第21回過労死等防止対策推進協議会 議事録

労働基準局総務課(過労死等防止対策推進室)

日時

令和3年12月17日(金) 10:00~12:00

場所

TKP新橋カンファレンスセンター  ホール15E
(東京都千代田区内幸町1-3-1)

出席者

専門家委員
岩城穣委員、戎野淑子委員、川人博委員、黒田兼一委員、堤明純委員、中窪裕也委員、宮本俊明委員
当事者代表委員
工藤祥子委員、髙橋幸美委員、寺西笑子委員、渡辺しのぶ委員
労働者代表委員
北野眞一委員、冨髙裕子委員、永田一郎委員、八野正一委員
使用者代表委員
大下英和委員、佐久間一浩委員、鈴木重也委員、山鼻恵子委員

議題

  1. (1)令和3年版過労死等防止対策白書について
  2. (2)令和3年度の取組状況及び令和4年度概算要求について

議事

議事内容
○中窪会長 皆様、おはようございます。定刻になりましたので、ただいまから第21回「過労死等防止対策推進協議会」を開催いたします。
委員の皆様におかれましては、御多用中にかかわらずお集まりいただきまして、誠にありがとうございます。
本日は、御都合により木下委員が御欠席でございます。
本日、感染症対策として座席の間隔を空けさせていただいております。また、一部の委員についてはオンラインで御参加いただいております。オンラインで御参加の委員におかれましては、何かありましたら、チャット機能で事務局に御連絡いただければと思います。
それから、本日付で委員の異動がございましたので、御報告申し上げます。全体資料の最終ページであります105ページ、参考資料の委員名簿を御覧ください。労働者代表委員の仁平章委員が退任され、後任に冨髙裕子委員が就任されました。同じく、労働者代表の則松佳子委員が退任され、後任に永田一郎委員が就任され、それぞれ厚生労働大臣から任命されております。
一言ずつお願いできますでしょうか。
○冨髙委員 連合の冨髙でございます。10月の定期大会で総合政策推進局長の任を仰せつかりました。前任の仁平同様、よろしくお願いいたします。
○永田委員 おはようございます。自治労本部の永田と申します。組織のほうでは労働安全衛生を担当しております。よろしくお願いいたします。
○中窪会長 ありがとうございました。
事務局にも異動があったとのことですので、事務局から御紹介いただきます。
○企画官 事務局の角南でございます。よろしくお願いします。
前回の協議会以降、事務局に異動がございましたので、御紹介いたします。
大臣官房審議官、労働条件政策・賃金担当の青山です。
○審議官 青山です。よろしくお願いいたします。
○企画官 労働基準局労働条件政策課長の松原です。
○労働条件政策課長 どうぞよろしくお願いします。
○企画官 雇用環境・均等局雇用機会均等課長の石津です。
○雇用環境・均等局雇用機会均等課長 石津でございます。よろしくお願いします。
○企画官 事務局の紹介は以上でございます。
○中窪会長 ありがとうございました。
それでは、カメラ撮影につきましては、ここまでとさせていただきますので、御協力のほどよろしくお願いいたします。
それでは議事に入ります。前回5月25日までの議論を踏まえ、7月30日に「過労死等の防止のための対策に関する大綱」の変更が閣議決定されました。その後、10月26日に大綱の変更の経緯や内容等も盛り込んだ「令和3年版過労死等防止対策白書」が閣議決定され、公表されておりますので、まず、この令和3年度白書について、引き続いて令和3年度の過労死等防止のための取組状況及び令和4年度概算要求について、厚生労働省から15分程度で御説明いただきます。
その後で人事院、内閣人事局、総務省、文部科学省の順で、令和3年度の取組状況をそれぞれ5分程度で御説明いただき、その後に一括して御質問、御意見等を伺う時間を設けたいと思います。できるだけ多くの委員から発言をいただきたいと思いますので、事務局の説明は簡潔にお願いいたします。
それでは、厚生労働省から順次御説明をお願いします。
○企画官 それでは、私から説明をさせていただきます。
まず、資料1でございます。右下に通し番号を振ってございます。こちらの通し番号を申し上げた上で各々内容を御説明したいと思います。
まず、3ページを御覧ください。上の箱でございます。令和2年度の過労死等防止のための施策の状況等を報告するもので、6回目の白書ということになります。本年の白書の主なポイントとしましては、1つ目のポツでございますが、本年7月に閣議決定された過労死等防止対策大綱について、その変更の経緯、内容といったものを記載した。これが1点目でございます。
2つ目のポツでございます。重点業種・職種であります自動車運転従事者と外食産業につきまして、調査分析結果を記載した。これが2点目でございます。
4ページは第1章、大綱で定める数値目標1の現状に関して、でございます。左の図を御覧いただきますと、全ての雇用者に占める週60時間以上の雇用者の割合は減少傾向にあり、令和2年で5.1%となってございます。右の図を御覧ください。週40時間以上の雇用者、つまり、フルタイムに限定した週60時間以上の割合で見ますと、9.0%となっております。5年後の目標値は5%ということでございますので、いずれ時間外労働のさらなる削減が必要かと思います。
その下に業種別の状況を掲げてございますが、御覧のとおりばらつきが認められるといった状況でございます。
5ページは、所定外労働時間につきまして、業種別に、令和元年の青線、コロナ禍にあります令和2年の赤線を比較したものでございます。多数グラフを載せてございますが、概しまして所定労働時間は前年同月を下回っているという状況が見られます。
6ページを御覧ください。一方で、こちらは週80時間以上の雇用者数について同様に比較したものでございます。一部の業種、例えば右下の医療・福祉といったところを見ていただければと思いますが、こういった業種、その一定の月において前年同月を上回っているといったことが分かろうかと思います。コロナ禍において、労働時間という観点で見て、一部労働者へのしわ寄せが生じているといったことを示唆しているということかと思っております。
7ページ、8ページにつきましては、本年の労働経済白書掲載の分析結果でございますが、7ページが労働者の肉体的負担感、8ページが精神的負担感についてアンケート調査を行っておりまして、それを業種別、性別、雇用形態別に、また、正社員、非正社員別に令和2年1月以前の平時と比較して、コロナ禍の各時期の状況をお示ししたものでございます。左から2番目とか3番目、医療業や社会保険・介護事業等を見ていただきますと、これらは平時から負担感が高い水準にあったところですが、その後さらなる増加傾向を示しております。
8ページの精神的負担についても同じ箇所を見ていただければと思いますが、これらの業種において同じような傾向が見られています。ですので、肉体的あるいは精神的負担感がコロナ禍で高まっているといった業種等があることからも、これを踏まえた過労死等の対策を講じていく必要があると考えております。
9ページを御覧ください。大綱数値目標の2、3に関してでございます。左上の図を御覧ください。勤務間インターバル制度の認知度、令和2年で10.7%となっています。
右上の図を御覧ください。同制度の導入企業割合は4.2%となっており、5年後の目標に向けた取組が必要となってございます。
左下の図です。年次有給休暇の取得率は増加傾向にありますが、令和元年で56.3%となっています。
10ページはメンタルヘルス対策についてです。左の図です。対策に取り組む企業割合は少しずつ増加して、61.4%といった状況ですが、目標値82%とはまだ乖離している状況です。
その下に規模別の割合を示していますけれども、小規模ほど取組が遅れているといった状況になっています。
右上の図を御覧ください。仕事上の悩み等の相談先が職場にある労働者割合は、70%前後で推移しています。目標値90%には達成していません。
右下の図は、ストレスチェックの集団分析を活用する事業所割合ですが、66.9%で目標値を達成している状況です。
11ページは、第2章の過労死等の現状について、でございます。民間労働者の労災補償状況、国家公務員、地方公務員の公務災害別に、左側が脳・心臓疾患の認定件数、右側が精神障害の認定件数、こういったものの推移を載せています。
ここには掲載しておりませんけれども、本日机上に配付させていただいております白書には労災の請求件数についても載せています。お手元の白書56ページ、第1-1図が脳・心臓疾患の請求件数、66ページ、第1-12図が精神障害の請求件数でございます。経年の推移については、こちらを御参考にしていただければと思います。
元の資料11ページに戻ります。一番上が民間労働者の認定件数で、左側の脳・心臓疾患につきましては減少傾向、右側の精神障害の件数は、ここ数年増加傾向にあるといった状況になっています。
12ページは、第3章として、大綱の変更の関係をごく簡単にまとめたものでございます。新たな大綱の主な取組としては、1番の新型コロナ感染症の影響、あるいはこれにも関連するテレワーク等の新しい働き方を踏まえて、現状に沿った過労死対策を進めていく必要があること、これが1番目です。
そのためには、2番目にありますように、調査研究においても新しい働き方でありますとか、新たな対象でありますとか、こういったものを適宜追加していくということにしたこと。加えて、過労死防止支援ツールの開発に向けても取り組むといったことを入れ込んでいます。
3番目としましては、遺児サポートのための相談対応の拡充といったものを入れてございます。
4番目としましては、数値目標について新たに定めて取り組む。こういった内容になっています。
13ページは、第4章、調査・分析結果の自動車運転従事者についてです。左上の図は、トラック運転者の精神障害認定事案の出来事別を順に示したものでございます。月80時間の時間外労働、悲惨な事故等の目撃といった出来事が上位を占めています。
左下の図につきましては、平時の業務関連の悩み等の内容について、トラック、バス、タクシー運転手それぞれにアンケート調査を行ったものです。赤字が最も多い回答を示していまして、トラック、タクシーについては賃金水準の関係、バス運転手については不規則勤務の関係、こういったものが最も多い回答となっています。
右の図は、新型コロナ感染症の影響について平時からの変化を確認しているものですが、労働時間につきましては、タクシー、バスで顕著に労働時間を短縮している。休日・休暇につきましては、両業種を中心に特に取りやすくなっている。一方、ストレスなどはそれぞれ増加しているというのが見てとれるかと思います。
14ページは、外食産業の関係でございます。左上の図は宿泊・飲食サービス業の精神障害認定事業について、同様に出来事の上位のものから並べてございます。
左下の図は平時のストレス・悩みの内容ですが、こちらは店舗を取りまとめるスーパーバイザー、店長、店舗の従業員といった職種別に調査をしています。同じく赤字が最も多い悩み等の回答ということで、管理的な立場にあるスーパーバイザー、店長については売上げ・業績、従業員については人間関係が一番多い回答になっています。
右図は、新型コロナ感染症の影響でございます。労働時間、休日・休暇、ストレス・悩みとも、先ほどの自動車運転従事者と同じような傾向が出ています。
15ページは労災認定された自殺事案の分析結果でございます。まず、左上の図ですが、自殺した曜日については、月曜日が一番多くなっています。その下ですが、精神障害の発病から自殺、死亡までの日数につきましては、6日以下が最も多くなっています。大きな出来事から自殺までの日数が近接するということで、日頃からの対策が必要であるということを示唆しているものと思っております。
右図は医療機関の受診状況で、全体の6割強が未受診といった結果になっています。
16ページはコラムの御紹介で、過労死等防止調査研究センターの介入研究の関係でございます。
17ページ以降は、第5章として大綱に定められた国が取り組む重点対策の令和2年度の取組状況について、新しい大綱の項目に沿って順に記載しています。説明は割愛させていただきます。
最終の30ページには、今回白書に掲載した17本のコラムの一覧を載せてございます。
31ページからの資料2は、大綱による国が取り組む重点対策について、平成27年度以降の取組状況を経年的に取りまとめたものです。この資料では、新大綱の新項目を一部追加していますが、こちらも中を見ていただくこととし、説明自体は割愛をさせていただきたいと思います。
資料3、75ページは過労死等防止啓発月間の関係でございます。本年のシンポジウムについて、こちらにまとめていますが、11月を中心に中央及び47地方会場ということで、開催を既に終えています。なお、中央シンポでは、C会場に、「脳・心臓疾患の新しい労災認定基準について」とありますように、労災手続をシンポで取り上げる試みをしたところでございます。
76ページは、ポスター、パンフレット、リーフレット等々の今年の月間の広報の実績として載せています。また、右下欄のとおり、こういったものも駆使しつつ周知活動を展開したということで、御紹介をしています。
77ページは、本年の過重労働解消キャンペーンの取組の御紹介でございます。
78ページです。労働安全衛生総合研究所において、各種の調査研究をしていただいています。1は過労死等事案の分析ですが、本年度につきましては、令和元年分の認定事案を収集して、これを追加して分析をしておるということです。
2は労働・社会面の調査ということで、新大綱にも定められました新しい働き方に関する設問といったものも含むアンケートを今、実施中ということです。
3の疫学研究等は、中長期的な研究でございますが、引き続き継続してやっております。
4の過労死防止の支援ツールの開発、こういったものにも着手しつつあるといった状況です。
これらの調査研究の結果等につきましては、来年度に公表したいと考えています。
79ページは啓発事業の関係ですが、コロナ禍で一部リモートといったことにもなっておりますけれども、昨年以上の実施が見込まれるといった状況でございます。
続きまして、80ページ以降でございます。80ページの上の箱につきましては、GtoBの要請の関係ですが、経団連様から御要請を受けましたので、本年7月に私どもから全省庁に対して協力依頼をさせていただいています。
その下、自動車運送業の取組ということで、特に後段に令和2年、3年の取組を追加で記載しています。輸送品目別ガイドラインの周知でありますとか、荷主向けの動画の作成・公開といったものが新たなメニューで追加されています。
81ページを御覧ください。建設業ですが、3ポツ目、工期に関する基準の作成をしています。
その下のIT業界につきましては、働き方改革推進の地域モデルといったものを展開しているという内容です。
82ページ、医師の関係につきましては医療法改正法が本年5月に成立をしています。
医療従事者につきましては、その囲いにありますような取組を引き続き進めているといった状況でございます。
83ページは参考で、脳・心臓疾患の今般改正された労災認定基準を載せています。
84ページ、相談窓口につきましては、今回大綱に盛り込みました「ハラスメント悩み相談室」あるいは「フリーランス・トラブル110番」といったものも御紹介しています。
85ページは過労死遺児交流会についてですが、今月26日に滋賀でスキー体験を中心として行う予定ということで、御紹介をしてございます。
ちょっと飛びまして、102ページ、資料8が関係省庁分も含めました過労死等防止対策に関する予算の全体像でございます。一番上の令和4年度概算要求額ですが、238億円余りといった状況になっています。個々の予算内容までは申し上げませんが、助成金の増額など必要な部分の維持・増額を要求しつつ、合理化・効率化の観点から一部経費の見直しを図ったといったものになってございます。
ちょっと雑駁ではございますけれども、私からの説明は以上でございます。
○人事院職員福祉局職員福祉課長 人事院職員福祉局でございます。
それでは、86ページ、資料4について御説明をさせていただきます。まず最初に下の四角の「令和3年度人事院公務員人事管理に関する報告」の部分を御覧ください。先般過労死等防止対策大綱が変更されました。その際、数値目標が改定されるとともに、公務員についても目標の趣旨を踏まえて必要な取組を推進することとされました。これを踏まえまして、人事院としての取組を8月の人事院勧告に併せまして国会、内閣に対して報告しております。この点につきまして御説明させていただきたいと思います。
上の「人事院の取組」のところを御覧ください。1つ目は長時間労働の是正についてでございます。国家公務員についても超過勤務命令を行うことができる上限を人事院規則で定めております。人事院としては、引き続き各府省における超過勤務の上限に関する制度の運用状況を把握した上で、各府省に対する指導・助言を行っていくこととしております。具体的には、上限を超えて命令ができる特例業務の範囲、上限が高くなる他律的業務の比重が高い部署の指定の適正化、長時間労働の場合の医師による面接指導の徹底、あるいは人員配置、業務分担の見直し等について指導を行っていくこととしております。
また、超過勤務の縮減に当たっては、職員の勤務時間を適正に把握して管理することが重要でございますので、客観的な記録を基礎とした勤務時間管理を求めているところでございます。
次に、各府省において業務の合理化等を行った上で、業務量に応じた要員が確保される必要があることも改めて指摘をしております。
さらに、この協議会でも御意見をいただいております国会対応業務については、国会対応業務の改善を通じた国家公務員の超過勤務の縮減について、以前より踏み込みまして、国会を名指しする形で、国会等の一層の御理解と御協力をお願いしたいというふうに述べてございます。
2つ目はテレワーク等の柔軟な働き方への対応でございます。公務においてもテレワークが拡大している状況を受けまして、現行のフレックスタイム制の柔軟化など、テレワーク等の柔軟な働き方に対応した勤務時間制度等の在り方について検討を行うため、有識者による研究会を設けることを表明いたしました。併せて、テレワークを行う職員の作業環境の整備、健康状態の把握等の方策も検討を行う予定です。加えて、過労死等防止対策大綱におきまして、民間における勤務間インターバルの制度の導入企業割合等につきまして、数値目標が設けられていることも踏まえまして、公務における勤務間インターバルの確保の方策についてもこの研究会で検討を行っていくこととしております。
3つ目はハラスメント防止、心の健康づくり対策の推進でございます。人事院は昨年4月、パワハラ防止等の措置を講ずるための人事院規則を制定し、6月に施行してございます。ただ、現状、パワーハラスメントを理由とする処分事案等が依然として発生している状況があります。このため、各府省のハラスメント防止対策の実施状況を把握し、必要な指導を行うとともに、セミナーの開催や研修用教材の改訂等を行うなど、各府省においてハラスメント防止対策が適切に実施されるよう、必要な支援・指導を行ってまいります。
心の健康づくり対策につきましては、人事院が設けている相談窓口について、相談を希望する職員がより相談しやすい体制となるよう、オンライン相談を令和4年度をめどに導入し、利用の拡大を図っていくこととしております。
また、ストレスチェック制度につきまして、制度導入から5年が経過したことも踏まえまして、有識者の意見を聴取して、制度の改善について検討を進めているところでございます。今後ストレスチェック制度がより効果的に活用され、職場環境の課題の把握や改善が円滑に行われるよう、各府省への支援を行ってまいります。
さらに、民間における検討も踏まえた心・血管疾患及び脳血管疾患の公務上災害の認定指針の改正を本年9月に行ったほか、脳・心臓疾患及び精神疾患等に係る公務災害認定事案の分析に基づきまして、過重な業務に従事している職員に対する勤務時間管理の徹底や体制面での配慮、日頃からの心身の健康管理や適切なケア等につきまして、過労死等防止の観点から各府省に対し指導・助言を行ってきております。
御説明は以上でございます。
○内閣官房内閣参事官(働き方改革推進担当) 続きまして、内閣人事局でございます。どうぞよろしくお願いいたします。
内閣人事局では、人事院と連携いたしまして国家公務員に対する周知・啓発や相談体制の整備のための取組を進めているところでございます。資料5、87ページを御覧いただきたいと思います。令和3年度における過労死等の防止対策の実施状況につきましては、おおむね2つの柱がございまして、1つ目は働き方改革の推進、次ページにございます心身の健康の保持増進、この2つを柱として取組を進めているところでございます。
まず、1つ目の柱の働き方改革の推進につきまして御説明をいたします。令和3年度の取組につきましては、1つ目として働き方改革を強力に推進するため、本年1月に「国家公務員の女性活躍とワークライフバランス推進のための取組指針」を改正いたしまして、業務効率化・デジタル化の推進及びマネジメント改革を主軸とした取組を拡充いたしました。改正後の取組指針等に基づきまして、各府省庁の長時間労働等対策、マネジメント改革等の取組を推進しているところでございます。
2つ目の業務効率化・デジタル化の推進につきましては、業務見直しのさらなる推進のため、幹部職、管理職及び実務担当者向けの業務見直しに関する研修を実施しております。これまで延べ700人弱の職員が参加しております。
3つ目は長時間労働等対策の強化でございます。令和2年10月、11月に在庁時間調査を実施いたしまして、若手職員への負担の偏在等の実態を把握いたしました。また、その結果につきましては各府省にフィードバックをいたしました。
さらに、令和3年1月には各府省に対し、超過勤務時間の確実な把握や適切な超過勤務命令の実施、早期退庁の徹底につきまして要請をいたしたところでございます。
今後も各府省に対しまして、長時間労働等対策の強化のため、勤務時間の状況の客観的把握の実施、在庁時間の実態把握、分析、対策、これらが行われるよう各府省を支援してまいりたいと考えております。
4つ目につきましては、ワークライフバランス推進のためのマネジメントの向上であります。まず、アにございますマネジメント研修についてであります。新任の管理職全員を対象といたしまして、マネジメント能力の向上を図るための研修を新たに実施することといたしました。また、管理職のマネジメント能力向上に資する具体的なスキルやツールを紹介するマネジメントテキストの作成・公表もいたしたところでございます。
イの管理職向けのe-ラーニングも平成29年から実施しており、約3万人の全管理職を対象として行っているところでございます。
さらに、ウのマネジメントセミナーにつきましては、本省及び全国の地方機関等の管理職を対象といたしまして開催をしているところでございまして、管理職として求められる行動や役割について、講義のほか、グループ討議なども盛り込みながら研修を実施しているところでございます。
続きまして、2つ目の柱、心身の健康の保持増進につきまして御説明をいたします。資料5の2枚目を御覧いただければと思います。管理職員などによる健康マネジメントの推進という観点で進めているものでございます。まず、国家公務員に対する周知・啓発の具体的な取組として4点ございます。1つ目といたしましては、管理監督者のためのメンタルヘルスセミナーを実施しているところでございます。これはメンタルヘルスの基礎知識やメンタルヘルス不調者への実際の対応方法について習得するためのセミナーでございまして、令和3年度にはオンライン形式で全4回実施しているところでございます。
2つ目は健康管理に関する意識啓発講演会といたしまして、10月1日から7日の国家公務員健康週間中に、今年度は新型コロナ禍の下、テレワークという働き方が進む中でのメンタルヘルスケアにつきまして御講演をいただいたところでございます。
また、3つ目のe-ラーニングによるメンタルヘルス講習、ハラスメント防止講習につきましては、新任管理者、課長補佐、係長、また、新任の幹部職員及び課長級職員を対象といたしまして、メンタルヘルスやパワーハラスメント防止等の知識や、部下からの相談への対応方法、そして幹部職員等の果たすべき役割と責任の理解の習得、これらのために今年度もe-ラーニング講習を実施しているところでございます。
4つ目は生活習慣病対策等の健康増進対策であります。過労死等の原因となる脳血管疾患等を予防する観点からは、健康診断において、要医療・二次健診の対象となりました職員への確実な受診の指導を行っているところでございます。
また、国家公務員に対する相談体制の整備に関する取組といたしましては、各府省等カウンセラー講習会をオンライン形式で全3回実施しております。受講者のカウンセリング能力を高めていただくことを目的といたしました実践的講義を行っているところでございます。
内閣人事局の取組につきましては以上でございます。どうぞよろしくお願いいたします。
○総務省自治行政局公務員部安全厚生推進室室長 続きまして、総務省でございます。
資料6、右下の通しページ89ページをお開きください。総務省における過労死等の防止対策の実施状況を御説明いたします。総務省においては地方公務員の過労死等の防止対策を講じておりますが、実際の防止対策を講じているのは、1,700余りの都道府県、市区町村でございます。そうした地方公共団体向けに総務省からは様々な周知や情報提供、要請、調査研究等を行っているということでございます。
1枚おめくりいただきまして、右下の通しページ90ページでございます。まず、地方公共団体における時間外勤務縮減の取組でございます。勤務時間の適正な把握、時間外勤務の縮減、あるいは年次休暇の取得促進、こういった点につきましては、令和3年2月3日に総務省の関係課室長連名で地方公共団体に取組を要請する通知を発出しているところでございます。なお、この通知につきましては、例年、年末に公表しております勤務条件等調査に基づきまして年明けに様々な要請通知を発出しているところでございまして、今年度につきましても年明けに同様の要請通知を発出する予定としております。
3番の地方公共団体の人事担当課長等が出席する全国協会議における要請でございます。先ほど申し上げた勤務条件等調査のヒアリングは、47都道府県、20の政令指定都市、また、47都道府県の市区町村担当課を対象にヒアリングを行っております。こういったヒアリングの場とか地方公務員行政に関するブロック会議等、本年度はリモートで実施しておりますが、様々な会議において、先ほど申し上げたような勤務時間の適正な把握の要請や、時間外勤務縮減の要請を行っているところでございます。
また、ダイバーシティ・働き方改革推進協議会も総務省と地方公共団体の担当者で組織をしておりますが、令和3年度の分科会におきましても先ほど申し上げたような時間外勤務縮減の取組等について意見交換をし、また、取組の確実な実施を要請しているところでございます。
91ページは地方公務員の過労死等をめぐる調査・分析でございます。これにつきましては、令和3年度におきましても、平成22年1月から令和2年3月までの公務災害と認定された事案468件についてデータベースを構築し、分析をしております。これにつきましては過労死等防止調査研究センターに委託をして実施しているというところでございます。
下の地方公共団体におけるメンタルヘルス対策の実施状況でございます。労働安全衛生法上は50人以上の事業場にストレスチェックが義務づけられておりますが、総務省から地方公共団体に対しましては、50人未満の事業場を含め全ての職員にストレスチェックを実施するよう依頼しているところでございます。ストレスチェックの実施状況、令和元年度につきましては、全事業場のうち97.2%で実施をされております。また、メンタルヘルス対策の取組状況につきましても、94.2%の地方公共団体で何らかのメンタルヘルス対策の取組を実施しているという結果になっております。
このメンタルヘルス対策につきましては、91ページの一番下にありますように、今後の地方公務員のメンタルヘルス対策の参考とするため、各地方公共団体の取組につきましてアンケート調査を実施しているところでございます。間もなく取りまとめの予定になっておりまして、この結果も踏まえて各地方公共団体におけるメンタルヘルス対策の取組の支援をしてまいりたいと思います。
92ページ、地方公務員に対する研修、相談窓口の状況でございます。総務省に置かれております地方公務員の研修機関であります自治大学校におきましては、幹部職員等を対象とした研修の課程がございます。その課程におきまして、そこに掲げられておりますようなメンタルヘルスにおけるリーダーシップ等の講義のこまを設けまして、管理職候補の職員等に対しまして研修を実施しているところでございます。また、総務省の関係団体であります地方公務員安全衛生推進協会におきましては、東京、大阪のほか、全国の10会場でメンタルヘルス・マネジメントの実践研修会を行っておりまして、東京会場、大阪会場には総務省も参加いたしまして、地方公共団体の労働安全衛生の取組の現状とか取組促進の要請を行っているところでございます。
また、地方公務員に対する相談窓口につきましては、各地方公共団体の人事委員会等におきまして苦情相談窓口を設置されているところでございますが、これに加えて、メンタルヘルス相談として地方公務員共済組合における相談窓口の設置や、地方公務員災害補償基金等における相談窓口として、無料の電話(Eメール)等の相談を実施しておるほか、消防庁におきましては、消防職員の惨事ストレスに対応する必要な支援を行う緊急時メンタルサポートチームの派遣等を行っているところでございます。
総務省からは以上でございます。
○文部科学省初等中等教育局初等中等教育企画課課長補佐 文部科学省初等中等教育局でございます。文部科学省における対策の実施状況について、最新の状況を簡潔に御説明させていただきます。
資料7、93ページからになります。まず、94ページを御覧いただければと思います。公立学校における働き方改革の推進について、一覧としたものです。この資料を中心に説明させていただき、別途つけております幾つかの補足資料を御説明させていただきます。
まず、冒頭に記載しておりますように、学校における働き方改革は、特効薬のない総力戦であるため、国・教育委員会・学校それぞれの立場で取組を進め、教師が教師でなければできないことに全力投球できる環境整備を行ってまいりたいと考えています。まず、この協議会でも何度か紹介させていただきましたが、令和元年の給特法改正により、公立学校の教師の勤務時間の上限について指針を策定しております。また、休日の「まとめ取り」のため、1年単位の変形労働時間制を地方公共団体の判断により条例で選択的に活用できるというふうにしております。この指針などにつきましては、各教育委員会に通知するとともに、Q&Aも作成いたしまして趣旨を伝えているところですが、研修会などあらゆる機会を通じて周知徹底に努めているところでございます。
次に、学校や教育委員会からの国への要望を踏まえた各取組の推進というところでございます。上段の「教職員定数の改善」から「部活動の見直し」については、恐縮ですが、98ページ以降の資料で御説明をさせていただきたいと思います。98ページを御覧ください。新しい時代の学びの環境整備といたしまして、小学校における高学年の教科担任制の推進と、35人学級の計画的な整備のため、まず小学校の高学年における教科担任制の推進について、令和4年度は2,000人の定数改善を要求しております。別途有識者会議もございまして、その報告において、優先的に専科指導の対象とすべき教科といたしまして、外国語、理科、算数、体育ということとされています。
右側ですが、少人数によるきめ細かな指導体制の計画的な整備等といたしまして、小学校における35人学級の推進に向けて、令和4年度概算要求で3,290人の定数改善を求めているところでございます。そのほかにも、働き方改革や複雑化・困難化する教育課題への対応のための定数改善も求めているところです。
99ページをお願いします。支援スタッフの配置支援に関しまして、教育業務支援員、いわゆるスクール・サポート・スタッフの配置や、学習指導員、中学校における部活動指導員の配置について取組を進めております。例えば、一番上の教育業務支援員については、学習プリントの印刷、電話対応、コロナ対策としての消毒作業等を行っていただいております。こうした業務についての教師の負担軽減を図ることで、教師には本来の教育活動に注力してもらうように取り組んでいるところです。こうした多様な支援スタッフについて、令和4年度概算要求ではそれぞれ配置の充実を求めているという状況でございます。
100ページと101ページは、それぞれ部活動改革についてでございます。以前のこの協議会でも御報告しましたとおり、部活動改革としては、令和5年度以降、休日の部活動を段階的に地域に移行していく方向性を打ち出しておりますが、運動部活動、文化部活動、それぞれそのための実践研究を今、進めているところでございます。
恐縮ですが、94ページにお戻りいただければと思います。下段の部分になりますが、教員免許更新制やICT環境整備の支援、学校向け調査の削減など様々な取組を進めておりますが、左端の教育免許更新制の検証について補足をさせていただきます。11月15日に中央教育審議会の特別部会で審議の取りまとめがなされました。その審議のまとめの中で、現職研修の充実と教員免許更新制の発展的解消などについて提言が出されました。この審議まとめの内容についてスピード感を持って実現できるように、現在制度改正などに向けて検討・調整を進めているところでございます。
そのほか、自治体や学校における改革サイクルの確立のところでございますが、文部科学省においては、学校における働き方改革のための取組状況調査を実施したり、好事例の全国展開を行ったりということをしているところでございます。このほかにも、各教育委員会におきましては勤務時間の客観的な把握の徹底であるとか、それぞれ取組の推進ということを同じようにやっていただいているところでございます。
文部科学省からの説明は以上でございます。
○中窪会長 ありがとうございました。
ただいまの各府省からの御説明につきまして御質問や御意見を伺いたいと思います。事務局は複数の委員からの質問・御意見等についてまとめて回答いただきたいと思います。それでは、挙手の上、要点を簡潔に御発言をお願いいたします。では、冨髙委員、お願いします。
○冨髙委員 ありがとうございます。資料1の白書の概要について幾つか御意見を申し上げたいと思います。7ページ、8ページのところで労働時間等の状況で、肉体的負担、精神的負担の推移というところを御報告いただきました。これはいずれも男性より女性のほうが負担感が大きい傾向が見られるということと、増加率は女性の非正規で働く社員が全体的に高い傾向にあるというところが報告でもございましたけれども、令和2年度以降、女性の有職者の自殺が増加しているということもございます。そのようなことを踏まえると、先ほど事務局のほうからも分析の内容を踏まえた対応を行うということで御説明がございましたが、パートタイマーや有期雇用労働者に向けた啓発や相談につなげていく取組の強化が求められるのではないかと考えております。
次に、11ページに過労死等の現状ということで、労災等の状況について御報告いただきました。精神障害の労災請求件数というのは右肩上がりで増加を続けていると思いますし、認定件数も高止まりしているというところは大変気がかりなところでございます。脳・心臓疾患と精神障害共に、直近10年程度は認定率が少し低下傾向にあるように思いますけれども、今年9月に脳・心臓疾患の労災認定基準が改正されたところでもございますので、引き続き適切な労災認定がなされるように監督官庁として取り組んでいただきたいと思います。
13ページ、14ページ、今のところにも少し関連しますが、重点業種・職種の分析結果の中でも、精神障害事案における具体的出来事としてハラスメント関連の項目が高い割合を占めていることを見てとっております。連合の労働相談でも、ここ数年、ハラスメント・嫌がらせに関する相談がかなり高い割合になっておりまして、最近では相談内容のトップになっております。やはり全ての職場におけるハラスメント対策の徹底が重要であり、急務だと思っておりますので、ぜひ中小企業においても今後義務化されるということも踏まえまして、さらなる周知と助言指導を行っていただきたいと思います。
最後になりますけれども、15ページ、労災認定事案の分析で、自殺に関連するところについて御報告いただきました。発病から死亡までの日数について、6日以下が半数近いという一つ大きな内容が示されておりますが、この日数の中ではなかなか気づくことが難しいという場合も少なくないかと思います。先ほど事務局のほうから日頃の対策ということをおっしゃっていただきましたけれども、もちろん労働組合も大綱に示していただいたように自ら役割を果たして積極的に対応していきたいと思っておりますが、ぜひ国としても有効な対策を講じていただきたいと考えておりますし、この内容を踏まえて、現時点で何か対策を考えられていることがあれば見解をお伺いしたいと思います。
以上です。
○中窪会長 ありがとうございました。
そのほか。では、黒田委員、お願いします。
○黒田委員 今の連合の冨髙さんの質問、御意見に関連しているものですから、発言と要望等をお願いしたいと思います。黒田兼一です。
先ほどの事務局からの御説明でもちょっとあったのですが、本文の56ページ、66ページ、過労死の労災の認定件数について、この数字をどのように見たらいいのかということをお伺いしたいと思います。新型コロナの感染症の今後の見通しは明るくないわけで、厚労省もいろいろと苦労されていると思いますけれども、今後1~2年の間でもコロナとどう向き合いながら働いていくのか、労働していくのか、生活していくのかというのがいろんなところで語られています。私の質問は、この申請件数を脳心臓疾患と精神障害、それぞれ双方を見ますと、双方とも申請件数が減少していますが、特に脳心の減少が大きいのですが、これは過労死等対策が前進しているとみたら良いのか、あるいはコロナ感染の拡大によって申請自体を控えたのかどうかということです。この辺り、今後もこの問題は働くことを通していろんな支障が出てくることが予想される中で、労災問題をウィズコロナの中でどのように考えていったらいいのか、申請していったらいいのかということを考えざるをえません。DX、デジタル化との関連で、今後はデジタル申請も行われるようになるのかもしれませんが、今回のこの数字はどう見たらいいのでしょうか。今後ともウィズコロナという関係の中で労働災害についてはそういうことを念頭に置きながら考えていく必要があるのではないでしょうか。労災申請の在り方、認定基準の在り方、テレワークなどDX、ペーパーレスに伴う様々な働き方の変化の中で、とりわけこの数年間のコロナとの関係の中で、我々としてもそういう側面を念頭に置きながら考えていく必要があるのではないかと思うのです。
質問としては、その数値をどのように解釈したらいいのかということですが、今後ともコロナとの関係でそういうことを頭に置きながら対策を具体化していくという大きな課題が私たちの協議会にもあるのではないかと思うわけです。
ついでですので、2つ目にハラスメント問題で意見を述べたいと思います。実は今年の9月に過労死防止学会の全国大会で韓国のイム・サンヒョク氏(韓国・グリーン病院院長)の報告を受けました。「韓国の職場内ハラスメント(harassment)現象と課題」と題した報告でした。その中で、2019年から韓国では勤労基準法、日本で言う労基法に似たようなものだと思いますが、これが改正されて、その基準法の中にハラスメントを禁じるという、ハラスメントの禁止の規定が明文化されたそうです。この法律は実は今年の4月にも再改定されています。様々な問題で不十分なところがあったというので、ハラスメントの全面禁止とその救済の強化という視点から再改定されたということでした。
翻って、私たちの国の現状を考えてみますと、均等法、あるいはパワハラ防止法という形で、法律はできたのですが、明確な形でのハラスメント禁止という規定がされていないと指摘されております。この点は労働法関係者のなかでも様々な意見があると思いますけれども、来年4月からはパワハラ防止法が中小企業にも適用されることになっています。その点から考えてみますと、若い人の過労自殺の主因がハラスメント、パワハラにあることを考慮に入れると、韓国の事例、ハラスメントは禁止するという明快な条文について、その辺の実態がどうなっているかということも含めて、本協議会でも研究や調査をしていく必要があるのではないかと思います。日本における効果的なハラスメント防止、あるいはハラスメントをしない、ハラスメントは犯罪であるということ、これらを周知徹底していくためにも、法制度の在り方も含めて関係省庁とも相談しながら検討していくことを強く要望したいと思います。
前半で申し上げました質問のほうをよろしくお願いします。
以上です。
○中窪会長 ありがとうございました。
それでは、髙橋委員、お願いします。
○髙橋委員 ありがとうございます。全国センターの髙橋でございます。
白書でも過労死等防止シンポジウムの開催の報告がありましたが、私も昨年は6ヶ所、本年度は5ヶ所、福井、愛知、岐阜、香川、愛媛会場で遺族として話しました。どの会場でもハラスメント防止対策がテーマになり、労働局からはハラスメント防止措置が事業主の義務になったこと、来年は中小企業にも義務づけられることなど、周知・説明が行われました。
1つ目は、その中で特に印象に残った問題をお話しします。岐阜で会場から次のような質問がありました。経営者、トップのパワハラにどう対処したらいいですか。いまだにハラスメント対策に消極的な企業が存在していることにどのような原因が考えられますか。職場で時間外労働の手当を請求したところ、みんな自主的にやってくれている、従えないなら辞めてもいいと。認められず、シフトを減らされ、退職に追い込まれました。その後、労働組合に相談していると伝えると、執拗に人格否定や持論をまくし立てるような電話が続き、精神的に追い詰められました。労働基準監督署にも相談しましたが、経営者はそんな事実はないと認めませんでした。こうして泣き寝入りする労働者は多いと思います。こうした場合、労働者の人権や権利を守るために誰が助けてくれるのですかという悲痛な内容でした。
私も同様の経験があります。社長は早朝出勤を命じても時間外の賃金を支払いませんでした。社員のミスを見せしめのように社員全員の前で叱責し、謝罪させました。ついてこられないやつは辞めてもいい、代わりは幾らでもいると言い、みんなおびえながら働いていました。
管理職のハラスメント講習がありましたが、ハラスメント相談窓口は社長でした。誰も社長のパワハラをやめさせることはできませんでした。私が労基署に通報して離職した後に指導が入り、未払い賃金が支払われましたが、それから4年後の先日、元同僚からいまだに長時間労働やサービス残業をさせられている。休日出勤の代休を取らせてもらえない。その上、健康問題からコロナワクチンを接種できないと言うと、おまえにやらせる仕事はない、会社に来るなと社長に言われ、休んでいます。どうしたらいいですかという相談がありました。
労基署の指導があっても罰則はないし、ばれなければいいと思っているのです。パワハラや長時間労働をやめないのです。白書の259ページからの「こころの耳」に寄せられた相談、271ページからの「過労死110番」に寄せられた相談こそが労働者の真実の声です。労働者は一体どうしたらいいのか、お聞きしたいです。
川人先生が公表された運送大手では、同僚がパワハラを見ていて、上に通報していたのに、社員が亡くなりました。過労死が起きる前にとめなければいけないのです。パワハラは人の命を奪う、パワハラを絶対に許さない、パワハラがある会社は社会から淘汰されていくのだという認識を社会全体に広めるためにも、先ほど黒田先生からも提言がありましたが、パワハラを法的に禁止してほしいと思います。
白書の76ページに示されたとおり、精神障害の労災認定の出来事の類型に昨年から「パワハラ」が追加されました。今後パワハラ事案の労災認定も一層進めていってもらえることを望みます。
2つ目です。白書での調査・分析が示すように、精神障害の労災請求が増えているのはなぜですか。過労自殺の撲滅に至らないのは何が足りないのか、何をすればいいのか、明らかにしてもらいたいと思います。
169ページの自殺者の半数が発病から死亡までの日数が6日との報告、皆さん、問題視されていますが、眠る時間もないほど仕事をしている人に相談する時間があるでしょうか。相談するのはとてもエネルギーが必要です。一人暮らしの場合は家族も気づけません。何かあってからでは手後れなのです。相談体制の整備を続けることは重要ですが、会社にパワハラを相談しても、医療機関を受診するように言われ、パワハラの行為者に対して何もしてくれない。上司に相談したら、君にやらせる仕事はないから休職してくれ、戻れる部署はないと言われ、退職勧告を受けたという相談もあります。
私自身の場合、教育現場の負担は根本的に変わらず、毎年産業医面談を受けています。まだまだ支援が足りないと思います。労災は起きるべくして起きていると私は考えます。例外なく全ての職場で長時間労働やハラスメントに対しての法整備を強化することが必要なのではないでしょうか。
3つ目は、同じ会社での過労死、過労自殺の再発をなぜ防げないのか。調査、究明していただきたいと思います。娘の会社では、娘が亡くなる24年前に社員が過労自殺し、3年前にも過労死がありました。労基署の監視があっても娘を助けられませんでした。電機大手でも自動車会社でも何人も亡くなっています。大手電機メーカーの富山工場で2016年に過労自殺があり、起訴されましたが、再発を防げず、2019年に持ち帰りの長時間残業が原因で社員が亡くなりました。このように大企業での再発が立て続けに起きているのに、このままの対策を続けるだけでいいのか。強く問いたいです。
白書の192ページのメンタルヘルス対策にある、おおむね3年の期間に精神障害にある労災認定が2件以上あった場合、本社に個別指導を行うとされていますが、長時間労働とハラスメントがある職場では過労死と過労自殺が同時に起きています。精神障害による労災認定に限定し、期間をおおむね3年にする根拠はなぜでしょうか。企業名公表制度にある、今年11月に実施された1件の企業名はどこに公表されているのか全く分かりません。本当に見にくいです。公表制度も今後見直しをしていただいて、1件でも過労死があった事業所は公表し、個別指導を行い、経営者が過労死防止シンポジウムへ参加を義務付けるなど、強い対応を希望します。長時間労働を是認するような日本の職場の風習を変えなければ、貴い命の犠牲を止めることはできません。遺族として強く願うのは、実際に過労死の原因である長時間労働やハラスメントを根絶していくことです。
以上です。ありがとうございました。
○中窪会長 ありがとうございました。
今、大下委員が手を挙げられておりますので、あと、先ほど渡辺委員と工藤委員も挙げておられましたので、そこまでを一区切りにしてお答えいただくことにしたいと思います。では、大下委員、お願いいたします。
○大下委員 ありがとうございます。資料にありました令和4年度概算要求で、啓発に関する予算が約20億減少しています。業務の効率化によるものであれば結構ですが、取組の縮小・後退ということであれば、大いに懸念いたします。可能であれば、削減の主なポイントを教えていただきたいと思います。
これに関連して2点申し上げます。
一点目は、働き方改革を継続的に推進していくことが大事だと思います。白書では、令和2年度における長時間労働の改善が幾つかのデータで報告されていますが、この要因の一部にはコロナ禍での事業縮小によるものもあるかと思います。また、コロナ禍でテレワークが大分進みましたが、東京商工会議所が2021年11月に実施した調査によると、東京23区内の企業のテレワーク実施率は31.2%で、ピークであった2020年の5月の67.3%と比べて大きく下がっています。企業からの生の声としては、業務効率が低下をしているので取りやめたという声などが聞かれています。この2年間、様々な形で中小企業はコロナ対応に追われましたが、働き方改革についてはまだ十分進んでいないというのが実態であると我々は受け止めています。
日本商工会議所として、昨日、「雇用・労働政策に関する要望」を厚労省等に提出いたしました。その中で、働き方改革推進センターによる相談体制や働き方改革推進支援など、中小企業に対する支援策の強化・拡充を盛り込んでおります。真の意味での働き方改革の推進・定着に向けて、商工会議所としても積極的に企業への働きかけに取り組んでいきたいと思いますが、国におかれましても、引き続き同センターによる個別訪問支援やセミナー等への取組をしっかり継続いただきたいと思います。
二点目ですが、過労死等の防止には、その根本原因になっている様々な問題の解決への取組に継続的に粘り強く着手していく必要があるのではないかと思います。確かに、髙橋委員からお話がございました経営者の考え方みたいなところもあるかと思いますが、一方で、今回の概算要求の資料の中にもあるとおり、どうしても長時間労働につながってしまうような取引慣行が依然として残っている点に大きな問題があるかと思います。その問題は中小企業全体、あるいは日本の経済界全体に存在するものや業界ごとの商慣行や取引慣行によるものも多数あるかと思います。
日本商工会議所としては、国と連携しながら「パートナーシップ構築宣言」を推進して、大企業と中小企業間での取引価格や取引慣行の適正化に向けた取組を進めていますが、国としても継続的に取組んでいただきたいと思います。
加えて、職場での長時間労働を出来る限り防ぐためには、例えばIT活用を進めることによる生産性向上、企業における健康経営に対する意識向上、さらには根本的な問題である、建設、介護、ITなど特定業種における慢性的な人手不足状態から生じる長時間労働の解消に向けた取組を進めないことには、過労死あるいは過労死につながるような過労は解消されないと思います。いずれの課題も簡単に短期間で解決するものではないと思います。
岸田総理が新しい資本主義の一つの考え方として、人への投資を大事にしたいとおっしゃっています。長時間労働によって過労や過労死が起こることは、人への投資の観点から考えると、最も避けるべきものと思います。ぜひ関係省庁で連携して、この根本的な原因の問題解決に粘り強く取り組んでいただきたいと思います。
私からは以上です。ありがとうございます。
○中窪会長 ありがとうございました。
それでは、渡辺委員、お願いします。
○渡辺委員 ありがとうございます。過労死を考える家族の会の渡辺と申します。
今回の新大綱の変更内容につきまして、私どもの意見をたくさん取り入れていただきまして、ありがとうございました。白書も充実した内容のとても立派なものをつくっていただきまして、ぜひ多くの人に知っていただきたい内容だと思っております。これらを踏まえて、私から質問と意見を言わせていただきます。
1つ目は、遺族や遺児の支援につきまして新しく取り入れていただきまして、ありがとうございます。資料の29ページにも交流会について書いていただきましたが、今年度は12月26日に予定しておりまして、子供たちはとても楽しみに待っている状態です。いつも御支援ありがとうございます。
資料の69ページにありますように過労死の遺児のための相談体制というのを新しく取り入れていただきまして、本当に感謝しております。必要としているときに必要な支援が受けられるような体制を整えていただきますようによろしくお願いいたします。69ページに「予算請求中」と書いてあるのですけれども、今、どんな状況かというのが分かりましたら、教えて頂けたら幸いです。
厚労省のほうとして、全国に過労死の遺児がどのくらいいるかというのを把握していらっしゃるかどうかお聞きしたいと思います。過労死の遺児に対して支援というのを、今まで私が子供を育てていく中であまり目にしたことがないのですが、1つは労災遺児の奨学金ということで、毎年酒井振興財団というところから御案内のお知らせをいただいておりますが、定員が30人程度、特待生は若干名ということで、狭い窓口になっております。親が過労死した子供たちには何の罪もありません。必要としているところに手が届くような支援体制を考えていただき、それを子供たち、また、1人で必死に子育てをしている親御さんたちに周知していただけるような体制をぜひぜひ考えていただきたいと思います。
2つ目は、先ほどから取り上げられている過労死の脳・心臓疾患に対する認定数の話です。資料の11ページですと認定数しか出ていないのですけれども、白書の56ページですと請求件数も出ています。認定数だけ見ますと脳・心臓疾患は年々減少しているということで、先ほどの御説明でも減少傾向にあるという話をしていらっしゃいました。一見すると減少しているようですが、白書の請求件数を見ますと毎年増えております。令和2年度は減っているのですけれども、それまで毎年増えている。ということは、支給決定が翌年とか翌々年になるような事案がとても多いと思いますので、常識的に考えれば、通常は申請数が増えれば認定数も増えるはずだと思うのですが、減っているということに対して、何か分析をしたり、その結果をお持ちでしたら教えていただきたいと思います。
私たちの会員さんを見ると、どなたも必死で労災申請をしています。証拠を集めて、絶対過労死だというところで申請をしていますので、そういう人たちの苦しんでいる姿を見ると、支給決定件数が減っている理由をはっきりして頂き、皆さんに周知して、証拠が集まらないとか、うそを言っているとか、そういう理由がもし原因だとしたら、そこは調査や審査とかで改善していただきたいと思います。
3つ目は、ポスターやパンフレットを活用した周知・啓発事業についてです。資料の19ページとか76ページに出ております。パンフレット、本当に立派なものをつくっていただきまして、毎年毎年内容が充実してきていると思います。ここには労働局とか労働基準監督署とか都道府県に配布されていると記載があります。
私の夫は毎日深夜に帰宅して、長時間労働の挙げ句に過労死しております。私は当時、夫の長時間労働を本当に心配しておりまして、過労死するのではないかと冷や冷やしながら見ていたのですが、どこに相談すればいいかという情報は全然ありませんでした。当時、普通の主婦だった私に労基署に相談に行くということは全然思いもつかないようなことでした。そういう状態の私に、市役所とかコミュニティセンターで手に取りやすいようなところに相談窓口がたくさん載っているこんなパンフレットがあったら夫の人生は変わっていたのかなと非常に切ない思いを感じております。
かつての私と同じような思いをしている人の手元にこのパンフレットをぜひ届けたいと思いまして、このパンフレットを持って市役所とかコミュニティセンターとかいろいろ行ってまいりました。受け取ってくれるところもあります。置かせてくれるところもありますが、個人がこんなのを持ってきても駄目だよと言われたこともあります。役所の方の意識として、上から来ないと駄目だということを言われました。うちも厚労省さんから来ているはずだよと言ってくれる方もいたのですが、でも、一般の市民が手に取るようなところまでは来ていないのです。多分労働関係の部署のところに置かれているのではないかなと私に説明してくれた人はおっしゃっていました。
厚労省さんとか上の組織からの指示があれば、ロビーとか一般の人の手に届くようなところに置けるということを明言した担当の方もいますので、来年はぜひ厚労省から文章つきで、普通の人の手に届くようなところに置いていただくという対応を取っていただきたいと思います。労働関係の部署だけではなくて、保健センターとか精神保健担当の部署にも置いて、ハラスメントとか、苦しんでいる人にも手に取っていただけるような仕組みを考えてほしいと思っております。情報提供の在り方として、労基署とか労働局はもう既に過労死関係の情報が集まっている場所だと思います。そういうところに置くのはもちろんですけれども、このような情報が届いていないところにもぜひ置いていただきたいと思います。
私たちの仲間が11月の過労死防止月間に、労働相談をしている行政の窓口のようなところに行ってシンポジウムの話をしたところ、11月にそういうことをやっていることを知らないとおっしゃった担当官がいらしたようです。11月は過労死の防止啓発月間ということをもっと多くの人に知っていただきたいと思います。ポスターを人が集まるところに貼っていただいたり、ネット上でもいろいろやっていただいているのは十分承知しているのですけれども、テレビで11月は防止啓発月間ですというCMを流していただけると、かなりの人が見て下さり、過労死、ハラスメントは許されないということを国民全体で共有できると思います。過労死のない国にする、ということで、多くの人の意識を啓発するためにテレビというメディアも使って頂きたいというのが希望です。
もう一つ、資料の20ページとか白書の214ページにあるのですが、過労死を発生させた事業所等に対する重点監督ということで、私たちがこれをぜひ入れてほしいという意見を出しました。それから今、髙橋さんからも出ていたように、再発防止というのを私たちは本当に願っています。過労死を出した事業場等が11月の防止月間中のシンポジウムに参加しているかどうかというのを厚労省側としては把握しているかどうかということをお聞きしたいと思います。また、過労死を出した企業に参加するような案内を出していただいたかどうかということです。遺族としては1回出すのでも本当に許せないのですけれども、何回も出すという事業所に対しては、対策の手だてをしっかり取って反省していただきたいという思いがありますので、シンポジウムとか遺族の話が聞ける機会にぜひ来ていただいて、話を聞いていただきたいという思いがあります。
以上です。よろしくお願いいたします。
○中窪会長 ありがとうございました。
それでは、工藤委員、お願いします。
○工藤委員 ありがとうございます。過労死を考える家族の会の工藤と申します。
今回の白書は大変充実していまして、また、公務員についても分かりやすくなってきていると感じまして、ありがとうございます。私からは3点述べさせていただきます。
1点目は、大綱の改正で数値目標について、公務員についても「目標の趣旨を踏まえ、必要な取組を推進する」というふうにありまして、先ほどから聞かせていただいて、たくさん対策が取られているということが分かりました。それを受けまして、資料の9ページで年次有給休暇に関しては国家・地方公務員について出ているのですが、今後公務員の取組をどのように白書で可視化していくかということの展望について教えていただければと思います。
今まで白書では公務員について、どのような現状に対してどのような対策が取られているかということが全然分からない状態になっておりますので、たてつけは違うと思いますが、取組についてきちんと可視化して、皆さんに分かるようにしていくということが公務員の過労死等防止の対策に必要だと思っております。
教員についてですが、労働安全衛生の対策がちょっと弱いような感じがしております。なので、例えばメンタルヘルスのマネジメント研修のようなものとか、心身の健康を守る大切さというものの研修とか、そういう周知徹底についてももっと充実していただければなと思います。
2点目に、教育支援業について、圧倒的に民間より公務員の割合が多いのですけれども、今回のデータの中で総務省の労働力調査から出していただいて公立学校のデータも入っているということで、とても実態が分かってありがたかったです。教育支援業のように民間より地方公務員の多い業種について、比較や統計の出し方の配慮を今後ともお願いしたいと思います。
3点目、自死に至る期間が大変短いということに衝撃を受けました。やはり少しでも早く相談できる場所にたどり着いてほしいと思います。渡辺さんからもお話がありましたが、例えば子供たちの自殺防止はテレビとかSNSで繰り返し相談機関を告知したり、DV相談などは市役所のお手洗いとかサービスエリアなどに、名刺大のサイズでいつでも取れるような相談先の紙が置かれていますので、同じように、例えば「こころの耳」とか、そういう相談窓口がお手洗いとかいろんなところで手に取れる、名刺大のようなものがあればいいなと思っておりますので、そういう周知・啓発の仕方などもぜひ考えていただければと思います。
以上になります。ありがとうございます。
○中窪会長 ありがとうございました。
ここで一旦と思いましたけれども、岩城委員がお手を挙げられておりますので、岩城委員までお願いいたします。
○岩城委員 ありがとうございます。弁護士の岩城です。私は3点について発言させていただきます。
1点目は、83ページにあります脳・心臓及び精神障害の認定基準の改正についてです。過労死・過労自殺をなくしていくには、社会事象として存在する過労死・過労自殺のうち労災として認定されるべき事案をきちんと認定し、被災労働者や遺族を救済するとともに、その発生原因や再発防止に取り組んでいくということが重要です。そのためには、最新の医学的知見や裁判例などに基づいて認定基準を不断に見直していくことが必要です。
脳・心臓疾患の認定基準につきましては、約1年間の専門検討会での議論を経て、今年9月14日付で改正がなされました。今回の改正では従前の時間外労働時間の基準であった発症前1か月に100時間、または2か月ないし6か月間の平均で80時間という基準を維持しつつ、これに至らない場合でも、これに加えて一定の労働時間以外の負荷が認められるときは、業務と発症との関連性が強いと評価されることが明記されました。
また、労働時間以外の負荷要因について、勤務間インターバルが短い業務や休日のない連続勤務といったものが新たに追加されたり、心理的負荷を伴う業務について、詳細な別表がつけられるなどしました。これまではほとんど時間外労働時間至上主義のような運用がされていたことから、今回の認定基準が適切に運用され、これまでの基準では事実上切り捨てられていた事案が救済されることを願っています。
その際、実情に即した労働時間の認定が重要であることを改めて指摘しておきたいと思います。
精神障害の認定基準については、先日から認定基準改定のための専門検討会の議論が始まりました。とりわけ私が重要だと思っているのは、業務上と言えない原因で精神障害を発症した方が、その後、長時間労働や心理的負荷の強い出来事によって精神障害が増悪して自殺に至ったような場合について、現在はほとんど救済しない形になっている。この点をぜひ改めていただきたいということです。
現在、うつ病などの精神疾患を抱えながら仕事を続けざるを得ない人がたくさんおられますが、精神障害にかかっていない人であれば労災認定されるような強い心理的負荷があっても、既に罹患していたからという理由によって認められないということになると、いわば自賠責保険のかかっていない自動車に乗っているようなもので、労働者は安心して働き続けることができません。過労死をゼロにし、健康で充実して働き続けることのできる社会を目指すという過労死等防止対策推進法や大綱の目的に照らしても、この点の改善をぜひお願いしたいと思います。
2点目は、過労死や精神疾患の被災労働者や遺族が国を被告として起こした行政訴訟に対する国の対応の在り方という点であります。国は一方では過労死防止法を定め、過重労働やハラスメントをなくすための取組を行っていますが、他方で過労死遺族が行った労災申請に対して、一旦不支給決定を行ったときは、行政訴訟でそれが覆ることがないよう徹底して争うという対応を取っています。例えば使用者の労働時間の管理が不十分であったことを不問にしたまま、労働時間が少なかったと主張したり、上司のパワハラが弱にとどまると主張するなど、過労死遺族の立場からすれば、まるで会社をかばうかのような主張に過労死遺族は深く傷ついています。
訴訟の対立構造上、やむを得ない面があることは理解しておりますが、少なくとも過労死遺族が、国は勝つためには何でもやってくるとか、国と会社が一体になって遺族に向かってくると感じるような訴訟態度は慎み、節度ある訴訟追行をしていく必要があるのではないでしょうか。また、審査請求や再審査請求、行政訴訟で業務上認定がされた場合でも、国が遺族に謝罪してくるようなことはほとんどありません。これらについて厚労省のお考えをお伺いしたく存じます。
3点目は、私も過労死防止全国センターとして協力している公立中学校や公立高校での過労死啓発授業の回数が少な過ぎるのではないかという点であります。資料の45ページに平成28年度から令和2年度の実績が整理されていますが、ここ数年は横ばいであり、5年目となる令和2年度は全国で161回。内訳は中学校21、高校69、専門学校23、短大1、大学47のこま数で啓発授業が行われ、合計1万4708人が受講していますが、ここ数年は横ばいであり、率直に言ってあまりにも少ないと私は感じます。
厚労省にお尋ねしますが、これらの中学校、高校、短大、大学のうち、国立、公立、私学の割合はどのようになっていますでしょうか。また、文科省にお尋ねしますが、令和2年度の公立の中学校・高校の学校数及び生徒数はどのくらいで、そのうち啓発授業が行われた学校数及び受講した生徒数、その割合はどのくらいでしょうか。追って調べていただいても結構ですので、よろしくお願いいたします。
過労死等を防止する上で、大学時代はもちろん、中学校時代や高校時代に一度でも過労死啓発授業を受ける機会を持ってもらうことは大変重要だと思います。もちろん、多くの中学校や高校で過労死啓発授業が行われることになった場合、講師となる過労死遺族や専門家の確保をどうするかという問題はありますが、それを何らかの形で補いながら、授業数や受講者数を増やしていくことが今、非常に重要ではないでしょうか。とりわけ入社したての若い方が1年以内に亡くなるというケースにたくさん触れるたびに、このことを痛感する次第です。この点について厚労省と文科省のお考えを伺いたいと思います。
私からは以上です。ありがとうございました。
○中窪会長 ありがとうございます。
後でまた御意見、御質問をいただきますけれども、今のところで一旦区切りまして、御質問等につきましてお答えいただければと思います。
○補償課長 補償課長の西村と言います。よろしくお願いします。
まず、冨髙委員と岩城委員から改正の脳・心臓疾患の認定基準についての御意見がございました。適切に運用してほしいという御意見でございましたが、当然のことながら私たちは新しい認定基準に沿って各地方労働局が斉一的に適切な認定が行えるよう、しっかり指導していきたいと思っておりますので、よろしくお願いいたします。
黒田委員から過労死白書の56ページ、66ページの脳・心臓疾患あるいは精神障害の請求状況について、これをどう考えるのかというような御質問だったかと思うのですけれども、まず、脳・心臓疾患の請求状況につきましては、このグラフを見ていただくとお分かりですが、いわゆる高止まりをしているのではないかと見ております。精神障害の請求状況につきましては右肩上がりでずっと増加が継続していると考えているところでございます。
一方で、特に脳・心臓疾患でございますが、令和2年度にはかなり減少している。黒田委員からは新型コロナの影響等々の御指摘もあったように思います。なぜ減少しているのかということにつきましては、確固たることはなかなか申し上げられませんが、一つ要因として考えられるのは、コロナの影響や働き方改革の取組などにより、労働時間の減少ということが一つの要因ではないかと思っております。しかしながら、確固たることは申し上げられないというのが現状でございます。
いずれにしましても、コロナの影響で請求が控えられている状況があってはなりませんので、私どもとしてはしっかり請求できるということを周知していきたいと思っております。この請求状況につきましては引き続きしっかり注視していく必要があるのではないかと思っているところでございます。
渡辺委員から認定率が低い、この原因は何かという御質問があったかと思います。脳・心臓疾患の認定率といいますと、決定数に対する支給決定の割合ということでございますが、脳・心臓疾患におきましては、令和元年度の認定率は31.6%、令和2年度は29.2%、こういうふうに減少していることは事実でございます。
一方で、渡辺委員から御指摘のこの理由は何かということは、なかなか難しいといいますか、私どもとしては、認定基準に沿って適切に各監督署で決定した結果ではないかと思っております。いずれにしても、今回の脳・心臓疾患の認定基準を改正いたしましたので、これに沿ってしっかりと適切な認定を行っていきたいと思っております。
岩城委員から精神障害の認定基準の検討についてのお話がございました。脳・心臓疾患の認定基準に続きまして、精神障害の認定基準につきましても、現行の認定基準は平成23年につくられたものですが、策定から10年経過しているということもあって、今月から第1回の検討を始めました。10年たっておりますので、全般的に内容を検討していきたいと思っております。現在の状況に適切なものになるように、実態に合うような形で見直しをしていきたいと思っております。
もう一つ、訴訟の対応ということでございます。私どもは国の主張をさせていただくわけでございますけれども、これに際して訴訟される方の御負担にも配慮しながら適切な訴訟対応を行っていきたいと思っております。
また、国の主張が受け入れられなかった、国が負けた場合につきましては、私どもはしっかりその原因を究明して、再びこういうことがないような形で対応を考えていきたいと思っております。いずれにしましても訴訟対応につきましては適切な対応をさせていただきたいと思っております。
以上でございます。
○監督課長 続きまして、監督課長でございます。
髙橋委員から幾つか御指摘いただいた点について、お答えさせていただきます。髙橋委員から、特に大企業において過労自殺・過労死が繰り返されることについて、なぜ防げないのか、究明をという厳しい御指摘をいただきました。私ども、当然長時間労働による過労死等はあってはならないという考えの下に、監督指導等を推進しているところでございます。長時間にわたる過重な労働による過労死等に係る労災請求が行われた事案については確実に監督指導を行う、この徹底を図っているところです。併せまして、時間外・休日労働時間数が1か月当たり80時間を超えるという情報が得られた事業場に対する監督指導の徹底、そして主要な労働局に過重労働撲滅特別対策班「かとく」を創設いたしまして、専門的に捜査を行う。また、違法な長時間労働等が複数の事業場で認められた企業に対しましては指導、最終的には企業名の公表、こういった取組も実施しているところでございます。
こういった監督指導面の取組のみならず、当然そういった企業の文化を変えていくということも重要でございますので、渡辺委員からも御指摘がございましたシンポジウム、セミナーといった事業も交えまして、私どもとしては今後とも粘り強く企業における過労死を撲滅する取組を推進していきたいと思っております。
もう一点、髙橋委員から企業名の公表について御指摘をいただきました。以前も髙橋委員から御指摘をいただきまして、その後、私どもの新しい取組といたしましては、厚生労働省のトップページの新着情報、毎月1回更新しておりまして、その情報を新着情報には載せるようにしておりますので、これまでよりは見やすくなったのかなと思っております。
なお、先ほど髙橋委員から御指摘のあった11月の事案につきましては、恐らく東京局から公表させていただいた事案かと思いますが、現在10月末までの事案について厚生労働省のホームページで公表しております。ですから、今の予定ですと、12月末にその事案も含めまして厚生労働省のホームページで公表する予定となっております。いずれにいたしましても、御指摘も踏まえまして、今後とも企業名公表の在り方については不断の見直し、検討を行ってまいりたいと思っております。
ありがとうございます。
○労働衛生課長 労働衛生課でございます。
工藤委員、あるいは冨髙委員や髙橋委員から「こころの耳」など相談対応に関する、あるいはその周知に関する御意見をいただきました。働く人のメンタルヘルス・ポータルサイトの「こころの耳」は、相談窓口のほうも設置しておりますので、こちらを多くの方に御利用いただくということ。数名の委員の方々から御指摘のありました自殺事案等での日数が短いというところに関しましても、事業場外に相談窓口があるというところは、対応すべき大きなポイントだと認識しております。
昨年からSNSによる相談を開始するなど、より相談しやすいようなサービスを始めておりまして、さらにSNSを通してバナー広告などを行っており、工藤委員から御指摘がありました、カード型のようなもので、手に取りやすいようなものの作成・配布等も開始しておるところではございます。ただ、取組としてはまだ十分に行き渡っていないというところもあるかもしれませんので、我々といたしまして、より多くの労働者、働く方の目に留まって、手に取ってもらえるようにということで、周知のほうはこれからもしっかりと続けていきたいと考えております。
○雇用環境・均等局雇用機会均等課長 雇用環境・均等局でございます。
黒田委員から外国の法制について、また、髙橋委員からもハラスメントについて御指摘いただきました。ハラスメントに関する法制度につきましては、御指摘のとおり、国によって違いがございます。ただ、我が国の法制についての御批判はございましょうけれども、まずもって令和元年に労働施策総合推進法というものを改正いたしまして、我が国でそれまで全くなかったパワーハラスメントというものに関する規定が設けられ、そして昨年には大企業に対して適用が開始し、そして来年の4月1日から中小企業への適用が開始されるという運びにようやくなっているところでございます。まずは厚生労働省あるいは労働局といたしましては、中小企業への適用の拡大というものをしっかりと行っていきたいと思っております。どうぞよろしくお願いいたします。
○総務課長 労働基準局総務課でございます。
御質問などがあったところですけれども、まず冨髙委員から調査・分析のところで、肉体的・精神的負担感のところですとか、あとは長時間労働者の割合などのところについて、女性ですとか雇用形態などによるところの御指摘もいただきました。これは、私どもはまだ細かく分析できていないようなところもあろうかと思います。私どもは調査研究を毎年やっておりますので、その中でいろいろな分析をしまして、必要に応じて業界の方々などにもお話を伺いまして、どういったところに問題があるのか、よく分析をし、その結果を、施策を行っているところにつなげていけるように取り組んでまいりたいと思っております。
髙橋委員から過労死などを起こした企業などをシンポジウムに参加をさせるべきというお話をいただきました。この辺、夏の過労死防止大綱のときにも、経営団体、経営側の方々のお取組のところの御議論もいろいろありまして、経営者団体の方々の御理解もいただいて、文言が調整された経緯もあったかと思います。
私どもといたしましても、シンポジウムを実施することにつきましては、毎年それぞれのレベルで周知もしておりますので、そういうところの中で参加をしていただくということもございますし、また、個別にどのようなやり方で進めていくかというのは、企業さんと過労死の事業場という単位の問題もありますので、また検討していかなければいけないと思います。いずれにしても、シンポジウムは、なるべく関係する方々に幅広く周知していけるように取り組んでまいりたいと思っております。
大下委員から過労死防止対策の予算の削減の状況について、内訳の説明をということでいただきました。これは102ページの資料8のところですが、令和3年の予算が262億円ほどでございまして、令和4年度概算要求をしているものが238億円ということで、20億円余り減っているという形になります。この中の大半、20億円ほどを占めるのが、103ページの上から2つ目の丸の一番下の矢印、働き方改革推進支援センターの予算が事実関係としては減っているということになります。ただ、減った内訳ということで申しますと、都道府県センターと全国センターの役割分担のところを少し見直したという形でございまして、今回大きく変えておりますのは、全国センターからは、オンラインセミナーなどの形で情報発信をすることにしたものです。一方で、今までは全国センターから企業に訪問するという形にしておりましたものを、今の要求では、都道府県センターのほうから中小企業の方の求めに応じて訪問してコンサルティングをするという形に変えております。いずれにしても、地域地域の商工会議所様とか経済団体の方々の御意見も賜りながら、ニーズに応じて取り組みたいと思っております。ここは事業のやり方を変えて効率化をしたということはございますけれども、予算が減ったことで何かのメニューを止めたとか後退したという形ではございませんので、ここは御理解いただければありがたいと思います。
同じく「取組慣行の是正が必要だ」というお話をいただきました。冒頭、私どもの企画官から説明をしましたように、GtoBの関係で経団連様から御要請をいただきましたので、私どもとしてはそれを受けまして、役所はどこでも事業の発注などをしておりますので、各省庁に対して、こういった御要請もいただいているので、発注についてはよく気をつけていただきたいという要請の文書なども出させていただいているところでございます。
ただ、それだけでは十分でないところもあると思いますので、どういった取組をすることによって私ども役所が事業を発注する側として日頃から気をつけて対応できるようになるのか、その辺は継続的にいろいろと考えてまいりたいと思っております。
ポスター、パンフ、いろいろな周知のことについて、渡辺委員をはじめ、御意見を頂戴いたしました。個別のところから申しますと、保健センターとか保健所などには既にパンフレットなども配布しているところですし、いろいろな周知については、地方でも大きな駅には掲示していただくようにJRさんにお願いをしたり、いろいろと工夫はしているところでございます。しかし、地域地域によって違ったり、お困りの方の状況によって考えていくべきところはあると思いますので、今後とも協議会の委員の方々からの御意見なども踏まえまして、どこに置いたらよく周知していけるのか、そういうことは不断に考えていきたいと思っております。
渡辺委員から過労死の遺児の状況を把握しているのかというところですけれども、恐縮ですが、現状において数を把握しているというところではございませんので、今後どのようにするのかというところは検討してまいりたいと思います。
岩城委員から過労死啓発事業について、参加している学校、国立なのか、公立なのか、私立なのかという内訳ですが、少なくとも参加した学校の名前は分かりますけれども、今、設立主体別でどのような割合でというところは分かりませんので、その辺は確認をしてみたいと思います。分かりましたらお知らせをできるようにしたいと思います。
雑駁ですが、以上でございます。
○文部科学省初等中等教育局初等中等教育企画課課長補佐 文部科学省でございます。
岩城委員から御質問がありました学校数、在校者数について御説明いたします。令和2年度の学校基本調査によりますと、中学校で国公私全て含めまして1万142校、生徒数は321万1219人ということになっております。高等学校でございますが、学校数は国公私を含めまして4,874校、在校者数は309万2064人ということになっております。
こうした教育活動を通じた啓発について、文部科学省の考え方でございますけれども、労働条件の話もそうですし、労働関係法令、さらに過労死等も含めた労働問題について、若いうちから理解を深めていくということは非常に重要だと思っております。学校教育の中では例えば社会科の公民などにおいてこうした問題を取り上げられることがあろうかと思います。これが全ての子供たちに対する対応になりますが、発達段階に応じたものになりますので、学年によって、またその授業の扱いについても学校によって差があるということだと思います。
加えて、啓発授業のような形で具体的にさらに踏み込んだものをやるというのは非常に有効だと思っております。この取組につきましては、厚生労働省としっかりと連携、必要な協力をさせていただくことは考えておりますので、また進めていきたいと思います。
いずれにいたしましても、単年度でどれだけかというよりも、子供の学校期間、小学校、中学校、高等学校とそれぞれ発達段階がございますが、その段階で何らかこういった話を耳にする、または意識をする、そして問題について少しでも理解を深めていくということが大切だと思いますので、今回の大綱も踏まえまして、文科省においてもしっかりと厚生労働省と連携をして対応させていただきたいと思っております。
以上です。
○中窪会長 ありがとうございました。
それでは、次のラウンドに行きたいと思います。時間が迫っておりますけれども、少し延長して続けていきたいと思います。それでは、川人委員からお願いいたします。
○川人委員 川人でございます。国家公務員の問題についてお話をしたいと思います。意見と、内閣人事局及び人事院に対する御質問です。
88ページ、心身の健康の保持増進ということで御説明がございました。私は、近畿財務局の事件の関係で質問したいと思います。周知のとおり、記録改ざんという違法な行為の強制によって、あるいは長時間労働等によって、貴重な職員の命が絶たれました。このような本件はあってはならないことであり、かつ過労死防止法の観点からも非常に重要な事件であると認識しております。この件については既に公務上災害の認定が従前にされており、かつ昨日、国家賠償訴訟において、国がいわゆる請求の認諾という訴訟手続を行い、国家賠償請求の訴訟が終結という異例な事態となっております。
この点に関連しまして、88ページの中身において、例えばe-ラーニングによるメンタルヘルス講習、ハラスメント防止の講習等を幹部職員に行っているという説明があるのですけれども、違法行為の強要ということはあってはならないことであり、最たるハラスメントであろうかと思います。このような問題についても当然これらの研修において行うべきであると考えておりますが、現状においてこうした国家公務員の中での違法行為の強制という問題について、これらが心の健康を著しく害する危険があるという観点から、必要な講習が行われているのかどうか。あるいはそれらに関する取組を内閣人事局ないし人事院が行っているのか。この点についてお伺いしたいと考えます。
ちなみに、今回出されました白書の76ページには、民間の労災認定の事案に関する統計において、労災の支給決定の関連で違法行為を強要されたということが理由の一つとして労災を認定された事案につき、約10件前後が上げられております。これは民間の事例でございますが、民間においてもこのように違法行為の強要があってはならないという観点から、労災認定の実務においても重要な調査項目として行われているわけであります。ましてや国家公務員においてこのようなことはあってはならないことであり、日常から職員の健康を守るという観点からも、この問題についてぜひ取り組むべきであると考えますが、関係当局に御質問したいと思います。
以上です。
○中窪会長 ありがとうございました。
先ほど手を挙げておられました鈴木委員、佐久間委員、八野委員、戎野委員、寺西委員という順番で。まず、鈴木委員からお願いいたします。
○鈴木委員 鈴木でございます。ありがとうございます。
冨髙委員から御指摘がございましたが、精神障害の発病に関連した出来事の類型のうち、ハラスメントに関する事案というのがかなり多い状況でございます。また、先ほど髙橋委員からは大変つらいハラスメントの事案の御紹介もございました。これらのお話に関連して、ハラスメント防止対策に関する経団連の最近の取組を簡単に御紹介させていただきます。
まず、先週14日、職場のハラスメント防止に関するアンケートの結果を公表いたしました。会員企業において、パワーハラスメントに関する相談件数が5年前に比べて4割ほど増えていることがわかりました。この背景には、昨年大企業におけるパワハラ防止措置義務が施行され、社会的な関心が高まる中で、相談窓口の周知など各社の取組も強化されたこともあるのではないかと思っております。
また、調査では、ハラスメント防止対策として効果的な取組についても質問しまして、企業における好事例も数多く掲載しております。ハラスメント防止に向けて引き続き周知・広報に努めてまいります。
また、先月29日に過労死等ハラスメント防止対策セミナーを開催いたしました。2017年から同様の啓発セミナーを開催してきましたが、本年はハラスメントにも焦点を当て、当協議会の川人先生、木下先生からも経営者へのメッセージ、企業の具体的な取組など貴重な御講演をいただいたところです。
最後に、先ほど大下委員から御指摘がございました取引の適正化に関して一言申し上げます。長時間労働の是正という大変重要なテーマだと認識しておりますし、取引の適正化に向けては、サプライチェーンの川上に位置する大企業の果たす役割も大きいと思っております。先日も、経団連は、経営者の方にパートナーシップ構築宣言の実施を呼びかけておりまして、宣言を行う企業が一層増えるように取組を強化してまいりたいと思っております。そうしたことも含め、過労死等の防止に向けた取組を継続的に行ってまいりますので、引き続き皆様の御支援をよろしくお願い申し上げます。

○中窪会長 ありがとうございました。
それでは、佐久間委員、お願いします。
○佐久間委員 ありがとうございます。手短にお話をさせていただきます。
資料1、白書のほうにも掲載されているわけですが、労働時間の状況は、コロナの影響で若干少なくなってきているといえると思います。また、時間外労働もコロナの影響のほか、働き方改革推進の効果もあり、徐々に少なくなっていることで、「過労死」に対しての意識が希薄になってくることは避けなければなりません。逆に言えば、今こそインターバル制度や過労死について、もっと周知していくことに力を入れていかなければいけないのではないか。再度、過労死を考え、それを防止していくための方策を考える、いい時期なのではないかと思います。
委員の皆様から意見としてでていました「予算の減少」ということもあるのですけれども、ここは、事業にめり張りをつけていただいて、単純に予算が削減されたものではなく、事業を効果的に配分する点から予算を検討してきたことを、厚生労働省事務局にさらに周知していただくとともに、過労死等を避けることに有効な方策の一つであるインターバルを導入する、ちょうどよいチャンスとして捉えていくことが重要です。働き方改革推進支援助成金としてインターバル導入コースも活用できることから、より導入しやすい、利用しやすいような工夫が必要ではないかと思います。具体的には、設備投資だけではなく、例えば自社内での工程、配置の変更とか、そういうものでも自社の効率化が図られ、労働者の長時間労働の削減、生産性向上等役立つ工夫にも使用できる、助成金の給付が受けられるようにしていただくことが必要だと考えます。また、ものづくり補助金とか、ITの導入補助金等、中小企業生産性革命推進事業による助成金(補助金)が中小企業庁で用意していただいていると思います。経済対策にからめ、賃金の引き上げなどを要件として申請した事業者には、加点措置、優先採択など、メリットを享受できるよう働きかけていただいて、インターバル制度の導入促進をしていただく必要があるのではないかと思います。「過労死等の防止のための対策に関する大綱」では、新たな数値目標が定められました。7年度までに勤務間インターバル制度導入企業割合を15%にするという数字は非常に高いと思っています。実現に近づくためにも導入促進を、さらにここからもう一度、事業者にも働きかけていきたいと、私も考えております。
もう一点ですけれども、この大綱の5ページ、6ページ、7ページ、肉体的負担の推移とか精神的負担の推移は業種別で載っています。非常に興味深い資料でありながらも、サンプル数の関係とか、この1つの分類であっても業種は多く存在していると思います。例えば医療業一つとっても、医師の方々とか放射線の関係とか、そういう業務的なものもあると思いますので、単純に女性の非正規が大変だ、男性の非正規は逆に低いとか、数字にばらつきがあるということだけではなく、サンプル数を多くしていただき、業種が有する問題点を明確にして、一つ一つの要因を分析していくことが必要だと思います。次年度以降、ぜひ行っていただきたいと思います。
以上でございます。
○中窪会長 ありがとうございました。
では、八野委員、お願いいたします。
○八野委員 ありがとうございます。労働側の八野です。
私のほうからは概算要求のことについてお話をしたいと思います。先ほどお答えをいただきました。しかし、今日の協議会を聞いていても、啓発に対する運動、またはそこに対する活動、または具体的な策というものが非常に重要であるということが出ております。確かに仕組みを見直すということで、働き方改革推進支援センターの見直しによる全国と地方の役割分担ということがあるのですが、これから中小企業に対して支援していく、相談を受けていくということは非常に重要で、先ほど出ていたパワハラ防止もこれから施行ということになると、そのようなことを周知または啓発していくということが非常に重要になってくると思います。ですので、予算が減ったことでその活動、または過労死防止に対する運動が後退しないようにしていただきたいと思います。
また、医師の働き方改革をはじめとする医療機関の環境整備の啓発、または医療現場の働き方改革も重要な一歩でありますので、着実に進めていただきたいと思っております。先ほどから粘り強く、後退させてはいけないという言葉が出ていたと思いますが、それは非常に重要なことだと思います。
加えて、先ほど鈴木委員のほうからもありましたが、商慣行の見直しというのはどうしても課題になっております。今、日本経団連のほうでも進められているということは十分承知しておりますが、過重労働の是正のために非常に重要であると認識しておりますので、よろしくお願いします。
髙橋委員のほうから労働組合は何をしているのかというお言葉をいただきました。前回の協議会の中でも亡くなられたお嬢様のお話をされて、そのときに労働組合に相談しても何もしてくれないというお話がありました。実は連合で過労死防止のフォーラムをやりました。髙橋委員から出された意見を私は正確に参加者に伝えました。労働組合の役割と責任をもう一度見直してみよう、現場をきちんと見ていこうということでお話をさせていただいております。いろいろな労働組合もありますが、労働組合というのは従業員のため、組合員のために働き方をきちんと見ていくという立場にありますので、このことについては継続して取り組んでいきたいと思いますし、この場でお約束させていただきます。
○中窪会長 ありがとうございました。
それでは、戎野委員、お願いします。
○戎野委員 ありがとうございます。私からは主に4点です。
先ほどから出てきている労災認定ですが、自殺が発病から非常に短い期間で発生してしまっているということ。これは言うまでもなく事前にいかに把握するかということが急務になっているということだと思います。その中で、昨今のコロナの影響が「こころの耳」にもいろいろ書かれてありますが、一人一人を孤立させているという面があり、周囲とのコミュニケーション、上司や職場とのコミュニケーション、相談というものが、一部ではこれまでより薄れてきているという声が上がってきています。このことから、いかに事前に把握していくかという問題が一層今重要になっており、私たちは注視していかなければいけないということを改めて強く感じました。
2点目は、先ほど佐久間委員も御指摘されていましたが、6ページの調査についてです。私が参加して行った調査では、トラックのドライバーさんは大変忙しくて、人手不足の中、ご苦労されていらっしゃいました。そのため、この結果はちょっと違和感を覚えるところもあります。私が思ったのは、感染状況も全国一律ではなく、地域によってかなり違いがありますので、そのため、コロナの影響も同じ業界でもその地域により違いがあり、実態も異なっているのではないかと。より深く、地域ごとの分析も重要ではないかと思いました。また、職種も種類がありますので、先ほど運輸の非正規の女性が非常に大変な状況だというデータもありますが、まさにドライバーさんを配置するのに非常に大変になっているところもありましたので、もう少しより深い調査研究を行い、動向をつかんでおくことが重要ではないかと考えます。
先ほどコロナの影響で一人一人が孤立し、声を上げにくくなっている面があると申し上げましたけれども、さらに地域ごと、あるいは業界、職種ごとに抱えている問題が異なると、またここにおいても大きな声になりにくく、吸い上げにくいという実態があるのではないかと危惧するところであります。
3点目です。先ほど発病から自殺までの期間が短いというところの事前把握の話を申し上げましたが、病院を受診していない、受診歴がないというのが64%にもなっている点は重要視すべきことだと思います。もちろん各個人が自らのストレスをチェックしたり、健康状態をチェックしたりということも重要なのですけれども、それだけでは限界もあると思います。忙しい、あるいは病院に行くなどというのは頭をよぎる余地もない、もういっぱいいっぱいになっているといったときには、その周囲が手を差し伸べるということは一層重要かと思うのです。先ほど職場の話をしましたが、職場だけでは難しい面もある、見えない面もあるといったときに、家族や友人、一人一人の健康状況、置かれている環境状況を社会的にチェックしていくことは必要だと思います。いわゆる子供の虐待といった問題については、見ず知らずの人が電話をかけて、ちょっとおかしいのではないですかというような窓口があるわけです。私たち多くの人が、心身の健康状態に対する把握についても社会的にチェックすべきものなのだということの周知が進んでいってほしいと思っています。
最後に、いろいろな相談窓口、広報の仕方がこれまでも議論になってきましたけれども、相談に来ている方、あるいは様々な事案に対してアクションを起こした方が、どこから情報を入手してそのように行動を起こしたのか、電話をかけたのか、メールを書いたのかといういわゆるデータを収集して、分析を進めていく。すなわち効果測定をして次なるアクションを検討するという段階に、私たちは今いるのではないかと思っております。なお、現在の段階でいわゆる方法に関する効果測定の結果があるようでしたら、教えていただきたいのですけれども、今後の課題としてもこれは重要になってくると思った次第です。
以上です。ありがとうございました。
○中窪会長 ありがとうございました。
それでは、寺西委員、お願いいたします。
○寺西委員 過労死を考える家族の会の寺西笑子でございます。
私から白書について4点、意見と要望を申し上げますが、既にこれまで複数の委員様から発言がございましたので、簡潔に申し上げたいと思っております。
1点目は、今回労働力調査と毎月勤労統計調査を基にして、新型コロナウイルス感染拡大が影響した様々な視点で業種別やエッセンシャルワーカーの大変さについて御報告がありました。とりわけ女性労働者の正規、非正規共に負担が大きいことが示されています。この現象は、政府の自殺対策白書では働く女性の自殺者が例年の3割増えたことに関連しているのではないかと考えます。今後においても同様の調査・分析と労働者の過重労働を撲滅する、そうした対策を講じていただきますよう要望いたします。
2点目は自殺の状況についてですが、やはり勤務問題を原因・動機の自殺者はほぼ横ばいで、昨年より少々減ったということですが、資料の15ページの左下の棒グラフ、過労死等防止調査研究センターの資料によれば、これも複数の委員さんから御意見がありましたように、497人のうち、発病から死亡までの日数別で6日以下というのが全体の半数を占めているということで、これは新たな大きな課題と言えます。近年、私たち家族の会へ来るハラスメントによる相談者がおられ、全体の約7割以上が自死で家族を亡くされた方の相談です。皆さんそろって発病に気づけなかった悔しさを持っていらっしゃいますし、私もその一人であります。こうした調査・分析がもたらすものは、病気になってからでは遅いということを示唆しています。改めて日頃の健康管理と相談体制の整備、職場の取組、過労死防止対策の徹底、そうしたものがとても重要であると考えます。
また、白書の170ページにある出来事について、恒常的な長時間労働や2週間連続勤務など、発病の原因である上位を占めている出来事なども徹底して規制強化していただきたい。
3点目は関連しまして、白書の48ページに民事の個別労働紛争でいじめ、嫌がらせ、パワハラの相談件数が16年間で約8倍の右肩上がりのグラフが掲載されています。本日、資料17ページの最下段にもハラスメント防止対策の実施が書かれています。大企業は既に令和2年から実施されています。中小企業については来年4月からパワハラ防止対策の義務化が対象になりますが、民間保険会社の調査では中小企業の61%が対象になっていることを知らないということで、認知度が大変低い状況であります。特に小規模ほど対策が遅れているとされています。いじめ・パワハラ行為をしていても本人は気づかないこともありますので、防止対策の周知徹底が必要と求めます。
ハラスメント事案が生じた事業所に対して、再発防止のための指導が記載されていますが、発病してからでは遅いということを皆さんで再認識していただきたいと思います。いじめ・パワハラ被害を出さないためにも、予防対策として規制強化を求めます。
最後に、会場の各省庁、自治体関係の皆様へお願いでありますが、過労死防止対策推進法が成立して7年、大綱が施行されて6年経過しました。大綱と白書の活用について、国を挙げて調査・分析と過労死等防止の有効な取組などが掲載されていますので、様々な事業場や職場でぜひ活用していただくことを望みます。
本日、防止対策の実施状況を各省庁から御報告いただきましたが、職場のお一人お一人に情報が届くようなことでそれぞれが意識を高めていただくために、また、日頃から過労死防止への健康管理など、御自身で意識を持っていただく。そのためにも、私案ですが、パンフレットとかもありますが、できれば大綱のハンドブックのようなもの、ある程度充実した中身になるようなものがあれば、職場のお一人お一人も意識が日頃高まっていくのではないかと思っています。ぜひ御検討いただきたいと思います。
また、啓発シンポジウム、そして年間を通して中学、高校、大学への労働条件の啓発授業に私たちは関わらせていただいていますが、先ほども御意見がありましたが、私学がほとんどで、公立学校は少なく、伸び悩んでいるのが現状です。関係者様、文科省の皆様におかれましては、こうした活動を私たちと同じ認識で協働して取り組んでいただきますよう、御協力をお願いしたいです。
最後に、大綱の趣旨を踏まえた根本的な原因である独自の健康労働を保障する制度改革と意識の向上に着手していただけることを最後に要望いたしまして、私の発言を終わります。
ありがとうございました。
○中窪会長 ありがとうございました。
以上でよろしいでしょうか。それでは、山鼻委員、お願いします。
○山鼻委員 すみません。手短に申し上げます。
先ほどからお話がありましたように、私どものほうの会員ですと中小さんも非常に多いので、これから4月1日、ハラスメントの防止に取り組まなければいけないのですが、大企業に適用されたときにはマスコミのほうでもかなり取り上げられるのですが、中小企業ですとそういうことがないので、労働局さんに協力をいただきまして、私ども中小企業を中心にこちらのハラスメント防止のセミナー等を実施してまいりたいと存じております。
また、ハラスメントと長時間労働が重なると過労死というふうなことになりますので、ハラスメント対策、長時間労働対策に関しまして、私どものほうでも周知・啓発に努めております。私どもの活動に関しましては、地方経協のほうでも連携を取りまして同じように展開をしておりますので、中小企業を対象に経営者のほうでも一応対策をしているということをここで申し上げたいと思います。
もう一点ですが、特に中小企業のほうですと、なかなか相談の窓口がないということで、「こころの耳」という非常にいいホームページのほうをつくっていただいているのですが、「こころの耳」のトップページは、「こころの耳」そのものは非常にソフトで、誰でもアクセスしやすいのですけれども、実際に何か知りたいとなると、そこのところをどんどんクリックしていくと、非常にお堅いページのほうに行き着いてしまって、この先どうしていいか分からないという状況が出てくるのではないかなと個人的に思っております。「こころの耳」のような非常に分かりやすいホームページをせっかくおつくりになっていらっしゃいますので、そこのところをどんどん下の階層とか飛んだところでも、悩んだ人がどのような形で回答を得られるかというようにわかりやすく作っていただければと思います。
最後、失礼いたしました。
○中窪会長 ありがとうございました。
そのほかはよろしいでしょうか。では、宮本委員、お願いします。
○宮本委員 宮本でございます。
労働時間やその他のストレスなどを減らすのがもちろん一番大事ということで、周知・啓発が一番大切なのでございますが、一方で、例えば長時間労働とかストレスが特に脳・心臓疾患といった健康障害に至る医学的プロセスというのはまだ未解明のところが多々あると存じております。本日の資料の16ページや78ページにもありますけれども、背景分析ももちろんですが、そういったものが健康障害に至る医学的プロセスの研究の進展とフィードバックを今後も期待したいということで、コメントをさせていただければと思います。どうぞよろしくお願いいたします。
○中窪会長 ありがとうございました。
それでは、時間がもう過ぎておりますけれども、事務局のほうから今、幾つか出たことについてお願いします。
○総務課長 労働基準局総務課でございます。
様々な御意見をいただきました。例えば、インターバルの周知、支援の話、それから予算の関係も含めて取組が後退しないようにという御意見もいただきました。調査研究のことについては、業種別の負担は様々であるし、実態から見ていると分析がまだ不十分なところもあるといった御指摘もいただきました。また、精神事案で発病から自殺に至るまでの時間が短いところについてよく分析をすることと、それに対する対策というお話もいただきました。その関連では、「こころの耳」は、トップページはいいけれども、中身はさらに改善の余地があるのではないかというお話をいただきました。先ほど関係の課長などからもお答えしたことと重複する部分もありますので、さらに回答は控えさせていただきたいと思いますが、いずれも貴重な御意見をいただいたと思っておりますので、また委員の皆様と御相談させていただきながら引き続き取り組んでまいりたいと考えております。
雑駁で恐縮ですが、以上でございます。
○内閣官房内閣参事官(福利厚生、ハラスメント防止等担当) 内閣人事局でございます。
川人先生からe-ラーニングについて御質問をいただきましたけれども、こちらのハラスメント講習におきましては、パワハラにつきまして、人事院規則にのっとって丁寧に説明しているところでございます。違法行為の強要というものは、このパワハラに該当しているところでございますので、引き続きしっかりと研修を続けていきたいと思っております。
○中窪会長 それでは、まだまだ御意見等あると思いますけれども、時間も過ぎておりますので、本日はここまでとさせていただきます。
委員の皆様におかれましては、活発な御議論をいただきまして、誠にありがとうございました。
各府省におかれましては、本日出されました御意見を踏まえ、今後対策をさらにしっかりと行っていただきたいと思います。
最後になりますが、次回の日程について、事務局から御説明をお願いいたします。
○企画官 次回は、今年度取組状況などを取りまとめまして、来年5月頃に開催したいと考えておりますが、具体的な日程等につきましては、追って調整の上、事務局から御連絡をさせていただきたいと思っております。
○中窪会長 それでは、第21回「過労死等防止対策推進協議会」はここで閉会といたします。本日はお忙しい中、どうもありがとうございました。