薬事・食品衛生審議会薬事分科会血液事業部会令和3年度第1回適正使用調査会議事録

日時

令和4年1月24日(月)15:00~17:00

開催形式

Web会議

出席者

出席委員:(11名)五十音順、敬称略 ◎座長

欠席委員:(1名)敬称略

  • 西脇 公俊

国家公務員共済組合連合会 虎の門病院 輸血部:敬称略

  • 牧野 茂義

東京医科大学八王子医療センター 臨床検査医学科:敬称略

  • 田中 朝志

秋田県赤十字血液センター:敬称略

  • 面川 進

広島大学病院 輸血部 :敬称略

  • 藤井 輝久

長崎大学病院 細胞療法部:敬称略

  • 長井 一浩

鹿児島大学病院 輸血・細胞治療部:敬称略

  • 古川 良尚

日本赤十字社:敬称略

  • 松田 由浩
  • 杉山 朋邦
  • 日野 郁生

事務局:

  • 渡辺 顕一郎  (血液対策課長)
  • 菅原 高志   (血液対策課長補佐)
  • 佐野 圭吾   (血液対策課長補佐)

議題

  1. 1.座長の選出
  2. 2.血液製剤使用実態調査について
  3. 3.血液製剤使用適正化方策調査研究事業について
  4. 4.その他

配布資料

資料ページをご参照ください。

議事

○佐野血液対策課長補佐 定刻を超過してしまいまして申し訳ございません。それでは、「薬事・食品衛生審議会薬事分科会血液事業部会令和3年度第1回適正使用調査会」のWeb会議を開催いたします。本日の会議は公開で行いますが、カメラ撮りは議事に入るまでとさせていただきます。マスコミ関係者の方々におかれましては、御理解と御協力をお願いいたします。
 本日はお忙しい中、御参集いただき誠にありがとうございます。このたび、新型コロナウイルスの感染拡大防止の観点から、Webでの審議とさせていただきます。本日は、委員改選後第1回目の開催となりますので、座長が選出されるまでの間は、私、血液対策課課長補佐の佐野が進行役を務めさせていただきます。よろしくお願い申し上げます。
 それでは、委員改選後、最初の適正使用調査会となりますので、委員の方々を委員名簿に沿って御紹介させていただきます。安達知子委員、薄井紀子委員、梶原道子委員、上條亜紀委員、喜多村祐里委員、國土典宏委員、西村元延委員、本日は御欠席との御連絡を頂いております西脇公俊委員、野村恭一委員、半田誠委員、宮川政昭委員、矢口有乃委員、以上12名の先生方となっております。
 本日のWeb会議における委員の出席についてですが、西脇委員より御欠席との御連絡を頂いております。また、安達委員及び矢口委員におかれましては、少し遅刻される状況であると思われます。現時点で、適正使用調査会12名中9名の出席を頂いていることを御報告いたします。また、これまで委員でいらっしゃった田中純子委員につきましては、昨年1月に行われた委員の改選に伴い退任されたことを併せて御報告申し上げます。
 本日は参考人として、秋田県赤十字センター所長の面川進先生、東京医科大学八王子医療センター臨床検査医学科診療科長の田中朝志先生、長崎大学病院細胞療法部准教授の長井一浩先生、広島大学病院輸血部輸血学輸血部長の藤井輝久先生、鹿児島大学病院輸血・細胞治療部部長の古川良尚先生、国家公務員共済組合連合会虎の門病院輸血部部長の牧野茂義先生に御出席いただいております。また、日本赤十字社血液事業本部から、松田由浩経営企画部次長、杉山朋邦経営企画部供給管理課長、日野郁生技術部学術情報課長に御出席いただいております。
 続きまして、委員の皆様に御留意いただきたい事項について2点御説明いたします。まず、第1に守秘義務の関係です。国家公務員法第100条において、職員は職務上知ることのできた秘密を漏らしてはならない。その職を退いた後といえども同様とすると規定されております。委員の皆様は、非常勤の国家公務員としてこの規定の適応を受けますので、職務上知り得た秘密について漏らすことのないようお願い申し上げます。
 第2に、薬事に関する企業等との関係です。薬事分科会規程第11条において、委員、臨時委員又は専門委員は、在任中、薬事に関する企業の役員、職員又は当該企業から定期的に報酬を得る顧問等に就任した場合には辞任しなければならないと規定されております。審議の忠実性、公平性を確保する観点から規定されておりますので、こちらに該当する場合又は任期中に該当することとなった場合は、速やかに事務局に御連絡いただくようお願い申し上げます。なお、全ての委員の皆様より薬事分科会規程第11条に適合している旨を御申告いただいておりますので、御報告させていただきます。委員の皆様には、会議の開催の都度、書面を御提出いただいており御負担をおかけしておりますが、引き続き御協力、御理解を賜わりますようよろしくお願い申し上げます。
 本日はWebでの審議のため、対面での進行と一部異なる部分がありますので、審議の進行方法について御説明させていただきます。審議中に御意見、御質問をされたい委員におかれましては、まず御自身のお名前と発言したい旨を御発言いただきますようお願いいたします。その後、座長から順に発言者を御指名いただきます。御発言いただく際には、マイクがミュートになっていないことを御確認の上で御発言ください。また、ノイズを減らすため、御発言が終わりましたらマイクをミュートにしていただきますようお願いいたします。なお、発言者が多くなり、音声のみでの判別が難しいほど混雑した際は、一度皆様の発言を控えていただき、発言したい委員についてはチャットにその旨のメッセージを記入していただくよう、事務局又は座長からお願いする場合がございます。その場合には記入されたメッセージに応じて、座長より発言者を御指名いただきます。
 また、本日のWeb会議に際し、新型コロナウイルス感染拡大防止のため、説明者においてマスクを着用したまま説明させていただく場合がありますので、御了承いただければと思います。
 なお、事務局に異動がありましたので御報告いたします。まず、血液対策課長渡辺顕一郎が中谷の後任として着任しております。また、先ほどから御説明させていただいております私、佐野が血液対策課長補佐として、中村の後任で着任しております。それでは、当課課長の渡辺より一言御挨拶申し上げます。
○渡辺血液対策課長 血液対策課の渡辺です。11月に着任したばかりでございますが、精一杯務めてまいります。どうぞよろしくお願いいたします。
○佐野血液対策課長補佐 間もなく議事に入りますので、カメラ撮影はここまででお願いいたします。なお、議事の進行等につきまして、今までの御説明に質問等ございませんでしょうか。
 それでは、議題1「座長の選出」です。これまでは委員の互選により選出していただいておりましたが、どなたか御推薦ございませんでしょうか。
○薄井委員 はい、慈恵医大の薄井でございます。よろしいでしょうか。
○佐野血液対策課長補佐 薄井先生、どうぞよろしくお願いいたします。
○薄井委員 私は、本分野での第一人者であって、これまでも本調査会を含め我が国の血液事業政策をリードされてこられた半田誠先生が座長として最もふさわしいと思います。半田先生を強く御推薦申し上げますので、どうぞよろしくお願いいたします。
○佐野血液対策課長補佐 ありがとうございます。ただいま薄井委員から半田委員を座長に御推薦いただきましたが、委員の皆様、いかがでしょうか。
(異議なし)
○佐野血液対策課長補佐 ありがとうございます。異議がございませんでしたので、半田委員を座長とすることで決定させていただきます。半田委員、御挨拶をお願い申し上げます。
○半田座長 皆様こんにちは。従来どおり、また私が座長を務めさせていただきたいと思います。本当に光栄に存じます。
 それでは早速ですが、議題に入りたいと思います。議題2「血液製剤使用実態調査について」です。まず、事務局より本調査の概要について説明していただいて、その後、牧野参考人と田中参考人より資料の説明をお願いしたいと思います。今日は報告がとても多いということで、御報告される方々は時間を厳守していただいて、簡潔に要点を説明していただければと思います。それでは、事務局よろしくお願いします。
○佐野血液対策課長補佐 ありがとうございます。事務局です。「血液製剤使用実態調査」については、血液製剤の適正使用の推進に必要な方策を検討するため、医療機関の血液製剤の管理体制、使用状況など、医療機関における血液製剤の使用実態を把握することを目的として、日本輸血・細胞治療学会に委託して実施していただいている調査となっております。当該調査の結果等につきましては、本日お越しいただいております参考人の先生方より発表していただきます。よろしくお願い申し上げます。
○半田座長 まず最初に、牧野参考人よりお願いします。資料1-1です。
○牧野参考人 虎の門病院の牧野でございます。よろしくお願いします。それでは、時間も限られておりますので、資料1-1に沿って説明していきたいと思います。まず概要ですが、先ほど説明がありましたように、この血液製剤使用実態調査というのは、国内における輸血管理体制や血液製剤の使用状況などについて調査して、適正使用の推進に必要な資料を作成するということで行っております。
 令和元年に過去10年間の調査結果を報告しまして、我が国の輸血医療というのは、輸血用血液製剤及びアルブミンの使用量については急速にその使用量が減少し、適正使用が推進されていることが分かるかと思います。その中で問題なのが、この輸血の管理体制というのが200床以上の施設ではほぼ確立しているのですが、200床未満施設ではまだ十分ではないということで、昨年の適正使用調査会では、この小規模医療施設、特に僻地・離島における輸血医療の現状について報告したところであります。今年もこの小規模医療施設、特に僻地・離島における輸血医療に対し、その課題を掘り下げて、Blood Rotationや輸血連携体制について追加報告したいと思います。
 また近年、大量出血時の凝固障害に対して、我々はFFPしか使用がなかなか難しかった状況ではありますが、2020年の4月に同種クリオプレシピテート(クリオ)作製術が新規保険収載されまして、院内で作製し使用できるようになりました。そして昨年、皆さん御存じのように、9月にフィブリノゲン濃縮製剤が産科領域の後天性低フィブリノゲン血症に対して適応が拡大されました。そういうことで止血療法としては、このFFPばかりではなくて、クリオとフィブリノゲン製剤が使用可能になってきているのが現状です。その使用状況を今回まとめて報告したいと思います。そして、先ほど言いました僻地・離島における輸血医療支援体制について追加し、田中参考人から適正使用指針の見直し効果の分析について報告していただこうと思っております。
 今回の調査は、2020年に日赤から輸血用血液製剤の供給を受けた国内の全医療機関9,425施設を対象に行いました。調査期間は2020年度です。返却・辞退を除いた9,392施設にアンケートを行い、4,733施設、回答率50.39%ということで回答を頂きました。過去8年間、大体回答率は50%前後ということで維持しております。御存じのように、300床未満施設が全体の9割を占めているという状況です。
 図1を参照ください。これが2010年からの輸血の実施施設と調査回答率を示したものですが、輸血実施施設は徐々に減少傾向にあります。特に0床施設が減ってきております。回答率は大体50%を超えている状況が続いています。
 第1にクリオとフィブリノゲン濃縮製剤の使用状況についてまとめてみました。赤血球製剤を1日に10単位以上使用した大量輸血症例を経験した施設というのは、300床未満施設では僅か7.3%ですが、300床以上施設では83.0%、500床以上施設では97.3%と、非常によく見られる状況であるということが分かっております。そこで、大量出血のときに使用する血液製剤を調べたところ、300床未満施設では92.2%がFFPのみで対応しているということに対しまして、500以上施設ではFFPのみは56%で、それにクリオを使用している施設、フィブリノゲンを使用している施設が合わせて44.0%ほどになります。規模が大きい施設ではクリオを院内で作製して使用しているということ、そしてフィブリノゲン製剤は実際、昨年産科領域では適応拡大になりましたが、基本的に今までは適応がなかったものですから、適応外使用ということで使われていたという現状が分かります。
 そのフィブリノゲンとクリオを使用する場合の目安なのですが、なかなか検査データで判断しにくいというのがありましたが、アンケートで尋ねてみますと、フィブリノゲンの値が150mg/dLを切った段階で、クリオ若しくはフィブリノゲンを投与するという回答が最も多かったです。クリオ製剤に関しましては、FFP-240とFFP-480製剤から作製できるわけですけれども、その使用状況を聞いたところ、全体の97.1%はFFP-480製剤を使ってクリオを作製しているという回答で、ほとんどがFFP-480製剤であることが分かりました。
 血液型ですが、クリオを作製したFFPの血液型に関しましては、患者と同型のFFPを使って使用したというのが1万5,612単位、全体の44.9%でして、誰にでも投与できるということでAB型のFFPを使用したというのが全体の55.1%ということで、大体半分半分ということが分かりますが、やはり半分がAB型のFFPであり、それも480製剤ですので、この製剤を確保するのも結構大変ということが分かるかと思います。
 次に1回の投与量を図5で示しております。1回の投与に関しては、フィブリノゲン製剤は3gを使用するという施設がほとんどです。クリオに関しても、FFP-480で作ったクリオ製剤を3バッグ使用するというのが全体の80%以上を占めているということが分かりました。そういう意味では、適正な量ということが言えるかと思います。
 図6は診療科ごとの件数で示したものですが、クリオ製剤は半分が心臓血管外科で使用されております。2番目が救命救急で22.8%、産科領域は9.3%でした。一方、フィブリノゲンの製剤に関しましては38.0%が心臓血管外科であり、2番目に救命救急が24.5%、そして産科が15.7%というデータでした。この資料には記載していませんでしたが、過去5年間のクリオとフィブリノゲン製剤を使用している施設の動きを見たところ、2020年に院内のクリオ作製術が新規保険収載されましたので、2019年までと比べまして、2020年はクリオを使っている施設は44施設から51施設に増加し、フィブリノゲン製剤を使用している施設は118施設から102施設に減少しております。保険が適用になったということで、フィブリノゲンではなくて、保険適用のあるクリオのほうに移行した施設が10施設ほど存在していた可能性が高いと思われます。
 フィブリノゲン製剤の管理部門としては、ほとんどが薬剤部門です。救急、外来等もあったわけですが、ほとんどが薬剤部門での管理で、輸血部門は僅かでした。今後、フィブリノゲン製剤を輸血部門で扱いますかという質問に対しましては、今のところはそういう予定はないという回答が多かったということで、今後フィブリノゲン製剤の使用が増えてきたときに、管理部門が非常に問題になるのではないかと思います。どうしてもフィブリノゲン製剤を使用する場合は、フィブリノゲンの血中濃度を測定し、それが150mg/dL未満であることを確認した上で投与すべきであると言われていますので、検査データをチェックし、フィブリノゲン製剤を払い出すという、そういう部門での管理が必要であるということで、この点が1つ問題があるかなと思います。
 続きまして、第2として僻地・離島における輸血医療体制ということで、今回は138施設から回答を頂きました。138施設をベッド数で見ますと、100床未満が全体の73.9%ということで、ほとんどが200床未満の施設であることが分かります。日赤からの血液製剤の定期搬送にかかる時間は、僻地であれば大体2時間以内に全体の60.5%の施設で定期搬送が終わるわけですが、やはり離島の場合は交通の便が当然悪いわけで、4時間以上かかるという施設が61.9%あるという現状があります。
 今回、この僻地・離島における医療体制ということで、支援病院の割合を尋ねてみました。中核となる病院が538施設の中で70施設であり、地域医療支援病院というのも42施設、そして僻地医療拠点病院というのも17施設ありまして、当然重なる部分がありますが、地域の輸血医療をサポートする体制がある程度進んでいるということが分かります。
 そういう医療施設における輸血の管理体制を見た場合に、中核となる施設の輸血管理料の取得状況というのは、半分ぐらいの施設で輸血管理料Ⅰ若しくはⅡを取得していることが分かります。そして、輸血管理や実施体制の項目を見てみますと、そういう施設支援病院においては70~80%の施設で、この輸血の管理体制が整備され、血液専用の保冷庫が使用されていることが分かりました。
 あと、Blood Rotationに関しましては、緊急の場合に血液を供給したり受けたりしているという施設が5%程度存在するということが分かりましたが、輸血が必要な重症な患者さんが発生したときに、その患者さんを受け入れる体制がある施設が22.7%存在しているということで、患者さんごと引き受けて輸血の体制を整えているというところもありますが、輸血だけで済む場合は、この血液製剤を融通しているというものも、ほんの一部ですがあります。こういう体制の中で、Blood Rotationの必要性を感じているということで、日赤若しくは自治体にこの体制を整えることについての相談をしているという施設が、非常に一部なのですが、ありましたが、具体的な返事が頂けていないという回答が多かったです。でも、こういう僻地の方々の中で、ATR、運搬できる冷蔵庫ですが、そういうものを使って、実際にブラッドローテーションを行っているという施設がもう既にありまして、その運用をしているという回答が今回は見られました。
 ということで、ある程度体制はできているのですが、やはり自治体や日赤、地域の支援病院などと一緒に、輸血適正使用地域連携加算などの診療報酬も含めて体制を整えていくというのも1つ必要かなと感じました。今回、クリオとフィブリノゲン製剤の使用状況について、そして僻地・離島における輸血の管理体制、それに対する支援体制ということについてまとめて報告しました。以上です。
○半田座長 ありがとうございました。それでは引き続き、田中参考人より資料1-2の説明をよろしくお願いします。
○田中参考人 よろしくお願いします。私からは、2019年3月に新たな血液製剤使用指針が策定されましたので、今回この使用指針の見直しによる効果並びに適正使用推進の現状について御説明させていただきます。方法としては、先ほど牧野参考人から御説明いただきましたように、令和2年度の血液製剤使用実態調査の中から適正使用についての項目と、それに関連する項目の分析をしました。
 まず、図1を御覧ください。こちらは、各血液製剤の国の使用基準の遵守について輸血部門で評価している施設の割合を調べたものであります。評価しているとしたのは、全例評価と一部評価と両方含めており、全施設の中で全例評価と一部評価の施設の割合を見たものでありますが、全体として一番多く評価されていたのは赤血球製剤で36%の施設、最も低かったのは免疫グロブリン製剤で11%ということです。
 病床別に見ますと、やはり規模が大きくなるほど評価の率が高くなるという傾向がありました。図1の右側のグラフですが、上のグラフはRBC(赤血球製剤)を評価していた施設のうちで、同時にほかの製剤も評価しているかどうかというものですけれども、赤血球製剤を評価していた施設のうち約77%は血小板やFFPも評価し、さらに47%はアルブミンも評価したということで、一部の製剤を評価している施設はほかの製剤も評価している確率が高いということでございます。下のグラフについては、赤血球製剤を評価していない施設の場合、84%ではほかの血小板やFFP、アルブミンの評価もしていなかったということで、評価をしていない施設は、どの製剤も評価していない確率が高いということを示しております。
 次に、図2を御覧ください。こちらでは各血液製剤で使用基準遵守と判断する検査値の割合を示しておりますが、赤血球と血小板については、赤血球であれば7gか8g、血小板については1万以下か2万以下というところにある程度収まっているのですが、FFPはPTとフィブリノゲン値、アルブミン製剤についてはアルブミン値を見ておりますが、割とばらつきがありまして、特にFFPについては、PTについてもフィブリノゲン値についても、具体的な数値基準なしというのが3、4割くらい見られているという状況です。また、FFPのフィブリノゲン値を検査値として判断している場合には、いまだに100mg/dL以下としている施設も20%ぐらいありまして、バージョンアップができていない施設もあるのかなという状況でありました。
 次の図3では、FFPやALBの不適正使用が目立つ病態を示しております。全部は示しませんでしたが、各血液製剤について不適切な使用が目立つ病態があるという回答をした施設は、赤血球とか血小板では5%以下だったのですが、FFPとアルブミンは約3割ぐらいずつあったということで、どういう病態があるかということを図3でお示ししています。FFPについては、循環血漿量減少の改善や終末期、予防的投与などが多く、アルブミンの適正については、単なる血清アルブミン値の維持とか、終末期、栄養補給、あるいは周術期の循環動態が安定した低アルブミン血症などがいまだに目立っているということでした。
 続きまして、輸血管理体制と適正使用評価の関連性を小規模施設を中心に見ましたので御説明します。図4を御覧ください。こちらで選んだ様々な輸血管理体制と適正使用評価に関連性があるかというのを調べました。グラフ中、*が1つなのは有意水準が5%以下で有意と判定されたもので、2つ付いているものは1%以下で有意水準があったということを示したものであります。この中で特に明らかな有意差が見られたのは、輸血責任医師の0ベッドと20~99ベッド、輸血担当技師の20~99ベッド、輸血療法委員会の0ベッドと20~99床、それからアルブミン製剤の管理部門については、中規模の300~499床規模の施設でした。したがいまして、小規模施設の管理体制ですけれども、輸血責任医師がいる、輸血担当技師がいる、輸血療法委員会があるという状況が適正使用の評価につながっている項目として検出されました。
 続きまして、大規模・中規模施設での適正使用の評価を綿密に行っている施設はどういう施設かということを見るために、適正使用を赤血球、血小板、FFP、アルブミンの全製剤について、一部分ではなくて全例の評価を行っている施設の比率に差があるかどうかを比較検討したものを、図5に示してあります。この中で、特に1%以下の有意差が付いているのは、専任の輸血責任医師と、専任の輸血担当技師がいるということが中規模施設で示されております。また、血小板不応状態への対応があるということと、適正輸血療法の実施指針の院内周知方法で勉強会をしているということに有意差が付いています。また、輸血機能評価、これは日本輸血学会が独自に行っている輸血医療全体の評価ですけれども、この認定を受けている施設においては、適正使用を綿密に行っている率が高いという結果でした。
 続きまして、適正使用の評価を行っている施設で、血液製剤使用量がどうなっているかを調べたので御報告いたします。図6にその結果をお示ししておりますが、分かりにくいので、概要を御説明いたします。輸血の使用量は医療機能によって大きく異なるということが分かっておりますので、心臓・大血管手術と造血幹細胞移植と血漿交換の件数が多いか少ないか、あるいはやっていないかということで3通りずつ分けまして、それぞれのカテゴリーで適正使用の全例評価を行っている施設と、そうではない施設の使用量に差があるかというのを見たのですが、全てのカテゴリーで特に差はないという結果でありました。
 また、輸血管理料につきましては、全例評価を行っている施設におきましては、やはり算定率は高いということが分かっておりますけれども、ただ、気になったのは、心臓の手術も造血幹細胞移植も血漿交換も全ての件数が多いというカテゴリーで見ますと、全例評価を行っていても6施設中4施設では輸血患者の適正使用加算が取れておらず、特にFFPとRBCの基準を満たしていないために取れていないという状況が分かりました。
 以上の結果をまとめますと、現状としては輸血の適正使用の評価をしている施設は余り多くないということが分かりまして、なぜかということを考察してみると、輸血の実施指針の中に、具体的に責任医師や担当技師の責務は何をするか、適正使用について何をするかということが明記されていないことが一因かもしれないと考えております。
 また、血液製剤使用基準遵守の判断という点で見ますと、FFPとアルブミンでは若干ばらつきが見られておりまして、検査値だけで評価することが難しいということを示唆しているのではないかと思いましたが、先ほど御説明しましたように、FFPの適正使用の判断にフィブリノゲン値100mg/dLを使用した施設が2割程度ありまして、新指針の対応が遅れている施設もあるかもしれないということです。また、小規模施設での輸血管理体制では、輸血責任医師、輸血担当技師、輸血療法委員会の有無が適正使用の評価に大きく影響していることが伺われました。小規模施設では、輸血管理に関わる人員体制の整備が遅れているということは分かっておりますので、それをどうするかが問題なのですが、各施設ごとではなくて、例えば地域単位での輸血医療連携、合同輸血療法委員会など活用して改善を図るのが現実的かもしれないと考えております。
 300床以上の施設では、適正使用の評価を綿密に行っている施設の特徴として、専任の輸血責任医師がおり、専任の輸血担当技師が在籍し、更にきめ細かい診療支援を行って、輸血医療の外部監査を受けているということでした。これらの人員・診療体制を推進することが、更なる適正使用推進につながると考えられます。
 また、医療機能別の血液製剤使用量の比較では施設の差異を見いだすことができませんでしたけれども、輸血管理料の適正使用加算の算定ができていない施設が14%ほどありまして、特に高度な医療機能を持つ施設の3分の2では、適正使用加算がなかなか算定できていないということが分かりましたので、何らかの対応が必要かもしれないということです。
 まとめですが、輸血部門での血液製剤適正使用を推進するために、医師、検査技師の責務の明確化とともに臨床各部門との連携強化が必要であり、また、それらを支援するような診療報酬上の評価や、客観的な評価や監査体制の整備も必要なのかと考えました。以上でございます。
○半田座長 ありがとうございました。それでは、委員の皆様方、質疑応答に移りたいと思います。牧野参考人から、特に血漿因子の補充、FFPとクリオプレシピテートとフィブリノゲン製剤の使用状況と適応外の使用が多いという実態、それから小規模あるいは僻地での血液製剤の使用状況について、それから田中参考人からは、2019年に血液製剤の使用指針のメジャー改定があった後の適正使用の現状というもの、問題点等を報告いただきました。それでは皆さん、御意見あるいは御質問をお願いいたします。それぞれの臨床のエキスパートの先生方がいらしていますけれども、御自身の経験も踏まえて何か御質問、特に今回の御発表から、現在の課題と、どういう方向でこれから適正使用の推進に向けていくかということを議論したいと思いますが、いかがでしょうか。どなたかいらっしゃいませんでしょうか。
○薄井委員 慈恵医大の薄井でございます。牧野先生、ありがとうございます。先生に1つ質問なのですが、先ほどお話になったFFPとクリオの使い方についてですけれども、先生も御指摘になったように、クリオが保険適用になったので、臨床現場では大量出血とかFFPの補充というところでは非常に使いやすくなってきていると思います。その一方で、フィブリノゲン製剤が実際にあって、それは産科でしか使えないわけですけれども、心臓外科では先生方は大量に使っていらっしゃるということの御指摘がありました。これをどのように解決していくのかということ、先ほどフィブリノゲン製剤を薬剤部ではなくて輸血部で管理すると、もう少し適正に使用ができるのではないかという御提案だったような気がするのですが、その辺のところをもう少し詳しく教えていただきたいと思います。以上です。
○半田座長 牧野先生、よろしくお願いいたします。
○牧野参考人 ありがとうございます。非常に難しいところでして、クリオ製剤が院内での作製について保険適用になったわけですけれども、というと、輸血部でしっかりそういうものを適正に作製できる施設でないとなかなか準備できない。ましてや、患者さんの血液型に合ったものをそれぞれ作製して、十分な量を作製し、それを必要なときにそれを用いるという体制を整えるというのはなかなか難しいところでありまして、少しそういう施設は増えてきているのですが、まだまだ少ないのが現状です。大量出血のときには、今現在はフィブリノゲン製剤を適応外使用として行っている所が多いということで、昨年、産科領域での適応拡大が言われたわけですけれども、実際これを製造している企業、日本血液製剤機構(JB)においてはこの製造能力の体制がまだまだ整っておりません。心臓血管外科と救急での使用量が圧倒的に多くて、産科領域というのはそれほど多くないのです。ですから、適応が通ったといっても、そこまで増えない、一応現在のJBで対応が十分できる状況であると言われています。ですので、まずは製造能力が必要な方に十分提供できるような体制が整ったということでないと、恐らく適応拡大はすべきではないと思いますので、価格の問題もありますけれども、これはやはり製造能力ということで、もう少し時間がかかりそうです。
 そういうことで、では、適応外使用として使っていくしかないかということなのですが、やはり製造能力がある程度限られておりますので、それ以上の需要が出てきた場合は、本来の適応である先天性低フィブリノゲン血症の患者さんに製剤が投与できないということが起こっては非常に問題ですので、やはり今現在使用できるクリオ製剤のほうをある程度使用ということを推奨していく必要があるのではないかと思われます。もう少し時間が掛かりそうだということが現状だと思います。
 フィブリノゲン製剤を使っていくときには、どのような患者さんでも出血が結構多かったら全例で使用するのではなくて、フィブリノゲンの血中濃度をしっかり測定して、フィブリノゲン製剤を投与しないと止血が難しいのだという症例に限って投与すべきと考えますので、そういう検査体制と供給というものが両方とも見られるような輸血部門とか、そういうことの検査部門と薬剤部門の連携が非常に密に取れていて、データがすぐに提供できるような形であればいいわけですけれども、最も理想的なのは輸血部門ではないかなというように今のところ言われています。今後、適応拡大を目指しての体制作りは非常に大きなテーマであろうと思います。以上です。
○半田座長 ありがとうございます。薄井委員、よろしいでしょうか。ほかに何か御質問等ございますでしょうか。よろしいでしょうか。
 では、私から田中参考人に伺いたいのですけれども、輸血療法の実施指針というのがこれから改定されるということで、輸血細胞治療学会のほうでガイドラインを作成されているということもありますけれども、今おっしゃったように管理体制というのをもうちょっと整備しないと適正使用、特にアルブミンとFFPと血漿因子の適正使用化というのが推進できないということでよろしいでしょうか。
○田中参考人 そうですね。なぜ適正使用の評価をしていないかということは伺っているのですけれども、今回はお示ししませんでしたが、一部の意見としては、適正使用の評価は輸血部門の業務ではないとか、あるいは輸血療法委員会の検討項目にはないという意見もありました。多くの施設では適正使用は責務と考えているとは思うのですけれども、やはり適正使用の向き合い方とか、あるいは責任医師や担当技師の責務に適正使用の文言を明記することが、1つの方策として考えられるのかなということで考察した次第でございます。
○半田座長 ありがとうございました。いかがでしょうか。少し時間も押していますので、それでは、特にフィブリノゲン製剤の適応外使用という結果になりましたけれども、事務局から今後の方針について何かありますでしょうか。
○佐野血液対策課長補佐 事務局でございます。我々としても、フィブリノゲン製剤とクリオの使用データにつきましては、非常に興味深く拝見させていただきました。我々といたしましては、当該内容を踏まえまして適切な対応について引き続き検討を重ねていきたいと考えております。以上になります。
○半田座長 ありがとうございました。事務局におかれましては、本日の調査会の御意見、それから参考人の御意見もありましたけれども、引き続き適正使用の推進をお願いしたいと思います。
 続きまして、議題3「血液製剤使用適正化方策調査研究事業について」です。まず、事務局より本事業の概要を説明してください。
○佐野血液対策課長補佐 事務局です。「血液製剤使用適正化方策調査研究事業」については、血液製剤の適正使用を推進する観点から、各都道府県における課題とそれに対する取組について調査していただくことを目的としています。各都道府県に設定されている合同輸血療法委員会に主体となっていただき、これらを行っていただいた上で、全国で共有することで効果的な血液製剤の適正使用の方策を推進するものです。
 今回は令和2年度に採択されました8の都道府県の取組のうち、4つの県から御発表いただきます。それぞれの県とその発表者ですが、秋田県から面川先生、広島県から藤井先生、長崎県から長井先生、鹿児島県から古川先生となっています。それでは、どうぞよろしくお願い申し上げます。
○半田座長 ありがとうございました。4人の参考人から御報告を頂きたいと思います。それぞれ10分の御発表の後、5分ほどの質疑応答時間ということになっておりますので、よろしくお願いいたします。
○宮川委員 すみません、事務局、申し訳ありません。日本医師会ですが、よろしいでしょうか。日本医師会の立場として一言だけ申し上げたいと思うのですが、お許しいただけますか。
○半田座長 宮川委員、どうぞ。
○宮川委員 日本医師会では従来から、2016年頃から血液対策課に対して、輸血を必要とする患者さんが困らないように、供給体制の改善や支援をお願いしてきたわけですが、例えば2019年に都道府県医師会に対して輸血用の血液製剤の供給状況に対するアンケートを実施しまして、その際、緊急時の輸血用の血液製剤の課題等が出てきており、そして厚生労働省及び日赤から地域医療における課題と現状というものを説明してきたわけです。
 その中で、昨年3月31日、緊急時に輸血に用いる血液製剤を融通する場合の薬機法の考え方、それから地域の実情に応じた血液製剤の安定供給に係る取組事例についての通知が出されまして、地域における課題への対応を示していただけかと思っています。それぞれの地域の特性に応じた課題が異なっているわけですから、まだ困っている医療機関があるようで、国の考え方や他の地域のこういう事例を共有することは非常に重要だと日本医師会でも考えています。これから自治体とその地域の血液センターが、地域医療を守る役割を果たせるように、国として引き続き支援をしていただきたいという思いでおりますので、是非この議論というものを活発化して、各都道府県がしっかりとその事業を支えていくということを私たちがしっかり見つめていくということが非常に重要だと思います。是非、先生方から御支援いただきたいと思っていますので、一言だけ申し上げました。ありがとうございます。
○半田座長 宮川委員、ありがとうございます。ちょうどタイミングよく、冒頭イントロダクション的なことを言っていただいたと思います。
 それでは、まず秋田県での御報告をお願いしたいと思います。面川参考人、よろしくお願いいたします。
○面川参考人 秋田県合同輸血療法委員会の代表世話人を務めています秋田県赤十字血液センターの面川です。どうぞよろしくお願いいたします。資料に沿って発表していきたいと思います。
○半田座長 資料の2-1ですね。よろしくお願いします。
○面川参考人 まず1ページです。令和2年度の使用適正化方策調査研究事業としては、秋田県は「小規模医療機関を重点対象とした輸血療法におけるChoosing Wiselyの周知およびオンラインツールを用いた臨床支援活動」というタイトルで活動しました。対象としては、300床未満の小規模医療機関を重点対象として、輸血用血液製剤の適正使用推進、廃棄率の改善、インフォームド・コンセントの状況等の改善、それから輸血関連検査の実施率の向上を目指して、臨床支援活動を実施しました。
 柱としては4つここに書いてあるとおりのことを行っています。1つは、Choosing Wiselyツールを活用した適正使用の推進。2つ目が、安全基準チェックリストの作成と、これの周知。それから、学会認定・輸血関連看護師がいますので、その活用といいますか、相互連携活動、支援体制の構築。それから、コロナ禍の環境ですので、こういう状況でもコミュニケーションが取れるような情報共有の在り方について検討しました。
 2ページを御覧ください。まず、年1回行われる合同輸血療法委員会の会議としては、昨年の2月にオンデマンド形式によって、このテーマに関連した情報提供、周知と啓発、意見聴取を行いました。最初は3月22日から1か月間、ホームページ上に基調講演、特別講演、話題提供、こういうことをアップして、これを見ていただくということを行いました。ただ、参加者は合同輸血療法委員会に参加した医療機関でして、小規模医療機関の参加は少ないということですので、改めて同じ内容を100床未満の43施設で、このようなオンデマンド開催があるということをお伝えして、さらに1か月間の期間でオンデマンド講演会を実施しました。
 3ページを御覧ください。それに先立ちまして、血液製剤の供給を受けている県内の100床未満の医療機関43施設、そこを対象として実態調査を行いました。調査内容は、病院情報や管理情報、輸血検査関連情報、輸血の取扱い、副作用の体制、その他です。43施設のうち、診療所等を多く含みますが、30施設から回答があり、約70%回答率でした。輸血細胞治療学会等が行っている血液使用実態調査では、この100床未満の施設の回答率が非常に低いという報告がありますが、その中では我々のデータの回収率は非常によかったと思っています。
 次に4ページを御覧ください。これが小規模医療機関を対象とした調査内容の概要です。まず、小規模医療機関での保管管理状況について不備な所が多いということが多く目に付くところです。輸血記録を20年保管をしていない施設や家庭用冷蔵庫で血液製剤を保管している施設があるということ。同意書は取得していますが、その説明内容が指針に示されているような内容を網羅していないということ、これについては後ほど詳細について御報告しますが、検査に関しても不規則抗体検査を実施していないとか、交差適合試験を検査技師以外の方が実施しているということもあります。それから、3番目にあるような輸血の速度に関する注意喚起も不十分であるということ、副作用の経過観察も十分な体制がなされていないということでした。
 5ページを御覧ください。小規模医療機関における輸血療法委員会等の設置状況についてです。当然、小規模医療機関ですから、輸血の頻度も少ないということもあって、輸血療法委員会を設置していない所が大多数です。特に病床数が少なくなるほど、その割合が多くなります。しかしながら、ポジティブな意見としては輸血発生後にはいろいろな議論をしているということ、院内の違う機能を持った委員会で、そういう議論をしているというような前向きな意見もありました。これは実施していない施設に対する情報提供として有意義なことではないかと思っています。
 6ページを御覧ください。輸血の管理部署に関しては、これは全国の調査とほぼ同様で、病床が少なくなるほど検査部門でない所、看護部署や病棟などその他の部署で輸血製剤を管理するということもあります。家庭用冷蔵庫で保管しているという施設が8施設ほどあったということです。それから、家庭用冷蔵庫で最大3日間も置いてあるという実態も詳細調査で明らかになりました。2~6℃の専用保冷庫があるけども、自記温度記録計、警報装置がないというような施設もありました。
 7ページを御覧ください。これは検査の概況ですが、オレンジ色で示しているのが検査部門で実施しているという施設でして、20~99床では半数以上ありますが、それ以外の施設になりますと、院外で実施しているとか、2施設ほどは、医師でしょうか、臨床検査技師以外が実施している施設もありました。それから、ABO血液型の二重チェック等に関しても、実施していないという施設が8施設あったということや、不規則抗体の検査に至っては9施設で実施していないという回答も得られていますので、検査については小規模医療機関に関しては、かなりレベル的に非常に厳しいところがあるなというのが実情です。
 8ページを御覧ください。これは輸血速度と患者照合チェックという項目についても、調査しています。実は輸血の滴下速度を知らないと回答されている施設もあったということで驚きもありまして、輸血スピードというのは輸血副反応の中で重要なTACO、輸血関連循環過負荷に関して非常に関連することですので、こういうところの周知が非常に重要かなと思います。それから、輸血時のチェックに関しては、ダブルチェックしていない施設も4施設あったということ、血液照射の有無の確認や色調異常の外観確認に関しても、不備な施設が少なくないという結果でした。
 9ページを御覧ください。副作用に関してもお聞きしています。ABO不適合輸血が1件あったという報告があります。詳細は不明です。それから、重篤な副作用である血圧低下や意識障害という報告もありましたので、小規模医療機関でありましても輸血副作用の発生があるので、それに対する対応が取られているかどうかということが非常に重要です。スライドの右側にありまますような輸血観察実施状況に関して、しっかりと輸血前、5分間、5分後、15分後、終了時と観察している施設が、30施設の回答のうち21施設あったということが救いといいますか、かなりしっかりとやっているという結果でした。
 10ページを御覧ください。輸血に関して困っている点に対する回答が左側、右側が輸血の同意の取得状況についてです。左側の困っている点に関して、病床ごとに回答数が多い順に書いてありますが、最新の輸血知識を取得する機会がないという回答、副作用発生時の対応が困難であるという回答が得られています。それから、同意書取得状況ですが、驚きなのですが、取得していないという回答が2つあったということです。この詳細は実際に調査しないと分かりません。それから、インフォームド・コンセントの内容について説明事項として指針等で示してある救済制度、検体保管、記録保管、そういうことの説明が欠けているというような実態も分かりました。
 今までちょっと駆け足でお話しましたが、このようなデータに関しては、小規模医療機関、調査に御協力いただいた医療機関に当然還元しています。このようなことから問題点が明白になりましたので、どういう対応を取るかということが合同輸血療法委員会の役目であるのかということになって、次からの対策の実施になると思います。
 11ページを御覧ください。そこで、これまでの小規模医療機関の実態調査結果から、秋田県合同輸血療法委員会では、他所で出しているような安全基準チェックリストを参考に、輸血実施時のチェックポイントをいろいろ網羅したものを作成しました。それと、先ほどお話しましたように、今までの調査結果の概要、輸血ガイドライン、小規模医療機関向けのマニュアルというものをパッケージにして、血液センター、我々の施設を使って血液を供給する際に病院をお伺いして配布をしました。なかなか血液の供給が一致しないときには郵送でお送りしました。
 もう1つ行った活動としては、11ページを御覧ください。チェックリストを実際に作成すると同時に、その内容についてYouTubeにアップする動画を作成しました。「輸血前に必要な検査」、「輸血実施時の確認」、「血液が届いたらすべきこと」、「輸血実施前のダブルチェック」、この4本の動画を作成しています。現在もこれは秋田県合同輸血療法委員会のリンクとして、このQRコードを読み取っていただければ、委員の先生方にも御覧いただけるようになっていますので、この動画をアップしたということも小規模医療機関にお伝えして、それぞれ3、4分の動画ですので、これを見ていただいて輸血実施の際の助けにしてもらえたらという希望です。
 次に13ページをお願いいたします。これは令和元年度、今回の報告の1年前の研究計画として、我々のChoosing Wiselyツールを用いた適正輸血の推進ということを行っていましたので、そのツールとしてこのような小冊子を作りまして、これは1,500部ほど令和2年度に増刷し、これも小規模医療機関に配布しました。これはポケットマニュアルということで、折り畳み式になっていまして、Choosing Wisely、インフォームド・コンセントをしっかりやっていただくということと、患者さんにそれをしっかり選択していただくということを含めた内容です。これを先ほどお示しした安全基準チェックリストとともに、小規模医療機関に情報を提供して、適正使用推進に努めています。
 14ページを御覧ください。これは前のページでお示ししたポケットマニュアルの裏版でして、これもYouTubeにアップしています。
 15ページを御覧ください。15ページは、このChoosing Wiselyのツールの活用に関連して、動画も2つほど作成しています。1つは「不必要な輸血をしないでください」ということ、それから「1バッグ輸血を推奨します」という、この2点についてです。2、3分の動画ですが、こちらも小規模医療機関に是非御覧いただきたいと思いまして、サイト情報を提供し、適正使用の推進につなげるように努めているところです。
 16ページを御覧ください。もう1つの柱として行ったものが、学会認定・輸血関連看護師の相互連携・支援体制の構築です。学会認定・輸血関連看護師は県内に多数いらっしゃいますので、その方々に集まっていただいて、看護師部会で作成している看護師のための輸血ポケットガイドラインや日本輸血細胞治療学会のI&Aの施設基準等がありますので、それをもとにリモート査察をある1つの病院で実施したということです。リモート査察で、当該の病院に院内の管理体制、検査体制等を拝見して、それを臨床看護師や臨床検査技師に集まっていただいて、評価していただいて、その病院に対してどういう結果だったかということをお伝えするというような双互連携・支援体制の構築を考えています。この視察した病院では、詳細結果はここに書いていますが、問題点は少なかったということで、それを含めて今後の更なる安全輸血の推進をしていただくというように努めています。
 最後のファイルを御覧ください。今回のまとめですが、小規模医療機関における輸血療法に対して、4本の柱といいますか、適正使用推進、安全な輸血の推進を実施したということです。Choosing Wiselyツールを活用した適正使用の推進、安全基準チェックリストの作成、学会認定・輸血関連看護師の相互連携・支援体制の構築に取り掛かったということ、これは遠隔での監査ということがあります。小規模医療機関又は医療機関に集まっていただく際にも、コミュニケーションの制限のない環境、Zoomを使った環境等で実施しているということになります。
 秋田県合同輸血療法委員会では、小規模医療機関に関する詳細調査を実施しました。オンデマンド手法による周知活動、関連動画の作成、情報媒体の提供など複合的に適正使用に関する啓発活動を行ってきました。今後もコロナ感染症は不透明な状況ですので、遠隔的な輸血監査法についても検討しました。このような持続的に実施可能な使用適正化方策と、医療関係者の新たなコミュニケーション体制の構築が今後も重要であると考えています。以上です。どうもありがとうございました。
○半田座長 ありがとうございました。秋田県の小規模医療機関に対する種々の試み、非常に参考になる試みを御発表いただきました。時間がすごく押していまして、委員の先生方、お一人だけ何か御質問等ございますか。後で余った時間があったときに、また、もしあれでしたら総合的に討論させていただきます。いかがでしょうか。どなたかいらっしゃいますでしょうか。ありがとうございました。
 それでは引き続き、広島県の試みということで藤井参考人に資料2-2について御発表願います。度々ですが、10分の御発表ということでよろしくお願いします。では、藤井参考人、よろしくお願いします。
○藤井参考人 よろしくお願いします。本来なら、プレゼンして動画を御覧いただいたほうがいいかなと思ったのですが、お時間もございませんし、ちょっとファイルが重たくなりますので、お手元の資料2-2に基づいてお話させていただきます。
 今回の我々のテーマなのですけれども、昨年この研究事業の調査会でも発表させていただきました災害時等における医療機関間の輸血用血液製剤の融通、それに関する指針に基づいた模擬訓練ということで、昨年指針案を作成しましたので、それで今回は模擬訓練をやってみたということになります。
 2ページ目です。これは、昨年なぜそういった指針を作ったかということでございますが、御存じのとおり、広島は結構災害に弱いというような側面を持っていまして、その場合に医療機関が実際に孤立したこともあって、近隣の医療機関同士で製剤を融通し合うということが実際に起きました。ただ、それは緊急避難的に行ったわけですので、今後はきっちり県の輸血療法委員会として、ちゃんとした仕組みを作ろうではないかということで、昨年その指針を作成したということになります。
 3ページ目の目的になります。この医療機関間の製剤の融通のフローチャートを御覧いただければと思うのですが、製剤が欲しいというような緊急事態が発生した場合に、輸血責任医師と、実際には輸血部あるいはその管理部門の検査技師さんになると思うのですが、それらが対応をディスカッションして、譲渡機関のほうに譲渡を依頼するという流れになります。そして、製剤を取りに行くというのは、一応譲受機関が取りに行くという形を取っていまして、取りに行って輸血が行われるということになります。どうしても費用の請求といったものも発生しますが、この辺りについては緊急なので後回しという形といったイメージで作成したということになります。
 次の4ページ目を御覧ください。広島県内で医療機関が孤立する事態が起こるような場所をお示ししています。点線ではなく実線のほうですが、これは実際に起きた所です。記憶に新しいのは呉市の西日本の豪雨災害があったときですが、その前も平成26年に広島市の山間部のほうで起きて、その更に北部のほうの医療機関が孤立したということがありました。近隣の医療機関で融通し合うということを考えて、では、どの医療機関同士で融通が利くかというようなアンケートをまず取りました。
 それが5ページ目になります。例えば呉であれば、呉医療センターだとか中国労災だとか呉共済とかありますけれども、そういった所がお互いにできるというようなことがあったのですが、現実的には雪などが広島もよく降りますので、県北が現実としては起こりやすい状況なのではないかなということで、この実線にあります県北の医療機関で訓練を行うということにさせていただきました。
 6ページ目です。実際にはここが本当は動画なのですが、ちょっと重たいので、写真ということにさせていただいております。大地震が発生して、大量出血の患者さんが県北のある病院に搬送され、輸血が必要なので、血液センターのほうで連絡したけれども、交通が遮断されて持っていけないというような話だったということになります。
 7ページ目です。2人の男性が出ていますが、このように輸血責任医師と検査技師とで指針に従って、その指針の条件に従うというのを確認して、譲受医療機関が譲渡医療機関のほうに製剤をくれないかという話をするということになります。
 8ページ目です。その医療機関のほうですが、そちらは連絡を受けて、こちらは責任医師が院長を兼ねているということですので、院長先生に確認して、譲渡で可能であるという判断を受けるということになります。
 9ページ目ですが、譲渡が可能ということであれば、今から取りに行くわけなのですけれども、取りに行く者に対しての場所ですね。病院といっても幾つか門もありますし、あるいは到着予定時刻がいつ頃になるだろうか、そういったこともきちんと指示をするということになります。
 10ページ目にはその指示をしているというようなところの写真が添えられています。そして、搬送担当者はこのような輸血製剤を運ぶボックス、訓練ですからこんなものにしていますが、これを持って輸血の譲渡機関へ走っていくということになります。製剤の譲渡に関しては、先ほどちょっと出てきました譲渡機関の検査技師さんのほうに事情説明して、譲渡依頼書あるいは譲渡証明書というものの交換が行われるのですが、それと一緒に製剤を受け渡すということになります。
 12ページ目ですが、製剤が譲渡されて、また医療機関に戻って、輸血が行われたというようなことです。
 13ページ目ですが、この間の搬送状況についてです。血液センターの人間ではありませんので、この期間にちゃんと温度がうまくいっているかどうかとか、そういったことも確認させていただいて、取りあえずは搬送容器内は2~6℃を保っていたということです。搬送に要した時間なのですが、これは隣の市なのですけれども、下の道を通ってもこのぐらいで行けたということです。信号は守っておりますので、このぐらいかかったということになるのですが、往復を考えますと1時間、前後のいろいろな手続を考えても2時間以内には製剤確保が可能だろうというような感触を得ました。
 ただ、訓練の参加者からの意見ということで、14ページですが、融通する製剤はFFPも可能にすべきではないかとか、書類関係がちょっと煩雑ではないかとか、あるいは血液センターのようにサイレンを鳴らして信号無視してもいいような形を取ってもいいのではないかとか、ちょっとそのような話も出ておりました。
 15ページですが、合同輸血療法委員会の委員が、その動画を見ての意見、感想になります。やはりライフラインの影響、ダウンしているということで、特に停電とかとなりますと電話も通じなくなるので、こういったことも想定したほうがいいとか、あるいは交通の遮断も情報確認をどうするかというような話もちょっと出ていました。ただ、最近はいいアプリもあるようで、どこでは既に交通が止まっているということが事前に分かるようなものがあるらしく、実際に血液センターもそれを利用しているとおっしゃっていましたから、そういったものもあらかじめきちんと見ておくというのが大事だろうということであります。
 今後の方針なのですが、この度の訓練を受けまして、昨年提出させていただいたこの指針の改定を予定しています。最終的には、この研修会を2月に予定していますので、ここで披露させていただいて、最終的な改定を年度末に報告するという形を取ろうかと思っています。以上です。
○半田座長 藤井参考人、ありがとうございました。非常に明解に御報告いただいて、問題点、今後の方針等々も述べていただきました。最初に宮川委員のほうから提言がありましたけれど、やはり災害弱者、それからこれから御報告がありますが、離島とか僻地とか、そういう所にも本当に平等に医療の恩恵が受けられるようにしていくということが重要かなと思います。
 それでは、今の御発表に関して、委員の方から御意見あるいは御質問おありでしょうか。いかがでしょうか。これから御発表される参考人の方、それから今まで御発表された参考人の方同士でも構いませんので、何か今の御発表に対して、自分の所はこうだとか、何かそのような御意見とかはいかがでしょうか。どうでしょうか。
 いわゆる血液の譲渡に関しては、現在法律上の問題はあるということですが、実際に災害時とか緊急時にはそんなことは言っていられないわけですけれども、この安全性という面からは、藤井参考人いかがでしょうか。今、搬送での機能の変化とか、そういうものを含めて、安全性という面ではいかがでしょうか。
○藤井参考人 ありがとうございます。一応、今回は赤血球製剤しか試していませんでして、温度がその間、2~6℃の間を維持していたということの確認はできていますので、搬送で、例えば搬送者が転倒するとか、搬送者自体が巻き込まれるということがない限り、いわゆる輸血部で保管しているような状態でそのまま移動したと、そういうイメージになるのだろうと思っています。
 ただ、ほかの製剤ですが、特にFFPなどはどうするかといったら、ちょっとありますので、それは今後の検討課題とさせていただければと思います。実際には出ている時間というのは、先ほどもお示ししましたように片道27分ですので、30分しか外に出ていないということになります。ですから、例えば今の輸血療法の指針とかでも、製剤などが輸血管理部門から出て30分以内、1時間以内に使いなさいというふうになっているかと思いますが、その範囲内であろうと考えています。
○半田座長 ありがとうございます。ほかにいかがでしょうか。参考人間の御質問でも構いませんし、大丈夫でしょうか。それでは、次の御発表に行きたいと思います。次は長崎県からの御報告です。長井参考人のほうから、離島圏への効率的な血液製剤の運用の研究ということです。それでは、長井参考人、よろしくお願いします。
○長井参考人 よろしくお願いいたします。長崎県の合同輸血療法委員会を代表いたしまして、代表世話人の長井でございます。今日はお話をさせていただきます。どうぞよろしくお願いいたします。
 タイトルは「離島圏における効率的な血液製剤運用の研究」です。資料は2-3になります。離島圏の医療機関では、地理的条件の制約ゆえに、未使用在庫分輸血用血液製剤の廃棄率が恒常的に高いことから、その運用の在り方の改善が望まれているわけでございます。私たちは平成30年から令和元年にかけて、厚生労働科学研究事業の一環として、五島列島の五島市にあります五島中央病院と長崎市の長崎大学病院、そして長崎県の赤十字血液センター間のBlood Rotationシステムを検討しまして、その実現可能性を明らかにしてまいりました。この成果は、Blood Rotationシステム(BRシステム)の運用が、多くの離島医療機関において、より適正で円滑な輸血用血液製剤の使用に寄与する可能性を示唆しうるものでありますけれども、一方で医療機関の規模や機能並びに地理的な要因が、その効果にもたらす影響というものがまだ明らかではありません。
 そこで私どもは、そもそもの話になってしまうのですけれども、長崎県の離島圏医療機関における血液製剤の運用状況並びにその課題を調査するということで、今回の研究を行わせていただきました。こういった取組を通じて、離島圏医療機関におけるBRシステム適用の在り方を検討してまいりたいと思っております。
 方法のその1は、直近3年間で製剤の使用実績のある長崎県の五島、壱岐、対馬地域の計8医療機関との間で、オンライン面談によるヒアリング調査を実施いたしました。ヒアリングの内容はここに掲げました内容でございまして、製剤の使用状態や廃棄の状況、それから管理の状況、配送の状況です。そして、近隣及び本土医療機関との連携体制がどのようになっているかということの聴取調査をを行いました。
 調査をした医療機関の概要を、ここに8医療機関をAからHとしてお示ししております。病床数や医師数から、AとDとGが比較的規模が大きい医療機関でございます。ただ、それに限らず、どの医療機関も幅広い診療科を標榜しております。それから、ほとんどの医療機関で2次救急以上の救急診療科を標榜していると、救急指定を標榜しているということになっております。
 血液製剤の使用状況でありますけれども、血液センターからの製剤供給量が比較的多いA、D、G、こちらは規模が比較的大きい医療機関でありますけれども、主に周術期の輸血ということで使われています。Gに関しましては、周産期の医療でも輸血が使用されているということであります。特徴は、やはりこの3つの医療機関は在庫を院内に抱えているということになっております。
 一方で、在庫を抱えているがゆえに、廃棄状況を御覧いただきますと、非常に高い廃棄率で年々推移しているという状況が認められます。一方、内科的な慢性貧血が主体となるA、D、G以外のB、C、E、F、Hの医療機関ですけれども、比較的小規模なのでありますが、在庫を保有しておらず、患者の急変によって使用しなかったという例外的な事態を除いて、廃棄はほぼないという状況が見て取れます。
 搬送や緊急時対応などがどうなっているかということです。ちょっと字が細かいので、掻い摘まんで申し上げますと、在庫を抱えている規模の大きいAとDとGの医療機関におきましては、定時配送に加えて、緊急配送を随時必要としているということになっております。DやGでは、年に数回の、いわゆる危機的出血に対する異型適合輸血の実施実績もございます。
 一方、規模が小さく在庫を抱えていないB、C、E、F、Hの医療機関では、緊急配送をほとんど利用しておりません。大体が直配体制で賄えておりますが、急ぎで輸血を必要とする場合は、近隣あるいは本土の基幹的医療機関に患者を移送する対応が取られています。血液センターからの直配体制が安定して機能しているものの、時間的な制約から急を要する場合は臨時の対応が困難になっており、その結果、それに対応するために近隣の少し大きい病院、在庫保有医療機関への患者移送という形で対応がなされている状況がうかがえました。
 今、申し上げたヒアリングの結果を総括いたしますと、在庫を抱えているかいないかで、随分くっきりと性格が分かれるということが、今までの話でお分かりいただけるのではないかなと思います。
 さて、次に行いましたのがATRの搬送でして、先年はこの地図のこの辺りにあります五島中央病院だけの間でやったのですけれども、今回は更に範囲を広げまして、この上五島地域、壱岐、そして対馬の2か所を対象として、ATRの搬送実験、シミュレーションを行ってみました。
 搬送に要する時間ですけれども、今回はいずれも空路を使用せずに海路を、そして上陸したら陸路のみを使用したということになります。所要時間につきましては、前日の夕刻に長崎のセンターを出発して、医療機関の到着は翌日の午前中という道程でありまして、いずれの医療機関の点においても片道16~18時間程度を要しました。この間、ATRのバッテリーに関しましては、本来の性能として約20時間の稼働時間であることに加え、血液センター及び医療機関において充電を行うことでトラブルなく稼働させることが確認できました。
 それから、これは搬送中の庫内温度のデータでございます。青が庫内温度で、緑が外気温です。この赤で示しておりますのが、こちら側の軸が庫内温度の適正の範囲ということになります。外気温は緑色、クールコンテナ内あるいは室内外の環境下で、かなり大きく変動するわけなのですが、庫内温度に関しましては外気温の影響を受けることなく、概して4℃前後の安定した状態を維持できているということが確認できました。
 搬送コストについてです。今回は、現行の日常的な血液製剤に順じた搬送経路を用いたわけなのですけれども、仮にこれで、前回五島中央病院でやったような週1回の往復サイクルを想定をしますと、対象地域によって多少の差異は生じますが、1か月で1万2,380~1万5,548円の搬送コスト、これに各種維持費や運用にかかる経費が積算されるということになります。離島医療機関における廃棄量の低下や、返品再出庫による製剤の循環型有効利用が進むことによって、経済的にも運用可能な仕組みとなる可能性があると思われます。
 一方で、これを持続可能なものとするためには、離島医療機関における製剤運用と在庫管理の更なる適正化や、対象となる医療機関、あるいはそこにおける品質管理などに係るBRシステムそのものの適正な運用をモリタリングしていく仕組みというものが必要になってくるのではないかと思っております。
 以上をまとめまして考察です。在庫保有医療機関では、近隣の医療機関からの急な輸血対応の患者要請に応える目的から在庫を抱えておりまして、これに地理的事情が加わることから、期限切れによる高い廃棄率が持続する状況が生じていると考えられます。したがって、BRシステムの運用対象となる離島医療機関としては、まずこの在庫を保有している基幹的な医療機関が挙げられると思われます。繰り返しになりますが、品質管理や運用状況のモリタリングやコストバランス等の課題をクリアしながら行っていく必要があるのかなと考えております。
 今回のヒアリングの結果を通じて、離島の医療機関においては、その地理的特性に鑑みて、適正使用はもちろんのことなのですけれども、ここにあります在庫調整や、場合によっては一部異型適合輸血を行いながら、また非在庫保有機関においては保有機関や本土の医療機関との間での患者さんの転送、場合によっては在庫保有機関から血液製剤を融通してもらうといったような選択肢など、限られた血液製剤資源の運用を上手に行っている状況も認められました。離島の在庫保有医療機関における在庫量の負荷をBRシステムによって軽減することで、離島の医療機関における製剤廃棄を減らして、より適切で円滑な輸血医療に寄与しうる一方で、不使用製剤の循環型配分がBRシステムによって可能になるものと考えております。
 結語です。地域の人口動態や医療機能構造の変化予測に基づく包括的な観点に立って、地域や医療機関の特性に応じた医療資源の配分の一環として、離島地域における輸血医療及び血液製剤のサプライチェーンの問題を最適化していくことが重要であると考えています。BRが血液製剤の品質や安全性を担保しながら、効率的な循環型配分システムとして、持続可能な体制たりうるために、運用や品質管理の標準化やモリタリング体制が不可欠であると考えております。御清聴いただき、ありがとうございました。
○半田座長 長井参考人、ありがとうございました。長崎県の試みということで、離島の輸血医療に関するシミュレーションを加えた非常に詳細な試みだと思いますが、いかがでしょうか。ATRという搬送システムを使って、温度管理はきちんと適正にされているというデータも頂いて大変参考になったと思いますが、委員の方々、いかがでしょうか。あるいは、参考人の方、何か御質問などございますでしょうか。では、田中参考人どうぞ。
○田中参考人 長井先生、詳細な説明をありがとうございました。Blood Rotationは非常に血液製剤の有効利用に役立つと思うのですが、私が課題と考えているのは、先生がお示しになったようなコストと、あとはこのシステムの適切な運用ということもお示しになりましたが、結局Blood Rotationで回ってきた有効期限の短い血液製剤を大病院が引き受けると、積極的に受けるという、そういう体制を地域で構築できるかということになってくると思うのですが、先生、コストについてですが、搬送コスト等をお示しになりましたけれども、このぐらいは、例えば診療報酬上で評価してほしいとか、何か御希望がありますか。
○長井参考人 御質問ありがとうございます。ちょっと詳細に積算した結果を踏まえて、例えばBlood Rotationを行う離島医療機関に関して、受益者負担ではないですけれども、少し費用負担を医療機関側に求めていく、あるいはそれを診療報酬の中で何か特定の算定を行うといったような仕組みがあればいいとは思いますけれども、具体的にはちょっと私も。今、スライドの12枚目の搬送コストのところをお出ししていますけれども、この1万何千円というコストをどうやって吸収するかということ、あとは、この各種の経費に関してどういう形で、ある意味ビジネスとして、このお金の問題を動かすかというところが、やはり血液センターさんの御意見というものが非常に重要になってくるかと思いますので、私からは明解な答えができないです。すみません。
○半田座長 ありがとうございました。次も鹿児島県の離島の輸血医療に対する御報告です。それでは続きまして、古川参考人のほうから御発表をよろしくお願いします。
○古川参考人 鹿児島県の合同輸血療法委員会の代表世話人の古川と申します。よろしくお願いします。長井先生のお話を聞いていて、血液センターが3つの離島に対して対応できるだろうかと質問しようと思っていたところですが、鹿児島県の離島の現状についての御説明と、これまでどのようなことに取り組んできて、どういうようなことをしていただけないかというお話をさせていただこうと思います。
 資料2-4、令和2年度のこの研究事業ですが、「鹿児島県に存在する様々な規模の離島における安心・安全で適正に血液製剤を使用する方策に関する研究」です。1つ目として、離島での血液製剤使用の実態調査(いわゆる生血使用を含む)です。2つ目は、血液搬送装置ATRを使用した離島間の緊急血液融通のバリデーションです。
 まず、令和元年度の研究事業で行った鹿児島県立大島病院に対するBRの話を少ししたいと思います。鹿児島県立大島病院というのは、鹿児島の離島の中では一番大きな大島の中での中核になる病院です。この近くにあった日本赤十字社から委託されていた供給業務委託業者(備蓄所)が、2018年3月に撤退した後、院内在庫が必要となったことにより、廃棄血の量が、2017年度の40単位から備蓄所撤退後の2018年度には364単位と約10倍に増加しています。これは、県立大島病院内の在庫血が使われなかった場合、他の医療機関で有効に使用できずに期限切れ廃棄となるためです。
 そこで、県立大島病院の院内在庫、A型、O型、B型、AB型のうち、O型の在庫を10本から5本に減らして、その減らした分の5本をATRに格納し、県立大島病院に日赤のほうから搬送して、全く使用されなかった場合は、これを日赤に戻して本土の4つの病院で使用するというブラッドローテーションを行っています。3ページの概略図ですが、この4つの医療機関が、鹿児島県内で上位4つの血液製剤の使用量となっている病院となります。
 4枚目のスライドです。その結果として、県立大島病院で使用されなかったものは、全部使用されて廃棄は出ませんでした。それから、県立大島病院での廃棄が31.5%から9.8%に減っています。BRで返って来た血液を受けた4つの医療機関では、O型の廃棄血は増加しませんでした。それから、海路で運用すると、空路での運用よりも10分の1の費用で済みました。やはり、日赤の人的負荷はありました。それから、一番大事なことですが、ATR内のO型製剤は全部で35回BRをやり、4回開封して使用されています。この時点では、BR事業の継続を要望していくことを提案しています。
 5枚目のスライドです。ここからが昨年の鹿児島県の離島での輸血医療実態調査です。鹿児島県には26の離島があり、193の医療機関があります。この中で2離島は架橋されていて地続きですので、24の離島について血液を使う可能性のない歯科や眼科、保健所を除いた101の医療機関を対象として、2017年4月1日から2020年3月31日までの3年間、各離島の状況、人口、地理的状況、輸血が届くまでの時間、輸血の実施状況、輸血が必要な患者への対応、それから院内在庫(日赤血)の使用状況、生血の使用状況を調査しました。回収率は100%です。
 6枚目のスライドを御覧ください。鹿児島県の離島は、おおむね3つのグループに分かれます。1つ目は一番上の上甑島・下甑島でして、本土との距離は26kmで、高速船で最短50分です。この状況は、新潟の佐渡と似たような状況になります。
 2つ目は種子島・屋久島で、種子島の人口が2万9,000人、屋久島が1万3,000人で合わせて4万3,000人ぐらいです。本土との距離は100~130km、高速船で1時間30分~2時間30分です。右上に長崎の五島が書いてありますが、人口、距離、高速船でかかる時間等は似たようなものではないかと思います。
 奄美群島が少し特殊というか、いずれにも入らなくて、地図を見ていただくと沖縄と本土との間になりますが、非常に距離があって、大体400~500km、8つの有人離島があり、ここに約11万人の人口があります。フェリーでは10~20時間、航空便で1時間~1時間35分かかります。一番大きな奄美大島の人口が約6万人です。奄美大島、喜界島、徳之島、沖永良部島、与論島の5島に、それぞれ81~350床の総合病院があります。
 7枚目のスライドです。ほかの離島と比較した場合の鹿児島県離島の地理的状況のお話をしましたが、まとめると、奄美大島というのは、沖縄本島、佐渡島に次いで、日本全体でいえば5番目に大きな島です。沖縄本島は146万人の人口で、ここには血液センターが存在しています。佐渡島の人口は5万2,000人で、奄美大島はそれよりも人口が多いのですが、血液センターもない状況で11万人の人が存在しているという状況です。
 8枚目のスライドを御覧ください。血液センターから医療機関までの搬送時間です。ただ、これは便数、発時刻を考慮しない時間です。実際の発注から到着までの時間ではありません。例えば奄美大島の場合には、もし15時以降に発注するとなると、翌日の航空便の始発まで待つ必要がありますから、20時間かかります。20時間は血液は届かないことになります。
 9枚目のスライドです。2017年から2019年の3年間での日赤血の輸血状況です。使用人数が8離島、33施設に供給されていますが、32施設で4,210人が使用しています。赤で囲んである所が奄美群島ですが、この奄美群島で3,000人使用しています。奄美大島が1,608人、喜界島が110人、与論島が441人、沖永良部島が307人、与論島が484人です。
 10枚目のスライドを御覧ください。患者さんに輸血が必要だというときに、患者を搬送しているかどうかということです。8つの離島で21施設、31回搬送しています。鹿児島本土に4回搬送されており、それは本土に近い甑島、種子島、十島です。島内の中核医療機関に搬送しているものが26回、他の離島の中核医療機関、離島から他の離島への搬送が1回、甑島のグループでは、本土から26kmですが、川内済生会病院に搬送しています。種子島と屋久島では、鹿児島市内の市立病院や大学病院に搬送しています。ところが、奄美群島の状況は、それぞれの離島の中核になる病院に搬送していて、輸血が目的なだけで本土に搬送していないことが分かります。
 小括です。輸血が必要な患者さんを高次医療機関に搬送する場合、甑島、種子島、屋久島では、島内の中核病院で対処できない場合は本土へ搬送しています。種子島の1医療機関では赤血球製剤の院内在庫を保有しています。奄美群島では、輸血目的での本土への搬送は行われていません。奄美大島の人口は約6万人ですが、ここは県立大島病院、名瀬徳洲会病院、奄美中央病院のいずれかに搬送されており、2医療機関では、日本赤十字社の赤血球製剤の院内在庫を保有しています。徳之島、沖永良部島、与論島では島内の最大医療機関へ搬送しており、それぞれの離島で日本赤十字社の赤血球製剤を院内在庫として保有しています。喜界島は奄美大島のすぐ近くにあるのですが、どうしてもというときには奄美大島の名瀬徳洲会病院へ搬送されています。
 12枚目のスライドです。島内の日赤血の在庫状況です。各5つの離島の6医療機関が在庫を持っています。奄美大島では2つの医療機関が在庫を持っています。
 13枚目のスライドは奄美市の地図です。ちょうど真ん中の水色の部分が船が着く所なのですが、このスライドが何を示したかったかというと、奄美大島には13の輸血使用機関があるのですが、このうちの8つがこの奄美市内に存在していて、非常に近い所に8つの医療機関があります。県立大島病院の役割は、地域救命救急センターでDrヘリを持っています。地域がん診療連携拠点病院等いろいろな機能を持っていますが、脳死臓器提供も複数施行しています。今年の1月6日にも臓器提供が行われて、5例されているそうです。それで、担当の麻酔科の先生などは、輸血のことを考えながら、天候のことや血液をどう確保するかということまで考えるのはしんどいと言われていました。
 14枚目のスライドです。院内血(生血)使用患者数及び供血者数です。3年間に6施設で44人が院内血を使用しています。屋久島の状況がよく分からなかったのですが、屋久島で28人使用しています。
 15枚目のスライドですが、どのような患者さんが院内血を使用しているかということで、例えば患者No.2は腹部に鉄板が挟まって受傷し、ショック状態で腹腔内出血があり、緊急で手術が必要で、出血が予想されるため生血が必要となった事例です。院内血を6単位使った後に、日赤血を40単位使っています。患者No.4は、モーターパラグライダーのメンテナンス中に右腕を巻き込まれ、出血性ショックで心肺停止になって、緊急手術が必要となり、生血を10単位使った後、日赤血を110単位使用しましたが、生存しているということです。
 このような状況で、どうしても生血を使わざるを得ない状況があるというのが16枚目のスライドです。生血を使用する状況として、大量出血時の対応に必要な血液が、適切なタイミングで血液センターより入手できないということです。実質的に機能する夜間血液搬送システムとフィブリノゲン製剤の保険適応、赤血球製剤の有効期限延長が可能になると、院内血の頻度が低下する可能性があります。本調査から、その島で最も大きな医療機関への輸血医療体制の拡充が求められる結果となりました。特に、奄美大島は本土からの距離、人口の多さ、島内に搬送先となる医療機関が複数あることを考慮すると、更に血液供給体制に配慮が必要かもしれません。この配慮については、後で現在の状況のところでもお話をさせていただこうと思います。
 次に、血液搬送装置(ATR)を使用した離島間の緊急血液融通のバリデーションです。これは奄美大島と喜界島間での血液緊急融通です。17枚目のスライドに地図が載せてありますが、喜界島は奄美大島から20Kmと非常に近いです。本土から直送する場合には、朝7時35分と13時20分の航空便があります。しかし、午後12時を過ぎると、実際に製剤が届くのは翌日の7時35分の便になりますので、届くまでに21時間かかります。この空白の時間、奄美大島と喜界島の間に夜間フェリーが週5便運航していることを使えないかと、このフェリーを使って県立大島病院内の院内在庫血を緊急時に喜界島へ融通することができるかというバリデーションをやったというのが18枚目のスライドです。
 ここに書いてあるとおり、県立大島病院はDrヘリを所有しているのですけれども、Drヘリは夜間飛ぶことができません。Drヘリ用のATRを県立大島病院は所有していますが、Drヘリが飛ばない間であれば、Drヘリ用のATRを船に乗せて運ぶということを実際に試してみたということです。
 19枚目のスライドを御覧ください。この青のグラフで12時を過ぎると、製剤が届くまで21時間かかるのですが、この船便を使うことを考えると、ここでの空白時間を全部埋められて、24時間当たりでの製剤の到着時間は平均7.3時間に、9時から17時の間であれば平均5.7時間に縮めることができたということです。
 20枚目のスライド、現在の状況です。鹿児島県合同輸血療法委員会では、ATRを用いて県立大島病院にO型のRBCの在庫を増やして、使用されなかった血液を本土の4医療機関で使用するBRを行う研究事業を行い、安全でかつ廃棄血減少を図ることが示されましたが、初期導入費用、ATRを3台購入するのに156万円、保守点検に年間13万円、運搬費用が空路1回で1.4万円、年間で75万円、海路だとその10分の1で約8万円です。それから、日赤が1回のBR当たり、空路だと1回360分、海路だと1回295分かかるということで継続には諸問題がありました。奄美大島の世話人からは、島内へ日赤の出張所の設置希望がありました。ただ、別の世話人からは、供給量に対して費用がかかり過ぎて設置できないとの意見が出されています。
 その下は、令和2年12月18日の閣議決定なのですが、令和2年度の地方からの提案等に関する対応方針の中に「日本赤十字社による出張所の設置や血液製剤の配送回数、配送ルートの見直し等について、地方公共団体、医療機関及び日本赤十字社との間において検討されるよう支援を行う」と書かれています。実は、令和2年に日本医師会長から日赤本社に、出張所の新規開設を含めた供給体制の強化について要望されていますが、これに対しては、検討を継続するという返事となっています。奄美大島の世話人からは「血液供給体制の解決が困難な場合に機能する積極的な支援介入の窓口が欲しい」との意見があります。
 最後に21枚目のスライドです。これまでやってきたこととして、緊急時の院内採血、院内の日赤在庫血を増やすということ(廃棄血は増える)、ATRを用いたBRによる廃棄血の減少(研究事業)ですが、実際、日赤の負担を考えると1施設に行うのが限界で、赤血球でしかその効果は得られません。それから、離島間での緊急時の血液融通を研究事業として、バリデーションですが、行いました。
 今後の目標は、やはり安全で安心な輸血治療の実現であって、そのためには供給体制の充実が必要だと思います。供給体制の充実として、奄美大島への出張所の開設を望む声があるというのが現状です。
 それから、離島においては、供給体制の不足に対して院内在庫を増やして、それでも不足時には院内血を使用しています。在庫血を有効に使うには、先ほどの長崎での話でも思ったのですが、在庫血が緊急時にしか使われないと、やはり廃棄血は増えると思うのです。ですから、病院間で平時から融通ができれば、かなり廃棄血は減るのではないかと思います。その際の品質を担保する方法として、ATRを使用する方法があるのではないかと思います。離島というのは毎晩、災害に似たような状況がやって来て、しかも毎晩やって来ることが分かっています。そこで、薬機法の血液融通の条件で、例えば離島条項、離島の状況を鑑みて、平時でも融通を認めるような形を何とかできないのかということを、血液対策課にも昨年要望したところです。以上です。
○半田座長 ありがとうございました。鹿児島県の試みということで、詳細に御報告いただきました。座長の不手際で時間になってしまいました。どなたか手短に御質問等ありますでしょうか。よろしいですか。それでは、今までの御報告を参考にして、事務局としては適正使用により努めていただければと思います。では、事務局にお返しいたします。
○佐野血液対策課長補佐 ありがとうございます。議題4「その他」ですが、事務局からは特にございません。半田座長、ありがとうございました。
 次回の適正使用調査会の日程は、別途御連絡差し上げます。これにて、血液事業部会令和3年度第1回適正使用調査会を終了いたします。ありがとうございました。
○半田座長 ありがとうございました。

(了)