令和3年度第24回医薬品等安全対策部会安全対策調査会 議事録

日時

令和3年12月20日(月) 10:00~12:00

場所

厚生労働省 医薬・生活衛生局 局議室
(オンライン会議会場) 

議事

○医薬安全対策課長 それでは、定刻になりましたので、令和3年度第24回薬事・食品衛生審議会薬事分科会医薬品等安全対策部会安全対策調査会を開会いたします。
 御出席の先生方におかれまして、また、参考人の先生方におかれましては、お忙しい中御出席いただきまして、どうもありがとうございます。
 今回の会議の公開については、新型コロナウイルス感染の拡大防止の観点から、ユーチューブによるライブ配信で行うこととしておりますので、御理解と御協力をお願いいたします。
 議事録については、後日、厚生労働省ホームページに掲載いたします。また、今回もウェブ開催としておりますので、対面と進行が、一部異なる部分があります。議事に先立ちまして、審議の進行方法等について、事務局より説明させていただきます。
○事務局 それでは、御説明申し上げます。
 まず、ハウリング防止のため、御発言時以外はマイクをミュートにしていただきますようお願いいたします。
 御意見、御質問をいただく際には、ミュートを解除し、初めにお名前をお知らせください。発言のタイミングが重なったりした場合には、調査会長から順に御発言者を御指名いただきます。
 その他、システムの動作不良等ございましたら、会議の途中でも結構でございますので、事前にお伝えしております事務局の電話番号まで御連絡をお願いいたします。また、もし事務局のサーバーがダウンするなどのトラブルが発生した場合には、事務局から一斉にメールにて連絡する場合がございますので、その際は、御確認をお願いいたします。御不便等をおかけするかもしれませんが、どうぞよろしくお願いいたします。
 事務局からは、以上でございます。
 それでは、ここからの議事進行につきましては、調査会長の岡先生にお願いいたします。
○岡座長 それでは、調査会長の岡です。座長を務めさせていただきますので、委員の皆様も、円滑な議事進行に御協力をお願いします。
 今回もウェブ開催ということで、事務局から御説明がありましたけれども、これまでの御説明に御質問、御意見等ございますでしょうか。よろしいでしょうか。
 それでは、議事に入る前に、委員の出欠状況等について事務局から御説明をお願いします。
○事務局 本日の委員の出欠状況でございますが、6名全員の委員に出席いただいております。薬事・食品衛生審議会の規定に基づきまして、本日の会議は成立することを御報告申し上げます。
 続きまして、本日参考人として御参加していただきます先生を御紹介申し上げます。
 まず、議題1「アミノレブリン酸塩酸塩の『使用上の注意』の改訂について」の関係で、日本皮膚科学会より、神戸大学大学院医学研究科 内科系講座iPS細胞応用医学分野 難治性皮膚疾患病態解明学部門 特命教授の錦織千佳子先生でございます。
 また、議題2「メチルロザニリン塩化物を含有する医療用医薬品等の安全対策について」の関係で、国立医薬品食品衛生研究所より、医薬安全科学部長の斎藤嘉朗先生に御出席賜っております。
 以上です。
○岡座長 続きまして、審議参加に関する遵守事項について、御説明をお願いします。
○事務局 本日御出席の委員及び参考人の方々につきまして、議題1の対象品目、競合品目の製造販売業者からの過去3年度における寄附金・契約金などの受取状況を報告いたします。
 対象品目・対象企業及び競合品目・競合企業については、事前にリストを各委員・参考人にお送りして確認をいただいたところでございます。
 その結果でございます。岡委員及び錦織参考人より、ノーベルファーマ株式会社より50万円以下のお受け取りと御申告賜っているところでございます。
 なお、議題2については対象品目がございませんので、報告はございません。
 よって、本日の議題でございますが、全ての委員におかれましては、意見陳述、議決のいずれにも参加が可能でございます。また、参考人につきましても意見陳述が可能なことを確認しております。
 なお、これらの申告については、追ってホームページにて公開させていただきます。
 続きまして、所属委員の薬事分科会規程第11条への適合状況の確認結果につきまして、報告申し上げます。
 薬事分科会規程第11条においては「委員、臨時委員又は専門委員は、在任中、薬事に関する企業の役員、職員又は当該企業から定期的に報酬を得る顧問等に就任した場合には、辞任しなければならない」と規定しております。今回、全ての委員の皆様より、当該規程に適合している旨を御申告いただいておりますことを報告させていただきます。
 報告は、以上でございます。
○岡座長 ただいま、事務局から御説明がありました審議参加に関する遵守事項に関しては、よろしいでしょうか。
 特にないようですので、競合品目、競合企業の妥当性を含め御了解をいただいたものといたします。
 それでは、事務局から本日の資料の確認をお願いいたします。
○事務局 それでは、本日の資料の確認をさせていただきます。
 資料はあらかじめお送りしております。議題1に関しまして、資料1-1から1-4まで、また、議題2に関しまして、資料の2-1と、参考資料が1から3までございます。また、このほかに議事次第・資料一覧、委員・参考人一覧及び競合品目・競合企業リストをお送りしているところでございます。お手元に御用意のない委員がいらっしゃいましたら、お知らせください。
 また、本日の資料につきましては、厚生労働省のホームページにも掲載してございますので、オンラインで傍聴されていらっしゃる方につきましては、そちらを参照ください。
 以上でございます。
○岡座長 よろしいでしょうか。お手元にございますでしょうか。
 それでは、進めさせていただきます。
 まず、議題の1ですけれども「アミノレブリン酸塩酸塩の『使用上の注意』の改訂について」の審議を行いたいと思います。
 事務局から御説明をお願いします。
○事務局 それでは、議題1「アミノレブリン酸塩酸塩の『使用上の注意』の改訂について」御説明いたします。
 資料1-1を御覧ください。
 審議の対象品目の一般名はアミノレブリン酸塩酸塩、ALAであり、悪性神経膠腫の腫瘍摘出術中における腫瘍組織の可視化が効能効果であるアラベル内用剤1.5gと経尿道的膀胱腫瘍切除術時における筋層非浸潤性膀胱癌の可視化が効能効果であるアラグリオ顆粒剤分包1.5gが販売されております。
 本剤は、光線過敏症を起こすことが知られている薬剤及びセイヨウオトギリソウ含有食品の併用により、光線過敏症を増強することが懸念されるため、当該薬剤等を投与・摂取中の患者は、禁忌、ALA 投与後2週間は、当該薬剤等の投与、摂取を避けることとされております。
 令和3年6月に、日本泌尿器科学会及び泌尿器光力学研究会より、ALA顆粒剤において「光線過敏症を起こすことが知られている薬剤」等を併用禁忌から併用注意に変更することが要望されました。また、同年7月に日本脳神経外科光線力学学会より、ALA内用剤において「光線過敏症を起こすことが知られている薬剤」等を併用禁忌から併用注意に変更すること及び投与前後24時間、併用注意に変更することについて要望されました。
 1ページ後段より、学会の要望理由を列挙しておりますが、主に禁忌の対象となる薬剤が多岐にわたり、併存疾患の治療や術後の感染予防目的で使用される一般臨床で用いられる薬剤等が含まれていることから、診療に大きな支障をきたしていること、当該注意喚起により、手術を断念した事例が報告されていること、ALAや代謝物の血中濃度の推移等から併用禁忌期間が2週間必要であるということは考えがたいこと等が主な要望理由として挙げられています。
 続いて、調査結果を御覧ください。
 国内外のガイドラインの記載状況、海外添付文書の記載状況、使用成績調査、副作用報告等を調査いたしました。
 光線過敏症を起こすことが知られている薬剤には、一般臨床で使用される薬剤が含まれていることから、当該注意喚起は実臨床上支障を来しております。光線過敏症については、現行「重要な基本的注意」の項において、ALA投与後48時間は強い光を避ける旨の記載により予防が可能であり、国内外の副作用報告等からは、ALAと「光線過敏症を起こすことが知られている薬剤」等の併用に関して、臨床上の特段の懸念がある内容は確認できませんでした。
 また、併用を注意する期間に関しては、国内外の副作用報告等から特段の懸念がある内容は確認できず、「重要な基本的注意」の項において、少なくとも48時間の遮光が設定されております。なお、遮光期間の設定については、光感受性の亢進を示す最小紅斑量が投与後48時間でベースラインに回復したこと、海外臨床試験において発現した光線過敏症に関連した有害事象が、ALA投与後2日後に発現した症例が認められた等を踏まえたものです。
 以上の結果を踏まえ、ALA添付文書について、「光線過敏症を起こすことが知られている薬剤」及びSJW含有食品を併用禁忌から併用注意とし、特に併用の注意を要する期間をALA投与後48時間とする改訂を行ってはどうかと考えております。
 具体的な添付文書の改訂案は資料1-2、27、28ページにお示ししております。
 説明は以上です。御審議のほど、よろしくお願いいたします。
○岡座長 ありがとうございます。
 それでは、本日は日本皮膚科学会の錦織参考人に御参加をいただいております。錦織参考人より御意見をいただけますでしょうか。よろしくお願いします。
○錦織参考人 御指名ありがとうございます。神戸大の錦織でございます。
 今の御提案ですけれども、皮膚科の光医学、光皮膚科学的な観点からは、御提案に基本的には賛成いたします。
 光線過敏症というのは、光線に対して健常者とは異なる反応を呈する病態を指すのですけれども、先天性とか後天性、いろいろな疾患がありますけれども、今回問題となっているのは、薬剤性の光線過敏症です。それで、併用禁忌ということですけれども、基本的に今回併用禁忌となっている薬剤は、全て光線過敏症を引き起こす可能性があるということですので、その薬剤を投与する時点で、既に光線暴露には、注意喚起はなされているものではないかと、私は思っているのです。
 ですから、例えば、ニューキノロン系の薬剤であれば、強い光には当たらないでください程度の注意喚起はしておいてもよい薬剤かと思っており、そういう中で処方されているものであれば、新たに注意するものとしては48時間というので十分ではないか。その根拠は、やはり、今、お示しされたように、ALAの代謝産物である光増感剤のプロトポルフィリンの血中の濃度が投与後約5時間で半減期ということを考えますと、48時間で十分だろうと思います。
 ただ1つ懸念されるのは、ここには全く触れていないのですけれども、ポルフィリン症などの、このALAというのは、ALAでできるプロトポルフィリンというのは、先天性の光線過敏症のポルフィリン症での原因物質になるわけですけれども、そのときに注意されているのは、例えば、抗てんかん剤などというのは、ポルフィリンの血中濃度、ポルフィリンの代謝とかのところに作用するために、血中濃度を上げるということが注意されていて、そのために、ポルフィリン症の患者さんでは、そういうものの併用は注意しなさいということが、言われていますから、そういうものの併用というところも、実はALAの投与時においては注意が必要なのかなということは少し気にはなりました。ただ、そういう事例が今までないということですので、非常に少ない頻度なのだろうと考えております。
 それで、併用に関して48時間でいいと思いますし、併用剤に関しても、禁忌にする必要は全くないと私も思います。そもそも、ALAを、光線力学診断という方法ですけれども、光線力学診断で、光を当てて判断するというときにALAを投与しているわけで、ALAを投与しているという状況において、増強ということを、その作用の増強というのは、基本的には、施術するときに増強させるということが、恐らく問題で、2週間ということの必要はないと思います。そして、併用するときの禁忌にするという必要もないのですけれども、ここでちょっと思いますのは、やはり光線過敏症を引き起こす薬剤の中にも、頻度とか、処方量によって随分発生頻度が異なります。ですので、欧米とかの添付文書に例示されているようなものは、比較的頻度の高いものかと思いますので、そのぐらいのものについて、ヒドロクロロチアジドとか、スルホン酸とか、ニューキノロンなどのということで、あまり全部を挙げる必要もなく、それらの薬剤に対して併用注意ということでいいのではないかと考えます。
 もう一点、ちょっと気になりましたのは、アメリカとカナダの添付文書ですと、ALAの投与前24時間の併用禁忌というのが入っています。理論的に考えれば、光線力学療法を施行するという時点において、400ナノメーターの光線、しかも比較的強い光線を、比較的診断が必要な時間当てているわけですので、その時間帯には、ALAに加えて、そのほかに光線過敏を引き起こす薬剤が体内に入っているということは、あまり好ましくないのではないかと、私自身は思いました。ですから、そういう意味では、アメリカとカナダの添付文書の書き方のほうに賛成いたします。
 特に、光線力学療法で用いる光線は400ナノメーターですので、そのときに併用で注意すべきものは、理論的に考えれば、400ナノメーターに作用波長を有するような薬剤というのを使うと、やはり相乗的に、光線の作用というのは、その当てた局所ですけれども、余分な作用が出てしまうということかと思います。
 以上です。
○岡座長 ありがとうございました。
 それでは、ただいまいただいた御意見も踏まえて、委員の先生方から御意見、御質問等はございますでしょうか。
 私のほうから、事務局のほうに、ただいま錦織参考人により、幾つか御指摘をいただいたわけですけれども、その中で言いますと、御意見として投与前の併用薬についての注意が必要ではないかという御意見が、特に添付文書の、今回の改訂の内容の中で言いますと、1つ重要な御指摘かと思うのですけれども、その点については、事務局のほうはいかがでしょうか。
○医薬品医療機器総合機構  PMDAのほうから御説明をさせていただきます。
○岡座長 お願いします。
○医薬品医療機器総合機構 資料の1-2、調査結果報告書で申し上げますと、9ページから10ページにかけまして、専門協議の記録に関して記載をさせていただいております。
 本品の専門協議におきましては、投与前の24時間という注意を位置づけることにつきましては、専門協議の中でも議論があったところでございます。
 この点については、その御意見も踏まえまして、PMDAでも再度検討いたしましたが、現状では、米国の添付文書の設定につきまして、欧州での臨床試験データ等を中心に評価されておりまして、その中では、具体的に投与前の併用による注意喚起を必要とするような情報は、具体的には確認されておりませんで、欧州の添付文書は、投与前の注意をしていないということがございます。
 一方で、投与前の注意喚起に関しましては、投与後の注意喚起は、本剤の動態に関してベースに考えることができるのですけれども、投与前に関しては、その併用薬の動態をベースに考える必要がございまして、一応、一日程度ということが、一応の目安にはなると考えてございますけれども、具体的に、投与前の例が問題になっている事例が把握できておりませんので、24時間とする妥当性に関しても、必ずしも欧州並びに我が国で、これまで発売されて得られている使用成績からは、24時間が適切かどうかもなかなか判断が難しいと考えております。
 そのようなことから、我が国におきましては、今回の時点で、使用前の注意に関しましては、これで確定というわけではございませんで、今回の措置以降に関しても、情報収集、評価を継続して行うことを製造販売業者に要請し、それに対応するという回答がございまして、その中で、投与前の注意喚起の必要性については、引き続き注目してまいりたいと考えてございます。
○岡座長 ありがとうございました。
 そのほか、委員の先生方から、何か御意見は、柿崎委員、お願いいたします。
○柿崎委員 柿崎です。併用禁忌から併用注意にするということに、特に異論はございませんが、以前の併用禁忌のときには、ヒペリシンがセイヨウオトギリソウ抽出物ということで、セイヨウオトギリソウと別個に挙げられていたのですけれども、今回の併用注意に移行するに当たって、ヒペリシンがセイヨウオトギリソウに一緒にまとめられているのですけれども、これに関しては、何か意味があるのでしょうか。
○事務局 柿崎先生、事務局より御回答させていただきます。
 調査結果報告書の8ページに記載がございますが、SJWの抽出成分であるヒペリシンについては、本邦では医薬品としての承認はないことから「光線過敏症を起こすことが知られている薬剤」の例示から削除することとしております。
 以上で御回答になっておりますでしょうか。
○柿崎委員 分かりました。このヒペリシンが特別多いというわけでもないわけですね。
○事務局 国内での副作用報告等のうち、併用薬有りの事例を確認しますと、ヒペリシンを併用した場合での発現が比較的多いという報告は受けておりません。
○柿崎委員 分かりました。
○岡座長 そのほか、伊藤清美委員、お願いいたします。
○伊藤委員 ありがとうございます。
 ALAと代謝物の血中濃度の半減期を基に、48時間で大丈夫でしょうということなのですけれども、組織中に蓄積したりとか、そういう可能性については、大丈夫なのでしょうか。資料1-2の20ページ辺りを見ますと、光線過敏症の発現までの期間というのが、投与から2週間前後とかいうのもあったりするのですけれども、あと、英国と欧州、添付文書上で、2週間後まで併用禁忌でしたか、ということの記載があると、その根拠を確認したりする必要はないのでしょうか、ちょっと気になりましたので、以上です。
○岡座長 事務局、いかがでしょうか。
○医薬品医療機器総合機構 御指摘ありがとうございます。
 併用注意に関する期間について、重要な点だと考えております。こちらは、欧州並びに英国の注意喚起については確認をしてございますけれども、明確な2週間とする設定根拠については、製造販売業者を通じて確認できてございません。
 我が国の併用注意を48時間とした設定根拠でございますけれども、本剤による光線過敏症の注意喚起、そもそも術後の遮光期間を先行して使用されておりました英国、欧州等においては、遮光24時間でございます。
 我が国でも審査の段階において、本剤投与後の遮光期間を24時間とするかどうかについても議論がされておりますけれども、その際に提出されました、PPIXを励起する紫外線を当て本剤投与後の紅斑の発現状況を確認しております試験で、投与後48時間では、本剤投与前の水準まで紅斑の発生状況が軽減されたというようなことから、この設定としておりますので、もちろん、報告されている中には、2日を超える期間が示されているものもございますけれども、多くは術後2日以内に入っておりますということと、かなり長期間経過して発現しているものについては、本剤がどの程度発生の原因となっているかということについては、動態等から考えれば、必ずしも本剤の可能性が高いというものではないのではないかと考えております。
 以上でございます。
○伊藤委員 ありがとうございます。
 もともと添付文書に2週間と書くことに、何か根拠があったのかなというのが、ちょっと気になりますけれども、今の御説明は、理解いたしました。ありがとうございます。
○岡座長 そのほか、いかがでしょうか。
 私のほうから、錦織参考人にもう一つ質問をさせていただくと、光線過敏症の場合、非常に重篤なケースというのは、例えば、後遺症が残るとか、そういうこともあるような疾患なのでございましょうか、その辺りは、ちょっと教えていただけるとありがたいです。
○錦織参考人 御質問ありがとうございます。錦織です。
 今回問題となっております光線過敏症に関しては、急性の光線過敏症と捉えております。そして、光アレルギー性、光毒性両方光線過敏症は、薬剤性で起こり得ますけれども、今回は光毒性と考えますので、光毒性の場合には、比較的一時的に起こって、それが尾を引くということはあまりなくて、今回の光に当たった日光の暴露を増強するというイメージで捉えていただいたらいいかなと思います。
 ですので、激しい日焼けと思っていただいたらよくて、強い光毒性、ですから日光が当たった部分に、ひどい場合には水疱を形成するような激しい日焼けの反応を生じる、皮膚の炎症反応、急性炎症反応ということで、もちろん熱傷と似ていますので、それはそれなりにひどければ、多少痕になったりすることはあるかもしれませんけれども、それが、1回の暴露で何らかの後遺症を残してということは、普通であればないと考えております。
 しかも、日光が当たったときしか起こらないので、以上です。
○岡座長 ありがとうございます。
 そのほか、いかがでしょうか。よろしいでしょうか。
 それでは、一応、今いただいた御質問については事務局のほうからも、回答をいただいたということで、事務局案での、まず採決を取りたいと思いますけれども、アミノレブリン酸塩酸塩の添付文書については、事務局の提案どおりの使用上の注意を改訂するということで、よろしいでしょうか。
 ありがとうございます。
 皆さん、うなずいておられるということで、承認ということで進めたいと思います。御異議なしとさせていただきます。ありがとうございます。
 それでは、本議題に関する今後の進め方について、事務局から御説明をお願いいたします。
○事務局 御議論いただきありがとうございました。
 アミノレブリン酸塩酸塩の製造販売業者に対して、本日の審議結果のとおり、使用上の注意を改訂するよう指示いたします。
 また、本調査会での議論につきましては、安全対策部会に報告させていただきます。
 以上です。
○岡座長 ありがとうございます。
 事務局からの御説明に御質問等ございますでしょうか。よろしいでしょうか。
 それでは、本議題については終了したいと思います。ありがとうございました。
 以降の議題については、特に錦織参考人から御意見を求める予定はございませんので、御退席をしていただいても差し支えございません。どうもありがとうございました。
 それでは、議題の2「メチルロザニリン塩化物を含有する医療用医薬品等の安全対策について」の審議を行いたいと思います。
 事務局から御説明をお願いいたします。
○事務局 資料2-1をお手元に御用意ください。
 経緯から御説明いたします。
 別名ゲンチアナバイオレット、クリスタルバイオレットともいいますが、メチルロザニリン塩化物は、消毒及び着色等の目的で、医薬品等に有効成分または添加物として使用されます。
 平成26年に国際的な食品の専門家会議において、当該物質の評価が行われ、遺伝毒性及び発がん性が認められたことから、一日許容摂取量(ADI)を設定できないとされました。
 これを受け、平成30年7月に、国際的な食品の政府機関であるコーデックス委員会が「食品中に残留することを防止すべき」との勧告を各国へ行いました。
 この勧告を受け、令和元年にカナダ保健省は、ゲンチアナバイオレットを含有する非処方箋医薬品及び動物用医薬品の販売自粛措置と承認取消を発表しました。
 本邦では、食品に関して、平成30年に、食品安全委員会が動物用医薬品におけるゲンチアナバイオレットに係る食品健康影響評価を実施し、その結果、遺伝毒性を示す可能性を否定できず、発がん性が示唆されたことから、ADIを設定すべきでないと判断しています。
 これを受け、食品衛生法の規定に基づき、ゲンチアナバイオレットは、食品において「不検出」とされる成分である物質として令和3年12月17日告示されました。
 医薬品等については、カナダ保健省での措置及び食品健康影響評価の結果を踏まえ、これまでにメチルロザニリン塩化物を含有する医薬品等の国内での製造販売実態を確認するとともに、有効成分または添加物の切替えに取り組むよう要請してきたところであり、業界団体に確認したところ、現時点では本物質を医薬品等は販売されていません。
 なお、日本薬局方については、第18改正日本薬局方において、医薬品各条からメチルロザニリン塩化物を削除済みです。
 今般、食品においてゲンチアナバイオレットの取扱いが告示されたことを踏まえ、医薬品等について、現時点で販売しているものはありませんが、今後の取扱いをどうするかということを御審議いただきたいと思います。
 2の措置背景となる安全性情報の概要には、参考資料2の食品安全委員会の食品健康影響評価を主に記載しています。
 in vitroでDNA損傷性及び突然変異誘発性を示し、そのin vivoにおける作用を否定する十分な報告がないことから遺伝毒性を否定できず、マウス及びラットでの発がん性試験の結果から、肝臓等に対する発がん性が示唆されたと、食品安全委員会が判断しています。
 また、国際がん研究機関の分類では、クラス2Bに分類されています。
 続きまして、各国の規制状況と対応方針ですが、まず、各国の規制として、 医療用医薬品及びOTCに関して、米国、EU、英国の規制当局においては、カナダ保健省のようなメチルロザニリン塩化物に対するリスク評価を行った上での措置は公表されていません。
 なお、カナダ保健省の措置については、ゲンチアナバイオレットを含有するヒト治療用製品についてリスク評価を行った上で、処方箋医薬品がないため、医薬品については、非処方箋医薬品に対する措置のみとなっていると考えております。
 本邦での今後の取扱いの方針ですが、医療用医薬品については、食品健康影響評価では、遺伝毒性の可能性及び発がん性からADIを設定できないとされているため、有効性分か添加物かにかかわらず、メチルロザニリン塩化物の含有を認めないこととしてはどうかと考えております。
 ただし、代替品がなく、ベネフィットがリスクを上回る場合に限り、リスクを患者に説明し、同意を得た上で投与することを前提に認めることを許容してはどうかと考えております。
 OTC及び医薬部外品については、人体に対する作用が著しくないまたは緩和なものであって、需要者の選択により使用されるものであることから、リスク・ベネフィットに基づく評価を行うことは適当ではないため、使用を認めないこととしてはどうかと考えております。
 化粧品については、流通後の使用を制限することは困難であることから、OTC及び医薬部外品と同様、リスク・ベネフィットに基づく評価は困難であるので、使用を認めないこととしてはどうかと考えております。
 以上の本邦での今後の取扱いの方針について、御審議のほど、よろしくお願いいたします。
○岡座長 ありがとうございます。
 それでは、本件につきましては国立医薬品食品衛生研究所の斎藤参考人に御参加をいただいておりますので、御意見をいただけますでしょうか。
○斎藤参考人 本日発言の機会を賜りまして、ありがとうございました。
 国立医薬品食品衛生研究所医薬安全科学部の斎藤と申します。
 まず、参考資料2の食品安全委員会の御評価の動物実験において、ゲンチアナバイオレットでは遺伝毒性、そして経口投与で肝臓や生殖線での発がん性が示唆されておりまして、肝臓や生殖線への分布など、薬物動態のデータと矛盾いたしません。
 また、参考資料3のように、2021年の5月に、ランセットオンコロジーに発表されましたが、IARC国際がん研究機関から、やはり動物データに基づく評価が示されております。
 ヒトでのデータはないものの、動物データは十分と判断され、クラス2B、possibly carcinogenic to humanに分類されました。
 したがいまして、ゲンチアナバイオレットは、通常の医薬品開発におきまして考えますと、臨床試験上かなり躊躇するような被験薬になると考えます。
 現在、医薬品としての流通はなく、過去に主に消毒薬として用いるもののみが、使用されていたようでございますが、傷口に用いた場合、体内に入る可能性が高いことを考えますと、少なくとも他の薬が利用可能な場合は使用を控えたほうが良いのではと思われます。
 一方で、日本外科学会などから声明が出されておりまして、外科学会では令和2年7月に、「医療現場において様々な用途で用いられてきましたが、代替品、代替法があれば、それを用いることが適当かと思われます。代わるべきものがない場合は、患者、被験者の利益が不利益を上回ると判断される場合においてのみ、施行医及び施設の責任のもとで使用し、必要最低限にとどめていただきますよう、よろしくお願いいたします」と示されており、臨床現場では、まだ、一定のニーズがあるようでございます。
 これらの知見に基づき、医療用医薬品に関しては、代替品がなく、ベネフィットがリスクを上回る場合は、リスクを明確に示した上で、必ずしも使用禁止としないこと。一方で、ある程度無秩序に使われる可能性がある要指導医薬品、一般用医薬品、医薬部外品及び化粧品に関しましては、今後使用禁止とすることに、小職も同意いたします。
 なお、これまでに化粧品などで、ヘアカラーとして健康な皮膚に塗付された可能性もあると伺っております。ヒトにおける十分な毒性データはございませんが、食品安全委員会の評価書に引用されている論文でも、ヒトでの経皮吸収はわずかとされていること、化粧品として使用が想定されるヘアカラーについては、使用は一時的であり、洗い流すことから、皮膚を通じた直接の暴露は、限定的であることなどから、直ちに発がん性の懸念がある事態ではないと、そういう発がん性の懸念がある可能性は小さいのではと考えております。
 私からは、以上でございます。
○岡座長 ありがとうございました。
 それでは、委員の皆様から御意見、御質問等をいただければと思います。いかがでしょうか。
 柿崎委員、お願いいたします。
○柿崎委員 柿崎です。臨床の現場では形成外科のマーキングとか、大腸の内視鏡の色素内視鏡とかで使われる機会があるかと思うのですが、これに関しては、先ほど参考人の先生のお話のとおり、学会の声明に従って、有効性が安全性を上回る場合は、十分注意して使用するという、今までのとおりでよろしいということ、そういう解釈でよろしいでしょうか。
○岡座長 事務局のほう、いかがでしょうか。
○事務局 ありがとうございます。院内製剤につきましては、医師の裁量のもとに調製されている薬剤だと思いますので、薬事規制の対象ではないので、今回の議論の対象外ではあるのですけれども、先ほど参考人の斎藤先生から御発言がありましたように、また、柿崎先生がおっしゃっていますように、関係学会からも必要最小限の使用にとどめるべきという声明が出されているところです。
 今回の薬事規制における議論を踏まえまして、医療機関での医薬品の安全使用について所掌する省内の関係局より関係各所と連携して、医療従事者、医療機関へ周知することを検討したいと考えています。
○柿崎委員 ありがとうございました。
○岡座長 そうしましたら、石井委員、お願いいたします。
○石井委員 ありがとうございます。石井です。
 私も今の意見に賛成です。一般流通されるものに関しては、やはり無秩序に使われるということなので、トレースができませんので使わない。一方、医療現場では、マーキングでマークしたところを切除することが圧倒的に多いので、今の考え方で進めていただければなと思います。
 以上です。
○岡座長 ありがとうございました。
 そのほか、いかがでしょうか。よろしいでしょうか。
 そうしましたら、ただいまの御意見であれば、基本的には事務局案で進めるという方向性でよろしいですかね。
 そうしましたら議決を取りたいと思います。事務局案で御提案いただいたような形で、メチルロザニリン塩化物を含有する医療用医薬品等の取扱いについては、事務局の提案どおりとすることでよろしいでしょうか。
 委員の皆様、全員うなずいておられるということが確認できましたので、異議なしとさせていただきます。
 それでは、本議題に関する今後の進め方について、事務局から御説明をお願いいたします。
○事務局 御議論いただきありがとうございました。
 本日御了承いただきましたメチルロザニリン塩化物を含有する医療用医薬品等の取扱いについて、今後、通知を発出し、都道府県に対して関係業者への指導をお願いさせていただきます。
○岡座長 ありがとうございます。
 事務局からの御説明で御質問等ございますでしょうか。よろしいでしょうか。
 それでは、本議題は終了したいと思います。ありがとうございました。
 予定していた議題は、以上でございますけれども、事務局から何かございますか。
○事務局 本日も活発な御議論をいただきまして、どうもありがとうございました。
 次回の開催につきましては、また改めて御連絡申し上げたいと考えております。
 事務局からは、以上でございます。
○岡座長 それでは、本日の調査会を閉会とさせていただきたいと思います。
 どうもありがとうございました。