第45回厚生科学審議会予防接種・ワクチン分科会予防接種基本方針部会・第55回厚生科学審議会感染症部会(合同開催)議事録

健康局 結核感染症課

日時

令和3年9月22日(水)10:00~12:00

場所

厚生労働省 専用第21会議室(17階)
 

議題

第1部(合同開催)
(1)風しんの追加的対策について
(2)季節性インフルエンザワクチンの供給について(報告)
第2部(感染症部会単独開催)
(3)急性弛緩性麻痺の届け出基準の変更について

議事

 

○杉原エイズ対策推進室長 それでは、定刻となりましたので、ただいまから第45回「厚生科学審議会予防接種・ワクチン分科会予防接種基本指針部会」及び第55回「感染症部会」の合同会議を開催いたします。
構成員の皆様におかれましては、御多忙にもかかわらず、御出席賜りまして誠にありがとうございます。
本日、議事進行を務めさせていただきます、健康局結核感染症課の杉原と申します。よろしくお願いいたします。
本日の議事は公開ですけれども、カメラ撮りは議事に入るまでとさせていただきますので、プレス関係者の方々におかれましては、御理解、御協力をお願いいたします。
また、傍聴の方は、傍聴に関しての留意事項の遵守をお願いいたします。
なお、会議の冒頭の頭撮りを除きまして、写真撮影、ビデオ撮影、録音をすることはできませんので、御留意ください。
初めに、会議の開催に当たりまして健康局長の佐原より御挨拶させていただきます。
○佐原健康局長 皆さん、おはようございます。
座って失礼いたします。
9月14日付で、正林の後任で健康局長を拝命しました佐原です。
本日は、御多忙の中、本会議に出席いただきまして誠にありがとうございます。どうぞよろしくお願いいたします。
また、日頃から予防接種行政感染症対策をはじめとして、いろいろと御理解、御協力をいただきまして、厚く御礼を申し上げます。
さて、早速ですが、平成30年12月に本合同部会において取りまとめていただきました風疹に関する追加的対策につきましては、令和元年度から令和3年度までの3か年計画で実施してきたところでございますけれども、昨今の新型コロナウイルス感染症の影響もありまして、目標としていた抗体保有率の達成が難しい状況となっております。
風疹については、幸いなことに、2018年を最後に、我が国での流行は確認されておりませんけれども、本年5月にWHOに提出されたレポートにおいても、いまだ排除は達成されていないため、引き続き国内対策を強化していくことが重要だと考えられているところでございます。
本日は、2部構成といたしまして、第1部を予防接種基本方針部会、感染症部会の合同開催とし、今申し上げた風疹に関する御議論をいただくほか、今冬の季節性インフルエンザワクチンの供給に関する御報告をさせていただきたいと思います。
また、第2部では、感染症部会として、急性弛緩性麻痺の届出事項に関する御議論をいただく予定です。
いずれも我が国の感染症対策において、非常に重要な課題であり、委員の皆様方におかれましては、活発な御議論をいただきますよう、お願いしたいと思います。
以上、簡単ではございますが、開会に当たっての挨拶とさせていただきます。
本日は、どうぞよろしくお願いいたします。
○杉原エイズ対策推進室長 佐原健康局長は、ほかの公務のため、ここで退席とさせていただきます。
(佐原健康局長退席)
○杉原エイズ対策推進室長 本日は、新型コロナウイルス感染症における今般の状況等を勘案いたしまして、ウェブ会議で開催することとしております。
まず、ウェブ会議を開催するに当たりまして、会議の進め方について御連絡させていただきます。
発言される場合は、まず挙手機能を用いて挙手をいただくか、チャットに発言される旨のコメントを記載していただきまして、座長から御指名されてから御発言をお願いいたします。
なお、ウェブ会議ですのでタイムラグが生じますが御了承願います。
会議の途中で長時間音声が聞こえない等のトラブルが生じた場合は、あらかじめお知らせしている番号まで電話をお願いいたします。
続きまして、委員の出欠状況について御報告いたします。
御出席の委員につきましては、通信の確認も踏まえて、委員のお名前をこちらから申し上げますので、一言お返事いただければと思います。
五十音順にお願いいたします。
味澤委員。
○味澤委員 よろしくお願いします。
○杉原エイズ対策推進室長 池田委員。
○池田委員 池田です。よろしくお願いします。
○杉原エイズ対策推進室長 磯部委員。
○磯部委員 磯部です。よろしくお願いします。
○杉原エイズ対策推進室長 伊藤委員。
○伊藤委員 伊藤です。よろしくお願いします。
○杉原エイズ対策推進室長 今村委員。
○今村委員 今村です。よろしくお願いします。
○杉原エイズ対策推進室長 大曲委員。
○大曲委員 大曲です。よろしくお願いします。
○杉原エイズ対策推進室長 釜萢委員。
○釜萢委員 釜萢でございます。
○杉原エイズ対策推進室長 川俣委員。
○川俣委員 よろしくお願いいたします。
○杉原エイズ対策推進室長 越田委員。
○越田委員 越田でございます。どうぞよろしくお願いします。
○杉原エイズ対策推進室長 坂元委員。
○坂元委員 坂元です。よろしくお願いいたします。
○杉原エイズ対策推進室長 白井委員。
○白井委員 白井です。よろしくお願いいたします。
○杉原エイズ対策推進室長 調委員。
○調委員 調です。よろしくお願いします。
○杉原エイズ対策推進室長 菅原委員。
○菅原委員 菅原です。よろしくお願いします。
○杉原エイズ対策推進室長 田中委員。
○田中委員 田中でございます。よろしくお願いいたします。
○杉原エイズ対策推進室長 谷口委員
○谷口委員 谷口です。よろしくお願いします
○杉原エイズ対策推進室長 多屋委員。
○多屋委員 多屋です。よろしくお願いいたします
○杉原エイズ対策推進室長 戸部委員。
○戸部委員 戸部です。よろしくお願いいたします
○杉原エイズ対策推進室長 中山委員。
○中山委員 中山です。よろしくお願いします
○杉原エイズ対策推進室長 宮入委員。
○宮入委員 宮入です。よろしくお願いします。
○杉原エイズ対策推進室長 森田委員。
○森田委員 森田です。よろしくお願いします。
○杉原エイズ対策推進室長 山田委員。
○山田委員 山田です。よろしくお願いいたします。
○杉原エイズ対策推進室長 脇田委員。
○脇田委員 脇田です。よろしくお願いします。
○杉原エイズ対策推進室長 なお、岩本委員、賀来委員、中野委員からは、御欠席の連絡を受けております。
また、オブザーバーとしまして、全国町村会行政部長の小出様の御参加をいただいております。
現在、委員の25名のうち、22名に御出席いただいておりますので、厚生科学審議会の規定によりまして、本日の会議は、成立したことを御報告いたします。
また、それぞれ前回の部会以降に事務局の人事異動がございましたので、御紹介いたします。
健康局結核感染症課の佐々木でございます。
○佐々木健康課長 佐々木でございます。どうぞよろしくお願いします。
○杉原エイズ対策推進室長 健康局健康課予防接種室長の鶴田でございます。
○鶴田予防接種室長 鶴田でございます。よろしくお願いいたします。
○杉原エイズ対策推進室長 申し訳ございませんが、冒頭のカメラ撮りにつきましては、ここまでとさせていただきますので、御協力をお願いいたします。
なお、これ以降は、写真撮影、ビデオ撮影、録音をすることができませんので、御留意ください。
(報道関係者退室)
○杉原エイズ対策推進室長 それでは、議事に入る前に、資料の確認をさせていただきます。
まず、議事次第、委員名簿、座席表、資料1-1、資料1-2、資料2、資料3、参考資料1、参考資料2になります。不備等ございましたら事務局のほうまでお申し出ください。
それでは、こちらから進行は、脇田座長にお願いいたします。
○脇田座長 それでは、皆様、おはようございます。どうぞよろしくお願いいたします。
議事に入ってまいります。各委員に資料を送付、既に説明をしていただいているということを承知しておりますけれども、事務局のほうから、簡潔に、議題1から説明をしていただきたいと思いますので、よろしくお願いします。
○杉原エイズ対策推進室長 ありがとうございます。
それでは、風疹の資料1-1と1-2につきまして、風疹の追加的対策について御説明させていただければと思います。
まず、資料1-1を御覧ください。
「風しんのこれまでの対策について」ということで、これまでも、昨年12月、それよりも前の夏の部会等でも議論についてはずっとされてきておりますけれども、風疹のこれまでの対策と、これからどういった形の対策を取っていけばいいかという観点につきまして、ちょっと御議論をいただければと思っているところです。
まず、風疹についてですけれども、御存じのとおり、風疹は2013年に大きな大流行がございまして、2018年、2019年と大体3,000例から2,300例という症例が出ておりましたが、昨年2020年は、新型コロナウイルス感染症等の影響もございまして、100例にとどまっておりますが、CRSについては1例出ております。
2021年につきましては、7月28日の時点での暫定値でございますけれども、風疹の症例が7例で、CRSが1例となっております。
次のページを御覧ください。2ページ目です。
こちら風疹の報告数のエピカーブになりますけれども、こちらを御覧いただけると、見ていただいたとおりでございますけれども、2020年からは非常に少ない数で推移しておりまして、海外からの渡航者が減っていることと、風疹対策にもなる新型コロナウイルス感染症の流行でのマスク着用等、様々な影響が考慮されますけれども、風疹の流行自体は、非常に少ない、低調な状況が続いているという状況でございます。
次に3ページ目ですけれども、こちらは、参考になりますが、都道府県別の風疹の累積報告数でございます。
首都圏を中心に、大都市圏で、これまで約4年間のものですけれども、患者の報告が見られております。
次に4ページ目を御覧ください。
風疹の報告数の年齢と性の階級別ですけれども、男性の40代を中心に、これまで予防接種を打たれていない方々は、非常に多いところで、風疹の流行が見られているという状況でございます。
次に5ページ目になりますけれども、こちらが風疹に関する追加的対策として、これまで実施してきました対策でございます。
これまで、ワクチン接種の機会がなかった、特に抗体の保有率の低い昭和37年4月2日から昭和54年の4月1日生まれの男性に対しまして、予防接種法に基づく定期接種の対象として、令和元年から令和3年度、今年度まで全国で、原則無料で定期接種を実施するということで、ワクチンの効率的な活用のために、まずは、抗体検査を受けていただいて、それも補正等により全国で、無料で実施いたしまして、事業所の健診等の機会で抗体の検査が受けられるようにすることや、夜間の休日の抗体、予防接種の実施に向けて体制を整備するということで、こちらの下のところにございますが、抗体保有率が79.6%ということで、こちらの集団に関しては、非常に低い状況がございますので、こちらを対象とした作業の対策を取ってきたということでございます。
次のページを御覧ください。
6ページ目ですけれども、こちらが今後の対応についてということで、昨年の12月の感染症部会の際に御提示いただいた資料でございます。
当初目標としましては、2020年の7月までに抗体保有率を85%まで引き上げ、2022年の3月までに90%に引き上げるという目標でしたけれども、新型コロナウイルスの感染が拡大により、非常に異なる状況がございまして、風疹の抗体検査、予防接種の実施をこれまでどおり推進することが非常に困難であったということ。
そして、オリンピックを目標として、これまで2020年の7月までに引き上げるというところでやられてきたわけですけれども、それも1年延期になったということで、追加で期待される目標1、抗体保有率を85%以上に引き上げるという達成時期を、当面2021年の7月までとして、達成時期について、また、2022年度中をめどに見直すこととするということとしておりました。
具体的な対応としましては、抗体検査、予防接種を行う場合は、換気等や関係消毒等、新型コロナウイルス感染症の感染防止対策に努めながら、手続の簡略化等について検討を進めることとしております。
7ページ目でございますけれども、こちらも12月の際の感染症部会の資料を一部更新したものでございます。
これまで、クーポン券に関しましては、2019年、2020年、2021年と三度に分けて遭遇しておりまして、2021年度のクーポン券に関しては、319万人に送付がなされているところでございます。
下の抗体検査・予防接種の実施状況というところを御覧いただければと思うのですけれども、2019年、2020年度の実績ですけれども、目標の見込みが、抗原検査に関して920万人であるところ、現状の実績が301万人ということで、達成率33.4%、予防接種に関しては、190万人を見込んでいたところ、実績としては64万人ということで、達成率が33.7%となっております。
このとき、2021年7月までに85%とするということで、目標を1年延長しているところです。
次のページを御覧ください。
こちらは、今年度の実施状況についてでございます。
まず、3年目に関しましては、先ほど御説明したとおり、319万人に対してクーポン券を配付しているところです。
また、クーポン券を送付済みの方のうち、未使用の方につきましては、抗体検査の受検等の再勧奨をしておりまして、今年度末で使用期限を迎えるクーポン券を来年度も使用できるように期限の延長をしているところでございます。
こういった対策で、現状につきまして、詳しいデータがございまして、そちらを御説明させていただければと思います。
9ページ目を御覧ください。
こちらは、抗原検査の累積の件数と実施率ですけれども、こちらは、対象人口、全体に占める抗原検査の実績数ということで、全国平均で22%という状況でございます。
都道府県別では、上位が富山県、岩手県、長野県という順番でした。
次のページを御覧ください。
こちらが抗原検査の検査の実施した場所の内訳でございますけれども、健診等が28%で、医療機関での実施が72%ということで、健診の割合が3割弱という状況となっております。
また、予防接種の累積件数と実施率、こちらも対象者の約21%が抗体保有がないと推計しまして、そこから計算をした推計値でございますけれども、21.6%となっております。
次のページを御覧ください。
実際に抗体が、どのように人口の中でついているかということを調査する目的で、予防接種法に基づきまして、感染症流行予測調査の事業は実施されているところですけれども、こちらも去年の6月のときの感染症部会で、御説明させていただいた資料でございますが、なかなか新型コロナウイルス感染症の一連の影響を受けまして、各都道府県において、例年どおりの実施が困難な状況にございます。
そういったこともございまして、例年どおり実施はするのですけれども、調査結果に影響を与えない範囲で、延期や規模の縮小について検討をさせていただくということで、現状につきましては、13ページになりますけれども、こちらが抗体の保有率の状況、2020年度、現在の抗体保有率の状況となっております。
非常に御覧いただくと、分かるとおりでございますが、抗体保有率に関しましては、40代から59歳までの年齢層の上昇というのが見られていない状況でして、女性に関しては、検体のサンプルサイズが少なくて、17歳、19歳のところは、低下しているデータはあるのですけれども、こちらは、そういった影響があるために、こういった数値になっている次第でございます。
次のページを御覧ください。
14ページになりますけれども、こちらは、男性、女性別の抗体保有率ですけれども、その年次推移でございますが、やはり1962年から78年生まれの男性の抗体保有率が80%前後ということで、大きな上昇は見られていない状況でございます。
また、こちらも去年の6月の感染症部会で御報告をさせていただいておりますけれども、大規模な事業場での風疹の対策の意識調査を行った結果でございます。
こちらに関しては、1,000人以上の従業員がいらっしゃる大規模な事業場を対象にしまして、意識調査を行ったものですけれども、風疹対策の実施をするための条件ということで、企業側の回答としましては、抗体検査の費用の企業負担がないこと。産業医としては、事業主の対策を必要と考えることが最多であったということでございます。
次に、16ページ目になりますけれども、こちらは、実施方法はどのようなものがよいかということですけれども、風疹担当者も、産業医のほうも、健康診断の機会に抗体検査を行いたいという回答が最多でした。
また、風疹対策の実施が不要と回答された方々について、不要と考えた理由について
復元しておりますけれども、風疹担当者も産業医も制度が複雑で事業所だけの力では対応ができそうにないからという回答が最多でした。
これまでの状況、現状という観点につきましては、説明は以上となります。
次に資料1-2を御覧ください。
風疹対策に関しての今後の対応についてということでございます。
1ページ目を御覧ください。
風疹の抗体検査の実施見込みでございますが、実績と、これまでの推移から想定した推計というのをお示ししております。
旧目標1と書いてあるグラフのところですけれども、点線のところが、もともとの目標で480万人の85%の抗体保有率という目標を達成するための480万人という目標値でしたけれども、これは大きく下振れて、達成できていない状況でした。
その後、2021年に1年間引き延ばしたことで、現在の目標1の達成状況ですけれども、まだ、480万人の抗原検査の目標までは、131万人足りていないという状況でございます。
また、これを2022年の3月の状況で見ますと、目標2の達成、これは920万人に抗体検査を実施するという目標になりますけれども、476万人足りないという状況でございまして、このまま2020年、推計を2020年8月から2021年の7月の実績で、そのまま引っ張っていって推計してみますと、約3年半程度、実際の920万人の目標に達するには、現状のスピードですとかかってしまうという状況でございます。
今後の請求に関しては、上振れ、下振れ要因とありますけれども、上振れ要因としては、新型コロナウイルス感染症による医療機関の受診控えからの回復や積極的な健診での抗原検査の実施、下振れ要因としては、受診控えや抗原検査の実施不足と、健診での抗体検査の実施不足といったものが挙げられると考えられております。
次に、2ページ目ですけれども、こちらは、先ほどお話しいたしましたことのまとめになっております。
3ページ目を御覧ください。
こちらが、今後の対応についてということで御議論をいただきたい項目でございます。
目標の抗体保有率に達していないことで、今後、風疹の流行の可能性が、現状もあるという状況でございます。
目標1、目標2を達成するためには、風疹の追加的対策の延長が必要な状況でして、2020年8月から2021年7月の実績のまま推移すると、目標2を達成するために、約3年半の期間が必要と考えられるということでございます。
風疹の流行が発生する前に、早期に目標を達成し、抗体保有率を上げることが求められますけれども、そのためには、風疹の追加的対策の促進策が必要でございます。
御議論いただきたい観点としましては、新型コロナウイルス感染症の感染状況や健診の診断の状況あるいは風疹対策の進捗状況等を踏まえまして、当初の目標1及び2の達成時期、及び目標についてどう考えるかという点。
また、対象者、昭和37年から54年生まれの男性ですけれども、多くは被用者でありますので、目標達成のためには、職場の定期健康診断等での抗体検査というのが重要でありますけれども、それをどのように許可していくかという観点につきまして、御議論をいただければと思います。
どうぞ、よろしくお願いいたします。
事務局からは、以上です。
○脇田座長 どうもありがとうございました。
今、風疹のこれまでの対策と、今後の対応ということで、御説明をいただきました。
論点、資料の1-2の3ページの論点も含めて、皆様から風疹対策、風疹の流行の現状と、それから、今後の対策ということで御意見をいただければと思いますが、いかがでしょうか。
挙手ボタンを挙げていただくか、手を挙げていただくかで、大曲先生は挙がっていなかったですかね、谷口先生、多屋先生の順番でお願いします。
○谷口委員 ありがとうございます。
論点の1つ目は、達成時期というのは、現状では難しいわけですから、これは、先延ばしをする以外の方法はないのだろうなと思いますけれども、そもそもなぜうまくいかなかったのか、もちろん、これはコロナというのもあると思うのですが、以前の部会でも、私は申し上げたと思うのですが、抗原検査をして、結果を見て、また、ワクチンを打ってという手続が極めて面倒なので、進まないだろうとは思っていましたし、そういう意見を申し上げました。
実際、国際的な、こういったサプルメンタリー・イミュナイゼーション・キャンペーン(Supplementary Immunization Aactivities)で、一々抗体検査をするところなど、普通はないのです。
だから、そこは、もう少し、一回も接種していないというのは、ある程度分かっている人は見えるわけですから、そういった方に対して、なぜ抗体検査をスキップできないのかとうのは、以前から思っていました。これが1点。
あと、もう一点は、例えば、WHOをはじめとするストラテジックフレームワークというのがありますね。そこで、最近ノンセレクティブなキャンペーンを信頼し過ぎてはいけないみたいなことが書いてあるのですけれども、そこにもう一つ、ノンイムナイゼーション・キャンペーン(Non-immunization campaign)とのジョイントキャンペーンということが書いてあるのです。
これは、最近、いろんなところで、コロナワクチンでも行われていますが、いろんなほかのキャンペーンと組み合わせてやるというのは、私はとてもいいことだろうと思います。
WHOとここに書いてあるのは、ビタミンを投与するとか、そういったことなのですけれども、必ずしも日本でビタミンを投与しなければいけないということは、ないと思いますけれども、例えば、いろんな健康フェスティバルでもいいですし、職場での何らかのイベントでもいいですし、地域でのいろんなキャンペーンと組み合わせて、これは、例えば、市町村とか、企業で、そういったいいジョイントキャンペーン、そういったアイデアがあったら、それに対して、例えば国が支援をきちんとしていただくとか、そういった形で進めていかないと、今のままで一生懸命やりなさいでは、なかなか難しいと思います。
もちろん、アンケートにあったように、費用の問題とか、手続が面倒な問題、これは、当然のことながら簡単にしていかなければならないだろうとは思いますが、ジョイントキャンペーンというのを考えていただくのがいいのではないかと思います。
以上でございます。
○脇田座長 ありがとうございました。
多屋先生、お願いします。
○多屋委員 ありがとうございます。
谷口先生の御意見に非常によく似ているのですけれども、今、新型コロナワクチンの接種が、対象年齢の40代、50代の男性に始まってきていると思います。
これだけ新型コロナワクチンの接種率は高い状況ですので、ワクチンを受けに来てくださった方に、あなたは風疹抗体検査の対象ですよということをお伝えいただいいて、その場で検査を受けることができれば、よりよいですけれども、もしそれができなかったとしても、チラシを配っていただくなり、そこに掲示していただくなり、あなたは風疹抗体検査の対象ですよということを、何とか伝えていただける工夫をしていただけないかなと思いました。それが1つ。
あと、職場健診での実施率は、先ほどの円グラフにあったように、やはりかなり低いなという印象ですので、職場では生年月日等は分かっているわけですから、その対象の方には、あなたは対象です、受けていない方は受けてくださいというような勧奨ができないかなというのが2点目です。
もう一つ、谷口先生と同じく、当初は私も抗体検査を受けてからワクチンを接種するというのは、非常に煩雑で難しいと思っていたのですが、実際これが始まってみると、非常にきれいに抗体検査を受けた方の2割、20%がワクチンを受けてくださっているのだということに、逆の意味ですごく驚きました。抗体価が低いと分かれば、ワクチンを受けてくださるのだということが分かったので、抗体検査を受けて低いと分かっていただければ、ワクチンも受けていただけるのかなと思いました。そこを、まず、広めていく必要があるし、今のままでは達成できないので延長をお願いしたいなと思いました。
以上です。ありがとうございます。
○脇田座長 ありがとうございます。
白井先生、お願いします。
○白井委員 白井です。
同じような質問ですけれども、確かに抗体検査をしてからということになると、かなり煩雑で、やはり産業医もちょっと二の足を踏んでいるというような企業もあるかなと思うのです。
それと、企業でということなのですけれども、40代、50代の方についての抗体が低いから、企業健診ということもあるのですが、風疹は何のために予防するかと言った場合に、1つはこれから生まれる子供のためというか、そういう先天性の風疹症候群を防ぐということもあると思うのですが、そうなると30代、40代もかなり抗体を、もう少し上げていく必要があるだろうし、あとは、もう少しその年代よりも低かったかもしれませんけれども、高校生のときに、第四期というようなワクチン接種の機会があった人たちの接種率は、あまり良くなかったと思うのです。その人たちもキャッチアップしないといけないかなと思っています。
そうなると、かなり対象が広いだろうと思われるかもしれないのですけれども、抗体検査をしないといけないというと、かなり大変になると思いますし、その年代については、必ずしも雇用形態というか雇用されていないような人たちも多いですので、もっと気楽に受けられるようなシステムにしないと、将来的にというか、風疹が収められないのではないかなと思います。
コロナウイルスだと、今、ワクチン対策について、すごく加速していますので、大阪などでは、パチンコ屋さんでも実施したというところもニュースになっていましたけれども、あらゆる機会で、キャンペーンのときにも、そのまま打てるというような所もあってもいいのかなと思います。
新型コロナウイルスよりも風疹は、本当に今、ワクチン・プリベンティブ・ディジーズということを、もう少し強力に打ち出すというか、ワクチンで予防できますよということを言う必要があるのではないかと思います。
子供のためとか、誰のためというと、余りぴんと来ない人たちもいるかもしれませんが、大人になってかかるとかなり大変なので、実は、私も30過ぎてからかかったのですけれども、かなり大変な思いをしましたことと、あと、やはり社会のためにというような、そういうキャンペーンというか、リスクコミュニケーションというのが必要かなと思いました。
以上です。
○脇田座長 そうしましたら、宮入先生と坂元先生の順番でお願いします。
○宮入委員 よろしくお願いします。
先生方、おっしゃったとおり、延期は必至であると思います。
現状として、3割の方が抗体検査を受けられたということですが、実際に意識が高くて、出かけて検査を受けてくださる方は、これで飽和しているのではないかと、個人的には思っております。
今後、同じようにキャンペーンを張っても、同じような伸びは期待できないのではないかと危惧しておりまして、これを促進するためには、やはり積極的な対策、企業の健診に組み込むなどの対応が必要と思います。受けることを拒否する人はあまりいないかなと思います。
以上です。
○脇田座長 ありがとうございます。
坂元先生、お願いします。
○坂本委員 谷口先生がおっしゃった抗体検査をしてから予防接種というのは、確かに現場として苦情ではないけれども、面倒くさいという声は聞きます。
多分、初期のとき、抗体検査をしてからワクチン接種をするというのは、1つに、その背景としてワクチンそのものの量があまり潤沢でないので、全員それでやってしまうとワクチンの量が不足するのではないかという議論があったように記憶しています。
ただ、谷口先生がおっしゃるように、明らかに受けていないという人には、その場でワクチンを打ってもいいのではないかと私的には思っています。それは、多分、接種率を上げる1つの方向かなと思います。
それから、多屋先生が言った宣伝の仕方なのですが、コロナワクチンの接種、来年から一般市民向けに3回目接種が始まるというところで、1回目、2回目の接種は市町村も無我夢中だし、来る人も多分、ほかのことが全く目に入らないので、その現場で変な情報を出すと混乱が起きるのですけれども、3回目の接種は皆さん慣れてくるし、落ち着いてくるので、その場で、あなた、今回このワクチンを受けたけれども、こっちもお済みですかぐらいの情報提供は、私はやったほうがいいと思います。担当のほうに聞いたら、そんな大した手間暇ではなくて、ポスターとかを国が作っていただいたりすれば、それを配ったりとか、掲げることは全くやぶさかではないというので、多くの方が接種に、3回目に来られると思いますので、多屋先生の考え方、私もすごく賛成です。
以上です。
○脇田座長 どうもありがとうございます。
そのほか、いかがですかね。
越田先生、お願いします。
○越田委員 私も2点お話させてください。
企業の健診での検査が思いのほか、伸びていません。企業は健診の機会を従業員に提供しますが、採血等を行って検査をするのは、検査会社あるいは企業がどこかの検査会社に委託して会場に来ていただいて行うというところが多いのではないかと思います。
従って、全国の健診を専門に行っている医療機関例えば予防医学協会や、全国的チェーンの検査会社に対して、風疹抗体価の検査対象者には、検査項目の中に組み込んでしまうというのも1つかなという気がいたします。
そういたしますと、接種券をご持参された段階で、自動的に採血をすることになります。
2点目は、坂元先生がおっしゃったように、これから、我々は新型コロナウイルスワクチンの3回目の接種を行います。感染症に対する認識が高まっているこの時期に、対象者への啓発をするということは、効果的ではないかなと思っています。この2点です。
○脇田座長 ありがとうございます。
川俣先生、お願いします。
○川俣委員 ありがとうございます。
私も坂元先生と同じように、3回目の接種になると、かなり受ける方々の意識が柔らかくなってくるので、そういう指導の時間は取れるかなと、私の中でも思っています。
今までおっしゃったように、1回目、2回目は、緊張感を持って受けている方が多いので、そういうところよりは、今後は、3回目というのが決まってくれば、私たち市町村のほうも余裕ができますので、対応がもう少しできるのかなと思っていますので、そういう機会を得るのは、今後、いいことかなと、私の中でも思います。
○脇田座長 ありがとうございます。
そのほか、いかがですか。
伊藤先生、どうぞ、お願いします。
○伊藤委員 抗体検査をして、ワクチン接種をするというのは、大変煩雑だと思いますので、ある一定程度、数が少なくなった段階で、抗体検査ではなくて、いきなりワクチン接種に切り替えるというのはどうだろうかというのが1つ。
新型コロナワクチンの3回目接種が始まった段階で、風疹の抗体検査のための採血ができる機会を提供したらどうだろうかと思います。
もう一点は、企業が足踏みをするのは、採血そのものは一緒なのでしょうけれども、今回の事業向けの血液検体を別の場所に送るのではなくて、健康診断の中で検査をして費用補填するなどをしたらよいのではないかという気がしますので、そうした方法も考えられたらどうかと思います。
以上です。
○脇田座長 ありがとうございます。
そのほか、いかがですか。
山田先生、どうぞ。
○山田委員 風疹の抗体測定なのですけれども、ベッドサイドというか、その場でできるイムノクロマトみたいなものというのが、多少感度が低くても、そういったものがもし使えれば、抗体を測定して、その場で陰性の人には、もう打ってしまうというようなアプローチもできるのではないかなと思うのですけれども、そのようなことは検討できないでしょうかというのが1点。
もう一つ、コロナのワクチンを見ていても、ワクチンフォビアみたいなものがはびこっていて、かなり動機づけが難しい一定のポピュレーションがいると思うのです。
そういう方たちは、今までのやり方では、全くアプローチが不能だと、私自身は思っていて、やはり行動経済学的な何か方法論を使うような、いわゆるナッジみたいなもの、インセンティブを与える。特に風疹の場合は、個人に対するメリットというのは、先ほど若干大人になると症状がきついよという話がありましたけれども、目的から言って、子供たち、将来のポピュレーションを守るとか、そういう社会正義みたいなものを幾ら言ったって通じないという。だから、本来は、社会を守るためにやってもらえればいいのですけれども、そういう目的になるのと、自ら受けようという人たちは、かなり難しいと思うのです。
そういう人たちに受けてもらわなければいけないので、ここは、相当なやり方を考慮しないと、今までのやり方を踏襲しているだけでは、3年半で、果たしてどうなるかと私自身は思います。
それこそ、行動経済学の専門家等を総動員するぐらいのつもりでやらないと、実現が難しいのではないかと危惧しております。
以上です。
○脇田座長 今のは、多屋先生にお伺いしておこうと思うのですが、イムノクロマトで、その場で抗体検査をやって、判定するということは可能ですか。
○多屋委員 ありがとうございます。
そのようなキットが作られているということは伺ったことがあります。
ただ、感度とか、特異度とか、今すぐ手元にはないですけれども、今回のような場合は、少し多めに陰性者の方を拾ってしまうことになったとしても、その方にワクチンを接種できるというのであれば、その場ですぐ分かって接種できるメリットは大きいのかなと思いました。
それ以外のところでは、少し考えなければいけない点はあると思うのですけれども、こういう場合には、役に立つ部分があるような気がいたしました。
以上です。
○脇田座長 ありがとうございます。
調先生、大曲先生。
○調委員 ありがとうございます。調です。
風疹の対策というのは、やはり一番の目的は、CRSをなくすということだと思うのです。
確かに男性の風疹の感染者は、40代、50代がピークなのですけれども、女性は20代、30代が最も感染者が多くて、もともと定期予防接種の追加ということで、1回もこれまで予防接種の機会がなかった人たちを対象にするということで、40代、50代の男性に対して抗体検査を行って接種をするという枠組みを作られているわけですけれども、以前議論があったかもしれませんが、20代、30代の女性たちに国の予算で接種ができるような機会を設けることができないだろうかと。
というのは、今、インバウンドがほとんどなくなって、風疹の流行もほとんどないわけですけれども、これが、恐らく来年、再来年辺りには、また元のたくさんの人たちが海外から押し寄せるという状況になると、今の抗体の保有率からすると、2013年のような大きな流行が起こることが、恐らく可能性は非常に高いと思うのです。
それに備えるためには、今の状況で、同じようなスピードで予防接種が進んでいくと、やはり、そういったことが考えられるので、これは、大きな対策の転換になってしまうので、非常に難しいかもしれないのですけれども、そういうことが考えられないだろうかということを、意見として言わせていただきたいと思います。よろしくお願いします。
○脇田座長 大曲先生、お願いします。
○大曲委員 大曲です。
既に先生方がおっしゃった御意見で、コロナの予防接種の場、特に集団接種のほうをうまく使うというのは、本当に僕も賛成です。
個人的には、5年ぐらい前から風疹の予防接種というのは、特に僕の世代の男子を連れてきて予防接種をさせるというのは、相当大変だなというのは正直なところです。
実際、管理をされる企業さん方の負担が大きいというのも、実感として伺っています。今、やはり大変な時期でありますが、コロナで集団接種だとか、個別の接種の場もありますが、ある意味インフラが整っているところでもありますので、特に大人の予防接種、風疹、こうした場を使って推進していく。
例えば、先ほどお話が出たように、ワクチンを打った後に採血だけは受けて帰っていただくとかをすれば、ついでにいけるというのは、非常に我々的には便利、利便性は高いと思いますので、もう少しだけ頑張って、そうしたインフラを整えるということは、今だったら考えられますし、僕も賛成であります。
以上です。
○脇田座長 越田先生と調先生、手が挙がっていますけれども、御意見はありますか。
では、越田先生、どうぞ。
○越田委員 これまでの対策の5ページを御覧になっていただくと、確かに1回も接種していない世代の男性は、抗体が低いのですが、その少し手前のところも、やはり男性は女性に比較して抗体価が低い。この世代は社会活動も盛んですし、奥様やパートナーが妊娠可能な世代でもあります。私も対象をここまで広げるということには賛同いたします。
そもそも当時の「女の子が受けるという予防接種」の認識が、ここに表れているのかなと思いました。
以上です。
○脇田座長 ありがとうございます。
ほかは、いかがですか。
磯部先生、どうぞ。
○磯部委員 もうあまりつけ加えることは何もなくて、法律面からどうということはないのですけれども、ちょうど私も2019年にクーポンをいただきまして、抗体検査というのを初めてして、昔かかった記憶があるな、でもよく分からないなと、ワクチンを受けたかなど、もちろん分からないなと、とにかく検査してみて抗体があったので、ワクチンを打たずに済んだと、よけいなワクチンを使わなくて済んだ、ある意味、メリットはすごく感じていたのです。抗体検査を受ける機会があるというのを保障するということは、とても重要だったと思うのですけれども、何せ、もう皆さんおっしゃっているように、事態は、状況は変わって、やや中期戦にならなければならなくなったというときに、それは少し作戦を変えていくというのは、全くおかしくないわけで、抗体検査を受けたい方には、そういう機会を保障すればいいのであって、より早くワクチンにアクセスするとか、もう少し効率よくコロナとセットでやっていくということは、積極果敢に変えていくというのは、今までのやり方がまずかったという意味ではなくて、柔軟に変えていくということは、積極的に考えていいのではないかと感じた次第です。
以上、感想だけです。すみません。
○脇田座長 ありがとうございます。
そろそろ時間です。戸部先生、どうぞ。
○戸部委員 抗体検査を全部スキップするというよりは、ワクチンを打ちたくないという人もいるので、抗体検査もできるし、いきなり接種もできるという2つの選択肢があるといいのかなと思います。
あと、単純に労働者のほうで、健康診断時に抗体検査ができるということを知らない可能性があって、その辺りの周知がうまくいっていない可能性があるので、会社に働きかけるのは当然としても、労働者に対して政府からダイレクトに周知する、職場の健康診断時に抗体検査ができますよと周知するのがよいのではないか、例えばインターネット広告を打つとか、あるいはテレビ広告を打つ等すると、もしかしたら増えるかもと思いました。
以上です。
○脇田座長 ありがとうございます。
皆さん、意見をありがとうございます。今日は、広く意見を伺いたいということですので、最初に谷口先生のほうから合同のキャンペーンということがありまして、多くの皆さんからもコロナワクチンと組み合わせたらどうだと、その場で周知するのもいいし、あるいはそういったときに何らか追加でそこでできるような裁量を与えたらいいのではないかという御意見も多くありました。
それから、リスコミに関しては、最後に戸部先生も言われましたけれども、職場の健診を中心にということなのですけれども、その割合は低いということですから、そういった年代に直接アプローチをするということも重要ではないか、リスコミの問題ということですね。
それから、そもそも目標のところで、目標を伸ばしていくのは仕方ないだろうということですから、そこに関しては、ただ、目標がかなり先になってしまうから、さらに何ができるのかという御意見で、対象を広げてはどうか、あるいは今は抗体の検査をやって、陰性を確認してワクチンなのだけれども、その検査に来ていただいたときに、例えば、その場で希望する人にはワクチンを直接打つとか、あるいはイムノクロマトをやって、その場で確認できるようなもので打つということも可能なのではないかと、そこは偽陰性の問題があるかもしれないけれども、この場合は、広くワクチン接種に関して、そこまで問題になるのだろうか、そこは検討の余地があるということ。
それから、年代を広げるとか、対象を広げてはどうかと、女性の20代、30代に多いので、そこの対象者を広げていいのではないか。
それから、男性のほうも、すぐ下の世代、接種率は低いわけですから、そこに広げていってはいいのではないかと、そんなような意見。
それから、検診の検査項目にそもそも組み込んでしまったらどうかと。あとは、行動経済学、コミュニケーションの問題で、ナッジ的な手法を取り入れると、そのような様々な御意見をいただいたと思いますが、事務局のほうでは、こういった御意見を踏まえて検討を進めていただくということだと思いますが、さらに、追加の御意見はございますか。よろしいですかね。
大体そういった形で事務局のほうは、また、検討を進めていただきたいと思います。どうもありがとうございました。
そうしましたら、次に議題(2)季節性のインフルエンザワクチンの供給ということで、事務局から説明をお願いいたします。
○杉原エイズ対策推進室長 そうしましたら、資料2を御覧ください。
こちらは、季節性インフルエンザワクチンの供給についてでございます。
こちらを簡単に御説明させていただくのに、別紙1を御参照いただくのがいいかと思いますので、別紙1のほうを御参照ください。資料2の5ページ目以降になりますけれども、2021年と2022年シーズンのインフルエンザワクチンの供給量の見込みについてのまとめでございます。
今年度のインフルエンザワクチンにつきましては、製造効率が特によかった昨年度とは異なりまして、例年と同程度、平成28年から平成30年、令和元年と同程度の製造効率でございます。
平成8年以降で最大となった去年の使用量と比較しますと少ないですけれども、例年の使用量に相当する程度の供給がなされる見込みでございます。
もう一度最初のページのほうにお戻りいただけますでしょうか。
こちらは、具体的本数等につきまして、今年の8月の時点での見込みですけれども、約2567万本から2792万本の見込みです。
去年も10月の第5週の時点で、供給量の90%程度のワクチンが出荷済みでしたけれども、今年の冬は遅れたペースで供給される見込みでして、10月の第5週の時点では、出荷見込み量の全体の65%程度にとどまる一方で、11月から12月にかけて継続的にワクチンが供給される見込みです。
こちらに関しては、先ほどの後半の別紙の2のほうに予測される供給の推移というものの記載がございますが、こちらのグラフのとおりでして、供給量が少し後ろ倒しになってくるという状況でございます。
ワクチンの安定供給に係る対策ということで、これは、昨年も同等のことをお願いしておりますけれども、13歳以上が受ける場合には、特に医師が必要であると認める場合を除いて、1回接種であることを周知徹底するということと、必要量に見合う量のワクチンを購入することを徹底するようにお願いしているという次第でございます。
また、こちらもこれまでも同等だと思いますけれども、65歳以上、あとは60歳以上で65歳未満で、かつ、心臓、腎臓、また、呼吸機能に障害がある、またはHIV等により、免疫の機能によって日常生活が困難な程度の障害を有する方につきましては、予防接種法の施行令に基づくインフルエンザの定期予防接種の対象者となりますので、これらの方への接種の機会を確保できるよう、配慮をお願いしたいということをお願いしているところです。
こちらにつきましては、主な報告点は、以上となります。
○脇田座長 ありがとうございました。
今、御説明がありましたとおり、今シーズンの季節性インフルエンザワクチンの供給についてということです。昨年度よりは、かなり減りますが、例年の使用量に相当する量は供給されるということですね。ただ、供給が後ろ倒し的になるということが別紙の2でも見られるということですね。
そうしましたら、委員の皆様から、御意見、御質問等があれば、坂元先生、お願いします。
○坂元委員 別紙2のオレンジの少ない場合と、青の多い場合と、2つの予測があるのですが、この予測の結果というのは、いつぐらいに分かるのでしょうか。最後まで結局は分からないと、量としても、多い場合と少ない場合で、かなり差があるように思うのですが、この結果というのは、いつ頃分かるのでしょうか、質問です。
○脇田座長 それでは、先に委員の皆様から御意見をいただきます。
釜萢先生と谷口先生、お願いします。
○釜萢委員 釜萢でございます。
たしか9月14日でしたか、予防接種ワクチン分科会で、この情報が公表されましたので、今シーズンの季節性インフルエンザのワクチンの供給見通しを接種担当医療機関になるべく早く情報を伝えたいと思って、厚労省とも御相談をして、各医療機関には情報を伝えています。
ですから、全体としてあるいは最終的な12月の終わり頃までの供給量というのも、大事な指標ではありますけれども、やはり10月に接種を始めるときに、十分な量が確保できているのかどうかというところは、医療機関としてワクチンを確保する計画や予約を取るという点においても、非常に大事な要素になります。
御説明があったように、昨年は10月の初めにはかなり潤沢に供給されたということもあるものですから、今年については、諸事情はよく承知していますので、それを踏まえて、それぞれの医療機関で接種を希望される方に十分理解をした上で、予約をしっかり現実に合わせて取っていくということが混乱を招かないために非常に重要だろうと思っていまして、そのことを周知したという御報告を兼ねて発言をいたしました。
それから、今日は、せっかく健康課、また、予防接種室、そして結核感染症課と厚労省の担当が皆さんおそろいですので、ぜひ申し上げたいと思うのですけれども、我が国の場合には、新型インフルエンザのワクチンを、細胞培養を使って国民の大部分に供給をするという計画がこれまでありました。
これも当初の計画から大分年数が経ってきたので、少し現実にそぐわないという部分も出てきた可能性があり、見直しの必要があるのかもしれません。それから今回は新型コロナのワクチンをライセンス等を使って、あるいは国内のメーカーにより独自の開発をして、国内で生産をしていくということも非常に重要なわけです。
新型コロナワクチンの国内生産にあたり、これまでに整備した新型インフルエンザワクチンの生産ラインで利用できるものがあるのかどうか、もちろん、新規に作らなければならない部分もあるでしょう。
今後、新型コロナのワクチンについては、今、3回目の接種が課題になっていますけれども、その後も一定期間ごとに国民に対してワクチンを供給していく必要が出てくる可能性があると思います。
また、新型インフルエンザもそうですが、未知の感染症に対して新たな感染症が出た場合の対応をどうするのかということがあり、新型インフルエンザのワクチン供給の計画を今回を契機にもう一度見直す必要があるのではないでしょうか。
そして、毎年必要になる季節性インフルエンザのワクチンの供給をいかに安定させるのかというところを併せて、ぜひ国としての方針をもう一度ここできちんと固めておいていただきたいとお願い申し上げます。
私からは、以上です。
○脇田座長 ありがとうございます。
谷口先生、お願いします。
○谷口委員 ありがとうございます。谷口です。
まず、当院には、もう既に地元の卸から今シーズンは、これだけ卸しますというお話を聞いています。昨シーズンよりも少ないです。
実際に、昨シーズンも徐々に出てきて、途中から余ってきたのか知らないけれども、まだ出せます、まだ出せますと言ってきたのです。うちは、1月にまだ出せますと言われても困るのです。使わないです。恐らく偏在があるのでしょうね。もう少し、なかなか難しいのだろうと思いますが、例えば、前年度の実績ベースをきちんと評価するとか、実際にどのぐらい予約を受けているとか、そういうことをきちんと考えた上で、これは国レベルでできることではないのですが、地元の卸レベルですから、この部会で言うべきことかどうかは分かりませんけれども、そのためには、多分、情報を、いつ、どのぐらいリリースされているのかというのをきちんと言っていただいたほうが、いろんなところで問題が起こらずに済むのかなというのが1点です。
2点目は、13歳という数字が先ほど出てまいりましたが、うちなど、ずっと毎年打っていると、もうお母さんから、毎年毎年2回打つ、倍かかると、1回では駄目なのかと、もちろん前抗体をきちんと調べてみれば、プライムができているかどうか分かりますので、僕らもそのようにして、何かの機会に抗体をはかって、前抗体があるから1回でいいよと、8歳、7歳でも前抗体がある方はいますので、次からは1回でいいよとやっています。
欧米では、普通、9歳ぐらいで1回になっていますね。日本でも小児科医会の先生方が、たしか小児科医会雑誌に7歳だったか、6歳だったかで1回で済むという論文を出していると思います。
ここら辺りは、もう少し国として、先ほど風疹で余分なワクチンを打たなくて済むという話もありましたが、もう少し詳細なデータを出していただいて、現場で決めさせていただいてもいいのではないでしょうか。それが、やはり効率的な使用につながるのではないかなと思います。これが2点目。
3点目は、先ほど釜萢先生がまさに言われたことで、非常に同意するのですけれども、全ての日本のメーカーが同じワクチンを製造するという時代は、もう終わったのだろうと思います。モデルナがメッセンジャーRNAワクチンのインフルエンザワクチンを作るというようなことを言っていましたし、経鼻粘膜ワクチンも日本で開発されていますし、ペプチドワクチン、あるいはベクターワクチン、これからはいろんなワクチンがあっていい時代だと思うのです。
そうすると、細胞培養よりもメッセンジャーRNAを合成したほうが早いのかもしれないですし、コストの問題もあるからなかなか難しいと思うのですが、そういうことを踏まえて、国としての戦略は考えていただければなという釜萢先生の御意見にエコーする意見でございます。
以上でございます。
○脇田座長 どうもありがとうございました。
そうしましたら、坂元先生から別紙2の予測のところをいつ頃発表するのかということで、釜萢先生、谷口先生から、季節性インフルエンザのワクチンの安定供給の問題、そのほか、新しいワクチンが出てくる、そういったものをどう考えるか。それから、配分の問題もありましたね、新型コロナワクチンの配分を地方自治体へ適切に配分するという問題があったと思いますけれども、それから、13歳未満の1回接種の件、そういったところ、事務局からコメントをいただければと思いますが、いかがでしょうか。
○賀登予防接種室長補佐 予防接種室でございます。何点か答えさせていただきます。
まず、坂元先生から御質問をいただきました、多いケース、少ないケース、いつ判明するかということですけれども、今回の製造量が、去年よりも大分少ない、一昨年も少ないということについては、資材等の入手、コロナワクチンの製造における資材の確保とインフルエンザワクチンの資材の確保は、共通する点がございまして、そういった理由から製造自体が遅れているというのが理由になります。
今の状態でも、引き続き製造を続けている状態でございますので、今後、製造効率等を含めて、随時分かるということになってきますので、申し訳ないですけれども、例えば、10月の頭時点でという回答は、なかなか難しいかなと思います。大変申し訳ございません。
釜萢先生から、季節性インフルエンザについて、安定供給をしっかり図るべきだということで、今シーズンは、まだ国内4社で作っているわけですけれども、来シーズンになりますと、デンカ生研という新潟の工場のほうで、新棟を1棟オープンするということが、プレスリリースされている公開情報になっておりますので、そういったところで、今よりも1つ安定供給に資する対応が取れるのかなと考えております。
谷口先生からいただきました季節性インフルの偏在対策についても、しっかりやるべきだということ、今日御紹介させていただきました通知の中でも、各地域、各医療機関で買占め等を自粛していただくようにということで、偏在対策が中心の中身になっています。
この中身自体は、伝統あるものでして、随分前から同じような働きかけを続けているのですけれども、そういったところの実効性をいかに高めていくかということは、インフルエンザワクチンにかかわらず、定期接種のワクチンでも往々にして起きることですので、そういったところをしっかり考えていく必要があるかなと思っております。
あと、小児のところで、2回打ちでなくてもという点についても、平成29年度のシーズンから導入した話ですけれども、1回接種で大丈夫だというところについては、その旨周知しておりますので、そういったところでインフルワクチンの有効活用ということも、しっかり図っていく必要があるのかなと思います。
すみません、答えていないところは、新型インフルの政策だったりとか、細胞培養とかメッセンジャーRNAというところのワクチンの在り方というところについては答えておりませんけれども、それ以外については回答させていただいたつもりです。よろしくお願いいたします。
○鶴田予防接種室長 予防接種室長です。
新型コロナ、新型インフル、新しい様々なモダリティーのワクチンが開発されてきている中で、そういったものをどう有効活用していくかという、そういった御指摘だと思っています。
これについては、本当に皆様方の御意見をいただきながら、今後、事務局において整理していく課題だと思っておりますので、また個別にもいろいろと御意見を賜れればと思っております。どうぞよろしくお願いいたします。
○脇田座長 どうもありがとうございます。
そのほか、いかがですか。
戸部先生、お願いします。
○戸部委員 資料2の3ページの(8)のところで、ワクチンをたくさん抱えて、その後、大量に返品するなという趣旨だと思うのですが、2段落目の最後に「また、接種シーズン終盤にワクチンを返品した医療機関等の名称を公表することがあります」と書いてあって、この公表するというのは、誰に向けて何のために公表するのかというのがよく分からないというのがあります。何となくこの書き方だと、見せしめというか、何か制裁的な意味合いなのかなとも思ってしまうのですが、そうだとすると、法的な根拠はあるのかなというのが疑問です。
以上です。
○脇田座長 ありがとうございます。
そのほか、いかがですか。
そうしたら、事務局、今の戸部先生の御指摘は、いかがですか。
○賀登予防接種室長補佐 予防接種室でございます。
今の点、法的根拠というところについては、すみません、今、この場でなかなか答えることができないのですけれども、偏在、不足というところについて、一定の買い占めを行ってしまうというようなことが、根本的な原因でありまして、そういったところを抑制したいという目的が趣旨で入っている文言かと思います。
ただ、実際に公表するかどうかということについては、よく考えることが、考慮事項はたくさんあると思いますので、そういったことを考えて判断することかと考えております。
○脇田座長 という御説明ですけれども、よろしいですか。
○戸部委員 結構です。
○脇田座長 分かりました。
磯部先生、何かコメントはありますか。
○磯部委員 ありがとうございます。
ちょっと心配だなという気がしました。
とりあえず、書いておくだけ書いておいて、実際に公表するかどうかは、その都度、うまいこと考えますと、書いておくだけだから張子の虎だというのは、ちょっと乱暴かなという気がしますね。本当に悪意を持って買い占めているのか、たまたま計算を間違ってしまったのか、いろんな事情があるのでしょうということからすると、確かに何でも公表するわけではないのだから、いいのだという事務局の御説明も分かるのですけれども、やはり、公表は、法律の根拠なくやると、万が一間違ったときに取返しがつかないわけですね。ですので、そういう意味では、慎重な姿勢が必要ではないかということで、あまりみだりに振り回すべきではないというのが、法律学、行政法の常識的な発想ではないかと思いますので、よく御検討をいただいたほうがいいのではないかなと思いました。
以上です。
○脇田座長 ありがとうございます。
多屋先生、どうぞ。
○多屋委員 今の意見に関連してなのですけれども、そもそもワクチンは、やはり生ものですし、返品をするということ自体どうかと思います。返品されても、そのワクチンはもう使うことはできないわけですから、ワクチンについては返品しないという方向にできないのかなと思ったことが1つ。
それから、最近、厚生労働省の文書にWHO等では9歳以上の子供には1回接種を推奨するというのが明記されてきているのですが、まだ、ワクチンの添付文書には、そういった記載はないです。ワクチンの添付文書にもそういった記載が入ってくると、やりやすくなるのではないかと思いました。
以上、2点です。
○脇田座長 ありがとうございます。
谷口先生、どうぞ。
○谷口委員 先ほどの多屋先生の続きなのですけれども、いただいた資料2の2ページ目の(2)には、WHOは9歳以上の小児及び健康成人に対しては、1回接種が適切である旨の見解が示されていることから13歳以上の者が接種を受ける云々と、これは文章としておかしいかなという気がするのです。普通に考えれば、9歳以上の小児及び健康成人において適切である旨の見解が示されていることから、9歳以上においても1回接種を検討してもよいというのであれば、順接の文章として成り立つのですけれども、これは、文章として、日本語としておかしいような気がしますので、できれば、希望としては、9歳以上においては、こういったことを考慮してもよいという文章にしていただければなという気がします。
以上です。
○脇田座長 ありがとうございます。
よろしいですか。事務局、今のはどうですか、御意見ということですので、そこは、今後検討していただくということかと思いますが。
釜萢先生、どうぞ。
○釜萢委員 医療現場からの認識として、季節性のインフルエンザのワクチンを、基本的にそれぞれの医療機関が接種可能な量を超えて注文を出して、シーズンの終わりに返品をするというようなことは、あり得ないし、ゆゆしき問題だという認識を、少なくとも私自身は強く持っておりまして、そういう事例が、それほど多いわけではないし、今、特に今年のように、ワクチンの供給が非常にタイトであるという場合には、薬剤卸の方々のところで、かなり適切な調整が行われて、谷口先生から、先ほど、昨年に比べて納入量が減りますという案内があったという御指摘もありましたけれども、薬剤卸の方々のところでも、不公平にならないような、ある程度の制限をかけておられると承知をしています。
それは、現場の認識としては、うまく機能しているなと思っておりまして、そんなに大幅に返品が行われるということはないし、それから、多屋先生が言われるように、基本的に、この医薬品は返品はなしという大原則のもとでやるべきだと強く思っておりますので、その認識が、さらに広がるように希望して発言をいたしました。
以上です。
○脇田座長 ありがとうございます。
今村先生、お願いします。
○今村委員 今村です。
供給量が減っても需要量が増えていなければ問題ないのですけれども、日本では、10月頃に流行の可能性などの報道があると、すぐに駆け込みで需要が増えるということを起こしやすいと思うのです。
現時点での季節性インフルエンザのリスク評価をどれだけしているのかということは重要だと思います。南半球では大きな流行は起きていない。日本では、新型事な対策のため感染予防対策が継続されている。けれども、小さい子供などは、マスクもつけないので、RSウイルスは1年間流行がなかったことで感受性のある子供も増えてしまい、今年の春には流行が起きてしまった。このような流行をみると、昨年はインフルエンザの大きな流行がなかったことで、同じように感受性者が増えている可能性もあると思います。
南半球での流行がなくて、去年も大丈夫だったからといっても、今年は散発的な流行などが起こっても不思議ではないと思うのです。
脇田先生にアジアの他の国での流行状況も含めて、現時点での季節性インフルエンザのリスク評価について伺いたい。
○脇田座長 今、今村先生おっしゃったとおり、南半球での大きな流行はなかったということで、ただ、今、WHOの情報では、インド、ネパールで少し流行があるということなので、この間、疫学センターのほうでも情報をまとめてもらいましたけれども、そこのところでは流行が少しある。中国でも、B型のほうがちょっと流行があると、ただ、いずれも大きな流行ではないですが、昨年と比べると少しインフルエンザの発生があるということなので、日本でも、昨年よりは流行が散発的あるいはちょっと分からないですね、そこのところは、起きてもおかしくないと。
それでRSの流行もありましたので、小児で、今年日本でも、だからインフルエンザに対しても、我々、備えておくということが必要だと考えています。
また、情報がアップデートされれば、もちろん、感染研のほうからもお伝えをするということだろうと思っております。
川俣先生、どうぞ。
○川俣委員 昨年は、インフルエンザのワクチンに対して、コロナと重ならないようにということで、補助金を市町村が出したところが多かったのです。そのためにワクチン接種が多くて、逆に需要がいつもより、ワクチンを打った方が多かったと思うのです。
ただ、今年どうなのかというので、私たちもまだ補正を組んでおりません。ですから、そういう意味では、今後、季節性のほうも昨年と同じようにするのかどうかでも対応が違うのかなと、私の中で、小さな町としては思っていることがあるのですが、やはり去年ははやっていなかったので、対策ができたからはやらなかったのか、みんなが手洗いをし、マスクをしていたからはやらなかったのかと思っている方もいらっしゃるので、その辺のところ、ちょっと見解を出していただいて、季節性のほうのインフルエンザのワクチンを打ったほうがいいですとコメントをしていただけるのか、手を洗ってマスクをしていれば大丈夫だというのか、大きな差があると思うのですけれども、その辺はどのように考えていらっしゃるのか、専門家の皆さんの御意見をちょっと聞きたいなと思います。
以上です。
○脇田座長 今のは、川俣市長の問いかけですけれども、どなたかございますか。感染研のほうでは、今言ったようなところで、南半球では大きな流行がなかったということです。ただ、昨年は、コロナとインフルエンザが、同時流行が冬に起こるということを非常に警戒したために、様々な検査の準備とかも、ワクチンを積極的に打ってくださいというお話もあったと思うのですけれども、現在、そこまでの情報は、流行が必ずあるというような情報があるわけではないと、私は思っていますけれども、もちろん情報が出てくればお知らせをするということかと思っております。よろしいですか。
どうぞ。
○今村委員 新型コロナは、やはり冬の時期にもう一回大きな流行になってもおかしくはないという現状だと思うのです。
そのときに気をつけなければいけないのは、もしも高齢者へのインフルエンザのワクチンの接種率が大幅に低下してしまい、インフルエンザで重症化してしまっても、やはり重症のベッドを埋めていき医療体制に負荷を与えてしまうという点では同じなのです。
そういう意味では、リスクの高い人のワクチン接種が落ちないようにしておくというのは、非常に重要なのかなと思います。
○脇田座長 ありがとうございます。
今、今村先生からは、やはり高齢者、リスクの高い人に対するワクチン接種というのは積極的にお願いしたほうがいいのではないかという御意見でした。
そのほか、よろしいですか。
どうもありがとうございました。
そうしましたら、合同部会の議題は、以上となりますので、事務局にお返しいたします。
○杉原エイズ対策推進室長 どうもありがとうございました。
委員の皆様の御意見を踏まえまして、検討を進めさせていただきたいと思っております。
会議後になりますけれども、当方で記者ブリーフィングとして議事の概要を説明させていただく予定でおります。
そうしましたら、合同の会議に関しましては、こちらで一旦終了とさせていただきます。
引き続き、感染症部会の委員の先生方は、残っていただくよう、お願いいたします。予防接種・ワクチン分科会予防接種基本方針部会の委員の皆様、どうもありがとうございました。
○脇田座長 どうもありがとうございました。
そうしましたら、引き続き、感染症部会を継続したいと思います。どうぞ、よろしくお願いいたします。
議題の3です。「急性弛緩性麻痺の届け出基準の変更について」です。
事務局から説明をお願いいたします。
○杉原エイズ対策推進室長 どうもありがとうございます。事務局、結核感染症課でございます。
資料3を御覧ください。「急性疾患性麻痺の発生届の変更について」という資料でございます。
まず、現状でございますけれども、急性疾患性麻痺、AFPというのは、御存じのとおりですけれども、脊髄・末梢神経・筋などの様々な疾患を含む急性に弛緩性の麻痺を呈する疾患の総称でありまして、ポリオやボツリヌス症など、感染症に起因するものが存在しております。
世界保健機関WHOは、1988年にポリオの根絶計画を宣言して以降、各国で15歳未満のAFPを把握し、ポリオではないことを確認することを求めてきております。
また、2018年から2020年にかけてのポリオサーベイランス計画のアクションプランというのを出しておりますけれども、このアクションプランにおいても、ポリオの対策の観点からAFPサーベイランスの実施を提唱しておりまして、多くの国でサーベイランスが実施されているところでございます。
日本では、平成24年にポリオの不活化ワクチンの導入以降、ポリオの発生はございませんが、平成27年、平成30年にエンテロウイルスのD68Aの流行がございまして、AFPの症例の多発を認めております。
平成29年12月に開催されました第23回の感染症部会における議論を踏まえまして、平成30年5月1日に急性弛緩性麻痺を5類感染症として追加しております。
現状の課題ですけれども、WHOによるポリオのAFPサーベイランスでは、麻痺発症後、できるだけ速やか、14日以内に24から48時間の間隔をあけて、2回の便検体を採取することと、そして、ポリオのGlobal Polio Laboratory Networkというポリオの実験室のネットワークに所属するWHOが認可した検査機関において、採取した便検体のポリオウイルス検査を実施すること、こちらのネットワークに感染研も入っておりますけれども、そうなっておりますが、日本では依頼に基づいてポリオウイルスの検査をしているのみで、AFPの症例全例について実施しているわけではないという現状でした。
また、AFPの発症に関与が高いとされております、EV-D68やEV-A71といったエンテロウイルスを含めた病原体の検査をすることは、公衆衛生的にも重要であると考えているところでございます。
最後の3番になりますけれども、今後の方針として御議論いただきたい観点なのですけれども、WHOのポリオ対策の観点から、AFPの症例の便検体については、全例国立感染症研究所に送付して検査を行うこととしてはどうかという点。
また、ポリオ検査だけではなく、EV-D68やEV-A71といったエンテロウイルスを含めた病原体検査を実施したことについての結果の把握も重要であるということから、発生届の最後のところ、感染原因、経路、感染地域と4の検査の実施という項目を新たに新設しまして、血液、髄液、呼吸器由来検体、便検査、1回目、2回目及びその他として検査の実施をしたことも記載を追加してはどうかと考えております。
2ページ目のところが、急性弛緩性麻痺の症例定義と届出基準になっております。こちらは、主な修正点はないのですけれども、次の別添の様式5-4というところを御覧いただきたいのですけれども、これが4ページ目になりますけれども、こちらの発生届につきまして、左が新しい発生届の様式のイメージでございます。
こちらの11の感染原因、感染経路、感染地域というところが右下にございますが、3のワクチンの接種歴の下に検査の実施として血液、髄液、呼吸器由来検体等のそれぞれの検体と、その結果を記載する欄を設けてはどうかと考えているところでございます。
事務局からは、以上でございます。
○脇田座長 ありがとうございます。
AFPサーベイランス、日本でも導入されていますけれども、その検査の実施に関して、検体全てを感染研に送って、ポリオウイルスの検査を行うということで、検査の実施率を上げるということだと思いますが、ただいまの説明に関しまして、御意見、御質問等があれば、お願いしたいと思います。
白井先生、どうぞ。
○白井委員 このサーベイランスをすることについては賛成なのですけれども、それの実効性を高めるという意味で提案したいのですが、この発生届、改定予定の分については、資料3のほうの下のほうにも書いてあるのですけれども、感染原因、感染経路、感染地域の下に4の検査の実施とあるのですが、ここではなくて、診断方法のところの5のところに入れていただいたほうが、現場としてはとても書きやすいというか、そう思っているのです。それと、初診年月日とか、その辺は下のほうに収めていただいて、その途中から、また、感染原因とか、感染経路、感染地域というのが左下に入っていて右につなぐようになると、とても見にくいので、レイアウトを変えていただきたいと思うことと、検体を提出することを必要とするということになると思いますので、届出に必要な要件のところのアイウのエにつないで、検体の提出としていただいたらいかがかなと思います。
実際は、検体の提出の便であるとか、検体のことを届出のところからは、採取日とかを書いていただいて、結果は保健所で書くというような形になっていますので、それほど医療機関では負担ではないと思うのですが、今の案だと、ちょっと検査の実施の配置が現場では違和感があるなと思いましたので、御検討をいただけたら、よろしくお願いします。
○脇田座長 谷口先生、お願いします。
○谷口委員 谷口です。ありがとうございます。
基本的に、こういったタイプのサーベイランスは、どうしても必要なものだと思います。
ただ、一方では、普通臨床の現場では、小児の急性弛緩性麻痺を見たら、検査をしないということはあり得ません。便の検査をして、髄液も普通調べますし、MRIとかも撮りますね。それを行政でしていただけるというのであれば、これまでしていただくところを探す手間が省けますので、我々にとってはとてもありがたいことであります。
ただ、様式に急性弛緩性麻痺というのは、臨床診断ですから、検査診断ではありませんので、検査結果と言われても非常に困るのですね。
先ほど、白井先生が言われたみたいに、検体の提出ということは記載していただいていいかと思いますが、結果というのは、その時点では、まず、普通は分かりません。迅速で分かるものは、もちろん分かりますけれども、自分のところでやれば早いですけれども、1つお願いとしては、これは地衛研でやるのか、感染研でやるのか、感染研でやるとしたら、どのぐらいのタイムスパンで検査を返していただけるのか、臨床現場としては、1か月後にもらっても仕方がないのですよ。自分のところでやれば、その日のうちに陽性か陰性か分かるわけで、そうすると、その後のセットは取れるわけですので、そこら辺りも含めて臨床側のメリットというのも考えていただければと思います。
以上です。
○脇田座長 ありがとうございます。
そのほか、いかがでしょうか。
森田先生、お願いします。
○森田委員 森田です。
AFPのポリオの検査を感染研で一括してやるというアイデアは、非常にいいことだと思います。発症率、毎年そう変動するものではないと思いますので、予想される数というのは、当然感染研のほうで考えておられて、これがここに出てきているということは、脇田先生は、これは感染研でできると、数も問題ないと判断されていることかと思います。
先ほどの谷口先生の御意見で、この検査を臨床検査の1つとしてやるというのは、かなり感染研にとっては負担が大きいのではないかと思うのですけれども、臨床検査としての検査は、また別途やられるほうがいいのではないかと、ちょっとお聞きして思ったのですけれども、以上です。
○脇田座長 ありがとうございます。
そのほか、いかがですか。
私が答えるのもあれなのですが、事務局から、もし、コメントがあれば、お願いしたいと思います。
白井先生、関連ですか、どうぞ。
○白井委員 参考資料の2を見ていますと、検体を提出して、その後、保健所が、その結果を得るということになっていますし、地衛研を通して感染研に送るようになっていると思いましたので、それも含めて御説明をいただきたいと思います。
あと、現場ではというか、実際、臨床検査で、いろいろなウイルスとか、髄膜炎にも関係するようなものについては、臨床現場でやっていただいていることを確認しながら、地衛研のほうに出したり、感染研のほうに検体を出すということを確認して保健所ではやっているつもりなのですけれども、全部行政検査にしてほしいと言われたら、ちょっと困るなと思っています。
以上です。
○脇田座長 それでは、事務局のほう、今、先生方からあったコメントに対して、お答えはありますでしょうか。
○杉原エイズ対策推進室長 結核感染症課でございます。
まず、1点目の白井先生からいただきました場所についてなのですけれども、こちらシステムの中に組み入れるという観点から、非常に書きにくい場所にあるというのは、確かにあることはあるのですけれども、追記するときに、これをもし上のほうに上げるとなると、大体的なシステム改変が必要になるということも1つの要因としてはございまして、また、診断方法の中に入れてしまうというのは、症候群、サーベイランスであるという観点からも、なかなかそれを入れづらいというところがありまして、それで最後のところに入っているという状況でございます。
事務局からは、以上です。
○脇田座長 終わりですか。
○杉原エイズ対策推進室長 それと検査の流れについてなのですけれども、これは、いわゆる先ほどの臨床検査と行政検査という観点がありましたけれども、行政検査での検査の実施については、参考資料2のほうに流れがございまして、こちらを御覧いただければと思うのですけれども、こちらのほうで、医療機関での検査診断の依頼を受けて、保健所で発生届を書いて、地方衛生研究所のほうでエンテロウイルスD68、A71の病原体検査を実施して、感染研でウイルス第二部のほうで、ポリオの検査のほうは実施するといったようなフローになっております。
○脇田座長 事務局、説明は終わりですか。
○杉原エイズ対策推進室長 事務局からは、以上です。
○脇田座長 谷口先生のほうから、タイムスパンはどう考えているかという話がありましたけれども。
○杉原エイズ対策推進室長 検査に関しましては、地衛研のほうでもエンテロウイルスD68、A71の検査等を実施するということもございますので、ポリオに関してもPCR等の検査を実施した場合に、感染研で確認検査を依頼するというプロセスになりますので、臨床で原因検索という観点でいくと、確かにタイムライン的には、少し遅くなってしまう可能性は、もちろんあるとは考えているところです。
○脇田座長 感染研で行うのは、基本的にはポリオの検査を行うと、そのほか、エンテロのほうは、地衛研でやる、もし、さらに感染研でやらなければいけないことは相談してもらうということなので、臨床診断的に、それを使っていただくというのはかなり厳しいのかなと、私は思っています。
それでは、白井先生、調先生、田中先生、順番にお願いします。
○白井委員 すみません、白井ですが、そのシステムが面倒だからちょっとというのは、あまりよく分からなかったのですが、ただ、感染原因の中に検査の実際というのが入るのか、それも理解しにくいのですが、レイアウトだけが難しいということではなかったのですねということと、これも実際は、まだ医療機関からファックスで来るような紙ベースになるので、どれだけ大変なのかなということが、ちょっと分からなかったので、書きやすいように、やはり線を入れていただくとか、レイアウトをもう少し考えていただきたいと、卑近な例で申し訳ないのですが、予算がかかるのか分かりませんが、その辺を考えていただきたいと、改めて思いましたので、よろしくお願いします。
○脇田座長 調先生、お願いします。
○調委員 調です。
ポリオのサーベイランスのというのは、WHOの検査の基準からすると、恐らく感染研でしかできないということなので、感染研で行っていただくということになると思うのですけれども、実際に、恐らくAFPで最も頻度が高いのは、やはりEV-D68によるAFPだと思うのです。
多分、2回ぐらい流行があったと思うのですけれども、そしてAFPにおいて検査で陽性になると、恐らく呼吸器検体なのですね。
今、医療機関でFilmArrayですか、それがかなり導入されてきていて、そこで20種類の呼吸器原因ウイルスのパネルがあったと思うのですけれども、それが保険収載されているかどうかというのを確認させていただきたいということ。
そのように医療機関でEV-D68が陽性であるということが分かったときに、その検体が、そこでとどまらずに、やはり地衛研に来て、塩基配列を決定して、特定のクレードがAFPを起こすということも言われているので、そういったところまで探索していく必要があるのかとか、そういったところも詰めなければいけないこともあるのだろうと思うのですけれども、その検体の流れにしても、医療機関にとどまらずに、地衛研でやるということは、非常に重要だとは思っています。
○脇田座長 ありがとうございます。
田中先生、お願いします。
○田中委員 ちょっと細かいことで恐縮なのですけれども、資料3の3の今後の方針のところで、AFP症例の便検体は、全例を感染研に送付してと記載があり、また、参考資料のほうでは、便検体と呼吸器検体は積極的に採取することというような記載もあるのですが、保健所で実際に医療機関から検体を受け取って地方衛生研究所に搬入をすることになると思いますけれども、便検体だけが必須で、あとはできればというレベルでいいのかとか、血液検体はそんなに重要ではないのであれば、優先度は低くてもいいのかとか、その辺りの保健所の負担がなるべく少なくて済むようなことを、マニュアル等細かいところで決めていただければありがたいかなと思います。
○脇田座長 ありがとうございます。
谷口先生、お願いします。
○谷口委員 一応、文章だと、まず、地衛研に検体が行って、そこで恐らくスクリーニング的にやっていただいて、それで検体は、それとともに感染研にお送りいただけるのだろうと思います。
思いますが、AFPサーベイランスというのは、一時的な目的はポリオだと思うのですが、今後も新興・再興の感染症というのは、必ず出てくると思いますし、D68もそのとおりだと思うのです。
ですから、これは、きちんと取る、病原体サーベイランスとしての位置づけをきちんとしていただくことと、あと、地衛研できちんと新興・再興感染症について見るのだということを明確に書いたほうがいいのではないかという気はするのですけれども、ただ、こういうことを言うと、また、地衛研にかなり負荷がかかるということも出てくるかもしれませんので、そこは、国でお考えいただければいいと思いますが、ただ、少なくとも、これは単にポリオだけではなくて、新興・再興感染症に対する病原体サーベイランスという意味も入っているのだということは、どこかに記載していただくといいのかなという気がします。
以上です。
○脇田座長 ありがとうございます。
それでは、今、調先生、田中先生、谷口先生から御意見がありました。白井先生は、さらに追加のコメントでしたけれども、事務局からお返事はありますでしょうか。
○長江結核感染症課課長補佐 結核感染症課でございます。
検体の位置づけにつきまして、御説明させていただきます。
便検体につきましては、全例感染研に送るということで、呼吸器検体につきましては、エンテロウイルスのD68やA71の検出のために、非常に流行もあったということで重要であるため、積極的に採取してほしいという旨を書かせてもらっています。
あと、AFPに関しては、ボツリヌスとか、そういった多彩な感染症が原因になりますので、どういった臨床症状のときに、どれを採取すればいいかというのは、AFPのサーベイランスのマニュアルのほうを研究費のほうで作っておりますので、そこも今回の改定に合わせて更新する予定になっておりますので、詳細は、そこも更新して、医療機関の先生方に配付をしようと思っております。
様式のほうにつきましては、やはり改修が、現時点でできる範囲での工夫という形になるので、線を引いたりとか、できるかと言われると、少し厳しいところが、備考欄に書くことになるので、あると思いますが、できる限り、何かできるかというのは、もう少しシステム側に聞いてみますが、難しいと、今の現状になるかと思います。
説明としては、以上になります。
○脇田座長 ありがとうございます。
今、病原体、サーベイランスとしての位置づけをもう少し明確にしてほしいという御意見もあったので、そこはさらに検討していただくという感じですかね。
そのほか、いかがですか。
調先生、どうぞ。
○調委員 病原体、サーベイランスということが出ましたので、ちょっと追加で述べさせていただきたいのですけれども、EV-D68は、恐らく呼吸器の感染症として流行があって、その一部の方がAFPになられるわけですね。呼吸器のEV-D68の流行があって、恐らく少しタイムラグがあってAFPの方が出てくると思うので、そういう意味では、呼吸器サーベイランスというのは非常に重要だろうと思います。EV-D68について。
かつ、今、5類感染症の中というか、感染症法によるサーベイランスの中に、呼吸器感染症が入っているのはインフルエンザと、RSウイルス感染症だけなので、私としては、個人的な意見ですが、5類の感染症として呼吸器感染症を入れて、様々な感染症に対応できるような形にするのが理想ではないかなと思っていまして、私が以前にさせていただいた研究班においても、そういう提言をさせていただいておりますので、ぜひ御検討をいただければと思います。
○脇田座長 ありがとうございます。
そのほか、御意見、いかがでしょうか。
森田先生、どうぞ。
○森田委員 すみません、ちょっと本件と趣旨が離れるのですけれども、ついでに言ってしまおうと思うのですけれども、サーベイランスに関して、先ほどの谷口先生の御希望というのもよく理解できて、そういう意味で、結果のフィードバックということに関して、やはりぜひデジタル化を急いで進めてほしいなと、デジタル化を進めることで、谷口先生がさっきおっしゃっていた、知見だけではなく、感染研からのフィードバックもより早く元の病院に伝わるというようなところまでいけるのではないかなと思います。これは、ちょっと今の議題の趣旨とは離れるのですけれども、常々思っていることなので、この際、発言させていただきたいと思います。
○脇田座長 ありがとうございます。
今、行政検査の結果が、感染研の中で判こをいっぱい押してお返ししていますから、確かに時間がかかるというところかと思いますが、谷口先生、どうぞ。
○谷口委員 先ほど調先生がおっしゃったとおりで、呼吸器感染症については、グローバルスタンダードはILIサーベイランスなのですね。その症状に基づいてサンプリングをして病原体を見ているわけで、これによって新興感染症も見られるわけですから、そうしたものはどうしても必要だろうと思います。
先ほど森田先生がおっしゃった電子化ですけれども、ちなみにガーナでは、予算がついて、もらったのですけれども、今回のコロナのときに、国レベルのラボラトリーインフォメーションシステムというのができまして、野口研で検査をすると、翌日にはメールで自分に結果が飛んでくるというシステムを国で作っていますので、ガーナでできることですから、恐らく日本でもできるのではないかなと思います。よろしくお願いします。
○脇田座長 どうもありがとうございます。
だんだん話が大きくなってきましたけれども、サーベイランスに関しては、ILIサーベイランス、呼吸器感染症のサーベイランスですね、ARIとかも含めて、谷口先生の研究班もございますから、そういった研究成果を基にして、ILIサーベイランスの導入というか、コロナの導入も含めて、そこを検討してほしいということですね。
あとは、デジタル化に関してですね。今、NESIDの再構築というか、更新という作業をやっているところになるので、そこでなるべくリアルタイムな情報の還元ということも取り込めればいいのですけれども。
事務局から、今の先生方の御指摘に何かコメントはございますか。
ここら辺は、今のAFPサーベイランスだけではなくて、将来のサーベイランスシステムを含めたところですけれども。
○梅田結核感染症課感染症情報管理室長 感染症課の梅田です。
御指摘いただいた呼吸器感染症のサーベイについて、御指摘を踏まえて、今後、そういった疾病の位置づけについては検討させていただくということでありますので、位置づけについてどのように明記していくかということについては検討させていただければと思います。
それから、脇田先生からもございましたように、現在、NESIDと新型コロナについてはHER-SYSのシステムを使ったサーベイランスを行っておりますが、次期システムへ更改もございまして、それに向けて検討を進めているところでございます。
その中で、いただいたような、いかに情報を還元していくかということについても、さらに検討を進めていきたいと思っておりますので、引き続き、先生方にも御意見をいただければと思っております。
以上です。
○脇田座長 ありがとうございました。
そのほか、そろそろ時間ですが、よろしいですか。
越田先生、どうぞ。
○越田委員 先生方がおっしゃっていることそのものなのですけれども、参考資料2の表が分かりづらいと、一体保健所は何をすればいいのかということ。それから、自治体はどうすればいいのかということが少しわかりづらいのと、文言を統一していただきたいということ。やること自体には一切反対ではございませんが、調査、協力だとか、検体依頼とか、行って返ってくるのに少し時間がかかると、これもデジタル化を応用して迅速な対応をしていただければ、非常に意義のある検査ではないかなと思っておりますので、その辺の構築をお願いしたいと思っております。
以上です。
○脇田座長 ありがとうございます。
デジタル化、当然やらなければいけないのですけれども、今すぐにできるところには限界があるので、検査の流れですね、これはマニュアルを更新するということですから、分かりやすくしていただきたいという御要望ですので、事務局、よろしくお願いいたします。
それでは、議題3につきましても以上になりますから、見直しに当たりましては、今日出た意見、それから、関係者の御意見を踏まえつつ、進めていただきたいということにさせていただきたいと思います。ありがとうございました。
そうしましたら、本日の議題は、以上になりますので、事務局にお返しいたします。
○杉原エイズ対策推進室長 どうもありがとうございました。
いただきました委員の皆様の御意見を踏まえまして、今後、検討を進めさせていただければと思います。
議題3につきましても、この後、同じように、当方のほうで、記者ブリーフィングとして議事概要の説明をさせていただく予定でおります。
次回につきましては、事務局より改めて御連絡をさせていただければと思っております。
本日は、お忙しい中、御出席いただきまして、どうもありがとうございました。
○脇田座長 どうもありがとうございました。