第184回労働政策審議会職業安定分科会 議事録

日時

令和4年8月31日(水)19:30~20:00

場所

会場
厚生労働省 職業安定局第1会議室及びオンライン
(東京都千代田区霞が関1丁目2番2号 中央合同庁舎5号館12階公園側)
傍聴会場
厚生労働省 職業安定局第2会議室
(東京都千代田区霞が関1丁目2番2号 中央合同庁舎5号館12階公園側)

議事

議事内容
○山川分科会長 お待たせしました。それでは、ただいまから第184回「労働政策審議会職業安定分科会」を開催いたします。
皆様方、お忙しい中、御出席をいただきまして大変ありがとうございます。
本日の委員の御出欠でありますけれども、公益代表の酒井委員、橋本委員、労働者代表の勝野委員、西尾委員、使用者代表の小野委員が御欠席でございます。
カメラ撮影は、ここまでとさせていただきます。
(報道関係者退室)
○山川分科会長 本日の分科会は、会場とZoomのオンラインでの開催となります。
オンラインでの発言方法につきましては、事前に事務局から送付しております「職業安定分科会の開催・参加方法について」に沿って御操作をお願いいたします。
早速、議事に入ります。
議題1は「雇用保険法施行規則等の一部を改正する省令案要綱について」です。こちらは8月23日付で厚生労働大臣から諮問を受けておりまして、同日の雇用保険部会であらかじめ議論を行っていただいております。
では、資料と雇用保険部会での議論につきまして事務局から説明をお願いいたします。
○雇用保険課長 雇用保険課長でございます。
資料1-1が省令案要綱でございますが、説明を資料1-2のほうでさせていただきます。
おめくりいただきまして1枚目に概要がございますが、まず今回の改正の趣旨、内容でございます。
趣旨といたしましては、令和元年のデジタル・ガバメント閣僚会議決定におきまして、「ハローワークにおける雇用保険等の各種業務のフローについて、ペーパーレス化の検討を行う」ということとされております。今回、これも踏まえまして、失業認定等の雇用保険の手続におきまして、従来の手続に加えまして受給資格者がマイナンバーを提示して手続を行うというものについて追加をする改正をさせていただきたいと思っております。
具体的な中身につきまして、次の2ページ目を御覧いただければと思います。従来の手続は上の囲みに書いておりますが、受給資格決定の際に顔写真等を提出いただきまして、それを貼りました雇用保険受給資格者証を発行いたしまして、その後の手続についてはこれを毎回持ってきていただくということで処理を行ってまいりました。
10月1日以降の新たな取組といたしまして、御本人がマイナンバーカードを提示していただければ顔写真の御用意が不要になるとともに、その後の手続については基本的にそのマイナンバーカードで手続を継続していただけるということになります。こういった手続を希望されない方につきましては、従来どおりの手続を継続するということになります。
なお、処理した後の結果につきましては、手続ごとに当面、雇用保険受給資格通知という書面を発行することとしております。将来的には、ちょっと時期は遅れまして令和8年度のシステム更改後を見込んでおりますが、この受給資格通知につきましても電子的に交付することによりましてペーパーレス化を完成させることを見込んでおります。
今回、改正の対象となる手続が4つございまして、まず雇用保険の失業等給付に係る通常の一般の労働者の方の受給資格者証、65歳以上の高齢者の方の高年齢受給資格者証、季節労働者の方の特例受給資格者証、この3種類に加えまして専門実践型の教育訓練給付を受給される方の教育訓練給付金及び教育訓練支援給付金の受給資格者証、この4種類の手続について今回改正をいたします。
それで、代表例として次のページでございますが、求職者給付の基本手当の流れでございます。左が従来の取扱いでございまして、まず離職者の方がハローワークに受給資格決定の手続に来ていただく際には本人確認書類、例えば運転免許証といったものを提示していただくとともに、必要書類と顔写真2枚を提出いただきます。そして、あらかじめ指定しました雇用保険説明会の日時に来ていただいて、その際に顔写真を貼った受給資格者証を発行いたします。
その後、28日ごとにハローワークに来所いただきまして失業認定を行いますが、その都度、受給資格者証を提示いただき、処理結果をその裏面に印字するということで毎回の手続を進めてまいります。
これが、今回マイナンバーの手続でどう変わるかということでございます。右でございますが、まずマイナンバーカードを提示していただきますと顔写真2枚が不要になります。それで、説明会の際には受給資格通知という書面をお渡しいたします。それで、28日ごとの認定の際にはマイナンバーカードをその都度提示していただき、その回に行った処理をその都度、受給資格通知という形で書面に印字してお渡しするということでございます。それで、先ほど申し上げたとおり、この受給資格通知は将来的には電子交付を見込んでいるところでございます。
具体的なイメージでございますが、6ページ目を御覧いただければと思います。受給資格通知、左が表面、右が裏面でございますが、表面にはその方の基本的な属性を記載いたしまして、裏面にその回の処理内容、これですと受給資格決定を行いました。それで、基本手当の日額が5,831円で所定給付日数が90日等々の情報が記載されております。
7ページ目に2回目以降のイメージがございますが、2回目以降は先ほどの裏面の内容のみとなっておりまして、直近2回の内容ですから、前回の内容と今回の内容、この例ですと今回は21日分、支給金額12万2000円あまりの支給決定を行いましたということを記載した内容をお渡しするということになっております。
なお、右の枠に書いておりますけれども、御本人の希望がございましたら先ほどの表面、裏面のある全件版というものを毎度の失業認定の際に発行することも可能となっております。それで、これには今回のみならず、これまでの履歴を全て印字した形でお渡しすることにしております。
次のページでございますが、今回の手続の見直しにつきましては雇用保険全体のオンライン化の一環として行っているところでございます。既に事業主の方が行っていただく手続につきましては基本的に全て電子申請が可能となっておりますが、さらに利便性向上のために各労使団体の皆様や社会保険労務士会などからも御意見をいただきまして、順次オンライン化の改善に努めているところでございます。
戻りまして恐縮ですが、1ページの概要をもう一度御覧いただけますでしょうか。改正の概要は今、申し上げた点が大半でございますが、(4)のところで、これは技術的な話になりますが、受給資格通知をなくした場合の手続、その際にマイナンバーカードを提示すれば再交付を受けることができるということも改正内容に盛り込んでいるところでございます。
以上の内容につきましては、一番下の「4.施行期日等」でございますが、今回御了承いただけましたら9月下旬に公布し、10月1日から施行ということで考えているところでございます。
なお、雇用保険部会で御審議いただいた際には、今回この手続につきましてはペーパーレス化という趣旨でございますものの、最後の通知の電子交付につきましては令和8年度以降を見込んでいるということにつきまして、なるべく早くオンライン化をすべきという御指摘をいただいているところでございますので、私どもとしてもご指摘を踏まえ、鋭意そういった取組を進めてまいりたいと思っております。
以上でございます。
○山川分科会長 ありがとうございました。
それでは、本件につきまして御質問、御意見がありましたらお願いいたします。オンライン参加の方は先ほど申しましたが、「手を挙げる」ボタンをクリックしてこちらで指名させていただいた後にお名前を名乗ってから御発言をお願いいたします。御質問、御意見等ございますでしょうか。
津村委員、どうぞ。
○津村委員 ありがとうございます。
先ほど、先日の雇用保険部会で労働側より申し上げた内容を御紹介いただきましたが、改めて職業安定分科会でも発言をさせていただきます。
新たな取扱いは、ハローワークにおける労働者の手続の選択肢を広げるものですので、その点では妥当だと考えております。
ただ、先ほど御紹介いただきましたとおり、このペーパーレス化の一連の流れの中で受給資格通知の電子的な交付が早期に実現するように最大限の努力を改めてお願いしておきたいと思います。
以上です。
○山川分科会長 ありがとうございました。
大下委員、どうぞ。
○大下委員 御説明ありがとうございます。
改正案に異論はございません。コロナ禍でいろんな日本の課題が浮き彫りになったと思いますけれども、1つ大きいのはデジタル化の遅れということかと思っております。マイナンバーカードの利用促進、それに伴う公的な様々な手続のデジタル化、オンライン化というのは非常に重要な取組かと思っておりますので、雇用保険の今回の内容のみならず、雇用労働関連の様々な手続においてぜひ取組を加速していただきたいと思っております。
個人的なお話で申し訳ありませんけれども、一度ウェブでの確定申告というのをやる際にマイナンバーカードを使ってみました。税務署の窓口に行く必要がない。紙の書類を出す必要がない。これは極めて便利ですが、残念ですけれども、マイナンバーカードで個人の認証をするところのインターフェースは率直に申し上げて信じられないくらい利便性がよろしくありません。
こうした面も含めて、丁寧な説明をしていって利用を進めていくというのは大事ですし、いろんな幅広いところで使えるようにしていくというのも大事ですけれども、最後の最後のところでやはり実際にマイナンバーカードを使って申請をしたり、いろんな手続をして便利だなというふうに感じてもらうことが非常に大事かと思っておりますので、実際の仕組みの構築のところではぜひ使い勝手のよい仕組みの構築というところにも配慮をいただければと思っております。
私からは以上です。ありがとうございます。
○山川分科会長 ありがとうございました。
ほかに御質問、御意見等ございますでしょうか。よろしいでしょうか。
労使双方の委員から非常に有益な御意見、御要望をいただきました。ほかに御質問、御意見等がございませんようでしたら、当分科会として厚生労働省案はおおむね妥当と認めることにいたしまして、その旨を私から御報告申し上げるということにいたしたいと思います。御異議等ございますでしょうか。
よろしいでしょうか。
御異議ございませんでしたので、報告文案の表示をお願いします。
(報告文案表示)
○山川分科会長
雇用保険部会の報告を職業安定分科会として下記のとおりということで、それを労政審本審の会長宛てに報告をするという運びになります。この報告文案によって労政審会長宛てに報告するということでよろしいでしょうか。御異議ございませんでしょうか。
御異議ございませんので、このような形で報告をさせていただきたいと思います。ありがとうございました。
それでは、次の議題に移ります。議題2「雇用保険手続における公金受取口座の取扱いの開始について」ということでございます。こちらは報告になります。事務局から説明をお願いします。
○雇用保険課長 資料2を御覧いただきたいと思います。
おめくりいただきまして1ページ目でございます。
1つ目の○でございますが、令和3年に成立いたしました公的給付の支給等の迅速かつ確実な実施のための預貯金口座の登録等に関する法律によりまして、マイナポータル等を通じまして、あらかじめ国民の皆様が公的給付の支給等に利用することができる預貯金口座を登録いただきました後に、各行政機関等がこれを利用して金銭の授受をするための情報提供を求めることができるという制度が設けられたところでございます。
2ページ目を御覧いただきますと、具体的なイメージがございます。マル1からマル4までございます。
まずマル1でございますが、国民の皆様が個々人のマイナポータルを通じまして御自身の公金受取口座を登録されます。
それで、その後に行政機関に対しまして自分の公金受取口座で給付金の受け取りをしたいという意思表明をしていただきます。
その次にマル3でございますが、行政機関としてはその意思表明を基にデジタル庁に対しまして公金受取口座の情報を連携します。
それで、その結果マル4でございますが、その情報を活用して行政機関がその金融機関の口座にお支払いする。こういう流れでございます。
お戻りいただきまして1ページ目で2つ目の○でございますが、雇用保険の手続におきましてもこういった手続を行えるようにするということを考えておりまして、今回様式改正を行い、10月1日から実施する予定にしております。
具体的には3ページ目、4ページ目でございます。
3ページ目にございますが、現在雇用保険の各種給付金を受け取る際には、この受給者の方には払渡希望金融機関指定届というものを併せて提出していただくことになります。真ん中の6番のところの下段でございますが、ここに受取口座の金融機関、そして口座番号、御本人の氏名等々、こういった内容を記載していただくことになりますが、今回マイナポータルであらかじめ公金受取口座を登録していただいた際に、それを活用していただくという御意向がありましたら、まず上段の5番目に公金受取口座利用希望を記入する欄がございます。ここに1というものを記入した上で、下の赤い枠でございますが、ここで公金口座への振込みを新たに希望される方はさらにチェックしてくださいということでチェックをしていただきます。それで、チェックをしていただいた方につきましては、改めてここの口座番号等を記載していただく必要がないということでございます。
裏面でございますが、留意点といたしまして6番に記載してございますが、前提としてマイナポータルであらかじめ公金受取口座を登録していただくことと、ハローワークにマイナンバーをあらかじめ届け出ていただく。この2点が必要になります。
また、7番でございますが、公金受取口座を変更した場合にはこの払渡希望金融機関変更届を改めて御提出いただいて、変更した旨をハローワークにも御登録いただかないと、従前登録いただいた変更前の金融機関に誤って給付金が支給されるということがございますので、こういった留意点はございますが、今回このような様式変更をすることによりまして公金受取口座を雇用保険の給付金の支払口座として活用できるようにしたいと考えております。
以上でございます。
○山川分科会長 ありがとうございました。
それでは、こちらの件につきまして御質問、御意見がありましたら先ほどと同様の方法でお願いいたします。御質問、御意見等はございますでしょうか。
特段ございませんようですが、よろしいでしょうか。こちらは様式の改正ということで御報告ということになります。本議題は以上となります。
さて、本日予定されておりました議題は以上でございますけれども、この際、委員の皆様方から何か御発言等はございますでしょうか。
中窪委員、お願いします。
○中窪委員 ありがとうございます。
先ほどの合同のところで言うべきだったかと思いますけれども、先日、会計検査院から雇調金と休業支援金について不正受給の問題があったということで指摘を受けたと報道されております。こちらの分科会でいろいろ不正対策を議論してきただけに残念でありますので、もう一度さらにここはしっかりとやっていただきたいということを希望として申し上げさせていただきます。
○山川分科会長 ありがとうございました。
それでは、事務局からお願いします。
○雇用保険課長 御指摘ありがとうございます。
中窪委員が御指摘のとおり、雇用調整助成金をはじめといたしまして、我々といたしましても不正受給対策というのは従来から様々な形で対策を強化してきたところでございますが、先日、会計検査院から御指摘をいただいたところでございます。
速やかにその御指摘を踏まえまして、我々としても改めて不正受給対策の徹底について労働局に対して指示を行ったところでございますので、引き続き不正受給をしっかりと防止し、また、発見した際には返還をしっかりと求めていくということを継続してまいりたいと思っておりますので、引き続き御指導をよろしくお願いいたします。
○山川分科会長 ありがとうございます。
ほかに何かございますでしょうか。
中窪委員、よろしいですか。
○中窪委員 はい結構です。ありがとうございました。
○山川分科会長 ありがとうございます。
ほかの委員の皆様方、何かございますか。よろしいでしょうか。
それでは、本日の分科会はこれで終了いたします。大変お疲れさまでした。ありがとうございました。