2022年2月10日 薬事・食品衛生審議会 医薬品第二部会 議事録

日時

令和4年2月10日(木)18:00~

出席者

出席委員(20名)五十音順
(注)◎部会長 ○部会長代理
欠席委員(1名)
行政機関出席者
  •  鎌田光明(医薬・生活衛生局長)
  •  山本史(大臣官房審議官)
  •  吉田易範(医薬品審査管理課長)
  •  新井洋由(独立行政法人医薬品医療機器総合機構理事・審査センター長事務取扱)
  •  池田三恵(独立行政法人医薬品医療機器総合機構安全管理監) 他

議事

○医薬品審査管理課長 それでは、定刻になりましたので、ただいまから「薬事・食品衛生審議会医薬品第二部会」のウェブ会議を開催させていただきます。
 本日はお忙しい中御参集いただきまして、誠にありがとうございます。
 この度の医薬品部会につきましても、新型コロナウイルスの感染拡大防止の観点から、ウェブでの審議とさせていただきます。
 まずは、本日のウェブ会議における委員の出席状況でございますけれども、松下委員より御欠席との御連絡をいただいております。このほか、川上委員から遅れて御参加との御連絡をいただいております。また、小崎委員は後ほど御出席いただけるものと認識しております。
 したがいまして、本日ですが、現在のところ、当部会委員数21名のうち18名の委員がこのウェブ会議に御出席いただいておりますので、定足数に達しておりますことを御報告いたします。
 部会を開始する前に、事務局より所属委員の薬事分科会規程第11条への適合状況の確認結果について報告をさせていただきます。
 薬事分科会規程第11条におきましては、「委員、臨時委員又は専門委員は、在任中、薬事に関する企業の役員、職員又は当該企業から定期的に報酬を得る顧問等に就任した場合には、辞任しなければならない」と規定されております。
 今回、全ての委員の皆様より、薬事分科会規程第11条に適合している旨を御申告いただいておりますので、報告をさせていただきます。
 委員の皆様には、会議開催の都度、書面を御提出いただいており、御負担をおかけしておりますけれども、引き続き御理解、御協力を賜りますよう、何とぞよろしくお願い申し上げます。
 それでは、清田部会長、以後の進行をよろしくお願いいたします。
○清田部会長 清田でございます。
 それでは、本日の審議に入ります。
 まず、事務局から資料の確認と審議事項に関する競合品目・競合企業リストについて御報告をお願いします。
○事務局 それでは、本日のウェブ会議に係る資料の確認をさせていただきます。
 本日は、あらかじめお送りさせていただいた資料として資料No.1と製剤写真を用いますので、お手元に御用意いただけますでしょうか。
 このほか、資料No.2として「審議品目の薬事分科会における取扱い等の案」を、資料No.3として「競合品目・競合企業リスト」を、資料No.4として「ニルマトレルビル及びリトナビルの併用投与に関する日本感染症学会ガイドライン案」、事前に電子メールにてお送りさせていただいております。
 なお、システムの動作不良などがございましたら、会議の途中でも結構ですので、事務局までお申しつけください。
 続きまして、本日のウェブ会議における審議事項に関する競合品目・競合企業リストについて御報告させていただきます。
 資料No.3の1ページを御覧ください。
 「パキロビッド」でございますが、本品目は「SARS-CoV-2による感染症」を予定効能・効果としており、同様の効能・効果を有する薬剤として、資料に掲げる品目を競合品目として選定しております。
 以上でございます。
○清田部会長 今の事務局からの御説明に特段の御意見はございますでしょうか。よろしいでしょうか。
 それでは、本ウェブ会議の審議事項に関する競合品目・競合企業リストにつきましては、皆様の御了解をいただいたものといたします。
 それでは、委員からの申出状況について御報告をお願いします。
○事務局 薬事分科会審議参加規程第11条に基づく各委員からの申出状況及び第5条に基づく取扱いについては、次のとおりでございます。
 議題1、「パキロビッド」、退室委員、大曲委員、議決に参加しない委員、亀田委員、川上委員、濱委員、南委員、山本委員、横幕委員でございます。
 なお、薬事分科会審議参加規程第5条において「申請資料作成関与者である委員等は、審議又は議決が行われている間、審議会場から退室する」とされておりますが、同条のただし書きで、「当該委員等の発言が特に必要であると分科会等が認めた場合に限り、当該委員等は出席し、意見を述べることができる」となっております。
 以上でございます。
○清田部会長 ありがとうございます。
 ここで、今回、議題1の審議に関しましては、SARS-CoV-2による感染症に関する治験の実施経験がある大曲委員の意見は参考になるのではないかと思われます。当部会として、大曲委員には、御出席いただき、御意見を述べていただいてはどうかと考えておりますが、よろしいでしょうか。
 それでは、御異議がないようですので、御了解いただいたものといたします。大曲先生には御出席、御意見をいただくことといたします。
 今の事務局からの説明に特段の御意見はございますでしょうか。
 よろしければ、皆様に御確認いただいたものといたします。
 本日は、審議事項1議題となっています。
 それでは、審議事項の議題に移ります。
 議題1につきまして、機構から概要の御説明をお願いいたします。
○医薬品医療機器総合機構 議題1、資料No.1、医薬品パキロビッドパックの製造販売承認の可否等について、機構より御説明いたします。特例承認に係る報告書のファイルをお開きください。
 本剤の有効成分であるニルマトレルビルは、SARS-CoV-2のメインプロテアーゼ阻害剤であり、ポリタンパク質の切断を阻止することにより、ウイルス複製を抑制します。また、リトナビルは、SARS-CoV-2に対する抗ウイルス活性を示しませんが、ニルマトレルビルの主要代謝酵素であるCYP3Aの阻害作用を有するため、ニルマトレルビルの血漿中濃度を維持する目的で併用されます。
 今般、申請者は、米国FDAによるEmergency Use Authorizationが得られていることを踏まえ、国際共同第II/III相試験(C4671005試験)成績等に基づき、SARS-CoV-2による感染症の効能・効果について、特例承認に係る承認申請が行われました。
 審査の概要について、臨床試験成績を中心に説明いたします。
 有効性について、報告書6ページ、表2を御覧ください。
 SARS-CoV-2による感染症の重症化リスク因子を有する軽症~中等症のSARS-CoV-2による感染症患者を対象とした国際共同第II/III相試験において、主要評価項目である無作為化28日目までのSARS-CoV-2による感染症に関連のある入院または理由を問わない死亡が認められた被験者の割合は、ニルマトレルビル及びリトナビル併用群で0.8%、プラセボ群で7.0%、群間差-6.317%であり、ニルマトレルビル及びリトナビル併用群とプラセボ群との比較において統計学的に有意な差が認められました。
 変異株の影響について、報告書10ページ、3.1「有効性について」の項を御覧ください。
 In vitroの検討において、ニルマトレルビルの抗ウイルス活性はアルファ、ベータ、ガンマ、デルタ、ラムダ、オミクロンにおいてSARS-CoV-2の従来株と比べて大きく異なりませんでした。また、国際共同第II/III相試験の被験者において認められたSARS-CoV-2は主にデルタ株でした。
 以上を踏まえ、本剤のSARS-CoV-2による感染症に対する有効性は期待できると判断しました。なお、変異株に対する本剤の有効性及び本剤投与による耐性変異の発現の有無は、本剤の有効性に関する重要な情報となり得ることから、製造販売後も引き続き収集し、新たな知見が得られた場合には、速やかに医療現場に情報提供する必要があると考えます。
 安全性について、少しお戻りいただきまして、報告書8ページ、表6を御覧ください。
 国際共同第II/III相試験の中間解析において、いずれかの群で1%以上に認められた有害事象及び副作用を示しております。また、次のページ、報告書9ページ下方に日本人における有害事象の発現状況を示しております。これらの発現状況を踏まえ、味覚不全、下痢、嘔吐等について添付文書において注意喚起を行う必要があると考えます。
 次に、報告書11ページ、下方の箇条書きの二つ目の点を御覧ください。
 リトナビルに関連する有害事象として、既承認のリトナビル含有製剤の添付文書や米国Emergency Use AuthorizationのFACT SHEETを参考に中毒性表皮壊死融解症、皮膚粘膜眼症候群、肝機能障害について注意喚起を行う必要があると考えます。また、次のページの箇条書きの点に示しておりますが、本剤に含まれるリトナビルはCYP3Aの強い阻害活性を有すること等から、本剤は多くの薬剤と相互作用を生じる可能性があり、既承認のリトナビル含有製剤も参考に本剤の添付文書において併用禁忌及び併用注意となる薬剤について注意喚起を行うとともに本剤の相互作用が容易に理解されるよう適切に情報提供する必要があると考えます。なお、本剤とCYP3Aの基質であるミダゾラム等との臨床薬物相互作用試験が実施中であることから、新たな知見が得られた場合には、適切に医療現場に情報提供する必要があると考えます。
 以上を踏まえ、日本人における本剤の投与経験は極めて限られ、本剤の安全性を明確に結論づけることは困難であるものの、米国のFACT SHEETも参考に、添付文書において適切に注意喚起を行うことで本剤の安全性リスクは管理可能と考えます。また、本剤の日本人における安全性について、製造販売後も引き続き情報収集し、新たな知見が得られた場合には速やかに医療現場に情報提供する必要があると考えます。
 臨床的位置づけについて、報告書12ページの3.3項を御覧ください。
 国際共同第II/III相試験はおおむね軽症~中等症Iに相当する患者が対象とされていたことから、本剤はこれらの患者における治療選択肢の一つとなると考えます。また、当該試験は、SARS-CoV-2による感染症の重症化リスク因子を有する患者が対象とされましたが、本邦において、重症化リスク因子を有しない軽症~中等症の患者における治療選択肢は限られていること、当該試験において本剤の抗ウイルス薬としての有効性は示されており、重症化リスク因子を有しない患者に対する有効性も類推可能と考えること、本剤は経口剤であり軽症~中等症の患者への投与に適した剤形であること等を踏まえると、本剤の投与対象は重症化リスク因子を有する患者が中心ではあるものの、高熱や呼吸器症状等の相当の症状を呈し重症化のおそれがある場合等、本剤の投与が必要と考えられる患者に対して投与可能としておくことは有用と考えます。なお、重症化リスクの高くないSARS-CoV-2による感染症患者を対象としてニルマトレルビル及びリトナビル併用投与時の有効性及び安全性を検討することを目的としたプラセボ対照無作為化二重盲検比較試験が実施中であることから、当該試験成績において本剤の投与対象について新たな知見が得られた場合には、速やかに医療現場に情報提供する必要があると考えます。また、本剤の投与対象については最新のガイドラインも参考に検討されることが適切と考えます。
 用法・用量について、報告書12ページの3.4項を御覧ください。
 国際共同第II/III相試験の成績を踏まえ、成人に対する用法・用量は、ニルマトレルビルとして1回300mg及びリトナビルとして1回100mgを同時に1日2回、5日間経口投与とすることが適切と考えます。
 また、腎機能障害被験者を対象とした海外第I相試験において、正常な腎機能を有する被験者と比較してAUCが増加したことから、中等度の腎機能障害を有する患者の用法・用量は、正常な腎機能を有する患者とニルマトレルビルの暴露量が同程度となるように、ニルマトレルビルとして1回150mg及びリトナビルとして1回100mgを1日2回とすることが適切と考えます。
 また、小児を対象とした臨床試験は実施されておりませんが、SARS-CoV-2による感染症の流行拡大への緊急的対処が必要であり、小児患者も増加しつつある現状を勘案すると、本剤の小児への使用を可能な状況にしておくことは有用と考えられ、報告書13ページに箇条書きでお示しした点を踏まえると、12歳以上かつ体重40kg以上の小児における用法・用量を成人と同一の用法・用量に設定することは理解可能と考えます。なお、米国Emergency Use Authorizationにおいても、12歳以上かつ体重40kg以上の小児に対して、成人と同じ用法・用量が設定されています。ただし、小児における有効性及び安全性について、計画中の小児を対象とした臨床試験結果を含め製造販売後も引き続き情報収集し、新たな知見が得られた場合には、速やかに医療現場に情報提供する必要があると考えます。
 最後に、報告書14ページを御覧ください。
 本申請に際し提出された資料を踏まえ、本剤のSARS-CoV-2による感染症に対する有効性は期待でき、安全性については、得られた情報を踏まえて適切に注意喚起を行うことで管理可能と考えます。ただし、本申請に際し提出が猶予された資料を踏まえ、改めて本剤の品質、有効性及び安全性について検討する必要があると考えます。また、本剤を特例承認する場合の効能・効果、用法・用量及び承認条件等は、ここに記載したように設定することが適当と考えました。
 本品目は新有効成分含有医薬品であることから再審査期間は8年、生物由来製品及び特定生物由来製品のいずれにも該当せず、原体ニルマトレルビルは毒薬及び劇薬のいずれにも該当せず、製剤は劇薬に該当すると判断いたしました。
 なお、事前にお配りしておりました製剤写真の資料について、ニルマトレルビルとリトナビルの錠剤の写真が逆になっておりました。大変申し訳ございません。
 なお、薬事分科会では報告を予定しております。
 御審議のほど、よろしくお願い申し上げます。
○清田部会長 ありがとうございます。
 続きまして、資料No.4につきまして、事務局から御説明をお願いいたします。
○事務局 資料No.4といたしまして、今回も、日本感染症学会において作成されている治療薬に関するガイドラインを、改正案、今回、御審議いただく品目についての追加する案をいただいております。この内容を御紹介させていただければと思います。
 上から順に、品目の内容や臨床成績をいただいておりますが、中ほどから下の「投与時の注意点」に、1)として、添付文書の投与の対象患者の対象として、COVID-19の重症化リスク因子を有する等、本剤の投与が必要と考えられる患者に投与することと記載されていますが、その具体的な内容がどういった方になるかというのは2)に記載されております。ここのリストに挙げているような、60歳以上とか、BMI25とか、こういったものに該当する方が本剤の投与をする意義が大きいと考えられる、そういったガイドラインの案になってございます。
 それから、もう一点、参考4については、添付文書同様の記載と考えておりますが、5)の中で、今回、併用禁忌、併用注意となる薬剤が多くございますが、この具体的な例として、添付文書に記載されるもののほか、例えば、リトナビル製剤の併用禁忌薬とか、あるいは、参考として欧米における併用禁忌薬を、国立国際医療研究センターの薬剤リストなどを参考にされたいといった記載の形で紹介するということがなされております。
 以上でございます。
○清田部会長 ありがとうございました。
 それでは、大曲委員からコメントがございましたらいただきたいと思います。いかがでしょう。
○大曲委員 大曲です。ありがとうございます。
 コロナの治療に関しては大分そろってきましたけれども、特に重症化をどう予防するかということが課題になっています。その中で一つ、抗体製剤があるわけですし、非常に有効性あると思いますけれども、一方では、経皮的あるいは注射剤形であるということで、扱われる側にそれなりのリソースが要るという課題もないわけではないことと。
 あとは、これも変異株が出てくることによってこれまで使えていた製剤が特定の変異株での有効性が期待できないとか、そういったことも現実には起こっていますので、今あるものが今後も使えるかどうかはちょっと不透明な面もあります。そういう意味ではそこをどうクリアするかというのは課題ですが、そういった欠点に縛られないようなもの、端的には低分子化合物の内服に関しては、重症化予防、あるいは、そういう観点から非常に求められているものだと思います。
 その中で、今回のお薬が出てきたわけです。効能・効果に関しては、先ほどお示しいただいたとおりだと思っています。今まで分かっているところのエバリュエーションに関してもそうです。臨床の現場としては、期待はしているというところです。
 一つ課題があるとすれば、リトナビルを配合したお薬であります薬物相互作用のことがあります。ですので、現場でこれを使うときに、患者さんに安全に処方ができるようなチェック体制をどう敷いていくのか。そのための情報提供をどうしていくのかということが課題ではあると思っております。
 私からは以上です。
○清田部会長 ありがとうございました。
 それでは、亀田先生御質問があるようです。どうぞ。
○亀田委員 ありがとうございます。よろしくお願いします。
 報告書にもあり、あと、大曲先生からもコメントがあったように、有効性はやはり事前に報道があったように非常に優れていると思います。
 ただ、重症化リスクの高い患者さんほど、禁忌や併用注意に該当しやすいということで、そこが扱いにくさとなっており、モルヌピラビルの位置づけもやはり残るかなと感じました。
 質問ですけれども、味覚障害が多いですよね。それで、比較的軽症であって、転帰としては回復しているということで、あまり詳しくは書いてないのですけれども、現時点でメカニズムがどのように分かっている、あるいは考えられているのかということ。それから、回復までの期間は大体どのくらいなのか。あまりにも長い場合は、COVID-19感染症自体による嗅覚・味覚障害との区別ということになりますので、この2点を教えてください。よろしくお願いします。
○清田部会長 機構よりお答えください。
○医薬品医療機器総合機構 御質問ありがとうございます。
 メカニズムにつきましては、現時点でこれが原因であるということは我々としては把握できていない状況です。回復までの時間ですけれども、臨床試験で認められた32例につきまして確認しましたところ、Day5までに回復しているものが32例中17例でございました。また、Day10までに回復しているものが32例中27例、Day20までで全例が回復しているという状況でございました。
○清田部会長 亀田先生、いかがですか。
○亀田委員 ありがとうございます。
 そうすると、必ずしもこの薬剤の副作用と言えない患者さんもそれなりの割合いるということでよろしいでしょうか。
○清田部会長 機構よりお答えください。
○医薬品医療機器総合機構 個別の患者さんごとにはいろいろな状況があり発現しているのだろうと考えますけれども、試験全体で見ますと、プラセボ群と比較して本剤群で発現割合は高くなってございますので、本剤として注意喚起が必要な事象であると考えております。
○亀田委員 よく分かりました。ありがとうございました。
○清田部会長 ほかに御質問ございますでしょうか。
 宮川先生、よろしくお願いします。
○宮川委員 治験では、eGFR45ということで、未満の患者さんは除外されていたということで、添付文書の7.2では30未満となっています。eGFR60~30というところで半量で本当に問題ないのでしょうか。添付文書の16.1のとおり、軽症でもAUCは24%、中等度では87%増ということになって、ほぼ2倍になっていると理解していますがお教えください。
 もちろん御存じのように日本人はネフロン数としては、欧米人と比べてかなり少ないことも分かっています。それから、このような感染症患者さんは、熱があったり、喉が痛かったりするという病的なところから考えると、かなり脱水傾向になっている可能性もあります。そのような病的な状態で通常より腎機能が低下しているときに、このような薬を与えることに関してどうなのか疑問です。つまり、eGFRについても30か40か、その根拠が乏しい上に、日本人の症例数も少ないという中の議論が非常に乏しいと考えます。乏しいのにもかかわらず、12/16~13/16の所に書いてあるような、慎重であるべき書きぶりが非常に少ないというところはどのように考えればいいのかと疑問に思います。実際の臨床上の患者さんを診た場合に、かなり脱水が起こっているようなところに、あえて、腎機能に問題があるということを想定できるのにもかかわらず、このような乱暴な言い方をするというのがよく分かりません。
 実際にはもう少し厳密なeGFRの書き方があってしかるべきだろうと思うのですが、これは臨床上の問題もあるので、機構としては答えにくいかもしれませんが、実際の患者が投与時に具合が悪くなってしまう、過剰投与と同じようなことが起こってしまうということも考えられるので、ぜひ、腎機能低下に応じたしっかりとした書きぶりがあってしかるべきだろうと思いますが、いかがでしょうか。
○清田部会長 機構からお答えください。
○医薬品医療機器総合機構 腎機能障害患者における用法・用量につきましては、報告書の13ページに記載したとおりでございまして、中等度の腎機能障害患者におけるAUCの増加の程度を勘案しまして、正常の腎機能を有する被験者と同じくらいの暴露量になるように用量が設定されているというところでございます。
 御指摘のように、臨床試験においてeGFR45以下は除外基準とされていましたが、実際には、eGFRが30以上60未満の被験者が、本薬群では36例、プラセボ群で47例組み入れられておりまして、そちらで特に安全性に懸念を認められておりません。そういった状況を踏まえまして、添付文書においては、腎機能障害患者の用法・用量を記載している状況でございます。
○宮川委員 分かりますけれども、30~60という、それは中等症ということで、そういう意味で考えられているのでしょうけれども、患者さんは中等症とかどうのこうのではなくて、やはりeGFRでしっかりと分けるべきではないでしょうか。今おっしゃったような症例の中で、eGFRが30台の方が何人いらっしゃったのですか。あえて聞きます。
 中等症の人の中で、30台の人が何人いたのか、40台の人が何人いたのか、50台の人が何人いたのか、層別分析を教えてください。機構のそういうような言い方だと、そう質問せざるを得なくなってしまいます。
○医薬品医療機器総合機構 確認しますので、少々お待ちください。
○清田部会長 これは、実際に投与するときに、eGFRを決めてから投与するということですか。
○宮川委員 そうすると、脱水がかかっているから、その時点でeGFRを測るのか。患者さんが来たときに、eGFRを測定してから投与するという形になるのでしょうか。
○清田部会長 普通は、それはちょっとプラクティカルになりますよね。そもそも80歳の方のeGFRは50ぐらいまで下がっていますから。
○宮川委員 すぐにそうなっているかもしれない。
○清田部会長 だから、アバウトな決め方になろうかなと。
○宮川委員 こういうふうな言い方になってしまうと実臨床で使用できない状態になります。自ら、機構が墓穴を掘ってしまった議論になってしまうのだと思います。であるならば、そういうようなことを言わないで、実際に軽症の方という形にして、中等症~重症は最初は除くという言い方をすればいいのではないかなと思うので、無理してそこのところを入れるのは、かえって、実臨床の中で患者さんを導入できないのではないかなと懸念いたします。
○清田部会長 そうですね。実際は、お家で待機されている方に処方する場合、採血はできないですよね。
○宮川委員 できないわけですよ。
○清田部会長 ですから、このところを参考にしていただくという感じでお考えに。
○宮川委員 そうです。実臨床ではね。
○清田部会長 そうなろうかと思うのですけれども、機構いかがでしょうか。
○宮川委員 だから、添付文書もちょっと変えないと駄目なのですよ。その辺のところの書きぶりがちょっと実臨床に向いてないと感じます。それを気がつかないと、実際には、それで1/2に処方すると言うけれども、海外ではそうやって出しているのかどうかをはっきり示さないといけません。そういうような実例が諸外国であるのかどうか。そういう実例も出さなければいけないでしょう。添付文書上、そういうような注意喚起ではなくて、臨床上の中でそういうハンドリングができるような状況をつくっていかないと、実際の臨床現場では投与できなくなってしまいます。
○清田部会長 機構、いかがですか。
○医薬品医療機器総合機構 今、添付文書はお手元にございますでしょうか。
○宮川委員 あります。
○医薬品医療機器総合機構 ありがとうございます。
 7.2項の所を。
○宮川委員 7.2でしょう。分かっていますよ。
○医薬品医療機器総合機構 こちらに、中等度の腎機能障害患者としてeGFR30~60未満と記載させていただいているところについて、実臨床でそういった判断ができるのかという御質問と理解してよろしいでしょうか。
○清田部会長 そうですよね。
○宮川委員 そういうこともありますし、実際にそのようなことが分けられるのかということもあります。最初の質問からすれば、全部脈絡を考えてみれば問題は多岐にわたっています。7.2の所は、分かってお話をしています。
○清田部会長 実際は、この書き方で、eGFR自体から規定するのはプラクティカルということで、ある程度の推測をしながら投与するわけですね。
 大曲先生、どんな感じでしょう。
 大体この方はこのくらいのeGFRだというイメージしながら投与しなければならないのではないかと私は思うのですけれども。
○大曲委員 そのとおりだと思います。ただ、現実には、なかなか難しいところですけれども。
○宮川委員 大曲先生、腎機能が正常であれば通常量でもいいけれども、腎機能が脆弱には、軽症であっても、1/2量で行くというような感覚のほうが正しいと感じます。実際、高齢者であれば、今はなおさらです。
○清田部会長 みんな1/2です。
○宮川委員 かなり1/2ぐらいになっているので。そうすると、1/2量で行かないとかえって問題を起こしていくのではないでしょうか。だから、腎機能障害が軽度でもあれば、1/2で行くというような感覚で言ったほうが、実際上の臨床のときには投与しやすいのではないかと思うのです。
○大曲委員 ありがとうございます。
 例えば在宅で処方されるような先生方から御質問された場合には、そうやってお答えするのが一番現実的ではないかなと思います、安全性を考えた場合に。
○宮川委員 そういうことだとすれば、7.2の所の書きぶりが変わってくるような気がするので、こういうふうに書かれてしまうと、実際に60以上なのか60未満なのかどうかを厳密に判断しなければなりません。腎障害があると言ったら、本当はもう問題なのですというような書きぶりがいいのかなとは思いますけれども。
○清田部会長 正確なeGFRの値を示さないのが。
○宮川委員 中等症以下の人は、全て1/2で投与する。それで、30は絶対駄目であるという言い方になるのかどうか、その辺のところなのでしょうね。
○医薬品審査管理課長 二つ方法があると思います。一つは方法論として、実際の現場での使い方、実際使うときのことを考えますと、添付文書の部分での表現を直すということもあろうかと思いますし、あるいは、今、ガイドラインの方でも添付文書をそのまま引っ張ってある形となっていたりしますので、例えばガイドラインの方に、添付文書はこうなっているけれども、在宅の患者さんのことを考えると、実際には測れないですよね。その場合には、例えばこういうふうに見立てるといいますか、中等度はこれぐらいというような形で推測をして投与するというようなことをこのガイドラインの方に書いていただいて、当面、その形でやっていくというやり方はあるかなと思います。
 いずれにしても、この薬は、腎機能患者さんへの適切な用法・用量、また、申請者の方でも試験をやって、最適なものをつくろうとしているという状況ですので。
○宮川委員 最終的にはそこに持っていきたいということです。使えないと困ります。ですから、大曲先生、最初、在宅と思うのだけれども、最初の何週間かは病院等の医療機関だけでやっていただいて、その辺のところをしっかりデータを出していただいて、それから広く臨床現場に拡大していく考えはいかがでしょうか。実臨床を落とし込んだ時にすごい齟齬(そご)が起こってくるので、1か月ぐらいでも何でもいいので、最初は錠数も少ないので、あえて、最初のところは、限定した病院のところだけでハンドリングをやっていただいて、そこでのいろいろな試行をしていただいて、それをいろいろ教えていただいたところで在宅も含めて外来で投与という形に持っていっていただければ、この辺のところは解決できるのではないかと思うのですけれども、いかがなのでしょうか。
○医薬品医療機器総合機構 御議論いただいているところをすみません。
 こういった形で腎機能障害の基準を示した上で記載されている添付文書はほかにもございまして、そういったものと同じような形で使用されることを我々としては想定しておりました。つまり、患者さんにまずはしっかり問診をいただきまして、腎機能障害の懸念があるような場合には、きちんと腎機能を確認いただいて、適切な用法・用量を投与いただくということを想定しておりまして、本剤で、何か異なる対応を想定していたわけではございませんでした。
○宮川委員 ありがとうございます。今、これを在宅でやろうとしたら、そのときに採血して、翌日になってしまうわけですよ。全部検査してから投与することになってしまいます。機構のおっしゃるとおりなんだけど、実臨床に落とし込むときは、難しい表現になるのではないかなと思って御質問させていただいたわけです。
 本当に機構の方のおっしゃるそこは分かります。だから、その辺のところの現場での調整だと思うのです。
○清田部会長 それでは、日本感染症学会のガイドラインにそのような文言を加えていただくということでよろしいですか。
○医薬品審査管理課長 そうですね。
 あとは、いわゆるモルヌピラビルのときの議論でも、最初の日本人での使い方はかなり限られていたということもありましたので、皆さん御記憶のとおり、モルヌピラビルの最初の承認後しばらくの間は、全例できちんと管理しながら、最適な使い方の調査といいましょうか、そういうことも含めて管理しながら承認当初は使う形にしました。ですので、例えばこの薬剤についてもそういったような形で、しばらく承認当初は少し通常ではないような形での少し管理した形での最適な使い方を探るという意味で、しばらくの間かもしれませんが、そういうようなことを、本剤についてもやらせていただくということで、いかがかなと思いますけれども、そんな形で宮川先生よろしいでしょうか。
○宮川委員 私の方は大丈夫です。ありがとうございます。
 機構の方もありがとうございます。
○医薬品審査管理課長 その上で、ガイドラインの方の手当てもしつつ、実際の管理の方は今申し上げたような管理をしたような形での使い方を当初はやらせていただくということを。
○宮川委員 ありがとうございます。
 最初、処方する医師、今後、二段階目になるかもしれないけれども、調剤する薬剤師がこのようなリトナビルも入ってくるわけですから、そのような使用上の禁忌とか注意、そういうものを理解するために、国とか企業がどのような対応をするのかということがすごく重要で、単に「添付文書を見てください」と言うだけでは十分にいかないのではないかなということで、今はそういう質問をさせていただいたということで御理解いただければと思います。
○清田部会長 ありがとうございます。
○島田委員 ちょっといいでしょうか。山梨大学の島田です。
○清田部会長 島田先生、ほかに御質問の方が渋滞していますので。
○島田委員 今の話です。
○清田部会長 どうぞ。
○島田委員 私、さっき宮川先生が何とおっしゃられたのかよく分からなかったのですけどね。要するに、これは腎機能を調べないと使ってはいけないという話になっていったと、私としては理解したのですよ。というのは、そんなのは診ただけでこの人がeGFRが幾つなんて分かるわけないので、これは最初調べてから使う薬だというふうになるのではないですか。だから、いきなり在宅だけでやっている人に、検査も何もできない状況でこの薬はちょっと使いづらいと思いますけれどもね。
 だから、最初、病院なりに来られて、COVID陽性と、そのときは、もしこの薬を使うのであれば、検査内容ですね。腎機能が正常であるかどうかを診て、中等症以上であればそれを使っていいけれども、本当に30以下になったらこれは無理なので。というようなことなので、さっきの御説明ではそこら辺が何か曖昧な言い方をされたので、よく分かりませんでしたけどね。どうなのでしょうかということです。
○清田部会長 どうぞ。
○医薬品審査管理課長 まさに島田先生が御指摘のとおり、最初のうちは実際の使い方はかなり難しいところもございますので、慎重にこの薬を投与する必要がございますので、そういった意味で少し管理された形で、市販直後のしばらくの間はそういった形でやっていくということを条件にしてはどうかということでございます。
○清田部会長 島田先生のおっしゃるとおりです。
○島田委員 それならいいですよ。だから、必ず検査するということですよね。管理された形とかよく分からないことをおっしゃるので。検査をして腎機能がある程度分かればいいわけですよね。
○清田部会長 そのとおりです。
○島田委員 はい。そういうふうにおっしゃっていただけたら分かりやすかった。どうもありがとうございました。
○清田部会長 大隈先生、よろしくお願いします。
○大隈委員 大隈です。ありがとうございます。
 少し質問をさせていただきたいのですけれども、本剤はリトナビルの併用によってかなり効果を発揮するものかと思うのですけれども、リトナビルは併用なので、これがしっかりと本剤と一緒に飲んでいただけるのかというところを少し心配しているのですけれども、それに加えて、このリトナビルの相互作用で併用禁忌といった薬がたくさんありますけれども、そういった関係で、例えばリトナビルの内服をちょっと飲み控えされたりとか、そういうことがないのかというのを少し心配するのですけれども、そういうのは何かしら資材等で、必ず本剤とリトナビルは一緒に飲んでくださいみたいな、そういう注意喚起といいますか、そういったことはされるのでしょうか。
○清田部会長 機構、お願いします。
○医薬品医療機器総合機構 患者向けの資材におきまして、本剤についてはリトナビルとニルマトレルビルを一緒に飲むものであるときちんと記載をしておりますので、患者さんが独自の判断でリトナビルのみ飲まないということはないのではないかと考えております。
○清田部会長 よろしいですか。
○大隈委員 両方しっかり飲んでいただいて初めて効果がしっかり出る薬かなと思うので、しっかり内服されるということが心配なければ、それでいいかと思います。
 ありがとうございます。
○清田部会長 南先生。
○南委員 ありがとうございます。
 3点あるのですが、1点は、薬物相互作用のリスク管理、冒頭で亀田委員も指摘されましたけれども、重症化リスクのある方は、大抵、併用薬を使用されていますので、そこを添付やガイドラインに書くだけではなく、十分情報提供を徹底するようお願いしたいというお願いであります。
 2点目は、小児データがないまま小児にも使用を許可するという点ですが、この部会での議論ではないかもしれないですが、どのように使われていくかということを考えて、もし当初、成人で使われて、その後、一定のデータが出た段階で小児まで拡大するということも考えられると思います。また、薬剤の供給のところでコントロールをするような考えがもしあるのであれば、小児でのデータが出てきてから追加承認をしたほうが今までのスタンスとも合致するのではないかと思います。小児に関してデータがないまま、アメリカのFDAで承認されたから日本でもというのは果たして大丈夫かどうかという懸念が若干あります。EUAは非常事態が解消された場合には承認を取り消せる状況だと思うので、日本の事情とは違うと思われます。小児は大丈夫かという懸念が2点目です。
 それから、3点目は確認させていただきたいのですが、抗体薬との使い分けに関してですが、内服薬と抗体薬と投与方法が大きく違います。それから、副作用も違いますし、先ほどの議論のように腎機能という点からも使い分けが生じると思うのですが、両者の併用を認めるかどうか、この点をコントロールするかどうかという点に関してはいかがなのでしょうか。
 この報告書の表5のデータを見ますと、mITT1とmITT2の違いが、抗体薬が使用されているかいないかの違いだと思うのですが、これから計算しますと、抗体薬併用下では、リスクリダクションの絶対値も相対値も随分小さくなっています。抗体薬併用下では、この薬の効果がかなり限定的だと思われますので、薬剤を効率的に使うという点からも、併用を制限したほうがいいように私は感じます。症例数が少ないので、そこまでできるかどうかという問題はありますが、抗体薬との使い分けに関してどのようにするのか、ガイドラインにもその点は書いてなさそうでしたので、その点を教えていただければと思います。
 1点目はお願いでありますので、小児の点と抗体薬との使い分けに関して教えてください。
○清田部会長 機構からお答えください。
○医薬品医療機器総合機構 小児の件につきましては、この報告書を既に御覧いただいての御質問かとは思いますけれども、13ページに記載しておりますとおり、本剤の作用機序、腎機能の発達、暴露量の観点などを踏まえまして、使用を可能な状況にしておくのは理解可能ではないかと考えているところでございます。また、製販後には、使用成績調査を行いますので、使用された際には、その中に小児についても情報収集されると考えています。
 供給の観点につきましては、審査管理課の方からお答えいただければと思います。先に抗体薬との使い分けについてもお答えしますけれども、抗体薬については、必ず併用を禁止しなければならないという積極的なデータは、現時点では得られていないと考えておりますので、少なくとも添付文書上でそれを禁止にするということは考えておりませんでした。
 御説明は以上です。
○南委員 ありがとうございます。
 抗体薬との併用に関しましては、私も添付文書上で禁止する必要はないかと思いますが、現場への情報提供として、症例数は少ないながらも効果が落ちる可能性があるようなことは伝えていただいてもいいのかなと思います。薬を多くの人になるべく行き渡るような使い方を考えていただければと思います。
 小児に関しては、気持ちは十分分かるのですが、もし例えば、すぐにでも小児のデータが上がってくるのであれば、それを見てからでもいいのかなと思ったものですから。ちなみに、小児のデータはすぐには出てきそうもないのでしょうか。
○清田部会長 いかがですか。
○医薬品医療機器総合機構 現在、小児の試験につきましては、計画中の段階と伺っておりますので、すぐに結果が出るという状況ではないと考えております。
○南委員 分かりました。この点に関しましては、小児科の先生の御意見もいただければと思います。
○清田部会長 中野先生、いかがですか。
○中野委員 では、中野からもコメントさせていただきます。
 事前の御説明の段階で、モルヌピラビルはRNAポリメラーゼ阻害薬ということで、小児には適応がないわけですけれども、こちらはSARS-CoV-2プロテアーゼ阻害薬ということで、事前質問の段階では、私は、動物実験の基礎データ、その他をお尋ね申し上げました。
 それで、幼若動物等への影響等が当然でございますけれども、RNAポリメラーゼ阻害薬とSARS-CoV-2プロテアーゼ阻害薬では、いわゆるリスクで評価も異なるかなと思ったことと。
 それと、先ほどの治験は実施されてないというのはいろいろなところに書いてあったので、なおかつ、米国もヨーロッパも12歳以上には一応承認はしていて、書きぶりは様々ですけれども、18歳未満の有効性・安全性は確認されてないとかいろいろな書き方はされておりますが、治験が進行しているなら、ステップを踏んでということもあると思うのですけれども、小児の場合、患者数も少なくて、なおかつ、その中にリスク因子を有する方が少ないと思いますので、なかなか治験も組めないのではないかなと思って、そう考えますと、薬剤を使う機会も与えてもいいのではないか。ただ、私たち学会としては、そんな気楽に使うものではないよという認識はもちろん持っておるつもりですので、私としては、この件は了解はいたしております。
 以上です。
○南委員 ありがとうございました。中野先生に振った形になって、すみませんでした。
○清田部会長 南先生よろしいですね。
 ありがとうございます。
 それでは、横幕先生どうぞ。
○横幕委員 よろしくお願いいたします。4点ほどあります。
 まず、この薬を今後使用した後の耐性等の話です。治験薬概要書で構造等しっかり出ていて、つくり込みはしっかりした薬と判断します。現在流行している様々なウイルスについて解析され、恐らくそれらに対する効果は確認されていると思いますが、表現型として感受性のデータがあるかどうか。あと、治験の結果、耐性等が生じた、もしくは5日間の投与後の検討で耐性関連変異が生じたような知見が上がってきているかどうかを教えていただければと思います。
 2点目ですけれども、リトナビルについてです。恐らく私が一番リトナビルの使用経験がありますので、少しお伝えさせていただきたいことがあり、質問も含めてお話します。
 リトナビルはHIVの診療分野で10年以上にわたって使われている薬ですが、現在の位置づけとしては、今回のパキロビッドパックと同様に、いわゆるブースターとしてしか使われておりません。抗HIV薬の中のプロテアーゼ阻害剤としての薬効で承認されていますが、実際はHIVの複製阻害効果がないぐらいの量でブースターとして使用しております。実質、抗HIV薬としては使用していません。
 日本の全国の恐らくほとんどの先生方が、このリトナビルを使った製剤が主に使われていた時代から、この薬が入っていることでHIV感染症の治療が非常に難しいと考えてきました。安定している患者さんであっても、この薬が入っていることによって相互作用が多々あり、リトナビルを含む処方は引き継ぎすらできないとずっと言われて、現在もそれは変わっていません。これまで扱いが非常に難しいと言われている薬を今回パキロビッドパックとして使用している現状があることは先生方には御理解の上で、議論していただきたいと思っております。併用薬との相互作用は処方する先生方が各々慎重に判断いただいた上で使わなければならない薬剤になります。
 事前説明では違う剤形と御説明いただいていたのですけれども、今日、製剤写真をよく見せていただくと、これはエイズの診療分野で使われているノービアという製剤と全く同じ剤形です。リトナビル錠とありますけれども、色も形も全て同じです。他社から出ているノービア錠をそのままパキロビット錠のパッケージに入れて使われています。
 今日もたくさんのHIV陽性の患者さんから、昨日の報道を受けて「エイズの薬が、併用される薬が出るんですね」と言われています。前述のように、我々の分野ではこの薬はブースターとしてしか使われておりません。当然、抗HIV薬として使うものではないと理解しております。ただ、物としてはノービア錠が入っています。エイズの薬というところでひょっとして患者、医療者双方のイメージが悪くなって、使うべき人に使われないとか、忌避があってはいけません。厚労省、機構及び関係機関から、ぜひ、この薬は抗HIV剤を併用するものではないと、純粋にブースターであると強調していただきたいと思います。
 質問ですが、現在、我々の分野ではブースターは薬効がないコビシスタットを合剤の形で使いますし、かつてC型肝炎の薬でリトナビルを併用したものも合剤で、リトナビルがブースターとしてなかなか見えてこなかったかもしれませんが、合剤でない場合、我々は、リトナビルを抗HIV剤として薬価がついた形で併用しています。今回このパッケージの形でパキロビッドが承認され、今後、薬効がないリトナビル錠が他剤とブースターとして併用されていく道ができるのではと考えますが、そういった理解でいいかどうか、教えていただければと思います。
 3点目は添付文書の9ポツの1.1の(2)のHIV感染患者に対する併用時の注意についてお伺いします。
 この(2)では「リトナビル又はコビシスタットを含む抗HIV療法と本剤を併用する場合、リトナビルの用量調節は不要である」と記載されています。現在、このような治療を選択するHIV感染患者は非常に少なくなっています。私たちは、本臨床試験の治療対象となるような合併症のある患者には、リトナビル若しくはコビシスタットを含む製剤は使っておりません。使わない抗HIV剤に変更して処方しています。一部、腎機能の問題とか止むを得ない事情から、リトナビル若しくはコビシスタットを含む薬剤を使用した抗HIV療法を行っている患者がいます。
 この製剤を併用するときには、例えばパキロビッドの中のリトナビルについては除かなくてもいいとこの記載を理解するのですけれども、実際、抗HIV剤にも影響を与えます。また、部会の先生方から危惧をいただいているように、他の合併症に対する薬剤を多々使っている方もいらっしゃいます。その方にリトナビル100mgで安定している状況で、1日に200mgが加わったときに、今まで現れていなかった有害事象が起こるリスクがあるかと思います。
 今回、パキロビッドとして出している中で、リトナビルを外して処方すると機構として言えるのでしょうか。リトナビルの扱いをどうするかということですが、この(2)の扱いは、実際このままでいいかどうかお考えをいただければと思います。
 何か有害事象があったときに添付文書通りに処方した私たちの責任になるのはどうかと思いますのでお考えいただきたい。私たちは、リトナビルまたはコビシスタットを使用している患者に併用する場合には「リトナビルを外して飲んでください」と言おうと考えていました。
 4点目です。リトナビルの併用について、より安全に使っていただくために今回も感染症学会からガイドライン(案)が出てきております。これは非常に重要と思っております。その中で、国立国際医療研究センターの情報を基にと書いてありますが、これが具体的に何を示すか少し教えていただければと思います。
 これが、もし、国立国際医療研究センターのエイズ治療研究センターの中の抗HIV薬のリトナビルの解説を見る、ということであれば、多くの先生方はその解説をもってこの薬は使えない、難しい、なかなかよく分からないと判断されてきた歴史があったことを知っていただきたい。
 現在、我々の診療分野ですと、併用他剤への影響についての情報はなかなか分かりづらいところがあり、海外のサイトになりますがリバプール大学のホームページを利用しています。現在、このパキロビッドに対応したページが開設されており、それを実際参考にしていこうかなと考えていました。抗HIV剤としてリトナビルを使用する時も薬剤師は利用しています。実際、主に携わる薬剤師さんもアクセスしやすく情報が得られやすいところを、具体的に提示してさしあげたほうがいいかと思います。
 COVID-19の初期の治療対応では、なぜか抗HIV剤でリトナビルが併用されているカレトラがたくさん使われた事実があります。カレトラを使ったときに気をつけたことと同じことを気をつけてくださいと言えば、正直、それで終わってしまうかもしれませんが、今回はより幅広く使われる可能性があると思いますので、医師だけでなく薬剤師さんがきちんとリスク管理ができて、相互作用の点でこの薬が適正かつ安全に使われることを大事にしていただければと思います。
 何点か伺いましたけれども、お答えいただければと思います。
○清田部会長 機構、どうぞ。
○医薬品医療機器総合機構 一番最初にいただいた耐性の話ですけれども、臨床試験で得られている情報ですと、治験薬投与後に認められましたメインプロテアーゼにおけるアミノ酸変異の有無とイベントの発現割合に関連性は認められておりませんで、メインプロテアーゼ部位に本薬による耐性変異は今のところ同定されていないという状況でございます。
 それから、御質問いただいたのが添付文書の9.1項の。
○横幕委員 その前に、エイズの診療現場ではリトナビルをいわゆるブースターとして抗HIV薬という形で使ってきた歴史があります。合剤ならまだ分かるのですが、今後、こうやってノービアをリトナビル錠として、単剤でブースターとして使える道がこれからできるという理解でいいのですか。
○医薬品医療機器総合機構 これまでも、特にこういった使い方が禁止されていたわけではないのですけれども、恐らく今回につきましては、コロナの治療薬というところで、配合剤を開発するような時間もない等の事情もあって、こういった併用という形になったのではないかと考えております。
 今後、このような同じようなものが出てくるかどうかというのは、なんとも言えないところではございますが、もし、そういった医薬品が申請された場合には、そのときにその適切性についてはきちんと確認をしていければと考えております。
○横幕委員 エイズの診療現場では、現在ブースターとして使われるのはコビシスタットがほとんどなのですけれども、それについては抗HIV剤としての薬効は全くない薬になっています。こういったばらばらの形でつけてもよいのか、合剤としないと薬価がつかないのか、そういった位置づけがちょっとはっきりするとよいと思います。臨床現場で、もしこういった使い方が他剤でもできるのだったら薬の使用量を減らしたりいろいろなアイデアを試すことができるのですね。その辺のことがあれば、また、教えていただければと思います。
すみません。
 添付文書の件をお願いします。
○医薬品医療機器総合機構 添付文書の9.1.1の(2)の御質問だったかと思います。こちらの記載ですけれども、こちらはリトナビルまたはコビシスタットを含む抗HIV療法と本剤の併用の場合という形で記載しておりまして、例えば、そこにさらにほかの薬剤を併用するとか、ほかの基礎疾患がある場合でも、問題がないというような記載ではないと認識しております。患者さんによりましては、添付文書において注意喚起されている複数の注意が該当するような場合があると思いますけれども、そういった場合には、添付文書の該当する箇所を御確認いただいて、本剤投与の可否などについて医師が適切に御判断いただければと考えているところでございます。
○横幕委員 そのときは現場の判断で、現在、ほとんどの我々の薬はリトナビルではなくてコビシスタットの合剤になっており分割できません。リトナビル併用のリスクがあるなというときには、パキロビッドの中のリトナビル錠を外して投与することも現場の判断で認めるという理解でいいですか。
○清田部会長 いいんじゃないですかね。
○宮川委員 いいんじゃないですか。しようがないでしょう、ノービアと同じなのだから、それは処方しなければいけないでしょう。
○医薬品医療機器総合機構 先生の御判断によってはそういったこともあり得るのではないかと考えておりますが、本剤を投与するのか、それとも、ほかの薬を選択するのか、そういったところも広くいろいろな情報を踏まえて御判断いただくものと考えております。
○横幕委員 不要であると言い切らないでいただきたいのですけれども。
○清田部会長 横幕先生、もうちょっと具体的にこうしたらいいのではないかという御指摘をいただきたいのです。どうすればいいのかというのが、我々もちょっと分かりづらいですね。
○横幕委員 表立って添付文書の中に「リトナビルを外して投与すること」となってしまうと、パッケージとしての承認だと思いますので、そこは書けないのかなと思ったりもしているのですね。
 どうすればいいのでしょう。
○清田部会長 結局、HIVを診ておられる先生方であれば、これは注意しなければならないことになりますよね。
○横幕委員 そうですね。そこは恐らく我々はそうするだろうと思うのですけれども。
○清田部会長 ですよね。ですから、HIVの関連学会の方からも情報を流していただくというような感じになるのではないかと思います。全ての方が理解しにくいですね。
○横幕委員 実際にHIV患者さんでもCOVID-19で他院に入院するときがありまして、「薬どうしましょう」とお問い合わせいただくのですね。添付文書上は用量調整が不要であるというところで、そのまま投与いただくことも出てくるかと思うのですけれども。
○宮川委員 「不要である」と言ってはいけないのですよ。AUCが変わらないと言ってしまっているからいけない。
○医薬品医療機器総合機構 こちらの記載は、本剤と、強いCYP3A阻害剤の薬物相互作用試験におきまして、ニルマトレルビルの暴露は大きく増加しなかったということを踏まえて、こちらに記載している状況でございます。
○横幕委員 イトラコナゾールでのデータは出ていると思うのですけれども、それをもってリトナビルでも大丈夫というのはちょっと乱暴かなと思いまして。はっきりおっしゃれないとは思うのですけれども。
○清田部会長 横幕先生、もうちょっと建設的に御意見いただきたいのですが。
○横幕委員 私も、文言をどうすると一番いいかというのは考えてはいるのですが、「併用する場合は注意すること」ぐらいにしておいていただければ一番ありがたいです。
○清田部会長 ここのところは、HIVを扱っておられる先生は御理解になっているのですよね。
○横幕委員 ただ、用量調節不要であると書かれると、恐らく、最近の若い先生方は、リトナビルとかコビシスタットを使う薬の使用経験が実はほとんどないのですよね。それぐらい使わないのです。相互作用が怖くて。そういう薬なのです。こうやって書かれてしまうと、若い先生たちはそのまま使うだろうなと思っています。危惧するのは、HIVの薬は恐らく大丈夫なのですけれども、その他、降圧剤等を使っていたときに、その降圧作用が強く出てしまったり、移植の患者さんであれば、免疫抑制に影響して大きく副作用が出てしまったりとか、合併疾患への配慮が足りないと影響が出てしまうというところを危惧はするのです。ですから、他疾患治療薬との相互作用も考慮して慎重に使用なり投与を考慮することとか、そのような書きぶりでどうでしょうか。他の併用薬との相互作用もよく勘案して使用することとか、それぐらいの書き込みをしていただけると。
○清田部会長 機構はいかがですか。
○医薬品医療機器総合機構 先ほどの御説明とも重複してしまうのですけれども、こちらは試験成績等に基づいて、併用する場合にリトナビルの用量調節は不要であると記載されておりまして、リトナビル又はコビシスタットと本剤に含まれるリトナビルが同じブースターということで、そちらを併用しても問題ないかというところについて、きちんとこういったインストラクションがあったほうが、より適切に本剤を使われるのではないかと考えておりまして、そういった意味で記載されています。
 アメリカのFACT SHEETにも同様の記載がされている状況でございまして、ここの記載だけではなくて、そのほかの添付文書の注意喚起等、それから、患者さんの状態などを踏まえて適切に御使用いただければと考えているのですけれども、いかがでしょうか。
○横幕委員 今の根拠は、抗HIV薬だけの話ですので、それでは、「抗HIV薬については」と注釈を入れていただいていいですか。「その他の併用薬については十分留意すること」というのはほかにも書いてあるのでいいとして。イトラコナゾールとの相互作用で影響がなかったということについては、抗HIV薬に対する知見であって、そこから出てくる事実としてはその通りですが、本部会の最初の議論でもありますように、実臨床では、これはトラブルのもとですよというのをお話しているのです。それはリトナビルの併用使用は非常に注意したほうがいいですよと、使用経験に基づいて、事実に基づいて意見を申し上げているところなのです。そういうふうにおっしゃるのであれば、明らかにここはコビシスタット若しくはリトナビルによってブースターをかけている抗HIV薬については考慮しなくてもいいと、限定をつけていただいていいですか。
○清田部会長 先生、ここの会議の皆さんは、先生のおっしゃっていることは理解していると思います。ですから、その表現の仕方については、先生の御意見をちょっと預からせていただいて。
○医薬品審査管理課長 これは先ほどの腎機能患者さんの議論のときにもちょっとお話しさせていただきましたけれども、いずれにしても、この薬、データあるいは使用経験、特に日本人の使用経験等が非常に少のうございます。さらに申し上げれば、HIV患者さんへの投与は当然少ないのだろうと思います。そういったこともありますので、承認後しばらくの間、モデル的に使い方を、医療機関、薬局、医師会、薬剤師会等々の御協力を得て、しばらくかなり管理した形で使っていただくべきかなと思っておりまして、その過程の中で、適切な表現方法あるいは注意喚起、そういったものを検討させていただいて、それを踏まえて、また、恐らく必要になるのだろうと思いますが、どういう表現ぶりにすればいいのかということを検討させていただくという形でいかがでしょうか。
○横幕委員 よろしくお願いいたします。
○清田部会長 それでは、そういうふうに検討させていただくことにいたします。
 横幕先生、よろしいでしょうか。
○横幕委員 はい。
 あと、資料4の相互作用を調べるサイトなり情報も、もう少し御丁寧に感染症学会からデータをいただければというのもよろしくお願いいたします。
○事務局 事務局でございます。
 資料4のガイドライン(案)の中で、5)の「国立国際医療研究センターの薬剤リストなどを参考にされたい」という所の趣旨の御質問かと思います。これについては、欧米における併用禁忌剤は、欧米において本剤が既に承認または許可を受けておりますので、その中における併用禁忌の薬剤の動向などについて、センターから情報提供する予定と伺っております。
○横幕委員 今後、分かりやすいのが出てくるという理解でいいですね。
○事務局 そのように考えております。
○横幕委員 ありがとうございます。
 長くなりまして、申し訳ありません。
○清田部会長 ありがとうございます。
 それでは、宗林先生お願いします。
○宗林委員 すみません、宗林です。
 1点目は患者の話ですけれども、このパキロビッドがデルタ株の人だけの治験だとお聞きしましたけれども、作用機序から見てオミクロンには有効性が確認されるというようなことでよろしいのでしょうか。それが1点目です。
 それから、2点目は、この前のモルヌピラビルとパキロビッドをどうやって実際の現場で使っていくかということについての御質問ですけれども、効果は圧倒的にパキロビッドの方がいい。ただし、腎臓の機能、それから、飲み併せ禁忌の薬がたくさんあるので、それをまず調べて考慮した上で、それがクリアできるのであれば、第一選択はパキロビッドということでよろしいのでしょうか。
 とりあえず、すごくシンプルに言いましたけれども、聞こえましたでしょうか。
○清田部会長 聞こえています。
 機構、どうぞ。
○医薬品医療機器総合機構 オミクロンにつきましては、In vitroにおいて野生株と同様の抗ウイルス活性が認められておりますので、抗ウイルス活性は期待できると考えております。
 それからモルヌピラビルとパキロビッドの使い分けでございますけれども、こちらについては、患者さんの状態などを踏まえまして、総合的にどちらにするかという選択がされると考えております。
○宗林委員 すみません。個々の現場でどういうふうにされるのかということで、一番典型的にはこういう形ですかとお聞きしたのですが、それは、効果から言ったらパキロビッドの方がずっと高いので第一選択だろう。ただし、腎臓機能とか、eGFRの数値、それから、禁忌の飲み薬がたくさんあるので、こういったものをきちんと見て、それがクリアだったらば第一選択パキロビッドという形の考え方で皆さん、ガイドラインは普通どういうふうにフローチャートが行くのかなと思いますけれども、そういうような考え方でよろしいのでしょうか。
○清田部会長 大曲先生、どうですか。
○大曲委員 大曲です。
 私が学会の指針を決めているとかそういうわけではないのですけれども、ただ、日本感染症学会で、この抗ウイルス薬の使用の指針に関してはずっと関わってきています。今回、重症化予防のための抗体製剤と内服製剤に関して、御意見としては、どう優先づけをするのかというのはすごく御意見としていただきました。
 結論からいきますと、効果とかそういう観点からの優先順位づけは極めて難しいというのが正直なところというか、そういう結論に今のところは至っています。
 ですので、今後、公開される我々の学会の最新版の指針では、全ての薬剤が、表の中で特徴を示して併記するという形にしました。その中でどう使い分けをしていくかといいますと、例えば、リスクが相当高い方ということであれば、とは言っても表に出ているであろう有効性の数字を見て選ぶことになるのだろうと思います。例えば、抗体製剤なり、あるいは今回のパキロビッドということになるのだと思います。そうすると、次に出てくるのは、例えば、それとなるとやはり抗体製剤に行くのかなと思いました。飲める方となると、あとは、今までも議論がありました薬物の相互作用の話があります。その中で、諸々の観点で管理が、いろいろなお薬をお飲みの方に対してこのパキロビッドを投与するということが、医療管理上困難であるということになれば、それは、そこでは避けられていくのだろうと思いますし、抗体製剤を使うというような形になるのではなかろうかと思います。
 ということで、実はまとまりのない話で申し訳ありませんが、恐らく現場では、こういった諸々の制約を考えながら、一人一人適応を決めていくことにせざるを得ないのではないかなと思っております。あまりまとまらない話で、すみませんでした。
○宗林委員 どうもありがとうございました。
 モルヌピラビルは錠剤自体も大きくて、それだけでも高齢者は大変苦労されていて、飲めないというお話もありますので、そういった総合的な判断だろうなとは思いますが、でも、選択の目安として何かまとまったものがあると、開業医さん等幅広に使うことになると思いますので情報提供の方よろしくお願いします。
○大曲委員 ありがとうございます。
○清田部会長 ありがとうございます。
 ほかに御質問はございますでしょうか。
○宮川委員 ちょっといいですか。誰もいなかったら。
○清田部会長 どうぞ。
○宮川委員 宮川ですけれども、機構の方に教えていただきたいのは、私はずっと高血圧の方で、カルシウム拮抗薬もずっと研究したのですけれども、CYP3Aと言ってしまうと、もちろんアゼルニジピンが禁忌で出ているのですけれども、併用注意の方にニフェジピンが出ているわけですけれども、実際には、CYP3Aのことだとすると、ニフェジピンはかなり問題があるということで、私たち当初認識をしていたわけですけれども、どうして、片や併用禁忌で、片や併用注意なのか、その辺のところの具合が不明確なところがあるので、ちょっと教えていただきたいと思います。
○医薬品医療機器総合機構 今回の併用注意、併用禁忌につきましては、既に本邦で承認されているリトナビル製剤であるノービア錠の注意喚起と合わせてございまして、そちらで使用されていて、特に問題ないという状況でございますので、今回も同様に、併用注意と併用禁忌に分かれているという状況でございます。
○宮川委員 ありがとうございます。
 ノービアのをずっと見たのですが、2011年でしたか、それを添付文書のところがずっと引っ張ってあったので、随分と変わってくるのかなと思ったのですが、それが今も生きているので、少しお聞きした次第です。実際には、ニフェジピンの方がCYP3Aに関してはかなり強く阻害効果が出ているので、それに対して新規に出てきたアゼルニジピンの方を併用禁忌という形になったので、少し驚いたものですから、御質問させていただきました。
 以上です。
○清田部会長 ありがとうございました。
 ほかに御意見、御質問はございますでしょうか。
 よろしいですか。
 それでは、議決に入りたいと思います。
 大曲委員におかれましては、議決への参加を御遠慮いただくことといたします。また、川上委員、濱委員、南委員、山本委員、横幕委員におかれましては、利益相反に関する申出に基づきまして、議決への参加を御遠慮いただくことといたします。
 本議題につきまして、承認を可としてよろしいでしょうか。
 ありがとうございます。
 御異議がないようですので、承認を可として、薬事分科会に報告とさせていただきます。
 本日の議題は以上ですが、事務局から何か報告はございますでしょうか。
○事務局 次回の部会は3月3日(木)午後6時から開催させていただく予定です。よろしくお願いいたします。
○清田部会長 それでは、皆さんお疲れさまでした。本日は、これで終了といたします。ありがとうございました。
( 了 )
備考
本部会は、企業の知的財産保護の観点等から非公開で開催された。

照会先

医薬・生活衛生局

医薬品審査管理課 課長補佐 柳沼(内線2746)