薬事・食品衛生審議会薬事分科会血液事業部会 令和元年度第1回運営委員会

日時

令和元年6月26日(水)16:30~18:00

場所

新橋会議室8E会議室
(東京都港区新橋2-12-15 田中田村町ビル8階)

出席者

出席委員:(6名)五十音順、敬称略、◎委員長



欠席委員:(1名)敬称略
  • 大平 勝美



参考人:敬称略
  • 大隈 和



日本赤十字社:敬称略      
  • 遠藤 正浩
  • 後藤 直子
  

一般社団法人日本血液製剤機構:敬称略
  • 星山 孝男
  • 津田 昌重


KMバイオロジクス株式会社:敬称略
  • 青山 式孝 
  • 羽室 強 


日本製薬株式会社:敬称略
  • 浅田 久継
  • 田畑 哲朗    



事務局:
  • 石川 直子  (血液対策課長)
  • 菅原 高志  (血液対策課長補佐)
  • 大島 雅和  (需給専門官) 
  • 山本 匠     (血液対策課長補佐)
  • 富樫 直之  (血液対策課長補佐)

議題

(1)公開議題
1.感染症定期報告について
2.血液製剤に関する感染症報告事例等について
3.内資系製薬企業3社による業務提携の在り方に関する2018年度まとめについて
4.その他
 
(2)非公開議題
1. 内資系製薬企業3社から安定供給推進に関するヒアリング

配布資料

資料ページをご参照ください。

議事

 

○山本血液対策課長補佐 定刻より少々早いのですけれども、委員の皆様おそろいですので、これより令和元年度第1回血液事業部会運営委員会を開催いたします。なお、本日の会議は議題1から議題3を公開で、その後、議題4は非公開で行わせていただきます。カメラ撮りは議事に入るまでとさせていただきますので、マスコミ関係者におかれましては、御理解と御協力をお願いいたします。
 まず初めに、事務局から運営委員会の委員の交代がありましたのでお知らせいたします。薬事分科会血液事業部会運営委員会規程第3条第1項では「運営委員会委員は血液事業部会長が指名すること」とされております。今回、室井委員が退任されるとともに、半田部会長より、名古屋大学医学部附属病院輸血部の松下正先生に委員になっていただくよう指名がありましたので御紹介させていただきます。先生、御挨拶のほど宜しくお願いいたします。
○松下委員 名古屋大学の松下でございます。室井先生が輸血・細胞治療学会の前理事長でいらっしゃいまして、5月の本学会の総会をもちまして、私に理事長は交代したということもございまして、室井先生の後任としてこの委員会にお世話になることになりました。輸血・細胞治療学会としましては、輸血行政全般、適正使用も含めまして国の輸血事業の在り方について、真摯に考えて協力していきたいと思っておりますので、どうか宜しくお願いいたします。
○山本血液対策課長補佐 ありがとうございます。本日の参考人を紹介いたします。まず、国立感染症研究所血液・安全性研究部第一室より、大隈和室長。一般社団法人日本血液製剤機構より、星山孝男代表理事、津田昌重経営戦略部長。日本製薬株式会社より、浅田久継取締役事業戦略本部長、田畑哲朗執行役員生産本部長。KMバイオロジクス株式会社より、青山式孝執行役員医薬営業本部長、羽室強生産本部熊本工場長に御出席いただいております。また、日本赤十字社血液事業本部より、遠藤正浩技術部次長、後藤直子技術部安全管理課長に御出席いただいております。
 続きまして、全ての委員の皆様より、薬事分科会規程第11条に適合している旨の申告をいただいていますので御報告させていただきます。
 本日の会議はペーパーレスで行います。資料はお手元のタブレットを御覧ください。タブレットの使用方法については、お手元のペーパーレス審議会タブレット操作説明書を御覧いただき、御不明な点がありましたら事務局までお声掛けください。なお、本説明書は会議後に回収いたしますので、机の上に置いておいていただければと思います。
 また、本日は大平委員より欠席の御連絡をいただいております。
 それでは議事に入りますので、カメラの撮影はここまででお願いいたします。以降の進行は田野﨑委員長にお願いいたします。
○田野﨑委員長 皆さん、こんにちは。令和元年の第1回目の運営委員会になります。まず、議題1、感染症定期報告について、事務局から資料1-1、資料1-2の説明をお願いいたします。
○山本血液対策課長補佐 資料1-1、資料1-2を説明いたします。資料1-2は感染症定期報告の論文になりますので、別途御覧いただければと思います。タブレットは、資料1-1をお開きください。平成31年1月~3月に受理した感染症定期報告、合計14論文になります。その概要を報告させていただきます。
 資料1-1の2ページを御覧ください。14論文ありまして、表の右端から2番目の所にある「番号」の順に説明します。番号1、2の論文は、肝臓移植を受け、免疫抑制剤を内服している患者について、ラット由来と考えられるE型肝炎ウイルスに感染したという香港からの報告となります。番号2の所にありますように、人に感染したE型肝炎ウイルスというのは、HEV-Aに属しておりますが、今回の患者ではラット由来と考えられるHEV-Cを検出したという報告になります。番号3は、カナダからの新型のラット由来のE型肝炎株による急性肝炎についての報告となります。番号4は、ドイツからの報告で、献血者と血液凝固因子製剤投与歴のある患者におけるHEVの血清学的検査の陽性率を比較した報告となります。結果としては、献血者の方が有意にHEV-E型肝炎の血清陽性率が高かったという報告となり、血液凝固因子製剤の製造工程中における不活化がされていることを示唆されている報告になります。番号5は、CDCからの急性弛緩性脊髄炎の患者の報告数が増加しているという報告です。番号6は、米国における東部馬脳炎ウイルスの報告で、固形臓器移植を介したウイルスの感染が報告されております。番号7は、オーストリアでのウエストナイルウイルスとウスツウイルスの感染者数が増加しているという報告です。2018年6月から約2か月半程度でウエストナイルウイルス感染が27例報告されており、追加の検査で検体18本からウスツウイルスが陽性となっているという報告になります。8番は、CDCからの報告で、ダニ媒介性の疾患数が増加しているという報告になります。9番は、米国におけるポートを使用する患者52例から、これまで報告されていない細菌によるアウトブレイクに関する報告です。こちらの細菌は、正常な免疫を持つ人にとっては危険な細菌とは示唆されておりません。10番は、中国からの新種の抗生物質耐性菌の報告になります。
 続いて3ページの一番上、11番になりますが、オーストリアからのコアラの咬傷からの感染例の報告です。12番が、FDAからの輸血用血小板製剤の安全性と有効性向上のための、細菌リスクを低減させるその手法に関する推奨方法が記載されたドラフトガイダンスについてです。血小板の採取の種類及び採血後の日数によってそれぞれ培養などの推奨方法が示されています。13番は、CDCからの報告で、クラミジア、淋病、梅毒などの性感染症の増加に関する報告です。前回の記録から20万例以上の増加が記載されています。14番は、欧州医薬品委員会のクロイツフェルト・ヤコブ病で、血漿及び尿由来薬品に関する意見書が発出されています。今回3回目の改訂となります。散発性、遺伝性及び医原性のクロイツフェルト・ヤコブ病及び血漿由来製品については、ドナー選択、バッチリコールに関しては推奨事項に変更はありません。また、製造工程のプリオン削減能力の重要性が強調されております。変異型クロイツフェルト・ヤコブ病及び血漿由来製品についての推奨事項の変更はありません。以上、資料1-1、1-2の報告になります。
○田野﨑委員長 ありがとうございました。今年の1月~3月まで3か月間での14件ということですが、まず初めに、大隈参考人から、何か御追加、コメントなどありましたらお願いいたします。
○大隈参考人 国立感染症研究所の大隈です。宜しくお願いします。2つほどコメントさせていただきます。1つ目は、研究報告の6番の東部馬脳炎についてです。これは、前回の本委員会の感染症定期報告において、コメントした報告と内容が重なりますので、今回は簡単にコメントさせていただきます。米国において共通ドナーからの臓器移植を受けた3人のレシピエントに東部馬脳炎ウイルスが初めて感染して、移植後1週間以内に脳炎を発症したという報告です。東部馬脳炎ウイルスというのは、トガウイルスに属するウイルスで、蚊と鳥で感染が維持されております。馬や人には蚊を媒介して感染します。多くは不顕性感染ですけれども、感染者の4~5%に脳炎が見られ、脳炎の発症者の致死率は30%以上となっています。本研究報告において、入院時ドナーが受けた血液製剤への本ウイルス混入の証拠は挙がっておりません。ドナーには、恐らく入院直前か直後に蚊を媒介して感染した可能性があるのではないかと言われています。移植による脳炎の原因として、このウイルスは認識されていなかったのですが、本ウイルス感染の可能性を今後考慮する必要があるのではないかと考えられます。今後もこのウイルスの感染症発生動向を注視していく必要があるのではないかと考えます。
 もう1つは、研究報告7番のフラビウイルス感染についてです。これは、オーストリアにおいて2018年にウエストナイルウイルス及びウスツウイルスの最多感染者数が報告されたというものです。ウエストナイルウイルスとウスツウイルスですが、これらは両者ともフラビウイルスに属するウイルスです。両者は近縁の蚊媒介性のウイルスです。ウエストナイルウイルスの人への感染はウエストナイル熱とか脳炎、髄膜炎まで、様々な重症度の疾患を引き起こします。ウスツウイルスは通常無症状ですけれども、時折、発疹は見られますが、まれに免疫不全患者に感染して重症化することがあります。ウスツウイルスはウエストナイルウイルスよりも人に対する病原性が低いようではありますが、何かの神経疾患に関連している可能性はまだ今のところ否定できないということになります。本研究報告において、両者の流行期の早期スタートが2018年にオーストリアで見られましたけれども、他の欧州諸国においてもこの現象が見られており、この現象は蚊の繁殖に適した環境や天候の変化が関係したかもしれないと言われています。ウスツウイルス感染の場合、ウエストナイルウイルスのスクリーニング検査で疑陽性になることがありますので、このスクリーニング検査結果で陽性となった場合は、ウスツウイルス感染による可能性もあるので、詳細な解析が必要になります。これまでにウスツウイルスの輸血感染は報告されていないのですが、ウスツウイルスの病原性については今後詳細に調べる必要があるかもしれません。今後、日本への輸入感染が発生する可能性は否定はできないのですが、御存じのようにウエストナイルウイルスは米国で多くの感染者が存在するにもかかわらず、現在のところ、先月までですけれども、日本への輸入感染例は認められておりません。これらのウイルスも今後も欧州における感染症発生動向を注視していく必要があると考えております。以上です。
○田野﨑委員長 どうもありがとうございました。今の大隈参考人の御意見も踏まえまして、委員の先生方から何か御意見、御質問があれば宜しくお願いいたします。
○岡田委員 7番のウスツウイルスですか、これは元々がウエストナイルがヨーロッパの方に流行しているかどうかということで調べたところ、陽性になったということで、当初はウエストナイルかと思われたのですが、詳細に検討したら、実はウエストナイルではなくて、ウスツウイルスだったということなのです。このウエストナイルの核酸増幅検査のキットでは、このウスツウイルスを場合によっては引っ掛ける可能性があるので、この対応を考えるときに、ウスツウイルスの流行をウエストナイルと誤認すると、ちょっと対応を誤る可能性があるので、もしウエストナイルで陽性になったような場合に、本当にウエストナイルかどうか、シークエンス等を調べて鑑別する必要があるのではないかということをこの報告は示しております。
 私から幾つかありまして、1、2、3はE型肝炎の報告ですけれども、E型肝炎は遺伝子的にジェノタイプ1~4までが感染すると言われていたのですが、この報告にあるように、ラットのE型肝炎の株が人に感染すると、それが人のE型肝炎の核酸を検出するシステムだと疑陰性になってしまうということが非常に重要なのですね。ですので、この症例2の場合は、Eに対するIgM抗体が陽性ということで、それから検索が始まって、このラットだったことに辿り着いたのですが、通常の検査だと恐らく陰性ということで原因不明の肝炎、場合によってはGVHDみたいなことで処理されてしまうということです。
 ですので、臓器移植等で肝機能が悪化したときに、まれだと思うのですが、人に感染するE型肝炎の検出をやって陰性であったとしても、まれにはこのラットのウイルスによる感染もあることを考慮する必要があると思います。なお、これは前回の運営委員会のときに報告があったのですが、ウサギのE型肝炎も人に感染するのですね。すでにフランスではE型肝炎の発症例は全例登録して調べているのですが、そうすると数パーセントにウサギ由来のE型肝炎がすでに見付かっておりますので、従来考えられていたよりも、E型肝炎は人以外の株も人に感染するのではないかということがありますので、なかなかこの対策がやっかいになるのではないかと予感をさせるような1~3の報告です。
 そうかといっても、今、日本赤十字社がE型肝炎のスクリーニングを準備しておりますけれども、まずは人のE型肝炎を検出できる系を立ち上げてもらい、その後に順次情報を仕入れて、必要があれば更にブロードに検出できるような系にしていただきたいと思います。なお、ブロードに人間以外の幅広いE型肝炎を検出するようなプライマーもすでに開発されておりますので、そういうのを使って、疑わしい患者は調べるということは可能だと思います。
 あとは9番のポートからの感染です。このポートは結構臨床では使われているのですが、バクテリアの感染とかが結構気になるところで、この事例は今まで全然起こっていなくて、突然起こったということですけれども、何か生食でフラッシュをしたのがどうも原因らしいのです。今までこういう感染がなくても何か方法を変えたりすると、突然このように感染が起こることがあることを、これは示していると思います。これは一応医療安全上に重要な事例ではないかと思います。
 最後に、14番のCJD関係で、このvCJDに関して血漿分画製剤由来の製品のリダクションを評価することが推奨されているのですね。特に今利用できるデータからその製剤のリダクションを評価して、もし全くプリオンを除去するような工程がなかったら、ちょっと考えるようにというのが書かれています。その背景には、vCJDを発症する人は今はイギリスでも年に1人あるかないかの非常に低い頻度ですけれども、潜伏状態というか、異常プリオンに感染しているだろうという人は数千人に1人ぐらい存在しているのですね。その人たちは当然発症していませんから、献血をするわけです。そういう血液から作った製剤の安全性を考えて、この分画製剤の評価をするようにということが追加になったのではないかと思います。なお、輸血に関しては白血球除去フィルターを導入してから、英国においては1例も輸血による感染例はないので、白血球除去フィルターはそれなりに効果を出していると思います。以上です。
○田野﨑委員長 どうもありがとうございました。他に御意見はいかがでしょうか。
○濵口委員 意見というより、12番の、FDAが出した血小板の管理についてのガイドラインですが、日本のやっている血小板のやり方、検査の在り方とかとはかなり違うやり方かと思っているのですが、1つ気になる点というのは、最長7日まで使えるような内容になっているかと思うのです。安全性は感染の観点からいくとこういうやり方で管理できるのは理解はできるのですけれども、血小板自体の機能が、7日間こういう状況でカルチャーすることによって維持できているのかなと、少し気になるところではあるのです。日本赤十字社では、大体どの辺りぐらいまでが血小板の機能を維持するのには都合の良い期間なのか、もしあるようであれば教えていただきたいと思ったのですけれども、あればのところで結構です。
○田野﨑委員長 日赤からいかがでしょうか。
○日本赤十字社後藤安全管理課長 血小板の機能については、現在のところは4日までは大丈夫ということで普通に使われておりますけれども、承認申請の際には、もう少し長いところまで大丈夫であるというデータは取っております。ただ、アメリカで7日と言っているのは日本では8日に当たるのですが、そこまでのデータは、実験的にも、日赤ではまだ取っていないというところです。
○田野﨑委員長 ありがとうございました。他には御意見いかがでしょうか。今の12番については、確かに日本とは状況が違うかとは思いますが、4日目に関しては少しグレーゾーン的な記載があるかと思いますが、日本では4日までということで、これに対しては何か御意見、対策は、日赤としてはございますでしょうか。
○日本赤十字社後藤安全管理課長 このドラフトガイドラインでは、今5日目までが通常のところで、4日目というところは、日本で言うと5日目になってしまうので、アメリカは採血日がデイ0に当たるので、日本は採血日で1日になりますので、1日ずれることになります。ですので4日目というのは日本では5日目になりますので、日本で言ったら有効期間外の話になってしまうかと思います。
○田野﨑委員長 他は宜しいでしょうか。
○武田委員 先程の7番の、ウエストナイルとウスツウイルスの所で、これは大隈参考人にお聞きするのが良いかと思うのですが、このウスツウイルスの鑑別は、現在日本ではできるのでしょうか、教えていただきたいと思います。
○大隈参考人 御質問の件ですけれども、実際研究班等の報告、発表においては、ウスツウイルスに対する核酸検査系の開発が今行われているとのことで、正に行われているところですので、それが準備できれば鑑別は可能になってくると思います。今オンゴーイングのところかと思います。
○田野﨑委員長 大体宜しいですか。どうもありがとうございました。今後とも感染症の定期報告について続けていただければと思います。
 次に議題2に入ります。血液製剤に関する感染症報告事例等について、事務局から資料の御説明をお願いいたします。
○山本血液対策課長補佐 事務局です。それでは、資料2-1より説明したいと思います。資料2-1は、供血者からの遡及調査の進捗状況と回収報告の状況についてとなります。資料2-1の2ページ目、こちらは供血者からの遡及調査の進捗状況となっておりまして、表の一番右端が、平成30年4月1日から平成31年3月31日の速報値となっております。その期間で遡及調査の対象となった献血件数が2,059件となります。そこから対象となった製剤が2,195本となり、医療機関への情報提供は1,509本となっております。(2)の個別NAT関連情報ですが、平成26年8月からは個別NATが導入されておりますので、遡及調査の対象となった検体がプールNAT時代のものであった。今、その検体に統一NATが行われております。今回、そういった検体が3点ありまして、そこからの陽性事例としては0件となっております。続いて、3ページ目になりますが、回収状況として、平成31年1~3月のものの記載をしております。資料2-1は以上となります。
 続きまして、資料2-2です。こちらは、血液製剤に関する医療機関からの感染症報告事例等についてとなります。2ページ目、今回の平成31年1~3月の報告分のまとめを記載しております。2ページ目の一番上の1の部分ですが、この3か月間の報告で、輸血用血液製剤が23件、血漿分画製剤が5件でして、そのうち、輸血用血液製剤で4件、血漿分画製剤で3件は因果関係が否定されております。疑い事例も含めて、輸血用血液製剤のものですが、B型肝炎で4件、C型肝炎で5件、HIV感染が0件、その他として10件あります。その他は、サイトメガロウイルスが1件、パルボウイルスB19が1件、細菌等が8件となっております。パルボウイルスに関しては、献血者の検体と患者検体のウイルスで、塩基配列が一致しているという報告となっております。事例の詳細については2ページ以降に記載をしておりますので、御覧いただければと思います。
 続いて、7ページ目を御覧ください。日本赤十字社で行っている試行的HEV-NATの実施状況についてとなります。表の下から1つ上の部分が、平成31年1~4月の結果となっております。陽性者が46名おりまして、献血者数が約8万人、陽性率は0.057%となっております。検出されたジェノタイプについては、ジェノタイプ3が37件、ジェノタイプ4が7件、検査不能が2件となっております。資料2-2は以上となります。
○田野﨑委員長 ありがとうございました。以上につきまして、委員の先生方、何か御質問、コメントなどありますか。パルボウイルスの確定例が1例あったという以外には確定例はなかったということです。これも非常に珍しいですし、B型肝炎に関しては相変わらずNAT陽性の率が微妙に増えているのかもしれないようなところがありますけれども。宜しいでしょうか。
○岡田委員 E型肝炎の例で、輸血する前に、すでにもうRNAが陽性になったという症例が報告されておりますが、実はこれ、ここの委員会に報告されるのは2例目なのですね。メインは経口感染ですので、輸血を頻回にするような恐れがあるような人は輸血前の検体を取っておくことが、因果関係を解析する上からも、あと、患者さんの立場からする上でも重要ではないかと思って、輸血前の保存検体というのは大事だということを示しているのだと思います。以上です。
○田野﨑委員長 ありがとうございました。貴重な御意見です。他にいかがでしょうか。宜しいでしょうか。そうしましたら、遡及結果の報告なども含めて、事務局、宜しくお願いいたします。そうしましたら、議題3に移りたいと思います。内資系製薬企業3社による業務提携の在り方に関する2018年度のまとめについてですが、事務局より概要の説明をお願良いたします。
○大島需給専門官 それでは、事務局の方から概要を説明申し上げます。血漿分画製剤の安定供給の推進に関しましては、2017年8月に、国内の血漿分画製剤メーカー3社の連携によりまして、改善が期待できる課題について検討することを目的に検討会を設置しております。昨年度の第1回運営委員会におきまして、中間のまとめの概要を御報告いただいております。本日はその後の検討を踏まえた2018年度の取りまとめにつきまして、3社を代表して、その概要を一般社団法人日本血液製剤機構より報告いただきます。宜しくお願いします。
○一般社団法人日本血液製剤機構星山代表理事 日本血液製剤機構の星山でございます。2018年度のまとめに関して、3社を代表して、私の方から御報告を申し上げます。この後は着席でさせていただきたいと思います。
 それでは、2ページ目をお願いいたします。まず私どもは、4つの基本コンセプトである、安定供給、国内自給、国内企業の経営基盤の強化、献血血液の有効利用、この4点をベースに、日本の血漿分画事業のあるべき姿を描かせていただいております。1番目の安定供給に関しましては、必要最小限の血漿により国内需要を賄う技術を確立していくこと。そして、安全かつ高品質な製品の安定供給体制を継続していくことです。2番目の国内自給に関しましては、国産品のある分画製剤群の自給率100%を目指していくこと、そして、海外に100%依存している製品の国産化及び自給率100%を目指してきていることです。3番目の国内企業の経営基盤の強化に関しましては、全製品の基礎的医薬品化による薬価の維持を図っていくこと、そして、既存製品の改善・改良、新製品の開発にしっかりと取り組んでいくことです。4番目の献血血液の有効利用に関しましては、有限で貴重な献血血液の一層の有効利用を図ってきていることです。この中には、未利用画分及び製品の海外輸出等も含まれております。そして、その上で私ども3社は、各企業がそれぞれ独自に最大限の努力をしていくと同時に、本検討会を通じて、3社の連携をより深化させることにより、あるべき姿の実現を目指していくこと、この点を確認させていただいております。
 3ページ目をお願いいたします。3社による連携に関する具体的な検討項目です。以下にお示しさせていただいております。1番目の安定供給に関しましては、1つ目、原料血漿必要量の予測についてです。2つ目、有事に備えた各社の対応についてです。3つ目、製造拠点の集約・分散についてです。4つ目、低採算品目の安定供給についてです。2番目の国内自給に関してですが、1つ目として、アルブミン製剤の自給率の向上についてです。2つ目が、海外に完全に依存している国産化について、協議が必要な製剤についてです。3番目の国内企業の経営基盤の強化に関しましては、1つ目、薬価や流通、販売体制についてです。2つ目が、既存製品の改善・改良、そして、新製品の開発についてです。3つ目が、国内3社の技術交流です。4つ目が、原料血漿コストの低減についてです。4番目の献血血液の有効利用に関しましては、1つ目が、中間原料相互提供が必要な製剤についてです。2つ目が、免疫グロブリン製剤の製造収率の改善についてです。3つ目が、未利用画分から製造できる製剤の適応拡大等についてです。4つ目が、海外輸出についてです。その上で、現時点までに3社の連携によりまして、改善が期待できる課題に対して、共通の認識や合意が得られた内容を以下に、2018年度のまとめとして御報告させていただきます。
 4ページ目をお願いいたします。2018年度のまとめでございます。原料血漿必要量の予測に関してです。従前、アルブミン製剤の需要が我が国の原料血漿必要量を決定する最大の要因でしたが、原料血漿必要量は免疫グロブリン製剤の需要に依存するようになったことが2017年度から判明しております。また、免疫グロブリン製剤の既存効能に限定した原料血漿必要量は、2027年度で最小109万L、最大124万Lになると予測しております。今後、免疫グロブリン製剤に複数の新たな効能が追加承認される可能性もあり、それによる需要増加は原料血漿換算で15万L程度になるのではないかと予測しております。そして3社は、原料血漿必要量を抑制する方策といたしまして、免疫グロブリン製剤の製造収率を改善することに合意しております。効能の追加に伴います原料血漿必要量の上振れが、免疫グロブリン製剤の製造収率改善による下振れ効果によりどの程度相殺できるかは、現時点では明確ではありませんが、引き続き注視していく必要があると考えています。
 続きまして、アルブミン製剤の自給率向上に関してですが、国内3社のアルブミン製造能力は合計で220万本と試算しております。そして、2017年度の国内供給実績は218万本ですので、国内3社の製造能力で上回ることが分かりました。これによりまして、国内3社のアルブミン製剤の製造能力が市場実績を上回ることがはっきりしたわけです。
 次、お願いいたします。5ページ目でございます。海外に完全に依存しており国産化について、協議が必要な製剤に関してです。海外に100%依存している製品については、まず第一に、国産化に向けて努力していますということで合意をさせていただきました。今後は、臨床試験や開発技術、あるいは、代替可能な医薬品の有無や市場性、安定供給など、様々な観点から考慮いたしまして、調査検討を引き続きやっていくということです。流通販売体制の効率化ですが、国内のアルブミン製剤を一本化することで、献血由来製剤の価値に見合った取引が可能になるのではないかという意見があり、その方法といたしまして、各社製剤の販売名を統一するようなことがなくても、流通販売体制の一本化を図ることで、同様の効果を発揮することが可能となるのではないかという考えの下に、流通販売体制の効率化について、実現のある方策を引き続き検討していくことになりました。また、本検討会におけるこうした議論を契機といたしまして、KMバイオロジクス株式会社が製造しているアルブミン製剤を含む一部の血漿分画製剤を一般社団法人日本血液製剤機構が販売することについて、2019年1月に公表させていただきまして、国内献血アルブミン製剤の販売体制は新たな段階を迎えたというふうに、私どもとしては考えております。
 国内3社の技術交流に関してでございます。ウイルス安全性に関して、意見交換を行う各社の専門家による分科会を設置いたしまして、以下の項目について、現在、鋭意検討しています。1つは、ウイルス安全性についての意見交換を実施しております。そして、ウイルスクリアランス試験実施報告に関する意見交換なども行っております。また、エマージングウイルスに対する血漿分画製剤の安全性についての意見交換なども、現在、やっています。
 次、6ページ目をお願いいたします。原料血漿コストの低減についてですが、こちらに関しましては、原料血漿価格の低減化に向け、原料血漿に求める品質仕様についての意見交換を行っております。今後は、品質仕様変更の影響や原料血漿コストの低減効果、その実行可能性などを含めまして、日本赤十字社との協議が必要であろうというふうに考えております。
 中間原料の相互提供に関してでございます。こちらに関しましては、アルブミン製剤については、現行の3社の製造能力でその市場を十分に満たし得ることが確認されておりますので、そのため、各社のアルブミン製剤の需要に見合うような原料血漿が配分されるということであれば、アルブミン製剤の中間原料の相互提供が必ずしも必要ではないと考えております。一方で、各社への原料血漿配分量とアルブミンの販売量に不均衡が生じた場合は、近い将来、中間原料の相互提供が必要との状況が想定される場合には、その対応に必要な期間や、各社中間原料の在庫の消尽時期も考慮した上で、改めて相互提供について検討していきたいと考えております。
 最後に、海外輸出に関してでございます。国内自給を達成し、かつ、余剰の製品である血漿分画製剤については、当該製品を海外に輸出するすることにより、原料血漿の更なる有効利用を図ることを検討しております。ただし、輸出先国が当該製品を自給できる環境にない状況下での、医療支援としての位置付けということで実施すべきであり、最終的には、製造受託とか技術支援などの、自給に向けた支援を行うべきであると考えています。また、輸出に際しましては、当該国の製剤需要や販路について精査することが必要であろうと考えております。以上でございます。
○田野﨑委員長 ありがとうございました。3社を代表してプレゼンテーションしていただきましたが、委員の先生方、御意見、御質問などをお願いいたします。
○花井委員 大分具体的な話になってきて、なかなか心強いように思います。アルブミンが、今の現状でちょうど良いというか、それで何とかいけると。あと、薬価の問題を解決していくということと、それから、卸の問題を解決していけば理想的な状態に近づくということだと思うのです。今、免疫グロブリンについて、今後の動向によってそれはかなり左右されていくことが示唆されています。適応拡大しても、125万ぐらいだと何とかなりそうに思えるのです。125万ぐらいだと、今の現状、日本赤十字社として何とか回せるみたいなニュアンスなので、その辺で落ち着けば理想的な血液事業になるのかとも思うのですが。今、3社でやっているのですけども、製薬のシャイアー社が武田傘下となり採血もやり、グローバルな分画製品もやっておられると思うので、日薬さんはどういう形になるか分かりませんが、そうなってくると今後は武田製薬さんにも来ていただいて、ヨーロッパでは採血もやって、自社で回して、それで製造もするというビジネスモデルを持っていて、日本の事業とは根本的に違うのだけど、血漿の質とか、そういうものを考えるところでは非常に重要なので、もし武田さんが全体で協力してくれるとかなり心強いと思うのですが、これは日薬さんからコメントをもらえるものですか。難しいですか。
○日本製薬株式会社浅田取締役事業戦略本部長 日本製薬の浅田でございます。御質問ありがとうございます。シャイアー社の合併が今年の1月に正式に決まり、大枠が決まったところで、日本において血漿分画製剤を今後どういうふうにやっていくかという議論は日本製薬と武田薬品との間ではまだ始まっておりませんので、これからになります。ということなので、今は、どういう方向でということはお答えできないですが、委員の先生方のお考えとかを汲み取って、武田薬品と協議をしていきたいと考えております。
○花井委員 シャイアー社は、古くからヨーロッパで、自社で集めて自社で売るという事業をグローバルに展開しておられるので、かなりそういうノウハウは参考になるところなので、是非お願いしたいというふうに思います。
○田野﨑委員長 ありがとうございます。他の御意見はいかがでしょうか。また引き続き、非公開部分がございます。そうしましたら、国内3社におかれましては、血漿分画製剤の安定供給など、協力して取り組むことができる分野に関して、今後も検討を続けていただければと思います。それでは、本日の公開で行う議題についてはここまでということで、何か他にありますか。そうしましたら、次に非公開の議題に移りますので、事務局、お願いいたします。
○山本血液対策課長補佐 事務局です。田野﨑委員長、ありがとうございます。それでは、議題4について、非公開で行いますので、傍聴の皆様に関しては御退席のほどを宜しくお願いいたします。大隈先生と日本赤十字社の方におかれましても御退席のほど、宜しくお願いいたします。
                     
(了)