第16回ILOアジア太平洋地域会議(概要)

開催趣旨

概ね4年に1度、ILO加盟国のうちアジア太平洋、アラブ地域の政労使の代表が、地域における雇用・労働問題について幅広く議論し、ディーセント・ワーク(働きがいのある人間らしい仕事)達成のため、今後の当該地域の活動の方向性を決定する会議。
 

会期・場所

2016年12月6日~9日、インドネシア(バリ)

参加国

37か国・地域から、350人以上の政労使の代表者が参加。

日本からの出席者

政 府 側:古屋厚生労働副大臣、勝田厚生労働省大臣官房総括審議官(国際労働担当) 他
労働者側:逢見連合事務局長、桜田国際顧問 他
使用者側:得丸経団連雇用政策委員会国際労働部会長、松井国際協力本部参事 他
 

開催概要

【開会式】
○ 議長及び副議長の選出
議 長:ハニフ インドネシア労働大臣
副議長:フマイダン バーレーン労働・社会開発大臣(政府代表)
    スカムダニ インドネシア経営者協会代表(使用者代表)
    逢見 連合事務局長(労働者代表)
○ 開会挨拶(ライダーILO事務局長、カラ インドネシア副大統領)
 
【全体討議】
○ 「アジア太平洋地域の持続的な発展に向けたディーセント・ワークのある包摂的な未来の構築」をテーマとした事務局長報告に基づき、各国政労使による演説が行われ、日本からは、古屋厚生労働副大臣、連合の逢見事務局長、経団連の得丸国際労働部会長が演説を行った。
○ 古屋厚生労働副大臣は、日本の高齢者及び女性の活躍促進に係る取組、厚生労働省の「働き方の未来2035」の提言を紹介するとともに、日本政府がこれまで取り組んできた社会的保護の土台構築やグローバル・サプライチェーンの労働安全衛生水準向上に向けた地域支援などにより、今後とも地域に貢献していく旨を表明した。
 
【個別討議】
○ 議題
・ ハイレベル対話:社会正義のための包摂的成長
・ 特別討論:アジア太平洋地域のディーセント・ワークの未来の構築
・ 情報セッション:移民の公正な募集
・ 特別討論:未来のための技能
・ 特別討論:包摂的で持続可能な成長のための社会対話の強化
・ 特別セッション:アジア太平洋地域における「多国籍企業及び社会政策に関する原則の三者宣言」の適用及び促進(※)
※ 政府代表として勝田厚生労働省大臣官房総括審議官(国際労働担当)、使用者代表として経団連の松井国際協力本部参事が参加。
 
【閉会式】
○ 結論文書(バリ宣言)の採択
○ 閉会挨拶(ライダーILO事務局長)
 
【結論文書(バリ宣言)の主な内容】
○ 次回会議までの間、ILOに対して、アジア太平洋地域における加盟国の政労使に向けて以下の支援を強化することを要請する。
・ 政労使がバリ宣言を実施するための実行計画を策定すること。また、その実施状況を2年毎にILO理事会に報告すること。
・ ディーセント・ワーク国別計画を、政労使と協議して策定し、実行すること。この国別計画は、バリ宣言、政労使のニーズ、持続可能な開発目標に従って
  実行し、定期的に改訂される必要があること。
・ 中核的労働基準の批准及び適用を促進するためのキャンペーンを実施すること。
・ 社会対話と団体交渉の強化を通じ、ディーセント・ワークの実現に貢献する政労使の能力を構築すること。

(別添)結論文書(バリ宣言)本文(PDF)