2021年7月15日 第48回 社会保障審議会 児童部会 小児慢性特定疾患児への支援の在り方に関する専門委員会 議事録

日時

令和3年7月15日(木)17:00~19:00

場所

TKP新橋カンファレンスセンターホール14G(14階)

議事

議事内容
○江崎難病対策課長補佐 それでは、定刻となりましたので、ただいまから第48回「小児慢性特定疾患児への支援の在り方に関する専門委員会」を開会いたします。
本日は、委員長以外の委員の方にはオンラインにて御参加いただいております。何点かお願いさせていただきますが、御不明な点がありましたら、事前にお伝えしている電話番号におかけいただければと思います。いつでもお問い合わせください。
まず、ビデオカメラはオンにしていただき、マイクはミュートにしてください。発言される際にはマイクをオンにしていただくとともに、名前をおっしゃっていただいた上で御発言ください。発言が終わりましたら、マイクをミュートにしてください。どうぞよろしくお願いいたします。
なお、及川委員、井田委員、安達委員からは御欠席の連絡をいただいております。
また、参考人として、国立成育医療研究センター総合診療部統括部長で日本小児科学会小児慢性疾病委員会の窪田満先生に御出席いただいております。
本日は公開の委員会となります。
なお、宮崎審議官が今、向かっているところですので、後ほどの参加となります。
以降の議事進行につきましては、五十嵐委員長に議事をお願いいたします。
○五十嵐委員長 ありがとうございました。
それでは、早速ですが、議事に入りたいと思います。
お手元にお配りしております資料につきまして、事務局から御説明をお願いいたします。
○江崎難病対策課長補佐 お手元の資料でございますが、議事次第、委員名簿、本体資料といたしまして
資料1-1 第44回及び第46回委員会の議論の整理
資料1-2 小児慢性特定疾病(令和3年度実施分)として検討を行う疾病(疾患群別一覧)
資料1-3 「小児慢性特定疾病(令和3年度実施分)の検討を行う疾病」の一部疾病に関する疾病名及び疾病の状態の程度の修正について
資料2-1 「児童福祉法第六条の二第一項の規定に基づき厚生労働大臣が定める小児慢性特定疾病及び同条第二項の規定に基づき当該小児慢性特定疾病ごとに厚生労働大臣が定める疾病の状態の程度(平成26年厚生労働省告示第475号)」の修正案のポイント
資料2-2 疾病名、疾患群の変更について
資料3 日本小児科学会からのその他の要望について
参考資料1 小児慢性特定疾病の選定に関する検討の進め方について
を御用意しております。
資料の欠落等がございましたら、事務局までお申しつけください。
○五十嵐委員長 御説明ありがとうございました。何か資料の点でございますか。よろしいですか。
それでは、議論に入ります。まず議題1ですが、小児慢性特定疾病(令和3年度実施分)の検討に入りたいと思います。初めに、前回、前々回の委員会の議論を整理していただきましたので、事務局から御説明をお願いしたいと思います。
○狩谷難病対策課長補佐 では、資料1-1を御覧ください。第44回及び第46回委員会の議論の整理をまとめたものでございます。
1つ目の〇でございますが、研究班や関係学会から情報提供のあった29疾病について、小児慢性特定疾病の要件に該当するかどうか個別に検討を行いました。
その結果、29疾病について、本委員会として小児慢性特定疾病の要件を満たすと判断することが妥当と考えられるものとされました。
そのほか主な指摘事項です。今回の小児慢性特定疾病の追加対象となる疾病の中に、複数の染色体または遺伝子に変化を伴う疾病がありました。今後、疾病の原因遺伝子等の同定がさらに進展し、このような疾病が増加すると考えられます。
それにつきまして、指摘事項に対する事務局からの対応案といたしまして、1つ目「主徴候が明らかであり、該当する疾患群があれば当該疾患群に分類する」。
2つ目「徴候が多岐にわたる場合は『第十三表 染色体又は遺伝子に変化を伴う症候群』に分類する。その際には『染色体又は遺伝子異常を伴い特徴的な形態的異常の組み合わせを呈する症候群』として、遺伝子名等がついた疾病をまとめることとする。(個別の具体的な疾病名については、別途健康局長が定めることとする。また、既に指定されている疾病については、本包括病名に含まないこととする)」。この対応案が研究者と調整を行ったものでございます。
資料1-2を御覧ください。小児慢性特定疾病として検討を行う疾病一覧となります。初期の案から変更があったポイントを説明いたします。主な徴候によって、疾患群が「染色体又は遺伝子に変化を伴う症候群」から移動したものがあります。
4番のホルト・オーラム症候群は「慢性心疾患群」に移動しております。
19番のDDX3X関連神経発達異常症から23番の先天性グリコシル化異常症までは、「神経・筋疾患群」に移動しております。
24番のバインブリッジ・ロパース症候群から27番のピット・ホプキンス症候群までは、新しい包括病名である「染色体又は遺伝子異常を伴い特徴的な形態的異常の組み合わせを呈する症候群」が告示病名となります。
資料1-3を御覧ください。小児慢性特定疾病(令和3年度実施分)の検討を行う疾病の一部疾病に関しまして、疾病名及び疾病の状態の程度の修正についてでございます。委員会における委員の指摘等を踏まえました研究者からの修正案でございます。
まず、1つ目でございますが、ギャロウェイ・モワト症候群は疾病の状態の程度が腎臓の条件のみでしたが、神経症状も伴うとの御指摘を受けまして、神経・筋疾患の条件を追加した案をお示ししております。
常染色体優性間質性腎疾患は、疾病名に「尿細管」を加えたものが適切との御指摘を受けました。また、疾病の状態の程度につきましても御指摘を受けましたので、慢性腎疾患群のほかの類似した疾病と整合性をとった案をお示ししております。
ホルト・オーラム症候群につきましては、上肢の運動障害の部分が日常生活に支障ありとなっておりましたが、ほかの疾患との整合性を考えまして、事務局から研究者に確認した修正案となっております。
DDX3X関連神経発達異常症から先天性グリコシル化異常症までの5疾病につきましては、「染色体又は遺伝子に変化を伴う症候群」の基準(ア)で御要望いただいておりましたが、「神経・筋疾患群」に移動となりましたので、研究者と調整し、当該疾患群の整合性をとった疾病の状態の程度をお示しいただいております。
バインブリッジ・ロパース症候群からピット・ホプキンス症候群までの4疾病につきまして、「染色体又は遺伝子に変化を伴う症候群」の基準(ア)で御要望いただいておりましたが、新しい包括病名に入り、今後もこの病名にさまざまな症候を持つ疾病が追加になる可能性も考慮し、「染色体又は遺伝子に変化を伴う症候群」の基準(ア)(イ)(ウ)または(エ)というような、当該疾患群と整合性をとった疾病の状態の程度をお示しいただいております。
最後に、限局性強皮症の疾病の状態の程度につきましては、将来の状態が入っていること等の御指摘を受けまして、四肢及び頭部の条件と神経・筋疾患群の条件とをほかの疾患と並びをとって修正案をお示しいただいております。
以上が、前回、前々回委員会で御審議いただいた内容を踏まえまして、研究者の修正案をまとめております。
五十嵐委員長、よろしくお願いいたします。
○五十嵐委員長 御説明ありがとうございました。
今、御説明にありましたように、前回、前々回の委員会を通しまして、1~29に挙げられている疾患につきまして、新たに小児慢性特定疾病として追加することが妥当という方向で今日に至っておりますけれども、改めまして今まで御説明いただいたことに関して何か御質問・御意見ございますか。
○賀藤委員 成育の賀藤ですが、よろしいでしょうか。
ホルト・オーラムなのですが、次のいずれかに該当する場合ということで「ア 上肢の運動障害があり継続的に治療を要する場合」とあるのですが、ホルト・オーラムの場合は「イ 慢性心疾患」となっても結局、心室中隔欠損、心房中隔欠損やファロー程度で、重いのは大変珍しく、時々軽度の不整脈がある程度で、上肢の病気のほうが重い場合があります。例えば、軽度の不整脈と上肢の橈骨側の欠損とか、いろいろ程度があるのですけれども、その場合、継続的に治療を要する場合というのは、どういうことを想定した治療をお考えか、これは研究班か研究者に提案されたときに何か御意見ありましたか。
○狩谷難病対策課長補佐 事務局でございます。その点、治療に関しましては特に御意見はいただいておりません。
○賀藤委員 とすると、こういう小児慢性特定疾病の事業の在り方と関わりがあるのかどうか分かりませんけれども、もしかしたら心臓よりも上肢の障害のほうが重い患者さんがいる可能性があって、かつQOLは大変障害が重いという患者さんは、義手をつくるとか、手術することもあるかもしれませんが、様子を見ましょうで何もしない。いわゆる継続的にただ経過観察だけということも継続的な治療に入るかどうかが分からないと、これに該当しない患者さんも結構たくさん出る可能性があるのではないかと思います。ですので、今回はしようがないとしても、骨系統疾患やほかの骨の病気との整合性も出てくると思うので、その辺は今後検討が必要かなと思いました。
そういうこともあり、慢性心疾患に分類するというのもちょっとどうかなと。骨のほうも結構とんとんなので、それはフィックスではなくて、今後運用してみて都合が悪ければ心疾患ではないところ、私は驚いたのですが、ペルテス病は小児慢性になっていないんですね。ペルテス病は早期に発見すればよくなるということもありますけれども、遅れてしまったら結構重症度が出てくる可能性があるので、ペルテス病もなっていないとなると今後そっちも増えてくる可能性がありますから、その辺も今後改めて検討しなくてはいけないということを記録していただいて、今回はこのように決めるけれども、今後変更もあり得るということは御検討いただければと思いました。
○五十嵐委員長 ありがとうございます。今回はあえて、例えば骨系統疾患のほうに戻さなくてもいいということでよろしいですね。運用してみて、また見直す機会が必ずあると思いますので、今の御指摘には注目して対応していきたいと思います。ありがとうございます。
ほかはいかがでしょうか。よろしいですか。
まず、24番目から27番目の疾患は新しい包括病名で、1つの告示病名になります。局長通知にこの4疾患は明示されることになります。
それから、一部の疾病については、疾病名と疾病の状態の程度に修正が加わっております。
それから、1~29の疾患につきましては、新規の小児慢性特定疾病として追加するということで今まで話が進んできたわけですけれども、改めまして先生方にお伺いしますが、小児慢性特定疾病として追加することでよろしいでしょうか。皆さんの御意見をいただきたいと思います。反対の方はいらっしゃいませんか。
(首肯する委員あり)
○五十嵐委員長 それでは、これらの1~29の疾患につきましては、小児慢性特定疾病として追加するということで、事務局におかれましては、これから必要な手続を進めていただきたいと思います。どうもありがとうございました。
次の議題として議題2ですけれども、厚労省告示の修正案の検討について討議したいと思います。
初めに、事務局から説明をお願いいたします。
○狩谷難病対策課長補佐 それでは、御説明いたします。資料2-1を御覧ください。厚生労働省告示の修正案につきまして、日本小児科学会より御要望いただきましたので、御審議いただければと思っております。
1つ目は、膠原病群の強皮症ですが、今回、限局性強皮症が新しい小児慢性特定疾病として本委員会で妥当とされましたので、適切な疾病名である「全身性強皮症」への変更ということでございます。
2つ目は、先天性ポルフィリン症です。告示では「先天性代謝異常群」に分類されております。これを「皮膚疾患群」に移動させる修正でございます。
資料2-2を御覧ください。こちらが先ほどの2つの変更を加えた場合に、告示にどのように表示されるかをお示ししたものとなります。疾病の状態の程度につきましては、いずれも変更しないということで御要望いただいております。
議題2に関しまして、資料の説明は以上でございます。よろしくお願いいたします。
○五十嵐委員長 どうもありがとうございました。
ただいまの御説明につきまして、何か御意見・御質問ございますか。よろしいですか。
(首肯する委員あり)
○五十嵐委員長 それでは、そのような方向で皆さん同意していただきましたので、告示の修正につきましては、事務局におかれましては、必要な手続をこれから進めていただきたいと思います。どうもありがとうございました。
次に、議題3ですけれども、事務局から説明をお願いします。
○狩谷難病対策課長補佐 資料3を御覧ください。日本小児科学会から疾病名の明示化の御要望をいただいておりますので、御説明させていただきます。
1つ目は、若年性黄色肉芽腫です。現在、悪性新生物群の告示番号47「(45及び46に掲げるもののほか、組織球症)」といいまして、包括病名に含まれる疾病でございます。これを外に取り出して1つの告示病名とするということでございます。2つ目は、ガラクトースムタロターゼ欠損症、3つ目が、自己免疫性好中球減少症です。これらも現在、包括病名に含まれる疾病として分類されております。
事務局で確認したところ、1つ目と3つ目に関しましては、小児慢性特定疾病情報センターで疾病名が記載されておりまして、診断の手引きも公開されている状態でございます。2つ目のガラクトースムタロターゼ欠損症につきましては、最近発見された疾病とのことで、小児慢性特定疾病情報センターでは病名は掲載されておりませんでした。
以上が、事務局からの御説明でございます。
○五十嵐委員長 ありがとうございます。
ただいまの御説明につきまして、何か質問や御意見ございますか。
○賀藤委員 成育の賀藤ですが、2番は今のところ病名がなかったということで付け加えたいということで理解できるのですけれども、1番と3番は今でも診断されていて病名もあって、改めて明示するメリットは何なのかが利便性だけなのでよく分からないなというのと、例えば、特に免疫などというのは今後いろいろ増えてくるのかなという感じはするので、そのたびにこれを増やしていくということでよろしいでのでしょうか。
○五十嵐委員長 この点につきまして窪田先生どうぞ。
○窪田参考人 日本小児科学会小児慢性特定疾病委員会の担当理事の窪田と申します。今日は参考人で参加させていただいております。今の賀藤先生の御質問に関しまして、お答えさせていただきます。
私のほうでファイルを共有させていただいてもよろしいでしょうか。これは小児慢性特定疾病情報センターのホームページでございます。こういう形で疾患群が分かれてれおります。
例えばですが、先ほどの自己免疫性好中球減少症は「10.免疫疾患」の中に様々な病気があるのですけれども、37の35及び36に掲げるもののほか、要するに先天性好中球減少症と周期性好中球減少症のほか慢性の経過をたどる好中球減少症のところをクリックしますと、ここに「(その他)」が出てきます。ここには、一般的な好中球減少症の概要の説明、病因因の説明が書いてありますけれども、矢印をクリックすると「自己免疫性好中球減少症」と出てきます。うまくできていまして、この「自己免疫性好中球減少症」をクリックすると自己免疫性好中球減少症の説明に切り替わります。要するに、一つの大まかな何々のほかという分類の中に、この疾患だけ明記していただいているので、この情報センターのホームページからいきますと、しっかりと概要や病因因が分かるという形なのです。しかし、こういうのは実際に申請するドクターからすると、かなり二度手間になるのではないかとも考えられます。
そういった意味で、この病気を35、36と同じようなところにしっかりと病名をつけて並べたほうがいいのではないかというのが学会からの要望でございます。今の免疫のほうは日本免疫不全・自己炎症学会です。先ほどの肉芽腫のほうは日本小児血液・がん学会ということになります。ガラクトースムタロターゼ欠損症は、最近、東北大学で発見されましたガラクトース血症IV型と呼ばれているものですが、こちらは日本先天代謝異常学会からの要望、それを小児科学会が取りまとめて、こちらに出させていただいているという形でございます。
若年性黄色肉芽腫も同じような形で、その他のところに入っております。
また、ガラクトースムタロターゼ欠損症は、その他の中にも別枠で記載されているわけではない状況になっております。
今の状況としては以上でございます。
○五十嵐委員長 ホームページ上での記載の現状について説明していただきました。皆さん、御理解いただけたと思います。
ほかに何か。どうぞ。
○福島委員 福島ですけれども、よろしいでしょうか。
患者・家族にとって明示化は分かりやすくて好ましいと思いますので、ぜひ進めていただきたいと思います。病名が具体的に対象となっていることの安心感のような側面もあるのではないかと思います。
以上です。
○五十嵐委員長 ありがとうございます。
ほかはいかがでしょうか。
○小国委員 鎌倉女子大学の小国です。
提案された病名を明示化ということに対する賛否というよりは、一般的にこれをどういう病気というか、どういう状態になったら明示化するのかという基準が必要なのではないでしょうか。今はないと。だから、提案された疾患の説明文を見ると、「比較的対象者が多く」と書かれており、「比較的」という非常に曖昧な言葉になっている状況です。なので、これでは判断の基準が曖昧で、いつも議論になってしまうと思います。包括病名から疾病名の明示化をするに当たっての基準みたいなものをつくるべきなのではないかと思います。
○五十嵐委員長 ありがとうございます。確かに、現在の告示病名数は762疾患になっておりまして、しかも今回29疾患を追加することになりますと、一部包括病名となりますので疾患名としては788に増加してまいります。今、小国先生が御指摘になりましたように、確かに明示化することは非常に重要なわけですけれども、基準があまりはっきりしていないという中で、そのような作業を今しているわけでございます。ということで、どのような疾患を対象にしていくかという整理が、誰が見ても納得できるような公の場で議論するような仕組みが必要ではないかと思っていますけれども、事務局として今後そのような議論の場を設けていただくことは可能でしょうか。
○江崎難病対策課長補佐 議論の論点なども考えまして、今いただいた御指摘はよく受け止めましたので、議論の在り方についてしっかりと検討させていただきたいと思います。
○五十嵐委員長 ありがとうございます。
○窪田参考人 参考人の窪田です。
ちなみにですが、今回、小児科学会でこの3つの疾患を出させていただいた理由としては、そこにも書いてありますけれども、人数がございます。今までは、まだ遺伝子診断等が整備されていなくて分からなかったものが、ある程度分かるようになったというところで、では何人ぐらいなのかということですが、例えば資料3の上から順番にいきますと、若年性黄色肉芽腫は大体150~200人ぐらいいらっしゃるだろうということです。ガラクトースムタロターゼ欠損症に関しましては200人ぐらい。自己免疫性好中球減少症に関しては300~500人くらい。ですから、ある程度の人数というのは、このくらいの人数のことを私たちは一応想定しておりました。ただ、今、委員長からありましたように、何らかの基準が必要だろうということは我々も理解しております。大体人数的には150人以上というところでしょうか。これは小児慢性対象の患者さんということで、成人を入れますと全てのものが1,000人を超える疾患もあると思いますが、これは小慢ですので、19歳以下の人数と考えて今の数字でございます。
参考になりましたらと思います。よろしくお願いいたします。
○五十嵐委員長 補足していただきまして、どうもありがとうございます。そのほか御意見ございますか。
今回、小児科学会から3つ疾患を外出しにしていただきたいとの御要望いただきました。まず、大事だと思うのは、小児慢性特定疾病であると申請する側が理解することだと思います。確かに若年性黄色肉芽腫と自己免疫性好中球減少症は病名としてホームページに記載されております。ただし、ガラクトースムタロターゼ欠損症は残念ながらホームページには明示されておりませんで、「8.先天代謝異常症」の疾患一覧の「74 59から73までに掲げるもののほか、糖質代謝異常症」に相当すると思います。病名が明示されていないという状況にありますので、ガラクトースムタロターゼ欠損症はホームページ上に病名として掲げる対応をとっていただくことが最低限必要ではないかと考えます。事務局これについてはいかがでしょうか。
○江崎難病対策課長補佐 小児慢性特定疾病情報センターとも相談いたしまして、どのようにするかを決めたいと思います。実際の患者さんと御家族と主治医の先生ができるだけ分かりやすいような形でと考えております。
○五十嵐委員長 ありがとうございます。そのような対応をとっていただけるということです。
○窪田参考人 五十嵐委員長、いいでしょうか。
一度、今のお話を画像でまた共有させていただきますけれども、委員の先生方ぜひ見ていただきたいのですが、こちらが小慢情報センターのホームページでございます。「5.糖質代謝異常症」のところに60番と書いてあるのがガラクトース血症I型、61番がII型、62番がIII型になります。この中に入っていませんので、今、委員長がおっしゃったのは「74 59から73までに掲げるもののほか、糖質代謝異常症」になりまして、この中に先ほどの自己免疫性好中球減少症のように、かちっとボタンが押されるものが入るというイメージなのだろうと思っております。
委員長、これで間違いないでしょうか。
○五十嵐委員長 御指摘ありがとうございます。画像があると皆さん、より具体的で分かりやすいのではないかと思います。そのような形に改善していただきたいと思っております。
そのほかいかがでしょうか。
どのような基準で病名を外出ししていくかを含め今後検討するとの条件の下で、今回は今申し上げたような対応をすることで、3つの疾病名を告示病名として明示化することにつきましては、見送るということでよろしいでしょうか。
○窪田参考人 すみません、最後に一言だけ。
今おっしゃったことは非常に重要で、見直しをする基準をしっかりつくっていただきたいということ。それには小児科学会も十分に協力しますので、ぜひ、そういった委員会を立ち上げていただいて見直しをしていただきたい。実際に5年ごとに見直しをすることになっているわけですから、追加するだけではなくてこういった形で既存のものを整理し直すということも5年ごとの見直しに入っていると私は理解しております。ぜひそういった形で、先ほど福島さんがおっしゃったように、患者・家族に利する改革をしていただきたいと思っております。
余計なことを申し上げました。以上です。
○五十嵐委員長 ありがとうございます。確かに時間がたっておりますので、既に記載されている疾病あるいは疾患群についても見直しはいずれ必要ではないかと思います。それも含めた対応をこれから検討したいと思います。
それでは、そのような方向で皆さん御了解いただけますでしょうか。
(首肯する委員あり)
○五十嵐委員長 どうもありがとうございました。では、そのような方向にいきたいと思います。
それでは、全体を通しまして何か御意見・御質問等ございますか。
○尾花委員 埼玉医大の尾花です。
先ほどの明示化のルールにもあったのですけれども、見直しや要望も含めて、今回の新規の疾病を見てみますと、かなり疾患や疾病に偏りがあるような印象がございます。そう思ったときに、小児慢性特定疾病がどのように制定されているかのルールがあまりはっきりしていないのではないかと感じています。最初の方にお話があったように、小児科学会や各研究班からの推薦ということなのですが、実際に現場で私たちは指示や書式を書いているのですけれども、そういったところには新しい見直しがあるとか、どうしたら要望を出せるかというのが届いてこないのが現状なので、そういったことをどうやったら分かりやすくなるか、あるいは先ほどの明示化・要望も含めて、もちろん患者さんもそうですが、どういった形で医療の現場にフィードバックしていただけるのかをもう少しはっきりと提示していただけるようなものが欲しいなと感じております。
先ほど窪田先生は小児科学会としてとおっしゃっていましたけれども、もちろん小児科学会の下にいろいろな分科会があるのだとは思いますが、その分科会の中にも一人一人の医師がいたり、医療者がいたりしますので、その人たちがしっかりと納得できて、あるいは要望が出せるような形をとっていただければと今回は感じました。
以上です。
○五十嵐委員長 少し補足しますが、小児科学会の委員会は昔の四者協に呼びかけて、外科系の小児を診ている学会、あるいは小児の精神科の先生方の学会とか、つまり小児内科だけではなくて小児を診療している全ての診療科の学会の代表の方たちが集まるような形になっています。ですから、その学会を通じて小児科学会の委員会に要望があれば検討するという体制になっていることだけはご承知いただきたいと思います。
○尾花委員 もちろん存じ上げております。私も小児外科学会におりますし、そういうシステムがあることは分かっているのですが、実際かなり学会員も多くおりますので、小児科学会だけではなくて、各分科会もたくさんありますし、その中で学会員一人一人が何か声を上げていったらすごく混乱するということは重々分かっているのですが、逆に言うと、声を上げたいときにどこに持っていけばいいかが分かりにくいことも確かなんですね。ですから、そういったことも含めて、各分科会のほうでしっかりしなければいないのかもしれないのですけれども、もともとが厚労省でされている仕事ですので、私たちがふと思いついたときに分科会の中のどこに話を持っていけば、それが改善されたり、要望できるんだということを分かりやすくしていただきたいなというのが一番です。
○五十嵐委員長 分かりました。小児慢性特定疾病の委員会で検討するときには、分科会から各学会の会員の方たちに周知していただけるようなアナウンスを今後していただきたいと思います。
渡辺先生どうぞ。
○渡辺委員 日本医師会の渡辺でございます。
私はちょうど1年前からこの委員会に参加させていただいていますので、誤解をしている部分があれば申し訳ないのですけれども、この委員会の進め方について意見というか、希望があります。
どういうことかといいますと、今の委員会というのは日本小児科学会の委員会から提言された意見をこの委員会で審査して、小児慢性特定疾病に加えるかどうかの可否を判断するという流れになっていると理解しているのですけれども、非常に専門性が強くなるにしたがって非常にまれな疾患なども入ってきますので、提言された疾患を理解しておられる委員にとってみますと議論になるのですけれども、私はどちらかというと小児科ですけれども循環器系をやっていたものですから、そちらの疾患は分かるのですが、それ以外は十分病気に対しての理解ができていない。それをこういうところで議論する場合を見ていますと、疾病に対してある程度理解されている先生は御発言できるけれども、それ以外は今の資料の出方では発言する根拠がなくなってしまうような気がするんです。ほかの科学技術審議会とかいろいろな審議会に出ているのですけれども、申請書類や医学的な合理性や社会的妥当性を示された資料を見て、これは適合するかどうか。今回でいうと4つの条件もがそろった根拠が、委員会の中で恐らく検討されたとは思うのですけれども、もう少し
そういう資料を示していただいた上で、時間がかかるとは思うのですが、できれば1例ごとに検討していただいたほうが、この委員会が小児科学会から上がってきたものをそのままスルーするという形ではなくて、十分な議論をした上で審議されて決められたという形になるのではないかという気がしました。
できましたら、確かに私たちは全ての専門性があるとは思いませんけれども、せめて申請された根拠となる資料を1例ごとに提示していただいて、それで審議していただいて、議論して決めていただくような形にしていただければありがたいかなと思いまして、これは希望でございます。そうしないと、さっき委員長がおっしゃられたように、七百幾つの疾病を全て知っている小児科医は、私はいないのではないかと思っているんです。でも、今後非常にまれな疾患が上がってくる可能性は高いので、そうすると議論ができる方が委員の一部というのであれば、審査が十分できたとは言いがたいのではないかという気がして、私の個人的な意見を述べさせていただきました。
よろしくお願いいたします。
○五十嵐委員長 どうもありがとうございます。資料をもう少し充実してほしいという御要望です。次回からはそうしたいと思います。ありがとうございました。
ほかはいかがでしょうか。
○坂上委員 読売新聞の坂上ですけれども、よろしいでしょうか。
年齢を問わない「指定難病」との整合性も考慮しつつ、小児慢性特定失費の名称をつけた方が良いと思います。先ほどの3つの中の「自己免疫性好中球減少症」という病気が指定難病に指定されていますが、「慢性好中球減少症」の1つという位置づけになっています。小児慢性特定疾病から指定難病へと切れ目なく、患者さんを支えるためには、患者さんやその家族が戸惑わないよう、指定難病との整合性も考えながら名前や分類などを決めていただきたいと思います。
以上です。
○五十嵐委員長 ありがとうございます。確かに、小児慢性特定疾病と難病との病名が一致していない場合があるのだと思います。それは今後、検討していただきたいと思います。ありがとうございます。
そのほかいかがでしょうか。
○窪田参考人 窪田でございます。
先ほどの渡辺先生からの御指摘、全くそのとおりだと思います。ちょっと分かりにくかったかなと私も思っております。実は、第44回のこの専門委員会で資料1で示させていただいているのですけれども、画面に出します。こちらの資料に、最初に病名の一覧表がありまして、その次に各疾患概要や教科書名、ガイドライン名、4要件に関して満たしているのかどうかという資料を全ての疾患について出させていただいているのですけれども、全てで59ページにわたるPDFファイルが委員の先生方に行っていると思うのですが、これは分かりにくいと思いますので、次回以降分かりやすいものにしていきたいと思っております。よろしくお願いいたします。
また、こちらのファイルは先ほど尾花先生がおっしゃった委員のメンバーでございます。いろいろなところから委員が出ております。本当にありがたい話だと思っております。
以上です。
○五十嵐委員長 どうもありがとうございます。
そのほかいかがですか。
○小幡委員 一言よろしいでしょうか。小幡です。
先ほどから小児科学会からの要望の明示化の話で、私も基準をしっかりつくっていただくことがまず一番なのかなと思うのですが、明示化することによるメリット、あるいは先ほどお話がありましたけれども、逆に困ったことになるとデメリットも少しあるということなので、そのあたりの整理もきちんとしていただいた上で基準をつくっていただければと思います。
法律の世界でも何でもそうなのですが、今はどんどん新たに環境が変化していきますから、医学の世界でなくとも定期的な見直しは不可欠で、常に常に見直ししていくという作業をしなければいけないということになっているので、特にこういう分野は新たな知見やいろいろな考え方が出てくると思いますので、ぜひ、それを定期的に見直していくことをやっていただければと思います。
以上です。
○五十嵐委員長 重要な御指摘どうもありがとうございました。
そのほかよろしいですか。
それでは、今後の予定について事務局から御説明をお願いします。
○江崎難病対策課長補佐 御議論ありがとうございます。5年置きの見直しというお話は法律のことかなと思いますけれども、こういった各疾病の審議やどういったものが対象になるのか、また、議論の進め方については、それを待たずできるだけ早く対応してまいりたいと思います。
本日御了承いただいた新規追加疾病案及び既存の疾病名変更等の修正案につきましては、準備が整い次第パブリックコメント及び関係学会への意見聴取を行わせていただきます。パブリックコメント等の結果につきましては、次回委員会で御報告させていただきます。
次回の日程につきましては、改めて事務局より御案内申し上げます。
最後に、委員会の閉会に際しまして、健康局長の正林より御挨拶を申し上げます。
○正林健康局長 健康局長の正林でございます。最後に一言御礼の挨拶を申し上げたいと思います。
まず、当委員会で大変活発に御議論いただきました。今年度の追加を予定している小児慢性特定疾病の検討について、5月から議論を開始して、本日もそうですが大変精力的に御議論いただきました。今日、29疾病についてお認めいただいたこと感謝申し上げたいと思います。
今、説明がありましたとおり、今後の進め方として、まずパブリックコメントをかけて、その結果について当委員会、児童部会に報告等をさせていただきたいと思っております。その上で周知期間を設けつつ、可能な限り速やかに医療費助成を開始できるようにしっかり準備をしていきたいと考えています。
今後とも医療費助成を初め、小児慢性特定疾病対策を推進してまいりたいと考えておりますので、委員の皆様におかれましては、引き続きお力添えをいただきたいと思っておりますので、よろしくお願い申し上げます。
最後に、改めて委員の皆様に御礼を申し上げまして、御挨拶とさせていただきます。どうもありがとうございました。
○五十嵐委員長 それでは、本日の委員会はこれで終了としたいと思います。
皆様、御協力いただきまして、どうもありがとうございました。