2019年12月26日 第21回食品衛生管理に関する技術検討会 議事録

日時

令和元年12月26日(木) 13:30~16:30

場所

合同庁舎第5号館(厚生労働省) 専用第22会議室

議題

  1. (1)食品等事業者団体が策定した衛生管理計画手引書案の確認
    • 酒類の製造
    • 集乳業
    • はちみつの製造及び小分け
    • 魚介類競り売り営業(産地市場)
    • 湯葉の製造
    • マーガリン等の製造
  2. (2)その他

議事

議事内容
○事務局 それでは、定刻になりましたので、ただいまから第21回「食品衛生管理に関する技術検討会」を開会いたします。
 まず初めに、本日の出席状況ですが、荒木構成員から、御欠席の連絡をいただいております。
 また、オブザーバーとして、国立保健医療科学院の温泉川上席主任研究官と、農林水産省食料産業局食品製造課食品企業行動室の都築室長に御出席いただいております。よろしくお願いいたします。
 本日は、食品等事業者団体が策定した衛生管理計画手引書案について、御検討いただきます。
 会議のペーパーレス化の取り組みといたしまして、本日の資料は、タブレットを操作してごらんいただくことになっておりますので、操作等で不明な点がございましたら、事務局までお知らせください。
 それでは、議題に入る前に、本日の資料の確認をいたします。
 本日、御用意している資料ですが、資料1から資料6までございまして、資料1が酒類製造業におけるHACCPの考え方を取り入れた衛生管理のための手引書案です。
 資料2といたしまして、集乳業(クーラーステーションでの集送乳業務)におけるHACCPの考え方を取り入れた衛生管理のための手引書案です。
 資料3といたしまして、蜂蜜製造におけるHACCP導入の手引書案です。
 資料4といたしまして、魚介類競り売り営業産地市場利用者向けの衛生管理のための手引書案です。
 資料5といたしまして、HACCPの考え方を取り入れた湯葉製造業における衛生管理計画作成の手引書案です。
 資料6といたしまして、小規模なマーガリン類・ショートニング・精製ラード・食用精製加工油脂製造業者向けのHACCPの考え方を取り入れた衛生管理のための手引書案となっております。
 また、参考資料といたしまして、本検討会の開催要領と衛生管理計画手引書策定のためのガイダンスを御用意しております。
 資料の不備等がございましたら、事務局までお申しつけください。
 以降の進行につきましては、五十君座長にお願いいたします。
○五十君座長 本日の議題は「1)食品等事業者団体が策定した衛生管理計画手引書案の確認」ということになります。
 確認の進め方は、手引書案を作成した事業者団体様から、10分程度で説明していただいた後、構成員の皆様より、10分程度の質疑応答をお願いしたいと思います。
 時間が超過しそうな場合は、途中で声をかけさせていただきますので、議事録に皆様の御質問を残すために、質問の概要のみ御発言をいただきまして、詳細につきましては、後ほど事務局にコメントとして御連絡いただく形で進めたいと思います。
 それでは、事務局より御説明をいただきます。
○事務局 それでは、資料1のファイルをお開きください。
 こちらは日本酒造組合中央会様、日本蒸留酒酒造組合様、日本洋酒酒造組合様、日本ワイナリー協会様、全国地ビール醸造者協議会様、全国味琳協会様、全国本みりん協議会様、ビール酒造組合様が共同で作成した酒類製造業におけるHACCPの考え方を取り入れた衛生管理のための手引書案となります。
 こちらの手引書案につきましては、団体様から厚生労働省に御相談をいただきまして、本年6月28日に構成員の先生方と事前の意見交換を行いまして、内容を確認いただいたものになります。本日は、その際の構成員の先生方からのコメント等を踏まえて、修正をいただいた手引書案について、団体様から御説明をいただきたいと思います。
 それでは、どうぞよろしくお願いいたします。
○日本酒造組合中央会 それでは、説明をさせていただきます。
 我々の酒類に関する団体でございますが、酒類の製造免許を有する者は、今、約3,300ございます。清酒が1,600、焼酎が400、ビール・発泡酒が400、果実酒が400、その他で500という割合になっています。各団体は、それぞれの業界の中央団体として、業界の健全な発達のために事業を行っておる団体でございます。
 各酒類業の中央団体の横の連携を図っているグループにおいては、税制とか、リサイクルとか、未成年者飲酒などの問題も取り扱っているのですが、今回は、HACCPの考え方を取り入れた衛生管理の手引書を作成させていただきました。現在までこのようなマニュアルはなくて、今回、初めての作成でございます。
 なぜ1つにしたのかというと、清酒とビール、ワインとか、ウイスキーなど、1つの会社で複数の酒類を製造しているところがあります。営業許可の単位も、酒類製造業であることから、このような酒類製造業における手引書案として作成をいたしました。
 構成といたしましては、最初にHACCPの概要をI、IIで記載し、IIIに酒類の製造工程を、清酒から始まりまして、単式蒸留焼酎、連続式蒸留焼酎、ビール・発泡酒、ワインの白と赤それぞれ、ウイスキー、みりんにつきまして作成し、危害要因を工程ごとに分析しました。
 その後、生物的危害要因、化学的危害要因、物理的危害要因をまとめたものを、11ページに記載しております。
 酒類は古くからつくられてきて、衛生上の問題は、非常に少ないものだと我々は考えております。一般衛生管理として、特に必要性の高いところは、原料として水を使うもの、例えば、清酒とか、ビールになるのですが、こういったものについては、使用水が大きなポイントになります。
 また、共通としては、充てん工程とか、実際に働く従業員に関する部分、リサイクル瓶の使用も多いですから、洗浄前の管理と適切な条件の必要性が高い部分だと考えております。
 12ページから、小規模な酒類製造者において実施することということで、何をしなければいけないのかということを、ステップごとに明確にしました。
 15ページからは、手順書例、衛生管理計画、記録様式という構成にしております。
 6月にいろいろ御指摘をいただいたところを手引書に反映して、我々は8月から9月に手引書案を使用しまして、各酒類の代表となる対象事業所で、1カ月から1カ月半ほど試行を行っております。
 具体的には清酒で1者、単式蒸留焼酎で1者、みりんで1者、ワイン関係で3者、ビール関係の3者で実施しました。
 実施検証に当たりましては、衛生管理計画を作成して、現在、どのような管理が行われているかを確認して、手順書で記録が必要とした項目について、どういうところで取り扱うのか、日報等へ項目を追加するのか、新しい様式を作成するのかということを検討し、実施していただきました。
 実施結果の反映でございますが、記載が漏れていたようなところもございました。例えば11ページの危害要因のところになりますが、物理的危害要因の管理方法として非常に重要なところなのですが、充てん時の管理のところが抜けておりました。
 また、従業員に関しても、教育訓練が内容としては入っていたのですが、言葉として漏れていたようなところがございますので、こういったところを修正して、わかりにくいところをまず修正したところでございます。
 さらに実際に現場で検討を行ったところ、有機加工食品を製造している者から、そ族などの駆除に薬剤を使用できないという意見がございました。そこで、18ページになります。そ族・昆虫の対策というところがございますが、「ねずみ・昆虫の存在について、定期的に点検し、1年に2回以上、駆除作業を行う」としていたのですが、これだけでは駆除に薬剤を使用できないところの対応ができないということで、「防除に薬剤を使用しない場合は、物理的処理と定期点検により対策を行う」ということで、農水省の有機加工食品検査認証制度ハンドブックを参考にさせていただきまして、書き込みを行ったところでございます。
食品衛生法等の一部を改正する法律の施行に伴う関係政省令が11月に公開になりましたが、そちらでの「統一的に調査を実施し、当該の調査結果に基づき必要な措置を講ずる」ことと同等な記載ぶりとなったと考えております。記録者と確認者の関係がわかりにくいという指摘もございましたので、別の者が望ましいという記載も入れたところでございます。
 記録の保存期間につきまして、1年以上と全てしておったのですが、1年以上という言葉だけではわかりにくい、永遠に持たないといけないのかという御指摘もございましたので、年数は最低保管期間であると、自社の製品の販売・流通期間を考慮して決定してくださいという注意書きを入れております。
 具体的には14ページの記録のところの枠内に、「記録や成績書の保存年数については、最低保存期間を示していますが、自社の製品の販売・流通期間を考慮して決定してください」という記述を入れております。
 現在、この手引書については、作成をしながら広報などに努めておるところでございます。衛生管理の考え方とか、衛生計画や記録について、概要を説明するセミナーとか、実際に衛生管理計画を作成するワークショップを各団体で行っているところでございます。また、今回の確認が終わりましたら、新しいものを周知させていただきたいと考えております。
 私どもからの説明は以上でございます。
○五十君座長 ありがとうございました。
 ただいまの資料1についての説明に関しまして、御質問、御意見等がございましたら、お願いしたいと思います。いかがでしょうか。畝山構成員、どうぞ。
○畝山構成員 ありがとうございます。
 前回、出ていなくて、役所にコメントを入れたのですけれども、紹介してもらえなかったみたいなので、記録に残すためにここで意見ということで言わせていただきます。
 アルコールに関して、そもそも一般的食品と同じに扱っていいのかどうかは、すごく疑問なのですけれども、とりあえず入れるとして、ハザードアナリシスのところで、アルコールの一番のハザードは、当然エタノールなわけです。だから、アルコールに関しては、いろんな規制があるわけなのです。
 これを見ると、アルコールは、微生物学的危害がないから安全・安心だみたいな書き方になっていて、エタノールの害に関しては、一切書いていないのです。業界の社会的責任として、アルコールに関しては、日本人においても予防可能ながんの第2番目の理由であるし、飲酒運転などによる危害に国民の意識が高まっていることもあるので、最低限適切な飲酒に関する呼びかけは、あらゆる機会においてやってほしいという意見を言っておきます。
○五十君座長 何らかの形で表現していただきたいという要望ですね。直接HACCPの管理上のことではないので、その食品の特色のところで、記載の検討をしていただくということでよろしいですか。
 それでは、そのように御検討をいただければと思います。
 ほかにはありますか。鬼武構成員、どうぞ。
○鬼武構成員 最初の手引書のところで見えなかったので、事前のところで化学物質のカルバミン酸エチルの記載については、結局、最終的にはどこかに入っていたのですか。やめたのですか。
○日本酒造組合中央会 危害分析としては行っておりますが、実際に規制対象というわけではございませんし、データも見ましたところ、国税庁さんで市販酒の分析を行っておりますが、そちらでも量が少ないということで、現在、行っているこちらで記載しましたHACCPに基づく衛生管理で十分にコントロール可能ということで、特出しはしておりません。
○鬼武構成員 私はむしろ前段のところで一応管理がされていることと、これは私の意見なので、書いたほうが国際的にも清酒のところと果実とか、そういうものの2種類については、国際的にはできるので、それをなるべく減らしていこうというのが、国際ルールの中で合意形成されている事項なので、それをある程度製造の段階で、今、幾つかのプラクティスで管理されているということであれば、記載は必要ではないかと感じた次第です。
 以上です。
○五十君座長 よろしいでしょうか。
 ほかにございますか。
 それでは、私から、まずこの手引書の適用範囲についてです。「はじめに」の文章の中に出てくると思うのですが、第2ブロックのところにこういった業界がつくりましたという記載があるのですが、この手引書は、どのような人が使うかということを何らかの形で明確に示していただきたいと思います。確認ですが、対象となる業種は、製造免許を受けている業者ということになりますか。
○日本酒造組合中央会 はい。
○五十君座長 製造免許を受けている者をこの手引の対象にするという表現を入れていただきたいと思います。つくられたのは、こういう人たちがつくりましたということはわかるのですけれども、この手引書を使う方がどこまでの範囲かということを明確に記載していただけるとよろしいと思います。
○日本酒造組合中央会 小規模酒類製造業者というよりも、もう少し踏み込んで書いたほうがいいということでしょうか。
○五十君座長 どうのこうのとは書いてあるのです。
○日本酒造組合中央会 国税庁の御協力のもと、小規模酒類製造業者を対象としたと書いたのですが。
○五十君座長 ここの対象としたで受けているわけですね。これでわかりますか。
 これを見ていったときに、業界に属している人たちはここに入ると、この表現ではとれてしまうと思われたものですから。対象としては、あくまでもこの業界でつくったのだけれども、免許を有している全部がこの手引書を使っていただくということですね。業界のアウトサイダーがどのぐらいいるかということは、よくわからないものですから、確認をさせていただいたということなのです。
 このままで対象の範囲について皆さんが理解できるということでしょうか。
○日本酒造組合中央会 それぞれの組合自体も、法律に基づいて作成されていますので、者数にすると90%以上が加盟している形になりますから、特に免許者というよりは、酒類製造者でよろしいと思っているのです。
○事務局 多分座長が御心配されているのは、作成いただいた団体様の名前が先にどんと並んで、その後に対象事業者の説明がきているので、何となく業界の会員さんだけが対象のように見えてしまうというところだと思います。書き方、見せ方の問題だと思いますので、そこは事務局と一緒に御相談させていただきたいと思います。
○五十君座長 よろしくお願いします。
 8ページの表現ですが、8ページを見ていきますと、表題にはそ族・昆虫となっていて、本文になると、ネズミ・昆虫等と、同じところで表現の統一がとれていないようですので、このあたりを確認していただきたいと思います。
 ちょっと飛びますが、皆さんが一番よく活用する部分なのですが、記録用紙の29ページに実際の記録の例が書いてあります。様式2の特記事項、何かあったときにこういう記録をしてくださいという表現のところになると思うのですが、一番上の具体的な例は、工具が所定の位置に戻っていなかったので注意し、整頓させたという表現があります。ここの重要なところは、工具の種類や数などを確認して、全部そろっていて、それがなくなっていないかということを確認するところがポイントになると思います。数や種類を確認して、全てそろっていることを確認したので、注意だけで終わったわけです。そういう表現にしていただいたほうがよろしいと思います。
 これですと、工具がなくなっていったかどうかではなくて、整理しなかったことを注意したということになっています。その辺の表現については、なるべく食品に影響がなかったのかどうか、そういうところがわかるような、あるいはどういう対策を食品に対してとったという内容を、具体的に入れていただきたいと思います。
 そのほか、何かありますか。富松構成員、どうぞ。
○富松構成員 御説明をありがとうございます。
 3ページの清酒のところなのですが、酒粕がフローに書いてあって、アウトプットになっているのですが、これは手引書の対象外でしょうか。
豆腐の手引書の例ですが、手引書作成後に豆乳とおからを追加するにあたり、2年前につくられた手引書を改定し、技術検討会で確認いただきました。後からこれも必要だということになると、二度手間になる恐れがありますが、ここは対象外のままでよろしいのですか。
○日本酒造組合中央会 対象と考えております。
○富松構成員 対象と考えているとすると、冒頭に書いてあったように、微生物上の問題はないと思いますが、異物対策等々は必要です。異物管理が一番大事だと書いてあるので、これだと異物管理の対策が打たれていないということになります。
○日本酒造組合中央会 危害分析はもちろん行いまして、酒粕の充填に当たりましては、機材の管理と従業員の管理ということで行う整理をいたしました。
○富松構成員 要は対象としてきちっと位置づけていただきたい。豆腐のときのおからや豆乳と同じように、改めてきちんと書き込むことになりかねないので、その辺は御検討されたほうがいいという意見です。
○五十君座長 ほかに御質問はありますか。ありませんか。
 特にないようですので、それでは、どうもありがとうございました。
○日本酒造組合中央会 ありがとうございました。
○五十君座長 それでは、続きまして、資料2につきまして、事務局より御説明願いたいと思います。
○事務局 それでは、資料2のファイルをお開きください。
 こちらは、一般社団法人中央酪農会議様が作成した集乳業(クーラーステーションでの集送乳業務)におけるHACCPの考え方を取り入れた衛生管理のための手引書案となります。
 こちらにつきましては、団体様から御相談をいただきまして、本年11月8日に事前の意見交換を行わせていただきまして、構成員の先生方に内容を確認いただいております。本日は、その際の御意見、コメント等を踏まえて、修正いただいた手引書案について、団体様から御説明をいただきます。
 それでは、御準備ができましたら、10分程度で御説明をお願いいたします。
○(一社)中央酪農会議 それでは、説明させていただきます。
 まず初めに、この手引書をつくりました私どもの団体、中央酪農会議について、改めて説明させていただきたいと思います。本会、中央酪農会議は、全国9地域の指定生乳生産者団体、その指定生乳生産者団体というのは、全国の約95%以上の生乳の受託販売を実施している団体でございますが、北は北海道のホクレン、南は九州生乳販売農業協同組合連合会、9団体あるのですけれども、それらの組織を会員といたしまして、生乳の受託販売に関する指導や生乳の品質改善、安全・安心の確保などの関する業務を行っております。
 また、その一環で、生乳の品質等に係る事項で、本会がこれまで作成、普及してきたマニュアル等といたしましては、生乳生産管理チェックシートといいまして、酪農家が毎日必ず記帳するチェックシート、それから、今度は農協等が酪農家さんに指導するための生乳生産管理マニュアル、良質乳生産ガイド、集乳担当者、ローリー車の運転手などへの指導に係る集乳業務担当者向け作業手順マニュアルなど、そういった生乳の取り扱いに関するマニュアル等を本会が全国団体としてつくってきましたので、今回、生乳の集送乳業務、クーラーステーションにおける手引書といたしまして、本会が作成させていただいております。
 本手引書が対象とする品目でございますが、食品原料としての生乳でございます。その辺は、このマニュアルの4ページあたりに書いてございますけれども、4ページのところを見ていただきたいのですが、前回11月のときの御指摘を踏まえまして、製品説明書という形で、生乳の特性や生乳の用途、その下に、この手引書で推奨する検査一覧などの一覧表をつけさせていただいております。
 この手引書が対象とする対象事業者でございますが、クーラーステーション業務、貯乳施設であるクーラーステーションです。
 対象業種といたしましては、集乳業、CSでの施設における生乳の受け入れ、貯乳、温度管理、出荷といった業務を対象としております。
 対象とする従業員数や施設規模といたしましては、従業員数50名未満の規模としておりますが、恐らく全てのCSがこの範囲におさまっているものと考えてございます。
 その辺は2ページのあたりの「はじめに」の最初の文章に書いておりますので、御確認いただければと思います。
 手引書を作成する上で特に留意したポイントでございますが、基本的に成体である牛から搾乳した生乳を取り扱いますので、危害要因分析の際には、微生物や抗菌性物質について、発生要因や対策を整理いたしまして、生乳をクーラーステーションにおいて受け入れる際の受け入れ検査において、細菌数検査と抗菌性物質検査の2点の検査につきまして、重要管理点とさせていただいております。その表が先ほど説明させていただきました4ページの表に一覧にしてございます。
 それ以外、表の乳温から始まって抗菌性物質まで5項目ございますが、本手引書においては、受け入れ検査においては乳温、色沢・組織、風味、細菌数、抗菌性物質の5項目の実施を推奨する、できる限りやりましょうということです。そのうち細菌数と抗菌性物質について、必ずやりましょうということで、CCP、重要管理点とさせていただいております。
 出荷検査の際には、同様にクーラーステーションから出荷のときに生乳を入れる際、乳業メーカーへ送り出す際の検査でございますが、それにつきましては、抗菌性物質につきましては、受け入れの際に検査してございますので、出荷の際には必要がないだろうということで抜いてございます。
 本手引書の検証につきましては、9月から10月にかけまして、本会会員の9指定団体の現場をそれぞれクーラーステーションにその手引書案を確認していただきまして、実施が可能かどうか等を御意見いただきまして、それを反映させた内容で手引書をつくってございます。
 5ページ目を見ていただきたいのですが、これが一般的な集送乳業務の工程でございますが、基本的には黄色で塗ってある部分、あくまで製品をつくっているわけではございませんので、主な業務といたしましては、受け入れの際の検査、問題のないものを受け入れる。そして、貯乳・冷却、きちんとした温度で管理いたしまして、出荷の際にさらに検査をする工程になってございます。
 下の(4)のところで、今回、新たにつけさせていただきましたけれども、受け入れ、出荷の際の検査及び温度管理が重要だということで、改めまして温度管理についての補足説明をさせていただいております。基本的にはこの文中に書いてございますが、酪農家での生乳の温度管理も基本的には5℃以下で管理されておりまして、クーラーステーションにおいても、受け入れの際は10℃以下という設定になってございますが、基本的には貯乳・冷却につきましては、上の(3)の一覧のところにも温度を書かせていただいておりますけれども、5℃以下できちんと管理するようにしましょうという内容になってございます。
 12ページが一般衛生管理のポイントということで、基本的な一般衛生管理の説明を解説させていただいております。
 14ページ目で重要衛生管理のポイントといたしまして、そこのタイトルのところで重要管理点を含む生乳の取り扱いとさせていただいておりますのは、基本的には重要管理点、先ほど説明させていただきましたように、抗菌性物質と細菌数の検査の2点を重要管理点としているのですけれども、ほかの検査もございますので、分離して書くことが難しかったこともありまして、重要管理点の2点の検査を含む生乳の取り扱い全般ということで、このページにまとめて書かせていただいております。
 16ページからは、衛生管理計画と記録様式の作成でございまして、必要な一般衛生管理、生乳の扱いに関しては、26ページ目、27ページ目あたりが貯乳タンクの温度日報であったり、CSのメーンの業務である集送乳、受け入れ、出荷に係る温度管理、そのほかの検査項目等、推奨する項目を全てマル7の27ページの記録様式には入れてございますが、必要に応じて、各地域、各CSで実際に行う検査をこの表を参考につくっていただければいいと考えてございます。
 29ページ目が重要管理点に係る計画ということで、HACCPプランという形で書かせていただいておりますけれども、管理基準のところ、細菌数、抗菌性物質と2点、掲載をさせていただいております。
 ここで、○○万としておりまして、※で書いてございますが、細菌数につきましては、規格としては乳等省令の400万がまずあるわけでございますけれども、実際にはそれ以下の例えば30万とか、50万とか、地域によって各乳業の求める基準で決めてございますので、そういったことを勘案して、適切な基準を設定しましょうということで書かせていただいております。
 私からは以上です。
○五十君座長 ありがとうございました。
 ただいまの資料2についての説明に関しまして、御質問や御意見等がございましたら、お願いします。朝倉構成員、マイクをお願いできますか。
○朝倉構成員 御説明ありがとうございます。
 エディトリアルなところで恐縮ですが、5ページで新たに入れていただいた(4)の下から2行目の「生物学的危害要因」となっているところを「生物的危害要因」と御修正いただければありがたいと思います。
○(一社)中央酪農会議 御指摘をありがとうございます。修正いたします。
○朝倉構成員 また、ひとつ教えていただきたいのですけれども、5ページの工程フローの2番、3番として示されるろ過、冷却については、点線でくくられていて、オプションのような位置づけとも受け取れるのですが、実態としては、どの程度この工程を導入されているのでしょうか。
○中国生乳販売農業協同組合連合会 お答えいたします。2番、3番、これは順番が貯乳・冷却をした後、出荷するときにろ過、冷却をするパターンもございますので、今回は、ろ過、冷却については、ほぼ皆さんのクーラーステーションでは利用されているのですが、いわゆる順番がちょっと違うということで、点線で書かせていただいております。
○朝倉構成員 わかりました。ありがとうございます。
○五十君座長 ほかにございますか。斉藤構成員、どうぞ。
○斉藤構成員 御説明ありがとうございました。
 私も余りわからないので、1点、教えていただきたいのですが、この手引書は、CSから集められてからの業務工程に関してという考え方でよろしいのでしょうか。
○(一社)中央酪農会議 今回の法改正の対象となるのは、クーラーステーションにおける業務だということで、確認をさせていただきましたので、それに基づきまして、基本的にはこの手引書で書いているのは、クーラーステーションにおける受け入れのときからとなってございます。
 ただ、受け入れる前の集乳に当たってのローリーの運搬につきましては、冒頭、私が少しだけ説明させていただきましたけれども、集乳業務の担当者向けマニュアルという形で、この手引書という形ではないのですが、本会で整理して、今も内容の更新等を進めているところでございますけれども、関係団体向けに手引書的なマニュアルを作成して、指導してございます。
○斉藤構成員 気になったのは、集乳するタンクローリーの洗浄のところだったのですけれども、そこは別途何かつくられてするということなのですね。わかりました。
○五十君座長 ほかにございますか。富松構成員、どうぞ。
○富松構成員 御説明をありがとうございます。
 レベルの高い作業がたくさん記載されていますが、対象事業者はこのレベルは当たり前にできるということでしょうか。CSの小さい事業者さんはないのでしょうか。このレベルは、皆さん、楽にできることは確認されたのかということをお伺いしたいと思います。
○中国生乳販売農業協同組合連合会 実は事前にクーラーステーション等を連合会で調査をいたしまして、61カ所につきまして、どういう検査をしているかとか、ヒアリングについても、大きなところから小さなところに関して、ヒアリングをさせていただいております。
 許可業種ということでございますので、食品を扱うという観点から、マルソウとはまたちょっと違った話になるのですけれども、HACCP方式を取り入れていくことは否定するものではございません。ですから、団体としても小さなところから大きなところまで、一定レベルの衛生管理計画を立てていただいて、実行していただくことが望ましいだろうということで、レベルが高いところに、今回、あえて手引書として入れさせていただいております。
○富松構成員 その中で、抗菌性物質の測定が3時間から5時間かかって、55℃のインキュベーションは、それなりの施設も必要ですし、レベルが高いと思って聞いていたのですが、これも含めて全ての集乳業者は、実行可能であるという理解をされているということでよろしいでしょうか。
○中国生乳販売農業協同組合連合会 全てがペーパーディスクを使っているわけではなくて、迅速検査法というのがございまして、迅速検査法自身も抗生物質の記述のところで、39ページに記述をしてございます。
 抗生物質は、今、さまざまな抗生物質がございまして、全てを網羅するのは現実的に不可能だろうと、ペーパーディスクですらも全てを捕まえることができないとわかってございます。そういった中で、おおむね迅速抗菌性物質検査法というのが、現場では多く使われてございます。
 ただ、我々としても、ここに書いてございますように、迅速検査法につきましては、特定の物質に反応する検査方法であり、あくまでも補助的な検査方法であることを十分に理解し、使用実態の調査、その実績における動物医薬品等の薬剤の使用実態を把握した上で、使用頻度の高い物質を検出できるように、選択する必要があるということでうたってございます。ですので、ペーパーディスクを全てやれというわけではなくて、施設ごとにその特徴を捉えた動物医薬品を使っているところを網羅できるような検査をするということで、推奨しております。
○富松構成員 要は小さいところにもやっていただくということですね。わかりました。
○五十君座長 関根構成員、どうぞ。
○関根構成員 御説明ありがとうございます。
 私は5℃以下ということについて、少し実行可能性をお伺いさせていただきたいのですけれども、今、富松構成員からあったように、4ページのところの乳温について、乳等省令で10℃以下と定められていると記述していただいていて、次のページの一番最後のところですか、5℃以下で温度管理を徹底する必要がありますということで記述いただいています。
 そうしたときに、実際、小規模なクーラーステーションでも、その運用が可能なのかという意味の実行可能性と、今度は逆に監視指導のときに、5℃以下で管理してくださいと実質指導しても大丈夫なのでしょうかという、その2面から少し御意見をお伺いさせていただければと思います。
○(一社)中央酪農会議 基本的には5ページに書かせていただきましたように、我が国の貯乳の冷却基準そのものが4.4℃とか、そういったことでつくられておりますので、5℃以下にはほぼ必ずなるというか、そういうことでやっておりますので、問題はないと考えております。
○関根構成員 わかりました。ありがとうございます。
○五十君座長 私もそれに関連した質問です。現状を確認させていただきたいのですが、29ページのHACCPプランの例を見ますと、恐らくCLを設定する管理基準、細菌数のところに記載がありまして、これを見ますと、乳等省令の規格があるのですが、それを考慮してここの値を決めなさいという形をとっていると思います。現状、独自で値を決めているものなのですか。
○中国生乳販売農業協同組合連合会 実際のところ、400万は現実的ではなくて、出荷先の乳業さんがどれぐらいのレベルだと受けていただけるかということを、それぞれ各社異なるわけです。ですから、以前、御指摘いただいた納品業者に対応したレベルにしなさいということは、文言の中に入れさせていただいておりますので、400万は、あくまでも乳等省令上ではございまして、現実的には、乳業さんが求める数ということで、さまざまな数がございますので、今回は、ここに適切な数字は入れられなかったのです。
○五十君座長 これは事務局とも確認したいのですけれども、計画書では、それぞれがここに数値を入れた計画書をつくるようになっております。現状に合わせてつくるかはわからないのですけれども、監視の立場からみた場合、どういう対応になるのですか。基準は適合しているときに、自主基準をここに書いて、CLに入ってしまっているというところの対応が、監視としては、どのような対応となるかということです。
 この対応については、ここで決めた細菌数、それぞれが決めた値と基準値の間に入ってくるような細菌数の場合の対応は、問題が出てくる可能性があると思ったのですが、その辺は、行政の監視の側から、今のような独自に決めた自主的基準と本来の乳等省令の基準の相異に関して、何かコメントはありますか。
○三木食品監視安全課長 お答えというか、乳等省令の規格の基準については、当然これを超えると、食品衛生法違反ということになりますので、保健所としては、違反ということでの対応をされます。
 管理基準で個別の事業者さんがそれよりも厳しいというか、自主基準みたいなものをつくって管理をされる場合は、当然その管理はみずからが決めて、それに向かっていこうということでやられているものですから、それに基づいて管理がなされているかということを全体的に保健所では見る、指導するということになると思います。
 その間については、違反なのか、違反ではないけれども、自社の管理に達していないのかどうかというのは、自社の管理に達していない部分については、全体の管理の見直しとか、そういうことが必要になると思いますので、そういう指導がされることになると思います。
○五十君座長 そうしますと、対応は可能、この方式でもできるということでよろしいですね。そのあたりを確認させていただきました。
 そのほかにありますか。鬼武構成員、どうぞ。
○鬼武構成員 私はエディトリアルな点だけを2点だけ、1点は、先ほどから抗菌性物資の検査の陰性と書いてあるところが何カ所かあるのですけれども、乳等省令で何ミリリットルあたりとか、もしかしたら、規定が書かれていれば、それだったら陰性という表現ができればしていただきたいというのが1点です。
 もう1点は、6ページの単純に字のことで、生物的危害要因のカンピロバクターの下の「クリプトスポリジュウム」の「ュ」が要らないと思います。その2点です。よろしくお願いします。
○五十君座長 ありがとうございました。
 ほかに確認はありますか。よろしいですか。
○中国生乳販売農業協同組合連合会 確認してみます。
○五十君座長 お願いします。
 ほかはございますか。斉藤構成員からいきますか。
○斉藤構成員 29ページのCCPの関係なのですけれども、改善措置の関係で確認検査とあるのですが、どのような検査をするのかとか、何か記載の必要性は要らないのでしょうか。これは決まっているものですか。
○(一社)中央酪農会議 29ページの改善措置のところに確認検査ということで書いたつもりなのですけれども、この書き方ではということですか。もっと詳細に何かということですか。
○斉藤構成員 要は確認検査の内容というか、どういうものなのかというのが、どこかに記載はあるのですか。
○(一社)中央酪農会議 確認検査の概念そのものということですか。
○斉藤構成員 どういうものが確認検査なのかということです。
○(一社)中央酪農会議 基本的にはその問題が起こった際に、その値が間違っていないかの再サンプリングをして、再検査及び必要な検査をしましょうということで書かせていただいていて、これで足りているとは思っていたのです。
○中国生乳販売農業協同組合連合会 40ページのところに、規格・基準を逸脱した生乳の取り扱いということで、例示をしております。文言については、確認検査とか、再検査とか、同じ意味合いなのですけれども、ここで捉えていただければと思うのですが、文言については、再考させていただきたいと思います。確認検査というか、ここでは再検査です。
○斉藤構成員 業界の方が共通の認識をしているのであれば、よろしいと思ったのですが、お願いいたします。
○五十君座長 ちなみに、再検査をした場合、細菌数などで適合すれば、そちらを採用するということになるのですか。
○中国生乳販売農業協同組合連合会 そうです。40ページに書いてあるとおりでございます。
○五十君座長 わかりました。
 稲見構成員、どうぞ。
○稲見構成員 教えていただければと思うのですけれども、東京の場合は、牛乳ですと、風味の異常で回収とか、学乳で起こると大きい事件になったりすることがあるので、こういうHACCPに沿った衛生管理をするに当たって、そういうものを防げるような取り組みがあるといいと思っているところなのです。
 今回、ここでつくっていただいている資料によりますと、そういう風味異常があった場合には、受け入れ検査の段階で排除するのか、あるいは出荷の検査の段階で排除するのか、排除した場合にどうするのかということは、読み込みが悪いので、どこに記載してあるのかを教えていただければと思うのです。
○中国生乳販売農業協同組合連合会 ありがとうございます。
 風味につきましては、我々生産者団体としても、非常に重要な項目だと捉えております。したがいまして、4ページの風味の中に嗅覚、味覚ということで、ここで受け入れ検査の実施を推奨するということでございますが、いかんせん風味に関しては、数字化ができないということで、個人差がかなりあるわけです。今、官能検査でやっているのですけれども、数値化できないものに対して、これをCCPとするのはちょっと難しいだろうということで、今の受け入れと出荷の中の検査の中では、実施を推奨します。
 先ほどのもしこれに異常があった場合、どうするのかということも、40ページをごらんいただきたいと思います。これが基準を逸脱した場合は、複数の検査員にて実施をして、異常があった場合は廃棄処分にするということで、廃棄になった場合は、どこに連絡しなさいというところまで、一応決めておきなさいということは、この段階に手引書として入れてございます。
○稲見構成員 ありがとうございます。
 そうすると、この手引書に基づいて作業をすると排除できると考えてよろしいですね。ありがとうございました。
○五十君座長 ほかにございますか。事務局、どうぞ。
○三木食品監視安全課長 1点だけ御確認をさせていただきたいのですけれども、細菌数の検査であるとか、抗菌性物質の検査については、全てのCSさんで独自に実施をされるという理解でよろしいですか。検査の委託を出すとか、そういうことではなくて、個別のCSさんで全部やられるということでよろしいですか。
○中国生乳販売農業協同組合連合会 いろんなパターンがございまして、委託しているところもございますし、自施設でやっているところもございますので、一概には言えないのですけれども、受け入れ時に全てできるわけではないわけです。そうすると、サンプルを持ち込んで委託する場合もございます。
○五十君座長 よろしいですか。
 ほかにはありますか。
 それでは、ないようです。どうもありがとうございました。
 続きまして、資料3につきまして、事務局より御説明願いたいと思います。
○事務局 それでは、資料3のファイルをお開きください。
 こちらは全国はちみつ公正取引協議会様と一般社団法人日本養蜂協会様が共同で作成されました、蜂蜜製造におけるHACCP導入の手引書案となります。
 こちらの手引書案につきましては、団体様から厚生労働省に御相談いただきまして、本年10月10日に構成員の先生方と事前の意見交換を行わせていただきまして、内容を確認いただいております。本日は、その際の御意見等を踏まえて修正いただいた手引書案について、御説明をいただきたいと思います。
 それでは、御準備ができましたら、御説明をよろしくお願いいたします。
○(一社)全国はちみつ公正取引協議会  はちみつ公正取引協議会の奥野と申します。よろしくお願いします。
 本手引書でございますけれども、今、御紹介がありましたように、当協議会と日本養蜂協会様の合同で作成したものでございますので、本日も日本養蜂協会様の羽佐田副会長様がおいでになっています。
○(一社)日本養蜂協会 羽佐田です。よろしくお願いします。
○(一社)全国はちみつ公正取引協議会  簡単に業界の紹介をさせていただきますけれども、本業界でございますけれども、まず日本養蜂協会は、国内で養蜂を営んでいる方々の団体でございまして、養蜂経営の環境整備でありますとか、指導、改善などの業務を行っております。
 会員は、県単位の支部で47でございます。
 当協議会でございますけれども、景品表示法に基づきまして、公正競争規約を引用している団体でございまして、会員数は61業者ほどありまして、はちみつ業界では規模の大きな会社の多くが会員となっています。。
 はちみつの製造業者でございますけれども、大きく2つに分かれておりまして、みずから採集した蜂蜜につきまして、原材料として製品を製造しているところと、パッカーと申しますけれども、他の事業者から蜂蜜を購入して充填するところがございます。もちろん両方を兼ねている業者さんもいらっしゃいます。
 国内流通量は4万7000トンでございまして、国産蜂蜜が約6%で、残りの94%は輸入品となっています。
 食品の製造業では、手引書の対象事業が、食品を直接取り扱う従業員の方が50人未満ということでございますけれども、当協議会は、61社のうち約8割の方がその対象となりますし、日本養蜂協会様ですと、ほとんどの方が対象になるということで考えております。
 手引書の中身について、御説明を申し上げたいと思います。先般10月10日の検討会におきまして、いろいろと御指導をいただきまして、修正しております。
 1ページでございますけれども、概要でございます。ここに書いておりますように、HACCPの対象でございますけれども、こちらは作業所、または、工場に受け入れてから、ろ過して容器に充填するところまでを対象としてございます。その前の養蜂関係でございますけれども、ミツバチを飼育して蜂蜜を採集して作業所に運ぶところにつきましては、ここに書いておりますように、日本養蜂協会が作成しましたミツバチの採蜜・衛生管理台帳がございまして、そちらで管理をしているということになっています。
 この台帳は、動物医薬品の使用の関係でございますとか、衛生管理の関係一般、例えば糖度の管理とか、そういったものを記録することになっています。
 こちらの2ページでございますけれども、工程図がございまして、蜂蜜の製造工程となってございます。冒頭にございますが、2つに分かれておりまして、今、申し上げた原材料の蜂蜜を他から搬入し貯蔵する場合のものと、それから、自ら蜂蜜を採取して原材料とする、両方のパターンがありまして、右側でございますけれども、蜂蜜の採集につきましては、日本養蜂協会様の台帳がございまして、使用状況を記録してございます。その下は搬入される原材料の確認ということで、糖度等の確認をすることになってございます。
 はちみつに関しては、品質基準がございまして、輸入品につきましては、20%以下という水分含有量が決まっております。当協議会の規則と日本養蜂協会の表示基準では、国産で詰めたのは水分含有量が22%以下になっております。その品質基準がありますので、このように糖度等を管理することを書いております。
 その後、保管があって、計量・混合、ろ過・異物の検出、充填、密封、異物の確認(目視)、ラベリング、保管・出荷というラインとなってございます。
 3ページにまいりますけれども、危害要因を記載しております。蜂蜜に関しては、糖度が約8割と高いということ、水分活性が低いこと、弱酸性ということがありますので、細菌やかびが増殖しにくいことがございます。そのため、加熱殺菌が必要ない食品でございます。
 先般の検討会での御指摘では、実際に指導に入る保健所への情報提供としまして、水分活性値であるとか、ペーハー値、それの具体的な数値を入れるとありましたので、ここに記載しております。水分活性値につきましては、0.8から0.5です。酸性条件は、ペーハーの3.2から4.9ということを書いてございます。
 水分活性が低いということで、前回の原案におきましては、製造工程を水で洗浄した後に水分が残っている場合につきまして、菌が増殖することもありえますので、それを踏まえて、原案では、水分活性上昇による菌の増殖を入れておりましたけれども、先般の検討におきまして、大量の水の混入がない限り水分活性値が上がるということは考えにくいということで、一般衛生管理の扱いでよいとの御指摘をいただきましたので、一般衛生管理の取扱いとしてこういう形で修正してございます。
 あわせて、重要管理点の管理基準として22%という数値を前に使っておりましたけれども、これにつきましても、先ほど申し上げた品質管理の観点から書いておりますので、そういう意味では、一般衛生管理のチェックを外しまして、単純な品質管理の観点の記載になっているところでございます。 今、申し上げた関係で、4ページの衛生管理の方法に書いてございますが、(2)でございますけれども、衛生管理計画の策定がありまして、表の下に、今、申し上げたように、水の混入を一般衛生管理のところに移しましたけれども、蜂蜜の水分活性値は低く、多少の水分の混入では、細菌類が増殖することはありませんが、蜂蜜の仕入れ、または、採集時には、蜂蜜中の水分含有量割合を確認し、製造工程において、水分が混入しないことが必要ですという記載を入れております。 あわせまして、糖度と水分活性値の関係につきましても、記載方法を求められておりましたので、その下のなお書きでございますけれども、蜂蜜中の水分の含有量につきましては、糖度計に試料を置き、測定したBrixを推定して、水分イコール100マイナスBrix値という形で関係性を表示しております。
 一般衛生管理計画の原料を通す前に、水分が残っていないかを確認することがありますので、それについても、10ページになりますけれども、一般衛生管理計画の記載ですが、4のところの「製品製造時の衛生管理」の「どのように」の箇所において、機器製造工程ラインに原料を通す前に、水分が残存していないことを確認ということとあわせて、その下の「問題があったとき」でございますけれども、※がありまして、水分が混入した場合は、ミツバチへの給餌など、食用以外の用途に使用することを書き込んでおります。
 3ページに戻らせていただきます。危害要因としましては、(1)に書いておりますように、生物的な危害要因ということで、ボツリヌス菌の混入が書いてございます。蜂蜜は菌が増殖しにくいので、生物的な危害としましては、芽胞の形で残って、乳児ボツリヌス症の原因となるボツリヌス菌のみを対象としております。後で述べますように管理基準としてボツリヌス菌に関する注意表示を残しているということで、ここに入れているという関係でございます。
 そのほかの危害要因でございますけれども、(2)の化学的な危害要因の動物医薬品の残留を入れております。ここにつきましても、前回の検討会におきましては、具体的に使用できる動物医薬品の名称などを手引書に書くようにという話がございましたけれども、ここは厚労省様とお話しをさせていただきまして、他の手引書とのバランスの関係で、ここに記載しないということで整理をしております。
 また、動物用医薬品の使用状況の確認について、3ページでは、「確認することが必要です」と書いてございますけれども、もともと10頁の一般衛生管理計画の様式では確認することが「望ましい」との表現であったことについて、確認の必要性を強調した記載とするようにとの御指摘をいただきましたので、1の「作業所・工場に搬入する原材料の確認」の箇所の※で、「はちみつ製造業者がはちみつを購入する場合、抗生物質使用状況等を確認すること」と書いてございますし、11ページの1でございますけれども、主に養蜂家の関係でございますが、「※自ら記録した蜜『蜜蜂の採蜜・衛生管理台帳』をもとに、ダニ駆除剤、腐病予防薬の使用状況に問題がないことを確認すること」と記載しております。
 5ページでございますけれども、重要管理のポイントでございます。先ほど申し上げた異物の混入と乳児ボツリヌス症の注意表示が書いてございます。前回の検討会におきまして、具体的な表示例の記載と、必ず注意表示の記載を求められておりますので、ここには確認項目の下でございますけれども、注2で注意喚起表示例とありまして、3点記載しております。「1歳未満の乳児に与えないでください」、「1歳未満の乳児には食べさせないでください」、「1歳未満の乳児には食べさせないよう注意してください」という3パターンを書いてございます。実際に上の2つのパターンは、当協議会の規約で書いておりますし、一番下のパターンは、日本養蜂協会が記載を注意喚起している表示でございます。こういうことを具体的に記載させていただいております。
 5以降は、一般衛生管理のポイントということで書いてございます。上から例として、トイレの清掃・消毒、そ族・昆虫対策、廃棄物及び排水の管理、使用水の管理ということを挙げております。
 6番の重要管理のポイントを確認しましょうということで、重要管理のポイントごとに具体的な確認を取り決めましょうということを書いてございます。
 7番は記録の関係でございまして、7ページでございますけれども、記録の保管です。これにつきましては、製品の賞味期限までは保管しましょうということが書いてございます。
 9が検証でございます。
 全体的な構図でございますけれども、前回の検討会におきまして、記録表と文書を分けて記載様式、記載例を後ろにまとめて記載するようにとの指摘はありましたので、記録表などを後ろに持ってくるように構成を直しております。
 重要管理の関係で申し上げますと、18ページになりますけれども、異物の混入と乳児ボツリヌス症の注意がございますので、異物混入につきましては、管理点の対象としましては、フィルターの目の細かさ及び欠損の有無がございますし、製品内の異物の混入の2つを挙げております。
 これにつきましては、管理方法としましては、例でございますけれども、ミツバチの羽や巣のかけら、そういったものが多くの異物を除去するのに適したフィルターを設置することを示しておりまして、さらには一斗缶から生じるさびとか、フィルターとか、ナイロン製等の物、糸くずなどが混入する場合がありますので、そういう場合には、それらの大きさに応じたサイズのフィルターを設置してくださいということを書いてございます。
 こういったものにつきましては、管理基準は、フィルターの目の細かさなどを求めておりますし、実施時期・頻度をロットごとに実施としております。
 製品内の遺物の混入につきましては、基本的には目視でございますけれども、企業によっては金属探知機を用いているところがありますので、その場合には、金属探知機で金属片を探知することを書いてございます。
 一番下の乳児ボツリヌス症の関係につきましては、注意表示につきまして、全製品について表示することになっておりますので、もしラベルが貼られていない場合には、そうしたものを貼るとか、見にくい場合には、それを貼り直すことを対象として書いております。
 以上が今回の手引書についての御説明でございました。ありがとうございます。
○五十君座長 御説明をありがとうございました。
 ただいまの資料3につきまして、御質問、御意見等がございましたら、お願いします。鬼武構成員、どうぞ。
○鬼武構成員 事前の打ち合わせでいろんな点を修正していただきました。ありがとうございました。御苦労さまでした。
 もう一回、確認したいことがあるのですけれども、きょうの説明のところで、蜂蜜をボトリングして仕入れているわけですが、圧倒的に輸入のほうが多いと理解をしたのですけれども、その際に、3ページのところで、輸入蜂蜜については、さらっと輸入が認められていませんと書いてあるのですが、実際の場面を想像したときに、過去にはヨーロッパでストレプトマイシンが出たということで大回収があったりするようなときがあった場合、例えば日本のいろんな形で混合した蜂蜜を使った場合に、どこの国から来たのかとか、その記録は最初のどこかや、最後のところで書くようになっているのですか。
 今回、国内のことについて、自家製造とか、その衛生面を書いているのですけれども、受け入れられてくるもので、圧倒的に輸入が多ければ、向こうの原料がそもそもレギュレーションに合っていないものが出た場合に、今回のこれで対応が可能なのかは、ちょっと気になったのです。
 各社がやっているとか、適切に国の情報を得て、そういうものをやっているということでもいいのかもしれないのですけれども、圧倒的に輸入が多くて、実際にブレンドしたものを国内で出た場合に、それが全部その国の対象となったら、全部とまらないといけないという問題が後で起こってくると思うので、その辺のところは、どういうふうに管理されていると理解したらいいですか。
○(一社)全国はちみつ公正取引協議会  基本的に検疫所のところで検査がありますので、現状ではモニタリング検査で29項目をやっております。そういう意味で、輸入してからの差しとめなどもありませんし、今のところは、そういった問題が起きていない状況でございますので、心配しておりません。
 あと、基本的にはスーパーとか、そういったところは抗生物質や農薬の残留について結構厳しい要望がありますので、そういう意味で輸出国の使用状況を見ながら、輸入時に独自の検査をすることがございます。
○鬼武構成員 実際的にはそういう形で情報を得て管理しているのですけれども、例えば記録用紙のところで、国産と輸入のところは、この用紙にはそこまでの記載は必要ないという理解でいいですか。
○(一社)全国はちみつ公正取引協議会  基本的には一般消費者に渡る製品の場合には、輸入先が中国とか、ニュージーランドとか、そういった国別に分けて製造管理しております。そういった意味で、どの国の蜜のいつ輸入したものかということをみて、それらを管理しています。
○鬼武構成員 企業さんが記載をどこかでしているという理解でいいですか。
○(一社)全国はちみつ公正取引協議会  しています。
○鬼武構成員 わかりました。
○五十君座長 ほかにございますか。斉藤構成員、どうぞ。
○斉藤構成員 御説明ありがとうございました。
 非常に細かくて大変申しわけないのですけれども、4ページの(2)の表の中のマル1の※のところの表現は正しいと思いますし、それが10ページの記載例のところにも、この文言を使っているのですが、8ページのマル1の文言がちょっと違うので、修正していただければと思います。
○(一社)全国はちみつ公正取引協議会  わかりました。
○五十君座長 ほかにございますか。富松構成員、どうぞ。
○富松構成員 御説明ありがとうございます。
 まず1つ目は、抗生物質のことですが、先ほどのお話しだと、輸入の検疫のときにモニタリング検査がされているとのことでした。何か問題があると、30%ぐらいまで引き上げられたりしますが、通常は5%とか、そういうレベルのモニタリングです。その中で、今のお話しだと、モニタリング検査は通っているわけですから問題はないですというお話ですが、一般衛生管理の記載例の中に、蜂蜜製造者が蜂蜜を購入する場合、抗生物質使用状況等を確認することという文言が入っています。実際、輸入業者から抗生物質の使用状況を確認するということは本当にできるのでしょうか。
 今のお話しだと、検疫でモニタリングを受けているから問題ありませんというお話しで説明いただいたのですが、これに書くということは、この情報を持っておかなければいけないことになるのですが、いかがでしょうか。
○(一社)全国はちみつ公正取引協議会  輸出国によって使っている医薬品が違いますので、それを踏まえて輸出国側にそういった検査をした後の証明書を出すようにという感じでやっています。輸入商社も、日本の国内業者も相手を見ながら、きちんと検査をするように求めているということです。場合によっては、国内で検査をします。
○富松構成員 そういうことは、使用状況を確認ということはできるということですね。データをもらえるということですね。
○(一社)全国はちみつ公正取引協議会  もらえます。検査結果を提出させるようにします。
○富松構成員 要するに蜂蜜業者は、監視指導のときに、輸入なら輸入の蜂蜜に対して、抗生物質の使用状況を確認する何かを持っておく必要になってしまうのです。
○(一社)全国はちみつ公正取引協議会  検査を行った場合には、公的機関の品質証明書が出ますので、そこにどの医薬品について残留しているものが出たか、出ないかということが書いてありますので、それで把握します。
○富松構成員 監視指導で指摘されても、これはちゃんと情報として出るということでよろしいのですね。
○(一社)全国はちみつ公正取引協議会  はい。
○富松構成員 水が入ったときに、ミツバチの餌にするという文言が同じ10ページに書いてあるのですが、水が入ったかどうかは、Brixで確認するという理解でよろしいですか。
○(一社)全国はちみつ公正取引協議会  基本的には十分な乾燥などを見てからやっていますので、入ることがないということもありますけれども、もし心配ならば、そういったBrixを見て、水分の含有量を見て判断することになります。
○富松構成員 要は水が混入した場合への対策が書いてあるということは、水が入ったかどうかを確認するというプロセスが必要になりますが、前回の資料では、Brix測定等々の項目があったものを、一般衛生管理で対応できるとの記載で削除されています。どのタイミングで、どうやって、水の混入がなかったことを確認するのだろうと感じました。それでこの文章だけ生きているのですが、ここは具体的に何を管理すればいいのかというところを明解にされたほうがいいと思います。
○五十君座長 よろしいですか。
○(一社)全国はちみつ公正取引協議会  後で確認します。
○五十君座長 そのあたり、時間がなくなってまいりましたので、後で確認していただけますか。
 ほかに御質問はありますか。御意見等がありましたら、要点でお願いしたいと思いますが、いかがでしょうか。事務局、お願いします。
○三木食品監視安全課長 今の確認なのですけれども、水が入るかどうかについては、水が入るということはよくあるのでしょうかということと、その辺は余りないというか、水が入るような工程があるのであれば、どういうところの工程で入る可能性があって、そこをどういうふうに注意したらいいかということを書き込んだほうがいいような気もするのです。
○五十君座長 そのあたりも含めて、御検討いただけますか。
○(一社)全国はちみつ公正取引協議会  一応工程の製造後に洗浄しますので、その後の話でございますので、そこはほとんど残らないというのを前提にしてございます。
○五十君座長 ほかにはありますか。
 私から、タイトルについて、蜂蜜製造というのは、蜂蜜を採取するところから製品とするまですべてかかってくる表現だと思うのです。資料3の最初のページの1の手引書の概要を見ますと、あくまでも分ける作業のところだけを対象とすると書いてあります。その下に行くと、今度は、(1)本手引書の対象として、蜂蜜の製造及び小分けと書いてあります。対象を整理していただくことと、それに合わせてタイトルをどうするかです。
 フロー図を見ますと、次のページなのですけれども、蜂蜜を採取するところについても書いてあります。この辺、蜂蜜製造全体の流れの中で、もし小分けだけをHACCPの手引書の対象とするならば、フロー図でいうところのここから下だけが対象となるとか、表現を工夫していただけますか。
○(一社)全国はちみつ公正取引協議会  検討させていただきます。
○五十君座長 対象範囲が統一されていないような気がいたしますので、よろしくお願いします。
 ほかはありますか。よろしいですか。
 それでは、どうもありがとうございました。
 続きまして、資料4につきまして、事務局より説明をお願いします。
○事務局 資料4のファイルをお開きください。
 こちらは全国漁業協同組合連合会様が作成した、HACCPの考え方を取り入れた衛生管理のための手引書、魚介類競り売り営業産地市場利用者向けのものとなります。
 こちらの手引書につきましては、厚生労働省に御相談いただきましてから、本年10月1日に事前の意見交換を行いまして、構成員の先生方に内容を御確認いただいております。本日は、その際の御意見等を踏まえて、修正いただいた手引書案について、団体様から御説明をいただきます。
 それでは、準備ができましたら、よろしくお願いいたします。
○全国漁業協同組合連合会 ただいま御紹介をいただきました、全国漁業協同組合でございます。
 説明をいたしますのは、私、須田と、皆様方から向かって左側におります古谷でございます。よろしくお願いいたします。
 私ども、HACCPの考え方を取り入れた衛生管理のための手引書で、魚介類競り売り営業ということで、今回は産地市場利用者向けに作成したものでございます。
 私ども全国漁業協同組合につきまして、簡単に御説明をいたします。漁業者が地域ごとに組織しております漁業協同組合の全国組織でございまして、全ての加入者は、およそ30万人ということでございまして、2019年3月現在で、沿岸地区にある943の組合が加入しているといった形となります。
 本会の業界内での位置づけでございます。申請時における最新の統計でありました、2013年の漁業センサスをもとにいたしますと、全国859カ所の産地市場のうち、漁業協同組合、または、漁業協同組合連合会が開設、運営いたします産地市場は、約7割の652カ所となります。
 これを受けまして、今回、この手引書の対象品目、または、食品群につきましては、手引書の4ページに記載しております水産鮮魚のうち、活魚介類と冷凍魚介類を除外したいわゆる鮮魚という形で設定してございます。
 手引書を作成する上で留意したポイントについて、御説明いたします。手引書の2ページ目をごらんください。一般衛生管理で特に必要性が高いものとしまして、魚体の低温管理を掲げております。具体的には手引書の中で氷を魚体にまんべんなく施すことということで、記載をしているところでございます。
 危害要因分析でございます。手引書の5ページ目をごらんください。生物的要因につきましては、腸炎ビブリオ・大腸菌などの増殖、不衛生な魚箱や市場利用者からの有害な微生物の混入、鳥類による魚体の損傷、鳥ふんによるサルモネラ菌の付着といった形で分析しております。
 化学的要因につきましては、ヒスタミンの生成、自然毒の存在などを挙げておりまして、海洋からの汚染、漁獲船からの汚染、毒化された貝類による自然毒としてございます。
 最後に、物理的要因につきましては、魚箱や市場利用者からの金属異物、硬質・軟質異物の混入としているところでございます。
 これらに対する管理ポイントとしまして、一般衛生管理の中で低温管理としておりまして、ほかに洗浄・消毒、隔離、除去・廃棄、利用者の衛生管理としているところでございます。
 前回の10月1日の検討会で御指摘、もしくは御助言いただきました内容、本会へ参画している漁業協同組合等にアンケートを出しましたこと、あとは、2カ所の産地市場にて、衛生管理の記録を含めて試行した結果、手引書の手直しをしているところでございます。
 気をつけたポイントとしましては、基本的には産地市場の対応がかなり分かれております中で、全ての産地市場に通用するように、普遍的な内容で記載させていただいて、かつ実態的に表現をさせていただいたところでございます。
 本会において、手引書を作成する予定はございませんけれども、各市場に対しましては、本会の指導事業等を通じまして、今般の手引書の内容について、説明会や勉強会を開催する等、通知していく方針でございまして、この手引書を周知していく所存でございます。
 手引書の具体的な中身でございますけれども、手引書の5ページに記載しております、産地市場の一般的な流通工程としまして、1番の陸揚げから8番の出荷まで、ここまでを範囲としてございます。その中で、先ほど申し上げました危害要因分析、管理ポイントと具体的な対策として、その下段に記載しているところでございます。
 具体的な内容につきましては、6ページ以降に記載しているところでございまして、先ほど申し上げました一般衛生管理につきましては、手引書の18ページから27ページにポイントとして記載しているところでございます。
 その中で、衛生管理計画の様式、作成例につきましては、手引書の16ページ目、17ページ目に記載がございます。
 これらを踏まえまして、実施の記録、記入例を30ページ、31ページ目に記載してございます。
 これらの記録の振り返りにつきましては、1ページお戻りいただきますが、29ページ目に記載しているところでございます。
 今回、産地市場ということでございまして、搬出した後、いわゆる市場に鮮魚が搬出されることと想定されますので、その点につきまして、手引書の36ページ目のところで、産地市場の仲買業に従事する方へということで、これに接続するものとして、既に設定されております消費地市場用の卸売市場の水産物卸売業の手引書を紹介して、接続しているところでございます。
 御説明は以上となります。よろしくお願いいたします。
○五十君座長 御説明ありがとうございました。
 ただいまの資料4の御説明に関しまして、御質問、御意見等がございましたら、お願いします。稲見構成員、どうぞ。
○稲見構成員 手引書の内容というよりも、事務局に質問したいのですけれども、水産卸業は、基本的には全てB基準対応という認識でよろしいのでしょうか。食品を分割し、容器包装に入れ、または、容器包装に包み販売する営業者については、規模を問わずにいわゆるB基準と聞いてはいるのですけれども、過去にいただいた資料の中で、青果卸売業と魚介類販売業等という形になっていて、魚の卸業については記載がなかったので、そこを確認させていただきたいのです。
○事務局 御質問いただいた点ですけれども、魚介類販売業、卸売業についても、小分けで量り売りといった範疇に入るということで、HACCPの考え方を取り入れた衛生管理の対象ということで整理をしております。
○五十君座長 よろしいですか。
 ほかにはございますか。事務局、どうぞ。
○三木食品監視安全課長 5ページの危害分析の表があるのですけれども、そこの物理的な危害要因のところで、魚箱からの異物の混入とあって、管理ポイントが洗浄・消毒になっているのですけれども、洗浄・除去のほうがよろしいと思います。
○全国漁業協同組合連合会 洗浄・除去に修正いたします。失礼いたしました。
○五十君座長 富松構成員、マイクをお願いできますか。
○富松構成員 1つ質問をさせてください。資料に出てくる写真は、全てプラスチックの容器になっているのでが、トロ箱は、いまだに木のトロ箱がたくさんあると思います。将来に向けて、どういうふうに考えていかれているのか、お伺いしたいと思います。
○全国漁業協同組合連合会 今、御質問いただきましたことは、鮮魚を入れる、いわゆる魚箱と言われているものでございまして、本会の会員等も含めて、御存じのとおり、震災等がございましたので、産地市場自体が破損等々をしておりまして、それを復旧させるために、市場自体が新しくなっているパターンがございまして、それにあわせて、魚箱もプラスチックに変更しているところは、大変多いところでございます。
 ただし、そういったような施設自体の更新がないところについては、今、御質問いただいたとおり、木箱を使っているところがございまして、それもありまして、物理的要因のところに異物として記載をさせていただいたところでございます。
 こちらにつきましては、今回の手引書自体がいわゆる施設要因に係るものについては、対象外ということでお受けしているものでございまして、先ほど御説明のとおり、施設と設備をセットで整備しているところでございますので、こういったような魚箱のところと同時に更新されるものと考えておりますので、その際に更新されるものと考えてございます。
○富松構成員 今後はプラスチックにしていくということですね。そういうふうに啓発していかれるということですか。
○全国漁業協同組合連合会 どうしてもこの施設自体、本会を含めて、指定管理者として施設を使っていることが多くございます。そうしますと、いわゆる市町村が大変多いのでございますけれども、そういったところの施設等々で整備されているパターンがございまして、漁業協同組合単体でできないところも、地域によってはございます。
 そういった意味では、意識上は、この手引書で広めているところでございますけれども、将来的に実態上どうなるかというところにつきましては、各地域で検討いただければと考えてございます。
○五十君座長 よろしいですか。
 ほかにございますか。斉藤構成員、どうぞ。
○斉藤構成員 御説明ありがとうございました。
 5ページ目の生物的のマル5の鳥類の魚体の損傷のところですが、これだけを見ると、生物的なものではないのか。傷ついたらまず捨てるのかというところだったのですけれども、次のページを見て、なぜというところを見ると、つつくことによって雑菌が入るということを書かれているので、ここのところも鳥類に生物的要因で入れるのであれば、鳥類による魚体の損傷による雑菌の汚染とか、何か後ろに言葉をつけたほうがよろしいと思います。
○全国漁業協同組合連合会 ありがとうございます。
 後ろの記載事項と平仄を合わせまして、検討させていただきます。
○五十君座長 ほかにはありますか。鬼武構成員、どうぞ。
○鬼武構成員 写真等が入っているので、大変わかりやすいのですけれども、27ページだけ、もう一回、確認をしたいのですが、毒魚が見つかりましたということで、これを管理するところで、右側にポリの容器に毒魚、フグみたいなものが入るのでしょうけれども、鍵をかけるという意味ですか。安全な場所で行いますという言葉は、保管するというか、そういう意味合いがまず言葉としてあるのではないかということと、ここに書いてある毒の薬は使わないですね。だから、これを見ていて、ちょっと混乱したのです。非常にパーフェクトな資料をつけていただいて、ここだけは見ていて思ったので、どういう管理をしているかということで、安全な場所というよりも、管理をしていますということで、ここは修正していただいたほうがいいような気がしました。
○全国漁業協同組合連合会 ありがとうございます。
 表現につきましては、実態を踏まえて検討させていただきます。
○五十君座長 ほかにございますか。三木課長、どうぞ。
○三木食品監視安全課長 先ほどの富松構成員の発言ともかかわるのですけれども、写真などもすばらしく、いい写真というか、理想的に目指すところで手引書自体がつくられていることで理解をしたのですけれども、そうなると、実際、保健所の監視員がこれをもとに監視指導するということになると、目標的に将来的にはなるようにという形で、監視員は使うという理解でよろしいのですか。いきなりこういう木箱を使っているものを見て、手引書ではプラスチックだから、急にプラスチックにしなさいみたいな話だと、また大変な話になると思うので、そこは将来的にこういう像というか、そういうところを目標にということで、業界としてやっていくという理解で、監視員の指導を進めるということでよろしいですか。
○全国漁業協同組合連合会 手引書全体を通じまして、先ほど申し上げましたとおり、漁業協同組合の意思でつくっている施設は余りない状況でございますので、各地域で異なったものを全て網羅させるために、6ページ目以降のポイントにつきましては、しましょうという形の努力目標とさせていただいているところでございます。
 今、御指摘いただきましたとおり、いわゆる整備がされている施設もある中で、一部、そういったところがないところも含まれている中を踏まえますと、しましょうという努力目標のところで、そこを目指していただくということを付言して、こちらのことを表現させていただいたものでございます。
○五十君座長 ほかにはいかがですか。稲見構成員、どうぞ。
○稲見構成員 今、何とかしましょうは努力目標だという話をされたので、ちょっとお伺いしたいのですけれども、衛生管理計画の作成例の中の17ページになるのですが、みんな何とかしましょうという記載の仕方になっていて、これは自分でつくる計画なので、基本的には何とかするという言い方だと思っていたのですけれども、これは努力目標という意味合いで書かれているものですか。
○全国漁業協同組合連合会 努力目標という言葉をひとり歩きさせると、しても、しなくてもと聞こえてしまうかもしれないのですけれども、あくまでも踏まえましたのは、この手引書が漁業センサスによれば、六百五十何カ所の全て適用されることを踏まえまして、全てに通用するといったところで、1カ所、例えば不備がある場所を網羅させるための努力目標という意味ですので、目指すところは、一般衛生管理を踏まえた上で、HACCPの考え方を取り入れた手引書として活用していただくことを考えてございますので、周知活動もそのような形で伝えていく所存であります。
○稲見構成員 そうしますと、記載の仕方としては、このままいかれるという形ですか。
○全国漁業協同組合連合会 前回の10月1日のときの検討会のときにも、各構成員の先生方から御助言いただいたところでございますが、いわゆるこれを使って指導されることも踏まえて、全ての産地市場でこれが通用できるように、実態を踏まえてすべきだということで、指摘していただいたことも踏まえまして、その表現をしているところでございます。
○稲見構成員 基本的には衛生管理計画は、自分たちでやることを記載するものなのかと思うので、何とかしましょうという努力目標ではなくて、何とかするという形のほうが望ましいと思います。
○事務局 事務局です。
 稲見構成員がおっしゃるとおり、あくまで衛生管理計画は、事業者さんが自分でつくって、自分でこうしますと宣言するものなので、これはあくまでも衛生管理計画の作成例ですので、その記載としては確認するとか、メンテナンスを実施するといった書き方になると思います。その点については、後ほど事務局と調整させていただければと思います。
○五十君座長 そのあたり、事務局と確認をして進めていただきたいと思います。
 ほかはございますか。よろしいですか。
 ないようです。どうもありがとうございました。
○全国漁業協同組合連合会 ありがとうございました。
○五十君座長 続きまして、資料5について、事務局より説明をお願いします。
○事務局 ありがとうございます。
 それでは、資料5のファイルをお開きください。
 こちらは、京都湯葉製造販売事業協同組合様が作成しました、HACCPの考え方を取り入れた湯葉製造業における衛生管理計画作成の手引書案となります。
 こちらにつきましても、団体様から御相談をいただきまして、本年9月12日に事前の意見交換を行いまして、御確認をいただいたものになります。本日は、その際のコメント、御意見等を踏まえて修正いただいた手引書案について、団体様から御説明をいただきたいと思います。
 それでは、準備ができましたら、よろしくお願いいたします。
○京都湯葉製造販売事業協同組合 京都湯葉製造販売事業協同組合の代表です。よろしくお願いいたします。
 本日、前回の技術検討会で御指摘いただきましたことを踏まえて、再度、手引書を作成いたしました。その中で、組合員16者で実行可能かを検討しながら、この手引書を作成いたしました。
 前後しますけれども、10月29日に製造に携わる従業員50未満の湯葉製造事業所を対象とするということがあるのですが、これを対象とする全国の湯葉屋さんで、京都の次にたくさんあるのが日光でして、こちらに10月29日に手引書を持って、視察、検討をさせていただきました。
 それでは、始めさせていただきます。
 湯葉は、豆乳を煮立てて、表面にできる薄皮をすくい上げてつくる食品です。湯葉の原材料としては、大豆と水のみでございます。京都湯葉組合では、HACCPの制度化に対して対応して、HACCPの考え方を取り入れた衛生管理計画作成の手引書を作成いたしました。これについては、製造に直接携わる従業員数50人未満の湯葉製造事業所を対象といたします。
 湯葉の製品説明です。この手引書が対象とする製品は、生湯葉と乾燥湯葉です。油で揚げた揚げ湯葉、調味料や他の食材と混合した、湯葉を用いたいわゆるお惣菜等については、お惣菜の手引書を参考にしていただきたいと思います。
 1つ目の生湯葉についてですけれども、生湯葉は、串などですくい上げ、豆乳を切って包装する製品です。箸などですくい上げて、豆乳を切らずに包装する製品、それと2つございます。いずれも包装後に冷却され、10℃以下で保存されます。
 前後しますが、さきに申し上げた生湯葉については、下の1番を見ていただきますとわかるのですが、豆乳を切ってから包装する製品、商品名としては引き上げ湯葉、あるいは生湯葉と呼ばれております。後者は、豆乳を切らずに包装する製品です。商品名としては汲み上げ湯葉、もしくはつまみ湯葉など、各社によって製品の名前は異なります。
 生湯葉のいずれも包装後に冷却され、10℃以下で保存されます。冷却は、冷蔵庫に入れて行う場合、あるいは密封包装された製品では、冷却水で20度以下に冷却した後、冷蔵庫で冷却する場合があります。
 生湯葉については、製造から3日から6日間が消費期限でございます。
 これはそのままお醤油等の、調味料をかけて食べられるか、もしくはお鍋などのお吸い物の具材として使用されます。
 もう一方の乾燥湯葉については、上げた湯葉の豆乳を切り、その後、乾燥させたものです。豆乳を切った後に、ある程度乾燥し、巻いたり、畳んだり、結んだり、裁断したりなどの細工し、最終的に水分活性は0.6以下まで乾燥します。乾燥によって、微生物が増殖しにくい状態となりますので、常温で保存が可能です。
 こちらの乾燥湯葉の賞味期限は、製造から6カ月から1年です。
 料理の素材として、加熱して利用されます。ある程度水で戻してから調理される場合もあります。
 対象とするのは一般消費者ですが、大豆アレルギーを持たない人に限られます。また、その食材については、料理屋さんなどの料理の食材としても提供されております。
 次に、製造における危害要因ですけれども、湯葉製造において考えられる主な危害要因は、生物的危害要因として、病原性微生物による食中毒です。
 化学的危害要因としては、アレルギー物質によるアレルギーの発生、また、洗剤や消毒剤の混入、使用基準を超えた食品添加物の使用がございます。
 もう一つは、物理的危害要因です。これは金属などの硬質異物などによるけがです。
 初めの病原性微生物による食中毒については、湯葉は豆乳を高温で75℃以上、1分以上で加熱しながら製造しますので、結果として芽胞を形成しない微生物は、ほとんどここで死滅します。芽胞を形成する病原微生物については、2時間以内に10℃以下の冷却と冷蔵、あるいは水分活性0.6程度の適切な乾燥によって、増殖を制御します。また、作業環境や作業者の衛生を保ち、これらの微生物の混入を防ぐことが大切です。
 生湯葉の冷却は、引き上げた後、あるいは冷却水20℃以下にした後、2時間以内に10℃以下にして、その後、10℃以下で冷蔵します。
 乾燥湯葉は、乾燥によって水分活性が0.6程度以下にする為、微生物はほとんど増殖しません。通常の製品の状態、さわると割れるぐらいの状態まで乾燥されていることを確認します。
 なお、黄色ブドウ球菌やセレウス菌のように、食品中に再生され、高温でも活性が低下しない毒素があります。加熱前を含めて、全ての工程でこれらの微生物の混入や増殖を防ぐ必要があります。
 黄色ブドウ球菌は、特にけがをしている手の従業員は、必ず耐久性ばんそうこう、もしくはプラスチック製手袋を着用します。素手で食品に触れないようにしております。また、けがの状態によっては、製造に従事させないこともあります。
 セレウス菌は、土壌や水の自然環境や農畜水産物などに広く分布をしております。製造環境が汚染されないよう、原材料の保管場所、製造場所、製造機器の清掃、洗浄が重要です。適切な作業と作業環境を実施するために、食品衛生7Sを取り組んでおります。
 アレルゲンによるアレルギーの発生については、原材料は大豆アレルギーであります。大豆アレルギーを持つ人が食べると、アレルギーが発生します。原材料等の表示に注意喚起することで発生を防ぎます。
 同じ工場でのアレルゲンを含む食品を扱う場合には、表示をして区分分けして保管します。これらを同時に同じ場所で扱わない、それぞれの専用の器具を用いる、正しい表示の包材かどうかを十分に確認するなどの管理が重要です。
 アレルゲン以外の化学的危害要因として、洗剤や消毒剤のような化学物質、使用基準のある食品添加物が挙げられます。洗剤や消毒剤は、残らないように洗浄し、すすぎの手順を決め実施します。豆乳を製造するときには、消泡の目的でシリコン樹脂を加工助剤として使用する場合があります。これらについては、保管や使用の基準と手順を決めたとおりに扱います。
 最後に、硬質異物によるけが等については、製造機器のボルトなどの混入が考えられます。緩みの点検と増し締めによって防ぎます。なお、以前は、湯葉上げの湯葉釜で、木製枠を使用しておりましたが、使用器具の状態を確認するなどの一般衛生の徹底で、現在はほとんど異物は発生しておりません。
 毛髪の混入は、健康被害を起こすのではございませんが、不衛生な食品となり、お客様からの申し出につながりますので、帽子や作業服からの落下に注意します。
 以上のようなことで、湯葉の製造におけるHACCPの考え方を取り入れた衛生管理では、重要管理点を設けずに、食品衛生7Sを基本に一般衛生管理に取り組み、危害要因を制御します。
 次は、生湯葉と乾燥湯葉の製造工程の御説明をさせていただきます。資料を見ていただいてわかりますが、原材料入荷、保管、精選・洗浄、浸漬、配合、摩砕・生呉、加熱、湯葉上げ、包装、冷却、冷却保管という形になります。
 次の乾燥湯葉の工程ですけれども、生湯葉と湯葉上げまでは全く一緒でございます。湯葉上げの後で、乾燥の湯葉の細工、細工した後にもう一度乾燥、そして、包装、出荷という形になります。
 衛生管理計画作成のポイントですが、実施するに当たって、衛生管理計画の作成、計画に基づく実施、確認・記録、最後に振り返り、このことが重要ポイントだと思っております。
 ポイントによる手順については、後ろの18ページにまとめております。一般衛生管理のポイントのまとめ、1から10までございます。
 19ページは、ポイントによっての記入例を書いております。
 最後に実施記録を作成します。1日から31日までです。その項目は、同じく10項目です。
 実施記録に対しての記録の例がございます。
 以上でございます。よろしくお願いいたします。
○京都湯葉製造販売事業協同組合 若干補足をしてよろしいでしょうか。
○五十君座長 お願いします。
○京都湯葉製造販売事業協同組合 前回の9月12日の技術検討会の御指摘で、今、説明がありましたように、1つは、製品説明書を入れろということで、1ページに、生湯葉、乾燥湯葉について、詳しく記述をさせていただきました。
 それから、前回、95℃で膜が張るので、一般的な微生物は死滅するという表現だけでしたけれども、実際は、75℃、1分以上で膜が張りますので、それ以上の温度になれば、一般的に微生物は死滅します。
 御指摘の芽胞菌問題は、先ほど説明がありましたように、生湯葉につきましては、2時間以内に10℃以下に下げますし、乾燥湯葉は割れるぐらいに乾燥をさせますので、水分活性が0.6以下です。
 エンテロトキシン問題も御指摘がございまして、これはけがをした人の管理を十分にするということで、そういう危害要因分析に基づきまして、3ページに書いてありますように、湯葉の製造におけるHACCPの重要管理点、いわゆるCCPはないということで、一般衛生管理で衛生を保って、安全を担保するということになっております。
 以上です。
○五十君座長 ありがとうございました。
 それでは、今の御説明について、御質問、御意見等がございましたら、お願いします。
 鬼武構成員、どうぞ。
○鬼武構成員 御説明ありがとうございました。
 2点、気づいた点がありますが、本文の修正については、考えていただければいいと思います。
 1ページの製品説明の下のところに、湯葉製品について、一般の消費者が対象ですが、大豆に対してアレルギーを持たない人に限られますと書いてあるけれども、ほかのところでアレルギーのことが書いてあるので、ここであえて大豆に対してアレルギーを持たない人というのは、つくっている人から余り言わなくていいような、読んでいて、この人は排除されるのかという気がしたので、そこは要らないような気がしました。後のところで管理として書かれていますので、それは御検討ください。
 もう1点は、2ページの下から3ページの頭にかけて、豆乳を製造する際に消泡剤を使うということで、使用基準等があるということと、表示の義務がないということで、ここに掲げられていますが、実際、過去に分析を一度されたり、そういう管理をされたことがあれば、そういうデータを持たれたほうがいいと思います。
 ウエブで見たら、過去に、どこかで、加工食品で、豆乳か何かのもので、実際に検査をしたら、かなり低いオーダーで、問題ないという文献もあると思いますので、念のためにそういうものも用意しておいたほうがいいと思います。別にここに書く必要はないのですけれども、ここは決めておりますと書いてあって、理由づけのところが、もしくはそちらで実際にデータをとられたものがあれば、そういうものを保持されているほうがいいと思いました。
 2点だけ気づいたので、よろしくお願いいたします。
○五十君座長 よろしいですか。ほかにはありますか。朝倉構成員、どうぞ。
○朝倉構成員 御説明ありがとうございます。
 教えていただきたいのですけれども、18~19ページの衛生管理計画のうち、特に“いつ”の項目については、製造日毎の管理と定期的な管理、両方を含めた様式という理解でよろしいでしょうか。
○京都湯葉製造販売事業協同組合 製造を始める前と製造が終わった後、それと工場全体を見直すのは、各社まちまちですけれども、大体月に1回、全部見直しております。
○京都湯葉製造販売事業協同組合 製造を始める前と製造が終わった後、それと工場全体を見直すのは、各社まちまちですけれども、大体月に1回、全部見直しております。
○朝倉構成員 わかりました。これと後ろの20~21ページの実施記録との関連性がやや見づらいとも感じましたので、書きぶりについて御検討いただければありがたいと思います。
○京都湯葉製造販売事業協同組合 実際には、もっと大きい紙で記録を残しますので、少しは見やすくなると思います。
○朝倉構成員 よろしくお願いいたします。
○五十君座長 ほかにありますか。関根構成員、どうぞ。
○関根構成員 御説明ありがとうございました。
 前回、私ども構成員から御質問させていただいていることの続きのような話になのですけれども、箇所としては、生湯葉の冷却と乾燥のところなのですが、冷却水で冷却なさっているときの状態をお教えていただきたいのと、乾燥しているときの作業の様子を紹介していただきたいです。なぜかというと、実際、作業をなさっているときに、後々の微生物的なところは、そんなに気にしなくてもいいのかもしれないのですが、いずれにせよ、何かが付着する可能性というところでは、その仕事のあたりが、着目するところだと思いますので、済みませんが、少し紹介していただいてもよろしいですか。
○京都湯葉製造販売事業協同組合 冷却に関しては、生湯葉、引き上げ湯葉の場合は、湯葉釜から上げて1分もしないうちに、温度が下がります。
○関根構成員 冷却水が入っているのですね。
○京都湯葉製造販売事業協同組合 今、申し上げたのは、生湯葉なのですけれども、もう一つは、くみ上げ湯葉と豆乳を含んだ湯葉です。これは容器に入れて冷却します。容器は水槽に十分につかった状態で冷却します。容器というのは、密封されておりますので、異物混入とか、そういうものは一切ございません。
 湯葉釜から上げる状態のときは、80℃ぐらいになっていますけれども、冷却水につけた状態で20℃ぐらいまで落ちた時点で、冷蔵庫に移させていただく形になります。
○関根構成員 そのときに、生湯葉の場合には、くみ上げて、冷却水の中で冷やすのですね。
○京都湯葉製造販売事業協同組合 生湯葉は、すぐに冷蔵庫に入れます。
○関根構成員 冷却水は使わないのですか。
○京都湯葉製造販売事業協同組合 使わないです。
○関根構成員 くみ上げたものは、どうするのですか。
○京都湯葉製造販売事業協同組合 くみ上げ湯葉は容器に入っております。
○関根構成員 生湯葉の場合ですか。
○京都湯葉製造販売事業協同組合 引き上げ湯葉の場合以外です。これは容器に入っています。
○関根構成員 切ってからですか。
○京都湯葉製造販売事業協同組合 切らないほうです。
○関根構成員 生湯葉は、串などですくい上げ、豆乳を切ってから包装する製品があります。それについては、冷却はどうされるのですか。
○京都湯葉製造販売事業協同組合 冷却はしないです。今、申し上げたように、湯葉釜から湯葉を上げた状態で、1分もしないうちに、温度は下がります。薄いものですからね。すぐに畳んで、冷蔵庫に入れます。その時点で、20℃以下になっています。
 くみ上げ湯葉は容器に入っていますので、お豆腐などと一緒で、ホットパックというか、上にぱちっとやるものがありますが、あれで水の中にじゃぶんとつかってしまうのです。ですので、すぐに20℃以下になります。そうなった時点で、冷蔵庫に移します。
○関根構成員 わかりました。
 あと、乾燥湯葉のときの乾燥はどうなっているのでしょうか。
○京都湯葉製造販売事業協同組合 乾燥湯葉は、工場の中に細工室を設けているのですけれども、湯葉を上げた状態のものを細工しながら、すぐに乾燥室に入るという形です。ですから、細工台でもって湯葉を刻んだり、畳んだりして、もちろん手袋、帽子、そういう作業服を着てです。
○関根構成員 乾燥室というのは、何度かに保たれた部屋というか、大きいトンネルみたいなところを通っていくみたいな感じなのでしょうか。それともワゴンみたいなところに載せて、入れていくみたいな感じになるのですか。
○京都湯葉製造販売事業協同組合 各社によって違うのですけれども、冷蔵庫の大きいような引き出しが何段もあるものがあって、そこに湯葉とか、細工した後の湯葉を並べているのです。ですので、水分活性も0.2ぐらいになっていると思います。
○関根構成員 わかりました。ありがとうございました。
○五十君座長 ほかに御質問はありますか。斉藤構成員、どうぞ。
○斉藤構成員 御説明ありがとうございました。
 1点だけ、10ページです。私も使用水の管理は非常に重要だといつも思っているのですが、特に湯葉の製品などはそうだと思うのですけれども、実際に地下水を使われているところもかなり多いと思うのですが、今の時点で、事業者の方というのは、残留塩素などはどのような形ではかられているのでしょうか。
○京都湯葉製造販売事業協同組合 水質検査のことですか。
○斉藤構成員 はい。
○京都湯葉製造販売事業協同組合 京ブランドという商品があるのですけれども、これは最低年に2回以上、水質検査を行っています。26項目です。
○斉藤構成員 そうではなくて、要は毎日残留塩素の検査をします。当然するべきだと思うのですが、実際に品質管理室を持っているような大きなところでないと、このような管理は難しいと思っております。実際に事業者の方ができるような形で、(ウ)のどのようにの下のところに、例えば括弧書きでも何でもいいので、こういうキットでこういう形でやりますとか、もっと具体例を入れてあげて、実際に取り組みやすい、やるというものを示してあげないと、形だけになってしまうと思ったので、よろしくお願いいたします。
○京都湯葉製造販売事業協同組合 わかりました。その項目をつけさせていただきます。
○五十君座長 ほかにございますか。関根構成員、どうぞ。
○関根構成員 先ほどの続きみたいなことで申しわけないのですが、2ページのところに、生湯葉の冷却は、引き上げた後あるいは冷却水で20℃以下にした後、2時間以内に10℃以下にしますと書かれているのですけれども、監視指導員が行ったときに、3時間ぐらいたっているものがあったときに、温度をはかって教えてくださいといったら、例えば15℃などになっていたら、これは冷やし方が足りませんとか、設備が弱いのではないですかみたいな指導が出てくると思うのですが、実際、そういうことは起こらなくて、2時間という時間があれば、10℃以下にできているという御認識でよろしいのですか。
○京都湯葉製造販売事業協同組合 そうです。生湯葉というのは、2時間どころか、30分もたったら乾いてしまうのです。ですから、生湯葉という商品にならないのです。
 そうしたら、何で2時間と書いているかということなのですけれども、検証に行きました日光湯葉は、生湯葉を巻いておられるのです。生を巻いていますので、1時間ぐらいでは乾かないのです。ですから、一応2時間という形に設定していますが、例えば京湯葉の場合は、30分、もしくは10分か、15分以内に10℃以下の冷蔵庫に入っています。実際に冷却されています。
○富松構成員 20℃から10℃に落とすのに、冷蔵庫に入れさえすれば、2時間以内に落ちるものなのですか。入れ方次第では、ぎゅうぎゅうに詰めてしまったら、全く下がりません。最初の危害要因の説明で、ここは20℃から10℃まで、2時間以内に下げるから問題ありませんとおっしゃいましたが、それを実際に達成するために、余り細かいことを言っても仕方がないのですが、こういうことには気をつけましょうといった注意喚起が書かれていたほうがいいと思います。ぎゅうぎゅう詰めの冷蔵庫に放り込んで、2時間で20℃から10℃に下がるとはとても思えないので、その辺の指南書になるような指導があったほうがいいと思います。
○京都湯葉製造販売事業協同組合 そのとおりだと思います。冷蔵庫には、全部室内温度も入っていますので、そこを十分にチェックして、この温度になるようにということをつけ加えたいと思います。
○富松構成員 重ねたり、ぎゅうぎゅうというのは、避けるようにということですね。
○京都湯葉製造販売事業協同組合 おっしゃるとおりで、確かに商品をいっぱい詰めると、なかなか下がらないです。その辺も加えたものにしたいと思います。
○五十君座長 表現の工夫をしていただくということでよろしいですか。
○京都湯葉製造販売事業協同組合 はい。
○五十君座長 ほかにはありますか。よろしいですか。
 どうもありがとうございました。
○京都湯葉製造販売事業協同組合 ありがとうございました。
○五十君座長 続きまして、資料6について、事務局より説明願います。
○事務局 それでは、資料6のファイルをお開きください。
 こちらは日本マーガリン工業会様が作成した、HACCPの考え方を取り入れた衛生管理の手引書、小規模なマーガリン類・ショートニング・精製ラード・食用精製加工油脂製造業者向けの案になります。
 こちらにつきましても、御相談いただきましてから、本年9月12日に事前の意見交換を行わせていただきまして、内容を確認いただいたものになります。本日はその際の御意見等を踏まえて、修正いただいた手引書案について、日本マーガリン工業会様から御説明いただきたいと思います。
 それでは、御準備ができましたら、よろしくお願いいたします。
○日本マーガリン工業会 日本マーガリン工業会の植田と申します。
 私から、工業会について、説明します。
 当工業会というのは、手引書の対象であります、マーガリン類・ショートニング・ラード・食用精製加工油脂など、いわゆる食用加工油脂を製造する団体になります。
 会員外でも製造している会社はございますけれども、当方の会員の製造量に占める割合というのは、ラード以外は全体の90%以上、ラードは半分ぐらいになってございます。
 当方の会員は、22社、大手・中小と半々ぐらいということで、従業員50人未満の工場も割とございます。
 そういうことで、今回、食用加工油脂のJASの登録認証機関であります、公益財団法人日本食品油脂検査協会の協力を得まして、小規模な製造者向けにHACCPの考えを取り入れた衛生管理のための手引書を作成することにいたしました。これによりまして、先ほども言いましたように、会員あるいは会員外も含めまして、業界全体として、一層衛生管理に取り組むことができればと思っております。
 手引書の内容につきましては、先ほど言いました、検査協会の藤井さんから説明させていただきます。
○(公財)日本食品油脂検査協会 日本食品油脂検査協会の藤井と申します。よろしくお願いいたします。
 本手引書の対象品目としましては、3ページから4ページに記載しています、マーガリン類、こちらはマーガリンとファットスプレッド、ショートニング、精製ラード、食用精製加工油脂となります。こちらはJASの定義によって書かせていただいております。
 この手引書につきましては、前回の御指摘について、修正させていただきました。ただし、その中で1点だけ、対象としている食品の管理レベルに差があるため、対象を整理したほうがいいのではないかという御意見をいただいたのですけれども、日本マーガリン工業会会員様とワーキンググループ委員の意見から、管理レベルは異なるものの、本業界では対象となる品目を同じ工場内で製造されているところが多く、1冊にまとめたほうが利便性がよいとの結論になりまして、1冊にまとめることといたしました。
 できるだけわかりやすくするために、一般衛生管理では、38ページから40ページ(10)製品の種類ごとに必要な衛生管理として、種類ごとに必要な衛生管理を記載しております。
 また、5ページから10ページですが、製品説明書を作成いたしまして、製品ごとの特性及び注意事項をまとめて記載させていただきました。
 ファットスプレッドの風味原料については、多種多様なものがありますので、6ページの製品説明書と15ページの製造工程にどのようなものがあるのかについて、例を記載いたしました。
 実行可能性の確認につきましては、2工場様に御協力をいただき実施したところ、おおむね良好な結果でした。
 製造工程は事業者によって多少異なるところがあるのですけれども、御意見を参考に製造工程の見直しを行い、ショートニングと精製ラードについては、油脂を精製する場合と油脂を精製しない場合に分けることといたしました。
 続きまして、危害要因分析についてなのですけれども、危害要因分析の結果につきましては、2ページに記載したとおり、本手引書で対象としている製品では、マーガリンとファットスプレッドの殺菌工程を重要管理とし、それ以外は一般衛生管理で十分対応できると考えます。
 アレルギーの管理についての記載は、前回不十分であるとの御指摘がありましたので、再度、危害要因分析を行うとともに、一般衛生管理として、31ページにアレルギー物質の取り扱いとして記載いたしました。
 また、危害要因の中でも特に管理が必要なものは、11ページから12ページに、危害要因とその対応例といたしまして、まとめて記載しております。
 生物的危害要因としましては、病原性微生物による汚染と増殖、化学的危害要因としては、ピーナッツ及びピーナッツ加工品のアフラトキシンとアレルギー物質の混入としております。物理的危害要因しましては、製造設備からねじ等の部品の脱落等による製品への混入と考えております。
 マーガリン類の殺菌工程は、重要管理点としました。殺菌条件は乳等省令の殺菌条件、63度から65度、30分をもとに決めております。数工場様に殺菌条件について確認しましたところ、乳等省令の殺菌条件を参考に、自社の殺菌条件を決められているというお話しを聞いております。
 5ページから6ページに記載いたしましたが、マーガリンの水分活性は0.901~0.924であり、通常の細菌はほとんど増殖しない範囲にあると言えます。
 ファットスプレッドの水分活性は、マーガリンより高く、0.944以上、ケースによりまして、水分が50%のものであれば、0.966というデータがあるのですが、殺菌後、低温で管理することから、黄色ブドウ球菌等の増殖は抑えられると考えます。
 記録様式につきましては、前回の御指摘で、一般衛生管理の記録様式を簡素化するようにという御意見がありましたので、全面的に見直しをしております。49ページ、51ページ、53ページに様式を入れております。種類ごとに1枚にまとめ、簡素化に取り組みました。
 以上で説明を終わります。よろしくお願いいたします。
○五十君座長 ありがとうございました。
 ただいまの資料6の説明に関しまして、御質問、御意見がございましたら、お願いします。いかがですか。鬼武構成員、どうぞ。
○鬼武構成員 御説明ありがとうございました。
 従前の打ち合わせで確認ができなかったので、確認なのですけれども、硬化油脂みたいなものを製造する場合、トランスファットはどういう管理をされているのでしょうかということをお伺いしたいと思います。
 工業的に製造されるというのが、これに当たるかどうかわかりませんけれども、WHOが2023年までには、グローバル食品サプライからトランスファットは除去すると宣言されていまして、これは各国の対応もあるかもしれないのですが、日本は、今、平均的には1%以内で大丈夫だということだと思うのですけれども、この関係からして、工業的には硬化油脂などができてしまうものなのですが、その管理と今回WHOが言っていることについての対応というのは、どういうふうに考えられていますか。参考までに教えてください。
○日本マーガリン工業会 私からお答えいたします。前回の9月の段階でも御質問がございました。健康上の影響は別としまして、今回の衛生管理の危害要因とは考えておりませんという回答をいたしております。
 含有量等につきましては、先生がおっしゃるとおり、平均でもかなり低くなっておるということと、我々の会員も、その後、毎年、低減に努めておりますので、現在、相当低くなっていると考えてございます。
 あとは、皆さん、一概にトランス脂肪酸とおっしゃいますけれども、中身というのは、いろんな異性体があって、どれが悪者かとか、どういう含有の構成量になっているかというのは、余り明らかにされておりませんので、話が脇にそれているかもしれませんが、本来であれば、その辺も踏まえて判断すべき話だと考えております。いずれにしろ、当方は、低減はずっと続けていくという考えでおります。
○鬼武構成員 ありがとうございました。
 とりあえず低減はされているということで、私が気になったのは、WHOが言っている言葉自体が、工業的に製造される、インダストリー・プロデュースドというのが、例えば硬化油脂というのは、意図してそういうふうにつくるわけです。できてしまう油というのが、今回の対象になったら困ると思ったので、一応確認のために質問させていただきました。それは業界ではない、もしくは厚生労働省なりの見解かもしれませんけれども、どういうふうになっているかということをお尋ねしたかっただけです。
○日本マーガリン工業会 工業会としては、それに対して見解は述べておりませんので、個人的な考えになります。
 繰り返しますが、トランス脂肪酸の中身なり、それぞれに含まれている工業的とか、天然由来とか、いろいろとあるかもしれませんが、本来であれば、その中の組成を見ないと、健康への影響とか、そういうものはきちんとわからないと思っておりまして、工業由来がというお話しがありますが、例えば天然由来も工業由来も同じような組成が入っている場合、どう考えるかという問題もあります。その辺は研究がされておりませんので、トランス脂肪酸のいろんな異性体がある中で、どれが本当は原因なのかということを研究していただきたいですし、それぞれの組成、異性体がどのぐらい入っているかということを冷静に見て、それを踏まえた上で御判断いただきたいというのが、個人的に思っているところでございます。
○鬼武構成員 こういう場でお尋ねしたのは、申しわけなかったのですが、私が気にしているのは、WHOがアクションをとるなり、CODEXでも、今、アクションを具体的にするということで動いていますので、直接HACCPには関係ないかもしれませんけれども、そういうことも含めて、今後の対応をお尋ねしたかったので、伺った次第です。あとは、そちらの今後の整理なり、対応でお任せします。
○日本マーガリン工業会 トランス脂肪酸に関しては、数年前の国会の質問主意書に国が回答されていますので、それに準じた国の決定に我々は従って対応することになるかと思います。
○鬼武構成員 ありがとうございました。
○五十君座長 斉藤構成員、どうぞ。
○斉藤構成員 御説明ありがとうございました。
 わからない点があるので、教えていただければと思います。3ページ目の対象となる製品の中で、マーガリン類だけ殺菌があるものを対象としましたと書いてあるのですが、ショートニングとか、精製ラードというのは、殺菌がないもののほうが多いとか、そういう感じなのでしょうか。
○(公財)日本食品油脂検査協会 基本、殺菌はないです。
○斉藤構成員 基本ないのですか。
○(公財)日本食品油脂検査協会 ないのです。ショートニング、食用精製加工油脂、ラードもですけれども、油100%であるために、微生物要因として殺菌するという工程は、基本的にありません。
○斉藤構成員 ろ過か何かですか。
○(公財)日本食品油脂検査協会 ストレーナーによる異物混入防止等は行っております。あと、流動性のものもあるのですけれども、練り合わせることで、可塑性などを加えているものはあります。
○斉藤構成員 ありがとうございました。
 もう一点、お聞きしてよろしいですか。5ページ目のマーガリンの水分活性は、0.901~0.924であれば、通常の細菌はほとんど増殖しないという形なのですが、私が知っている範囲では、0.5以下だと微生物はふえないという形で記憶していたものですから、これだとふえるのではないかと思ったので、いかがなのかと思いました。
○(公財)日本食品油脂検査協会 基本的にマーガリン自体は、乳化性がかなりあるものでして、国際食品微生物規格委員会によるマイクロオーガニズムズ・イン・フーズの8巻等に書かれているのですけれども、マーガリンにおいて、微生物が発生するものというのは、乳化することで、すごく小さな水滴という形になりますので、微生物等の栄養素の取り込みが制限されるような仕組みになっておりまして、微生物の発育が制限されるということで、基本的に微生物が発生しにくいような構造になっています。それで0.9幾つとかでも、細菌が発生しにくい状態であると考えております。
○斉藤構成員 要はマーガリンの特性なのですね。
○(公財)日本食品油脂検査協会 そうです。乳化性があるということで、そういうことになります。
○斉藤構成員 ありがとうございました。
○五十君座長 ほかにありますか。関根構成員、どうぞ。
○関根構成員 今のことと多少関係するかもしれないのですが、マーガリンの殺菌のことについて、お教えいただきたいのですけれども、3ページのマーガリン類のところに、本手引書では、製造工程に殺菌があるものを対象としましたと書いてありますが、逆に殺菌がないものはあるのですか。
○(公財)日本食品油脂検査協会 基本的に殺菌されているとは思うのですが、殺菌工程があるものと考えて記載させていただきました。
○関根構成員 基本的にあるということですね。
○(公財)日本食品油脂検査協会 一部で可能性としてなのですけれども、風味原料などが、殺菌工程の後に加えられることがあるかもしれないということです。
○関根構成員 重要管理のポイントと手順、41ページです。マーガリン類について、殺菌工程の温度・時間の確認、63度、30分または同等以上としていただいているのですけれども、実際、マーガリン類をおつくりになられている小規模な製造業者の方は、かなり時間がかかっているということは、プレート殺菌みたいな瞬間的な殺菌の方法ではなくて、バッチ式で、何かのタンクで殺菌をしているようなイメージのことが、手引書の中では、例えばタイマーを使ってということがいてあるのですけれども、実際、どうなのでしょうか。バッチ式で、何かのタンクで、30分というのは、ないかもしれないですけれども、例えば1分間殺菌していますとか、そういう事業者様はいらっしゃるのでしょうか。
○(公財)日本食品油脂検査協会 温度をもっと高くして、短時間で殺菌されているところはあります。
○関根構成員 短時間でというのは、タイマーで実際にはかって、管理をするような殺菌方法をしている事業者様はあるのでしょうか。
○(公財)日本食品油脂検査協会 タイマーということですね。
○関根構成員 ここの中では、タイマーを使ってと書いてあります。管理として、タイマーは校正しましょうと書いてあるのですけれども、実際問題、そういう製造をしている事業者様がいらっしゃるのでしょうかということです。
○(公財)日本食品油脂検査協会 正直、タイマーは見たことがないです。オートメーション化されているケースが多いです。
○関根構成員 実際、細かいことをちゃんと把握しているわけではないのですが、何となくタイマーではかって、ちゃんと殺菌できたかとやっていらっしゃる事業者様よりも、もともと殺菌のシステムとして、例えばプレート殺菌みたいな仕組みを持って、そこで大体温度と流量がこのぐらい出ていれば、ちゃんと殺菌の時間が保持されているというところを監視しながら、普段はやっておられるような感じがするのです。
○(公財)日本食品油脂検査協会 そのほうが多いです。
○関根構成員 そうだとしたら、それに近いようなことを書いておいていただいたほうが、現実的な対応にはなると思うので、御確認いただいて、実態がこんな感じということであれば、それに合わせて工夫していただけるとありがたいと思います。
○(公財)日本食品油脂検査協会 わかりました。検討させていただきます。
○五十君座長 56ページの様式も変わってくることになります。今のこの様式ですと、温度計とタイマーの作動を確認したとかになっていますので、確認していただきたいと思います。
○(公財)日本食品油脂検査協会 わかりました。様式もあわせて見直しをさせていただきます。
○五十君座長 ほかにありますか。よろしいですか。
 ちょっと細かいことですが、ほかの手引書で、5Sについての記載の用語が議論になったことがありまして、しつけというのは、表現的に余り適切ではないという議論があったと思いますので、ほかの手引書と整合性がある表現で、事務局と確認をしていただけますか。
○(公財)日本食品油脂検査協会 わかりました。
○五十君座長 事務局と確認してください。
 ほかはいかがですか。よろしいですか。
 どうもありがとうございました。
○(公財)日本食品油脂検査協会 ありがとうございました。
○五十君座長 本日、確認していただく手引書案は以上になります、
 そのほかに事務局からありますか。
○事務局 ありがとうございます。
 年内の技術検討会は、本日が最後となります。
 次回の検討会につきましては、先生方と日程調整をさせていただきたいと思いますので、来年も引き続きどうぞよろしくお願いいたします。
○五十君座長 それでは、本日の検討会はこれで終了いたします。
 長時間の御討議をありがとうございました。皆さん、よいお年をお迎えください。