令和4年度第13回医薬品等安全対策部会安全対策調査会 議事録

日時

令和4年9月27日(火) 14:00~16:00

場所

厚生労働省 仮設第三会議室
(オンライン会議場)

議事

○医薬安全対策課長  遅れまして申し訳ありません。令和4年度第13回「薬事・食品衛生審議会薬事分科会医薬品等安全対策部会安全対策調査会」を開会いたします。お忙しいところ、どうもありがとうございます。
 今回の公開についても、ユーチューブによるライブ配信で行うこととしておりますので、御理解、御協力のほどお願いいたします。議事録については、後日、厚生労働省のホームページに掲載いたします。
 また、今回もウェブ開催としておりまして、対面での進行と一部異なる部分がありますので、進行方法について事務局より説明させていただきます。
○事務局 事務局より御説明を申し上げます。
 まず、ハウリング防止のため、御発言時以外はマイクをミュートにしていただきますようお願いいたします。御意見、御質問をいただくときは、ミュートを解除し、初めにお名前をお知らせください。御発言のタイミングが重なったりした場合には、調査会長から順に発言者を御指名いただきます。
 その他、システムの動作不良などがございましたら、会議の途中でも結構ですので、事前にお伝えしております事務局の電話番号まで御連絡をお願いいたします。もし、事務局のサーバーがダウンするなどのトラブルが発生した場合は、事務局から一斉にメールで御連絡いたしますので、御確認をお願いいたします。御不便等をおかけするかもしれませんが、御理解、御協力のほど、お願い申し上げます。
 それでは、ここからの議事進行につきましては、調査会長の岡先生にお願いいたします。
○岡座長 調査会長の岡でございます。座長を務めさせていただきますので、委員の皆さん、円滑な議事進行に御協力をお願いいたします。
 今回もウェブ開催ということで事務局から説明がありましたが、これまでの御説明に御質問、御意見等はございますか。
 よろしいでしょうか。
 それでは、議事に入る前に、委員の出欠状況等について、事務局から御説明をお願いいたします。
○事務局 本日の委員の出欠状況について御報告いたします。
 6名中6名の委員に御出席いただいておりますので、薬事・食品衛生審議会の規定により、定足数に達していることを御報告申し上げます。本日の会議は成立することを御報告申し上げます。
 続きまして、本日、参考人として参加いただく先生方を御紹介させていただきます。
 議題1「要指導医薬品フルチカゾンプロピオン酸エステルのリスク評価について」及び議題2「一般用医薬品フルニソリドのリスク区分について」の関係で、日本耳鼻咽喉科学会より、京都第二赤十字病院耳鼻咽喉科部長、出島健司先生に御出席いただいております。また、議題3「ペマフィブラートの『使用上の注意』の改訂について」の関係で、日本動脈硬化学会より、東京慈恵会医科大学附属柏病院病院長、東京慈恵会医科大学臨床検査医学講座教授の吉田博先生に御出席いただいております。
 以上になります。
○岡座長 続きまして、審議参加に関する遵守事項について、御説明をお願いします。
○事務局 本日の御出席の委員及び参考人の方々につきまして、議題1~3の対象品目、競合品目の製造販売業者からの過去3年度における寄附金・契約金などの受取状況を報告いたします。
 対象品目・対象企業及び競合品目・競合企業について、事前にリストを各委員・参考人にお送りして確認をいただいたところ、石井委員より、大正製薬株式会社、興和株式会社、武田薬品工業株式会社より50万円以下のお受け取り。
 柿崎委員より、興和株式会社、武田薬品工業株式会社より50万円以下のお受け取り。
 舟越委員より、興和株式会社、武田薬品工業株式会社、持田製薬株式会社より50万円以下のお受け取り。
 吉田参考人より、興和株式会社より50万を超えて500万円以下のお受け取り、武田薬品工業株式会社及び持田製薬株式会社より50万円以下のお受け取りと御申告いただいております。
 よって全ての委員におかれましては、意見陳述、議決のいずれにも加わっていただくことができます。また、参考人につきましても意見陳述が可能なことを確認しております。なお、これらの申告については、追ってホームページで公開させていただきます。
 続きまして、所属委員の薬事分科会規程第11条への適合状況の確認結果について、御報告させていただきます。
 薬事分科会規程第11条においては「委員、臨時委員又は専門委員は、在任中、薬事に関する企業の役員、職員又は当該企業から定期的に報酬を得る顧問等に就任した場合には、辞任しなければならない。」と規定されております。今回、全ての委員の皆様より、薬事分科会規程第11条に適合している旨を御申告いただいております。
 御報告は以上になります。
○岡座長 ただいまの事務局から御説明に対し、御意見、御質問等はございますか。
 よろしいでしょうか。
 それでは、事務局から本日の資料の確認をお願いします。
○事務局 それでは、資料の確認をさせていただきます。
 委員の先生方には資料はあらかじめお送りさせていただいておりまして、議題1に関して資料1-1及び資料1-2、議題2に関して資料2-1、資料2-2及び参考資料1、議題3に関して資料3-1~3-4、議題4に関して資料4及び参考資料2~4、議題5に関して資料5及び参考資料5がございます。
 このほか、議事次第・資料一覧、委員・参考人名簿及び競合品目・競合企業リストがございます。お手元に御用意のない委員がいらっしゃいましたら、お知らせください。なお、資料は、先ほど厚生労働省ホームページにも掲載しておりますので、オンラインで傍聴されている方におかれましては、そちらを御参照ください。
 以上になります。
○岡座長 よろしいでしょうか。お手元にございますでしょうか。
 それでは、議題1、要指導医薬品フルチカゾンプロピオン酸エステルのリスク評価について審議を行いたいと思います。事務局から御説明をお願いいたします。
○事務局 資料1-1「要指導医薬品のリスク評価について」を御覧ください。
 表に記載されている品目は、現在、要指導医薬品に指定されており、このたび製造販売後調査期間の終了見込みに伴い、一般用医薬品としての適切性を確認するためのリスク評価をお願いするものです。
 初めに、要指導医薬品の一般用医薬品への移行の評価手順について、簡単に説明させていただきます。
 2ページを御覧ください。
 「スイッチOTC薬等のリスク評価について」は、リスク評価手続について、平成25年12月に開催された医薬品等安全対策部会において決定していただいたものです。本日の御審議は、この部会決定に基づいて実施していただくこととなります。
 背景から順に御説明いたします。
 平成25年の当時の薬事法改正により、適正使用のために薬剤師による対面による情報提供や、薬学的知見に基づく指導が必要な医薬品として、一般用医薬品とは別に要指導医薬品という新たな医薬品カテゴリーが設けられました。この要指導医薬品のうち、スイッチOTCやダイレクトOTCには、それぞれ一定期間の製造販売後調査の実施が義務づけられており、この調査期間が経過すると一般用医薬品に移行することとなるため、移行の際には、一般用医薬品としての販売の可否を確認するためのリスク評価を行う必要があります。
 2のとおり、一般用医薬品としての販売可否に関する評価については、原則3年間の製造販売後調査の終了までに行うこととし、製造販売後2年以降の時点において、製造販売後調査の中間報告の結果などを基に、製造販売承認の拒否事由に該当する状況にないことを確認していただくこととなります。
 この確認については、3に記載されているとおり、本安全対策調査会にて行っていただくこととしており、また、本日の審議結果については、医薬品等安全対策部会にて御報告させていただくこととしております。
 要指導医薬品から一般用医薬品への移行についての流れを御説明します。5ページを御覧ください。
 企業は、販売開始後、原則3年間の製造販売後調査を実施し、その間は要指導医薬品と区分されます。調査期間中に1年ごとに年次報告書が提出され、また、製造販売開始後2年以降経過し、特別調査の目標症例数、内服薬3,000例、外用薬1,000例を集めた時点で中間報告書が提出されます。中間報告書をもって安全対策調査会で一般用医薬品としての販売の可否について評価いたします。一般用医薬品への移行が認められた場合、製造販売の調査期間が終了した時点で、第1類医薬品に移行します。
 今後、製造販売後調査終了後の1年の間に、企業から提出される最終報告などの結果から、一般用医薬品としてのリスク区分の安全対策調査会及び部会での審議などを経て決定することになります。
 繰り返しになりますが、今回お願いさせていただきます評価は、5ページ目中ほどにございますマル1の一般用医薬品としての販売の可否についての評価になります。
 フルチカゾンプロピオン酸エステルについて説明いたします。資料1-2を御覧ください。
 販売名は、フルナーゼ点鼻薬<季節性アレルギー専用>です。
 効能・効果は、花粉による季節性アレルギーの鼻づまり、鼻水、くしゃみのような症状の緩和です。
 用法・用量は、15歳以上の成人に1日2回朝夕、左右の鼻腔内にそれぞれ1回1度ずつ噴霧します。1日最大4回まで使用していいが、使用間隔を3時間以上おくことや、1年間に3か月を超えて使用しないこと等とされています。
 製造販売後調査概要を御覧ください。
 特別調査とは、個別に薬局と契約して、モニター店舗でアンケート調査票を配ってアンケートによる調査を実施するものです。この特別調査では、調査症例数1,002症例で、副作用が14例18件ございました。このうち、重篤と判断された症例はなく、未知の副作用として異常感2件、無嗅覚、眼瞼けいれん、喘息、鼻閉、鼻漏、口内炎、口唇炎、腹部不快感、酩酊感、疼痛、心拍数増加及び気道内異物各1件が報告されました。
 使用者もしくは薬剤師からの自発報告という形での一般調査では、6例9件の報告がございました。
 このうち、重篤と判断された症例はなく、未知の副作用として、異常感、無気肺、鼻漏及び鼻臭各1件が報告されました。
 2、3ページ目を御覧ください。
 本剤と類似の有効性を含む医薬品についてまとめたものになります。
 4ページ以降は、製造販売後安全性調査報告書、20ページ以降は添付文書、22ページ以降は使用者向けの使用資材とチェックシートを添付しています。
 資料の説明は以上となります。御審議のほど、よろしくお願いいたします。
○岡座長 ありがとうございます。
 それでは、本件につきましては、日本耳鼻咽喉科学会、出島参考人が御出席いただいております。御意見をいただけますでしょうか。
○出島参考人 京都第二赤十字病院副院長の出島でございます。
 フルチカゾンプロピオン酸エステルにつきましては、実地臨床におきましてフルナーゼ点鼻薬として多数の使用、そして、長期の使用の経験がございます。非常に安全な薬だという印象を持っております。
 今回、資料1-2にあります製造販売後調査概要(中間報告書)によりますと、特に重篤な副作用はなく、本剤の一般用医薬品への移行に関するリスク評価としては、特に問題がないと考えて、医学的には矛盾しないと考えております。したがって、一般用医薬品としての販売を前に進めていただいてよろしいかと考えております。
 以上です。
○岡座長 ありがとうございました。
 それでは、本件につきまして、委員の先生から御意見や御質問等を受けたいと思いますけれどもいかがでしょうか。
 まず、舟越委員、お願いいたします。
○舟越委員 舟越です。
 まず、1つ質問ですが、事務局になのですけれども、フルナーゼの医療用のほうと同成分が入っていることは確認が取れているのですが、医療用のほうでは、CYP3A4の阻害関係の部分での相互作用が一応添付文書には記載されていて、こちらの一般用のほうでは、指導箋というかしおりを見てもそういったものは書かれていないのですが、そこの違いについては、一般用のほうでは記載がないということについては、何か理由があるのでしょうか。
○岡座長 ありがとうございます。
 事務局のほう、今の点はいかがでしょうか。
○事務局 すみません。少々お待ちいただけますでしょうか。
○岡座長 そうしましたら、先に伊藤清美委員のほうから御意見をいただけますか。
○伊藤委員 ありがとうございます。
 私も、医療用医薬品のほうのことなのですけれども、今、参考人の先生からも御意見がありましたように、フルチカゾンとして医療用のほうでも非常に長く使用経験があると思うのですけれども、一般用医薬品としての検討をする際に、医療用医薬品としての副作用とか、今までの使用経験といったことを参考にするということはされないのでしょうかということを伺いたかったのです。
○岡座長 ありがとうございます。
 何か出島参考人のほうから、ただいまの御質問に対してお答えはございますでしょうか。
○出島参考人 御質問、ありがとうございます。京都第二赤十字病院の出島でございます。
 医療用のフルナーゼ点鼻薬の副作用で、特に気をつけなければいけないということで、私の理解の中では、ステロイドホルモンでございますので、長期連用に伴う鼻中隔の穿孔あるいは体内へのステロイドの吸収、その辺りについて一応気をつけて使っていた記憶がございます。
 ただ、学会報告あるいは私の多数の使用経験の中でも、鼻中隔穿孔や、あるいは鼻内の感染等について問題があるような症例はなかったですし、また、そういった学会報告、症例報告もございません。
 ステロイド剤の体内の吸収に関しましては、例えば小児の成長、そういったものの調査もあって、恐らく問題になることはないだろうというような医学的エビデンスがあったと記憶しております。
 したがいまして、今回のリスク評価の中で、委員のおっしゃった御懸念について、実際の実地臨床におきまして、例えば先ほど申し上げましたような鼻中隔の穿孔とか、あるいはステロイドの対内への吸収、あるいは鼻腔内の易感染性、そういったところについて、実際の症例の経験もなければ学会の報告もありません。
 また、一番言われていたのは、小児用もあったのですけれども、その成長、身長が伸びるとか、その辺りへの影響につきましても大丈夫だという報告があって、その辺りについてもエビデンスがあって、今回の一般用医薬品としての販売に向けて、その辺りの医薬用の点鼻薬においての副作用の御心配は、リスク評価としては取り上げる必要はない、恐らく懸念はないのではないかなという理解でおります。
○岡座長 ありがとうございます。
○伊藤委員 ありがとうございます。
○岡座長 よろしいでしょうか。
○伊藤委員 はい。フルチカゾンにつきましては、そういった貴重な長い御経験も踏まえて安全であるということで非常によく理解できました。ただ、こういった検討をする際に、そのような医薬品、長く使用経験のある医薬品については、そういった医療用医薬品として使用されたときの安全性等につきましても資料にあってもいいのかなと。それを基に検討するということも、今後、別の医薬品を検討する際に考えてもいいのかなと思いまして、もし、厚労省のほうで御検討いただけるようでしたらと思うのですが、いかがでしょうか。
○医薬安全対策課長 スイッチOTC医薬品でありますので、まずスイッチするときに一般用医薬品として承認申請をされます。承認申請をされて、そこで評価をして、その際には、いわゆる一般用医薬品として大丈夫かどうかという承認をされるのですけれども、そのときに、医療用のときのデータは必要に応じて評価されます。
 その後、要指導医薬品として製造販売後調査を行いつつ、OTC医薬品としての安全性が評価されることになります。医療用のデータを出すこと自体は、我々としては全然やぶさかではないのですが、観点が若干違っているということだけ御理解いただければと思います。
○伊藤委員 症例数も多分かなり違うのかなと思いますので、参考までにもし見せていただけると、判断材料として安心できるといいますか、有用かなと思いましたので発言させていただきました。ありがとうございます。
○岡座長 ありがとうございます。
 そうしましたら、先ほどの舟越委員の御質問について、いかがでしょうか。
○事務局 事務局でございます。
 舟越委員から御質問をいただいたのは、医療用の添付文書では併用注意にCYP3A4阻害作用を有する薬剤というものが設定されていますが、ということかと理解させていただいております。今回御審議いただく一般用医薬品の添付文書につきましては、20ページから添付しておりますが、「相談すること」の1ポツの(1)に「医師の治療を受けている人」と設定されておりまして、こちらについては、「医師又は薬剤師に相談してください」となっているということで、安全性の観点から一定程度担保させていただいて設定しているものと考えているのですけれども、詳細については、確認して追って御連絡をさせていただくことでよろしいでしょうか。
○舟越委員 大丈夫です。分かりました。
 では、特に削除されたということではなさそうだということでよろしいですね。
○事務局 はい。
○岡座長 ありがとうございます。
○舟越委員 岡先生、もう一つだけよろしいですか。
○岡座長 どうぞ。
○舟越委員 出島先生にお伺いしたいのですが、よろしいでしょうか。
○出島参考人 どうぞ。
○舟越委員 今回のフルナーゼのことではないのですけれども、点鼻薬全般としての話ですが、今回のフルナーゼについても、1回1噴霧ではなくて1回2噴霧が49例程度、不適正使用ですが、副作用は特になかったという調査報告になっていますが、やはり日常診療の中でも、1回1噴霧で十分だということは、医師の見解としては普通に十分だということでよろしいでしょうか。
 医師のお立場でですが、点鼻薬全般的に、薬剤師のほうも1回1噴霧という部分を説明するのですが、1回1噴霧で十分だということは医師のほうでも説明はされているものなのでしょうか。
○岡座長 ただいまの御質問は、薬剤師が渡すときには1回1噴霧ということを説明しているのですけれども、医師のほうでもそのことは説明されているのでしょうかという御質問なのですけれども。医療用についてです。
○出島参考人 鼻噴霧用ステロイド薬には、1回1噴霧のものと1回2噴霧のものがあって、1回2噴霧のものは1日1回の使用なのです。本剤は1日2回の使用なので、1回1噴霧となっておりますので、その違いがありますから、私は説明はするようにはしております。
○舟越委員 ありがとうございます。
 今、出島先生にお聞きした理由が、このフルナーゼ等のOTCの箱には「1日2回」という回数の部分だけ強調されているので、医療用では1回2噴霧のものもあったり、1回1噴霧のものがあって、ぜひOTCのほうでも、1日2回というだけを強調するのではなく、1日何回何噴霧というところまで強調されておくと、誤解をした使用方法というのが減るのではないかなと思いましたのでコメントさせていただきました。
 以上です。
○出島参考人 貴重なコメントをありがとうございました。先生のおっしゃるとおりだと思います。
○岡座長 ありがとうございます。
 そのほか、何かございますでしょうか。
 よろしいでしょうか。
 そうしましたら、議決を取りたいと思いますけれども、フルチカゾンプロピオン酸エステルについては、一般用医薬品とすることでよろしいでしょうか。コメント等がございましたら、御発言をいただくかチャットでコメントをお送りいただくようにお願いいたします。そうしたら、御承認いただける場合は挙手のマークを出していただけますか。
(挙手あり)
○岡座長 そうしましたら、皆さんの賛成、御承認をいただいたということで御異議なしとさせていただきます。ありがとうございます。
 それでは、本議題に関する今後の進め方について、事務局から御説明をお願いいたします。
○事務局 御議論いただき、ありがとうございました。
 製造販売後調査終了までの間、報告される副作用報告等を評価し、本日御審議いただきました結果に変更がないことを確認しつつ、一般用医薬品に移行する手続を進めてまいります。また、本日の結果については、次の医薬品等安全対策部会に報告いたします。どうもありがとうございました。
○岡座長 事務局からの御説明に、御質問等はございますでしょうか。
 よろしいでしょうか。
 それでは、本議題を終了して、続きまして議題2、一般用医薬品フルニソリドのリスク区分についての審議を行いたいと思います。事務局から御説明をお願いいたします。
○事務局 資料2-1「製造販売後調査の終了に伴うリスク区分の検討について」を御覧ください。
 表に記載されている品目は、現在、第1類医薬品に指定されており、このたび製造販売後調査の終了に伴い一般用医薬品としてのリスク区分の検討をお願いするものです。
 まず、一般用医薬品のリスク区分の評価の流れについて御説明いたします。資料2-1、7ページのスイッチOTC薬に係る要指導医薬品から一般用医薬品への移行の流れを御覧ください。
 図の左から順に御説明いたします。
 まず、販売開始後原則3年間は製造販売後調査が行われ、その期間は要指導医薬品に区分されます。製造販売開始後2年以降で、特別調査の目標症例数を集めた時点で中間報告書が提出されます。中間報告書をもって安全対策調査会で一般用医薬品としての販売の可否について評価します。
 次に、製造販売後調査終了から1年間は第1類医薬品として区分され、この1年間に一般用医薬品としてのリスク区分を決定することになります。
 本日御議論いただくフルニソリドは、現在、この段階にあり、第1類医薬品に区分されています。本日は図のマル2「リスク区分の判断」の安全対策調査会になります。
 リスク区分の検討手順としましては、まず、安全対策調査会の調査審議に当たり、必要に応じ関係学会等の有識者等の出席を求め、意見を聴取し、事前整理を行います。その結果、リスク区分等の変更を行う必要があるとされた場合、厚生労働省は、変更案についてパブリックコメントを行います。次に、医薬品等安全対策部会にて、安全対策調査会における事前整理やパブリックコメントの結果等について審議を行い、リスク区分の変更の要否について答申を得るといった手続をすることになっております。
 続いて、一般用医薬品のリスク区分について説明させていただきます。資料の6ページ「一般医薬品のリスク区分」を御覧ください。
 第1類医薬品は、その副作用等により、日常生活に支障を来す程度の健康被害が生じるおそれがある医薬品であって、その使用に関し特に注意が必要なものとして厚生労働大臣が指定するもの、または新一般用医薬品として承認を受けてから厚生労働省令で定める期間を経過しないものとされており、薬剤師により販売され、患者に対する文書による情報提供の義務がございます。
 第2類医薬品につきましては、その副作用等により日常生活に支障を来す程度の健康被害を生ずるおそれがある医薬品で、第1類医薬品を除くもので、厚生労働大臣が指定するものとされております。薬剤師または登録販売者により販売され、情報提供については努力義務とされております。
 第2類医薬品のうち、特別な注意を要するものとして、厚生労働大臣が指定するものについては、指定第2類医薬品とされており、販売は第2類医薬品と同様、薬剤師または登録販売者により行われ、情報提供についても努力義務ですが、薬局開設者等は、情報提供をするための設備から7メートル以外の範囲に陳列する、指定第2類部医薬品を購入する場合は、禁忌を確認すること及び専門家に相談することを勧める旨を、購入者が確実に認識できるようにするなどの措置をとることとされております。
 第3類医薬品は、第1類医薬品、第2類医薬品に分類されないもので、薬剤師または登録販売者により販売されます。
 続いて、今回御審議いただくフルニソリドについて説明いたします。資料2-2を御覧ください。
 販売名は、ロートアルガードクリアノーズ季節性アレルギー専用です。
 効能・効果は、花粉による季節性アレルギーの鼻づまり、鼻水、くしゃみのような症状の緩和です。
 用法・用量は、18歳以上の成人に1日2回朝夕、左右の鼻腔内にそれぞれ1回1度ずつ噴霧します。1年間に1か月を超えて使用しないこととされています。
 同じページ下、製造販売後調査概要を御覧ください。
 特別調査とは、個別に薬局と契約してモニター店舗でアンケート調査票を配って、アンケートによる調査を実施するものです。
 この特別調査では、調査症例数1,177症例で、副作用が2例3件ございました。このうち、重篤と判断された症例はなく、未知の副作用として、鼻乾燥、口渇が各1件報告されました。
 使用者もしくは薬剤師からの自発報告という形での一般調査においては、副作用は報告されませんでした。
 2ページ目を御覧ください。
 これまで御説明した副作用発現状況をまとめたものとなっており、本剤で報告された副作用及び類薬の副作用発現状況をその種類別にまとめております。また、同一有効成分を同量含有する医療用医薬品のデータも参考に掲載しております。
 3ページ目以降は製造販売後調査報告書、10ページ目以降は添付文書、12ページ以降は適正使用のためのチェックシート、14ページ目以降は使用者向けの説明資材を添付しています。
 次に、参考資料1を御覧ください。
 本製品については、昨年の10月に開催した、令和3年度第21回医薬品等安全対策部会安全対策調査会において、リスク評価について御審議いただいておりますが、その際に提出された中間報告書の不適正使用の関する記載が不十分であったことが判明しており、顛末書の提出がありましたので御報告します。
 「2.中間報告において不適正使用に関する記載が不十分であった経緯」ですが、令和3年第21回安全対策調査会の資料として使用した中間報告書では、「適正使用状況(「してはならないこと」「相談すること」「用法・用量」「効果・効果」等の遵守)については、本調査期間内においても逸脱するような過量使用及び漫然とした長時間使用等も行われておらず、適正使用状況は遵守されていたことから、新たな安全対策の必要性はないと判断した。」と記載されておりました。しかし、企業が報告内容を見直したところ、中間報告において不適正使用の集計結果を示しておらず、また、実際には、一部不適正使用があり、「適正使用状況は遵守されていた」との報告は事実から外れる表現であったとのことでした。
 具体的な不適正使用は、2ページの表1のとおり、季節性アレルギー以外への使用が認められたことや、禁忌とされている高血圧や緑内障への使用例がありましたが、季節性アレルギー以外への使用に関しては、1か月を超えた使用事例は確認されなかったこと。禁忌対象への使用例に関しては、使用者と販売店に文書による注意喚起を行ったこと等から、企業は本剤の不適正使用による安全上の懸念はないと考えています。
 なお、3ページの今後の対応については、本製品は2022年1月より販売を休止しておりますが、販売を再開する際には、社内体制における不適正使用への対応の強化や、安全管理実施部門への教育の徹底を実施することとされています。
 説明は以上です。御審議のほど、よろしくお願いいたします。
○岡座長 ありがとうございます。
 それでは、日本耳鼻咽喉科学会、出島参考人より御意見をいただけますでしょうか。
○出島参考人 京都第二赤十字病院の出島でございます。
 フルニソリドにつきましては、実臨床の場におきまして、過去にシナクリン点鼻薬として多数使用した経験がございます。その安全性も高いものと理解しております。
 今回提出されました要指導医薬品製造販売後安全性調査報告書によりますと、副作用は2例3件、重篤なものはないということでございます。顛末書の報告もあったのですけれども、安全性については高いものがあると考えて、医学的には矛盾しないと考えます。
 したがいまして、類薬、ナザールARなどが指定第2類医薬品として現在販売されているわけですけれども、本剤、このフルニソリドにつきましても、類薬と同様、指定第2類医薬品としての販売については問題がないと考えます。
 以上です。
○岡座長 ありがとうございます。
 それでは、本件につきまして、委員の先生方から御意見等をいただきたいと思います。
 柿崎委員、お願いいたします。
○柿崎委員 柿崎です。
 本剤の不適正使用による安全性の懸念はないということですが、既に指定第2類に移行している類薬のナザールARやコールタイジン点鼻薬で、第1類から指定第2類に移行したことによって不適正使用が増えているとか、そういうことは大丈夫でしょうか。
○岡座長 事務局のほう、いかがでしょうか。
○事務局 類薬については、いずれも、現在の調査内容や報告様式を定めた通知発出前の品目であって、不適正使用についての報告が明示的に求められていなかったため、当時の状況については不明なのですけれども、ナザールARやコールタイジン点鼻薬aの不適正使用に対する有害事象等の報告については近年なされていないことを確認しております。
○柿崎委員 分かりました。
○岡座長 ありがとうございます。
 そのほかにいかがでしょうか。
 よろしいですか。
 そうしましたら、議決を取りたいと思います。出島参考人も御発言がございましたけれども、一般用医薬品フルニソリドのリスク区分につきましては、指定第2類医薬品とすることでよろしいでしょうか。よろしければ、挙手のマークを。
(挙手あり)
○岡座長 ありがとうございます。何かコメント等はございますか。チャットでも結構ですけれども。
 よろしいでしょうか。
 では、事務局から御説明を。
○事務局 御議論いただき、ありがとうございました。
 本日御審議いただきました結果について、パブリックコメントの実施の手続を進めさせていただきます。
○岡座長 ありがとうございます。
 それでは、本議題は終了したいと思います。出島参考人におかれましては、貴重な御意見をありがとうございました。これ以降、御意見を求める予定はございませんので、途中で御退席いただいて差し支えございません。どうもありがとうございました。
○出島参考人 では、退出させていただきます。ありがとうございました。
○岡座長 ありがとうございました。
 それでは、続きまして、議題3「ペマフィブラートの『使用上の注意』の改訂について」の審議を行いたいと思います。事務局から御説明をお願いいたします。
○事務局 続いて、議題3について御説明いたします。
 資料3-1「ペマフィブラートの使用上の注意』の改訂について」を御覧ください。
 ペマフィブラート、販売名パルモディア錠0.1mgは、トリグリセライド低下作用等を有し、高脂血症(家族性を含む)を効能・効果とする医薬品です。現時点では日本以外の海外では製造販売されておりません。
 「2.経緯」を御覧ください。
 ペマフィブラートは、「血清クレアチニン値が2.5mg/dL以上又はクレアチニンクリアランスが40mL/min未満の腎機能障害のある患者」への投与が禁忌に設定されております。フェノフィブラート、ベザフィブラートといった他の既存のフィブラート系薬剤は腎排泄である一方で、ペマフィブラートは肝臓で代謝され、主に胆汁中に排泄されるといった薬物動態プロファイルを有することが知られていますが、ペマフィブラートの承認審査においては、1つ目、腎機能障害被験者では、正常腎機能被験者と比較して曝露量の上昇が認められたこと。2つ目、国内臨床試験において、本剤投与時に腎機能障害や筋肉痛等の有害事象が報告されており、腎機能障害患者では、横紋筋融解症に関連する有害事象の発現割合が、全体集団と比較して高値であったこと等を踏まえ、既存のフィブラート系薬剤と同様の注意喚起を行うことが適切であるとされました。
 その後、日本動脈硬化学会からの要望も踏まえ、ペマフィブラートの製造販売業者により、腎機能障害患者を対象とし、組入れ基準における腎機能の指標をeGFRにより設定した製造販売後臨床試験が実施されました。
 今般、製造販売業者より、医薬品医療機器総合機構に対して、本臨床試験結果等に基づく医薬品添付文書改訂相談がなされ、また、日本動脈硬化学会より、新たに得られた臨床試験の知見を踏まえ、ペマフィブラートの腎機能障害患者に対する禁忌等に係る記載を削除することについて要望されたことを受け、当該注意喚起について見直しを検討することといたしました。
 続いて、2ページ目「3.改訂相談結果」を御覧ください。
 資料3-2「医薬品添付文書改訂相談資料」より抜粋し、医薬品添付文書改訂相談における医薬品医療機器総合機構の意見を記載しております。改訂相談において、機構は、「本試験において、高度腎機能障害患者でのペマフィブラートの曝露量が腎機能障害の程度がより軽い患者と比較して高くはないことが確認されたこと、並びに本試験及び本剤の製造販売後における横紋筋融解症に関連する有害事象の発現状況から、高度腎機能障害患者への投与を禁忌のままとしないことが妥当と考える。したがって、「血清クレアチニン値が2.5mg/dL以上又はクレアチニンクリアランスが40mL/min未満の腎機能障害のある患者」を禁忌から削除することを含め、別添2のとおり本剤の添付文書を改訂することは受入れ可能である。ただし、高度腎機能障害患者に対する本剤の投与経験は限られていることから、添付文書改訂後も高度腎機能障害と横紋筋融解症に関連する副作用の関係について情報収集し、安全性定期報告において、当該内容を報告する必要があると考える」と判断しています。
 当該改訂相談の結果を踏まえまして「4.対応方針」のとおり、添付文書について次の改訂を行ってはどうかと考えております。
 資料3-2「医薬品添付文書改訂相談資料」の別添2、通し番号で24ページから26ページに、現行記載と改訂案を比較した新旧対照表を添付しております。
 改訂内容ですが、1つ目、ペマフィブラートについて、「血清クレアチニン値が2.5mg/dL以上又はクレアチニンクリアランスが40mL/min未満の腎機能障害のある患者」を禁忌の項から削除する。
 2つ目、当該高度腎機能障害患者を「慎重投与」に設定するとともに、「用法・用量に関連する使用上の注意」において、同対象について、「最大用量は1日0.2mgまでとする」旨の注意喚起を行う。
 なお、腎機能障害の指標をeGFRで設定し、高度腎機能障害患者については、本臨床試験における組入れ基準を踏まえ、eGFR30未満の患者とする。
 これらについて改訂を行ってはどうかと考えております。
 御説明は以上となります。御審議のほど、よろしくお願いいたします。
○岡座長 そうしましたら、日本動脈硬化学会の吉田参考人より御意見をいただけますでしょうか。
○吉田参考人 日本動脈硬化学会の役員を務めています、東京慈恵会医科大学の吉田と申します。よろしくお願いいたします。
 本日は、私どもの学会からの要望につきまして、御審議いただいていること、ありがたく感謝申し上げます。
 ただいま御説明がありましたように、このペマフィブラートというのは、大きな枠組みではフィブラート系薬の中の一つに入り、これまで既存の、従来から使われていたフィブラート、例えばフェノフィブラート、ベザフィブラートなどのお薬がございますが、これらは腎臓で代謝されるお薬でございました。それがゆえに、腎機能の低下者に対しての使用については十分に注意、禁忌の事項に入る等を考えなければならないものでございましたが、今回提案させていただいておりますペマフィブラートは、代謝は肝臓代謝であること、したがって、これまでのフェノフィブラートやベザフィブラートと同様な腎機能での大きな縛りというのは学問上あるいは臨床医学上あまり必要ではないというと、私ども本質的に考えております。
 あわせて、実は腎臓の機能がよろしくない方々、あるいは腎不全まで至る方々などにおきましては、動脈硬化性疾患リスクとして、コレステロールよりも、いわゆる悪玉のLDLコレステロールよりも中性脂肪すなわち、トリグリセライドが高いこと、それに伴うHDL、善玉のコレステロールが低いことなどがよく認められ、これらが最終的に、腎臓の悪い方々の心血管の病気のリスクとなっているということも明らかであります。
 しかしながら、中性脂肪、TGを下げるお薬である、こういったペマフィブラートが、腎臓の代謝では大きな影響を受けないにもかかわらず、その縛りを受けて、必要な患者さんに対してこのお薬が使うことができない、禁忌であるがゆえに使うことができないという辛いジレンマに陥っている、これも本質的な実態でございました。
 これらをしっかりと確認し、解決することによって、必要とされる患者さんにこのお薬が届くように、的確な治療ができるようにすることができないだろうかということで、厚労省の皆様方やPMDAの皆様方と御協議を重ねさせていただきまして、製造販売後臨床試験という形で、腎機能の悪い方々を対象に、このペマフィブラートの臨床試験を行いました。
 その結果、先ほど御説明がありましたように、これにより腎機能障害があるからといって、ペマフィブラートの投与により目立った有害事象がないことが確認されたわけであります。
 しかしながら、禁忌について私どもは削除を求めておるところでございますが、今御提案がありましたように、使用上の注意、とりわけ慎重投与の欄で、一定程度の表記はやはり残されるということで、私ども、その提案について同様に考えておる次第でございます。
 その一方で、従来型の表記が、血清クレアチニン2.5以上またはクレアチニンクリアランス40未満という比較的古い表記が使われていて、現在の臨床の現場におきましては、eGFRで診断をし、評価をし、患者さんに対して的確な治療を行うというのが、実際の臨床でございます。かつ、ガイドラインでもそのように示されております。したがって、この添付文書を読んで、的確な治療を行う臨床医の先生にとっても十分な判断ができるように、正確な判断ができるように、血清クレアチニン値やクレアチニンクリアランスの表記ではなく、eGFR30未満の患者は、組入れ基準の中で非常に大切なものであるので、慎重投与に設定の中でそのように表現するのだということについても、私どもは同様に考えておりますので、ぜひともこの方向性で御審議いただき、お認めいただければ幸いと思っております。
 私からの説明は以上であります。ありがとうございました。
○岡座長 ありがとうございました。
 それでは、本件につきまして、委員の先生方から御意見、御質問等はございますでしょうか。
 柿崎委員、お願いいたします。
○柿崎委員 柿崎です。
 禁忌から慎重投与に変更することに関して、参考人の先生の御意見を拝聴して、特に異論はないのですが、以前、スタチンとペマフィブラートの併用を禁忌から慎重投与に変更するときに、腎機能障害のある患者さんに関しては、重要な基本的注意ということで別に分けて注意喚起をしていましたけれども、スタチンと併用する患者さんに対する注意喚起に関しては、現在の重要な基本的注意のままでよろしいのでしょうか。
○岡座長 事務局、いかがでしょうか。
○事務局 柿崎先生、御質問をありがとうございます。
 複数の横紋筋融解症のリスクを有する患者さんについては、重要な基本的注意において、「治療上やむを得ないと判断される場合にのみ併用すること。」と記載されているとおり、個々の患者さんの状態を踏まえて現場で適切に判断していただくことが適切と考えております。
○柿崎委員 承知しました。
○岡座長 そのほかにいかがでしょうか。
 伊藤清美委員、お願いいたします。
○伊藤委員 ありがとうございます。
 今回、いろいろ御説明を伺いまして、禁忌を外すことに問題はないと思うのですけれども、承認時の臨床試験では、腎機能障害患者さんでは曝露量が高いとか副作用の発現が大きいというところが、今回の市販後の臨床試験では、そうではなかったということで、少し違う結果が得られているということなのかなと思うのですけれども、その理由といいますか、背景的なところで何か考察されていることなどはありますでしょうか。
○吉田参考人 これは参考人から答えてよろしいですか。
○岡座長 はい。お願いいたします。
○吉田参考人 重要な御指摘、ありがとうございました。
 今回行われた製造販売後臨床試験は、PALT2試験というのですけれども、その中において、腎機能の障害のある方が対象になっておりますが、あわせて投与量については最大用量を1日0.2㎎までとしての臨床試験になっております。したがって、それまでの従前の開発時におきましては、投与量が必ずしも1日0.2までとは限定されていませんので、それらの違いというのが、もしかしたら結果の違いに基づいたのかもしれません。
 しかしながら、とは申せ、先ほど来申し上げましておりますように、ペマフィブラートは、そもそも腎代謝ではなくて肝臓代謝のお薬ですから、そのような大きな影響はそもそも想定されていないのも一方では事実である、学問的事実かなと思っています。それらを総合的に、俯瞰的に考えて、最大用量は1日0.2mgまでとするという旨の注意喚起が今回追記されております。
 以上でお答えになっていますでしょうか。
○伊藤委員 ありがとうございます。
 そうしますと、0.2mgまでであれば、最初の臨床試験のほうでもそれほど影響がなかったという。
○吉田参考人 そのような解釈ができると思います。
○伊藤委員 承知いたしました。ありがとうございます。
○岡座長 ありがとうございます。
 そのほかにいかがでしょうか。
 よろしいでしょうか。
 それでは、本件につきまして議決を取りたいと思います。
 事務局の御提案とおり、ペマフィブラートの使用上の注意を改訂するということでよろしい方は、挙手のボタンを押していただきますでしょうか。
(挙手あり)
○岡座長 全員の賛成をいただきましたので、御異議なしとさせていただきます。
 それでは、本議題に関する今後の進め方について、事務局から御説明をお願いします。
○事務局 御議論いただき、ありがとうございました。
 ペマフィブラートの製造販売業者に対しては、本日の審議結果のとおり、使用上の注意を改訂するよう指示いたします。また、本調査会での議案につきましては、安全対策部会に報告いたします。
○舟越委員 岡先生、舟越です。
○岡座長 どうぞ。
○舟越委員 コメントだけ。
 吉田先生がおっしゃったように、2020年の7月のときに、やはりeGFRとクレアチニンクリアランスのここら辺の添付文書の整合性は、今回、禁忌のほうが解除されることで、eGFRとクレアチンクリアランスが1つの添付文書でも混同していくので、やはり整合性は図っていただきたいなと、事務局への要望です。
 コメントだけさせていただきました。
○岡座長 ありがとうございます。
 同じ添付文書の中に残りますか。すみません。全体を確認していなくて申し訳ありません。そういう御指摘だったかと思います。それはまた御確認いただけますでしょうか。
 舟越委員、ちょっとお待ちください。
○医薬品医療機器総合機構 事務局よりお答えいたします。
 使用上の注意といたしましては、eGFRで統一されることになります。ただ、承認時までに行われた臨床試験等の事実記載につきましては、当時行われた腎機能指標であるクレアチニンクリアランス等で記載されることになります。そういうことでよろしいでしょうか。
○岡座長 よろしいでしょうか。
 ですので、注意事項等については統一されるということかと思います。舟越委員、大丈夫ですか。
○舟越委員 はい。
○岡座長 ありがとうございます。
 そのほかはよろしいですか。
 それでは、本議題は終了したいと思います。吉田参考人におかれましては、貴重な御意見をいただき、ありがとうございました。これ以降は御意見を求める予定がございませんので、途中で御退席いただいて差し支えございません。どうもありがとうございました。
○吉田参考人 これにて退室します。よろしくお願いいたします。
○岡座長 ありがとうございます。
 それでは、続きまして、報告事項であります議題4「シタグリプチンリン酸塩水和物製剤におけるニトロソアミン類の検出への対応について」及び議題5「アモキサピン製剤におけるニトロソアミン類の検出への対応について」を行います。では、事務局から御説明をお願いいたします。
○事務局 では、議題4、議題5について御説明させていただきます。
 こちらは、今月の1日に発出させていただいたニトロソアミン類に関する事務連絡の御報告となります。
 資料に入る前に冒頭の御説明となりますが、ニトロソアミン類については、数年前から、バルサルタン、ラニチジン、メトホルミンなどの医薬品からニトロソアミン類の一種であるNDMAなどが検出されたことを受け、国内外で大部分の医薬品を対象としたニトロソアミン類混入リスクの自己点検が行われているところでございます。
 このたび、糖尿病薬であるシタグリプチン及び抗鬱薬であるアモキサピンから、ニトロソアミン類が検出されたため、その対応に関する事務連絡を都道府県に発出いたしました。
 まず、糖尿病薬シタグリプチンリンについて、資料4を御覧ください。
 シタグリプチン製剤からは、NTTPというニトロソアミン類が検出されました。こちらの事務連絡の1ポツのとおり、こちらはシタグリプチンリン製剤の原薬の製造で用いる原料物質がニトロソ化した物質となります。
 ニトロソアミン類は、アミンの窒素にニトロソ基が結合した化合物の総称でございまして、先般、バルサルタンなどが検出されたNDMAのように、動物において発がん性が認められているものも少なからずございますが、全てのニトロソアミン類の発がん性リスクが明らかになっているわけではありません。
 今回のNTTPについては、動物試験の結果がなく、発がん性の有無は不明でございます。現在、製販業者により追加の動物試験実施が検討されておりまして、この試験の結果も踏まえてリスク評価がなされる予定です。
 1ポツの末尾で触れておりますとおり、米国FDAが本件に関する公表を行っていることなどを踏まえまして、本邦においても事務連絡を発出し、情報提供を行っているところです。
 当面の対応について、2ポツを御覧ください。
 FDAは、現時点で患者が医療の専門家に相談せずに服用を止めることは危険な可能性があるとして、臨床上適切な場合には同剤の使用継続を推奨しているため、その旨を記載し情報提供しています。その上で患者の自己判断で服用を中止しないよう説明いただきたいことや、患者から本件に関する問合せがあり、ほかの薬剤への切替えなどの対応を希望される場合には、ほかの治療選択肢について医師などに相談していただくよう記載しています。また、今後、リスク評価が行われる予定でございますため、本対応は、今後、必要に応じて見直しを行う旨も記載しています。追加の動物試験の結果などの情報が得られましたら、本調査会においてもリスク評価を後報告したいと考えております。
 シタグリプチンについては以上となります。
 続いて、アモキサピンのほうも説明させていただきます。
 続いて、アモキサピン抗鬱薬のほうについては資料5を御覧ください。
 アモキサピンでは、製剤中の有効成分がニトロソ化したニトロソアミン類が検出されています。こちらも動物における発がん性は不明です。ただ、アモキサピンについては、本件を踏まえて、アモキサピンの製販業者が今後の対応検討した結果、経過措置期間を設けた上で、本剤の出荷を停止するとともに自主回収する意向を示しております。
 そのため、当面の対応として、事務連絡の2ポツでは、その旨を情報提供した上で、患者の自己判断で服用を中止しないよう説明いただきたいことや、現在服用中の患者には、ほかの治療選択肢について、医師などに相談いただくように記載しております。
 なお、現在、アモキサピンについては、製販業者において安全性の評価が行われるところでございまして、評価結果がまとまり次第、本調査会においても御報告をする予定です。
 御説明は以上となります。
○岡座長 ありがとうございます。
 それでは、本件について、御意見、御質問等はございますでしょうか。
 舟越委員、お願いいたします。
○舟越委員 舟越です。
 現場では、DPP-4阻害薬については7種類存在していますので、不安がある場合には他剤への切替えということも、今行っているところです。
 以前のARBやH2ブロッカーのように、ほかの同種・同効も出てきたらどうしようとか、そういった話というのは現場では、医師含めて不安を感じています。他剤の同薬効群カテゴリーのほか調査状況というのは、いかがな状況なのでしょうか。
○事務局 舟越先生、御質問をありがとうございます。
 こちらですけれども、今、御指摘いただいたほかのDPP-4阻害薬についても自主点検が進んでいるところでございまして、それらの製販業者でヒアリングを行いましたところ、現在、ほぼ全ての類薬で自主点検を実施中というところでございます。御指摘のとおり不安があるかと存じますので、製販業者には速やかに優先的に調査を行っていただくように依頼させていただこうと思っております。
○舟越委員 ありがとうございます。
 結果が出次第、速やかなプレスリリース等をお願いしたいと思います。
 以上です。
○岡座長 ありがとうございます。
 そうしましたら、石井委員、お願いいたします。
○石井委員 ありがとうございます。石井でございます。
 舟越委員と同じ質問も1つあったのですが、同種同効薬がある場合はいいのですが、ない場合は非常に混乱を来すということと、このようにニトロソ体の検出をいろいろなところがやっていくと、次々と出てくると思います。今後の対策、見通しについて何かお考えがあるのならお示しいただければと思います。
○事務局 石井先生、ありがとうございます。
 御指摘のとおり、今回、国内外で企業による自主点検が進んでいるところでございまして、今後も何かしらの医薬品でニトロソアミンが出てくるという可能性は否定できないところでございます。
 そうしたところで、現在、特にアモキサピンのほうですけれども、今後、企業が出荷を停止される予定ということで、発がん性が不明で追加の試験が行われないまま、つまり、ニトロソアミンについて発がん性の有無が不明なままというようなものも出てくるかと存じております。その中で、今、企業のほうで安全性評価を行っておりまして、そのものでの直接的なデータはないのですけれども、例えば構造が類似した化合物で、既に発がん性リスクのデータがあるものについては、それを参照するような形で、企業が健康評価を行うようなことも検討してございますので、そういったものを必要に応じて情報提供させていただくようなことで進めていくことを、今検討しているところです。
 また、アモキサピンについては、特に遠くないうちに調査会で報告できるかと思いますので、この形がモデルケースではないですけれども、第1例となるようなことをイメージしております。
○石井委員 ありがとうございます。
○岡座長 ありがとうございます。
 多分、今後引き続き御報告いただくような事項になろうかと思いますけれども、そのほか、委員の先生方、いかがでしょうか。
 よろしいでしょうか。また引き続き、ぜひ御報告いただければと思います。
 本議題については意見をいただき、御確認いただいたものとさせていただきます。ありがとうございます。
 予定していた議題は以上ですけれども、事務局から何かございますか。
○医薬安全対策課長 安全対策課長です。冒頭、開催時間が遅れまして申し訳ございませんでした。その点をおわびさせていただきたいと思います。どうも失礼いたしました。
○岡座長 ありがとうございます。
 それでは、本日の調査会を閉会とさせていただきます。ありがとうございました。