第23回労働政策審議会勤労者生活分科会議事録

雇用環境・均等局勤労者生活課

日時

令和3年8月2日(月)15:00~17:00

場所

オンライン会議会場及び傍聴会場 厚生労働省省議室
(千代田区霞が関1-2-2中央合同庁舎5号館9階)

議事

議事内容
○鈴木課長 それでは、ただいまから第23回「労働政策審議会勤労者生活分科会」を開催いたします。
勤労者生活課長の鈴木と申します。どうぞよろしくお願いいたします。
 本日は、委員の皆様の改選後初めての分科会ですので、分科会長が選出されるまでの間、私が議事進行役を務めさせていただきます。
 まず、議事に入ります前に、事務局を代表いたしまして、雇用環境・均等局長の坂口より御挨拶申し上げます。
○坂口局長 皆さん、こんにちは。担当の局長をしております坂口でございます。どうぞよろしくお願いいたします。
 第23回の労働政策審議会勤労者生活分科会の開会に当たりまして、一言御挨拶させていただきます。
 本日は、委員改選後の初の分科会となります。委員の皆様におかれましては、委員の御就任をお引き受けいただきまして、誠にありがとうございます。
 また、本日は、御多用中のところ、また、コロナ禍ということでオンライン開催ということでございますが、お集まりをいただきまして、誠にありがとうございます。重ねて御礼を申し上げます。
 当分科会は、勤労者財産形成促進制度、いわゆる財形制度について従来より御審議をいただいておりますけれども、本日は、前回の分科会で御報告させていただきました、去年の臨時国会で議員立法として成立しまして、去年の12月に公布されました労働者協同組合法、この施行期日を定める政令案について諮問をさせていただきます。
 また、今年の通常国会で成立しました、これも議員立法でございますが、中小事業主が行う事業に従事する者等の労働災害等に係る共済事業に関する法律について、御報告をさせていただくことを予定してございます。
 本日を含めまして、今後とも委員の皆様の忌憚のない御意見をいただければと思います。よろしくお願い申し上げまして、冒頭の御挨拶にかえさせていただきます。どうぞよろしくお願いいたします。
○鈴木課長
 本日はZoomによるオンライン会議ということでございまして、簡単に操作方法について御説明いたします。
 事前にお送りしております会議の開催・参加方法についても、併せて御参照ください。画面を御覧ください。現在、皆様の画面には我々と委員の皆様の映像が映っていると思います。その下か上にありますマイクのアイコンに赤い斜線が入り、マイクがオフになっていることを御確認ください。
 分科会の進行中は、皆様のマイクをオフにしていただくようお願いいたします。御発言される場合には、「手を挙げる」ボタンを押していただき、分科会長から指名があった後にマイクをオンにしていただき、お名前を名乗っていただいた上で御発言ください。今、皆様のお手元にオフになっているマイクのアイコンから赤い斜線がなくなればオンになったということでございます。御発言が終わりましたら、オフに戻してください。
 なお、会議進行中に音声が途切れる等の通信トラブルが生じた場合は、事前にお知らせしております電話番号までお電話いただくか、Zoomのチャット機能を利用いただき、事務局まで御連絡ください。
 では、本日はよろしくお願いいたします。
 それでは、今回は委員改選後の初の分科会になりますので、委員の方々の全員を御紹介いたします。
 資料1として勤労者生活分科会の委員名簿をお付けしておりますので、こちらの名前順に御紹介いたします。
 まず、公益代表委員として、
  立正大学経済学部教授、戎野淑子委員。
  専修大学商学部教授、鹿住倫世委員。
  大阪大学大学院国際公共政策研究科教授、小原美紀委員。
  敬愛大学経済学部教授、高木朋代委員。
  一般社団法人全国銀行協会常務理事、辻松雄委員。
  元・一般財団法人住宅金融普及協会会長、八野行正委員。
  銀座新明和法律事務所弁護士、山本眞弓委員。
 また、本日御欠席ですが、みずほ信託銀行株式会社フィデューシャリーマネジメント部主席年金研究員、小野正昭委員でございます。
 次に、労働者代表委員として、
  日本ゴム産業労働組合連合中央執行委員長、石塚宏幸委員。
  全国生命保険労働組合連合会中央書記長、小山貴史委員。
  日本基幹産業労働組合連合会中央執行委員、杉原明日美委員。
  日本労働組合総連合会総合政策推進局総合局長、冨田珠代委員。
  労働者福祉中央協議会事務局長、南部美智代委員。
 また、本日は御欠席ではございますが、一般社団法人全国労働金庫協会常務理事、佐藤憲仁委員でございます。本日は代理の方にお越しいただいておりますので、後ほど分科会長より代理出席についてお認めいただき、御紹介いただければと思います。
 次に、使用者代表委員として、
  一般社団法人日本経済団体連合会労働法制本部上席主幹、坂下多身委員。
  全国中小企業団体中央会事務局次長・労働政策部長、佐久間一浩委員。
  税理士法人丸の内ビジネスコンサルティング代表社員、須永明美委員。
  株式会社NTTドコモBC部ヘルスケアビジネス推進室室長、出井京子委員。
  日本電気株式会社人事総務・コミュニケーション機能上席主幹、中島一朗委員。
  株式会社ベネッセコーポレーション顧問、成島由美委員でございます。
 また、本日は全委員の3分の2以上、または公労使委員の各3分の1以上の出席を賜り、労働政策審議会令第9条の規定による開催に必要な定足数を満たしておりますことを御報告いたします。
 頭撮りはここまでとさせていただきますので、カメラをお持ちの方は撮影を終了してください。
 続きまして、事務局の紹介を行います。冒頭に挨拶いたしました雇用環境・均等局長の坂口でございます。
 大臣官房審議官の富田でございます。
 勤労者生活課勤労者福祉事業室長の曽我でございます。
 勤労者生活課課長補佐の堀でございます。
 以上でございます。よろしくお願いいたします。
 続きまして、本日は分科会委員改選後初めての分科会となりますので、分科会長を選任する必要がございます。分科会長につきましては、労働政策審議会令第6条第4項の規定により、分科会に属する公益を代表する本審の委員から、当該分科会に所属する本審の委員が選挙することとされております。
 当分科会におきまして、公益を代表する本審の委員でいらっしゃるのは、山本委員お一人でございますので、山本委員に分科会長をお願いしたいと思います。御異論はございませんでしょうか。
(首肯する委員あり)
○鈴木課長 異議なしということで、それでは、以降の議事進行につきましては山本分科会長にお願いしたいと思います。よろしくお願いします。
○山本分科会長 ただいま、勤労者生活分科会長に御指名いただきました山本でございます。よろしくお願いいたします。
 では、手続的なことですが、分科会長代理の指名です。労働政策審議会令第6条第6項により、分科会長代理は分科会長が指名することとなっておりますので、私から指名させていただきます。
 本日は御欠席ではございますが、小野委員にお願いしたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
 また、本日、御欠席の佐藤委員の代理の方の御出席を認め、全国労働金庫協会常務執行役員兼法務部長の菅谷宏行様にお越しいただいておりますので、御紹介いたします。
 続いて、当分科会のもとに設置されている中小企業退職金共済部会の委員の指名を行いたいと思います。
 中小企業退職金共済部会の委員については、労働政策審議会令第7条第2項の規定により、分科会長が指名することとなっています。資料2にその案を用意しておりますので、御覧ください。
 この案のとおり、中小企業退職金共済部会の委員の指名を行いたいと思います。よろしくお願いいたします。
 それでは、続いて議題に入ります。議題1ですが、「労働者協同組合法の施行期日を定める政令案要綱について」に入ります。
 この件は、7月28日に厚生労働大臣から労働政策審議会宛てに諮問がなされておりますので、まず、事務局からその説明をお願いし、その後、委員の皆様から御意見等をいただければと思います。
 それでは、事務局、説明をお願いいたします。
○鈴木課長 それでは、議題1について、御説明させていただきます。議題1の労働者協同組合法の施行期日を定める政令案要綱(諮問)につきまして、資料3並びに参考資料2、参考資料3及び参考資料4を御覧いただきたいと思います。
 参考資料2でございます。まず、1月の勤労者生活分科会でも御報告させていただいておりますが、労働者協同組合法の概要について御説明させていただきます。
 労働者協同組合とは、組合員が出資し、それぞれの意見を反映して組合の事業が行われ、組合員自らが事業に従事することを基本原理とする組織であるとされています。そして、労働者協同組合を通じて多様な就労機会の創出や地域における多様な需要に応じた事業が実施されることを促進し、持続可能で活力ある地域社会の実現に資することが法律の目的とされています。
 参考資料3を御覧ください。労働者協同組合法の施行期日につきましては、同法附則第1条におきまして、公布の日から起算して2年を超えない範囲内において政令で定める日とされております。公布の日は令和2年12月11日となっておりますので、令和4年12月10日までに施行する必要がございます。
 次に資料3を御覧ください。こちらが今回諮問させていただく厚生労働大臣からの諮問文となります。先ほど御説明しましたとおり、労働者協同組合法の施行期日につきましては政令で定める必要がございますが、この施行期日を定める政令案の要綱を諮問させていただいております。
 具体的には、これの別紙になりますが、労働者協同組合法の施行日につきましては、令和4年10月1日としたいと考えております。
 施行日を令和4年10月1日と考える理由でございますが、まず、労働者協同組合法につきましては、労働者協同組合の所管行政庁でもございます都道府県に対しまして法の施行内容を説明の上、準備いただくことが必要であること。それから、政令・省令・指針等の整備に時間を要すること、それから、労働者協同組合の設立等に当たって登記を行うこととしており、そのための登記システムの改修が必要となることなどを勘案すると、十分な準備期間をとった施行期日を定める必要がございます。
 一方、公布の日から2年ぎりぎりの日、例えば令和4年12月10日施行となりますと、労働者協同組合の所管行政庁である都道府県が行政事務を執行するのに令和4年末から開始することとなり、中途半端な時期となるという観点も勘案する必要があるかと考えております。
 これらを総合的に勘案しまして、労働者協同組合法の施行期日を令和4年10月1日としたいと考えております。政令案の要綱につきまして諮問させていただき、御審議のほどよろしくお願いいたします。
 なお、併せまして、労働者協同組合法の施行に向けた今後のスケジュール案についてもお伝えしたいと思います。参考資料4を御覧ください。
 勤労者生活分科会におきまして、労働者協同組合法の政令・省令・指針に関する審議を本年秋以降、令和3年度中に2~3回程度、御審議をお願いしたいと考えておるところでございます。
 これらの主な論点としましては、政令につきましては労働者協同組合法における会社法の読み替えや組織変更の際の登記といった技術的事項が中心となります。
 省令につきましては、決算関係書類、総会の招集手続といった具体的な手続などが主な事項となります。
 指針につきましては、今後の組合等の適切な運営に資するための考え方をお示しするものとなります。
 これらにつきましても、委員の皆様の御意見を伺いながら今後の分科会について御審議をお願いできればと思いますので、よろしくお願いいたします。
 まずは、施行期日の諮問に関しまして御審議のほどよろしくお願いいたします。
○山本分科会長 今、事務局から議題1について説明がありました。この点について、御質問や御意見がありましたら、「手を挙げる」というボタンがあると思いますので、それを押していただければこちらで指名させていただきます。指名いたしましたら、マイクをオンにしていただき、お名前を名乗って御発言をお願いいたします。
 南部委員、御発言をお願いいたします。
○南部委員 ありがとうございます。労働委員代表の南部です。
 今示していただいた内容についてでございますが、今後のスケジュールとしては今年の秋から令和3年度中に2~3回の審議予定とお伺いしました。令和4年10月1日の施行に向けては、当事者や関係する団体からのヒアリングや意見交換など、制度の実効性を高めるための努力をぜひしていただきたいというのが1つ要望でございます。
 また、2~3回の審議予定とのことですが、必要に応じてその回数も増えていくということを併せてご確認していただいた上で、令和4年10月1日施行について了承したいと考えております。
 私からは以上でございます。
○山本分科会長 ありがとうございました。事務局から、回答をお願いいたします。
○鈴木課長 御発言ありがとうございました。勤労者生活課長の鈴木でございます。
 当事者団体のヒアリング、それから回数等につきましては、皆様とよく御相談しながら審議会の審議をお願いしてまいりたいと考えてございますので、どうぞよろしくお願いいたします。
○山本分科会長 南部委員、よろしいでしょうか。
○南部委員 ありがとうございます。ぜひ丁寧な審議をお願いいたします。以上でございます。
○山本分科会長 ありがとうございます。
 それでは、次、佐久間委員、お願いいたします。
○佐久間委員 全国中小企業団体中央会の佐久間と申します。今回から参加させていただきます。よろしくお願いします。
 今、南部委員のほうからも御発言、御意見があったと思いますけれども、私も同様の趣旨でございます。今回新しく労働者協同組合法が成立されました。協同組合法とすれば、農業協同組合法、水産業協同組合法、消費生活協同組合法、そして中小企業等協同組合法、また新しくこの労働者協同組合法という法律ができました。協同組合になるといろいろな団体、今までのそれぞれに制度の歴史があったりして複雑なところもあります。特にこの労働者協同組合法ですと、事業についておおむね省令のほうに委ねられているということで、どういうところまでを範囲とするのか、大体全ての事業ができると思うのですけれども、ある程度法律では形を整えて、それから省令に委ねられていると、厚生労働省で今回の法律を所管される勤労者生活課様が事務局となると思うのですけれども、こちらが非常に重要な役割があり、多分、さまざまな大変な業務が出てくると思います。
 その中で、この政省令、そして指針までを本勤労者生活分科会において、1~2回から3回で終わらせるというのは、非常に少ないのではないかなと思います。指針の分量もどのぐらいになるか分かりませんけれども、事業、また組織自体の運営とか、そういうのも全部決めていくとなると、かなり時間を要するのではないか。政省令について2回審議を行い、そして指針は1回で終わるというのは非常に短いのではないかなと思います。各委員に対して事前の御説明を賜りながら進めていくのでしょうけれども、この辺はしっかりした、一つ一つ議論を尽くしていきたいなと思っております。
 あと、事例についても本当におっしゃるとおりだと思います。労働者協同組合法に関わる団体も長年の活動の歴史があると思います。そして、同じような組織で企業組合というのがあります。労働者協同組合法もそういう範疇になりたかったところとか、また従前から企業組合という組織もありますので、企業組合として残るところ、労働者協同組合に組織を変更しようとするところ、その辺のヒアリングというのも十分行っていただきたいなと考えております。
 以上でございます。
○山本分科会長 御意見いただいてありがとうございます。事務局から何か御発言ありますでしょうか。
○鈴木課長 御意見ありがとうございます。政令・省令・指針を定めるに当たっては、皆様とよく御相談しながら審議を進めてまいりたいと思いますので、御協力いただければと思います。よろしくお願いいたします。
○山本分科会長 ほかに何か御意見、御質問等ございませんでしょうか。
高木委員、お願いいたします。
○高木委員 私も、施行までの期日を十分にあけて議論を尽くすということが必要だと思っています。今回新たに加えられた参考資料4に、今後の主な論点が示されていたと思います。そのひとつに、政省令に関する論点として、「企業組合及び特定非営利活動法人から労働者協同組合への組織変更に際する登記等に関する事項」ということが挙げられています。単純に思いますのは、これまで運営されてきた企業組合であるとか特定非営利活動法人というのは、これまで行われてきた企業の事業計画であるとか定款、そういったものがきちんとあって、そして実際に運営実績というものが収支報告とともに表に出てきたということがあると思うのですね。
 ですから、これまでの実績がある中で、それが組織変更するということで、その辺りはそれほど心配ないというか、事業内容についての心配というものがそれほど大きなものではないのかもしれないと思っています。むしろ、例えばこれまでであれば企業組合とか特定非営利活動法人という形で申請するということがふさわしかったものが、設立がより簡便にできるということで、今回の労働者協同組合で申請して設立に至る、こういった組織に関してはより注意が必要かと思っています。この法律によると、これまでのように、認可したり認証したりということがなくなるということで、設立の手続きが緩やかなわけですね。
 そうしますと、何を懸念するかというと、例えば表向きは経済性を極大化するということを目的とせず、その地域の人々のニーズであるとか、あるいは困り事、こういったものに迅速に対応する、そういったことができる組織として設立するのだと言っていたとしても、その実態がある程度不透明になりやすいという問題があるのかもしれないと思うのです。
 例えば今回の参考資料2で説明してくださっているのですけれども、出資配当を認めないということで非営利性というものが語られているのですけれども、余剰金に関する従事分量配当というのがあるわけです。これは一般企業でいうところの、提供された労働に対する対価としての報酬というものとほぼほぼ等しいということになるかと思います。そうしますと、当然、この法の下で設立された組織というものも、経済組織と考えることができると思うのです。
 例えば施行に至るまでの間の議論が、性善説というものを前提にして議論できれば一番いいのですけれども、世の中には様々な文化や価値観を持った人々であるとか、いろいろな企図を持って自身の生計を立てていこうと画策している人たちが当然いるということも我々はきちんと前提として考えなければいけないと思うのです。そうしますと、例えばこの法律が施行されて、どのように利用されていくのかということをきちんと幾つものシミュレーションをしていって対策する必要があると思うわけです。
 この法律が目指すものとは異なる形の事象が生じる前に、できればそれを食いとめるということによって、実は世の中をよくしていくために施行されるこの法律というものがきちんと良策として機能していくだろうと考えています。特にご説明でもありましたように、この組織が設立される分野として期待されているのが、介護や福祉、子育てであるとか地域づくりということですので、普通に考えると、これからさらに大きくその市場が広がっていくことが予想される分野なのですね。
 そうすると、様々な人たちがここにプレーヤーとして参加してくるということが考えられるので、そのときに、世の中をよくしていくための法律として定められたこの法律と設立された組織というものが、きちんと当初の予定どおりの目的を持って、それが全うできる形にしていかなくてはいけないと思いますので、その辺りをきちんと議論していく必要があるのではないかと考えています。
 すみません。ちょっと長くなりました。以上です。
○山本分科会長 様々な問題点の御指摘、ありがとうございます。多分、指針等を検討するときにはある程度時間をかけたほうがいいだろうという御意見だと思いますが、事務局から、何かありましたら御発言をお願いします。
○鈴木課長 労働者協同組合法の目的が実現されるように、政令・省令・指針をしっかり定める議論をするようにということでございますので、そういったことを踏まえながら、政令・省令・指針等を定めるようにして、御審議をお願いしたいと思っております。よろしくお願いいたします。
○山本分科会長 ほかに何かございますでしょうか。
お手が挙がっていないようですので、次に進めさせていただいてよろしいですか。
それでは、分科会としては今回の別紙でついている要綱案を妥当と認めて、労働政策審議会長宛て報告したいと思いますけれども、よろしいでしょうか。
(首肯する委員あり)
○山本分科会長 ありがとうございます。それでは、議題1につきましては、今のとおり、異議がないということで労働政策審議会長宛て報告することにしたいと思います。
 なお、労働政策審議会令第6条第7項で、「分科会の議決をもって審議会の議決とすることができる」という規定がありますので、併せてこれを厚生労働大臣宛てに答申されるということになるそうでございます。
では、議題1につきましては以上でございます。ありがとうございました。
 それでは、議題2「中小事業主が行う事業に従事する者等の労働災害等に係る共済事業に関する法律の公布について」に入ります。事務局から御説明をお願いいたします。
○鈴木課長 それでは、議題2の「中小事業主が行う事業に従事する者等の労働災害等に係る共済事業に関する法律の公布について(報告)」につきまして、資料4を御覧ください。
 中小事業主が行う事業に従事する者等の労働災害等に係る共済事業に関する法律につきましては、先の第204回通常国会で議員立法として6月11日に成立し、6月18日に公布されました。本法の施行期日は、公布の日から2年以内の政令で定める日とされており、今後施行に向けて政省令等について御審議をお願いしたいと考えております。本日は法案の概要について御説明いたします。
 一番上の「法律の目的」を御覧ください。本法律の目的は、中小事業主が行う事業に従事する者等の安全・健康の確保及び福利厚生等の充実を図るため、中小事業主が行う事業に従事する者等の労働災害等の防止を図るとともに共済制度を確立し、もって中小事業主が行う事業に従事する者等の福祉の増進に資することとされてございます。
 次に2つ目の「立法の必要性」を御覧ください。①にありますように、労働災害の発生率は、従業員規模が小さい事業場で高い傾向があるほか、中小事業主は、必ずしも全てが労災保険に加入することができるわけではないため、労災相当災害等による損害を補填する共済制度の役割は重要となります。
 本法により、労働災害等に対する多様な共済制度の設計が可能となり、国の労災保険に加えて、様々なニーズに対応した保障が提供されることにより、中小事業主が行う事業に従事する者等の福祉の増進に資することになるものであると考えてございます。
 また、中央の図を御覧ください。現在、こうした共済は認可特定保険業として保険業法の附則に基づき、当分の間の暫定措置として共済事業を行うことが可能となっております。そこで、今般、この共済事業を恒久化し、中小事業主が行う事業に従事する者などが安心して加入できる共済制度を整備するため、本法律が議員立法により法制化されたところでございます。
 続きまして、一番下の「新法による共済事業のイメージ」を御覧ください。行政庁が本法律に基づき共済団体としての認可を行うことになります。認可審査基準につきましては本法律に規定されておりますが、詳細につきましては、今後政省令において共済契約者などの保護を図りつつ公平な基準となるよう、その内容を定めることとなります。
 なお、認可を行う行政庁は、厚生労働省となります。
 本法律に基づく共済団体が行う共済事業の種類でございますが、①の労働災害等に係る共済事業のほか、②の労働災害等以外の災害に係る共済事業の2つとなるところでございます。
 以上が法律の概要でございます。今後施行に向けまして政省令の案等につきまして御審議をお願いしたいと考えておりますので、その節はどうぞよろしくお願いいたします。
○山本分科会長 事務局から、今、議題2について説明がありましたが、この件について御質問や御意見がありましたら、先ほどと同様に「手を挙げる」というボタンを押していただければと思います。指名いたしますので、その場合はマイクをオンにして、お名前を名乗ってから御発言をお願いいたします。
 高木委員、お願いいたします。
○高木委員 今回の議題によりますと、今日は報告ということですので、特に意見ということではなくて、少しだけ感想を述べさせていただければと思います。この分科会でも何度も触れていますように、やはり中小企業に従事している勤務者の方の生活こそ、あらゆる観点から不安定になりやすいわけですね。その中で、今回こういった法律というものが考えられているということは非常に喜ばしいことだと思っていまして、歓迎しているところです。
 以上です。ありがとうございます。
○山本分科会長 ありがとうございます。特に事務局から、つけ加えることありますか。
○鈴木課長 特にございません。
○山本分科会長 ほかにどなたか御意見ございますでしょうか。
 佐久間委員、お願いいたします。
○佐久間委員 すみません。ありがとうございます。
 私も、この制度については非常によい制度ではないかなと思います。そこの中で、今回、下のほうに認可審査基準とあって、「一般社団・財団法人」であって、となっております。一般社団と一般財団法人とあるわけですけれども、これは民間企業ではやらないのか。今回、この一般社団・財団法人での組織体が幾つかできたとして、こういう制度ですから、どちらかというと公的な色彩が強いので、国で一本化してどうしてやらなかったのかというのを1つ質問させていただきたいと思います。
 それから、一般社団・財団法人に限っていますので、民間から、民業圧迫ではないかという反発というか、そういうお話がなかったのかどうかですね。それが2点目ですけれども、そちらのほうもお伺いしたいと思います。
 以上です。
○山本分科会長 御質問ありがとうございます。事務局から回答をお願いいたします。
○鈴木課長 まず、これは議員立法でございますが、一般社団、財団法人と限られているのは、これは現在の認可特定保険業者が一般社団、一般財団となっているということの関連かと思います。その他の関係については詳細には承知しておりませんが、今後、皆様とお話しする中でいろいろそういった現状などを踏まえながら、民業圧迫の観点、そういった法律、政令、省令を作成する中で見ていきたいと思いますし、適切な認可基準等を定められるようにしてまいりたいと考えております。
 以上でございます。
○山本分科会長 よろしいでしょうか。
○佐久間委員 分かりました。ありがとうございます。
○山本分科会長 鹿住委員、お願いいたします。
○鹿住委員 ありがとうございます。私もコメントなのですが、これから詳細は詰めていかれると思うのですけれども、労働災害のほかにその他の災害もということになりますと、例えば自然災害で事業場が被害を被ったとか、そういったものへの共済金の支払いということも含まれるのであると、今いろいろな自然災害等が頻発しておりますので、共済制度自体、掛金で運用されていくわけですから、例えば掛金の料率がすごく高くなってしまったり、あるいは共済自体、支払いがかさんで運営が難しくなる、破綻してしまうということも想定はできるかと思うのですけれども、例えばそのような状態に陥ったときに何らかの法的な救済措置をとるとか、そういった制度も盛り込まれて制度設計されるということなのでしょうか。
○山本分科会長 御質問ありがとうございます。事務局から回答をお願いします。
○鈴木課長 労働災害等以外の災害の範囲のことかと思いますが、法律上は、負傷、疾病、傷害、死亡ということに限定されていますので、委員がおっしゃったようなところまでは想定されていないのかなと。基本的には負傷、疾病、傷害、死亡といったものが丸のところの共済事業の範囲だと認識しております。
○山本分科会長 よろしいでしょうか。
○鹿住委員 はい、分かりました。自然災害はないにしても、今、共済制度とかいろいろ保険の制度って運用利率が非常に低いので、結構運営が大変なのですね。相当加入者数を恐らく増やさないといけないと思いますし、いろんな被害を被って支払いが増えると途端に大変になってしまうということもありますし、そういった適正な運用については監督官庁のほうで指導なりチェックをするという理解でよろしいのでしょうか。
○山本分科会長 事務局から回答をお願いします。
○鈴木課長 共済制度については、ここにありますけれども、認可した後に、財政上などを見ながら監督するという法律になっておりますので、監督・指導していくことになるかと思います。
○山本分科会長 よろしいでしょうか。
○鹿住委員 ちょっと後半よく聞こえなかったのですが。音声が途切れてしまって。
○山本分科会長 もう一度発言していただきます。
○鈴木課長 行政庁のほうで、認可後健全な財政運営がされているかどうかも含めて監督・指導することになるかと思います。
○鹿住委員 分かりました。ありがとうございます。
○山本分科会長 ほかに御質問、御意見等ありますでしょうか。
 八野委員、お願いいたします。
○八野委員 八野でございます。
 この分科会としまして、今回、労働者協同組合法、また新たに中小事業者の共済事業に関する法律、こういう非常に重要な法律の審議といいますか、それの政省令のいろいろ審議検討を言わせていただくという、非常に重要な時だと思います。議員立法ということもあるのでしょうけれども、非常にタイトなスケジュールでこの大きな2つの法案が通っておりますので、事務局、非常に大変でございましょうけれども、片や協同組合法につきましては来年の10月、それから、こちらの共済事業法律につきましては遅くともその次の年の6月まで、非常に厳しいといいますか、ハードなスケジュールだと思います。
 今までのようないろんな制度の御説明とか改善案の議論とは違って、かなり政省令、また指針に対する先生方の意見を言うという場になりますので、ここはお願いですけれども、会議の頻度を増やすということも当然でございますが、できるだけ早い段階にその情報を出していただきたい。情報管理はしっかりいたしますけれども、ワーキング的なことができればそういうやり方もあるのかも分かりませんが、何らかの形で、委員会といいますか、部会またはその部会の前段階の説明、ワーキング会を充実していただきたい。これは御要望でございますが、よろしくお願いしたいと思います。
 以上です。
○山本分科会長 ありがとうございます。今、事務局から回答するそうですので、お願いします。
○鈴木課長 大きな議員立法2つ御審議いただきますので、審議を進める上で皆様と御相談しながら工夫してまいりたいと思いますので、どうかよろしくお願いいたします。
○山本分科会長 多分重い案件が2件かかって、皆様にはいろいろ御負担もおかけするかもしれませんけれども、またきちっと議論したいと思いますので、今後とも御協力はぜひお願いいたします。
 ほかに何かございますでしょうか。
 よろしいでしょうか。
 それでは、この件はまた具体的になっていく段階でいろいろ皆様に御意見をいただくことになりますので、今日のところはここまでとさせていただきます。
 これで本日の議題につきましては以上でございます。
 このほか、何か全体を通して御意見等ございましたら、また「手を挙げる」ボタンを押していただければと思いますが、いかがでしょうか。
 よろしいでしょうか。
 それでは、本日の分科会はこれで終了とさせていただきます。今後ともよろしくお願いいたします。今日はありがとうございました。