薬事・食品衛生審議会薬事分科会血液事業部会令和2年度第2回献血推進調査会議事録

日時

令和2年10月15日(木)15:00~17:00

開催形式

Web会議

出席者

出席委員(14名):五十音順、敬称略 ◎座長





日本赤十字社:敬称略
 
  • 松田 由浩
  • 鹿野 千治




事務局:
 
  • 中谷 祐貴子 (血液対策課長)
  • 菅原 高志  (血液対策課長補佐)

議題

  1. 1.令和3年度の献血の推進に関する計画(案)について
  2. 2.その他

配布資料

資料ページをご参照ください。

議事

 

○菅原補佐 定刻となりましたので、ただいまより薬事・食品衛生審議会薬事分科会血液事業部会令和2年度第2回献血推進調査会のWeb会議を開催いたします。本日の会議は公開で行いますが、カメラ撮りは議事に入るまでとさせていただきます。マスコミの関係者の方々におかれましては、御理解と御協力をお願いいたします。

本日はお忙しいところ御参集いただき、誠にありがとうございます。この度、新型コロナウイルスの感染拡大防止の観点から、Webでの審議とさせていただきます。

委員の出席状況ですが、田中純子委員におかれましては、本日欠席です。また本日は、日本赤十字社血液事業本部より、松田経営企画部次長、鹿野経営企画部献血推進課長に御出席いただいております。

次に、全ての委員の皆様より、薬事分科会規程第11条に適合している旨を御申告いただいておりますので、報告させていただきます。委員の皆様におかれましては、会議開催の都度、書面を御提出いただいており、御負担をおかけしておりますが、引き続き御理解、御協力のほど賜わりますよう、よろしくお願い申し上げます。

議事に入る前に、会場にお越しいただいている委員の皆様方におかれましては、本日の会議資料の確認をお願いいたします。タブレット上に①議事次第から⑨資料2-2までのPDFファイルが表示されているか御確認をお願いいたします。ファイルが表示されていない場合や不足がある場合には、近くの職員にお声掛けください。タブレットの使用方法につきましては、お手元の「ペーパーレス審議会タブレット操作説明表」を御覧いただき、御不明な点等ございましたら、事務局までお声掛けください。また、本日のWeb会議に際し、新型ウイルス感染症拡大防止のため、説明者においてマスクを着用したまま説明させていただく場合がありますので、御了承いただければと存じます。間もなく議事に入りますので、カメラの頭撮りはここまででお願いします。

それでは、以降の進行を衞藤座長にお願いいたします。

○衞藤座長 衞藤でございます。議事の進行をさせていただきます。それでは、事務局から、審議の進行方法の御説明をお願いします。

○菅原補佐 事務局でございます。本日はWebでの審議のため、対面での進行と一部異なる部分がありますので、審議の進行方法について御説明いたします。審議中に御意見、御質問をされたい委員におかれましては、まず御自身の名前と、発言したい旨を御発言いただきますようお願いいたします。その後、座長から順に発言者を御指名いただきます。御発言いただく際は、マイクがミュートになっていないことを御確認の上、御発言ください。また、ノイズを減らすため、御発言が終わりましたらマイクをミュートにしていただきますようお願いいたします。なお、発言者が多くなり、音声のみでの判別が難しいほど混雑した場合には、一度皆様の発言を控えていただき、発言したい委員についてはチャットにその旨のメッセージを記入していただくよう、事務局又は座長からお願いする場合がございます。その場合には、記入されたメッセージに応じて、座長より発言者を御指名いただきます。以上です。

○衞藤座長 ただいまの御説明につきまして、御意見・御質問などがあればお願いします。何かありますでしょうか。特にないようですので、議事に入ります。議題1「令和3年度の献血の推進に関する計画()について」、事務局より資料の説明をお願いいたします。

○菅原補佐 事務局です。議題1「令和3年度の献血の推進に関する計画()について」、資料1-1、1-2、1-3を用いて御説明いたします。

資料1-1は、令和3年度の献血の推進に関する計画()についての概要です。まず1.趣旨です。安全な血液製剤の安定供給の確保等に関する法律、いわゆる血液法の第10条第1項の規定に基づき、厚生労働大臣は、毎年度、翌年度の献血の推進に関する計画を定めるものとされております。このため、今般、令和3年度の献血の推進に関する計画を定めるというものです。

2.内容です。血液法第10条第2項で、献血推進計画に記載する項目が定められております。まず第1として、今回は令和3年度になりますが、当該年度に献血により確保する血液の目標量、第2に、その目標量を確保するために必要な措置に関する事項、第3として、その他献血の推進に関する重要事項、これらを法定事項として記載することとされております。

先月、本調査会で御議論いただきました令和元年度までの献血の実施状況などを踏まえ、令和3年度の献血の推進計画を定めるということになります。以下、令和元年度、現行の推進計画との主な変更点を簡単ですが記載させていただきました。第3の事項において、新興・再興感染症を含めた災害時等における献血の確保をするための記載を追加しております。

なお、調査会後の手続ですが、献血推進計画は血液事業部会で審議、薬事分科会に報告するという整理をしております。最初にこの調査会で審議を頂いた後、血液事業部会における審議を経て、最終的に薬事分科会に報告をしていくという手続を踏みます。スケジュール的には来年の3月下旬に告示をして、4月から適用していくというスケジュールです。

次のページには参照条文を付けていますが、説明は省略させていただきます。

資料1-2「令和3年度の献血の推進に関する計画()」は、この調査会で御審議いただき、最終的には諮問答申につながる令和3年度の計画案です。現行の計画とどこが変わっているか、この資料ですと分からないと思いますので、資料1-3として、新旧対照表を御用意しましたので、こちらで御説明いたします。右側が現行の令和2年度献血推進計画、左側が、これから作成していく令和3年度献血推進計画()です。棒線部分が改正部分になります。まず、主な点を御説明いたします。

まず第1として、令和3年度に献血により確保するべき血液の目標量です。献血により確保すべき血液の目標量を算出するためには、輸血用血液製剤が実際どれだけ使われるのか、また原料血漿がどれぐらい必要になるかを見込んだ上で、献血血液がどれだけ必要になるかを算定していかなければならないということです。

1つ目のポツで、令和3年度に輸血用血液製剤がどれぐらい必要になるかを記載しております。こちらは過去3年間の供給状況や需要見込みに影響を与えるような動向、例えば病院の移転などを踏まえまして推計しています。令和3年度につきましては、こちらでは●になっておりますが、昨年どおりの数量、赤血球製剤51万L、血漿製剤26万L、血小板製剤17万L、それぞれを製造するということになっております。これは昨年と同様です。

また、献血血液からは輸血用血液製剤だけではなく、原料血漿も確保していくということになっておりますので、この原料血漿を加えたものに対して、献血で血液を確保していくということになるわけです。この輸血用血液製剤及び原料血漿の必要量につきましては、血液法に基づいて、今月の15日までに国内原料血漿メーカーから厚生労働省に届け出られることになっており、現在こちらの量については精査中で、本日はまだ御提示することはできません。そのため、原料血漿につきましては、血液の確保量も表示することができないという状況で、●で表示しております。例年のことですが、12月の部会の際には、こちらに必要量をお示しするということになります。1ページ目は以上です。

2ページからは、第2として、目標量を確保するために必要な措置を記載しております。1の献血推進の実施体制と役割ですが、前年と変更等はなく、国、都道府県、市町村、採血事業者、それぞれの役割を果たすことで、献血推進を進めていくということにしております。

2は献血推進のための施策です。()普及啓発活動の実施、アの国民全般を対象とした普及啓発の()全国的なキャンペーン等の実施ですが、「愛の血液助け合い運動」の行事として、来年度は、鹿児島県で献血運動推進全国大会を開催する旨を明記しております。また、国、都道府県及び採血事業者は、献血に係る広報を、テレビ、SNSを含むインターネット、ポスター等の各広報媒体を効果的に活用し、その際、ポスター等にはインターネット上の情報にアクセスしやすくする工夫をすることとしております。

また、血漿分画製剤の安定供給の確保の観点から、近年需要が伸びている血漿分画製剤について、普及啓発資材を活用し、原料となる血漿については献血から得られた血液から作られていること、また多くの疾病の治療に欠かせないものであることを周知するとともに、原料血漿の安定供給のため、成分採血の呼びかけを行うことについて追記しております。

次に、()企業等における献血への取組の推進です。こちらにつきましては国及び採血事業者は、都道府県及び市町村の協力を得て、企業等の社会貢献活動の一つとして、集団献血を含めた企業等における献血の推進を促していくとともに、採血事業者には、血液センター等における献血推進活動の展開に際し、地域の実情に即した方法で企業等との連携強化を図り、企業等における献血の推進を図るための呼びかけを行う。特に若年層の労働者の献血促進について企業等に協力を求め、併せて献血や血液製剤について企業等に分かりやすく説明するための「献血セミナー」を実施するとしたものです。

次に、()複数回献血の推進です。こちらについても、国及び採血事業者は、都道府県及び市町村の協力を得て、複数回献血の重要性や安全性について周知することとしているほか、採血事業者に対し、複数回献血者へのサービスの向上を図ることを求めるとともに、平素から献血者に対し、機動的かつ効率的に複数回献血への協力について呼びかけを行う体制を構築し、特に若年層の複数回献血者を増やすため、「若年層を対象とした普及啓発」等に定める取組を通じて、複数回献血を推進していくということです。

イの若年層を対象とした普及啓発です。こちらについては前年と変更はございません。引き続き若年層等への普及啓発に努めることとしております。

()採血所の環境整備です。アの献血者が安心して献血できる環境の整備ですが、引き続き献血申込者への丁寧な処遇に留意するとともに、さらに、採血事業者には献血受入体制の整備や環境整備を行うことを求めております。また、献血が問診や検査の結果等で残念ながらできなかった方、例えば全血採血ができなくても、成分採血なら可能であるのであれば、成分採血を勧めるといった、いわゆる次回の献血につなげるために理由を分かりやすく説明するなど、丁寧な対応を行うことを明記しております。

イの献血者の利便性の向上です。こちらについても引き続き採血事業者に立地条件等を考慮した採血所の設置、地域の実情に応じた献血受入計画、時間帯の設定及び移動採血車による計画的な採血や、企業や団体等の集団献血の実施による献血機会の提供等により効率的な献血受入体制の整備を行うとともに、子育て世代に対応した託児スペースの整備、ICTを活用したWeb予約の推進等に積極的に取り組むとしております。

次に第3として、その他献血の推進に関する重要事項です。まず10ページを御覧ください。3の災害時等における献血の確保です。上の2つは前年と変わりませんが、昨今の新型コロナウイルス感染症を踏まえ、新興・再興感染症のまん延下であっても、医療需要に応じた血液製剤の安定供給を図るため、安心・安全な献血環境の保持と献血者への感染防止を図るとともに、様々な広報手段を用いて、献血への協力を呼びかけることを行っていくこととしています。また国、都道府県及び市町村は、こうした採血事業者の取組を支援することとしております。

最後に4の献血推進施策の進捗状況等に関する確認と評価です。こちらについては、従前から、国、都道府県及び市町村は、献血推進のための施策の短期的及び長期的な効果や進捗状況並びに採血事業者による献血の受入れの実績を確認し、その評価を令和4年度の献血推進計画等の作成に当たり参考とすることとしているほか、採血事業者に対しては、アンケート等を継続的に実施し、それらの意見を踏まえ、効果的な普及啓発や献血者の利便性の向上に資する取組を実施し、併せて、献血の受入れに関する実績、体制等の評価を行い、献血推進に活用することとしております。

この令和3年度の献血推進計画()につきまして、御議論いただき、御了解いただけるようであれば、今後、パブリックコメントを実施した上で、血液事業部会に上げていく形で手続を進めてまいりたいと思います。説明は以上です。よろしくおお願いいたします。

○衞藤座長 ただいま、令和3年度の献血推進に関する計画の案について、事務局より御説明を頂きました。御意見や御質問があればお願いいたします。いかがでしょうか。御意見、御質問はありませんか。特にどなたからもありませんか。

○海老名委員 栃木県の海老名ですが、よろしいですか。

○衞藤座長 はい。どうぞ、お願いします。

○海老名委員 御説明ありがとうございました。計画案自体については特段の異論はありませんけれども、関連で1点教えていただきたいことがあります。今回、資料1-3の10ページ目の3に、災害時等における献血の確保で、感染症流行時の献血の協力の呼びかけが盛り込まれております。この点については、私ども都道府県も、血液事業者の取組を支援することが期待されており、都道府県としても、献血推進を行う立場で日本赤十字社と積極的に連携して対応していきたいと考えております。

お尋ねしたいのは、新型コロナウイルス感染症への対応です。既に献血ルームなどの採血所では、献血者への感染対策が講じられているようですし、いわゆる発熱などの有症状者などの採血も控えられていることは、承知しております。ただ一方で、無症状でも病原体をお持ちの方もいるという知見もあるようですので、意識の高い献血者の方は、万が一、血液を介して感染させるリスクがあるのではないかと考えて、慎重になってしまうこともあると思うのですけれども、なかなか献血者側からその情報にたどり着くことができないのではないかと感じています。別の調査会や運営委員会の議論を拝見すると、WHOなどの知見を踏まえて考え方が整理されているように思いますので、日本赤十字社で丁寧かつ積極的な情報提供を行っていただくとよろしいのではないかと思いますが、いかがでしょうか。よろしくお願いします。

○衞藤座長 ただいまの御質問に関しての回答をお願いします。

○日本赤十字社血液事業本部松田由浩 日本赤十字社経営企画部の松田です。御質問ありがとうございます。こちらの点については、やはり新しい生活様式を踏まえて、私どものほうでも全国一律の対応をしていくということで、今、取り進めているところです。ただ、国民全体に行き届くには少し時間はかかるかもしれませんけれども、移動採血車、あるいは献血ルームでの献血については、安全・安心というようなイメージで、広報資材等にも一筆入れながら対応しているという現状です。以上です。

○衞藤座長 海老名先生、よろしいでしょうか。

○海老名委員 ありがとうございました。採血所での環境整備を進められていることは、十分アナウンスいただいていると思うのです。採血所で感染するという不安よりも、自分が献血したことで誰かに感染させてしまうのではないかという不安で献血を控える方もいらっしゃるのではないかと思いますので、その辺りについても引き続きの御配慮をお願いしたいと思います。ありがとうございました。

○衞藤座長 ありがとうございました。ほかに御意見、御質問等はありますか。

○花井委員 全く内容に関わりがないので恐縮なのですが、本文の書式で句読点が頭にきたり、途中に全角空間が残っていて、多分編集過程でいろいろとガタガタになっていると思うので、出されるときには整理されて出してくださいという、それだけです。内容については、異論はありません。

○菅原補佐 ありがとうございました。事務局でございます。申し訳ございません。今後は気をつけてまいります。

○衞藤座長 その件は、よろしくお願いいたします。ほかに御質問、御意見はありますか。よろしいでしょうか。

それでは、「令和3年度の献血の推進に関する計画()について」は、ただいま頂いた御意見を参考に、原案として手続を進めていただきたいと思います。よろしくお願いいたします。最終的な文言等については、座長一任とさせていただいてよろしいでしょうか。特に御異議がないようですので、そのようにさせていただきます。

事務局においては、今後パブリックコメントを実施し、その結果を踏まえて血液事業部会の審議に向けて、手続を進めていただきたいと思います。

それでは、議題3「その他」ですが、事務局から「献血の推進に係る新たな中期目標()について」、御説明をお願いいたします。

○菅原補佐 「その他」ということで、先日の調査会で御議論いただきました中期目標の設定に当たり、将来の献血の推進に係る新たな中期目標()について、説明いたします。資料2-1を御覧ください。こちらについては、先日の調査会にて御審議いただいた次期中期目標の内容について整理したものです。1.背景としては、平成27年度から実施しました「献血推進2020」が今年度で終了することとなりますので、中期目標ということで新たな推進計画を設定いただきます。名称は、献血推進2025で、令和3年度から令和7年度までの5か年の目標といたします。平成27年度から実施した「献血推進2020」の中期目標が、今年度令和2年度で終了することから、献血推進の計画に係る新たな中期目標を設定する必要があるということで、今回御議論いただく次第です。

2.新たな中期目標の設定に係る検討事項として、名称は先日の調査会でもお示しいたしました「献血推進2025」です。期間は、来年度令和3年度から令和7年度までの5か年の目標としております。目標の項目は、以下の4つです。1つ目は、若年層の献血者数の増加です。具体的には、10代、20代、30代、いわゆる若年層の献血率の増加。2つ目は、安定的な集団献血の確保です。具体的には、集団献血等に協力いただける企業・団体の増加です。続いては、複数回献血者数の増加です。最後は、献血の周知度の上昇です。こちらについては、献血セミナーの実施回数の増加ということとさせていただいたおります。()の達成目標については、今後、目標設定をする予定です。

それに関する3.今後の予定等です。従前より日本赤十字社で実施しているシミュレーションをお示しするところですが、それに加えて、今回は当調査会の委員である田中純子委員が行っている献血推進に係る厚生労働科学研究の研究結果を踏まえ、目標値を設定することとしております。こちらについては、従前から日赤において、今後の輸血医療を取り巻く環境の変化、献血可能な人口の推移などは、都道府県などによって異なる環境があることから、医療需要の推移の検証などの内容を踏まえて、需要推計に基づく必要献血者数等を算出しております。昨年度も、第2回献血推進調査会において、日本赤十字社から改めてシミュレーション結果をお示しさせていただいたところです。

今回、そういった日本赤十字社のシミュレーション結果に加えて、献血者数の動向、行動パターンを取り入れるなど、日本赤十字社以外の研究成果を加味することで、より目標値を設定できるものと考えております。また、それ以外にも、今回の調査会において御指摘いただいた点も踏まえて、案を提示したいと考えております。

資料2-2を御覧ください。当調査会の田中純子委員が行っております「新たなアプローチ方法による献血推進方策と血液製剤の需要予測に資する研究」についてのペーパーです。こちらを御説明いたします。まず、研究概要です。本研究については、3つの研究の柱「血液製剤の医療需要と供給の予測に関する研究」「若年者の献血推進の方策と教育資材の開発」「対策の効果と評価、効果測定指標に関する研究」からなります。人口動態、社会行動確率論的、情報マネジメント、社会医学的、医歯薬学教育など多岐にわたる研究分野からのアプローチにより、エビデンスに基づいた献血施策の基盤となる成果の提示を目指すものです。そして、その成果は、献血推進に関わる施策立案時の科学的根拠として、また、献血推進の目標となる情報として活用可能とするものです。その中で今年度は、「献血推進2025」に向けた、年齢別の献血率目標値の設定の資料とするため、献血本数の需要と供給の推移の予測を行うものです。

具体的には、項目1では、血液製剤の需要に必要な献血本数の算出として、まず血液製剤の需要の算出については、年齢群別「血液製剤供給単位数」から、「人口千人あたりの年齢群別献血血液製剤供給単位数」を算出いたします。そして、近年10年間の傾向を基に、平成30年度以降の「血液製剤推定需要単位数」を推計するものです。その推計された血液製剤推定需要単位数から献血者数に換算し、平成30年度以降の血液製剤の需要に必要な献血本数を算出いたします。それによって、需要予測を行うことにしております。

次のページの項目2.献血者数と献血率の推移です。こちらを算出するために、平成28年度から29年度の全ての献血者の献血種類と年度内献血回数から、性・年齢別に見た献血行動推移確率を求め、未来の状態を予測するものです。こちらは、いわゆるマルコフモデルと言われておりますけれども、そういったもので予測するものです。

また、平成1830年度の各年度の性・年齢別献血率をAge-Cohortモデルにより、年齢効果、年齢の違いが献血率に与える影響や、出生コホート、出生年の違いが献血に与える影響といったものを算出して、献血率の推移予測を行うAge-Cohortモデルにより推測し、平成30年度以降の献血率を算出するものです。

これらによって算出した数値を基に、目標となる献血率の参考値を算出し検討するというものです。それらを加味した上で、次期中期目標の目標値について、算出したいと考えております。いろいろと不手際がありましたけれども、説明は以上です。よろしくお願いします。

○衞藤座長 御説明ありがとうございます。ただいまの御説明について御意見、御質問があればお願いします。いかがでしょうか。

○石田委員 今のお話はよく分かりました。ありがとうございます。田中純子先生の研究計画によって、今後の計画を具体的に決めるというお話もよく理解できました。ただ、今、研究計画を見ますと、例えば、今回の資料2-1の目標の項目についての①若年層の献血者数の増加に関しては数値が当てはめられると思うのですが、それ以外の、安定的な集団献血の確保、あるいは複数回献血の増加、献血の周知度の上昇ということに関して、具体的な数値が得られるのかどうかということがよく分からなかったのですが、その辺りはいかがですか。

○衞藤座長 事務局からお願いします。

○菅原補佐 こちらについては、若年層の献血者数の増加という部分については、そういった形で活用するのですが、それ以外のところについては、別途、私どものほうで数値等、今後の傾向を踏まえて検討させていただきたいと思います。前回、若しくは今回の調査会議で御指摘いただく部分も含めまして、そちらについては数字を設定したいと考えております。以上です。

○石田委員 恐らく、これからの中期的な計画を立てる上で、実際に献血をする年齢を外れてくる方が増えてくる中で、それに対して若年層の献血数を増やしていくという対策が妥当だと思いますが、例えば、それ以外に実際の献血相当年齢の方にどういうふうに献血を積極的に受けてもらうかということが非常に重要かと思います。

医療側の立場から申し上げますと、安定的な供給体制がまず一番重要であるということは言うまでもありませんが、それに加えて、今回のコロナのように、例えば、血液の需要が一時危ぶまれるという情報が流れたり、そういうことがあることによって非常に不安が強くなります。実際に例えば緊急時、災害時などに非常にフレキシブルに実際に需要に応じて血液の供給体制が図れるという柔軟な体制を考えていく必要があると思います。今回、コロナ下のいろいろな課題も見えてきましたので、今回の中期計画には是非そのような内容も含めていただいたほうがいいのかなと考えております。例えば、安定的な集団献血の確保ということで、献血バスを増やすという意見、あるいは企業団体を増やすということが書いてありますが、今、コロナ禍で在宅業務が増えているという状況もありますので、そういうことを考えますと、献血バスで企業に献血を依頼することが難しくなってくる可能性もあるのではないかと思います。このように、今までどおりの安定的な集団献血の確保というのは、これから実際に継続できるかどうかというのは、かなり不明な部分も多いのかなと思います。

実際に私個人的に考えていたのは、例えば「ラブラッド」のように、複数回献血をされる方がおられると思いますが、そのような方にかなり協力をしていただいて、例えば、実際に中長期的に年に1,200ccの献血ができるのであれば、何月と何月に来ていただくことができるとか、血液が足りなくなるときには、そういう方に直接相談をして、献血ができそうな方と打合せをするという、ラブラッドの方との絆を深めるような対策のほうが、より効果的ではないかとも考えておりました。そういうことで、是非、その辺りの中長期的な計画については、特に安定的な集団献血の確保や、次の複数回献血の増加ということが非常に重要なポイントになるのではないかと思いますので、この辺りについてもかなり根拠に基づいた目標設定をしっかり立てていただいたほうがいいのかなと考えます。

もう一つ、最後の献血の周知度の上昇については、前回も私が意見を申し上げたのですが、実際に実施回数が増えたからと言って、献血者数が増えたとはいえないという結果であったかと思います。かなり労力を要する献血セミナーをどんどん増やしていくことを単に目標にすることが本当にいいのかどうかということも、再評価をお願いしたいと思います。以上です。

○衞藤座長 ありがとうございました。事務局からいかがですか。

○菅原補佐 石田先生、御意見ありがとうございます。こちらについては、今回の目標設定に当たりまして、参考にさせていただければと思います。

○衞藤座長 田中里沙委員から御質問、御意見があると伺っておりますが、いかがですか。

○田中()委員 よろしくお願いします。私も資料2-1の献血の周知度の上昇のところが少し気になっています。既に石田先生から分析・見解をいただいたところですが、推進計画の中にも、「採血事業者が献血未経験者にアンケートを継続的に実施する」という計画が書かれていて、実際問題、ここは積極的にやっていただいておりますし、近年では、いろいろなキャンペーンやイベントも試行錯誤の中積極展開され、活発化していますので、献血セミナーの実施回数だけではなく、その他の適切な目標指標を置くことができないかと感じております。

ただし、指標を増やしすぎますとKPIにとらわれてしまって弊害が出ることがあるため、慎重にしつつ、献血の認知度の上昇だけではなく、国として一番国民とともに考えたい課題感の理解度の上昇などを明確化してはどうでしょうか。セミナーの実施回数、複数回献血者は年間何人か、などは大事なところで、経年で撮っていく必要がありますし、余りここの欄を増やさないほうが良い面はあるのですが、周知度の上昇に関しては、少し何か別な指標を置けないかと思うところです。

○衞藤座長 ありがとうございます。事務局からお願いします。

○菅原補佐 こちらについては、御意見を参考にさせていただきます。ありがとうございました。

○衞藤座長 そのほか、御意見や御質問はありますか。

○宮川委員 日本医師会の宮川ですが、よろしいですか。

○衞藤座長 よろしくお願いします。

○宮川委員 石田委員と田中委員からお話がありましたが、底辺を増やすという意味では、医療従事者、特に医師・薬剤師・看護師については、血液製剤を扱う医療者として、献血経験を100%に持っていくということが、今後大きなテーマではなかろうかと思います。そういうことを本調査会の中で取り上げていただくことはできないのだろうか。そして、献血の経験というものは、血液製剤を取り扱う者にとっては必須な教育であろうかと思います。ですから、学生のときからその経験を積ませていくことが大切です。これは厚労省だけではなく、文科省にかかってくるような問題かもしれませんが、献血を医・薬・看護学部の教育の一環として取り入れていくことはできないでしょうか。そのことが底辺を広げ、そして、血液製剤を取り扱う者の啓発そのものになるのではないかと思う次第です。それを取り上げていただき、調査会の中にどのように取り入れていただくのか御意見を頂きたいと思います。

○衞藤座長 ありがとうございました。事務局からお答えをお願いします。

○中谷課長 御意見ありがとうございます。事務局です。今、立てている項目の中で、今頂いた御意見を踏まえて、中期目標を考えさせていただきたいと思いますが、少なくとも、今、目標にするに当たっては、ベースラインになる数値があるものでないと目標を設定できないので、頂いた御意見の趣旨を少し確認させてください。

まず、献血の周知度の上昇のところの御意見としては、周知度という言葉よりは、例えば認知度のほうがよいのではないかということかと思いますが、よろしかったですか。

それから、例えばセミナーの実施回数は置いておくとしても、例えば、各キャンペーンの回数や、キャンペーンを知っているかといったアンケートなどで取れるものがあれば、そういったものを追加で入れるという趣旨でよろしかったですか。

3点目が、安定的な集団献血の確保のところで、今、企業・団体の数ということで一括りにしておりますが、例えば医療系の団体とか、学校、医学部のある大学の数とか、そういったもの、医療系の教育の視点を追加と言いますか、補足という形で指標として入れてはどうかという御趣旨ですか。その点について御確認をさせていただければと思います。以上です。

○衞藤座長 ただいま事務局からまとめていただいたことで、御質問の趣旨と合っているかどうか、それぞれ御検討いただきまして、もし御意見が更にありましたらお願いします。

○宮川委員 先ほどの企業とか団体ですが、製薬企業を含めて、そういう関連団体、例えば、医療機器、器材を取り扱っている会社、そういうような企業の方の輸血の認知度、そして経験を調査されてはいかがでしょうか。そして、製薬会社にも御協力願うということも非常に必要ではないかと思った次第です。以上です。

○衞藤座長 ありがとうございました。今まで御質問いただいた方も含めて、そのほかありますか。

○田中()委員 「周知度」という言葉は、曖昧な言葉でであり、漠然とした形で評価をすることとなり難しい切り口です。本調査会でもかなり議論をしてきているところですが、正しく問題意識を共有したり、課題感を理解してもらいたいという思いが根底にありました。年ごとに違う議題もあると思いますが、こちらから発信している内容が正確に理解されているかどうかを測れないか。少し難しい課題を出してしまったかもしれませんが、そこをこの資料を拝見したときに思いました。

加えて、意図が正確に伝わるかという視点から、推進計画には丁寧に具体的な表記がなされ、同時に年間でキャンペーンやイベントの実施、その都度の参加者アンケートもしっかり取って、報告もいただいています。しかしながら、これらがばらばらに存在していると、せっかく力を入れて実施している取り組みが、広く世の中にも、中の人にも外の人にも伝わらないかなという懸念があります。それらを集約してここに載せることができたらと考える次第です。。

現在、多くの企業がソーシャルビジネスを意識し、SDGsを踏まえて、社会に役に立つような事業がいかにできるかという流れで進んでいます。大手もベンチャー企業も、これまで多分、企業に関しては、団体に呼びかけて、そこに加盟している所が献血に協力するという流れがあったのかもしれませんが、加盟されていない企業等も数としてはあるかもしれません。また、集計で示されている企業数だけでいくと、大規模な所と人数が少ない企業では、実際問題、協力があってもボリューム的にかなり差があるので、ここをどう見るか。その辺も数値目標達成に向けて精緻にいくということであれば、その方針をはっきりと定めたほうが良いのではというイメージでいます。よろしくお願いします。

○衞藤座長 田中里沙委員からの御意見に対して、事務局から何かレスポンスはありますか。

○中谷課長 ありがとうございました。今の田中委員の御指摘ですが、事務局としては、地域目標については毎年度献血推進計画の中でも目標等を定めていて、毎年、データのモニタリングをしている中で、少し先を見てという趣旨で設定しておりますので、余り精緻になりすぎないほうがいいのかなと思って、このようなものにしております。この周知度というのが分かりにくいという御指摘はごもっともだと思うので、ここのワードを認知度あるいは理解度としたときに、何か使えそうな具体的な目標があるかは、少しアンケートとか、これまで我々が持っているデータを確認して、検討させていただければと思います。ありがとうございます。

宮川委員の御指摘については、非常に鋭い御指摘だと思いますので、集団献血の企業・団体のところを、例えば全体だとこれぐらいのところ、製薬や医療機器などの医療系の企業の場合は、例えば加盟社のうち何パーセントとか、そういうことを補足のような形でモニタリングして見れないかということを、当該関係団体と少し協議をさせていただければと思います。ありがとうございます。以上です。

○衞藤座長 ありがとうございました。海老名委員から御質問があるようなのでお願いします。

○海老名委員 海老名です。中期目標についてですが、先ほどの推進計画の中でも、確保されるべき原料血漿の量というものが目標として示されることになっています。血液製剤の国内自給率を高めるという観点かと思いますが、年々その量が増してきていると認識しております。原料血漿を確保するに当たっては、成分献血へ御協力いただくことが重要だと思いますが、推進計画の中でも成分献血への協力を呼びかけるといった記載もありますので、例えば、複数回献血者の増加というものの並びで、成分献血の推進を図る指標を設定してもよいのではないかと感じております。ただ、項目が多過ぎてもということもありますので、あくまでも意見ということで受け止めていただきまして、事務局と日本赤十字社間で御検討いただければと思いますので、よろしくお願いします。以上です。

○衞藤座長 事務局からお願いします。

○中谷課長 ありがとうございます。成分血漿献血の推進という項目を入れられるかどうか、日本赤十字社とも検討させていただければと思います。御指摘のように、原料血漿の確保は、この中長期の大きな課題の1つですので、そのことも含めて検討させていただければと思います。

○衞藤座長 そのほかに、御質問、御意見はありますか。

○花井委員 花井ですが、よろしいですか。

○衞藤座長 花井委員、お願いします。

○花井委員 先ほど宮川委員の発言が結構重要だなと思って聞いていて、私も全国いろいろな薬系、医系の大学で献血の経験について伺うのですが、ほぼほぼ少ないという状況があります。今回の中期目標にどうなどというところもあるのですが、今まで確かにどういう集団がより献血に協力しているとかしていないとかいうのは、意外にファクトとしては見てこなかったような気もしますので、今後、基礎データとしては、そういう事実関係、どれだけ多い、少ないとか、医療系でも文学系のアカデミアでもほとんど変わらないとか、そういう実態のようなものが分かればより今後に役に立つかなと思いました。

それから前回の中期目標については、やはり全体の献血確保量が下振れしたことによって、何となくそこまで頑張らなくてもいけるみたいな、そうではないのかもしれませんが、まあまあいけるみたいな、この調子でいけば何かそんなに不足することはないというようなムードもあったかと思います。やはり、どれだけ需要が変化するかというのは、こういう目標のときに大事なので、今回においては需要というものを1年間単位であればある程度分かるのですが、やはり中期目標になるとその間の需要動向も変化するでしょうし、それにふさわしい需要動向をしっかりと見定めて数値を定めてほしいと思いました。

先ほど成分献血のお話がありましたが、今は原料血漿のほうがいろいろ上振れ、下振れしてよく分からないというのもありますし、輸血用血液については、どうやら赤血球製剤とか下方方向でいいのかなとか、大体、変わらないだろうというところもあるので、今回に関してはきちんとそこのところをしっかりして、達成すべき目標として徹底していただきたいと思いました。以上です。

○衞藤座長 ありがとうございました。そのほか、御意見はありますか。

○佐々木委員 佐々木ですが、よろしいですか。

○衞藤座長 佐々木委員、お願いします。

○佐々木委員 献血の周知度の上昇について、石田委員から、この目標として献血セミナーの実施回数を書くのは余り適当ではないのではないかという御指摘があったように思います。それはもっともだと思います。事務局のほうから、これに代わるものを何か御検討いただくということだったと思いますので、それはそのようにしていただければと思います。

細かいことですが、この達成目標についての表の、若年層の献血者数の増加の目標()の書き方ですが、何々パーセントまで増加させると書いてありますが、これはどういう意味を持っているのか、具体的にどういう意味なのか少し曖昧な表現なものですから、これをもう少し具体的にしていただきたいと思います。これがいつに対しての何パーセントまでの増加なのか、あるいは「まで」とありますが、これが何パーセント増加させるという意味と違いがないのかどうか、その辺をクリアにさせていただければ有り難いです。以上です。

○衞藤座長 ありがとうございました。事務局からお答えをお願いします。

○菅原補佐 こちらについては、一応、先生の御意見を踏まえて、なお、パーセンテージの書き方ですが、時点に関しては、確か2020の最終年度、今年度の。

○中谷課長 事務局です。補足しますと、若年層の献血者数の増加の目標につきましては、この内容は2020年までに10代の献血可能人口のうちの献血者の割合を○○%までという意味で書いておりましたので、その献血率の定義が分かりにくいという御指摘でしょうか。

○佐々木委員 そういうことになりますね。

○中谷課長 分かりました。そこは丁寧に、分かるように書くようにいたします。ありがとうございます。

○佐々木委員 あと、石田委員から御指摘の一番下の所も、私の理解でよろしかったでしょうか。

○中谷課長 はい、セミナー開催回数に代わるものを検討させていただきたいと思います。ありがとうございます。

○衞藤座長 ありがとうございました。そのほか、いかがですか。

○石田委員 石田でございますが。

○衞藤座長 石田委員、お願いいたします。

○石田委員 いろいろ御意見や返事を頂きました。ありがとうございます。宮川委員のおっしゃるとおり、企業・団体については私も全く同じ意見で、そのとおりだと思います。それから、周知度、理解度についても、今頂いた御意見で私のほうもよく理解できました。

それからもう1つは、先ほどもお話した複数回献血の増加というところなのですけれども、複数回献血者を年間何人にまで増加させるというのは、非常にこれは漠然としているのですが、実際にここがかなり大きなポイントになるのではないかと私は思っています。実際にラブラッドのことについて積極的に今頑張っておられる中で、例えば、年に1,200ccという限界まで献血をされている方もあれば、2年か3年に1回ずつ献血という方もおられます。実際にこのラブラッドに登録されている方が、例えば献血基準のぎりぎりまで皆さんが献血をすれば、かなりの血液供給が可能になるということも考えられます。ですから、実際にこのラブラッドに登録されている方の献血効率というものを、少し具体的に検討してみたらいいのではないかと思います。つまり、ラブラッドの中でも、かなり協力しておられる方を、特別扱いするわけではないのですけれども、例えば認定ラブラッドというような形で、具体的に今後献血をどういう計画でやるのかとか、あるいは次にいつ頃献血をやるのかと、もうちょっと具体的に献血を計画的にやってくださる方を増やしていくというような方策を検討していくことが、かなり効果を上げる可能性があるのではないかと思いましたので、ここの目標についても、もう少し効率的な運用という面での指標を挙げていただいたらいいと思いました。以上です。

○衞藤座長 ありがとうございます。事務局はいかがでしょうか。

○菅原補佐 事務局でございます。御意見ありがとうございます。こちらについても、こちらのほうで検討させていただきます。ありがとうございました。

○衞藤座長 それでは、ほかの御意見・御質問はございますでしょうか。どなたか御発言ありますでしょうか。

○石田委員 すみません、石田ですが、もう一度よろしいでしょうか。

○衞藤座長 どうぞ。

○石田委員 先ほどの周知度のところの指標をどうするかという話なのですけれども、いろいろな活動を行っているけれども、どの活動が効率的なのかというデータは、いろいろ整理していただいているのですが、活動がどの程度効率的かという効率性を見た指標が、これについても非常に重要なのではないかと思うので、その辺りについて効率性を評価するような指標を御検討いただくといいのかなと思いました。以上です。

○衞藤座長 ありがとうございました。事務局からいかがですか。

○中谷課長 すみません、今の石田委員の御意見ですが、効果ではなくて、効率性でしょうか。確認をお願いいたします。

○石田委員 もちろん効果が出ればいいと思うのですけれども、実際に何人それで献血をできたかというデータも大事だと思うのですが、どの程度活動して、それが実際どの程度献血に結び付いたかという、その実際の活動の効率性というものを出すのが重要ではないかなと思いました。労多くして余り効果がない活動は、逆に削除していくということも必要ではないかという意味で、効率という言葉をちょっと使わせていただいたのですが、私、この辺りは専門ではないので、効率という言葉が正しいかどうかはちょっと分かりませんが。

○中谷課長 ありがとうございます。田中純子先生の研究班で、今日お示ししたもの以外のグループで、そうした効果ですとか効率性を見ていたと確か思いますので、少し田中先生の御意見も伺って検討させていただければと思います。ありがとうございました。

○石田委員 承知いたしました。

○衞藤座長 引き続き御意見・御質問等ございましたらお願いいたします。

○柑本委員 衞藤先生、すみません、柑本ですけれども。

○衞藤座長 柑本先生、お願いいたします。

○柑本委員 中期目標に関する質問でないとまずいですか。ほかのことだと、今のこの時間だとまずいでしょうか。

○菅原補佐 この議題が終わって、「その他」の部分のところで御意見を頂ければと思いますけれども。

○柑本委員 分かりました。では、そのときにお願いいたします。

○衞藤座長 喜多村委員、よろしくお願いします。

○喜多村委員 よろしくお願いします。先ほどからいろいろな先生がおっしゃっているように、中期目標の目標案の()の達成目標についての表が非常に分かりづらいと思います。数値を埋めて修正していただくということですが、私の疑問は、どういったものを根拠に、この数値目標が設定されるのかというのを、委員としては一応知っておきたいと思います。事務局のほうで目標値の出し方について何かお考えがあれば、ざっくりで結構ですが、お聞かせいただきたいです。

○菅原補佐 ありがとうございます。事務局でございます。まず、根拠でございますけれども、若年層の献血者数の増加につきましては、先ほど御説明しましたとおり、日赤のシミュレーション結果及び田中純子委員の研究成果、それらを加えまして、私どものほうで算定してお示しさせていただければと思います。あと、ほかについては、今後、過去の状況も踏まえて、こちらのほうで設定させていただければと思います。なお、目標の表現等につきましては、そちらに合わせて修正させていただきたいと思います。よろしくお願いします。

○喜多村委員 それで例えば、「若年層の献血者数の増加」とありますが、これは増加(プラス)という方向性はもう決定しているという理解でよろしいですか。

○菅原補佐 そうです。

○喜多村委員 ちょっと数字がないので何ともいいにくく、増加させることには別に反対はないのですけれども、増加分で何%というようにお示しになるということの根拠はどこにあり、どのように算出するのかという、数字ではなくて考え方をお聞きしたいのです。

○衞藤座長 事務局はいかがですか。

○中谷課長 確か前回、この中期目標を設定した際、この若年層の献血者数の増加の献血率に関しましては、シミュレーションによって必要な献血者数が何人とあって、年齢構成が変わってきて、献血可能年齢で高齢者が抜けた分は、やはり若年者を増やさなければいけないという数字があって、それで献血率に戻すと大体このパーセンテージということで目標を設定させていただきましたので、今回も同じように、そうしたシミュレーションで必要な献血者数というのを出した上で、年齢別に割り戻すというか、区分けしてと思っております。以上です。

○喜多村委員 その場合に1人1回というように換算するのか、複数と換算するのか、そういったことも細かいですが情報としてはあったほうがいいのではないかなと思います。

○中谷課長 複数回の献血者の割合も加味して、また、今回、田中純子委員の研究では、そうした複数回の献血者の行動パターンというものも踏まえたシミュレーションをしていただく予定になっていますので、今度定めるものは、その献血の回数なども考慮したものになるという予定でおります。

○喜多村委員 ありがとうございます。あともう1点ですが、複数回献血者の増加というのは、これも賛成ですが、どなたか別の委員からのご指摘もありましたが、計画的にする必要が絶対あると思います。そのためには、やはり数値目標は必要になってきます。今の書き振りですと、例えば年間何人となっており1年単位ですよね。先ほど隔年で献血していらっしゃる方も多いとか1年間で複数回の方もあるということですので、延べ数や平均値で示すのも良いですが、もう少し具体的な指標にしていただくと、誤解が生じにくく、分かりやすいのではないかと思います。以上です。

○衞藤座長 ありがとうございました。そのほか御意見・御質問はございますか。

それでは、事務局におかれましては、これまで頂きました議論を踏まえて、引き続き中期目標について検討し、次回の調査会に提出していただきたいと思います。よろしいでしょうか。

○菅原補佐 承知いたしました。

○衞藤座長 それでは、その他、事務局から何かありますか。

○菅原補佐 事務局からは特にございませんけれども、柑本委員が。

○衞藤座長 柑本委員のほうでは、その他ということであったようですので、よろしいでしょうか。

○柑本委員 すみません、ちょっと1つ、今年度の活動について御質問させていただきます。このようなコロナの状況になってしまって、私などは法学部で文系学部なので、ほとんど大学に立ち入るようなことがなくなってしまっているのです。実際に10代でも20代でも大学生が献血者数に占める割合というのは、それぞれ30%、10数%で、結構大きいものがあると思うのですけれども、今年度の大学生に対する働き掛けというのは、一体どのような形で行っていらっしゃるのでしょうか。従来のようにパンフレットを置いたりとか、ポスターを貼ったりといっても、大学生は学校に行っていないので、そのようなものを目にする機会もないと思うのです。学生ボランティアの方たちは、ツイッターをかなり頻繁に更新して情報を提供してくださっているのですが、それが届かないような人たちにはどういう働き掛けをと考えていらっしゃるのか、教えていただけると大変有り難いです。

○衞藤座長 いかがでしょうか。

○日本赤十字社血液事業本部松田由浩 日本赤十字社経営企画部の松田でございます。御質問ありがとうございます。今、御指摘のとおり、特に10代、20代の前半、ここが前年度と比べても70%前後とご協力が減少しております。しかし、25歳以上では昨年より御協力があるということですが、学生が少ない要因の1つとしては大学、学校関係では、本当に運行できないというのが我々としても頭を抱えているところでございます。やはりリモート授業だとか、あるいは大学での制限の登校だということで、それぞれ全国からもお声は聞いております。

その中で、やはり我々が一番身近なのは、先ほど来出ておりますけれども、まずは1回でも献血に御協力いただいた学生には、先ほど先生からもお話がありましたように、学生推進ボランティアがおりますので、そういったところからのお声掛けやラブラッドを活用して、そして最寄りの献血ルーム、あるいは居住地の近くの街頭といった所に御案内をするということで進めているところです。そういった献血をしていただいた方々には血液センターよりアクションを掛けられるのですけれども、大学・高校というのは、献血の「きっかけ」になる1つの場所でございますので、例えば「みんなの献血」という題名で年間を通して血液センターではキャンペーンの展開をしおりますけれども、普及活動を前面に出して、特に学生たちには、学生推進ボランティアの皆様方に、告知を広げていただくというようなところが、まず一つ必要になってくるのかなと思います。やはり若い方に興味を注ぐようなアーティストだとかを活用して、何とか献血のほうに御協力いただくというようなところが、我々としては重要になってくるのかなと思っております。これでお答えになっているのでしょうか。すみません。

○柑本委員 ありがとうございました。本当にこの状況で対策を講じるというのはなかなか難しいと思うのですけれども、あれだけの割合を占めている人たちなので、何とか手が届くようにしていただければなと思いますので、どうぞよろしくお願いいたします。

○衞藤座長 ありがとうございました。近藤翔太郎委員はいかがですか。学生のほうの状況を踏まえて、何か御発言いただけますでしょうか。

○近藤委員 声が聞こえますでしょうか。

○衞藤座長 はい、聞こえております。

○近藤委員 自分的にも学生代表として、何か責任を結構感じているのですけれども、大学としてもボランティア活動が禁止されている大学がほとんどで、どうやったら広めていけるかということを考えてはいるのですけれども、一応7月頃に全国的にセミナー動画を各都道府県で作ったりして、一応SNSでは活動しているのですけれども、実際に大学に出て活動というのはなかなか厳しい状況です。

○衞藤座長 ありがとうございました。現状をお話いただきました。

○佐々木委員 すみません、佐々木ですが、ちょっとよろしいでしょうか。

○衞藤座長 どうぞ佐々木委員、お願いします。

○佐々木委員 例えば大学の保健管理の施設のような所は、学生にいろいろ周知するルートを持っていると思うのですけれども、そういった所に献血の数が減っていて困っているのだということをお伝えいただいて、いろいろな大学のそういう所から学生に周知していただく。それと、大学に来て献血してくださいとは言えないので、あなたの住んでいる辺りで献血の施設がありますよというようなことも含めて、情報を流してもらうというようなことをお考えになっても、割と多くの学生に情報が伝わっていくのではないかと思うのですが、いかがでしょうか。

○衞藤座長 ありがとうございました。御提案もまた参考にしていただけたらと思います。「その他」ということに関して、ほかに御発言はありますか。事務局のほうも特にないということでよろしいですね。

○菅原補佐 ございません。

○衞藤座長 それでは、そろそろ時間がまいりましたので、特にほかに委員の皆様から御発言がないようでしたら。

○石田委員 石田ですが、もう一度よろしいですか。実際に今、コロナで社会的にもいろいろな、例えば働き方や教育、あるいは社会生活もそうですし、活動も様々変わってきている状況ですが、それにもかかわらず今はきちんとした在庫が守られているのは、恐らくこれまでいろいろ頑張ってこられた中・高生への教育とか、あるいはいろいろなキャンペーンとか、そういうもので実際に社会的に献血の重要性というものを皆さん認知していただいた、その成果が現在生きているのではないかと私は思っていて、実際に医療を行っている立場から見ても、非常に心強いなと感じています。

ですから、これからはウィズコロナ、あるいはアフターコロナという言葉がありますけれども、実際にこのように社会が変わってきている中で、それに対応していくような中期目標をしっかり組んでいただくということが非常に重要なのかなと。先を見据えた計画というのが非常に重要だと思いますので、是非、その辺りを組み込んでいただきたいと感じましたので、発言させていただきました。以上です。

○衞藤座長 ありがとうございました。ただいまの御意見も是非踏まえていただいて、中期目標の検討をお願いしたいと思います。

それでは、本日の議題は以上でございますので、これにて終了したいと思います。本日はどうも皆様ありがとうございました。