第179回労働政策審議会職業安定分科会 議事録

日時

令和4年5月18日(水)17:30~18:30

場所

厚生労働省共用第9会議室
(東京都千代田区霞が関1丁目2番2号
中央合同庁舎5号館 17階 国会議事堂側)

傍聴会場
厚生労働省職業安定局第2会議室(傍聴会場)
(東京都千代田区霞が関1丁目2番2号 中央合同庁舎5号館 12階 公園側)

議事

議事内容
2022-5-18 労働政策審議会職業安定分科会(第179回)
 
○山川分科会長 それでは、定刻になりましたので、ただいまから第179回「労働政策審議会職業安定分科会」を開催いたします。
皆様、大変お忙しい中、御出席いただきまして、大変ありがとうございます。
本日は、労働者代表の勝野委員、西尾委員、久松委員、使用者代表の宮田委員が御欠席と伺っております。
宮田委員の代理といたしまして、ANAホールディングスグループ人事マネージャー、タナベアツシ様にオンラインで御出席いただいております。
なお、公益代表の酒井委員におかれましては18時20分頃、中窪委員におかれましては18時15分頃、所用のため、御退席予定とのことです。
では、カメラ撮影がありましたらここまでとさせていただきます。
本日の分科会は会場とZoomによるオンライン開催となります。オンラインでの発言方法等につきましては、事前に事務局から送付しております「職業安定分科会の開催・参加方法について」に沿って御操作いただきますようお願いいたします。
それでは、議事に入ります。
最初の議題は、議題の(1)から(3)、雇用保険法等の一部を改正する法律の一部の施行に伴う関係政令の整備に関する政令案要綱について(諮問)等についてとなっております。
これらにつきましては、5月13日付で厚生労働大臣から諮問を受けておりまして、同日の労働力需給制度部会におきましてあらかじめ議論を行っていただいております。
では、資料、需給制度部会での議論について、事務局から説明をお願いします。
○需給調整事業課長 事務局、需給調整事業課長でございます。
議題1から3について御説明を申し上げます。
諮問文等改正の要綱については、資料1ということでございます。案件としましては、本年10月1日に施行する職業安定法の改正に関わる部分の政令、省令、指針となっております。
資料1は要綱の形になっておりますが、内容の説明につきましては参考資料1を使用させていただきたいと思います。参考資料1には改正後の法律の条文、それを受けた対応案としての政令、省令、指針の内容等を整理させていただいております。
それでは、参考資料1の1ページを御覧いただきたいと思います。
法律の概要になります。今回御議論いただきますのは、改正の概要の2番目にあります職業安定法の関係でございます。募集情報等提供の定義の見直しや募集情報等の正確性、最新性を保つための措置の義務づけ、求職者情報を収集する募集情報等提供事業者への届出制の創設などが内容です。
法の施行日が令和4年10月1日ですので、今回お諮りする政令、省令、指針の施行日も10月1日を予定することとなります。
具体的に説明いたします。まず、政令の関係でございます。
3ページを御覧ください。
職業安定法におきましては、職業紹介事業者に対しまして、求人の全件受理の義務を定めております。これの例外として、一定の労働関係法令に違反する求人者からの求人の受理をしないことができるとされております。
対応案でございますが、この労働関係法令に今回改正により規定された募集情報の的確表示の義務を追加するものでございます。
以上が政令でございます。
続きまして、施行規則の関係です。
5ページを御覧ください。
法律の定義関係でございます。募集情報等提供事業の定義について記載しております。募集情報等提供の定義における情報提供の依頼元や提供先となる主体について、法律には労働者の募集を行う者、募集受託者、職業紹介事業者が列記されており、その他の主体については省令で定めることとなっております。
対応案でございますが、この省令で定める主体について、募集情報等提供事業を行う者、特定地方公共団体、労働者供給事業者を定めるものです。現行の定義は基本的に提供元が求人企業、提供先が求職者となっていましたが、その主体を他の雇用仲介事業者に拡大することとなります。
続きまして、6ページを御覧ください。
法律の条文の見出しとしては、情報の的確な表示の部分でございます。今回の法改正により、募集情報等の的確表示が法律上の義務として設けられました。この的確表示の対象となる広告等の範囲について、刊行物や文書の掲出、頒布以外の方法は省令で定めることとされております。
これについて、対応案の部分でございますが、書面の交付、放送(テレビ、ラジオ等)、インターネット及びこれらに類する媒体を利用する方法を定めることを対応案としております。
もう一点、2つ目のポツでございます。的確表示の対象となる情報について、法律では求人に関する情報、求職者に関する情報が規定されておりますが、省令では労働者の募集を行う者に関する情報と事業の実績に関する情報を定めることを対応案としております。これにより、募集情報等提供事業者や職業紹介事業者が自らの事業に関する情報も的確に表示することを義務づけるものであります。
続きまして、7ページを御覧ください。
的確表示の正確、最新の内容を保つための措置の関係であります。法律の第5条の4第3項において、雇用仲介事業者に対して、正確かつ最新の内容に保つための措置を講じることが法律上の義務とされております。その具体的な内容は省令に委任されており、その内容を定めるものです。
8ページを御覧ください。
対応案をまとめたものでございます。この措置義務の対象には職業紹介事業者や募集情報等提供事業者が含まれており、募集情報等提供事業者には求人企業の依頼なく情報提供を行う者など、様々な事業態様のものが含まれております。この各事業態様に沿った措置義務を定める必要があるものと考えております。
まず➀でございます。どの事業者にも共通で措置する必要があると考えられる事項として2点整理しております。求人等に関する情報の提供者や情報を提供されている求人企業、求職者から、掲載の中止や内容の訂正の依頼があった場合には速やかに対応する。また、正確かつ最新の情報でないことを自ら確認した場合には、速やかに内容の訂正の依頼、または掲載の中止を行うというものでございます。
その上で、各事業態様に合わせた措置として➁に整理をしております。それぞれいずれかの措置を取る必要があるという整理でございます。まず、1つ目、職業紹介事業を行う者、労働者供給事業者、求人者や求職者に定期的に情報が最新であるか確認を行う。2つ目、求人や求職者の情報の時点を明示する。
続きまして、求人情報を扱う事業に関する事項です。これが1号、2号に該当する部分であります。
1号は依頼企業がある従来型の求人メディアを念頭にしたものでございます。
1つ目、募集者等に対し、求人が充足したときや内容を変更したときには速やかに通知するよう依頼する。
2つ目、労働者の募集に関する情報の時点を明示する。
続きまして、2号は求人情報を扱う事業でありますが、求人メディアのうち、公開情報を収集する形態のものを念頭にしております。
1つ目、労働者の募集に関する情報を定期的に収集・更新し、その頻度を明確にする。
2つ目、労働者の募集に関する情報を収集した時点を明示するというものでございます。
1号、2号関係は求人情報関係でありました。それから、3号、4号は求職者情報を提供するパターンであります。第1号、第2号と同様の内容を求めることとしております。
なお、➁にあります事業者ごとのいずれかの措置につきましては、後ほど出てきます指針の中では可能な限り双方を講じることが望ましいとしております。
続きまして、9ページを御覧ください。
個人情報の関係でございます。法第5条の5第1項において、個人情報を収集する際には業務の目的を明示することとする規定が新たに追加されました。この方法について省令に委任されております。
この省令について、募集情報等提供事業者だけでなく職業紹介事業者等もこの対象に含まれていることを踏まえ、インターネットの利用を基本としつつ、その他適切な方法を定めるというものが対応案でございます。
続きまして、10ページを御覧ください。
届出の関係でございます。特定募集情報等提供事業の届出関係であります。法第43条の2第1項において、求職者情報を扱う求人情報メディアや求職者情報メディアの把握のため、特定募集情報等提供事業者に対し、厚生労働大臣への届出を義務づけております。
この届出事項について省令で定める事項について、下の対応案になりますが、氏名又は名称、住所、連絡先、連絡先は具体的に電話番号となります。職業紹介事業者又は派遣事業者の場合には、許可番号または届出番号を定めることを対応案としております。
また、サービス名称、サイトURL、第4条第6項各号、これは例えば求人企業から依頼がある形態か否かなど、法律上の定義上の分類ですが、このいずれに該当する事業かも記載事項として求め、これらの情報については、厚生労働省の人材サービス総合サイトに一覧として掲載し、利用者のサービス選択に資するようにするという対応案でございます。
あわせて、法人の場合は登記事項証明書の添付を求めるといったことや、届出事項の変更や事業廃止の場合の届出期限を定めるものであります。
続きまして、11ページを御覧ください。
法第43条の5において、特定募集情報等提供事業者は事業概況報告書を提出しなければならないこととなっており、その方法、項目について省令に委任されているところです。
具体的には、対応案のところでありますが、6月1日現在における提供している労働者の募集に関する情報や労働者になろうとする者に関する情報の概数、提供しているサービスの内容、募集情報等の的確表示、個人情報保護、苦情の適切な処理のために実施している措置を記載事項としております。提出時期については8月末としております。
なお、届出や事業概況報告提出の義務の対象となる、労働者になろうとする者に関する情報を扱う、すなわち求職者情報を扱うとは、氏名が特定される個人情報よりも範囲が広く、メールアドレスの収集はもちろん、メールアドレス等の登録を求めなくても、例えば利用者の閲覧履歴を記録し、それに基づきお勧め求人を表示するような事業など、求職者との双方向性があるような事業は届出等の対象となっております。
続きまして、12ページを御覧ください。
事業情報の公開の努力義務に関する部分であります。法43条の6において、関係者が事業者の利用に当たって参考とすることができるよう、募集情報等提供事業者に対し、事業情報の自主的な公開を努力義務として定めております。
対応案でございますが、省令では、公開方法としてインターネットまたは事業に利用している紙媒体によるという対応案としております。公開事項として、的確な表示に関する事項、苦情の処理に関する事項が既に法律で定められており、それ以外に個人情報を適正に管理するために講じている措置に関する事項と、利用者が検索をした場合に表示順を決定するために用いられている主要な事項を定めるという対応案としております。表示順を決定するために用いられている主要な事項というのは、スポンサー企業の広告は上位に来る旨などを想定しており、要綱上は括弧書きでその旨を明記しております。
続きまして、13ページを御覧ください。
苦情の処理の関係であります。法第43条の7において、募集情報等提供事業者の苦情の適切な処理が新たに義務づけられました。誰からの苦情がその対象になるかについて、法律では、労働者になろうとする者、労働者の募集を行う者、募集受託者、職業紹介事業者が規定されているため、省令では、募集情報等提供事業を行うもの、特定地方公共団体及び労働者供給事業者を定めるというものです。
続きまして、指針の関係になります。15ページを御覧ください。
指針の内容でございます。現行の指針の中でも、職業紹介事業者等に対し、人種等に基づく差別的な取扱いの禁止や男女雇用機会均等に反する職業紹介の禁止を定めているところであります。今回、募集情報等提供事業者に対しても同様の内容を定めるという対応案でございます。
続きまして、16ページを御覧ください。
的確表示の関係でございます。先ほども御紹介した求人情報等の的確な表示の義務に関し、2点整理をしております。
対応案のところでございます。まず1点目、募集情報を提供する段階でも、労働条件として明示することとされている事項に関する情報をできる限り含めることが望ましいとしています。
2点目として、誤解を生じさせる表示の事例を指針の中でお示ししています。具体的には、関係会社と求人企業、例えば親会社と子会社を混同させるもの、雇用と請負の募集を混同させるもの、固定残業代などを基本給に含めて実際よりも賃金を高く見せるもの、職種や業種について実際のものと乖離する名称を用いるものを指針で明記したいと考えております。
続きまして、17ページを御覧ください。
的確表示の関係であります。求人企業について、募集情報を正確かつ最新に保つことが直接的な義務にされておりますが、具体的にどういう対応が必要なのかを指針の中で整理するものでございます。
具体的には、労働者の募集を変更または終了した場合には、その掲載を速やかに変更または終了する。また、求人メディアに掲載を依頼している場合には、その掲載も変更または終了するよう依頼する。情報の時点を明らかにする。求人メディアから募集情報の訂正や変更を依頼された場合には速やかに対応するなどを対応の例示として指針に記載したいと考えております。
省令のところで触れましたが、募集情報等提供事業者の事業態様に応じた正確かつ最新に保つための措置について、省令上の定めとしてはいずれかの措置を取る必要があるとする予定ですが、指針では、可能な限り双方の措置を講じることが望ましいとしております。
続きまして、18ページを御覧ください。
個人情報の関係であります。対応案のところ、1点目は、今回の法改正により、目的の明示が義務とされておりますが、どの程度具体的に明示すればいいかを整理するものです。「一般的かつ合理的に想定できる程度に具体的に」とあり、これにより「募集情報提供に使用するため」といったあまりに抽象的な記載は許されないということを示したいと考えております。
2点目は、今回、依頼なく公開情報を収集してくるクローリングによる情報収集・提供が法律上位置づけられたことを踏まえまして、求職者が自ら公開している個人情報を収集する方法も指針上に明確にするものです。
3点目は、法律上も当然であることを改めて指針に記載しているものです。
19ページを御覧ください。
引き続き個人情報の関係であります。職業安定法上、本人同意が必要とされるのは業務の範囲を超えて個人情報を収集・使用する場合等とされていますが、その同意を取る際の留意事項を整理しているものです。
対応案のところでございますが、1点目は、何の同意を求めているかを求職者にきちんと具体的に明示した上で同意を取ることが必要であることを記載したものです。
2点目は、業務の範囲外に個人情報を使用することの同意を募集情報等提供などの条件としないことを求めるものです。求人情報提供サービスと関係ない業務に関する個人情報の使用に同意しないと求人情報提供サービスを利用させないという取扱いを禁止するものです。それから、自由な意思に基づく同意が本人により明確に表示されることを求めるものでありますが、例えばサービスの利用をもって業務の範囲外の個人情報の使用に関する同意とみなすなどの取扱いを禁止するものであります。
下段は、現行の指針で職業紹介事業者等に対して求めている、保管する必要がなくなった個人情報の破棄等の措置を求めるものであります。
続きまして、20ページを御覧ください。
職業紹介事業と募集情報等提供事業の区分に関するものです。指針におきまして職業紹介と募集情報等提供の区分が定められておりますが、近年、アルゴリズム等を使用し一定の求人を求職者にお勧めするようなサービス、いわゆるリコメンドのような取扱いもございますが、現行の指針の規定ぶりでは不明確との指摘もあることから、これを明確にするものです。
対応案のところでございますが、通則的な考え方を2点整理しています。
ポツの3つ目でありますが、コンピューター等により自動的に行われている行為であるかどうかはあくまで手段の問題であり、職業紹介であるか否かの判断は実態として何が行われているかに着目して判断すべきことから、まずコンピューター等により自動的に行われているかどうかは問わないことを明確にすることを示しております。
また、ポツの4つ目、ここでお示しする区分基準は該当すれば職業紹介という判断基準でありますが、これに該当しなくても、実態から判断してあっせん行為と判断されれば、職業紹介に該当することも明確にすることを示しております。
21ページを御覧ください。
具体的な指針の改正案であります。右が現行、左が改正案となっております。柱書きについては、今申し上げたコンピューターにより自動的に行われているかを問わないこと、実態から判断する旨を記載しております。
改正案のイについて、雇用仲介事業者が主体的に判断をし、つまり、当該者の判断により情報の提供相手や提供する情報の選別を行い、その対象者または対象となる情報しか閲覧することができないようなことを職業紹介であるとの基準にしております。例えばビジネスモデルとして求人は非公開にしておいて、事業者の判断により個別にリコメンドされた求人しか求職者が見ることができないような形で応募を勧奨するようなものは、この基準に該当することになります。
改正案のロについて、提供する情報の内容を当該者の判断により提供相手に応じて加工し提供を行うこと、すなわちオーダーメイドに近い形で提供するか否かを加工における職業紹介であるかの基準としています。例えば、求人情報や求人メディアにおいて把握している当該求人企業の過去の採用実績等の情報と、求人メディアが把握する求職者の経歴等を照らし合わせ、独自のメッセージを付加し、求人情報を配信するような場合には、この基準に該当することになります。
続きまして、22ページを御覧ください。
ここでは、現行の指針で既に募集情報等提供事業者に求めている事項や、職業紹介事業者に求めている事項と同様のものを募集情報等提供事業者に求めることを記載しております。
1点補足しますと、最後のポツについて、改正法で設けられた苦情の適切な処理のための体制として、少なくとも相談窓口は明確にすることを求めております。
告示の内容は以上になります。
議題(1)から(3)について、以上の内容を要綱の形にしたものが資料1になっております。
職業安定法の改正に伴う政令、省令、指針の3点につきましては、職業安定分科会に先立って行われた5月13日の労働力需給制度部会においてあらかじめ御審議いただきまして、妥当とされておりますので、その旨、御報告をさせていただきます。
御審議のほど、よろしくお願いいたします。
○山川分科会長 ありがとうございました。
それでは、本件につきまして御質問、御意見がありましたら挙手をお願いいたします。オンラインで御参加の委員におかれましては、「手を挙げる」ボタンをクリックしていただいて、こちらで指名させていただいた後に、お名前をおっしゃって御発言をお願いいたします。
では、御質問、御意見等はいかがでしょうか。
では、冨髙委員、お願いします。
○冨髙委員
内容につきましては、需給制度部会での議論が適切に反映されているものと考えております。その上で、需給制度部会でも多くの委員から分かりやすさの点で様々な御意見が出されたと思いますが、法の実効性確保という観点からも、分かりやすく、正確な情報が事業者と求人者に対して伝わるように、周知徹底をお願いしたいと思います。
以上でございます。
○山川分科会長 ありがとうございました。
では、新田委員、お願いします。
○新田委員 経団連の新田でございます。
御説明ありがとうございました。
今し方御説明いただいた内容については、3月30日に可決、成立した改正法の施行に向けまして、労働力需給制度部会で3度にわたって丁寧に議論をしてきた内容と承知しております。同部会の部会長でもあられます山川分科会長をはじめ、事務局の方々の御尽力にまずは感謝を申し上げたいと思います。
諮問がありました政令及び省令、告示の改正案要綱につきましては、昨年12月にこの分科会に報告のありました労働力需給制度部会の報告書の内容、趣旨が適切に反映されているものと理解しております。したがいまして、今回のこの内容で妥当と考えているところでございます。
今後につきましては、冨髙委員お話がありましたように、10月1日からの法の施行に向けて、今後作成されるであろうQ&Aやリーフレット等において、事例等を交えながら改正内容を分かりやすく解説するなど、周知をしっかりと進めていくことが非常に重要だと考えます。
加えまして、情報の的確な表示方法や公開する事業情報の範囲、あるいは苦情処理の体制整備の在り方といったことについては、省令や指針による規律のほかに、ぜひとも業界が自主的に定めて公表するといった主体的な取組もぜひ期待したいと思っております。
私からは以上です。
○山川分科会長 ありがとうございました。
それでは、次に馬渡委員、どうぞ。
○馬渡委員 全国中央会の馬渡でございます。
先ほど皆さんもおっしゃったように、法改正でいろいろな募集情報の提供事業者の方が出てこられて、求職者にとって利便性が上がるというのは非常にいいことかなと思っていますけれども、1つ質問と、それに付随して中小企業の観点から意見を述べさせていただきます。
質問のほうは、法改正によって職業安定法上に位置づけられることになった募集情報等提供事業者について、中小企業の方はどれぐらいおられるかということを把握されておられましたら教えていただきたいというのが1つ質問でございます。
もう一つは意見でございますけれども、そういった中小企業、小規模事業者、もしくは地方の募集情報等提供事業者がいた場合に、負担感が出ないようにしていただきたいなと。大手事業者さんであれば、内容等も頻繁に変更をかけられるとか、スムーズに対応できるという部分が手数をかければできるような内容になるのであれば、中小企業にとってはなかなか厳しいのかなと考えておりますので、ぜひそういった取りこぼされる事業者が出てこないような対応をしていただくことが求職者にとっても大事なのかなと考えておりますので、よろしくお願いいたします。
○山川分科会長 ありがとうございます。
質問がございましたので、では、篠崎課長、どうぞ。
○需給調整事業課長 需給調整事業課長でございます。
まず、御質問として募集情報等提供事業者で中小企業がどれくらいかということですが、大企業か中小企業かというところで分けて把握しておりません。また、全体数も正確にはなかなか把握が難しいことでありますが、施行前に検討に当たって労働局などを通じまして把握したところでは、800程度の事業者は把握させていただきました。もちろんこれ以外にも、おっしゃるようないろいろな事業者がおりますので、対象はもうちょっと広くなるかなと思っております。
まさに中小規模の事業者でも負担感がなく、分かりやすく届出ができるように、周知に工夫したり、今後の相談や運用に努めてまいりたいと思っております。
以上です。
○山川分科会長 馬渡委員、何かございますか。
○馬渡委員 そういった事業者が把握できたら、やはり中小企業でもついていけるような支援をお願いしたいなと思いまして、ぜひよろしくお願いいたします。
○山川分科会長 ありがとうございます。
では、次に大下委員、お願いします。
○大下委員 御説明ありがとうございます。
御説明いただいた内容について異論はございません。
改めて政省令、指針に落とし込んだ内容を伺って、今回の改正に伴って事業者が対応しなければならない内容がかなり多く、かつ、やや分かりにくい部分もあると感じております。これまでも皆さん御発言された内容ではございますが、施行に当たっては、改正の趣旨、該当する企業の範囲、届出、報告など事業者に求められる内容や、実際の募集情報の提供や苦情対応の際の望ましい在り方、留意点等について、まだ施行まで時間はありますが、前広に、かつQ&A、事例等を用いて、できる限り分かりやすく企業への周知を行っていただきたいと思います。また、問合せ等があった場合の事業者への十分な相談対応をぜひお願いしたいと思っております。
また、馬渡委員からもお話がございましたが、相当数の中小事業者もいらっしゃるかなと思います。必要な手続については、できる限り簡便にできるように御配慮をお願いしたいと思います。そういう意味では、今般、届出並びに事業概況報告の提出について原則オンラインとしていただいたところは適切かなと思っております。
私のほうからは以上です。ありがとうございます。
○山川分科会長 ありがとうございました。
そのほかに御質問、御意見等ございますでしょうか。よろしいでしょうか。
様々な有益な御意見、御指摘をいただきました。いろいろな形で分かりやすく周知を施行に向けて図っていくこと、それから、中小企業等への支援、業界の自主的な取組への期待等の御意見、コメントをいただいたところでございます。
これらを踏まえまして、当分科会としては厚生労働省案をいずれも妥当と認め、その旨、私から御報告を申し上げたいと考えております。
このような方向で御意見はございますでしょうか。よろしいでしょうか。
では、報告文案の表示をお願いいたします。
(報告文案表示)
○山川分科会長 ありがとうございます。
本件は政令、省令、告示の3件ということで、労働局需給制度部会における妥当と認めるという報告を受けて、本分科会としても妥当と認めるということでこの報告文案が記載されております。
この報告案によって労働政策審議会会長宛に報告するということで御異議はございませんでしょうか。よろしいでしょうか。
(委員首肯)
○山川分科会長 それでは、御異議ございませんので、そのように報告をさせていただきます。ありがとうございました。
それでは、次の議題に移ります。
次は議題(4)ということですが、林業労働力の確保の促進に関する法律に基づく基本方針の変更についてとなっております。
こちらについて事務局から説明をお願いいたします。
○農山村雇用対策室長 農山村雇用対策室でございます。
資料につきましては、資料番号2を使いまして説明させていただきます。
林業労働力の確保の促進に関する基本方針についてですけれども、こちらの基本方針につきましては、林業労働力の確保の促進に関する法律におきまして農林水産大臣と厚生労働大臣が定めなければならないとされているものでございます。
資料の1ページ目に法律の概要、目的をおつけしております。
林業につきましては、作業が季節、天候に左右されやすい。それから、樹木の生育状況に合わせて作業を行うため、森林の樹齢構成によって行える作業が異なる。あるいは施業の単位が小規模零細であることが多いということから、事業が間断的、あるいは雇用につきましても季節的、間断的に行われる傾向があるという特殊性がございます。
こういった特殊性を踏まえまして、法律につきましても林業労働力の確保を促進するため、事業主が一体的に行う雇用管理の改善及び事業の合理化を促進するための措置、それから、新たに林業に就業しようとする者の就業の円滑化のための措置を講じ、林業労働者の雇用の安定に寄与することを目的としまして、平成8年に制定されております。
2ページ目を御覧ください。
法律のスキームでございます。スキームの1段目、今申し上げましたとおり、農水大臣、厚労大臣が基本方針を定めるとされております。方針の内容としましては、林業の経営及び雇用の動向、林業労働力の確保の促進の基本的な方向、雇用管理の改善及び事業の合理化、就業を希望する方の就業の円滑化のための措置等を定めることとされております。
2段目以降のスキームになりますが、基本方針に即した形で都道府県知事が県内の基本計画を定め、事業主は雇用管理改善及び事業の合理化に関する改善計画を作成し、知事から適正と認定されますと、認定事業主ということで国有林野事業における委託の配慮等を受けるということで、事業主の雇用管理改善、事業の合理化の取組を促進するというスキームになっております。
3段目に林業労働力確保支援センターとございますが、こちらはこの法律の中で都道府県知事が都道府県内に1つに限り指定できるとされておりまして、資料にもある業務等を行うことで認定事業主を支援するというようなスキームになっております。
続きまして、3ページ目を御覧ください。
こちらは林野庁の所管になりますけれども、森林・林業基本計画の概要をおつけしております。この森林・林業基本計画につきましては、森林・林業基本法に基づき、林業政策全般にわたる基本的な在り方が定められているものでございまして、昨年6月に改定されております。
真ん中の青い部分、林業の持続的かつ健全な発展に関する施策として、下に2つございますけれども、人材の育成確保、あるいは林業従事者の労働環境の改善などが位置づけられております。
林業労働力の確保の促進に関する基本方針につきましては、労働力の確保のための雇用管理改善や事業の合理化に向けた基本的な方向性を定めておりますけれども、その内容につきましては、林業を取り巻く情勢や林業政策全般にわたる基本的な在り方を定めておりますこの森林・林業基本計画などを踏まえる必要がございます。
昨年のこの森林・林業基本計画の改定におきましては、近年の情勢を踏まえまして、伐採後の再造林の推進、あるいは新たな技術の導入による従来の方法とは異なる取組の促進、それから、林業における労働災害発生率がいまだ他の産業の10倍を超える状況ということで、今後10年をめどに発生率を半減させることを目指して労働安全対策を強化することなど、林業労働力の確保、あるいは林業労働者の方々の働き方に大きく関わる改定がされております。こうしたことも踏まえまして、林業労働力の確保の促進に関する基本方針につきましても変更を行うこととしております。
続きまして、4ページ目を御覧ください。
現在の基本方針の主な項目とその状況を整理しております。
幾つか紹介させていただきますと、まず1段目、林業労働力確保の促進に関する基本的な方向としまして、林業労働力の確保には林業労働者が定着し、技術・知識等を習得、蓄積していくことが重要というようなことが定められております。
その状況としましては、右側、林野庁の「緑の雇用」事業における状況になりますけれども、定着率については上昇傾向でございます。
2段目、雇用管理の改善を促進するための措置としまして、雇用の安定化として常用化・月給制促進。それから、労働条件の改善としまして社会・労働保険への加入促進、労働災害の防止推進というものが定められております。
状況としましては右側、年間の就業日数210日以上就業する方の割合、月給制の割合は増加しております。それから、社会保険等の加入割合につきましても、雇用保険、健康保険、厚生年金とも増加しております。労働災害につきましては、発生件数自体は減少傾向でございますが、先ほど御説明したとおり、発生率についてはいまだ高い発生率となっているという状況でございます。
3段目、事業の合理化を促進するための措置としまして、2つ目のポツにありますが、生産性の向上としまして高性能林業機械等の普及による機械化の推進、3つ目、林業労働者のキャリア形成支援としまして、新規就業者の方はもちろん、一定程度の経験を有する方への段階的・体系的な研修促進というものが定められております。
その状況としましては、右側の2つ目、「緑の雇用」事業におきまして、新規就業者を対象とした研修のほか、一定程度経験を有する方へのキャリアアップ研修の取組がなされております。それから、高性能林業機械の保有台数につきましても約2倍に増加という状況でございます。
4段目、新たに林業に就業しようとする者の就業の円滑化のための措置としまして、労働力確保支援センターが行う労働者の委託募集、あるいは就業に必要な林業技術等に関する研修など就業に至るまでの一連の支援措置の促進というものが定められておりますが、こちらの状況としましては、委託募集による就業実績は平成28年から令和2年の5年間で167人。そのほか、労働力確保支援センターにおきまして就業支援の研修などが実施されております。
続きまして、5ページ目を御覧ください。
林業あるいは林業労働者の方を取り巻く情勢の変化、その変化を踏まえた主要な課題と課題に対する考え方を整理しております。
情勢の変化等につきましては、7ページ目以降に各種指標や取組事例をおつけしておりますけれども、本日はこの5ページ目の資料を使いまして御説明させていただきます。
まず、主な情勢ですけれども、1つ目、森林・林業を取り巻く情勢としましては、マル2にありますとおり、伐採と造林の一貫作業、ICT等の新たな技術導入の拡大と期待の高まりというものが見られます。
3つ目、林業労働者を取り巻く情勢としましてはマル7、通年雇用化あるいは月給制の導入、社会保険等の加入割合は増加傾向にありますけれども、週休制の導入など、全体としまして雇用環境の水準はいまだ他産業に比べて低い状況にございます。
それから、マル9、労働災害は減少傾向にございますけれども、先ほど申し上げましたとおり、他産業に比べて発生率はまだ高いという状況です。
4段目、林業労働力の動向としましては、マル11、伐採後の再造林を担う従事者が減少傾向にあるというような情勢になっております。
一番右側に課題に対する考え方を整理させていただいております。
1つ目、雇用管理の改善としましては、通年雇用化、月給制の導入等の推進、あるいは労働安全対策の強化、軽労化の推進というものが必要と考えております。
それから、事業の合理化としましては、再造林の推進等に対応した多能工化の推進、新たな技術等に対応した人材育成の推進等が必要と考えております。
3つ目の就業の円滑化でございますが、こちらはこれまでも取り組んできておりますけれども、就業希望者に対するガイダンス、あるいは新規就業者に対する技能習得の促進等の取組が引き続き必要と考えております。
この基本方針の変更に向けての今後のスケジュール案を6ページ目におつけしております。
本日、基本方針の概要等について御説明させていただきました。来月6月の分科会におきまして基本方針の変更案を御提示させていただきまして、御議論、御意見をいただき、その後、パブリックコメント等を実施した上で、9月頃の分科会におきまして基本方針の諮問、答申をお願いできればと考えております。
説明につきましては以上になります。
○山川分科会長 ありがとうございました。
それでは、本件について御質問、御意見がありましたら、先ほどと同様の方法で挙手をお願いいたします。
御質問、御意見等はございますでしょうか。
山田委員、お願いします。
○山田委員
私からは、今後の検討に向けまして、人材の確保に関する意見を申し上げたいと思います。
外国人技能実習制度2号及び特定技能制度の適用に向けた動きもありますが、日本人の新規就労者数への影響なども考慮すべきだと考えています。仮に技能検定制度の評価試験を活用するとしても、能力評価を処遇改善に結びつける具体的な施策が不明な状況であり、安易に導入するのではなく、慎重に検討するべきだと考えております。
さらには、他産業に比べて労働災害の発生率が高い状況にありますから、労働安全確保の観点からも慎重に議論をするべきだと考えています。
以上です。
○山川分科会長 ありがとうございました。
では、冨髙委員、お願いします。
○冨髙委員 御説明ありがとうございました。
私からは2点、質問と意見を述べたいと思います。
まず、基本方針のスケジュールについても先ほど御説明いただきましたけれども、進め方についてです。課題は多岐にわたりますが、次回の6月に変更案が示され1回議論するという進め方であれば、今までの実施状況の報告のみならず、項目ごとに取組の総括をした上で、基本方針の変更案を作成していただきたいと考えております。
また、基本方針の実施状況等も4ページで示していただいておりますが、中身としましては、林野庁の取組が中心になっているように見受けられます。厚生労働省による林業就業者に対する支援についてもしっかりと取組をお願いしたいと考えております。
さらに、新規の就業者確保に係る支援については、引き続き林野庁と厚労省双方の事業を拡充していくべきだと考えております。現時点で林野庁との連携の在り方も含めて、今後の取組について方向性等があればお考えを伺いたいと思います。これは質問でございます。
もう一点、林業労働者の処遇改善についてです。人材確保の観点で、処遇改善というのは不可欠だと考えております。個々の事業主による自助努力も重要だとは思いますが、企業任せではなく、国による新たな林業政策の立案、展開も必要と考えているところでございます。
とりわけ、林業、木材産業につきましては、若年齢からピークに至るまでの賃金上昇幅が全産業平均より小さいと見ております。この点は、能力が適切に賃金に反映されていないという可能性もあるのではないかと考えております。日給制、出来高制で雇用されている方たちも少なくないと考えておりますので、これまで以上にしっかりと雇用の安定化を図る必要があると考えております。
処遇改善に向けては、例えば、介護職員処遇改善交付金のような仕組みも参考にしながら、様々な視点から労働者の処遇改善などに向けた政策をぜひ御検討いただければと思いますので、よろしくお願いいたします。
以上です。
○山川分科会長 ありがとうございました。
林野庁との連携等につきまして御質問がありましたが、いかがでしょうか。
○農山村雇用対策室長 現行の厚生労働省の取組になりますけれども、私どもとしましても、まずは各ハローワークでの職業相談、職業紹介、あるいは相談に見えられた方への林業の専門機関への誘導というものに取り組んでおります。そのほか、林野庁では「緑の雇用」事業の中で新規就業者の方への研修、あるいはその後のキャリアアップの研修に取り組んでいただいておりますけれども、私どもとしては、求職者、林業への就業を希望する方への就業する前の講習などといった取組も進めておりまして、そこからマッチングといいますか、就業に結びつける取組もしております。
この基本方針の変更後につきましても、そういった今までのことも生かしながら、林野庁の取組と連携を図りながら進めてまいりたいと考えております。
○山川分科会長 冨髙委員、何かございますか。
○冨髙委員 ありがとうございました。
○山川分科会長 ありがとうございました。
では、津村委員、どうぞ。
○津村委員
私からは2点意見を申し上げたいと思います。
まず、労働保険、社会保険の関係です。先ほど御説明をいただきましたとおり、加入の割合は進んでいるのだと思いますが、そもそも加入をすることが法定事項でありますので、加入に係る指導の徹底をより一層推進していただきたいと思っております。
2点目は、安全の関係です。御説明いただいたとおり、労働安全対策の強化は、産業を支えるという意味で喫緊の課題だと受け止めております。これまでもそれぞれ各種災害防止活動などが実施されてきたと認識しておりますけれども、依然として高い発生水準にあるということ、加えて、参考資料の中にもあるとおり、掲げられた目標どおり死傷年千人率を半減できたとしても、結果、なお全産業に比べてもまだ高い発生状況にとどまると見ております。
つきましては、事業主の責任の下で林業の特性を踏まえた労働安全衛生対策が確実に講じられますように、法令遵守に向けた指導も徹底すべきだと考えておりますので、この点も併せましてよろしくお願いしたいと思います。
私のほうからは以上でございます。
○山川分科会長 ありがとうございます。
では、馬渡委員、お願いします。
○馬渡委員 中央会の馬渡でございます。
地方に住んでおりますので、林業というのは本当に身近なものであるのですけれども、1つ質問がありまして、今の林業従事者そのものは企業に属されておられるのか、それとも各地の森林組合におられる方がほとんどなのかということをお聞きしたいと思います。
もう一つは意見ですけれども、公有林の場合は地公体の方々が一生懸命整備をされているように見受けられる反面、私有林に関しては、7ページに書いてありますように、森林は大事ですよとか、海に流れていくときに山の森林をちゃんと整備しようという掛け声はいいのですが、公有林と私有林に若干差がついているのかなと思う部分がありますので、ここに書いてあるようなカーボンニュートラルに寄与するグリーン成長を実現することが重要だと国においても思われるのであれば、いろいろな面で、例えば林道をもう少しきちんとやるとか、林道に向かって木を切り出していく索道というものがありますけれども、索道に関してきちんと補助をしていくとか、そういうものがないと、多分収入アップにつながらないのです。そういうことを思うと、1つ質問と、それから、実態をもう少し踏まえてやられたほうがいいのではないかなと感じました。
以上です。
○山川分科会長 ありがとうございました。
御意見と、先ほどの企業所属か森林組合所属かという点は御質問でしたが、いかがでしょうか。
○農山村雇用対策室長 質問の従事者の方の森林組合あるいは企業の数ですけれども、現在、手元にございませんので、林野庁などにも確認しましてお答えさせていただきたいと思います。
○山川分科会長 ありがとうございます。
馬渡委員、林野庁に問い合わせて確認をするということで、取りあえず今日のところはよろしいでしょうか。
○馬渡委員 今日の回答ではなくても、これから議論される部分とか指針を出される部分はあると思いますので、森林組合さんの雇用形態ではないですけれども、その辺のところにも関わってきているような気がするものですから、企業だったら、例えば建設業等がやられる場合と森林組合がやられる場合と雇用保険とかといったものが充実をしているかどうかというのはよく実態を調べていただいたほうがいいのかなと思って意見を申しました。
以上です。
○山川分科会長 ありがとうございます。
それでは、また分かりましたら御報告を本分科会においていただければと思います。
ほかに。
大下委員、お願いします。
○大下委員 御説明ありがとうございます。
労働の分野から申し上げるのは難しい部分があるかなと思っているのですけれども、5ページでも触れられているとおり、脱炭素、カーボンニュートラルの観点からも、林業の重要性というのは非常に高まっていると思っております。
ただし、ここで課題として指摘されているように、例えば雇用環境水準が低いというのは、決して雇用環境水準だけが低いわけではなくて、収益性が低いというところが背景にあるはずです。何でもITに頼るというわけではないですし、労働分野とは少しずれてしまいますが、やはり雇用環境水準を上げていくためには収益性を上げていかなければならないので、そのためにはIT活用等による生産性の向上が必要になってくるのかなと思っています。
また、労災の事故が多い、女性の活躍が進まないというのも、もともと林業の労働の持っている特性による部分かと思います。こういったものも、これまでの林業のやり方を続けていくということであれば、先ほど説明があったような事業主に対してしっかり周知をしていくといったことで事故を防止する取り組みももちろん続けていく必要があると思うのですけれども、例えば事故を未然に防ぐようなこと、あるいは力仕事の負担を減らしていくということをITの活用やドローンやロボットの活用といった新しい技術の活用で進めていくという視点もあるのではないのかなと思いますし、そういった視点からも取り組んでいく必要があるのかなと思います。
そういう意味では、もちろん既存の労働政策の中で雇用環境水準の低さ、労災事故の問題、女性の活躍が進まない問題に取り組んでいく必要がありますけれども、もう一つの視点として、これは労働政策だけでは解決できませんが、林業分野にどのようにITを活用していくのか、IT人材を送り込んでいくのかといった視点も加えていく必要があるのではないかなと思います。
私からは以上です。ありがとうございます。
○山川分科会長 ありがとうございました。
ほかに御質問、御意見等はございますでしょうか。よろしいでしょうか。
それでは、今回は御説明をしていただいて、御意見、御質問等を伺いましたけれども、次回、基本方針の変更案が出されるということで、今日、種々御意見、御要望、御質問いただきましたので、それを踏まえて対応していただければと思います。
では、本議題については以上になります。
予定されておりました議題は以上で終了いたしましたけれども、この際、委員の皆様から何か御発言等はございますか。よろしいでしょうか。
それでは、本日の分科会はこれで終了いたします。ありがとうございました。