令和元年度第11回薬事・食品衛生審議会薬事分科会医薬品等安全対策部会安全対策調査会議事録

日時

令和元年12月20日(金)14:00~

場所

労働委員会会館講堂

議事

 

○医薬安全対策課長 それでは、定刻になりましたので、これより令和元年度第11回医薬品等安全対策部会安全対策調査会を始めたいと思います。本日も、御出席の先生方におかれましては年末の慌しい中、御出席いただきましてありがとうございます。参考人の多田先生におかれましても、いつも御出席いただきありがとうございます。

 本日の調査会は、いつものように公開で行っております。カメラ撮りをされている方は議事に入る前までとさせていただいておりますので御理解、御協力のほどお願いしたいと思います。あらかじめ傍聴の方々にお配りしています留意事項がありますので、そちらの遵守もお願いしたいと思います。

 本日の委員の先生方の出欠状況ですが、あらかじめ望月委員より欠席との御連絡をいただいております。よって、6名の委員のうち5名の先生に御出席いただいておりますので、薬事・食品衛生審議会の規定により、本日の調査会が成立しておりますことを報告いたします。

 続いて、参考人の先生を紹介いたします。本日の「一般用医薬品のリスク区分について」という議題の関係で、柏市立介護老人保健施設はみんぐ施設長の多田紀夫先生にお越しいただいております。よろしくお願いいたします。これより議事に入りますので、冒頭のカメラ撮りはここまでといたします。以後の進行については五十嵐先生、よろしくお願いいたします。

○五十嵐座長 ありがとうございます。では早速、議事に入りたいと思います。はじめに、事務局から審議参加に関する遵守事項について御説明をお願いいたします。

○安全使用推進室長 議事参加について御報告をいたします。本日、御出席の委員及び参考人の方々について、議題 ()一般用医薬品のリスク区分について・イコサペント酸エチルの対象品目、競合品目の製造販売業者からの過去3年度における寄付金・契約金等の受取状況を御報告いたします。

 対象品目・対象企業及び競合品目・競合企業については、事前にリストを各委員・参考人にお送りして確認を頂いておりますが、本日、御出席いただいている全ての委員・参考人より、受取の申告はありませんでした。よって、全ての委員・参考人におかれましては、意見を述べ、議決にも加わることができるとともに、意見を述べることもできます。これらの申告については、ホームページで公表いたします。

 続いて、事務局より所属委員の薬事分科会規程第11条への適合状況の確認結果について御報告いたします。薬事分科会規程第11条においては「委員、臨時委員又は専門委員は、在任中、薬事に関する企業の役員、職員又は当該企業から定期的に報酬を得る顧問等に就任した場合には、辞任しなければならない」と規定しております。今回、全ての委員の皆様より、薬事分科会規程第11条に適合している旨を御申告いただいておりますので御報告いたします。委員の皆様には、会議開催の都度、書面を御提出いただいており、御負担をお掛けしておりますが、引き続き御理解、御協力を賜りますよう何とぞよろしくお願いいたします。審議参加に関する遵守事項の説明、薬事分科会規程第11条への適合状況の確認結果の御報告は以上です。

○五十嵐座長 ありがとうございました。ただいまの御説明について、皆さん、よろしいでしょうか。ありがとうございます。特にないようですので、競合品目・競合企業の妥当性を含めて御了解を頂いたものとしたいと思います。

 では、事務局から、本日の配布資料の確認をお願いいたします。

○事務局 事務局より本日の資料について御説明いたします。各委員、参考人におかれましては、お手元のタブレット端末で資料を御確認ください。議事次第、資料一覧の2ページを御覧ください。本日の資料は、議題1について資料1-1及び1-2となっております。また、委員・参考人一覧、競合品目・競合企業リストもありますので適宜御参照ください。タブレット端末の不具合、不足資料等がありましたら事務局員まで申し出ください。以上です。

○五十嵐座長 ありがとうございました。皆さん、よろしいでしょうか。では、議題1「一般用医薬品のリスク区分について」の審議を始めます。個別品目の審議の前に、一般用医薬品のリスク区分の評価手順について事務局から改めて説明をお願いいたします。

○事務局 資料1-1「製造販売後調査の終了に伴うリスク区分の検討について」を御覧ください。表に記載されている品目は、現在第一類医薬品に指定されており、この度、製造販売後調査の終了に伴い一般用医薬品としてのリスク区分の検討をお願いするものです。

 まず、一般用医薬品のリスク区分の移行の流れについて御説明いたします。資料7ページの「スイッチOTC薬に係る要指導医薬品から一般用医薬品への移行の流れ」を御覧ください。図の左から順に御説明いたします。まず販売開始後、原則3年間は製造販売後調査が行われ、その期間は要指導医薬品として区分されます。製造販売開始後2年以降で、特別調査の目標症例数を集めた時点で中間報告書が提出されます。中間報告書をもって安全対策調査会で一般用医薬品としての販売の可否について評価します。なお、今回のイコサペント酸エチルについては、製造販売開始から3年間で目標症例数に達しなかったため、製造販売後調査の期間が3年間延長されました。

 次に、製造販売後調査の終了から1年間は第一類医薬品として区分されます。現在、イコサペント酸エチルは、この段階にあり、第一類医薬品に分類されています。この1年間に一般用医薬品としてのリスク区分を決定することになります。本日は図の中の②「リスク区分の判断」の安全対策調査会に当たります。

 リスク区分の検討手順としては、まず安全対策調査会の調査・審議に当たり、必要に応じ、関係学会等の有識者等の出席を求め、意見を聴取し、事前整理を行います。その結果、リスク区分等の変更を行う必要があるとされた場合、厚生労働省は、変更案についてパブリックコメントを行います。次に、医薬品等安全対策部会にて、安全対策調査会における事前整理やパブリックコメントの結果等について調査審議を行い、リスク区分の変更の要否について答申を得るといった手続をすることとなっております。

 続いて、一般用医薬品のリスク区分を御説明いたします。6ページの一般用医薬品のリスク区分を御覧ください。第一類医薬品は、その副作用等により日常生活に支障を来す程度の健康被害を生ずるおそれがある医薬品であって、その使用に関し特に注意が必要なものとして厚生労働大臣が指定するもの、又は新一般用医薬品として承認を受けてから厚生労働省令で定める期間を経過しないものとされており、薬剤師により販売され、患者に対して文書による情報提供の義務があります。

 第二類医薬品については、その副作用等により日常生活に支障を来す程度の健康被害が生ずるおそれがある医薬品(第一類医薬品を除く)であり、厚生労働大臣が指定するものとされております。薬剤師又は登録販売者により販売され、情報提供については努力義務とされております。第二類医薬品のうち、特別な注意を要するものとして厚生労働大臣が指定するものについては指定第二類医薬品とされており、販売は第二類医薬品と同様、薬剤師又は登録販売者により行われ、情報提供についても努力義務ですが、薬局開設者等は情報を提供するための設備から7m以内の範囲に陳列する、また「指定第二類医薬品を購入等する場合には禁忌を確認すること及び専門家に相談することを勧める旨」を購入者が確実に認識できるようにするなどの措置をとることとされております。

 第三類医薬品は、第一類医薬品及び第二類医薬品に分類されないもので、薬剤師又は登録販売者により販売されます。説明は以上です。

○五十嵐座長 ありがとうございました。それでは、イコサペント酸エチルの審議を始めたいと思います。事務局から説明をお願いいたします。

○事務局 イコサペント酸エチルについて御説明いたします。資料1-2を御覧ください。販売名はエパデールTです。効能・効果は、健康診断等で指摘された境界領域の中性脂肪値の改善で、「境界領域」とは、健康診断などにおいて中性脂肪が正常値よりもやや高めの値(150mg/dlから300mg/dl未満)を指します。

 用法・用量は、20歳以上で1日3回食後すぐに1包を水又はぬるま湯で服用します。同ページ下の製造販売後調査概要を御覧ください。特別調査とは、個別に薬局と契約し、モニター店舗でアンケート調査表を配り、アンケートによる調査を実施するものです。この特別調査では、調査症例数3,277症例で、副作用が63例、84件でした。内訳は「下痢」11件、「腹部不快感」6件、「そう痒症」5件等でした。このうち重篤と判断された症例はありませんでした。使用者若しくは薬剤師からの自発報告という形での一般調査では、報告された副作用は6例8件でした。内訳は「熱感」2件、「筋肉痛」「消化不良」「そう痒症」「発疹」「末梢性浮腫」「血中トリグリセリド増加」が各1件でした。このうち重篤と判断された症例はありませんでした。

 2ページは、これまで御説明した副作用の発現状況をまとめたものとなっており、本剤で報告された副作用、その種類別に報告件数をまとめております。また、同一有効成分を含有する医療用薬品のデータも参考に掲載しております。

 次に、資料30ページです。本剤の承認時に一定数の症例に係るデータが蓄積されるまでの間は使用実態に関する調査を実施することにより、本剤の適正使用に必要な措置を講じることとされており、適正使用に関する調査が実施されております。製造販売後に薬剤師が適切に服用対象となる消費者を選定し、適切な服用指導、受診勧奨等を行えるかどうかを確認することを目的としたもので、2013年4月15日から20151117日まで実施されております。調査例数は668例で、薬剤師による服用に適格な消費者の選定等について調査を行っており、適格率は93.1%であったとの結果が得られております。

 次に、資料31ページは販売の状況についてです。第一類医薬品としての販売が開始された令和元年7月1日から8月31日までの結果をお示ししております。セルフチェックシートを御参照ください。初回購入時と2回目以降の購入時ではチェック欄が異なっておりますので、それぞれについて記入状況を集計しております。

 また、店舗販売、インターネット販売別にも集計を行いました。それぞれの項目についてチェックや記載がある場合には「不備なし」、チェックや記載に漏れがある場合には「不備あり」としております。また注釈のように、複数のチェック箇所がある場合には、1か所でも漏れがあれば「不備あり」としております。店頭販売で回収したセルフチェックシート45枚のうち、初回購入時のセルフチェックシートは18枚でしたが、そのうち、表の一番下の行の「全体」を御覧いただきますと、セルフチェックシートの全ての項目にチェックや記載があったのは14枚で、1部漏れがあったものは4枚でした。同様に、2回目以降の購入時のセルフチェックシートについては、全ての項目にチェックがあったものは16枚、漏れがあったものは11枚でした。インターネット販売の13枚では初回時及び2回目以降を含めた全てのセルフチェックシートで、全ての項目にチェックがされておりました。資料の説明は以上です。

○五十嵐座長 ありがとうございました。本日は多田先生に参考人としてお出でいただいております。多田参考人から御意見を頂きたいと思います。よろしくお願いいたします。

○多田参考人 多田です。この会議は4回目なので要領は少し分かっているとは思いますが、今、お話がありましたように、この薬そのものがOTCの中に適用していくということで、私どもは副作用が一番心配なわけです。今、お話をいただきましたように調査症例数3,277症例で6384件、使用者若しくは薬剤師からの自発報告という形での一般調査では6例8件ですか、実際、最終的な所で使っても、それほど重篤な副作用はなかったということで非常に良かったと、正直なところ思っております。

 と申しますのは、オメガ3脂肪酸というのは、エパデールに限らないわけですが、以前もお話しましたが、日本人の食事摂取基準の中で扱われているもので、正常者も使うというか食べているお薬です。各年齢によって少しずつ違うのですが、日本人の男女ともに1日2gぐらいのオメガ3脂肪酸は実際に摂取しているということです。それに加えてエパデール3錠ですから1,080mg(1.08)EPA製剤がオンされているということです。

 そのような中で、このようなデータが出てきたということですので、非常に喜ばしいと同時に、安全性の確定というのは、ある程度できたと私は思っております。参考人として付け加えさせていただきますと、こういったオメガ3脂肪酸で一番問題なのは安全性です。というのは、魚から取った油ですので、日本近海から捕った魚の中には水銀などが非常に多いと、これは公害のせいではなく、日本周辺には火山が結構あり、そこから出ている水銀があると、こういったものを食べているということで、アメリカのFDAなどでは、EPA製剤はアメリカからも出ていますが、実際にはペルー沖の1部の所で捕った魚からのEPAでないと認めないということです。

 今回、俎上に上がっておりますEPAのイコサペント酸エチルは、それに適応した薬物であるという話も私は知っておりますので、そのようなことも含めて安全性はある程度確保されたと思っております。第一類、第二類、第三類のどこに入れるかということですが、今まで多くの企業が参入し、実際に飲んでいただいて、我が国の方がこの恩恵に預かったわけでありますが、そのような中で、すぐに第一類、第二類、第三類というよりも、もう少し第一類で見たほうが妥当性があるのではないかと、ここまで審議されてきたので、しっかりと、もう少し見ていくということも1つの選択ではないかと思っております。以上です。

○五十嵐座長 ありがとうございました。第一類として一般用医薬品とするのが良いという御意見ですね。では、本件について委員の先生方から御意見を頂きたいと思います。いかがでしょうか。どうぞ、お願いいたします。

○柿崎委員 参考人の先生からもありましたように、安全性に関しては、特段、問題はないということで、セルフチェックシートを用いて適正販売を継続する点も含めて参考人の先生の御意見と同様、第一類でいいのではないかと考えます。

○五十嵐座長 ありがとうございます。そのほかの御意見はありますか。よろしいですか。それでは、議決を取らせていただきたいと思います。イコサペント酸エチルについては、第一類医薬品とすることで委員の先生方、よろしいでしょうか。御異議なしといたします。

 それでは、今後の予定について、事務局から御説明をお願いいたします。

○事務局 御議論いただき、ありがとうございました。本日、御審議いただいた結果に基づいてパブリックコメントの実施のための手続を進めたいと思います。

○五十嵐座長 この議題に関して、改めて何か御意見、御質問等ありますか。よろしいですか。本日、多田参考人におかれましては貴重な御意見を頂き、ありがとうございました。

 次に、議題2「その他」ですが、事務局から何かありますか。

○安全使用推進室長 ございません。本日の議事録については、後日、送付いたしますので内容の御確認をお願いいたします。なお、御確認いただいた後に、厚生労働省のホームページに掲載いたしますので、よろしくお願いいたします。

 次回の開催については、改めて御連絡いたします。事務局からは以上です。

○五十嵐座長 これで本日の調査会は終わりになります。どうも、ありがとうございました。

○医薬安全対策課長 年内の調査会は最後になります。本年もお世話になり、改めて御礼申し上げたいと思います。ありがとうございました。引き続き、よろしくお願いいたします。