種は偏りがあるのではないかなと思っています。仕事から離れるということが一番重要なところだとは思うのですけれども、ぜひこの勤務間インターバル制度というのも推進しながら、これは労働側、使用者側、そして行政側が主体となった取組、PRをしていかなければいけないなと思っております。 以上でございます。
○中窪会長 ありがとうございました。それでは、よろしいでしょうか。 それでは、以上様々な御意見をいただきました。御質問もありましたので、それぞれのご担当から発言をお願いしたいと思います。
○総務課長 労働基準局総務課です。 ただいま、寺西委員、髙橋委員、川人委員から、過労死を起こした企業での再発防止の徹底について御指摘をいただきました。現在も過労死の起きた事業場、あるいは長時間労働が疑われる事業場に対しては重点的監督を行って、再発防止に取り組んでいるところです。また、これまでの御指摘を受けて、今年度から、過労死を起こした企業を含めて過労死等防止対策推進シンポジウムへの参加の案内といった取組も始めております。 その上で、高橋委員や戎野委員も改善事例の紹介との御示唆もいただきました。大変重要な御指摘だと思っております。今後ともどのようなことができるかを検討しながら再発防止の取組をしっかり進めていきたいと考えております。 寺西委員から、ガイドラインの認知度が低いのではないか、また、冨髙委員からも、取引環境の改善を含めた周知、指導、西尾委員からも、発注者への啓発、といった御指摘をいただきました。働き方改革を進める上で、発注元の御理解、御協力をいただくことは大事だと思います。現在、基準やガイドラインが業種ごとにございます。その周知徹底を進めていくということ、また、業界ごとの特性を踏まえて特別の相談窓口も設置を進めております。個別の発注元への働きかけも含めてしっかり取り組んでいく必要のある課題だと受け止めています。 黒田委員から芸術・芸能分野のアンケート調査について御質問をいただきました。所管の独立行政法人で調査を進めており、業界の方の御意見もいただきながら、芸能分野の労働時間の状況や、例えば芸能の方ですと、舞台に立つ時間以外にも、稽古の時間、道具の手入れの時間などがあるといった実態やハラスメントの状況、あるいは将来への不安などの意識面も含めて調査を行うことができればと考えております。 冨髙委員から、フリーランスの実態把握についても御指摘をいただきました。現在も、自営業の方へのアンケート調査を実施しておりますが、芸術・芸能分野にもフリーランスの方が多くいらっしゃいます。そうした調査を進めることで、フリーランスの方の実態把握にも資することができるのではないかと考えています。 渡辺委員から、周知啓発に関して、市役所での周知について御指摘をいただきました。かねてから御指摘いただいておりましたが、なかなか自治体に対してどこで配るかを指定することは難しい面があります。しかしながら今年度から、従来、厚生労働省からは労働政策の担当部局に周知を依頼しておりますが、そこに任せるだけではなく、各自治体の広報担当部局とよく相談をして、効果的な周知を行ってほしいとお願いしております。そうした中で少しでも効果的な周知につながればと考えております。 川人委員から、国際的な取組についての御指摘をいただきました。大変大きな御指摘かと思います。つい国内の状況に目を向けてしまいますけれども、アンテナを高くして、そうした動向にも目を向けていきたいと考えております。 山鼻委員から、支援ツールの作成の見通しについて御質問いただきました。まだ研究機関で検討を続けているところであり、見通しは立っておりませんが、できる限り早く成案が得られるように連携をしていきたいと考えています。 私からは以上です。
○労働条件政策課長 労働条件政策課長です。 まず、冨髙委員からお話がありました、働き方改革関連法の施行がまだ終わっていない業種、建設業や自動車運転者について、私どもも強く意識しております。上限規制の適用が令和6年4月に迫っておりますので、施行をしっかりできるように私どもも力を入れてまいりたいと考えています。 勤務間インターバルについて周知が足りていないとの御指摘をいただきました。今、総務課長もお答えしましたが、私どもも様々なツールを通じて周知をしておりますが、なかなかまだ至っていない部分がある点は反省しなければならないと考えています。 一方で、本年度、これから勤務間インターバルに関するシンポジウムなどを企画しておりますので、できるだけ国民の皆様に対して、勤務間インターバルという名前も含めて、その趣旨、どういうことに効果があるのかをしっかりアピールしてまいりたいと考えています。 黒田委員からご質問をいただいた勤務間インターバル助成金の実績です。働き方改革支援助成金自体、令和3年度の全体が約6,600件で、このうち勤務間インターバルは約230件です。36協定を見直して上限を下げるというものにも助成金が出ておりますが、こちらが6,000件程度です。 令和4年度も同程度の66億程の予算としており、ほぼ同じ件数の申請を想定しています。また、補正予算案において、この助成金についても20億程度を要望しており、取組を一歩進めてまいりたいと考えています。 佐久間委員からご指摘いただいた、勤務間インターバル制度の周知については、今の周知と、もう一つ、働き方改革推進支援センターで無料でのコンサルなども受けられますので、そういう取組についても周知啓発をしてまいりたいと考えています。 宮本委員からご質問いただいた医師の働き方改革です。これも令和6年4月からの施行で、先ほどお話をいただいたように、時短計画を既につくらなければならなくなっており、その上で第三者機関による評価を行い、都道府県が指定することとなっています。あと1年ちょっとに迫っておりますので、こちらは既に動いている状況になっています。一方で、医療の現場に支障を来さないということも大事な視点ですので、医政局と当局が一緒になり、医療の現場に対するヒアリング等も行い、この働き方改革と医療の現場がしっかり回るような形で対応してまいりたいと考えています。 私からは以上です。
○監督課長 監督課です。 冨髙委員と髙橋委員から自動車運転者の改善基準告示や勤務間インターバルについてお話をいただきました。改善基準告示について、働き方改革関連法の国会附帯決議でも、過労死等の防止の観点から見直しが求められてきたことを踏まえ、労働政策審議会のもとに設置した専門委員会で告示見直しの検討をしてまいりました。その結果、本年9月27日に報告が取りまとめられ、現在、その内容に沿って告示改正の作業を進めています。 この取りまとめにおいては、ハイヤー・タクシー、トラック、バスの3業態のいずれについても、1年、1か月、1日の拘束時間の基準を現行から短縮するとともに、休息期間、つまり勤務間インターバルについては、現行では継続8時間以上となっているところ、これを継続11時間以上与えるよう努めることを基本とし、継続9時間を下回らないという内容になり、11時間以上の休息期間が確保されるよう、労使の自主的な改善を促すということになっています。 今回の取りまとめ内容は、公労使で活発に御議論いただいた結果であり、全体として過労死等の防止につながるものとなったと考えています。改善基準告示の履行確保の観点からは、事業者や労働者だけではなくて、発注者などにも幅広く周知することが適当とされたところであり、関係省庁と連携して、改正内容の周知に努めてまいりたいと考えています。 以上です。
○労働衛生課長 労働衛生課長です。 西尾委員から、中小企業のメンタルヘルス対策についての課題、さらに国としての支援の必要性について御意見、御質問をいただきました。厚生労働省としても、メンタルヘルス対策に限らず、中小企業、特に小規模事業場に対して必要な産業保健サービスを届けることは重要な課題であると認識しています。 そのため、財政的な支援として、商工会や同業者組合など小規模事業場等の活動支援している団体に対して、その傘下の中小企業に産業保健サービスを提供するために、産業医、保健師、また最近では包括的に産業保健サービスを提供する事業者もおりますので、そうした事業者と事業者団体が契約をして、傘下の小規模事業場に産業保健サービスを提供する際に必要な費用を助成する新しい助成金を予算要求しています。 令和5年度と、それを前倒しする形で、令和4年度二次補正予算でも要求をしています。そうした助成金をしっかり活用いただけるよう周知してまいりたいと思っています。その際、小規模事業者の方は、自らそうしたサービスを必要だと申し出るとは限りませんので、できるだけプッシュ型で、事業者団体側から積極的に、傘下の小規模事業場に活動していただけるようなこともお願いしていきたいと考えています。
○補償課長 補償課です。 岩城委員から大きく2点御質問、御意見をいただきました。1点目は、脳・心臓疾患の認定基準を昨年改正したのに全体として認定件数が減少している理由についてです。これは、特に最近は請求件数自体が減少しており、その確たる原因について一概に申し上げることは難しいですが、新型コロナウイルス感染症の影響や、働き方改革の取組などによって労働時間が減少していることが可能性として考えられるところです。 また、認定基準は、前回は平成13年に改正しましたが、改正の内容や影響度、そのときの社会情勢等が様々関係してくると考えられますので、なかなか一概に論ずるというのは難しいと考えています。ただ、周知は重要ですので、引き続き適切に対応していきたいと考えています。 1点目の関係ですが、令和3年度の時間外労働の時間別認定の状況では、御指摘のとおり2か月から6か月平均で月80時間未満が25件あります。今回、労働時間と労働時間以外の負荷要因を総合して労災認定するという取扱いの明確化を行いましたが、今回の改正の関係では、80時間未満のほかに評価期間1か月で月100時間未満は11件あり、合計で36件ということになります。 そこで、これらの時間外労働の時間別と改正との関係ということですが、これはなかなか明確には申し上げることは難しいと考えています。ただ、令和2年度との比較では、令和2年度では、さきほどの時間数未満の合計は21件で、これは全体の約10%、令和3年度の36件は全体の約20%ですので、全体的な状況からすれば、新しい基準による影響が少なからずあるものと考えています。 いずれにしましても、今後とも改正後の基準がより適切に運用されるように対応してまいりたいと考えています。 大きな2点目、労災認定における労働時間の関係についての御指摘をいただきました。労災認定における労働時間については、労働基準法第32条で定める労働時間と同義であるとしています。その上で、労働時間の把握に当たっては、労災認定基準に基づいて、被災労働者、その遺族への早期救済を的確に行うという労災補償の目的のもと、労災の担当部署として業務負荷の最も重要な要因である労働時間を適切に認定するように指示しているところです。この指示を徹底させることで、今後とも適切な労災認定に努めてまいりたいと考えています。 以上です。
○労災管理課長 労災管理課長です。 川人委員から御意見をいただきました。労災保険制度は、被災労働者への迅速かつ公正な保護をするため必要な保険給付を行う制度です。しかしながら、委員御指摘のとおり、労災保険の給付決定を不満に思う事業主から、これを争う裁判が複数進行しているところです。一旦、労災の給付決定を受けた被災労働者の給付が取り消しということになれば、その影響は甚大ですので、現在行っている検討会は、保険料について事業主が争う権利を保障しつつ、被災労働者への保険給付そのものについては保障を継続する方向で検討されています。 その上で、御懸念をいただいています、労働基準監督署が行う労災保険の給付決定がしっかり受け止められるように、労使双方から信頼され納得されるものになるよう、今後とも的確な労災認定を行っていきたいと考えています。 不服審査のあり方については、まだ検討会の検討中ではありますが、認めることになった場合には、行政不服審査法の趣旨にのっとって適切に対応していきたいと考えています。本日、川人委員からいただいた御意見も参考にしながら、今後検討会を進めていきたいと考えています。 渡辺委員から、労災の遺児、亡くなった被災者の御子息への就学援護費についての御意見をいただきました。これが遅れることにならないように、労災認定そのものを迅速に行うよう徹底していきたいと考えています。 以上です。
○雇用環境・均等局雇用環境政策室 雇用環境・均等局雇用環境政策室です。 勤務間インターバル制度の周知啓発について、複数の委員から御指摘いただきました。御指摘のとおり、勤務間インターバル制度を知らなかった企業割合が上昇傾向にあり、特に中小企業については、「知らなかった」と回答する割合が高い傾向です。より多くの企業の皆様に勤務間インターバル制度を知っていただく、そして導入していただくためには、その効果効能を分かりやすく説明して、関心を持っていただく必要があろうかと考えています。労働条件政策課長からも勤務間インターバルに関するシンポジウム開催予定とありましたが、シンポジウムにおいても、そのような効果効能について分かりやすく説明した上で、特に中小企業の皆様に深く御理解いただけるような内容の工夫や、事例集においても、効果について分かりやすく伝えるような周知に努めてまいりたいと考えています。 以上です。
○総務省自治行政局公務員部 総務省公務員部安全厚生推進室です。 寺西委員から、新型コロナウイルスで保健所を含めた専門の方々が苦労されているとの御指摘をいただきました。上限時間をやむを得ず超える場合もありますので、上限時間超えが発生した際には、その要因の整理や分析をしっかり行っていただくことになっています。また、業務分担の見直しや応援体制の確保についても行っていく必要があり、この制度の実効的な運用については総務省としても助言をしているところです。各地方公共団体における制度の運用実態を把握し、丁寧な助言を引き続き行ってまいりたいと考えています。 黒田委員から、勤務条件等調査の勤務時間の把握についてご質問をいただきました。この調査は国家公務員や民間の制度を参考にして時間を設定しており、原則の職場が月45時間であったり、他律的な職場では月100時間未満が上限と決まっておりますので、こういったものを参考に設定しています。 なお、この調査は毎年経年的に行っており、比較を前年対比等で行っていく必要がありますので、なかなか早急な見直しは難しいかもしれませんが、引き続き、各地方公共団体における実態を適切に把握して、それを助言につなげてまいりたいと考えています。 同じく黒田委員から、予算要求、過労死研究の内容についてご質問をいただきました。総務省では、ここ数年間、継続的に過労死の認定事案の分析を実施しており、この予算がついた場合は、過労死等防止対策大綱を踏まえ、特に、今年度は公務外の事案のデータベースの構築も並行して実施しておりますので、来年度も継続してこれらを分析し、地方公共団体への情報提供につなげてまいりたいと考えています。 工藤委員から、基金との情報共有、連携について御指摘をいただきました。実は先日も工藤委員が基金にいらっしゃるという情報もしっかり報告を受けております。また、どういうお話があって、基金になにを求められているかもきちんとこちらに報告が上がっておりますし、我々としても、地方公共団体が設置した団体でもあるので、引き続き基金とは密に情報連携をしております。我々からも情報提供いたしておりますし、基金からも必要な情報は随時入手しておりますので、引き続き、地方公務員の災害補償等が適切に実施されるよう指導・助言してまいります。 永田委員から要望がありましたが、地方公務員の勤務間インターバルについても、我々、人事院の研究会を注視しています。こちらは引き続き総務省としてもしっかり対応してまいります。 以上です。
○内閣官房内閣参事官 内閣人事局からお答えします。 山鼻委員から御指摘いただいたマネジメントに関する研修につきまして、情報共有に関する御意見をいただきました。内閣人事局のホームページにおいて研修に使っている国家公務員のためのマネジメントテキストを公表しておりますので、よろしければ御参照いただければと思います。引き続き取り組んでまいりたいと思います。
○中窪会長 どうもありがとうございました。 まだまだ御質問等あるかもしれませんけれども、もう時間も過ぎておりますので、本日はここまでとさせていただきます。 委員の皆様におかれましては、本日も活発な御議論いただきまして、誠にありがとうございました。各府省におかれましては、委員からの意見を踏まえ、今後も対策をしっかり行っていただきたいと思います。 最後に、次回の日程について事務局から御説明をお願いいたします。
○企画官 次回は、今年度の取組状況などを取りまとめ、来年5月頃に開催したいと考えております。具体的な日程等は追って、調整の上、事務局より御連絡させていただきます。
○中窪会長 それでは、以上をもちまして第23回「過労死等防止対策推進協議会」を閉会といたします。本日はお忙しいところどうもありがとうございました。