第28回厚生科学審議会臨床研究部会 議事録

医政局研究開発振興課

日時

令和4年2月17日(木) 10:00~12:00

場所

磯村ビル3階

議事

議事内容

○医政局研究開発振興課治験推進室長 それでは定刻になりましたので、ただいまから第28回厚生科学審議会臨床研究部会を開催いたします。本日は新型コロナ感染症拡大防止の観点から、Webでの開催をいたします。会議全体でのお願いとなりますが、Webで参加されている委員の皆様におかれましては、御発言される際にシステムの機能から「参加者リスト」を表示していただき、「手を挙げる」ボタンをクリックしてください。部会長の指名を受けてから、マイクのミュート機能を解除して御発言いただくようお願いいたします。また、御発言終了後は、再度マイクをミュートにするとともに、手を挙げるボタンを再度クリックし、手を下げた状態にしてくださいますようお願いいたします。会議中に接続トラブル等が発生しましたら、事前にお送りしたWeb会議のマニアルに記載されている連絡先に御連絡ください。
本日は、部会の定数14名に対しまして、藤原委員が御欠席となっており、13名の委員に御出席いただいておりますので、定足数に達していることを御報告申し上げます。
続きまして、本日の会議資料についてです。会場参加の委員の皆様方におかれましては、お手元のタブレットを操作して御覧ください。Webで参加されている委員の皆様におかれましては、事前に送付しております資料、あるいはWeb上で資料を投影いたしますので御覧ください。資料は、資料1、2、3、参考資料1、2、3となっております。お手元で不足等ございましたら事務局宛て御連絡ください。
円滑な議事進行のため、頭撮りはここまでとさせていただきます。
以降の進行につきましては、楠岡部会長にお願いいたします。
○楠岡部会長 楠岡です。おはようございます。お忙しい中、お集まりいただきまして、ありがとうございます。それでは早速議事に入らせていただきます。議題1は「再生医療等の安全性の確保等に関する法律施行規則及び臨床研究法施行規則の一部を改正する省令案に関する御意見の募集結果について」となります。また議題2は「臨床研究実施基準に関する諮問について」です。あわせて事務局より御説明いただこうと思います。それでは資料1、2の説明をお願いいたします。
○医政局研究開発振興課治験推進室長 それではまず初めに議題の1「再生医療等の安全性の確保等に関する法律施行規則及び臨床研究法施行規則の一部を改正する省令案に関する御意見の募集結果について」、御説明をいたします。資料といたしましては全体の4ページに「御意見の募集結果について」という資料がありますので、こちらを御覧ください。
これまでの臨床研究部会におきまして、様々、臨床研究法の見直しに関する議論をいただいてまいりました。昨年12月13日に中間取りまとめをいただいた中で、法律本体の改正まで至らないものの、施行規則の改正をすることで改善ができる部分については一足先に改正をさせていただくということで、年末に意見募集、パブリックコメントを実施するということについて部会でも御紹介をさせていただいたところです。昨年の12月23日から本年1月21日まで行政手続法に基づく手続として、いわゆるパブリックコメントを実施いたしました。この実施の中身については参考資料1にありますので、適宜御覧ください。なお、今回、私どもの臨床研究法と同時に、再生医療等法についても同様に見直しをしておりましたので、事項名としてはこの2つが並び立つ形になっておりますが、本部会では臨床研究法の部分を御確認いただくということになりす。パブリックコメントの結果ですが、結果的に御意見がなかったので、提示した案のまま、今後の手続を進めさせていただくことにさせていただきます。
続いて、議題2の「臨床研究実施基準に関する諮問について」について、資料2として、5ページからの資料となっております。少し先に進んでいただいて6ページを御覧ください。臨床研究法の第3条第3項に「厚生労働大臣は、臨床研究実施基準を定め、又は変更するときは、あらかじめ、厚生科学審議会の意見を聴かなければならない。」という規定があります。今回、この臨床研究実施基準にかかる部分について改正がありますので、この点について、厚生労働大臣より厚生科学審議会へ諮問させていただいております。これが資料の6ページとなっておりまして、この諮問書によって、厚生科学審議会へ、今回の改正のうち、臨床研究実施基準に該当する部分の変更についての諮問がなされています。
戻っていただいて、5ページ目になりますが、この厚生科学審議会から本臨床研究部会へ、審議会の運営規程に基づいて付議をされてます。臨床研究実施基準については、臨床研究法第3条第3項の規定によりまして改めて御意見をお伺いさせていただきたいと思いますので、御審議をお願いしたいと思います。なお、中身については7ページ以降に、新旧対照表ということでありますが、これは今まで御議論をいただいた中で臨床研究実施基準に該当する部分を、いわゆる施行規則の形で並べたものですので、今回改めては御紹介をいたしませんが、これまでの審議を反映した中身となっております。事務局からは以上です。御審議をよろしくお願いいたします。
○楠岡部会長 ありがとうございました。ただいまの事務局からの説明に関しまして、何か御質問、御意見はございますでしょうか。よろしいでしょうか。参考資料1の「2.改正の内容」のところに臨床研究法施行規則の一部改正ということで3つのポツがございますが、これに関しての改正ということになるかと思いますが、よろしいでしょうか。もし特に御意見がないようでしたら、「再生医療等の安全性の確保等に関する法律施行規則及び臨床研究法施行規則の一部を改正する省令案に関する御意見の募集結果について」は、この内容で本部会として了解したいと存じます。
また、厚生労働大臣より諮問がありました臨床研究実施基準につきまして、提案のとおり変更することに御異議がないということでございますので、このまま採択ということにさせていただきたいと思いますが、これに関しましてもよろしゅうございますか。一応、審議事項でありますので、もし反対の方がいらっしゃいましたら、挙手ボタンをお願いしたいと思います。
挙手ボタンを押された方はいらっしゃらないので、全員御賛成いただいたということで、提案のとおり変更することで差し支えない旨、厚生科学審議会令第7条第3項の規定により、臨床研究部会として議決いたします。また、この議決につきましては、厚生科学審議会長に報告させていただきます。
それでは、議題3に移りたいと思います。議題3は「臨床研究法に関する検討について」です。事務局より資料3の説明をお願いいたします。
○医政局研究開発振興課治験推進室長 それでは、資料3について説明をさせていただきます。全体の13ページからになります。今回は研究全体の責任主体(sponsor)概念についてということで、論点はこの1つとなります。14ページを御覧ください。復習になりますが、中間とりまとめにおいて整理をされた中身について、もう一度その部分を抜粋しておりますので御説明をさせていただきます。
現状と課題です。現行の法制度の下では、特に複数の施設が共同で実施をする特定臨床研究においては、それぞれの実施医療機関に置かれた研究責任医師がモニタリング、監査、疾病等報告などの手続を実施するとともに、それぞれが責任を持って実施をするという体制がとられています。
こういった体制の下での課題ということになりますが、先ほど申し上げたとおり、医療機関ごとにそれぞれの手続を行うということなので、差異が認められるといった指摘がありました。一方で、海外では治験と特定臨床研究を区別せずにICH-GCPで実施をされておりますが、このICH-GCPの体制では、試験を計画・運営、資金確保を行う“sponsor”と、各施設において研究行為の実施責任を負う“investigator”が、それぞれ役割を分担し、独立して存在をしています。日本だけが特定臨床研究でそれぞれの医療機関が責任を持つということで、国際共同研究を円滑に実施する観点から、日本も同様の体制で実施をすべきではないかという指摘があります。また、臨床研究を実施する者として、現在、医師のみが想定されていますが、法人としても実施できるようにすべきであるという意見がありました。
これまでの主な議論として、研究全体の責任主体を明確にした上で、疾病等の取扱いについて一括して管理をする必要があるという意見がありました。また、そのほかにも、研究環境の違いを踏まえた主体の在り方の議論とか、あるいは「スポンサー」という言葉が、日本語で言う他の様々な一般的な「スポンサー」を想起するので、適切な用語を設定すべきということ。それから、後ほど、これも1つトピックとして御審議いただきたいと思いますが、特に製薬企業などの製販業者が実施をする場合の取扱いについては、事業目的などを踏まえた議論が必要ということがありました。
今後の対応の方向性としては、「試験の計画・運営に責任を負うべき者」を位置付けて、こういった様々な手続の判断を一元化する方向で見直しをすべきということがあります。その際に、ペナルティ等の整備、あるいはそれぞれの役割の分担等、制度の詳細について引き続き検討する必要があるということで、今回、御審議をお願いするものです。
15ページを御覧ください。今回、sponsorを導入したときにどういう形になるか、何回かお見せしている図ですが、改めて御説明をさせていただきたいと思います。左側が現行となりますが、これは先ほど申し上げたとおり、それぞれが様々なモニタリング、監査などの行為を実施するとともに、計画・運営の責任を担っている形になっています。右側の見直し後は、安全性の管理とモニタリングの間に青い四角がありますが、正にここの部分がsponsorということで、sponsorが一元的に管理をするということで「試験の計画・運営を負うべき者」と「研究の実施に責任を有する者」の役割を区別することになります。 この下にあるものが“Investigator”ということで、試験全体としては“Sponsor”が、ここに実施をしている医療機関内の行為については“Investigator”が責任を持って実施をするという形になるということです。ICHの定義にもありますように、個人のみならず団体や研究機関なども含めて、“Sponsor”になり得るという形にしてはどうかと考えております。
その上で16ページです。網羅的ではないかもしれませんが、おおむね省令などに規定をされている試験の実施に関する様々な事項について、現行、責任を持つ主体が改正案でどういう形に変わるのか、参考としてICH-GCPを付けております。
現行については、単施設については、当然、全部が研究責任医師になりますし、多施設の場合も多くが研究責任医師となっております。一部、例えばモニタリング、監査であるとか、あるいは実施計画の提出などについては、多施設の場合は研究代表医師が役割を担う場合がありますが、これもあくまで複数の書類のまとめ先であって、責任としては個々の医療機関が持つ形になっております。
改正案については、おおむねICH-GCPと同様の形になっており、Sponsorが実施をする部分については、そのままSponsorが実施をする形になっておりますが、一部、研究責任医師に責任が残る部分としては、1つ目としては、疾病等発生時の対応等ということで、これは具体的に言いますと、実際に疾病などが発生した場合、その患者さんに対する適切な治療といった現場での対応を想定しております。また、実施をする医療機関の構造設備が試験にふさわしいものになっているかの確認、被験者のインフォームド・コンセント、個人情報保護などに関する現場での手続といったものは、引き続き研究責任医師に残る形で整理をさせていただきたいと思います。
17ページを御覧ください。製造販売業者等による臨床試験の取扱いについてということで、これは先ほど御紹介したとおり、特にSponsorを導入した際に、製薬企業などが臨床研究法上のSponsorになることについてどう考えるかという点については、様々な御議論を頂いたところです。
18ページを御覧ください。この点についてまとめた紙になります。現在の状況について、改めて御説明をさせていただきたいと思います。薬機法に基づく治験、再審査・再評価に係る製造販売後臨床試験等については、薬機法の規制の下で行われており、臨床研究法の範囲からは外れています。
一方で、再審査・再評価に係る製造販売後臨床試試験以外の臨床試験、「再審査・再評価外製販後試験」とここでは呼びますが、こういったものについては現状では臨床研究法から除外をされていなません。
一方で特定臨床研究については、研究責任医師が実施するということで、先ほど申し上げましたように医師が実施の主体となっておりますので、企業等の法人が実施をすることはできないという立て付けになっており、実際には臨床研究法が施行されて以降、企業が実施の意思を持った場合には、試験参加医師に研究責任医師として実施をするよう依頼するなどの対応がとられてきたところです。3つ目のポツにありますように、本来、企業が自らの責任で実施すべきものであること、それから、先ほども申し上げましたように、グローバル企業などが国際共同治験を実施する際に、日本だけ研究の体制が違うということで参加ができなかったり、あるいは主体を医師にお願いするということで、調整に時間がかかるなどといった課題がありました。
検討の方向性について、事務局での御提案を申し上げます。まず、臨床研究において企業の責任の下で実施する臨床研究の枠組みを設けることについては、臨床研究法の成立の経緯、また、企業の主体の研究には事業目的が背後にあることも踏まえると、先ほど申し上げた再審査・再評価外製販後試験、いわゆる企業が実施をする試験については、臨床研究法の対象としないこととしてはどうか。ただ、仮に臨床研究法の対象としない場合においても、この試験については、被験者の人権保護など、一定のルールの下に置く必要がありますので、薬機法の下で別途適切な基準に準拠して実施をする必要があるのではないかということで、薬機法で適切に取り扱っていただく方向で進めてはどうかと考えております。
Sponsorについては以上です。御審議をよろしくお願いいたします。
○楠岡部会長 ただいまの事務局からの御説明に関して、御議論いただきたいと思います。御発言、コメントのある方は手挙げボタンを押してお願いしたいと思います。まず、花井委員、お願いいたします。
○花井委員 この事務局の検討の方向性において、私の最初の懸念は、ほぼほぼ治験なのに何でメーカーが出ないのかと。ところが、薬機法が引き取っていただけるということで、ちょっと安堵しました。その前提として、これまで、いわゆる再審査と再評価以外に、例えば第Ⅲ相ないし第3.5相のようなところで、はみ出した承認条件が付くのだけれども、実際はやられているのかとか、まだ終わっていないとか、うやむやになったとか、いろいろあると思うのですが、実際問題として、これまで、いわゆる承認後の確認的な第3.5相とか、そういったものが臨床研究の名前でやられたものと、薬機の下でやられたものというところで、実情はどうだったのでしょうか。そういうことを前提として確認したいのですけれども。
○楠岡部会長 事務局、お願いします。
○医薬生活衛生局医薬品審査管理課長 御質問ありがとうございます。本質的な質問だと思うのですが、私どものほうで確認する、恐らく再審査などの段階で確認している形になると思うのですが、それは基本的には薬機法の世界の中で、製造販売後臨床試験等でやっている内容を中心に見ている形になると思います。
それ以外で、先生の御指摘のような、特定臨床研究でやっているようなものについて、どれぐらいあるのかというのは、我々としてはなかなか把握できていないのではないかというのが、薬事のほうの観点からはそのような認識です。捕捉しきれていない部分があるのかもしれないと思うのですが、少なくとも、製造販売後臨床試験等で、いわゆる市販後の条件等になっているのは、これについては確実にフォローしているということは自信をもって言えると思います。そのような状況かと思います。
○花井委員 ということかなと思っていたのですが、これは薬機の問題でもあるのですが、承認条件というものがあるわけです。これによって、いろいろな形で医薬品の安全性が保たれているところもあるのですが、市販後に承認条件の遵守はどの程度かというのがよく分からないところも現状ではあって、今、説明があったように、一応外すということに、薬機のほうにお願いするということになっているのですが、それが薬機で全部フォローできるようになるということを担保することをちゃんとしてほしいというのが1点目です。
もう1点ですが、そうなると、ICH/GCPというのは治験なので、被験者は何を考えるかと言うと、新薬の開発だからということで、メーカー、スポンサーということで、それは分かりやすいのです。いわゆる同意をする場合でも、新薬の開発に自分が参加すると。ところが、臨床研究でメーカーが出てこないという部分、つまり、ある集団とか法人とかグループというところが研究の計画を立て、かつ全体を見るとなると、被験者は何のことか分かりにくいのです。普通は臨床研究と言うと、メーカーがやらない部分に関しては、今、想定されているのは特許期間が切れた後のメーカーのというのは1つテーマにはなると思うのですが、それは置いておくとしても、一体誰が研究を発案し、リサーチクエスチョンは誰がやって、その研究の成果は誰が受け取るかというところが明確になっていないと困るのです。なので、このスポンサーになる集団というものは、法人格があれば代表者が必ずいて、それはメーカーの会社の社長、治験の場合でも、グローバルの社長がリサーチクエスチョンを出しているわけではないので、それは新薬開発だということで理解できるのですが、臨床研究になると、誰かがリサーチクエスチョンを発案し、それを研究に持ってきているということになると思うのですが、その法人格の在り方とか、権利能力なき社団とか、そういう感じになった場合は、誰が何をしたがっているのかということが被験者に分からないというのは致命的だと思うのです。
安全性の確保に関して、このようにちゃんとするというのは非常によくて、その面については、スポンサー概念には全面的に賛成なのですが、問題は、臨床研究に参加するかどうかの根本的な判断として、誰が何をやりたがっているのかというところが曖昧になることは避けていただきたいと思います。
これは、もちろん倫理審査委員会が研究計画を判断する段階で、それは患者への説明と同意取得はチェックするわけだから、ちゃんとしてくれればいいのですが、そこが治験のようなのだけれども治験ではないというようなところは、被験者が同意をするための根本的な根拠になるので、そこを明確にするという立て付けは、どのように事務局としてフォローしているのかというところについて確認したいと思います。分かりにくかったかもしれませんが、誰が何をしたがっているのかが分からなくなるようなスポンサーはまずいのではないかという意見です。
○医薬生活衛生局医薬品審査管理課長 御質問ありがとうございます。まず、薬機法の世界でどういうことができるのかということからお話したほうがいいかと思いますが、それについては先生が御案内のとおり、薬機法というのは、いわゆる製造販売業者が製造販売する医薬品等の品質、有効性、安全性を確保するというのが法律の目的ですから、恐らくここで我々がカバーできる製造販売後の試験というのも、基本的には製造販売業者がスポンサーとして明確にやられる、当然、医薬品の何らかの形での有効性及び安全性を確認するような目的を持った試験になるのだろうと思っていますので、そういった意味では、薬機法で拾えるところは、そういったスポンサー概念もはっきりしているのだろうと思っていますので、そこはしっかりとやらせていただきたいと思いますし、そのデータについて、どこまでフォローするのかということについては、いわゆる再審査等々で承認条件等を付けてやる部分については、再審査の中に入ってくるわけですからしっかり見る形になると思いますが、ここで問題になるのが、それ以外のものになると思います。そこも一定の形でフォローを我々のほうでさせていただく形になるので、そのフォローの仕方がどのような形になるのかは、今後の制度の作り込みの中で考えさせていただきたいと思っています。そのような感じで考えています。
○医政局研究開発振興課治験推進室長 2点目の御質問について、お答えさせていただきます。改めて2点目の御質問としては、特定臨床研究側の問題として、スポンサーの概念に、例えば法人や団体などが入った場合に、真の発案者やその得られた成果をどのような形で還元されるのかを、被験者によく御理解いただく必要があるとのご指摘と理解いたしました。
まず、どういう形で法人などを取り入れるかということについては、団体も含めて、代表者を設置するものであるとか、きちんと責任が取れる体制を取っておられる所を、スポンサーにさせていただくという対応になるかと存じます。
その上で、実際に機関の中、組織の中で発案した方がいる、これも実際には研究の多様性なり、その経緯の中で、1人の個人に帰するのは難しいのかもしれませんが、どういう形での問題発案があって、それがどういう形で成果が公表されていくのか、あるいはその成果が帰属されていくのかといったところについては、例えば同意説明文書に分かりやすく書くなど、届出には書きにくいかもしれませんけれども、試験計画の中にしっかり位置付けていただくとか、その辺りは行政指導レベルになるかもしれませんが、きちんと研究者にお伝えしていきたいと思います。
○花井委員 そういうことかなと思います。実際、これは明文としては書けないこともあると思います。具体的に言うと、特許期限は切れたけれども適応を公知で持っていきたいと思っているけれども、企業治験には乗らないから、では学会のほうで、それを公知でできることを目指しつつ、何らかの研究がスタートするといった場合があるのです。
そういうときに、もちろんそのことが行く行くは公知申請を目指すための研究だという形で計画書には書けないことが多いと思うのですが、審査する側は、研究がどのような思惑というか、位置付けで発案されたかというところは、審査の段階では分かると思うのです。
なので、それを踏まえた上で、同意文書等に、書ける範囲で、この研究はこうだから大事だ、こういう内容で発案されたということが被験者に分かるようにすることができる審査ができるような審査委員会の質の向上を、今後もお願いしたいということは、要望として申し上げておきます。
○楠岡部会長 花井委員のおっしゃることは臨床研究全般に関わる話で、特に製販業者がスポンサーになった場合だけの話ではなくて、研究計画書の中には研究の経緯が最初の所に書かれてはいるのですが、その辺りが説明文書等では省かれていることが多いので、その辺りは室長からの話がありましたように、行政指導などの中で、しっかりと書き込んでいただく。言うならば、特許における発明者と出願者のような関係というような形で、整理をしながら進めていくことが必要であると思います。この辺りは、必ずしも法的あるいは省令レベルでの話ではなく、各倫理審査委員会での審査事項の1つのポイントであるとか、あるいは研究計画書を書く場合には、そういうことをしっかりと書いてもらいたいというような指導の中で進めていくということで、ある程度は解決するのではないかと思っております。
山口委員、お願いいたします。
○山口委員 先ほどの花井委員の懸念に対して、今、部会長の説明で非常によく分かりました。その方向で進めていただきたいと思います。
今回、スポンサーに関する資料3の全体の15ページですが、「見直し後」というところで、責任の体制がとても分かりやすくなったのではないかということと、16ページの所の改正案についても、事務局から出されている案に賛成です。
この「Sponsor」という言葉について、日本で言うスポンサーというのは、後ろからお金を出してくれる人というイメージがあってということを前に申し上げたと思うのですが、例えば日本語で書くとしたら、研究統括責任者ということなのかなと感じておりました。そういった表現になるのかなと思っております。
それから、先ほどの企業が製販業者の行う臨床試験に関わるということについて、国際共同試験ということを考えたときに、こういった形にしていくということについては賛成ですが、先ほど、臨床研究法の対象にはしないけれども、薬機法でという話がございました。これは、今からそちらでどうするかを決めていかれるのだと思うのですが、そこでの方向性は、どのような段階でこの臨床研究部会にそれが見えるような形になってくるのでしょうか。「臨床研究法の対象としないこととしてはどうか」と書いてあるのですが、薬機法でどのようにサポートしてくださるのかが見えないと、臨床研究法の対象としないとしていいのかどうかという判断がなかなか難しいと思ったのですが、その辺りの今後の予定について教えていただきたいと思います。
○医政局研究開発振興課治験推進室長 ありがとうございます。昨年12月に中間取りまとめを頂きましたけれども、今後の段取りとしては、臨床研究法はほかの論点も含めて一通り御議論いただいたところで、まとめができると思います。このまとめを踏まえて法令の改正ということになりますので、この中で、改めて再審査・再評価外製販後試験の取扱いを法令的に定めることになりますので、この手続の過程をお示しするとともに、この手続が終わりましたら、いつから施行というようなことも含めて、部会にも御報告させていただきたいと思います。
○山口委員 分かりました。ありがとうございました。
○楠岡部会長 がん研究センターの佐藤委員、お願いいたします。
○佐藤(暁)委員 2点あります。まず、今のスポンサーを製薬企業等がやる場合には薬機法のほうでということに関して、御質問です。これは、例えば今でも臨床研究法で、製薬企業が資金提供及び薬の提供をしてやられている試験というのは、実際にあるとは思います。これも、また今後の話で整理されるのかもしれないのですが、同じようなことをやる場合においても、例えば製薬企業が立案したのか研究者が立案したのかというのは、区別が難しい場合もあるのかなと思うのですが、それはどちらが主体ということが決まると、どちらの制度に乗っていくのかが決まるという話なのか、それとも、製薬企業がお金を出したときには、もう全部一律で薬機法のほうに乗っていくというスキームになるのかというところについて、もし決まっていたら教えていただけたらなと思います。
○医政局研究開発振興課治験推進室長 この点については、先生が前者のほうでおっしゃった立案の主体がどちらかということになると思います。様々な研究の形態の中で、研究者が発案をするのだけれども、それに対して企業が資金的な支援をする、あるいは薬を提供するというようなケースは特定臨床研究に該当します。
一方で、実態として、これまで企業が主体として発案したにもかかわらず、制度が十分でなかったがために、立前上、研究者があたかも主体のようにお願いをして実施していた部分について、薬機法側で、堂々と企業の方に主体になっていただいて実施できるという形に整理いたします。
○佐藤(暁)委員 これもまた今後の制度設計のところでやる。その結果で、その結果をどのように使っていくかというところが変わってくるという理解でよろしいでしょうか。
○医政局研究開発振興課治験推進室長 そうです。もともと、先ほど花井先生からも御意見があったところですが、どういう意図をもって試験をして、その先にどういう利用かあるのかということは、それは主体がどちらであっても、あらかじめ、できるだけ明らかにして、被験者にも理解をしていただいて、やっていただく形になります。
その上で、前も御議論いただいた附帯決議のこともございますので、今後、特定臨床研究で実施したものを薬事申請に活用していくということについても、必要な検討、留意点などをまとめていくということになるかと思います。
○佐藤(暁)委員 ありがとうございます。もう1点ございます。16ページに「疾病等発生時の対応等」という所があります。臨床研究法の施行規則だと13条の2の辺りだと思います。この中に、1は臨床的な対応というところなのですが、2の所で、「研究責任医師は臨床研究の実施に起因するものと疑われる疾病等が発生した場合は、当該臨床研究の中止その他の必要な措置を講じなければならない。」と。試験の終了も疾病等によって判断するとなっています。
ここも整理なのだと思うのですけれども、研究責任医師が全部判断しているときはいいと思うのですが、それがスポンサーと研究責任医師で分かれていったとき、研究全体を止めるのか、それとも、その施設での研究を止める判断なのか、あと個人の患者の治験を中止するのかというところを階層で判断しないと、もしかすると研究責任医師が、スポンサーがいるにもかかわらず、研究全体のストップを判断するというようなこと、そこら辺は細かいところで設計されるのだと思いますが、そこら辺をクリアにしていただければなと思いました。
○医政局研究開発振興課治験推進室長 先生が御指摘のとおり、個別の患者の対応については院内責任医師ということになりますが、御指摘のように、試験全体をどうするかということについては、スポンサー、統括をする方に判断を頂くということで、まだきめの粗い資料ですので、今後その辺りは詳細に確認した上で進めていきたいと思います。ありがとうございます。
○楠岡部会長 北大の佐藤委員、お願いします。
○佐藤(典)委員 今、佐藤暁洋先生がおっしゃったことと同じことが気になりましたので、お話させていただきます。今出ている資料の患者の疾病等発生時の対応策の所です。今、議論があったように、施設で止める場合と研究全体ということがはっきりしないということが気になったものですから、そこはきちんとしてくださいということが1つです。
この疾病等のところは佐藤暁洋先生がおっしゃったとおり、省令の第13条第2項に書かれているところなのですが、そこは疾病だけの話なのですが、省令の第10条には、不適合なこと、適正に実施されている・いないのことも書かれていまして、それにまつわる臨床研究の中止のことも書かれております。先ほどの議論にもありましたが、臨床研究全体の中止ということに関してはスポンサーだということを明記したほうがいいと思っておりまして、厚労省もそうされるのだと思うのですが、今は法令と省令の立て付けが、「臨床研究全体の中止」という項目がきちんと出てきていないのです。あちらにあったり、こちらにあったり、項目が分かれて存在するものですから、そこのところは整合性を取っていただければと思いました。
あと、今のところ、ICH-GCPのところはSponsorになっていますが、私の知るところでは、ICH/GCPも個別の患者とか施設の対応については、Investigatorのはずなのです。個別の患者、施設のことであればInvestigator、全体ならSponsorなので、書き方はほかの所にあるように、両方併記のほうが間違いないのかなと思いますので、細かいことで恐縮ですが、よろしくお願いいたします。
○医政局研究開発振興課治験推進室長 ありがとうございます。
○佐藤(典)委員 もう1点です。スポンサーの件、企業の件です。皆さん個々で確認されてということで、若干重複になるかもしれませんが、また、薬機法で行う場合は、基本的な制度設計はこれからということだということで、それはそれで承知なのですが、基本的なところを確認させていただければと思います。
1つ目ですが、当然、市販後の研究になりますから、適応内ということですね。適応内で、例えば高齢者に薬を使ったときの安全性はどうなっているのか、適応内ですから、日常治療に使っていいわけです。あるいは若い人の安全性はどうなっているか、有効性はどうなっているか。つまり、観察研究でやっているということが多いというのは当然あると思うのです。ですから、観察研究でやる内容であっても、この薬機法の新しい枠組み、企業がスポンサーになっている限りは、観察研究であっても入っていくのかということを、恐らく観察研究であろうと介入研究であろうと同じというように私は理解したのですが、そこのところは、観察研究であってもそうなのかというところを、確認として教えていただきたいのが1点です。
それから、臨床研究法から外すということになりますと、審査委員会は、病院等で今日常的にやっているのは、名称的には治験審査委員会とか、そういった委員会で薬機法ですから行うことになると思うのですが、いわゆる認定のCRBではなくて、それぞれの施設にある治験審査委員会でやるのだという理解でよろしいのでしょうか。これが2点目の確認です。
3点目ですが、今回、グローバル企業がどうのこうのということがありましたが、グローバル企業が企画してやる場合も、当然、薬機法のほうで対処してくださいと、薬機法の枠組みでやるのだということも確認させていただきたいと思います。
細かいことで恐縮ですが、先ほども議論がありましたが、法人の定義です。企業の定義と言いますか、企業そのもので、「何々製薬会社」と書かれたら分かると思うのですが、例えば企業が出資してやっているような何とか財団がやる場合は、企業という概念に該当するのかどうかということも含めて、この場合の企業、これからの制度設計だと思うのですが、その時点の議論でいいのかもしれませんが、現時点で、そういったものをどう考えていらっしゃるのか。盛りだくさんで恐縮ですが、現場としてはいろいろ確認したかったものですから、質問させていただきました。
○医薬生活衛生局医薬品審査管理課長 御質問ありがとうございます。大きく4点いただいたかと思います。簡単に御説明させていただきます。
まず、観察研究的なものも入るのかということですが、これについては、今でも企業が市販後にやっている観察研究的なものは、我々としては使用成績調査というような扱いにしているのが多いのではないかと思いますので、一義的にはそちらに入るのではないかなと思っております。もし違っていたら申し訳ございませんが、おおむねそれに入るのではないかなと思っております。
2点目の審査委員会はどうするのかということですが、基本的に取り込むとすれば、いわゆる市販後のGPSPという省令の中で対応すると思いますけれども、その場合でも、治験審査委員会というような審査委員会で取り扱っておりますので、恐らくそうなるだろうと思います。
3点目のグローバル企業への対応についても、それはそういう形で対応するということになると思いますので、それはその旨を周知したいと思います。
4点目は企業の定義です。先ほども申し上げましたとおり、薬機法でやる限りにおいては、いわゆる製造販売業者がSponsor的なものになるということになりますので、製造販売業者になるものについては、我々が取り込むということですから、個別の企業、何らかの団体も、製造販売業者になるのであれば、その対象になってくるということになるのかと思います。
○佐藤(典)委員 ありがとうございます。非常によく分かりましたと言いますか、私もそう思っていたとおりなのでございますけれども、これからの運用の仕方だと思うのですが、観察研究が当然入ってくる、それはそのとおりになると思うのですが、そうすると、この手の研究は今は認定審査委員会ではなくて、世の中に数多ある、通常の倫理審査委員会かIRBが審査することになりますので、その審査委員会もいろいろとレベルがあろうかと思いますけれども、その責任主体(sponsor)の概念ですとか、そういったものが十分に理解されない、周知されないということが想定されます。研究者の理解もどの程度かということも含めてです。
そうしますと、知らず知らずに企業が実はスポンサーであったものが、通常の倫理基準に従って審査されるようなことが起こってくるような気がするものですから、これから実運用というのは制度設計されるのだと思いますけれども、その辺のところを若干危惧しておりますので、よろしくお願いいたします。
○医政局研究開発振興課治験推進室長 ありがとうございます。制度については、また詳細が決まったところで部会でも御報告いたしますけれども、広くIRB、あるいはCRBも含めた関係者の方々にも御説明の機会を設けさせていただくなどして、周知に努めたいと思います。
○医薬生活衛生局医薬品審査管理課長 佐藤先生がおっしゃる観察研究のお話というのは、私の理解が足りていないところもあるかもしれませんが、臨床研究の指針でやっているものについては、臨床研究法でもないと思いますし、当然、薬機法でもないという形になると思いますので、そこをどうするかというのは根本的な話になってくるのかなと思っていますので、そこまで今度の薬機法の世界で取り込むというのは、今のところは難しいのではないかと思っておりますが、その辺を実際どうするかは、また今後の中で考えさせていただきたいと思います。今のところはこのように考えています。
○佐藤(典)委員 現実的には市販されたものの、使用成績調査とは違うけれども、この薬を使って年齢の高い人の安全性を見たいという形で、どう見ても企業が出資していて、企業がデータを欲しいのだろうなと思っても、研究責任者を一応立てて、企業が主体でデータを収集している。悪いことでも何でもなくて、それはそれで意義のあることなのですが、たくさんとは言いませんけれども、現実的にはそういうものが、倫理指針の下で、通常のIRBで審査されているというのを私も結構見ていますので、そこら辺はどうなのですかという質問だったのですが、その辺もこれから検討ということだと思いますけれども、世の中の実態としては、たくさんではないけれどもそこそこありますので、御理解いただければと思います。
○医薬生活衛生局医薬品審査管理課長 分かりました。実態をよく確認させていただきながら、適切に対応していきたいと思います。どうもありがとうございました。
○楠岡部会長 部会長の個人的な意見を述べさせていただきたいと思います。
今回、もし企業がスポンサーになることに関して、薬機法の中でという取扱いがどこまでということは未定ですが、そうしますと、今、GCP省令で行われている治験と、人指針で行われている研究と、臨床研究法で行われる研究に対して、4つ目のスロットを新たに作るという話で、非常に複雑になり、また、どこでどれを扱うかというのが非常に難しくなってきます。
それから、その間で、先ほど佐藤委員から指摘がありましたように、企業がお金を出しているけれども財団等が引き受けているときに、それこそ財団の出資者は誰なのかとか、そういうところまでを見なければいけないというような、非常に複雑な話になり兼ねないということは危惧されます。
それから、臨床研究法の中で、もともとCOIの問題等からこの法律が出来たので、それに関して完璧ではありませんが、かなりいろいろな規制や運用がなされてきて、まだ3年間の経験ですけれども、そこは改善されつつあるような状況ではないかと思っております。
私の意見としましては、4つ目のスロットと言うよりも、全て臨床研究法の枠の中で行い、薬機法では、企業が臨床研究法に基づく研究のスポンサーになったときの責任範囲、それに対してもし何か問題を起こしたときの処罰というところを担当していただき、その実運用面においては臨床研究法でやっていただくほうが適切かと思います。全体としては、例えば倫理審査の事務局が法律等に対して4つも5つもできるととか、IRBに関しては、CRBとの質の比較などで問題も提起されている中で、どのようにするか、また、IRBの一本化、セントラル化ということも議論になっています。いろいろな問題があるときに、新たに4つ目のスロットを作るのはいかがなものかということが、懸念として思っております。
4つ目を作らずに、3つの中で、最終的に企業がスポンサーになった場合の責任の明確化、あるいはそれに対してどのような制約を付けるのか。そして、もし万一問題があった場合には、その製薬企業に対する罰則を明確化するということに関して考えていくほうが、現実的ではないかというのが私個人の意見です。この辺りについては、事務局のほうはいかがでしょうか。
○医政局研究開発振興課治験推進室長 貴重な意見をありがとうございます。4つ目のスロットを作ると言うよりは、現在、医薬品等の有効性及び安全性を評価するための試験の法律が2つに分かれている、それらの法律のどちらに帰属させるかという整理の問題だと思っております。
そういった意味では、スポンサーとして製販業者が実施するものについて、その行き先を明確化したということで、改めて4つ目を設けるということではないと整理しています。
ただ、先ほど北大の佐藤先生からの御指摘もあったように、必ずしも企業のお名前ではないような形でのということもありましたが先ほど花井先生からもあったように、一体クリニカルクエスチョンはどういう所から出てきて、この帰属がどのようになるのか、それを研究ごとにはっきりさせていただく。そういったことについて、CRBなりIRBがきちんと評価をして、適切な体制で実施しているのかについても、物申せるIRBでありCRBにであるように、研修なども含めて対応していくことが必要と思います。

○楠岡部会長 ありがとうございます。ほかに御意見はありますか。
○花井委員 今、北大の佐藤委員がされた議論というのが、正に臨床研究法前夜です。あのときの研究不正というのは、実は、いわゆる製販業者がプロモーションに使えるように、適応拡大ではなくて、有効性が追加できるのではないかというようなことで、それは添付文書に書ける有効性ではなくて、ライバル薬よりこちらのほうがもうちょっとほかにも患者に利益があるのだということを論証しようというクリニカルクエスチョンだったわけです。
それ自体は、臨床研究法がいわゆるクリニカルトライアル法として成立しているのだけれども、実は経緯は、必ずしもあれはクリニカルトライアルではなかったというところで、議論になって、オフラベルはやりましょうと。もう1つは、それだけでは駄目だと。企業からお金が入ったものはという議論になって、今の立て付けができたという経緯があります。
この3種類の研究なのですが、あと再生医療等法というのがあるから、そちらは認定再生医療委員会というのがあって、それはまた別の法律があるわけです。
楠岡先生がおっしゃったように、この立て付けがちゃんと機能すれば、大分改善しているはずだということなのです。常に議論になるのは、審査の質の問題として、もうちょっと審査のほうがちゃんと見ようというところが、なかなか凸凹があって難しいというところでもあるので、いろいろな面で、クリニカルトライアルというのが、いわゆるクリニカルテストとクリニカルトライアルで、新薬開発というのが2つに分れてできて、今があるという立て付けは、一応大分定着して、整理ができたとも言えるわけですけれども、先ほど北大の佐藤委員がおっしゃったところは、私たちが最初に懸念したグレーなところだったわけですが、それはまだ完全にこれで改善したとは思っていませんが、ここにきて一歩立ち止まって、もちろん審査委員会の質の向上のいろいろな取組とともに、例えば今回Sponsorが導入されることになって、COI契約もSponsorが付くわけです。このCOIというのが1つのキータームになったわけです。今はこのように計画を立てて、COI管理をしているのですが、管理の質自体、つまり、計画がちゃんとできているのかという問題は、まだ全チェックをしていない状況があるので、ここへきて1つの契機として、現在のCOI計画というものが適切なのかどうかという点検などを、この機会に事務局でもすることを考えていただきたいと思います。いわゆる客観的な指標によって、当時思っていた不正というものを排除するいろいろな仕組みが実態として機能しているかの細目について、各委員会の質についての評価をするときに、そこをちゃんと織り込んで評価すると。さらに、それを質向上に努めるという形を、この機会に取っていただきたいという要望です。
○医政局研究開発振興課治験推進室長 ありがとうございます。御指摘の点について、こちらでも情報を集めて部会に御相談させていただければと思います。
○楠岡部会長 ただいまの花井委員の御指摘は、もともとこの法律は最初は被験者保護法的なことも考えていた中で、まずはCOI管理というようなところ、そして、それをどのようにしていくかというのが、逆に中心になったようなところもあります。
この臨床研究法の設立の経緯はそこにあったわけですが、この法律そのものも発展させていく必要はありますので、今いろいろな御意見を踏まえて、ベストな形はすぐには難しいわけですが、なるだけ物事は単純化しつつ、しっかりとすみずみまでカバーできるような形を作っていく必要はあるかと思いますので、この点に関しては、ただいま頂いた意見を基に、また事務局でも御検討いただきたいと思います。
それ以外に、何か御意見はございますでしょうか。よろしいでしょうか。そうしましたら、今までの御意見を整理していただいた上で、また改めてこの問題に関しては事務局から案を提示させていただくということになるかと思いますので、よろしくお願いいたします。
それでは、続いて議題4はその他ですが、事務局から何かございますでしょうか。
○医政局研究開発振興課治験推進室長 今回は特にございません。次回の開催につきましては改めて御連絡をさせていただきたいと思います。事務局からは以上です。
○楠岡部会長 これで本日の議題は全て終了いたしますが、何か追加で御発言等はございますか。よろしいでしょうか。
それでは、本日はこれで閉会とさせていただきます。お忙しい中ありがとうございました。