第58回厚生科学審議会感染症部会 議事録

健康局 結核感染症課

日時

令和4年2月9日(水)13:00~15:00

場所

厚生労働省 専用第21会議室(17階)
 

議題

(1)新型コロナウイルス感染症の検査について
(2)重点感染症についての考え方及び暫定リストの作成に関する検討会からの報告について(報告)

議事

 
○杉原エイズ対策推進室長 それでは、お時間になりましたので、ただいまから第58回「感染症部会」を開催いたします。
構成員の皆様方におかれましては、御多忙にもかかわらず御出席賜りまして、誠にありがとうございます。
本日、議事進行を務めさせていただきます健康局結核感染症課の杉原と申します。よろしくお願いいたします。
本日の議事は公開ですが、カメラ撮りは議事に入るまでとさせていただきますので、プレス関係者の方々におかれましては、御理解、御協力のほどお願いいたします。
また、傍聴の方は「傍聴に関しての留意事項」の遵守をお願いいたします。
なお、会議冒頭の頭撮りを除きまして、写真撮影、ビデオ撮影、録音することはできませんので、御留意をお願いいたします。
本日の会議につきましても、新型コロナウイルス感染症における今般の状況を勘案いたしまして、ウェブ会議で開催することとしております。
まず、ウェブ会議を開催するに当たりまして、会議の進め方について御連絡させていただきます。
御発言される方は、まず挙手機能を用いて挙手していただくか、あるいはチャットに発言される旨のコメントを御記載ください。座長から指名されてから御発言をお願いいたします。なお、ウェブ会議ですので、若干のタイムラグが生じますが、その点、御了承願います。会議の途中で長時間音声が聞こえない等のトラブルが生じた場合は、あらかじめお知らせしている番号までお電話をお願いいたします。
続きまして、今回から新しく感染症部会に加わられた委員の方を御紹介いたします。滋賀県豊郷町より西山喜代史医療保険課長です。音声の確認も含めまして、簡単に一言御挨拶いただけましたら幸いでございます。
○西山委員 滋賀県豊郷町の医療保険課の西山と申します。本日はどうぞよろしくお願いします。
○杉原エイズ対策推進室長 お願いいたします。
次に、委員の方の出欠状況につきまして御報告いたします。出席の委員の方々につきましては、通信の確認も兼ねまして、同様に委員のお名前をこちらから申し上げますので、一言お返事いただければと思います。よろしくお願いいたします。
五十音順で失礼いたします。
今村委員。
岩本委員。
大曲委員。
賀来委員。
釜萢委員。
越田委員。
白井委員。
調委員。
菅原委員。
田中委員。
谷口委員。
戸部委員。
中野委員。
西山委員。
森田委員。
山田委員。
脇田委員。
なお、味澤委員、中山委員からは御欠席の連絡をいただいております。
現在、委員19名のうち17名に御出席いただいておりますので、厚生科学審議会の規定によりまして、本日の会議は成立したことを御報告いたします。
申し訳ございませんが、冒頭のカメラ撮りにつきましてはここまでとさせていただきますので、御協力をお願いいたします。
なお、これ以降は、写真撮影、ビデオ撮影、録音をすることはできませんので、御留意をお願いいたします。
(カメラ退室)
○杉原エイズ対策推進室長 それでは、議事に入る前に、資料の確認をさせていただきます。
議事次第及び委員名簿、座席表、資料1、資料2となります。不備等がございましたら、事務局のほうまでお申し出ください。
それでは、これからの進行は脇田座長にお願いいたします。
○脇田座長 皆様、改めまして、今日もよろしくお願いいたします。
感染症部会、今日の議事次第を御覧ください。議題が2つです。1番目が「新型コロナウイルス感染症の検査について」、2番目が「重点感染症についての考え方及び暫定リストの作成に関する検討会からの報告について」の御報告となっております。それでは、よろしくお願いします。
まず、議題(1)に入りますけれども、各委員に事前に資料の送付、それから説明を事務局からしていただいていると思いますけれども、資料1について、改めて御説明を事務局からお願いしたいと思います。課題が3つございますので、1つずつ議論を進めてまいりたいと思っております。
では、事務局、説明をよろしくお願いします。
○高城参事官 ありがとうございます。参事官をしております高城のほうから、資料1に従いまして御説明させていただきたいと思います。
皆様のお手元のほうにございます資料1に、本日御検討いただきたい課題が3つ載っておりますけれども、このうちIにあります「無症状者の鼻腔検体に対する、核酸検出検査・抗原定量検査の活用」のほうから話を進めてまいりたいと思っているところでございます。
1枚目の下にございますのが、検査の指針にございます、各検査における診断として推奨する、しないというところを整理した表になっております。本日御議論いただくのは、こちらの赤囲いに掲げられているものについて御説明していくということでございます。
それでは、課題1「無症状者の鼻腔検体に対する、核酸検出検査・抗原定量検査の活用」というところでございます。
資料の3枚目、現状でございますけれども、この鼻腔検体の使用につきましては、有症状者について、これまで承認し、推奨してきたところでございますけれども、無症状者についてはデータがなかったということがございまして、こちらからは推奨していないところでございました。
一方、抗原定性検査について、この鼻腔検体を用いて、無症状者の方に確定診断としての使用は推奨されないけれども、スクリーニングの使用は可能とされているようなところがございましたので、この点、ロシュ・ダイアグノスティック社よりデータを頂きましたので、御議論いただければというところでございます。
対象者は無症状者を対象にし、結果でございますけれども、核酸検出検査、PCRに代表される検査でございますが、ゴールドスタンダードとされている鼻咽頭と鼻腔の比較では、高い陽性一致率86.8%、陰性一致率96.5%等が確認できたところでございます。
一方、抗原定量検査について、ゴールドスタンダードの鼻咽頭、PCRとの比較におきましては、陽性一致率が62.3%、陰性一致率が100%、全体一致率81.8%でございました。
また、3ポツ目でございますけれども、PCR検査等において、鼻咽頭と鼻腔とで、そご、要するに鼻咽頭がプラス、鼻腔がマイナスとなった7例については、Ct値が30以上のものが71.4%であったということでございます。同様に、抗原定量検査においては、Ct値が30以上が60%という状況でございました。
なお、このロシュ・ダイアグノスティックの提供データのほかに、有症状・無症状、混じっておりますけれども、両方を対象としたシステマティックレビューにおいて、鼻咽頭検体の核酸検出検査と比較して、鼻腔検体の感度は86%、特異度99%というものがありました。
以上を踏まえまして、事務局案といたしましては、核酸検出検査については、無症状の鼻腔検体を確定診断としても使用を可能とする。
一方、抗原定量検査につきましては、先ほどのように陽性一致率62.3%というところもございましたので、確定診断としての使用は推奨されないが、感染拡大地域において幅広くスクリーニングを行う際には、使用することも可能としてはどうかというところでございます。
次の4枚目のスライドに、それらの概要をまとめているところでございます。
5枚目のスライドが、実際にそれらの具体的なデータをまとめたものでございます。
真ん中にある左手のものが鼻咽頭PCRと鼻腔PCRの核酸検出検査の比較の表、隣の表が抗原定量検査との比較の表でございます。
不一致があったものについて、次のとおり、Ct値の分布がこうなっているところをお示ししております。
最後に、システマティックレビューの結果で、鼻腔検体、唾液検体との比較などを載せているところでございます。おおむね、鼻咽頭と比べて、鼻腔・唾液ともに同様の感度・特異度が得られているというものでございます。
次の6ページ目は、ロシュから頂いたデータの概要。
7ページ目が、前回、鼻腔拭い液を用いた検査について議論した際の資料でございます。
8ページ目が、それらの資料のデータ編ということになっております。
以上でございます。御議論をお願いいたします。
○脇田座長 どうもありがとうございました。
それでは、今の説明を踏まえまして、委員の皆様から御意見、御質問いただければと思いますが、いかがでしょうか。無症状の鼻腔の検体を、PCRは使えるようにするということですね。
岩本先生、お願いします。
○岩本委員 インターネットで鼻腔の図を検索すると、鼻の入り口から、まさに鼻咽頭までが入る図が出てきます。鼻腔検体というのが、わかりにくいと思います。外国で使われる鼻前庭の検体というのが、恐らく厚労省の指針が指定する2センチぐらいまでの検体に当たるのではないかと思うのですけれども、鼻腔検体というと、人によって鼻の入り口で取るものと理解する人と、鼻甲介の奥まで差し込んで取ると理解する人までいて、混乱するのではないかと心配します。
もう一点、先ほどの御説明の中でついていけなかったところですけれども、確定検査に何を使い、症例が増えたときの対応で何を使うという御説明があったと思います。もう一度御説明いただければと思います。
以上です。
○脇田座長 岩本先生、ありがとうございました。
先に委員の皆様から意見をいただきますので、調先生、白井先生の順番でお願いします。
○調委員 調です。
できるだけたくさんの検査をするという方針には、基本的にはもちろん賛成です。
今回、データをいただきましたけれども、これはロシュのcobasという機械を使ったときのデータだと理解しています。核酸の検出検査の中で、ロシュのcobasというのは最も感度の高いものだと思っています。感染研法でも恐らくcobasには及ばないし、核酸検出検査は、迅速性を重視して感度が低いものも中には含まれております。それから、抗原定性のキットにおいては、私も研究班、今年、指定研究の代表をさせていただいていますけれども、幾つかの地方衛生研究所で検出感度を検証されていて、相当程度のばらつきがあると理解しています。
定性の議論はまた後だと思うのですけれども、中にはバンドの誤差が素人では判断つきにくいような結果もあるということを考えますと、ロシュのcobasについて、そういう今回の変更というのは当然できるだろう。しかし、ほかの核酸検出法、検出感度が相当程度違っているものについて、全てこれでいいかということは、少し考える必要があるかなと思っています。
以上です。
○脇田座長 ありがとうございます。
白井先生、お願いします。
○白井委員 よろしくお願いします。
この最初の表の中で、スクリーニングに使用することは可能というところがあるのですけれども、実際、これを現場で見たときに、スクリーニングというのはどの程度か、どのことを指すのかとか、今の検体の採り方でも十分な理解が得られていないところもありますので、これを推奨しないといったときの説明をきちんとしていただいて、先ほど調先生がおっしゃっていただいたところもあるのですけれども、この1つの検査だけで、今、広く普及しているような検査でもいけると解釈できるのかというところが疑問だなと思いましたので、それを述べておきたいと思います。
また一致しなかった例については、Ct値が高いところが多いのですが、そういう場合にはウイルス量が少ないという意味ですねということで、そういう解釈というか、Ct値についても何のことを言っているか分からないという、現場でも説明しないといけないところもありましたので、そういう説明を丁寧にしていただければと思います。
以上です。
○脇田座長 ありがとうございます。
谷口先生、お願いします。
○谷口委員 ありがとうございます。
基本的に、医療機関などでは専門家が鼻咽頭を拭いますけれども、それをより一般的にするために鼻腔を拭って検査するという目的で、多分鼻腔と出てきているのだと思いますけれども、鼻咽頭でも採り方によってかなり結果は違うので、先ほどの岩本先生の御意見に賛成なのですが、採取方法を明示していただきたいと思うのです。しかも、鼻腔の抗原定量をやって陰性ですといううちの3分の1ぐらいは陽性なわけです。もちろんCt値が低いわけですが、これをどこでスクリーニングするのか分かりませんけれども、医療機関ではこれだけたくさんの陽性例(偽陰性)が出てくると、到底使用できないです。医療機関に1例入ったらかなりしんどいので、我々、医療機関のスクリーニングはもちろん鼻咽頭でやっています。
これも岩本先生の御意見に賛成なのですけれども、そのスクリーニングはどういうリスクの場所でやるのかといいうのをきちんとやっていただくことと。あと、採り方をきちんと指示していただくこと。そして、市販後調査じゃないですけれども、今後も継続的に調査を進めていくこと。以上3点を申し上げたいと思います。
以上です。
○脇田座長 ありがとうございます。
山田先生、お願いします。
○山田委員 私も基本的に反対するということではないのですけれども、先ほどの確定診断、これは陽性者の確定はできるけれども、陰性者の確定はできないわけですね。今朝のニュースを見ていると、陰性証明書を求めて医療機関に殺到する人たちが多い。医療機関がそれで困っているという現象が生じているそうです。だとすると、こういう検査キットがどういうふうに使われるか。要するに、陰性であることを自ら調べて安心したいという人がたくさんいるわけですね。そのときに、その陰性者の中に陽性者がたくさん紛れ込んでいる方法を新たに認めようとしているわけです。今までよりも偽陰性が多いわけですから。
ということは、安心し切ったまま社会をマスクなしで歩くとか、そういうことをする人が出てこないとも言えないので、もしこれらのものを承認するのであれば、陰性は必ずしも陰性を証明するものではないとどこかに書いてありますけれども、そういうミスユーズをされないように、アビューズをされないように注意を払っていかないと、せっかくこういうものを導入して陽性者を早く洗い出そうという目的と違う目的に用いられて、現場が混乱することになるのではないかということを危惧していますので、その辺の対応をぜひよろしくお願いいたします。
以上です。
○脇田座長 ありがとうございました。
それでは、ここで少し区切らせていただいて、皆さんの御意見、検体の採取法であったり、このロシュのデータだけで、ほかに外挿できるものなのか等々、御意見ありましたので、事務局のほうからレスポンスをいただいておこうと思いますが、事務局、いかがでしょうか。
○高城参事官 いろいろと御指摘をありがとうございます。
鼻腔、鼻咽頭の明確化ということでございますけれども、今、病原体の検査の指針というものがございます。その中で、鼻腔拭い液というのはどういうものなのか、咽頭拭い液というのはどういうものなのかという記述がございます。御紹介のように、鼻腔拭い液については、鼻腔に沿って2センチ程度までということを記載させていただいているところでございますけれども、これまで鼻腔を使った検査を周知するに当たって、例えば図を入れてイメージをつかんでもらうということもやっておりますので、こういったものも補強しながら、検査の指針のほうに反映し、さらなる周知を図るということがあり得るのかなと思っているところでございます。
それから、スクリーニングに使うのは何なのか、確定に使うのは何なのかという御指摘を岩本先生からいただきました。こちらについては、すみません、資料の番号がずれているということでございますけれども、今回、確定診断として使用を推奨するのは、核酸検出検査において、そうしましょうと言っております。抗原定量検査においては、陽性一致率が62.3%等と、核酸検出検査に比べて低うございますので、今回は確定診断ではなくて、スクリーニングに使用することは可能としてはどうかという案でございます。
では、どういったときにスクリーニングというのが成り立つのかというところでございますけれども、こちらの※としましては、感染拡大地域の医療機関や高齢者施設等において幅広く検査を実施する際に使うということを想定しているものでございます。このスクリーニングというのは、あくまでスクリーニングをやって確定診断を行うということではございませんで、診断に用いるということを前提にしたものではございません。
それから、調先生ほか、御指摘がございましたけれども、確かに今回のデータというのは、ロシュさんのcobasという機械を使ってやったものでございます。核酸検出検査というのは、皆さん御承知のように、他の検査に比べると精度が高いと言われておるものでございますけれども、まさにその機器によって精度間にばらつきがあるのではないかというところでございます。当然、今回お示ししているのは核酸検出検査でございますので、抗原定性といったものは入っておりませんけれども、この核酸検出検査について確定診断として使ってはどうかということでございます。
その機器についてのばらつきというのはございますけれども、これは機器ごとの精度管理というものを別途事業で進めておりますので、この中で問題がないかどうかというのを見ていくということを厚生労働省のほうではやっているところでございます。
それから、白井先生から御指摘がございました、ウイルスとCt値の関係。御指摘のように、Ct値につきましては、上がれば上がるほどウイルス量が少ないということでございます。どこで切れば多いのか少ないのかというのがございますけれども、1つの目安として、今回は30以上、30未満というところでお示しさせていただいたところでございます。
それから、谷口先生から御指摘がありました、鼻腔について、しっかり検体を採ることというのは、再三御指摘を受けているところでございますので、検体指針の中でさらなる補足が必要であれば、きちっとやりたいと思っております。
また、使うことができるということをお示しするものでございまして、医療機関でこういう事実関係というのを見ていただきながら選んでいただく。必ずしも鼻腔にこだわらず、従来どおり鼻咽頭に使っていただいても結構ですし、唾液も活用可能ですので、そのあたりはデータを見ていただきながら判断していただく。そういう意味では、今回の例えばロシュさんのデータ、鼻咽頭ではこのぐらい、鼻腔ではこのぐらいの精度が出ていますというのを参考につけるということもあるのかなと思った次第でございます。
もちろん、今回、限られたサンプル数でございますので、これは継続的にウオッチしていくということを検討するというのはありかなと思っております。実際に、抗原定性検査で鼻腔をやったときもnが少ないということもございましたので、その後もフォローして、最新のデータを検査の指針のほうにお示しさせていただいているところでございますので、継続して、この結果のみならず、今後のデータというものもしっかりウオッチして、問題があれば、それは例えばやめていただくといったこともあり得るのかなと思っております。
それから、山田先生からの御指摘でございます。陰性証明という点については、診断という意味のものではないのかなと思っております。どんな検査であっても、どんな検体であっても、有症状・無症状であっても、陰性ということは必ずしも感染していないということを証明するものではないので、これは我々も繰り返しお示ししているところでございますので、誤解のないように努めてまいりたいと思っております。
以上でございます。
○脇田座長 ありがとうございました。
さらに御意見ございますか。
谷口先生、どうぞ。
○谷口委員 ありがとうございます。
スクリーニングというのは、基本的にスクリーンインとスクリーンアウトがあると思うのですけれども、陽性者を確実に見つけてリスクリダクションをする。ただし、その後にも、陰性の方も陽性の方もきちんと感染対策をして行動する。そのためにリスクリダクションするわけですが、それができないような環境であれば、これは偽陰性が多いと非常に困るわけです。極端な例は、病院の血液病棟に入院する際にスクリーニングする場合に偽陰性があったら、その後、いかにリスクリダクションしてもかなりリスクが高いということになります。
なので、そのスクリーニングということの意義は、あくまでこれはリスクリダクションであって、陰性だから大丈夫という意味では、先ほど山田先生もお話がありましたが、そこをきちんと記載していただく。医療機関ならば分かると思うのですが、これは医療機関以外にも、施設とかいろいろなところに行くわけですので、そこをきちんと共有していただきたいと思います。
以上です。
○脇田座長 ありがとうございます。
釜萢先生、お願いします。
○釜萢委員 ありがとうございます。
今、先生方から御指摘の点は、まさにそのとおりだと思っております。今回、Iの変更を行うことによって、調べる検体の採取数が増えて、それが感染防止に役立つかどうかという視点で、今回の点をしっかり評価する必要があると思います。鼻腔検体の採り方は、鼻咽頭に比べると、本人もできるし、感染防護のPPEを使わなくても大丈夫という点からすると、検査ができる検体の採取数が増える可能性はあるだろうなと思っております。
それから、1点、気づくのが遅くて恐縮ですが、このロシュのデータの中で、今日のページで言うと5ページですけれども、期間のところが21年7月から22年7月となっていますが、これはこのままでよろしいのでしょうか。確認したいと思います。
○脇田座長 ありがとうございました。
それでは、今、谷口先生と釜萢先生から御意見、それから1点御質問がございました。いかがでしょうか。事務局のほうにお願いします。
○高城参事官 まず、釜萢先生から御指摘いただいた期間でございますけれども、これは2021年7月6日から2021年7月29日の誤りでございます。大変失礼いたしました。
それから、谷口先生からいただいたリスクリダクションの考え方、スクリーニングの考え方について、記載のほうを充実させるべく検討させていただければと思っております。
よろしくお願いします。
○脇田座長 ありがとうございます。
そのほか、いかがですか。
岩本先生、どうぞ。
○岩本委員 どうもありがとうございます。
1点は、既に谷口先生や何人かの先生がおっしゃったことですけれども、患者数によって、前回の部会で風疹のIgMとIgGのキットの議論があった際に、陽性数(感染者数)が多いときと少ないときでは偽陽性と偽陰性のバランスが非常に問題になってくることを申しあげました。まさにリスクリダクションしながら抗原キットを使うのは、感染予防をきちんとしながら、というのが非常に大事だと思います。
2点目です。僕は2年前の41回のこの部会だったと思いますが、今回と同じように、今まで適用できないとされていたものを適用できるに変えるときに、1人、不賛成で提出しました。19対1で不賛成だったのですけれども、当時は確かめた検体数がとても少ないということが、一番の問題でした。
一方で、今朝厚労省のホームページで確認すると、現在までに核酸増幅法が38件、抗原検査法が39件承認されています。今日の議論の対象は、今回資料を提出して申請してきた会社のものだけなのか、それともほかの会社のキットも含むのか、明らかにされていません。それから、もう一点、我々に与えられているのは検体の種類と検体採取の場所と検査結果の比較のみだけですね。鼻汁にしろ、唾液にしろ、非常に粘稠な材料ですから、それぞれの会社でいろいろなRNAなり抗原の抽出法とかを使っているわけで、そういう製品の精度なりを全く示されていません。も
僕は今日の結論は保留させてもらおうと思っていますけれども、PMDAにおける検討結果や意見についても知りたいと思います。体外診断薬の専門家がきちんと関わらないと、日本の検査が信用を失いかねません。良い検査キットを作って、海外にも販売するようであってほしいと思います。
そういう点から考えると、品質保証の上で、ブレーキとアクセルを一緒に、しかも、どちらかというとアクセル側の立場で議論しているのではないでしょうか。ブレーキのほうがきちんと判断して、緊急のときはどうだとか、平時のときにはこうするといった基準が明確であって欲しいと思います。今、まだ危機の真っ最中に全部フルで稼働すべきだとは言いませんけれども、どういうステップを踏んで体外診断薬を承認するのか、今後ぜひ検討していただく必要があると思います。
以上です。
○脇田座長 ありがとうございます。
今村先生、どうぞ。
○今村委員 今村です。
現状では、検査を可能とする前提として「感染拡大地域」という条件がつけられています。。現在の流行状況の中ではやむを得ない対応であり、その点については特に異論はありません。感染拡大しているときにおける検査というのは事前確率が高いわけです。しかし、感染者数が少なくなってくると、この事前確率は下がってくることになります。
流行が低下してきたときに、この対応をいつまで継続するのか。また、それを誰が判断するのかということを曖昧にしておくと、一度始めた過剰な検査というのは、現場で必死に施設や病院を守りたいと考えている状況の中で、それを継続し続ける可能性が極めて高いと思います。この対応が必要以上に継続されることによって、診療所や保健所にも負担をかけてしまうこともあり得るので、対応の切り替えや負荷条件なども検討すべきではないかと思います。

以上です。
○脇田座長 ありがとうございます。
越田委員、お願いします。
○越田委員 私もちょうど今村先生がおっしゃったようなことを述べようと思っていたところです。一昨日、説明を受けたときに、感染が拡大しているというのはどういう定義なのかということを、お尋ねしたのですけれども、これに対するお答えはなかったのです。確かに、今は、全国どの地域も感染が拡大しているフェーズだと思うのですけれども、早晩、これがおさまってきた、あるいはさらに感染が拡大した。この辺の定義が曖昧だと、いつまでこれが引っ張られるのかなということを心配していました。
2点目は、医療機関だったら、恐らく鼻腔というよりも鼻咽頭、先ほど谷口先生もおっしゃっていました鼻咽頭からの検体採取となるのではないかと思います。高齢者施設での検体採取部位として鼻腔を使うことも想定されているのかなということを考えますけれども、陰性を確認できないということであれば、かえって二度手間になるということが起こり得るのかなということをちょっと懸念いたしております。総論としては別に反対しているわけではないのですけれども、このあたりのことを理解して、高齢者施設に対してお伝えする必要があるのではないかということを感じました。
以上です。
○脇田座長 ありがとうございます。
ほか、よろしいですか。
そうしましたら、今、岩本先生から今村先生、越田先生の御意見ですけれども、いかがですか。
○高城参事官 事務局でございます。ありがとうございました。
まず、いろいろな機器が出てきているということでございますけれども、機器とか試薬、検査キットなどがございますけれども、これらにつきましては薬事承認を取っていただくことになっております。その薬事承認の審査を行うのがPMDAということになっておりまして、こちらのほうで承認されたものにつきましては、例えば変異株が変わったときですとか、いろいろな状況において、確からしさがあるのか、ないのかといった場合に調査をかけたり、もしくは、何か不具合があった場合には、直ちに行政指導で回収したりといったことが可能になっているところでございます。
なので、こちらで皆さんに御議論いただいているのは、いわゆる承認された上で、確定診断として使うには、こういう条件を推奨しましょうというところを議論していただいているものでございまして、実際のところ、例えば鼻腔の有症状とか無症状に使える、使えないというのは、特にPMDAの薬事承認上の要件にはなっておらず、現場においては使用されていることがあるかと思います。それでもって薬事承認以外のことを何かやっているかというと、そういうことではないというところです。その上で、さらに皆さんの御意見、データを見ていただきながら、それは使えるといっても、確定診断にはちょっと使えないのではないか、どうなのかという付加的な御意見をまとめたものを検査の指針としてまとめているという状況でございます。
したがいまして、今回のこの鼻腔の無症状に使う、使わないという要件というのは、薬事承認上は許容されている内容でございます。その上で、確定診断として使えるか、使えないのか、推奨すべきなのか、推奨すべきじゃないのかというのを本日御議論いただいているところでございます。
さらに、スクリーニングというのは、確かに二度手間になるかもしれませんけれども、急ぎやらなければいけないというときに、まさに確定診断ではなくて、1つのフィルターとして使っていただくということを想定しているものでございまして、それでも、さすがにそういうものにすら使うべきじゃないのではないかという御意見があれば、それはそれで受け止めて、この検査の指針の中に反映していきたいところになっております。繰り返しになりますが、個々の製品につきましては、PMDAで承認された薬事承認の内容に沿って適切に運用がなされているのかどうかというのは、薬事承認の中でフォローアップがされていくべきものと考えているところでございます。
それから、感染状況に応じて運用を変えるべきではないかというところでございますけれども、こちらも実際に薬事承認を取っていただいた後の調査などで問題があれば、回収されたり、あとは、現場レベルで問題があれば、こちらのほうからPMDAさんの窓口である医薬局さんとも御相談させていただきながら、適正に対処を図ってきたところでございますし、今後ともそういう対応でやらせていただければというところでございます。
あとは、スクリーニングの意義については、先ほど御説明させていただいたように、現場でもよく分かるような形で、もう少し補強させていただければと思っております。
漏れなどありましたら、御指摘ください。お願いします。
○脇田座長 感染拡大地域の定義、どういった定義で感染拡大地域とするのか。流行が終わった後に、それを誰がどのように判断して、きちんと切り替えていくのかといったところが分かりにくいという議論があったと思いますが、その点、何らかの定義みたいなものを加えることは可能ですか。お願いします。
○高城参事官 ありがとうございます。大変失礼しました。
感染拡大地域の考え方というので、行政のほうでは、自治体のほうに、例えば人口10万人当たり10を超えるような地域を想定していますと、1つの目安を示したことはございます。ただ、これに当てはまらないと、そういうスクリーニング的な検査をやってはいけないかというと、最終的な御判断というのは、保健所、自治体のほうで考えていただいているというのが現状でございます。
実際に管轄する地域の広さも、地域によってそれぞれでございますので、ここは感染拡大していて抑えなければいけないという判断が行政のほうで必要であれば、我々としては、いや、この基準を超えていないからやってはいけませんよ、それは行政検査として認められませんよという判断はしていないところでございます。最終的には自治体のほうで御判断いただいているところでございます。
○脇田座長 岩本委員、お願いします。
○岩本委員 すみません、高城さんをいじめるつもりは余りないのですが、薬事承認のところを、できる範囲でもう少し透明化してほしいというのが僕のポイントです。実際、厚労省のホームページに、一つ一つの項目にそれぞれ承認時の情報は書かれていますが、その情報に書いてあることが、我々がこの部会で話しているときの資料と同じぐらいの検体数と内容しか書かれていないということです。これでは日本の検査はどうなっているのかという疑問が生じますし、ここの部分は検体として認められていないというところがあるならば、まさにそういうところを明らかにしてほしいと思います。
以上です。
○脇田座長 ありがとうございました。
今の岩本先生のポイント、薬事承認の中身、どこまで明らかにできるか分かりませんけれども、そういったものが我々に情報として得られていないということだと思いますが、その点について何かありますか。
はい。
○高城参事官 ホームページのほうで、薬事承認された内容については示しております。ただ、確かに数が30とか、非常に多いので、一個一個開いて見てみないと分からないというところはございます。また、個々の製品によっては、データの内容がアップデートされているものがございますし、全くそれがなっていないというのもあるかもしれませんが、問題意識は医薬局とも共有していきたいと思っております。
○脇田座長 精度管理の事業というものはやっているのだけれども、そこは検査上の精度管理で、例えば体外診断薬の市販後の性能のコントロール、QCとかをきっちりやるべきではないかというのは、新型コロナにかかわらず、感染症の体外診断薬でも今まで議論されてきたところだと思いますので、そのあたりも含めて検討していただければと思います。
よろしいですか。
○高城参事官 結構でございます。
○脇田座長 委員の皆様、よろしいでしょうか。
ここで何らか結論を出すわけではないので、委員の皆さんの御意見を事務局のほうには入れていただいて、踏まえて検討を進めていただくということかと思いますので、よろしくお願いします。
それでは、次の課題2に進みたいと思いますので、そちらの説明をお願いいたします。
○高城参事官 課題2でございます。「有症状者・無症状者の唾液検体に対する、抗原定性検査の活用」というところで御説明させていただきます。
資料の10ページ目になりますけれども、唾液検体を用いた抗原定性検査の活用についてというところでございます。
これまで抗原定性検査に用いた唾液の検体というのは、有症状・無症状を含めて推奨されていないところでございましたが、今般、タウンズ社から、唾液検体を用いた抗原定性の有効性についてのデータが報告されたところでございます。
結果は下に書いてございますように、有症状者の発症から9日以内の検体につきましては、ゴールドスタンダードの鼻咽頭検体の核酸検出検査と比較しまして、陽性一致率が76.1%、陰性一致率は97.2%、全体一致率が83.3%であったところでございます。この中で、いわゆるPCRの陽性だったけれども、定性がマイナスになったものについては、50%の例でCt値が30以上、50%でCt値が30未満であったというところでございました。
一方、(2)にございますように、発症から10日目以降の検体につきましては、陽性一致率が11.1%等々でございました。
また、無症状者につきましては、検体が大変少なくて、PCRで陽性、核酸検出検査で陽性だったものについては、全例で唾液を用いた抗原定性検査では陰性が出てしまったところでございます。ただ、いずれの症例もCt値が30以上であったというところで、咽頭検体値のウイルス量自体は少なかったのではないかというところでございます。
このように、無症状者についてはデータが乏しくて評価できないところでございますけれども、実際、いずれの検体でも、比較検体である鼻咽頭検体のウイルス量が少なかったというところがございます。ただ、これまでのデータから、ウイルス量が多い場合は検出できると考えられていること。それから、実際、無症状者の活用について、ウイルス量が多い場合は、PCRと同等に検出できる。検体の種類は違いますけれども、こういったことも踏まえて、先ほどのようなスクリーニング検査として使ってはどうかと考えているところでございます。
したがいまして、今のような結果から、例えば発症から9日目以内の場合は、確定診断の使用を推奨する。また、無症状については、スクリーニングに活用可能としてはどうかという案でございます。
次のページは、それらの概要をまとめたものでございます。
発症から9日目以内の場合は、確定診断の使用を推奨していいのではないか。10日目以降の者については、非常にプアでございますので、そこまでのものではございません。
また、無症状については、他の抗原定性のキットと同様に、スクリーニングとして使ってはどうかというのが事務局からの提案でございます。
次の12ページ目のほうに、それらのサマリーが載っておりますのと、中段から下については、それらのデータについてまとめたものでございます。
次のページが、実際に鼻咽頭PCRと唾液抗原キットの検査でございますけれども、Ct値は御覧のとおりで、いずれもマイナスで出てしまったところでございます。
最後についております14ページ目のものが、抗原定性検査の無症状者における検討例ということで、下のほうの結果を見ていただきますと、全体で陽性一致率が鼻咽頭PCRに比して56%の一致率。ただし、Ct値が30未満の者に限れば100%であったという結果を踏まえて、現在は鼻咽頭、鼻腔については抗原定性検査で、スクリーニングについては無症状でもやって構いませんという扱いにしているところでございます。
次のページも、同様に例示を示したものでございます。
最後の16ページ目でございますけれども、WHOの抗原定性検査に関するガイダンスというものがございます。ここには、一般論として、感度が80%以上、特異度97%以上の精度が推奨されている。これは抗原定性検査全体について、こういうものが述べられております。
また、調査対象の状態にもよりますけれども、核酸検出検査と比べて、感度は80%に達する必要があるのではないかというものでございます。
また、具体的にこの80%、97%というのをどう評価するのが適当なのかという参考に係る記述がこのように書かれていまして、その際には、PCRのCt値で25~30未満の患者の検体を用いて、これだけの感度・特異度が出てくるものを期待されているという記述があるところでございます。
課題2についての御説明は以上となります。よろしくお願いいたします。
○脇田座長 ありがとうございました。
唾液の抗原定性ですね。有症状者の9日目以内と10日目以降、それから無症状の場合ということであります。11ページがそのまとめというところですので、一番右側の赤の囲みのように変更してはどうかということですね。
岩本先生、どうぞ。
○岩本委員 この部分は、まさにさっき僕が申し上げたところによく関係すると思うのです。例えば鼻からの粘液は綿棒の先についているだけで、そのままではキットのクロマトグラフィーの中に入っていくわけはありません。何かに溶かすわけですね。唾液でも恐らくそのままでは無理だと思います。それで、普通のキットというのは、クロマトグラフィーにかかりやすいように溶解液や前処理を工夫しているはずです。例えば血液検体の場合、血清分離するのか、全血乗せるかで偽陽性率とか偽陰性率という精度は異なります。当然、鼻汁や唾液についても、各社で使っているものによって、精度は変わってくると思います。
なので、1社が出してきたものを議論しただけで、気がついたら40社を認めていましたというのを全部横並びでやられたら、これは完全な筒抜けの審査になるのではないでしょうか?僕はこの点をもうちょっと透明化してほしいとお願いしているわけです。
もう一点、WHOが確かによく引用されますが、WHOでは途上国の事情もよく勘案して物事が決められます。それが悪いと言う気は全くありませんが、自分自身の経験ですが、HIVのキットを使っているクリニックから照会されてくる陽性例の偽陽性率が高いので、業者さんに確認したところ、これはアフリカのために開発されたもので、現地で診断するもの。の診断に使用するためのものとして開発されたとの返事でした。HIVの陽性率の高いアフリカで使われているキットが東京では偽陽性が多すぎて使い物にならないという経験でした。今日の会議でも出ましたが、感染者数の差を意識しながら、それぞれのキットをどう使っていくのかというのを考えないと、WHOの指針だけで決めていくと現場が混乱することに繋がります。日本での体外診断薬の承認をどうするのだということをしっかり考えていただきたいと思います。
以上です。
○脇田座長 ありがとうございます。
谷口先生、白井先生、調先生の順番でお願いします。
○谷口委員 ありがとうございます。
先ほどはロシュ社から報告されて、今回はタウンズから。業者から報告されたから、この会議に上がっているように何となく聞こえるのですけれども、行政的にどういう戦略でこれを認可しようとしているのかというのは、1つはっきりさせておく必要があろうかと思いますし、これは、恐らくよりたくさんの検査ができるようにということが根底にあると思うのですが、その前に量をきちんと供給してほしい。今、あちこちで足らないという状況があるわけですね。それを改善せずに対象だけ広げても、十分に使えるかどうかというのがちょっと不安だなという気はします。
2点目は、先ほどWHOの感度・特異度のこのぐらいの基準というのを出していましたが、こちらの資料には感度・特異度という数字は一度も出てきていないですね。感度・特異度にすると、WHOの基準に落ちるものもきっとあると思うのですが、これをするにしても、例えばこの検査で陰性であっても、何十%は落ちますよというのをきちんと言っていただかないと、恐らく高齢者施設の方は抗原定性検査をかなり信用してやっていますので、そうすると、それによって高齢者施設でのクラスターがまた増えてしまうという結果にもなり得ませんので、そういったことをきちんとしてほしいというのが2点目です。
以上です。
○脇田座長 ありがとうございます。
白井先生、お願いします。
○白井委員 白井です。
2人の先生の御意見と似ているところもあるのですけれども、今、キットが足りないと言いながら、こういう拡大をするということになると、その供給が大丈夫なのかということを考えていますし、また、これを無症状の方にはスクリーニングとして使えるということがあっても、先ほどと同じですけれども、スクリーニングと確定診断の意味ということは、特に医療機関ではないところで使われると本当に混乱するのではないかと思っています。
また、データなのですけれども、唾液が使えるという場合に、今、感染拡大している、オミクロンであろうという時期の検体ではないのではないかと思いますし、そういった場合、今から使う場合に、このデータが根拠になるのかということが疑問でしたので、その点、お願いいたします。
○脇田座長 たくさんありがとうございます。
調先生、お願いします。
○調委員 調です。
まず、偽陽性の問題があると思うのですけれども、それは検査前確率が低いときには相当程度の偽陽性があると考えております。山口県内でも、流行がない冬場、恐らくライノウイルスだったり、風邪コロナウイルスといったもののクロスを拾っているのだと思うのですけれども、約半数が偽陽性だった。オミクロン以前は、全ての抗原定性陽性についてPCRで確認していました。その結果、半分ぐらいが偽陽性であるということが分かって、抗原定性だけで陽性を判断するというのは、特にラゲブリオのような薬を処方する可能性がある。そうすると、副作用という問題が出てくるので、なかなかそこに踏み切れなかったわけです。
御存じのとおり、偽陽性がそれだけ出ていったときのPCR陽性率は恐らく0.1%とか、それより低い状態だったと思うのですけれども、流行が拡大すると陽性率が10%ぐらいになって、当然、偽陽性率は0.5%ぐらいに下がっていくということになるので、そこは非常に大きな差があるのです。そういう意味で、流行時期をきっちりと決めるというのは非常に重要ではないかと思っています。
本庁のほうでは、各保健所管内において偽陽性率が下がったことを確認してから抗原定性で確定するようにという方針だったのですけれども、結局、流行が拡大して抗原定性だけで陽性として、その場で医療につなげるというメリットも非常に大きいので、そういうふうにしたのですけれども、流行期と非流行期というのは慎重に切り分けたほうがいいと思います。
それから、偽陰性のほうです。先ほど言いましたけれども、抗原定性キットには相当程度の検出感度の差があります。中には、Ct値30以下ぐらいになると感染性が出てくる可能性があると思うのですけれども、そういったウイルス量の検体でも陰性になってしまう、あるいは判定保留になってしまうような検出感度の低いキットも相当程度あるというのが、これまで検証した結果なのです。そういう意味では、今回提出されたデータをもって、30程度あるというお話でしたけれども、全ての抗原定性キットについて、同じ基準で確定するということはなかなか難しいのではないかと考えています。
以上です。
○脇田座長 ありがとうございます。
今、4名の委員の先生方から御意見いただきました。タウンズのデータを出していただいていますけれども、30ぐらいあるものが、全てこれで本当に使えるようになってしまうということが、それでよいのかということもあり、偽陽性・偽陰性の問題、供給の問題。あと、検体がオミクロンではないが、大丈夫か。スクリーニングの意義の問題。あとは、感度・特異度の精度のお話がありましたね。
事務局からコメントをいただけますか。
○高城参事官 ありがとうございました。
まず、1番目の問題と2番目の問題で違うのは、唾液の検体を用いた抗原定性というのは、まだ認められていないということ。ほかのキットでも全く認められていないということ。あと、どの検体を使うのか。症状の有無は対象になっていないのですけれども、どの検体が使えるのか、使えないのかというのは、まさに薬事の承認事項でございます。実際、唾液で承認を取っているところはございませんので、これは薬事承認を取っていただく。すなわち、PMDAのほうでもデータを見ていただいて承認を取っていただいて、使用可能になるという仕切りになってございます。
それから、キットが足りているのか、足りていないのか問題につきましては、今年に入ってから非常に患者さんが増えてきて検査需要が増大してきたというところがございます。あとは、社会機能を維持するために、いわゆるエッセンシャルワーカー、お医者さんなども含めて、療養期間を短縮するに当たってのチェックとしても活用可能としているところ。あとは、症状があってというのは医療機関になるのですけれども、無料の検査というのも自治体のほうで始められているところで、年末から年始にかけて急に需要が増えたという事実がございます。
これを踏まえて、行政としましても、例えばメーカーさんのほうに買取り保証までして増産要請したり、あとは優先順位をつけて医療機関での診断に優先的に配布してくださいということを業者のほうに働きかけたりということをやってきているところでございます。そうしたところ、先週で週に400万ぐらいのキットの在庫というのですか、そういったものができるようになりまして、今後、順次補充されていくところでございます。現場の皆様には、御心配をおかけして申し訳ございません。
それから、変異株でどんどん変わっていくというところがございまして、それに検査というものがヒットしていくのかどうか。これは、特にこの検査薬に限らず、ウオッチしていく必要がございます。こちらについては、薬事承認されたものについて、もし異常があれば報告を受けるような形になっていますし、それらについて、業者のほうにオミクロンでも大丈夫なのかどうかというあたりを確認したり。また、感染研さんのほうからオミクロンの変異株の報告書というのが出ているのですけれども、その中でも、WHOで抗原定性キットについては、このまま使用可能ではないかという見解をいただいているところでございます。
いずれにいたしましても、PCRについても同様でございますけれども、ヒットしなくなるのではないかという情報があれば、そこはメーカーさんが確かに当たるかどうかというのを確認する義務を負っていると承知しているところでございます。
すみません、あと、足りない点があれば御指摘ください。
○脇田座長 ちょっと確認ですけれども、そうすると、唾液に関しては、検体として薬事承認されているキットはまだないと。ここで考え方を示すにしても、これからそれを使えるようになるには、そのキットが唾液を検体として使えるということの申請をして薬事承認を受ける。その上でそれが使えるようになるということでいいのですか。
○高城参事官 そのとおりでございます。例えば、タウンズ社さんは、唯一こういうデータを持っていたのですけれども、ほかのメーカーについても、同様に唾液でやりたいということであれば、それは一々、一部変更の承認を出していただく必要があるということでございます。
あと、思い出したのですけれども、メーカーからの申出でという話があって、行政戦略としてはどうかというお尋ねもあったと思うのですけれども、この問題は、実は2年ぐらい前に鼻腔を検討したときに、同時に唾液を用いた抗原定性というものが開発できるのか、できないか問題というのがございまして、厚生労働省でもいろいろ研究をやったり、メーカーさんにお願いしてデータを出してもらったり、そういうことをずっと続けておったのですけれども、ここまでまとまったデータというのはなかなか得られなかったというところがございます。
そうした中で、タウンズ社さんのほうで、こういう結果が出てきたので、ちょっと見ていただけないかという話がございまして、このたびまとめまして御提供させていただいたというところでございます。
私のほうから言うのも何なのですが、確かに無症状の部分は、特にこのままいって大丈夫なのか。要するに、スクリーニングに使って大丈夫なのかなというのは、唾液についてございます。もし、そういう意味でデータがもう少し必要ではないかということであれば、そこは何らかの形でメーカーさんにお願いするなり、もしくは鼻腔の検体で無症状の評価をやったときにデータを取ってもらった研究がございますので、これを例えば行政研究として検討していくとか、足りないところはそういう手段でもって補っていくということが考えられるかなと思っている次第でございます。
以上でございます。
○脇田座長 ありがとうございます。
今、高城さんが言われた唾液・無症状のデータというのは、確かに鼻咽頭でもCt値が30以上のものしかなくて抗原定性陰性ということですから、ここは推定によって使えるのではないか、スクリーニングならいいのではないかということなので、ここはデータを取っていただいたほうがいいのではないかと、私は一委員として思います。
あと、それぞれのキットで感度・特異度というものが、特に抗原定性についてはなかなか提供されていないのではないかということがあるので、その点は、なるべくそういったデータを提供していただく必要があるのではないかと思います。その上で、調先生から御意見のあった、キットの精度に関して差があるということがきちんと示されるようになるかと思います。
調先生、どうぞ御意見。
○調委員 今、脇田先生におっしゃっていただいた、そのとおりなのですけれども、私は別に薬事承認されているか、いないかということを基準にしているわけではありません。薬事承認されて医療に使えるということが示された上で、これが果たして高齢者施設のような無症状のスクリーニングに適切かどうかという議論をしています。抗原定性キットの中には、十分な検出感度がなくて、感染性を持っている人を陽性でなくて陰性と判断してしまうようなものが含まれているのではないかということを懸念しています。そこをきっちり示して使えるようにするということが非常に重要ではないかと思っています。
以上です。
○脇田座長 ありがとうございます。
田中委員、お願いします。
○田中委員 すみません、ちょっと質問をさせていただきたいのですが、抗原定性キットの発症から10日目以降の鼻咽頭と鼻腔が「△」になっていて、陰性の場合は、臨床像から必要に応じてPCRや抗原定量検査を行うことが推奨されるとなっているのですが、この扱いと、今回、唾液で発症から9日目以内を「○」にしたらどうかという提案なのですけれども、この「△」にしたときにどういうデータで「△」にしたのか、今、分からないものですから、今回の唾液の、発症から9日目以内の陽性一致率とかがそこまで高くないのであれば、同じように「△」でもいいのかなと、ちょっと思ったのですが、その辺はいかがでしょうか。
○脇田座長 そこはいかがですか。
○高城参事官 発症から10日目以降の抗原定性の部分でございますけれども、こちらも10日目以降というのは、データが9日目以内よりも余りよろしくなかったということがございましたので、9日目と同様に、確定診断にどうぞ使ってくださいと推奨するには、ちょっとはばかられたというところがございます。ただ、そうは言っても、実際に確定診断に全く使えないのかという点については、それ以上のものについては、現場の臨床判断なのではないかということがございましたので、このような取扱いにさせていただいたと記憶してございます。
今回の提案ですけれども、我々が見て、検査の指針の先生方とも御相談しながら整理した限りにおきましては、9日目以内であればデータもそれなりに出ていると思いました。ただ、10日目以降については、記載のとおり、陽性一致率が随分低いので、これはさすがに確定診断として、「△」であっても使用可能というのはなかなか厳しいのではないかと思いまして、今回、推奨されないという取扱いで提案させていただいたところでございます。
○脇田座長 ありがとうございます。
さらに御意見があれば、お願いします。
それでは、この課題2の唾液検体を使った抗原定性検査の活用についても、今日の御意見も踏まえて、さらに事務局で検討していただくということをお願いしたいと思います。
それでは、先に進ませていただきます。次、課題3も事務局から御説明をお願いいたします。
○高城参事官 課題3でございます。こちらは、有症状者の唾液検体の発症から10日目以降に関する核酸検出検査・抗原定量検査の扱いについて御相談でございます。
資料の18ページ目になりますけれども、核酸検出検査においては、研究結果を踏まえて、9日目までの唾液検体について使用可能としていたところでございます。一方で、発症から10日目以降の有症状者については、一致率が低かったというところがございまして、推奨しなかったところでございます。そうした中で、長崎大学さんをはじめ、10日目以降であってもウイルス量はしっかり出ているのだという御報告がございましたので、このたび、10日目以降で確定診断として認めていなかった唾液検体についても、核酸検出検査・抗原定量検査について、認めてはいかがかという提案でございます。
その内容でございますけれども、下の表を見ていただきますと、PCRによるウイルス量、陽性率を比較したもので、17日目以降でございますけれども、咽頭検体に比べて唾液検体のウイルス量というのは有意に高かったというのがございました。これは、下の図の左の部分になります。その際、唾液PCRと鼻咽頭のPCRを比較した場合には、陽性一致率が45.8%、陰性一致率が63.6%であったところでございます。
また、別の研究でございますけれども、これは無症状の確定患者・濃厚接触者の方々のそれぞれの部位から検体を採って比較したところ、日付別に見ても唾液検体の陽性率が最も高かったという事実がございました。これは、下の肌色の図の右の部分になります。
一方、PCRというのは、発症10日以上経過して感染がない例でも陽性となる。要するに、ウイルス分離が可能じゃないような場合であっても陽性となるということが指摘されているところでございます。これは、私どもも非常に限られたデータでございますので、本日、方向性というのを特にお示しすることは困難でしたので、今後、10日目以降の有症状者の唾液検体の活用について、どのような活用が可能なのかという御意見をいただきたいなと思って、お見せするものでございます。
次の19ページ目にありますのが、唾液を用いたPCR検査で、過去見たデータでございます。日数ごとの一致率を見ますと、10日目以降で非常に下がっているというところがございましたので、9日目と10日目で線を引いたところでございます。
次のページ、最後のページになりますけれども、咽頭PCRと唾液PCRでの一致率を見た結果、こちらのようになっているところでございます。
御議論いただきたかったポイントは、唾液を用いた核酸検出検査・抗原定量検査について、10日目以降の扱いをどのように考えたらよろしいのかという点について、御意見、御見解、さらにどういう方向での研究などがあれば議論に資するのかといった御意見をいただければと思っております。
以上でございます。
○脇田座長 御説明ありがとうございました。
発症から10日目以降の唾液検体の活用についてということですけれども、発症してから10日目以降というと、ほぼ感染性のウイルスは分離されないというところで、PCRあるいは抗原定量で核酸あるいはウイルスのたんぱくが検出されるというところをどう考えるかということもあるのですけれども、委員の皆様から御意見いただければと思います。
白井先生、谷口先生でお願いします。
○白井委員 白井です。よろしくお願いします。
10日以降、先ほども脇田先生がおっしゃったように、行政的にはそこで解除ということに今なっておりますので、これをもってどういうふうに行政として対応するのか。今回はそういうことの意見が欲しい会なのですかということで、ちょっと確認したかったのです。これは、10日過ぎてもずっと有症状でいる人が、唾液でこれだけのウイルス量があったということなのでしょうかということと。
その場合、今、解除するために検査は特別していませんので、ただ、この可能性があるので、感染対策をちゃんとするべきだというデータに使えるのか、どう考えたらいいのかということで、論点を整理していただきたいと思いました。
よろしくお願いします。
○脇田座長 白井先生、ありがとうございます。
谷口先生、お願いします。
○谷口委員 白井先生と同じなのですが、10日たったら退院させていますし、リリースですから、感染対策はしなくてもいいわけですね。ただ、10日目以降の検査の基準を設けるというのは、これを出すと10日目以降も検査しなければいけないのか。つまり、発症日が分かっていて、12日目に病院に来て陽性だったら隔離するのか、入院させるのかという話になってくるのですが、どういうシチュエーションを想定されているのかというのを御教示いただきたいと思いました。
以上です。
○脇田座長 ありがとうございます。
大曲委員、お願いします。
○大曲委員 ありがとうございます。
診療の観点からなのですが、最近、幾つか問合せがあったのは、臨床的に見て明らかにコロナウイルス感染症による肺炎なのだけれども、手持ちにある検査法でなかなか陽性が出なくて治療が始められないという御相談がありました。それ、時々あるのです。ワクチンの接種率が上がっているので、オミクロンは例外だとしても、今後そういう例が増えるのではないかと思います。
ちょっとずれましたが、そういう意味では、発症から10日目あるいはそれを過ぎても、まだ病態が悪くなり続けている方がいらっしゃって、治療は必要なのです。そのときに必要なのは確定診断なのですが、従来の方法だけだと出ないという場合に、今回、頂いたデータを見ると、唾液の検査であれば陽性になる可能性はあるだろうなと思いました。ですので、例は多くないかもしれませんが、診断上、治療上、役に立つ例はあるのかと思いました。
以上です。
○脇田座長 大曲先生、ありがとうございます。
診断上、非常に必要な場合に、こういった検体による検査も活用できるのではないかということをお話いただきました。
ほか、いかがですか。
調委員、お願いします。
○調委員 私も基本的には同じことなのですけれども、むしろ後方支援医療機関への転院促進という観点と、退院時に果たしてどういう範囲の疾患があれば、例えば重症化した事例とか、Rheumatoide Arthritisがあってステロイドと免疫抑制剤が入っているような方は、当然PCR検査が必要になってくると思うのですけれども、むしろそういうところをきっちりと強調していただいて、無用な発症10日以降のPCR検査がされないようにということをお願いしておきたいと思います。
よろしくお願いします。
○脇田座長 ありがとうございます。
逆に、無駄なPCRはされないというお話でした。
釜萢委員、お願いします。
○釜萢委員 今日の3つのテーマから少し離れてしまいますが、ここで発言させていただきたいと思っております。というのは、PCRだけじゃなくて、核酸増幅あるいは抗原定量検査を、今は2年前に比べれば格段の進歩ですけれども、外国から報告されてくる1日の検査実施数に比べると、まだ我が国は大変少ないわけですね。一方で、オミクロンの場合の感染拡大が余りに早くて大きいので、PCR検査陽性率と称しているものがすごく跳ね上がっていますね。こんなに高くなってしまうと、これは出てくる陽性率の意味が評価できなくなってしまいます。
ですから、現状において、どのくらいの検査のキャパシティを準備しておくべきかということについては、これまでの議論の中で、国の方針が必ずしもはっきり示されてきていなかったように思います。
一方で、民間で検査だけやるというところも、そこはそこでかなりやっているけれども、この結果が感染症の発生の届出につながらないとか、どういうふうに利用されているのかというところに課題があります。ですから、全体として我が国の検査の体制は、どのような規模でやれるようにして、そのうちでPCR等の検査はどのぐらいで、抗原定性検査については、このくらいの供給量を確保しておくのだという、全体としての像がもう少し明確になる必要があると思っておりまして、今日は、そのところをすぐに高城さんからお答えいただけないかもしれないけれども、感染症部会としてもその宿題を皆さんとぜひしっかり共有したいと思っておりまして、発言いたしました。
以上です。
○脇田座長 釜萢先生、どうもありがとうございます。
特に、今回のオミクロンの感染拡大において、日本の検査キャパがそれほどないということがまた露呈してしまったというところであります。したがって、我が国の検査体制、PCR、核酸検出、抗原定量、定性を含めて、今後どのように体制を考えていくのか。また、その中で民間検査の在り方というか、活用の仕方をどういうふうに考えるかということですね。そこは、事務局としてもしっかり示して、また感染症部会で、その点について議論するべきではないかという釜萢先生の御意見でありました。私もそのとおりだと思いますので、その点、よろしくお願いしたいと思います。
唾液の検査のことについて、そのほか意見がなければ、事務局からレスポンスをいただこうと思いますが、よろしいですか。
それでは、事務局のほうからお願いいたします。
○高城参事官 ありがとうございました。
どこが論点なのか、これを認めることでどういうメリットがあるのかという点でございます。確かに、検査をしなくても、今は7日で無症状の方は療養解除になりますし、必ずしも要しない場合がありますが、場合によっては、大曲先生からも御指摘いただいたように、臨床の現場において活用となる場合もあり得るのではないかというのが事の発端でございます。その際に、この検査を使うのか、使わないのかというのは、あくまで現場の判断かと思うのですけれども、1つの選択肢として、検査の手段・種類を増やしておくというのは有用ではないかという問題意識から、このようなデータを得たので御議論いただいたというところでございます。
あとは、御指摘いただいた検査全体の体制でございますけれども、今、行政検査を含めて、検査のキャパシティとしては、民間のお力もいただきまして、PCRで1日40万ぐらいの能力が出てきたということ。抗原定量検査につきましては、検疫と合わせまして9万から8万/dayぐらいの能力があるところでございます。
一方、抗原定性については、その場で使えるようなものでございますので、実際に医療機関で使われた数字しか把握していないのですけれども、徐々に増えてきている。実績としては、1日1万から2万ぐらい、G-MISを通じて報告が上がってきておりますし、そのほか、一般の方が薬局でも買えることになっておりますので、そういったものを含めると、もうちょっとキャパシティはあるのではないかと思っている次第でございます。
現行は、先ほど御紹介のように、検査キット全体で1日80万ぐらい生産できるような体制でお願いしておりますので、トータルで全部合わせると100万余の検査のキャパシティがあるのではないかと思いますけれども、実際、それでも部分的に枯渇しているという部分もございますので、民間検査の在り方をどう考えるのか。これは、自費というか、社会的な検査みたいなものも含めて、どういう体制を取っていくのかについては、いろいろと御意見いただきながら、厚生労働省と内閣官房のほうとも相談しながら進めていくべきものかなと考えている次第でございます。
以上でございます。
○脇田座長 ありがとうございます。
岩本委員、お願いします。
○岩本委員 厚労省が各機関による検査数を発表していますけれども、あれで見ていくと、増えているのは、基本的に民間と、最近では自費検査で、それから一部病院での検査がある程度増えたけれども、これはみんな保険頼り、保険価格が高かったから増えた、ということだと思います。大手民間企業の見学に行ったこともありますが、大きな機械で1日8000、1万の検査数を処理できる機械を保有しています。しかし検査数が上下すれば、無駄がたいへん大きくなります。感染症の性質上、検体数の安定化は非常に困難です。
一般の病床が逼迫するところと似ていますけれども、国の中枢機関だけでは無理で、地域的な検査のハブを造って、例えば地方衛研のような公的検査機関が中心になって、民間企業も加わると行った地域のハブを設ける必要があるのではないでしょうか。PCRの場合、がんとか難病の遺伝子検査もでいっぱいやられていますので、平時にはどういうことをやって、危機時にはどういうことをやるのだという議論が必要だと思います。地域的なハブが絶対要ると個人的に思いますし、そういうところに例えばゲノム解析を含めて大学とかともつながるといいと思っています。
以上です。
○脇田座長 ありがとうございます。
調委員、白井委員の順番でお願いします。
○調委員 民間が、検査数が物すごくぶれる検査について、なかなか規模を拡充しにくいということは、確かに岩本先生のおっしゃるとおりだと思うのです。一方、行政としましては、我々は封じ込めのための検査を行うという立場、感染症対策のためと考えています。そういう意味では、ある程度検査体制はきっちりできていると考えていて、それ以外に、医療でもない、感染症対策でもない、いわゆる社会的な目的のPCRというものを、行政といいますか、そういったところで行う事については、もちろん地域のハブが必要であるということもそのとおりだと思うのですけれども、そのために国が中心となって、人員の確保とか予算、それから、どこでどれだけの検査数をするのかということをきちんと決めていかないと、自治体レベルでそれを増やしていくというのはなかなか難しいだろうなと考えています。
最後に、唾液の表のことに関してですけれども、先ほど10日目以降の検査をできるだけしないようにお願いしたいということを申し上げましたが、出ているデータと、大曲先生が言われたような検査の有用性ということを考えると、もちろんこの表の変更には賛成いたします。
以上です。ありがとうございました。
○脇田座長 ありがとうございます。
白井委員、お願いします。
○白井委員 白井です。
先ほど、この課題の論点は何かということでお返事いただきましたけれども、大曲先生がおっしゃるように、臨床的に判断したいというところについて、否定するものではもちろんありませんけれども、これはこの部会で議論して、例えばニュースになったりしたときに、10日は臨床的に意味があると解釈されたときに、世の中の臨床医の先生方が10日以降もやってもいいのではないかと思われたり、そういう場合に届け出ないと治療できないのかとなるのは、また違う話ではないかなと思いました。
そういう意味で、臨床的に有用だ。それから、行政的にこれはどういうふうに考えるのかということを分けて、解釈をちゃんとみんなが分かるようにしないといけないなと思いました。
冒頭も山田先生のほうからお話があったように、検査というのが、一般の方については、陰性であってほしい、陰性証明という話もありますが、医療者から見ると、行政もそうですけれども、感染拡大を早く知りたいという意味も含めて、それを察知したいための検査であるのですが、その目的はまた違っていますので、それをどういうふうに配分するか。先ほど調先生もおっしゃいましたけれども、何のための検査かということと、この目的で検査をするにはこういう検査、この目的のためにはこれだということも、一般の方々に分かるような検査の在り方ということを、検査のガイドラインとか指針だけではなくて、国民が検査にすごく関心を持っていますので、どういった意味で検査するのかということを、リテラシーが必要かなと思いました。
以上です。
○脇田座長 ありがとうございます。
越田委員、お願いします。
○越田委員 皆さんと似たようなことを述べることになりますが、保健所の現場で市民の方々や医療機関からのご相談に応じていますと、一般の方の治癒過程での検査に対しては、今後とも警鐘を発する必要があるのではないかと思っています。7日なり10日の期間が過ぎた後、職場から陰性であることを確認してきてほしい、あるいは陰性証明が必要だ、陰性じゃないとバイトに行けないという状況ででPCR検査をしたら結果は陽性、しかしながらCt値が非常に高い結果であったということが往々にしてあるわけです。ですから、世の中全体として、治癒過程での検査はそろそろ控えていくということを警鐘しなければいけないのではないか
一方では、大曲先生がおっしゃったように、治療上必要な検査も当然あると思いますので、あくまでも治癒過程における社会的な意味での陰性証明を求めるということは、社会全体で抑えていく必要があるのではないかという気がいたします。
以上です。
○脇田座長 ありがとうございました。
そのほか、いかがですか。よろしいですか。
今、終盤に来て意見を多くいただきましたので、事務局から何かレスポンスはありますか。お願いします。
○高城参事官 ありがとうございます。
最終的にまた座長のほうでおまとめというか、見解を整理していただければと思うのですけれども、今、皆様からいろいろと意見をいただきまして、事務局のほうとしましては、以下のように理解したつもりでございます。もし誤っているようであれば、さらなる御指摘をと思います。
本日の課題1、2、3につきまして幅広く意見をいただきました。また、最後に検査の在り方全体についての御意見をいただいたと思います。検査全体の在り方については、実は厚生労働省のほうでも今後どうするのかというあたりについて研究しているところでございます。こちらのほうを、先生方の御意見も踏まえて少し考えていきたいというところでございます。場合によっては、こちらにその報告が取りまとった時点で御報告して、さらに意見をもらうという場ができればいいのかなと考える次第でございます。
本日、御相談した1、2、3についてでございますけれども、もちろん、いろいろと皆様から御指摘いただいたことを踏まえて、検査の指針というものがございますので、そちらのほうに反映させていただきたいと思っております。
課題1につきましては、皆様の御意見をいただいて、それらを反映したもので対応させていただきたいと思っております。
また、課題2につきましては、無症状者のスクリーニング的な活用については、脇田先生から個人的な御意見ということでいただきましたけれども、少しデータを充実させた上で、再度検討させていただければと思っております。
また、課題3につきましては、私どもも論点が絞り切れなかった部分がございますので、もろもろいただいた意見を踏まえて継続的に審議させていただければと思っていますが、以上のような受け止めでよろしいでしょうか。よろしくお願いいたします。
○脇田座長 高城さん、どうもありがとうございます。
今日、課題1~3まで、様々なプロス・アンド・コンスの意見をいただいて、その中で、課題の1に関しては、おおむね了承していただけるのかなと思いました。
2と3に関しては、今、高城さんがおっしゃっていただいたとおりのことで、またさらに検討していただくということでお願いしたいと思います。
委員の皆様、そのような形でよろしいですか。
(首肯する委員あり)
○脇田座長 どうもありがとうございます。
では、これでこの点はまとめさせていただいて、あと、高城さんも話していただきましたけれども、検査の在り方についても、この感染症部会でしっかりと議論したいと思いますので、その点、よろしくお願いします。PCRについてのお話、ありましたけれども、これから抗原定性の活用というのがさらに重要になってきて、1日80万回の増産ということがありましたけれども、それで本当に十分なのかというところもありますし、その点をぜひよろしくお願いします。
それでは、議題1は以上になりまして、議題2に移ります。こちらは御報告ということですので、事務局から御説明をお願いいたします。資料2ですね。
○杉原エイズ対策推進室長 ありがとうございます。事務局の杉原でございます。
資料2を御覧ください。こちらは、重点感染症についての考え方及び暫定リストの作成に関してということでございますが、その検討がされている検討会につきましてと、今後、この件に関しまして、この感染症部会等で御議論いただきたいということがございますので、時間も押していることもありまして、簡単に御説明させていただきます。
1ページ目を御覧ください。こちらは「感染症危機管理対応医薬品等の利用可能性確保に関する検討会」ということでございますが、背景としまして、新型コロナウイルス感染症の流行を踏まえまして、新たな感染症の発生にも備える観点から、今後流行し得る既知の感染症や未知の感染症、いわゆるDisease Xと呼ばれるものに対して、感染症危機管理体制を強化する必要がある。
ということで、その感染症危機発生時に、その対抗手段となる医薬品等、ワクチンや診断機器、または治療薬等を含みますけれども、そういった医薬品等の利用可能性を確保することが重要でして、平時から利用可能性を確保すべき感染症の指定や、その確保の在り方というのを検討していく必要があるということで、幅広く検討を行う場として、こちらの検討会を設置しております。
具体的に感染症危機対応医薬品等というものについて簡単に御説明させていただきますが、2ページ目を御覧ください。感染症危機対応医薬品等(MCM)の利用可能性確保の考え方でございます。
具体的に何かと申し上げますと、海外でもMedical countermeasuresという言われ方をしますけれども、公衆衛生危機管理上、救命や流行の抑制、社会活動の維持や危機への医療的な対抗手段となる重要性の高い医薬品や医療危機等のことを指しておりまして、狭義で言いますと、ワクチン、治療薬、診断技術等が含まれますが、その他の治療法、例えば酸素療法、体外循環装置、ECMOのようなもの。あるいは、PPEのような感染予防・管理といったものも含めてMedical countermeasuresという言い方をすることがございます。
この利用可能性をどう確保していくかということでございますが、利用可能なものが存在する場合はそれをちゃんと確保するということと、利用可能なものが存在しない場合は研究開発を行うということで、MCMの確保・研究開発上の優先順位を設定するための重点感染症の指定を行う必要があるということでございます。
3ページ目、4ページ目を御覧ください。こちらは、昨年策定されましたワクチン戦略と呼ばれるものですけれども、ワクチンの研究開発を推進するための戦略でございます。3ページ目に大きなまとめがございまして、4ページ目で、この戦略の中に記載があります重点感染症に関する方針についての文言を抽出しております。
まず、ワクチンの開発の前提としてのモニタリング体制ということで、国内外の新興感染症の発生状況や疫学情報・臨床情報等を迅速に収集して分析することが重要ということで、厚生労働省において、そういった感染症について流行状況を把握するとともに、ワクチン等の確保・研究開発が必要な感染症を特定する。
それと同時に、ワクチン開発・産業の育成・振興という観点においても、ワクチンや治療薬等の企業開発支援を行うとともに、今後のパンデミックに備えるべき重点感染症を決定するということを厚生労働省内で行うということが定められております。
次に、5ページ目を御覧ください。コロナのような状況ですと、まず、コロナが発生してから研究開発がスタートしておりますけれども、実際には、平時においてはどういったものがリスクになるかということを把握してリスクアセスメントを行った上で、重点的に医薬品等の確保が必要なものに関しての重点感染症の指定を行って、その要件を設定するということでございます。
これまでリスクアセスメントやリスク評価といった、公衆衛生リスクの共有の検知・同定ということに関しては国立感染症研究所等で行っておりましたが、実際に指定して、その要件を設定してというプロセスは国内にはございませんでした。アメリカや欧州などでは、そういったものが各機関の連携の下で成り立っているということもございまして、これを埋める部分として、この検討を行う体制ということで検討会を設置しております。
1ページ目にお戻りいただきまして、スケジュール、後半のところになりますけれども、この検討会自体は幅広く検討を行うような体制として健康局長の下に設置しておりますけれども、当面の課題としましては、利用可能性確保の考え方をどのようにするか。そして、MCMの利用可能性を確保すべき重点感染症を、暫定的にどのような指定をするかということで、重点感染症の考え方と暫定リストの案をつくるということが1つ大きな論点となっております。
第1回検討会が1月7日、第2回検討会が1月27日に開催されまして、現在、意見の集約中でして、第3回検討会で、こういった考え方や暫定リストの案を作成したいと考えております。現状、引き続き意見集約を行っている段階ですけれども、案がまとまった段階で感染症部会を含みます厚生科学審議会において御意見を伺いまして、その重点感染症の考え方と暫定リストの決定を3月末までに行いたいと考えております。
4月以降は、そういった考え方や暫定リストに基づきまして、どのように利用可能性を確保していくかということに関して、さらに具体的な議論を継続していきたいと考えております。
事務局からの報告は以上になります。
○脇田座長 ありがとうございました。
余り時間もないのですけれども、非常に重要な御説明だったと思いますので、簡潔に御意見を言っていただければと思います。
山田先生、白井先生。
○山田委員 Disease X、未知の感染症に対する備えだと言うのですけれども、重点感染症をリスト化するというのは全く矛盾していると私は思うのですね。今回のコロナについても、いろいろな監視の方法があったにもかかわらず、それをすり抜けて、誰も気づかぬままに出てきて、唯一ラッキーだったのは、ホールゲノムを見たところコロナウイルスであるということが分かった。今後、データベースに載っていないようなウイルスが出てくる可能性だってゼロではないわけで、既存の我々が持っているツールが全く役に立たないことが起こり得る。そういうことに対して備えをつくっておかなければ、危機管理にはならない。そういうことを議論していただきたいと強く思います。
よろしくお願いいたします。
○脇田座長 ありがとうございます。
白井委員、お願いします。
○白井委員 ありがとうございます。
質問なのですけれども、この重点感染症というのを指定と書いてあるのですけれども、重点感染症というのはどういうような考え方というか、今の感染症法の類型と何かリンクしているのか、または特措法の新型インフルエンザ等感染症みたいな、今のコロナですけれども、そういう枠組みとリンクして考えるべきなのか、その辺をちょっと教えていただきたいと思いました。
○脇田座長 ありがとうございました。
今村委員、お願いします。
○今村委員 今村です。
今回、新型コロナを経験して、毎回、波ごとに流行のパターンが異なっているわけですね。そのたびに足りないところを補って、また次の波のために補ったところが塗り替えられるということを繰り返して、その中でいろいろなことがつくられてきたというのも、もちろんあるのですね。
ただ、今回、一番大きなところを経験していなくて、一番最初の段階でもっと大きな厳しい状況になるというのを経験していないのですよ。恐らく、これが新型インフルのときのBCPということで、皆さん、考えていた話だと思うのですけれども、あれはかなり早期に飲み込まれてしまうような形なので、実際にそういうことが本当に起こり得るということですので、その辺の強化を必ずしておかないといけないかなと思っています。
以上です。
○脇田座長 ありがとうございます。
私のほうからもちょっとだけ。5ページの図を見ると、ワクチンの開発、生産体制の増加戦略、それから感染症危機対応医薬品の流れというものが一体化していると見えるのです。これは、本当に一体化していいのかというのがあって、ワクチン開発が全て感染症危機対応のためにあるわけではないと思います。なので、ワクチン開発と生産体制の強化は当然必要なわけですけれども、感染症危機対応医薬品と、そこは切り分けていただくということが必要じゃないかと感じました。なので、重点感染症というよりも危機対応なのだ。これは、このスキームにある危機対応重点感染症なのだという形に明確にしていただいたほうがいいかなと考えました。
それで、5ページにある厚生労働省において検討という部分が非常に重要だと思いますので、そこの議論については明確化していただくということが大事かなと考えております。
多分、今日は議論する場ではないと思うのですけれども、事務局のほうで何か皆さんの御意見から。
森田先生、どうぞ。
○森田委員 脇田先生、ありがとうございます。
1つだけ意見を言わせていただきたいのですけれども、このスライドの中で私が一番重要だと思うのは、重点感染症の考え方の議論だと思うのです。今、日本で何でこの新型コロナに対するワクチンとか薬が出遅れているのかというと、諸外国では、例えばエボラの治療薬として開発されてきたいろいろな手法が転用されているという現実があります。ですから、平時に何をしておくのかということは十分議論しておく上で、この重点感染症の考え方のところに、国内外の人の意見を十分聞いていただきたい。委員の方々がどんな方々か知らないですけれども、お願いしておきたいと思います。
○脇田座長 ありがとうございました。
事務局のほうから何かありますか。お願いします。
○杉原エイズ対策推進室長 ありがとうございます。
先ほど白井委員からいただきました御意見、感染症法とのリンクですけれども、こちらはあくまで備えるべき感染症ということで、まさに脇田座長から御指摘のあったとおり、危機対応のための重点感染症という文脈でございますので、特段、法とのリンクがあるというものではないということでございます。
あと、考え方の議論が必要という森田委員の御指摘、国内外の知見、まさにそのとおりでして、現在、G7等の中でも100日ミッションという形で、そういった医薬品等をいかに迅速に開発するかという議論がありまして、海外でもプライオリティディジーズと一般的に言われますけれども、こういった重点感染症を指定するというものがずっと行われてきた経緯もありまして、その流れの中で併せて議論を行っていくということで、国際的な議論と併せながら、また研究開発上の課題ということも検討会の中で議論しておりますので、いただいた御意見も踏まえながら進めていける形にできればと思っております。
以上です。
○脇田座長 ありがとうございました。
それでは、準備した議題は以上になりますけれども、さらに何か委員の皆様からここでというものがあれば。
山田委員、お願いします。
○山田委員 個人的なことなのですけれども、海外へ行って帰ってきて、検疫所、羽田に留め置かれたのですけれども、現状と突き合わせたときに、2月末まで水際対策を続けるということですけれども、現状と合わなくなっていると思えますので、感染症部会に関係すると思うので、現行の水際対策をどうしていくのかということについて、きちんと議論していただきたいなと強く思いましたので、一言申し上げたいと思いました。
以上です。
○脇田座長 山田先生、ありがとうございます。
海外に行けたのはうらましいなと思いました。ありがとうございました。事務局、この点は承ったということにさせていただきたいと思います。
ほかになければ、これで事務局のほうにお返ししたいと思います。
○杉原エイズ対策推進室長 本日は、長時間にわたりまして、どうもありがとうございました。あと2分でちょうど時間となっております。
委員の皆様の御意見を踏まえまして、進めさせていただきたいと思います。
今回につきましては、記者ブリーフィングは実施いたしません。
また、次回につきましては、事務局より改めて御連絡させていただきたいと思っております。
本日はお忙しい中、御出席いただきまして、どうもありがとうございました。
○脇田座長 皆様、今日もどうもありがとうございました。これで終わります。失礼します。