令和元年度第6回薬事・食品衛生審議会薬事分科会医薬品等安全対策部会安全対策調査会議事録

日時

令和元年8月27日(火)16:00~

場所

厚生労働省専用第22会議室

議事

 
○医薬安全対策課長 それでは、御案内しています定刻よりも少し早いのですが、委員の先生方はお集まりですし、また、あらかじめ御登録いただいた傍聴の方も今、全員来られているということですので、これより本日の調査会を始めたいと思います。本日は、令和元年度第6回医薬品等安全対策部会の安全対策調査会ということで、これより開会したいと思います。本日御出席いただいている先生方におかれましては、お忙しい中いつものことながらありがとうございます。本日の調査会は公開で行っております。そして、カメラ撮りに関しましては議事に入る前までとさせていただいておりますので、御理解、御協力のほどお願いいたします。さらに、傍聴の方々には事前にお伝えしている留意事項がございますので、そちらの遵守のほうもお願いいたします。
次に、本日の委員の出欠状況ですが、調査会の先生方6名全員に出席いただいています。したがって、薬事・食品衛生審議会規程により、本日の会議が成立しておりますことを報告申し上げます。
続いて、本日は議題の関係で参考人の先生に来ていただいていますので紹介いたします。本日の議題1「一般用医薬品のリスク区分について」の関係で、福島県立医科大学の小早川雅男先生に来ていただいております。よろしくお願いいたします。
それでは、これより議事に入りますので、冒頭のカメラ撮りはここまでとさせていただきます。以後の進行に関しては五十嵐先生、よろしくお願いいたします。
○五十嵐座長 では早速、議事に入ります。はじめに、審議参加に関する遵守事項について、事務局から御説明をお願いいたします。
○事務局 審議参加について御報告いたします。本日御出席の委員及び参考人の方々について、議題1、議題2の対象品目、競合品目の製造業者からの過去3年度における寄附金、契約金などの受取状況を御報告いたします。競合品目・競合企業については、事前にリストを各委員にお送りして確認いただいておりますが、五十嵐委員より、武田薬品工業株式会社から50万以下の受取、柿崎委員より、MSD株式会社から50万を超えて500万以下の受取、小野薬品工業株式会社及び興和株式会社より50万円以下の受取、舟越委員より、武田薬品工業株式会社、MSD株式会社、日本ベーリンガーインゲルハイム株式会社、小野薬品工業株式会社、田辺三菱製薬株式会社より50万以下の受取と申告いただいたほかは、受取の申告はありませんでした。よって、議題2の審議中、柿崎委員におかれましては意見を述べることはできますが、議決に加わることはできません。なお、その他の委員におかれましては意見を述べ、議決にも加わることができるとともに、参考人におかれましても意見を述べることができます。これらの申告については、ホームページで公表させていただきます。
続いて事務局より、所属委員の薬事分科会規程第11条への適合状況の確認結果について報告いたします。薬事分科会規程第11条においては、「委員、臨時委員又は専門委員は、在任中、薬事に関する企業の役員、職員又は当該企業から定期的に報酬を得る顧問等に就任した場合には、辞任しなければならない。」と規定しております。今回、全ての委員の皆様より、薬事分科会規定第11条に適合している旨を御申告いただいておりますので、報告させていただきます。委員の皆様には、会議開催の都度、書面で御提出いただいており、御負担をお掛けしておりますが、引き続き御協力をお願いいたします。審議参加に関する説明、薬事分科会規定第11条への適合状況の確認結果は以上です。
○五十嵐座長 ただいま説明を頂きましたが、審議参加に関する遵守事項については、皆さん、御理解よろしいでしょうか。特に御意見はないようですので、競合品目・競合企業の妥当性を含めて御了解いただいたものとしたいと思います。
では、今日の資料の確認を事務局からお願いいたします。
○事務局 事務局より、本日の資料について御説明いたします。厚生労働省では、業務全体においてペーパーレス化の取組を推進しており、本調査会も資料はタブレットで閲覧する方式で実施いたします。各委員、参考人におかれましては、お手元のタブレット端末で資料を御確認ください。まずはじめに、タブレット端末の操作方法について説明いたします。お手元には、タブレットと操作説明書を配布しております。いずれも調査会終了後、事務局にて回収いたします。それでは、タブレットの表面にある丸いホームボタンを押していただき、画面が表示されましたら再度ホームボタンを押して、ロックを解除してください。すると、ホーム画面が表示されることを御確認ください。
続いて、ファイルブラウザと書かれた青いアイコンをタップし、資料一覧が表示されることを御確認ください。資料を閲覧する際は、各資料のアイコンをタップしてください。資料のページをめくる際は、指を画面上でスライドさせてください。資料を切り替える際は、画面左上のマイプライベートファイルの文字をタップすることで、資料一覧のページに戻ることができます。その他の操作方法については、操作説明書に記載しておりますので、各位御参照ください。なお、一定時間操作しておりませんと画面がスリープ状態になるよう設定しております。スリープ状態になりましたら、再度起動の操作をしていただくようお願いいたします。御不明な点、不具合等ございましたら事務局員までお申出ください。
続いて、資料の御説明をいたします。議事次第、資料一覧の2ページを御覧ください。本日の資料は、議題1について資料1-1及び1-2、議題2について資料2-1~2-4となっております。また、委員・参考人一覧、競合品目・競合企業リストもございますので、適宜御参照ください。不足資料がございましたら事務局までお申出ください。以上です。
○五十嵐座長 皆さん、よろしいでしょうか。では、議題1の一般用医薬品のリスク区分についての審議を行います。個別品目の審議の前に、一般用医薬品のリスク区分の評価手順について、事務局から説明をお願いいたします。
○事務局 資料1-1「製造販売後調査の終了に伴うリスク区分の検討について」を御覧ください。表に記載されている品目は、現在第1類薬品に指定されており、この度、製造販売後調査の終了に伴い、一般用医薬品としてのリスク区分の検討をお願いするものです。まず、一般用医薬品のリスク区分の移行の流れについて御説明いたします。7ページのスイッチOTC薬に係る要指導医薬品から一般用医薬品への移行の流れを御覧ください。図の左から順に御説明いたします。まず、販売開始後、原則3年間は製造販売後調査が行われ、その期間は要指導医薬品として区分されます。製造販売後2年以降で、特別調査の目標症例数を集めた時点で中間報告書が提出されます。中間報告書をもって、安全対策調査会で一般用医薬品としての販売の可否について評価いたします。なお、今回のトリメブチンマレイン酸塩については、製造販売から3年間で目標症例数に達しなかったため、製造販売後調査の期間が1年6か月延長され、合計4年6か月の製造販売後調査が行われました。
次に、製造販売後調査終了から1年間は、第1類医薬品として区分されます。現在、トリメブチンマレイン酸塩はこの段階にあり、第1類医薬品に分類されています。この1年間に一般用医薬品としてのリスク区分を決定することになります。本日は、図の②「リスク区分の判断」の安全対策調査会に当たります。リスク区分の検討手順としては、まず安全対策調査会の調査審議に当たり、必要に応じ関係学会等の有識者等の出席を求め、意見を聴取し、事前整理を行います。その結果、リスク区分等の変更を行う必要があるとされた場合、厚生労働省は変更案についてパブリックコメントを行います。次に、医薬品等安全対策部会にて、安全対策調査会における事前整理やパブリックコメントの結果等について調査審議を行い、リスク区分の変更の要否について答申を得るといった手続をすることになっております。
続いて、一般用医薬品のリスク区分を説明いたします。6ページの一般用医薬品のリスク区分を御覧ください。第1類医薬品は、その副作用等により、日常生活に支障を来す程度の健康被害を生ずるおそれがある医薬品であって、その使用に関し特に注意が必要なものとして厚生労働大臣が指定するもの、又は新一般用医薬品として承認を受けてから厚生労働省令で定める期間を経過しないものとされており、薬剤師により販売され、患者に対しては文書による情報提供義務があります。
第2類医薬品については、その副作用等により、日常生活に支障を来す程度の健康被害を生ずるおそれがある医薬品であり、第1類医薬品を除くもので厚生労働大臣が指定するものとされております。薬剤師又は登録販売者により販売され、情報提供については努力義務とされています。第2類医薬品のうち、特別な注意を要するものとして厚生労働大臣が指定するものについては、指定第2類医薬品とされており、販売は第2類医薬品と同様、薬剤師又は登録販売者により行われ、情報提供についても努力義務ですが、薬局開設者は情報提供するための設備から7m以内の範囲に陳列する。「指定第2類医薬品を購入する場合は、禁忌を確認すること及び専門家に相談することを勧める旨」を、購入者が確実に認識するようにする等の措置をとることとされております。
第3類医薬品は、第1類医薬品、第2類医薬品に分類されないもので、薬剤師又は登録販売者により販売されます。説明は以上です。
○五十嵐座長 では、トリメブチンマレイン酸塩の審議を始めます。事務局から御説明をお願いいたします。
○事務局 トリメブチンマレイン酸塩について御説明いたします。資料1-2を御覧ください。販売名はセレキノンSで、効能・効果は、過敏性腸症候群の次の諸症状の緩和:腹痛又は腹部不快感を伴い、繰り返し又は交互にあらわれる下痢及び便秘で、以前に医師の診断を受けた人に限ります。1錠100mgで、用法・用量は15歳以上で1日3回、1回1錠服用します。
1ページの下の製造販売後調査概要を御覧ください。特別調査とは、個別に薬局と契約して、モニター店舗でアンケート調査票を配って、アンケートによる調査を実施するものです。この特別調査では、調査症例数4,149症例で、副作用が33例45件でした。内訳としては、腹痛7件、便秘、下痢各6件等でした。そのうち、重篤と判断された症例はありませんでした。
使用者若しくは薬剤師からの自発報告という形での一般調査では、報告された副作用は9例11件でした。内訳は、下痢、浮動性めまい各2件、排尿困難、湿疹、そう痒感、体位性めまい、悪心、味覚異常、構語障害各1件でした。このうち、重篤と判断された症例はありませんでした。
2ページは、本剤で報告された副作用について、その種類別に報告件数をまとめています。また、同一有効成分を含有する配合剤である類薬及び医療用同一成分のデータも参考に掲載しております。
適正使用に関しては、9ページを御覧ください。Ⅱ.適正使用状況に関する見解の①購入条件の確認では、99.7%が購入条件を満たしているとの回答で、残り0.3%は無回答又は記載不備でした。②添付文書、使用者向け情報提供資料に関しては、99.3%がいずれかを読んだと回答いたしました。③年齢、本剤使用前の症状に関しては、添付文書の「1.次の人は服用しないでください」に該当する症例はありませんでした。④使用量、使用期間では、通常の1日使用量を超える症例は0.1%であり、使用期間が4週間を超える症例は1.3%でした。なお、これらの症例で副作用は発現していませんでした。資料の説明は以上です。
○五十嵐座長 今日は、小早川参考人においでいただいておりますので、小早川先生に御意見を頂きたいと思います。どうぞよろしくお願いいたします。
○小早川参考人 どうぞよろしくお願いいたします。本剤、トリメブチンマレイン酸塩は古くから医療用医薬品として過敏性腸症候群に使われてきたお薬です。比較的我々が使用していても非常に安全性の高い薬だなという、そういったイメージは持っております。今回この副作用情報を見ましても、重篤な副作用といったものは報告されていない。報告されている副作用も、ほとんど過敏性腸症候群において起こりそうな形の症状か副作用かがちょっと分かりにくいような、主に腹部に対する症状といったところで、予測された範囲というか、大きな副作用も起こっていないし、その発症頻度もそれほど多くないということがうかがえるかと思います。そういった面からしても、特に注意すべき副作用というのは挙げられないのではないかと思います。
さらに類薬、ストッパとか、そのほかブスコパンのお薬、そういったお薬も基本的には症状を緩和するといったところで、ほぼ過敏性腸症候群と思われる患者さんには既に使われているといったことも考えますと、本剤に関して特に注意事項があるというわけでもなさそうと思いますので、今回の判断で、第2類という形での落とし所でいいのではないかなと感じております。以上です。
○五十嵐座長 御意見、どうもありがとうございました。それでは、この件について委員の先生方から御意見、御質問を頂きたいと思います。
○柿崎委員 参考人の先生がおっしゃられたように、副作用の点からは特段問題となるような副作用がないので、副作用だけ考えれば第3類でもいいのかもしれません。ただ、過去に診断を受けていた方が適切にチェックシートに従って内服されていたということで、患者さんが自己判断だけで内服しないようにするためには、今後もチェックシート等を用いて、過去に診断を受けた方が適切に内服するように指導していくという点では、参考人の先生のおっしゃるように第2類でいいのではないかと思います。
○五十嵐座長 そのほかは、いかがでしょうか。
○佐藤委員 チェックシートを拝見して思ったのですが、第2類になったときに登録販売者の方が対応されることもあって、ちゃんとチェックシートを回収するような仕組みがあるのかどうかよくわかりませんでした。薬と一緒に渡しただけという状況は余り望ましくないのではないかと思ったので、その場で書いていただくとか、回収するとか、きちんとチェックシートの条件を満たした方にのみ薬がいっていることを担保できるような工夫があるといいのではないかなと思います。それができるのであれば、私も第2類で大丈夫かなと思います。
○五十嵐座長 17ページにチェックシートの実例が示されていますが、事務局からこの扱いについて説明いただけますか。
○事務局 チェックシートについては、患者さんが自分でチェックして、現在は1類ですので、販売するときに薬剤師がそれを確認して売るという運用になっております。現在でも必ず回収するようにはなっていない状況です。今後、第2類になったとして、登録販売者が販売することが可能になったとしても、同じように患者さんがチェックしたものを薬剤師又は登録販売者が確認して、きちんと医師の診断を受けたことがあるかなど、チェックされたことを確認した上で販売することになります。
○医薬安全対策課長 追加でコメントさせていただきますが、チェックシートに関しては今も説明があったように、これまでも使ってきているものです。要指導医薬品の時代もそうですし、この約1年弱ですが、第1類になった後も使ってきているものです。その際、品目からいって当然、薬剤師がこれまで扱ってきたわけですが、そのタイミングでは、このチェックシートに関しては、使ってはいたけれども回収というところまではしてこなかったというのがありますので、仮に今回、御意見を頂いている内容で第2類ということで区分がシフトした後、登録販売者が販売するプレイアーとして加わった際に、チェックシートを回収というところまでしないと担保できないのかと言えば、それは薬剤師でも同じことかなと実は思っています。
そこは従来の継続性から考えると、薬剤師が取り扱ってきたときと同じような恰好で、薬剤師も登録販売者もお互い専門家ですので、その中で我々としては指導的にチェックシートを使うことが、この薬剤の効能・効果からみても適切だと思います。まずはチェックシートを使うということの徹底をさせていただいて、その後、使っているかどうかの確認をするときの1つの方法として、我々から強制的に、きちんと保管して回収してくださいというところまで言うのか、あるいは実際の監視等に入ったときに、それを証として示すためのオプションということで販売側自らの選択で保管しておくという方法もあると思いますので、むしろ後者のほうで、今回は要指導と第1類でこれまで販売してきたことと絡めますと、まずは強制ではなくて、事後に確認するにはそういう方法もあるといった形の提案というか、そういう働きかけをするということはあるのかなと現状は思っています。
○望月委員 現実には、多分そういう形になるのかなと思うのですが、過去にこういうチェックシートを使わなければいけないようなお薬で、第2類になったお薬はありますか。
○事務局 すみません、そのような薬があるかは把握していないです。
○望月委員 第1類の場合は、もちろんインターネット販売はありますが、必ず薬剤師が文書でというのが付いているので、必ずチェックシートを書いていただくチャンスがあるのかなと、今回の結果も99.何パーセントでしたので。ただ、第2類になったときには、そういう形は必ずしも取らなくてもいい形で棚にも陳列され、販売されることになると思うので、チェックシートをきちんと使った確認というのか、多分このお薬は一番安全性も高いので、大事なのは以前に医師から過敏性腸症候群の診断を受けたというところなのだと思います。そこがきちんと把握できるのは、どういう形で実現できるかというところだけ考えていただければいいかなと思うのですが。
○舟越委員 私も同じ意見で、有効成分としては安全性が高いので、第2類以下でよいと思うのですが、疾患診断が条件になっているため、セルフチェックシートであっても、回収まで行わなくても必ず見る。特例になってしまいますが、もし第2類になっても、薬剤師の指導を確認する努力義務的な形になれたらいいなと。望月委員がおっしゃったように、情報提供は、第2類以下は努力義務以下ですが、購入者をしっかりと登録販売者、薬剤師のほうで確認できるようにしてはどうでしょうか。
もう1つ、小早川先生に教えていただきたいのですが、副作用としては安全性は問題ないと思います。私が見たときには下痢などで服用中止が非常に多く、このセレキノンに対しては低用量の300mgだと腸管の蠕動運動を活発にして、600mgであると逆に下痢や腸管運動を止めるというように、医療用医薬品のときには300mgか600mgで患者さんが個々に用量調節をして、下痢と便秘の間を取っていたと思うのですが、今回OTCになっていくときに300mg固定だと、逆に安全性は問題がないけれども有効性はどうなのかなというところの御意見を頂けたらなと思っています。
○小早川参考人 私はOTCを服用している患者さんを診ていないから何とも言えないところではあります。過敏性腸症候群は下痢型、便秘型の両方があるのですが、どちらに対しても腸管の感受性というか痛みに対する刺激を抑えてあげるという作用があります。単純に用量が少ないからどちらかしか効かないというわけではないとは思うのです。OTC化する際に、高用量のほうが副作用という懸念があるということで、低用量にしたのだとは思うのですが、300mgだから使いにくいということは特にはないと思うのです。確かに600mgだったら効く人がいるのかなという話はもしかしたらあるかと思います。
○舟越委員 その場合は、医療機関に受診勧奨を薬剤師等がするという形になってくるのですね。
○小早川参考人 そうですね、本剤を増量したら効くのか、若しくは本剤自体が効かない場合もあるかと思います。過敏性腸症候群は、いろいろな要因があるので、心理的なストレスもあったりとか、人によって様々な要因があると。実際に我々が処方したり診療したりする場合も、トライアンドエラーという形でいろいろな薬を試したりとかということがありますので、これを飲んで効かないという方は、やはり医療機関をちゃんと受診していただいて、医師からの判断でいろいろな薬を使って見ていくということになるかなと思います。
○五十嵐座長 ありがとうございます。
○医薬安全対策課長 先ほど望月委員から頂いた意見に対しての発言なのですが、チェックシートを使うもので第2類になったものはあるかということと絡みます。これまでは、事例ということではなかったかもしれませんが、これから、例えば今回の製品が1年間という第1類を経て、その後の区分の変更という時期に来ていると思うのですけれども、この先のものに対してそのタイミングまで見越して、前もってチェックシートを用意するかどうかというところまでは、スイッチ化するタイミングではなかなか計り知れない部分もあります。
一方で、スイッチ化の議論をするときには、実際ある程度適正な販売なり、適正な使用ということを考えた場合に、大分様々な品目についてチェックシートを使うということが、むしろ使うほうが主流になってきていますから、必ずしもチェックシートがあるものは、すべからく第1類でなければいけないという考え方は、余りにも限定的になってしまうと思いますので、そういう捉え方はしないほうがいいと思っています。むしろ、第2類であっても、登録販売者を含めて、きちんと専門家があるいは薬局なり店舗販売業者がチェックシートを使った上で製品を取り扱うということに対して、我々も徹底することによってスイッチ化された一般用医薬品が、ある程度アクセスの面も含めてですが、整った環境の中で取り扱えるような方向に持っていくべきかなと思っています。チェックシートを使ったものであっても、第2類というものが今日の議論の結果、あってもいいのかなと思っています。むしろ、徹底する指導をこちらとしてもやっていきたいと思っています。
○伊藤委員 一応、小早川先生に1つだけ教えていただきたいのですけれども、このチェックシートを使う背景というのが、薬としての副作用などは特に問題なさそうですけれども、これを患者さんがチェックシートを使わずに勝手に飲んだときに、例えば何か別の疾患が隠れているのを見逃すとか、そういったことなのかなと思うのですけれども、何か危ない疾患が隠れていて、それを見逃したことによって、非常に大きな問題となるような疾患というものがあるのかということを教えていただければと思います。
○小早川参考人 見逃してはいけない疾患ということで、ここに想定されるようなものは、例えば大腸がんなどです。がんのほかには潰瘍性大腸炎とか、クローン病という炎症性腸疾患です。こういった疾患は、やはり内視鏡検査をしないと診断できないといったことがありますので、これらをいかに、ちゃんと見つけてあげるかといったことが臨床上は重要になってきます。過敏性腸症候群というのは、こういった器質的な疾患を除外した上で初めて診断される疾患概念ですので、このお薬が過敏性腸症候群に対するお薬ということで、まず、そこがちゃんと除外できているのかということで、今回OTC化するときに、こういうチェックシートということになったのだと思います。
確かに腹痛などの症状だけで、予測でしかないので、いろいろな疾患が、もしかしたら診断が遅れる可能性があるといったところが一番懸念されて、その症状が他のお薬を使ったためにマスクされて、発見が遅れるというのが一番懸念されるといったことではないかと思うのです。大腸がんだと血が混じったり、便秘になることがあるのですけれども、このセレキノン錠を飲んだから症状が良くなるかというと、余り良くなるということは、薬理作用的に言うと考えにくいのかなと。
そのほか、炎症性腸疾患に関しても、恐らくほとんど、この薬を飲んだからといって、症状が良くなるということは、余り考えにくいのではないかと考えられます。ですから本剤を飲んだから症状が良くなって、非常に発見が遅れてしまってということは、そこまで考えなくてもいいのではないかという印象は持ち合わせております。
○伊藤委員 ありがとうございます。このチェックシートを万が一使わなくてもと言ったらおかしいのですけれども、第2類になったときに、徹底されなかったりした場合にも、そもそも同じ有効成分のタナベ胃腸薬が、セルフチェックシートなしで売られているわけですよね。そういったこともありますと、それほどの大きな問題にはならないのかなということは感じました。
ただ、このチェックシートの中身につきましては、例えば最後の下のほうの「服用前に医師又は薬剤師に御相談ください」という項目は、かなりの頻度で、ここに該当する患者さんはいらっしゃるのかなという気もしますので、例えば登録販売者が販売しようとしたときに、「薬剤師に御相談ください」と言うのが引っ掛かることはあり得るのかなと思うのですけれども、その辺りもきちんと対応ができるようでしたら問題はないのかなと思いました。
○五十嵐座長 ありがとうございます。よろしいですか。
○舟越委員 これは2類になると表示が変わる、医師又は薬剤師ではなくなる。
○五十嵐座長 どうぞ、事務局お願いします。
○事務局 2類に移行するのに合わせて、チェックシートのご指摘の箇所は「医師、薬剤師又は登録販売者」に変わると思います。
○五十嵐座長 よろしいですか。
○舟越委員 そうなると、伊藤委員もおっしゃっていましたけれども、その疾患の評価は若干、その相談がチェックシートで、その相談が来る場合の専門家が、医師、薬剤師又は登録販売者のときに、薬剤師の不在のときに登録販売者が評価ができるのかなというのが、薬剤だけだったらいいのですが安全性も担保されているので、そこに疾患が入ってきているチェックシートになっているので、そこをどこまで登録販売者の担保が、私はその登録販売者の試験内容や教育が、今は頭に入っていないので、しっかりと担保することができないのですけれども、保証といいますか、その辺は大丈夫なのでしょうか。
○医薬安全対策課長 今回の適用である過敏性腸症候群は、多分、第2類として初めてだと思いますので、この部分はあらかじめ試験等で勉強しているかというと、なかなかそういう状態ではないと思います。今回2類に移行するに当たって、まだちょっと時間がありますので、そこは実際に供給する製販業者のほうと相談して、その辺りをきちんと教育といいましょうか、周知できるような形は整えていきたいと思います。
加えてこの製品は、1箱が大体1週間分なので、添付文書にも1週間ないし2週間、更に4週間というところで一定の縛りがあるので、その辺りを強調して、きちんと途中途中で専門家のチェックが掛かるような格好で状態を見ていくということも、今回改めて移行に当たっては徹底していきたいと思います。
○五十嵐座長 このチェックシートをチェックしていくという運用面での対応を取るという条件が付くと理解してよろしいわけですね。では、今までの議論を踏まえまして、議決をとりたいと思います。
○佐藤委員 すみません、このチェックシートの中身自体は、変更無しでしょうか。先ほどおっしゃっていた相談相手が書いてあるところだけ変わる予定なのですか。それとも、ちょっと見直しとか入るのですか。つまり、何が言いたいかというと、かなり1問目はものすごく重い質問で、そこから下とちょっと違うなという感じを受けるので。1問目が大事ということがわかる工夫があるといいと思いました。この1問目の情報は小冊子しかないので1問目の大事さが分かるようにしたほうがいいかなと思いました。それは本当に自分の印象です。全部同じ色で書いてあって、1問目は1行しかなく、あまり注意がはらわれないかもしれない、と危惧しました。
○医薬安全対策課長 今、御覧いただいているのは第1類医薬品としてのものなので、先ほどの販売する関係者という所の登録販売者の記載とか、その辺りは修正するつもりでおりましたけれども、ほかの部分、今、御指摘の冒頭の質問事項に関しては、多少特殊なのですが、効能・効果に「実際に受診した人に限る」とか、「診断治療を受けた人に限ります」と書いてあるので、まず出発点がそこになっているというのが、このチェックシートの特徴かなと思います。
意味合いを含めて、これもできれば実際に直接インターフェースになる薬剤師や登録販売者に、きちんと理解してもらうような対応をしてもらいたいと思いますので、そこは少し関係団体とも相談させてください。
○五十嵐座長 チェックシートの改編もあり得ると、そのように理解したいと思います。ありがとうございます。
○医薬安全対策課長 そういう意味で第2類への移行に伴って、取りあえずミニマムと言ったら語弊がありますけれども、矛盾のないような形での改正はしたいと思います。加えてこのチェックシートが今まで使われてきた中での今回の調査結果ということもありますので、また、その効果といいましょうか、その影響の辺りを見て、また必要に応じて変えることは可能だと思いますので、その辺りは、直ちにというよりは、2類としての販売の状態を見ながら考えていくということも、1つのオプションではないかと思っています。
○望月委員 まず、登録販売者さんに勉強をしてもらったほうがいいだろうというところは、確か販売店向けの情報資料というものが用意されていたように思いますので、そちらのほうもきちんと登録販売者さんの手元にも、それが渡るようにしていただくといいかなと思います。
その上でなのですが、添付文書上は、ある程度の改善効果が認められた場合は、確か4週間まで使い続けられると思うのですけれども、先ほど1パッケージが1週間分と説明されていましたが。そうすると毎回買いに来たときに、このチェックシートを書くというのに、もしかしたら消費者の方が抵抗されるかもしれないかなと思って、ちょっとその辺も何か工夫が必要なところかなと思いました。余り無理なことをやっていただくのも厳しいと思いますので、その辺をうまく運用できたらいいなと思いました。
○五十嵐座長 どうぞ
○舟越委員 重ねてなのですが、先ほどの4週間、1パック1週間ですと、診断をされたということは医療機関で1回かかっているということなので、お薬手帳とか何かで服用歴が分かっていないと、また下痢とかになって、効かなくて病院に行ったときに、このOTCをどれぐらい、何箱買ってどう使ったのかというのが、義務付けではなくても、このセルフメディケーションするためのチェックシートとか、患者さんに渡すための資料の中とか、どこかに服用歴などは書いておかないと、また医療機関に受診するときに、どれぐらい飲んでいたと言っても、それが分からない状態になってしまうと。その辺も少しチェックシート等、患者さんに渡す資料の中に少し、表現がちょっと難しいのですが、書いておくといいのかなと。
○五十嵐座長 これは御要望ということですね。ありがとうございます。
○医薬安全対策課長 今現在、患者さんに持っていただくようなものは用意されていないということなので、その必要性は、また関係企業とも相談させていただきます。
○五十嵐座長 ありがとうございます。ほかはいかがでしょうか。基本的には第2類薬品でいいという御意見が多かったと思いますが、ただ、このセルフチェックシートの改善も含めて、少し検討していただきたいということと、それから販売時にはチェックすることを基本とするという、そういう方針でやっていただきたいという御意見が多かったと思います。それでよろしいでしょうか。では、議決を採ってもよろしいでしょうか。このトリメブチンマレイン酸については、第2類医薬品とすると。ただし、基本的にこのチェックシートをしっかりと運用していただく条件付きということになると思います。その条件の下で第2類医薬品とすることでよろしいでしょうか。ありがとうございます。では、皆さんの賛同を頂けたと思います。ありがとうございました。
では、今後の予定につきまして、事務局から御説明をお願いいたします。
○事務局 御議論いただき、ありがとうございました。本日御審議いただいた結果に基づいて、パブリックコメント実施のための手続を進めさせていただきます。ありがとうございました。
○五十嵐座長 この議題に関しまして、その他、御意見等ございますでしょうか。よろしいでしょうか。今日は小早川参考人におかれましては、貴重な御意見を頂きまして誠にありがとうございました。これ以降は先生に御意見を頂くことはありませんので御退室されても結構です。どうもありがとうございました。
では続きまして、議題2のトレラグリプチンコハク酸塩における禁忌「腎機能障害」等に係る「使用上の注意」の改訂について、審議したいと思います。事務局から説明をお願いいたします。
○事務局 トレラグリプチンコハク酸塩における禁忌「腎機能障害」に係る「使用上の注意」の改訂について、御審議いただきたいと思います。資料2-1の概要をメインに説明させていただきます。
1つ目、品目の概要です。トレラグリプチンコハク酸塩は、ザファテックという販売名で武田薬品工業株式会社が製造販売しており、50mg錠及び100mg錠は平成27年3月に、25mg錠が本年8月21日に承認されています。効能・効果は2型糖尿病になります。本品については、独立行政法人医療機器総合機構から調査結果報告書が提出されています。
次に経緯です。今回、改訂に至った背景・経緯について御説明させていただきます。平成27年3月、本邦において本剤50mg錠及び100mg錠が承認されました。本剤は腎排泄型であり、臨床薬理試験において高度腎機能障害患者及び末期腎不全患者に本剤50mg錠を投与したときのAUCが腎機能正常者と比較して3倍以上高い結果が示されました。この結果を踏まえ、50mg錠及び100mg錠においては曝露量の増加に応じた用量での投与ができず、血中濃度上昇時の安全性が不明であることなどから、添付文書において「高度腎機能障害患者又は透析中の末期腎不全患者」が禁忌とされました。今般、禁忌とされている腎機能障害患者に対し、本剤25mg錠を週1回投与した際の有効性及び安全性を検討する臨床試験(SYR-472-3003試験。以下「第Ⅲ相試験」という。)の結果が得られたことから、当該腎機能患者に関する注意喚起の見直しを検討することといたしました。
次に調査結果について御説明させていただきます。まず1つ目、第Ⅲ相試験の概要です。25mg錠の第Ⅲ相試験は、高度腎機能障害又は末期腎不全を合併する2型の糖尿病患者(目標症例数は1群53例で合計106例)を対象としてプラセボ及び本剤25mg錠を週1回投与した試験です。有効性及び安全性を検討することを目的に、本剤投与開始後12週までの二重盲検期及び投与開始後12週から52週までの非盲検期で構成されました。
続きまして、腎機能障害患者への有効性についてです。第Ⅲ相試験において、主要評価項目であるベースラインから二重盲検期終了時までのヘモグロビンA1cの変化量は、プラセボ群で0.01±0.09%、本剤投与群で-0.71±0.09%であり、本剤群のプラセボ群に対する優越性が示され、非盲検期終了時まで薬効は持続されました。これらの結果は、高度腎機能障害患者及び末期腎不全患者のいずれの部分集団においても、全体集団と同様の傾向が見られました。
続きまして、腎機能障害患者への安全性についてです。第Ⅲ相試験において、プラセボ群に比べて本剤で低血糖関連事象及び感染症関連事象の有害事象の発現割合が高かったところです。しかしながら低血糖関連事象については、いずれも軽度であり、感染症関連事象については高度(憩室炎及び敗血症各1例)及び中等度(上咽頭炎、憩室炎、肺炎各1例)での事象を含め、いずれも本剤との因果関係は否定されています。また、腎機能正常患者及び中等度以下の腎機能障害患者の安全性プロファイルと比較して、臨床的に特段の問題は見られませんでした。また、第Ⅲ相試験において高度腎機能障害患者と末期腎不全患者の安全性プロファイルについて、臨床的に特段の問題となる差異は認められませんでした。さらに、現時点で得られている本剤の製造販売後における安全性情報(特定使用成績調査、国内自発報告)からは、安全性上特段の問題を示唆する情報は得られませんでした。
以上の調査結果を踏まえまして、対応方針です。3ページ以降に書かれているとおり、「高度の腎機能障害患者又は透析中の末期腎不全患者」を禁忌から削除するとともに、用法・用量に関する使用上の注意において、当該腎機能障害患者に対しては、本剤25mg錠を週1回投与すること等を記載してはどうかと提案いたします。
具体的な改訂案を説明いたします。まず、「禁忌」の高度腎機能障害患者又は透析中の末期腎不全患者の記載を削除いたします。「用法・用量に関する使用上の注意」において、「禁忌」から削除する高度の腎機能障害患者又は透析中の末期腎不全患者は、25mg錠を週1回投与とします。続きまして、禁忌から削除する高度腎機能障害患者又は透析中の末期腎不全患者を「慎重投与」とさせていただきます。その後に、25mg錠の第Ⅲ相試験の「臨床成績」を添付文書に追記いたします。トレラグリプチンコハク酸塩における禁忌「腎機能障害」等に係る「使用上の注意」の改訂についての説明は以上となります。御審議のほど、よろしくお願いいたします。
○五十嵐座長 今まで高度腎機能障害、あるいは透析中の患者さんには禁忌だった薬剤でしたけれども、投与量を25mg錠という半分あるいは4分の1量に減らすことによって、この禁忌を外すということができるのではないかという御提案です。御意見いかがでしょうか。
○柿崎委員 類薬のオマリグリプチンも同様に、週1回の投与のDPP-4阻害剤ですが、それは既に腎機能による投与量の設定が決まっておりますので、今回の報告を含めて、今回の改訂でいいのではないかと思います。
○五十嵐座長 ありがとうございます。そのほかに、いかがですか。
○伊藤委員 今回の高度腎機能障害患者さんと末期腎不全患者さんの臨床試験では、血中濃度を測定されていたのでしょうか。
○事務局 PMDAからお答えさせていただきます。血中濃度自体は今回の第Ⅲ相試験において測定はされています。
○五十嵐座長 資料の中では、どこかに示されていますか。
○事務局 資料2-2の5ページの表2です。そこに第4週時と第12週時の本剤群の血中濃度が示されております。
○伊藤委員 ありがとうございます。そうしますと、ある時点での血中濃度を2点測ったということですか。この濃度は、腎機能障害患者と末期腎不全患者では結構違うということですね。2倍以上の差はあったということですね。ですけれど、効果には、それほどの違いはなかったということですか。改訂案では、2つの分類、高度腎機能障害患者と末期腎不全患者をまとめて、クレアチニンクリアランスが30mL/min未満のときに投与量を25mg、週1回ということなのですけれども、30未満といってもいろいろな幅があるのかなと思ったり、その2つの分類が同じでいいのかどうかというところの根拠といいますか、これだけ血中濃度も違うとなりますと、何となく大丈夫かなという気持ちもあるのですが、いかがでしょうか。
それと、もう1つ、DPP-4阻害薬にいろいろなものがある中で、腎排泄型でないものもいろいろあると思うのですけれども、腎機能障害患者さんとか末期腎不全患者さんで、あえてこの薬を使う必要性というか、どんなところがあるのかということを教えていただけたらと思うのですが。
○事務局 事務局よりお答えさせていただきます。今回の第Ⅲ相試験につきましては、高度の患者さんと中等度の患者さんの両方が入っているのですが、本剤群で言いますと、54例が全体として入っているのですけれども、その中で高度の患者さんが14例、末期の患者さんが40例ということで、こちらの試験に関しましては、末期の腎不全患者さんが多い試験の中で有効性と安全性が確認されておりますので、末期の腎不全患者さんについて、血中濃度は高いのですが、安全性に関しては問題はないかと考えております。
あと、治療の必要性に関してですが、先ほども委員の先生からお話がありましたように、週1回のDPP-4阻害剤としてオマリグリプチンが他剤としてありますので、どうしてもザファテックを使わないといけない患者さんというのは、そう多くはないのかなと思いますが、ザファテックを使っているうちに、合併症等により腎機能が悪くなって、高度とか末期の腎不全になった場合においても、これまでザファテックを使われている患者さんが使いやすい薬を使い続けるということも可能ですので、そういった意味での必要性もあるかなと考えております。
○五十嵐座長 ありがとうございます。よろしいですか。そのほかにいかがでしょうか。そういたしますと、この25mgの場合に関して、添付文書については事務局の提案どおり使用上の注意を改訂するという方向につきまして議決を採りたいと思います。柿崎委員におかれましては議決への参加は、今回は御遠慮いただきたいと思います。では、事務局どおり、使用上の注意を改訂することでよろしいでしょうか。御異議なしとさせていただきます。では、今後の予定につきまして、事務局から御説明をお願いいたします。
○事務局 御議論いただきありがとうございました。それでは、ただいまの御議論を踏まえまして、トレラグリプチンコハク酸塩の製造販売業者に対して、使用上の注意を改訂するよう指示いたします。
○五十嵐座長 では、この議題2につきましては。
○柿崎委員 すみません、本剤の審議とは直接は関係ないのですが、オマリグリプチンはクレアチニンとeGFRで腎機能障害を評価しているのですが、本剤はクレアチニンとクレアチニンクリアランスで評価しているわけです。今後、何か指標に統一性を持ったほうが薬剤を使用しやすくなるかとは思うのですが、その辺はいかがでしょうか。
○事務局 事務局より説明させていただきます。本剤はザファテックのほうで、トレラグリプチンコハク酸塩のほうですけれども、第Ⅲ相試験で行ったものがクレアチニンということで、添付文書の情報としてはクレアチニンで測定した上で判断するという形になっております。全体の傾向として、eGFRがいいのか、クレアチニンがいいのかというところは、いろいろ御議論はあるかと思いますけれども、その辺はeGFRの長所・短所もあれば、クレアチニンの長所・短所もありまして、共通的にこちらがいいという形で、今の段階でお示しできるものは、こちらとしてはあまりないと考えておりますので、引き続き、そちらの部分に関しては今後、検討していく話なのかなと考えております。以上です。
○柿崎委員 薬剤の行った試験によってクレアチニンクリアランスにするのか、eGFRにするのかがあるかと思うのですが、クレアチニンとクレアチニンクリアランスとeGFRの長所・短所があれば、それを3つとも併記してあれば、より分かりやすくはなるかなとは思いますけれども。
○事務局 クレアチニンとeGFRに関して、今回の試験に関してはクレアチニンしか見ておらず、eGFRに単純に換算することが難しいということもありまして、ちょっと併記は難しいところでありますけれども、頂いた御意見につきましては、今後検討する材料とさせていただければと考えております。以上です。
○五十嵐座長 ありがとうございます。eGFRの換算式が、小児も大人も含めてですけれども、比較的簡単に臨床検査で出るようになってまいりました。そういう意味でeGFRの使用がこれから増えてくるのではないかと思います。今の御指摘は検討していただきたいと思います。よろしいでしょうか。そのほか、何かございますでしょうか。よろしいですか。
では、続きまして、議題3「その他」ですけれども、事務局から何かございますでしょうか。
○事務局 特にございません。本日の議事録につきましては、後日、送付させていただきますので、内容の御確認をよろしくお願いいたします。なお、御確認いただいた後は、厚生労働省のホームページに掲載いたしますので、よろしくお願いいたします。また、次回の開催につきましては、改めて御連絡いたします。事務局からは以上でございます。
○五十嵐座長 では、今日の調査会は、これで閉会といたします。御協力ありがとうございました。○医薬安全対策課長 それでは、御案内しています定刻よりも少し早いのですが、委員の先生方はお集まりですし、また、あらかじめ御登録いただいた傍聴の方も今、全員来られているということですので、これより本日の調査会を始めたいと思います。本日は、令和元年度第6回医薬品等安全対策部会の安全対策調査会ということで、これより開会したいと思います。本日御出席いただいている先生方におかれましては、お忙しい中いつものことながらありがとうございます。本日の調査会は公開で行っております。そして、カメラ撮りに関しましては議事に入る前までとさせていただいておりますので、御理解、御協力のほどお願いいたします。さらに、傍聴の方々には事前にお伝えしている留意事項がございますので、そちらの遵守のほうもお願いいたします。
次に、本日の委員の出欠状況ですが、調査会の先生方6名全員に出席いただいています。したがって、薬事・食品衛生審議会規程により、本日の会議が成立しておりますことを報告申し上げます。
続いて、本日は議題の関係で参考人の先生に来ていただいていますので紹介いたします。本日の議題1「一般用医薬品のリスク区分について」の関係で、福島県立医科大学の小早川雅男先生に来ていただいております。よろしくお願いいたします。
それでは、これより議事に入りますので、冒頭のカメラ撮りはここまでとさせていただきます。以後の進行に関しては五十嵐先生、よろしくお願いいたします。
○五十嵐座長 では早速、議事に入ります。はじめに、審議参加に関する遵守事項について、事務局から御説明をお願いいたします。
○事務局 審議参加について御報告いたします。本日御出席の委員及び参考人の方々について、議題1、議題2の対象品目、競合品目の製造業者からの過去3年度における寄附金、契約金などの受取状況を御報告いたします。競合品目・競合企業については、事前にリストを各委員にお送りして確認いただいておりますが、五十嵐委員より、武田薬品工業株式会社から50万以下の受取、柿崎委員より、MSD株式会社から50万を超えて500万以下の受取、小野薬品工業株式会社及び興和株式会社より50万円以下の受取、舟越委員より、武田薬品工業株式会社、MSD株式会社、日本ベーリンガーインゲルハイム株式会社、小野薬品工業株式会社、田辺三菱製薬株式会社より50万以下の受取と申告いただいたほかは、受取の申告はありませんでした。よって、議題2の審議中、柿崎委員におかれましては意見を述べることはできますが、議決に加わることはできません。なお、その他の委員におかれましては意見を述べ、議決にも加わることができるとともに、参考人におかれましても意見を述べることができます。これらの申告については、ホームページで公表させていただきます。
続いて事務局より、所属委員の薬事分科会規程第11条への適合状況の確認結果について報告いたします。薬事分科会規程第11条においては、「委員、臨時委員又は専門委員は、在任中、薬事に関する企業の役員、職員又は当該企業から定期的に報酬を得る顧問等に就任した場合には、辞任しなければならない。」と規定しております。今回、全ての委員の皆様より、薬事分科会規定第11条に適合している旨を御申告いただいておりますので、報告させていただきます。委員の皆様には、会議開催の都度、書面で御提出いただいており、御負担をお掛けしておりますが、引き続き御協力をお願いいたします。審議参加に関する説明、薬事分科会規定第11条への適合状況の確認結果は以上です。
○五十嵐座長 ただいま説明を頂きましたが、審議参加に関する遵守事項については、皆さん、御理解よろしいでしょうか。特に御意見はないようですので、競合品目・競合企業の妥当性を含めて御了解いただいたものとしたいと思います。
では、今日の資料の確認を事務局からお願いいたします。
○事務局 事務局より、本日の資料について御説明いたします。厚生労働省では、業務全体においてペーパーレス化の取組を推進しており、本調査会も資料はタブレットで閲覧する方式で実施いたします。各委員、参考人におかれましては、お手元のタブレット端末で資料を御確認ください。まずはじめに、タブレット端末の操作方法について説明いたします。お手元には、タブレットと操作説明書を配布しております。いずれも調査会終了後、事務局にて回収いたします。それでは、タブレットの表面にある丸いホームボタンを押していただき、画面が表示されましたら再度ホームボタンを押して、ロックを解除してください。すると、ホーム画面が表示されることを御確認ください。
続いて、ファイルブラウザと書かれた青いアイコンをタップし、資料一覧が表示されることを御確認ください。資料を閲覧する際は、各資料のアイコンをタップしてください。資料のページをめくる際は、指を画面上でスライドさせてください。資料を切り替える際は、画面左上のマイプライベートファイルの文字をタップすることで、資料一覧のページに戻ることができます。その他の操作方法については、操作説明書に記載しておりますので、各位御参照ください。なお、一定時間操作しておりませんと画面がスリープ状態になるよう設定しております。スリープ状態になりましたら、再度起動の操作をしていただくようお願いいたします。御不明な点、不具合等ございましたら事務局員までお申出ください。
続いて、資料の御説明をいたします。議事次第、資料一覧の2ページを御覧ください。本日の資料は、議題1について資料1-1及び1-2、議題2について資料2-1~2-4となっております。また、委員・参考人一覧、競合品目・競合企業リストもございますので、適宜御参照ください。不足資料がございましたら事務局までお申出ください。以上です。
○五十嵐座長 皆さん、よろしいでしょうか。では、議題1の一般用医薬品のリスク区分についての審議を行います。個別品目の審議の前に、一般用医薬品のリスク区分の評価手順について、事務局から説明をお願いいたします。
○事務局 資料1-1「製造販売後調査の終了に伴うリスク区分の検討について」を御覧ください。表に記載されている品目は、現在第1類薬品に指定されており、この度、製造販売後調査の終了に伴い、一般用医薬品としてのリスク区分の検討をお願いするものです。まず、一般用医薬品のリスク区分の移行の流れについて御説明いたします。7ページのスイッチOTC薬に係る要指導医薬品から一般用医薬品への移行の流れを御覧ください。図の左から順に御説明いたします。まず、販売開始後、原則3年間は製造販売後調査が行われ、その期間は要指導医薬品として区分されます。製造販売後2年以降で、特別調査の目標症例数を集めた時点で中間報告書が提出されます。中間報告書をもって、安全対策調査会で一般用医薬品としての販売の可否について評価いたします。なお、今回のトリメブチンマレイン酸塩については、製造販売から3年間で目標症例数に達しなかったため、製造販売後調査の期間が1年6か月延長され、合計4年6か月の製造販売後調査が行われました。
次に、製造販売後調査終了から1年間は、第1類医薬品として区分されます。現在、トリメブチンマレイン酸塩はこの段階にあり、第1類医薬品に分類されています。この1年間に一般用医薬品としてのリスク区分を決定することになります。本日は、図の②「リスク区分の判断」の安全対策調査会に当たります。リスク区分の検討手順としては、まず安全対策調査会の調査審議に当たり、必要に応じ関係学会等の有識者等の出席を求め、意見を聴取し、事前整理を行います。その結果、リスク区分等の変更を行う必要があるとされた場合、厚生労働省は変更案についてパブリックコメントを行います。次に、医薬品等安全対策部会にて、安全対策調査会における事前整理やパブリックコメントの結果等について調査審議を行い、リスク区分の変更の要否について答申を得るといった手続をすることになっております。
続いて、一般用医薬品のリスク区分を説明いたします。6ページの一般用医薬品のリスク区分を御覧ください。第1類医薬品は、その副作用等により、日常生活に支障を来す程度の健康被害を生ずるおそれがある医薬品であって、その使用に関し特に注意が必要なものとして厚生労働大臣が指定するもの、又は新一般用医薬品として承認を受けてから厚生労働省令で定める期間を経過しないものとされており、薬剤師により販売され、患者に対しては文書による情報提供義務があります。
第2類医薬品については、その副作用等により、日常生活に支障を来す程度の健康被害を生ずるおそれがある医薬品であり、第1類医薬品を除くもので厚生労働大臣が指定するものとされております。薬剤師又は登録販売者により販売され、情報提供については努力義務とされています。第2類医薬品のうち、特別な注意を要するものとして厚生労働大臣が指定するものについては、指定第2類医薬品とされており、販売は第2類医薬品と同様、薬剤師又は登録販売者により行われ、情報提供についても努力義務ですが、薬局開設者は情報提供するための設備から7m以内の範囲に陳列する。「指定第2類医薬品を購入する場合は、禁忌を確認すること及び専門家に相談することを勧める旨」を、購入者が確実に認識するようにする等の措置をとることとされております。
第3類医薬品は、第1類医薬品、第2類医薬品に分類されないもので、薬剤師又は登録販売者により販売されます。説明は以上です。
○五十嵐座長 では、トリメブチンマレイン酸塩の審議を始めます。事務局から御説明をお願いいたします。
○事務局 トリメブチンマレイン酸塩について御説明いたします。資料1-2を御覧ください。販売名はセレキノンSで、効能・効果は、過敏性腸症候群の次の諸症状の緩和:腹痛又は腹部不快感を伴い、繰り返し又は交互にあらわれる下痢及び便秘で、以前に医師の診断を受けた人に限ります。1錠100mgで、用法・用量は15歳以上で1日3回、1回1錠服用します。
1ページの下の製造販売後調査概要を御覧ください。特別調査とは、個別に薬局と契約して、モニター店舗でアンケート調査票を配って、アンケートによる調査を実施するものです。この特別調査では、調査症例数4,149症例で、副作用が33例45件でした。内訳としては、腹痛7件、便秘、下痢各6件等でした。そのうち、重篤と判断された症例はありませんでした。
使用者若しくは薬剤師からの自発報告という形での一般調査では、報告された副作用は9例11件でした。内訳は、下痢、浮動性めまい各2件、排尿困難、湿疹、そう痒感、体位性めまい、悪心、味覚異常、構語障害各1件でした。このうち、重篤と判断された症例はありませんでした。
2ページは、本剤で報告された副作用について、その種類別に報告件数をまとめています。また、同一有効成分を含有する配合剤である類薬及び医療用同一成分のデータも参考に掲載しております。
適正使用に関しては、9ページを御覧ください。Ⅱ.適正使用状況に関する見解の①購入条件の確認では、99.7%が購入条件を満たしているとの回答で、残り0.3%は無回答又は記載不備でした。②添付文書、使用者向け情報提供資料に関しては、99.3%がいずれかを読んだと回答いたしました。③年齢、本剤使用前の症状に関しては、添付文書の「1.次の人は服用しないでください」に該当する症例はありませんでした。④使用量、使用期間では、通常の1日使用量を超える症例は0.1%であり、使用期間が4週間を超える症例は1.3%でした。なお、これらの症例で副作用は発現していませんでした。資料の説明は以上です。
○五十嵐座長 今日は、小早川参考人においでいただいておりますので、小早川先生に御意見を頂きたいと思います。どうぞよろしくお願いいたします。
○小早川参考人 どうぞよろしくお願いいたします。本剤、トリメブチンマレイン酸塩は古くから医療用医薬品として過敏性腸症候群に使われてきたお薬です。比較的我々が使用していても非常に安全性の高い薬だなという、そういったイメージは持っております。今回この副作用情報を見ましても、重篤な副作用といったものは報告されていない。報告されている副作用も、ほとんど過敏性腸症候群において起こりそうな形の症状か副作用かがちょっと分かりにくいような、主に腹部に対する症状といったところで、予測された範囲というか、大きな副作用も起こっていないし、その発症頻度もそれほど多くないということがうかがえるかと思います。そういった面からしても、特に注意すべき副作用というのは挙げられないのではないかと思います。
さらに類薬、ストッパとか、そのほかブスコパンのお薬、そういったお薬も基本的には症状を緩和するといったところで、ほぼ過敏性腸症候群と思われる患者さんには既に使われているといったことも考えますと、本剤に関して特に注意事項があるというわけでもなさそうと思いますので、今回の判断で、第2類という形での落とし所でいいのではないかなと感じております。以上です。
○五十嵐座長 御意見、どうもありがとうございました。それでは、この件について委員の先生方から御意見、御質問を頂きたいと思います。
○柿崎委員 参考人の先生がおっしゃられたように、副作用の点からは特段問題となるような副作用がないので、副作用だけ考えれば第3類でもいいのかもしれません。ただ、過去に診断を受けていた方が適切にチェックシートに従って内服されていたということで、患者さんが自己判断だけで内服しないようにするためには、今後もチェックシート等を用いて、過去に診断を受けた方が適切に内服するように指導していくという点では、参考人の先生のおっしゃるように第2類でいいのではないかと思います。
○五十嵐座長 そのほかは、いかがでしょうか。
○佐藤委員 チェックシートを拝見して思ったのですが、第2類になったときに登録販売者の方が対応されることもあって、ちゃんとチェックシートを回収するような仕組みがあるのかどうかよくわかりませんでした。薬と一緒に渡しただけという状況は余り望ましくないのではないかと思ったので、その場で書いていただくとか、回収するとか、きちんとチェックシートの条件を満たした方にのみ薬がいっていることを担保できるような工夫があるといいのではないかなと思います。それができるのであれば、私も第2類で大丈夫かなと思います。
○五十嵐座長 17ページにチェックシートの実例が示されていますが、事務局からこの扱いについて説明いただけますか。
○事務局 チェックシートについては、患者さんが自分でチェックして、現在は1類ですので、販売するときに薬剤師がそれを確認して売るという運用になっております。現在でも必ず回収するようにはなっていない状況です。今後、第2類になったとして、登録販売者が販売することが可能になったとしても、同じように患者さんがチェックしたものを薬剤師又は登録販売者が確認して、きちんと医師の診断を受けたことがあるかなど、チェックされたことを確認した上で販売することになります。
○医薬安全対策課長 追加でコメントさせていただきますが、チェックシートに関しては今も説明があったように、これまでも使ってきているものです。要指導医薬品の時代もそうですし、この約1年弱ですが、第1類になった後も使ってきているものです。その際、品目からいって当然、薬剤師がこれまで扱ってきたわけですが、そのタイミングでは、このチェックシートに関しては、使ってはいたけれども回収というところまではしてこなかったというのがありますので、仮に今回、御意見を頂いている内容で第2類ということで区分がシフトした後、登録販売者が販売するプレイアーとして加わった際に、チェックシートを回収というところまでしないと担保できないのかと言えば、それは薬剤師でも同じことかなと実は思っています。
そこは従来の継続性から考えると、薬剤師が取り扱ってきたときと同じような恰好で、薬剤師も登録販売者もお互い専門家ですので、その中で我々としては指導的にチェックシートを使うことが、この薬剤の効能・効果からみても適切だと思います。まずはチェックシートを使うということの徹底をさせていただいて、その後、使っているかどうかの確認をするときの1つの方法として、我々から強制的に、きちんと保管して回収してくださいというところまで言うのか、あるいは実際の監視等に入ったときに、それを証として示すためのオプションということで販売側自らの選択で保管しておくという方法もあると思いますので、むしろ後者のほうで、今回は要指導と第1類でこれまで販売してきたことと絡めますと、まずは強制ではなくて、事後に確認するにはそういう方法もあるといった形の提案というか、そういう働きかけをするということはあるのかなと現状は思っています。
○望月委員 現実には、多分そういう形になるのかなと思うのですが、過去にこういうチェックシートを使わなければいけないようなお薬で、第2類になったお薬はありますか。
○事務局 すみません、そのような薬があるかは把握していないです。
○望月委員 第1類の場合は、もちろんインターネット販売はありますが、必ず薬剤師が文書でというのが付いているので、必ずチェックシートを書いていただくチャンスがあるのかなと、今回の結果も99.何パーセントでしたので。ただ、第2類になったときには、そういう形は必ずしも取らなくてもいい形で棚にも陳列され、販売されることになると思うので、チェックシートをきちんと使った確認というのか、多分このお薬は一番安全性も高いので、大事なのは以前に医師から過敏性腸症候群の診断を受けたというところなのだと思います。そこがきちんと把握できるのは、どういう形で実現できるかというところだけ考えていただければいいかなと思うのですが。
○舟越委員 私も同じ意見で、有効成分としては安全性が高いので、第2類以下でよいと思うのですが、疾患診断が条件になっているため、セルフチェックシートであっても、回収まで行わなくても必ず見る。特例になってしまいますが、もし第2類になっても、薬剤師の指導を確認する努力義務的な形になれたらいいなと。望月委員がおっしゃったように、情報提供は、第2類以下は努力義務以下ですが、購入者をしっかりと登録販売者、薬剤師のほうで確認できるようにしてはどうでしょうか。
もう1つ、小早川先生に教えていただきたいのですが、副作用としては安全性は問題ないと思います。私が見たときには下痢などで服用中止が非常に多く、このセレキノンに対しては低用量の300mgだと腸管の蠕動運動を活発にして、600mgであると逆に下痢や腸管運動を止めるというように、医療用医薬品のときには300mgか600mgで患者さんが個々に用量調節をして、下痢と便秘の間を取っていたと思うのですが、今回OTCになっていくときに300mg固定だと、逆に安全性は問題がないけれども有効性はどうなのかなというところの御意見を頂けたらなと思っています。
○小早川参考人 私はOTCを服用している患者さんを診ていないから何とも言えないところではあります。過敏性腸症候群は下痢型、便秘型の両方があるのですが、どちらに対しても腸管の感受性というか痛みに対する刺激を抑えてあげるという作用があります。単純に用量が少ないからどちらかしか効かないというわけではないとは思うのです。OTC化する際に、高用量のほうが副作用という懸念があるということで、低用量にしたのだとは思うのですが、300mgだから使いにくいということは特にはないと思うのです。確かに600mgだったら効く人がいるのかなという話はもしかしたらあるかと思います。
○舟越委員 その場合は、医療機関に受診勧奨を薬剤師等がするという形になってくるのですね。
○小早川参考人 そうですね、本剤を増量したら効くのか、若しくは本剤自体が効かない場合もあるかと思います。過敏性腸症候群は、いろいろな要因があるので、心理的なストレスもあったりとか、人によって様々な要因があると。実際に我々が処方したり診療したりする場合も、トライアンドエラーという形でいろいろな薬を試したりとかということがありますので、これを飲んで効かないという方は、やはり医療機関をちゃんと受診していただいて、医師からの判断でいろいろな薬を使って見ていくということになるかなと思います。
○五十嵐座長 ありがとうございます。
○医薬安全対策課長 先ほど望月委員から頂いた意見に対しての発言なのですが、チェックシートを使うもので第2類になったものはあるかということと絡みます。これまでは、事例ということではなかったかもしれませんが、これから、例えば今回の製品が1年間という第1類を経て、その後の区分の変更という時期に来ていると思うのですけれども、この先のものに対してそのタイミングまで見越して、前もってチェックシートを用意するかどうかというところまでは、スイッチ化するタイミングではなかなか計り知れない部分もあります。
一方で、スイッチ化の議論をするときには、実際ある程度適正な販売なり、適正な使用ということを考えた場合に、大分様々な品目についてチェックシートを使うということが、むしろ使うほうが主流になってきていますから、必ずしもチェックシートがあるものは、すべからく第1類でなければいけないという考え方は、余りにも限定的になってしまうと思いますので、そういう捉え方はしないほうがいいと思っています。むしろ、第2類であっても、登録販売者を含めて、きちんと専門家があるいは薬局なり店舗販売業者がチェックシートを使った上で製品を取り扱うということに対して、我々も徹底することによってスイッチ化された一般用医薬品が、ある程度アクセスの面も含めてですが、整った環境の中で取り扱えるような方向に持っていくべきかなと思っています。チェックシートを使ったものであっても、第2類というものが今日の議論の結果、あってもいいのかなと思っています。むしろ、徹底する指導をこちらとしてもやっていきたいと思っています。
○伊藤委員 一応、小早川先生に1つだけ教えていただきたいのですけれども、このチェックシートを使う背景というのが、薬としての副作用などは特に問題なさそうですけれども、これを患者さんがチェックシートを使わずに勝手に飲んだときに、例えば何か別の疾患が隠れているのを見逃すとか、そういったことなのかなと思うのですけれども、何か危ない疾患が隠れていて、それを見逃したことによって、非常に大きな問題となるような疾患というものがあるのかということを教えていただければと思います。
○小早川参考人 見逃してはいけない疾患ということで、ここに想定されるようなものは、例えば大腸がんなどです。がんのほかには潰瘍性大腸炎とか、クローン病という炎症性腸疾患です。こういった疾患は、やはり内視鏡検査をしないと診断できないといったことがありますので、これらをいかに、ちゃんと見つけてあげるかといったことが臨床上は重要になってきます。過敏性腸症候群というのは、こういった器質的な疾患を除外した上で初めて診断される疾患概念ですので、このお薬が過敏性腸症候群に対するお薬ということで、まず、そこがちゃんと除外できているのかということで、今回OTC化するときに、こういうチェックシートということになったのだと思います。
確かに腹痛などの症状だけで、予測でしかないので、いろいろな疾患が、もしかしたら診断が遅れる可能性があるといったところが一番懸念されて、その症状が他のお薬を使ったためにマスクされて、発見が遅れるというのが一番懸念されるといったことではないかと思うのです。大腸がんだと血が混じったり、便秘になることがあるのですけれども、このセレキノン錠を飲んだから症状が良くなるかというと、余り良くなるということは、薬理作用的に言うと考えにくいのかなと。
そのほか、炎症性腸疾患に関しても、恐らくほとんど、この薬を飲んだからといって、症状が良くなるということは、余り考えにくいのではないかと考えられます。ですから本剤を飲んだから症状が良くなって、非常に発見が遅れてしまってということは、そこまで考えなくてもいいのではないかという印象は持ち合わせております。
○伊藤委員 ありがとうございます。このチェックシートを万が一使わなくてもと言ったらおかしいのですけれども、第2類になったときに、徹底されなかったりした場合にも、そもそも同じ有効成分のタナベ胃腸薬が、セルフチェックシートなしで売られているわけですよね。そういったこともありますと、それほどの大きな問題にはならないのかなということは感じました。
ただ、このチェックシートの中身につきましては、例えば最後の下のほうの「服用前に医師又は薬剤師に御相談ください」という項目は、かなりの頻度で、ここに該当する患者さんはいらっしゃるのかなという気もしますので、例えば登録販売者が販売しようとしたときに、「薬剤師に御相談ください」と言うのが引っ掛かることはあり得るのかなと思うのですけれども、その辺りもきちんと対応ができるようでしたら問題はないのかなと思いました。
○五十嵐座長 ありがとうございます。よろしいですか。
○舟越委員 これは2類になると表示が変わる、医師又は薬剤師ではなくなる。
○五十嵐座長 どうぞ、事務局お願いします。
○事務局 2類に移行するのに合わせて、チェックシートのご指摘の箇所は「医師、薬剤師又は登録販売者」に変わると思います。
○五十嵐座長 よろしいですか。
○舟越委員 そうなると、伊藤委員もおっしゃっていましたけれども、その疾患の評価は若干、その相談がチェックシートで、その相談が来る場合の専門家が、医師、薬剤師又は登録販売者のときに、薬剤師の不在のときに登録販売者が評価ができるのかなというのが、薬剤だけだったらいいのですが安全性も担保されているので、そこに疾患が入ってきているチェックシートになっているので、そこをどこまで登録販売者の担保が、私はその登録販売者の試験内容や教育が、今は頭に入っていないので、しっかりと担保することができないのですけれども、保証といいますか、その辺は大丈夫なのでしょうか。
○医薬安全対策課長 今回の適用である過敏性腸症候群は、多分、第2類として初めてだと思いますので、この部分はあらかじめ試験等で勉強しているかというと、なかなかそういう状態ではないと思います。今回2類に移行するに当たって、まだちょっと時間がありますので、そこは実際に供給する製販業者のほうと相談して、その辺りをきちんと教育といいましょうか、周知できるような形は整えていきたいと思います。
加えてこの製品は、1箱が大体1週間分なので、添付文書にも1週間ないし2週間、更に4週間というところで一定の縛りがあるので、その辺りを強調して、きちんと途中途中で専門家のチェックが掛かるような格好で状態を見ていくということも、今回改めて移行に当たっては徹底していきたいと思います。
○五十嵐座長 このチェックシートをチェックしていくという運用面での対応を取るという条件が付くと理解してよろしいわけですね。では、今までの議論を踏まえまして、議決をとりたいと思います。
○佐藤委員 すみません、このチェックシートの中身自体は、変更無しでしょうか。先ほどおっしゃっていた相談相手が書いてあるところだけ変わる予定なのですか。それとも、ちょっと見直しとか入るのですか。つまり、何が言いたいかというと、かなり1問目はものすごく重い質問で、そこから下とちょっと違うなという感じを受けるので。1問目が大事ということがわかる工夫があるといいと思いました。この1問目の情報は小冊子しかないので1問目の大事さが分かるようにしたほうがいいかなと思いました。それは本当に自分の印象です。全部同じ色で書いてあって、1問目は1行しかなく、あまり注意がはらわれないかもしれない、と危惧しました。
○医薬安全対策課長 今、御覧いただいているのは第1類医薬品としてのものなので、先ほどの販売する関係者という所の登録販売者の記載とか、その辺りは修正するつもりでおりましたけれども、ほかの部分、今、御指摘の冒頭の質問事項に関しては、多少特殊なのですが、効能・効果に「実際に受診した人に限る」とか、「診断治療を受けた人に限ります」と書いてあるので、まず出発点がそこになっているというのが、このチェックシートの特徴かなと思います。
意味合いを含めて、これもできれば実際に直接インターフェースになる薬剤師や登録販売者に、きちんと理解してもらうような対応をしてもらいたいと思いますので、そこは少し関係団体とも相談させてください。
○五十嵐座長 チェックシートの改編もあり得ると、そのように理解したいと思います。ありがとうございます。
○医薬安全対策課長 そういう意味で第2類への移行に伴って、取りあえずミニマムと言ったら語弊がありますけれども、矛盾のないような形での改正はしたいと思います。加えてこのチェックシートが今まで使われてきた中での今回の調査結果ということもありますので、また、その効果といいましょうか、その影響の辺りを見て、また必要に応じて変えることは可能だと思いますので、その辺りは、直ちにというよりは、2類としての販売の状態を見ながら考えていくということも、1つのオプションではないかと思っています。
○望月委員 まず、登録販売者さんに勉強をしてもらったほうがいいだろうというところは、確か販売店向けの情報資料というものが用意されていたように思いますので、そちらのほうもきちんと登録販売者さんの手元にも、それが渡るようにしていただくといいかなと思います。
その上でなのですが、添付文書上は、ある程度の改善効果が認められた場合は、確か4週間まで使い続けられると思うのですけれども、先ほど1パッケージが1週間分と説明されていましたが。そうすると毎回買いに来たときに、このチェックシートを書くというのに、もしかしたら消費者の方が抵抗されるかもしれないかなと思って、ちょっとその辺も何か工夫が必要なところかなと思いました。余り無理なことをやっていただくのも厳しいと思いますので、その辺をうまく運用できたらいいなと思いました。
○五十嵐座長 どうぞ
○舟越委員 重ねてなのですが、先ほどの4週間、1パック1週間ですと、診断をされたということは医療機関で1回かかっているということなので、お薬手帳とか何かで服用歴が分かっていないと、また下痢とかになって、効かなくて病院に行ったときに、このOTCをどれぐらい、何箱買ってどう使ったのかというのが、義務付けではなくても、このセルフメディケーションするためのチェックシートとか、患者さんに渡すための資料の中とか、どこかに服用歴などは書いておかないと、また医療機関に受診するときに、どれぐらい飲んでいたと言っても、それが分からない状態になってしまうと。その辺も少しチェックシート等、患者さんに渡す資料の中に少し、表現がちょっと難しいのですが、書いておくといいのかなと。
○五十嵐座長 これは御要望ということですね。ありがとうございます。
○医薬安全対策課長 今現在、患者さんに持っていただくようなものは用意されていないということなので、その必要性は、また関係企業とも相談させていただきます。
○五十嵐座長 ありがとうございます。ほかはいかがでしょうか。基本的には第2類薬品でいいという御意見が多かったと思いますが、ただ、このセルフチェックシートの改善も含めて、少し検討していただきたいということと、それから販売時にはチェックすることを基本とするという、そういう方針でやっていただきたいという御意見が多かったと思います。それでよろしいでしょうか。では、議決を採ってもよろしいでしょうか。このトリメブチンマレイン酸については、第2類医薬品とすると。ただし、基本的にこのチェックシートをしっかりと運用していただく条件付きということになると思います。その条件の下で第2類医薬品とすることでよろしいでしょうか。ありがとうございます。では、皆さんの賛同を頂けたと思います。ありがとうございました。
では、今後の予定につきまして、事務局から御説明をお願いいたします。
○事務局 御議論いただき、ありがとうございました。本日御審議いただいた結果に基づいて、パブリックコメント実施のための手続を進めさせていただきます。ありがとうございました。
○五十嵐座長 この議題に関しまして、その他、御意見等ございますでしょうか。よろしいでしょうか。今日は小早川参考人におかれましては、貴重な御意見を頂きまして誠にありがとうございました。これ以降は先生に御意見を頂くことはありませんので御退室されても結構です。どうもありがとうございました。
では続きまして、議題2のトレラグリプチンコハク酸塩における禁忌「腎機能障害」等に係る「使用上の注意」の改訂について、審議したいと思います。事務局から説明をお願いいたします。
○事務局 トレラグリプチンコハク酸塩における禁忌「腎機能障害」に係る「使用上の注意」の改訂について、御審議いただきたいと思います。資料2-1の概要をメインに説明させていただきます。
1つ目、品目の概要です。トレラグリプチンコハク酸塩は、ザファテックという販売名で武田薬品工業株式会社が製造販売しており、50mg錠及び100mg錠は平成27年3月に、25mg錠が本年8月21日に承認されています。効能・効果は2型糖尿病になります。本品については、独立行政法人医療機器総合機構から調査結果報告書が提出されています。
次に経緯です。今回、改訂に至った背景・経緯について御説明させていただきます。平成27年3月、本邦において本剤50mg錠及び100mg錠が承認されました。本剤は腎排泄型であり、臨床薬理試験において高度腎機能障害患者及び末期腎不全患者に本剤50mg錠を投与したときのAUCが腎機能正常者と比較して3倍以上高い結果が示されました。この結果を踏まえ、50mg錠及び100mg錠においては曝露量の増加に応じた用量での投与ができず、血中濃度上昇時の安全性が不明であることなどから、添付文書において「高度腎機能障害患者又は透析中の末期腎不全患者」が禁忌とされました。今般、禁忌とされている腎機能障害患者に対し、本剤25mg錠を週1回投与した際の有効性及び安全性を検討する臨床試験(SYR-472-3003試験。以下「第Ⅲ相試験」という。)の結果が得られたことから、当該腎機能患者に関する注意喚起の見直しを検討することといたしました。
次に調査結果について御説明させていただきます。まず1つ目、第Ⅲ相試験の概要です。25mg錠の第Ⅲ相試験は、高度腎機能障害又は末期腎不全を合併する2型の糖尿病患者(目標症例数は1群53例で合計106例)を対象としてプラセボ及び本剤25mg錠を週1回投与した試験です。有効性及び安全性を検討することを目的に、本剤投与開始後12週までの二重盲検期及び投与開始後12週から52週までの非盲検期で構成されました。
続きまして、腎機能障害患者への有効性についてです。第Ⅲ相試験において、主要評価項目であるベースラインから二重盲検期終了時までのヘモグロビンA1cの変化量は、プラセボ群で0.01±0.09%、本剤投与群で-0.71±0.09%であり、本剤群のプラセボ群に対する優越性が示され、非盲検期終了時まで薬効は持続されました。これらの結果は、高度腎機能障害患者及び末期腎不全患者のいずれの部分集団においても、全体集団と同様の傾向が見られました。
続きまして、腎機能障害患者への安全性についてです。第Ⅲ相試験において、プラセボ群に比べて本剤で低血糖関連事象及び感染症関連事象の有害事象の発現割合が高かったところです。しかしながら低血糖関連事象については、いずれも軽度であり、感染症関連事象については高度(憩室炎及び敗血症各1例)及び中等度(上咽頭炎、憩室炎、肺炎各1例)での事象を含め、いずれも本剤との因果関係は否定されています。また、腎機能正常患者及び中等度以下の腎機能障害患者の安全性プロファイルと比較して、臨床的に特段の問題は見られませんでした。また、第Ⅲ相試験において高度腎機能障害患者と末期腎不全患者の安全性プロファイルについて、臨床的に特段の問題となる差異は認められませんでした。さらに、現時点で得られている本剤の製造販売後における安全性情報(特定使用成績調査、国内自発報告)からは、安全性上特段の問題を示唆する情報は得られませんでした。
以上の調査結果を踏まえまして、対応方針です。3ページ以降に書かれているとおり、「高度の腎機能障害患者又は透析中の末期腎不全患者」を禁忌から削除するとともに、用法・用量に関する使用上の注意において、当該腎機能障害患者に対しては、本剤25mg錠を週1回投与すること等を記載してはどうかと提案いたします。
具体的な改訂案を説明いたします。まず、「禁忌」の高度腎機能障害患者又は透析中の末期腎不全患者の記載を削除いたします。「用法・用量に関する使用上の注意」において、「禁忌」から削除する高度の腎機能障害患者又は透析中の末期腎不全患者は、25mg錠を週1回投与とします。続きまして、禁忌から削除する高度腎機能障害患者又は透析中の末期腎不全患者を「慎重投与」とさせていただきます。その後に、25mg錠の第Ⅲ相試験の「臨床成績」を添付文書に追記いたします。トレラグリプチンコハク酸塩における禁忌「腎機能障害」等に係る「使用上の注意」の改訂についての説明は以上となります。御審議のほど、よろしくお願いいたします。
○五十嵐座長 今まで高度腎機能障害、あるいは透析中の患者さんには禁忌だった薬剤でしたけれども、投与量を25mg錠という半分あるいは4分の1量に減らすことによって、この禁忌を外すということができるのではないかという御提案です。御意見いかがでしょうか。
○柿崎委員 類薬のオマリグリプチンも同様に、週1回の投与のDPP-4阻害剤ですが、それは既に腎機能による投与量の設定が決まっておりますので、今回の報告を含めて、今回の改訂でいいのではないかと思います。
○五十嵐座長 ありがとうございます。そのほかに、いかがですか。
○伊藤委員 今回の高度腎機能障害患者さんと末期腎不全患者さんの臨床試験では、血中濃度を測定されていたのでしょうか。
○事務局 PMDAからお答えさせていただきます。血中濃度自体は今回の第Ⅲ相試験において測定はされています。
○五十嵐座長 資料の中では、どこかに示されていますか。
○事務局 資料2-2の5ページの表2です。そこに第4週時と第12週時の本剤群の血中濃度が示されております。
○伊藤委員 ありがとうございます。そうしますと、ある時点での血中濃度を2点測ったということですか。この濃度は、腎機能障害患者と末期腎不全患者では結構違うということですね。2倍以上の差はあったということですね。ですけれど、効果には、それほどの違いはなかったということですか。改訂案では、2つの分類、高度腎機能障害患者と末期腎不全患者をまとめて、クレアチニンクリアランスが30mL/min未満のときに投与量を25mg、週1回ということなのですけれども、30未満といってもいろいろな幅があるのかなと思ったり、その2つの分類が同じでいいのかどうかというところの根拠といいますか、これだけ血中濃度も違うとなりますと、何となく大丈夫かなという気持ちもあるのですが、いかがでしょうか。
それと、もう1つ、DPP-4阻害薬にいろいろなものがある中で、腎排泄型でないものもいろいろあると思うのですけれども、腎機能障害患者さんとか末期腎不全患者さんで、あえてこの薬を使う必要性というか、どんなところがあるのかということを教えていただけたらと思うのですが。
○事務局 事務局よりお答えさせていただきます。今回の第Ⅲ相試験につきましては、高度の患者さんと中等度の患者さんの両方が入っているのですが、本剤群で言いますと、54例が全体として入っているのですけれども、その中で高度の患者さんが14例、末期の患者さんが40例ということで、こちらの試験に関しましては、末期の腎不全患者さんが多い試験の中で有効性と安全性が確認されておりますので、末期の腎不全患者さんについて、血中濃度は高いのですが、安全性に関しては問題はないかと考えております。
あと、治療の必要性に関してですが、先ほども委員の先生からお話がありましたように、週1回のDPP-4阻害剤としてオマリグリプチンが他剤としてありますので、どうしてもザファテックを使わないといけない患者さんというのは、そう多くはないのかなと思いますが、ザファテックを使っているうちに、合併症等により腎機能が悪くなって、高度とか末期の腎不全になった場合においても、これまでザファテックを使われている患者さんが使いやすい薬を使い続けるということも可能ですので、そういった意味での必要性もあるかなと考えております。
○五十嵐座長 ありがとうございます。よろしいですか。そのほかにいかがでしょうか。そういたしますと、この25mgの場合に関して、添付文書については事務局の提案どおり使用上の注意を改訂するという方向につきまして議決を採りたいと思います。柿崎委員におかれましては議決への参加は、今回は御遠慮いただきたいと思います。では、事務局どおり、使用上の注意を改訂することでよろしいでしょうか。御異議なしとさせていただきます。では、今後の予定につきまして、事務局から御説明をお願いいたします。
○事務局 御議論いただきありがとうございました。それでは、ただいまの御議論を踏まえまして、トレラグリプチンコハク酸塩の製造販売業者に対して、使用上の注意を改訂するよう指示いたします。
○五十嵐座長 では、この議題2につきましては。
○柿崎委員 すみません、本剤の審議とは直接は関係ないのですが、オマリグリプチンはクレアチニンとeGFRで腎機能障害を評価しているのですが、本剤はクレアチニンとクレアチニンクリアランスで評価しているわけです。今後、何か指標に統一性を持ったほうが薬剤を使用しやすくなるかとは思うのですが、その辺はいかがでしょうか。
○事務局 事務局より説明させていただきます。本剤はザファテックのほうで、トレラグリプチンコハク酸塩のほうですけれども、第Ⅲ相試験で行ったものがクレアチニンということで、添付文書の情報としてはクレアチニンで測定した上で判断するという形になっております。全体の傾向として、eGFRがいいのか、クレアチニンがいいのかというところは、いろいろ御議論はあるかと思いますけれども、その辺はeGFRの長所・短所もあれば、クレアチニンの長所・短所もありまして、共通的にこちらがいいという形で、今の段階でお示しできるものは、こちらとしてはあまりないと考えておりますので、引き続き、そちらの部分に関しては今後、検討していく話なのかなと考えております。以上です。
○柿崎委員 薬剤の行った試験によってクレアチニンクリアランスにするのか、eGFRにするのかがあるかと思うのですが、クレアチニンとクレアチニンクリアランスとeGFRの長所・短所があれば、それを3つとも併記してあれば、より分かりやすくはなるかなとは思いますけれども。
○事務局 クレアチニンとeGFRに関して、今回の試験に関してはクレアチニンしか見ておらず、eGFRに単純に換算することが難しいということもありまして、ちょっと併記は難しいところでありますけれども、頂いた御意見につきましては、今後検討する材料とさせていただければと考えております。以上です。
○五十嵐座長 ありがとうございます。eGFRの換算式が、小児も大人も含めてですけれども、比較的簡単に臨床検査で出るようになってまいりました。そういう意味でeGFRの使用がこれから増えてくるのではないかと思います。今の御指摘は検討していただきたいと思います。よろしいでしょうか。そのほか、何かございますでしょうか。よろしいですか。
では、続きまして、議題3「その他」ですけれども、事務局から何かございますでしょうか。
○事務局 特にございません。本日の議事録につきましては、後日、送付させていただきますので、内容の御確認をよろしくお願いいたします。なお、御確認いただいた後は、厚生労働省のホームページに掲載いたしますので、よろしくお願いいたします。また、次回の開催につきましては、改めて御連絡いたします。事務局からは以上でございます。
○五十嵐座長 では、今日の調査会は、これで閉会といたします。御協力ありがとうございました。