地域共生社会に向けた包括的支援と多様な参加・協働の推進に関する検討会(第8回) 議事録

日時

令和元年11月18日(月) 15:00~17:00

場所

TKP赤坂駅カンファレンスセンター ホール13B

出席者

構成員(敬称略・五十音順)

・朝比奈 ミカ   中核地域生活支援センターがじゅまる センター長
           市川市生活サポートセンターそら 主任相談支援員
・池田 昌弘   NPO法人全国コミュニティライフサポートセンター 理事長
・大原 裕介    社会福祉法人ゆうゆう 理事長
・加藤 恵     社会福祉法人半田市社会福祉協議会半田市障がい者相談支援センター センター長
・菊池 馨実    早稲田大学法学学術院 教授
・助川 未枝保     船橋市三山・田喜野井地域包括支援センター センター長
・立岡 学         一般社団法人パーソナルサポートセンター 業務執行常務理事
・野澤 和弘      毎日新聞 論説委員
・原田 正樹    日本福祉大学 副学長
・堀田 聰子        慶應義塾大学大学院健康マネジメント研究科 教授
・本郷谷 健次     千葉県松戸市長
・宮本 太郎        中央大学法学部 教授


参考人(敬称略・五十音順)

・西村 朗     埼玉県 福祉部福祉政策課長

議題

・ これまでの議論をふまえた整理

議事

 
○鏑木専門官 それでは、定刻となりましたので、ただいまより第8回「地域共生社会に向けた包括的支援と多様な参加・協働の推進に関する検討会」を開催いたします。
皆様におかれましては、大変お忙しい中、お集まりいただきまして、まことにありがとうございます。
本日、池田洋光構成員、奥山構成員、佐保構成員、田中構成員、知久構成員、野澤構成員、宮島構成員、室田構成員からは御欠席の連絡をいただいております。
なお、本日、知久構成員は御欠席ですが、西村明埼玉県福祉部福祉政策課長に参考人として御出席いただいております。
続きまして、資料の確認でございます。本日の資料は全部で4点ございます。
上から順に、資料1-1「地域共生社会推進検討会最終とりまとめ(素案)」、資料1-2「参考資料」、参考資料1「構成員配付資料」、参考資料2「本検討会構成員名簿」となっております。御確認をお願いいたします。
それでは、ここからの議事運営について、宮本座長にお願いをしたいと思います。
カメラの方々は、これで御退室いただきますようにお願いいたします。
(カメラ退室)
○宮本座長 本日もお忙しい中をお集まりいただき、まことにありがとうございます。
いよいよ最終とりまとめ(素案)が出てまいりまして、場合によっては次回、この検討会で取りまとめるという形になるかと思います。そういう意味では、最大の山場になるのかなと思ってございます。何とぞよろしく御議論のほど、お願いしたいと思います。
まず、冒頭、事務局から最終とりまとめ(素案)について20分ほど御説明をいただき、その後、皆さんに御議論いただくことにいたしたいと思います。
本日の会議時間については、18時までとお知らせをしていましたが、きょうの論点はまさにこのとりまとめ案に対する議論1つですので、もちろん議論の状況にもよりますけれども、17時をめどに終了させることができればと思ってございます。
それでは、事務局のほうから御説明をよろしくお願いいたします。
○吉田生活困窮者自立支援室長 失礼いたします。室長の吉田でございます。
資料1-1「地域共生社会推進検討会 最終とりまとめ(素案)」をごらんください。これまでの議論を踏まえた整理として、事務局として最終とりまとめ(素案)を提示させていただいております。基本的には中間とりまとめまでの考え方を引き継ぎつつ、その後、第6回、第7回と制度の枠組み等を御議論いただきましたので、その内容も盛り込みながらまとめたものでございます。まだ非常に粗いものでございまして、きょうの御議論なども踏まえながら、内容はもちろんのこと、構成なども変わり得るものかなと思っておりますが、その前提で御議論いただければありがたいと思っております。
まず、中身でございますが、目次をつけてございます。大きくⅠ、Ⅱ、Ⅲ、Ⅳ、Ⅴと分かれておりますが、最初に「地域共生社会の理念と検討の経緯」、Ⅱで「福祉政策の新たなアプローチ」、Ⅲで、ここら辺からが制度の枠組みでございますが、「包括的な支援体制の整備の在り方」、Ⅳで、今申し上げた制度を支える基盤として、「包括的な支援体制の整備促進のための基盤」とまとめさせていただきまして、最後に「終わりに」という形です。
時間も限られておりますので、かいつまんで御説明をさせていただきます。1ページをごらんください。「地域共生社会の理念と検討の経緯」というところです。
具体的に申し上げますと2つ目の○あたりですけれども、生活保護、高齢者介護、障害福祉、児童福祉など、リスク別の制度が発展し、専門的支援が提供されるようになってきましたが、3つ目の○で、社会的孤立など関係性の貧困の社会問題化などで、個人や世帯が抱える生きづらさ、リスクが複雑化・多様化しておりますと。
4つ目で、誰にでもそれは起こり得るリスクですけれども、従来の社会保障の仕組みのもとでは十分な対応が難しい、現場でも対応に苦慮している様子が見てとれるということも書き記させていただいています。
最後の○ですが、また、地縁、血縁、社縁といった共同体の機能が脆弱化しております。地域では民生委員・児童委員、自治会役員などが見守りなどを行うという形で、安心して暮らせる地域の実現にいろいろ取り組んでいただいてきたところですが、担い手の確保が難しいという声も多いところです。地域社会の持続への懸念というのも生まれていて、日本の社会保障制度が拠って立つ基盤にかかわる問題である。
2ページ目の1つ目の○ですが、地域共生社会とは、こういう今申し上げたような成り立ち、社会の変化を踏まえて、28年6月に閣議決定された「ニッポン一億総活躍プラン」において提案された理念です。
その下の○ですが、制度・分野の枠や「支える側」「支えられる側」の従来の関係を超えて、一人一人が生きがいや役割を持って助け合いながら暮らしていける、そういう社会をつくるというようなところです。
その下の○は射程のことについて書いていますが、その射程はもちろん福祉政策だけではなく、保健、医療など社会保障領域、また成年後見制度、再犯防止、自殺対策など、対人支援領域全般にわたるところでございます。
その下の○ですが、「加えて」ということですが、社会保障領域を超えて地方創生、まちづくりなど、他の政策領域にも広がっていくというものです。
その下の○ですが、そういう理念を掲げて政策展開を行っていくに当たっては、もちろん福祉政策は重要ですけれども、それだけではなくて、対人支援領域全体を捉えていくとともに、他の政策領域との連携も重要であるということを整理させていただいています。
2ページ目、「『地域共生社会の実現』に向けた検討の経緯」のところですが、包括的な支援、高齢者に関する地域包括ケアシステムとか生活困窮者自立支援制度などで、必要な支援を包括的に提供するという施策が推進されてきているというところです。
3ページ目の1つ目の○で、生活困窮者自立支援制度につきましては、自立相談支援機関による個別的かつ包括的な相談支援を軸とした実践が進められ、全国的に広がっていると。
その次の○で、地域共生社会という理念が示す包括的な社会像を目指した取り組みは、地道で継続的なものになりますけれども、今申し上げたような、これまでの対人支援領域における包括的支援と地域支援を総合的に推進するという流れを確かなものとするために、「地域共生社会の実現」を今後の福祉改革を貫く基本コンセプトとして掲げ、取り組みを進めているというところです。
具体的な取り組みの流れが3ページからずっと、法改正などが記してあります。
4ページ目でございます。検討会の射程ということですけれども、1つ目の○ですが、本検討会は、包括的支援体制を全国的に整備するための方策について検討を行うということとか、より広い視点に立って、社会の変化や個々人のニーズの変化、各地域で生まれつつある実践等を踏まえて、今後社会保障において強化すべき機能や、多様な社会参加、多様な主体による協働を促進するための方策について検討を行うという目的で設置されて、御議論いただいているというところです。
5ページ目でございます。「福祉政策の新たなアプローチ」で、これは中間とりまとめでもまとめていただいた部分でございますが、繰り返しになっている部分もありますが、重要なところですので書き記してございます。
3つ目の○でございますが、福祉の専門職による対人支援については2つのアプローチ、具体的な課題解決を目指すアプローチとつながり続けることを目指すアプローチを、支援の両輪として組み合わせていくことが必要であると整理してございます。
5ページ目の一番下の○ですが、今の状況、個人や世帯が抱える課題が一層複雑化、多様化していることを鑑みると、今申し上げたアプローチのうち、つながり続けることを目指すアプローチを具体化する取り組みを強化していく必要があると。
6ページ目でございますが、1つ目の○で、どちらのアプローチにおいても、本人を中心として寄り添う意識を持って支援に当たることを重視していくことが求められているところでございます。
2の「専門職による伴走型支援の推進等による重層的なセーフティネットの構築」というところで、社会との多様なかかわりを基礎として、自律的な生を継続していくためには、専門職による伴走型支援と、地域の居場所などにおけるさまざまな活動を通じて日常の暮らしの中で行われる支え合いや緩やかな見守り、双方の視点が重要である。これらが重層的なセーフティネットとなっていくというところで、これらを強化していく必要があるということを7ページ目まで書いてございます。
7ページ目、「3 重層的なセーフティネットの構築に向けた各主体の役割分担のあり方」ということで、自助・互助・共助・公助という従来の考え方に加えて、書いてありますとおり、行政により確保される機能を通じた保障、市場の機能を通じた保障、共同体・コミュニティの機能を通じた保障、こういうものをバランスのとれた形で個人の自立を支えるセーフティネットとして充実させていく、そういう考え方が必要であるということを整理させていただいています。
8ページ目でございます。このあたりから制度の枠組みでございますが、1で「包括的な支援体制の構築に向けた事業の枠組み等について」です。
1つ目の○ですが、つながり続けることを目指すアプローチを強化していくということ、市町村において包括的な支援体制の構築を推進するということのために、中間とりまとめでも触れていただいている3つの支援、断らない相談支援、参加支援、地域づくりに向けた支援というのを一体的にやる新たな事業の創設を行うべきであるというところです。
2つ目の○で、一体的に行うことによって本人と支援者、地域住民との継続的な関係性を築くことが可能となる。これらの関係性が一人一人の自律的な生を支えるというところです。
8ページ目の下から2つ目の○ですが、新たな事業を行う際の基本的な姿勢・理念についてですけれども、相談窓口に来られない方もいらっしゃいますので、アウトリーチを含む早期的な支援、複合的な課題を抱えた家庭もふえていますので、本人・世帯を包括的に受けとめ支える支援、本人の力を引き出す観点からの支援、信頼関係を基盤とした継続的な支援、地域とのつながりや関係性づくりを行う支援、こういうものを姿勢・理念として挙げております。
8ページ目から9ページ目は、この事業につきましては市町村の手上げに基づく段階的実施とすべきであるというところです。
9ページ目のその次の○ですが、事業の支援対象者につきましては、さまざまな課題を抱えておられる全ての地域住民ということになるかと思います。
その下の○ですが、新たな事業を実施するに当たっては、もちろん既存の取り組みや機関等を生かしながら進めていくというところです。一方で、地域の住民のニーズとか資源の状況等が異なりますので、圏域の設定や会議体の設置等は市町村が裁量を発揮しやすい仕組みとする必要があるというところです。
その次の○ですが、国の財政支援につきましては、柔軟な、包括的な支援体制を構築することを可能とするために、一本の補助要綱に基づく申請などにより、制度別に設けられた財政支援の一体的な実施を促進する必要があると書いてございます。
次からは3つの支援、断らない相談支援などについて、その現状と今後の方向性、そして具体的なスキームについてそれぞれ整理をさせていただいております。
断らない相談支援につきましては、複合的な課題を有している事例、継続的なかかわりが求められる事例、一人では相談支援機関の窓口までたどり着けない事例も多いということで、9ページ目から10ページ目にかけて、今申し上げた事例のそれぞれの詳細について書き記してございます。
3つ目の○で、そうした状況を踏まえるとということで、訪れた相談者の属性や課題にかかわらず、幅広く相談を受けとめる。また、本人・世帯の暮らし全体を捉え、本人に伴走し寄り添いながら継続的にかかわる。本人・世帯に支援を届け、本人・世帯とのつながりや信頼関係を築く。こういった軸から成る断らない相談支援を推進する必要があるというところです。
10ページの(2)具体的なスキームのところですが、今申し上げた3つの軸をもとに断らない相談を円滑に進めていくためには、3つの機能、属性にかかわらず地域のさまざまな相談を受けとめ、みずから対応または関係機関につなぐ機能、多機関協働の中核の機能、さらに支援に時間を要し、継続的なかかわりが求められる事例でありますとか、一人で相談窓口に来られない方がいらっしゃいますので、継続的につながり続ける支援を中心的に担う機能も求められるかなと思ってございます。今申し上げた②及び③の機能については強化していく必要があるというところです。
11ページ目ですけれども、今申し上げた相談支援を実施する際に、域内全体で備えるべき体制の要件としては3つ挙げられるということで、介護、障害、子供、生活困窮の相談支援に係る事業を一体的に実施するということ。今申し上げた①から③の機能を有すること。また、相談支援へのアクセスを住民にとって容易とするための措置を講じること。この3つが必要ではないかと整理してございます。
その下の○ですが、断らない相談支援については、特定の相談機関や窓口が全てを丸抱えするのではございません。適切に多機関協働を進めて、市町村全体でチームによる支援を行っていく。そういうことができるように、市町村において設計を行うものとするというところです。
圏域についてですが、市町村全域で断らない相談支援体制の確保をする観点から、市町村において既存の機関の分布など、地域の実情に応じて検討を行う必要があるとしております。
11ページ目の一番下の○ですが、人員配置、資格要件についてですけれども、各相談支援機関の人員配置については、それぞれの機関が担う機能や現在の配置状況を踏まえて、市町村において検討を行うというところで、その際、既存事業の人員配置基準、資格要件等、各相談機関に求められる機能を適切に確保すること等に留意が必要であるというところです。
12ページ目ですけれども、財政支援です。今、申し上げてきた要件が備えられることを前提に、必要な経費について一括して交付をしていくことを検討すべきということです。
2つ目の○で、対象となる事業を明示させていただいています。
(3)多様な主体との連携ということで、さまざまな対人支援において、2つ目の○で、保健、医療、福祉、教育、司法、消費者相談等、さまざまなネットワークを構築し支援していくという取り組みが進められております。
こういう取り組みとの連携が必要だということで、13ページ目ですけれども、具体的には自殺対策、居住支援、権利擁護、再犯防止・更生支援などの分野が挙げられると整理させていただいています。
引き続いて、「参加支援について」です。社会参加に向けた支援の現状と今後の方向性ということで、2つ目の○ですが、相談支援と一体として機能し、多様な社会参加に向けた支援の機能を確保することが求められているということで、具体例として就労支援、居住支援、学習支援など、多岐にわたるというところです。
その下の○です。属性ごとの制度において支援の充実が図れてきています。この参加支援の枠組みにおいては、既存制度との支援と十分連携しながら行う必要があると考えてございます。
その下の○ですが、「一方」ということで、個別性が高まり、狭間のニーズが生まれつつある状況もあると思ってございます。新たな事業においては、14ページ目ですが、既存の社会参加に向けた支援と緊密に連携しつつ、支援ニーズを受けとめるための「参加支援」の創設が求められるということです。
具体的なスキームですが、例えば2つ目の○ですけれども、新たな事業において実施する参加支援は、既存の社会資源を狭間のニーズにも対応できるように機能拡充していく取り組みを中心に位置づけ、今ある人的・物的資源の中で、本人・世帯の状態に合わせた多様な参加支援の提供を行うということで、具体的なイメージとしての例を挙げていますが、就労体験の場に経済的な困窮状態にない世帯のひきこもりの方を受け入れるとか、そういう機能拡充を図っていく、そういう支援の提供ができないかと思っております。
具体的に費用を充てるところを整理していますが、その下の○とその次の○ですけれども、市町村において既存の社会資源に働きかけるとともに、それらと対象者の間を取り持ち、アウトリーチなども行いながら継続的に支援する機能が求められるということ。
その下の○ですが、困窮の制度においては、就労体験の受け入れをする民間企業に費用を補助するような取り組みが行われています。既存の社会資源が参加支援に携わることのハードルを下げるような仕組みについても検討をすべきと考えてございます。
15ページ目、財政支援のところですが、以下の事業の実施に必要な経費に対して国として財政支援を行うということで、支援対象者と社会資源の間を取り持つ中間支援機能と、本人・世帯の状態に寄り添い、社会とのつながりを回復する支援を多様に整備する事業、これらについて財政支援を行うことを検討すべきというところです。
なお、参加支援の部分については補助金の一体的な交付は行わないということで、支援としては一連のものとして密接に行う必要があると考えてございます。
15ページ目でございます。「地域づくりに向けた支援について」ということで、現状と今後の方向性を書かせていただいています。地域づくりの意義のところは飛ばさせていただいて、16ページ目です。
一番下の○ですけれども、地域づくりを進める上では、まず地域に多様な参加の場や居場所を確保するための支援が必要ということで、地域の既存の活動や助け合いを把握しながら、それを応援し、地域づくりを応援するコーディネート機能が必要というところで、「個別の活動や人のコーディネート」と「地域のプラットフォーム」の2つの機能から構成されるというところです。
17ページ目です。具体的な支援のスキームですけれども、以下の2つの内容をセットで事業として実施すべきということで、場や居場所の確保に向けた支援とコーディネート機能、2つを挙げさせていただいています。
1つ目の○の住民同士が出会い参加することのできる場や居場所の確保に向けた支援については、現行の属性ごとの制度の中でもいろいろな場が整備されています。子育て世代がよく例に挙がりますが、同世代、同じ属性の住民が交流することを目的とした場、居場所というのは、同じ悩みや思いを持った方が集まってくる安心感があるということで、他者や社会とつながるきっかけになることも多く、こういう属性とか同じ年代や世代が集まるような場も多様に存在していく必要があると整理しています。
「一方で」ということで、住民の創意や自主性を受けとめるという観点から、世代や属性を超えた住民同士が交流できる場や居場所を整備できるような仕組みを導入すべきであるということで、3世代交流などいろいろございますが、多世代が交わるような場もあわせて整備すべきではないかという整理でございます。
17ページ目の最後の○で、重視する観点のものを書かせていただいています。
18ページ目でございます。コーディネート機能についてですけれども、例えばコーディネート機能が確保されることによって、地域づくりに関心の者がプラットフォームに集まり、コーディネーターと連携することで、人と人とがつながり、新たな参加が生まれ、地域の活動が高まっていくことにつながるのではないかということを書いてございます。
18ページ目の一番下です。人員配置、資格要件についてということで、今申し上げた、場や居場所の確保に向けた支援の人員配置、既存の事業でもかかっているものがございます。機能や現在の配置状況を踏まえて市町村において検討を行うわけですが、この際には既存事業の人員配置基準・配置人員の資格要件等や各機関に求められる機能を適切に確保することに留意が必要であると考えてございます。
19ページ目です。財政支援のところですが、この部分については①、②を一括して交付することを検討するべきであるというところで、補助金の一括化を想定してございます。
2つ目の○で、対象となる事業について挙げさせていただいています。
(3)多様な主体との連携というところです。ヒアリングなどでもいろいろとお話を伺わせていただきました。それをまとめてございます。
社会福祉法人による公益的な取り組みが一つございます。
その下の○で、医療法人が介護予防教室や出前講座をやられている例。医療の分野においても、地域の住民との協働の意識が醸成されているというところです。
3つ目の○で、このような多様な主体による地域づくりが広がっていくよう、面的に推進されるように、プラットフォームの構築を推進するための方策を検討するべきであるというところです。
最後、「なお」ということで、まちづくり・地域産業など他の分野との連携・協働の強化も必要であるというところを書いてございます。
20ページ、「市町村における体制構築の際のプロセスと留意すべき点」でございます。この事業はプロセス等が重要だということで、丁寧に書かせていただいています。
具体的には、1つ目の○で、状況を把握した上で、地域住民と関係機関等と議論をしながら考え方をまとめ、共通認識を持ちながら取り組みを進めるということかなと思っております。
2つ目の○ですが、地域づくりに向けた支援については、地域住民の主体性を中心に置き、長期的な視点を持って活動を応援することを基本とするということです。
3つ目の○ですが、庁内の組織体制についても、縦割りを超えて包括的な支援に当たることができるように、相互に連携を図りやすい体制に変えていくことが求められるというところです。
4つ目の○です。事業実施後も、地域住民や関係機関等と繰り返し議論を行いながら、定期的に分析・評価し、事業の内容を改善していく必要があるというところです。評価に際しては、包括的な支援が円滑に提供されているか、一つの相談機関等に過剰な負担が生じていないか、一体的になされた財政支援が適切に配分されているかなど、幅広い観点について確認し議論を行うべきであるというところです。
5つ目の○ですが、事業に際して事業の委託のための仕組みを設けることが必要であるということです。「なお」と書いていますが、価格面のみによって評価するのではなく、事業の内容などにも着目して総合的に評価していくことが委託に際しては重要であるというところです。
20ページ目の最後の○ですが、「なお」ということで、検討会でもたくさん御意見をいただいています。災害時の支援ニーズにもこういうものは役立つ、資するものであるということであり、それを想定した体制整備が求められるというところです。
21ページ目です。「各制度から拠出する際の基本的な考え方」で、1つ目の○ですが、断らない相談支援及び地域づくりに向けた支援については、高齢、障害、子供、生活困窮の各制度における補助事業について、一体的な執行を行うことができる仕組みとするべきであるというところです。
その下の○で、各制度で基準額や補助率が違いますので、積み上げ方や配分方法については詳細な検討を行う必要がありますが、その際には一定のルールに基づく機械的な方法により案分することが必要であるといった意見や、交付水準をしっかりと保つべきであるという意見があったところです。
あと、経費の性格、義務的経費などの性格がございます。それも引き続き、義務的経費として整理できるような仕組みとするべきであるという御意見もいただいています。
22ページ目です。ここら辺からは、事業を支える基盤としてのものを整理させていただいています。1つ目が「人材の育成の確保について」ということで、(1)専門職に求められる資質というところで、2つ目の○ですが、断らない相談支援、3つ目の○で参加支援、4つ目の○の地域づくりというところで、それぞれのところでノウハウとかスキルが求められますということを整理させていただいています。
(2)自治体の人材の育成・確保についてということで、庁内全体で包括的支援体制について検討していただくことが必要ですので、福祉部門の職員だけでなく、職員全体に対して研修等を行う必要があるということでありますとか、22ページ目の最後の○ですが、地域住民も研修に参加することによって専門職とともに学び会うことも重要であるという御意見をまとめさせていただいています。
23ページ、「地域福祉計画等について」ということで整理しています。市町村が新たな事業を実施する場合にも、地域福祉計画の記載事項としていくということで、これを通じて住民や関係者・関係機関との意見交換を重ねて、考え方、共通認識を醸成することが重要であるということ。また、介護保険事業計画など他の分野の計画との記載の整合を図るべきというところ。また、都道府県においても、地域福祉支援計画の記載事項とするということを記させていただいています。
24ページ目ですけれども、会議体についてということで、多職種、多機関が集い、情報共有や協議を行う会議体の機能が重要だというところで、既存の会議体があることに十分に留意し、これらを有効活用しながら個別事例の検討等を行うことが望ましいというところです。
24ページ目、「国及び都道府県の役割」ですが、今申し上げてきた市町村の役割がうまく発揮できるように、都道府県は管内自治体の実情に応じて、体制の構築の取り組みの支援であるとか、人材育成やネットワークづくり、広域での支援や調整が求められる地域生活課題への対応の役割を担うことが考えられるというところです。
24ページ目から25ページ目については、今申し上げた3つの観点でそれぞれ具体例を整理させていただいています
25ページ目の2つ目の○ですが、小規模な自治体や自立相談支援機関を有しない町村に対しては、国や都道府県によるきめ細かな支援が必要ということで、市町村と意見交換をしながら事業の共同実施の調整、都道府県に対する事業実施の委託の調整等、サポートを積極的に行う必要があるというところです。
最後、国の役割ですけれども、SNS等も活用し、都道府県県域も越える相談事業に支援するほか、市町村等に対して研修カリキュラムや教材等の整備、ブロック別研修等の実施を通じた人材育成の推進とか、個別に市町村へ職員を派遣し、機運の醸成、また、事例の分析、共有といった支援を進めることが考えられるということです。
最後の○ですが、いずれにしても各市町村の状況が異なりますので、足を運んで状況の把握に努める。また、その時々で市町村が必要としている支援を柔軟に提供していく、そういう観点が必要であるというところです。
最後、「Ⅴ 終わりに」については、本日の議論も踏まえて記載をしていきたいと考えてございます。
少し長くなりましたが、以上でございます。
○宮本座長 ありがとうございました。
皆さんから多くの議論を積み上げていただいたおかげで、ここまで到達したと思います。同時に、皆さんの議論をきちっと反映させ、そして正確な報告書を書き上げるというのはなかなか大変なことでございまして、事務局は大変苦労されたのだなと思っております。最終案が届いたのもたしか日曜日の午前3時ごろだったのではないかと思っております。そこまで皆さん奮闘されていたということだと思います。
しかし、きちっとした正確な報告書ということと、また、わかりやすさとか、あるいは読んで元気が出る、こんなこともできるのだ、あんなこともやろうというふうに、みんながエネルギーを発揮するきっかけになる報告書とまたちょっと違ってくるというところもありまして、特に後者に向けてこの報告書をよりよくしていくために、ぜひともまた皆さんの引き続いての御議論をお願いしたいと思っております。
また、この制度全体に対して懸念されていることも、もちろん遠慮なくお出しいただいて、報告書の中でセーフガードがちゃんと仕組まれていくということも大切だと思っております。
議論に入る前に、欠席の方から資料等での御意見を頂戴していると思いますので、事務局からそのあたりも補足があればよろしくお願いいたします。
○吉田生活困窮者自立支援室長 2件補足させていただければと思います。
きょう、資料1-2「参考資料」、いわゆる図とか絵の資料もつけさせていただいています。これもあわせてごらんいただきながら御議論いただければありがたいと思っております。この参考資料につきましては、これまでも検討会の中でお示しをしてきたものを今回一部修正などをしてお出ししているというところです。
もう一点につきましては、座長から今言っていただきましたとおり、本日御欠席ですけれども、奥山構成員、佐保構成員、田中構成員から御意見をいただいているところでございます。構成員提出資料として添付しております。
また、きょう御出席ですけれども、朝比奈構成員と立岡構成員からも御意見をいただいていますので、意見交換の際にあわせて触れていただければありがたいと思っております。
以上でございます。
○宮本座長 ありがとうございました。
それでは、意見交換を始めてまいりたいと思います。どなたからでも、御意見がある方は挙手にてお示しいただければと思いますが、いかがでしょうか。
では、菊池構成員、よろしくお願いします。
○菊池構成員 それでは、最初に発言をさせていただきます。
いろいろあるのですけれども、まず、被災者支援に関する叙述について、前回も意見が出ていましたが、今回は。
○宮本座長 報告書のどのあたりかということをお示しいただきながら議論をしていただけると、皆さんがついていきやすいかなと思います。
○菊池構成員 20ページの一番下に入れていただいていますけれども、支援ニーズの高まりなどに鑑みても、そういった整備をすることが求められる、これはこれでいいのですけれども、災害支援、被災者支援ニーズというのは、私が前回申し上げたのは普遍的なニーズと言っていいのではないか。これは、社会保障のニーズ、要保障ニーズと言っていいかどうかは別ですけれども。だから、そういったニーズへの対応、普遍的と言ってもいいような被災者支援ニーズへの対応という意味でも、包括的支援体制の構築がそれに資するのだという側面をもっと強調してもいいのではないかなというのが私の意見です。なので、総論のところに置いてもいいのではないかなという感じはします。詳細は『週刊社会保障』の来週号に出るので、参考にしていただければと思いますけれども、それが1つ。
それから、生活保護との関係です。9ページの脚注に落としてあるのですかね。それ以外で触れられているところがあれば教えていただきたいのですけれども、生活保護との関係はどうなのだという御質問が前回も出ていたかと思いますが、これはどうなのでしょうか。ここは一つ確認したいと思います。
とりわけ、ここでは「支援の必要があるは判断される場合には、当然に事業の利用が可能となる」と書いていますけれども、いわゆる他法、他施策、生活保護法4条2項との関係をどう整理されているのか。ここは避けて通れないし、全体としての生活保護をこの新しい事業の中にどう位置づけるかというのは非常に重要だと思うので、ここは確認をさせてください。
それから、ここは半分感想ですけれども、「プラットフォーム」という言葉が何度も出てきますが、ここではそれを前提に議論されてきていると思いますし、私もそのプラットフォームという言葉を聞くことはよくありますけれども、これはこの報告書の名宛て人が誰かということにもかかわってきますけれども、これを出して、受けとめたほうは果たしてすっとプラットフォームというのをイメージできるのかなというのはかなり懸念を持ちます。使うのであれば、もう少し具体的にイメージできるように説明をしないと、関係者間でわかるというぐらいでは説得力が不十分かと思います。ましてや、それをもとに財源の獲得を目指すのであれば、さらにもう少し明確にしていただきたいと思います。
それから、順不同で申しわけないのですが、17ページ、これも注に落ちている部分ですけれども、地域関係者、要するにネットワークというか、この中に産業分野、金融分野などが入っています。確かに重要なのですけれども、家族、企業、地域という社会保障や福祉を支えてきた社会を組織する主体の中で、企業と地域というのはどうかかわるのか、この地域共生社会の中で企業がどうかかわるのかというのはとても重要だと思うのですけれども、そこをつなぐ理論というか、論理が全く提示されずにいきなり金融分野と出てきますけれども、これはすごく難しい問いかけをしていると、私自身もまだ十分わかっていないのでハードルの高いことを申し上げているのですが、いわゆる地域という中に企業、それから現役世代ですよね。23ページの上から3つ目の○で、早期退職した人というのが出てきますよね。結局、いわゆる現役世代とか就労する世代というのは、退職しないと地域共生社会に入ってこないのかということですよね。それが地域共生社会の議論の限界なのかという、これも本質的な問題なのですけれども、いかに退職者だけではなくて、現役世代、一人一人の働く世代とか学生なども含みますけれども、あとは企業そのものがどうかかわってくるのか、少なくともそこまで及び得るものだということを、最後でもいいので少し言及しておいたほうがよいのではないかと思います。
別のところで厚労省の方と議論していて、若手の方は、働き方改革が進んで2040年を目指して進んでいくといろいろな働き方が出てきて、家にいながらとか、もう残業云々ではなくていろいろな働き方が出てきて、将来、若い人たちも地域とかかわれるようになるかもしれませんよねということを言ってくださった方もいました。だから、少なくとも最後のところで触れるぐらいはしていただけないものかなと思います。
それから、20ページ、25ページぐらいですが、市町村との関係です。市町村に関しては都道府県が支援していく、あるいは国としも支援していくと書かれていますけれども、普通の小規模市町村にできるのだろうかという率直な印象があります。そういった成功事例を持たない普通の小規模市町村には、別のスキームを提示してあげないと、「支援しますよ」だけで本当にやっていけるのだろうか、そういう印象を持ちます。
それから、これも最後にでもいいので言及してほしいのですけれども、どういう人たちがかかわっていくか。19ページの下から3つ目、「保健・介護・福祉関係者」とよく出てくるのですけれども、ぜひこの中に所得保障を担う主体、具体的には日本年金機構、年金事務所、地域型年金委員、こういった主体もこの連携の枠組みの中に入れるという言及を最後にでもいいのでしていただきたいと思います。
私、年金機構の運営協議会の仕事などをさせていただいていますが、年金機構もいろいろ問題があったけれども、今は前向きに地域で年金セミナーとか年金教育をここ二、三年で2倍、3倍やっているのです。年金機構の文章の中でも、地域共生社会という文言を入れるようになりつつあります。やる気もある。ソーシャルワーク的な機能を持たなければいけないですかねということも考えているので、ぜひこちらのほうで受けとめてあげるような言及を入れてあげてもらいたいと思います。福祉・医療・介護だけではない。年金は大事ですからね。年金事務所に来る人の多くはいろいろな問題を抱えて、困難を抱えてやってくるわけですからね。それが一つお願いです。
あと2つぐらいですけれども、私は地縁型コミュニティと言っていますけれども、従来型のコミュニティに余り言及されていない。1ページの最後に「民生委員・児童委員、自治会役員等」と出てきますが、これも取り組みが進められてきたが、なかなか難しいというニュアンスで捉えられているのですけれども、私も従来型のコミュニティの限界を感じています。しかし、多くの自治体、多くの地域では、まだまだこういった自治会とかが地域で担っている部分は多いわけで、自治体の多くはそこに依拠しているというか、頼りにしている部分があるわけです。なので、従来型のはもう難しいよねみたいなニュアンスだけで終わってしまうと、基礎自治体は困るのではないでしょうか。そうは言っても頼ってきているのだからと。だから、もう少し従来型のこういった組織に目を向けて、その力をかりながらやらなければいけない部分もあるのだよというところを少しフォローしていかないと、まずいのではないかと思います。
最後、済みません、超長くなっていますが、5回欠席した補充だと思って。
○宮本座長 遠慮なく続けてください。
○菊池構成員 3ページで検討の経緯について述べられているのですけれども、現在、政府で行われている全世代型社会保障検討会議、この前第2回がありましたが、あそこの第1回の資料を見る限りは、地域共生社会は議論のらち外に置かれているように私には思えました。いろいろな資料があるのですけれども、地域共生社会の部分はことごとくカットされているように私は思いました。
地域共生社会の議論に重要性を認めるのであれば、この検討会議がどうなるかわかりませんけれども、厚生行政として社会保障制度全体としての地域共生社会を意識した議論をしてほしいと思います。
具体的に言うと、各分野で、例えば障害者部会で吉田室長もこの前説明されましたが、あそこでは共有されていると思います。それから、介護保険部会でも共有されていると思います。私は委員ではないですけれども。ただ、ほかはどうか。
19ページの下から3つ目の○の最後の行で、「医療の分野においても、地域の住民との協働への意識が醸成されている」と書いていますが、障害者部会でも医師会の先生は、地域共生社会に医療の視点が欠けているのではないかとおっしゃいましたし、その先生は前回ここでお話しくださいましたけれども、では医療の分野で地域共生社会の理念がしっかり共有されているかというと、私は必ずしもそうではないと思います。
今、医療に関しては診療報酬改定に向けての取りまとめを行っていますが、医療保険部会もそういった記述は一切ありませんでした。そこは入れていただくように、私はたまたま委員なのでお願いをしたので、入ると思います。問題は医療部会。ある意味では医療提供体制を担うという意味では、医療部会のほうが地域共生社会と接点は多いのではないでしょうか。残念ながら、きょうは田中先生が医療部会の部会長代理でおられるので、多分そちらに出られていると思うのですが、田中構成員がおられたら直接入れてくださいとお願いするところですが、ここはぜひ事務局として、医療部会のほうでも取りまとめに向けてきょうその議論をしているはずなので、地域共生社会への配慮というか、そういうものを入れていただけるように働きかけをお願いしたいと思います。
場合によっては、田中構成員も社会保障審議会の委員ですし、宮本座長もですので、社会保障審議会の複数の委員からも、私も含めてそういう要請があると。なので、ぜひ医療のほうでもここの議論を少なくとも一言ぐらい入れてもらえるように働きかけをお願いしたいと思います。
済みません。長くなりました。
○宮本座長 ありがとうございました。菊池構成員から、7点にわたって大変貴重な御指摘、御意見をいただきました。
どうしましょうか。幾つか事務局に対しての御質問もあったと思いますけれども、吉田室長のほうから。
○吉田生活困窮者自立支援室長 ちょっと網羅的にはお答えはできないですけれども、御質問的にいただいたものについて何点か。
9ページ目の生活保護のところについては、脚注でも書かせていただいているように、支援の必要があると判断される場合には、当然に事業の利用が可能となるという整理をしていきたいし、していくべきだと思っています。
法的な関係性については、ここにも例えばケースワーカーと相談支援員の役割分担というので今後検討を行っていくということで書いていますが、先生御指摘いただいた法的な関係性も含めてしっかりと整理をしていきたいと思っています。基本的な考え方としては、この事業は生活保護の方も射程に入っている、支援対象に入っている、そういう基本線で整理をしていきたいと思っております。
あと、プラットフォームの御指摘とか企業の御指摘、また現役世代のかかわりの御指摘をいただきました。企業にかかわっていただく、現役世代にかかわっていただくことは非常に重要だと我々としても思っております。
今回の検討会の中でも、たしか6回目だったと思いますが、芦屋市さんに来ていただいて、「こえる場!」という取り組み、役所主催でいろいろな方々が集まって議論をするという中で、地域の企業の方が入って御議論いただくような事例も御紹介いただいたと思っています。
そういう形で、自治体と企業がうまく組みながら地域共生社会に向けた取り組みを進めていらっしゃる先進的な事例もございますので、それが一種プラットフォームの機能にもなっているかなと思いますので、報告書の中でよりわかりやすいように、一般の方々が読んだときにイメージしやすいような工夫をもう一段していきたいと思っております。
あと、地縁型コミュニティ、従来のコミュニティの重要性ということで御指摘をいただいたところです。言っていただいたととおり、1ページ目に民生委員・児童委員、自治会役員等の見守りという形で書かせていただいていますが、組織形態では余り書いていないのですけれども、地域づくりに向けた支援の中では、例えば16ページ目の一番下の○に「既存の活動や助け合いを把握しながら」ということで、自治会活動という形では書いていないのですが、既存でやられている活動というものをしっかりと重視していくということも必要かなと思っておりまして、十分ではないかもしれませんが、そういう意図で記載もさせていただいているところです。これについては、御指摘いただいた点も含めて、もう一段書き込めないかというのを考えていきたいと思います。
あと、医療部会の関係については御指導もいただきながら、少し我々としても努力をしてみたいと思います。
とりあえず以上です。
○宮本座長 ありがとうございました。
震災がまさに包括的な、普遍的な支援を必要としているというところは、菊池構成員の御指摘に従って総論のところに持っていく必要があるかなと思います。事実、総論のところに典型的リスクから非典型的リスクへという、その転換があっさり書かれ過ぎていて、そこが一般の読み手には少しわかりにくいかなと思って、そういう意味でその転換というのは具体的にどういう社会的な背景があるのかということを補充する必要を感じておりましたので、まさに震災などは好例でございまして、そうした観点から埋めていく必要があるのかなと思いました。
生活保護について菊池構成員のほうから法4条との関連、要するにこれは他法優先の原則との関係でそんなにうまくつながるのかという御懸念ですよね。実際、困窮者自立支援制度が立ち上がったときも、法制審からそのあたりを突っ込まれて、別々の制度になってきた。この地域共生社会の場合はそれを乗り越えていく見通しがあるのかどうかというところも、今、聞いていいのですかね。
○吉田生活困窮者自立支援室長 考え方として、対象者はなるべく広くとっていくべきだと考えていますので、いろいろなこれまでの議論の経緯があったことは承知しておりますが、なるべくしっかりと整理をしていきたいと現時点では考えております。
○宮本座長 それから、菊池構成員からの3番目、プラットフォームの言葉の抽象度と、4番目、地域関係者ということをきちっと経済関係者や現役世代を含めて入れていくべきではないか。これは恐らく同じ問題で、プラットフォームの中身を具体的に書き込むことで、そうしたアクターの姿がきちっと見えてくるのかなと思います。
あと、小規模自治体等で何ができるのかということについては、まさにさっきも申し上げていたことですけれども、すごく高度ないろいろな料理ができるマシーンを出しているのだけれども、レシピとかマニュアルが全然見えてこなくて、これでどんなすばらしい料理ができるのだろうということが伝わり切らない部分がございます。そこはぜひともバージョンアップの段階で補足していただければ、冒頭に申し上げた、元気の出る文章というものを目指す上でも大事かなと思います。
地縁型コミュニティについては非常に大事なところで、しばしば地域共生社会は、逆に菊池構成員の読み方とは少し異なって、地域共生社会を地縁型コミュニティに投げてしまうのではないかという反応もあって、そのあたりがこの書きぶりにも反映しているのかなと思います。名張市の例であれ、雲南市の例であれ、地域自治組織、まさにコミュニティを一定のファイナンスや人員の支援で支えて、それを地域共生社会づくりに活用していく、まさにそれが地域圏域ですよね。そのあたりを少し具体的に書いていただければと思います。
最後の問題、全世代型社会保障検討会議でどこまで取り上げていただくことが大事かどうか、ここはいろいろ考え方があると思いますけれども、社保審のいろいろな部会でこの言葉が浮上しつつあるということは間違いなくて、ちなみに福祉部会でも先般各委員から非常に積極的な期待が表明されたところもございますので、まず社会保障審議会の各部会できちっと議論を詰められていくことが大事かなと思います。
菊池構成員、どうもありがとうございました。かなり包括的な御意見をいただいて、後が少し出しにくいところがあるかもしれませんけれども、もう少し細かい話で全く構いませんので、朝比奈構成員、お願いいたします。
○朝比奈構成員 朝比奈です。ありがとうございます。
私のほうからは何点か参考資料1のほうにペーパーを出させていただいておりますけれども、直前で意見を出しているにもかかわらず、事務局のほうにはさまざま御苦労をいただいたと思って感謝しております。
この中で都道府県の役割につきましては、中間まとめ以降、少し書き込みが加えられていると理解しております。強調したいのは、この中で2点目に書かせていただきました、「子ども・若者年代への支援体制の構築について」です。ここを、家族を頼れない10代後半から20代の子供たち、若者たちについて、「制度の狭間」と表現をしてしまうことに大変な危惧を抱いております。現実に私どもが相談を受けたところで、打つ手がないといったようなことも多々あります。このあたりは児童福祉法の線引きも厳然として存在しておりますし、一方、児童福祉法にすらつながらなかったまま社会に押し出されてしまった人たちもたくさんおります。
一方で、児童福祉法の中で蓄積されてきたこの世代の子供たち、若者たちへのかかわりが非常に重要な実践であるとも思っておりまして、この児福法と困窮者支援を初めとする成人期の支援がどうやって重なりをつくっていくかということがとても重要だと思っております。
すごく悩ましいのですが、相談だけでは彼らにつながることができなくて、伴走型支援と出口支援がセットになったような拠点があって初めて安心して相談ができるのかなと。釧路で暴力や貧困にさらされながら子供時代を過ごしてきた当事者たちと一緒にNPO法人がつくった報告書の中では、地域の合法的な家出の拠点が欲しいということが提言されています。いることができる場所、誰かがいて話を聞いてくれる場所、安心して御飯を食べたり、泊まったり、居場所になる、こうした足場があって初めて彼らは悩み事を相談してくれると考えます。参加支援の一つのメニューになるかわかりませんが、こうしたサロン活動や短期宿泊の機能を位置づけた拠点が、今回の中で少しでも芽出しができないかと考えます。
報告書の最終まとめの中では、私は遅刻をしてきたものですから説明を聞くことができなかったのですが、13ページの欄外、14ページの欄外、15ページの注意書き3のところで、13、14の例示がもし重要な意味を持つのであれば、ここに親を頼れない、親族を頼れない10代後半から20代の若者たちへの支援ということも書き加えていただきたいと思いますし、一方で、15ページの「特に地域から排除される傾向にある若者への支援について」ということが何か特別の意味を持つのであれば、これはこれで生かしていただきたいと思います。
それから、基本的には市町村中心に委託も含めて体制づくりをしていくというような流れなのかなと理解をしているのですが、一方で7ページの3番の重層的なセーフティネットというあたりのポツの中に、「(準)市場の機能を通じた保障(福祉サービス、就労機会など)」と書かれていて、これは介護保険や障害福祉サービスの指定事業者などを指しているのかなと捉えたのですけれども、やはり直営や委託だけでは展開の広がりとか速度や深度、多様性に限界があると考えておりまして、これまでそうした指定事業者による実践の中で切り開かれてきた政策分野もあろうかと思っております。そうした事業者の力も活用しながら今回の体制づくりが進んでいくことを期待したいと思いますし、財政的な位置づけをどのようにしていくかということについても、とても重要かなと思っております。
さらに、「よりそいホットライン」を実施する社会的包摂サポートセンターの事務局長とこの件について意見交換をした結果、伝えておきたい点を何点か申し上げたいと思っております。
「よりそいホットライン」には、一般ラインのほかに外国人やDV、性暴力の被害女性、セクシャルマイノリティー、希死念慮の高い方、広域避難の方々、若年女性という特別な配慮が必要な相談者、今回の報告書で言えば、つながる力の弱い人たちということになろうかと思いますが、これらの専門ラインを設けております。
先ほど菊池構成員からの御指摘にもありましたけれども、総論の中でこうした多様なニーズを、例えば女性に対する暴力の被害者がMeToo運動を初めとして声を上げてきているということもあります。それから、セクシャルマイノリティーについては、自治体のレベルでさまざまな仕組みなどがつくられてきております。外国人についても、法改正もありますが、どんどんと在住外国人の方々の人口がふえてきているという状況があります。地域コミュニティの変化という文脈の中で、少子高齢化といった観点だけではなくて、例えばセクシャリティの問題やエスニシティの問題も含めた観点からの社会の変化ということについて、総論でもぜひ取り上げる必要があるのではないかと思っています。
ちなみに、専門回線の電話件数ですけれども、女性の専門ラインでは1日1,500件、セクマイの専門回線では毎日600件、外国語ラインも100件以上の電話が寄せられていて、少数とは言えない数になってきているのではないかなと考えています。
一方で、こうした方々の中で、地域につながることで排除や権利侵害に遭ってしまう。地域の中では別の顔で生きているという方々も多くいらっしゃいます。
こうしたつながる力の弱い方々、地域で相談できないニーズを持った方々の存在をきちんと意識にとめながら仕組みづくりをしていくときに、彼ら当事者の意見をしっかりと反映をしていく仕組みが重要になってくるのではないかと思います。それを市町村の体制づくりの際のプロセスの中に位置づけるのか、多様な主体との連携というところに位置づけるのか、そこは検討の余地があるかと思いますが、ぜひ当事者、声を上げづらい人たちの声をどうやって政策に取り入れていくかということについて検討をしていただきたいと思っております。
それから、先ほど性暴力を含めた暴力被害者のラインのお話をさせていただきましたが、これは「よりそいホットライン」にかかわらず、中核センターだけでなく生活困窮者支援の現場でも、過去の児童虐待やDV被害を初めとする暴力被害者の存在には非常に悩みを深めております。暴力というのは力を奪うことが目的ですので、彼らはつながる力、そのパワーレスの状態から回復をしていくのにとても長い時間がかかる。そこをどういうふうに支えていくかということが非常に重要だと思うのですが、一方で、相談支援の現場で相談に当たる人材がそうした暴力が及ぼす影響に対する配慮などを欠いた結果、また相談から遠ざかってしまうということも往々にしてあるかと思います。人材養成の中に、こうした暴力被害に対するアプローチ、理解の仕方、スキルなどについても、ぜひ取り入れていくことが必要かなと思っております。
最後ですけれども、25ページ、国及び都道府県の役割で、「国においては、引き続き、SNS等も活用しつつ」ということで、「よりそいホットライン」や自殺対策の中で取り組まれているSNS、LINE相談などについて念頭に置いた記述が見られます。ここでどれぐらい書くかということについては検討の余地があろうかと思いますが、「よりそいホットライン」としても、SNS相談の取り組みをしている中で、SNSのツールというのは相談の入り口でしかない。非常に重要ですが、一方で慎重な取り扱いが必要だということを痛感してきております。SNSでしかつながれない人たちは、その先につないでいく体制を用意せずに、SNSの空間の中で相談を重ねていくことで、よりリアルな支援から遠ざかってしまう、つながる力を奪ってしまうということにもなりかねないと思っております。そのあたり、SNSの功罪ということも含めて、仕組みの中では慎重な検討をしていただきたいと思っております。
以上です。
○宮本座長 ありがとうございました。大きく5点あったかなと思います。
これも、室長のほうから今レスポンスできる点がございましたら、よろしくお願いします。
○吉田生活困窮者自立支援室長 まず、紙で出していただいている「2.子ども・若者年代への支援体制の構築について」の中でも触れていただきましたが、13ページ、14ページの注のところで、「支援現場で見られている社会参加に向けた狭間のニーズ」というので書かせていただいています。ここは重要な脚注だと我々としては思っております。どういう現場の状況かというのをよりリアルにわかってもらうために例示を入れているというところですので、御指摘いただいた点を書き込んでいくことはしっかりと検討していきたいと思います。
15ページの3の脚注につきましても、これは前回、朝比奈構成員から言っていただいたことも踏まえて書かせていただいているもので、「地域から排除される傾向にある若者への支援」というところはやはり重要だというところで書かせていただいていますので、これも含めてどう整理するかというのはありますが、御指摘いただいた点はよく考えていきたいと思います。
あと、3の「新しい制度における各種事業のあり方について」のところで、指定事業者のことを言っていただきました。もちろん介護保険の指定事業所とか障害の分野の指定事業所とか、例えば参加支援の分野であれば、既存の仕組みとうまく連携してやっていくということも報告書の中に書かせていただいています。もちろん指定事業者のお力というのは大変大きいものだと思いますので、地域の中で活動、活躍されている指定事業者のお力をかりながらやっていくということは重要かなと思います。
その中で、事業のやり方として、まさしく狭間のニーズを受けとめてもらうという形ですので、その中で指定事業者の枠組みにそのまま乗っていけるかというと、そこはなかなか難しい局面もあるのかなと思います。委託が適している場合とか、直営でうまくサポートする場合とか、いろいろなケースがあり得るかなと思いますので、事業のやり方は柔軟にしながら、かつ、指定事業者としての御活動、御活躍、今までの実績は十分反映していくような形で、しっかりと制度設計をしていきたいと考えてございます。
あと、口頭で言っていただいた「よりそいホットライン」などのところです。にわかにはどう報告書の中に反映していけばいいのかというのは、まだまだ頭の整理をしないといけないかなと思っていますが、いずれにしてもつながる力の弱い方たちについてしっかりと支援をしていかなければいけないというのは、この検討会の基本コンセプトというか、重要な点の一つだと思っております。したがって、アウトリーチの強化とか、また地域づくりを進めて、地域で気にかけ合う関係をつくり、住民さんの気づきを促していくということも各所で書かせていただいているところです。
よりつながりにくい人たちに対してどう対応していくのかというところは、まだ加筆の余地があるのかなと、今、お話をお聞きして思いましたので、その点については御相談もしながら考えていきたいと思います。
最後、SNSの相談のところ、25ページの下から2つ目の○について御指摘もいただきました。我々としてSNS相談、よりそいホットラインの中でしっかりとやってきているというところですが、一方で自治体としっかりと連携をして出口をしっかりとつくっていくことの重要性、またその難しさというのが実践の中で出てきているということは承知しております。情報の管理の難しさもあると聞いてございますので、そういう点をよくよく酌み取りながら、報告書の中にどこまで書くか、この点についても検討していきたいと思います。
○宮本座長 朝比奈構成員、よろしいでしょうか。
若者・子供を狭間のニーズというふうに表現しているところもあるかと思いますけれども、この報告書そのものは狭間をなくすことを目標にしているわけで、その必要性を強調するためにも狭間になっているということを言わざるを得ない部分が出てきて、そのままそれが結論まで引きずられてしまっては本来の趣旨に反するわけですね。そのあたりをどう書いていくかというのはなかなか難しいところではあるけれども、大事なところでもあるかなと思います。
朝比奈構成員は、よりそいホットラインのような電話相談というのは少し位置づけられるのではないか、でもSNSについては慎重にというようなお話だったと思いますけれども、電話相談の位置づけ方など、もしお考えがあるようであれば、それはお話としてはむしろそこでセクシャルマイノリティー、外国人等の回路が非常に活用されているということから、その分野を忘れずにというお話は承ったわけですけれども、ツールとして何かお考えがあるということでしょうか。
○朝比奈構成員 SNSについては慎重にと申し上げたのですけれども、一方でもう子供たち、若者たちのコミュニケーションとしては非常に汎化して活用されているので、活用していくこと自体は避けられないだろうと思っています。いろいろなデバイスの一つとして、電話もあり、SNSもあり、ただ最終的に地域の具体的な支援にどうやってつながっていくかという、その連続性、重なり合いが重要なのだろうと思っています。
○宮本座長 ありがとうございました。
議論を続けさせていただきます。
助川構成員、続いて加藤構成員、その順番でお願いいたします。
○助川構成員 3点お願いしたいことがあります。
1つ目は事例という言葉の使い方なのですけれども、例えば23ページの一番下のところに、自治体全体で地域共生社会を推進することは重要であって、そのような取り組みを好事例として積極的に周知するという文章があります。ここのところの取り組みの好事例、うまくいっているところを参考にしてやっていくというのは後から始めるところには非常にありがたいことなので、とても大事なことです。逆に20ページの○の4つ目です。市町村がプロセスとしてやっていることをちゃんと評価まで行って、その評価の結果、好事例がちゃんと把握されるということとつながると思うのです。
なので、この好事例という体制の取り組みのいい部分という使い方と、研修や個別事例のことを考えていくと、24ページ、会議体で個別事例を扱っているのです。この会議体における個別事例は、本当にそれぞれの領域の事例を個別事例として取り出していって、それぞれのところでまた共有していくという形だと思うのですけれども、事例という使い方をすると、この辺は取り組みの事例なのか、それとも個別事例なのかというのはわかりにくいので、ここは明確にしていただいたほうがいいかと思いました。
特に会議体の中で個別事例を検討するのは、専門職が自分の領域外のところを一緒に学ぶすごくいい機会にもなりますし、単に研修だけではなく、こういう会議体の中で個別事例を学んでいくのはすごく大事だと思っています。
その中で、この個別事例に関しましては市町村の役割が入っていなくて、市町村は「個別事例の蓄積・分析」を文章として入れないと、国のほうの役割として25ページに出てくる「体制構築に関する事例の分析や共有」というところと連動性がないと思っています。市町村は自分たちが抱えている個別事例、そこから地域課題もいろいろ出てきますので、その蓄積と分析ですね。それが国のほうの事例の分析や共有とつながってくるだろうと思っているのが1つ目です。
2つ目ですが、人材育成のところ、22ページのところで資質について考えていただいて、その次に自治体の人材育成・確保を書いていただいてうれしいのですけれども、自治体の職員だけではなく、専門職は委託先が多いというのが最初のときに書かれておりまして、委託を受けやすい要件なども書かれているのに、人材育成のときには委託先の専門職のことがほとんど触れられていないので、その辺もきちんと研修体系を考えていただければと思います。
特に委託先は人材不足によって研修に出られないとか、なかなかそういう研修があっても出にくい状況も現状としてはありますので、出やすいような環境づくりと、難しいかもしれないのですけれども、ほかの認知症のところでは、職場から離れて研修に行くとそこに代替要員の部分の財源を持ち込めるとか、そのような出やすい方式を考えていただけたらと思います。
3つ目なのですけれども、私はこの新しいところを読むのが初めてなので、前のところでは断らない相談と地域づくりを通じて地域の発見する力を高めていくという文章があったと思うのです。地域づくりを通じて地域の発見する力を高めるというのは、非常に早期発見につながるので、今まで出てきた人が最近見ないのだけれどもなど、早目の相談が入ってくるとこじれる前にいろいろ対応できるなと思っていたものですから、読み落としているのかもしれませんが、今回の素案にその辺をもう少し入れていただけたらいいなと思います。
「高齢、障害、子ども、生活困窮」という分け方と「介護、障害、子ども、生活困窮」と、「高齢」が「介護」になっているところとでどのように整合性をとるのかがわからなかったので、それは言葉の使い方です。
あと、退職者は「早期退職者」でなくてもいいと思うのです。通常の退職者でもまだまだ働ける方はいらっしゃるので、「早期」とわざわざつけなくてもいいかと思いました。言葉の点はその2つです。
以上です。
○宮本座長 助川構成員から3プラス2的な御提案がございました。
吉田室長も大変だと思いますけれども、大丈夫ですか。
○吉田生活困窮者自立支援室長 事例の言葉の使い方については、よく整理をしたいと思います。個別ケースという意味で事例を使っているところもありますし、自治体全体の取り組み事例としての事例というように使っているところもありますので、それがわかるようにしっかりとしたいと思います。
個別事例の分析のところで、24ページの会議体のところで市町村の役割が余り触れられていないというのは確かにそうかと思いますので、既存の取り組みでも例えば介護の地域ケア会議などでは市町村がしっかりと役割を果たしていくという整理になっているはずですので、そういうことも踏まえながら少し加筆を考えたいと思います。
人材育成のところで22ページですけれども、しっかりと書けていないということだとは思いますが、専門職に求められる資質というのは、市にいらっしゃる専門職もそうですし、委託先の専門職も念頭に置いて頭の整理をしているつもりですが、おっしゃっていただいたように委託先の専門職の方々、なかなか人員配置、人員的な余裕がない中でお仕事をされている状況もあるというのはよく聞きます。そういうことに少し触れるような形での加筆は考えていきたいと思います。
「高齢」と「介護」の使い方、そこは整理をします。済みません。表記が揺れているということだと思います。
戻ってしまいますが、地域づくりのところで気づきにつながるというので、例えば15ページ、16ページあたりに地域づくりの意義ということは書かせていただいていて、十分ではないかもしれませんが、例えば15ページの最後の○で「地域やコミュニティにおいて、お互いを気にかけ支え合う関係性が育まれる結果、断らない相談と相まって、社会的孤立の発生・深刻化を防ぐことにも資する」ということとか、1個飛ばしてその下の○で「さらに、地域づくりの取組は、多用な参加の機会を生み出すことを通じて、地域やコミュニティそのものを支えることにもつながる好循環を生み出す」ということで、早期発見につながっていくということにも若干つながるような記載もさせていただいています。
あわせて8ページ、これは事業の枠組みのところで書いているものですが、○の3つ目で「一体的に支援を展開することで期待される具体的な効果」というところで「地域づくりに向けた支援を通じて、地域で人と人とのつながりができることで、個人や世帯が抱える課題に対する住民の気づきが生まれ、断らない相談支援へ早期につながりやすくなる」ということも書かせていただいています。お話を聞いていて、この部分である程度御指摘のことは書けているのではないかという印象を持ちました。
以上です。
○宮本座長 助川構成員、よろしいでしょうか。
事例の件についても、先ほど挙がっていた会議体は事例として挙がっているというよりも個別事例を扱う協議体として挙がっているのかと思いましたけれども、何かベストプラクティスを並べる報告書ではなくて、むしろこれまでできなかったことができるようになる、そこがポイントなのだと思うので、なかなか事例の挙げ方は難しいのかなとも思います。もし何かおありでしたら、そのあたり、お願いします。
○助川構成員 この報告書の中に入れるというのではなくて、通常業務の中で個別事例を私たちはすごく蓄積して、その中から再度学んでいくということの繰り返しなのです。そのPDCAの繰り返しの部分がもう少し個別事例の蓄積として挙がってきたらいいかと思ったものですから、そういう意味で使わせていただきました。
○宮本座長 ただ、実はそう言いつつも、私も最初に皆さんのところに配られたものに比べてもう少しわかりやすくなっているのではないかと思うのです。そこはむしろ事例だとか、余り重複のないような書き方を随分お願いしてきた結果でもあるのかと思っております。いずれにせよ、ありがとうございました。
加藤構成員、お願いできますか。
○加藤構成員 私は5点あるのですけれども、簡単に。
10ページのアウトリーチのところなのですけれども、「支援を届ける」というのはすごく大事だと思うのですが、その前に声にならない声を発見するというのがアウトリーチのすごく大事な役割だと思っているので、そこのあたりは再度検討してもらいたいと思いました。
14ページ、社会参加の参加支援に関する機能拡充のところなのですが、私は障害相談のところで支援をしていて、中学卒業後に発達障害かもと思いながら卒業しつつ、どこにも行き場がないという感じの方が、長らく自分が障害の受容をするところまで、ずっと社会とかかわれずみたいな人にたくさん出会ってきているのです。そういう意味でいうと、この機能拡充で障害の受容に行き着くまでのところでも、機能拡充することによって早目にこの参加支援に結びつけるというところをすごく期待したいと思いました。これは感想です。
次に、私は今回の報告書を見せていただいたときに、今ある社会資源、人材、場所、サービスを含めた社会資源の分野をまたいだ活用、ないときは支援についてみんなで考えるというところを強く感じたのです。そのような中で、20ページの市町村における体制構築の際のプロセスのところなのですが、今回は地域にあるいろいろな分野を超えた人材や社会資源を再確認することが物すごく大事な過程のような気がしています。私がいつも苦にしているのは、専門職や市役所の職員だけで地域分析をしようとするところに課題があるような感じが常にしていますので、住民と一緒にインフォーマルな社会資源の地域分析を丁寧に行うみたいなところは大前提としてすごく必要なのだろうと思いました。
人材育成で、22ページなのですが、今回の仕組みは市町村単位で断らない相談を行うよというところがすごく自分の中にあって、今いる人材をどうやって活用するのかがまたすごく大事なことなのだろうと感じていまして、分野をまたぐ事例検討がすごく大事だと思ったとともに、上から4番目の○の専門職自身の共生社会の意識啓発がすごく大事だと思っているのです。専門職自身、自分の専門分野に関してはすごく自信を持ってやっていると思うのですけれども、共生社会の意識啓発みたいなところはすごく大事なのではないかと思いました。
次に、ページ数があれなのですけれども、先ほどのプラットフォームの話でもあったのですが、私は地域による社会資源を活用した、成功した、暮らしが豊かになった、社会とつながったという事例を共有することで、地域住民自体があっと気づいたり、専門職があっと気づいて触発されるような場がプラットフォームなのだという認識でいるのです。そのような気づきの場、新たな社会資源開発になるような場をすごく大事にすべきだと思いました。
最後は私の現場感なのですが、24ページに人材育成とあるのですけれども、私は障害相談で基幹相談をやっていまして、困難事例ばかりがいっぱい舞い込んできて、それをどう解決するかということを毎日やっているのです。これこそ解決に時間がかかって難しいケースで、寄り添い続けるみたいな支援は、とても職員の労力が要るなと思う部分なので、ここの相談支援、断らない相談支援は必ず複数配置でないと職員は倒れるだろうというのが私の実感であるとともに、フォローアップ体制をいかにつくるかが市町村、圏域及び県といったところでどうやってやれるのかが肝なのかと思っています。
以上です。
○宮本座長 ありがとうございました。
大きく4点ですけれども、室長からもしあればお願いします。
○吉田生活困窮者自立支援室長 10ページのアウトリーチのところ、声にならない声というところは、ずっと出てきているつながる意欲がない方やつながりにくい方という話ともつながるのだと思います。記述の記載は何らか必要かと思いますので、工夫をしたいと思います。
地域の資源を再確認するということを言っていただいていて、住民も含めてというのは20ページのところですけれども、1つ目の○で「地域住民のニーズや資源の状況等を把握した上で、地域住民と関係機関等と議論をしながら」ということで、市町村の目線で書いていますが、地域住民さんと議論をするというのは暗黙の前提になってしまっていますが、インフォーマルな支援などもしっかりと把握して、その上で御議論をいただくというのが大前提かと思っています。
その下の「地域づくりに向けた支援」というのも「地域住民の主体性を中心に置き」と書いていますので、ここら辺である程度我々としては書けているかと思うのですが、御指摘もいただきましたので、もう一段工夫ができないか考えてみたいと思います。
専門職の意識啓発みたいなことも言っていただきました。22ページですけれども、言っていただいたことに近い発想で書いているのが一番下の○で「地域住民も研修に参加する機会を作ることにより」と住民のほうから書いてしまっていますが、「専門職と共に学び合う」ということで、ここは「地域住民が主体性を持って地域づくりを進められる」と書いていますが、十分に書けていないですけれども、専門職においても学びがあるのだろうと思っています。そういう意味でも地域住民、専門職で気づきの場、先ほどのプラットフォームにもつながると思いますが、いろいろな方が交わりながら、住民さんだけではなくて専門職の気づきも促していくということは、22ページあたりに少し書き加えられればと思います。
以上です。
○宮本座長 加藤構成員、よろしいでしょうか。
○加藤構成員 はい。
○宮本座長 加藤構成員のおっしゃった機能拡充で、実はこんなこともできるのではないかというのは、まさにこの報告書で並べていきたいところですので、ぜひいっぱいお出しいただければと思います。それが一番この報告書を生き生きとさせるのではないかと思います。ある意味で制度の棚卸し的なところがありますので、実はこんなものもあったのだというので、では、使おうよという流れもつくり出したいなということだと思います。
ほかにいかがでしょうか。
原田構成員、その次に堀田構成員、お願いします。
○原田構成員 幾つかあるのですけれども、総論のところで、菊池構成員におっしゃっていただいた医療とのつながりということと同時に、地域包括ケアシステムと包括的支援体制をどのように整理して積み上げていったらいいのかが十分読み取りにくいなという気がしています。
その意味では、重層的なセーフティネットの一つに包括的ケアシステムがあるとか、あるいは5番のところの具体的な体制構築の際のプロセスというところで、今まで積み上げてきた包括ケアシステムとこれからつくる包括的支援体制をどのような形で整合性をとりながらつくっていくのか。具体的なものを組み込んでいただけるといいなというのが大きなところです。
具体的なところでもう少し、5ページの5番目の○のところ、これは菊池構成員に補足をいただいたほうがいいのかもしれませんけれども、「相談支援」の後に「手続的給付」という言葉が出てきます。この説明がうまくないと、今まではどちらかというと給付要件があって給付に至らないとか、あるいは給付決定に至るまでの支援というところで相談支援はとても重視されてきているので、ここのところで唐突に「相談支援(手続的給付)」というところは、意図が説明されないと誤解されてしまうのではないかと。
13ページ、これは加藤構成員にもおっしゃっていただいたところですけれども、参加支援の中身が、例示として出てくるのは生活困窮の任意事業のところが中心なのですけれども、参加支援のイメージはもっと広く捉えておかないと、こういう支援だけで参加支援だというのが限定的になってしまわないかという心配があります。もっと言いますれば、社会教育の分野、いろいろなところでの参加、ボランティアの参加、我々はこの参加支援をもっと豊かに持っていないといけないのではないかというところです。
17ページ、4つ目の○で「この支援を進めるに当たっては」ということで、ポツがあって、最後に「包括的な地域文化を醸成する」とあるのですけれども、実は以前の地域力強化検討会のときには、地域共生社会というものをつくっていくためには「共に生きる」という「共生の文化」をつくっていかないといけないのだと。これは大きな全体の理念にもかかわるところですけれども、意図しているところは同じかもしれませんが、包摂的な共生の文化みたいなものをどうつくっていったらいいのか。
それをするときに、これも先ほどの加藤構成員のところとつながるのですけれども、22ページ、地域づくりのところではいろいろなところを書いていただいてあるのですが、専門職に求められる資質のところで、先ほど専門職自身の意識啓発ということがありましたが、この文脈でいくと、地域づくりは支え合いや社会資源の開発、その担い手をつくるというトーンなのですが、実はそれ以前に福祉に対して無関心な人あるいは無理解な住民、そこに対して子供のときから福祉教育みたいなものをしていくとか、福祉理解といったものを丁寧にしていかなければ、担い手づくりだけが専門職に求められる資質ではないのだろうと思うのです。もっと具体的に言えば、差別や偏見に対して専門職がしっかりかかわっていくという資質も含めて検討しておかなければならないのではないかと。
最後に23ページ、地域福祉計画のところで自殺対策基本法の話が出てきて、これはこれでとても大事なことだというのは重々承知していますけれども、こういう分野別のものが出てくると、成年後見の利用促進計画はなくていいのか、再犯防止計画はなくていいのかと、いろいろなものがまたガイドラインのときみたいに出てきてしまうと思うのです。それぞれとても重要なところはあるのですけれども、その辺は総じて書かないと、ここに自殺だけのものが出てくるのは違和感を覚えました。
以上です。
○宮本座長 ありがとうございました。大きく4点、お話をいただきました。
室長で何かあれば、お願いします。
○吉田生活困窮者自立支援室長 ありがとうございます。
地域包括ケアとの関係性みたいなところは、もちろん御案内だと思いますけれども、2ページから3ページの検討の経緯のところで少し書かせていただいたところではございます。これまでの対人支援におけるそういう流れを確かなものとするということも3ページに書かせていただいていて、地域包括ケアを引き継ぐのだというところは整理させていただいていたところです。一方で、御提案いただいた市町村のプロセスのところに書くというのは、我々は余り現時点で発想がなかったので、少し考えてみたいと思います。
参加支援のところについては、この前も御指摘をいただいていた点かとも思います。もう少しイメージが膨らむような例示は我々としても努力をして、しっかりと書いていきたいと思います。
22ページ、専門職の意識啓発に関連して、福祉に無理解な方ということも含めて、差別、偏見なども含めてというのはおっしゃっていただいたとおりかと思います。人と人とのつながりというところで少し狭い範囲で書いてしまっているかもしれませんが、ここも工夫したいと思います。
23ページ、自殺のところについても御指摘はよく理解しますので、ここも何らか工夫をしたいと思います。
以上です。
○宮本座長 ありがとうございました。
皆さんに申し上げていることですけれども、参加支援のところもぜひ原田構成員から、こんなことができるようになるよというケースを幾つかいただけると大変ありがたいと思います。
地域包括ケアシステムについては、恐らく参考資料でもポンチ絵か何かで、田中構成員もおられることですので、植木鉢がどんなところに置かれるのかみたいな形で、もっとちゃんとした温室と言っていいのか、そういうところに置かれてすくすく育つようになる等々のアイデアをいただいて、植木鉢は田中構成員にクレジットがあるのかもしれないので余り勝手に使ってはいけないのかもしれませんけれども、そのあたりを膨らませていくイメージづくりが大事かと思います。
堀田構成員、よろしくお願いします。
○堀田構成員 ありがとうございます。
最初の言葉の整理のところなのですけれども、まず「Ⅰ 地域共生社会の理念と検討の経緯」のところで、全体として「福祉政策」なのか、「社会保障政策」なのか、領域も「社会福祉分野」「社会保障領域」「対人支援領域」というのを、少し使い方が揺れているような気がいたしますので、整理いただいたほうがいいかと思います。
2ページの一番下の○ですけれども、今の議論に関連しますが「高齢者に関する地域包括ケアシステム」となっていますが、「高齢者から始まった」と変えていただいて、老健局の研究会では地域包括ケアシステムという仕組みが目指すべき社会の姿として地域共生社会が描かれているはずです。そこが少しわかりやすいようにここの項の中でも、あるいは先ほどの原田構成員の御意見にもとても賛成で、20ページの市町村における体制構築のほうでは、地域包括ケア推進課や局などができているところです。一方で、この報告書だと福祉系の部局に投げられるのではないかという気がするのですけれども、少しその辺にも書き込みをしていただいてもいいのかと思いました。
6ページ、これも言葉というか、2の中身は専門職による伴走型支援と地域の中での支え合いが両輪だと書かれているのですが、冒頭のタイトルは「専門職による」というのが前に出ているわけです。これでいいのかどうかは検討いただけるといいかと思いました。
真ん中なのですが「専門職による伴走型支援については」という○のポツなのですけれども、「複雑・多様な問題」というのが何度も出てくるのですが、どんな状況にあっても生きていてよいという本当に全ての人の基本的な人権のようなこと、先ほどの専門職自身の考え方もそうなのですけれども、どんな状況にあっても生きていていいと、そういう考え方、権利ベースのアプローチみたいなことを、ここもしくは後ろの専門職のありようのところに加えていただきたいと思いました。
次は8ページ、先ほどから幾つか出ていたアウトリーチのところなのですが、○の一番上の「アウトリーチを含む早期的な支援」、10ページ、15ページあたりにこれに関連するところがあるということになると思うのですが、まずは先ほどの加藤構成員のアウトリーチ、発見、確実にその機能も足していただくこととともに、早期的な支援が住民同士の気づきの力を高めていくことによってということにだけよっていていいのかということは、改めて検討されていいのではないかと思っています。
地域による発見、気づき、それによってということはもちろん今までも議論があって、確実にそこも重要なのですけれども、今まで何らかの相談であったり、あるいは学校、職場などにいらしていたはずの人がいなくなったりというところで、誰かが変だとおうちの隣で気がつかないとということがいっぱい起きているわけなので、早期的な支援が可能になるためにそのベースをどうするのか。何らか既存のデータを使ってもう少し機動的にアウトリーチの対象を、住民力に期待するだけではなくてというありようも、書き込めるのであれば書いていただいたほうがいいのではないかと思いました。
20ページの市町村における体制構築のところで、これは評価のことにも一部触れてくださっているので、以前にも議論があったことだと思うのですが、2つありまして、より大きな1つ目は、全体として地域の資源もですし、地域での向かうべき方向性も、より地域の方々が裁量を持って考えて、それに向かってやりたい方向で進めていきやすくしましょうというトーンだと思います。そういうトーンで進めて裁量を持たせてやっていこうということであれば、介護予防の交付金みたいな感じの国が一定の基準を設けて競争させようということに決してならないように、評価のあり方についても各市町村がどのような方向に向かいたいのかと。そのアウトカムもプロセスもストラクチャーの考え方も、例示はあっていいと思うのですけれども、国が一つの指標に基づいて評価をするということがないように、それは全体のトーンと合わないのではないかと思いますので、ふわっと書かれているのでそこまで書かなくてもいいのかもしれませんが、そこの裁量が評価にもあるということ、その中で上から2つ目の長期的な視点を持って、単年だけではなくてやれる余地も含めて、何らか書き込めるようであれば御検討いただければと思います。
最後は22ページの人材のところです。まず、専門職のところは、ここに書かれていることがスキルや知識やノウハウという感じなのですけれども、それでいいのだろうかという感じがしています。もっと専門職の職業倫理なのか、それとも4つ目の○にも関連しますが、ソーシャルジャスティス、社会的正義みたいなことなのか。知識とスキルとノウハウはそれなりにあるのではないかと思っていて、それがしっかり展開できるような日常的に生まれてくる問いが日常的に解消できるということであったり、もともとのプロフェッショナリズムの職業倫理のところを高め直す、発揮できるようにするということかもしれないのですけれども、スキル、知識、ノウハウという書き方は若干の違和感を持ちましたので、何らか追加していただけないかと思っています。
人に関する最後は「(2)自治体の人材の」と書かれているのですけれども、2つ目の○は地域住民ですし、3つ目の研修のインターネットやAIなどは、別に自治体の職員だけではないということだと思います。2つありまして、まず手法のほう、インターネットやAIなどの活用については、人材の学びのあり方全体に係るような構成にしていただく。それから、ここがやることではないのかもしれないのですけれども、今回の報告書は出会い、学び、気づき、アクションみたいなことがとても重視されていると思うのですけれども、その学びというときに学校教育や社会教育との接続というのが、人材のところにも、全ての住民の学びという観点からも、何らか芽出しをしていただければと思いました。
以上です。
○宮本座長 ありがとうございました。
ちゃんとフォローできているかどうかわかりませんけれども、大体8点お話があったと思います。
いかがでしょうか。
○吉田生活困窮者自立支援室長 ありがとうございます。
2ページの言葉の使い方で「福祉政策」「社会福祉政策」、また「社会保障領域」「対人支援領域」、一部揺れているところが確かにあるかと思いました。「政策」と「領域」というところもありますし、我々が今ここで御議論いただいているのは「福祉政策」の領域で、それより間口が広いところで「社会保障領域」というのは保健医療などが例示として挙げられていて、「対人支援領域」というときには、成年後見や再犯防止、自殺など、いろいろと挙がっているという頭の整理はしていますが、用語が揺れているところは確かにあるかもしれませんので、もう一度見直してみたいと思います。
6ページのタイトルのところで「専門職による伴走型支援の推進等による重層的なセーフティネットの構築」ということで、おっしゃるとおり、片方しか書けていないというのはそうです。1つ目の○で両方が重要だと書いていますので、確かにタイトルと中身が若干ずれているかと思いますので、逆に長くなってしまうところもあるわけですけれども、少し考えてみたいと思います。
御指摘をいただいたのは、アウトリーチと住民の方の気づきの関係性というところでしょうか。そこら辺は確かに書き込めていないと思っています。それぞれ独立した形で書いてしまっているので、少し関係性を持って書けないかというのは、それも考えてみたいと思います。
20ページの評価のところで、おっしゃっていただいたとおり、評価の部分についても地域の裁量でいろいろとやっていただく部分は多いのかとは思います。そういうことの何で評価していくかも含めてしっかりと考えていただくプロセスが重要なのではないかとは感じます。一方で、国としてこの点はチェックしていただきたいという点も出てくるのかと思っていて、そこを例えばというところで、この検討会でも御議論をいただいている部分について、しっかりと評価していただかないといけないのではないかという観点から記載していますが、そこの区分けをしっかりとしていかないといけないかと思いますので、そういう点で少し考えてみたいと思います。
人材のところについては、おっしゃっていただいているとおり、スキルやノウハウという若干狭い書き方になっているかと思いますので、御指摘を踏まえて考えたいと思います。
23ページ、インターネットやAIなどの順番のところは御指摘のとおりだと思います。ここは直したいと思います。
出会い、学び、気づき、社会教育や全ての住民みたいなことも言っていただきましたので、確かにここら辺にしっかりと入れられるかどうかわかりませんが、その要素がどこかに入るように考えたいと思います。
以上です。
○宮本座長 ありがとうございました。
堀田構成員からの御指摘はいずれもかなり具体的に修文にかかわってのお話であったと思いますので、そこもできるだけ丁寧に拾っていただいて、最終報告に反映させていただければと思います。
特に評価のところは、財政の削減しか考えていない自治体がこれ幸いにと包括化を、より安上がりの委託先を探す理由づけにしてしまっては本来の趣旨と大きく外れてしまいますので、くれぐれもそこは質的な評価、あるいは堀田構成員は長期的な評価というお話をされましたけれども、そのあたりをしっかりと書き込んでいただければと思います。
あわせて、先ほどの原田構成員からの地域包括ケアシステムとの関係、堀田構成員も2番目におっしゃった老健局での議論との関係、地域共生社会論は冒頭にもお示しされているように三重構造になっていて、1番目は福祉的領域での、2番目は老健局的な領域も含めた社会保障行政全体での、3番目には総務省や経産省等々も含めた行政全体での地域共生社会と。2番目の次元での地域共生社会というのは全てここで書き込んでしまうのではなくて、ある程度オープンにしておいて、豊かな議論が各部会から充当されるような条件も確保しておくことが大事なのかもしれないと思ってございます。
ほかにいかがでしょうか。
池田構成員、お願いします。
○池田(昌)構成員 それでは4点、既に出ているところもあるので、その中でそこに触れないところを発言したいと思います。
6ページの専門職によるというところですけれども、先ほど堀田構成員からもありましたが、最初の○で「専門職が」というのと、その下で「地域の居場所」となっていて、下のほうが必ずしも主語がないので、専門職なのか、住民によるものなのかがちょっとわからなかったのです。専門職と住民によるということなのだろうと思うのですが、専門職が伴走をすることで、かえって地域の住民が引いてしまうということがどうしてもあるので、専門職が伴走をするときに、地域の住民も今までどおりかかわっていくようなことをちゃんと意識してかかわるということも、どこかに留意しておく必要があるのではないかと思っています。
以前にこの案が出てきたときにはもうちょっといろいろな表現があったのですけれども、シンプルになった分だけ、ここの部分ではないところに書き込みはあるのだけれども、ここに書き込みがないと、どうしてもここの中で考えなければいけないこととはまた別なものとして後から読むことになるのではないかと思うので、少々ダブるような中身になったとしても書いておいたほうがいいのではないかと思いました。
関連するのですが、9ページから10ページにかかる断らない相談支援のところでも、何らか住民の方が気づいているというのは結構多いのです。そういう意味では、何らか住民にコミットする専門職のくだりが必要かと思っています。個別支援の相談員が地域につながっていてということなのか、それとも、後から出てくるコーディネーター、どちらかというと地域づくり、地域のつながりを支えていくコーディネーターが住民につながることによって、そこで把握した地域の気づきを個別支援の相談職につなげていくということでもいいのですけれども、そのような住民の方の気づきをつなげていくということもどこかに表記がないと、どうしても専門職がやることだと読み取れる部分もあるのかと思いました。
3つ目は、17ページの一番上の○に①、②と書いてあって、②の「ケアし支え合う関係性を広げ」というところがちょっとイメージがしにくくて、ケアし支え合う関係性というのは、支え合う関係性の中で必要があれば重度者も住民が支援するという読み取りでいいのかどうかがわからなかったので、解釈をいただければありがたいと思いました。
住民あるいは地域運営組織のようなところが、かなり支援の度合いの高い人たちを地域で支えていく取り組みも広がってきていて、地域住民が専門資格を取って支え合うようなところも出てきている中では、この辺をどう捉えるかというところで、考え方を教えていただきたいと思いました。
最後、これもどこに位置づけたらいいかわからなくていたのですけれども、市町村のところに位置づけたほうがいいのか、その後の人材のところに位置づけたほうがいいのかということなのですけれども、何度かお話をさせていただいている緊急一時支援のシェルターのようなものの表記が必ずしもなくて、現行の制度にないものということになっているので、現行の制度にない緊急一時支援のシェルターのようなものについての表記が必要なのではないかと思います。
全国の中で制度に全く乗らずに緊急一時支援をやっているところが幾つか見えてくるのですが、そこの方々と話をしていると、どこか悪いことをしているような気がするという話があって、制度に乗っていないのでそういう気持ちで仕事をしているけれども、一方、行政からは困ったらおたくにお願いということがあるという話があって、その意味で、緊急一時支援のシェルターのことをどのように表記できるのか。
その中で、特にこれも何度かお話ししていますが、一般的な介護事業所、障害者の事業所、児童もそうなのですが、どちらかというと慢性期型の支援という形のところが多いと思うのです。児童相談所の一時保護所のようなところは急性期対応もあるのかもしれませんけれども、急性期対応になるとほぼ情報がなくて受け入れなくてはならないということが出てくるということでいうと、どうも医療における慢性期と急性期の対応のようなものが福祉の分野の中にもあって、今までの福祉の枠組みでは緊急対応を受けにくいということがあるのです。まだまだ実践として多くはないのですけれども、仮に急性期という言葉があるとすれば、福祉における急性期の対応の実践を積み上げていくことを通して、今後を考えていくということや、あるいは今後の支援策を検討するということが必要ではないかと思いました。
これは市町村の災害時の支援にもかなり近い。震災や水害という意味での災害時ではなくて、暮らしの中での災害時とも言えないわけではなくて、その意味でどこかに表記があるといいのではないかと思いました。
以上です。
○宮本座長 ありがとうございました。
室長、いかがでしょうか。
○吉田生活困窮者自立支援室長 6ページ、専門職による伴走支援と支え合いや緩やかな見守りというので、後者はおっしゃっていただいたとおり、住民の方々が緩やかな支え合いや見守りをするイメージで書いています。だから、重なり合いみたいなことも言っていただいたと思っています。二項対立的にわかりやすさを重視して書いてしまっている部分があるかと思いますので、専門職による伴走支援と住民による緩やかな見守りということで、それが重なり合うというか、専門職が伴走したからといって住民の方々が引かないようにするということだと思いますが、そのような中身はもう一段工夫をして書く必要があるかと思いました。
9ページから10ページ、住民が気づいていてというところで、断らない相談につながっていくというところですけれども、どちらかというと言っていただいたとおり、地域づくりのコーディネーターが地域づくりをする中で、住民の気づきが生まれやすくなるという書き方を報告書全体ではしていますが、その中で住民と専門職の関係性をより具体的に書くという御指摘なのかもしれません。専門職と住民というかかわりの中での気づき、そこでの専門職の動きというのは、確かに十分に書けていないかもしれないので、断らない相談支援の中で書くのがいいという御指摘ですね。そういうことであれば、その工夫を少ししてみたいと思います。
ケアし支え合う関係性、17ページですけれども、これはお互いにそれぞれがケアし合ったり、支え合ったりということで、いろいろ立場が入れかわる、つまり、支援が必要になっても役割があって、支援が必要な方を助けるケースもあるという形で、いろいろ役割が入れかわるという意味合いも含めてこういう表現を使っている、今までの議論を踏まえるとそういうことかと思います。
その中で、今言っていただいた住民の組織、地域運営組織が比較的重度の方を受けとめていらっしゃるケースがあるということで、それ自体は認識していますし、それはすばらしいことかと思います。一方で、それ自体を目的としてというか、そのためにコーディネートするわけでもまたないので、そこら辺は結果としてという言葉がいいかどうかわかりませんが、既存の関係性の中で育まれていくものなのかと思いますので、そこの書き方は難しいという印象を受けましたが、少し何かできないかというのは考えてみたいと思います。
緊急一時のところは確かにおっしゃっていただいていて、十分に書けていないと改めて認識しました。どちらかというと我々の認識としては、それは参加支援の局面でいろいろと出てくるものかと思っておりまして、もちろん市町村の体制のところともつながりますが、参加支援での狭間のニーズの一つということなのかという受けとめもありますので、そこら辺に少し加筆できないか考えてみたいと思います。
○宮本座長 ありがとうございました。
立岡構成員、お願いします。
○立岡構成員 ペーパーを出させてもらっているので簡単にお話しさせていただければと思うのですけれども、実際に10項目書いてあるのですが、1項目めと3項目めと4項目めはほぼ一緒なのですが、基本的には「司法」の部分と「成年後見制度等の権利擁護、再犯防止・更生支援」、まさに「再犯防止・更生支援」を入れてほしいというところを前回の会議等でもお話しさせていただいて、「司法」という文言だったり、「更生支援」ということを入れていただいて、非常にありがたいと思っています。
福祉は市町村とのつながりは深いと思っているのですけれども、どうしても法務省の関係の行政は市町村とのつながりが非常にない。今回、ある意味、地方再犯防止推進計画をつくるというところで初めて地方行政とつながるというところで、法務省の方とお話をしていても、どうやって自治体の方とつき合っていったらいいのだろうというところを非常に悩んでおられたりしています。そのような中、この地域共生という枠組みの中において、ある意味、一緒になって取り組みを進めていくというところの中においては、この文言が入ることは非常にいいことなのかと思っています。
続いて、2番目に書きましたけれども、実際に9ページの注釈の「断らない相談は」というところで、まさに先ほど菊池先生、原田先生にお話しいただいていましたけれども、生活保護の部分ですね。生活保護は保護行政の中でちゃんと就労支援などをやられてはいるのですけれども、どうしても稼働年齢に集中してしまう。だけれども、保護を受けている方の多くは高齢の方であるといったときに、ほかのぴんぴん高齢した保護を受けている方を何らか参加支援という枠組みの中で、困窮の枠組みの任意事業等を使えたり、あとは次のページにもなったりするのですけれども、障害の関係のサービス事業等を使えたりということがあると、非常に幅が広がってくるのかと。
実際、就労訓練事業等の事業所に入っていけたり、いろいろあるのかもわからないのですけれども、どこまでできるかわからないですが、いろいろな幅を広げるというところの中においては、まさに機能拡充というところに対してはもうちょっと具体的なものを、ここに書いたものだけではなくて何らかわかりやすい、こういう使い方もできるのだね、参加支援の中でもできるのだみたいなことがあると、非常にいいのかと思っています。
私の資料だと6番の15ページ、これは読んでいて意味がとれなくて、私の国語力の問題なのかと思うのですけれども、「身寄りがなく居所を転々とする者への支援は深刻な問題となっているが、これらの問題に対応するには地域で暮らし続けるための『地域のつながり』が」と書いてあるのですけれども、地域でうまくつながれなくて、地域で排除されたがゆえに居所を点々としているのではないのかと思うと、地域が何らかの形でどう受けとめられるのか。地域が受けとめる部分もあるのかもしれないのだけれども、受けとめるのは人なのではないかと思っていて、ここのところは非常に文言として、点々とした人が地域でという、私の国語力がないからなのかどうかわからないのですけれども、違和感を覚えました。
ただ、地域で受けとめるとか、地域できちんと支え続けるのだと。そのためには地域みんなで頑張った上で、本人が本当に信頼できるような人の存在というのが大事なのではないかと思ったりはしているのですが、なかなかこの中に人というところを入れられるかどうかといったときに、まさに断らない相談がいろいろ排除されてきた人たちの信頼を得るための場所になるというのが本当に望ましい姿なのかと思ったりしました。
それと、いろいろとまた更生支援的なことばかり言ってしまうかもわからないのですが、刑務所が最後のセーフティネットになってはならないなと思うと、まさに地域から排除される傾向にある若者への支援プラス、この刑務所を最後のセーフティネットにしない、福祉で必ず救うのだというような、そういったところが入ると本当はいいのかと思っています。
7番、8番にもなるのですけれども、8番のところで書いた19ページなのですが、地域づくりの中において、都市部と地方の交流人口を拡大させていくというようなことで、いろいろな人が出入りするということも広域のところの中において入れ込む必要はあるのかなと思っています。
20ページ、菊池先生、原田先生がもっと強く入れてと言っていて、私はやはり東北の人なので少し奥ゆかしいからなのか、記載されたぐらいで喜んでしまった部分があったのですけれども、もうちょっときっちりと書き込んでいただければ、それはそれで普遍的な問題でもあるので、いいのかと思ったりします。
最後ですけれども、25ページの○の1つ目で、都道府県の役割の中において、どうしても一市町では解決できない、どうしても県内だけでは解決できないというと、どうしても他県にお願いをしてというところで一時的に保護していただいてということも絶対にあったりするので、そこからすると、やはり広域、都道府県もお互いにケースの中においてやりとりできるという形になって、より被害を受けた人たち、より排除された人たちが、きちんと別の地域でもサポートできるようなものがなされたら非常にいいのかと思っています。
ちょっと長くなったのですけれども、もう一点なのです。ごめんなさい。全くここに書いていないのですけれども、実は私は仙台市のひとり親家庭のプラン策定の委員になっていたときに、ひとり親家庭の方に対して仙台市がアンケートをとりました。そのときのアンケートで何に衝撃を受けたかというと、こういった制度を知っていますか、こういった制度を知っていますか、こういった制度を知っていたら活用したいと思いますかと言ったら、制度を知らなかった、あったら使ったのにというようなことがいっぱいあった。
結局、全然情報が行き届かないという問題はあって、なので、何とか地域共生社会の部分の枠組みで、全く議論されていないかもわからないのですけれども、情報が行き届かない人たちに対して何らか情報が届けられるような、どういう書きぶりになるのかわかりませんけれども、本当に制度をわかっていたらその制度を使ったのにという声が非常に多かったというのは、非常に衝撃を受けました。そういった中においてこの社会をつくっていく中においては、何らか盛り込めれば盛り込んでもらいたいと思ったりします。
以上です。長くなりました。済みません。
○宮本座長 ありがとうございました。
出されたペーパーに基づいてのお話でしたけれども、吉田さんのほうでもしあればお願いします。
○吉田生活困窮者自立支援室長 生活保護のところは、先ほども申し上げたとおり、しっかりと整理をしていきたいと思います。2のところで御指摘をいただいている部分について、生活保護のほうでも就労の事業などもありますので、その関係性も含めて、いろいろと頭の整理はしないといけないかと思っておりますので、そこは進めたいと思います。
5の参加支援の機能拡充のところで例を出していただいています。ありがとうございます。これについては座長からも言われていますので、より豊かなイメージが持てるようにということで、報告書の中でもいろいろと例を足していきたいと思いますし、例えば、きょう参考資料などもつけていますが、ここら辺も含めて何か絵などで整理をしていくという手法もあるのかと思いますので、より一般の方々が見てわかりやすいものにしていきたいと思います。
15ページの注釈のところは、我々の文章が十分ではないのかもしれません。おっしゃっていただいている趣旨はよくわかりましたので、何か表現で工夫ができないかというのは、検討したいと思います。
ここに刑務所の話を入れるかどうかというのはありますけれども、更生支援という観点から、最後のセーフティネットにはならないとおっしゃっていただいたところも含めて考えたいと思います。
都道府県のところですけれども、10のところで言っていただいていますが、ここはきょう朝日奈構成員から御意見をいただいていることとも少し関連するかとも思いますので、都道府県のバックアップ、また都道府県同士の連携というところ、特に都道府県同士の連携というところは余りこれまで触れられていないところかと思いますので、整理をしていきたいと思います。
最後に言っていただいた制度を届けていく、情報を行き届かせるというところは、おっしゃっていただいたとおり重要かと思います。具体的な支援の手法としてはアウトリーチというものがあるわけですけれども、情報自体もしっかりと必要な方に行き届くように、我々からしっかりと働きかけをしていく、また、市町村においてもそういう努力をしていただくことは極めて重要かと思います。にわかにはどういう書き方ができるのかは思いつきませんが、何か整理ができないかということは考えたいと思います。
以上です。
○宮本座長 ありがとうございました。
そろそろ時間も参っているのですけれども、最後にいらっしゃいますか。
菊池構成員、お願いします。
○菊池構成員 先ほど原田構成員がおっしゃった5ページの手続的給付についてですけれども、これは多分昨年度行っていた研究会のまとめでそういう表現を使って、これは私が使っている表現ですけれども、ただ、これは一般的なものではないので、落としていただいたほうがよいのかという気はいたしますが、座長の御判断でということで。それなりに説明が要る概念だと思うのです。
○宮本座長 わかりました。ただ、非常に重要な概念だと思いますので、できるならば活用させていただきたいと思っているのですが。
○菊池構成員 お任せします。
済みません。これは言わないでおこうと思ったのですけれども、会の進め方にかかわるので一言申し上げたいのですが、きょうの最終バージョンは、最終版をもとに準備をされた方と、先週の火曜日の段階のものできょう準備をされた方と、私は後者ですけれども、どちらもどうもおられるようです。やはり手続は、法学をやっているので厳しい言い方になってしまうのですけれども、発言の機会、どういう準備をするかということで、会議体の正当性にかかわりかねないですね。
なので、そこは残念だったなと思うと同時に、きょう準備されて、きょうのバージョンのものを見てあたふたと意見をまとめられた方もおられると思うので、もうまとめも近いということですので、この後、何かこれに気づいたという方がおられたら、それをとれるかどうかは別にして、それは事後的にも意見は受け付けるというスタンスに立っていただきたいと思います。
○宮本座長 ありがとうございました。
大変重要な御指摘だと思います。座長としては事務局の奮闘を間近に見ているだけに、どうしても直前のこうしたバージョンアップしたものの提出については少し寛容になってしまうところもあるのですけれども、会議体としての手続を考えればおっしゃるとおりでございます。そのあたり、その分も踏まえてきょう出た議論を細かく反映させていくという形をとりたいと思います。
西村参考人、お願いします。
○西村参考人 埼玉県の福祉政策課長の西村でございます。
本日、部長の知久は他に公務がございまして、出席ができませんでした。宮本座長を初め構成員の皆様方、それから、厚労省の事務局の皆様方におかれましては、とりまとめ案の策定に御尽力いただいたことに感謝申し上げたいとのことでございました。
その上で、最後に手短に2点だけ申し上げたいと思います。
まず、ひきこもりに関する記載が幾つか出てまいります。例えば9ページの一番下段の○とか、あるいは14ページの自立支援制度を活用して対応するという例示のところにも出てまいりますけれども、ひきこもりは非常に難しい問題だと認識をしております。私も市町村に2回ほど出た経験もございますけれども、なかなか福祉の担当部局だけでは対応が難しいような、人との接触を対象者が遮断しているようなケースも多々あると思います。そういう中で、ひきこもりの対応が福祉の部局とともに、保健医療分野からの支援、アプローチ、これも非常に重要だと思いますが、その辺がもうちょっと読み取れるような記載が入らないのかと感じているところです。
例えば9ページの下段のところでしたら「ひきこもりなど本人や家族の社会的孤立、教育問題など福祉領域以外の」とありますが、こういうところに精神的な不調の問題などの記載を入れるとか、もう少し保健医療からのアプローチも連携してやっていくことが必要なのだという記載が、ひきこもりに関しては必要なのかと思っております。
2点目、財政支援の関係でございます。例えば断らない相談支援の中の12ページに、財政支援として上から2番目の○ですが「以下の機能の確保に必要な経費について一括して交付することを検討すべきである」と。これは高齢だとか、障害だとか、児童だとか、それぞれ分野別の財源を柔軟に一括して使えるようにということなのですが、考えてみますと、その狭間にあるこれまで対応していなかったニーズに対して支援を市町村の現場で拡充することになりますと、既存の財源の範疇でそれを弾力化するというのもありますけれども、それだけだとなかなかこれまで対応していなかったニーズに対しての支援という部分が、市町村の現場では難しいケースもあると思います。特に財政力の弱い小規模な自治体だとそういうケースが多々あると思います。
ですので、財源は弾力化すると同時に、さらに拡充するような記載が入ればとは感じているところでございますけれども、実際にはいろいろな財政の折衝の都合とか、なかなか書き込みづらいということも理解しますので、必ず「充実」や「拡充」と書き込めとこの段階において言うつもりはございませんが、今後これが具体的に制度化されるときには、ぜひ厚生労働省の事務局の皆様方に奮闘いただきまして、既存の財源の弾力化だけではなくて拡充にもつながるような、そのような制度になればいいなと感じているところでございます。
私からは以上です。
○宮本座長 ありがとうございました。
今の菊池構成員、西村参考人からの御指摘を踏まえて、もし事務局からあればお願いします。
○吉田生活困窮者自立支援室長 ありがとうございます。
手続的給付については、座長とも御相談をして、少し注釈などをつけながらうまく活用できる方法を考えたいと思います。
手続については大変申しわけありません。お送りしたバージョンは一定しているのですが、その後に少し直しを入れておりまして、それが結構広範に直っているというところで、大変御迷惑をおかけしたかと思っております。今後はそのようなことがないようにしたいと思いますし、あわせて言っていただきましたとおり、きょういただいた御意見もそうですし、事後的にお気づきになったことをお知らせいただきましたらなるべく取り入れていきたいと思いますので、よろしくお願いします。
ひきこもりのところの御指摘ですけれども、おっしゃっていただいた点は確かにあると思いますので、保健医療とのかかわりみたいなところをどこかに記載できないかということは工夫をしたいと思います。
財源のところは、おっしゃっていただいたとおり、なかなか十分に書き切れない事情もあるわけですけれども、例えば10ページ、11ページ、一番下の○で「一層効果的な支援とするために、特に上記②及び③の機能を強化していくことが求められる」ということで、機能強化の対象だということを明示させていただいています。
きょうの参考資料を見ていただくと、例えば8ページに新たな事業の枠組みという形で絵を描かせていただいていますが、断らない相談支援という絵のところでは、赤い字で「新」とも書いていますし、上の文章でもそれぞれ強化していくということも書かせていただいています。こういうものも通じて我々としての思いというか、しっかりと既存財源だけではなくいろいろな支援、市町村の方々が取り組みやすいような財政的な御支援もしっかりとしていかないといけないかと思っておりますので、そういう認識でいることを御承知おきいただければと思います。
以上です。
○宮本座長 ありがとうございました。
私の不手際もありまして、5時までにということを申し上げながら結果的には5時半に近くなっておりますが、しかし、この超過分の御議論は大変実のあるものでございまして、しっかり受けとめて事務局のほうには最終案に反映するようにお願いをしてきたいと思います。
何しろかなりのハードスケジュールで議論を進行してございまして、可能ならば次回が最終回にという予定になっております。事務局は大変だと思いますけれども、各構成員がもう一回検討する時間的余裕を見計らった段階で最終案を御送付いただけるように、改めてお願いしたいと思います。
次回の開催について、事務局から御連絡をお願いいたします。
○鏑木専門官 次回は12月10日火曜日の13時から16時の開催を予定しております。会場などの詳細は追って御連絡をさせていただきます。
以上です。
○宮本座長 それでは、きょうの検討会はこれにて終了させていただきます。どうもお疲れさまでございました。
 

照会先

社会・援護局地域福祉課

(代表電話) 03-5253-1111(内線2233)