第79回労働政策審議会勤労者生活分科会中小企業退職金共済部会

日時

令和3年3月15日(月)15:00~17:00

場所

厚生労働省省会議室及びオンライン

議事

議事内容
○内藤部会長 それでは、定刻になりましたので、ただいまから第79回労働政策審議会勤労者生活分科会中小企業退職金共済部会を開催いたします。
 本日は、使用者代表委員の久保委員が御欠席でございます。労働政策審議会令第9条の規定、全委員の3分の2以上(最低10名)又は公労使委員の各3分の1以上(公労使とも最低2名)により、定足数を満たしております。
 本日の部会は、初めてのオンライン形式での開催になります。開催に当たりまして、事務局からまず御説明がございますので、よろしくお願いいたします。
○鈴木勤労者生活課長 勤労者生活課長の鈴木でございます。御説明申し上げます。
 本日は、Zoomによるオンライン会議ということで、簡単に操作方法について御説明いたします。事前にお送りしております「会議の開催・参加方法について」も併せて御参照ください。
 画面を御覧ください。現在、皆様の画面には、我々と委員の皆様の映像が映っていると思います。その下か上にありますマイクのアイコンに赤い斜線が入り、マイクがオフになっていることを御確認ください。部会の進行中は、皆様のマイクをオフにしていただくようお願いします。御発言される場合には「手を挙げる」ボタンを押していただき、内藤部会長から指名があった後にマイクをオンにしていただき、お名前を名乗っていただいた上で御発言ください。今、皆様のお手元でオフになっているマイクのアイコンから赤い斜線がなくなれば、オンになったということです。御発言が終わりましたら、オフに戻してください。
 なお、会議進行中に音声が途切れる等の通信トラブルが生じた場合は、事前にお知らせしております電話番号まで電話いただくか、Zoomのチャット機能を利用いただき、事務局まで御連絡ください。
 では、本日はよろしくお願いいたします。
○内藤部会長 ありがとうございます。
 それでは、議事に入らせていただきます。カメラ撮影は、ここまでとさせていただきたいと思います。
 議題1の「令和3年度の付加退職金支給率について」に入ります。この件は、3月10日に厚生労働大臣から労働政策審議会宛てに諮問がなされておりますので、事務局から御説明をお願いいたします。
○鈴木勤労者生活課長 それでは、議題1の「令和3年度の付加退職金支給率」に関しまして御説明いたします。お手元の資料1に沿って御説明いたします。資料1を御覧ください。
 1ページ目に、厚生労働大臣からの諮問文をおつけしております。記でございますが、令和3年度の付加退職金支給率を0.0142とすることについて審議会の意見を求めるものでございます。
 内容を御説明します。2ページをお開きください。一般の中小企業退職金共済事業の収支状況の推移という表があるかと思います。今年度の収支状況の見込みについて、取りまとめたものでございます。
 一番右端の欄に令和2年度見込みがあり、上から3つ目の数字、1,649億円が今年度の運用収入の見込みでございます。これを基に計算いたしますと、今年度の収入見込みが5,824億円、支出の見込みが4,614億円、差引当期損益金の見込額は下から2つ目の数字ですが、1,210億円のプラスということになります。今年度の収支の見込みがプラスとなっている背景としましては、良好な市場環境により、委託運用が好調となっていることが考えられます。
 3ページを御覧ください。令和2年度収支見込みの算定についてという別紙がついてございます。3ページは、先ほどの表の算定方法を記載したものでございます。
 従来と同様の算定方法としまして、掛金収入や退職金支出につきまして、11月までの実績に12月から3月までの推計値を加算し、責任準備金はその結果から算出しております。
 運用収入のうち、委託運用部分につきましては、1月までの実績を基に、2月はベンチマーク(市場平均)により、3月はベンチマークの平均値から、2標準偏差分の安全率を加味した堅めの推計を行うという、従来、毎年と同様の推計方法を取ってございます。
 4ページをお開きください。令和3年度の付加退職金支給率という図が出ているかと思います。こうした計算された利益見込額を基にしまして、令和3年度の付加退職金支給率について計算したものでございます。
 今年度の単年度目標額は、目標水準でございます4,400億円と、前年度末の剰余金の水準3,742億円の差を2年で割りました329億円となります。今年度の当期利益見込額は、この329億円の2倍を上回るものでございますので、単純に半額が付加退職金として支給されることとなります。
 したがいまして、4兆2,549億円は仮定退職金総額でございますが、これは掛金納付月数が43月以上の被共済者が当該年度中の計算月に退職したと仮定した場合の退職金額の合計のことでして、これを令和3年度付加退職金支給額である605億円で割ることになってございます。それによりまして出てくる支給率が0.0142となるものでございます。
 1ページ目に戻りますが、この支給率0.0142を諮問させていただくというものでございます。
 併せまして、議題1の関連になりますが、令和3年度の付加退職金支給率に関連する告示としまして、お手元の資料2の御説明をさせていただきたいと思います。
 1ページ目から2ページにかけまして、付加退職金支給率に関連して定める告示の概要を列挙しております。この資料でございますが、例えば1番目の告示ですと、初めに題名がございまして、その後告示の内容を記載しております。告示の一番右下に記載してある括弧内の数字が、その告示で定める数字でございます。
 具体的な告示の内容につきましては、3ページ目以降に図でお示ししておりますので、そちらで告示の概要を御説明いたします。
 3ページ目を御覧ください。1番目の告示は、過去勤務期間を通算する場合の過去勤務掛金の算定方法に関するものでございます。中退共では、共済契約者である中小企業が新規に中退共に加入する際、既に勤務されている従業員の方々の過去の勤務期間分の掛金を最長10年間納めることができます。その過去の勤務期間分を納める際、通常の掛金及び予定運用利回りの増加分に加え、付加退職金の増加分も納める必要がございます。ここでは、その付加退職金の増加分に対応する率を定めてございます。
 具体的には、被共済者の過去勤務期間を通算する年数において、みなし加入月を設定し、そのみなし加入月から、実際にその企業が中退共に加入した月までの期間に応じまして、付加退職金の増加分が決まります。そのため、過去勤務期間が1年であれば何%、最長である10年であれば何%と、過去勤務期間に応じて決めていきます。
 ここでお示ししている例は、令和3年4月に新規に中退共に加入し、過去勤務期間が8年である場合の例でございます。この場合ですと、共済契約者に納めていただく必要があるのは、まず平成25年度以降の8年度分の掛金でございます。その掛金には、遡る年数に応じて、予定運用利回りの増加分に加えまして、付加退職金が支給される年度につきまして、付加退職金による増加分を納めていただく必要がございます。付加退職金は、掛金納付月数が43月を経過したものを対象に支給いたします。
 この例では、みなし加入月以後に付加退職金を支給される年度は、平成26年度、平成27年度、平成30年度、及び、今回お認めいただければ令和3年度ということになりますが、付加退職金は43月以降でないと支給されないので、平成26年度分及び27年度分は支給されないということになります。そのため、平成30年度、及びお認めいただければ令和3年度による付加退職金の増加分を納めていただくことになります。
 この付加退職金による増加分に対応する率を過去勤務の通算期間ごとに定めるものが1の告示でございまして、具体の率は0から0.07の範囲となってございます。一番長い10年では、0.07と率を決めているのが、この告示でございます。
 続きまして、2つ目と3つ目の告示でございますが、両方とも退職金を分割してお支払いする場合に関する率について定めたものでございまして、4ページ目と5ページ目に図をお示ししております。
 まず、4ページ目を御覧ください。退職金を分割支給する場合、一時金として支給する退職金額を、分割支給の期間(5年または10年)に応じ分割し、利回り分も合わせて支給することとされております。分割支給の期間として5年または10年をお選びいただきます。1年に4回支給いたしますので、5年であれば計20回支給することになり、単純に割ると20分の1、つまり1000分の50となりますが、プラス1ということで、1000分の1部分は利回り分ということで位置づけてございます。
 さらに、分割支給額には、利回り分に加え、分割支給期間中に見込まれる付加退職金相当分として、厚生労働大臣の定める率を乗じて得た額を毎回支給することとされており、2の告示はその率を定めるものですが、委託運用を行っている現状におきましては、将来の付加退職金支給を見込めないため、このところ「0」と定めておりますけれども、今年度も「0」とするものでございます。
 続きまして、5ページの3つ目の告示でございますが、退職金を分割支給している被共済者がお亡くなりになるなどした場合、残りの退職金額を一括で遺族等に支給するに当たり、残りの額を現在価値に割り戻す率を定めるものでございます。2つ目の先ほどの告示で、将来の付加退職金に相当する率を「0」とするため、割引率は単純に予定運用利回りである1%となります。
 4つ目以降の告示でございます。企業年金制度などの他の退職金、年金制度から中退共へ資産移管した場合に関するものでございまして、6ページ目と7ページ目に図をお示ししております。
 他の制度から中退共へ移管された資産の取扱いにつきましては、その資産を中退共の掛金納付月数に通算できる場合と通算できない場合がございまして、通算できる場合は残余額を、通算できない場合はその移管額を別に運用しております。その利回りは、予定運用利回りと同じ1%としているところでございますが、付加退職金が支給される場合には、付加退職金に相当する利率を加えることにしておりまして、ここではその利率を何%とするかを定めてございます。
 6ページと7ページの2つのパターンがございますが、いずれにしましても、通算できなかった部分につきまして、付加退職金に相当する利率を決めるものでございますが、付加退職金は年度ごとに定められるものであり、以後利殖しない一方で、別立てで運用する額には、毎年予定運用利回りと付加退職金に相当する利率を加えた利率がかかっていくことになりますので、両者の均衡を図る必要がございまして、付加退職金に相当する利率も0.013としており、付加退職金支給率0.0142より若干小さくなってございます。
 以上、簡単でございますが、令和3年度の付加退職金支給率に関連して定める告示も御説明させていただきました。資料1の付加退職金支給率0.0142を諮問させていただきたいと思っておりまして、これら関連のものも含めて全て御審議のほど、よろしくお願いいたします。
○内藤部会長 ありがとうございました。
 それでは、質疑応答に移りたいと存じます。御意見や御質問等ございましたら、「手を挙げる」ボタンをお手元で押してください。私から指名させていただきます。指名されましたら、マイクをオンにしていただき、お名前を名乗ってから御発言をお願いいたします。それでは、お願いいたします。
 新田委員、どうぞお願いいたします。
○新田委員
 今し方、事務局より説明があった内容は、これまでこの部会で話し合って決定したルールにのっとってやっていくということでありますので、今回のこの案で了承したいと思っております。
 ただ、1点だけ申し上げれば、今回、このように運用実績がよくて、当期損益金もかなりの額の黒字が出ておりますけれども、昨年度を見ますと大幅にマイナスということで、単年度でかなり大きく変動することが改めて確認できたと思っております。以前申し上げたこともあるかと思いますが、予定運用利回りは、参考資料で配られているものを見ますと、例えば平成3年度で6.6%とか、今の1%と比べて大きく状況が違うということであります。こうした中で、この付加退職金というものをどのように考えていくのかということについては、いま一度部会等で整理することが必要ではないかと考えているところでございます。
 最後は、感想というか、意見ということで申し上げさせていただきました。結論は、冒頭申し上げたとおり、今回の内容で了解したいということでございます。私からは、以上でございます。
○内藤部会長 ありがとうございました。ただいまの御意見、事務局でも検討したいと存じます。
 ほかに御意見ございませんでしょうか。
 藤川委員、よろしくお願いいたします。
○藤川委員 ありがとうございます。藤川でございます。
 当初、コロナ禍の関係で運用実績もどうなるかと心配しておったところですが、先ほどもありましたように、付加退職金が支給されるということでありますし、併せまして、この間議論してまいりました4,400億円に向けて、着実に積み立てができているということになりますので、御提案いただきました支給率につきましては、私どもも妥当だと考えております。
 加えまして、先ほどもありましたように、中退共そのものの制度の安定運用ということを第一義に考えるということも必要だと思いますので、これから先の運用も慎重、かつうまくやっていただければと思っております。
 以上でございます。
○内藤部会長 ありがとうございました。
 では、小野委員、よろしくお願いいたします。
○小野委員 ありがとうございます。
 私も新田委員と同じでありまして、付加退職金の算定というのは、前回策定されたルールに基づいていますので、賛成いたします。
 ただ、建退共の予定利回りの設定の際にも申し上げましたけれども、中退共の予定利回り1%というのは、近年の金融資本市場の環境からして、決して低い水準ではないということは御認識いただいておいたほうがよろしいのではないかと思います。
 以上でございます。
○内藤部会長 ありがとうございました。
 ほかに御意見ございませんでしょうか。御意見がほかにございませんようでしたら、それでは、部会として厚生労働省案を妥当と認め、勤労者生活分科会長宛ての報告ということにいたしたいと思いますが、よろしゅうございましょうか。
(首肯する委員あり)
○内藤部会長 それでは、妥当と認めるということで、勤労者生活分科会長宛て報告することにいたしたいと存じます。
 なお、労働政策審議会令第7条第7項によりまして、この部会の議決をもって分科会の議決とすることができ、また同令第6条第7項によりまして、分科会の議決をもって審議会の議決とすることができると定められております。そのため、この報告の内容で厚生労働大臣宛てに答申されることになります。よろしゅうございましょうか。
(首肯する委員あり)
○内藤部会長 では、続きまして、議題2「中小企業退職金共済法施行令の一部を改正する政令案」に進みます。この件は、3月12日に厚生労働大臣から労働政策審議会宛てに諮問がなされておりますので、事務局から御説明をお願いいたします。
○鈴木勤労者生活課長 それでは、議題2の「中小企業退職金共済法施行令の一部を改正する政令案(諮問)」につきまして、お手元の資料3に沿いまして御説明いたします。
 1ページ目には、厚生労働大臣から労働政策審議会会長宛ての諮問文がございまして、2ページには、中小企業退職金共済法施行令の一部を改正する政令案要綱がございます。以下、内容を御説明いたします。
 同じ2ページ、第一の特定業種退職金共済契約に係る退職金額等の改定とありますが、これは4ページにございます、令和2年8月26日の本部会におきまして、財政検証の取りまとめということで、1の建設業の退職金共済制度の(3)、建退共につきまして、3.0%から1.3%に予定運用利回りを引き下げるというものと、3の(2)の①、林退共につきまして、予定運用利回りを0.5%から0.1%に引き下げるというものでございます。これを措置するものでございます。
 施行日につきましては、先ほどの取りまとめにも出てきております、4ページになりますけれども、1の(4)、それから3の(3)で、本年、令和3年10月1日ということにしておりますので、それを措置するものでございます。
 第二の二としまして、退職金に関する経過措置をつけております。3ページでございます。利回り引下げの効果が改正前の期間に及ばないよう、施行日前に既に特定業種退職金共済契約の被共済者となった方が、施行日以後に退職等された場合の退職金の額につきまして、施行日前の分の額を従前の算定方法により算定した額となるように措置するものでございます。
 以上を踏まえまして、諮問させていただきたいと思います。御審議のほど、よろしくお願いいたします。
○内藤部会長 ありがとうございました。
 それでは、質疑応答に移ります。御質問、御意見がございましたら、「手を挙げる」ボタンを押していただけますと幸いです。指名されましたら、マイクをオンにしていただき、お名前を名乗ってから御発言をお願いいたします。よろしくお願いいたします。
 長谷部委員、よろしくお願いいたします。
○長谷部委員 長谷部でございます。
 一点、要望させて頂きたいことがございまして、今回の施行令の一部改正に関する政令の要綱につきまして、3月10日から、既にこの改正に関する意見募集、パブリックコメントの募集が開始されておりますが、この部会等に関係するパブリックコメントの募集等が開始されたということであれば、各委員に意見募集が開始されているという御案内をいただけると、状況認識等ができて助かりますので、情報共有につきまして事務局のほうにぜひお願いしたいと思います。よろしくお願いいたします。
○内藤部会長 ありがとうございました。
 事務局のほうから何かございましょうか。
○鈴木勤労者生活課長 分かりました。そういった御案内をさせていただきたいと思います。恐縮でございます。
○内藤部会長 事務局のほうでも取り計らうとのことでございます。
 ほかに何かおありでしょうか。御質問ございましたら、ぜひ「手を挙げる」ボタンを押していただきたいと存じます。よろしゅうございましょうか。
 それでは、部会として厚生労働省案を妥当と認め、勤労者生活分科会長宛ての報告とすることにいたしたいと思いますが、よろしいでしょうか。
(首肯する委員あり)
○内藤部会長 それでは、妥当と認めるということで、勤労者生活分科会長宛て報告とすることにいたしたいと存じます。
 なお、先ほどの議題1と同様に、この報告の内容で厚生労働大臣宛て答申されることになります。ありがとうございました。
 それでは、議題の3「累積欠損金解消計画について」に進みます。事務局から御報告をお願い申し上げます。
○鈴木勤労者生活課長 それでは、「累積欠損金解消計画」につきまして御説明させていただきます。資料4でございます。昨年11月に、勤労者退職金共済機構におきまして、累積欠損金解消計画を見直し、策定し直したものでございます。厚生労働省に提出されましたので、この計画の内容を御報告いたしたいと思います。
 まず、1ページの1の策定の経緯を御覧ください。林退共の累積欠損金につきましては、平成8年度末に計上した後、平成16年度末には16.5億円となりました。このため、勤労者退職金共済機構におきまして、平成17年10月に累積欠損金解消計画を策定し、令和4年度で累積欠損金の解消を図ることを目指して取り組んできておりましたが、近年の新発国債利回りの低下等により、令和元年度末における累積欠損金2.7億円の目標に対しまして、実績は7.0億円と、計画の進捗が遅れておりまして、解消の年限であります令和4年度末までの解消は難しい状況にございます。
 平成30年2月に、厚生労働省から勤労者退職金共済機構に示しました第4期中期目標におきまして、「平成31年度までに行われる予定の財政検証の結果を踏まえ、機構が平成17年10月に策定した「累積欠損金解消計画」の見直しを財政検証終了後9か月以内に行い、見直し後の解消計画に沿って着実な累積欠損金の解消を図ること」とされておりますが、昨年8月26日の中退部会におきまして財政検証が取りまとめられたことにより、機構において、従来の累損解消計画を見直し、改めて策定し直したものでございます。
 2ページの2の累損解消計画を御覧ください。
 まず、(1)の計画の前提でございますが、令和3年10月に利回りを0.5%から0.1%に引き下げること。それから、計画期間は、令和2年度から30年度までの29年間とすること。掛金収入、退職金支出、責任準備金、運用利回り等の推計値は、中退部会の財政検証における推計値を用いること。その3つの前提を置いております。
 したがいまして、(2)の累積欠損金解消目標額につきましては、昨年の8月26日の中退部会において、財政検証として取りまとめられたものの根拠となった数字と同じとなります。具体的には、5ページの別表に中退部会の財政検証のときの数字をきれいに整理しているというものでございます。
 2ページにもう一度お戻りいただければと思います。(3)で、累積欠損金解消のための機構が取り組む施策でございます。具体的には、①の積極的な加入促進、②の健全な資産運用、③の業務費用の削減の3つを掲げておりまして、特に①の積極的な加入促進につきましては、被共済者数を維持し、掛金収入を確保していくことが、累積欠損金の解消に必要な運用収入を得る上で極めて重要だということでございまして、全国一律のこれまでの加入促進対策に加えまして、機構が主体となって取り組む施策と、林野庁、林業関係団体等との協力を得て取り組む施策に分けて記述してございます。
 アの林退共が主体となって取り組む施策としまして、各地域の林業関係者へのヒアリング等を通じて、地域の実情に応じた加入促進対策を講じること。被共済者数が一部の地域に偏在しており、これらの地域に加入促進を重点的に実施することということが記載されております。
 また、イの林野庁、林業関係団体等の協力を得て取り組む施策としまして、林野庁の実施する「『緑の雇用』新規就業者育成推進事業」「緑の青年就業準備給付金事業」「多様な担い手育成事業」を活用して、引き続き加入促進を図ることとしております。
 ②の健全な資産運用につきましては、既に実施済みではございますが、委託運用の金額について、中退共と合同運用ということで、1億円増額しているところでございます。
 4ページの③業務費用の削減につきましては、勤退機構本部、それから支部の経費、合わせまして1,000万円程度を削減するというものでございます。
 最後に、(4)でございますが、経済情勢の変化や目標達成の進捗状況等を踏まえ必要な見直しを行うというところでございます。
 以上が計画の内容でございまして、その御報告ということでございます。よろしくお願いします。
○内藤部会長 ありがとうございました。
 それでは、質疑応答に移ります。ただいまの御報告につきまして御意見、御質問ございましたら、「手を挙げる」ボタンでこちらにお知らせください。マイクをオンにしていただき、お名前を名乗ってから御発言をお願いいたします。どうぞ、御質問ございましたら。
 高木委員、どうぞ御発言ください。
○高木委員 ありがとうございます。
 私からは2点あります。ひとつ目は、今指摘したところで余り建設的ではないと思うのですが、過去の取り組みについてお伺いしたいと思います。林退共ですけれども、頂いた資料によると、平成8年は約3億円の赤字だったものが平成16年には約16億円の赤字になっているということで、これは短期間にかなり大きい、無視できない数字になっていると思うのです。しかし、ここまで赤字が大きくなる前のもう少し早い段階で、なぜ、この累積欠損金の解消を図るための計画というものがなされなかったのか、という疑問がございます。手つかずで、この間過ごしてしまったということが、通常のことなのかどうか。それを少しお伺いしたいと思います。
 2点目ですけれども、当然、累積赤字の解消のために、掛金の収入を安定化させるということが大変大切だと思うのですが、資料には、林退共が主体となって取り組む施策であるとか、林野庁、林業関係団体の協力を得て取り組む施策というものが書いてありますが、このくらいの、という言い方をしたら失礼なのですけれども、こういった取り組みぐらいで被共済者数を促進させることができ、本当に掛金の収入を安定させることに結びつくのかということを、改めて問いたいと思っています。
 この2点です。お願いします。
○内藤部会長 ありがとうございました。
 それでは、事務局から何か御回答ございましたら、お願いします。
○鈴木勤労者生活課長 まず、1点目、累積欠損金がこの期間、急激に増加しました。この間、金融情勢がかなり急速に悪化して、逆ざやとなっていたところがあったものですから、このように急速に増えてしまった。それに基づいて、平成17年に累積欠損金解消計画を策定して一生懸命取り組もうということになったところでございます。
 それから、対策の関係ですが、まず、林退共が主体となる施策のところでございますけれども、まだ地域によっては林退共に加入していないような、結構隙間があるようなところがございます。それから、林野庁と協力しながら施策をやらないとうまくいかない部分もあるかと思います。息の長い計画ですので、それぞれの実績や状況を見ながら、いろいろな施策を考えていかざるを得ないのかなと思ってございます。
 また、地方自治体でもいろいろな施策をやっていますので、そういった情報も収集しながら、できるだけ頑張っていきたいと考えてございます。
○内藤部会長 ありがとうございました。
 高木委員、いかがでいらっしゃいましょうか。
○高木委員 分かりました。
 当初の計画で令和4年に解消予定だったものがままならなかったということは、経済情勢が非常に関係しますので、分かるところです。ただ、もう少し前倒しの計画というか、解消計画というものがなされたら、本来的にはよかったのではないかと思いましたので、少し意見をさせていただきました。
 ありがとうございます。
○内藤部会長 ありがとうございました。
 ほかに御意見ございませんでしょうか。よろしゅうございましょうか。
 では、ほかに御意見、御質問がないようでしたら、最後に、参考資料3として添付されております資産運用委員会の議事要旨につきまして、事務局より簡単に御説明をお願いいたします。よろしくお願いいたします。
○鈴木勤労者生活課長 参考資料3につきまして御説明いたします。
 こちらにつきましては、勤労者退職金共済機構の資産運用委員会の令和2年度第3回から令和2年度第7回までの議事要旨をお配りしています。議事要旨につきましては、毎回、参考資料としてお配りしておりまして、これは機構の資産運用委員会の議論が中退部会にも関係しており、連携を図るためでございます。
 ポイントでございますが、まず、7ページの第4回におきまして、先ほどから何回も出ておりますけれども、令和2年8月の中退部会の財政検証の取りまとめについて資産運用委員会の場で私から報告しました。
 それから、第4回以降において、建退共につきまして、今回利回りを3%から1.3%に引き下げることに伴い、資産配分、つまり基本ポートフォリオの見直しについて議論しているというものでございます。
 また、30ページの第7回からは、一般中退の基本ポートフォリオについての議論がございます。勤退機構において見直してから5年を経過しているところ、国内の金利も低下傾向ということで、必要となる利回りと期待収益率に若干の乖離があるということで、見直しに向けた検討の議論が始まっているというものでございます。
 大部の内容で恐縮ですが、主な内容としては以上でございます。
○内藤部会長 ありがとうございました。
 それでは、ただいまの御説明につきまして御意見、御質問がございましたら、同じように「手を挙げる」ボタンでお示しください。指名されましたら、マイクをオンにして、お名前を名乗ってから御発言をお願いいたします。どうぞ、何か御質問、御意見がございましたら、よろしくお願いいたします。
 小野委員、よろしくお願いいたします。
○小野委員 ありがとうございます。小野でございます。今の御説明というのは、私からお願いした経緯がありますので、若干コメントさせていただきたいと思います。
 建退共では、資産運用のポートフォリオを検討する際に、議事要旨にもありましたけれども、必要な利回りという概念を導入しまして、その設定を議論していると承っております。必要な利回りは、基本的には予定運用利回りと一致するということですが、恐らくそれが一致していないということだろうと思います。
 その原因としては、加入期間と加入期間を満たすために必要な就労期間とが乖離していること。それから、未請求者が存在していること。それから、加入の間にブランクの期間、加入していない期間があった場合、この期間には利息がつきません。つまり、再加入するまでの期間の存在などが影響しまして、これらの期間には利息をつける必要がないということで、責任準備金は予定利率どおりに増加しないという現実を資産運用に反映すべきだということだろうと思います。
 中退共は、基本的には、被共済者の多くは正規の労働者だと思いますので、建退共ほどではないにしろ、予定利回りと必要な利回りとは若干異なるのではないかと思います。それは、未請求者がある、あるいは企業を移った場合の通算というのはするわけですけれども、移る間の空白の期間というのは利息がつかないといったことです。毎年度の剰余金や不足金が出てきますけれども、この辺りは当期損益という形で表されますが、その発生要因分析を行った上で、資産運用に反映してよい要因と、そうでない要因というのを区別して、必要な利回りを検討していくという必要もあるのではないかと考えております。
 以上でございます。
○内藤部会長 ありがとうございました。
 ただいまの御意見は、事務局から何かございますか。
○鈴木勤労者生活課長 小野委員に解説までしていただいて恐縮でございます。
 建退共につきましては、1年分の手帳を更新するのに平均的に1年以上かかりまして、そういった影響が大きく出るので、予定運用利回りと必要な利回りの乖離があるということで、それらも含めてちゃんと見ていこうということでございます。中退共については、基本的には、必要な利回りと乖離は生じないのかなと思っておりますが、資産の運用状況等を見ながらきちんとやっていくということでございます。
 小野委員、私が本来説明しなければいけないところまで御説明いただきまして、本当にありがとうございます。
○内藤部会長 ありがとうございました。
 それでは、ほかの委員から何か御質問、御意見ございませんでしょうか。
 どうぞ、清水委員、お願いいたします。
○清水委員 ありがとうございます。
 今回、参考資料で、このように資産運用委員会の議事要旨をお配りいただいたことで、運用面においても運用委員の皆様方が非常に細かく議論していただいているということが分かり、その点については大変安心いたしました。引き続き、細心の注意を払い、手堅く、安全に、リスクが少なく運用していただきたいと思います。
 ありがとうございました。
○内藤部会長 御意見ありがとうございました。
 ほかに何か御意見、御質問ございませんでしょうか。
 長谷部委員、お願いいたします。
○長谷部委員 長谷部でございます。
 資料の御提示いただきまして、ありがとうございます。ちなみに、今後の資産運用委員会のスケジュールがもし分かれば教えていただきたいので、よろしくお願いいたします。
○内藤部会長 ありがとうございました。
 事務局から何かございましたら。
○鈴木勤労者生活課長 資産運用委員会のスケジュールでございますが、現在、ポートフォリオの議論が進んでおりますので、それらの状況を見まして、皆様にも情報提供させていただきたいと思います。
○内藤部会長 いかがでしょうか、長谷部委員。よろしゅうございましょうか。
○長谷部委員 ありがとうございます。
 次回の運用委員会の会議の日程とかは決まっていらっしゃるのでしょうか。
○内藤部会長 どうでしょう、事務局。
○鈴木勤労者生活課長 本日開催していまして、最近の傾向だと2か月に1回ぐらいの頻度で開催されている状況でございます。
○内藤部会長 ありがとうございました。
 どうも本日、違う場所で開催されているということらしいので、その次はまだということのようでございますが、よろしゅうございましょうか。
○長谷部委員 ありがとうございます。
 引き続き、資産運用委員会の状況等を含めまして、必要な情報を随時御提供いただければと思いますので、よろしくお願いいたします。
○内藤部会長 ありがとうございました。
 ほかに御質問、御意見ございませんでしょうか。ほかに御意見、何かございませんようでしたら、本日の議題につきましては御意見が出尽くしたと思われますので、この部会はこれで終了とさせていただきたいと存じます。
 事務方の御連絡がございます。審議会終了後に、例年、労働者側の代表委員と使用者側代表委員の双方から1名ずつ御署名をお願いしておりましたが、令和2年12月25日付で労働政策審議会運営規程が改正されまして、議事録への署名が不要となっております。ここで御報告申し上げます。
 それでは、お忙しい中、御参集くださいまして、ありがとうございました。本日は、これにて散会といたします。皆さん、どうぞ退出ボタンにて御退出を願います。
 それでは、御参集ありがとうございました。失礼いたします。