薬事・食品衛生審議会薬事分科会血液事業部会 令和元年度第4回運営委員会

日時

令和2年2月19日(水)16:30~18:30

場所

新橋会議室8E会議室
 (東京都港区新橋2-12-15 田中田村町ビル8階)

出席者

出席委員(8名):五十音順、敬称略 ◎委員長




国立感染症研究所:敬称略
 
  • 大隈 和



KMバイオロジクス株式会社:敬称略
 
  • 竹川 佳孝



日本赤十字社:敬称略
     
  • 佐竹 正博
  • 遠藤 正弘
  • 石丸 健
  • 後藤 直子
  • 杉山 朋邦




事務局:
 
  • 石川 直子  (血液対策課長)
  • 菅原 高志  (血液対策課長補佐)
  • 松永 夏来  (血液対策課長補佐)
  • 富樫 直之  (血液対策課長補佐)
  • 田井 貴         (血液対策課長補佐)
  • 大島 雅和      (需給専門官)

議題

  1. 1.感染症定期報告について
  2. 2.血液製剤に関する感染症報告事例等について
  3. 3.調査会の審議結果について
  4. 4.「献血血液等の研究開発等への使用に関する指針」に基づく公募の評価について(非公開)
  5. 5.その他

配布資料

資料ページをご参照ください。

議事

 
 
○松永血液対策課長補佐 定刻より少し早いですが、皆様お揃いのようですので、令和元年度第4回血液事業部会運営委員会を開催させていただきます。本日の会議は、議題1から議題3は公開で、その後、議題4については非公開で行います。カメラ撮りは、議事に入るまでとさせていただきます。マスコミ関係者の方々におかれましては、御理解と御協力をお願いいたします。
 本日の出欠状況ですが、委員8名全員に御出席いただいていることを御報告いたします。本日は参考人として、国立感染症研究所、血液・安全性研究部第一室、大隈和室長にお越しいただいております。また、日本赤十字社血液事業本部より、遠藤正浩技術部次長、石丸健技術部次長、後藤直子技術部安全管理課長、杉山朋邦経営企画部供給管理課長に御出席いただいております。なお、佐竹正博血液事業経営会議委員については、遅れて到着されると伺っております。
 続いて、全ての委員の皆様より、薬事分科会規程第11条に適合している旨を御申告いただいておりますので、御報告いたします。本日の会議は、ペーパーレスで行います。資料はお手元のタブレットを御覧ください。
 議事に入る前に、本日の資料の確認をお願いいたします。タブレット上にマル1議事次第からマル10資料3「令和元年度第2回適正使用調査会の審議結果について」までのPDFファイルが表示されているか御確認をお願いいたします。ファイルが表示されていない場合や不足がある場合には、お近くの職員にお声かけください。タブレットの使用方法については、お手元の「ペーパーレス審議会タブレット操作説明書」を御覧いただき、御不明な点等がございましたら事務局までお声かけください。間もなく議事に入りますので、カメラ撮影はここまででお願いいたします。
 それでは、以降の進行は田野﨑委員長にお願いいたします。
○田野﨑委員長 皆さん、こんにちは。それでは議事に入ります。議題1、感染症定期報告について、事務局より御説明をお願いいたします。
○松永血液対策課長補佐 事務局です。資料1を説明いたします。資料1-1を御覧ください。こちらは、令和元年9月から令和元年11月に受理した感染症定期報告の研究報告です。2ページを御覧ください。文献は計11あり、右から2列目に番号を付しております。文献番号1番は、C型肝炎に関連したものです。概要としては、イラクのバグダッドにおいて、抗Dグロブリン投与歴のある女性のHCV抗体及びRNA陽性率の調査及び遺伝子型の同定を目的として実施された横断研究となっています。
 続いて文献番号2番は、ナイジェリアにおけるラッサ熱感染者増加に関する報告です。文献番号3番は、前回の運営委員会でも御紹介させていただいたダニ媒介性Alongshanウイルスに関するものですが、今回は、フィンランドでダニからRNAが検出されたという報告です。文献番号4番及び5番についてですが、こちらは精液からウイルスが検出された重症熱性血小板減少症候群の患者のケースレポートです。水平感染の可能性を示唆するものということで、引き続き情報収集が必要と考えられます。
 続いて文献番号6番、7番は、WHOが公衆衛生上の緊急事態宣言をしておりますが、コンゴ民主共和国のエボラ出血熱の流行に関連した報告となっています。文献番号8番は、エプスタイン・バーウィルスの血清学的スクリーニングのためのタンパク質バイオチップを開発したとの報告です。続いて文献番号9番です。日本において、初めて血小板輸血を介してLactococcus garvieaeに感染したヒト-ヒト感染症例に関する報告です。
 続いて文献番号10番は、セネガルにおける無症候性三日熱マラリアの原虫感染に関連する調査に関する報告でして、これまで三日熱マラリア原虫は感染しないと考えられていたDuffy抗原陰性の赤血球への感染が確認されたというものです。文献番号11番は、プリオン株のマウスの静脈内投与による浸潤能への影響に関する調査でして、脾臓で複製された後、異なる株として脳に出現したことから、プリオンに汚染された血液や血液製剤の使用により、新規の神経侵襲性プリオン株の生成や、新たな病態が見られる可能性が示唆されたといった報告です。各詳細については、資料1-2にまとめてあります。資料1の説明については以上です。
○田野﨑委員長 ただいまの説明に関して、大隈参考人から追加発言等がありましたら、宜しくお願いいたします。
○大隈参考人 宜しくお願いいたします。2つコメントさせていただければと思います。まず文献4と5の重症熱性血小板減少症候群、SFTSと略しますが、これについてコメントいたします。文献4と5は同じ内容ですので、同時にさせていただきます。この報告はSFTSウイルス(SFTSVと略します)のRNAが人の精液で初めて検出されたという一例の症例報告です。これは、SFTSVの水平感染、すなわち性行為感染の可能性を示唆するものです。SFTSVはウイルス血症が見られますし、無症候性のヒト-ヒト感染も以前報告されていますので、献血等での血液混入のリスクがあると考えられます。
 今回の報告では、精液中にSFTSVのRNAを検出しただけでして、実際には水平感染、性行為感染が起こるかは不明です。しかし、この新たな感染様式が実際に存在するとすれば、血液の安全性の観点からも重要である可能性がありますので、今後の情報収集等が必要と考えます。
 もう1つですが、文献10のマラリアについてです。この報告は、セネガルの児童における無症候性の三日熱マラリア原虫感染の状況を調査したものです。三日熱マラリア原虫は、Duffy抗原陰性者には感染しないと考えられてきましたが、今回の報告では、無症候性のDuffy抗原陰性の児童に、予想以上に高率に感染していたことが分かりました。感染の大部分は、やはり熱帯熱マラリア原虫でしたが、三日熱マラリア原虫感染についても、今後は同国の公衆衛生的な問題になると文献上述べられています。
 日本では、これらの原虫を媒介するハマダラ蚊が生息しておりますし、マラリアの輸血感染例も以前はありましたが、現在では根絶されており、輸入感染例のみとなっております。日本赤十字社におかれましては、献血の問診時に海外渡航歴や滞在地を確認した上で対応を取られていますので、新たな対応の必要性はないと考えられますが、今後も情報収集に努めて、本感染状況の動向を注視していく必要があると考えます。以上です。
○田野﨑委員長 貴重な御意見、どうもありがとうございました。委員の皆様から何か御質問、コメントをお願いいたします。
○岡田委員 文献1で、バグダッドで免疫グロブリンでC型肝炎に感染したという報告なのですが、これをよく読むと、輸入した抗Dのグロブリン製剤で感染したということで、1Bの割合が高いのです。抗Dに関しては過去に、30年ぐらい前にアイルランドと旧東ドイツで集団感染というか、特定のバッチというかロットで高率にHCV感染が起こったという報告があります。そのときも1Bなのです。その免疫に使った女性が1Bに感染していたために、その血球で血漿を提供した人がHCVに感染して、その血漿で作られた製剤で感染したということです。免疫グロブリンは、世界的にHCV感染が起こったという事例は非常に少なくて、アイルランドとか東ドイツで作られたものが通常のコーンのフラクションとは別の方法で作られたので、たまたま用いた方法がHCVの感染性を除去できなかったという、そういう原因だと考えられております。ですので、日本ではコーンのフラクションで製造されておりますので、抗Dで感染することは通常はありません。
 あと、文献9です。この文献9は、以前に運営委員会に報告された血小板による敗血症の例です。そのときに、この菌は魚類というか、魚の養魚場か何かにいるような菌なので、どうしてそういう菌が血小板に入ったのかとちょっと不思議に思ったのですが、この報告によるとこの血小板の供血者は、ヘモグロビンが低下しているということで精査を受けて、最終的には結腸がんであることが分かりました。そこで潰瘍ができていたので、そこから血中に菌が入ってこういう珍しい菌血症になったのではないかと想像されます。こういう血小板から菌が出て大腸がんが見付かったというのは、過去に米国にもありました。そういう面では世界で2番目だと思います。
 この患者さんは、どうして大腸がんが分かったかというと、頻繁に献血に来てくれた方なのでデータが残っているのです。そうすると、ここ数回、毎回ヘモグロビンが低下しているということで、どこからか出血しているのではないかということで大腸がんが分かった症例です。ですので、日本赤十字社においても、献血時の問診のときに過去のデータをちょっと見ていただけると、最近ヘモグロビンが異常に低下している傾向があったりとかという、そういう献血者の方がいたら医療機関を受診するようにとか、そういうアドバイスをすることによって早期に消化器系のがん等が見付かる可能性があるのではないか、そういうことを示唆している論文だと思います。以上です。
○田野﨑委員長 他の委員の皆様は、宜しいでしょうか。そうしましたら、事務局においては、今後とも感染症の定期報告をお願いいたします。
 議題2に移ります。「血液製剤に関する感染症報告事例等について」に移ります。事務局から資料2-1と2-2について、御説明をお願いいたします。
○松永血液対策課長補佐 事務局です。資料2-1を御説明いたします。供血者からの遡及調査の進捗状況についてをお開きください。1ページが日本赤十字社からの提出資料でして、供血者から始まる遡及調査の実施状況となります。表の一番右が平成31年4月1日から令和元年11月30日の速報値となっています。遡及調査の実施内容として、調査の対象とした献血件数が3,656例あります。そのうち、輸血用血液製剤となった本数が3,750本あります。そのうち、医療機関に情報提供を行った本数が2,279本となっております。また、遡及調査実施対象のうち、個別NATの結果が陽性となった献血件数は3件で、そのうち医療機関に提供された製剤に関する報告件数は計3件、そのうち受血者の情報が判明した件数については3件となっており、陽転事例はありません。医薬品医療機器法第68条の11に基づく回収報告状況については、次ページでまとめていますが、令和元年9月から11月の間で計7件ありました。資料2-1は以上です。
 続いて資料2-2を御覧ください。資料2-2は、血液製剤に関する医療機関からの感染症報告事例等についてです。1ページの感染症報告事例のまとめを御覧ください。今回は、令和元年9月から11月の報告分となります。この間の感染症報告は、輸血用血液製剤で21件、血漿分画製剤で4件です。輸血用血液製剤2件、血漿分画製剤2件については、因果関係が否定されています。輸血用血液製剤の報告の病原体の内訳としては、HBV感染が3件、HCV感染が3件、その他としてE型肝炎が3件、サイトメガロウイルスが4件、細菌等が6件ありました。B型肝炎とC型肝炎に関して、献血者の保管検体の個別NAT陽性事例はありません。その他、細菌事例については、当該輸血用血液の使用済みバッグを用いた無菌試験の陽性事例が1件となっております。事案の詳細については、2~7ページでまとめています。
 8ページを御覧ください。こちらは、北海道で行っている施行的HEV-NATの実施状況となっております。表の一番下から1つ上が、平成31年1月から令和元年12月の結果をまとめたものですが、HEVの陽性者数は132名、陽性率は0.052%となっております。ジェノタイプについては、G3が116件、G4が13件、検査不能が3件となっております。資料2-2については以上です。
○田野﨑委員長 以上について何か御質問、御意見がありましたらお願いいたします。資料2-2については、重篤性という所が皆、重篤となっておりますが、まだ前回と変わっていないということで宜しいでしょうか。
○松永血液対策課長補佐 事務局です。フォーマットについては、今回は年度内ということで同じ形で出させていただいて、個別に症例に関して御質問がある場合は、日本赤十字社が持っている情報についてコメントをいただけるということですので、その形でお願いできればと思っています。年度をまたいでから次の運営委員会以降においては、フォーマットの見直しも含めて検討させていただきたいと考えております。以上です。
○田野﨑委員長 岡田委員、どうぞ。
○岡田委員 血小板製剤で敗血症が起こった事例があって、アウレウスが出た症例なのですが、輸血を開始したときに流速が低下したために輸血を中止したのですけれども、また別の差し口から新しくセットを使って投与したということです。血小板製剤で目に見えないような微少の凝集塊ができると、このようにフィルターに詰まって落ちが悪くなることがあります。血小板製剤でまずこのように流れが悪くなるということは、ないと考えて良いので、本来であれば流速が遅くなったら、これは何かあるなということで中止すればもっと症状が軽くて済んだのではないかと思うので、今スワーリングを確認ということが決められていますが、それに加えて血小板製剤で落ちが悪くなったときには細菌感染も考えるということを追加していただけると、安全対策にも良いのかなと思いました。以上です。
○田野﨑委員長 こちらについては、日本赤十字社の方も御検討いただければと思います。他にはいかがでしょうか。E型については引き続きという状況ですので、またスクリーニングが導入される予定と伺っておりますので、宜しくお願いいたします。他に宜しいでしょうか。そうしましたら、事務局におかれましては、今後とも遡及調査結果、感染症症例の報告をお願いいたします。
 それでは、議題3の「調査会の審議結果について」に移ります。事務局から説明をお願いいたします。
○松永血液対策課長補査 事務局でございます。資料3について御説明させていただきます。こちらは前回運営委員会から今回までの間に開催された調査会に関する報告ということで、今年の1月10日に適正使用調査会を開催しておりますので、その概要を御報告させていただきます。
 1ページに概要をまとめております。簡単に御説明させていただきます。まず、2008年から日本輸血・細胞治療学会に委託している血液製剤使用実態調査について、牧野参考人から10年間の総括と、今年度実施していただいている調査の途中経過をご報告いただきました。また、小規模施設等における安全で適正な輸血療法のために学会が作成された「在宅赤血球輸血ガイド」を御紹介いただいております。
 本調査が始まったころの大きな課題でありましたFFPやアルブミンの適正使用については、一定程度改善が見られ、300床以上の施設では輸血管理体制が整備されてきた一方で、近年では免疫グロブリン製剤の関係ですとか、300床未満における廃棄率といった諸課題に対応するための実態把握が必要といった点が、課題として挙げられました。
 次に議題2で、2ページを御覧ください。やはり10年来行なっております血液製剤使用適正化方策調査研究事業についてですが、今回、初の試みとして、実施していただいている合同輸血療法委員会から参考人をお呼びして、ヒアリングを実施いたしました。今回は秋田県、兵庫県をお呼びして、それぞれの取組を御紹介いただいております。本事業に応募、又は採択される都道府県が固定化されつつあり、適正使用の取組に地域差が見られる状況があることや、左記の調査結果を踏まえた課題を設定した上で公募を行うなど、両事業の有効活用を行うべきといった御指摘がありました。3ページ以降は当日の資料となっています。資料3についての説明は以上となります。
○田野﨑委員長 どうもありがとうございました。委員の先生方から何か御質問、コメントはございますでしょうか。濱口委員どうぞ。
○濱口委員 議題2の適正化方策調査研究事業なのですが、これは今後、全ての都道府県について同じような形でお話を聞かれる予定なのでしょうか。それとも何か少し話題として提供していただけそうなところがあるということで、選ばれたということで宜しいのでしょうか。
○松永血液対策課長補佐 御質問ありがとうございます。事務局です。今回、初の試みとしてヒアリングをさせていただいたと申し上げましたが、詳しく御説明させていただきますと、約10件採択させていただいたうち、その中でも情報を共有させていただいたりした方が、好事例として広がるのに良いのかなと思ったような、良い取組をされている所2県ということで、特にお越しいただいて御説明いただいたというところです。先程、概要の所で、少し御説明させていただいたところではあるのですが、本事業について、今後のあり方について議題1にありました研究との関連性も含めて、課題設定だったり、手挙げされるようなところが固定化されつつあるというところもあるので、なかなか取組が進まない所にやっていただくような工夫だったりも含めて、検討するべきではないかというような御指摘をいただいたのかなと考えておりますので、今後のあり方については、そこも含めて検討する必要があると考えております。
○田野﨑委員長 他には宜しいでしょうか。そうしましたら、本日、公開で行う議題はここまででありますが、事務局より何かございましたらお願いいたします。
○松永血液対策課長補佐 事務局でございます。2016年12月の本委員会で大平委員、花井委員より御要望いただいておりましたフィブリノゲン製剤の適応拡大関係で1件御報告させていただきます。本件については2月10日の医療上の必要性の高い未承認薬適用外薬検討会議において、乾燥ヒトフィブリノゲンについて、産科危機的出血、心臓血管外科手術に伴う後天性フィブリノゲン血症による出血傾向の改善といった効能・効果について、医療上の必要性が高いと評価されております。今後、国から企業への開発要請等、必要とされる手続が進んでいくという状況であるということになります。私からは以上となります。
○田野﨑委員長 こちらに関してはフィブリノゲン製剤について、いかがでしょうか。大平委員どうぞ。
○大平委員長代理 ありがとうございます。フィブリノゲン製剤の適用拡大についての進捗というのはずっと運営委員会でもフォローさせていただいたり、また、色々血液事業に関連する学会とか、色々な所で議論されてきたのですが、本来、薬事というのは行政とメーカーとの間の手続を進めていくものですが、これまでそこが機能していなかったというところがありまして、患者と専門家と立法府の3者で適応拡大について議論してきた経緯はあります。具体的には学会のシンポジウムの場所を活用して、平場で話合いを合意したりしてきました。その合意した適応拡大の案を参議院議員の秋野議員は、国会で厚生労働省に提案しておられましたが、国は迅速に対応して、未承認薬適応拡大の検討会で話合いがなされていると伺っておりました。その進捗は先程、厚生労働省からの説明で、手続きが進んでいるということで承ることができたというのは、とても感謝しているところです。
 この場をお借りして、特に中心的な役割を担った私と同じ委員の花井さんですとか、前の血液事業部会の委員でありました大戸委員ですとか、秋野参議院議員に感謝を申し上げたいのですが、新しい合意形成の形ができて、とても良かったかなとは思っております。
 また、この先の承認までの道程がスピード感をもって進めていただきたいのと、恩恵を受ける患者が手遅れなく届くことが重要だというように思っていますので、この重大な役割を国はじめ関係者の方たちが共に認識して進めていただけたら、とても有り難いなと思います。とても進んだことについては改めて感謝申し上げたいなと思います。
○田野﨑委員長 ありがとうございます。事務局には宜しくお願いいたします。他に御意見、その他としてございますでしょうか。岡田委員どうぞ。
○岡田委員 現在、国内で新型コロナウイルスの流行が拡大しつつあるという報道がされているのですが、SARSの例を見ると、発症した人にはバイレミアが一部の症例で認められますので、輸血用の血液の安全性のためにも、献血した後に発熱したような患者に血液センターの方に連絡を取るような、そういうことを徹底してもらいたいと思います。宜しくお願いします。
○田野﨑委員長 こちらに関しましては、日本赤十字社からどのような方策を立てられているか、御説明いただければと思います。
○日本赤十字社 遠藤技術部次長 では、私の方から御説明させていただきます。新型コロナウイルス感染症に係る日本赤十字社の血液事業の対応ということで、安全確保というところの取られた策の方法を御説明いたします。同感染症については1月28日に指定感染症に定められたということを受けまして、1月29日付けで全国の血液センターに問診事項の徹底を図るように指示を出しております。具体的には問診時における献血希望者の体温測定の徹底と帰国、あるいは入国後4週間以内の献血延期、こちらは従来から採られていることですが、こちらの方も徹底して行うということを行いました。続けまして、1月31日、WHOの緊急事態宣言を踏まえまして、同日付けで献血者への対応を続けて指示をしています。内容としましては、献血を御遠慮いただく(該当)事項を献血会場に掲示しまして、献血者に周知すること。この献血を御遠慮いただく事項としましては、海外から帰国して4週間以内の方、発熱や咳、呼吸困難などの呼吸器症状のある方、新型コロナウイルスの感染症の患者、又は罹患の疑いのある患者と3週間以内に濃厚な接触があった方としております。
 2つ目としましては、献血に御協力いただいた方が献血後3週間以内に新型コロナウイルス感染症又は新型コロナウイルス感染症の疑いと、医療機関で診断された場合には、血液センターに速やかに連絡をお願いするように、こちらの方は紙を付けてお願いをするということで周知をしております。また、そのような申告があった場合、こちらの方に関しましては、早急に調査を行って対応するというような形を指示しているということです。
 さらに新型コロナウイルスの感染症と診断された方への対応を追加するなど、事態の進展を踏まえまして、昨日、2月18日付けで先程、言いました1月31日の注意事項を一部更新しております。その内容としては、献血を御遠慮いただく事項に4つ目として、新型コロナウイルス感染症又は感染疑いと診断された方というものを追加しまして、こちらの方は、御遠慮いただく内容をポスター並びに日本赤十字社のホームページに掲載するということで、献血者への徹底した周知を図っているというところです。
 それからまた献血後に新型コロナウイルス感染症と診断された場合、連絡対象、先程は3週間という形でもってお話をしたのですが、こちらの方は4週間というような形でもって、献血現場での状況ですとか、政府機関とも考慮した形でもって、一応4週間ということで統一した形での対応を取るということで、現場の方に周知をしているというところです。私の方からは以上です。
○田野﨑委員長 どうもありがとうございました。血漿分画製剤においてはウイルス不活化されているので心配はないというように考えても宜しいでしょうか。大平委員どうぞ。
○大平委員長代理 今、委員長がおっしゃられました血漿分画製剤の方は心配ないかもしれないのですが、一般的に無症状の方たちが献血された場合のそれの影響というのは、どういうような影響があるのかどうかというのが1つ心配なのと、もう1つは、献血者が今現在減っているのかどうかというところは、ちょっと今は冬の時期なので、献血者が少ない時期だと思いますので、余計減少しているのかなというところでは、供給能力の問題としてはどうなのかなというのが心配が1つあります。病院などですと、患者の数がずっと減っているものですから、あまり献血者の人たちもなかなか献血に出向くというのが少なくなっているのかもしれないなという不安があるので、そこは少し教えていただけたらと思います。
○日本赤十字社 杉山経営企画部供給管理課長 まず、在庫の方なのですが、現状としましては、イベント会場を中心に献血の御辞退というところは、若干出ているという状況はありますが、在庫としては赤血球を含めまして安定的に推移しているというところで、今後も在庫については問題ないと考えているところです。
○田野﨑委員長 宜しいでしょうか。濱口委員どうぞ。
○濱口委員 先程、説明いただいた2月18日付けの一部更新の話もあったのですが、感染者と診断が付いた場合の方は一応お断りをするということですが、その後、回復される方も出てくると思うのですが、そこの部分というのはどの段階を指すのか、3週間とか4週間という数字が一応あったのですが、明確に出せているのでしょうか。
○日本赤十字社 遠藤技術部次長 質問ありがとうございます。その辺についても日本赤十字社の中でもってかなり議論の方があったところではありますが、現時点において、そちら辺の情報がしっかりと分からないものですから、現時点において当面の間は一度患者と、要するに診断された方に関しては、当面の間は献血からは御辞退いただく。その後、情報がはっきり分かってきたら、そこに対する対応を改めて見直しをしたいと考えています。
○田野﨑委員長 宜しいでしょうか。花井委員どうぞ。
○花井委員 現時点で分からないことが多いと思うのですが、ウイルス血症という状態になると考えたとしたら、それはどのぐらいの期間とか、そういうことはそちらでも検討とかしているのですか。そもそもウイルス血症になるというのがよく分からないのですが、それによって血液的にはどのくらいの期間というのが、大体類似ウイルスがあって、それと比較できるのかとか、そういうことも検討されているのでしょうか。
○日本赤十字社 後藤技術部安全管理課長 ウイルス血症を起こすかどうかというところについては、中国での文献では重症者の15%ぐらいにウイルス血症が出るという報告もあるのですが、まだ実態としてどのようなところかというのは、それが感染につながるかどうかというところについては、まだ不明というところです。今後、献血後情報の対応などで、検査等で実際にウイルス血症が起きるかどうか、それで感染があるかどうかというところは、今後判明していくのではないかというように考えております。それまでの間については当面の対策で対応させていただきたいと思っております。
○田野﨑委員長 どうもありがとうございました。さらに何かございますでしょうか。宜しいですかね。今の状況だと何とも言えないですが、免疫グロブリンの動きとか、血漿製剤が出るとか、そういうことについての色々な話もございますが、そういうことについては何か患者への使用において、今の状況の影響が何かあるとか、そういうのは特にないということで宜しいでしょうか。
○日本赤十字社 後藤技術部安全管理課長 はい。
○田野﨑委員長 そうしましたら、他に何か御意見、コメントなどございましたらお願いいたしますが、宜しいでしょうか。そうしましたら、以上で公開議題について終了いたしますので、次に非公開での議題に移りたいと思います。事務局よりお願いいたします。
○松永血液対策課長補佐 それでは議題4については非公開で行いますので、傍聴の皆様は退席をお願いいたします。なお、非公開議題については約10分後の17時15分より行いたいと思いますので、宜しくお願いいたします。
(了)

*非公開議題では、審議結果について委員全員の了承が得られました。