第13回社会保障審議会年金部会(議事録)

日時

令和6年3月13日(水)14:00~16:00

場所

東京都千代田区平河町2-4-2
全国都市会館 3階 第2会議室

出席者

会場出席委員
オンライン出席委員

議題

  1. (1)これまでの年金部会における議論の振り返り②
  2. (2)脱退一時金等について
  3. (3)子ども・子育て支援法等の一部を改正する法律案における国民年金法の改正について(報告)
  4. (4)その他

議事

議事内容

○総務課長 ただいまから、第13回「社会保障審議会年金部会」を開催いたします。
 皆様、お忙しいところ、お集まりいただき、ありがとうございます。
 初めに、委員の出欠状況を報告します。たかまつ委員、武田委員、深尾委員、堀委員から、御欠席の連絡をいただいております。権丈委員、駒村委員、嵩委員、原委員、平田委員は、オンラインで参加されています。出席委員が3分の1を超えていますので、会議は成立しております。
 続いて、資料の確認をいたします。本日の部会は、ペーパーレスで実施しております。傍聴者の方は、厚生労働省のホームページから資料を御覧ください。本日の資料は、資料1「これまでの年金部会も踏まえてご議論いただきたい論点」、資料2「脱退一時金等について」、資料3「子ども・子育て支援法等の一部を改正する法律案における国民年金法の改正について」、資料4「こども・若者への年金広報・教育と意見交換について」、参考資料1「これまでの年金部会における主なご意見」、参考資料2-1「「生活設計と年金に関する世論調査」の概要」、参考資料2-2「生活設計と年金に関する世論調査(主な調査結果)」となっております。
 事務局からは、以上でございます。
 以降の進行は、菊池部会長にお願いいたします。
○菊池部会長 皆様、本日も、大変お忙しい中、お集まりいただきまして、ありがとうございます。
 カメラは、入っていないですね。それでは、進めさせていただきます。おられましたか。失礼しました。
(カメラ退室)
○菊池部会長 それでは、議事に入らせていただきます。
 本日は、「これまでの年金部会における議論の振り返り」の2回目、「脱退一時金等について」、「子ども・子育て支援法等の一部を改正する法律案における国民年金法の改正について」は報告事項で、それから「その他」、以上の4つを議題といたします。
 まず、議題1「これまでの年金部会における議論の振り返り」の2回目と議題2「脱退一次金等について」、事務局から、御説明をお願いいたします。
○年金課長 年金課長です。
 私からは、議事1の「これまでの年金部会における議論の振り返り②」についてご説明申し上げます。今回この議事を立てさせていただいた趣旨ですが、次期改正に向けた検討事項については、昨年末までに、1巡目の議論という形でそれぞれのテーマの現状や課題について議論いただきました。他方で、時間的な制約もあり、十分に議論いただけていないテーマもあります。また事務局としても、夏以降、財政検証後に始まる2巡目の議論の前に、もう少し先生方の議論を深めていただきたい点もございます。そこで今回は、1巡目の議論を踏まえ、さらに先生方の御関心のテーマについて議論をお願いしたいということで「これまでの年金部会における議論の振り返り②」とさせていただきました。
 したがって、テーマは特に絞るということではなく、参考資料1として、これまでいただいた主な御意見を整理してお配りしています。内容的には、前回の部会に提出したものと同じです。
 このほかに、ある程度論点を絞ったほうが議論しやすいだろうということで、事務局として御意見いただきたい論点として資料1を用意しましたので、こちらを御覧ください。
 資料1の目次では、論点として、遺族年金の見直しの関連と、基礎年金拠出期間を45年に延長した場合の2つを用意しています。
 まず、3ページから御覧ください。遺族厚生年金の見直しに関する論点についてです。当部会では、昨年7月に遺族年金に関して議論いただきました。その際、特に若い頃に死別して遺族厚生年金を受給されるケースを念頭に置いて、柱書にあるように、今の制度にある男女差の解消がテーマになり、多くの御意見をいただきました。見直しの方向性としては、総論として制度における男女差を解消すべきという方向の御意見が多数だったと、事務局としては受け止めております。これを踏まえて、具体的にどういう内容の見直しを考えるのかということが議論いただきたい論点です。
以下に5点ありますが、まずは、遺族厚生年金における受給権発生に係る年齢要件の男女差の解消についてです。5ページに現行の仕組みがありますが、現行制度の男女差の一つとして、子がいない夫に対する遺族厚生年金の受給権が発生するのは年齢が55歳以降という要件になっています。この点について、先生方からは、この男性の年齢制限の撤廃を検討すべき、あるいは、妻のほうを将来的に夫にそろえるべきという御意見、段階的に解消すべきという御意見をいただいていますが、この点についてどう考えるかというのが1つ目です。
次に、この男女差の解消に関連して、現役期のお子様がいない妻・夫に対する遺族厚生年金の趣旨を見直して、男女ともに配偶者の死亡直後の激変に対する生活保障給付として見直してはどうか、その関連から有期給付にしてはどうかという意見をいただいています。あるいは、子供に対する給付という形の整理がいいという意見もいただいており、これらについてどう考えるか。さらに、有期化をした場合であっても、現役期に死別した方の高齢期の保障については検討が必要であるという意見があり、その対応として、現行の離婚時分割を参考にして、亡くなった方の記録を死亡時に分割する仕組みはどうかという意見をいただいています。この点をどう考えるのか、というのが2つ目です。
続いて4ページも有期化に関連する論点で、仮に現役期の遺族年金の趣旨を変えるということであれば、現行では遺族年金を受給する際に収入要件を求めていますが、これを撤廃すべきではないか、生活の激変を想定した年金ということで見直したらいいのではないかという意見をいただいており、この点をどう考えるのかということです。
また、ここまでは現役期に死別したケースにおける遺族年金の話をしていますが、年金制度で実際に大多数を占めるのは、高齢の御夫婦で死別された方であり、これを長期要件の遺族厚生年金と言っています。こちらの制度については、前回の7月の議論では、現行の制度のままでいい、あるいは、何らかの見直しをするにしても時間軸をもって段階的にという御意見がございました。この点をどう考えるのかということでございます。
最後に、ここまでは遺族厚生年金の話が中心ですが、その他の制度でも男女差が2つあります。1つは、遺族厚生年金の中の中高齢寡婦加算で、「寡婦」という字にあるとおり、女性のみに出る加算です。加えて、国民年金の寡婦年金もあります。この2つについても、男女差の解消という観点から見直す場合にはどういう形が考えられるか、という点について御意見をお願いしたく、今回論点に入れさせていただきました。
5ページは、今回の論点に関連して、現行制度における子のない配偶者に対する遺族厚生年金の支給イメージです。妻については、30歳までに遺族になった場合には、5年間の有期給付となっています。30歳以降は無期給付という形になり、さらに40歳からは中高齢寡婦加算がついています。一方で、夫については、今申し上げた有期年金あるいは中高齢寡婦加算はなく、妻の死亡時に55歳以降の場合にのみ、60歳から遺族厚生年金が出る仕組みです。以上が遺族厚生年金についての論点です。
 続いて、基礎年金の拠出期間に関する論点です。
 まず7ページは、この議論をした昨年10月の年金部会に提出したものです。拠出期間を45年に延長する場合のイメージで、現行では20歳から59歳の40年間にわたって基礎年金の保険料を拠出いただいているものを、45年への延長後は、20歳から64歳に延びることになり、その分基礎年金の満額も上がることになります。
 そもそもこの45年化の仕組みを導入する・しないという議論がありますが、仮にこれを導入する場合には、関連して、やや細かいのですが様々な論点があります。それが8ページで今回お出しさせていただいたものです。
大きく60代前半と後半に分かれますが、まず60代前半の期間は、新たに保険料を拠出いただく強制加入期間になることから、この場合に、繰上げを受給する方との関係をどう考えるのかというのが1つ目です。繰上げ制度では、60歳から基礎年金を受給することができますが、その方々は、45年への延長後は、繰上げの年金を受給しつつ新たに保険料を納めていただく仕組みになる点についてです。
現行制度では、基礎年金の繰上げ受給者が保険料を納付することはありませんが、他方で、老齢厚生年金では、現在でも繰上げ受給をしながら強制加入期間として保険料を納付することがあります。したがって、この仕組みを仮に導入した場合は、国民年金にとっては初めてになるものです。
次の論点は、延長した場合に、第1号被保険者は新たに64歳まで保険料をお願いすることになりますが、第3号被保険者の上限の年齢について60歳以降をどうするのかという点です。
続いて60代後半の論点になりますが、この場合、45年への延長後は、65歳時点で保険料拠出期間が終了しており、基礎年金を受給されていることになります。その際の1つ目の論点は、こうした受給を開始されている方について、国民年金の任意加入を認める制度をつくるかどうかという点です。
仮にそういう制度がない場合には、65歳で保険料の拠出は終了するので、若い頃に何らかの事情で保険料を納められなかったような未納や未加入の方は、65歳以降に拠出期間を45年まで増やす道がなくなることになります。現行では、60歳時点でそれまでの拠出期間が40年に達していない方は任意加入することができることから、そうしたものにならって任意加入できる制度をつくることをどう考えるのかになります。一方で、任意加入できることとした場合には、年金を受給しながら自分で任意で制度に加入し、保険料を払うことで年金を積み増すことになりますので、ある意味、保険事故が発生した後に制度に加入して給付を増やすことにもなります。この点については、社会保険の原則とも整合性を考えなくてはいけないというのが論点になります。
最後に、この任意加入制度との関連で、強制加入になっている60代後半の厚生年金の被保険者について、国民年金の被保険者としての扱いをどう考えるかという点です。現行制度では、厚生年金には70歳まで加入いただきますが、国民年金の第2号被保険者としては65歳までとなっています。現行は65歳以降については既に基礎年金の受給権を有する年齢に達しているということから厚生年金の被保険者であっても第2号被保険者としていません。仮に最初の論点で、60代後半の方の国民年金への任意加入を認める場合には、バランス上、厚生年金の被保険者についても第2号被保険者として国民年金に加入する仕組みが考えられます。この点は、最初の論点との是非にも関わることから、論点とさせていただいています。
 9ページは、現行の国民年金と厚生年金それぞれについて、強制加入あるいは任意加入期間の整理をしたものです。拠出期間を延長すると、強制加入期間が65歳まで延びるので、それに伴って、任意加入期間や繰上げとの関係をどうするのかというのが、今回の論点になります。
以上が、遺族年金と基礎年金の拠出期間延長の関係の論点です。やや細かいですが、制度を導入する際には、こういった細部まで行き届いたものにすることが必要であり、また、これまでの社会保険の考え方との整理が必要な点もあります。仮にこういう制度を導入した場合ではありますが、2巡目の議論を見据え、先生方の意見を頂戴して、それを踏まえた案の検討を進めたいと考えており、本日、議論をいただきますよう、よろしくお願いいたします。
 これ以下は、参考資料で、論点で取り上げた遺族厚生年金や中高齢寡婦加算等々の基礎資料になりますので、必要に応じてご参照ください。
 資料1については、以上です。
○総務課長 続きまして、資料2「脱退一時金等について」、説明いたします。
 まず、2ページは、制度の概要となっております。国民年金と厚生年金はおよそ同じような制度になっておりますけれども、日本国籍を有しない外国人の方で、公的年金の保険料納付済期間あるいは被保険者期間が6か月以上あること、また、受給資格期間の10年を満たしていないこと、障害年金等の受給権を有したことがないといった要件を満たす方が、日本国内に住所を有しなくなり、公的年金の被保険者資格もなくなった場合に、それから2年以内に請求をいただくと、支給されるものでございます。支給額は、保険料の納付済期間等に応じまして、厚生年金の場合には本人負担分に相当することになりますけれども、納めた保険料の半額が支給されることになります。ただ、上限がございまして、現行では5年分までが支給されることになっております。2ページの一番下にございますように、脱退一時金の支給を受けた場合には、支給額の計算の基礎となった被保険者期間は被保険者ではなかったものとして扱われ、合算対象期間にもならないので、将来の年金の受給にはつながらなくなるということでございます。
 次の3ページは、制度の改正経緯になります。脱退一時金が創設されましたのは、平成6年の改正でございます。外国人の場合には、滞在期間が短く、保険料納付が老齢給付に結びつきにくいという事情を踏まえて、創設されたものになります。制度創設当初は、支給上限年数は3年とされておりました。令和2年、前回の制度改正の際に、支給上限年数が5年に引き上げられております。このときは、特定技能制度の創設に伴いまして、期間更新に限度のある在留資格における在留期間の上限が5年になったこと、また、制度創設当初と比べまして滞在期間が3年から5年の間という方が増加していることを踏まえて、このような改正が行われております。
 4ページは、脱退一時金の裁定件数になります。制度創設以降、おおむね増加傾向にございます。直近、令和3年度ですと、9万6000件超という裁定件数になっております。
 このように裁定件数が増えている理由の一つといたしまして考えられることが、次の5ページにございますように、在留外国人自体が増加しているという背景がございます。令和5年6月末で、320万人程度の在留外国人がいらっしゃいます。
 次の6ページになりますけれども、この脱退一時金につきまして、昨年秋の国会で指摘を受けております。上段の下線部になりますけれども、日本人は年金制度から脱退することができないけれども、外国人が帰国する場合には年金から脱退して一時金を受給することができる、かつ、永住資格があるような方でも、脱退一時金を受給することができて、その後に再入国することもできるということでございます。したがいまして、脱退一時金をもらってしまったがために、将来の年金が無年金あるいは低年金になってしまって、生活保護の受給に至るといったこともあり得るのではないかという問題提起がされているところでございます。これについて、厚生労働大臣より、次の年金制度改正に向けて検討するというお答えをしております。
 この永住者の状況ですけれども、次の7ページを御覧ください。在留資格別に見た在留外国人の数となっております。脱退一時金が創設された平成7年頃には、永住者の数は10万人を切っておりましたけれども、その後、年々増加いたしまして、令和5年におきましては、88万人程度まで増えているところでございます。
 次の8ページは、各在留資格の説明となっております。
 9ページで、永住者と脱退一時金の関係について、御説明しております。まず、最初の段落ですけれども、脱退一時金は在留資格に関係なく支給されますので、永住者の方も脱退一時金を請求することができます。また、日本から出国する際の出国形態についても特に限定はございませんので、日本に戻ってくるかわからない単純出国の場合に限らず、再入国が予定されるような場合であっても脱退一時金の受給は可能となっております。一方、2つ目の段落で、永住許可を受けた方につきましては、許可を受ける前に海外に在住していた期間のうち、20歳以上60歳未満の期間については合算対象期間に数えるという仕組みになっております。例えば、30歳で日本に入国されて、その後、永住資格を取得した方であれば、20歳から30歳までの海外にいた期間が合算対象期間として数えられるということでございます。したがいまして、永住者につきましては、受給資格期間の10年をかなり満たしやすくなっているということでございまして、逆に言えば、脱退一時金の受給要件を満たす方は他の資格の方に比べれば少ないのではないかと考えられるところでございます。
 10ページから、関連する動きといたしまして、技能実習制度の見直しについての資料となっております。10ページ、11ページは、昨年11月に有識者会議で出された報告書となっております。10ページの中段、赤枠で囲ってあるところになりますけれども、技能実習制度を人材確保と人材育成を目的とした新たな制度とするといった見直しをすることなどが提言されております。
 次の12ページが、その有識者会議の提言を受けまして、今年の2月に政府として決定した文書になります。まず、左上の赤枠のところ、先ほどと重複いたしますけれども、技能実習制度を実態に即して発展的に解消し、人手不足分野における人材確保と人材育成を目的とした育成就労制度を新たに創設すること、一方、3つ目の丸ですけれども、特定技能制度については、適正化を図った上で存続することとされております。また、その下の赤枠、3番のところになりますけれども、この育成就労につきましては、基本的に3年間の就労を通じて特定技能1号の技能水準の人材を育成していくということで、この育成就労から特定技能につなげていくことが想定されているところでございます。この制度の見直しにつきましては、まだ政府内で検討中のものでございますので、詳細が固まっていないところもございます。また、この制度見直しが行われた場合に在留外国人の動向にどのような影響を及ぼすかというところも、実際に制度が実施された状況を見ないと分からないところもあると考えております。ただ、令和6年2月にまとめられた政府の文書の中では、この育成就労制度を通じて永住につながるような特定技能制度による外国人の受入れが増加することが予想されるといった見通しが示されておりまして、在留外国人の増加あるいは滞在期間の長期化につながる可能性がある動きではないかと考えているところでございます。
 資料の説明は以上になりますけれども、この脱退一時金につきまして今回の議題といたしましたのは、直接的には6ページで御紹介をいたしました国会での指摘についてどのように考えるかという点を御議論いただきたいと思っておりますけれども、それ以外でも御意見がございましたら頂戴できればと思っております。
 私からの説明は、以上でございます。
○菊池部会長 ありがとうございました。
 それでは、御説明いただきました議題1及び2につきまして、御質問、御意見などがございましたら、お願いいたします。会場の方は挙手で、オンラインの方は挙手機能を使って、お示しください。まず、会場から。
 是枝委員、お願いします。
○是枝委員 それぞれの論点について、意見を申し上げさせていただきます。
 まず、現役期の子のない妻に対する遺族厚生年金の有期化に関する論点は、島村委員が提唱されている死亡時分割の考え方を取るほうがよいのではないかと私は考えております。つまり、遺族厚生年金を有期化した際の老後保障の部分については、現役期の部分、有期年金の部分とは切り分けて、死亡時分割のような形で年金の受給権につなげるという形です。もう一つの考え方として、有期給付が終わった時点で一旦支給停止とした上で、65歳になった際に支給停止を解除するという考え方もあり得るところなのですけれども、この方法ですと、本人が配偶者が亡くなった後に働いて老齢厚生年金の本人の受給権を積み上げたとしても、結果として、300月みなしなども含めて遺族年金の受給権を上回ることがなければ年金受給額の増加に結びつかないという面で、就労を阻害しやすい面を持つと考えております。これに対して、死亡時分割であれば、配偶者死亡後の自らの老齢厚生年金の受給権の積み上げは単純に自分の就労実績に基づいて積み上げていくことができる形になりますので、支給停止の方式よりは死亡時分割で実現するほうが望ましいのではないかと私は考えております。
 続いて、基礎年金の保険料拠出期間延長に関する論点について、まず、60代前半の論点について、申し上げます。この中で、第3号被保険者となれる期間について、私は現行の60歳までを維持することも選択肢ではないかと考えております。第3号被保険者制度については、被用者の配偶者という条件つきではありますが、様々な理由で就業できない者を包括的に救済し再分配の対象とする制度でございます。ただ、60歳以降の期間については、被用者の配偶者を一律に再分配を受ける対象とすることについて、60歳未満と比べて不合理が拡大する懸念が強く、第3号被保険者となれる期間を単純に65歳まで広げることについては、慎重に考えるべきと思います。第3号被保険者のうち、働きたいけれども十分に働けない最大の理由については子育てになっていますが、子供が6歳を超える頃には半数程度、12歳を超える頃には9割程度の人が、子育てが就業の制約ではなくなってくるところでございます。本人の年齢が上がることにより、本人の体調や親の介護などによって働けない者も増えてくる一方で、60歳を超えてくると、老後の資金の見通しがある程度立ったから選択的にリタイアするという者も増えてくるところでございます。例えば、現役期に高所得だった男性がリタイアした上で、まだ定年を迎えていない年下の妻の扶養に入るといったケースも生じてきます。60歳から65歳の期間に被用者の配偶者が働いていないもしくは収入が一定以下であるという状況が、本当に再分配を受けるべき対象として適切であるかどうかということは、実態を踏まえて慎重に判断する必要があるのではないかと考えております。60歳を超える世帯が世帯として低所得であり、国民年金保険料の納付が困難なのであれば、全額免除や一部免除で救済するという方法もあるのではないかと思います。続いて、60代後半についての論点です。任意加入の制度について、5年後ろにずらし、65歳から70歳を任意加入可能な期間とすることとしてはどうかと考えております。学生時代や無職の期間など、長い人生の中で国民年金保険料の納付が困難な時期があることは一定程度想定され、65歳以降の期間にそれを回復して45年年金に近づける手段を残しておく必要があるのではないかと考えております。
 最後に、脱退一時金についてです。脱退一時金の受給要件について、永住者を除くというものもあり得るところですが、現行制度において、空期間を含め10年という規定で十分にカバーされているように考えられますので、必ずしも改正の必要はないのではないかと考えます。目指すべき姿としては、日本への外国人の受入れが多くなってきますので、特に受入れが多い国に対しては社会保障協定の締結を急いで、なるべく日本での在住期間と母国での在住期間を合わせて年金の受給権につなげることを目指すべきだと思います。年金部会の射程からは外れるのかもしれませんが、本筋として、社会保障協定を締結して期間の通算を目指すべきではないかと思います。
 以上です。
○菊池部会長 ありがとうございました。
 小林委員、お手を挙げていらっしゃいましたね。どうぞ。
○小林委員 まず、議題1について、2点、コメントさせていただきます。
 1点目は、遺族年金についてです。女性の就業率が上昇し、共働きが一般化した今の時代に合った、男女差のない制度に変えていくべきだと思っております。また、深刻な人手不足が続いておりますので、働く意欲をそぐような仕組みについては、必要な見直しを行っていただきたいと思っております。なお、遺族年金給付で生計を立てている方などには、相応の配慮が必要と考えております。
 2点目は、基礎年金の保険料拠出期間の延長についてです。資料1の8ページに、第3号被保険者との関連が論点として提示されております。拠出期間を延長すると、9ページの図の強制加入部分が65歳にスライドすることになります。これに伴い、第3号被保険者も64歳まで延びるとすれば、社会保険料納付を免除される対象者が増えることとなり、違和感があります。これらの問題の根底にあるのは、夫が働き、妻が家庭を支えるという旧来の価値観に基づいた制度設計にあり、改革に当たっては、時代の変化に合わなくなってきた制度の根本にメスを入れる必要があると考えております。その点、第3号被保険者制度自体の在り方の議論も重要であることを、改めて申し述べておきたいと思います。
 次に、議題2の脱退一時金についてです。
 日本での永住をやめて母国に帰国されるということであれば理解できますが、永住権を保持した人なら、日本に戻ることを前提に国外に出るということでしょうから、そのときに脱退一時金を受け取ることができる仕組みには違和感があります。仮に何らかの事情で日本に戻れなくなったときのことを考慮しての制度ということであるのなら、申請、給付の手続等に関する技術的な問題はあると思いますが、脱退一時金相当額の受領の権利を確保するという形の制度にすることも一つの方法ではないかと思います。こうした権利留保の形にすれば、一時金の受け取りによって加入期間がリセットされてしまうという問題も多少は解消できるのではないかと思います。
 以上です。
○菊池部会長 ありがとうございます。
 同じ並びの列で、出口委員、お願いします。
○出口委員 私からは、基礎年金の拠出期間延長について、2点申し上げたいと思います。
 1つ目は、議論の前提についてです。これまで申し上げてきましたとおり、基礎年金の拠出期間延長については賛成でございますが、60歳までと同様に国庫負担は2分の1で対応することが延長の前提でございます。それには、年金制度の議論だけでなく、税と社会保障の一体改革を改めて行う必要があると考えております。
 2点目でございますが、関連する論点として、資料1にございました国民年金の第3号被保険者のところでございます。例外等を設けて制度をあまりにも複雑化させることは好ましくないですが、第3号被保険者につきましては、全体として縮小する方向性で議論が進んでおりますし、中長期的にどうするか、考え方をまとめることがまずは重要だと思っております。そういうさなかで、第3号被保険者を単純に65歳まで延長するということになれば、対象を広げるという逆のメッセージと受け止められかねないと考えております。あくまでも、今後、第3号被保険者制度を見直して縮小していくことを前提に、この問題の議論を進めていく必要があると思っております。
 私からは、以上でございます。
○菊池部会長 ありがとうございます。
 いかがでしょうか。
 佐保委員。
○佐保委員 ありがとうございます。
 私からは、遺族厚生年金等の見直しについて、意見を申し上げます。
 昨年7月の年金部会でも申し上げたとおり、遺族厚生年金の男女差については、社会の変化に対応した中立的な制度とは言い難いと考えます。また、主たる生計維持者である厚生年金の被保険者等が死亡した場合にその遺族に対し従前の生活を保障することとの目的を踏まえれば、生計維持者を男性に限定する合理性はなく、遺族厚生年金の男女差を解消していく方向性には賛同いたします。その上で、解消の方法については、まずは、男性のみに設けられた年齢要件の撤廃に向けて、段階的に女性への支給の在り方に近づけていくことを優先して検討すべきと考えます。
 一方で、有期化も含めた遺族厚生年金そのものの在り方については、遺族基礎年金も含め、現在の家族類型、働き方、生活スタイルなどに照らし、幅広い視点での検討が必要と考えます。その際、単に女性の就業率だけを見るのではなく、遺族年金を受給している人の生活実態を踏まえるとともに、子を養育していなかったとしても、介護や病気などで働きたくても働くことができない遺族に対し、公的年金制度としてどの程度の期間にどのような所得保障が必要なのかという観点で議論を進めるべきと考えます。なお、850万円の生計維持要件については、以前の発言と重複いたしますが、物価上昇や賃金上昇なども踏まえ、水準の妥当性について議論すべきであり、その上で、一律的に区切るのではなく、一定水準以上の収入から段階的に年金額を調整する仕組みとすることを検討すべきと考えます。
 私からは、以上です。
○菊池部会長 ありがとうございます。
 島村委員、お願いします。
○島村委員 ありがとうございます。
 私からは、遺族年金と45年化と脱退一時金について、述べさせていただければと思います。
 遺族年金については、趣旨を配偶者の死亡直後の激変緩和に対する生活保障のための給付と位置づけた上で、男性にのみ存在する年齢要件についてはなくすこと、有期とすること、さらに、収入要件についても撤廃することが必要ではないかと考えております。その上で、女性の高齢期の低年金については、先ほど是枝委員からも御発言がありましたが、離婚時年金分割を参考に、年金記録で分割するなどして、水準を高めていくことがよいのではないかと思っております。今ほどは「女性」と申しましたが、性中立的な形で制度はつくる必要があるかと思っております。
 次に、45年化について、60歳からの繰上げが維持されるとすると、一方で繰上げの年金を受けながら、他方で年金の保険料を払うということになり、保険原理からはやや違和感があることと思います。ただ、今でも厚生年金の被保険者として保険料を払いつつ給付を受けるという事象は起きている中で、厚生年金では許されるけれども国民年金では許されないということにはならないのかなと思いまして、認めてよいのではないかと思っております。この点にも関連することが、65歳以降の国民年金への任意加入の問題かと思います。違和感については今も生じているものですし、強制加入ではない任意加入だったとしても、認めてよいのではないかと考えております。マクロ経済スライドなどで給付の実質的な価値が下がることが予想される中で、満額にまで増やせる環境を整備しておく必要は高いのではないかと思っております。
 次に、脱退一時金について、再入国が予定されている場合について清算することはやはりおかしいと思いまして、そういう場合は脱退一時金を請求できなくすることがよいのではないか、つまり、永住者の場合には再入国つきかどうかをひもづけることが可能であればできるとありがたいと思うところです。私も、できるだけ社会保障協定を締結する国を増やして、しかも通算できるような内容での協定をできるだけ進めていくことで、老後のための年金の給付にしていくという方向に誘導的な制度にしていただきたいと思っております。
 長くなりました。すみません。以上です。
○菊池部会長 ありがとうございます。
 永井委員、どうぞ。
○永井委員 ありがとうございます。
 私からは、基礎年金の拠出期間延長に関する点と脱退一時金について、意見と質問をさせていただきます。
 まず、保険料拠出期間の延長のほうですが、これにより第3号被保険者も65歳未満とすることについて、60歳で第3号被保険者から第1号被保険者となり自ら保険料を支払うことは、確かに生活への影響が大きく、その世代の就労状況を踏まえると、重い負担になる可能性はあると思っております。しかし、現行制度においても、第2号被保険者が65歳になれば、被扶養配偶者である第3号被保険者は、収入の有無にかかわらず、第1号被保険者となって保険料を自ら負担していること、この間の適用拡大などにより、第3号被保険者の縮小を共通認識としてきたこと、さらに、中立的な社会保険制度を目指すことなどを踏まえると、第3号被保険者を65歳までとすることは、この間の議論の流れにも逆行すると思いますし、国民の納得を得にくいのではないかと考えております。したがいまして、制度の複雑化の懸念はあるものの、第3号被保険者の年齢については60歳未満を維持することを検討すべきと考えております。なお、その検討の際には、当事者の生活実態を踏まえ、第3号被保険者から第1号被保険者に変わった人への保険料減免措置などについても、併せて検討が必要と考えております。
 続きまして、脱退一時金について、在留外国人の増加とともに脱退一時金裁定件数も増加しているとのデータが提示されておりますが、脱退一時金、老齢年金、ともに、請求する権利があるにもかかわらず、制度を知らない、あるいは、知っていても手続を行っていない人も多いのではないかと考えております。帰国後に請求することはハードルが高いと考えられることから、日本在留中にしっかりと処理することが重要だと考えております。その上で、脱退一時金や老齢年金を受給する権利を持つ人数とそのうちどれくらいの人が請求しているのかということを、把握しているのであれば、教えていただければと思っております。
 以上です。
○菊池部会長 ありがとうございます。
 百瀬委員、お願いします。
○百瀬委員 私からは、資料1の5ページの図を基に、遺族厚生年金の男女差に対する意見と今後検討していただきたい点を述べます。
 まず、次の改正では、子のいない配偶者に対する遺族厚生年金の男女差は解消すべきと思います。男女差解消の根拠については、過去に述べておりますので、ここでは省略します。問題となるのは、解消方法です。その方法として、子のいない妻を現在の夫にそろえて、55歳未満の場合は支給対象外とすることが考えられます。ただし、この見直しをした場合、配偶者を亡くした遺族は、生活を立て直すための一時的な支援さえ受けることができなくなります。一方で、子のいない夫を現在の妻にそろえて、基本的に無期給付の対象にすることも考えられます。しかし、女性の就労環境が厳しかった時代につくられた仕組みに男性を合わせることになりますので、時代に逆行することになります。そう考えますと、現実的な解は、現在の男女差の中間地点で解消することだと思います。例えば、妻について、有期給付の対象期間を55歳まで延ばす、夫については、現在空白となっている55歳までの期間を有期給付で埋めるという形で、この5ページの図の男女をそろえていくことが考えられます。このような有期の遺族年金の導入は、諸外国でも既に行われてきた改革になります。このような見直しをした場合、子のいない夫が妻の死亡に伴う遺族年金を受け取れないという男性側の不利益が解消されます。同時に、女性の拠出した保険料が遺族年金に結びつきにくいという女性側の不利益も解消されます。また、このような見直しをした場合、遺族厚生年金の有期給付は遺族の生活変化に対する一時的支援の役割を強く持つことになります。こうした役割から考えれば、有期給付については、生計維持要件の廃止を検討すべきと思います。
 以上が、意見になります。
 これに併せて検討していただきたい点が、3点、あります。
 1つは、子がいる配偶者に対する遺族厚生年金の支給対象者についてです。子がいる配偶者の場合、現行制度では、遺族が妻であれば、妻に遺族厚生年金が支給されます。一方で、遺族が55歳未満の夫であれば、夫ではなく、子に遺族厚生年金が支給されます。確かに、事実上、世帯レベルで見れば、現行制度でも男女差はなくなっているわけです。ただし、子がいない配偶者に対する遺族厚生年金を見直すのであれば、このような場合も子ではなく夫に遺族厚生年金が支給されるようにする必要があります。
なお、子がいる配偶者については、これまでどおり、子が一定年齢に達するまでは所得保障を行うべきだと考えます。ただし、被保険者等の死亡時に子がいる場合でも、子が18歳年度末に到達すれば、年金法上は子がいない配偶者になります。もし、子がいない配偶者に対する遺族厚生年金の見直しをするのであれば、子がいる配偶者について、その子が18歳年度末に到達した後の遺族厚生年金をどうするのかという点も、検討する必要があります。
 2つ目が、遺族厚生年金の有期化と遺族配偶者の老後の所得保障の関係についてです。現役期に死別した場合であっても、配偶者が死亡したときの年齢によっては、老後の報酬比例部分を十分に確保できない可能性があります。それゆえ、既に過去の部会でも指摘されているように、有期化する場合には、現役期に死別した配偶者について、老後の所得保障の対応を別途検討する必要があります。幾つかの方法が考えられますが、基本的には、老後の所得保障は老齢年金で担う方向が望ましいと思います。資料1の3ページに記載されていますように、また、本日、是枝委員、島村委員からも御発言がありましたように、離婚時年金分割を参考にした仕組みを御検討いただきたいと思います。
 3つ目が、有期と無期の境目についてです。仮に、配偶者死亡時の遺族の年齢が、55歳以上で無期給付、55歳未満で有期給付とした場合、54歳と55歳でかなり大きな差が生じます。しかし、先ほど述べたように、有期給付の対象となった遺族に対しても、老後の所得保障への対応を別途御検討いただければ、この差は実質的にはある程度解消できるはずです。一方で、現行制度と同じように、無期給付は60歳まで支給停止とした場合、見直し後の制度では、配偶者死亡時に54歳の場合は直ちに有期給付が開始されるのに対して、55歳の場合は5年間の支給停止となります。これはあくまでも一例ですが、どのような見直しをするにしても、このような境目での不均衡がなるべく生じないような仕組みを御検討いただきたく思います。また、長期的には、歴史的な経緯で設定された55歳という年齢が妥当なのかどうかも検討する必要があるかもしれません。
 最後に、2点、お願いです。
 仮に遺族厚生年金を有期化する方向で見直すとしても、現時点で中高年齢の女性については、これまでどおりの無期給付の対象にするなど、十分な経過措置を設けていただきたいと思います。これが1点目です。
 また、労働市場における男女間格差は確かに縮小していますが、労働力率やフルタイムの賃金格差では測れない男女差も存在しています。例えば、女性の非正規労働者比率の高さやその賃金の低さが挙げられます。遺族厚生年金の男女差を解消するのであれば、正規・非正規の賃金格差の縮小に向けて、労働政策にもより一層力を入れていただきたいと思います。これが2点目です。
 以上になります。
○菊池部会長 ありがとうございます。
 先ほど、永井委員から、質問がございました。すみませんでした。ここで、お答えいただきます。
○総務課長 脱退一時金の請求の状況について、請求があって裁定された件数については、資料2の4ページにあるとおりでございます。一方、請求の権利があった人がどれくらいいるかということについては、データを持ち合わせてはおりません。請求の権利があってしなかった方の中にも、御指摘のように、制度を知らなかったというケースもあるかもしれませんけれども、一方で、将来に年金を受給するつもりがあるから権利があっても請求しなかったという方もいる可能性はございますので、その辺の実情もよく分からないのが正直なところです。
○菊池部会長 よろしいでしょうか。
 ありがとうございます。
 小野委員、お願いします。
○小野委員 挙手が遅れてしまいまして、失礼しました。
 遺族年金は、老齢年金と比べますと必ずしも保険料と給付の牽連性が強くないこと、多様な場合に配慮しつつ整合性を持った設計が求められること、あるいは、社会や働き方の態様の変化を踏まえた時間軸を考慮すべきことなどが前提になると考えています。これらを広く考えて具体的な制度設計をすることについては、私自身、あまり能力がないので、断片的なことしか申し上げられませんけれども、特に引退期の年金を考える場合に、死別についても、離別と同様に、死亡した配偶者の標準報酬の記録分割の考え方を取り入れてもよいのではないかと思います。共働き世帯も含めて保険料は夫婦共同で拠出しているということを考えるとすれば、記録分割後の年金は生存配偶者の年金になるということですので、自身の保険料が給付に反映しないといった批判にも、ある程度、応えられるのではないかと思います。その上で、遺族給付の牽連性に配慮しますと、逆のケースもあることになると思います。ある意味、自動的に記録分割をするのではなくて、本人の選択があり得るのではないかと思っております。第1点目は、そういうことです。
 基礎年金の拠出期間延長について、申し上げます。私は、両方の論点につきまして、単純に5年の延長をすればよろしいのではないかと思います。基礎年金の繰上げ受給者に関しましては、厚生年金保険でいう在職定時改定で手当をするようなことも一つのやり方かと思います。60歳前半の第2の論点ですけれども、単純に国年2号と国年3号の上限年齢も5歳引き上げることになると思います。夫婦で共同して拠出した保険料なので、被扶養配偶者のみの算定基礎とならないのは、基本的な制度設計思想にそぐわないのではないかと思います。ただし、こういった形で第3号に留め置くことを奨励するわけではなくて、厚生年金のほうは第3号にとどまるとその間の年金は増えませんということになりますので、こういったことについて、いろいろな広報で周知したいということになります。後半についても、同じことになります。繰下げ支給をしないなら、拠出しながら給付を受けるということになりますので、在職定時改定みたいなことはありますけれども、御指摘いただいたように、免除制度がありますので、その点についての配慮は必要になってくるかもしれません。具体的な考えは持ち合わせませんけれども、そういうことを考えております。
 脱退一時金に関しては、最終的な到達点が生活保護になってしまうので、ある意味、モラルハザード的なことを考えると、なかなかつらい部分があるのではないかと思っております。そういうことしかコメントができないのですけれども、事務局の資料の中で、5年までが上限で脱退一時金の給付があるということですが、滞在期間が長くなるとこれを9年まで延長するということも含めて考えられているということなのかどうか、分からなかったので、そこだけ質問させていただきたい。
○菊池部会長 今の点は、いかがでしょうか。
○総務課長 特に今の時点で上限期間を延ばそうといった考えがあるわけではございませんが、今後とも様々な御意見を聞きながら考えていきたいと思っております。もともと脱退一時金は法律の中でも附則に位置づけられているもので、御指摘がありますように、社会保障協定が締結されていくまでの経過的な措置といった位置づけでもございますので、そういう中で期間を単純に延ばすことがいいのかどうかといったところはよく議論する必要があると考えております。
○菊池部会長 ありがとうございます。
 それでは、オンライン参加の皆様からいただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
 嵩委員、お願いします。
○嵩委員 御説明をありがとうございました。
 私からは、まず、遺族年金について、来年の法改正で、遺族厚生年金の男女差をぜひ解消すべきだと考えております。これに関しましては、今までに委員の方々もおっしゃっていましたけれども、男性はもちろん、女性の就労が進展してきているという社会的な背景があり、これは長期的な所得保障のニーズを否定する状況となってしまいますけれども、他方で、それでも配偶者の死亡が、性別や就労の状況や所得にかかわらず、生活に大きな影響を与えるという男女共通のニーズがあるということに鑑みれば、現役期の無期の遺族厚生年金という従来の給付から、死亡により激変する生活を再度安定させるために、年齢要件や所得要件なしで生計同一要件のみの過渡的な有期給付とすることが適当と考えます。なお、男女とも就労が進展しているとしましても、子供を養育している状況では、就労による生活の安定に時間がかかると思いますので、給付期間を延長する措置などが必要だと思っております。また、現役期に配偶者を亡くした者についての老後所得保障について、これは老後に死別した場合にも及ぶとは思いますけれども、離婚時の年金分割のように、保険料拠出への貢献分を回収するという発想で、年金分割のような仕組みを導入することは十分に考えられると考えております。その際、離婚時の年金分割での一般的な解釈・運用との均衡、とりわけ別居期間がある場合の扱いについて、離婚時の年金分割の現在の解釈・運用と大きく異ならないような仕組みをこの遺族年金でも考えていく必要があると思っております。
 次に、保険料拠出期間の延長に関する論点としまして、8ページに挙げていただいている65歳時点で基礎年金満額に達していない方の任意加入の点ですけれども、確かに65歳という年齢で保険事故の発生があるわけで、その後に保険給付を増額するために任意加入することを認めることは、保険原理に反することになるかと思います。ただ、社会保険として、なるべく、その被保険者の老後所得保障を充実させる、老後の貧困や社会的排除を防止するという観点からは、社会保険であることで、一定の修正は可能かと考えております。外国の例を見ますと、フランスでは、未払いの過去の保険料を20歳から67歳の間に買い取ることが可能でして、その買取額は買取りの請求を行った年齢や所得などによって異なるのですけれども、年齢が高くなるほど買取額が高くなるという仕組みが取られています。フランスでは、保険給付の請求前に買い取る必要があることになっているのですけれども、保険事故発生の確率が高まるに応じて買取額を高く設定していると考えられまして、ある程度、保険原理に沿った工夫がなされているように思われます。現在論点として挙がっているものは、過去の未納分の追納ではなくて、65歳以降の任意の保険料拠出の点ですけれども、保険事故の発生確率が上昇しているというか、もう発生しているわけですけれども、その状況である場合には、保険料の引上げといった考え方、フランスで取っているような考え方も、日本でも一つのアイデアとして参考になるのではないかと思っております。
 最後に、脱退一時金は、当初から、年金の資格期間である10年を下回る期間について滞在予定であるという外国人の方でも、公的年金制度加入中は障害や死亡リスクへの保障が及んでおりまして、保険の利益は一定程度享受していますので、そもそも脱退一時金について合理的な仕組みなのかということについては、若干疑問の余地があります。また、今までの委員の方におっしゃっていただきましたように、本来であれば社会保障協定の進展で対応すべき問題かと思います。ただ、外国人の受入政策との関係で、大幅に脱退一時金を見直すことは難しいかと思いますので、日本に生活基盤を持つと考えられる永住資格のある方について、実際の運用上の問題を指摘されていることもありますので、脱退一時金を制限していくという方向性には賛成したいと思います。
 私からは、以上です。ありがとうございます。
○菊池部会長 ありがとうございます。
 平田委員、お願いします。
○平田委員 ありがとうございます。
 私からは、遺族年金に絡むこと、脱退一時金のことについて、少し申し上げたいと思います。
 まず、遺族基礎年金に関してです。この支給が実態に合っているのだろうかということが、今の私の課題感として、ございます。第6回部会の資料に、遺族基礎年金の目的は主たる生計維持者である国民年金の被保険者が死亡した場合に生活の安定を図ることを目的とするとございます。一方、遺族厚生年金のほうですが、やはり主たる生計維持者である厚生年金の被保険者が死亡した場合に従前の生活を保障することを目的として、自営業者と異なり、被保険者の死亡はたちまち残された家族の生活を困難に陥らせるためと書かれています。こういう前提が、今、合っているのだろうかという視点です。以前の議論にもありましたように、今の第1号被保険者には、自営業で家業があって将来にわたって収入が安定しているという人たち、ではない方が非常に増えているということがございます。そういった方々が生計の担い手だった場合に、59歳になった時点で基礎年金的なものが何もなくなってしまうということは、フリーランスとか、働き方が多様化している現在に対応していないのではないか、ということです。同時に、その金額なのですけれども、厚生年金と違いまして、支給額が固定化されている。今、春闘とか、非常に賃金の上昇という流れがある中で、この固定化がいいのかというところも、今後の流れの中では見ていく必要があるのではないかと思っております。
 続いて、遺族厚生年金の支給要件です。男女による差はやはり解消が必要だと思います。一方で、その場合、現状とありたい未来の両方に対応していくという視点が必要だと思います。先ほど百瀬委員もおっしゃっていましたけれども、現状、実態を見ますと、女性は、厚生年金の加入者でも、非正規就労や短時間の方が非常に多い。そういう方が遺族になった場合のほうが、収入においては、従前の暮らしを支えるに当たって、苦しくなることは容易に想像できるのではないか。一方で、男女で分けてしまうと、男女差を将来的に維持してしまう力を持つ。第3号被保険者制度がまさにそうで、ある意味、女性を短時間・低賃金労働に寄せる力を持っていたと思いますが、このことを踏まえて、現状と未来をどのようにバランスさせていくかということが、視点として、とても大事なのではないかと思います。一方、老齢期の女性に関しては、今後自分で働いてということがなかなか難しいでしょうから、これを一律に考えてしまうと、貧困女性が非常に増えてしまう、でも、一方で、変えていく必要もある、というところにあっては、時間を味方につけて緩やかに解消することが大事ではないかと思います。遺族厚生年金における収入要件の見直しについては、今後の賃金上昇を見定めつつ、これも考える必要があるかとは思いますけれども、社会保障という役割上、より低所得な方への対応を優先すべきではないかという個人的な意見を持っております。
 中高齢寡婦加算に関しては、今日の13ページの資料に遺族年金だけでは生活を営むことが困難であるからという一文があり、これを前提とするのであれば、遺族厚生年金だけで女性が今後の生活を営むのかというと、それは非常に少数派になるのではないか。つまり、制度としていかがなものか、ということではないかと思っております。
 最後に、脱退一時金についてです。永住資格がある外国人の方が、一時金を受給して帰国して、その後、再入国して生活保護を受給する可能性に対する問題提起だと思いますが、人として考えた場合、将来は誰にも分からないわけです。にもかかわらず、無理な判断をさせるような仕組みにはなってほしくないと、思っております。結論を言うと、永住資格を失うことを脱退一時金の受給の要件に入れると簡単に判断することは、問題があるのではないか、が、非常に感覚的な意見ですけれども、私の考えです。
 以上です。ありがとうございました。
○菊池部会長 ありがとうございます。
 原委員、お願いします。
○原委員 ありがとうございます。
 私からは、遺族厚生年金と45年化について、コメントをさせていただきます。細かい点も入るかと思いますが、御了承ください。
 まず、初めに、遺族厚生年金について。
 長期要件該当で65歳以上の老齢厚生年金受給者が死亡した場合については、現行のままでよいかと思います。一方、ここで問題になっている、短期要件該当で現役期に亡くなった場合で子がいない場合ですけれども、その妻または夫に対して支給される遺族厚生年金については、最初に、事務局から、若い頃ということでお話がありましたけれども、そういったところで言えば、この死亡直後の変化に際して生活保障をするための給付と整理した上で有期給付とするという案もあるのではないかと思います。この有期化をもって男女差を1つ解消ということになるのではないかと思います。ただ、百瀬委員も触れていましたけれども、5ページのような図で見ますと、中高齢期で亡くなった場合、その後の就労の難しさがある程度は残るので、この無期給付のところですけれども、中高齢の一定年齢以上の人を無期給付として、段階的に男女の差を解消するという方法もあるかと思います。その場合は、時間をかけて、先ほど55歳といった声もありましたけれども、この図の男女がちょうど折り合うような年齢も考えられるかと思います。例えば、20歳ぐらいから加入して、25年がたったところで、受給権者としての長期要件を満たす年齢になってくる頃、例えば、50歳ぐらいあるいは55歳もあるかと思いますけれども、そこは検討が必要かと思いますが、その年齢に向けて、無期給付のところも時間をかけて統一して、この点でも男女の差を解消していくという方法もあるのではないかと思います。
 なお、細かい話ですが、中高齢寡婦加算や寡婦年金といったものについては、名前もそうですけれども、4ページの一番下の【その他年金制度における男女差の解消】にあるとおりですが、それぞれ、全てといいますか、見直す時期に来ているのではないかと思います。
 有期給付にするという男女差の解消、無期給付の中高齢期についてはどこかの折り合う点でそろえていくという男女差の解消、この2つの男女差の解消を併せてもいいのではないかと思います。いずれにしても、あまりこれまで大きな改正が行われてこなかった遺族厚生年金については、男女差の解消が特に挙げられますが、現在のライフスタイルや働き方、若い世代にも合った制度に、経過措置を設けるなどして時間をかけて、少しずつ修正していくという検討が必要なのではないかと思います。
 もう一点、45年化についてです。
 非常に難しい点もあると思うのですが、細かい論点が出ていました。先ほどもあったかと思うのですが、繰上げ受給者については、8ページ、2つ目の※にもありますとおり、現行の老齢厚生年金の繰上げ受給者が厚生年金保険の被保険者となった場合と同様と考えられますので、国民年金保険料を納付することになるという点については、それで一つの整合性が取れるのではないかと思います。実際に、繰上げ受給については、選択する際の留意点は幾つもありますので、その一つに加わることになるかと思いますが、それを踏まえて繰上げをしたいという方はそういう選択肢もあるという整理でよいかと思います。
 論点の2つ目、8ページ、60歳代前半のほうですけれども、国民年金の第1号被保険者が64歳まで拠出することになったときに、第3号の問題がありまして、いろいろな意見がありましたけれども、やはり第3号被保険者は60歳未満の方ということになりますので、ここは、そもそもの第3号被保険者制度自体の方向性といいますか、新しい時代の第3号の在り方という論点でその方向性を検討していく必要もあるのではないかと思います。もちろん現在進行中の被用者保険の適用拡大等で第3号被保険者は縮小する方向にありますけれども、それとセットで見直しを考えていかないと、この整合性が取れなくなるように思います。この件については、別途の議論になるかと思いますが、思うことは、例えば、男女雇用機会均等法の施行・改正の推移や女性を取り巻く就業環境あるいは慣例といったものから、少し大げさに言えば、第3号被保険者という道を選ぶのが当然というか、選ばざるを得なかった時代から、現在は第3号被保険者という道が選択肢の一つになっている時代になっているように思います。現在のライフスタイルや若い方も含めた働き方、若い世代にとってその制度がどういうものなのか、第3号の方向性や今後の在り方を併せて検討していかないといけないのではないかと思っております。
 長くなりますが、すみません。60歳代後半の論点については、先ほどもありましたけれども、任意加入という道は残してあげていいのではないかと思います。国民年金に任意加入して、基礎年金が満額になるまで金額を増やすという道はあってもよいかと思います。ただ、一方で、少し気になっていることが、厚生年金の被保険者の国民年金における取扱いということで、単に年齢を延ばすということを考えると、第2号の年齢を延ばすと第3号の絡みも出てきますので、そこも考慮しながら検討していかないといけないのではないかと思っております。
 すみません。長くなりましたが、私からは以上です。お願いします。
○菊池部会長 ありがとうございます。
 権丈委員、お願いします。
○権丈委員 遺族年金の話をします。
 遺族年金改革の最大の障害は、私の中では、この遺族年金への関心の薄さゆえに制度を動かしてくれる政治家がいないことにあると思っています。年金部会で、遺族年金も繰り返し議題に上がるととてもよいと思っています。遺族年金を専門として研究されてきた百瀬先生たちは、2017年には、米、英、仏、独、スウェーデンで男女差が解消された1980年代から1990年代時点での各国の女性就業率と比べた場合、ほぼそれに等しい水準にまで上昇していると指摘していたのに、一向に変わろうとしないということは、みんな、分かっていると思うのです。前回も言ったように、時間軸をもって20年もかければ、不利益変更という批判をかわしながら、将来のコホートのライフスタイルに最適な制度に移行することができると思います。今回、その話に加えるとすれば、今はやりのドラマでも、先週の話題ではないのですけれども、もう最終回の話を先に決めることが大切かと思います。遺族年金の最終回では、結婚や離婚や養子縁組などのライフイベントへの選択が中立となる遺族年金をつくる。こんな制度で、人のライフイベントに影響を与えている今の状況は、腹立たしいと思います。男女が、一人一人、経済的に自立して、ジェンダー平等な遺族年金となる時代をつくる。そういう目標、理念、こういう考え方は、この問題を考えるみんなが共有できると思います。そうした公理・公準から演繹していくと、遺族年金は、ジェンダー平等、有期化、加給年金の廃止、寡婦年金の見直しは出ている。これを何年後に実現し、終えるか、先に決める。来年の年金改革をやる。そうしたバックキャスティングの視点でやってもらいたいと思います。支給開始年齢では、これは百瀬先生も言っていましたけれども、年金の改革が先行して労働市場の改革を促していったわけです。年金はそれぐらいの力があると思いますので、そう遠くない将来には、労働市場もジェンダー平等になっていなければならないということを年金のほうから発信していく。そう遠くない将来には、将来の配偶者の賃金のプラスに依存しなくても老後の生活が安心できる労働市場であるべきと、その方向に労働市場を変える力学として年金に活躍してもらいたいと思っています。遺族年金のフォーカス点については、みんな、全く同じだと思うので、ぜひしっかりと研究している百瀬先生のグループの人たちに、遺族加給年金検討チームをつくってもらって、百瀬先生は前回に寡婦年金の重要な問題も指摘されていたわけですけれども、それも含めて、数十年後になるのかな、最終回までの伏線が随所に組み込まれた日付つきの改革シナリオをつくってもらいたい。年金部会でそれを承認するというぐらいのことをしてもらいたいと思っています。もちろん賃金には男女差がないと困るというような人は反対するかもしれないけれども、さすがにそんな者はいないだろうと。所得制限の話が先ほど出てきていましたけれども、有期なのか終身なのかで所得制限に対するスタンスが変わってくるので、そこもセットにして議論してもらう。
 小野委員から共同負担の話が出てきていたけれども、共同負担規定は、小野さんと僕が考えているほうが、どうも重い意味を持ちますね。これはしっかりと踏み込んだ形で議論していったらどうかということがあります。
 もう一つ、加入期間の延長は、2000年の年金改革のとき、当初の野党案は、最大45年間の加入期間として年金額を算定することを可能とするため必要な法制上の措置を講ずるものとすると言うにとどまっていて、財源の問題には全く触れていない、無責任なものだったのですけれども、その後の与野党の協議になって、被保険者期間の延長という目標を同時に目指そう、そのために必須となる財源調達の議論を与野党で一緒に建設的にやっていこうという方向にまとめられていって、要するに、与野党の共同提案の修正案の中で、附帯決議には、45年とすることについて、基礎年金の国庫負担の増加分の財源確保策の検討を速やかに進めるという文言になっています。共産党は外れるのですけれども、それが与野党のみんなの賛成ということになっているので、この辺りのところは、野党にも念を押してもらいながら、政治の足並みをそろえてもらうことを、年金局の事務も、これから先、頑張ってもらいたいと思います。そうでないと、仕事がしづらくなる。この辺りのところで、足並みをそろえて、しっかりと基礎年金の国庫負担の増加分のことは速やかに検討を進めるということでありますので、よろしくお願いします。
 以上になります。
○菊池部会長 ありがとうございます。
 駒村委員、お願いします。
○駒村委員 ありがとうございます。
 簡単に申し上げます。
 まず、遺族年金のところについては、これまで、島村委員ほか、割と指摘があって、私は、死亡時年金分割に、考え方としては、賛成であります。
 次に、45年加入の議論で、繰上げ受給の部分の扱いですけれども、現状は、減額は伴うけれども、長寿リスクを自分である程度コントロールできる、60から65歳の間で選択できるという仕組みだったものを、65以前の繰上げ受給は認めないことになるのかなと。それは、ある種、合理的な一方で、酷な部分もあるのではないかという気もします。したがって、事務局にお願いしたいことは、60から64という繰上げ受給をされている方の状況、実態、例えば、年齢別の失権率の状況で、昔はデータがあったと思うのですけれども、非常に失権率が高いということであれば、50の後半、60に入ったところで、自分が65以降に生きられないのかなと思う方が受けている可能性もあるので、どういう実態なのかということを踏まえた上で丁寧に議論したほうがいいのかなという気はします。
 脱退一時金は、2つの条件があって、一つは10年の受給資格期間をクリアしないというものがあるのです。返ってくるものは5年を上限にするということなのですけれども、これも事務局にデータがあるかどうかなのですけれども、現在脱退一時金をもらっている人は、一番合理的に考えれば、資格期間の5年上限で脱退して国に帰られることが一番いいのですけれども、頑張って日本で働き続けたいのだけれども、10年以上いると、脱退一時金の5年が返ってこないというところで、10年ぎりぎりでお帰りになるような方があるのかどうか。この脱退一時金を受けている方の資格期間が何年なのかという統計はあるかどうか。その辺を教えていただきたいと思います。
 以上です。
○菊池部会長 ありがとうございます。
 お問合せがございますが、いかがでしょうか。
○年金課長 まず、繰上げの実態についてですが、御指摘に限らず本日議論いただいた遺族年金の見直しも含め、様々な見直しをする際には実態がどうなっているのかという点が大変に大切な観点になります。そういう意味で、繰上げも含めて、実態をどういう形で把握するのか、これは実際には事業部門が統計を持っており、限界があることも事実ですが、工夫して今後の議論に備えたいと考えております。
○菊池部会長 よろしいでしょうか。
 総務課長からも。
○総務課長 脱退一時金を受給された方の年数に関して、統計的なデータとしては持ってはおりません。
○菊池部会長 駒村委員、いかがでしょうか。
○駒村委員 それは、技術的に把握できないので持っていないのか、把握できるけれども把握していないだけなのか、どちらなのでしょうか。5年しか返ってこないけれども、10年いたら返ってくるものはゼロになってしまうので、10年少し前に帰国するという行動が起きているのかどうなのか、その辺を知りたいと思ったのですけれども、データ上、把握できないという理解でいいでしょうか。
○菊池部会長 いかがでしょうか。
○総務課長 そもそも、その申請者がどれぐらいの期間いたかという数字自体を取っていないということです。
○菊池部会長 駒村委員、いかがでしょうか。
○駒村委員 分かりました。そうすると、判断できないと。10年を超えてしまった人が来たら分かるわけですけれども、10年以下だったらデータ上は分からないということですね。
○菊池部会長 少しお待ちください。
○総務課長 今どういうデータが年金機構にあるかといったところをもう一回確認したいと思いますので、データを出せるかどうかは分かりませんけれども、また今後の宿題とさせていただければと思います。
○駒村委員 お願いします。どういうインセンティブが働いて、合理的な行動が取られているかどうかがそもそも分からない。資格期間の5年で出てしまうことが一番合理的だと思いますけれども、ぎりぎりまで働き続けて5年だけもらって帰るという方法も2番目にはあるので、これを9年にするとさらにそういう行動のインセンティブが強くなるのかなという気もします。データがあればということなので、把握されている状況だけ教えてもらえればと思います。
 すみませんが、部会長、よろしくお願いいたします。
○菊池部会長 検討していただきます。
 これに関連してですか。お願いします。
○是枝委員 少なくとも脱退一時金の支給額という業務統計はあるのではないでしょうか。それを基に、平均してどのぐらいの被保険者期間を有する方が脱退一時金を受給しているかの実態ぐらいは見えるのではないかと思います。
○総務課長 支給額はあるそうなのですけれども、期間だけではなくて賃金水準とかの影響も受けているので、支給額からすぐに期間が分かるわけではないということです。
○是枝委員 額についてだけの部分でも、ある部分は出していただければと存じます。
○菊池部会長 よろしいですかね。可能な資料はお出しいただくということで、御検討ください。よろしくお願いいたします。
 それでは、玉木部会長代理から、お願いします。
○玉木部会長代理 若干、コメントを申し上げます。
 8ページの基礎年金の期間延長の話に関連して、皆様から、第3号についての幾つかの御指摘があったかと思います。第3号については、適用拡大とかがどんどん進んでまいりますと、人数が減るだけではなくて、第3号という集団の持つ意味もだんだん変わっていくのだろうと思います。そうなってくると、それぞれの家族における御事情とか、一くくりにしにくいような様々な御事情がある方が第3号として残るのではないかとも思いますので、例えば、第3号はこうだから延長したらおかしいといった議論が非常にしにくくなるとも思えるところです。そうなってくると、単純に5年を延ばすというやり方も一つの説得力を持ってくるのかなと思うところでございます。
 今日も、いろいろな角度から、細かいといえば細かいのですけれども、非常に大事な論点が幾つも出てくるわけです。こういったことは、これから国民の前で議論していく際には、幾つかのくくり方が必要かなと本当に思いました。家族の在り方が変わっていくがために生じている論点、労働市場の在り方が変わっていってとか、あるいは、女性の就業に対する考え方が今の20代の方と50代の方では全然違うからとか、そもそもの議論を必要とした社会の変化といったものごとにくくって、こういう変化があるからこういう論点があるのですという提示の仕方、こういう論点があって結局これはこういうところに結びつくのですという方向とは反対に、こういう変化があるからこういうアイテムについて議論しなくてはいけないのですという表現の仕方も併せて用いないと、なかなか国民に対して何を議論しているのかということを伝えることができません。また、それが伝わらないと、出来上がった年金制度改正について国民が素朴な安心感や信頼感を持てるのだろうかということにもなりかねないので、今後の議論のまとめ方といいますか、くくり方あるいは国民への示し方についても、議論を深めていかなければならないと思いながら、皆様の御意見を拝聴していた次第でございます。
 以上です。
○菊池部会長 ありがとうございます。
 皆様から御意見をいただきましたけれども、何か、追加でございますか。よろしいでしょうか。
 ありがとうございます。
 様々な御意見をいただきました。今後のまとめに向けた議論に生かしていければと思います。
 私は特段意見を求められていないので差し控えますけれども、皆様の御意見をお伺いしていて、今まさに玉木代理がおっしゃった点でもございますけれども、第3号の在り方、60歳から64歳まで引き上げるかどうかということが差し当たりの個別の論点になっていますが、多くの皆様から、第3号被保険者制度そのものの在り方や、その中身と、なかなか切り離せない面もあるということで、今回の改正に向けた議論では、第3号の在り方そのものを正面から議論するという、そこまでいくかどうか。排除はされていないと思いますけれども、それとの兼ね合いもありますが、今回、全面的な第3号の検討まで仮にいかないとした場合、今日のこの論点についてどうするか。その辺の今回の改正と短・中期的な制度の見直しの在り方を整理しながら議論を進めていくかということは重要な点かなと、一つ、思った次第です。
 もう一つは、小野委員から御意見がございましたように、遺族年金は、拠出と給付の牽連性というか、対価性というか、直接的ではなく間接的であるという性格を持っていて、その分、一面では政策的な要素を入れやすいというか、社会的な配慮を考慮に入れやすいという面があります。逆に言えば、いわゆる年金の財産権的な性格をどこまで重要視する必要があるのかという面もあると思いますので、それは言わば社会保険の社会的な側面と保険的な側面に符合しているのかもしれませんが、遺族年金はそのバランスがより強く出てくる可能性のある仕組みだと思いますので、その辺りも考慮に入れながら、今日は大分いわゆる死亡時分割といった議論も出てまいりましたけれども、いわゆる離婚時分割と死亡時分割は、同じ延長線上というか、平面上で捉えられるべきものなのか、あるいは、それ以外のいろいろな考慮要素があった上での死亡時分割になっていくのか、その辺りも検討の余地はあるのかなと、思った次第です。
 それとの関係で、今日の特徴というか、以前からこの部会に参加している者として興味深かったことは、収入要件について、私の記憶では、前回までの部会では、850万円という要件は高過ぎるのではないかと、なぜ高いかというと、これは権利発生要件として設けられているものだから高くせざるを得ないのだと、もともとそういう趣旨なので、その遺族年金の性格から考えると、もっと下げるべきだという意見がかなり強かったという印象があって、その意味で、今日の皆さんの御議論は、議論が深化したということなのか、あるいは、社会が変化したということなのか、また少し局面の違った議論が多くなされたなと、これも感想ですけれども、思った次第であります。
 議長役としてはなかなか私見が述べづらいということで、これ以上は控えますけれども、それ以外にも様々な御意見をいただきまして、ありがとうございます。また今後も議論してまいりたいと思いますので、よろしくお願い申し上げます。
 すみません。長々とお話ししてしまいましたが、続きまして、議論の3と4をまとめまして、事務局から、説明をお願いいたします。
○年金課長 ここからは、報告事項が中心になります。
 まず、資料3についての御報告ですが、先月、子ども・子育て支援法の一部を改正する法律案が今国会に提出されました。
 2ページがその概要で、こども家庭庁が全体をまとめており、児童手当の拡充等々がありますが、色をかけたところに昨年12月に御議論いただいた国民年金第1号被保険者の育児期間に係る保険料免除措置の創設が盛り込まれています。1点、新しい情報としては、施行日については、システムあるいは施行前の準備を踏まえて、令和8年10月1日としています。
 3ページは、前回の部会にもお出しした内容で、両親とも対象にして子どもが1歳まで、という内容を法案化して盛り込んでいます。以上、御報告になります。
○総務課長 続いて、資料4について、御説明いたします。前回の年金部会の際に、子供や若者の意見を聞くべきだという御意見がございましたので、これまでの取組状況と今後の対応方針を整理したものでございます。
 資料の2ページからは、現在の子供や若者に向けた年金教育や年金広報の取組を御紹介しているものです。12月の部会でも一度御報告しておりまして、そのときからは若干時点更新をしたところがある程度ですので、説明は割愛いたします。
 資料の6ページ目を御覧ください。若者から意見を聞く手段としては、現在も実施しております年金対話集会を活用していくことがいいのではないかと考えております。
 資料の8ページを御覧いただきますと、これまでの対話集会の開催状況、開催実績がございます。令和5年度は最終的に36の大学で実施いたしまして、約1,200名の学生に御参加いただいております。
 続きまして、資料の10ページ、この令和5年度の対話集会で学生から寄せられました主な御意見を紹介しております。全体的には、10ページの右側からありますように、年金財政に関する御意見が多くなっております。財政検証の在り方、賦課方式と積立方式の違い、マクロ経済スライドの仕組みです。
 さらに、次の11ページの左側になりますけれども、積立金に関する意見や質問などが寄せられております。また、11ページの右側にございますように、女性と年金あるいは第3号被保険者制度につきましても、比較的学生の関心が高いようでして、第3号制度について不平等感があるのではないかといった御意見もいただいております。
 次の12ページになりますけれども、私的年金についても御意見が出ておりまして、例えば、iDeCoは、お金に余裕があって、さらに制度や資産にもある程度の知識があるような人でないと利用できないのではないかといった御意見も出ております。また、12ページの右側にございますように、学生の保険料納付に関して、特例制度の活用状況や追納の状況などについて、質問などが出ております。
 次の13ページが、来年度以降の取組になります。先般の年金部会での御意見も踏まえまして、学生の意見を聞くような機能を強化・拡充していきたいと考えております。まず、1番目が、現在も実施しております大学生向けの対話集会についてです。これまでの対話集会は、どちらかというと、総論的な説明、かつ、現行制度の説明が中心になっておりましたけれども、来年度以降は、学生の関心も踏まえながら、もう少しテーマを絞り込んでみる、あるいは、制度改正について今こんな議論をしているといった話も紹介しつつ、学生から意見を聞くような形にしていきたいと思っております。対話集会が終わった後にアンケートも取っておりますけれども、これまでは、どちらかというと、対話集会自体の感想や理解度などを聞くようなものが多かったのですけれども、もう少し制度そのものに対する意見も聞く形にしていきたいと思っております。また、2番目ですけれども、大学生に加えて中高生向けの対話集会も開催していきたいと考えております。この後に御紹介する世論調査の中でも、年金の広報において中学・高校での年金教育を充実してほしいといった御意見がたくさんございました。そういうことも踏まえまして、今後、中高生向けの対話集会も開催して、そこでも意見を聴取していきたいと考えております。
 14ページ、15ページは、今年度に開発をしております中高生向けの教材になります。今年度をめどに完成させまして、来年度から活用していきたいと考えております。
 資料4については、以上です。
 続いて、参考資料2についても、御紹介いたします。こちらは、昨年、内閣府の政府広報室が実施いたしました生活設計と年金に関する世論調査となっております。参考資料2-1が、内閣府が3月1日に公表した調査結果になっております。その中から主な調査結果を抜粋したものが参考資料2-2となっておりますので、こちらの2-2のほうを御覧ください。
 まず、2ページ目が調査の設計などになっております。調査対象は18歳以上の日本国籍を有する者5,000人となっておりまして、回収率が56.7%、調査期間が昨年の11月から12月、調査方法は郵送法となっております。過去にも類似した調査を実施しておりますけれども、※の2番目にございますとおり、過去の調査では面接による調査をしておりまして、調査方法が今回とは違いますので、単純な比較はしないという整理になっております。
 主な調査結果になりますけれども、まず、3ページ目を御覧ください。左側が何歳まで仕事をしたいかということでして、全体で見ますと、約4割の方が66歳以上まで仕事をしたいと回答されております。これについて、あまり世代別の大きな違いはないように見受けられます。3ページの右側のほうが、老後生活設計の中で公的年金をどう位置づけているかということになります。総数で見ますと、26.3%の方が全面的に公的年金に頼る、53.8%の方が公的年金を中心に考えるということで、合わせて8割を超える方が公的年金を中心とした生活設計をされております。ただ、こちらについては、世代別に見ていきますと、やはり若い世代ほど公的年金を当てにしている方が少ないという傾向が出ております。
 続いて、4ページは、公的年金以外で老後に向けて準備をしている資産を聞いております。一番多いものは、青色の棒グラフの預貯金となっております。また、2番目に多いものは、赤色の退職金や企業年金となっております。今回の調査で特徴的なのは、3番目の紫色っぽいグラフになりますけれども、NISAと答えている方が非常に増えておりまして、20代、30代ですと、4割前後の方がNISAと答えておりまして、退職金を上回るぐらいの数字が出ております。一方、個人年金につきましては、薄いピンク色のグラフが国民年金基金とiDeCoになっておりまして、iDeCoにつきましては、30代、40代で、2割程度の方が回答されている状況になっております。
 5ページは、年金額について考えたきっかけを聞いておりまして、一番多いものはマスメディアで年金に関する内容に触れたときとなっております。一方で、高齢者につきましては、赤いグラフもかなり多くなっておりまして、実際に老齢年金を受給できるようになったときという答えが多くなっております。一方で、若い方は、薄い紫やグレーのグラフも比較的高くなっておりまして、ウェブメディア、グレーは就職をしたとき、その横の水色っぽいものがソーシャルメディア、といった答えが多くなっております。
 続いて、6ページは、在職老齢年金について聞いたものになっております。右側は過去にも部会で御紹介したものになりまして、今回新たに出たものが左側のほうの結果になります。総数で見ますと、44.4%の方が年金額が減らないように時間を調整して働くと回答されています。年金の受給が近づく50代で見ますと、58%を超える方が調整をすると回答されております。60代で4割、70歳以上で2割程度の方が、調整をするとお答えになっています。
 7ページが、年金の理解を広げるためにどのような方策を取るべきかという問いになっておりまして、全体的に多いものは、青いグラフ、テレビや新聞などのマスメディアを活用したものとなっておりますが、先ほども申し上げましたように、20代、30代のところを御覧いただきますと、赤いグラフが6割程度になっておりまして、こちらが中学・高校での年金教育の充実という回答になっております。一方で、中高年の世代になってまいりますと、緑色っぽいグラフが比較的高くなっておりまして、個別の相談の機会などを確保してほしいという回答になっております。
 次の8ページが、年金に関する認知度になります。左側を御覧いただきますと、20歳以上に加入義務があるという回答が80%強、60から75の間で受給開始年齢を選べるというものが7割強といった数字になっております。一方で、上から5~6番目辺りを御覧いただきますと、生涯にわたり年金を受給できる、終身年金であるといった回答は5割を超える程度、また、物価や賃金の変動に応じて年金額は調整されるという回答は半分を切っておりまして、この辺りはまだ認知が十分に進んでいないところかと思っております。また、右側は、障害年金、遺族年金の認知度を聞いておりまして、障害年金が6割弱、遺族年金は8割弱の認知度となっております。
 9ページは、私的年金について知りたいことで、一番多いものが加入のメリット、2番目が将来の受給可能見込額となっております。
 最後、10ページが、私的年金についての情報源で、やはりこちらも新聞あるいはテレビといったマスメディアが多くなっております。それに次いで、厚生労働省の広報やセミナーといった回答になっております。
 少し長くなりましたけれども、以上でございます。
○菊池部会長 ありがとうございました。
 この資料4は、前回いただいた宿題を事務局でまた御検討いただいてお出しいただいたものと認識してございます。
 それでは、この議題3及び4につきまして、何かございましたら、お願いいたします。オンラインの皆様は、挙手機能を使ってお示しください。
 会場では、いかがですか。
 是枝委員、お願いします。
○是枝委員 学生との対話の際に、当事者としての学生の意見を聞いていただきたいということがございますので、今後の検討としてください。一つは、前回にも述べた、被用者保険の適用除外の在り方についてです。もう一点は、国民年金の加入期間を20歳からとしていることの妥当性についても、聞いてみる必要があるかと思います。国民年金は1961年の創設時から20歳加入となって、定着していることはいいのですけれども、当時は大学進学率が1割ほどで、20歳はほぼ在学期間を終えていることが前提であった社会の中での20歳という位置づけであったことに対し、現在では、大学進学率が5割を超え、奨学金なども利用しながら通う学生が多い中、20歳から国民年金を加入期間とすることが妥当であるか、その後の追納の機会もあるとはいえ、それも負担になることも踏まえると、若年期の年金の負担の在り方はどういうものであるべきかということも含めて、やはり当事者としての学生に意見を聞く機会が必要なのではないかと思います。
 以上です。
○菊池部会長 ありがとうございます。
 ほかにはいかがでしょうか。オンラインの皆様、いかがですか。ございませんか。
 百瀬委員、どうぞ。
○百瀬委員 他にいらっしゃらなければ、少しだけ発言させてください。
 「生活設計と年金に関する世論調査」について、障害年金や遺族年金の周知度が想像以上に低いと思いました。詳細版で見ると、若い世代では5割未満の数値が出ています。既に年金機構でも厚労省でも、ユーチューブの動画などを通じて、障害年金・遺族年金の周知を一生懸命やっていらっしゃることは重々承知しておりますけれども、より一層、力を入れていただきたいと思いました。
 以上です。
○菊池部会長 ありがとうございます。
 機構に伝えていただきたいと思います。
 平田委員、お願いします。
○平田委員 ありがとうございます。
 こども・若者への年金広報・教育と意見交換についてです。今後、直接対話を大学生だけではなく中高生に広げていくということは、とても意味があるのではないかと思って、聞いて、楽しみにしております。そのときの学校の選定なのですけれども、できるだけ多様な学校というのですかね、そういうところを選んでいただくという観点が大事ではないかと思っております。我々がやっていることをお伝えすることも目的だと思いますが、将来の受け手である子供たちが、どう考え、どういう状況にあるのかという、情報を得る手段でもあると思っています。そのときに、大学あるいは私立の高校・中学とかですと、やはり一定の親の所得層や一定の学歴の子供たちが集まっているという独自性を持つと思います。公立の学校は行っても3~4人ぐらいしかいないみたいなところもあるかもしれませんけれども、地方の過疎地などに行かれると、大変ではありますけれども、また違うものが見えてくる可能性がある。この国は少子化で老いていく国だと思います。その先行地域の子供たちの声を聞くことは大事だと思い、そんなことも含めて、ヒアリングをする、対話をする層が、縦にもというのは年齢層ですが、縦にもいろいろな層という幅も広がるという意味において、とても大事だと思いました。期待しています。
 よろしくお願いします。
○菊池部会長 ありがとうございます。
 原委員、お願いします。
○原委員 ありがとうございます。
 私からも、こちらの世論調査の8ページ、公的年金制度への意識・ニーズについてというところなのですが、先ほど御説明いただいた左側の老齢年金の仕組みや役割についての認識で、上のほうは、20歳から加入義務があるとか、繰下げ・繰上げのところだと思いますけれども、制度についての認知度が割と高い一方で、真ん中から下は、先ほど御説明もありましたけれども、生涯にわたり年金を受給できる、といったようなそもそもの公的年金の意義や理念や役割の認知度が少し低いことが残念です。ここのところは、今後、4月以降に金融教育などいろいろとされていくということも聞いております。社会保障制度としての公的年金ということで、生涯受け取ることができる終身であることとか、障害年金・遺族年金がある、というようなそもそもの公的年金の意義・役割や給付面がもう少し上位に来るといいと思います。また、そういったところを、高校生や中学生への教育あるいは大学生との対話でもっと知っていただいたほうがいいのではないかと思っております。
 以上です。
○菊池部会長 ありがとうございます。
 ほかにはいかがですか。よろしいですか。
 ありがとうございます。
 総務課長から、お願います。
○総務課長 様々な御意見をありがとうございました。
 またそれを踏まえて来年の実施を考えていきたいと思っております。
 すみません。1点、明示的に御説明し忘れてしまったのですけれども、この対話集会につきまして、学校側との調整が必要ではございますけれども、可能な範囲で、部会の委員の皆様方も、御希望があれば御参加いただけたらと思っておりますので、御関心があれば、お声がけをいただければと思っております。
 以上です。
○菊池部会長 そういうことでございます。令和5年度実施のところに早稲田大学が入っていますが、多分私のゼミではないかと思います。皆様方もどうぞ御用命いただければと思います。よろしくお願いいたします。
 様々な御意見をいただきまして、ありがとうございます。今日、たかまつ委員が御欠席なことは少し残念なのですけれども、是枝委員からも御発言をいただきました。確かに、障害者部会あるいはちょうど始まった被用者保険の適用拡大検討会では、関係団体の皆さんをお招きして、ヒアリングをするのですよね。そういった意味では、この広報・教育というところにとどまってどうなんだということが是枝委員の御趣旨だと思うので、言わばその当事者である学生へのヒアリングというか、そういった意味合いも含めて、やったほうがいいということは、なるほど、そのとおりだなと、私も思った次第です。そういった要素も含めてやっていただければと思います。よろしくお願いします。
 よろしいでしょうか。
 それでは、予定している議事は以上で終了でございます。
 今後の予定につきまして、事務局から、お願いいたします。
○総務課長 次回の議題や日程につきましては、追って御連絡いたします。
○菊池部会長 それでは、以上をもちまして、本日の審議は終了とさせていただきます。
 お忙しい中、お集まりいただきまして、どうもありがとうございました。