薬事・食品衛生審議会薬事分科会血液事業部会令和3年度第1回献血推進調査会議事録

日時

令和3年7月30日(金)14:00~16:00

開催形式

Web会議

出席者

出席委員(12名):五十音順、敬称略 ◎座長 ○座長代理

日本赤十字社:敬称略

  • 松田 由浩(日本赤十字社血液事業本部経営企画部次長)
  • 鹿野 千治(日本赤十字社血液事業本部経営企画部献血推進課長)

事務局:

  • 中谷 祐貴子(血液対策課長)
  • 菅原 高志(血液対策課長補佐)

議題

  1. 1.令和2年度の献血実績の評価について
  2. 2.「献血2020」の結果について
  3. 3.その他

配布資料

資料ページをご参照ください。

議事

議事内容
○菅原血液対策課長補佐 それでは定刻となりましたので、ただいまより「薬事・食品衛生審議会薬事分科会血液事業部会令和3年度第1回献血推進調査会」のWeb会議を開催いたします。本日の会議は公開で行いますが、カメラ撮りは議事に入るまでとさせていただきます。マスコミ関係者の方々におかれましては御理解と御協力をお願いいたします。
本日はお忙しい中御参集いただき誠にありがとうございます。この度、新型コロナウイルスの感染拡大防止の観点からWebでの審議とさせていただきます。最初に、委員の交代がございます。栃木県の海老名委員及び近藤委員がこの度退任され、新たに北海道保健福祉部技監の廣島孝委員、全国学生献血推進実行委員会全国委員長の吉田那沙委員が新たに委員に就任されましたので御紹介いたします。廣島委員お願いいたします。
○廣島委員 廣島です。この度、新たに委員になりましたので、皆様よろしくお願いします。
○菅原血液対策課長補佐 ありがとうございました。次に吉田委員お願いいたします。
○吉田委員 吉田です。よろしくお願いします。
○菅原血液対策課長補佐 ありがとうございました。また、本日は日本赤十字社血液事業部より松田経営企画部次長、鹿野経営企画部献血推進課長に御出席いただいております。なお、宮川委員は後れて御参加される旨の御連絡を頂戴しております。
次に、全ての委員の皆様より、薬事分科会規程第11条に適合している旨を御申告いただいておりますので、御報告させていただきます。委員の皆様には会議開催の都度、書面を御提出いただいており、御負担をおかけしておりますが、引き続き、御理解、御協力を賜りますよう、何とぞよろしくお願い申し上げます。
議事に入る前に、会場にお越しいただいている委員の皆様におかれましては、本日の資料の確認をお願いいたします。お手元にあるタブレット上に議事次第から参考資料までのPDFファイルが表示されているか御確認をお願いいたします。ファイルが表示されていない場合や不足がある場合には、お近くの職員にお声がけください。タブレットの使用方法につきましては、お手元の「ペーパーレス審議会タブレット操作説明書」を御覧いただき、御不明な点等ございましたら事務局までお声がけください。
また、本日の調査会に際し、新型コロナウイルス感染拡大防止のため、説明者においてマスクを着用したまま説明していただく場合がございますので、御了承いただければと存じます。間もなく議事に入りますので、カメラの頭撮りはここまでとさせていただきます。
それでは、以降の進行を佐々木座長にお願いいたします。
○佐々木座長 それでは事務局から審議の進行方法の御説明をお願いいたします。
○菅原血液対策課長補佐 事務局でございます。本日はWebでの審議のため、対面での進行と一部異なる部分がありますので、今回、委員の交代もあったことから、改めて審議の進行方法について御説明させていただきます。
審議中に御意見、御質問をされたい委員におかれましては、まず、御自身のお名前と、発言したい旨を御発言いただきますようお願いいたします。その後、座長のほうから順に発言者を御指名いただきます。御発言いただく際は、マイクがミュートになっていないことを御確認の上、御発言ください。また、ノイズを減らすため、御発言が終わりましたらマイクをミュートにしていただきますようお願い申し上げます。なお、発言者が多くなり、音声のみでの判別が難しいなど混雑した際は、一度皆様の発言を控えていただき、発言したい委員におかれましては、チャットにてその旨のメッセージを記入していただくよう、事務局又は座長からお願いをする場合がございます。その場合は記入されたメッセージに応じて、座長より発言者を御指名いただきます。以上でございます。
佐々木座長 ただいまの説明について、御意見、御質問があればお願いいたします。よろしいでしょうか。ありがとうございました。それでは早速議事に入りたいと思います。皆様よろしくお願いいたします。
まず、議題1の「令和2年度の献血実績の評価について」です。資料1-1について日本赤十字社から、資料1-2、資料1-3について事務局から、続けて説明をお願いいたします。
○鹿野課長 日本赤十字社の鹿野と申します。私のほうから、資料1-1「令和2年度供給・献血実績等」について御説明させていただきます。次の2ページは、こちらが今回御説明する内容となっております。まず、1つ目「供給実績」、2つ目「献血実績」、3つ目「献血血液確保に係る取組について」、4つ目「新型コロナウイルス感染症に伴う対応について」、5つ目「まとめ」ということで御説明をさせていただきます。
次の3ページは、1つ目の「供給実績」です。全体では令和元年度実績に対して2.0%減少の約1,713万本の結果となっています。また、製剤別では、赤血球製剤で0.6%減少の約636万3,000本、血漿製剤では2.1%減少の210万3,000本、血小板製剤では2.9%減少の約866万7,000本の結果となっております。
次の4ページは、赤血球製剤の在庫の推移になります。折れ線グラフでお示ししている縦軸が単位数、横軸が月となっております。オレンジの折れ線グラフは平成30年度、緑の折れ線グラフは令和元年、赤の折れ線グラフが昨年度の令和2年度となっております。また、上段の赤の実線については200%の推移、中段の濃いグレーの実線については180%、青の適正在庫については6万4,400単位、これが供給の平常時の3日分に相当する状況となっております。その下段のオレンジの実線については注意報水準、下段の赤の実線については警報水準となっております。昨年度は新型コロナウイルス感染症の影響がありましたが、オレンジの折れ線グラフを見ていただきますと、適正在庫水準以上の在庫保有となっておりますので、年間を通じまして安定供給が保たれたといった結果となっております。
次の5ページは、献血実績です。全体で、令和元年度に対しまして約11万人、2.3%増加の約503万8,000人の献血の御協力を頂いている結果となっています。献血種別では、400mL献血は0.4%減少の約324万7,000人、200mL献血は12%減少の約12万3,000人、血漿製剤については19.2%増加の約111万9,000人、血小板献血については6.4%減少の約54万8,000人の結果となっております。
次の6ページは、年代別の献血者の状況です。左側の棒グラフについては10代を示しています。令和元年度の10代をまとめますと、26万5,798人、令和2年度(昨年度)は20万3,467人の状況でして、10代全体で見ますと6万2,331人、23.5%減少の結果となっています。また、16歳から19歳までの各年代を見ていただいてもお分かりかと思いますが、令和元年度を下回る結果となっております。右側の棒グラフについては、20代から60代を示しております。年代別の20代後半から60代までは、令和元年度に対して令和2年度が上回る結果となっております。
次の7ページは、延べ献血者数を示したものです。平成10年度から令和2年度(昨年度)までをグラフで示しています。棒グラフについては総献血者数で、折れ線グラフは各年度を示しています。特に、折れ線グラフの10代の赤い折れ線グラフですが、直近3年間の協力者数を示していますが、昨年度はコロナの影響もありまして、先ほど御説明させていただいたとおり、前年度と比較すると約6万2,000人ほど減少する結果となりました。
次の8ページは、年齢別献血可能人口と献血率を示したものです。棒グラフが献血可能人口で、折れ線グラフが献血率を示しています。左側の、18歳と19歳を少しプロットしたものですが、18歳は一昨年度8.1%から昨年度5.9%まで約2.2%減少し、19歳についても7.5%から5.8%と1.7%減少する結果となっております。また、24歳以降については令和元年度とほぼ同様の傾向を示しているといった結果となっております。
次の9ページは、初回献血者の状況です。平成18年度から令和2年度までをグラフにしたものです。棒グラフが初回献血者数、折れ線グラフについては年代別の初回献血者数を示したグラフです。10代の直近3年間の状況は、赤の折れ線グラフになりますが、平成30年度については、全体の初回献血者数が約34万人に対して10代は約14万人、構成比で41.2%となっております。令和元年度については、33万人に対して約13万人、令和2年度については28万人に対して約9万7,000人という結果となっております。また、令和2年度を令和元年度と比較しますと、約3万8,000人、28.3%減少する結果となっております。また、全体でも約5万人の減少といった状況ですので、やはり初回献血者数が昨年度は減少したといった状況が見受けられるかと思います。
次の10ページは、都道府県別の10代の献血者数です。こちらの表ですが、左側の計画数については、各都道府県と各赤十字血液センターで協議を行い、年度の目標を立てまして実施をしてきております。右下の合計欄ですが、全体の合計で10代については27万8,999人の計画数でしたが、実績については20万3,467人となっております。その右隣の令和元年度の実績については26万5,798人、計画に対する実績は72.9%です。またその隣の76.5%は前年度の実績と比較したもの、下段の-6万2,331人については令和元年度との比較すると減少している状況となっております。
次の11ページは、20代の献血者数です。こちらについても同様の見方をしていただければと思います。右下段の差異の所ですが、令和元年度と比較しまして-2万4,109人の結果となっております。次の12ページは30代です。こちらは逆に8,133人の増加となっております。
次の13ページは、。一昨年度、献血血液確保に係る取組を実施してきました。(1)献血推進プロジェクトについては、左側の2019年度~2020年度の「献血つながりプロジェクト」と題しまして「みんなの献血」を実施してきました。今年度については、右側の「いこう!献血」ということで実施している状況になります。今回は、「みんなの献血」の取組について御説明をさせていただきます。下段に記載のとおり、10代から30代の若年層世代を強化していくことで進めております。
次の14ページは、昨年度1年間にわたりまして「みんなの献血」の広報物をこのような形で展開をしております。左上段から、等身大のパネルですとか、ポスター、またはクリアファイルを作成しながら進めている状況です。次の15ページ、それに係るオリジナルグッズを1年間にわたって配布しております。特に10代~30代の献血協力をいただいた希望者に対して配布をしてきております。
次の16ページは、こちらも「みんなの献血」の広報物としてイベント等で配布をしております。こちらは冊子になっておりまして、記載内容についてはコロナ対策ですとか、そういった内容も含めまして展開をしてきた状況です。次の17ページは、オリジナルカレンダーを先着3万名様に配布するなどをしていく展開をしております。
次の18ページは、です。特別オンラインの献血セミナーを展開してまいりました。献血セミナーに輸血経験者である女優の友寄蓮さんを招きまして、新しい生活様式に配慮したオンライン形式で進めました。また、実施については、下段に記載のとおり、4校の高校にお邪魔して実施しました。献血の実績も下段のとおりの状況となっております。
次の19ページ、オリジナルの献血絵本を作成しまして、幼稚園、保育園等も含めまして、524園に対して10万冊ほど配布をして、園児の方にも献血のお話を聞いていただく機会を設けております。
次の20ページは、ラブラッド会員、献血の複数回予約システムでありますラブラッド会員に限定のメール配信をさせていただきながら、献血の呼び掛け、更には複数回の増加につなげていく活動もしてまいりました。
次の21ページは、「みんなの献血」及び、「ソードアート・オンライン」の、アニメ施策も含めた展開をしております。
22ページは、(2)献血の社会的重要性の認知度向上に向けた広報活動も展開してまいりました。こちらについては、主に血漿分画製剤の必要性を訴えることを展開してまいりました。左側に、輸血を受けた方の感謝の声など、ラブラッド機能を含めまして掲載させていただく。また右側については、分画製剤の必要性を訴える医師の声を載せてパンフレットを作成し、展開をしてきております。
次の23ページは、(3)献血Web会員サービス「ラブラッド」の展開です。先ほどもお話をさせていただきましたが、ラブラッド会員というWeb上の会員登録をいただきまして、献血の事前予約を含めて献血の協力をしていただく。先ほどの献血に関するラブラッドの声、いわゆる受血者の声などの内容も閲覧できるような仕組みを展開しております。現在も事前予約を強化し、密を避けるような展開を進めている状況です。
次の24ページは、ラブラッド会員の構成状況です。中段・上段に記載のとおり、延べ献血者数は503万人ほど、左側がラブラッド会員の登録献血者人数で334万7,556人、構成比で64.4%の方が献血に御協力いただいている状況となっております。日本赤十字社としましても、このラブラッド会員を多く広め、協力者数を伸ばし、登録していただきながら事前予約を進め、展開をしていくこととしております。
次の25ページは、そういった内容を含めた実績が下段に記載されております。左側のラブラッドの会員数ですが、令和2年度は約247万人です。右側の予約状況ですが、血小板献血の予約については、全体の67.6%の方が事前予約をしていただきながら献血をしていただいている状況です。また、その右隣の血漿成分献血についても61.3%、全血献血については11.3%の状況と今なっております。
次の26ページは、大きな4つ目の課題の「新型コロナウイルス感染症に伴う対応について」です。まず、(1)献血会場における感染対策です。右下段に記載のとおり、ポスターを掲載しまして、入場時のお願いや、献血辞退の条件などを記載し、事前に献血会場に来ていただくところで確認をして対応をしております。
次の27ページは、(2)新型コロナウイルスワクチン接種者への対応です。接種後48時間以上を経過した方に献血を御協力いただけるとして、左下段のとおり、ホームページで掲載し、右側は、会場の前に掲示物で掲載をして献血者に促しております。
次の28ページは、(3)緊急事態宣言への対応です。昨年の春先からずっと続けておりますが、1つ目としては、行政対応として、行政と協力しながら献血血液の確保に取り組んでいくといった内容です。また、商業施設の停止等がありまして、昨年度はかなり苦戦した状況がありますが、そのような状況についても御理解を頂きながら進めていく。3つ目の、施設等の環境整備については、先ほどのポスターの掲載等も含めまして、マスク着用や、こまめな消毒等も含めて、献血会場の安全性を訴えていくことを取り組んでおります。
次の29ページは、(4)参考です。昨年度の移動採血は新型コロナウイルス感染症に伴いまして、かなり中止の件数が増えてきているといった状況がありました。こちらについては、令和2年度2月15日~5月31日までの状況ですが、棒グラフが移動献血車を含めた献血の御辞退の申出があった件数です。約4,004件の協力辞退の申出がありました。現在も一部、緊急事態宣言が出ている所もありますので、まだまだ協力辞退の申出が出てくる県もありますが、昨年度の状況を踏まえまして、今年度も取り組んでおります。
次の30ページは、5「まとめ」です。1つ目としまして、コロナ禍においても、先ほど御説明しましたとおり、輸血用血液製剤及び原料血漿は滞りなく安定供給が保たれた状況となっております。2つ目については、「新しい生活様式」はアフターコロナにあっても定着すると思われ、集団献血から個々の献血、イベント型からWeb主体の施策など、新たな献血血液確保施策への転換が必要であると考えております。3つ目としましては、10代及び20代前半の献血協力については、YouTube及びSNS等の施策で初回献血者を推進し、献血Web会員サービス「ラブラッド」を活用して、2回目以降の献血につながるよう、引き続き取り組んでいきたいと考えております。また、献血予約を推進することで、献血会場の混雑回避、また待ち時間を解消するなど、安全性並びに利便性を高め、献血に御協力いただける機会を増加させる。最後になりますが、小学生から大学生への啓発、献血セミナー等については、インターネットを活用したオンラインでの実施に取り組みながら、厚生労働省をはじめ、国・行政との連携を密にして、積極的な展開を進めていきたいと考えております。説明は以上になります。
○菅原血液対策課長補佐 それでは、厚生労働省の取組について御説明いたします。資料1-2「献血推進の施策について」を御覧ください。ただいま、日本赤十字社様の取組を御説明いただいたところですが、資料1-2については、厚生労働省の取組となります。
血液法では、国の役割として、献血層の教育、普及啓発がうたわれています。これを実施するため、限りある予算の中で可能なところを行っております。まず、1.「普及啓発」の(1)若年層に対する普及啓発、働きかけです。そこにおいて、1中学生への普及啓発です。こちらは例年同様、血液の重要性や必要性を理解していただくために、ポスターを作成し、全国の中学校に各学校現場の要望に応じて配布を行っております。配布部数は資料にあるとおりです。なお、令和3年度においても同様に実施していく予定です。
次に、2高校生への普及啓発です。高校の授業で使用していただきたいということで副読本「けんけつ HOP STEP JUⅯP」を作成し、全国の高校2年生の生徒及び教員に記載の部数をそれぞれ配布いたしました。こちらについても今年度も同様に実施していきます。また、高等学校における献血に触れあう機会の受入れの推進として、学校献血や献血セミナーを積極的に受け入れていただくため、文部科学省に協力を要請しております。具体的に申しますと、私ども厚労省が文部科学省に協力を要請し、それを受け、文部科学省から協力依頼の文書を、例えば県の教育委員会などに発送を行っていただいております。
次に、3大学生等への普及啓発です。こちらは平成30年度からの新たな取組として、大学に対してもポスターを作成し配布しております。配布部数等は資料のとおりです。こちらについても引き続き実施する予定です。
また、4主に10代、20代の若年層を対象とした普及啓発ですが、2つありまして、1つは「はたちの献血」キャンペーンのポスターの作成、配布です。こちらも資料のとおりの部数を配布しております。
(2)その他の普及啓発ですが、「愛の血液助け合い運動」を毎年7月に実施しています。具体的には広報用のポスターを作成し、都道府県等に配布しています。また、7月の「愛の血液助け合い運動」の一環として、毎年、献血運動推進全国大会を開催しております。今年度については、オリンピック、パラリンピックの開催の関係上、9月に鹿児島県で開催する予定です。
政府広報を活用した普及啓発は、政府広報オンライン、政府の全体的なホームページ、ラジオ、インターネットテキスト広告、新聞広告、あるいは厚生労働省の広報誌又は私ども厚生労働省のTwitterやFacebookなどで献血の普及啓発を図っております。
2.「若年層の献血者数の増加に向けた取組」です。先ほど日本赤十字社からも説明していただきましたとおり、都道府県別に10代、20代、30代の献血者数の目標を立て、進捗管理を行ってきたところです。実績としては下の表のとおりで、やはり10代のほうがかなり厳しい状況でした。
参考として、一番下に総献血者数に占める年代別献血者数の割合の表を用意しております。例えば一番上の昭和60年度、こちらについては横に年代別のそれぞれの割合を記載しております。20代の方がこのときは30%ということで、いわゆるコアな世代ということで、一番多く献血に御協力いただいていたところです。平成10年度までは、20代の方々がその年において一番多く献血に御協力いただいていたところですが、これが平成15年、20年になってきますと、多い世代が30代に、さらに25年度になると40代に移ってきて、平成30年度からは50代、60代に移ってきています。将来的に年が進めば、50代、60代の方々というのは献血ができない世代に入ってきますので、その分、ほかの年代の方に献血に御協力いただきたいと考えております。このように年代で献血者数にばらつきがありますと、輸血用血液製剤の安定供給に支障が出てくるということが考えられますので、その数字をなるべく均一にするような取組が必要と考えている次第です。資料1-2の説明については以上です。
続きまして、資料1-3です。こちらは令和2年度の献血実績の評価についてお示ししています。最初に、令和2年度の献血の実績の評価です。詳細については先ほど日本赤十字社様から御説明をいただいたところです。最初の2項目については、献血用血液製剤の供給に関するものです。まず最初に、必要な献血量を確保し、安定的に供給できた旨をお示しさせていただいております。その次に、献血者数については、先ほどの日本赤十字社様から御説明いただきましたとおり、前年度の令和元年度よりも約11万人増の約504万人、献血率については6%増となっております。内訳をみますと、輸血用血液製剤の供給本数としては、対前年度で約2.0%減少しております。ただ、原料血漿の国内製造販売業者等への配分量については、免疫グロブリン製剤等の供給量の増加により、対前年度比で1.7%増加となっています。
3つ目の項目ですが、先ほどの御説明にもありましたとおり、10代については献血者数、献血率ともに前年度から減少したところです。これは新型コロナウイルス感染症の感染拡大に伴い、校内献血が中止になるなどの、いわゆるコロナ禍の影響が大きかったと考えております。
このような令和2年度の実績や取組を踏まえ、来年度、令和4年度の献血推進計画を策定するに当たり、その方向性についての案を記載しております。まず10代については、いまだに新型コロナウイルス感染症の流行下ですが、まずは献血普及を通して、初回献血を行っていただくという取組を継続していく必要があると考えているところです。一方、20代後半から30代半ばまではほぼ横ばいで、その後緩かに上昇する傾向は令和元年度と同様になっております。
これらの傾向を踏まえて、令和4年度の献血推進計画をこれから策定するに当たり、まず若い世代、若い時期における献血の経験が、その後の献血の動機付けになるという過去のアンケート結果もございます。それで、まずは10代について、献血を経験してもらうということ、併せて初めて献血した後から期間を置かずに継続的に献血に協力していただく取組が必要であろうと考えております。また、18歳、19歳で一度多くの方々に献血に御協力いただくわけですが、その後35歳くらいにかけて、継続して献血に協力していただく方が減っていくことがグラフ上でも分かっています。一度献血を経験した方が、20代、30代になっても継続して献血をしやすくなるための環境整備など、そのような取組ができないかについて、献血推進計画について記載を考えています。併せまして、新型コロナウイルス感染症の対応についても、今後の感染状況あるいはワクチン接種の状況について、流動的な状況ではありますが、そういった状況を踏まえまして、推進計画においてお示ししたいと考えています。御説明は以上です。よろしくお願いいたします。
○佐々木座長 どうもありがとうございました。ただいま日本赤十字社、並びに厚生労働省の事務局より、資料1-1及び資料1-2、資料1-3について御説明がありましたが、これについて御意見、御質問があればよろしくお願いいたします。
○武田委員 武田ですが、よろしいでしょうか。
○佐々木座長 お願いいたします。
○武田委員 御説明いただきありがとうございます。本当にこのコロナ禍の中で、どうやって献血者の御協力を頂いていくかというのが非常に難しい中で、ただ、昨年度多くの方に御協力もいただいて、このように安定供給には支障が出なかったということで、非常にいい取組をしていただいたのではないかと思っています。
ただ一方で、先ほど国からの御説明の中でもありましたが、やはり若年層の10代、20代、こういった若い世代にどうやって協力を頂くかというところは、今後非常に大きな問題になります。そして、昨年度もやはりコロナ禍の中で学校献血等が少なくなった影響かとは思いますが、こうした中で10代の献血者も減っているというような中でどうやって多くの人に協力いただくかというところが重要になってくると思います。
資料1-1の10ページですが、都道府県別の10代の献血者数を日本赤十字社からお示しいただいたところですが、こちらを見ていると確かに10代の献血者数は減っているところもあるのですが、ただ、中には100%を超えているような、前年よりも多くの方に御協力いただいている自治体もあるように見えます。こうした中で、どのような取組によって、こうした10代の献血者を増やすことができたのか、また維持をしていくことができたのか等、うまく効果的に様々な施策をされている所については、そういったことを他の地域でもできないかということで、是非、そういった好事例を手本にしてやっていっていただけたらと思いますが、何かこういった好事例等で今分かっている所があれば教えていただきたいのですが、いかがでしょうか。
○佐々木座長 これは赤十字社さんからお願いできますか。
○松田次長 日本赤十字社経営企画部の松田です。御質問ありがとうございます。やはり我々も若年層の献血増というところが大きな課題となっています。そのような中で、今の10ページを1つの参考として見たところ、やはり計画に対しての達成率等々で実績が高いのは栃木県です。あと山形県、長野県ですが、特にこういった県については、文科省の通知に対して県が血液センターと一体となり御協力を頂いているということを報告いただいています。例えば教育委員会などが積極的に献血を受入れている地域は、各高校、大学などに献血推進をしていることが伸びている主な要因で、このコロナ禍の中で、このように他の都道府県が下がっている中で献血実績が上がっていることは、献血に対して正しく理解いただき日頃から連携が取れているということが一つ言えるのではないかと思うところです。以上です。
○武田委員 ありがとうございました。そういった好事例を、是非、ほかの地域でもできるようにというところで、ここは国のほうからも是非御協力を頂いて、多くの所でこうした好事例のところをやっていけるようにとお願いしたいと思います。
○佐々木座長 ありがとうございます。栃木県の海老名前委員からの情報ということで、事務局からちょっと御説明を頂きたいと思います。
○菅原血液対策課長補佐 前任の海老名元委員からは、やはり前回の献血推進調査会で、栃木県はかなり熱心にやられていると御紹介いただいたところです。こういった取組については、何かしら情報というものを考えまして皆様に共有、あるいは実際の取組ということを集めていければと、そこはまた検討させていただければと存じます。よろしくお願いいたします。
○佐々木座長 ありがとうございます。ほかにはいかがでしょうか。村井委員、お願いいたします。
○村井委員 今のことについて、学校現場の実情等をお伝えさせていただきます。昨年度はコロナ禍で学校献血ができなかったというところはあるかと思いますが、一度学校の教育計画の中に行事等で献血が位置づけされますと、次年度以降も例年通り実施しますということで、継続がしやすいのです。実際本校では、毎年教育計画の中に献血が入っていますし、昨年度も、コロナ禍でしたが、例年通り実施することができました。ですので、まずは学校献血を位置づけていけるようにすることです。その方法としては、教育委員会等からの働きかけが一番効果的だとと思います。
○佐々木座長 ありがとうございます。学校に入るというのは、献血バスに来ていただくということですか。
○村井委員 そうです。学校に献血バスが来て献血を行う学校献血は、若者の献血増につながると思います。
○佐々木座長 ありがとうございます。ほかにいかがでしょうか。
○柑本委員 柑本です。私は大学の教員なので、大学に入った学生たちに献血をやったことがあるかと聞きますと、高校のときに授業の一環でやっていて、高校にバスが来て、それが初めての経験だったという学生は結構多いです。ですので、今、村井先生がおっしゃったようなことをやっていただくことがとても重要だと思います。
それに加えて、赤十字さんから、今後若い人たちに対しては、「YouTube、SNS等の施策で初回献血を推進し」とありましたが、このSNSやYouTubeも、発信の仕方によって学生たちが見るかどうかが、とても大きな違いになってくると思います。例えばアプリを開発する、Twitterをフォローさせるなどといったやり方では学生たちにほとんど届かなくて、ゼミの中などで、どうやったらあなたたちに届けられるかと聞いたら、YouTubeの最初の広告を強制にしてもらう、自分で解除できないようにしてもらうなどといった形でないと僕たちは見ませんというふうに答える学生が結構多いのです。そういうところを赤十字さんとしては、今後どのように取り組まれようとしているのか教えていただけると有り難いです。
○佐々木座長 ありがとうございます。赤十字さんは、よろしいですか。
○鹿野課長 日本赤十字社の鹿野です。先ほど、昨年度までの「みんなの献血」の御説明をさせていただきましたが、今年度は「いこう!献血」ということで、テレビCMやYouTubeで実施させていただくのですが、YouTubeの中でも6秒バンパー動画ということで、必ず閲覧しなくてはいけないような施策など、皆さんに献血を訴えていきたい。特に若年層がYouTubeを閲覧するような所に配信していくということも、今進めているといった状況ですので、ある程度いろいろな御意見を頂きながら、模索しながら進めているといった現状です。以上です。
○佐々木座長 ありがとうございます。
○柑本委員 どうもありがとうございます。
○佐々木座長 柑本委員、よろしいですか。
○柑本委員 本当に学生さんたちは、テレビは見ない、ラジオは聞かない、新聞を読まないというように、従来私たちが考えてきたいわゆるメディアのツールというものをほとんど利用しないので、とにかく新しい手段に訴え出ていただければと思います。分かりました。ありがとうございます。
○佐々木座長 ここで唯一若い委員が吉田委員で、参加していただいていますので、若い人のお話もちょっと伺えればと思います。吉田委員、いかがでしょうか。
○吉田委員 そうですね、柑本委員がおっしゃったように、本当に若者はやはりテレビなどを見ない、新聞も見ないということで、余りそういう従来の広告というのは目にする機会はないということと、SNSなら若者は見るだろうという感じで思われている人もよくいるのですが、やはりSNSは自分が興味のあるものを見るのが主流なので、SNSで普通に献血のことを広報していても余り届かないと思います。
私たちも全国学生献血推進実行委員会で、それぞれの場所で、いわゆるイベント型の呼び掛けをして、その場で献血をしてもらうというキャンペーンと、SNSでの広報を主にやっているのですが、イベント型のほうはそこの場所で呼び込みをして献血してもらうことができるので、割と目に見えて献血者につながっているなということはあるのですが、SNSはどれだけ発信してもそもそも余り見てもらえなかったり、献血に興味があるような、献血をいつもやっていますというような人からは見ていただけても、余り普段していない、興味がない人には見てもらえなくて、ですので、私たちが今頑張っているのは、献血とは何か、全然関係ないような何かお料理など、いろいろ組み合わせて発信することで、もう1個のことに興味がある人が献血にもちらっと興味を持ってもらえないかなということで頑張っているので、そんな感じで、献血だけではなく、みんなに興味を持ってもらえそうなものとコラボなどをしていけば、SNSの効果もあるのではないかなと思います。
○佐々木座長 ありがとうございます。SNSも興味を持ってもらうにはちょっと工夫がいるということですね。
○吉田委員 そうですね。
○佐々木座長 ありがとうございました。ただいま、いろいろ御意見を頂戴しましたが、事務局におかれましては、令和4年度の献血推進計画案をこの議論を踏まえて作成していただいて、次回の調査会で御提出いただければと思います。よろしくお願いします。
○田中委員 田中です。
○佐々木座長 はい、どうぞ。
○田中委員 御説明をありがとうございました。今、10代、若手の人への議論がかなり進んで丁寧に工夫して実行し、厳しい中でも一定の成果を出していると思います。資料の中で気になったのが6ページ、7ページ辺りに50代の方の献血者が増えているというデータです。
○佐々木座長 すみません、資料1-1ですか。
○田中委員 資料1-1の6ページ、7ページで、50代の献血者が増えています。例えばですが、50代の前半ですと10代、20代のお子さんがいる層と考えられますので、親子に向けたアプローチも検討できるのではないでしょうか。検討されていて、もし計画があれば聞かせていただきたいと思いました。
もう1つ、キャンペーンで乃木坂46の皆さんのものは、大変効果があったと思いますが、今回これが「いこう!献血」で、ぺこぱさんや山之内すずさんが担当されます。起用する著名人は年々変わることが一般的ですが、こちらにシフトしてしまうものなのか、その場合だと乃木坂46のときにアプローチして接点を持たれた方が、キャンペーンが変わることで少し疎遠になるということも、広告キャンペーンの設計上は想定されますので、この方々に継続して情報を出していくことをどう考えるか。一度接点ができた人たちへのコミュニケーションは重要と思いますので、この点をもし赤十字さんのほうで計画があれば教えていただければと思います。よろしくお願いします。以上です。
○佐々木座長 ありがとうございます。日本赤十字社さんのほうで、いかがですか。
○松田次長 日本赤十字社経営企画部の松田です。御質問ありがとうございます。2点あったかと思いますが、親子献血的な要素、こちらについては広報でもお話をしていますが、読み聞かせの観点でよろしいでしょうか?
○田中委員 読み聞かせは、キャンペーンとして知っていて、これはすごく有効かと思いますが、加えて、例えば18歳、19歳の高校生や大学生のお子さんと親が、割と今は友達親子的に一緒に買いものをしたり、仲良く街に行くという世代の層でもありますので、そういう人たちへのアプローチがあるかどうかという観点です。
○松田次長 ありがとうございます。まだ詳しくは調べてはいないのですが、昨年からのコロナ禍の中でやはり献血数が減少していくというような想定をしつつ、昨年の今頃対応していたのですが、その中で、40代、50代、60代の御協力者数が高くその要因としては、以前献血経験がある献血間隔が空いている方々からの協力率が高くなり、その根本の原因はやる献血機会がなかったのかは不明ですが、昨年の中盤から後半に掛けて、40代、50代、60代が大きく上回ったことが、全体の献血数が伸びた1つの要因となっています。また、献血ルームからの御意見の中では、今、先生からお話があったように親子で来られているというような意見も聞いています。ですから、我々としても学域が昨年思わぬ形で中止となってしまいましたが、ひとつの献血のきっかけとしては、献血ルームに訪れる機会が多くなり、そういう意味では親子献血、あるいは友達同士というようなことが、ルームでは献血減少には余り影響はなかったというところに繋がり、先生のお話にあったように、親が献血をして子供につながって行くということは一つ言えるのではないかなと、我々も考えているところです。
もう1点、乃木坂46の関係です。こちらは、日赤では以前からもいろいろなキャラクターを使わせていただいておりますが、乃木坂46も約2年使わせていただいたところです。このコロナ禍においては社会的な影響というところも考えていくと、別な切り口も当然考えていかないといけないとのことから、今回「お笑い」を1つキャッチにしまして起用させていただきました。特に今年度の「はたちの献血」キャンペーンでは、お笑い漫才コンビの「ぺこぱ」を起用させていただいたところですが、昨年は10月、11月位までは若年層が伸びなかったところでしたが、「はたちの献血」キャンペーン期間である今年の1月、2月は好調な実績を残すことができました。そのようなところもあり、今回のキャンペーンも継続的に起用させていただいているということですので、固定的には我々も考えておらず、やはりこのような広報戦略として、どういう形で呼び掛ければ御協力を頂けるかというところも、考えつつ対応しているというところでございます。以上です。○田中委員 詳細をどうもありがとうございました。よく理解できました。ぺこぱさんや芸人さんは若い人に人気がありますし、すずさんなどもSNSで影響力がありますので、これまでの接点で得た人たちの資源も生かしつつ、展開していただければと思います。「いこう!献血」というダイレクトな、行動喚起に直接遡及するメッセージは有効です。今回の成果をまた楽しみにしつつ、また関係者、協力できるところはSNSのシェアをしたり、リツイートしたりといった協力もしたいと思います。ありがとうございました。
○佐々木座長 田中委員、どうもありがとうございました。
○喜多村委員 すみません、喜多村です。
○佐々木座長 喜多村委員、お願いいたします。その次に宮川委員で。
○喜多村委員 時間も押しているかと思いますが、1点だけ。データを見せていただきますと、例えば参考資料1の2ページの「献血率の推移(年代別)」というものが分かりやすいかと思いますが、これを見ていますと、10代、20代の献血率、すなわち人口に対する献血者の割合というものがすごく減ってきています。この辺でちょっと危機感を持つということ。それと、全体的に受給のバランスがとれていればそれで良しかなとも思うのですが、やはり10代、20代の献血推進を強化しなければならないというのは、共通認識かと思われます。そこで、こういった「お笑い」を起用するといったお話も出ているのだと思います。自治体の立場からは、赤十字社さんからの資料の10ページにあるように、都道府県別に見た献血率にはかなり温度差があるようです。若者の献血率向上について興味があるところは、学校献血のように一旦導入されると継続性があるというメリットを生かせないかということです。自治体の立場からしますと、都道府県別のこのような温度差を解消するためには、学校献血を受け入れていただくときの何か支障になっていることや、断わられる場合の理由など、どなたか御存じであれば教えていただきたいと思います。
○佐々木座長 どなたか、いかがですか。
○喜多村委員 やはり私は学校献血は大事かなと思います。それでもってラブラッド会員と非会員の比率が2対1というデータを拝見しますと、ラブラッド会員を先ずはどんどん増やして、10代、20代の方々に複数回献血を促すというような方策は非常に有効かなと思います。そのためにも、やはり初回学校献血の推進は強化すべきかなと思っております。あとは自治体が何か出来ることは無いかという点です。
○佐々木座長 そうですね、ちょっとお待ちいただけますか。なかなかお返事が難しいですか。
○松田次長 日本赤十字社経営企画部の松田です。御質問ありがとうございます。先生が最後にお話された、10代に経験をして、そして20代に継続というようなところは、正しく我々も求めるところであり、実際にはそういったデータも先ほど国からも報告があったように、そのような傾向がこちらとしては有り難いというところです。やはり今の10ページを見ても、栃木県の10代の御協力が高いというところで、我々としてもアプローチはそれぞれ47都道府県行っているわけです。また、文部科学省からも例年が全国の高校に通知されておりまして、献血経験というよりも献血の理解をいただく「献血セミナー」から入り込むという玄関口を、我々赤十字として拡大させ教育の一環としたひとつのきっかけづくりとして取り進めていただきたいのですが、実際にはカリキュラムの関係などから取り入れていただけない学校側の理由もあります。ここの部分はなかなか言い切れないところがありますが、比較的に私立高校などではそれぞれ単独の高校で御判断が頂けるというところから、献血への理解が得られ易いことが多いのではないかと感じるところであります。
○喜多村委員 ありがとうございます。では、研修やセミナーなど、キャンペーンをもっと拡大していくというぐらいのことですか。
○松田次長 そうですね、今はやはり団体、集団行動よりも、個人それぞれの判断に委ねられるところが、学校側の教育的なところもあるようで、我々赤十字としては、学生たちが何だかの「きっかけ」で、献血を経験しようというような思いを頂けるような施策、そういったことを考えていければと思っています。以上です。
○喜多村委員 分かりました。ありがとうございました。
○菅原血液対策課長補佐 国からも申し上げます。やはり、学校についてもいろいろな状況があります。学校の方針などもあります。ただ、そういった中でも、若年層、特に10代、そこに関しては、そこで献血を経験するということが今後のその方のいわゆる献血行動を左右するものと考えている次第ですので、引き続き若年層へのキャンペーン、働き掛けというのはいろいろ考えていきたいと思います。以上です。
○佐々木座長 ありがとうございました。この件、最後に宮川委員からお願いいたします。
○宮川委員 今までの御議論を伺っていて、学校へのアプローチというのは非常に難しいと思います。個々の学校の方針などいろいろあるかと認識します。例え国からのアプローチがあっても、教育委員会も含め、そこでブロックされ止まってしまうのではないでしょうか。先ほど、村井委員や柑本委員の現場の立場からすれば、届いていないというかそこで止められてしまっている状況があるのだろうと推察します。ですから、そこには校長や教頭など、そういう方を献血の担当者としてお願いする。そして、そこに養護の方などに一緒になってやってもらうというような、ある程度の目的を持った進め方というか、ターゲットを絞った進め方をしていかなくてはいけないと考えます。養護の先生たちや行動しようとする先生たちを孤立化しないような工夫が必要と考えます。
それから、命を救うための行為であるということが教育現場にしっかりと届くという言い方をしなければいけないので、ただ献血というわけではなくて、献血そのものが医療現場の中で命を救う行為になっているのだということを、メッセージとして、是非、出していただければと思います。
それから、10代、20代の方に対するアプローチの仕方として、先ほど田中委員からもお話があったように、影響力のある方、それを選ぶのにはSNSのインフルエンサーとしてのアクセス数など、そういうものを含めたところの中で見ていくという戦略を考えることが必要です。
それから、私もそういう職責というものがありますので全国の医療系の大学、医科、歯科、看護、それから薬剤、この大学に是非一緒にアプローチしてほしいのです。献血を1回でも経験をした医療者が適切ないろいろな行為もできるのだということを認識してもらいたいと考えます。是非、私も日本医師会も一緒になって各大学の学長の所に行きますので、日赤も国も、そのようなアプローチの仕方も考えていただければと思います。10代、20代から経験していただく、医療者もやはり献血を経験するところから学びを始めていただけると、非常に有り難いのではないかなと思っています。
○佐々木座長 宮川委員、ありがとうございます。確かに学校には校長会、各県には校長会がありますし、養護教諭部会も各県にあります。校医は正に日本医師会のほうから流れていくと思いますので、その辺を上手に使っていく、そういうお話ですね。ありがとうございました。
では、次の議題に進みたいと思います。議題2の「献血推進2020」の結果についてです。資料2について、事務局から説明をお願いいたします。
○菅原血液対策課長補佐 資料2の説明に移らせていただきます。事務局でございます。平成27年度に策定し、昨年度までの中期目標として設定した「献血推進2020」は昨年度が最終年度ということですので、その最終の結果についてお示しします
それぞれ4つの項目をそのとき策定しました。若年層の献血者数の増加、安定的な集団献血の確保、複数回献血の増加、献血の周知度の上昇、それら4つについてそれぞれ目標値を定めて、それに対して到達するよう努力してまいりました。
まず、若年層の献血者数の増加です。10代については7.0%、20代については8.1%、30代の献血率については大体7.6%それぞれ増加させるということでしたけれども、資料を御覧いただくとおり、いずれも達成はできていなかった状況です。
昨年度については、新型コロナウイルスの流行の影響ということから、10代がかなり落ちてしまっている状況です。また20代も若干影響を受けていますけれども、これについても少し下がって、それまでもちょっと上がっているところではありますが、残念ながら、やはり影響を受けて下がってしまった。30代については、令和2年度だけに関しては改善の傾向が見られるのかなというところですが、いずれにしても残念ながら達成できなかったということです。
やはりこういった若い時期における初回の献血の経験というものは、その後の献血への動機付けになりますので、200mL献血を含めて可能な限り献血を経験していただくことが重要と考えています。これまでも取り組んでいますけれども、今後、少子高齢化による献血可能人口の減少を踏まえ、より一層若年層の方々に継続的に献血を行っていただくような取組が重要になると思いますので、何かしら効果的な働き掛けを行うことが大切だと考えています。
2つ目の集団献血、いわゆる企業献血については、令和3年度に6万社を超え目標を達成しています。こちらについては、新しい中期目標「献血推進2025」でも同様の目標を定めていることから、引き続き企業団体への働き掛け等を積極的に行うものと考えています。
3つ目の複数回献血、こちらについては平成27年度以降減少傾向でありましたけれども、目標の複数回献血者数120万人の目標を下回りました。ただし令和2年度に関しては、前年度を大きく上回り、100万人の方に複数回献血に御協力をいただきました。今後も継続的な献血を特に若年層に働き掛けるなど、複数回の献血者の確保に取り組んでいきたいと考えています。
最後に献血の周知です。「献血推進2020」では、献血セミナーの実施回数を年間1,600回まで増加させることにしていますが、令和2年度については新型コロナウイルス感染症の流行の影響が大きく、減少する結果となっています。ただ、過去の実績を見ますと、新型コロナウイルス感染症の影響がなければ達成できたのではないかと思っています。以上「献血推進202」における数値目標を御紹介しました。
現状、供給には支障がない一方、献血者の中心が50代で若年層の比率が低いという状況をそのままにした場合、10年後、20年後の供給に支障を生じかねない危惧がありますので、少子高齢化社会において血液の安定した供給体制を構築するため、先般、皆様に御審議いただいた「献血推進2025」で定めた中期目標を達成するように、取り組んでまいりたいと考えています。御報告は以上です。
○佐々木座長 ありがとうございます。ただいまの御説明について、御意見、御質問があればお願いいたします。
○喜多村委員 喜多村です。御説明ありがとうございました。複数回献血についてなのですけれども、達成できなかったということですが、従来、複数回献血される方は40代、50代が多いと伺っていますが、これは年代別の分析とかはされていますでしょうか。
されていたら教えていただきたいのと、コロナ禍の影響と一口に言っても、コロナ禍のどういった影響なのか、本来なら複数回訪れる方がそれを控えたのか、それともそもそも全体的に減っているのか、どういう影響がコロナ禍であったのかというような分析も必要ではないかと思ったので、もしされていたら教えてください。
○菅原血液対策課長補佐 御質問ありがとうございます。こちらについては複数回献血ということで、年代別に今後検討していくところではありますが、いずれにしてもやはり今後何かしらの形で検討して、その上で、いわゆる「献血推進2025」の施策に反映させていければと考えています。以上です。
○佐々木座長 よろしいでしょうか。
○喜多村委員 はい。
○石田委員 すみません、石田ですけれども、よろしいでしょうか。安定的な集団献血の確保ということで、前回もお話しましたが、企業・団体の数がもう6万を満たしていて、これは数が上がっていることと安定的な集団献血の確保とには、はっきりとした相関があるのかどうかということを検討して、恐らく余り相関がないのではないかと私は思うのですけれども、もし目標に達していて余り相関性がないようであれば、この目標は外してもいいのかなと思います。
一番下の献血の周知度の上昇についても同様で、これがセミナーの数を増やしたことで献血の周知度を上昇させるかどうかということを、何らかの形で評価をしていただいて、これも数が下がったり上がったりしていますけれども、実際に周知度にどの程度影響しているかということを見て、この課題が本当に今の献血に必要なのかどうかを、再検討したほうがいいと思います。
今、喜多村先生もおっしゃいましたけれども、複数回献血の増加については、これは若年者への働き掛けということが非常に重要になりますので、若年者に目標をかなり絞ってもいいのかもしれません。今度の2025年の内容で、そこまで最初から難しいかもしれませんけれども、若年者への働き掛けがどの程度できたかということを目標とする指標を設けていったらいいのかなと思いました。以上です。
○佐々木座長 事務局、お願いします。
○菅原血液対策課長補佐 ありがとうございます。まず献血の周知度に関してですが、先生はこれは見直したほうがいいと。実は「献血推進2025」では、こちらについては献血の実施回数ではなく、ラブラッド会員の登録数、こちらで判断していくことで今回考えています。また、安定的な集団献血の確保ですが、こちらも確かに先生のおっしゃるとおり、効果があるのかという話もあると思いますが、一方で、ほかのアンケートを見ますと、集団献血の実施が初回献血の導入になっているとか、そういう情報もありますので、そこについては、やはり効果があるのではないかと考えています。
あとは複数回献血を若年層に絞ったほうがいいのではないかということですが、御意見ありがとうございます。こちらについては、実は「献血推進2025」で、中間年である令和5年度に中間評価をしますので、その際に、状況を踏まえて、また検討させていただければと思います。よろしくお願いいたします。
○佐々木座長 あと献血の周知度の話があったと思いますが、これはいかがですか。私も気になったのですが、献血のセミナーは大体どういう人を、どういう年齢のどういう方を対象にしているのかというところもあると思いますが、何かそれについて御存知のところはありますか。
○菅原血液対策課長補佐 事務局です。献血セミナーというのは若年層への働き掛け、やはり大きなものは先ほど日本赤十字社様からもお話がありましたとおり、小学生から高校生、そういう学生さん向けにやっているもので、そういったときに例えば幼いときからそういったものに興味といいますか関心を持っていただくための導入としては、重要なものではないかと考えています。
○佐々木座長 石田委員、いかがでしょうか。
○石田委員 要するに、ここに挙がっている項目の内容が実際に達成できているかどうかということを、何らかの形で確認することが非常に重要だと思います。ですから今の場合、例えば学校へのいろいろな献血セミナーを増やしていくということであれば、それは献血の周知度の上昇というよりは、例えば若年層への献血への意識を高めるというふうな項目になりますし、実際にそれを測る指標として、例えば若年層にアンケートを行って、どの程度周知度が上がったかを調べてみる。そういった実際の活動をしていかないと、この目標の数字だけを追っていたのでは、余り効果が図れないのではないかということで、意見をさせていただきました。以上です。
○佐々木座長 ありがとうございます。事務局としては是非そこはお考えいただければと思います。ほかの御意見、いかがでしょうか。
○田中委員 田中です、よろしいでしょうか。今の企業に関することで思うのですけれども、現在、各社、SDGs活動に非常に力を入れている企業が多く、大手企業に限らず中堅中小企業も着手しています。赤十字社は「献血でできるSDGs」ということを謳っているかと思いますし、3番の「すべての人に健康と福祉を」というところがマッチしていると思います。
いろいろな企業が献血を自社の社会貢献や大きな意味での成長戦略に取り入れることで、SDGsの活動にも連結するということをより知ってもらって、企業の参加数を増やすことができれば、効果的です。同時に、今はセミナーによる周知度を国が展開するもので数値を検討していますけれども、企業がセミナーなどにも一緒に参加をして、周知度も共に上げていく、より主体性を持って参画をする、自治体と学校とが組むなど、様々な連携の形があると思います。結果の報告という趣旨とは少しずれるのですけれども、こういう目標立ての上で副次的に出てくるものも検討しながら、次回の目標設定のときには、少しそこを意識してもいいかと思っています。先走った感じの意見ですけれども、よろしくお願いいたします。
○菅原血液対策課長補佐 事務局でございます。御意見ありがとうございます。こちらについても、次回といいますか、そういったものがありましたら、そういったように検討させていただきますし、また中間年での見直しもありますので、そこでまた御意見等を頂ければ、その辺も考えさせていただきますので、よろしくお願いいたします。
○田中委員 はい、ありがとうございます。
○佐々木座長 ありがとうございます。SDGsをキーワードに、いろいろな所と組んでいくという、そういう御提案ですね。
○田中委員 はい。
○佐々木座長 ありがとうございました。ほかの御意見、いかがでしょうか。よろしいでしょうか。ありがとうございました。この御意見は、新たな中期目標である「献血推進2025」もありますので、事務局においては効果的な献血推進の検討をお願いしたいと思います。
それでは、議題3「その他」に移りたいと思います。事務局から「令和2年度下半期モニタリング結果」について御説明をお願いします。
○菅原血液対策課長補佐 事務局でございます。資料3-1を御覧ください。こちらは、先日皆様に御審議いただきました中期目標「献血推進2025」を策定する際、調査会として献血の直近の状況を把握のため、調査会の開催の直前の半期分の献血や製剤の供給の状況、成分献血の献血者の状況、実献血者数のラブラッド会員の割合をお示しするとしたものです。今回は令和2年度下半期分について御説明します。
まず献血者の状況、こちらについては成分献血の献血者の状況と併せて御説明、御報告いたします。こちらを御覧になって分かるとおり、日赤さんの資料1-1と見比べていただくとお分かりとは思うのですが、大体平均として献血はできているという状況かと考えています。下半期のほうがどうもトータル量と比べると、若干200mLのほうが多いような状況ではありますが、まず平均的には献血ができているものと考えています。下のグラフはそれを念頭に月別献血者数の内訳を棒グラフにさせていただいています。
一方、供給実績については、日赤さんの報告によれば年間1,713万本ですけれども、そのうちの下半期871万本となっていて、こちらについても安定的に供給できているのかなと考えています。下のほうの棒グラフについても、2月が多分時期的なもので若干下がっているのかもしれませんが、いずれにしても安定的に供給できているものと考えています。
次のページ、令和2年度下半期の実献血者数におけるラブラッド会員の割合です。こちらについては下半期の累計ですけれども、ラブラッド会員が実献血者数のうちの54.7%ということで、半数をちょっと超えている状況です。ただ、月別の下の表を見ますと、全体として6割を達成しているので、かなり普及しているのではないかと認識しています。
今回は初回ということでこのような形でお示ししたところです。今後更なる効果測定と言うのでしょうか、そういうものを明示できるような形で、資料の構成など、委員の皆様の御意見を踏まえ、より良いものにしていきたいと考えています。簡単ですが御報告を終わります。以上です。
○佐々木座長 ありがとうございます。これについて御意見いかがでしょうか。ちょっと私から、御質問します。3.のラブラッド会員の割合は令和2年度下半期累計が54.7%になっていて、それは月別で見ますともっと高い割合になっているのですけれども、これは大丈夫ですか、この数は。
○松田次長 日本赤十字社の経営企画部の松田です。こちらについては、今お示ししている数は下半期ですが、この数字だけを追いますと確かにラブラット会員数が多くて非会員数が少ないということになるのですけれども・・・。
○菅原血液対策課長補佐 日本赤十字社さん、確認なのですけれども、表題の※のほうに、「実献血者数については、各期間内における実献血者数を抽出しているため、累計値と単月値は一致しない」と書いていますが、その影響もあるのですか。
○松田次長 いや、おっしゃるとおりでして、これは実人数の部分でして、延べ人数ではないのです。Ⅰ.の令和2年度下半期累計では、ラブラット会員と非会員の会員割合は10%以内ですが、Ⅱ.の月ごとに見るとラブラット会員の割合が高いことがわかります。「献血の現状」の参考資料1の12ページに示しておりますが、こちらは献血の「ラブラッド」会員、非会員の献血協力状況ということで、献血回数を示しています。実人数・延べ人数となりますと、当然パーセントはちょっと違うのですが、一言で言いますとラブラッド会員の方が年間平均すると2.6回、非会員の方が1.38回ということで、数が約倍違うというところもあって、この割合というのはこういった数字にも示されております。
○佐々木座長 ありがとうございます。
○松田次長 1つ補足なのですが、下半期の実献血数を月別には出せないという仕組みになっておりますことを一言付け加えさせていただきたいと思います。
○佐々木座長 すみません、資料3-1の3.のⅠが、令和2年度下半期累計で、これは実献血者数の中の会員の割合となっていて、Ⅱのほうがやはり実献血者数の下半期の月別割合で、もしかして54.7%でなくて、もうちょっと高い値なのではないかというのが私の質問だったのですけれども、これは間違えていませんか。また確認していただいて、訂正していただければそれで結構なのですけれども。
○松田次長 只今、数値の確認をさせて頂きます。。
○佐々木座長 またよろしくお願いします。
○松田次長 申し訳ございません。
○佐々木座長 すみません、ほかに何か御意見等ございましたら、よろしくお願いします。
○石田委員 石田ですが、よろしいでしょうか。
○佐々木座長 お願いいたします。
○石田委員 医療施設側の立場からいたしますと、コロナ禍でありながら安定した血液の供給と確保を維持していただき、本当に感謝しております。特にこのラブラッドの会員への対応ということが非常に効果的であったのかなと考えています。今後のラブラッド会員を増やすことと同時に、リピーターを増やしていくということが、コロナ禍あるいは新しい生活様式の中でもかなり効果が出るのではないかと見てとれますので、その辺りを更にまた検討していただければいいと思いました。
1つだけ意見ですけれども、ラブラッドの若い会員のリピーターを増やすということが非常に重要だと思うのですけれども、例えばラブラッドの会員の方が予約を取ると何か特典があるとか、あるいはラブラッド会員がリピートすると何か特典があるとか。非常に単純なことなのですけれども、例えば、予約するとはやりのアニメのキャラクターがそろえられるとか、非常に単純なことでそういった予約の方を増やしたり、リピーターを増やしたりということが可能ではないかと思うので、その辺りの若年層への工夫が非常に重要なのかなと思いました。また御検討いただければと思います。以上です。
○佐々木座長 ありがとうございます。日赤さんのほうはよろしいですか。
○鹿野課長 日本赤十字社の鹿野です。資料でも御説明していますとおり、ラブラッド会員になるといろいろな特典があるというところも検討して進めています。更に「いこう!献血」、先ほど御説明しました献血推進のプロジェクトについても、そういった内容も含めて今検討していますので、機会があればまた御説明できればと思いますので、よろしくお願いします。以上になります。
○石田委員 どうもありがとうございます。
○佐々木座長 ありがとうございました。ほかによろしいでしょうか。
○喜多村委員 大阪の喜多村です。先ほど佐々木先生がおっしゃった件なのですけれども、いいでしょうか。令和2年度下半期実献血者数におけるラブラッド会員、これは赤十字社さんからの御説明だと実人数ということですけれど、これは延べ人数だと思います。それで実献血者数ですので、このデータは実人数では出せないと思います。それで実献血者数で見ますと、佐々木先生がおっしゃるように、下段の月別の各月ごとのラブラッド会員と非会員の割合を見ますと、ラブラッド会員がほとんど50%を超えていますので、下半期全体の累計にするともっと高いのではないかという御意見だったと思います。
これに関してのこのからくりは、恐らくラブラッド会員の方は複数回献血が非会員に比べて1.5倍から2倍ということですので、単月で見るとやはりこういう数字になる。これを全体で集計すると上の表のようになるという解釈かなと思ったのですが、いかがでしょうか。
○佐々木座長 はい、ありがとうございました。御説明いただけますか。
○鹿野課長 日本赤十字社の鹿野です。この資料をしっかり説明させていただきます。上段に令和2年度下半期の累計を10月から3月までの実献血者数を示したものです。下段の月別については、累計で検証するのではなく、単月で実献血者数をご確認いただき、これを累計して検証すると当然上段の数値と合わないという状況がありますので、月ごとに検証した資料としてご確認いただきたいと思います。
また次回お示しする際には、理解しやすい資料に変更したいと考えていますので、よろしくお願いします。
○佐々木座長 そのようにお願いします。よろしいでしょうか。
○喜多村委員 すみません、そうしたら実献血者数という上段の表は、これはやはり実人数という解釈でいいのですか。
○佐々木座長 そのようです。
○喜多村委員 そういうことですか。
○佐々木座長 よろしいでしょうか。
○喜多村委員 はい。
○佐々木座長 ありがとうございました。ほかによろしいですか。では、どうもありがとうございました。続いて、事務局から「厚生労働行政モニターアンケート結果について」、御説明をお願いしたいと思います。こちらは資料3-2になります。
○菅原血液対策課長補佐 事務局です。議題3「その他」のもう1つの項目ということで、「厚生労働行政モニター制度によるアンケート調査」について御説明いたします。資料3-2を御覧ください。まず、厚生労働行政モニター制度ですが、1ページに書いているとおり、広く一般国民からの意見、御要望を寄せていただき、今後における厚生労働行政の施策の参考とするとともに、厚生労働行政に対する国民の理解の向上を図ることを目的としているもので、年度ごとに希望者450名程度を任命しております。これは具体的に言いますと、Web等で応募して御参加いただいているところです。今般、私ども血液対策課で、献血についてのアンケートを昨年12月に実施させていただきました。その結果について、今回御報告させていただければと考えています。
なお、回答者数は約400名程度です。問数として17問出させていただきました。そのうち選択方式の回答については、グラフ化して傾向を分析し、お示ししているところです。こちらは時間の関係がありますので、かい摘まんで主立った所を御紹介させていただきます。
2ページです。回答していただいた方に、献血したことがあるかどうかをお聞きいたしました。そうしますと、全体では6割の方が献血したことがあると回答しております。ただ、そのうち20代~30代は4割ぐらいで、40代~50代、60代以上となると、60%、75%と高くなっており、先ほどの日赤さんが出している傾向とかなり近いものになっていると考えている次第です。
3ページを御覧ください。献血をしたことがあると答えた方にお伺いしたのは、献血をしたきっかけは何かというのを回答していただきました。一番多いのは、「学校や職場に献血バスが来たから」、いわゆる集団献血、そこがかなり多かった主な所です。その次に「社会貢献」が来ております。なお、一部「その他」もありますが、そこについては、例えば雑誌に書いてあったからとか、先ほど少しお話があったかもしれませんが、親が献血するのを見たからと、そういった回答もありました。
次の4ページ、献血したと答えた方に、「献血の広報でよく見るものは何ですか」ということをお聞きしました。そうすると、一番多かったのが、街頭の呼び掛けでして、こちらはかなり多くて、その後がテレビCM、ポスターといったところです。なお、献血したことがない方にも同じことを聞くと、街頭での呼び掛けが圧倒的に多いという、同じような傾向を示していたところです。
あと、献血を行うに当たり不安のあることをお聞きしております。5ページで、献血経験者に対して、献血をするうえで心配に思うことはありますかと聞いたところ、全体の4割ぐらいの方が少し不安に思うことがありますという回答でした。その具体的な内容を確認しますと、大体回答の7割以上の方が、献血後の体調不良、あるいは献血による感染不安という回答をしておりました。同じ質問を献血したことがない方にもお聞きしたところ、やはり多かったのが献血後の体調不良や感染不安でした。
あとは御覧になっていただければと思うのですが、今後、国に積極的に期待すること、実施してほしいことが、最後のページにあります。それをお聞きしますと、全体的にばらけてはおりますが、SNSやマスメディアを利用した「広報の拡充」、感染対策を含めた安全性や献血の状況を丁寧に発信する「情報内容の充実」、いわゆる広報の充実がやはり一番多くありました。これについては、実はその前のほうにもあるのですが、若年層への献血をしていただく際の取組や、あるいはコロナ禍における国の取組、これも確認したところ、広報の取組が一番多くありました。
私どもとしては、今回、かい摘まんで御説明をさせていただきましたが、皆様の御意見を踏まえまして、広報をより良いものにするための更なる取組を続けたいと考えている次第です。説明は以上です。
○佐々木座長 ありがとうございました。街頭での呼び掛けというのは、献血ルームとかバスでの呼び掛けになりますか。
○菅原血液対策課長補佐 はい。
○佐々木座長 今の説明について御意見がありましたら、よろしくお願いします。よろしいですか。
では、私から。感染の不安が意外とあるところが驚いたのですが、この辺について何か日赤さんから。これは誤解なのかなと私は見たのですが、何か御説明とかがありましたら、お願いします。
○松田次長 日本赤十字社経営企画部の松田です。今、正しく座長がお話いただいたとおりです。この情報がどういう経緯から流れるのか分かりませんが、いろいろとSNSもそうですが、献血すると「●●●にうつります」とか、「感染します」とか、どうしても拒否的な要素があります。これは今に限ったことではないのですが、献血についてのアンケートを取りますと未経験者からは必ず出る理由の特徴です。日赤としては広報のやり方も検討していかなくてはならないと考えているところです。
○佐々木座長 献血をしない方の理由の、結構上のほうに恐怖や不安もありましたので、是非、御検討いただければと思います。
○菅原血液対策課長補佐 先生、先ほどの感染予防ですが、今、具体的内容を確認しましたところ、やはり時期的なものでして、新型コロナウイルス感染症の、そういったことも。
○佐々木座長 コロナの感染が怖いという意味ですか。
○菅原血液対策課長補佐 はい。というのも散見されました。
○佐々木座長 そうですか。ありがとうございました。
○石田委員 よろしいでしょうか。アンケートの内容を拝見しました。いろいろな情報が分かりまして、ありがとうございます。気になるのは、例えば「はい」と答えた方も「いいえ」と答えた方も、「街頭の呼びかけ」が多いとか、最後の質問で、国に期待すること、実施してほしいこととして、「広報の拡充」というようなことです。これは恐らく教科書的な回答ではないかと考えます。つまり、街頭で聞いたときに、周りを見て、実際に献血というのはどういうことをやられているのかを思い浮かべて答えた回答なので、これが実際に献血をする際に街頭の呼び掛けが効果があるとか、あるいは広報の拡充が効果的であるというようにはつながらないのではないかと思います。できればこのようなアンケートは、セミナーを行うと先ほどありましたが、例えばセミナーを行った前後のアンケートでこういう調査をするとか、あるいは学校で4月と秋頃にアンケートをして比較するとか、そういった実際のアンケートの回答状況の変化を見ていくと、より効果的なのかと思いましたので、意見を言わせていただきました。どうもありがとうございます。
○佐々木座長 ありがとうございます。石田先生の御意見を御参考に。
○菅原血液対策課長補佐 御意見ありがとうございます。御意見を踏まえまして、またいろいろと考えていきたいと考えております。よろしくお願いします。
○佐々木座長 ほかにいかがでしょうか。
○田中委員 貴重なデータと分析をありがとうございます。少し気になったのが、このアンケートの資料の3ページにある、「はい」と答えた方の初めての献血のきっかけですが、1社会貢献は、きっかけというよりは理由、目的など、そういう感じなのかという印象があります。ここでは社会貢献になると考えたきっかけや、出会ったきっかけみたいなものが恐らくあると思いますので、生の声の理由にもし書かれているのか、項目の中には書く所がないのかちょっと分からないのですが、今後、経年的に取られていくデータにおいて質問をされる際には、明らかにきるような項目の入れ方をしていただけると良いと考えます。どういうふうにきっかけを作ればよいかという、後半の広報の持って行き方にも参考になるかと思いますので、お願いできればと思います。よろしくお願いします。
○菅原血液対策課長補佐 事務局です。御意見、ありがとうございます。こちらの項目は実は選択制でして、自由記載の部分はありますが、基本的には選択制ですので、それだけ定型的な回答になります。ただ、先生の御意見も踏まえまして、回答の仕方とか、今後、作る際には考えていきたいと考えています。よろしくお願いします。
○田中委員 貴重なデータをどうもありがとうございます。
○佐々木座長 田中先生の御意見は、「社会貢献」というのは、選択肢としてほかのものと異質だと、そういう御意見でいらっしゃいますか。
○田中委員 そうですね、「バスが来たから」などきっかけを問うというところをもう少し深く知りたいというところでした。
○佐々木座長 ありがとうございました。ほかはよろしいでしょうか。
○喜多村委員 私も他の委員と同じようなところが気になりました。「イエス」と答えた方と「ノー」と答えた方と、両方とも7割以上の方が、体調不良とか、感染不安とか、健康上のことを答えていらっしゃるというのは、これだけ広報活動をしていても、まだ十分でないということを意味していると思います。このアンケートは、かなり意識の高い方に対するアンケートと考えられますし、先ほど田中委員が言われたように継続性のあるものなので、項目は余り変えない方がよいかと思います。今後の対策としては、一番最後のQ17にあるような具体的な情報を充実させるとか、例えばQ14、Q16などにあるような、献血可能年齢、輸血以外の使い道などです。情報としては非常に有意義なものなので、これを生かした広報活動とか、研修にしていただければと思います。
○菅原血液対策課長補佐 事務局です。御意見ありがとうございます。いろいろ客体的にはいろいろあると思いますが、ただ、やはりこれも御意見もございますので、今後そういったものを踏まえて取り組んでまいりたいと考えております。以上です。
○佐々木座長 ほかはよろしいでしょうか。どうもありがとうございました。今後も献血推進のアンケートがありましたら、是非、事務局から調査会に御報告をお願いしたいと思います。事務局からそのほか何かありますか。
○菅原血液対策課長補佐 事務局です。長時間ありがとうございました。特にこちらに関してはございません。以上です。
○佐々木座長 委員の皆様から何かほかに御発言、御質問、御意見等がありましたら、お願いしたいと思います。いかがでしょうか。村井委員、どうぞお願いします。
○村井委員 文部科学省が提唱しておりますGIGAスクール構想で、1人1台端末の利活用が推進されてきているところです。ですので、学校の中で生徒たちはいろいろな情報にタブレットを使ってアクセスすることができます。例えば、ポスターに載せきれない情報をQRコードで読み取れるよう載せていただくとか、冊子の「けんけつ HOP STEP JUMP」を今後は電子データで配付するとか、学校でセミナーの時間を確保することは難しいですが、田中委員がおっしゃったSDGsであるとか、宮川委員の命の授業といった切り口や形で献血を取り上げることができるような資料や教材等も提供していただければ、学校全体で活用できるかと。なかなか実現は難しいかと思いますが、今後はそのような活用方法を検討していければと思います。以上です。
○佐々木座長 村井委員、ありがとうございます。この4月から、全ての学校で全ての子供に端末が配布されたのですね。でも、学校ではどうやって使ったらいいのか分からない状況がまだ続いていると思いますので、多分、そこに載せるのだったら、早い者勝ちでということかと思います。そういう御活用を頂けると有効なのかと、私も伺っていて思いました。
ほかにいかがでしょうか。よろしいですか。本日の議題は以上で終了したいと思います。次回、またよろしくお願いします。皆様、どうもありがとうございました。