第101回労働政策審議会労働条件分科会労災保険部会議事録

 

 
第101回労働政策審議会労働条件分科会労災保険部会(議事録)
 
1.日時 令和3年11月26日(金)15:00~16:18
 
2.場所 TKP新橋カンファレンスセンター 16階Dルーム(一部オンライン会議会場)
     (東京都千代田区内幸町1ー3ー1 幸ビルディング)

3.出席委員
(公益代表委員)
○学習院大学経済学部経営学科教授、一橋大学名誉教授 守島 基博
○明治大学法学部教授 小西 康之
○慶應義塾大学医学部・大学院健康マネジメント研究科教授 武林 亨

(労働者代表委員)
○全日本海員組合奨学金制度運営管理部長代理 楠 博志
○UAゼンセン労働条件局部長 髙橋 義和
○全国建設労働組合総連合労働対策部長 田久 悟
○日本労働組合総連合会総合政策推進局総合政策推進局長 冨髙 裕子
○日本基幹産業労働組合連合会中央執行委員 平川 達斎
○日本科学エネルギー産業労働組合連合会副会長 安原 三紀子

(使用者代表委員)
○一般社団法人日本経済団体連合会労働法制本部上席主幹 坂下 多身 
○東京海上ホールディングス株式会社人事部専門部長 砂原 和仁
○セコム株式会社総務人事本部参与 二宮 美保
○鹿島建設株式会社安全環境部長 本多 敦郎
○日本製鉄株式会社人事労政部部長 山内 幸治

4.議題
(1)特別加入制度の見直しに係る関係団体からのヒアリング
(2)労働保険の保険料の徴収等に関する法律施行規則の一部を改正する省令案要綱等

5.議 事
○守島部会長 定刻となりましたので、ただいまから第101回労働政策審議会労働条件分科会労災保険部会を開催いたします。本日の部会は、会場にいらっしゃっている方及びオンラインで御参加の方の両方で実施させていただきます。
出欠状況ですが、宮智委員、水島委員、池田委員が御欠席となっております。出席者は現在15名ですが、公益代表、労働者代表、使用者代表それぞれ3分の1以上の出席がございますので、定足数は満たしていることを御報告申し上げます。
それでは、カメラ撮影等は、ここまでとさせていただければと思います。よろしくお願いいたします。
それでは第1の議題は「特別加入制度の見直しに係る関係団体からのヒアリング」となっております。本日は公益社団法人日本鍼灸師会、公益社団法人全日本鍼灸マッサージ師会、公益社団法人日本あん摩マッサージ指圧師会、社会福祉法人日本視覚障害者団体連合の4団体からの皆様にお越しいただいております。
それでは、代表の方から御説明をお願いいたします。
○公益社団法人日本鍼灸師会 公益社団法人日本鍼灸師会で副会長をしております、中村と申します。本日は、このような機会を頂きありがとうございます。はり、きゅう、マッサージの4団体として、今日は中村が代表でお話をさせていただきます。では、早速ですがお手元の資料を基に御説明を申し上げます。
では、次のページをお願いします。ありがとうございます。少しお伺いしたいのですが、マッサージを受けられたことのある方はどれぐらいおいでになりますか。ありがとうございます。はり、きゅうはどうでしょうか。受けたことのない方がおいでになるのがよく分かりました。では、御説明をいたします。あん摩マッサージ指圧師は、一般的にマッサージ師と呼ばれております。はり師、きゅう師は、一般的には漢字で鍼灸師と呼ばれており、昔から広く知られているところです。現在、高校卒業後に厚生労働省が指定した専門の養成施設又は文部科学省が指定した4年生大学で解剖学、生理学、衛生学・公衆衛生学、病理学などの基礎医学系の科目、それから臨床医学総論、臨床医学各論、リハビリテーション医学などの現代医療系の臨床専門科目。専門分野では東洋医学の概論、東洋医学の臨床論、経絡経穴概論、それから、あん摩マッサージ指圧理論、はりきゅう理論などの東洋医学系の臨床専門科目を学びます。
あん摩マッサージ指圧師と、はり師、きゅう師はそれぞれの国家試験を受け、合格すると、あん摩マッサージ指圧師の厚生大臣免許が取れます。はり師、きゅう師もそれぞれ厚生労働大臣免許を取得しています。資格取得後、鍼灸院、マッサージ院、鍼灸マッサージ院の施術所を開業することもありますし、施術所のスタッフとして勤めることもあります。病医院ではリハビリテーション部門で仕事をする場合もあります。また、介護保険施設において、機能訓練指導員として働く状況も、増えてきているところです。
次のページです。私たちはの法律は昭和22年の法律第217号に入っており、第1条に「医師以外の者で、あん摩、マッサージ若しくは指圧、はり又はきゆうを業としようとする者は、それぞれ、あん摩マッサージ指圧師免許、はり師免許又はきゆう師免許を受けなければならない」とされています。
次のページをお願いします。あん摩マッサージ指圧師はマッサージ治療院などの施術所において、あん摩・マッサージ・指圧などの手技による手を使った施術を行い、肩こりや腰痛をはじめ、身体の不調に対して手当を行います。はり師、きゅう師は、鍼灸治療院の中での施術を行うわけですが、痛みの軽減や自然治癒力の向上から身体の回復力を高めます。あん摩マッサージ指圧の場合、筋麻痺、関節拘縮については、医師の同意があれば健康保険を適用した施術が行えます。はり、きゅうにつきましても神経痛、リウマチ、頚腕症候群、五十肩、腰痛症、頸椎捻挫後遺症、その他の慢性的な痛みについては医師の同意の下、健康保険を適用した施術が行える医療行為です。
次のページに行きます。あん摩マッサージ指圧は手を使って、なでる、押す、揉む、叩く行為を用いて、機械的な刺激を生体に与え、生体の変調を調整し、疾病の治療や保健の目的で健康維持の目的で使われます。はり術ですと、非常に細い鍼を皮膚に直接刺して使う又は接触させて使うことで、組織に機械的な刺激を与えて、やはり効果的に生体反応を起こさせて、生体の変調を調整し疾病の治療、保健の目的、健康維持の目的に使われます。きゅう術はもぐさ、これはヨモギの葉っぱの裏側の綿みたいなものを集めた、もぐさを燃焼させて同じように組織に温熱刺激を与えて、効果的な生体反応を起こし、生体の変調を調整、疾病の治療や健康の維持のために使われます。鍼灸院においては、はりときゅうを利用者様一人ひとりの体調に合わせているのが現状です。
では次です。あん摩は、古来より中国から我が国に伝わってきたものであり、マッサージはヨーロッパより体系化されて伝わってきたものです。指圧は、古来あん摩術から発展して、人を蘇生させる柔道の活法などの手技が加えられ、大正時代にはアメリカの整体術の手技や理論を取り入れて、体系化されつつあるところです。
はり、きゅうは中国から我が国に伝わってきたものですが、昭和20年の敗戦期にGHQにより、医業以外の治療行為、これは西洋医学のことを指していますが、これを全て禁止するようにと勧告がなされましたが、昭和22年に「あん摩、はり、きゅう、柔道整復師等営業法」が成立し、更に国家資格の身分免許であることを明確にさせるために、昭和26年「あん摩師・はり師・きゅう師及び柔道整復師法」に名称を変更しています。あん摩、マッサージ、それから指圧師ですね、ごめんなさい、これはちょっと文章が抜けています。
世界保健機関では「鍼に関する会議」が行われ、鍼灸の適応症として64疾患が提案され、臨床研究が行われ有効性が認められた疾患も挙げられています。また1999年には、鍼治療の基礎教育と安全性に関するガイドラインなども提示しています。アメリカの国立衛生研究所においては、1997年に鍼に関する合意のためのパネル会議を開催し、鍼の有効性・安全性について討論されました。その後の合意声明で、鍼の有効な症状や疾患について述べられています。ユネスコでは、「伝統中国医学としての鍼灸」を、2010年11月16日に無形文化遺産に指定されています。厚生労働省では、『「統合医療」に係る情報発信等推進事業』において、あん摩マッサージ指圧・はり・きゅうのエビデンスに基づいた情報を紹介しています。近代西洋医学、一般医療とともに、相補、補完的に又は代替医療として使われることも増えてきたと感じています。
では、次のページをお願いします。あん摩マッサージ指圧師・はり師・きゅう師の現状です。これは平成20年のあん摩・マッサージ・指圧師を見ていただきますと、平成30年は10万人強で大きな伸びはありません。はり師は、8万人だったところが12万人、きゅう師は8万人だったところが11万人と、マッサージ師に比べて伸びております。これは、マッサージの学校は、自由に創ることができず、はり、きゅうの学校のみが増えたことが原因です。施術所もあん摩・マッサージ・師圧を行う施術所は2万強ありましたが、これも1万9,300で、むしろ減っている状況です。それに比べて、はり、きゅうを行う施術所は約2万のところから3万まで増えています。あん摩・マッサージ・指圧、はり、きゅうを行う施術所も3万5,000から3万8,000と若干の伸びですが、はり、きゅうに比べると伸び率が少ないことが起こっているのは、マッサージの国家資格を取る学校が少ないことがその理由の1つです。
次のページをお願いします。今、前に並んでいます、はり、きゅう、マッサージの4団体、あはき4団体と呼んでいますが、御覧のとおり公益社団法人全日本鍼灸マッサージ師会、公益社団法人日本鍼灸師会、公益社団法人日本あん摩マッサージ指圧師会、社会福祉法人日本視覚障害者団体連合がまとまっています。私たちは先ほど医療保険が適用できると話しましたが、国民への利便性も高めつつ適正な医療保険取り扱いにできるかを厚生労働省と定期的に協議している団体が、この4つの団体です。総数で言いますと、合わせて2万1,000人ぐらいの会員数になります。
次のページにまいります。あはき師の事故などによるけがに関するアンケート調査です。アンケートにちょっと偏りがありまして、アンケートを各団体に取ってもらいましたが、日本鍼灸師会の会員からのアンケートが多く返ってきたものですから、Q1のグラフは事実とちょっと偏りがあります。グラフでは、はり師ときゅう師で93%、あん摩マッサージ指圧師が7%しかないという状況ですが、これは偏った回答の中から出ていることで、実態としてはこのようなことはなく、バランスよく、若干鍼灸の会員のほうが多いのかなというぐらいで、いいですね、石川先生。
○公益社団法人全日本鍼灸マッサージ師会 はい。
○公益社団法人日本鍼灸師会 ありがとうございます。それで「普段の職場はどれですか」ということで、これは個人で開業している方々が、はり、きゅう、マッサージ師が圧倒的に多い。これは82%がそのようなところです。
次のページいきます。あはき師の事故などによるケガに関するアンケート調査を行いました。「あなたの働き方はどんな形態ですか」ということで、88%が個人で経営している状況ということが読み取れると思います。従業員がいるところでも、個人で経営しているというところが圧倒的に多いというところが読み取れます。
次のページいきまして、あはき師の事故などにケガに関するアンケートの調査ということで、10年以上治療院として開いているというのが、67%ぐらいあります。あとは若い人たちということになります。
Q5です。「これまでの就業中(往療中も含む)に、事故等により病院での治療を必要とする程度の怪我などをしたことがあるか」ということですが、あはき師は「ない」というのが圧倒的に多いです。これは総数1,060ですので、これは偏りなくこういう実態がはり師、きゅう師、マッサージ師にはあるんだろうと読み取れます。
次のページいきます。「これまで通勤中に、事故等により、病院で治療を要する程度の怪我をしたことはありますか」という問いも、86%が「ない」と答えています。
続きまして通勤中の事故はどうかということで、労災保険について知っているかということについては、約70%が保険があることについては「知ってる」と答えています。
次まいります。労災保険特別加入制度、一人親方のところですね。知っているかという質問を問いかけたところ、77%が「知らない」と答えています。これもちょっと回答数が少なかったものですから、これが全てとは言えませんが、そういう状況でありました。
民間の労働災害に関する保険などに入っているかということについては、「入っていない」が74%ということになります。
次いきます。Q10です。「就業中(往療中)に、どんな怪我をされましたか」ということで、多いのが車での交通事故が多いです。これは、はり、きゅう、マッサージを受ける患者様の多くが御高齢の方で自宅からなかなか出にくいというということで、私どもが出向いて行くことが非常に多いため、車での事故が増えていると思います。
次です。「通勤中にどんな怪我をされましたか」についても、やはり自転車・バイクなどの交通事故、車での交通事故が多いのかなと思われます。訪問、往療先まで車で行きますと、都会ではなかなか予定の時間に到着しないことがあります。やはりバイクや自転車での往療が増えるということから、このようなことになります。
続きましてQ12。これは、あはき師4団体が特別加入団体と認められた場合、安心して日常業務ができると考えられるかということで問いかけたわけですが、87%の多くが「好ましい」、「非常に好ましい」ということで、この制度は利用したいというふうに答えているところです。
次のページからは、どのようなケガをしたのかということで抜粋しましたので、いろんな事故があったことが読み取れます。事故1個1個を上げてもらったものですから、多彩なのですが、先ほどグラフでお伝えしたとおり、やはり車の事故が圧倒的に多かったなと思います。それからマッサージの施術でいいますと、患者様の体を手で押していくという作業をしますから、腱鞘炎であったり、首、肩に炎症をおこしたり、腰に痛みをもったりということがあります。ギックリ腰は、御高齢で足腰の弱られた方を抱き抱えるとか、ベッドから車いすに移すとか、こういう動作も施術中にある関係で、どうしてもこういうギックリ腰、それから、膝の負担がやはり多く出ます。患者様の体を移動するために、自分の体をねじっている最中に腰脚を痛めるということが、あるかなと思います。
次のページお願いします。同じような形でこのようなことが多いです。次のページにまいります。視覚障害者特有のケガということで、視覚に障害がある関係で、障害物に気付かずに転倒するとか、転落するという事故が、どうしても多くなっているというところが実態です。
続きまして、私たち4団体は安全で安心な施術所を作るために、今回この場に立たせていただきました。あん摩マッサージ指圧、はり、きゅうの施術所において、はり師、きゅう師、あん摩マッサージ指圧師に労働災害が起こると考えられるのは、患者さんを介護・介助する場合などでの腰痛、あるいは治療機器などの配線に引っかけてのつまずきや転倒。それから鍼灸で言いますと、患者様に使用済みの鍼を自分の指または手に刺してしまったという事例が出たりします。これは血液感染の心配が起こる可能性が主な事故かと思います。はり師、きゅう師、あん摩マッサージ指圧師のスタッフにとって、安全で安心な職場を作ることは患者さんへのサービスの質の向上につながることと考えています。一方、労働災害の原因を放置したままだと安全で安心な施術をすることができなくなり、作業効率も低下することもあります。そのために労働災害を防ぐように努めることが大切なわけですが、今回は患者さんを介助するときの腰痛予防や施術での転倒予防について気を付けるポイント、また、はり刺し事故の防止についてまとめてみましたので、以下述べさせていただきます。
腰痛防止について、このようなことで移動時の注意をしてきたいなというふうに思ってます。それから環境、介助する場合の注意。転倒の防止、それからヒヤリハットの活用というのは、今回このような場を設けて以降、各団体で会員またはそれ以外の全国のはり師、きゅう師、マッサージ師に向けてアンケートを取り、どのような事故が多いのかというのをしっかりと把握して、その対処法を考えていかなければならないと思ってます。それから安全活動についても、やはりしっかりと伝えていかなくてはならないと思ってます。
これは私ごとなのですが、腰痛予防のレポートを書いたことがあります。職場で看護師と介護職員との間で腰痛に差があったのです。看護職のほうが腰痛は少なかった。介護職のほうが腰痛が多かったのです。これは看護師はデスクワークであまり動かず、介護職が一所懸命動いているから起こったのかなと、勝手な推測をしました。ところが実態を調べてみたら活動量は変わらなかった。何が違ったのかというと労働災害予防の学びでした。学校教育の中で看護師は自分の体を守る勉強をする時間が多かったのです。介護職は自分の体を守る学びの時間が少なかったのです。車いすに移動するときのトランスファーテクニックをしっかり学べたかどうかです。そのことから考えますと、やはり安全で安心な施術所を作るためには、やはりしっかりと労働災害予防の教育を全てのあん摩マッサージ指圧師、はり師、きゅう師、マッサージ師に伝えていきたいなと考えてます。
私たちはあはき師のために新型コロナウイルスの感染予防のガイドラインを作らせてもらいました。同じように労災事故につきましても作っていき、注意喚起をしていくという作業は、今回のコロナの感染予防のガイドライン、お見せしているとおり同じような形で、皆に周知していけるかなと思ってます。
28ページです。ガイドラインは作ってもなかなか治療院の中で見にくいという、管理者は見ているが職員は見ていないということも起こったりしますので、新型コロナウイルスの感染防止対策チェックリストというのを出しまして、これをスタッフ含めて、ちゃんとこれできているよねという確認を治療院でしながら、または災害が起こったときにその災害の現場にマッサージ師や鍼灸師が駆けつける、この前の熱海での事故のときも駆けつけさせてもらいましたが、そういうときもこのチェックリストでチェックをして、感染予防をおこないながら、実際の施術を行うということです。
次のページにまいります。ご覧のような感染予防のパンフレットを作りながら、やはり現場のマッサージ師に周知していくということを行っています。
次のページいきます。特別加入の対象にすることへのニーズということで、鍼灸マッサージ業界は、特に危険な労働環境にはないものですが、長時間の労働に起因する心身の不調、手指の酷使、往療通勤による事故が発生しています。
この4団体に所属する会員の8割以上が個人事業主ということもあり、このような事故につきましては、労災保険の適用がいままでありませんでした。民間保険、これも日本鍼灸師会で調べてみますと、損害賠償責任保険、これはその相手の患者様に対してですが、これは8割、9割弱入っているのですが、自分たちを守る保険があるのか、これの加入率は非常に少ない。10%、15%ぐらいのところなのです。ただ、先ほどグラフで示したとおり、今回の特別加入はどうかということで、8割以上の人が期待しているわけなので、是非進めていただけたらと思っております。
先般、全世界型社会保障検討会議第2次中間報告において、「フリーランスとして働く人の保護のために、労働者災害保償保険の更なる活用を図るための特別加入制度の対象拡大等について検討する」と盛り込まれたことを受けまして、4団体としては会員も会員以外も含める、全国の地域で頑張る鍼灸マッサージ師が安心して治療に従事できるように、今回の労災保険の特別加入制度の特定業種として鍼灸マッサージ師を加えていただくように、お願いしたところであります。今回を機会に、新型コロナウイルス感染症拡大で、行政と連携し、鍼灸マッサージ師に対して感染予防、健康管理の強化を図るとともに、患者様に感染予防対策を周知してきたという実績から、今後は労災事故予防につきましても、全国のはり師、きゅう師、あん摩マッサージ指圧師に周知していこうと考えております。以上です。ありがとうございました。
○守島部会長 ありがとうございました。ただいまの御説明に関しまして、御意見、御質問等がありましたら、会場からの参加の委員は挙手を、オンラインからの参加の委員はチャットのメッセージから発言希望と入力をお願いいたします。どなたかいらっしゃいますか。坂下委員。
○坂下委員 経団連の坂下でございます。感想めいたものを1つと、質問を1つ、させていただきたいと思います。まず、感想ですけれども、本日の御説明を伺いまして、あはき師の皆様の実態がよく分かりました。1つは、多くの方が個人事業主、一人親方のような形で働いていらっしゃるということ。もう1つは、交通事故等によるケガも多いということ。全体的にはケガをするようなことは余りないようではありますが、あはき師の皆様の特別加入の対象になることへの期待が高いということもよく分かりました。15、16ページに書いてありますケガの内容を見ましたら、骨折ですとか、非常に重篤なケガにつながるリスクがある。往療中、通勤中の交通事故によるケガが多いことも分かりました。こうした状況を見ますと、特別加入団体のしっかりとした労災防止措置が講じられるということが大前提になりますけれども、そうした大前提のもとに特別加入制度の対象としていくことも考えられるのではないかと思います。
その上で質問があります。対象拡大の前提として、特別加入団体の役割が非常に重要になるわけですけれども、現時点でどのような形の団体を検討されているのか、本日お見えの4団体が協同で1つの団体を設立されるのか、それとも、それぞれの団体で個別に特別加入団体のようなものを設置されていくお考えなのか、この辺りがもし決まっていれば教えてください。
もう1つありまして、事故、ケガの要因を見ますと、交通事故が多いのです。なかなか難しいところもあるかもしれませんが、特別加入団体として交通事故の防止に向けて、どのような取組を考えておられるのか、その2つを質問させてください。
○公益社団法人日本鍼灸師会 ありがとうございます。まずは各団体間で細かく、どのような形で窓口を作るのかということについての議論は、まだ少ないのです。ただ、今まで長い歴史の中で医療費においてはこうあってもらいたい、又は、このようなことが国民にいいだろうということは、4団体まとまりながらお話してきた経緯がありますから、これについては意見はまとまってくるだろうと思っております。私個人の想定ですと、4団体がそれぞれということも1つは考えられますし、又はまとめるということも考えられますし、TSCの組合にお願いしていこうという考え方になることも十分考えられるなと思っております。なかなか複雑な取扱いになると思っております。どのくらいの規模の内容で入りたいかによっても、それぞれ変わりますし、本当に事故が起こってしまったときに、すぐ対応できる体制にするには、全国に私ども4団体は地方の師会を持っておりますから、どういう実態で、何が起こって、どうしなければならないのかというのは情報交換できているのです。今までもそういう保険制度のこととか、いろいろな事故のことについての情報交換ができていましたので、そういうところを利用しながら、どの形が一番適切な取扱いになるのか検討させてもらいたいと考えています。
交通事故の防止につきましても、これも先ほど新型コロナウイルスのところでお伝えしたとおり、どのような格好で事故を未然に防ぐことができるのかということについても、中央又は全国の都道府県師会から情報を集めながら、このことについてどのような対策が一番適切なのかというのを、なるべく早く作り上げたいと思っています。
○守島部会長 ありがとうございました。ほかに、髙橋委員、お願いいたします。
○髙橋委員 御説明どうもありがとうございました。坂下委員の質問にも少し絡んでくるのですが、御説明によりますと、あはき師の方は全部で36万人ほどいらっしゃって、そのうち4団体に加入されている方が2万人ほど、との御説明だったと思うのですが、特別加入団体になるということで、現在団体に加入されていない方からも当然入りたいという申出が出てくると思いますが、そのときに特別加入団体としての運営を、どのように考えていらっしゃるかということについて、お話を伺いたいと思います。
もう一点は、12ページのQ5を見てみますと、ケガをしていない、ケガをしたことがないという方が8割ぐらい、更には、14ページのQ9を見てみますと、個人で民間の保険に入っている方が既に4分の3ぐらいおられるということなのですが、労災の特別加入については、実際どれぐらいのニーズを想定されているのか、その辺について見解がありましたらお願いしたいと思います。
○公益社団法人日本鍼灸師会 あはきの人数、鍼灸マッサージ師の人数につきましては累計なのです。ですから、これは全部足しているのではなくて、あん摩マッサージ指圧師と、はり師ときゅう師を持った人間もいるし、はり、きゅうだけの人間もいるということなのですね。
それから、累計だと、今お話しましたけれども、廃業していった方のマイナス分というのが、なかなか集計できずにプラスされているだけなのですね。実態として、今、ちょうど前に座っている4人で話したのですけれども、8万人から5万人ぐらいの範囲ではないかという会話でした。これは、今回を機に正確なものをどこまでつかめるかやってみたいと思っていますけれども、現段階では8万ぐらいに対して、今、私どもの2万1,000ですから、4分の1ぐらいにはすぐ周知ができ、公益法人であるものですから、そのことで言うと、会員外の人間にも今までも研修会又は講習会、それからコロナの情報を流したりしてまいりましたので、同じような形で伝えることができるのではないかと。又は学校協会とか、国が2年前に16時間研修と言いまして、療養費の取扱いについての研修を、療養費を取り扱う治療院に関して研修会を行っています。こういう場で、今回のこのようなお話、特別加入ができるといったときにお話をしたり、又は起こっている事故について、気を付けないといけないという周知をすることができるだろうと考えています。答えは2つ言いましたでしょうか。もう1つありましたか。
○髙橋委員 そうですね。
○公益社団法人日本鍼灸師会 どれぐらいの期待度があるかというのは、先ほどのお話のとおり、80何パーセントだと思いますけれども、入りたいという希望があったということと、今までの民間の保険ですと、日本鍼灸師だけの調査になってしまうのですけれども、実態として10~15%しか入っていないというのは、施術所のあはき師のニーズになかなか合ったものがなかったという実態もあろうかなと思っています。1,000人ではありますけれども、アンケートをこうやって調べたところ、80数パーセントが期待しているということですから、私は十分ニーズはあるものと考えています。
○守島部会長 では、どうぞ。
○公益社団法人全日本鍼灸マッサージ師会 全日本鍼灸マッサージ師会の石川です。少し補足させていただきたいと思います。先ほど周知の方法についてですが、私たちが2、3割くらいの鍼灸マッサージ師の加入率だとしても、実はそれ以外に、2か月に1回ほどこの4団体プラス先ほど日鍼会の中村先生がおっしゃっていた学校協会、それから、全病理、理教連と、この7つの団体で会議をしております。ここで周知することができるのと、もう1つは、私たちの免許は携帯型の厚生労働大臣免許保有者証というのがあります。この発行の受付団体は、ここにいる4団体のみになっています。ですので、4団体に入っていない方たちも、4団体を通してこの免許証を取得する形になっています。ということは、私たち4団体にはデータがあることから、それを基に周知することは可能になりますので、多くのあはき師を網羅することは可能かと考えております。
もう一点は、民間の保険についてですけれども、これは各団体、保険を取り扱っていると思いますが、うちの団体で言うと、恐らく関連しているものについては団体所得補償プランというのと、団体総合生活補償保険というものになってきます。これは何が違うかというと、患者さんがケガをしてからの免責期間、保険が適用になる期間が労災保険より長いのです。それから、これは一口当たり、月2,000円の掛け金だとしても、もらえる額は年齢によってすごくばらつきがあって、例えば20代は19万円まで月に補償してもらえるのですが、これが60代になるともらえる額が5万8,000円、掛け金が月2,000円だとこのくらいになってしまうのです。ですので、これから私たちが、掛け率、料率がどのくらいになるか分かりませんが、圧倒的に労災特別加入させていただけたら、鍼灸マッサージ師のケガ、補償、この辺が守れるのではないかなと考えておりますので、是非、よろしくお願いいたします。
○守島部会長 ありがとうございました。続きまして、オンラインの安原委員から御発言を頂きたいと思います。
○安原委員 本日は御説明ありがとうございました。基本的に4団体としての御説明及びいろいろな安全対策等におかれましても、連携等されているという話だったと理解しております。また、周知あるいは安全の対策ということについても、非常に入念に対策を考えておられるのかなと受け止めております。少し質問というか、確認なのですが、あん摩マッサージ指圧師等は、視覚障害のある方が盲学校等で資格を取られて、このお仕事をされている方もいらっしゃるかと思いますが、現在どれぐらいの視覚障害者の方がいらっしゃるのかということ。細かい人数というよりも、どれくらいの割合という形でもいいかと思いますが、また、先ほども特有の事故についての調査もありましたけれども、そういった方に配慮のある安全対策、あるいはいろいろな手続のサポート等というのも、今後、加入団体として対応していかれるという形になるのでしょうか。細かくなりますけれども、いろいろと入念に御準備されているとお見受けいたしましたので、確認させていただきたいと思いました。よろしくお願いいたします。
○守島部会長 ありがとうございました。
○社会福祉法人日本視覚障害者団体連合 日本視覚障害者団体連合の逢坂と申します。ただいまの質問に回答させていただきます。あん摩マッサージ指圧師における視覚障害者の比率ですが、これは最新というか、平成30年の厚生労働省の報告例を基にお答えさせていただきますと、全あん摩マッサージ指圧師のうち、視覚障害者の比率が22.3%と報告されていますので、2万4,000~5,000というところでしょうか。そのぐらいになるかと思います。
安全対策につきましては、まず通勤時、私自身は施術所ではないのですけれども、勤める場所が決まりますと、事前に家族、友人あるいは地域によっては歩行訓練士と言いまして、視覚障害者にいろいろな安全な歩行を指導する職種の方がいらっしゃいますので、そういう方などに指導あるいは安全な歩行ルートなどを確認して、通勤するということが多いと思います。
往療については、往療というのは、いわゆる出張治療という言い方になるのでしょうか。この場合にも、視覚障害者が車を運転して移動することはありませんので、運転手を雇う、あるいはタクシーなどを利用して、その分の交通費を患者様に自費で払っていただくなどの対応もしています。あとは近所の場合などですと、大体小道を覚えて、家族の方などに迎えに来ていただくなども含めて、少なくとも無謀な移動をするということは、基本的には視覚障害者はほとんどないと考えております。ただ、逆に施術に伴う事故、先ほどもありましたように、腰痛あるいは思わぬ障害が現れることもありますので、そういうものが治療の対象ということになろうかと思っています。団体全体としても、これは研修等を通じて事故の防止に努めることを行っております。私からは以上でございます。
○守島部会長 ありがとうございました。
○安原委員 ありがとうございました。
○守島部会長 続きまして、オンラインの冨髙委員、お願いいたします。
○冨髙委員 御説明ありがとうございました。安全教育のところについてお伺いします。まず、地方において、あはき師をされている方も多いかと思いますが、特別加入団体になるということを考えた際、区域を越えた全国的な活動を想定されているのかという点、また、その場合に地方の加入者への安全教育はどのように対応されるおつもりなのかという点について、具体的なイメージがあればお伺いしたいと思います。さらに、各団体ごとに特別加入団体をつくられるのか、1つにまとめるのか、現時点でのイメージがあれば教えていただきたいと思います。以上です。
○公益社団法人日本鍼灸師会 お答えさせていただきます。全国展開は中央で、まず全国の状況を知りながら、実態をまとめていくという作業を始めないとならないと思っております。その上で、いろいろな諸問題、医療保険のことを含めて中央発信で全国に周知していくということは、今までもできていたことですから、ここにつきましては網羅できるだろうと考えております。そこから、更に会員外についてどうするのかということではありますが、ここにつきましても、各都道府県を見てまいりますと、研修会、講習会というのはオープンにしておりまして、会員外も受講することができる状況を、公益法人になりましてから、特にここは進みました。したがって、聞ける機会又は聞くための発信というのは、できているかなと考えております。そういうところです。
○守島部会長 では、石川さん、お願いいたします。
○公益社団法人全日本鍼灸マッサージ師会 全日本鍼灸マッサージ師会の石川です。少し補足させていただきます。特別加入団体、まだ確かに4団体でどうするかという話合いはできていないのですが、うちの団体で毎年やっている研修会があり、今年の11月13日にもありましたが、うちとその外郭団体である日本鍼灸マッサージ協同組合で共催しています。ここでは、各都道府県の師会長さん、それに随行する者、大体プラス2、3名が集まっていただき、そこの中で先ほど話をしました団体所得補償プランあるいは総合生活補償保険、この辺りでどういうケガがあって、どう対処すればいいのか。ヒヤリハット等も含めて説明させていただいております。この内容を、先ほど言った47都道府県の会長の方々が地元に戻って、そこでまたその話を広めるということで、全都道府県を網羅しているような形になるかなと考えております。そのときに、視覚障害の先生たちにも問題ないように、基本的には音声で細かい所、表も含めて全部読み上げる対応をさせていただいております。以上になります。
○守島部会長 ありがとうございました。
○社会福祉法人日本視覚障害者団体連合 日本視覚障害者団体連合の逢坂でございます。私のほうからも補足としまして、視覚障害者の団体も全国規模で60団体の連合体になっておりまして、全国を9ブロックに分けております。そのブロックごとに研修会を積極的に開いていただいていまして、その中でも大きなテーマの1つに安全対策ということが挙げられております。この1年はどうしても感染症対策が中心にはなりますけれども、自己予防も含めてそれぞれ取り組んでいるところです。以上です。
○守島部会長 ありがとうございました。ほかに、田久委員、お願いいたします。
○田久委員 説明ありがとうございました。実態としてよく分かったものであります。今、坂下委員、冨髙委員なども含めて言われた部分もありますが、1つは、やはり安全対策と、これを抜きにしての特別加入団体はないと思っています。今で言うと、全国規模でやるというようなお答えも含めてあったのですが、今、石川さんが言われた地域のそういった所でも、団体が集まって学習しているということであれば、やはり地域の部分ということも含めて考えてもらい、私たちの全建総連という団体の中でも、実は350を超える特別加入団体を持っていますから、やはり地域に合った、そういったきめ細かな安全対策ということが考えられると思いますから、是非その部分でいくと、そういった体制なども視野に入れながら今後は進めていく。それはなぜかと言うと、やはり全国区にしますと、ホームページ上でやって、本当に安全対策がやられているかどうかということが、甚だ疑問な団体もかなり多くありまして、そういった意味では、実は新たに加わった特別加入団体でもそういったような動きが、もう見えてきてしまっているのですね。ですから、やはり基本、坂下委員も最初に言われたような、とにかく安全対策をきちんとできていける、そういったところを4団体で共通して何かを決めていただきながら、各団体での特別加入団体になっていくのも含めて検討していただければと思います。ニーズがあるということも分かりましたし、そういった意味では、是非、そのようなことで検討してもらうのが1つ。
また、自分たちを守る保険に入っていないというようなことが言われていましたが、決して、労災保険は安くありません。利率が下がったとしても安くないですし、日額は自分で決めます。そういった意味では、安いのを選ぶ。これは実は本末転倒で、休職部分について、要するに働いている人を守るという立場であれば、そういったところもきちんと説明ができる団体になっていただきたいと思っています。建設ではここが一番苦労していますので、是非、そういったところもお願いしたいなと。ちょっと質問ですけれども、自分たちを守る保険に入らないという理由が、何か分かれば教えていただければと思います。
○公益社団法人日本鍼灸師会 日本鍼灸師会では、まだ少ない理由がしっかりと把握できていないので、今の御質問については、入らない理由をしっかりアンケートなどで確認していきたいと思っています。
あと、非常に今、勉強になりましたのは、地域によってケガの状況が変わるのではないのかと、そこにそれぞれ対応してというお話で、これは非常に勉強になりました。例えば、パッと往療に出向いて行くことが多いという実態から考えると、雪の降らない所と、雪の降る所の差というのは確かにあるなと思いますし、こういうところを十分、地方師会と連携は今まではできていましたから、例えば全国大会とか、全国の師会長会議とか、各団体持っていますので、そういう所で共有した情報を提供できるようにしてまいりたいと思います。ありがとうございます。
○守島部会長 ありがとうございました。ほかに御質問、御意見等ございますでしょうか。それでは御質問等がないようなので、これで終わりにさせていただければと思います。各団体の皆様におかれましては、お忙しい中お集まりいただいて、どうもありがとうございました。
                              (4団体 退室)
○守島部会長 次の議題は、労働保険の保険料の徴収等に関する法律施行規則の一部を改正する省令案要綱等です。こちらは諮問案件となっておりますので、まず事務局から説明を頂きたいと思います。よろしくお願いします。
○労災管理課長 説明します。資料2-1です。労働保険徴収法の施行規則の改正案要綱と、関連する大臣告示案要綱について意見を求めるものです。中身は資料2-2で説明したいと思います。労災保険制度におきましては、保険給付及び特別支給金の額から算定されるメリット収支率という仕組みがあります。個別の事業場の状況に応じて業種別の料率に対して、マイナス40%からプラス40%まで増減させて労災防止努力の促進、あるいは保険料負担の公平性を図るということを目的としております。
しかしながら、今般、新型コロナウイルス感染症に関する労災につきましては、事業主が十分に衛生環境の整備に努めても、感染を完全に防ぐことは難しいという側面があった。それから、医療・介護の事業はもとより、幅広い業種について政府が緊急事態宣言時の業務継続を要請していること等を踏まえまして、新型コロナウイルス感染症に関する保険給付、特別支給金の額について、メリット収支率の算定に反映させないという改正を行いたいと思っております。
中身につきましては2にありますが、徴収法第12条第3項、いわゆる継続事業、それから第20条1項の有期の事業の業務災害に関する保険給付の算定に当たりまして、算定は厚生労働大臣が定める率を乗じた額を算入するという内容で、これに関連しまして、大臣告示で調整率を0にするということが1つ。それから(2)になりますが、特別支給金についてはメリット収支率に算定しない、この2つを定める省令改正をしたいと思っております。
横置きの参考資料、上が青いものがありますが、これで概況を説明します。令和2年度、全業種で約6,500件のコロナ関連の給付がありました。療養補償給付、休業補償給付、遺族補償給付とありますので、ダブルカウントになっている部分もありますが、人数で言いますと約4,000人です。それから、1件当たり30万円程度の支給があったということですので、総額としては約20億円の支給がありました。令和2年度の総給付額、約8,000億円の0.2%強に当たる数字になります。メリット制の適用につきましては、下の図にありますように、マイナス40%から段階的にプラス40%まで、支給の状況によって変動する仕組みになっておりますが、コロナの労災が発生した令和2年度の実績が今回初めてメリット制の適用に入ってくる、令和4年度のメリット制について、令和2年度、令和元年度、平成30年度の実績で計算することになっておりますので、今、御審議を頂くところです。
それから、特例措置の期間ですが、今回御了承いただければ、新型コロナウイルス感染症に関する労災をこの計算から除くということにしたいのですが、感染症法では、新型コロナウイルス感染症を、国民が免疫を獲得していないことから、国民の生命及び健康に重大な影響を与えるおそれがあると定義されております。いわゆるCOVID-19がこれに当たるということになるわけですが、この法の第44条の2では、厚生労働大臣は、この感染症について、国民の大部分が免疫を獲得したこと等で、もはや新型インフルエンザ等感染症と認められなかったときには、その旨を速やかに公表するということになっておりますので、COVID-19の感染症が普通の感染症になったときには、自動的に特例措置も収束するということを考えております。事務局からの説明は以上になります。
○守島部会長 ありがとうございました。それでは、ただいま諮問のあった件につきまして御意見、御質問等がありましたらお願いいたします。オンラインの方は、チャットのメッセージ欄から発言希望と記入をお願いいたします。髙橋委員、お願いいたします。
○髙橋委員 御説明ありがとうございました。1つ教えていただきたいのですが、先ほどの資料2-3の裏面の、国民の大部分が感染症に対する免疫獲得したことを、大臣が速やかに公表するということになっていて、多分、この時点で新型コロナ罹患に関するものについては、元に戻すということになると思うのですけれども、例えば年度の途中で宣言が出された場合、その年度いっぱいについては、コロナに罹患された方に関しては全て0というような算定になるということですか。
○労災管理課長 ありがとうございます。今考えておりますのは、新型コロナウイルスとして労災認定されたものは、この特例措置の対象になる、メリットの対象から除くということで、基本的には恐らく出なくなってから収束宣言が出ることになると思いますので、入れるか入れないかという問題は余り生じないのではないかと思っております。いずれにしましても収束宣言が出た後については特例措置は適用しない、出る前のものについて適用すると思っております。
○守島部会長 ありがとうございました。ほかに御意見、御質問等ございますでしょうか。田久委員、お願いいたします。
○田久委員 説明ありがとうございます。メリット制の部分に入れない。これは災害ですから、いわゆる、そこはそのとおりだと認識しています。それと同時に、やはり完全な収束ではないという点でも、今後もまだあり得る。そういった点でも、メリット制に当てはまらないという周知もそうですが、やはり事業所としてコロナが発生してしまうと、社会的な立場も含めたところで認めないというような声も聞かれますので、是非そういったことも含めて、働く者を救済していくというような立場で、きちんと対処をするようなことを、改めてお願いをしたい。そういった周知も是非やっていただきたいと思います。以上です。
○守島部会長 ありがとうございます。坂下委員、お願いいたします。
○坂下委員 経団連の坂下です。今回の諮問に関して、田久委員からご指摘が、また事務局からもご説明がありましたとおり、コロナというものは、事業者が十分な感染防止対策を講じたとしても、防ぎきることが難しい性質のものですので、今回の諮問の内容は妥当であると考えております。
○守島部会長 ありがとうございました。では、オンラインで冨髙委員、お願いいたします。
○冨髙委員 ありがとうございます。私どもとしても、内容につきましては特段異論はございません。先ほども発言がありましたが、第6波も懸念されておりますし、職場での感染拡大防止対策について、今後も徹底して取り組んでいくべきだろうと考えております。内容については妥当と考えます。以上です。
○守島部会長 ありがとうございました。ほかに御意見、御質問等ございますでしょうか。では、どうぞ。
○労災管理課長 御意見、どうもありがとうございます。コロナの感染に関しましては、監督署等で様々な、労災として取り扱いますよという周知もしておりますし、事業所でクラスターが出ているということを把握した場合には、労災の請求勧奨等も行っているところですが、今回の取扱いも含めて周知をしていきたいと思っております。併せてコロナ防止のチェックリスト等も作成しておりますが、感染対策についてもしっかり取り組んでいきたいと思います。
○守島部会長 ありがとうございました。ほかに御質問、御意見等ございますでしょうか。それでは、特段の御意見がないようでしたら、諮問のあった件につきまして、当部会としては妥当と認めて労働条件分科会長宛てに報告することとしたいと思いますけれども、それでよろしいでしょうか。
(異議なし)
○守島部会長 ありがとうございます。では、そのように進めさせていただきます。労働政策審議会令第7条第7項により、部会の議決をもって分科会の議決とすることができ、同令第6条第7項により、分科会の議決をもって審議会の議決とすることができると定められております。また、労働条件分科会運営規程第7条におきまして、当部会の議決をもって分科会の議決とするということになっており、労働政策審議会運営規程第9条におきまして、分科会の議決をもって審議会の議決とするということになっております。したがって、当部会の議決が審議会の議決となります。
それでは、事務局に答申案を用意していただいておりますので、読み上げていただきたいと思います。
○労災管理課長 それでは、資料の3枚目を御覧ください。労働条件分科会の荒木分科会長宛て、当部会の守島部会長からになります。
「労働保険の保険料の徴収等に関する法律施行規則の一部を改正する省令案要綱」及び「労働保険の保険料の徴収等に関する法律施行規則附則第七条第一項第一号の新型コロナウイルス感染症に係る調整率を定める告示案要綱」について、令和3年11月26日付け、厚生労働省発基1126第8号をもって、労働政策審議会に諮問のあった標記については、本部会は、審議の結果下記のとおり結論を得たので報告する。
記、厚生労働省案は、妥当と認める。
同じ内容が2枚目で、労働条件分科会長から労働政策審議会会長宛、それから、1枚目で労働政策審議会長から厚生労働大臣宛に答申されます。以上です。
○守島部会長 ありがとうございました。ただいま読み上げられた内容で、部会長から分科会長、分科会長から労働政策審議会長宛に報告し、この報告のとおり厚生労働大臣宛に答申を行うことにしたいと思います。なお、オンラインで参加の委員へは、答申案を後ほど送付させていただきます。
そのほかに何かあればお伺いしたいと思いますけれども、よろしいでしょうか。それでは、これで本日予定した議題は終わりになりましたので、部会を終了させていただきたいと思います。次回の日程につきましては、事務局より追って連絡させていただきます。本日は、お忙しい中お集まりいただいて、皆様方、どうもありがとうございました。本日は、以上とさせていただきます。ありがとうございました。