第173回労働政策審議会職業安定分科会 議事録

日時

令和4年1月14日(金)17:00~18:30

場所

厚生労働省職業安定局第1会議室
(東京都千代田区霞が関1丁目2番2号 中央合同庁舎5号館12階公園側)
厚生労働省仮設第4会議室(傍聴会場)
(東京都千代田区霞が関1丁目2番2号 中央合同庁舎5号館)

議事

議事内容
○山川分科会長 定刻になりましたので、ただいまから第173回「労働政策審議会職業安定分科会」を開催いたします。
皆様方におかれましては、大変お忙しい中、御出席いただきまして誠にありがとうございます。
本日は公益代表の小畑委員、玄田委員、中窪委員、労働者代表の勝野委員、西尾委員、使用者代表の小阪委員、田原口委員、馬渡委員が御欠席となっております。
公益代表の橋本委員におかれましては、所用のため18時20分頃には退席の御予定ということです。
本日の分科会は、Zoomによるオンライン開催も兼ねております。オンラインで参加されている委員の皆様におかれましては、発言方法につきまして、事前に事務局から送付しております「職業安定分科会の開催・参加方法について」に沿って御操作をお願いいたします。
カメラ撮影がありましたら、ここまでとさせていただきます。
(報道関係者退室)
○山川分科会長 それでは、議事に入ります。最初の議題は「雇用保険法等の一部を改正する法律案要綱について」でございます。
このうち、職業能力開発促進法部分につきましては、本日の人材開発分科会において審議されましたため、当分科会におきましては、雇用保険法、職業安定法部分について審議を行います。
本要綱につきましては、13日付で厚生労働大臣から労働政策審議会会長宛てに諮問を受けておりまして、13日に行われました労働力需給制度部会、同日の雇用保険部会においてあらかじめ議論を行っていただいております。
それでは、資料と各部会での議論について、事務局から説明をお願いします。まず、長良雇用保険課長、お願いします。
〇雇用保険課長 雇用保険課長でございます。よろしくお願いします。
まず、配付資料を確認させていただきます。
資料1-1が「雇用保険法等の一部を改正する法律案要綱」でございます。
資料1-2で、第167回雇用保険部会の報告文がございます。
参考資料1-1で「雇用保険部会報告」をつけております。
参考資料1-2が「雇用仲介事業に関する制度の改正について(建議)」となります。
本日御説明いたします内容は、参考資料1-1の「雇用保険部会報告」、参考資料1-2の「雇用仲介事業に関する制度の改正について(建議)」に沿いまして、それぞれの法律の改正の内容について、要綱という形でお示しさせていただくものでございます。
まず、資料1-1を1枚おめくりいただきますと、1月13日付で諮問させていただいております。タイトルが「雇用保険法等の一部を改正する法律案要綱」でございますが、大きくは雇用保険の関連制度の改正です。これは雇用保険法、労働保険徴収法、特別会計法、雇用保険臨時特例法の改正になります。
職業安定法の改正は、いわゆる雇用仲介事業の建議に沿った制度改正の部分でございます。
分科会長が先ほどおっしゃられた職業能力開発促進法の改正が別途ございまして、そちらは人材開発分科会においての御審議の対象となっているところでございます。
まず、法律案要綱のうち、雇用保険の制度に関連する部分につきまして、一括で私のほうから御説明させていただきます。
「第一 雇用保険法の一部改正」でございます。「一 受講指示の対象となる職業訓練の追加」でございまして、こちらはいわゆる雇用保険の受給者に対して受講を指示することができる公共職業訓練などに求職者支援訓練を加える旨の見直しでございます。これによりまして、求職者支援訓練を受けた場合の訓練の延長給付、あるいは技能習得手当の対象となるという旨の改正となってございます。
「二 事業を開始した受給資格者等に係る受給期間の特例」でございます。こちらは雇用保険の受給資格を得た後に起業、いわゆる事業を開始した場合に関しまして、受給期間を最長4年まで特例的に延ばせるという旨の規定でございます。
詳細は、こちらに規定がございますように、まず、受給資格者であって、受給資格に係る離職の日後に事業を開始したものということです。事業の内容は、例えば30日未満のものなどの省令で定めるものは除くということで規定する予定でございまして(注1)にございますように、その事業によって自立することができないと安定所長が認めるものとするという要件を設定する予定でございます。
詳細は、またこちらの省令の見直しの際に御意見を賜ればと思っております。
(注2)でございますけれども、離職後に事業を開始した人のみならず、2ページの2行目にありますように、離職前から事業を開始して、離職後に事業に専念する方も対象に含めるということを書いてございます。
こうした事業を開始した方が公共職業安定所長に申し出た場合に、その事業を実施している期間というのは受給期間に算入しないということです。ただし、最長4年であるということをこちらに規定しているものでございます。
2ページに行っていただきまして「三 能力開発事業の改正」でございます。こちらは雇用保険法の改正ではございますが、内容的には、職業能力開発促進法の改正によりまして、国などによりますキャリアコンサルティングの機会の確保に係る援助などの規定が設けられるところでございまして、それに伴って、雇用保険二事業の一つである能力開発事業に係る規定の改正を行うという内容になってございます。
「四 国庫負担の改正」でございます。1が日雇い以外の求職者給付、いわゆる基本手当などでございますけれども、こちらの国庫負担の額について(一)(二)という形でそれぞれ整備しております。
(一)が、雇用勘定の財政状況や受給資格者の数の状況が、政令で定める基準に該当する場合に4分の1とする旨の規定がございます。この政令で定める基準というのが3ページの(注3)にございまして、受給者実人員が月平均70万人以上となった場合、かつ弾力倍率が1未満となった場合という規定を政令で設ける予定としているところでございます。
(二)が(一)に該当しない場合に40分の1とする旨の規定でございます。
3ページの2の部分は、日雇労働求職者給付金や広域延長給付は現行の本則が3分の1で、現状が30分の1となってございますが、それぞれ今、申し上げた1のそれぞれの要件と同様の形で規定上整備をするものでございます。
3は4ページでございます。こちらは新たな国庫繰入規定でございまして、国庫は雇用勘定の財政状況を踏まえ、必要がある場合に、いわゆる繰入ができる旨の規定でございますが、その要件が2行目の括弧書きでございます。(雇用保険率が千分の十五・五(労働保険の保険料の徴収等に関する法律の規定により雇用保険率が変更されている場合においては千分の十五又は千分の十四・五)以上である場合その他の政令で定める場合(注4)に限る。)となっておりますが、この政令で定める場合というのが(注4)に記載がございますように、弾力倍率が2以下である場合、あるいは弾力倍率が2を上回るが、雇用情勢、雇用保険財政が急激に悪化した場合とするということを政令で規定することを想定してございます。
こうした場合に、失業等給付及び職業訓練受講給付金の支給に要する費用の一部に充てるため、雇用保険法66条1項。これはいわゆる国庫負担率の定めがございますけれども、こうした負担する額を超えて、その費用の一部を負担することができるという旨の規定を設けることを考えてございます。
4でございます。雇用継続給付のうち、介護休業給付、育児休業給付、職業訓練受講給付金に関しましても、それぞれ国庫の負担がございます。こちらに関しまして、当分の間、国庫が負担すべきこととされている額の100分の55に相当するという旨の規定でございます。
こちらに関しましては、いわゆる求職者給付に関連する部分が当分の間の規定の対象から外れるということに伴いまして、育児、介護、求職者支援の国庫の負担に関しての暫定措置となります。
5ページの5でございます。今の規定の上で、令和4年度から令和6年度までの3年間の介護休業給付と育児休業給付に関しまして、100分の10に相当する額とする、いわゆる時限の暫定措置を設けることとしてございます。
6でございますけれども、こちらは新型コロナの影響に対応するための国庫負担の特例の規定を令和4年度について適用する旨の規定でございます。
2つございまして、一つは国庫のいわゆるコロナの任意繰入規定でございまして、失業等給付、職業訓練受講給付金の支給に要する費用の一部を負担できるものとする暫定措置です。
もう一つは雇用安定事業に要する費用ということで、休業支援金に加えまして、雇用調整助成金の日額上限を超える部分の一般会計負担を想定してございますが、こちらの暫定措置を令和4年度について適用するという見直しを行うものでございます。
7は雇用保険の国庫負担に関する規定でございますけれども、令和7年4月以降、できるだけ速やかに安定した財源を確保した上で、4の国庫負担に関する暫定措置を廃止するものとするという旨の規定でございます。
こちらは先ほど御説明した4の改正によりまして、国庫負担に関する暫定措置が、介護休業給付、育児休業給付、求職者支援の暫定措置がございます。そのうち、介護休業給付と育児休業給付は、令和6年度までは100分の10に相当する負担と時限とされておるわけでございまして、この時限措置が終了する令和7年4月1日以降の暫定措置を廃止する旨の規定を設けるところでございます。
「五 基本手当の支給に関する暫定措置の改正」でございます。
1の特定理由離職者のうち、厚生労働省令で定める方は雇い止めの離職者を想定してございます。雇い止め離職者を特定受給資格者とみなして、基本手当の支給に関する規定を適用する暫定措置を3年間延長する旨の規定でございます。
6ページの「六 地域延長給付」でございます。地域延長給付につきましても、令和7年3月31日以前の離職者まで支給できるという3年間の延長を規定するところでございます。
「七 教育訓練支援給付金」でございます。同様に、令和7年3月31日以前に教育訓練を開始した方に対して支給できるようにする、3年間の延長をする規定でございます。
「八 返還命令等の対象の追加」に関しましては、後ほど御説明いたします職業安定法の改正の関係で、募集情報等提供事業の定義の拡充に伴いまして規定の整備を行うものでございますが、いわゆる不正受給者と連帯して責任を負う方の対象にこうした募集情報等提供事業者を含めている旨の規定でございます。その規定の所要の見直しを想定しているものでございます。
雇用保険の関連で言いますと、少し飛びまして、17ページの後ろから4行目の「第四 労働保険の保険料の徴収等に関する法律の一部改正」でございます。いわゆる保険料の料率が定められてございますが、雇用保険率の改正に関しましては、令和4年4月1日から9月30日までの期間の雇用保険率を、1,000分の9.5のうち、失業等給付に係る率を1,000分の2とすることがございます。
1,000分の9.5というのは、失業給付の1,000分の2に加えまして、育児休業給付が1,000分の4、二事業が1,000分の3.5、合計が1,000分の9.5となっておりまして、この合計を法律上に規定しているものでございます。
続きまして、18ページの1行目の下の真ん中より少し下でございます。令和4年10月1日から令和5年3月31日までの期間については1,000分の13.5、うち失業等給付に係る率は1,000分の6でございます。同様に、育児休業給付と二事業の率を足した合計が1,000分の13.5となるものでございます。
18ページの「第五 特別会計に関する法律の一部改正」でございます。「一 一般会計から雇用勘定への繰入れの特例」につきましては、先ほどの雇用保険の国庫負担の令和4年度の暫定措置といたしまして、休業支援金や雇用調整助成金の日額上限を上回る部分の負担に相当するものなどを、一般会計からの繰入れに係る規定を特別会計法上整備するものでございます。
「二 雇用勘定の積立金の特例」でございます。
1の育児休業給付、雇用安定事業費を支弁するために必要がある場合に、積立金から繰り入れることができる暫定措置を令和6年度まで3年間適用するということでございまして、いわゆる積立金からの借入れ、貸出しに関する規定の3年延長を定めているものでございます。
19ページの2でございます。雇用安定事業費の財源を充てるために必要がある場合は、いわゆる累積債務の返済の2分の1の範囲内の猶予を定めた規定でございまして、二事業で剰余が生じた場合に、2分の1を超えない範囲内で、厚生労働大臣が財務大臣に協議して定める金額を安定資金に組入れ可能とするものでございます。
3に関しましては、一部の返済の免除を定めたものでございまして、雇用勘定の財政状況、あるいは雇用安定事業、能力開発事業の実施の状況を勘案して、厚生労働大臣が財務大臣に協議して定める金額を、これは返済のいわゆる累計額から控除するという形で免除を表現しているものでございます。
4でございますけれども、こちらは弾力倍率の計算方法の変更を定めているものでございます。1により繰り入れた金額などを積立金にあるものとして算定するというのが現行のルールでございましたけれども、この規定を削除することによりまして、いわゆる貸出し分、借入れ分を積立金の残高に含めないこととなるものでございます。
19ページの一番後ろの行の第六でございます。こちらがいわゆる雇用保険の臨時特例法でございまして、こちらの改正が20ページに記載がございます。
2点ございまして、一に関しましては、いわゆるコロナ延長給付でございます。こちらについては、制度としては継続いたしますが、緊急事態措置の終了から1年経過日後に基本手当の支給を受け終わる方については、延長給付の支給の対象としない旨の規定を行う予定でございます。
二でございますけれども、休業支援金を支給する事業につきまして、令和5年3月31日までの休業期間において支給の対象とするという規定の整備を行うものでございます。
「第七 施行期日等」は飛ばしまして、21ページの「二 検討」の規定を御覧いただければと思います。
検討規定は全部で1から4までございますけれども、そのうち1~3が今、申し上げた雇用保険の制度見直しに関連する部分でございます。
1でございますけれども、令和6年度までを目途に、育児休業給付及びその財源の在り方について検討を加え、必要があると認めるときは、その結果に基づいて所要の措置を講ずる旨の検討規定です。
2でございます。第五の二の1により育児休業給付費を支弁するために積立金から繰り入れた金額などが生じた場合、つまり、積立金から育児休業給付に貸出しを行った場合には、積立金への組入金の額の在り方について検討する。これはいわゆる借りた額の返済の在り方について検討する旨の規定でございます。
3でございます。令和6年度までを目途に、雇用勘定の財政状況などを踏まえまして、第五の二の3の控除の額。これはいわゆる返済免除の額ということに直接はなりますけれども、いわゆる返済の在り方について検討する旨の検討規定でございます。
4の検討規定は、直接は職業安定法の見直しに伴う規制の創設に伴うサンセット条項でございます。
以上が雇用保険の関連でございます。
20ページに戻っていただきまして、施行期日の関連でございます。この法律は、令和4年4月1日から施行するということで、雇用保険の関連部分は、いずれも一部を除いて4月1日から施行となります。
例外が2でございます。第一の一及び二と書いてあるところが令和4年7月1日になります。具体的には、雇用保険の給付の関連で、受講指示の対象に求職者支援訓練を追加する旨の規定の整備です。
もう一つは、受給資格者が起業した場合の受給期間の特例を設ける部分でございます。
これらにつきましては、システム改修をはじめ、所要の準備を行った後、令和4年7月1日の施行を想定しているところでございます。
以上が雇用保険関連部分の法律案要綱の内容でございます。
資料1-2を御覧いただければと思います。昨日、法律案要綱に関しまして雇用保険部会で御審議をいただきました。雇用保険制度につきましては、参考資料1-1の「雇用保険部会報告」にありますように、財政運営をはじめとして、様々な御意見があり、その内容については参考資料1-1の報告に盛り込まれているところでございます。
ただ、この雇用保険部会の議論の中でも、特に雇用保険財政の在り方に関する今後の検討に際しての御意見が公労使の委員からありました。その関係で、昨日の雇用保険部会におきまして、雇用保険部会報告で盛り込み切れない要素に関連しまして4点、公労使一致の意見が付されているところでございます。
第1の1つ目の○でございます。財政を含めた雇用保険制度全体の在り方について拙速に議論を進めることは避け、雇用保険制度の当事者たる公労使が一致して納得のいく結論を出せるよう、厚生労働省は必要な資料を時間的余裕を持って提示し、改正案の内容について明確かつ合理的な説明を行うなど、丁寧な会議運営を行うべきである。
2つ目の○は、本審議会において、これまで本則(4分の1)復帰を求める意見が出された点も踏まえ、今回の諮問案における求職者給付に係る国庫負担の仕組みの導入後においても、引き続き、新たな国庫繰入制度を含めた雇用保険財政の在り方について、制度・運用、両面において継続的に検証・検討し、必要な対応を行うよう強く求める。
3つ目の○は、今般のコロナ禍に対応するため、雇用保険制度において講じた様々な特例的な対応につきまして、特に雇用調整助成金の長期にわたる前例のない特例措置が雇用保険財政に与えた影響を含め、公労使が参加する労働政策審議会において検証を進め、将来の有事における対応に資する必要がある。
4つ目の○です。雇用保険制度は労働者や使用者が負担する保険料と国庫負担から成り立つ仕組みであり、今回、新たな国庫負担の仕組みを導入したとしても、雇用保険財政の立て直しに向けて、まさにこれから取り組んでいく状況であることから、雇用保険事業における諸給付及びその費用負担の在り方について、引き続き労働政策審議会において総合的に検討を行うべきである。
この4つの意見がございまして、2にありますように、上記の意見を厚生労働省が最大限尊重することを前提に、厚生労働省案はおおむね妥当と認めるという形で部会で取りまとめられたところでございます。
雇用保険の説明は以上でございます。残る職業安定法の改正部分は、担当を変更して、引き続き御説明いたします。
○山川分科会長 それでは、続きまして、職業安定法関連部分について、篠崎需給調整事業課長、お願いします。
○需給調整事業課長 需給調整事業課長の篠崎でございます。
職業安定法部分は資料の7ページを御覧ください。「第二 職業安定法の一部改正」でございます。こちらにつきましては、雇用仲介事業に関する制度の改正についてということで、労政審より建議をいただきまして、それを踏まえまして法律案の要綱を作成しております。
「一 募集情報等提供の定義の拡大」でございます。募集情報等提供の定義につきましては、現行では、依頼がない場合や、職業紹介事業者等の雇用仲介事業者間の情報のやり取り等、一部定義に含まれないものがありましたが、定義を拡大して、幅広いものを含めるようにしようということでございます。
この部分を読み上げさせていただきます。「1 労働者の募集を行う者等(労働者の募集を行う者、募集受託者又は職業紹介事業者その他厚生労働省令で定める者(注5)(以下この一において「職業紹介事業者等」という。)をいう。4において同じ。)の依頼を受け、労働者の募集に関する情報を労働者になろうとする者又は他の職業紹介事業者等に提供すること」。
「2 1のほか、労働者の募集に関する情報を、労働者になろうとする者の職業の選択を容易にすることを目的として収集し、労働者になろうとする者又は職業紹介事業者等(3において「労働者になろうとする者等」という。)に提供すること」。
「3 労働者になろうとする者等の依頼を受け、労働者になろうとする者に関する情報を労働者の募集を行う者、募集受託者又は他の職業紹介事業者等に提供すること」。
「4 3のほか、労働者になろうとする者に関する情報を、労働者の募集を行う者の必要とする労働力の確保を容易にすることを目的として収集し、労働者の募集を行う者等に提供すること」でございます。
(注5)については省令事項でございますが、募集情報等提供事業を行う者、特定地方公共団体とする予定でございます。
「二 官民の相互協力」でございまして、雇用情報の充実等に関しての相互の連携先の対象として、募集情報等提供事業を行う者を加えることでございます。
「三 募集情報等の的確な表示」でございます。
「1 公共職業安定所、特定地方公共団体及び職業紹介事業者、労働者の募集を行う者及び募集受託者、募集情報等提供事業を行う者並びに労働者供給事業者は、刊行物に掲載する広告、文書の掲出又は頒布その他厚生労働省令で定める方法(注6)(以下この三において「広告等」という。)により求人若しくは労働者の募集に関する情報又は求職者若しくは労働者になろうとする者に関する情報その他厚生労働省令で定める情報(注7)(3において「求人等に関する情報」という。)を提供するときは、虚偽又は誤解を生じさせる表示をしてはならないものとすること」。
(注6)としては、省令事項でございますが、インターネットを利用する方法とする予定でございます。
(注7)としては、事業の実績に関する情報等とする予定でございます。
次に、2と3がセットになるような形でございます。
2では、労働者の募集を行う者及び募集受託者に対して、正確かつ最新の内容に保たなければならないという義務をかけるものでございます。
3としては、仲介事業者であります公共職業安定所、特定地方公共団体、職業紹介事業者、募集情報等提供事業を行う者並びに労働者供給事業者に対して、正確かつ最新の内容に保つための措置を講じなければならない義務をかけるものでございます。
(注8)につきましては、募集情報等の時点を明らかにする等の内容とする予定でございます。
「四 個人情報の取扱い」でございます。これは現行の職業紹介事業者にも個人情報の取扱いに関する規定がございますが、これについて募集情報等提供事業者も対象とすること。それから、公共職業安定所や職業紹介事業者等に対しても共通して規定されるものでございますが、厚生労働省令で定めるところにより当該目的を明らかにして求職者等の個人情報を収集し、並びに、当該収集の目的の範囲内でこれを保管し、及び使用しなければならないものとすることを規定するものでございます。
省令事項として(注9)でございますが、目的の明示については、ホームページに掲載すること等を定める予定でございます。
10ページの「五 特定募集情報等提供事業の届出等」です。
「1 「特定募集情報等提供」について、労働者になろうとする者に関する情報を収集して行う募集情報等提供をいうものと定義すること」。
「2 「特定募集情報等提供事業者」について、3の届出をして特定募集情報等提供事業を行う者をいうものと定義すること」。
「3 特定募集情報等提供事業を行おうとする者は、厚生労働省令で定めるところにより、氏名又は名称及び住所その他の厚生労働省令で定める事項(注10)を厚生労働大臣に届け出なければならないものとすること」でございます。
(注10)の省令事項としては、連絡先などとする予定でございます。
4については、届出に変更があった場合、または事業を廃止したときの規定を定めるものでございます。
5につきましては「厚生労働省令で定めるところにより(注11)、当該事業に係る事業概況報告書を作成し、厚生労働大臣に提出しなければならないものとすること」でございます。
事業概況報告書に関する(注11)については、提出の頻度や、提出する内容として、提供している労働者の募集に関する情報や労働者になろうとする者に関する情報の規模、提供しているサービスの内容、適正な事業運営のために取り組んでいる事項などを定める予定でございます。
「六 特定募集情報等提供事業者の報酬受領の禁止」です。特定募集情報等提供事業者について、報酬受領の禁止を定めるものでございます。
12ページでございます。「七 募集情報等提供事業を行う者の事業情報の公開」でございます。「厚生労働省令で定めるところにより(注12)、労働者の募集に関する情報の的確な表示に関する事項、苦情の処理に関する事項その他厚生労働省令で定める事項(注13)に関し情報の提供を行うように努めなければならないものとすること」。
注にございます厚生労働省令につきましては(注12)については、インターネットを利用する方法とする予定でございます。
(注13)につきましては、個人情報を適正に管理するために講じている措置などとする予定でございます。
「八 募集情報等提供事業を行う者による苦情の処理」でございます。
1としては、苦情の適切かつ迅速な処理について定めております。
2としては、必要な体制の整備を定めるものでございます。
「九 特定募集情報等提供事業者の秘密を守る義務等」です。
13ページになります。1としては、従来の職業紹介事業者等に加えまして、特定募集情報等提供事業者及び当該事業者の従業者に対して、秘密に関する義務をかけるものでございます。
2につきましても、従来の職業紹介事業者等に加えて、今回の特定募集情報等提供事業者及び当該事業者の従業者に対して義務をかけるものでございます。
「十 指針」でございます。指針につきましては、現行も職業安定法に基づく指針がございますが、今回、三で定める事項に関し、具体的には的確な表示に関する部分でございますが、職業紹介事業者、募集情報等提供事業を行う者などが適切に対処するために必要な指針を公表するものとする内容でございます。
「十一 事業者団体等の責務」でございます。
職業紹介事業者または募集情報等提供事業を行う者を直接または間接の構成員とする団体に対して、構成員に対する必要な助言、協力その他の援助を行うように努めなければいけないものとすることでございます。
14ページでございます。2として、国は、当該団体に対して必要な助言及び協力を行うように努めるものとすることでございます。
「十二 指導監督」です。
1は、厚生労働大臣による改善命令の対象に、募集情報等提供事業を行う者を加えることでございます。
2は、厚生労働大臣は、特定募集情報等提供事業者が四の個人情報の取扱い、六の報酬受領の禁止、九の秘密を守る義務など、または1の改善命令に違反したときは、期間を定めて当該特定募集情報等提供事業の全部または一部の停止を命ずることができるものとすること。
3は、厚生労働大臣に対する申告の対象に、募集情報等提供事業を行う者を加えること。
4は、行政庁による立入検査の対象に、募集情報等提供事業を行う者を加えること。
5は、政府が行う指導監督の対象から、募集情報等提供を行う地方公共団体を除くこと。
「十三 その他」でございます。罰則に関すること等を規定しております。
1が、公衆衛生や公衆道徳上有害な業務に就かせる目的で募集情報等提供を行った者に対する罰則規定です。
2が、事業の停止命令に違反した者に対する罰則の規定です。
3が、報酬受領の禁止などに違反した場合に対する罰則の規定です。
4が、虚偽の届出などに関する罰則の規定です。
5が、職業紹介事業の許可の欠格事由について所要の改正を行うことでございます。これは定義規定に関する用語の整理を行うものでございます。
6が、その他所要の改正を行うことです。
以上が職業安定法の改正の内容でございます。
施行期日につきましては、基本的には10月1日を施行日としているものでございます。
なお、労働力需給制度部会におきましては、本法律案要綱につきましてはおおむね妥当という意見をいただいているところでございます。
説明は以上です。
○山川分科会長 ありがとうございました。
それでは、本件につきまして御質問・御意見等がありましたら、オンライン参加の方はZoom内の「手を挙げる」ボタンをクリックしていただいて、私が指名させていただいた後に、お名前を名乗って御発言をいただきますようお願いいたします。
冨高委員、お願いします。
○冨高委員 御説明ありがとうございました。
今回の「雇用保険法等の一部を改正する法律案要綱」について、まず雇用保険法について御意見を申し上げたいと思います。
昨日の雇用保険部会において、資料1-2に関して、今後の部会審議の在り方や、財政運営の引き続きの検討の部分について丁寧な議論をすることを前提にという意見が付されたことは異例な対応だと考えております。
意見内容を重く受け止めていただき、引き続き報告書の中身について、要綱に載っていないものもございますが、是非、漏れのないように早期かつ確実に検討いただきたいと考えております。
また、失業等給付に係る国庫負担割合などの財政運営の部分について、特に「国庫負担割合を本則に戻す」の部分は、雇用保険部会報告の中で労使から本則に戻すべきという意見が付されたことを十分に尊重し、規定をしていただきたいと考えておりますので、改めて意見として申し上げておきます。
また職業安定法につきましては、昨日部会で確認をされ、内容について、この間の需給制度部会の議論が適切に反映されているものと考えておりまして、特段異論はございません。その上で、今後、指針も含めた詳細については今後議論していくことになりますが、法改正の中身についてはしっかりと周知徹底をお願いしたいと考えておりますし、今後、実態を把握しながら、引き続き望ましい規制の在り方などについて検討していただきたいと思います。
以上でございます。
○山川分科会長 ありがとうございました。
ほかに御質問・御意見等はございますでしょうか。
新田委員、どうぞ。
○新田委員 経団連の新田です。御説明、どうもありがとうございました。
まず、需給制度部会報告に関しての諮問内容につきましては、報告書の内容が適切に反映されたものと受け止めています。
雇用保険部会報告に関しましても同様に認識しております。ただ、雇用保険制度につきましては、先般の分科会でも申し上げたとおり、様々な課題認識を持っております。そういった点は前回申し上げた通りです。今回につきましては、雇用保険部会報告の内容が適切に法律案要綱に落とし込まれているかについての諮問と私は認識しておりますので、その意味で、この諮問内容で異論はないということだけ申し上げておきます。
私からは以上です。
○山川分科会長 ありがとうございました。
大下委員、お願いします。
○大下委員 御説明ありがとうございます。
御諮問いただいた法律案の要綱、また、資料1-2の報告文の内容に異論はございません。
多くの中小企業に今回の改正がしっかり行き渡るという観点から、今後の施行に当たって簡潔に3点だけ申し上げます。
1点目は雇用保険法について、新たな国庫繰入の制度の導入に関して、前回の分科会でも申し上げましたが(注4)に書かれている雇用情勢及び雇用保険財政の急激な悪化の際の機動的な対応が鍵かと思いますので、確実かつ実効性を持って講じられるように留意いただきたいと思います。
2点目は雇用保険率の改正について、年度途中の保険料率の変更に当たっては混乱のないよう、丁寧な周知徹底をお願いします。
3点目は職業安定法の一部改正について、資料15ページにも記載のとおり、届出についての罰則規定等もあるため、新たに対象となる事業者等が漏れなく、かつ求められる内容を十分に理解できるように幅広かつ分かりやすい事前の周知をお願いします。
私からは以上です。ありがとうございます。
○山川分科会長 ありがとうございました。
ほかに御質問・御意見等はいかがでしょうか。よろしいでしょうか。
特にございませんでしたら、当分科会としては厚生労働省案を両部会の報告を踏まえ、また、雇用保険部会におきましては本日提出された資料のとおりの公労使一致の意見が付されていることを前提に「おおむね妥当」と認めることとして、その旨を私から御報告申し上げたいと思います。
このようなことでいかがでしょうか。御異議等はございますでしょうか。
(「異議なし」と声あり)
○山川分科会長 それでは、特段御異議はございませんようですので、報告文案の表示、配付をお願いいたします。
(報告文案表示、配付)
○山川分科会長 報告の内容は今、表示されたとおりですけれども、別紙1-1に先ほどの意見の付された雇用保険部会報告が、別紙1-2として労働力需給制度部会報告が含まれているという構造になっております。
先ほど申し上げたようなことで今、表示されております報告文案によって、私から労働政策審議会会長宛てに報告することとしてよろしいでしょうか。御異議はございませんでしょうか。
(「異議なし」と声あり)
○山川分科会長 ありがとうございます。御異議がございませんようですので、そのように報告させていただきます。
また、本日も御意見を幾つかいただきましたので、それについても受け止めていただければと思います。ありがとうございました。
それでは、職業安定局長から御挨拶がございます。
○職業安定局長 職業安定局長でございます。事務局として一言、御礼の御挨拶を申し上げます。
分科会長をはじめ、委員の皆様方には法律案要綱の御了承をいただきましてありがとうございました。
今後、労働政策審議会から正式に御答申をいただきますと、法律案の作成後、次期通常国会に提出させていただく運びになる予定でございます。
法律案が今後順調に成立いたしますれば、再び施行に当たっての関係法令の整備が必要になります。今後、労働政策審議会に適時適切にお諮りさせていただきながら進めてまいりたいと思っておりますので、引き続きよろしく御指導のほど、お願い申し上げます。
以上、簡単ではございますが、御礼の御挨拶とさせていただきます。誠にありがとうございました。
○山川分科会長 ありがとうございました。
本日予定されておりました議題は以上で終了いたしました。この際ということで、委員から何か特に御発言等はございますでしょうか。
よろしいでしょうか。
それでは、本日の分科会はこれで終了いたします。ありがとうございました。