令和2年度 生涯現役促進地域連携事業情報交換会

・開催日時:令和3年1月28日(木)14時~17時                      ・参加団体:60団体(うちグループディスカッション参加団体:52団体)

事例発表

事業実施中の4団体から取組発表。

・「徳島県における生涯現役促進地域連携事業」(徳島県)
徳島県 事例発表資料

・「ITリテラシの向上促進による高齢者支援」(茨城県取手市)
取手市 事例発表資料

・「人生後半の生きがい探しに NEXTライフワークプロジェクト」 (静岡県静岡市)
静岡市 事例発表資料

・「仕事の切り出しや地域特性を活かした就労への取組 「潜在力」を「活かす」」 (愛媛県松山市)
松山市 事例発表資料

グループディスカッション

 4つのグループに分けてディスカッションを行いました。
 ディスカッションの中で共有された取組例や運営の工夫等は次のとおりです。

1.協議会の認知度向上

○ コロナ禍の現状においては、企業訪問が断られるケースがある。訪問が難しい中、郵送による
 簡単なアンケートからアプローチをしていく方法が効果的。
  方法としては、まず、人材不足がないか等企業の状況についてのアンケート、返信用ハガキ及
 び当該地域の生涯現役促進地域連携事業を紹介するパンフレットを郵送。コロナ禍の影響もあ
 り、行政機関等が発信する情報については企業の関心も高く、回答状況も比較的良い。
  その後返信のあった企業にアプローチをかけると、スムーズにアポイントメントを取ることが
 できる。電話などでいきなりアプローチをするのではなく、企業側のアクションを織り交ぜなが
 ら、関係を築いていくとよい。

○ マスメディアをうまく活用して協議会の認知度を上げていくことは効果的だが、併せて、撮影
 の際にシニア求職者の顔が映り込む場合は事前に確認をとるなど、プライバシーへの配慮が重
 要。

2.マッチングや仕事の切り出し手法

○ コロナ禍における企業と高年齢者のマッチングのあり方については、対面とオンラインの双方
 を活用すべき。
  対面型については、感染リスクへの不安やそれに伴い高年齢者の参加が遠のくといった懸念
 について、決めつけすぎることがないよう、ニーズ把握と感染防止対策をとったうえで、対面型
 セミナー等も実施していくとよい。
  併せて、オンラインについても、コロナ禍の長期化が見込まれることや、遠隔地からも参加で
 きるオンラインならではの利便性も考えれば、今後も工夫を凝らし、磨いていく必要がある。
 
○ オンラインと対面の併用例 
  オンラインでいくつかの企業による短時間のプレゼンを行い、高年齢者にプレゼン内容に
 関するアンケートを実施。その結果から高年齢者の興味関心事項を収集し、後日、支援員が
 個別に高年齢者へのフォローを行うプロセスで、実際の就労や社会参加につなげた。

○ 対面型セミナーの活用例
 ・ 対面型セミナーで会場が密になる場合には、企業の方が撮影したビデオを配信する
 ・ 職場の雰囲気を知ってもらうために、既に就労しているシニア就業者によるビデオメッセー
  ジを撮影し配信する
 ・ 対面型セミナーに参加された方に対し、その場でオンラインセミナーへの参加の仕方(簡単
  な手引きなど)を共有する  等

○ 企業側に業務の切り出しをしてシニアを採用してほしいというお願いをすると、シニアの作業
 スピードに不安がある等を理由に躊躇されるケースがあるが、まずは請負で業務を発注して
 いただき、企業側とシニア側とでお互いに理解を深め、互いの意思が一致すれば、雇用に切り
 替えていくアプローチも効果的。

○ 介護事業者にアンケートをとり、シニアの就労の実態や働き方についての事例を収集し、アン
 ケート結果を共有することで、同業の他の事業者の取組を参考にして、取り組みを進めようとい
 う動きが生まれた。

○ 企業や施設に訪問して現場の方とのきめ細やかなコミュニケーションを図りながら、時間をか
 けて地道に高年齢者向けの仕事内容を切り出していくことが確実な取組。

○ 窓口に来所された高年齢者の方には、できるだけその場でどういった働き方をしたいのか、働
 くことに対してどのようなイメージを持っているか等を丁寧に聞き取りすることでミスマッチ防
 止に努めた。

○ コロナ禍だからこその仕事の創出事例として、例えばマスクが不足した場合に自宅でマスク作
 成を行うなど、在宅でできる仕事を市区町村が予算化をすることで、新たな仕事を創出し就労に
 繋がった。

○ コロナ禍におけるセミナー・面接会等の取組例
 ・ 検温、消毒等のほか、完全予約制、事前登録制を実施
 ・ 配布するチラシの裏面にコロナ対策について記載し、状況に応じて保健所と連絡をとり調整
  ・対応する旨のアナウンスを実施
 ・ 広い会議室で間隔をあけた配置とするほか、参加者には同意書の記載を依頼  等

○ 過去のセミナー参加者が記載したアンケートの回答内容をもとに、電話等で現在の状況・希望
 等を詳細に聞き取ることで、高年齢者のやりたいこと等の把握を行い支援につなげている。

○ 高年齢者の最初の相談時にこれからの働き方等についての「人生設計書」を記載してもらい、
 専属職員がその設計書を基に企業にアプローチを行うことにより高年齢者のニーズに沿った支援
 を行うことができており、適宜、ハローワークやシルバー人材センターに取り次ぐなど丁寧な対
 応を行っている。

○ 面接会、セミナー等の開催時は、参加している企業だけではなく、他の企業も含めた求人情報
 等を会場に張り出し、幅広い企業に目を向けてもらうことで、高年齢求職者の関心やニーズの把
 握に努めた。

3.高年齢者のITリテラシーの向上等

○ 高年齢者のオンラインツール活用促進にあたっては、いきなり就労セミナーをZoomで行う
 ことはせずに、「Zoomを使ってみる」「スマホ教室をとおしてZoomを知る」というように、
 まずはツールに慣れてもらうことが重要。

○ オンラインツール活用促進のポイント
 ・ 自治体の広報誌を十分に活用し、Zoomという言葉のみ知っている方や、家族の方の目に
  とまることで集客力が強まる
 ・ 最初から「オンライン就労セミナー」を開催することを避け「スマホ教室」や「スマホの使
  い方」などコンテンツ設定を工夫して身近なものから関心を持ってもらうことが重要

○ 高年齢者がオンラインツールに対して感じる難しさを払拭するため、簡単に参加できること
 がわかるマニュアルや手引き、ガイド等を作成・配布することで、オンラインでの就労セミナー
 等への参加促進に成功している。

○ 事業所向けのセミナーでZoomの活用を行ったところ、Zoomを活用した受講希望が多くあり
 効果が感じられた。