【照会先】
健康局 結核感染症課係長 山田 大悟
(代表電話) 03(5253)1111
報道関係者各位
中華人民共和国湖北省武漢市における新型コロナウイルス関連肺炎について(令和2年1月30日版)
1月30日現在の状況及び厚生労働省の対応についてお知らせします。(1月30日正午までの各国機関やWHO等から発表された内容を踏まえ、1月29日報から下線部分を更新しました。)
1月29日、30日に今般の新型コロナウイルスに関連した感染症の症例及び無症状病原体保有者(*)2例の報告があり、8例目、9例目としてプレスリリースを行いました。
(*)無症状病原体保有者とは、症状はないが、PCR検査が陽性だったもの
1.国外の発生状況について
・海外の国・地域の政府公式発表に基づくと、1月30日12:00現在、日本国外で新型コロナウイルス関連の肺炎と診断されている症例及び死亡例の数は以下のとおり。
・中国:感染者7,711名、死亡者170名。
・タイ:感染者14名、死亡者0名。
・韓国:感染者4名、死亡者0名。
・台湾:感染者8名、死亡者0名。
・米国:感染者5名、死亡者0名。
・ベトナム:感染者2名、死亡者0名。
・シンガポール:感染者10名、死亡者0名。
・フランス:感染者5名、死亡者0名。
・オーストラリア:感染者7名、死亡者0名。
・マレーシア:感染者7名、死亡者0名。
・ネパール:感染者1名、死亡者0名。
・カナダ:感染者3名、死亡者0名。
・カンボジア:感染者1名、死亡者0名。
・スリランカ:感染者1名、死亡者0名。
・ドイツ:感染者4名、死亡者0名。
・アラブ首長国連邦:感染者4名、死亡者0名。
・フィンランド:感染者1名、死亡者0名。
2.国内の発生状況について
・1月30日12:00現在、確認されている患者は以下のとおり9名(*)である。
確定日 | 年代 | 性別 | 居住地 | 病状 | 入院 状況 |
周囲の患者の発生 | 濃厚接触者 の状況 |
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1 | 1/16 | 30代 | 男 | 神奈川県 | 全快 | 退院 | なし | 38名特定 健康観察1/24終了 |
2 | 1/24 | 40代 | 男 | 中国 (武漢市) |
軽快 | 入院中 | なし | 32名特定 健康観察実施中 |
3 | 1/25 | 30代 | 女 | 中国 (武漢市) |
軽快 | 入院中 | なし | 7名特定 健康観察実施中 |
4 | 1/26 | 40代 | 男 | 中国 (武漢市) |
軽快 傾向 |
入院中 | なし | 2名特定 健康観察実施中 |
5 | 1/28 | 40代 | 男 | 中国 (武漢市) |
症状 安定 |
入院中 | なし | 3名特定 健康観察実施中 |
6 | 1/28 | 60代 | 男 | 奈良県 | 症状 安定 |
入院中 | なし | 22名特定 健康観察実施中 |
7 | 1/28 | 40代 | 女 | 中国 (武漢市) |
症状 安定 |
入院中 | なし | 2名特定 健康観察実施中 |
8 | 1/29 | 40代 | 女 | 大阪府 | 症状 安定 |
入院中 | なし | 3名特定 健康観察実施中 |
9 | 1/30 | 50代 | 男 | 中国 (武漢市) |
発熱, 咽頭痛 |
入院中 | なし | 調査中 |
・武漢の滞在歴は6例目、8例目を除く、7名について認められている。
・現時点(1月30日12時現在)までに疑似症サーベイランスに基づき、計34件の検査を実施。そのうち8例が陽性。26例が陰性。
・武漢市からのチャーター便により帰国した邦人に対して、計204件の検査を実施。そのうち1例が陽性。
(*):その他、2例の無症状病原体保有者が確認されている。
3.厚生労働省のこれまでの対応
【検疫関係】
・「健康フォローアップセンター」を設立し、入国する人の武漢滞在歴や有症状者への接触歴等を把握して健康状態のフォローアップを実施
https://www.mhlw.go.jp/content/10900000/000590024.pdf
・船舶代理店に対して中国からの本邦到着便において、船内アナウンスの実施および健康カードの配布を依頼
https://www.mhlw.go.jp/content/10900000/000588459.pdf
・航空会社に対して中国からの本邦到着便において、船内アナウンスの実施および健康カードの配布を依頼
https://www.mhlw.go.jp/content/10900000/000588131.pdf
・空港等の検疫ブースにおける武漢市からの帰国者及び入国者に対する自己申告の呼びかけポスターの更新
https://www.mhlw.go.jp/content/10900000/000585391.pdf
・帰国者に対する現行の検疫体制の継続(日本への入国者に対し、サーモグラフィー等を用いて、発熱等の症状がないか確認を実施)し、武漢市からの入国者に対しては健康状態の把握を併せて実施
・航空会社に対して、機内アナウンスにて武漢市からの帰国者及び入国者に対する自己申告の呼びかけについて協力を依頼
https://www.mhlw.go.jp/content/10900000/000586401.pdf
・新型コロナウイルスに関連した感染症の発生に係る協力依頼について(航空会社宛て)
https://www.mhlw.go.jp/content/10900000/000588131.pdf
【医療機関・保健所等での対応関係】
・地方自治体に対し、新型コロナウイルス感染症を指定感染症として定める等の政令等の施行について通知
https://www.mhlw.go.jp/content/10900000/000589747.pdf
・国立感染症研究所で実施している検査について、全国の地方衛生研究所でも検査が可能となるように体制を整備。特に留意すべき濃厚接触者(例:医療従事者)について、患者対応に係る注意喚起を実施するとともに濃厚接触者の把握と健康状態の観察を着実に実施
https://www.mhlw.go.jp/content/10900000/000587893.pdf
・中国武漢市以外に流行が拡大した場合には、その流行地域からの訪日客及び帰国者が入国後に発熱等の症状を認めた際にも、医療機関において行動歴等の詳細な聞き取りを行い、保健所と連携して疑似症サーベイランス(原因不明の肺炎患者等を把握して検査につなげる制度)を確実に実施
・国立感染症研究所と国立国際医療センターにおいて、医療機関における対応と院内感染対策に関する情報を更新(疑似症サーベイランスの運用を検討する対象を武漢市への渡航歴等がある画像検査などで肺炎と診断された方へ拡大)
https://www.niid.go.jp/niid/ja/diseases/ka/corona-virus/2019-ncov/2484-idsc/9310-2019-ncov-1.html
・国立感染症研究所と国立国際医療センターにおいて、新型コロナウイルス関連肺炎患者の退院及び退院後の経過観察に関する方針(案)を策定
https://www.niid.go.jp/niid/images/epi/corona/200122-1.pdf
・国内で確認された感染者の濃厚接触者に対して健康観察を引き続き実施
・中国からウイルスの遺伝子配列情報が公開されたことを踏まえ、国立感染症研究所で検査方法を構築。
https://www.niid.go.jp/niid/images/pathol/pdf/Detection_of_nCoV_report200121.pdf
・国立感染症研究所において、新型コロナウイルス関連肺炎に対する積極的疫学的調査実施要領(暫定版)を作成
https://www.niid.go.jp/niid/images/epi/corona/nCoV_200121-1.pdf
・自治体及び関係機関に対し、原因が明らかでない肺炎等の患者に係る、国立感染症研究所での検査制度(疑似症サーベイランス)の適切な運用について依頼
https://www.mhlw.go.jp/content/10900000/000582709.pdf
・国立感染症研究所において、自治体及び関係機関に対し、新型コロナウイルス感染を疑う患者の検体採取・輸送マニュアルを策定
https://www.niid.go.jp/niid/images/pathol/pdf/2019-nCoV_200122.pdf
・自治体に対し新型コロナウイルスに関する検査対応について依頼
https://www.mhlw.go.jp/content/10900000/000587893.pdf
【情報発信】
・新型コロナウイルスに係る厚生労働省電話相談窓口(コールセンター)の設置
https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_09151.html
・地方自治体に対し、訪日外国人旅行者に発熱と咳等の症状があった場合に宿泊施設の対応について周知
・新型コロナウイルス関連肺炎に関するQ&Aを発出し、広く国民に情報提供を行う
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/dengue_fever_qa_00001.html
・厚生労働省検疫所ホームページ「FORTH」における、渡航者への注意喚起
https://www.forth.go.jp/topics/202001211450.html
・厚生労働省Twitter等によるタイムリーな情報発信の実施
4.今後の対策について
・1月28日、今回の新型コロナウイルス感染症に関して、感染症法に基づく「指定感染症」と検疫法の「検疫感染症」に指定する政令を閣議決定し、公布した。
これにより、感染が疑われる方に対する入院措置やそれに伴う医療費の公費負担検疫における診察・検査等の実施が可能となる。
・WHOによると、国際保健規則に基づく新型コロナウイルス感染症に関する緊急委員会が1月30日13:30(ジュネーブ時間)から開催される予定である。委員会では、新型コロナウイルス感染症の現状の発生が国際的な公衆衛生上の緊急事態(PHEIC)に該当するかどうかについて議論される見込み。
今後とも中国等の状況やWHOの緊急委員会の結果を注視し、各関係機関と密に連携しながら、迅速で正確な情報提供に努めてまいります。国民の皆様におかれましては、過剰に心配することなく、マスクの着用や手洗いの徹底などの通常の感染症対策に努めていただくようお願いいたします。
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(参考)
・中国における原因不明肺炎について(世界保健機関(WHO)Disease Outbreak News):
https://www.who.int/csr/don/05-january-2020-pneumonia-of-unkown-cause-china/en/
・海外感染症発生情報 原因不明の肺炎-中国(厚生労働省検疫所HP FORTH):
https://www.forth.go.jp/topics/20200106.html
・中国湖北省武漢市における非定型肺炎の集団発生に係る注意喚起について(事務連絡):
https://www.mhlw.go.jp/content/10900000/000582709.pdf
・中国武漢市における肺炎の集団発生に関するWHOの声明(世界保健機関(WHO):
https://www.who.int/china/news/detail/09-01-2020-who-statement-regarding-cluster-of-pneumonia-cases-in-wuhan-china
・新しいコロナウイルス‐大韓民国(世界保健機関(WHO)Disease Outbreak News):
https://www.who.int/csr/don/21-january-2020-novel-coronavirus-republic-of-korea-ex-china/en/
・中華人民共和国国家衛生健康委員会:
http://www.nhc.gov.cn/wjw/index.shtml
・武漢市衛生健康委員会:
http://wjw.wuhan.gov.cn/
・広東省衛生健康委員会:
http://wsjkw.gd.gov.cn/
・衛生福利部疾病管制署(台湾CDC):
https://www.cdc.gov.tw/?aspxerrorpath=/rwd/english
・中国における新種のコロナウイルスについて(世界保健機関(WHO)Disease Outbreak News):
https://www.who.int/csr/don/12-january-2020-novel-coronavirus-china/en/
・厚生労働省Twitter:
https://twitter.com/mhlwitter?lang=ja
・First Travel-related Case of 2019 Novel Coronavirus Detected in United States:
https://www.cdc.gov/media/releases/2020/p0121-novel-coronavirus-travel-case.html
・International Health Regulations Emergency Committee on novel coronavirus in China
(世界保健機関(WHO))
https://www.who.int/news-room/events/detail/2020/01/30/default-calendar/international-health-regulations-emergency-committee-on-novel-coronavirus-in-china