2021年3月12日 第28回食品衛生管理に関する技術検討会 議事録

日時

令和3年3月12日(金) 10:30~12:30

場所

AP虎ノ門 11階【C+D室】

議題

  1. 食品等事業者団体が策定した衛生管理計画手引書案の確認
    1. 1)委託給食事業者における調理
    2. 2)ホテル事業における調理
    3. 3)学校給食米飯の製造
  2. その他

議事

議事内容
○事務局 それでは、皆様、定刻になりましたので、第28回「食品衛生管理に関する技術検討会」を開会いたします。
 本日、司会を務めます医薬・生活衛生局食品監視安全課の小野澤と申します。どうぞよろしくお願いいたします。
 本日は、新型コロナウイルス感染症の感染拡大防止の観点から、ウェブ会議を併用する形で開催させていただきます。
 まず初めに本日の出席状況ですが、池田構成員、斉藤構成員、富松構成員から欠席の御連絡をいただいております。
 また、オブザーバーとして、国立保健医療科学院の温泉川上席主任研究官と、農林水産省食料産業局食品製造課食品企業行動室の宮前課長補佐に御出席いただいております。
 ウェブ会議に関してのお願いでございますが、御発言をする場合は挙手、またはチャットでその旨、お申出いただくようお願いいたします。
 また、発言の際はミュートの解除をお願いいたします。
 また、可能でございましたら、出席の皆様はビデオのほうをオンにしていただくようお願いいたします。よろしくお願いいたします。
 それでは、議事に入る前に、本日の資料の確認をいたします。
 本日の資料ですが、資料1「HACCPの考え方を取り入れた衛生管理のための手引書~委託給食事業者」。
 資料2「ホテル事業者が実施するHACCPの考え方を取り入れた食品衛生管理の手引書~ホテルでの着席・ビュッフェを中心としたスタイルによる食事提供において~」。
 資料3「HACCPの考え方を取り入れた学校給食米飯の製造における食品衛生管理の手引書~」。
 参考資料1「食品衛生管理に関する技術検討会開催要領(令和元年7月1日改正)」。
 参考資料2「食品等事業者団体による衛生管理計画手引書策定のためのガイダンス(第3版)」です。
 資料が確認できない等、ございますか。
 それでは、以降の進行につきましては五十君座長にお願いいたします。よろしくお願いいたします。
○五十君座長 皆さん、おはようございます。
 それでは、早速「食品等事業者団体が策定した衛生管理計画手引書案の確認」から始めたいと思います。
 進め方ですが、いつものように手引書案を作成した事業者団体から10分程度で説明をしていただいた後、構成員の皆様より10分程度の質疑応答をお願いしたいと思います。時間がもし超過しそうな場合には途中でお声をかけさせていただきますので、議事録に皆様の御質問を残すために質問の概要のみ御発言をいただきまして、詳細につきましては後ほど事務局にコメントとして御連絡いただく形で進めたいと思います。
 それでは、事務局より説明願います。
○事務局 それでは、資料1を御覧ください。
 公益社団法人日本給食サービス協会様、公益社団法人日本メディカル給食協会様が作成した「HACCPの考え方を取り入れた衛生管理のための手引書~委託給食事業者~」の案です。
 この手引書案は、団体様から厚生労働省に対し、記載内容についての御相談があり、2019年11月8日と2020年10月28日に事前の意見交換を行い、構成員の先生方に内容を確認していただいたものです。
 本日は、事前の意見交換を踏まえまして、修正した手引書案について団体から御説明いただきます。
 それでは、手引書の内容について10分程度で御説明していただきます。準備ができましたら、日本メディカル給食協会様、説明をお願いいたします。
○日本メディカル給食協会 東京サラヤの篠崎です。
 今回、こちらの手引書は検討会議3回目になります。お時間をいただきまして、どうもありがとうございます。今から、概要を説明させていただきます。
 まず、これまでに団体として作成普及してきたマニュアルやガイダンス等に関してなのですけれども、協会から書籍やリーフレットなどを発行しております。一般衛生管理であったり、HACCPの内容を反映させた品質管理の内容だったり、ノロに特化したものだったり、労災関係のもの、いろいろな書籍などがありますが、どれも基本的には大量調理マニュアルに沿っていて、大幅に何か変えていることはないという現状です。
 そして、今回の手引書の対象品目、または食品群、そして対象事業者に関しては、P.1の1ページ目に記載しております。こちらは、委託給食事業者が提供する給食ということになっております。
 それで、1ページ目の真ん中からちょっと下の部分ですね。※印で、配送を行う会社さんは除外しておりますので、「配送は含みません。配送等を行う委託給食事業者は、別途衛生管理を検討する必要があります。」という文章を追加しております。
 そして、対象事業者の従業員数、施設の規模なのですが、小規模の現場にも使えるように、1施設当たり1名の従業員さんの小さな現場でも使えるようなというところで考えております。
 そして、業界は病院や福祉施設、そして事業者等の給食業態ですね。
 そして、こちらの協会の業界内での位置づけなのですけれども、日本給食サービス協会とメディカル給食サービス協会の会員企業数は440企業ほどでございます。
 続きまして、この手引書を策定する上で特に留意したポイントです。これは、実は1回目の検討会議で、大量調理マニュアルの対象の網のかからない小さな現場でもできるようなものを作ってくださいという貴重なアドバイスをいただきましたので、私たちもそれからいろいろ話し合いまして、小さなところでもできるようにしたらどういう表現になるか、そういうところも考えながら作成してきた次第です。
 そして「一般衛生管理」なんですけれども、一般衛生管理で特に必要性が高い部分は個人衛生である主に7ページ目です。「手洗い」ですとか、9ページ目の器具の洗浄です。あとは、給食の事故事例で異物混入が今も多いので、8ページ目に整理整頓と、ちょっとページが飛ぶのですが、51ページ目から52ページ目に今までの異物混入事例などを掲載しているところです。こういう事例があったので、気をつけましょうという話です。
 「一般衛生管理」はこのような形で、今度は危害要因分析をどのように行って結果を整理、提示したかという部分ですが、16ページ目からがその内容になっています。これは、主に先に出ている飲食店のグループ分類を参考にして、16ページにグループを記載しているというところです。常温保存の常温提供のもの、低温のまま提供するもの、加熱して提供するもの、そして加熱後に冷却するものです。
 それぞれのグループを具体的なメニューを例にして、17ページ目から工程の流れを記載しています。
 17ページ目から「パン」で、18、19ページ目が見開きで、開いたときに1枚の絵として見ていただくというようなイメージです。18、19が「サラダ」です。20ページ、21ページが「ハンバーグ」、そんな形で具体的なメニューを例にして工程の流れを記載しています。
 その中で、工程の流れで気をつけるポイントをマークしているのですが、例えば22ページから23ページの「ほうれん草の和え物」ですね。「ほうれん草の和え物」であれば、イラストの中の受入れの工程にコックさんのマークで「要チェックマル1」という印があると思います。そして、22ページの左側にそれに対応した番号とマークがあって、そこにさらに「詳細P26参照」と書かれているので、そこで26ページを参照すると、受入れ工程でチェックしなければいけない実施すべきルールの案みたいなものを記載しているというところです。
 その中で、気をつけるべきポイントの中でも28ページですが、生食で提供する野菜の殺菌という部分と、あとは29ページで加熱のときの温度管理に関しては特に重要だよということで設定しておりますので、右上のほうに「とても大切!」ということで赤いマークをつけているということです。
 これを設定した理由は、まず野菜の殺菌なのですが、老健などでO157の事故があったり、あとは大量調理マニュアルでも特に高齢者、抵抗力の弱い方に加熱せずに提供する場合は必ず殺菌してくださいという文言がありますので、そのようにしています。
 また、ウェルシュ菌などの事故もあることから、これは加熱後の時間の管理も重要であるというところで、31ページ目に「調理後の料理は適切な温度管理の下保管し、2時間以上放置しないようにしましょう!」というような、ちょっと表現が難しいのですが、赤字で追記しているという形です。
 次に、モニタリング方法や記録方法についてどういうふうに書いているかというと、記録様式とその例を34ページ目から記載しております。
 ちょっと下に番号が振っていないのですけれども、33ページはアレルギーに関して書いてあります。それ以降のページが衛生管理計画と、それから記録様式のフォーマットや記載例になっております。このような形で作っているというところですね。
 手引書の概要は以上になっておりまして、今後のこれからの私たちのこの内容の検証の状況なのですが、2つの施設で検証の実施を予定しております。
 1つ目は都内の大学病院1施設、これは800床ですけれども、それから地方の法人病院300床、これが1施設でテストしていただくという予定になっております。今からお約束はしているという形です。
 さらに、今後、会員企業様を対象として全国にて説明会を行いたいねというような話も出ていますので、今後説明会を視野に入れていきたいと思っております。
 最後に、今後の団体内での手引書作成の方針ですけれども、別途、皆さんが今、見ていただいている手引書以外に作成しているものが2点ございます。
 1点目はリーフレットで、これはもう作って出しているのですが、これは大事なポイントを抽出して現場の方が気軽に確認できるものを想定しています。あとは、給食現場で結構、中国人とか、インドネシアの方とか、多国籍の方が働いておりますので、中国、インドネシア、ミャンマー、ベトナムなど、リーフレットに関しては多言語に訳しているということです。
 2つ目に、昨年、1回目の技術検討会で提出して見ていただいた結構分厚い容量の多いものをあれから少し内容を修正して、それ単独で、あくまでも協会内の参考資料としてガイドラインみたいな形で発行しているという次第になっております。
 こちらからの説明は、以上です。ありがとうございます。
○五十君座長 御説明ありがとうございました。
 ただいまの資料1の御説明に関しまして、御質問、御意見等がございましたらお願いしたいと思います。
 本日もウェブとの開催になっておりますので、ウェブからの場合は手を挙げるないしはマイクをオンにして発言したい旨、お伝えください。
 よろしいですか。特にありませんか。
 荒木構成員、どうぞ。
○荒木構成員 それでは、1点再確認をしたいのですが、これは表紙に書いてあるとおり、委託給食事業者さん向けのものですよね。事業者さんが各現場に対してこういうふうにしてくださいと見せるマニュアルというか、そんな位置づけでいいのでしょうか。
○日本メディカル給食協会 はい、そうでございます。基本的に本部機能がその会社さんであると思うので、そこでこれを見てある程度ルールを作っていただいて、それを現場で実行していただきたいという趣旨で作っております。
○荒木構成員 そこが、読んでいくうちに、現場で作らなくてはいけないのかどうなのかというのが少し分かりにくくなりました。特に、現場の従事者は1名以上でいいわけですよね。ということは、すごく小さな現場もあるということでよろしいでしょうか。
○日本メディカル給食協会 そうです。
○荒木構成員 そういう現場に対して、特に1ページ目にあります「注意が必要な給食の形態」というところで刻み食やミキサー食について書かれているのですが、ここのところで「さらに意識をして確実に励行してください。」というのは、これは事業者に対してじゃないですよね。
○日本メディカル給食協会 そうですね。どちらかというと、現場向けのおっしゃるとおり表現になっております。
○荒木構成員 ここのところが混在しているので、やや分かりにくくなる箇所があります。
 例えば、小さな事業所であれば、5ページに書いてあるような「教育を実施しましょう」というのは、1人、2人しかいないと、これは現場単位では無理ですよね。ここを読むと、事業者に対して要求しているのかなというふうに思うのですが、実行するのは現場ですよね。
○日本メディカル給食協会 はい。
○荒木構成員 ここの役割分担が、やや読んでいて分かりにくくなったところがありました。
○日本メディカル給食協会 事務局の千田と申します。
 この手引書の場合、今、委員のほうからおっしゃったように、小規模は家庭でこういう事業を請け負っているところもありますし、それから大規模の会社としてやっている、これらの両方に通用するような手引書を作成しなければならないというところからこの表現になってございますが、やはり小規模のところは自分が会社の責任者であり、現場の責任者でもありますが、大規模会社の場合は組織で動いていきますので、今、御指摘のような言葉のそごは出てくるかもしれないのですが、最終的には現場に対してこのような考え方で手引書を運用してほしいという意味で、この冊子に取り組みました。
○荒木構成員 読んでいくうちにその辺は理解できたのですが、やはり初めて読むと疑問点というか、大丈夫なのかなというところがありました。
 例えば、今、言っていた1ページのところの刻み食やミキサー食についてですが、「さらに意識をして確実に励行してください」というのは何をということを言っていないですよね。衛生管理についてとは言っているのですが、ここがちょっと曖昧のままでいいのかなと思いました。
 ところが、その次の○の「本手引書の活用方法」というところでは、3行目に「(P.43参照)を決定してください。」ということが書いてあるので、こんなふうに頭から読んでいったとき、注意が必要な給食の形態の場合は、例えばここでいくと33ページに「アレルギー対応の概要フロー(例)」というのがありますが、こういうものを参考にして確実に励行してくださいということではないかなと思いました。
 そういうふうに、もうちょっとインストラクションを細かくしたらどうかと思ったのですが、いかがでしょうか。
○日本メディカル給食協会 ありがとうございます。確かに、表現方法でまだ検討しなければならないというか、考えなければいけない部分があると気づきました。ありがとうございます。
○荒木構成員 それで、33ページのアレルギー対応のフローの概要を拝見したところ、PDCAサイクルを回そうとしていることはよく分かるノですが、最後の「ACT」のところで「事故及びヒヤリハットも含め、全ての問題点を関連する組織のスタッフに共有し」と言っているのですが、どうやって共有化していくのかが「DO」のところに書いていません。
 考慮した献立を立案しましょうとか、厨房での作業をこうしましょうということはあるのですが、万が一、何かがあったとき、記録をしておきなさいというのか、あるいは記録はいいけれども確実に報告をしてください。それで、その報告を受けた事業者なり責任者が共有して、再教育なり「ACT」につなげてくださいと言っているのかというところが、ちょっと分かりにくいなと思いました。
 ですから、元へ戻ると、事業者に対して言っていることと、現場の人数がすごく少ないところにお願いしていることが、やや主語が明確じゃないので分かりにくくなっているような気がしました。
 以上です。
○五十君座長 ありがとうございました。確かに、ちょっと主語のはっきりしないところが多いということで、関連したことになるかと思いますが、例えば1ページの真ん中辺のところに「※配送は含みません。」ということが出てきますよね。
 これは、実際には配送するような業者というのはどのくらいの割合でいるんですか。
○日本メディカル給食協会 こちらのほうは、病院あるいは介護給食と全く別の業界団体がございまして、そちらのほうはもう既にこちらのほうの委員会で許可されて実行に移っているというふうに連絡いただきました。
 そちらのほうは、あくまでも配送を主体にやっている業界でございまして、私どもは建物の中を基準にしておりますのでこういう表現にさせていただきました。
○五十君座長 それも同じように、先ほどのように読んでいきますと、別途、衛生管理を検討する必要がありますと書いてあるので、それでしたら今のようにこちらの手引書等を参考にして管理してくださいという具体的に実効性のあるものにしていただけると、先ほどと同じように随所にそういう表現があるんですが、どうしたらいいのかというところまで書いてあるところが、ちょっと検討していただければと思います。
 そのほか、ございますか。
 関根構成員、どうぞ。
○関根構成員 日本能率協会の関根でございます。御説明ありがとうございます。よろしくお願いいたします。
 私のほうからは、30ページ、31ページの辺りの実際の運用についてお伺いしたいのですが、以前もこういう話があったら繰り返しになってしまって申しわけないのですが、先ほども要チェックというものについて御説明がありましたが、実際に30ページ、31ページには加熱調理後の温度管理ですね。例えば冷却を速やかにしようとか、もしくはある程度の温度を維持しようということですね。
 このことが要チェックのポイントとしてここには書いてありますが、実際にこれがこの事業者の中でできるのかということと、また、この手引書の中には多分これに関連する衛生計画の例みたいなものは書かれていないんじゃないかと思うことと、あとは記録をどの程度つけましょうというような例はここには載っていないのかなというふうに思うのですけれども、いかがでしょうか。
○日本メディカル給食協会 ありがとうございます。こちらも前回、同様のアドバイス、御指摘をいただきまして、結構その後で何度も関係者で協議をしていました。
 正直申し上げますと、ちょっと難しいところでして、冷却の時間ですとか温度はすごく大切なことではあるんですが、やはり記録様式に掲載してしまうと、小規模の現場では難しいのではないかという部分がどうしてもありまして、手引書の活用というか、実際に運用していく上で、手引書どおりにやっていないと即、何か言われてしまうというのがあると、ここに書いてあることが絶対というふうになってしまって、ちょっとずるいんですけれども、その部分はグレーにしておきたいなという部分が私たちのほうであります。ですから、30ページの表現のままにとどめてしまっていて、記録様式もそれに関連するものが具体的に示されていないというような現状であります。
 それで、先ほど冒頭で御説明させていただいたんですが、協会内で今後、全国各地で勉強会の実施も検討しているので、そのときにこの辺りの趣旨とか背景とともに、調理後の冷却をはじめとする時間と温度の管理をしっかり行わなければいけないということをきちんと説明したいよねというお話は関係者の中でしておりました。
 それで、逆にどうすればいいのかという部分で、何か具体的なアドバイスがあればいただきたいなという部分が本音であります。すみません。
○五十君座長 関根構成員、いかがでしょうか。
○関根構成員 ありがとうございます。何となくそういう裏側もあるのかなというふうには思っていたんですけれども、ただ、事務局とも併せてこの辺をはっきりさせておかないと、実際にこれから6月以降の監視指導のときに困るんじゃないかと思うんですけれども、一方では、要チェックというポイントとして書いてあるのですが、それをやっていないことに対して指導していいのか、指導してはいけないのかということで多分、混乱が起きると思うので、事務局とも併せてその辺は整理いただければと思います。よろしくお願いします。
 ありがとうございます。
○五十君座長 御意見ありがとうございました。
 それでは、ちょっと時間がなくなってまいりましたので、要点だけお願いしたいと思います。
 では、先に鬼武構成員のほうからお願いします。
○鬼武構成員 鬼武です。御説明ありがとうございました。事前の2回の打合せで、よく分かる資料になっていると思います。
 それで、先ほど意見が出たところで、私はちょっと用語で気づいたところでは、1ページ目の刻み食とミキサー食と常食との違いがよく分からないので、業界の中でそういう用語なり中身が定着しているのであればどこかに注釈か何かで入れていただかないと、私はその常食との違いが分からなかったというのが1点です。
 それから、4ページで各エリアの責任者に「SV等」とわざわざ英語で書いてあるんだけれども、これはエリアのスーパーバイザーなのか、何のことかちょっとよく分からなかったのが2点目です。
 それから、先ほどのアレルゲンの管理のところで、やはりこれは小さいところもやるということなのですが、私が逆にちょっと気になったのは「最低限確実に!と」いうところで、必要なことであることは最低限なので、最低限とわざわざ書かなくてもいいような気がしました。やはり必要なアレルゲンは重要な管理事項なので、どういう施設でもその施設に応じて必要なことだと思いますので、わざわざ最低限、最低限と書かなくていいような気がしました。
 以上です。
○五十君座長 ありがとうございました。
 それでは、朝倉委員からいきますか。
○朝倉構成員 2ページの食中毒の発生状況の表のところで令和2年速報と書いてあるのですが、これはいつ取られたデータなのかがちょっと見えないので、例えば括弧書きで追記されてはどうかと思いました。
 それから、10ページの保存中の二次汚染防止と交差汚染の防止等にかかるところで、いわゆる生魚の下に調理済みのものを置いているところがバツということになっていて、それはそれでもちろんいいと思うんですけれども、その2つ下のところで、保管中は蓋やラップ等で覆ったりして密閉しましょうというふうな記載ぶり、あるいは図も示されていらっしゃるので、この辺りは追加されて、例えばマルの場合はどういうことが想定されるのかといったようなことを図示していただくのもいいのかなと思いましたので、この点について御検討いただければと思いました。
 私からは、以上です。
○五十君座長 御意見ありがとうございました。
 それでは、温泉川委員お願いします。
○温泉川オブザーバー 保健医療科学院の温泉川と申します。
 資料の2ページの食中毒の表についてなんですけれども、植物性自然毒による食中毒が比較的多く発生しているというふうに書いてあるのですが、これについては具体的にどういうもので、それに対して施設として既に対策は取れているかどうかについてお教えいただければと思いました。
 以上になります。
○五十君座長 お答えは、すぐ出ますでしょうか。
○日本メディカル給食協会 ありがとうございます。こちらは、集計の生データがパソコンの中に入っていて今すぐに出ないので、今は答えしかねるという形です。
 それで、具体的にどういうふうに対策しているか、植物性自然毒に対してどういうふうに対策しているかという部分に関しても、後で関係者で確認してお答えしたいと思います。
○五十君座長 先ほどの事務局とのやり取りもありましたので、それも含めて、それから時間がありませんのでエディトリアルなことはもう少し出てくるかと思いますので、そちらも含めて事務局と確認していただければと思います。どうもありがとうございました。
 三木課長、どうぞ。
○三木食品監視安全課長 最後にちょっとお願いなんですけれども、最初の御説明のときに、これは皆さんに多分使っていただけるようにということで、検証を予定していますということで、800床と300床ということで病院でしょうか。中を見ると、先ほど小規模みたいな話もありましたので、もう少し病院以外の小さなところも検証いただいて、使い勝手のいいようなものにしていただければと思いますので、その辺も御検討いただければと思います。お願いいたします。
○日本メディカル給食協会 分かりました。
○五十君座長 よろしくお願いしたいと思います。
 それでは、そのほかよろしいですか。
 どうもありがとうございました。続きまして、資料2につきまして事務局より説明願いたいと思います。
○事務局 ありがとうございました。
 では、構成員の先生の皆様、資料2のほうの御準備をお願いいたします。
 資料2につきましては、一般社団法人日本ホテル協会様が作成しました、「ホテル事業者が実施するHACCPの考え方を取り入れた食品衛生管理の手引書~ホテルでの着席・ビュッフェを中心としたスタイルによる食事提供において~」の案でございます。
 この手引書案は、団体様から厚生労働省に対し、記載内容についての御相談があり、2019年11月8日と、本年1月25日に事前の意見交換を行い、構成員の先生方に内容の確認をしていただいたものです。
 本日は、事前の意見交換を踏まえて、修正した手引書案について団体様から御説明いただきます。
 それでは、手引書の内容について10分程度で御説明していただきます。団体様、御準備は大丈夫でございますか。
 それでは、準備ができましたら、御説明のほどよろしくお願い申し上げます。
○一般社団法人日本ホテル協会 ただいま御紹介をいただきました、一般社団法人日本ホテル協会の岩佐と申します。どうぞよろしくお願いいたします。
 本日は、前回1月に打合せ会議に出席させていただきましたホテル協会の橋本と、本手引書の作成に当たりまして御協力をいただいております日本食品衛生協会のお2人にも御同席いただいておりますので、どうぞよろしくお願いいたします。
 まず、日本ホテル協会について簡単に御説明をさせていただきたいと存じます。
 私ども日本ホテル協会は明治42年、1909年にホテルの質を高め、外客誘致を促進させることを目的に、当時日本にありましたホテルを代表する全国28のホテルの経営者が集まって設立された団体でございます。今年で、112年目になります。
 1941年に鉄道大臣から社団法人の認可を受けまして、2014年からは一般社団法人へと移行し、現在に至っております。
 本日現在の会員ホテル数は247ホテルでございますが、客室総数が6万室を超えており、約5万人が働いております。
 ホテル協会の会員ホテルの特徴でございますが、客室以外にレストラン、宴会場を有しております。宿泊者のみならず、多くのお客様に御利用いただいているというのが現状でございます。
 ホテル内のレストランの数でございますが、約1,300店舗、宴会所の数が3,000室程度ございます。
 さて、本手引書の対象者につきましてお話しをさせていただきます。
 手引書の7ページに記載のとおり、レストラン、宴会場、ルームサービスやケータリングサービスにおいて、飲食を提供しているホテル事業者を対象としております。
 そして、この手引書の目指すところでございますが、ホテル事業者は日々、行き届いたプロセス管理の下、飲食の提供を行っているところでございますが、各事業者におかれてはこの手引書を参考とし、より効率的で実効性の高い衛生管理を実践していただくということを目標としております。
 それでは、前回1月に開催されました打合せ会議の際に、委員の先生方から御指摘をいただきました重要な点についてまず加筆させていただきましたので御説明をさせていただきたいと存じます。
 御指摘につきましては、ルームサービスについての記載がないという点でございます。
 手引書の37ページのマル7というところに「提供場所・提供スタイル別の重点的な衛生管理」の項目の中にルームサービスを追記いたしました。ルームサービスにおける衛生管理について、記載をさせていただいたところでございます。
 また、併せまして58ページのところの「衛生管理計画」の例にも入れ込みをさせていただいております。
 そのほか、先生方から御指摘をいただきました点につきまして修正、そして追記をいたしておりますので、吉田さんのほうから詳細を御説明させていただきたいと存じます。
 吉田様、よろしくお願いいたします。
○一般社団法人日本ホテル協会 今、御紹介いただきました日本食品衛生協会の吉田でございます。よろしくお願いいたします。
 私のほうから、前回の打合せ会議を踏まえまして修正させていただきました手引書を、こちらの今回の手引書の全体像のポイントに合わせまして、1ページ目から御説明をさせていただきます。
 手引書の9ページ目を御覧ください。今回作成いたしました手引書につきましては、まずホテル事業という形で大変大きな企業になってございます。ですので、まず1つ目といたしまして、1にございますように経営者の宣言、コミットメントでございます。それの重要性、組織体制の重要性ということをまず最初に特徴として書かせていただいております。
 続きまして、9ページの下側の3番目でございますけれども、荒木構成員から御指摘も頂戴いたしまして、ホテルにおけますプロセス管理、プロセスアプローチという形で、特に特徴的かと思いますけれども、めくっていただきまして10ページにありますように、ホテルにおけますレシピ開発からサービス提供までの一連の流れにおいて、既にレシピ開発の段階で「妥当性確認」が取られて、調理の段階で「モニタリング」がされて提供されることによって「検証」という形でPDCAサイクルが回っているということで、プロセスアプローチというものをこちらに示させていただいております。
 11ページからはそちらの具体的なハザード、危害要因の分析の例を載せさせていただいておりまして、特にホテルでの提供がありますので、下のほうにあります加熱とか冷却について、より中身の記載をさせていただいております。
 それから、めくっていただきまして12ページにありますけれども、「盛り付け」から「提供」まで、後ほど提供のスタイルの重点管理についてもお話しさせていただきますが、提供場所がいろいろ分かれてございますので、提供についてという形で、こんな形でプロセスアプローチに基づきまして危害要因分析をした例も載せてございます。
 そうしましたら、この手引書でございますけれども、12ページの下の4番目でございますが、「危害要因の把握とその管理方法」ということで、下側にございますが、危害要因を把握することによって衛生管理を十分機能させることにつながるという形でこの手引書の構成となってございます。
 13ページ目からにつきましては、まずは「一般衛生管理の着実なる実施」という形で、一般衛生管理について書かせていただいておりまして、「食品取扱者の衛生管理」から始まりまして、めくっていただきまして15ページにありますけれども、前回御指摘いただきましたように、15ページの上で、まず「用便時には着衣は外しましょう」とございますけれども、病原微生物という形で今回言葉のほうを統一させていただきました。
 まためくっていただきまして、17ページには「交差汚染・二次汚染の防止」であったり、18ページでは「施設・設備の衛生管理」、また前回御指摘もいただきました20ページのほうの異物についても修正をさせていただいております。
 今回はホテル事業でございますので、より多くの方が御利用されている、またはこれからオリパラがございますけれども、諸外国の皆様も御利用されておりますので、食物アレルギーですね。21ページの真ん中の「食物アレルギー事故の防止」については、より一層、詳しく書かせていただいております。
 めくっていただきまして、23ページの中ほどにございますけれども、今回ホテル事業におけますアレルギー防止対策といたしまして、ホテル協会様ではこちらにありますが、「メニューを正しく理解するためのハンドブック」というものを出していただいておりまして、それを参考にいたしまして以下について内容をまとめさせていただきました。
 特に注意する点につきまして、23ページの真ん中より下に書かせていただいておりまして、めくっていただきまして、先ほども申し上げましたけれども、外国のお客様も利用されるという形で、24ページの下に「外国人のお客様に対して」という形でも追記をさせていただいております。
 また、25ページにもございますけれども、特徴的ですが、宗教上の問題のある方もいらっしゃいますので、「宗教等による食事制限対応」とか、あとはやはり大きな事業になりますので、下に「検食の実施」ということも書かせていただいております。
 めくっていただきまして、26ページからにつきましては一般的な衛生管理を定期的に実施するものという形で挙げさせていただいておりまして、次に28ページからは調理におけます重点的な衛生管理について記載させていただいております。
 前回御指摘もいただきましたので、29ページの【化学的危害要因】のヒスタミンについては冷蔵管理についても追記させていただいております。
 また、めくっていただきまして31ページのほうからは実際の調理の際の加熱・冷却と、保存の管理について書かせていただいておりまして、めくっていただきまして33ページの「加熱するもの」ではこの間も御指摘いただきましたけれども、カンピロバクターについても追記をさせていただきました。
 また、めくっていただきまして、前回、荒木構成員のほうから御指摘もありましたけれども、今のはやりの低温調理とか、そういう部分がございますので、34ページから参考という形ですけれども、特定加熱食品の例と、あとは35ページの上になりますが、こちらニュージーランドのものを参考にいたしまして、低温調理の方法について追記をさせていただいてございます。
 また、35ページの下から4番目「加熱後冷却するもの」につきましても書かせていただいておりまして、めくっていただいて36ページに参考としてFDAの表についても載せさせていただいております。これが、視覚で分かるような形でも書かせていただいております。
 それで、特徴でございますけれども、37ページから「提供場所・提供スタイル別の重点的な衛生管理」という形で、まずは「着席スタイルの宴会場」のものと、次をめくっていただきまして「ビュッフェスタイルの宴会場・レストラン」、それで先ほどもございましたけれども、前回御指摘いただきました「ルームサービス」を39ページに追加をさせていただいておりまして、40ページのほうには「ケータリング」という形で載せさせていただいております。
 それぞれにつきまして、作る時間とか温度の管理ですね。あとは、トングの交換とか、そういう形でそれぞれの提供場所におけます衛生管理について、より詳しく書かせていただいた内容になってございます。
 また、42ページからについては「衛生管理計画」につきまして載せさせていただいております。
 前回御指摘いただきましたように、42ページから44ページにつきまして、参照のページにつきましては整合して修正させていただいております。
 また、46ページからにつきましては衛生管理の計画の例と、見開きになっていますが、様式という形の流れになっておりまして、前回、手順とかマニュアルに従ってという言葉が多かったんですけれども、そこを見直させていただきまして、全て具体的な例という形で書かせていただいておりますので御確認いただければと思います。
 そういう形で、衛生管理の計画につきまして、それぞれの項目について、あとは提供スタイルの場所について載せさせていただいておりまして、60ページからは記録の様式になってございます。それも併せまして、記録の例と記録の様式ということで対になるような形になってございます。
 めくっていただきまして最後でございますけれども、ちょっとページが飛んでございますが、80ページから「参考資料」という形で、まずは「ホテルにおける食中毒事例」ですね。ホテルで起こったと思われる食中毒事例と、82ページからは「病原微生物の特徴と予防対策」という形で載せさせていただいておりまして、前回、荒木構成員から御指摘ありましたけれども、最後になってございますが、「リステリア・モノサイトゲネス」についても追記をさせていただいております。
 以上が、今回作成させていただきました手引書のポイントになってございます。
 1つ追記をさせていただきますと、記録の様式で75ページのところに今回足させていただきましたルームサービスの記録様式がちょっと抜けてございます。こちらにつきましては足させていただこうと思っておりますので、追加で御説明させていただきます。
 それでは、以上となります。御審議のほどお願いいたします。
○五十君座長 詳細な御説明ありがとうございました。
 ただいまの資料2につきまして、御質問、御意見等がございましたらお願いしたいと思います。
 以前の指摘事項等はおおむね対応されているかと思いますが、追加は何かありますでしょうか。ございませんか。
 朝倉構成員、どうぞ。
○朝倉構成員 1点だけですが、35ページの「低温調理法」についてはニュージーランドのものを参考にして記載されていらっしゃるということで、これはこれでいいと思うんですけれども、厚生労働省さんのほうから食肉の加熱条件に関するQ&Aというところで幾つか低温調理の事例が出ておりますので、その辺りは事務局のほうと御相談していかれるのがよろしいのかなと思いました。
 私からは、以上です。
○五十君座長 ありがとうございました。よろしいでしょうか。
 荒木構成員、お願いします。
○荒木構成員 たびたび名前が登場しまして、恐縮でございます。
 記録の例から1つ意見を述べさせていただきたいのですが、68ページの「食物アレルギー事故の防止」というところで、4月2日の例が特記事項として書かれております。朝の申し送りで伝達不足があって、問題があって発覚して通常どおり適切なものが提供できたというふうに記録は書いてあるんですけれども、そもそもでいきますと朝の申し送りで伝達が不足していたというのは原因は何なんでしょうか。
 前のほうを見ますと、アレルギーのところの手順が23ページ、24ページのところに書いてあるんですね。それで、23ページで見ますと「オペレーションへ流し込むことが求められます。」というふうに書いてあるわけですが、これができなかった。それから、24ページのほうでいきますと、予約時やオーダー時の丁寧なヒアリングや何かをしてくださいということで、その次の「サービス前の確認」と、ここに何か不備があったという想定になっていると思うんですけれども、もうちょっと具体的に、どういう事態があってできなかったのかというのを想定問題で書けないでしょうか。
 これを単純に、だから従事者へ周知徹底したということだけでは、記録の例としてはちょっと不足があるかなと思っています。どういうエラーがあるのかというのを、その現場で想像されるかということが分かるようにしていただけたらいいと思うんですね。
 例えば、伝達用紙が不便なところにあったからつい書いて報告をするのを忘れたとか、忙しかったから電話しなかったというのは一番適切ではないと思うんですが、何ゆえそういうことが起きるのか。それで、それをどう現場として向上させていくのかということを何か記入例で書いておいていただけたらいいかなと思うんですけれども、いかがでしょうか。
○一般社団法人日本ホテル協会 御指摘ありがとうございます。実際に現場のほうにも確認いたしまして、もう少し現場に即した内容とさせていただきます。ありがとうございます。
○荒木構成員 あとは、2つ3つエディトリアルがあったのですが、それは後で御報告させていただきます。
 以上です。
○五十君座長 ありがとうございました。
 そのほか、御意見いかがですか。
 鬼武構成員、どうぞ。
○鬼武構成員 御説明ありがとうございました。
 1点だけ質問事項があるんですが、23から25にかけてアレルゲンのいろいろな対応についてということで、1つは消費者庁から出されている情報提供というか、そこを見てメニューへの提供などが抽出をされているんですけれども、24から25のところで、これは前回の打合せの指摘でコーデックスのものを参照ということで、コーデックスの情報提供のほうは割と漠然としている項目というか、日本の場合は具体的な品目なんですが、こういうものはある程度ホテル事業者さんで準備ができるということなんですか。ただ書いているだけで、この辺はどういう取扱いをされるのでしょうか。
 例えば、英語とか、ある程度海外の人にもトランスレーションをして分かるようなものまで求めるものなのか、それは事業対応上できないので事業所の大きさによって対応するのか。この辺は、私が理解不足のところがありますので説明をしていただければと思います。
 以上です。
○五十君座長 いかがでしょうか。
○一般社団法人日本ホテル協会 結局、それぞれの事業所で本当に対応できるかどうかというのはまた違ってきますので、ここはコーデックスの御紹介という観点で記載をさせていただいて、そういうふうに努めるようにされていますという御紹介をさせていただいていますので、あとは可能な限り事業所で御対応いただくということになろうかと思います。
○鬼武構成員 分かりました。そのことを含めて、あとは多分、今後この手引書を幾つかで検証されるかどうかもあると思いますので、その辺のところで聞き取りをされてどう表現するかを検討されたほうが、多分なかなか情報が集めにくい部分もあると思いますので、ぜひそこを含めてヒアリングされたらいいかと思います。
 以上です。
○五十君座長 よろしいでしょうか。ほかにはいかがですか。
 では、先に畝山委員からまいりますか。畝山構成員、いかがでしょうか。
○畝山構成員 単なるエディトリアルなので、伝えていただければいいです。
○五十君座長 分かりました。時間もありますので、では事務局のほうから伝えていただくということでお願いします。
 では、三木課長どうぞ。
○三木食品監視安全課長 ちょっと御質問というか、これはホテルなのでプロセス管理はしっかりしているイメージもありますし、きちんとやっていただけるのだろうと思いますけれども、実際に手引書というのはやはり使われないと意味がないので、いろいろな大きいところとか小さいところとかも含めて、あとは形態もビュッフェとかケータリングとかいろいろございますので、そういったところで何か検証みたいなことはやられているんでしょうか、もしくはやる予定というのはあるんでしょうか。そういうことをお伺いしたいんですけれども。
○一般社団法人日本ホテル協会 ありがとうございます。検証につきましては、この手引書の委員になってくれる方々のホテルにつきまして実施させていただいておりまして、各ホテルから、その下のホテルさんからも御意見を頂戴しておりまして、基本的にはこちらの手引書で各ホテルとも実施はできるという形でお答えいただいております。
○三木食品監視安全課長 分かりました。ありがとうございました。
○五十君座長 そのほか、ございますか。もしあるようでしたらお願いしたいと思いますが、よろしいですか。
 ないようですので、どうもありがとうございました。
 続きまして、資料3につきまして、まず事務局より御説明を願いたいと思います。
○事務局 それでは、先生方、資料3のほうを御覧ください。
 こちらは、一般社団法人日本パン技術研究所様、全日本パン協同組合連合様が作成しました「HACCPの考え方を取り入れた学校給食米飯の製造における食品衛生管理の手引書」の案です。この手引書案は、団体様のほうから厚生労働省に対し、記載内容についての御相談があり、2020年12月18日に事前の意見交換を行い、構成員の先生方に内容を確認していただいたものです。
 本日は、事前の意見交換を踏まえまして、修正した手引書案について団体様から御説明いただきます。
 団体様、御準備のほうはよろしいでしょうか。
 それでは、準備が整いましたら10分程度、御説明いただきたいと思います。よろしくお願いいたします。
○日本パン技術研究所 日本パン技術研究所の橘といいます。おはようございます。よろしくお願いいたします。まず、私のほうから進めさせていただきます。
 まず、手引書案について説明していただきたいポイントということで、こちらのほうを簡潔に説明してまいります。
 これまでに団体として作成、普及してきたマニュアル、ガイダンス等についてなのですが、これは今までGNP、一般衛生管理についてパン、それから米飯関係をレベルアップするための活動を続けてきました。それで、まずは食品安全の管理のポイントというものを作って、これを普及しております。これは、パンについてと米飯について、もちろん含まれております。
 それから、全パン連さんの基準を用いてパン技研が全パン連、フードセーフティー監査というものを実施しております。こちらもパン、それから米飯、両方含まれております。活動は2006年くらいからやっていますから、もう15年くらい続けております。
 それから、一番新しいものではパン類の手引書ですね。こちらのほうを全パン連さん、パン工業会さん、それからうちのパン技研と協同してこれを作成しております。
 続いて手引書の対象品目、または商品群というところで、今回の手引書については学校、保健所などの学校給食関係の米飯を対象にしております。白米、それから炊き込み御飯が学校給食メインで9割ほどを占めております。一部、乾燥したわかめとかゆかりなどの混ぜ込みのものもあるとなっております。それで、米飯のみ、それからパン工場を併設したものもありまして、規模は様々になっております。
 それから、手引書を策定する上で特に留意したポイントとしましては、やはり学校給食、保育園が対象になっておりまして、必然的に子供たちが主な消費者ということになりますから、危害要因の中ではアレルゲン、それからノロウイルスというのも過去の経験も含めて非常に重視した作りにしております。
 それから、危害要因分析ですね。結構実績もいろんな検査等でありますので、過去の実績記録のデータを洗い出して、それを分析しました。その結果、今のところ一番多いのは異物混入、これも様々な異物が含まれるのですが、この辺のところを一般衛生管理で対策を取れるようにこの手引書のほうには盛り込んでおります。
 それから、実際の製造状況なども調査しまして、温度とか施設の確認を実際にやっております。その中で、パンのラインを編成しているものとか、炊飯の形態についても炊飯釜を使ったりとか、パンのオーブンを使ったりとか、炊き上げる容器についても専用のものから弁当箱とか、飯缶というものですね。そういったものを含めて、いろいろな形態があるというのは確認して、それらも網羅できるようには作り上げております。
 それから、温度関係ですが、セレウスについては今のところ事故とか、そういうものはそれほど実際に起きてはいないのですが、ただ、やはりリスクとしては重要だと考えて、その温度管理については食品安全委員会さんのファクトシートとか、あとは東京水産大学の藤井教授の資料などを参考にして、適切な温度管理と、それを維持していることの確認を行いました。
 また後で説明しますが、一応55度以上を維持しましょうというふうに、この手引書では定めております。
○全日本パン協同組合連合会 お世話になります。全パン連のほうから説明させていただきたいと思います。
 今回のこの手引書の対象事業者、それから我々の業界の特質といったところなのですが、基本的に学校給食、付随するのは保育園とか幼稚園ということになるのですが、それをターゲットにした全国各県に組合がございます。その組合の連合会として、全パン連というものがございます。ですので、今、全国1,200社の学校給食のパンを製造している事業者が御飯の製造の会社を立ち上げたりしているというのが実態でございます。
 全国の学校給食の米飯を各県の組合組織が中心となって運営をしている。当然、学校給食でありますので、文科省の学校給食法の学校給食実施基準、あるいは学校給食衛生管理基準等々もございまして、給食センターも一緒に、栄養士さんもこの基準の中で運営されているという状況下にあります。
 当然、それによって学校給食の栄養教諭、そして各県に学校給食会という公益財団法人が存在し、こことの契約で学校給食の御飯やパンというものを納めさせていただいているということになります。そこの指示、指導の下で、つまり原材料についてはこういうものを使いなさい、それから配合はこういうものを使いなさいということが全てオープンで規格書が決まっております。
 それで、我々は製品を提供というよりは加工時、いわゆる原材料を扱って加工して最終製品に仕上げて納品するといったようなちょっと特質的な形態であるということを申し伝えさせていただきたいと思います。
 そうすると、では手引書について学校給食の衛生管理現場としてはどうなんだということもありましたので、以前、パン類の手引書を作成するときに、こちらの厚生労働省さんの食品安全課のほうでいろいろと調整していただいて、文科省、それから厚生労働省の間で学校給食の衛生管理の実施基準というものがあるのですが、我々は完成した製品、パンあるいは御飯を提供するので、パン類に関しては手引書を優先に、ルールにのっとってHACCP制度化には対応してくださいというような文言もあり、それでパン類の手引書、引き続いて御飯についても御飯の手引書を流用した衛生管理を行っていくということで、今回これを作るということになりました。
 その点で、我々の客先でもある文科省や給食会さんのほうでも、パン類と同様、今回の米飯に関する学校給食米飯については注目をされているということなので、これを全事業者に配布する予定で今、動いております。
 それで、検証と今後の我々の予定といたしましては、現在この資料を作るに当たって全県が全パン連に属しておりますので、各県から抽出したフードセーフティー委員会というものがこの全パン連内部に出来上がっております。宮城県、東京、静岡、神奈川、岐阜、京都、鳥取、山口、兵庫、福岡、鹿児島といったメンバーさんの構成で、北から南まで構成員を入れた形で検証、各工場の状況確認ということをやって進めてまいりました。
 それで、実際の検証工場は大きな工場ではなくて、なるべく小さな特質的な工場をターゲットにしようということで、この手引書の衛生管理計画書及び記録表を基に一回実施してくださいという案内は既に配布済みになっております。春休みが入りますので、3月の終わりか、4月の頭くらいから2週間程度、実施検証を行って、全パン連のほうに提出していただくという段取りを組ませていただいております。
 その後、我々は全国組織ですので、各県の代表の理事長さんの招集会議、あるいは説明会議、総会等々がありますので、そこでこの手引書の配布の説明、それから今、言った各県にいるフードセーフティーの委員会メンバーによる普及活動を今後の主軸として周知徹底ができればいいかと思っております。
 以上でございます。
○日本パン技術研究所 そうしたら、前回の技術検討会でアドバイスを30弱いただいておりますので、それについて進捗状況をここで説明させていただきます。
 まずは、恐らくお手元にあるかと思いますが、御指摘の1と2というものがあって、1が学校給食米飯は微生物の残存は危害になりませんという記載をしているけれども、芽胞菌のようなものがあるよねということのアドバイスと、あとは対数増殖というのはちょっと難しいだろうということで、これを3ページの真ん中よりちょっと上のところ、2つ目のパラグラフです。「学校給食米飯は、炊飯工程中に継続的に炊き上げられ、耐熱性がある芽胞菌を除いた有害微生物が死滅するのに十分な中心温度と時間が保たれています。また、学校給食米飯は、原則、納品する当日の朝に炊飯し、その日の昼には消費されるものであることから、炊飯後に残存する可能性のある芽胞菌や環境中から混入した微生物は、危害が起こる可能性のある菌数になる前に消費されるものと考えます。」というふうに、両方合わせて見直しております。
 それから、3番目のアドバイスの当該手引書の対象者を記載している箇所に、業界の特殊性、指定された米のみを使用していること等を記載すること、というふうになっていて、これについては2ページの下のほうに(1)(2)(3)とあって、それの下のほうになります。「これらの製品のためのほとんどの原料米は指定され、支給されたもの」というふうに書き換えております。
 数が多いので、次にまいります。4番目、前の手引書の26ページで、新米を使用するようにするとの記載があるが、事業者の権限で米を選択できないではないかということで、こちらについては27ページの真ん中より少し上の「(1)セレウス菌対策」の下の「原材料の受入、保管」のマル1のところはちょっと回答内容とは変わっていますが、「指定された、あるいは注文通りの原材料米が届いていることを確認します。」というふうに書き換えております。
 それから、5番目のアドバイスで、全体にアレルゲンですね。交差汚染ではなく交差接触に修正すること、ということで、ワードで作っていたので全部検索して、アレルゲンに関しては全5か所、交差汚染から交差接触に変更しております。これは、簡単にいきます。
 それから6番目、手引書に使用する事業者はステップアップはどのようなときに行う行為なのか、正しく理解できるよう説明を追記すること、というふうになっていて、ステップアップは要求事項のところで各所に出てきます。例えば、14ページの真ん中からちょっと下の辺りに「ステップアップ」とあって、「●各原材料の開封後の使用期限をあらかじめ定め、」とか、こういったものがありますが、こちらについては説明があります。
 13ページにいきまして、IIIの後半のところに「更に、「ステップアップ」として」というのを書いています。このステップアップについては、パン類の手引書で既に採用している書き方でして、今まで運用していて特に問題なかったので、この理解でステップアップというのはさらにできるといいので、それを目指しましょうということで理解されているものだと思っております。あとは、ここに説明もその旨、書いてあるので、この内容でよければこのまま進めたいと思っております。
 それから、7番目のアドバイスで、図が一部ピンぼけで見えにくいというのは鮮明なものに差し替えて、新しい手引書の23と24ページにちゃんと見えるものに替えております。
 それから、8番目、セレウス菌対策として古い手引書で11ページ、26ページ、27ページと違いがあるが、55度以上と60度以上という温度の要求が異なっておりました。これは、統一しました。55度以上に統一して、それが新しい手引書の27ページと28ページですね。それで、27ページの真ん中辺りに55度という記載をしています。それから、28ページの下から2行目に55度以上というふうに統一しております。根拠につきましては、食品安全委員会様のファクトシートに55度以上というのがありましたので、それを採用しております。
 では、お話をしたほうがいいものとして、14番目で施設の管理についてです。これが、新しいもので16ページになります。週1回清掃しましょうということを書いてあったんですけれども、これを17ページのマル3のところですね。上から3つ目で「排水溝は適切に清掃、消毒を行い、常に清潔な状態に保ちます。」というふうに頻度を外しております。
 別途、例のところでは、毎日清掃しましょうというふうに入れておりますが、要求のとろではこのように、要は衛生的であればいいのでそういうふうに替えております。
 それで、17とか、ノロウイルスの手袋については同様に記載しております。
 それから、19番目ですが、15ページですね。以前、冷蔵庫、冷凍庫の温度確認のところで、温度を逸脱した場合はどうするかということで、逸脱したときの措置を追記しました。15ページの上から3行目ですね。「また保管温度を逸脱した原材料は処分する。」というふうに替えております。
 次に、17ページにまいりまして「施設の管理」のところです。16ページの下の「施設の管理」からずっと続いていて、ここのステップアップのところに記載していたことがあるのですが、これを要求事項のほうに繰り上げております。7番目とか「採光、照明、換気を十分に行い、必要に応じて温湿度管理を行います。」というように要求事項のほうに変更しております。
 あとは、異常時の対応について例がちょっと貧弱でしたので、そちらを大幅に見直しております。新しいところの34ページで、問題が起きた場合の対応方法ですね。36ページのところも例を充実しております。それから、39ページですね。この辺りで充実させております。
 最後は、手引書には反映させていないのですけれども、炊飯後、学校に納品まで60度以上で搬送するかという御意見があったのですが、納品まで60度以上で維持することは規定されていませんが、温度調査をいたしました。炊飯後、盛りつけ前、それから盛りつけ後、出荷前ということですね。それから、喫食時の段階で製品温度をサンプリングで調査した結果、盛りつけ後、まだ工場の中で72.5度を維持して、最初の喫食時でも平均60.3度を維持していることを確認しております。それで、この60度以上というのは維持できているという調査結果になっております。
 以上でございます。長々と申し訳ありませんでした。
○五十君座長 なるべく端的に説明するようにしていただかないと、時間も限られておりますのでよろしくお願いしたいと思います。
 それでは、委員の皆様から御質問、御意見等がございましたらよろしくお願いしたいと思います。
 鬼武構成員、どうぞ。
○鬼武構成員 時間もありませんので簡単に、コメントだけ申し上げます。
 最初のところで、御説明もありましたように学校給食等についての経緯として、1つは文科省の管轄のところがあって、学校給食の衛生管理基準とか、これまでも衛生管理のいろいろな指針などが出されていて、改めて今回食品衛生法の改正で、パンのものと目線を合わせて作るというのもいいんですけれども、今後食品衛生法の改正のこの手引書が学校給食管理基準と同等もしくはそれに優先して皆さん使ってくださいというか、最初の説明でこちらの方がおっしゃっていたことが何となく全部文章を読んでいるとそこが書いていないなという気がしたので、ちょっと事務局と相談していただいて、文科省とも調整したということであれば、今後この手引書が現場での食品衛生の重要な手引書となるということであれば、それをちょっと書いたほうが、そこがなかなか見えなかったことが私は気になりました。中身というよりも、最初の部分にそういうふうなことが記載できればいいかなと思いました。
 以上です。
○五十君座長 よろしいですか。
 エディトリアルというか、誤字脱字も結構ありますので、後で事務局ともう一度確認していただきたいと思います。委員の先生からエディトリアル以外で御指摘等がございましたらどうぞ。
 荒木構成員、どうぞ。
○荒木構成員 ありがとうございます。
 大きく分けますと3か所あるのですが、まず1つは2ページのところで例として「わかめごはん、ゆかりごはん」と出てくるんですけれども、ゆかりというのはある特定の会社の商標登録されている製品なので、ここでは使わないほうがよろしいかと思います。
 2番目は、「学校給食米飯全般に共通する注意すべき危害要因」と書いてあるところでAとBとありますが、Aの「アレルゲン」と「金属、および硬質樹脂」に関しては、どのようにコントロールするのかという情報がここには一切書かれていないんです。
 それで、次の12ページのBのところで、Aに加えて注意が必要ですということでセレウス、黄色ブドウ球菌と出てくるんですけれども、このBのほうでは管理の仕方が書いてあるんです。ハウツーコントロールが書いてあるんです。ですから、Aのほうに全くそのコントロールの情報がないというのがちょっとバランスを欠いているかなという気がしました。
 そして、今お話を伺っていると、セレウスのほうのハウツーコントロールのマル2のほうですけれども、55度以上というのは先ほどのお話で検証されているのでオーケーだと思うのですが、保存する場合、「8度以下で保存し」というのは通常ではない状況ですよね。どういう状況でこういう条件で保存することがあるのかがちょっと見えないですし、8度で御飯を保存したら老化してぼろぼろでおいしくなりますよね。だから、書かなくてもいいのに書いてしまったのか、現実的には保管することがあって書いておられるのか、ちょっとここが分かりにくかったと思います。
 一気にいってしますと、もう一つなのですが、記入例を見ていただくと39ページのところなのですが、これを見ますと金属異物などのところはストレーナーだとかセパレーターの破損などを見るということで、よくチェックポイントが書かれているのですけれども、その前の施設の管理の中ではこういうところに注目しなさいということが書かれていない。すなわち、先ほど申し上げたハザードのAのところの異物の混入に関するハウツーコントロールに関して、頭のほうでは言及していなかったのですけれども、記載例を見るとよく分かる感じになっているということですね。
 それで、もう一つこの記載例でいきますと、一番上の項目が「チェックポイント」と「備考」と「頻度」と書いてあるんですけれども、ここの「頻度」はいつにしないと話が分からなくなります。その前の計画のところでは、頻度があって、いつがあって、朝とか、始業時とか、そういったことになっていますから、ここを実際に記録してもらうのであれば、記録様式はここは頻度でなく、いつにしたほうがよろしいかと思いました。それは、特記事項を見ると、例えば終業時にストレーナー内にパッキン片があったとか、それから朝にしゃもじが割れていたので新しいものと交換したということですから、ここは頻度ではなくてwhen、いつにしたほうがよいと思いました。
 そういうことで、3か所です。以上です。
○五十君座長 これは、「頻度」の欄を取るということですね。
○荒木構成員 記入例のほうでは「頻度」でなくて、いつと書いたほうがいいということです。
○五十君座長 分かりました。よろしいでしょうか。
 そのほか、ございますか。よろしいですか。
 それでは、多分エディトリアルなものとか、科学的な表現とか、そういったところの指摘はまた改めて事務局のほうからあると思いますので、先ほどの件等、相談をしていただくということでお願いしたいと思います。
 ほかにないようでしたら、終わりたいと思います。どうもありがとうございました。
○事務局 それでは、事務局からの連絡でございます。
 次回、第29回の開催につきましては、また改めて御案内させていただきます。
 以上です。ありがとうございました。
○五十君座長 そのほか、皆さんから何かありますでしょうか。特にないですか。
 それでは、本日の検討会はこれで終了いたします。御討議ありがとうございました。