化学物質対策に関するQ&A(ラベル・SDS関係)

一般

 

分類

 

対象物質

 

裾切値

 

対象範囲

 

一般消費者の生活の用

 

経過措置

 

固形物除外

 

供給者

 

ラベル記載内容

 

ラベル貼付箇所

 

SDS記載内容

 

SDS交付

 

事業場内表示

 

罰則

 
本編に無い疑問等は、特設の相談窓口にお問い合わせください。
〇電話相談(月~金10時~17時(12時~13時を除く) ※祝日、年末年始を除く)
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関連するページ> https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000046255.html

 
略語   正式名称
     
安衛法 労働安全衛生法(昭和47年法律第57号)(厚生労働省所管)「労安法」と略すこともある
化管法 特定化学物質の環境への排出量の把握等及び管理の改善の促進に関する法律(平成11年法律第86号)(経済産業省、環境省所管)
毒劇法 毒物及び劇物取締法(昭和25年法律第303号)(厚生労働省所管)
表示・通知指針 化学物質等の危険性又は有害性等の表示又は通知等の促進に関する指針(平成24年3月16日 厚生労働省告示第133号)
化学物質リスクアセスメント指針 化学物質等による危険性又は有害性等の調査等に関する指針(平成27年9月18日 危険性又は有害性等の調査等に関する指針告示第3号)
     
GHS 化学品の分類およ及び表示に関する世界調和システム(Globally Harmonized System of Classification and Labelling of Chemicals)
SDS 安全データシート(Safety Data Sheet)

一般

Q1.SDSの提供を義務付けた日本の法律は何か。

A.日本でSDSの提供を義務付けている法律は次の3つです。
・労働安全衛生法(「安衛法」と略す。)(厚生労働省所管)
・特定化学物質の環境への排出量の把握等及び管理の改善の促進に関する法律(「化管法」と略す。)(経済産業省、環境省所管)
・毒物及び劇物取締法(「毒劇法」と略す。)(厚生労働省所管)
これら3法におけるラベルやSDSの提供制度の詳細については、次の資料をご確認ください。
<-GHS対応- 化管法・安衛法・毒劇法におけるラベル表示・SDS提供制度>
https://www.mhlw.go.jp/new-info/kobetu/roudou/gyousei/anzen/dl/130813-01-all.pdf

Q2.化学物質の危険有害性に関するGHS分類とは何か。

A. GHSとは2003年7月に国際連合から公表された「化学品の分類および表示に関する世界調和システム(Globally Harmonized System of Classification and Labelling of Chemicals)」のことで、国際的に調和された基準により化学品の危険有害性に関する情報をそれを取り扱う人々に伝達することで、健康と環境の保護を行うこと等を目的とした国連文書です。
GHSには以下の内容が含まれています。
・物質及び混合物を、健康、環境、及び物理化学的危険有害性に応じて分類するために調和された判定基準
・表示及びSDSの要求事項を含む、調和された危険有害性に関する情報の伝達に関する事項
GHS分類とは、上記の基準に従って行われた危険有害性の種類と程度を示す分類方法や分類結果のことです。
なお、日本では、GHS分類及び危険有害性に関する情報の伝達(ラベル・SDS)に関し、GHSに基づく日本産業規格(JIS規格)として次の2つの規格が定められています。
・JIS Z 7252「GHSに基づく化学品の分類方法」
・JIS Z 7253「GHSに基づく化学品の危険有害性情報の伝達方法-ラベル,作業場内の表示及び安全データシート(SDS)」
<職場のあんぜんサイト GHSとは>
https://anzeninfo.mhlw.go.jp/user/anzen/kag/ankg_ghs.htm
<日本産業標準調査会 においてJISを検索 (閲覧のみ) >
https://www.jisc.go.jp/app/jis/general/GnrJISSearch.html

Q3.GHSと労働安全衛生法はどのように関連しているか。

A.安衛法では、表示及び通知対象物について、ラベル表示及びSDSの交付が義務付けられ、表示又は通知する事項が定められていますが、GHSに基づくJIS規格 (JIS Z 7252/JIS Z 7253)に準拠して作成されたラベル及びSDSであれば当該規定を遵守したものとなります。

分類

Q4.混合物のGHS分類の方法を知りたい。

A.GHS分類の方法は、JIS Z 7252「GHSに基づく化学品の分類方法」で標準化されています。また、GHS分類を行う際の手引きとして「事業者向けGHS分類ガイダンス」(令和元年度改訂版(ver.2.0)。経済産業省)が作成されていますので、併せて参照してください。
更に、混合物のGHS分類の支援ツールとして、経済産業省において「GHS混合物分類判定システム」(令和元年度版)を公開していますので、これも活用してください。
<日本産業標準調査会 JIS検索においてJIS Z 7252を検索 (閲覧のみ) >
https://www.jisc.go.jp/app/jis/general/GnrJISSearch.html
<経済産業省 GHS分類ガイダンス>
https://www.meti.go.jp/policy/chemical_management/int/ghs_tool_01GHSmanual.html
<経済産業省 GHS分類判定システム>
https://www.meti.go.jp/policy/chemical_management/int/ghs_auto_classification_tool_ver4.html

Q5.危険有害性分類と絵表示はどのような関係にあるか。

A.GHSでは、危険有害性の分類(危険有害性のクラス及び区分)に対応して、9種類の絵表示(ピクトグラム)が割り当てられています。
具体的な危険有害性のクラス及び区分に応じた絵表示については、JIS Z 7253「GHSに基づく化学品の危険有害性情報の伝達方法-ラベル,作業場内の表示及び安全データシート(SDS)」や「職場のあんぜんサイト」等で確認してください。
<職場のあんぜんサイト GHSとは>
https://anzeninfo.mhlw.go.jp/user/anzen/kag/ankg_ghs.htm
<日本産業標準調査会JIS検索においてJIS Z 7253を検索 (閲覧のみ) >
https://www.jisc.go.jp/app/jis/general/GnrJISSearch.html

Q6.同じ物質であっても、入手したSDSと、「職場のあんぜんサイト」のモデルSDSで危険有害性の分類区分に違いがあるのはなぜか。

A.同じ物質であっても、GHS分類を行う際に根拠とした文献や試験結果等が異なる場合には、GHS分類結果が異なる場合があります。
SDSに記載するGHS分類は、事業者の責任において行うものであり、モデルSDSの分類結果を採用するか、他の情報をもとに別の分類を行うかは、事業者が判断することになります。

対象物質

Q7.「表示対象物」と「通知対象物」の違いは何か。

A.「表示対象物」とは、安衛法第57条第1項の規定により、容器に入れ、又は包装して、譲渡し、又は提供する際に、当該容器又は包装に、同項に掲げる事項の表示が義務付けられている物質です(ラベル表示)。
一方、「通知対象物」とは、安衛法第57条の2第1項の規定により、譲渡し、又は提供する際に、譲渡し、又は提供する相手方に、同項に掲げる事項の通知が義務付けられている物質です(SDSの交付)。
また、「表示対象物」と「通知対象物」には、どちらも安衛法第56条第1項又は労働安全衛生法施行令(昭和47年政令第318号)別表第3第1号若しくは別表第9に掲げる物質の一部が該当します。
なお、平成28年6月1日以降、「表示対象物」と「通知対象物」は同じ物質を対象としており、「表示対象物」又は「通知対象物質」を一定濃度(裾切値)以上含有する製剤(混合物)についてもラベル表示又はSDSの交付の義務がありますが、一部の物質については、ラベル表示義務に係る裾切値よりSDSの交付義務に係る裾切値が低い値になっています。

Q8.労働安全衛生法の表示及び通知対象となっている物質リストの入手方法を知りたい。

A.安衛法の表示及び通知対象物の物質リストとして 「職場のあんぜんサイト」で次の2つのファイルが公開されています。
・物質一覧(Excelファイル)
・物質一覧(法令の物質名称を展開(参考))(PDFファイル)
<職場のあんぜんサイト 表示・通知対象物質の一覧・検索>
https://anzeninfo.mhlw.go.jp/anzen/gmsds/gmsds640.html

Q9.「シリカ」、「非晶質シリカ」、「結晶質シリカ」の違いを知りたい。

A.「シリカ」は、「結晶質シリカ」と「非晶質シリカ」に分類できます。
結晶質シリカは、石英やクリストバライト、トロポリなど「原子やイオンあるいは分子が三次元の周期性をもって配列し空間格子を形成した結晶構造を持つ固体物質」です。
非晶質シリカは、石英ガラスやシリカゲルなど「原子または分子が規則正しい空間的配列を持つ結晶を作らずに集合した固体状態の物質」です。
従来、結晶質シリカ及び非晶質シリカを共に「シリカ」として労働安全衛生法施行令別表第9に掲げ、ラベル表示及びSDSの交付の対象としていました。
しかしながら、非晶質シリカは結晶質シリカに比べ健康有害性が低いため、平成29年8月3日の政省令改正(※)によって別表第9から除外され、結晶質シリカのみがラベル表示及びSDSの交付の対象となりました。
ただし、粉状の非晶質シリカについては、鉱物性粉じんとしての有害性があり、粉じん障害防止規則(昭和54年労働省令第18号)に定める措置等を講じて高濃度ばく露を防止することが求められています。
※ 労働安全衛生法施行令の一部を改正する政令(平成29年政令第218号)及び労働安全衛生規則の一部を改正する省令(平成29年厚生労働省令第89号)

Q10.新たに表示又は通知対象物が追加された場合、従来の物質数と新規追加された物質数の合計が追加後の総物質数にならない場合があるのはなぜか。

A.総物質数は、労働安全衛生法施行令別表第9の号の総数を言います。
新たに表示又は通知対象物が追加された場合、当該物質と従来の物質との整理が実施されます。
例えば、平成30年7月に追加された「ほう酸」 は、改正前の第544号「ほう酸ナトリウム」 と統合されて第544号「ホウ酸及びそのナトリウム塩」 とされ、物質数は増加していません。
このような整理によって、「従来の物質数」と「新規追加された物質数」の合計が「追加後の総物質数」と異なる場合があります。

Q11.輸入化学品の労働安全衛生法の対応要否を確認するため、表示及び通知対象物リストの英文版を海外メーカーに提供したい。どこで確認できるか。

A.「職場のあんぜんサイト」に掲載された「労働安全衛生法施行令別表第9及び別表第3第1号に掲げるラベル表示・SDS交付義務対象673物質の一覧」に英文物質名が併記されています。
また、安衛法に基づくラベル及びSDS制度についての概要の英文資料にも、当該物質リストが掲載されています。
<職場のあんぜんサイト 表示・通知対象物質の一覧・検索>
https://anzeninfo.mhlw.go.jp/anzen/gmsds/gmsds640.html
<-GHS対応- 化管法・安衛法におけるラベル表示・SDS提供制度 安衛法部分(英語版)>
https://www.mhlw.go.jp/new-info/kobetu/roudou/gyousei/anzen/dl/180815-01.pdf

裾切値

Q12.表示及び通知対象物ごとに設定されている「裾切値」とは何か。

A.裾切値とは、製剤(混合物)中の対象物質の含有量(重量%)がその値未満の場合、ラベル表示又はSDSの交付の対象とならない値を言います。表示及び通知対象物ごとにラベル表示の裾切値とSDSの交付の裾切値がそれぞれ定められており、「職場のあんぜんサイト」等で確認することができます。
なお、物質によってはラベル表示の裾切値とSDSの交付の裾切値が異なる場合があります。
<職場のあんぜんサイト 表示・通知対象物質の一覧・検索>
https://anzeninfo.mhlw.go.jp/anzen/gmsds/gmsds640.html

Q13.異性体がある化学物質の裾切値を考える場合、異性体個々の濃度をすべて合算した濃度で判定するのか、それとも異性体個々の濃度を別々に判定するのか。

A.異性体の個々の濃度を合算した数値を裾切値と比較し、判断してください。

Q14.ニトログリセリンやニトロセルローズ、硝酸アンモニウムに裾切値が定められていないのはなぜか。

A.ニトログリセリンとニトロセルローズは火薬等に使われる爆発性の物質です。また、硝酸アンモニウムは他の物質を酸化させる性質を持っています。
これらの物質を混合物とした場合の危険性は、混合する他の物質により変わります。このため、混合する他の物質によっては、その混合物が爆発性、酸化性又は危険性を持たないことがあります。これらの混合物の危険性等については個別に実測する必要がありますので、裾切値を記載していません。

対象範囲

Q15.少量の試験研究用の物やサンプルとして提供する物もラベル表示及びSDSの交付の対象になるか。

A.ラベル表示及びSDSの交付についは、安衛法令上、取扱量による適用除外はありませんので、たとえ研究目的、少量又はサンプル提供であっても、ラベル表示及びSDSの交付が必要です。

Q16.ラベル表示及びSDSの交付が義務付けられた表示及び通知対象物以外の化学物質についても、ラベル表示又はSDSの交付を行う必要があるか。

A.表示及び通知対象物以外の物質についても、労働安全衛生規則(昭和47年労働省令第32号)第24条の14及び第24条の15に基づき、労働者に対する危険又は健康障害を生ずるおそれのある物を譲渡等する際には、すべてラベル表示及びSDSの交付を行うよう努めてください。
なお、労働者に対する危険又は健康障害を生ずるおそれのある物とは、JIS Z 7253「GHSに基づく化学品の危険有害性情報の伝達方法―ラベル,作業場内の表示及び安全データシート(SDS)」の付属書A(A. 4を除く。)の定めにより危険有害性クラス、危険有害性区分及びラベル要素が定められた物理化学的危険性又は健康有害性を有するものを言います。

Q17.製品を運搬するだけの運送業者にSDSを交付する必要はあるか。

A.化学品を運搬するだけの運送業者は、化学品を譲渡し、又は提供する相手方には該当しないため、SDSの交付の義務はありません。
なお、運送業者は、輸送時の事故における措置、連絡通報事項を明記したイエローカード(緊急連絡カード)を携行することが推奨されています。(平成21年6月2日付け薬食化発第0602001号「毒物又は劇物の流出・漏洩等の事故防止対策の徹底について」)

Q18.業務用の印刷に用いるトナーカートリッジはラベル表示及びSDSの交付の対象か。

A.トナーカートリッジは使用の過程で内容物が放出されますので、ラベル表示及びSDSの交付が除外される「対象物が密封された状態で取扱われる製品」等の一般消費者の生活の用に供するためのものとは言えません。
そのため、当該トナーカートリッジの成分に表示又は通知対象物が含まれている場合は、ラベル表示及びSDSの交付の対象となります。

Q19.表示及び通知対象物を海外に輸出する際に、労働安全衛生法に基づくラベル表示とSDSの交付は必要か。

A.安衛法に基づくラベル表示及びSDSの交付に係る規定の対象は国内の「労働者」及び「譲渡し、又は提供する相手方」であり、海外に輸出する物については本条の適用対象外となることから、安衛法上の義務付けはありません。
ただし、GHS分類、ラベル及びSDSは国際調和のために国際連合が公表した仕組みですので、海外の譲渡又は提供先にもラベル表示及びSDSの交付を行うことが望まれます。その場合、輸出相手国における、ラベル及びSDSに関わる法令の定めに則り対応してください。

一般消費者の生活の用

Q20.ラベル表示又はSDSの交付の義務の対象外となる「(容器又は包装のうち)主として一般消費者の生活の用に供するためのもの」又は「一般消費者の生活の用に供される製品」とはどのようなものか。

A.安衛法上ラベル表示義務又はSDSの交付義務の適用が除外されるものは以下のとおりです。

<ラベル表示及びSDSの交付について>
「主として一般消費者の生活の用に供するためのもの」には、以下のものが含まれます。
(1) 医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保に関する法律(昭和35年法律第145号)に定められている医薬品、医薬部外品及び化粧品
(2) 農薬取締法(昭和23年法律第125号)に定められている農薬
(3) 労働者による取扱いの過程において固体以外の状態にならず、かつ、粉状または粒状にならない製品(工具、部品等いわゆる成形品)
(4) 表示対象物が密封された状態で取り扱われる製品(電池など)
(5) 一般消費者のもとに提供される段階の食品(ただし、労働者が表示対象物にばく露するおそれのある作業が予定されるものを除く。)

Q21.エタノール等を含む食品に表示及び通知対象物を含有している場合にも、ラベル表示又はSDSの交付は必要か。

A.一般消費者に提供されるもの(そのまま店頭に並ぶもの)、飲食店向けに販売される酒類、食品工場向けに販売される味噌、醤油、たれなど、食品として喫食できる段階のものについては、主として一般消費者の生活の用に供するための容器若しくは包装又は製品に該当し、ラベル表示又はSDSの交付義務の対象から除外されます。
ただし、食品製造段階で使用される添加材、保存料、香料等については、それら化学物質類が製造工程中に作業者にばく露する可能性が考えられますので、ラベル又はSDSによる情報提供が必要となります。
なお、次の資料で、食品用途における適用除外の例が示されていますので、ご参照ください。
<一般消費者の生活の用に供するための製品(適用除外)の例>
https://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-11300000-Roudoukijunkyokuanzeneiseibu/tekiyoujogai.pdf

Q22.一般家庭用の洗剤等もラベル表示やSDS交付の対象になるか。

A.スーパー、ホームセンター等で販売される消費者向け商品は主として一般消費者の生活の用に供するための容器若しくは包装又は製品に該当し、ラベル表示又はSDS交付義務の対象から除外されます。

Q23.センサー、ブレーカー、端子等の電子部品にも表示又は通知対象物を含有している場合、ラベル・SDSが必要か。

A.労働者による取扱いの過程において固体以外の状態にならず、かつ、粉状または粒状にならない電子部品等は、一般消費者の生活の用に供するための製品に該当し、ラベル表示又はSDSの交付義務の対象から除外されます。

経過措置

Q24.ラベルの経過措置の説明にある「施行日において現に存するもの」とはどういう意味か。

A.「施行日において現に存するもの」とは、施行日時点で、すでに対象物質を含む化学品が容器包装されて流通過程にある、または製造者の出荷段階にあるものを言います。そのため、施行日時点で容器包装されていない対象物質を含む化学品は「現に存するもの」には該当せず、経過措置による猶予は適用されません。

Q25.表示対象物の新規追加によって、ラベル表示が新たに必要となった製品の場合、当該追加以前にラベル表示せず譲渡又は提供し、当該追加後、譲渡又は提供先が別の事業者に譲渡又は提供する場合、ラベルは誰が表示するのか。

A.表示対象物を追加する改正に係る経過措置で定めた期日前に譲渡又は提供したものに関しては、譲渡又は提供者に表示の義務はありません。一方、譲渡又は提供先が経過措置で定めた期日以降、更に別の事業者に譲渡又は提供する場合は、譲渡又は提供先が化学品にラベル表示をしなければなりません。

固形物除外

Q26.固形物が、ラベル表示義務の対象から除外される条件は何か。

A.純物質(含有量100%のもの)のうち、次の金属が粉状以外(塊、板、棒、線など)の場合、ラベル表示義務の対象から除外されます。
アルミニウム、イットリウム、インジウム、カドミウム、銀、クロム、コバルト、すず、タリウム、タングステン、タンタル、銅、鉛、ニッケル、白金、ハフニウム、フェロバナジウム、マンガン、モリブデン、ロジウム
また、混合物については、運搬中又は貯蔵中において固体以外の状態にならず、かつ粉状にならないもののうち、危険性又は皮膚腐食性を有しないものの場合、ラベル表示の適用除外となります。
なお、上記の適用除外はラベル表示に関するものであるため、SDSの交付は必要です。

Q27.アルミのインゴットを販売している。当該インゴットはラベル表示又はSDS交付義務の対象か。

A.運搬中および貯蔵中の過程で固体以外の状態にならず、また粉状にならないため、ラベル表示は除外されます。ただし、販売先の労働者による取扱いの過程において、固体以外の状態または粉状、粒状となる場合はSDS交付が必要となります。インゴットは通常販売先において溶融など加工が予定されるため、SDS交付は必要となると考えられます。
また、アルミニウム単体又はアルミニウムを含有する製剤その他の物(以下「アルミニウム等」 という。)であって、サッシ等の最終の用途が限定される製品であり、 かつ当該製品の労働者による組立て又は取付施工等の際の作業によってアルミニウム等が固体以外のものにならずかつ粉状(インハラブル粒子)にならないものは、「主として一般消費者の生活の用に供するための製品」として、ラベル表示、SDS交付及びリスクアセスメント実施義務の対象にならないものとして取り扱って差し支えありません。

供給者

Q28.流通業者(商社等)が化学品をユーザーに販売する場合、ラベルやSDSに記載すべき供給者名は誰になるのか。また、多数の譲渡・提供者が介在する場合、そのすべてを供給者として記載する必要があるか。

A.化学品の譲渡又は提供時には、その譲渡・提供者の名称、住所及び電話番号をラベルやSDSに記載しなければならないため、流通業者も含め少なくとも直近の譲渡又は提供者は名称、住所等を記載していただく義務があります。
実務的には、メーカーの名称と連絡先の記載に加え、販売者の名称と連絡先を追記していただく方法などが考えられます。

Q29.他社に製造委託した化学品を自社ブランドで販売する場合、ラベル表示及びSDS交付義務は、どちらの事業者になるか。

A.ラベル表示及びSDS交付の義務は、化学品の譲渡又は提供者にあります。そのため、他社が製造したものであっても、販売時には販売する事業者がラベル表示及びSDS交付を行う必要があります。一方、製造者は、自社ブランドでなくても、委託元に譲渡又は提供する際はラベル表示及びSDSの交付を行う必要があります。
実務的には、製造者と販売者の名称、住所及び連絡先を併記する等の方法が考えられます。

Q30.化学品を輸入し、販売する場合、ラベルやSDSに記載する供給者は海外製造者で良いか。

A.ラベル及びSDSに記載する供給者情報には、化学品の譲渡又は提供者の情報を記載します。国内の事業者が輸入した化学品を販売する場合は、輸入者が譲渡又は提供者になるため、海外の製造者ではなく、輸入者の情報を記載する必要があります。

Q31.事業場で製造した化学品を同一事業者内の他事業場で使用する場合、ラベル表示及びSDS交付の義務はあるか。

A.同一の事業者が従業員の管理責任を持つ限り、事業場間での移動であっても、譲渡又は提供には該当しないため、表示及び通知対象物についてのラベル表示及びSDS交付義務の適用はありません。しかし、事業者にはSDSの内容を関係する労働者に周知する義務があります。また、表示・通知指針では、事業場内でのラベル表示をするものとしております。

ラベル記載内容

Q32.ラベルの大きさ及び色に関しての規定はあるか。

A.JIS規格(JIS Z 7253)では、絵表示は一辺が1cm以上の正方形、枠は赤及びマークは黒と規定されています。絵表示以外は、色又は大きさについての規定はありませんが、文字は、容易に読める大きさにする必要があります。

Q33.化学品を包装する樹脂製の袋にラベルを印刷する時、絵表示の赤枠の中の下地の色が袋の薄青色になるが、白でなければならないか。

A.JIS規格(JIS Z 7253)では、絵表示は一辺が1cm以上の正方形、枠は赤及びマークは黒と規定されています。また、平成24年3月29日付け基発第329011号「化学物質等の危険性又は有害性等の表示又は通知等の促進に関する指針について」では、「白色の背景」に「黒のシンボル」とありますが、はっきりとマークが見え読み取れることができれば材料の色のままでも構いません。あくまでも視認性が高いことが求められます。

Q34.輸入した化学品を譲渡又は提供する場合、ラベル及びSDSは英語表記で良いか。

A.危険有害性や取扱い上の注意を、事業者、労働者が読めるようにすることが重要であるため、輸入品を日本国内で最初に譲渡・提供する事業者が、外国語を日本語に翻訳したラベルとSDSを作成して提供する必要があります。令和元年7月25日付け基安化発0725第1号において、ラベルとSDSは邦文で記載するとしており、また、JIS Z 7253「GHSに基づく化学品の危険有害性情報の伝達方法-ラベル,作業場内の表示及び安全データシート(SDS)」においてもラベル及びSDSは日本語で表記すると示されています。

Q35.輸入した化学品を自社で使用する場合、日本語のラベル及びSDSは必要か。

A.輸入した化学品の自社使用は、譲渡又は提供には該当しないため、ラベル表示及びSDSの交付義務の適用はありません。
ただし、自社事業場内の労働災害を防止するため、労働者が理解できる言語での危険有害性の周知やリスクアセスメントの実施、その結果に基づくリスク低減措置の実施などが必要になります。

Q36.ラベルには、JIS Z 7253で規定されている項目はすべて記載する必要があるか。

A.安衛法では、ラベル記載項目として次の項目を定めており、JIS Z 7253「GHSに基づく化学品の危険有害性情報の伝達方法-ラベル,作業場内の表示及び安全データシート(SDS)」に準拠した記載を行えば、これらの項目が網羅されることになります。
1.名称
2.注意喚起語
3.人体に及ぼす作用
4.安定性及び反応性
5.貯蔵または取扱い上の注意
6.標章(絵表示)
7.表示をする者の氏名、住所及び電話番号
なお、項目の一部省略についてはQ.37を参照してください。
 

Q37.GHS分類の結果、危険有害性に分類されない場合でもラベルは必要か。

A.ラベルに記載すべき事項のうち「人体に及ぼす作用」「安定性及び反応性」「注意喚起語」「標章」(JIS Z 7253「GHSに基づく化学品の危険有害性情報の伝達方法-ラベル,作業場内の表示及び安全データシート(SDS)」では「危険有害性情報」「注意喚起語」「絵表示」に相当)については、GHS分類に従い分類した結果、危険有害性クラス及び危険有害性区分が決定されない場合、記載を要しないため、省略可能です。 ただし、「名称」や「表示をする者の氏名、住所及び電話番号」は危険有害性に関わらず記載が必要であり、また、「貯蔵または取扱い上の注意」については、災害防止のため必要な措置等を記載することが必要です。 そのため、ラベル表示そのものを省略することはできません。
 

Q38.ラベルに成分を記載する必要があるか。

A.従来は、成分もラベルの必須記載項目でしたが、2016年6月以降は表示及び通知義務対象物が大幅に増加し、その全ての物質の成分を記載した場合にラベルの視認性が悪化する可能性があることから、任意記載項目となりました。 ただし、事業者が化学品の使用者に伝えることが適切と判断する成分については、記載することが望まれます。
 

Q39.「職場のあんぜんサイト」で公表されているモデルラベルやモデルSDSをそのまま自社のラベルやSDSとして利用しても良いか。

A.「職場のあんぜんサイト」で公表しているモデルラベル及びモデルSDSは、譲渡又は提供者がラベルやSDSを作成する際の参考としていただくためのものですので、ご活用頂いて問題ありません。 ただし、その場合であっても、ラベルやSDSの記載内容については、譲渡又は提供者の責任において行っていただくことになります。
 

Q40.2017年8月3日から非晶質シリカは対象外となった。今までシリカと表示したラベルを回収する必要はあるか。

A.非晶質シリカについては、表示及び通知対象物から除外されましたが、 既に「シリカ」として表示及び通知されているものについて、ラベル及びSDS の内容の修正は不要です。

ラベル貼付箇所

Q41.容器が小さくてラベルを貼りきれない場合でも、出荷する容器にラベルをつけなければならないか。例えば、容器10本を入れた箱にラベルを貼って出荷することは可能か。

A.化学物質を取扱う労働者が容器を開封する際にラベルを確認できるよう、個々の容器にラベルを貼付する必要があります。小さい容器であってもラベルは容器に直接貼るか、それが難しい場合は票箋(タグ)で結び付けるのが原則です。

Q42.化学品をタンクローリーやミキサー車で輸送する場合、ラベル表示はどうするべきか。

A.安衛法第57条第2項により、化学品を容器に入れないで、又は包装しないで譲渡又は提供する場合は、ラベル表示に相当する情報を記載した文書を交付することが義務づけられております。
ほとんどの情報はSDSに含まれておりますので、実行上、SDSの交付により条件を満たしますが、SDSに同法第57条第1項第2号の標章(絵表示)の記載が必要であることにご注意ください。

Q43.製品容器に加えて、輸送用の外装段ボールにもラベル表示が必要か。

A.個々の製品容器にラベル表示されていれば、段ボール等の外装容器に再度ラベル表示する必要はありません。

SDS記載内容

Q44.SDSの記載項目は決められているか。

A.安衛法では、SDS記載項目として次の項目を定めており、JIS Z 7253「GHSに基づく化学品の危険有害性情報の伝達方法-ラベル,作業場内の表示及び安全データシート(SDS)」に準拠した記載を行えば、これらの項目が網羅されることになります。
1.名称
2.成分およびその含有量
3.物理的及び化学的性質
4.人体に及ぼす作用
5.貯蔵または取扱い上の注意
6.流出その他の事故が発生した場合に構ずべき応急の措置
7.通知を行う者の氏名、住所及び電話番号
8.危険性または有害性の要約
9.安定性及び反応性
10.適用される法令
11.その他参考となる事項(出典、環境影響情報など)

Q45.混合物のSDSには含有成分全ての名称や含有量(重量%)を記載しなければならないか。

A.通知対象物に該当する成分は、SDSに各名称およびその含有量(重量%)を記載しなければなりません。その他の物質については、組成の全部を記載する必要はありません。
ただし、JIS Z 7253「GHSに基づく化学品の危険有害性情報の伝達方法-ラベル,作業場内の表示及び安全データシート(SDS)」では、混合物のGHS分類基準に基づき、危険有害性区分の分類根拠となった成分の名称及びその含有量を記載することが望ましいとされています。

Q46.SDSの「3. 組成及び成分情報」にはすべての成分情報を記載しなければならないか。

A.安衛法により、通知対象物に該当する成分の名称は、全て明記しなければなりませんが、含有量については10%未満の端数を切り捨てた数値と切り上げた数値との範囲で記載することができます。(10-20%、10%未満など)
なお、通知義務対象物質でない成分の名称及びその含有率についても、記載することが望ましいとされています。

Q47.SDSの成分名表記は政令名称(クロム及びその化合物)か、化学物質名(重クロム酸カリウム)か。

A.令和元年7月25日付け基安化発0725第1号では「通知対象物質が裾切値以上含有される場合、当該通知対象物質の名称を列記」とあり、「重クロム酸カリウム」又は労働安全衛生規則別表第2の名称(例えば「重クロム酸塩」)と記載する必要があります。
さらにJIS規格では、SDS交付対象の化学品(混合物)の危険有害性区分の分類根拠となった成分の名称及びその含有量を記載することが望ましいとされています。

Q48.適用法令については法令の名称の他に当該法令の基づく規制に関する情報を記載するとなっているが、規制に関する情報の書き方について説明してほしい。

A.SDSの適用法令欄について詳細な規定はありませんが、受け取った者が適切に対応できることが必要です。このため、まずはSDSの提供を義務付けている法令(安衛法、化管法及び毒劇法)の適用有無を記載します。安衛法については、どの規定が適用になるのかわかるよう、通知対象物や表示対象物、特定化学物質、有機溶剤、製造許可物質などの別を記載します。さらに、必要に応じて他の法令(消防法や化審法、大気汚染防止法、船舶安全法など)の適用を記載します。

SDS交付

Q49.SDSはいつ交付しなければならないのか。

A.化学品の譲渡又は提供者は、化学品を譲渡又は提供する時までに譲渡又は提供先にSDSを交付します。継続的に反復して譲渡又は提供する場合は、一度SDS交付を行えば都度交付する必要はありませんが、交付漏れ等がないようSDS交付先を管理しておくことが必要です。
また、SDSの記載内容に変更がある場合は改めて交付するよう努めてください。

Q50.ホームページでSDSを提供しても良いか。

A.SDSは文書で提供するのが原則ですが、相手方がホームページ等、文書以外の媒体での通知に同意していれば、譲渡又は提供者の管理下にあるホームページでの提供も可能です。その場合、ホームページのアドレスを相手方にメール等により知らせることにより通知がなされたことになります。
なお、手交以外の方法により通知する場合は、相手方が受領したことを確認することが望ましいです。

Q51.提供しているラベルやSDSは定期的に更新しなければならないか。

A.定期的な更新は義務付けられていませんが、提供したSDSの内容に変更が生じた場合には、速やかに、過去の譲渡又は提供先に変更後のSDSを提供するよう努めてください。
なお、表示対象物において虚偽のラベル表示を行った場合は罰則の対象になりますので、記載内容に変更が必要となる知見を得た場合は、速やかに更新する必要があります。

事業場内表示

Q52.表示対象物に新しく追加された物質を含有する化学品を自社で使用する場合、化学品の事業場内表示はどのように対応すればよいか。

A.新規に表示対象物に指定されたからといって、化学品の危険有害性分類が変更になるわけではありません。そのため、従来からラベル表示がされていれば、従来のラベルを事業場内表示として利用できます。
一方、従来ラベル表示が無かった場合には、経過措置期間中に譲渡又は提供元が新たにラベル表示を実施するため、ラベルを入手した後に、事業場内表示を行うようにしてください。

Q53.入手したSDSを作業現場に掲示する必要があるか。

A.譲渡又は提供を受けたSDSは、次のいずれかの方法で化学物質を取り扱う労働者が常時確認できるよう周知することが必要です。
1.作業場に常時掲示するか備え付ける
2.書面を労働者に交付する
3.電子媒体で記録し、作業場に常時確認可能な機器(パソコン端末など)を設置

Q54.事業場で化学品を納入時の容器から小分けして保管又は取り扱う場合、ラベル表示は必要か。

A.表示・通知指針によって、事業場内でも容器に譲渡・提供時と同様のラベルを貼付することとされています。
小分けした容器等に入れて使用する場合で、容器が小さくて同様なラベルが貼付できない時は、次の2項目の併記により表示することができます。
・化学品の名称(事業場内で管理に使用する管理番号でも可)
・(必要に応じて)絵表示

Q55.ラベルやSDSの記載内容を労働者に教育する義務はあるか。

A.SDSについては、化学品を取り扱う労働者に掲示や書面交付、常時閲覧可能な電子ファイル等によって、周知することが義務付けられています。
しかしながら、ラベル表示の対象物質が増加し、労働者がラベルを目にする機会が増えていること等を踏まえると、周知のみによってラベルやSDSの内容を労働者に理解を促すことは困難な場合があります。そのため、事業場として、ラベルやSDSの内容の理解を促す教育や訓練を実施することが望まれます。
なお、厚生労働省では、事業場内の教育及び訓練で活用できる資料を公表しておりますので、ご活用ください。

厚生労働省ホームページ>分野別の政策一覧>雇用労働>労働基準>安全・衛生>職場における化学物質対策について>《ラベルでアクション》~事業場における化学物質管理の促進のために~
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000135046.html

罰則

Q56.ラベル表示、SDS交付に関する罰則はあるか。

A.ラベル表示を行わなかった場合、又は虚偽の表示をした場合は「6カ月以下の懲役または50万円以下の罰金」が設けられています。
一方、SDS交付については罰則は設けられていませんが、法律違反になることに変わりはなく、労働基準監督署の指導対象となります。