2020年12月23日 第26回食品衛生管理に関する技術検討会 議事録

日時

令和2年12月23日(水) 13:30~16:30

場所

AP虎ノ門 11階(C+D室)

議題

  1. (1)食品等事業者団体が策定した衛生管理計画手引書案の確認
    • バターの製造
    • クリームの製造
    • チーズの製造
    • 水産加工品の製造
    • 焼肉店向け
  2. (2)その他

議事

議事内容
○事務局 それでは、定刻になりましたので、第26回「食品衛生管理に関する技術検討会」を開会いたします。
 本日、司会を務めさせていただきます、医薬・生活衛生局食品監視安全課の小野澤と申します。どうぞよろしくお願いいたします。
 本日は、新型コロナウイルス感染症の感染拡大防止の観点から、ウェブ会議を併用する形で開催させていただきます。
 まず初めに、本日の出席状況ですが、池田構成員、斉藤構成員、関根構成員から御欠席の連絡をいただいております。
 また、オブザーバーとして、国立保健医療科学院の温泉川上席主任研究官と農林水産省食料産業局食品製造課食品企業行動室の大熊室長に御出席いただいております。
 本日は、食品等事業者団体が策定した衛生管理計画手引書案についての審議をさせていただきます。
 会議等のペーパーレス化の取組といたしまして、資料は昨日の4時までに電子媒体で厚生労働省ホームページに公表させていただいております。
 それでは、議事に入る前に、本日の資料を確認いたします。本日の資料ですが、
 資料1 HACCPの考え方を取り入れたバター製造の衛生管理計画作成のための手引き(案)
 資料2 HACCPの考え方を取り入れたクリーム製造の衛生管理計画作成のための手引き(案)
 資料3 HACCPの考え方を取り入れた衛生管理のための手引書<ナチュラルチーズ製造事業者向け>(案)
 資料4 HACCPの考え方を取り入れた衛生管理の手引書(小規模な水産加工業者向け)(案)
 資料5 焼肉店向けHACCPの考え方を取り入れた衛生管理のための手引書(案)
 参考資料としまして、
 参考資料1 食品衛生管理に関する技術検討会 開催要領(令和元年7月1日改正)
 参考資料2 食品等事業者団体による衛生管理計画手引書策定のためのガイダンス(第3版)
 資料等の確認ができない方はいらっしゃいますでしょうか。
 また、ウェブで御参加いただいている構成員の方にお願いがございます。御発言する際は、挙手またはチャットでその旨をお申し出ください。また、御発言以外の際は、お手元のパソコン等の音声をミュートにしていただくようにお願いいたします。
 それでは、以降の進行につきまして、五十君座長にお願いいたします。よろしくお願いいたします。
○五十君座長 皆さん、こんにちは。
 それでは、「食品等事業者団体が策定した衛生管理計画手引書案の確認」から始めたいと思います。本日は遠隔と会場の併用での開催ですので、通信状況等、悪いこともあるかもしれませんが、御協力よろしくお願いします。
 確認の進め方ですが、手引書案を作成した事業者団体様から10分程度で説明していただいた後、構成員の皆様より10分程度の質疑応答をお願いしたいと思います。時間が超過しそうな場合は途中でお声をかけさせていただきますので、議事録に皆様の御意見を残すために、質問の概要のみ御発言いただき、詳細につきましては後ほど事務局にコメントとして御連絡いただく形で進めたいと思います。
 それでは、事務局より説明願います。
○事務局 それでは、資料1を御覧ください。一般社団法人日本乳業協会様が策定したHACCPの考え方を取り入れたバター製造の衛生管理計画作成のための手引き(案)です。この手引書案は、団体様のほうから厚生労働省に対し、記載内容についての御相談があり、本年7月29日に事前の意見交換を行い、構成員の先生方に内容を確認していただいたものです。本日は、事前の意見交換を踏まえて修正した手引書案について、団体から御説明いただきます。
 それでは、手引書の内容等について、10分程度で説明していただきます。団体様、準備ができましたら、よろしくお願い申し上げます。
○(一社)日本乳業協会 改めまして、一般社団法人日本乳業協会常務理事をしております滝本と申します。どうぞよろしくお願いいたします。
 私の右隣におりますのが生産技術部の佐々木部長でございます。今日は、この2人から説明させていただきたいと存じます。
 我々、一般社団法人日本乳業協会でございますけれども、全国の乳業メーカーをまとめる業界団体でございまして、2000年に厚生労働省と農林水産省の共管団体として設立されて、2011年に一般社団法人化されております。我々協会の会員でございますけれども、主に大手・中堅どころの乳業メーカーでございますけれども、19社の会員。それから、全国の都道府県に牛乳協会がございまして、44の都道府県協会からなっております。47でないのは、四国が1つの団体になっておりますので、その差で44の都道府県協会、それから3つの団体が会員になっております。
 したがいまして、我々の19社は、マル総等々でHACCPはこれまで20年以上取り組んでおりますけれども、特に都道府県協会の下の会員、我々から言うと孫会員みたいな形になるのですけれども、そういったところに今回の手引書の対象となる小規模の事業者がいるというイメージを持っていただければと思います。
 我々のほうも、今回、この手引書を作成するに当たり、業界の規模がどれぐらいなのかということはアンケート調査をしております。まだ最終的な数字は固まっていないのですが、その中間的な数字を申し上げますと、全体で事業者数が今までのところ344事業者ほどございまして、そのうち、今回、50人以下のところを小規模事業者と定義づけられておりますけれども、それに該当するのが162事業者。パーセントで言うと47%ぐらいになります。まだ回答を寄せていないところがありますが、恐らく我々の会員のうちの半分ぐらいが、この小規模事業者に該当するような形になるのではないかと考えております。
 大手・中堅どころは、先ほど申し上げたマル総の導入等々で、既にこれまでHACCPに対して取り組んでおるのですが、そのほかの小規模事業者の取組状況といたしましては、学校給食の牛乳の入札要件でマル総要件というのがこれまでもありましたから、そういう関係で取られている方がいると思うのですけれども、全体で見ると、小規模事業者のうち34事業者、20%ぐらいの小規模事業者がマル総を取得しています。
 それから、マル総だけではなくて、自治体HACCPは同じぐらいの取組状況ということになっておりますので、小規模事業者のうち半数以上は、そういったHACCPの認証を取っていない、取り組んでいないという現状がございます。そういった方々には、今回のこの手引書が来年6月以降、1つの道しるべになるのかなと考えております。
 それから、もう一つの特徴として、複数の品目を製造しているということがあります。大手はもちろんそうですが、小規模であっても、複数の製品を手がけているところもかなりあるということでございます。単品だけ、例えば牛乳だけつくっているところは4割ぐらいで、残りの6割は、それに加えてチーズをつくっていたり、発酵乳をつくっていたり、あるいはバター、クリームをつくっていたり、中には5種類、6種類のジャンルの製品をつくっているところもありますので、そういう意味では、今回、いろいろな乳業関係の団体が手引書をつくられていますけれども、受け取る側にとってみると、いろいろな手引書が存在していて、現場は少し混乱するのかなと考えています。
 我々のほうでは、2019年3月に牛乳・乳飲料の手引書を既に公表しておりますけれども、今回、バター、クリームということで手引書を作成いたしましたので、少なくとも我々が持っている手引書については、現場で混乱が生じないように、牛乳・乳飲料の手引書についても、今回、これを認めていただければ、若干平仄が合っていないところもありますので、それについては整合して、牛乳・乳飲料の手引書についても改定させていただければなと考えております。
 それから、内容に入る前にもう一点申し上げますと、マル総が今回廃止されることになりました。したがって、これは大手もそうなのですが、厚生局による査察も入らない。大手は、いろいろ国際認証とかを取っておりますので、そのほかの査察等が入るのですが、マル総しか取っていないところは、言うなれば外部の客観的な監査の機会がこれからなくなるわけでございまして、今あるHACCPの取組状況をいかに維持し、向上していくのかということが、我々協会にとっても、あるいは業界全体にとっても課題になるのかなと考えておりますので、このあたりについては、厚労省をはじめ、自治体や関係者の御協力を今後とも賜らなければいけないのかなと考えておるところでございます。
 それから、今回の手引書に基づきまして、現地確認のための検証を隣の佐々木部長のほうが北海道等に赴きまして確認しておりますので、その内容につきまして、私の説明の後に補足的に説明させていただければと考えております。
 では、早速、バターの手引書の、特に前回、事前の意見交換会で委員の先生方から御指摘を賜りました部分について改定しておりますので、その点を中心に御確認いただければと思います。
 まず、2ページ目、「はじめに」というところでございます。
 第2パラグラフでございますけれども、今回のこの手引書の対象としているバターについての乳等省令上の定義、あるいは成分規格を引用して定義づけを行っております。
 それから、その次の行にありますけれども、この手引書の対象としているのは、従業員数50名未満の規模の施設ということでございます。
 その次のパラグラフも改定しておりますけれども、構成員の先生方から、原案では連続式の加熱殺菌の方法だけ記載しておりましたけれども、現場ではバッチ式もかなりあるのではないかということでございました。実際、現地に確認してみますと、バッチ式でやっているところもかなりあるということが確認されましたので、この手引書の中でも、小規模事業者の実態を踏まえて低温長時間(LTLT)殺菌、加熱条件としては保持式で65度30分としておりますけれども、これも加えた形での手引書の形に改定しております。
 それから、2番目、「製品、製造工程の概要の確認」ということでございます。有塩バターを今回例示として挙げておりますけれども、これは一例ですということをきちんと明記したほうがいいという御意見がございましたので、3ページの下にありますとおり「上記製品概要は一例です」。同様の改定を4ページ目の下段の※印のところにも「上記製造工程図は一例です」という注釈を入れました。
 発酵バターとか手造りバターみたいに、超小規模でやっているようなものも念頭に置いた手引書にすべきではないかという御意見もいただきました。発酵バターということになると、危害分析も一からやらなければいけないということもございますので、このバターの手引書の次回の改定時には、そういったものも例示に含めるとか、あるいは本当の小規模、2人3人でやっているような事業所を念頭に置いたものも盛り込むような形で今後検討していきたいなと考えております。
 それから、5ページ目からが「製造工程における危害要因と対応する管理対策」ということでございます。
 改定いたしましたのは、6ページ目、アレルゲンのところを「混入」と言っておりましたけれども、「交差接触」という文言に変えております。
 それから、エンテロトキシンは耐熱性が高いということを明記すべきではないかということがございましたので、6ページ目の生物学的危害要因の3行目、「この毒素は耐熱性が高いため殺菌工程では分解できない特徴があります」ということも追記いたしました。
 それから、7ページ目、化学的危害要因のところですけれども、第2パラグラフ、特にアフラトキシンについての御指摘がございました。もう少し具体的に、どのように管理しているのかということをしっかりと明記すべきであるということから、この5行を追記させていただきました。餌由来のアフラトキシンM1については、農水省で指導基準・管理基準を設定し、含有濃度のモニタリングを行っていますということ。それから、業界団体でも、しっかりと飼料の管理が行われていることを検証する意味で、乳中のアフラトキシンM1をチェックしておりますので、そのことを明記させていただきました。
 アフラトキシンについては、昔は日本では産生されないだろうと言われていましたけれども、今、国内でもアスペルギルスが生育していることもございますので、これは輸入飼料に限らず、国内での餌の管理も重要になってくるのかなと考えておりますので、一定程度の検証は今後とも必要なのかなと考えてございます。ただ、これを手引書の対象となるような小規模事業者がやるということは現実的ではありませんし、それから、食品の安全性はファーム・ツー・テーブルでそれぞれの段階で責任を持ってやっていただくという原則からすると、生産段階でやるのが適切かなとも考えておるところでございます。
 それから、次の8ページ目から「一般衛生管理事項」になります。
 (1)施設・設備の清掃、洗浄やメンテナンスのところにCIPの記載がございましたけれども、小規模ですとCIP工程のない洗浄もございますので、製造機器の洗浄を手作業で行っている工程では、洗浄作業手順書を作成して作業を標準化することが必要ですということを書いております。
 それから、下から2つ目の○に測定機器の校正とあります。期間とか校正の方法について具体的に記載してはどうかということで、この3行を追加しております。例として、年に1回程度、定期的な校正が必要。校正の方法については、標準温度計を使用する方法、あるいはキャリブレーターによる方法、あるいは専門業者に委託する方法。前回の打合せの中で、0・100でやってもいいのではないかという御意見がございました。我々のほうでも検討いたしましたが、少し誤差が気になるなという意見もございまして、ここでは採用しないことにいたしました。
 それから、10ページ目、(8)食品取扱者の衛生管理、教育・訓練でございます。実施記録をしっかりと保管しておくことが必要ですということもございましたので、一番下にその旨、追記しております。
 11ページ目からが実際の「衛生管理計画の作成と記録」ということで、その例示を示しております。
 まず、12ページ目、(1)一般衛生管理の計画です。この中では、特に実施内容のところを「一定日ごとの確認」としておりましたが、できるだけ具体的に書いたほうがいいのではないかということで、施設の周辺あるいは機器等からの食品接触面への汚染防止の確認等々は、月1回といたしました。その他のところは、一定日ごとの確認としております。小規模事業者ですと、毎日製造するのではなくて、1週間に1日であったり、2日であったり、ばらばらですので、ここを具体的には書きにくい。それぞれの小規模事業者の製造実態に合わせて記入していただければと考えております。
 それから、ずっと参りまして、15ページの測定機器の校正のところも「殺菌装置の流量計」というものを追加いたしました。
 それから、記録様式のところの作成日とか実施日、確認日がごっちゃになっていましたので、そこは整理させていただきました。
 あとは、ちょっと飛びますけれども、24ページ目からが(2)作業手順書例です。マル1のCIP洗浄作業手順書、作業前の手順で、イに「清水」という言葉を使っております。水の呼び方をきちんとしたほうがいいのではないかということで、ここでは「清水(飲用に適する水)」。これは、洗浄に使ったりする水は、必ずしも水道水とは限らないということで、このような言葉を使わせていただいております。
 最後に、参考資料として危害要因分析表を別添でつけておるところでございます。
 基本的に、厚労省のガイダンスになるべく順序立てて反映するような形で構成しておりますので、冒頭申し上げましたように、もし今回、お認めいただければ、牛乳・乳飲料のほうもこれに倣ったような改定を考えたいと考えております。
 それでは、実際、この手引書を使った検証の報告について部長より申し上げます。
○(一社)日本乳業協会 改めて自己紹介いたします。日本乳業協会、生産技術部の佐々木でございます。よろしくお願いいたします。
 今、滝本常務のほうから説明いただいた内容です。前回、7月に検討会をして、構成員の皆様方、それから厚労省さんのほうからいろいろと御指摘、御指導あった部分で、一部改定した部分をもちまして、北海道の小規模なバター事業者さんのほうに、手引書の説明と、理解しやすいかどうか。それから、併せまして、各事業者さんの製造機器の使用の実態等々をヒアリング及び実地検証してまいりました。
 前回からの改定の一番大きな変更点でありますバッチ式殺菌の追加というのは、委員会の御指摘もあったのですけれども、私どもは実際現場を見る中で、バッチ式殺菌が圧倒的に多い。正確に言うと、私が行ったところは全部バッチ式殺菌というのがはっきりしました。これは、小規模事業者さんは、受け入れる処理乳が少ない。その中でクリームと申しますと、8%から10%という少量になります。そうなってくると、連続殺菌にはかからない乳量になりますので、これはある意味当然かなと我々も納得いたしましたので、特に小規模事業者さん向けのバター、クリームにつきましては、バッチ式殺菌のほうを1番に持ってきまして、手厚く説明したというのが結果でございます。
 もう一点、温度計の校正の話がございました。これも委員の皆様のほうから、機器の校正方法の明確化を御指摘されたのですけれども、実際、私、現場を回っている中で、測定機器の校正という意識はかなり低かったというのが率直な印象でした。ですから、そういう部分では、測定機器の校正の方法もさることながら、手順書を基に校正の頻度を皆さんに周知していきたい。他の食品は分からないですけれども、私どもの乳製品というのは微生物的に非常に不安定なものだと承知しておりますので、HACCPプランというか、CCPを厳格に。そのよりどころとなる測定機器の校正というのは、正確を期さなければいけないということで、このような改定の内容とさせていただきました。
 以上でございます。
○五十君座長 御説明ありがとうございました。
 ただいまの資料1の説明に関しまして、御質問や御意見がございましたら、お願いします。特に、この手引書は小規模事業者の手引書ということになっておりますので、活用の観点から、手引書の中に衛生管理計画書及び記録様式等の例があると実用的であると思います。そういった観点からも御意見をいただけますか。どうぞよろしくお願いします。御意見のある方、おりますか。御質問でも構いません。
 朝倉構成員、どうぞ。
○朝倉構成員 御説明ありがとうございます。
 測定機器の校正に関するところで、1つ教えてください。温度の管理が非常に重要だということで、校正という言葉をそのまま用いようという御意思かと思うのですけれども、一方で、ほかの手引書等々で小規模を対象としたものについては、基本的な形としては精度の確認という表現であったり、性能の評価といった、いわゆる校正という用語は余り使われていないと思うのです。校正と使うときには、手順書が絶対条件になってくると思いますし、そういったものを例示することも必要になると思いましたので、そのあたり、荒木先生から御意見いただくのも1つの手かと思いますが、これに関連して御意見いかがでしょうか。
○五十君座長 荒木構成員、御指名ですが、いかがでしょうか。校正の今の考え方について御意見いただけますか。
○荒木構成員 ありがとうございました。
 殺菌工程が非常に重要なので、キャリブレーションが必要だということはよく分かりました。
 それで、15ページにマル2、測定機器の校正というところには、実施内容の記入例として「一定日ごと精度の確認、校正」と書いてあるのですけれども、本当に校正しなければならないものと、校正でなくて精度の確認。この精度の確認は、正確さの確認に変えていただいたほうがいいかなと思います。精度と言うとプレシジョンなので、ここはどっちかというとアキュラシーに近いので、精確さじゃなくて、正確さと言ったほうがいいかと思います。全部が精度の確認と校正となっているのですが、後のHACCPプランを拝見すると、27ページにバッチ式のHACCPプランの例が出ていて、ここの検証のところは、現場の温度計を校正するということで年1回になっているのです。
 ですから、15ページの表をちょっと見直していただいて、キャリブレーションをしてほしいというところと、例えば冷蔵庫の管理だったら正確さの確認だけでいいのか、使い分けていただいたらどうでしょうかというのは思います。全部をフォーマルな校正という言葉を使ってしまうと、コストもそうですし、すごく大変なのではないでしょうか。幾ら国家計量標準にトレーサブルな校正はユーザーができるようになっているとはいえ、とても大変で、手順書に書いてできるものかなというのは、朝倉先生の御質問ではありますが、難しいかもしれないと思います。
 以上です。
○五十君座長 以前から、校正という言葉について、かなり敷居が高いのではないかという御意見もありまして、手引書の中では、校正まで必要とするものと、ある程度正確に測定できているかどうかを確認するということで振り分けをしてきたと思います。今の御意見に対して何かありますか。
○(一社)日本乳業協会 我々も、確かに冷蔵庫の温度計も殺菌装置の温度計も同じレベルで校正が必要だとは考えておりませんので、当然、小規模事業者の負担にもなってくるわけでございますので、その辺は重みづけを、現場のほうの確認も併せて、少し検討させていただければと思います。
○(一社)日本乳業協会 朝倉先生、荒木先生、ありがとうございます。
 今、滝本常務が説明されたとおりで、私どもも現場のほうで皆さんと議論する中で、どこまでを厳密な校正とするか。測定機器のほうも、管理のグレード、それから要求される精度が違うと思うのです。その中で、ここには例示された限られた測定機器ですけれども、実際、現場のほうにはたくさんの温度計が存在するわけなので、そのあたりをどういう形で、管理除外とは言いませんけれども、管理のレベルを落とすというか、平たくするという形で考えておりますので、このあたりは貴重な御意見、御指摘だと思って検討させていただきたい。
 あと、校正と正確性の話は、私どももごっちゃにしているところがあるのですけれども、基本的にはCCPに関するところは校正が必要な機器なのだろうと考えております。我々業界の中では校正という言葉が一般的に使われているので、正確性と校正の厳密性を余り考えていなかったところがあると思いますので、このあたり、修正のほうを検討させていただきたいと思います。
○五十君座長 校正となりますと、かなり敷居が高いということになりますので、ぜひ整理して検討していただきたいと思います。
 時間が押してまいりましたので、ここからは要点をご発言願いたいと思います。
 荒木構成員、どうぞ。
○荒木構成員 今のことに続けてで申し訳ないのですが、15ページの表を見ると、検査用の恒温器の校正というのがあるのですけれども、小規模の事業者さんは、全て検査のラボをお持ちなのでしょうかというのが1つの質問です。
 それと、もう一つは、33ページの殺菌の事例を拝見しますと、製品名Bクリームが、11時30分にFDVが作動したということで改善措置を書いていただいているのですけれども、その後の成功した殺菌が13時15分となっています。下のほうを見ますと、Aクリーム殺菌時にとなっているので、これはBクリーム殺菌時にということだと思うのですが、未殺菌乳の回収があるということで、11時30分に失敗して、13時15分まで、回収乳はどんな温度と時間を暴露するのでしょうか。温度によっては、何かハザードが発生するということはないのかなということを1つ質問させていただきたいと思います。
○五十君座長 前半、後半で。
○(一社)日本乳業協会 簡単に説明します。
 1点目につきましては、全部の事業者さんを確認したわけではないので、全部の検査室の中に孵卵機等々の検査室があるかどうかというのは断言できません。5社確認した中では、5社とも持っていたというのが実際の数字になりますので、このあたり、書きぶりも含めて考えたいと思います。
 2点目ですけれども、FDVというのは非常に大規模な処理施設に一般的に用いられておりますので、通常はFDVが作動したときにリターンが作動すると、1回、循環状態になって、その後、タンクに戻されます。そのときには冷却がかかると私どもは承知していますので、至適温度で長時間保存されるということはないと私どもは考えております。
 以上です。
○荒木構成員 ありがとうございます。
○五十君座長 ほかにございますか。
 富松さん、どうぞ。
○富松構成員 説明、どうもありがとうございます。
 33ページの連続殺菌のHACCPプランのところですが、FDVが作動したときは分かるのですが、例えば温度が低下してもFDVが作動しなかった場合は、どうやってチェックすればよろしいのでしょうか。というのは、温度とFDVの作動が殺菌の胆だと思うのですが、HACCPプランの中に作動しなかった場合ということが書かれているのですけれども、これは何か機械的に分かるようになっているのでしょうか、教えてください。
○(一社)日本乳業協会 基本的にFDVの作動ラインについては、製造開始時及び終了時にFDVのほうの作動確認をしておりますので、もし作動不良があれば、その時点で分かるのかなと考えております。
 以上です。
○富松構成員 殺菌の最中にFDVが作動しないということはないということですか。それは、事前に確認するからということであると、例えばHACCPプランの中で、始業前・終業時のFDVの確認というのはすごく大事な項目になるような気がするのですが、いかがでしょうか。
○(一社)日本乳業協会 それは、その部分だと思います。
 あと、1つは、これはここに書いていませんけれども、FDVの設置ラインについては、通常、連続式の温度チャートのほうで殺菌温度がモニタリングできますので、その時点でアラートが出る仕組みになっておりますので、FDVが作動不良になっても、温度低下ということでアラートが出るということで、作業者は認知できると考えます。
○富松構成員 FDVが作動しないということがリスクにつながりそうな気がするので、そこに対する余り難しくない、いいアイデア、対策があれば記載していただくといいかなと思います。
 よろしくお願いします。
○五十君座長 ほかにございますか。ありませんか。
 では、私から、検証を行われたということですが、この手引書、記入様式がいろいろなところに散在しているのですけれども、記入様式に関して特に困らなかったという回答だったでしょうか。
○(一社)日本乳業協会 実際のところ、既に事業者さんは通常の作業の中で記録様式を持っていらっしゃいます。ですから、現実に私どもが必要とするのは、これから実際にこの手引書を参考にしたときに、現実にお使いの様式と手引書でお示ししている様式及び項目に欠落がないかとか、そういうチェックが必要になってくるのかなと思います。そのあたりのところは、現地に入った中で、その旨の議論はいたしました。
 以上です。
○五十君座長 そうでしたら、最後に項目が分かるような形の様式例を入れていただけると、たいへん参考になるのではないかと思います。
○(一社)日本乳業協会 そうですね。先生おっしゃったように、11ページ目の管理計画の作成と記録というところで計画を書いて、様式を書いて、実際の記録例となっていますけれども、必ずしもセットでそろっていない部分とか不整合な部分もありますので、そこは機械的にこちらのほうで修正をかけさせていただければと思います。
○五十君座長 御検討、よろしくお願いします。
 それでは、ほかにありませんか。よろしいですか。どうもありがとうございました。
 次に行きたいと思います。続きまして、資料2につきまして、事務局より説明願いたいと思います。
○事務局 それでは、引き続き、資料2を御覧ください。こちらも、引き続き、一般社団法人日本乳業協会様が作成いたしましたHACCPの考え方を取り入れたクリーム製造の衛生管理計画作成のための手引き(案)です。こちらの手引書につきましても、本年7月29日に事前の意見交換を行い、構成員の先生方に内容を確認していただいたものでございます。
 本日は、事前の意見交換を踏まえて修正した手引き(案)について、団体様から御説明いただきます。それでは、日本乳業協会様、御説明をお願いいたします。
○(一社)日本乳業協会 このクリームの手引書でございますけれども、先ほどのバターと製造工程とか製品の概要以外のところは、ほぼ共通でございまして、バターで御指摘いただいたところは、クリームのほうにも御指摘いただいたものとして、全部それに倣った形で改定してございますので、詳細につきましては、先ほどの説明に代えさせていただければと思います。
 なお、今後の協会としての、これをいかにして会員に普及させていくのかというところについて、追加的に御説明申し上げると、来年6月からの本格施行に備えて、会員向けの講習会、このコロナの状況で実開催はなかなか難しいのですけれども、オンラインでのコンテンツを作成して会員に周知するという活動を進めていきたいと思っておりますし、それから、実際、先ほどのアンケートを取っても、現場に来て指導してほしいとか、確認してほしいとか、計画を作成するのを手伝ってほしいというアンケート結果もございます。
 なので、そこは個別の対応はなかなか難しいのですけれども、ある程度ブロック単位でやるとか、都道府県協会と協力してという形になるかもしれませんけれども、営業者さんたちは、実際これから保健所がこの手引書を基にした監視票を持って入ってこられたときに、どのように対応していいのかということもございますので、来年になりましたら、オンラインでの手引書の講習会、それから現地での確認、協力指導というのも協会として精力的に進めていきたいと考えているところでございます。
 ありがとうございます。
○五十君座長 よろしいですか。どうもありがとうございました。
 それでは、ただいまの資料2の説明につきまして、御質問や御意見がございましたら受け付けたいと思います。
 先ほどのバター製造の手引書の際にも申し上げましたが、小規模事業者の手引書の場合、先ほど手取り足取りにしてくれというコメントがあったように、恐らくひな形になるような様式をある程度示すことが実用的であると思いますので、先ほどと同様に、そのあたりを検討していただきたいと思います。
 それ以外、何か御質問、御意見等ございますか。先ほどの手引書と同様の指摘につきましては、改善していただくことになります。それ以外で追加のコメントあるいは御質問等がございましたらお願いします。
 三木課長、どうぞ。
○三木食品監視安全課長 ちょっとお伺いしたいのですけれども、先ほどのバターのほうは、北海道の事業者さんについて検証というか、1回やってみていただいたということでしたけれども、クリームについてもやられたということはあるのでしょうか。
○(一社)日本乳業協会 試みたのですけれども、コロナ禍の状況ですから、遠隔地に行くというのが厳しくて、クリームは、どちらかというと北海道よりも関東、信越、東海、北陸のほうに11事業者さんぐらいが小規模事業者としてあると私ども、把握していますので、何か所かピックアップしたのですけれども、先方から丁重にお断りされたので、クリームに関しては検証していません。この状況が安定してから、改めて伺いたいと考えております。
 以上です。
○五十君座長 確かに大変な状況で、東京から行くとなると断られることも多いと思いますが、よろしくお願いします。
 ほかはございますか。遠隔の方から何かありますか。大丈夫ですか。
 荒木構成員、どうぞ。
○荒木構成員 エディトリアルなところで、ちょっとコメントさせていただきたいことがあるので、後で御連絡いたします。
○五十君座長 分かりました。エディトリアルな指摘とのことですので、事務局を通してやり取りをしていただきたいと思います。
 そのほか、御質問、御意見等ございますか。よろしいですか。
 それでは、どうもありがとうございました。
(日本乳業協会 退席)
(チーズ普及協議会 着席)
○五十君座長 続きまして、資料3に参りたいと思います。資料3につきまして、まず事務局より説明願いたいと思います。
○事務局 それでは、一般社団法人日本乳業協会様、ありがとうございました。
 続きまして、資料3の御準備をお願いいたします。こちらは、チーズ普及協議会様が作成したHACCPの考え方を取り入れた衛生管理のための手引書<ナチュラルチーズ製造事業者者向け>の案です。この手引書(案)は、団体様のほうから厚生労働省に対し、記載内容についての御相談があり、本年1月24日に事前の意見交換を行い、構成員の先生方に内容を確認していただいたものです。本日は、事前の意見交換を踏まえまして修正した手引書(案)について、団体から御説明いただきます。
 それでは、団体様から手引書の内容等について、10分程度で御説明していただきます。チーズ普及協議会様、御準備ができましたら、御説明のほど、よろしくお願いいたします。
○チーズ普及協議会 御紹介いただきましたチーズ普及協議会の加藤でございます。前回、1月にお会いして以来ということで、本日、2回目、よろしくお願いいたします。
 本日の説明の流れといたしましては、前回、1月24日の第1回目の技術検討会で御指摘いただきまして、御意見に対する対応案というのをExcelのA4のほうで御報告しておりますけれども、これは案VIで1月24日の検討会にかけていただいたのですけれども、この変更点を踏まえた案VIIを2月28日に御提出させていただいております。その点をまず御案内しますとともに、今回、2回目の本日の技術検討会に向けまして、事前に厚生労働省様のほうから御指摘、御意見がありましたので、それを踏まえて、案VIIIというものを12月17日に御提案さしあげていますので、多分、今、皆様、案VIIIを見ていただけているのかなと思います。
 それでは、前回御指摘いただきましたところが11点ほどございましたので、それに基づきまして御案内を申し上げます。
 1点目が、対象となる食品が明確になるようにしなさいというお話でございましたので、案VIIIの1ページを見ていただきますと、9行目のナチュラルチーズの定義というところから、19行目の乳種の記述までの部分を新規に追加しておりまして、今回のチーズの定義を載せております。
 2点目の工程図とか各工程でどのようなことが行われるのか、行うのかということを具体的に記載という御指摘がございましたので、案VIIIの7ページを見ていただきますと、製造工程と各工程の注意点ということで、これを新規に8工程書くとともに、注意点を明文化してございます。
 それに加えまして、9ページの1-3)殺菌、「殺菌工程では、原料となる生乳を定められた条件で殺菌し、生乳中の病原微生物を殺菌します。」を追記してございます。
 加えて、1-4)カードメイキング、型詰、圧搾のところの5行につきまして、詳しく追記してございます。
 それから、10ページに参りまして、1-5)加塩の工程でございます。一番最初の記述、「加塩工程は、塩水に浸したり塩を表面に塗る(まぶす、すりこむ)工程です。加塩方法はチーズの種類によって異なります。」この表現を追記しております。
 それから、一覧の回答書では10ページと書いてあるのですけれども、11ページになりまして、1-6)熟成に、「熟成工程では、チーズの種類に応じた所定の温度・湿度に維持された熟成庫で、適正な風味や組織になるまでチーズを熟成させます。」という文言を追記しました。
 加えて、その下の1-7)包装及び表示の工程、1番目の「包装工程は、チーズを定められた包装材料で包装する工程です。チーズは、そのままないしは定められた大きさにカットした後に包装します。必要に応じて一括表示や賞味期限表示を行います。」これを追記しております。
 以上が、2番目の御指摘の各工程での具体的な記載ということになります。
 3点目が、6欄表について、これを掲載するのではなくて、もっと内容を分かりやすく文章で説明することということで、案VIでは13ページから19ページに6欄表が載っていたのですけれども、この危害分析表を割愛いたしまして、一般衛生管理の具体的な事項というところに個々説明しておる。別途追記したということではなくて、ここに説明があるということで代えさせていただいております。
 続きまして、4点目のカビの使用につきましては、8ページの※1「レンネット、スターター、カビ菌、塩等の原材料の選定に当たっては、適正な取扱業者を選定し、事前に原材料規格書を入手・確認をし、問題の無いことを確認します。」。この2行を追記いたしております。
 加えて、10ページを御覧いただきますと、上の4行目「スターターやレンネットについては、使用前にロットの確認、異物混入の無いこと、変色等の異常がないことを目視確認し記録に残します。」こちらを追加させていただいております。
 5点目の御指摘の使用する塩についての注意喚起については、10ページの1-5)加塩工程の2つ目、3つ目、「使用する塩については」から「塩水加塩の場合」ということで、確認、記録を残すこと、異物混入を防止するということを2つ追記しております。
 続きまして、6番目のリステリア菌等の増殖に関すること。これは、実は当初、3ページの生物的危害要因(B)のところに、今、書いてある3行の下に、低温管理や5Sの徹底にて危害を防止することができますとか、一番最後のPの4行を書いた後に、一例として、ゴーダチーズの製造工程を用いてという例を例示したことを書いていたのですけれども、これだけでは不十分である。環境の管理も必要だよという御指摘がありましたので、これを割愛し、後々説明します、今回の厚労省さんの御指摘の部分で、一般衛生管理の具体的事項にるる追加してございます。
 続きまして、7番目の黄色ブドウ球菌につきましては、ページ10と書いてありますけれども、案VIIIではページが増えておりますので、11ページになりますけれども、熟成工程の最後のポチ、「熟成中でも、庫内環境や作業者由来の腐敗微生物やリステリア等の病原性微生物による二次汚染が発生する可能性があります。熟成庫内は常に清潔な状態を維持し、作業者は作業前に手指の殺菌等を確実に行いましょう。」。これを追記してございます。
 8番目が、記録様式について、少人数の事業者でも実施可能なものということで、もともと個々細かい記入例、記録例を書いていたのですけれども、17、18と書いてありますけれども、VIIでは17、18だったのですけれども、案VIIIでは18ページ、19ページに、新規に衛生管理計画の記録例と記入例を作成いたしまして、少なからず、これに記入していただければという形にしてございます。
 20ページ以降は、あくまで記録例、記入例という形で、引き続き掲載させていただいております。
 9番目の熟成するタイプのチーズで加塩しないものがあるのかという御指摘に関しましては、「ございません」と書いてございますけれども、先ほど7番目で、黄色ブドウ球菌の話をしたところでもございますように、庫内環境の管理に努めるという表現を11ページに追加してございます。
 10番目の衛生管理計画ということで、これは先ほど御案内いたしました18ページ、19ページ全体を俯瞰するものということで作成いたしております。
 ちょっと細かいのですけれども、ページ26と書いているのですけれども、27になっているのですけれども、○、●はどういうことなのかということで、27ページの右下に「○は計画」「●は実施例」ということで追記しております。
 以上、前回の1月24日の御指摘の改善点を御案内申し上げます。
 今般、厚生労働省様のほうから、改めて、より具体的な記載をとか、用語が不統一である。根拠を明確にしてくださいという御指摘がありました部分につきまして、御案内いたします。
 まず、10ページの14行目から21行目「リステリア等の病原性微生物は環境のいたるところに」ということ、その下の「殺菌後に添加するスターターやカビ、レンネットを扱う際は」を、より具体的な工程の記載ということで追記したとともに、10ページの最後の2つ、3行です。「塩水の濃度、温度、微生物、異物は定期的に検査し」というところと、その下の「リステリア等の病原性微生物は」から、11ページの「カビを扱う場合は」というところまで追記してございます。
 加えて、11ページの1-6)熟成工程の3つ目から5つ目のポツ、「熟成庫の温度、湿度は毎日記録し」と「二次汚染防止に向け、熟成管理に使用する機器や器具は」、最後に「リステリア等の病原性微生物は」。過去に御案内したところと重複している表現もあるのですが、重要な点は同じような表現を使ってございます。
 最後に、12ページになります。機械・器具の洗浄・殺菌という3番でございますが、ここは改めて項目をつけ加えたということではなくて、文言を追記ということで、3行目の「その後殺菌を行います。」の後、「殺菌は熱湯や蒸気等による加熱殺菌、次亜塩素酸水を含む塩素系殺菌剤による浸漬殺菌、アルコール等の噴霧による殺菌など適切な方法を用いて行い」という3行分を追加して補足したということでございます。
 以上が、第1回目の技術検討会で御意見いただいた部分、それから今回、2回目の検討会に向けて事前に御案内いただいた部分に修正点、追加点を入れておりますので、そこの御案内にとどめさせていただきます。
 私の説明の後、当会の技術小委員でいらっしゃいます細谷さんのほうから補足説明をお願いいたします。
○チーズ普及協議会 私、雪印メグミルクの細谷と申します。よろしくお願いいたします。
 前回も御説明させていただきましたが、この手引書に関しましては、小規模事業者様を対象としている。あとは、非常に多くの種類のチーズがある。製造手順とか使用している器具等が非常に多岐にわたるということで、手順等を余り詳細には記述してございません。余り細かくそこを規定してしまうと、その後、これを御活用されるチーズ工房さんとかがお困りになるのではないかということで、若干曖昧な表現になっているところは、あえてそうしているところが正直ございます。
 あと、文言の修正等をする中で、言葉の統一ができていないところが一部ございますので、大変恐縮ですけれども、そこに関しましては、この後に修正させていただいて、正しい形、統一した形に整理させていただきたいと考えてございます。
○チーズ普及協議会 最後に、先ほど日本乳業協会様からも今後のスケジュールの御案内がございましたけれども、私どもとしましても、日本乳業協会さんが実施される予定のリモートによる研修会に可能な限り参画。少なくとも、この手引書については、私どもの費用にて印刷して配布していこうと考えてございます。
 以上でございます。ありがとうございました。
○五十君座長 御説明ありがとうございました。
 ただいまの資料3の御説明に関しまして、御質問、御意見等がございましたら、お願いします。先ほどのバター、クリーム等の手引書のときにもコメントしましたように、中小・零細の方には様式があることは重要になってくると思います。今回、加えていただいているので、適切であるか、委員の皆様からコメント、意見等がありましたら、お願いします。いかがですか。
 鬼武構成員、どうぞ。
○鬼武構成員 御説明ありがとうございました。
 私、エディトリアルなものなので、少しだけ気になった点、2点だけです。
 1つは、8ページの一番下ですけれども、アレルゲン、最近はクロスコンタクトと言っていますので、交差接触のほうがよいでしょう。汚染という言葉はなるべく使わないほうがいいと思いました。
 それと、これもエディトリアルなので、そんなに気にならなかったのですが、14ページの従業員の教育・訓練のところで、「作業の慣れから来る油断や無知が原因」と書いてある。これは、無知という言葉は余りよくないかなと思いましたので、知識が不足しているとか、その2点だけです。御検討いただければと思います。
 以上です。
○五十君座長 御検討、よろしくお願いします。
 ほかに。
 荒木構成員、どうぞ。
○荒木構成員 ありがとうございます。
 この手引書の適用範囲について、1つ確認させていただきたいのですが。ナチュラルチーズに関しましては、包装後加熱殺菌というタイプと、食べるときに加熱が必要なタイプというのが表示の義務もあるわけで、そのような製品は、小規模の事業者さんは造っておられないのでしょうか。いかがでしょうか。7分類になっていますけれども、後殺菌があるものは造っておられませんか。いかがでしょう。
○チーズ普及協議会 ありがとうございます。
 私どもも実際に加盟者である長野県のアトリエ・ド・フロマージュさんとか福岡県のTAKさんとかにお伺いして、まだ案IVとかVの段階の御案内に行ったことはあるのですが、津々浦々のチーズ工房さん、300あると言われておりますので、そこで造られている製品の全てを、ごめんなさい、把握できておりませんけれども、一般的には生乳を加熱後、造るナチュラルチーズがメインで、後々にレトルトするというのは少ないのかなと理解しております。
○荒木構成員 実際には、大手さんのナチュラルチーズは、包装後、後殺菌がされているものもたくさんございますので、もし後殺菌がないものを対象にするならば、最初の適用範囲のところで書いておかれるほうがいいのかなという気がいたしました。後殺菌となると、有用な微生物を殺菌するということで、病原菌のということではなく、熟成を止めるという意味だと思いますけれども、書いておいたほうがよろしいかなという気がいたしました。
○チーズ普及協議会 ありがとうございます。検討させていただきたいと思います。
○五十君座長 私も今のご発言に関係して確認させていただきます。ナチュラルチーズというのは、もともとはフランスなどヨーロッパが中心で造っており、最終段階での加熱を経ないものがナチュラルチーズといった概念になっています。実際日本でも、北海道では本来の作り方で造ろうという動きがあります。恐らくこの手引書はそういった方も使われる手引書になると思います。そうなってくると、最終段階に品質保持といった理由で加熱殺菌をしている大手と違って、最後に加熱しないのナチュラルチーズでは大分リスクが変わってきまして、海外のリステリアの集団事例の多くがこのナチュラルチーズ、ソフトタイプチーズで起こっていると思います。
 したがいまして、危害要因分析のまとめにも、生物的危害要因を「リステリア等」ではなくて、最終段階に加熱しないタイプでは、海外でリステリアの集団事例の報告もあるといった表現が必要と思います。最終段階の加熱の有無により、リスクに重い軽いが生じることを表現しておいていただくと、管理上、対応が違ってくると思います。そのあたりの表現を検討していただきたいと思います。
 よろしくお願いします。
○チーズ普及協議会 ヴァシュラン・モン・ドールの件があると理解しておりますので、それは検討したいと思います。
○五十君座長 よろしくお願いします。
 それでは、朝倉構成員、どうぞ。
○朝倉構成員 私のほうから、エディトリアルな部分だけの意見ですけれども、1ページ目の真ん中、少し下のあたりの、いわゆる乳の定義というところで注釈の2としてつけられている部分ですけれども、乳等省令の第2条ということで、そこに引用されているかと思います。これについては、たしか今年の6月に改正されて、生水牛乳というのも追加されていたように記憶しておりますので、これを含めるか含めないかということについて、ひとつ御意見いただければと思いました。
 それから、またエディトリアルな点ですけれども、11ページあたり、例えば2行目のアルコール濃度の例示のところで、機器や器具、カードに触れるところで、これはどこなのかというのはあれですけれども、「(70~95%濃度)」と書かれています。真ん中あたりは、手を殺菌しましょうというところで、「アルコール(70~95%)」とありますけれども、一般的には70%程度といった記載のほうがよろしいのかなと思いましたので、御検討いただければと思います。
 以上です。
○チーズ普及協議会 ありがとうございます。
 1ページは、まさにそのとおりです。すみません、気づいておりませんでした。
○五十君座長 よろしくお願いします。
 そのほか、稲見構成員、どうぞ。
○稲見構成員 13ページの手洗い設備の件ですけれども、手洗い設備については施設基準というのが別にありまして、ここに記載されたものとちょっと重複するのかなと思いますので、ペーパータオルとかエアータオル、洗浄剤などのメンテナンスのみを書いてもいいのかなと思います。というのも、一番下のポツ、「手洗い設備は、自動式、足踏み式、肘押し式など洗浄後に再度手指を汚染しない構造が望ましい」とあるのですが、省令上には「再汚染が防止できる構造であること」と記載されていますので、これだと省令違反になってしまいますので、御検討いただきますよう、よろしくお願いします。
○五十君座長 これは「構造であること」ですね。
○チーズ普及協議会 分かりました。
○五十君座長 ほかにはございますか。
 大熊室長。
○大熊農水省食品企業行動室長 チーズは、農林水産省の調査でも、ここ5年連続、国内の消費量が過去最高を記録していまして、非常に人気の高い、よく食べられる食品でもございますので、安全管理をぜひ徹底していただきたいと思うのですけれども、1ページで、手引書の対象について、従業員30名未満とされています。一般的には、先ほどのバターの協会さんも50人とされていましたけれども、これは何か業界としてのクライテリアがあるのでしょうか。今の案ですと、30名を超えたら「HACCPに基づく衛生管理」が課されると誤認させてしまい、運用面で問題になることはないでしょうか。
○チーズ普及協議会 実は、1月24日の1回目のときにも三木課長に御指摘いただいた部分でございまして、50というのが普通なのですけれども、私どもの大手の企業でも、1工場だと50名いないところが多くて、実質、チーズ工房さんというと、1人とか2人。アトリエ・ド・フロマージュさんでも実質4名という形でやられているので、50はちょっと多過ぎるのかなということで、30ぐらいのほうがこの手引書に合うのかなということで書いてございます。何か明確な基準があるとか、そういうことでは全くないです。
○五十君座長 どうでしょうか。事務局、今の話ですが、一般的には50なのだけれども、この業界では30人ということをあえて書かなくてもよろしいですか。後で、何でここだけ30という指摘が来るような気がしますが、そのあたり、どうですか。
○チーズ普及協議会 すみません、たしか飲用乳も30になっているので、私ども、それをバイブルとしてきております。
○五十君座長 分かりました。では、そのようなコメントは特につけないでよろしいですね。そのような実績があるのでということで、行政側も対応していただくようお願いします。
 では、富松構成員、どうぞ。
○富松構成員 御説明ありがとうございました。
 1つ目の質問は、記録用紙がいろいろあるのですけれども、HACCPプランの殺菌の記録がないように見えるのですが、いかがでしょうかということと。
 あと、17ページのHACCPプランの検証頻度のところで、デバージョンバルブの動作確認が年1回になっているのですが、先ほどクリーム、バターの手引書の説明では、毎回、機器を使う前後にデバージョンバルブの動作確認をすると説明を受けました。年1回でよろしいのでしょうか。この2つについて質問させてください。
まず、1つ目の御質問の殺菌の記録ですけれども、確かに記録の例としては今回掲載してございません。記録の例に関しましては、様々な記録がございますので、あくまでも例として、こういったことということで例示させていただいているのです。ただし、殺菌に関しましては、重要管理点ということにしてございますので、何がしかの記録の様式については検討させていただいて、小規模事業者様が使いやすい記録例を検討させていただきたいと考えてございます。
 デバージョンバルブに関しましては、そもそも小規模事業者さんは連続式の殺菌機を持っていらっしゃる方はほとんどいないということでございます。実際に持っているところは大規模事業者が多いのですけれども、そこの実態を確認している中で、こういった頻度を設定させていただきました。毎回というところ、同じ乳業協会の中でそごといいますか、商品によって違いがあるというところに関しましては、そちらと確認した上で、実際の事業者様の作業負荷も含めて、あとは、そこの必要性も鑑みて総合的に判断して入れさせていただければなと考えてございます。
○富松構成員 先ほど、バター、クリームの説明でも、温度とデバージョンバルブがちゃんと動くかどうかが殺菌の胆と聞かせていただきましたので、年に1回というのは本当にいいのかという疑問であり、御検討いただければと思います。
 よろしくお願いします。
○五十君座長 その点に関しても、よろしくお願いします。
 ほかに御質問はございませんか。
 エディトリアルな面で、私から、「リステリア菌」という表現は余り適切ではないので、「リステリア・モノサイトゲネス」ないしは「リステリア」だけで表現していただいたほうがよいかと思います。統一していただければと思います。
 そのほか、もしないようでしたら、これで終わりたいと思います。どうもありがとうございました。
(チーズ普及協議会 退席)
(全国水産加工業協同組合連合会 着席)
○五十君座長 続きまして、資料4につきまして、事務局より説明願いたいと思います。
○事務局 チーズ普及協議会様、ありがとうございました。
 続きまして、資料4を御覧ください。こちらは、全国水産加工業協同組合連合会様が作成いたしましたHACCPの考え方を取り入れた衛生管理の手引書(小規模な水産加工業者向け)の案です。この手引書(案)は、全国水産加工業協同組合連合会様から厚生労働省に対して御相談があり、2018年12月17日と本年10月28日に事前の意見交換を行い、構成員の先生方に内容を確認していただいたものです。本日は事前の意見交換を踏まえて修正した手引書(案)について、団体様から御説明いただきます。
 それでは、団体様から手引書の内容について、10分程度で御説明いただきます。全国水産加工業協同組合連合会様、御説明のほどよろしくお願い申し上げます。
○全国水産加工業協同組合連合会 全水加工連の専務を務めております提坂と申します。それでは、早速ですけれども、説明に入らせていただきます。
 まず、本会といたしましては、これまで作成・普及してきたマニュアル、ガイダンス的なものは特にございません。水産加工食品の衛生管理に関しましては、大日本水産会がHACCPによる衛生管理手引書を作成いたしましたけれども、特に本会では実績がないということでございます。
 手引書の対象品目でございますけれども、こちらは既に別の団体が別途、手引書を作成しております、同じ水産加工食品ではありますが、魚肉練製品あるいは削り節、辛子明太子のほか、容器包装詰加圧・加熱殺菌食品、それから、低温殺菌されます容器詰加熱殺菌食品を除きます水産加工食品全般ということになります。具体的には、手引書の2ページを御覧いただきたいと思います。生鮮品、冷凍水産物加工品、塩蔵製品といった製品群に分類される製品が対象となっておるところでございます。
 対象となります事業者につきましては、さきに説明いたしました食品群を製造しております水産加工業者のうち、従業員数50人以下の事業所を対象としておるところでございます。これら水産加工食品を製造しております事業者の業態といたしましては、原料を仕入れて製品を製造し、販売するという基本的な部分に変わりはございませんけれども、御承知かと思いますが、我が国漁業は近年、生産が非常に低迷してございます。そちらを背景といたしまして、原料の調達先が海外からの輸入といったものも含めて、多様化する傾向にあるところでございます。
 また、販売に関しましても、かつては水揚げされます鮮魚同様に、地先の産地市場へ製品を出荷すれば、黙っていても荷受けを介して流通に乗せてくれるということだったものですから、いわゆる製造業、こちらが主体であったわけでございます。ところが、最近、市場の集出荷力が低迷いたしまして、それに伴いまして、市場へ持ち込むだけでは売れないという傾向が大変強まっております。自ら小売業者に持ち込んだり、通販などで消費者に売るといったように、これまで経験してこなかったような営業活動が不可欠な業態となってきておるところでございます。
 こんなふうに業態が変化いたします中で、要は、造れば売れた時代の観念が改められない事業者は大分淘汰されまして、事業者数は減少してきたところでございますけれども、残った事業者は、営業をかける上で大前提となります製品の安全性・品質への意識を高めざるを得ないという状況になっておるところでございます。水産加工業者は、従業員数が10名未満の零細経営体が全体の半分を占めておりまして、元来、事業者の規模は小さいわけでございますけれども、従業員数50名未満という事業者につきましては、19年の工業統計によりますと、全体の約9割を占めるということになってございます。
 こういった方々を対象にということで作成いたしました手引書の留意したポイントでございますけれども、水産加工食品の製造工程におけます危害要因は、6ページと7ページにまとめてございますとおり、有害微生物の混入・増殖、ヒスタミンの生成、有毒魚や寄生虫、金属片といった異物混入などが考えられるわけでございますが、特に水産加工食品というのは、元来、足の早い魚介類の保存性を高める上で、こういったリスクを抑えますために、事業者ごとに調味・乾燥、加熱、製品の低温保管といった工夫が凝らされてきた食品でございます。
 このために、2ページ、3ページにも記載したとおり、極めて多様な製品があるということに加えまして、製造工程は製品ごとのみではなくて、同一製品でも個別の事業者ごとに様々なバリエーションが無数にあるということから、それらの管理を各製品に着目して行うことが実質的になかなか難しいところがございました。そこで、主要な製造工程をもって、これら危害要因を除去あるいは回避するという水産加工食品の特徴を踏まえまして、製品群をグループ化することとし、グループごとのリスク特定と管理法を提示していくこととしたところでございます。
 具体的には、手引書の3ページの下段にありますとおり、非加熱と加熱に大別いたします。非加熱につきましては、調味・乾燥の有無でさらに分けた後、それぞれについて、出荷温度帯が冷凍・冷蔵のものと常温のものに分けまして、都合5グループに分類するということにしておるところでございます。
 各グループの代表的な製品例は、4ページの表のとおりとなってございます。
 ただ、いずれのグループに属する製品でございましても、製造環境の管理というのは共通で実施しなければならないということがございます。そのため、そのポイントと管理方法を手引書の20ページ以降にまとめておるところでございます。施設・設備の衛生管理から始まりまして、21ページの器具の衛生管理、それから、22ページの交差汚染防止等々で、これらは全ての事業者が以前から実施してきた、いわゆる一般衛生管理でございまして、グループ別の製造工程管理の前提として、衛生管理計画を作成・実施いただくということにしておるところでございます。
 それから、水産加工食品の製造上の危害要因につきましては、さきに説明いたしました6ページ、7ページに表としてまとめたとおり、有害微生物、寄生虫による生物的要因。ヒスタミン、アレルゲンのほか、工程中で接触が考えられます薬品類。原料由来の生物毒などの化学的要因。それから、金属片、ガラス片といった異物による物理的要因がございます。これらのうち、生物的要因と化学的要因、中でも有害微生物とヒスタミンによる事故が多くありますので、特に注意すべきリスクとして考えたところでございます。
 有害微生物、ヒスタミンとも、加熱工程がない加工品の場合、基本的に温度管理によって有害微生物もしくはヒスタミン産生細菌の増殖を抑えることは可能ですけれども、常温保管を前提とした製品につきましては、調味・乾燥によりまして、有害微生物もしくはヒスタミン産生細菌が増殖できないレベルまで水分活性やpHを下げる必要が出てまいります。一方、加熱工程があります加工品の場合につきましても、温度管理によって、それらの増殖を抑えることは可能ではございますけれども、常温保管を前提とした製品につきましては、加熱によりまして食品中の微生物を殺す必要があるということでございます。
 非加熱・加熱とも、調味・乾燥、それから加熱の製造工程管理が不完全ですと、こういった危害要因が製品に残りまして、事故につながるおそれがあると思われました。特に、常温保管の製品、グループ3及び5につきましては、保管中に残った微生物が容易に増殖しやすい環境に置かれるわけですので、重要管理点として加工の加熱、調味・乾燥の工程を管理することにいたしました。
 それから、さきに説明したとおり、水産加工業者の場合、事業者が従業員も雇わず、事業主あるいはその家族で操業している、もしくは、従業員を雇うとしても、製造従事者が10名未満といった零細な経営体が半数を占めておるところでございます。このため、計画の作成、実施記録とも、どんな事業者でも取り組むことができるようにということで、できるだけ簡略化させていただいたところでございます。
 具体的には、先に説明したとおり、製造工程別の管理につきましては、多様な製品群をグループ化いたしまして、グループごとに計画を作成・実施するということによりまして、製造工程に大きな差がない類似製品をまとめて管理できるようにしたところでございます。
 また、全般的に作文が不得手な加工業者がほとんどです。このため、そういった方々が着手しやすくする上で、60ページと61ページに様式を掲げてございますけれども、計画の内容となる、いつ、どのように行うか、その対応方法につきましては、実施する項目について、手引書の関連部分を参照しながら、各欄にチェックを入れるということで完成するようにしたところです。
 さらに、日々の実施記録は、62ページと64ページに様式2ということで載せてございますが、こちらにつきましても、計画内容の取組を実施したか否かにつきまして、○、×で記入してもらうということで、×の場合に、その理由と対応の概要を、もし記載事項が多い場合には、別紙への記録ということも含めて残してもらうことにしておるところでございます。
 この手引書では、20ページから45ページの衛生管理計画の作成といった部分が一番肝心な部分になろうかと思いますが、ここが手順書に該当いたします。モニタリングの方法としまして、一般衛生管理によって実施いたします製造環境の管理項目につきましては、月に1回あるいは年に数回実施すべき一部の項目を除きまして、ほとんどが毎日の始業あるいは終業前、作業の前後あるいは作業中といったときに、各項目を確認していく方法を取ってございます。
 これらモニタリングの項目の大半は、通常、事業者が製品の品質を保つためにも常時実施しているものでございまして、その実施結果について問題があった場合の対処を含め、記録として残すということが、今回、事業者に改めて求めることになると考えておるところでございます。計画も記録様式も、様式はExcelで作成しておりますので、本会のホームページに吊るした様式を各事業者がダウンロードして、自らの製品に合わせてアレンジいただくことにしておるところでございます。仮にアレンジの方法が分からない場合は、製品説明書を本会に送ってもらいまして、製造工程に応じたアレンジ法を助言するということを考えておるところでございます。
 なお、計画の実施記録のみではなく、外部からのクレームにつきましては、いわば第三者によるモニタリングということも考えられまして、自ら実施・記録する管理項目と併せまして、計画の見直しにも役立つものと考えられたところ、68ページに、その対応等を記録するための様式をつけて、この記録を残すことを促進したいと考えております。
 こういった手引書の現場におけます検証につきましては、本会会員の傘下企業のほか、対象となり得ます事業者の団体を介しまして、その会員企業さんに10月28日時点の案を配布いたしまして、計画作成と2週間前後の実施記録を依頼して実施したところでございます。検証に際しまして、本会から手引書の詳細な説明は改めて実施しなかったところでございましたが、各事業者とも大きな混乱なく、ほぼ計画作成・実施の記録とも取ることができたところでございました。
 なお、手引書に関します大規模なワークショップ的なものは、現在考えておりません。会場の手配が可能となるような主要都市などで開催いたしましても、沿海地区に所在する事業者が大変多くて、そういった方々がなかなか集まることはないということが、これまでの会合の事例でも分かっております。このため、手引書が完成いたしました後には、会員さんからの要請に応じまして、会員、要は組合ですけれども、そちらの所在地に事業者を集めてもらいまして、3年前の食衛法改正の概要と併せた説明会を開催するということを考えておるところでございます。
 説明は以上でございます。
○五十君座長 御説明ありがとうございました。
 ただいまの資料4の説明に関しまして、御質問、御意見がございましたら、お願いします。
 鬼武構成員、どうぞ。
○鬼武構成員 鬼武です。
 御説明ありがとうございました。よくまとまって、分かりやすい資料になっていると思います。私、エディトリアルなところだけ、気づいた点を幾つかコメントさせていただきます。
 1つは、8ページぐらいのところ、病原物質、黄色ブドウ球菌だったり、ぶどう球菌、これは法律からそのまま取ったかもしれませんけれども、片仮名にするか、平仮名か、統一していただいたほうがいいと思いました。
 あと、8ページから9ページにかけて、ノロウイルスが2件になっていて、これは8ページの前の2002年なので、このときは多分、SRSV(小型球形ウイルス)と言っていたので、小型球形ウイルスとなっていると思いますので、参考の欄外に、この2件が2002年とその後の2件だと分かるように注記していただいたほうがいいと思いました。現在はノロウイルスと言っていますので。
 それから、あとは54ページ、これもエディトリアルな点でちょっと気がついたのですけれども、法律からいろいろ取ってきているやつで、1つ目の添加物の名称が分かりにくいのですけれども、一番上の「エチレンジアミン四酢酸カリウムニナトリウム」は合っているみたいに見えますけれども、これは漢字の「二」です。読み間違う人が多いのです。私も過去、よく間違えましたけれども、これは片仮名の「ニ」になっていますので、これは全部漢字の「二」に。本当に細かくて申し訳ないです。法律の名称がややこしくて仕方ないですが、四とか二が漢数字ということが1点です。
 もう一つは、過酸化水素の「殺菌剤」じゃなくて「殺菌料」じゃないでしょうか。食品衛生法では「剤」じゃないと思います。それが2つ目。
 それから、もう一つ、細かいのですけれども、これは多分食品衛生法の中で、水産加工品に特化して、ここだけを抜き出したということで、使える物質をずっと書いていて、結構大変だったのですけれども、一応全部チェックして合っていると思ったのですけれども、1つだけ、食品衛生法では「その他食品」となっていて、ここで改めて「その他の水産食品」として表記を替えています。わざわざ法律の名称を変えて、「その他の水産食品」となっているので、これも欄外に一応、法律上は「その他食品」で、ここでは自分たちの言葉を使っているので、それを注記しておかないと、混乱があったらいけないと思います。
 以上です。すみません、細かい点ですが、御検討いただければと思います。
○五十君座長 御確認お願いします。細かいところは、また事務局を通して確認してください。
 畝山構成員、どうぞ。
○畝山構成員 ありがとうございます。
 7ページの危害要因の物理的要因のところに、一般的に「金属片、プラスチック、ガラス等」と書いてあるのですけれども、水産加工品なので、貝殻とか魚の骨とかウニのとげみたいなものは、普通、物理的ハザードと考えないのでしょうかというのが質問です。
○五十君座長 お願いします。
○全国水産加工業協同組合連合会 貝殻等はどうしても混ざってしまうものということで、実は製品には、例えば乾燥ワカメのパッケージなどで表示されているとおり、貝殻等が含まれている場合がございます。あと、骨に関しましては、魚の骨があるのは当たり前なものですから、一部、骨取りをしているものに関しては、入っていたら異物なのではないかという話もあろうかと思いますけれども、危害というところまではいっていないのではないかと思います。パッケージには、消費者向けに、そういったものが混在している場合がございますというお断りは各製品ともやっておるところでございますが。
○五十君座長 畝山構成員、よろしいですか。
○畝山構成員 業界の方はそういう認識だと思うのですけれども、消費者がそういう認識なのかなというのをちょっと疑問に思ったので、お尋ねしました。できれば気をつけてもらったほうが、よりよいかと思います。
 以上です。
○五十君座長 そのあたり、少し検討を、うまく表現できるかどうか分かりませんが、お願いします。
 荒木構成員、どうぞ。
○荒木構成員 ありがとうございます。
 随分分かりやすくなってきたなと思っています。それで、エディトリアルなところは少しあるのですが、それは別にして、今、ちょっと気づいたところをコメントさせていただきます。
 まず、34ページの「低温下で素早い加工処理を!」というところです。ここで、突如として「ヒスタミンの生成を防ぐため、FDAのガイドラインでは」と出てくるのですけれども、FDAの説明がどこにもないのです。私たちは、FDAのハザードコントロールガイドと言えば分かるのですけれども、小規模の事業者さんたちが、そもそもFDAって何なのということや、そのガイドラインって何なのということにクエスチョンマークがつくかもしれないので、ここにFDAのこととガイドラインの説明をしていただいたらいいと思います。出典が大日本水産会の翻訳だというところは結構ですけれども、そこは入れていただいたほうがいいと思いました。
 次が46ページですが、ここで水分活性とかpHを測ってもらったらどうですかという話にはなっているのですが、36ページの水分活性とpHの説明をしていただいているところで、引用して後ろのページを御覧ください。57ページの微生物の増殖性とpH、水分活性の関係の、それこそFDAの表がありますので、そこを参照してくださいということ。そして、製品説明書をつくるときには、pHや水分活性を測定しておくとよいでしょうというか、外部機関を利用しましょうということを、まずここに書いていただいたほうがいいかなと思いました。
 そして、そのFDAの表のところで、57ページです。下に例1と例2とあるのですけれども、例1のAwと砂糖・食塩の関係は、これは例ではありません。これは、25度において、砂糖または食塩水の濃度を、このパーセントがウェイトウェイトパーセントなのか、そこをはっきりさせる必要はあるのですが、この水分活性値は物理的な定数といいますか、決まっている値なので、例ではありません。
 例2のほうは、まさしく例でして、例えば塩辛の水分活性が0.804となっていますけれども、これは黄色ブドウ球菌の増殖も制御できるというタイプのかなりしょっぱいものですが、実際に腸炎ビブリオの事故が起きたいかの塩辛の場合は、0.94よりも大きかったという例もあるようですから、こっちは例としておいていただく必要があります。例1のほうは、例ではありませんということで、コメントさせていただきました。
 以上です。
○五十君座長 ありがとうございました。
 確かに、いかの塩辛は、今、スーパーで売っているものは、こんなに高い食塩濃度ではないので、これは※印か何かをつけておいたほうがよいかもしれません。古典的なものは、多分これだと思います。
○全国水産加工業協同組合連合会 分かりました。いかの塩辛は、最近、大きなメーカーさんが造っているのは一部常温保管もありますが、中小事業者が造っているものは全て要冷蔵になっていますので、塩分濃度も大分下がっていると思います。
○五十君座長 食中毒事例があるので、このあたりはコメントにつけていただくのがいいと思います。
○全国水産加工業協同組合連合会 分かりました。
○五十君座長 富松構成員、どうぞ。
○富松構成員 御説明ありがとうございます。非常に分かりやすく仕上げていただいていると思います。ありがとうございます。
 提坂専務の説明の冒頭のところで、この手引書について、容器包装詰低温殺菌が対象になるとおっしゃられたと思うのですが、この手引書の中では「容器包装詰低酸性食品は、別途管理が必要であるため」云々と書かれていて、その前は加熱食品が書かれているのですけれども、今、言及された容器包装詰低温殺菌食品は対象かどうかを明記していただいたほうがいいと思います。対象になるのか、ならないのか、考えて読んでおりました。
 もう一つ、意見に対する対応状況の資料(Excel表)をいただいたのですが、それの13番に、「グループ3の常温保管品に該当する製品は、あらかじめ様式4の製品説明書を作成する際に、製品のAwを測定し、0.83より高い場合、グループ3の常温品ではなく、グループ2の冷凍・冷蔵品に分類し、取り扱われることになります」という記載があって、これが手引書中に明記できればいいなと思うのですけれども、これを手引書の中で明記することは可能ですか。
 以上です。
○五十君座長 いかがですか。
○全国水産加工業協同組合連合会 説明を間違えまして、すみません。手引書の1ページに記載のとおり、除外しているのは、容器包装詰低酸性食品でございます。
 それと、今の話ですと、0.83より高い場合には、グループ3じゃなくてグループ2になるといったことを明記すべきという御指摘だったかと思いますが。
○富松構成員 明記できるかどうか、私も分からないですけれども、これまでの実績等に基づいて、これが記載できるとすると、冷蔵と常温の大まかに見分ける目安が分かるのかなと思います。明記いただけるとありがたいと思うのですけれども、いかがでしょうか。
○全国水産加工業協同組合連合会 38ページ、0.83を上回ってしまった場合というのは、決められた製法で製造できなかった製品は、これは既に計画に入っていますから、計画の前段階で0.83より高いことが分かるということは、製品説明書のほうでそれが出てくるわけですので、分かりました。そちらをちょっと考えてみます。すみません。
○富松構成員 ありがとうございます。これはいい資料になると思います。よろしくお願いします。
○五十君座長 御検討お願いします。
 ほかに御質問等ございますか。
 大熊室長、どうぞ。
○大熊農水省食品企業行動室長 手引書の中身のことではないのですけれども、大規模な説明会は基本的には難しいが、要望があったところに対してはやっていきますということで、それはそれで結構ですけれども、せっかく一所懸命手引書を作成していただいたわけですし、特に、10名未満の事業者が半分以上を占めるということですので、とにかく全ての事業者にしっかりと周知を図る。やっていただけるとは思うのですけれども、ぜひ、それをお願いしたいなと。
 特に、水産加工と一口に言っても、いろいろな業種の人がいるでしょうし、すごくいい手引書なのですけれども、非常に分厚いので、もらっても読まないようなことはないと思うのですけれども、運用面でよく工夫していただければと思いますので、よろしくお願いします。
○五十君座長 ありがとうございました。
 それでは、ほかに御質問ありますか。
 三木課長、どうぞ。
○三木食品監視安全課長 1点だけですけれども、1ページ目のIの対象のところで「小規模な事業者を対象にしています」と書いていますけれども、ここを明確にしていただくように、「小規模な事業者(50人未満)」と明確に書いていただければと思います。
 よろしくお願いします。
○五十君座長 お願いします。
 ほかにありますか。
 そうしましたら、私から。いろいろ改良されて、良い手引書になっていると思います。それで、2ページ、3ページを見ていきますと、3ページに「2.グループ分け」とあります。これと、1の「グループと製品例」の位置を取り換えたほうが、恐らく分かりやすいと思います。グループ分けと来て、その後、それぞれのグループの内容を見ていけます。このままですとグループがいきなり出てくるその内容を探してしまうと思います。ああ、ここにあったかとなると思いますので、ここは取り替えたほうがよろしいと思います。
 あと、もう一点、データのところで、過去の10年間、原因物質別件数という値を9ページに挙げていただいております。これを見ると、ヒスタミンというのは非常に重要だなということになると思います。ここでもしデータをお持ちでしたら教えていただきたいのですが、このヒスタミン食中毒の原因となった食材としては、普通の生のお魚ですか。それとも干物類といったものですか。それともその他の加工品でそういった報告もありますでしょうか。その内訳は分かりますでしょうか。
○鬼武構成員 8ページにあります。
○全国水産加工業協同組合連合会 例としては、8ページから9ページに2000年以降のやつは掲げてあるところでございます。
○五十君座長 ありがとうございます。ここにあるのですね。
 現在、研究班でサポートしようと思っているのですが、干物なども入っているのです。食塩濃度がある程度あって、モルガン菌はおそらく増殖しないだろう食品で、どうして食中毒となるかというと、耐塩性の細菌でヒスタミンを生成させるものがあることが分かってきました。そうなってきますと、干物などの管理も今後気をつけなければいけない可能性が出てきました。今、そういった菌がヒスタミン産生に関わるかどうかの検討をしておりますので、こちらは結果が出ましたら情報提供させていただきたいと思います。次の手引書改正のときに対応を検討いただければと思います。
○全国水産加工業協同組合連合会 よろしくお願いいたします。
 グループ分けの件に関しまして、先ほど説明で申し上げたことをもう少し要領よくまとめた上で、注記として載せた上でひっくり返して記載したいと思います。
 あと、ヒスタミンの話につきましては、実際には干物を製造するまでがむしろ重要かと思いますけれども、製品になった後は、干物類に関しましては、今は冷凍で出荷されるのがほとんどでございますので、製造後にヒスタミンが生ずるということはほぼ大丈夫かと思います。
○五十君座長 分かりました。ありがとうございました。
 もしないようでしたら、これで終わりたいと思います。どうもありがとうございました。
(全国水産加工業協同組合連合会 退席)
○五十君座長 続きまして、資料5について、事務局より説明を願いたいと思います。
○事務局 全国水産加工業協同組合連合会様、ありがとうございました。
 ただいま、次の団体様の御準備をしておりますので、皆様、10分ほどお待ちいただけますでしょうか。また、開会の際に御連絡させていただきたいと思います。それでは、3時半にまた開会させていただきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
○五十君座長 では、3時半から、また情報があると思います。
 
(休  憩)
 
○事務局 それでは、構成員の皆様、検討会のほうを再開させていただきたいと思います。資料5の御準備をお願いいたします。こちらについては、事業協同組合全国焼肉協会様が作成いたしました焼肉店向けHACCPの考え方を取り入れた衛生管理のための手引書の案です。この手引書(案)は、団体様から厚生労働省に対し、記載内容についての御相談があり、本年10月28日に事前の意見交換を行い、構成員の先生方に内容を確認していただいたものでございます。本日は、事前の意見交換を踏まえて修正した手引書案について、団体から御説明いただきます。
 それでは、事業協同組合全国焼肉協会様、御準備が整いましたら、御説明のほどよろしくお願い申し上げます。
(事業協同組合全国焼肉協会 着席)
○事業協同組合全国焼肉協会 すみません、お待たせいたしました。私、全国焼肉協会で理事をさせていただいております水谷でございます。今日は、専務理事の旦と一緒に、この手引書についての御説明をさせていただきたく思います。
 前回の検討会で最初に御指摘いただきました焼肉店向けの衛生管理の手引書に関して、どういうところが通常の飲食店と違うのですかというところで御指摘を頂戴しました。それで、1ページ目の「はじめに」というところにも、この手引書は焼肉店向けであるということと、普通の飲食店と大きく違うところは、お客様自身で牛肉等々、ホルモンを含めて加熱調理をしていただくというところで、衛生管理の部分もお客様のほうによるところがあるので、きちんと御説明をしていくことというのが焼肉店としてやっていかないといけない大きな義務というところで、本編をちょっとつくり直したところがございます。
 それと、ユッケ等々の生肉の提供に関しては、店舗のほうで生肉から表面を殺菌してトリミング等々して提供しているお店は、調査した限りではないと判断して、冷凍の個食パックされたやつを皆さん、仕入れをされて冷凍庫で保管し、当日に冷蔵庫に移して解凍等をして、パックを開けて、そのまま出されるところがほぼ全部じゃないかというところで、御指摘いただいた、店舗での生肉、ユッケを造るというところは、今回は衛生管理の手引書からは省いているということも、「はじめに」にきちんと記載させていただいております。
 それから、大きなところで、22ページ、衛生管理計画で調理工程に応じた重要管理点のメニューの部分ですけれども、通常は1、2、3グループに分かれているのですが、お客様が加熱調理されるところを1つ、きちんと分けて表現したほうがいいのではないかという御指摘をいただきましたので、「お客様が加熱調理するもの」。牛肉とか豚肉とか鶏、魚介類、ホルモン、レバー等々に関して第3グループとして、通常、第3グループである「加熱後冷却し、再加熱して提供するもの。または、冷たいまま提供するようなもの」を第4グループとして、1個グループ分けを増やして手引書を変更させていただいたところになります。
 あと、28ページの第3グループの中のチェック項目というところで御指摘いただいた、肉をドリップに漬けないようにするとか、スライスした肉はできるだけ重ならないように、1枚ずつきちんと焼くようにするという、お店でお客様に実際お任せしていたところもピックアップして、きちんと注意していこうと思っています。
 それから、お皿で出てきた生肉をトングで取って焼いて、自分で取って食べるときには別のトング、もしくはお箸で取って交差汚染を防ぐというところに関しても、注意喚起をもうちょっと分かりやすく、きちんと明記させていただきました。
 大きなところはそういうところで、菌に関して、サルモネラに関しても明記したほうがいいということで、サルモネラ菌の表記に関しても、56から58ページで入れているところです。実際にお店のほうでは、叙々苑さんの六本木店のほうで、一部、この手引書にのっとった衛生管理のポイントと温度管理等々の実際のところを、1週間ぐらいしかできなかったのですけれども、試していただいて、これだったら何とか使えるという話もいただいております。
 あとは、もうちょっと細かく衛生管理をされているところは、また項目を増やすことも考えようというのも、焼肉のトラジさんでは、そういうことも視野に入れて考えていこうということで、実際のお店でのこの資料の運用は、年明け早々から入っていただけるというところで、実際の運用に関しても、これから広めていきたいなと思っているところでございます。
 以上、御指摘いただいたところ、細かいところはちょっと省かせていただきましたが、大まかなところは、今回の手引書を最終段しております。
 それと、今回の手引書に関して、イラストとかを使わせていただいているところがあるのですけれども、衛生協会でつくられているやつをそのまま載せているところもありますので、最終冊子としてつくるときには、きちんとしたイラスト等々をつくって、もう一度冊子として協会の会員さんにお配りする予定で今、考えております。
 以上でございます。
○五十君座長 御説明ありがとうございました。
 ただいまの資料5の御説明に関しまして、御質問や御意見がございましたら、お願いします。いかがですか。
 鬼武構成員、どうぞ。
○鬼武構成員 御説明と、それから、生食の肉の取扱いについてのヒアリング等をしていただき、短い間にありがとうございました。
 1点だけ、これはエディトリアルな点で、32のアの鶏卵のところ、これは多分平成10年か何かの厚労省の通知を文章で持ってきていると思われるのですけれども、普通の人が読んでいて、少し分かりにくいので、修文したほうがいいかなということを感じました。と申しますのは、1つは、鶏卵は食用不適卵を使ってはならないで、調理する場合は70度C加熱が必要。2つ目に、生食用の場合は、賞味期限を経過していないものを使いなさいというのが2つ目の通知だと思って、もし焼肉店で生食用もあれば、その点を付加していただいたほうがいい。この文章でも読み取れないことはないのですけれども、否定の否定をしているので、何となく読みにくいということでしょうか。
 あと、正常卵と、その下の食用卵不適卵。これは、注釈で全部平仄を合わせたほうが良いでしょう。通知の文章をそのまま括弧書きで持ってきているので、少し分かりにくいなと思ったので、修文してもらって整理して、通知をもう少しかみ砕いて修正したほうがいいと思いますので、ぜひ御検討ください。
○事業協同組合全国焼肉協会 分かりました。ちょっと平易な言葉に変えさせていただきます。
○鬼武構成員 お願いします。
○事業協同組合全国焼肉協会 ありがとうございます。
○五十君座長 ほかにございますか。ありませんか。
 もしないようでしたら、私から、先ほどの生食肉について、25ページの「ユッケ(仕入品) 提供するまで冷蔵庫で保存しておき、パックに入ったまま提供」という記載があるのですが、口頭では、それまで冷凍しておいたものを解凍して提供するようなお話だったと思います。これは冷蔵のまま、ずっと置くということではないですね。
○事業協同組合全国焼肉協会 個食ユッケについては、仕入れの段階では冷凍で仕入れて、それを冷凍庫に保管する。これを提供する日に提供する分を冷蔵庫に保管して解凍していく、そして提供するということになりますから、保管そのものは冷凍でなければいけないと思います。
○五十君座長 そのように書いておいていただいたほうがよろしいかと思います。
 よろしくお願いします。
○事業協同組合全国焼肉協会 分かりました。25ページの第1グループのユッケのチェック方法のところを、冷凍で保管し、提供する前に冷蔵庫で解凍して保管して、それから提供するということで、修正するようにいたします。
 ありがとうございます。
○五十君座長 31ページにも同じようなところがありますので、31ページについてもお願いします。
○事業協同組合全国焼肉協会 分かりました。一番上のところ。
 ありがとうございます。
○五十君座長 それでは、荒木構成員、どうぞ。
○荒木構成員 ありがとうございます。
 3か所質問させていただきたいところがあるのですが、まず、4ページの食材ごとに代表的なハザード、発生要因を挙げていただいているのですけれども、ハザードを先に挙げて、代表的な発生要因とカラムを入れ替えていただいて、代表的な管理措置(着眼点)と横に整理していただいたほうがいいかなと思います。例えば、一番上ですと、加熱不足と書いてあるのだけれども、代表的な管理措置は冷蔵と出てくるので、横へ見たときに何が何やら、ちょっと分かりにくくなっています。特に、野菜・果物類で、ウェルシュ菌とボツリヌス菌は、焼肉店で本当に必要なのでしょうかという点が若干分かりにくいので、再検討していただけるとありがたいです。
 それから、63ページにアニサキスのことが出ているのですが、基本的にはお客様が加熱する魚ということでいくと、アニサキスのこの注意事項は必要なのでしょうか。取り除いてから提供するという意味だったら、それでいいのですけれども、当然、生では食べてもらわないということなので、ちょっと唐突な感じがいたしました。
 それと、最後の67ページですが、「温度計の精度確認」というところを「正確さの確認」としていただいて、「以下の手順を参考に正確さの確認を行いましょう。」ということで、やり方は結構なのですけれども、頻度が書いていないのです。どのくらいの頻度でこういう確認をしたらよいのかということを団体でお考えになって、実際に現場でできる頻度を書いていただけるといいなと思います。
 それから、注意事項のマル2ですが、「施設の海抜高度や気圧によっては、100度Cにならないことがあります」ではなくて、「なりません」でいいと思います。だからどうするのかというのは、今、インターネットのサイトを探しますと、海抜や気圧で沸点が何度になるかということが計算できるようなサイトもありますので、少しそういうものを調べられるか、標高あるいは気圧と沸点の関係の簡単な表をつくっておくのも1つかなという気がいたします。海抜500mだと98度ですし、海抜1500mで焼肉店があるかどうか分かりませんけれども、95度ぐらいまで下がると思いますので、ここは焼肉店さんが見て分かるような記述にもう少ししていただけるといいなと思いました。
 以上です。
○事業協同組合全国焼肉協会 ありがとうございます。
 まず、4ページ目のほうは、ハザード部分と入れ替えをして、分かりやすいものに変えます。
 それから、野菜と果物類のウェルシュ菌、ボツリヌス菌に関しては、蛇足みたいな形になるかもしれないけれども、菌としては一応考えておいたほうがいいのかなと思って入れましたので、もう一度きちんと考えさせていただきたく思います。
 あと、63ページのアニサキスに関しましては、基本、最終加熱して食していただくということは間違いないところですので、お客さんが調理されるところなので、きちんと加熱、火を入れていただかないとアニサキスの被害に遭ってしまうという、お店だけではないというところもあって、こういう怖い食中毒の原因になるものもありますよという意味で、ちょっと入れさせていただきました。これも必要かどうか、もう一度考えさせていただきます。
 最終ページの67ページの温度計の精度確認のところは、「正確さの確認」にします。
 頻度に関しましては、ヒアリングしたお店では年に一度ぐらいと言われていたのですけれども、ちょっと少な過ぎるので、1か月に1回とか季節ごとに1回とか、怠らないように、そういうところをもう一度確認して、これぐらいでちゃんと確認するようにというのを入れてまいります。
 それから、気圧と沸点に関しては、重要なところですので、こちらも一部参考資料として、分かりやすく何か資料を載せるようにいたします。
 ありがとうございます。
○五十君座長 荒木構成員、よろしいですか。
○荒木構成員 結構です。ありがとうございました。
○五十君座長 朝倉構成員、どうぞ。
○朝倉構成員 すみません、御説明ありがとうございました。
 私から1点、エディトリアルなところとして、32ページのイの部分です。牛の肝臓については述べられているのですけれども、対象として文言だけを見ると、牛のその他の臓器・内臓が含まれないのかもしれないと思ったものですから、そこの部分をちょっと御検討いただければいいかなと思いました。
 あと、それに関連して、28ページの業界団体様のほうで想定されているチェック項目の例ということで、盛り付けに関わるところでは、速やかに盛り付け、すぐに提供するということを要件とされていらっしゃって、まさにそのとおりだと思うのですけれども、盛り付けに関わるところで、内臓肉とその他の正肉の部分との仕分けについて、何か御意見等あれば、お伺いしたいなと思いました。
○事業協同組合全国焼肉協会 御指摘ありがとうございます。
 まず、32ページの牛の肝臓、またはほかの臓器に関してというところも、もうちょっときちんと部位名を入れるような形で表記していこうと思います。御指摘ありがとうございます。
 それから、28ページのお皿で提供させていただくときに、焼肉店によっては、メニューの中でてんこ盛りみたいな形にして、いろいろなものが混ざってボリューム感のあるメニュー作りをされているお店もございまして、それを否定するのもあれかなと思ったのですけれども、確かに菌が違うところがありますので、協会としては、お皿を分けて提供すべきですよという一文を、この28ページの項目の中にプラスさせていただこうと思います。そこの部分が、実際に御指摘いただいて悩んでいたところではあったのですけれども、ありがとうございます。変更させていただきます。
 以上です。
○五十君座長 朝倉構成員、よろしいですか。
○朝倉構成員 ありがとうございます。
○五十君座長 ほかには御質問はありますか。
 大熊室長、どうぞ。
○大熊農水省食品企業行動室長 細かいところですみません。24ページのユッケのところで、冷凍の話だと思うのですけれども、認定工場の解説をもうちょっと丁寧に、何の認定工場かといったことを記載いただいたほうがいいかなと思いますので、お願いします。
○事業協同組合全国焼肉協会 認定工場というか、ユッケを製造する場合の加工基準というものがありまして、そういうことをやる事業者がいて、これは当然保健所も認定したところがやっているわけですから、認定工場ということだけで焼肉店では分かると思います。
○大熊農水省食品企業行動室長 万人が見て分かるように正確に記載していただければと思います。
○五十君座長 この場合は、生食用の加工基準というものがありますので、それに従って製造したとか、そういうふうに書いていただければよろしいかと思います。その辺、事務局と確認し表現してください。
 ほかにございますか。
 富松構成員、どうぞ。
○富松構成員 御説明ありがとうございます。
 1点だけ。40ページの記録の例でが、お客様が加熱する重要管理の管理基準は本当に難しいなと思うのですが、特記のところを見ると、お客様が重ねて焼いていたのを声かけして注意してさしあげたので、この焼肉店の従業員の方、すばらしい行動だと思うのですけれども、「否」になるのはかわいそうな気がするのですが。基準の設定が難しいなと思いますが、これは褒められることのような気がするので、意見を申し上げました。
○事業協同組合全国焼肉協会 ありがとうございます。
 確かに、ここまでやってくれる店員さん、特にアルバイトの方でここまでできる方は最近、なかなかいらっしゃらないので、注意したら褒めて伸ばすということは重要だと思います。そこは、店舗ごとに検討されることかなと思いますので、この資料が完成したら会員の皆様に説明会も開く予定にしておりますので、そのときには今いただいたコメントをつけて御説明させていただきたく思います。細かいところまで見ていただきまして、ありがとうございます。
○富松構成員 提供時に注意喚起をやらなかったとか、気づいたのに何も言わなかったらバツだと思います。よろしくお願いします。
○事業協同組合全国焼肉協会 ありがとうございます。
○五十君座長 畝山構成員、どうぞ。
○畝山構成員 ありがとうございます。
 質問ですけれども、焼肉店でお肉を提供するときの器にいろいろなものを使っている人たちがいると思うのです。葉っぱとか木とか。あれは、業界のガイドラインとかは何かあるのですか。
○事業協同組合全国焼肉協会 そういうものはございません。一般的に焼肉店と申し上げても、ピンキリという言葉は語弊がありますからあれですが、客単価が比較的高いところ、低いところ、注文したときにただ肉だけ乗って出てくるところもあれば、きれいに並べて、そこに葉っぱとかを添えて、見栄えをお客さんに喜んでもらうみたいなサービスをするお店とか、いろいろありますので、特にそういったことのガイドラインみたいなものは、協会内といいますか、業界の中でもそういったことは何もございません。
○畝山構成員 ありがとうございます。衛生管理がちょっと気になったので、質問しました。
 以上です。
○五十君座長 そのほか御質問、御意見ありますか。
 鬼武構成員、どうぞ。
○鬼武構成員 すみません、最後に1つだけ。先ほど、これから説明会をするとおっしゃっていましたし、先ほどの説明は10月から大手の有名店だと思うので、比較的できるところだと私も思っているのですけれども、むしろ普通のいろいろなところにある焼肉店さんが、これをもって本当に使えるかどうか、そこの周知徹底のほうが大切だと思いますので、今後の手引書の説明会のときにはぜひその点を周知徹底していただくようにお願いしたいと思います。
 以上です。
○五十君座長 よろしくお願いします。
 ほかに御質問はありませんか。
 三木課長、どうぞ。
○三木食品監視安全課長 質問というか、コメントですけれども、27、28ページのお客様が加熱調理するというところが非常に大事だと思いますので、ここには注意喚起の掲示をするとか、メニューへの記載とか、提供時にお客様に声がけするとか、基本的なことをしっかり書いていただいていますので、ここが非常に重要かと思います。
 その中で、食中毒防止のポイントのところで、箸とかトングの使い分けが重要と思っていまして、例えば「よく焼けた肉をとるときは箸(もしくは別のトング)を使う」というのがありますけれども、トングでも同じトングだと見分けがつかないので、生肉を使うトングとか焼けたやつを取るトングは何か目印をつけるとか、そういった工夫をされているお店もあると聞いていますので、そういうことも含めて情報提供してあげればよいかなと思いましたので、述べさせていただきました。
○事業協同組合全国焼肉協会 基本、今、焼肉店がやっているのは、2つのトングというよりは、トングとお箸。焼くときはトングで焼く、焼けたものをお箸で取るという形が基本になっていますので、トングが2種類出てくる店は極めて少ないと思います。いずれにしても、その辺ははっきりさせる、さらにこれを啓蒙していくことが大事でございますので、引き続き、そういう部分についても説明の中でしっかりと話していきたいと思います。
○三木食品監視安全課長 今、専務がおっしゃられたような形で、基本的にトングで肉を焼いて、箸で取るというのであれば、その順番も書いていたほうが分かりやすいかと思いますので、そういう記載も検討いただければと思います。お願いします。
○五十君座長 28ページの上から2番目に「生食用トングと焼いた肉用の」、ここにトングと書いてあるので、先ほどの話が出てきてしまったと思いますので、ここの表現を修正していただければと思います。よろしくお願いします。
○事業協同組合全国焼肉協会 今、御指摘いただいた件ですけれども、お店で1店舗だけ、今までに自分が行ったところで、トングのつかむところが丸いやつと、先がとがっているやつを2つ用意されていました。ただ、お酒を飲んで食べ始めたら、どっちがどっちか分からなくなってしまうので、御指摘いただいたように、お箸とトングというのは分けたほうがいいのかなとちょっと感じたのですけれども、実際には気をつけて、違うトングを用意されているお店もあるということでございます。
 御指摘ありがとうございます。
○五十君座長 確かに、飲んでしまうと分からなくなってしまいますね。
 ほかはございますか。よろしいですか。では、御質問、御意見等、ないようですので、これで終わりたいと思います。ありがとうございました。
 本日確認していただきました手引書(案)は以上になります。
 その他、事務局から何かありますか。
○事務局 本日は、ウェブ会議と会場のハイブリッド型に御協力いただき、ありがとうございました。
 次回、第27回の開催については、また改めて御案内させていただきます。
 以上です。
○五十君座長 それでは、本日の検討会はこれで終了いたします。長時間の御議論ありがとうございました。
 それで、さすがに年内はもうこれで終わりですね。それでは、皆さん、よいお年をお迎えください。