2019年03月22日 第13回食品衛生管理に関する技術検討会 議事録

日時

平成31年3月22日(金)14:00~15:53

場所

TKP新橋カンファレンスセンター ホール2A

議題

  1. (1)食品等事業者団体が策定した衛生管理計画手引書案の確認
       ・牛乳類の製造
       ・パン粉の製造
       ・食肉の販売
     
  2. (2)その他

議事

議事内容
○五十君座長 それでは、定刻になりましたので、「第13回食品衛生管理に関する技術検討会」を開会いたします。
 本日は、関根構成員、中村構成員から御欠席の連絡をいただいています。
 また、オブザーバーといたしまして、国立保健医療科学院の温泉川上席主任研究官と農林水産省食料産業局食品製造課食品企業行動室の都築室長に御出席をいただいております。
 それでは、議事に入る前に事務局から配布資料の確認をお願いいたします。
○事務局 ありがとうございます。
 本日は、ペーパーレスでの開催とさせていただいておりまして、会議資料につきましては、一昨日の16時に厚生労働省のホームページに掲載しております。
 御用意しております資料は、議事次第、座席表に続きまして、資料1として「HACCPの考え方を取り入れた牛乳・乳飲料製造の衛生管理計画作成のための手引き(案)」、資料2といたしまして「パン粉のHACCPの考え方を取り入れた衛生管理のための手引き書(案)」、資料3といたしまして「食肉販売業向けHACCPの考え方を取り入れた衛生管理のための手引き書(案)」、資料4といたしまして「小規模な食肉処理業向けHACCPの考え方を取り入れた衛生管理のための手引き書(案)」を御用意しております。
 また、参考資料といたしまして、本検討会の開催要領と衛生管理計画手引書策定のためのガイダンス(第3版)も御用意しております。
 資料の不備等ございましたら、事務局までお申しつけください。
 また、冒頭の写真撮影等はここまでとさせていただきたいと思いますので、御協力よろしくお願いいたします。
○五十君座長 資料は大丈夫ですね。
 それでは、議事に入ります。
 本日は、食品等事業者団体が策定した衛生管理計画手引書(案)の確認です。確認の進め方は手引書(案)を作成した事業者団体様から10分程度で説明していただいた後、構成員の皆様より10分程度の質疑応答をお願いしたいと考えております。
 時間が超過しそうな場合は途中で声をかけさせていただきますので、議事録に皆様の御意見を残すために質問の概要のみ御発言いただき、詳細につきましては、後ほど事務局にコメントとして御連絡いただく形で進めさせていただきたいと思います。
 それでは、事務局より説明願います。
○事務局 それでは、資料1をお開きください。
 こちらは、一般社団法人日本乳業協会様が作成したHACCPの考え方を取り入れた牛乳・乳飲料製造の衛生管理計画策定のための手引書(案)となります。こちらにつきましては、団体様のほうから御相談をいただきましてから、今月の上旬に構成員の先生方と事前の意見交換を行わせていただきまして、その際に出たコメント等を踏まえて修正をいただいた手引書(案)について、本日、団体様のほうから御説明をいただきたいと思います。
 それでは、一般社団法人日本乳業協会様、どうぞよろしくお願いいたします。
○一般社団法人日本乳業協会 一般社団法人日本乳業協会と申します。私、藤原と有働でございます。本日はよろしくお願いをいたします。
 それでは、お手元の資料に沿いまして簡単に御説明をさせていただきたいと思います。
 HACCPの考え方を取り入れた衛生管理計画作成の手引ということでございまして、私ども全国乳業メーカーを管轄する団体でございますけれども、今回は、小規模な乳業施設を対象にHACCPの考え方を取り入れた衛生管理に必要な事項についてまとめさせていただきましたので、説明をさせていただきます。
 2ページで、「はじめに」というところに記載しましたとおり、本手引(案)の対象になるのは、1日10トン程度の生乳を処理する従業員数30人未満の規模の施設を想定しております。対象施設におけます主要な製品である牛乳・乳飲料、ここではミルクコーヒーということで取り上げておりますけれども、例示をして作成しております。
 これらの製品の殺菌条件については、御承知かと思いますけれども、乳等省令において、保持式により63℃で30分間加熱殺菌をするか、また、これと同等以上の殺菌効果を有する方法で加熱殺菌することと規定されております。
 ここでは、殺菌方法としてはいろいろなバリエーションがあるだろうということを想定いたしまして、低温長時間、通常はLTLTと言っています殺菌。それから、高温短時間、HTSTと言っています殺菌。それから、超高温、UHTと言っています殺菌の3つを例示として採用しております。
 それから、ここに記載はございませんけれども、既に乳・乳製品についてHACCPの取り組みは長いものですから、厚労省のホームページにこれらの製品を含みますHACCPのモデル例が掲載されておりまして、今回、これをもとに工程、危害要因分析の例示を記載いたしました。
 本手引では、HACCPの考え方を取り入れた衛生管理を導入するために、乳業工場において必要な一般衛生管理について記載して、一般衛生管理、重点衛生管理、記録様式からなる衛生管理計画作成の仕方を述べて、殺菌工程を重点的に管理する方法ということで示しております。
 では、簡単に内容の説明をさせていただきます。
 背景としましては、本手引書の内容について、平成26年に管理運営基準のガイドラインが、いわゆるHACCP導入型基準ということで、通知されて以降、私ども乳業協会において会員等への普及・教育のためにHACCP導入講習会であるとか、HACCP専門家養成講習会において講習資料としてHACCPプランを含めたものを作成して、参加者が作成・討議した危害要因分析の講習の成果を踏まえたものでありまして、これは大規模施設ばかりでなく、小規模な乳業施設であっても、一般的な乳業メーカーであれば対応できる内容であると考えております。
 本日の資料は、この手引書(案)の検討の段階でいろいろな御指摘をいただきました記載内容を修正いたしまして、本日提示しました内容について手引の対象となる小規模な施設に確認を依頼して、本日までに私どもが確認した内容では対応できる内容であるということの意見をいただいているところでございます。
 それでは、3ページから「2.製品、製造工程の概要の確認」ということで、いわゆる製品説明に当たる部分が「(1)製品概要」でございます。
 4ページ以降ですけれども、「(2)製造工程図」ということで、1が牛乳の紙容器、2が乳飲料の瓶容器ということで、若干製造工程等に相違があるということで例示をさせていただいております。
 これらの原料になります生乳でございますけれども、これは適切な衛生管理のもとで酪農家で搾乳されて、適切な温度管理のもとに注入された後にタンクローリーで酪農家から集乳されて、集乳担当者が乳温等を確認して、異常のない旨が記録されたものを受け取るというものでございます。
 それから、牛乳の成分であるとか、抗生物質の残留であるとか、微生物等について、別途、生産者団体において確認されていて、工場においては受け入れ時に送乳伝票の確認であるとか試料採取を行って、乳質の検査を実施して、受入の可否を判定する内容になっております。
 それ以降、御存じだと思うのですけれども、受入された後、ろ過、冷却を経て貯乳されて、清浄化、予備加熱を経て、均質化され、殺菌される。殺菌の方法は先ほど申し上げたようにこの3つの方法があるだろうということで、記載させていただいております。
 5ページの乳飲料につきましては、基本的には生乳を使うということなのですけれども、生乳以外に副原料であるとか、工程からの回収液を使用するということで、同様に混合、調合して、清浄化、加熱、均質化、殺菌されて、ガラスの瓶詰めをされるというものが主な工程でございます。
 6ページから、「3.製造工程における危害要因と対応する管理措置(例示)」ということで、生乳の扱いであるとか製造方法によっていろいろなことが考えられるかと思いますけれども、代表的なものを記載した。それから、危害要因については、基本的には今まで総合衛生管理製造過程などで実施してまいりましたので、そういったものを考慮しようということで考えて、ここに一覧表として記載しております。
 7ページ以降に、文章で生物的危害要因あるいは化学的危害要因、物理的危害要因を記載させていただいています。
 8ページ以降、「(2)製造工程における危害要因の分析表」でございまして、いわゆる危害分析の結果をお示しするということで、よく使われる表を記載させていただいております。
 製造工程のうち、殺菌工程でございますけれども、生乳等に由来する各種の病原微生物、特に芽胞非形成の細菌でございますけれども、これを死滅させる唯一の工程ということで、本手引においては、殺菌工程を重要衛生管理(CCP)にしております。
 それから、例示しましたLTLT殺菌でございますけれども、プレート加熱で昇温してからタンクに送液されるということで、加熱殺菌の条件を65℃30分としております。連続殺菌でございますけれども、熱交換機内を均質機の定量ポンプによって一定の流量が保たれることを前提に殺菌温度を、HTSTでは72℃以上、UHTでは125℃以上を維持して管理することとしております。殺菌後はプレートにより直ちに冷却され、殺菌後わずかに生残した微生物の増殖を防止するために、直ちに冷却して、製品温度が10℃を超えないように管理する内容になっております。
 9ページから23ページまで牛乳・乳飲料の危害要因ということで、説明は省略をさせていただきます。
 続きまして、24ページから「一般衛生管理の具体的事項」ということでございまして、小規模な乳業施設において実施する一般衛生管理のポイントについて説明しております。ここはポイントだけでございまして、詳細は衛生管理計画の作成に例示させていただいております。24ページから26ページまでがその記載になっております。
 27ページから、衛生管理計画の作成と記録について例示しております。衛生管理計画の作成ということで、一般衛生管理、重点衛生管理、それぞれの記録様式からなる文章を作成するということでございまして、28ページ以降に「(1)一般衛生管理の計画」について、「施設・設備、機器等の維持管理」。32ページからが2として、「測定機器の校正」。それぞれどんな内容を実施するのかということと、それに伴う記録様式事例を示しております。33ページが「設備、機器類の温度管理」と記載させていただいています。
 34ページ以降は「原材料、製品等」ということで、生乳受け入れから始まって、貯乳温度であるとか、充填、製品の検査、製品の保管であるとか、それ以外の従事者の衛生であるとか、従事者の衛生教育についての様式を記載してございます。
 36ページ以降は、今まで申し上げた一般衛生管理の事項に関する記載例ということで、幾つか記載したものを提示させていただいております。
 42ページから「(2)作業手順書例」ということで、一般衛生管理の中の代表的なものということで、1としてCIP洗浄作業の手順。43ページが2として手洗浄による洗浄・殺菌の手順。44ページが3として洗瓶作業の手順書ということで、瓶容器は御存じだと思いますけれども、通い瓶ということでございまして、回収された瓶について、キャップ、異物、異瓶、破損瓶、傷瓶、スレ瓶を目視で除去した後、使用前に所定の機能で駆動することを確認した洗瓶機で洗浄・殺菌をするという代表的な手順を記載したということでございます。
 45ページ以降でございますけれども、殺菌工程の衛生管理において、46ページからはLTLTの保持殺菌ということで、加熱殺菌を65℃以上30分間。49ページ以降はHTSTは殺菌温度を72℃以上、UHTは125℃以上を維持して管理するということにしております。加熱条件ごとにHACCPプランの例、管理記録と記載例、55ページですけれども、CCPの検証に参照する記録記載例ということで、CCPに関連するような記録の参照例を示しております。
 最後56ページでございますけれども、一般衛生管理のところで、特に牛乳製造の場合には工程に沿って必要な機械、器具類を使用するということで、それぞれの機械が正常に動くかどうかということが、衛生管理上も非常に重要だと考えております。ただ、それぞれの施設によって置いてある機械、使用する機械はバリエーションがあるだろうということで、該当する施設に設置された機器類に応じた点検を実施するということで、その機械ごとに想定される点検ポイントとなる事項を参考として示しまして、選択して使用できるようにいたしました。
 以上、本手引は牛乳・乳飲料の製造施設で一般衛生管理を実施して、殺菌工程を重要衛生管理とする方法を示しておりまして、対象事業者はみずからの施設において原材料、製品、製造工程、使用する容器であるとか製造機械に応じてそれぞれの様式から取捨選択して計画を作成する内容になっております。
 説明は以上でございます。
○五十君座長 ありがとうございました。
 ただいまの資料1についての説明に関しまして、御質問や御意見がございましたら、お願いしたいと思います。
 いかがでしょうか。河村委員どうぞ。
○河村委員 連続殺菌の管理基準を温度にされたということですけれども、これは一定の流量で流れているという前提ということですよね。
○一般社団法人日本乳業協会 そうです。
○河村委員 そうした場合、流量計の校正とかは特に要らないですか。定期的に校正するとか。余り細かくするのもあれなのですけれども。
○一般社団法人日本乳業協会 これは前提が、前についているポンプの性能によって流量が決まります。そのポンプの性能が落ちて流量が減っている場合は、逆に時間がかかるわけですから、ポンプのマックスの噴出性能のチェックをすることで、管理項目として流量を削除することができるという思想でございますが、
 手引書に追記する形で流量の確認については触れておこうと思います。
 ありがとうございます。
○五十君座長 よろしいですか。
 荒木委員、どうぞ。
○荒木委員 大きく分けますと2点ありまして、1つはリターナブルの部分の瓶のことなのです。フローダイアグラムで5ページを見ていただきたいのですが、まず、瓶の容器の受け入れというところは、下の方に25番と28番の工程で書いてありますので、31番の洗瓶は水がやってくるのですよね。上の方の水道水の矢印が洗瓶には入ってきていないのですけれども、これは入れていただく。
 それから、リターナブルの部分の瓶と乳の瓶、新しい瓶の両方を受け入れますよね。そして、その工程を複雑にしたくはないので、このままでいいと思うのですけれども、例えば28番の保管の工程では、リターナブルの瓶はどういう条件で保管するのでしょうか。新しい瓶は常温次第でもいいと思うのですけれども、返ってくる瓶は、どこかで事前に洗っているわけではなくて、私もユーザーですが飲み終わったら水道水で洗ってキャップをして牛乳屋さんに返すという程度なのです。
 そうすると、当然、菌はいますよねということになると、リターナブルの瓶の保管は多分低温管理をするのか。しないのだとすると、ここは確かに菌が増えるということになるのではないかと思うのです。もしそこが、状況がどうかによってここの31番、32番のところは一般衛生管理で管理できるといってCCPにはしていらっしゃらないので、ここの保管の条件は重要なのではないかと。
 これに関連していきますと、例えば検瓶機などでも菌の生残と書いてあるのですけれども、検瓶機では菌の生残は見えないだろうと。ハザード分析の方で29ページになるのですが、多分見えないだろうなと。ハザード分析表のところにも書いてあるのですが、22ページですね。検瓶のところは微生物の残存となっていて、衛生管理手順で管理できるということになっています。ここはCCPにしないでも管理したいというお気持ちはよくわかりまして、手順のところも拝見したのですが、工程が終わったときに失敗している要素がないように、先に洗剤の濃度と塩素の濃度を確実にしておけば洗う工程では失敗がないですという発想になっていると思います。
 そうすると、洗剤の濃度が1%と書いてありますが、洗剤の濃度はどうやって毎日確認するのですか。洗剤の濃度は入れる手順で規定しているのではないかと思って、もうちょっとハザード分析の工程の説明がやや足らずシンプルになっていますので、ハザード分析表の第4欄のところにもう少し詳しく書いていただいたほうがいいと思うのです。
 瓶の取り扱いの不備、保管時の管理不足により、病原微生物が存在する可能性があるが、後工程でとおっしゃっていると、保管のところは不備がありますと宣言しているような感じになるので、保管のところも気をつけているが、後工程があるとしないといけない気がいたしました。
 そうすると、瓶の保管のところは菌の汚染となっているのですけれども、ここは増殖もあり得るのではないかということで、瓶のところは返ってくる瓶と新しい瓶があって、それを保管して洗ってというところのもう少し書き込みをしていただければよろしいかと思いました。
 もう一点が、HACCPプランのほうで、毎日微生物の検査をロットごとにされるとおっしゃっているのですけれども、これはこの病原体の検査を全部やっていらっしゃるのですか。小さな加工施設さんでも必ずこの菌の検査はできるようになっているのでしょうか。
○一般社団法人日本乳業協会 小規模事業者さんの調査では、微生物の検査は大腸菌群の検査のみです。
○荒木委員 そうですよね。
 そうすると、ゴールのところの病原菌がいろいろ出ておりますけれども、その衛生指標菌としては、何法による大腸菌群陰性というものをゴールにしておかないと、菌の検査を全部やっているかなと思ってしまいました。そのときに心配なのは、リステリアは大腸菌群ではないので、ここはどう考えておきますか。ただし、大腸菌群は加熱の指標ということでここではリステリアも込みにして大腸菌群で見ることにするとしていただければ、小さい事業者さんでもできるようになっていることがよくわかります。
 以上です。
○一般社団法人日本乳業協会 ありがとうございます。
○五十君座長 瓶以外は、CCPにする必要はなくて書きぶりで対応ということでよろしいということですか。
○荒木委員 状況によっては、リターナブルの瓶の洗浄はCCPだという意識をしていただいてもいいのですけれども、それは何とも言いがたいです。どういうところのユーザーさんに配達をしていて、そこから返ってくるものが健全な消費者レベルでちゃんと返ってくるのだったらCCPにしなくてもいいのですが、昨今、いろいろございますから、そういう意味では重要だとしてもいいと私は前から思っていました。そこは判断していただければと思います。
○五十君座長 ほかにございますか。
 富松委員、どうぞ。
○富松委員 御説明ありがとうございます。
 46ページのHACCPプランのところで質問があります。
 65℃以上30分という設定なのですけれども、HTSTやUHTだと滞留時間も短く、温度管理を記載すれば問題ないかと思うのですけれども、65℃の30分の殺菌で、バッチではなく滞留管を使う場合はその設計は非常に大事だと思います。これはメーカーさんが設計されるのだろうと思うのですけれども、乱流とかピストンフローだったら問題ないのですが、層流だった場合、どう設計するかとか、滞留時間の設計の方法についても必要な注釈があるべきだという意見を申し上げます。
 もう一つ意見なのですけれども、7ページの「生物的危害要因」の最後に「殺菌前の工程で、乳の温度を低く保つことが重要です」という言葉が使われていまして、さらに25ページの「増殖しないうちに殺菌処理を行うことが重要です」と書いてあって、ほかのところは「必要です」なのですけれども、ここは「重要です」と書いてあるのです。
 CCPにする必要はないと思いますが、記録のところで34ページ等に貯乳温度が書いてあるのですけれども、ここはただ温度の記載だけになっているのですが、「重要です」と書いてあるポイントなので、注釈がある、例えば何度以下という基準が書いてあるなりしたほうが、いいのではないかという提案です。
 以上です
○五十君座長 よろしいですか。
 ほかにございますか。
 私から、乳等省令上の殺菌温度が63℃30分と規定しておりまして、この手引書の中ではほとんどが65℃を使っています。65℃以上という表現になっていると思うのですが、そのあたり、実際にはどうなのですか。65℃よりもやや低いところで殺菌したいとか、63℃を使いたいなど、なるべく低温で殺菌したいとかいろいろな要求があると思います。手引書で書いてしまうと65℃が新しい基準となってしまうので、その表現を工夫してください。乳等省令の基準と異なる2℃の差が、手引書を読む側が混乱することがないようにしておいていただきたいと思います。
 あと、先ほど富松委員から出てまいりましたバッチ式の場合、滞留とかいろいろな問題とジョイントの部分の過熱が不十分となりやすいなどの注意点があると思いますので、そういった点に関する配慮をするような記載を追加していただけませんか。ぜひ検討してください。
○一般社団法人日本乳業協会 はい。
○五十君座長 ほかにはありますか。よろしいですか。
 ないようですので、どうもありがとうございました。
 それでは、次に参ります。
 続きまして、資料2につきまして、事務局より説明をお願いしたいと思います。
○事務局 それでは、資料2のファイルをお開きください。
 こちらは、全国パン粉工業協同組合連合会様が作成したパン粉の製造におけるHACCPの考え方を取り入れた衛生管理のための手引書(案)となります。
 こちらの手引書(案)につきましても団体様のほうから御相談をいただきまして、本年の1月に構成員の先生方と事前の意見交換を行わせていただきまして、その際に先生方から出されたコメント等を踏まえて修正をいただいた手引書(案)について、本日、団体様のほうから御説明をいただきたいと思います。
 それでは、全国パン粉工業協同組合連合会様から、御準備できましたら御説明のほう、どうぞよろしくお願いいたします。
○全国パン粉工業協同組合連合会 全国パン粉工業協同組合連合会の小谷でございます。どうぞよろしくお願いいたします。また、こちらは、今回の手引書作成に当たって、主査としてまとめてくれました亀田でございます。どうぞよろしくお願いいたします。
○全国パン粉工業協同組合連合会 それでは、パン粉のHACCPの考え方を取り入れた衛生管理のための手引書(案)としての内容を説明させていただきます。
 まず、本手引書の対象となる事業所の考え方ですが、全国パン粉の組合の工場は、現在、約40工場ございます。その中の規模としまして、4名から50名未満が全体の62%で、50以上が38%の状態でございます。これら小規模の工場、手引書の中では2枚目に数人から数十人と書かせていただいていますけれども、そちらを対象にして、今回、手引書を作成させていただきました。
 対象となるものとして、パン粉といいましても、大体分類としまして3種類ございまして、3ページの下のほうに補足として書かせていただきました。大きく分けますと、乾燥パン粉、セミドライパン粉、生パン粉の3種類がございまして、これらについて管理していきたいという内容です。
 前回、作成しましたときに、これらについての管理基準や規定といったものが漏れていたということがありましたので、今回、こちらに記載しました。法的内容とか要冷蔵の余熱だよということが書かれております。
 次のページには、危害分析を書かせていただきました。乾燥パン粉、セミドライパン粉、生パン粉、前半のパンを調整する分に対しては工程が共通でございますので、分析内容が一緒になるかと思います。
 次の5ページ目の下のほうになってきますと、粉砕後の工程で、乾燥工程があるもの、ないものが乾燥パン粉、セミドライパン粉、生パン粉で変わってきますので、その辺を整理してまとめた表になります。
 次からは、実際にどういった危害が考えられるかということを具体例とかをまとめて出したものと、後半の9ページには危害とは言えないものの、実際お客様に迷惑をこれまでかけたことがあるような内容とかについても管理すべき点としてまとめております。毛髪とか生地の問題とかいったことがございましたので書きました。
 その後、一般的衛生管理のポイントとしまして、こちらは食品工場として当たり前といわれるもののあえてですけれども、書かせていただきました。その後半の15ページの3-2に製品の特性に応じた衛生管理のポイントとしまして、我々、パン粉として取り組んでいかなければいけないものを列記しました。特に、パンの焼成につきましては、パン粉になるパンは焼き色がついたもの色の濃いものからついていない白っぽいものまでいろいろありますので、見た目だけではなかなか判断ができないということです。マシンを測っていただければ一番安心なのですけれども、なかなかそこまでやりきれない工場さんがございますので、パンを割って内層を確認するといったことで管理しましょうという内容を書かせていただいています。
 あと、パン粉独特とした放冷という工程が入ってきます。そのときの汚染防止についてもコメントいたしました。5番目として、乾燥パン粉の水分につきまして、温度管理の設定が重要になることも書かせていただきました。
 あと、前回、アルコールで消毒ということをこのテキストでずっと書いてあったのですけれども、アルコール以外もあると御指摘いただきましたので、工場によってさまざま殺菌剤がございますので、その旨をアルコールなどの工場の定める殺菌剤という言い方で変更して対応しました。
 7番目として、硬質プラスチック、金属片、特にパン粉の場合ですと金属の粉砕器という高速で回転するものを使いますので、それ自身の破損とかそこに金属が入ってしまうことでの危害がございます。また、ほかのラインの部品の欠損とかで危害があるので、金属検出器がない場合も対応したいと思いましたので、製造前と製造後の確認をしましょう。そして、記録を残しましょうということをここに書かせてもらいました。
 ここで、16ページの上から6番目のポツに、P154と書いていますけれども、7になります。
 18ページからは、実際の危害について計画表を例示させていただいております。前回作成したときには、例示して、その後の記入欄とかを自社で作成いただく場合は、空欄にしていたのですけれども、実際、工程はほとんど似たり寄ったりだったので、例えば22ページの金属検出機の作業前、作業後及び空白時間、空白にしたのですけれども、会社の事情とかに合わせて記入していただければということで作成しました。
 28ページに11番、硬質プラスチックの混入防止、金属検出機のない場合の金属異物確認ということで、具体的な点検箇所、どういったところが必要なのだろうかがわかりづらい内容でしたので具体的な例、1にミキサーとか分割機とかいった名前を書いて、点検項目として各工場さんがしやすいように部分を書いておきました。
 その後に記入用紙がついてまいります。記入欄は必要な点検項目に応じてつくらせていただきまして、記入例のほうで、実際に金属検出機が正しく動かなかった場合の記入例を書いて、こういったふうに書くとよろしいという例示もさせていただいております。
 各工程で基準を設けましょうと書いた文に対しては、基準をあらかじめ書いてもらってそれに対してどうだったという記入ができるようにしております。
 あと、導入するに当たってなかなか手順書とか日報とかがそろっていない工場さんがございますので、なるべく簡単にしたいということで、週に1枚で管理できないかということで、週報でまとめたものをつくったのですけれども、実際に工場さんで運用いただいたときに何かがあったときの記入欄がないということがございまして、2枚にわたってしまったのですけれども、1週間に2枚で済むようなものをつくりました。特記事項を大きく書いて、そちらにその週にあったことを記入していただくようなこと。例示の中にも実際に金属検出機が動かなかったよ。どう対応したよということを書いておきました。
 最後に45ページに、HACCPのこういった管理は1回つくってしまったら終わりではなく、改善し続けることに意味があると思いますので、手直し、振り返って確認しましょうということを設けさせてもらっています。初めは簡易的な日報からスタートするかもしれませんけれども、徐々にグレードアップしていただければということを望んで書かせてもらいました。
 今後の展開としまして、組合の工場様のほうにはブロックごとで説明会をいたしまして、そちらで落とし込むような形。説明だけではなかなか導入しづらいと思いますので、質問等を組合のほうで受け付けて、浸透させていければと思っております。
 以上です。
○五十君座長 ありがとうございました。
 ただいまの資料2についての説明につきまして、御質問、御意見がございましたら、お願いしたいと思います。
 荒木委員、どうぞ。
○荒木委員 エディトリアルなところは一つあったのですけれども、それは後でコメントさせていただきます。
 11ページ、トイレの管理の下の補足のところの2つ目のポツに「手洗い場も同様に消毒する」と書いてあるのですけれども、全体を通して拝見すると、手洗い場が全く登場しないのですけれども、手を洗わなければならない状況はそれほど多くないということなのでしょうか。
○全国パン粉工業協同組合連合会 生パン粉に対しまして、やはり菌的汚染があると大変面倒なことになりますので、手洗いは必要です。
○荒木委員 そうですよね。特にノロウイルスの問題とかありますので。
 そうすると、どこに書いたらいいのかなということが非常に悩ましい部分ではあったのですが、手洗い場もトイレの出入り口にあります手指洗浄設備は幾つかの要件を満たしていただきたいわけで、洗剤ですとかペーパータオルあるいは乾燥機器、殺菌剤とかの維持管理が大切であるということはどこかに書いておいていただいて、日常的な点検もトイレを掃除したというだけではなくて、トイレ全体あるいは手洗い場全体が1日中きちんと管理されていて、従業員のどなたでもすぐに使える状態になっていることは、チェック項目を入れていただけるといいと思いました。
○全国パン粉工業協同組合連合会 確かにトイレしか書いていないので、どこかに工場入場時とかトイレのときの手洗いということ。
○荒木委員 それと、トイレの掃除だけではなくて、会社側としては手洗い設備を維持管理するということでいきますと、洗剤とか殺菌剤だとか、できればペーパータオルのほうがいいかもしれないのですけれども、タオルの使い回しはいけませんとかいう注意事項を書いていただけるといいと思いました。
○全国パン粉工業協同組合連合会 その辺の手直しをさせていただきたいと思います。ありがとうございます。
○五十君座長 よろしいですか。
 ほかにありますか。
 河村委員、どうぞ。
○河村委員 手引書のことではないのですけれども、業界全般の関係でお聞きしたかったのですが、今、連合会に入っておられる施設は40施設ぐらいでよろしかったですか。それでアウトサイダーというか、組合に入っておられないところは結構あるのでしょうか。
○全国パン粉工業協同組合連合会 実際に把握はできていないですけれども、結構大量にやられているところも2、3社あります。
 特に東京に多いのですけれども、細かい昔ながらの形でパンを粉砕して近場にくばっておられるようなパン粉をやられているところもあります。全体像としては把握しかねています。
○河村委員 そういったところへのこの手引書の普及は、連合会さんでやられるとお考えでしょうか。
 今、これらの施設はどこの自治体でも要許可施設になっていないので、把握されていないと思うので。
○全国パン粉工業協同組合連合会 私どもが把握し切れていない部分もありますし、私ども東、西、中部、北海道の協同組合35社が連合会を組みまして、全国パン粉という形で今回手引書をつくらせていただいたわけですけれども、それを全体に周知徹底する方法を、統計をお出しになっている会社は私ども連合会の事務局で月報としてまとめておりますので、そのあたりからどういう対応をするかということは考えたいと思います。役所の方とも相談をさせていただかないと、私どもが連合会として統計をとっているわけではありませんので、また、後日相談させていただきます。
○河村委員 もう一点。パン粉をつくっている施設は、パン粉以外にそもそものパンをつくっているとか他の業を兼ねているところは結構多いのでしょうか。
○全国パン粉工業協同組合連合会 私ども全部把握しているわけではありませんので、確かにパンをつくるのとほぼ同一の手順で、あとは粉砕をするだけということになります。
 パン屋さんがパン粉をおつくりになって販売されても我々はちょっと知らない部分になりますので、逆に、我々の同業組合の中では、例えば米粉をもともとつくっていて、それでパン粉をつくり出して今,両方やられている、ただし、工場は別という形での共業は
ありますけれども、パン粉はパン粉としての専用工場でおつくりだというふうに解釈しておりますけれども。
○五十君座長 よろしいですか。
 ほかにはございますか。
 では、私から、最初の2ページの冒頭のところに、「2.パン粉の危害要因などそれらの対応」と、この業界の全体像が書かれているかと思います。それを見ますと、「これまでパン粉を原因食品とする食中毒は、問題になるという状況ではありません。」だから、「これは事業者皆様のご尽力に加え」と書いてあるのですけれども、この「ご尽力」は具体的に何でしょうか。基本的には適切な食品衛生を行うことだと思いますので、その表現にしておいたほうが良いと思います。そうでないと、後に生パン粉の温度管理が必要という内容が出てくる根拠が希薄になってしまうと思います。その段階で、衛生管理を適切に行うということに加えて、焼くことにより安全であるとして置いたほうがよいと思いますので、御検討いただければと思います。
 それから、もう一つ。記載例を示していただいている44ページを見ると、全部「良」に○が打ってあるのですか。
 この「否」が下のコメントになっているのですね。
 「良」のときはいいと思うのですが、「不」とついたときはどこにコメントを書くのかわかりにくいです。どこに書いたらいいかわかりにくいです。実施というところがそれなのですか。
○全国パン粉工業協同組合連合会 実施は教育の実施。
○五十君座長 ここではないですね。
 「不」となったときに書く欄をつくってください。検討をお願いします。
 ほかにございますか。よろしいですか。
 富松委員、どうぞ。
○富松委員 一つだけ、45ページの振り返りのポイントで、手引書でよく書かれていることが、同じようなトラブルはなかったか。それがその後の是正だけではなく、横展開とか予防措置につながっていくので、入れたほうがいいのではないかという提案です。
○五十君座長 よろしいですか。
○全国パン粉工業協同組合連合会 はい。
○五十君座長 お願いします。
 ほかにはありますか。
 それでは、どうもありがとうございました。
 続きまして、資料3、資料4につきまして、事務局より説明願いたいと思います。
○事務局 それでは、続きましては、資料3と資料4の2つになります。
 こちらは、全国食肉事業協同組合連合会様ほか関係業界団体の皆様が共同で作成されました、食肉販売業向け及び小規模な食肉処理業向けのHACCPの考え方を取り入れた衛生管理のための手引書案となります。
 こちらの手引書案につきましては、厚生労働省のほうに御相談をいただきましてから、ことしの3月上旬に事前の意見交換を行わせていただきまして、その際に構成員の先生方からいただいた御意見等を踏まえて、修正をいただいた手引書案になります。本日はこの手引書案について、全国食肉事業協同組合連合会様のほうから御説明をいただきたいと思います。どうぞよろしくお願いいたします。
○全国食肉事業協同組合連合会 全肉連の木村でございます。
 隣が専門員をやっていただいております菊池さんでございます。
○全国食肉事業協同組合連合会 菊池でございます。よろしくお願いします。
○全国食肉事業協同組合連合会 まず、食肉販売業のほうから説明したいと思います。最後のほうのページをお開き願いたいと思います。
 全肉連が中心になりつつ、ここに書いてございますように、公正取引協議会、首都圏食肉卸売業協同組合、食肉協会、業務用卸協同組合、食肉生活衛生同業組合ということで、業界を挙げての委員会を設置いたしまして、下のほうには、マニュアル、手引書作成のための専門委員会ということで両委員会をつくって、手引書作成を進めてきたところでございます。
 手引書につきましては、食肉販売業はいわゆるHACCPの考え方を取り入れた衛生管理のための手引書と、50人未満の食肉処理業については小規模なということで考え方を取り入れたB基準、もう一つは50人以上についてで、これはまだ作成しておりませんけれども、3つのタイプの手引書をつくる予定で、今回は考え方を取り入れた衛生管理のための手引書で、食肉販売業と食肉処理業をお持ちしたということでございます。
 まず、共通する部分がございますので、食肉販売業のほうから説明してまいりたいと思います。
 1ページ目、「はじめに」ということでお開き願いたいと思います。食肉販売業は我々の組合で4,000ぐらいございますし、アウトサイダーを含めたら1万近くございます。そういった中でHACCPにつきまして、危害要因分析とか重要管理点という用語の解説をした手引書が多いのですけれども、そもそもHACCPとは何かというのを理解されていないというか、保健所が来て、国際基準というのは7原則12手順ということを言われても、実際の考え方とはどういうことか、何をどうすればいいのかというのが理解されていなくて、もうどうすればいいのかというのが皆さん方の第1の疑問というところでございます。
 それでもって、「はじめに」の2行目でございますけれども、「HACCPとは」ということで一般衛生管理を基本に、注意点(ハザード)を衛生管理計画として明確にし、実施し、確認・記録するということで定義づけるとともに、なかなか文字では読まれないことが多いので、Q&Aスタイルでイラストをつけてございます。
 まず「ハサップってどう取り組めばいいんだろ?何だか難しそうだな…」と。これは皆さん方の共通する疑問ではないかということで挙げてございます。それに対しまして「ハサップって」ということで考え方というのは、ハザード、ゴルフ場で言えば池とかバンカーということで、玉が落ちたらいかんということで「『危険なところ(注意すべき点)を見つけ出ししっかり管理する』」ことなんだ!」ということと、もう一つは右側のアンサーの部分なのですけれども、「いつも行っている一般衛生管理が基本」と。それに記録が重要。殊さらに高度な衛生管理を求めているわけではないということをあえて書いてございます。それと、HACCPというのは頭文字をとっているのですけれども、国際基準ということそのものではなくて、取り組みやすい方式で行うということを「はじめ」にというところで整理してございます。
 2ページ目でございます。まずターゲットを明確にしなければいけないということで、「本手引書の対象となる事業者等」ということで食肉販売業につきましては、食肉販売業の営業許可、重複取得というのですか、要は惣菜を扱っている店が6割あるという実態を踏まえまして、一体の手引書という形でつくらせてございます。
 「対象となる商品」ということなのですけれども、食肉販売業ということだけでいきますと、最終消費形態は家庭等で加熱されるということなのですが、店舗内では加熱殺菌工程がないということで、いわゆる食肉、食肉半製品、食衛法上の食肉というのと、もう一つは飲食店営業(惣菜)です。これの取扱商品としては、とんかつ、空揚げ、コロッケ、ローストビーフということで、要は店舗内で加熱工程を含むという2つのカテゴリーに入るということでございます。
 そういう販売業態と衛生管理の手法ということで下のほうに、食肉販売業のみの場合については、十分に加熱がなされたかどうかという重要管理は家庭のほうにあることになるということで、一般衛生管理だけということになります。惣菜を扱う場合については、これプラス重要管理が必要ということで整理してございます。
 3ページ目でございます。やるべきポイント、計画記録書等についての具体的なイメージを出していきたいということで、まず何をすればいいのかということと、もう一つはどのような書類をつくればいいのか。どういう計画、記録をつくればいいのかというのは、最後の記録様式まで見ないと具体的なイメージがないという人が多いのですけれども、忙しい方ばかりなのでできるだけ結論部分ですか、どんな書類をつくればいいのかというのをわかるように持ってきています。だから7ページ目ぐらいまで見れば、大体どういう書類、どういう計画をつくって、どういう記録をすればいいかということを整理しやすいようになってございます。
 まず、何をすればいいかということで、Plan、Do、Checkということで、計画、実施、記録ということなのですけれども、さらに振り返るということで、同じような問題が見られる場合は対応することで計画等の見直しを行うということ。
 2番目、どのような書類をつくるかということなのですけれども、先ほど申しましたように食肉販売業のみの場合につきましては、(1)(2)の一般衛生管理の計画書と記録書をつくってください。青いラインで整理してございます。もう一つの惣菜を行う場合につきましては、通常であれば一般衛生管理の計画書と重要管理の計画書の対の関係です。それぞれ記録書が必要ということなのですけれども、この場合については、一般衛生管理の実施記録書と重要管理の実施記録書を合体して1枚におさめてございます。
 我々が特に留意したところというのは、1月21日に専門委員会で素案をつくった後、北は山形県から南は長崎県までの9県へ行って現場実証、それとお試しコースというか、トライアルの記帳をやっていただきたいということで回ったのですけれども、実際にその中で、今まで保健所から自主点検表の指導を10年近くされてきたり、食品衛生協会の指導があって、自主点検表をつけろと指導されているにもかかわらず、記録されているのは大体1割未満という実態があるということです。いろいろあるのですけれども、一般衛生管理プラス記録をきちんとやっていただくことが肝になってくるのではないかということと、最初から余り高望みはしない、無理をしないということで、ステップアップを図っていく手引書にしていこうということで、そういうことを留意しながら整備してございます。
 そういうことで、実際の記録書、計画書のイメージというのが4ページでございます。「一般衛生管理計画書(記載例)」というのは、いつどのようにということで、チェックリストが計画ですよということで整理させていただいているということと、一番下に食肉処理を行っている場合は、一般衛生管理計画書を食肉処理業の計画書で共通様式として使っても構いませんよということで整理してございます。今回、食肉処理業と販売業の営業許可は、食肉処理業を持っておれば販売業の許可が要らないということで整理したことも踏まえまして、それぞれ別々の手引書をつくって、別々の計画をつくれば混乱してしまうということで、ここは共通化するようにしてございます。
 それと同時に実施記録書のほうなのですけれども、通常はカレンダー方式の実施記録書をつくっておられるところが結構あるのですが、いずれの項目についても良否ということで、いずれかに○をつけるということになっている。我々は最初にそういう記録書をつくってみたのですけれども、振り返ってみると○だらけで、どこに問題があったかがわからないということと、200人ぐらいが使われて、外国人もおられるようなところなのですけれども無意識に○をつけてしまうということで、かえって記録が骨抜きになってしまうということでチェック方式にしようと。問題があった場合についてチェックを入れると同時に、どういう問題があったかを特記事項に記録するということで書いてございます。
 前回の指摘でございますと、冷蔵庫のクレームとか対応が書かれていないのではないかということがございましたので、冷蔵庫のところでは、原料肉の異常の確認を行うようなことで特記事項にも書いてございます。それとクレームの毛髪のところは再度指導ということで、帽子の着用という対応を書いてございます。
 6ページ目でございます。重要管理計画の記載例ということで、加熱調理と加熱後の冷却ということで2つのグループに分けてございます。前回、再加熱で販売というのが上のグループに入っていたのですけれども、御指摘がございまして、ここの場合は速やかに冷却がポイントになるであろうということで下のグループ、加熱後の冷却のグループに入れてございます。
 内容につきましては、基本的な日々の業務というのは経験というか、職人技みたいなところがございますので、一々温度をはかるということではないのですけれども、見た目で判断するということになってございます。ただ、定期的に中心温度をはかるとか、ロースター等機械類の温度についてはチェックするということを書いてございます。
 次に「重要管理の実施記録書」ということでございまして、これはチェック方式には変わりないのですけれども、一つ違うのは通常実施記録書が2種類あるのですが、ここは青い部分、一般衛生管理の部分と緑の重要管理の部分を1枚におさめているということで、2枚あればどこかに紛失してしまって、結局記録をするのが手落ちになるのではないかということで1枚におさめてございます。
 8ページ以降でございます。計画及び記録、さらに振り返りのポイントということで書いてございます。これはほとんどの手引書と同じようなところだと思うのですけれども、10ページ目に「『見える化』のためのヒント」ということで、要は計画をつくって、実行して、確認、記録という一連の作業を見える化する流れの中で一応ポイントを押さえていかなければいけないというのは、今回で特に重要なのは「記録を残すこと」ということで、記録を振り返ることによって改善につながっていくのですよと。記録が重要ですよということを1番に置いています。
 2番目は、幾らいい計画をつくっても、背伸びし過ぎて「絵に描いた餅」にならないようにということで、まずは現実に近いところからステップアップしていこうということです。
 3番目、「記録を習慣づけること」が簡単なようで大変だということで、今、お試しコースというか、トライアルで2週間つけてみてくださいということで各県にいろいろ言い回っているのですけれども、なれていただければ案外簡単だと。これを実感していただくことが重要ということで、まずなれていただくということでやっています。
 4番目、「しまい込まないこと」ということで、何ぼいい計画をつくっても、机の引き出しに入って、どこに入れたかがわからないとならないように、取り出しやすいようにしていただくということと同時に、下に書いているのですけれども、別紙の17、20というところにポスター、標語、チェックボード、手洗いのマニュアルを拡大コピーして、パウチして、店舗内に張れるような資料も準備してございます。特にA、B、C、D、Eというのが、「あたりまえのことを」「ばかにしないで」「しっかりCheckすれば」「どんどんよくなる」「衛生管理!!!」という標語をつくっているのですけれども、ハインリッヒの法則ではないのですが、やはりヒヤリハットというのもなれていった後に重大事故を引き起こすということで、当たり前のことをしっかり管理することが重要ですよということを、あえてこういったことでやっているところでございます。
 衛生管理のポイントということで、「基本3原則」「5S活動」ということでございますけれども、12ページ以降は一般衛生管理で類似のところもあるのですが、できるだけ実態に合うようにということで、例えば「施設・設備の衛生管理」は重要管理があるということで、惣菜があるということで我々のベースとしましては、小規模の飲食業の部分においてはトイレの清掃、日々の管理の対象になっているのですけれども、実態から行きますと、お肉屋さんの場合はお客さんと従業員のトイレがクロスすることがない。場合によっては住まいの2階へスリッパを履きかえて行くようなことがあって、日々の管理ということなら必要に応じてトイレの清掃を行うことと、清掃、洗浄についても、肉が落ちたところはきちんとやるのですけれども、毎日清掃する実態がないということで、汚れの確認とか廃棄物の管理をきちんとやりましょうということで書いてございます。
 13ページ目なのですけれども、「従業員の健康管理」は修正ミスで、問題があったときというので「作業させず、医師の診断を受けさせます」と書いているのですが、計画のほうは「症状に応じて」と書いておりますので、全て作業させないということになったらお店が開かれないということになりますので、これは修正したいと思っております。
 「手洗い」は大体同じような書き方でございます。
 今回、特に気をつけたのが15ページでございます。食肉販売業と惣菜業というのが一体で行われているということで、今回の施設基準の見直しの中でも、今までは県によっては区画をきちんと整理しなさい、かなりドアをつけてというところもあったのですけれども、そういうことに対して簡素化するという方向が打ち出されているのですが、その一方で、ソフト面できちんとやっていかなければいかんということで、あえてここでは「特に」ということで、(必要性)のところでは、有害微生物に汚染される可能性がある食肉とその他の食材で交差汚染が発生しないようにということで機械・設備の区分使用と。やむを得ず使用する場合については、洗浄・消毒の二次汚染、交差汚染の防止が重要なことと書いてございますし、1の冷蔵保管のところでは、肉の種類ごと、アレルゲンごとに区分して保管する。ふたやラップをするということです。
 「処理・加工時」につきましては、肉類については洗浄・消毒ということでやっているのですけれども、3つ目の○で、惣菜については食肉とその他のもの、アレルゲンごとで、まな板、ナイフ、布巾を区別していく。別なものを使用するということで、要は、色分けをするといったことを例示してございます。
 改善、問題があったときはどうするかということで、肉汁等の接触があった場合は惣菜を廃棄するとかで、金属の関係につきましても処理業は同じですけれども、ナイフの洗浄等において、刃こぼれの確認を行うということを入れてございまして、問題があったときはどうするかということで混入の疑いがあった場合は、当該ロットを廃棄するということも書いてございます。
 温度につきましては、冷蔵庫は10度、-15度ということで、これは食品衛生法上の温度なのですけれども、望ましいのは冷蔵が4度、冷凍品は-18度ということで書いてございます。異物の追加項目があるのですけれども、ここはガラス製の温度計は破損の危険があるため、樹脂製のものに交換するといったことも基本の中で書き込んでございます。
 器具の洗浄は、器具等の洗浄・消毒・殺菌につきましては、ナイフ、スライサー、フライヤーの機械ごとに頻度、回数、時期ということで書いてございまして、食肉及び異なるアレルゲン加工の都度にこういった措置をするということで書いてございます。
 あとは「その他」の追加項目で、異物混入、アレルゲン管理ということなのでございますけれども、重要管理のほうで行きますと、まず温度帯に着目してグループ分けをしようということで2グループに分けてございます。小規模の飲食業の場合は3グループということでございます。第1グループにどういうものがあったかといいますと、冷たいものも冷たいまま提供するということの具体例でいきますと、刺身とか冷ややっこということなのですけれども、肉の場合はほとんど提供したり、加熱するチキンとかハンバーグが多いということで第1グループは除きまして、加熱調理と加熱後冷却の2つのグループということでやってございます。ただ、全くないかということになると、レアなりに野菜、サラダを提供するようなところもありますので、一番下から2つ目の☆の「その他(野菜サラダを販売する場合)」については、交差汚染の防止とか速やかな冷蔵保存ということを書いてございます。
 20ページが加熱温度と時間の関係ということで、要は一番危険な地帯の15~40℃のところを速やかに加熱したり、冷却するのが重要ですねということと、加熱時間と加熱温度の例ということで、商品名を例に挙げて、こういったことを管理していただきたいということで例示してございます。
 22ページが、先ほどの重要管理の計画で載せましたチェック方法等でございます。
 次が「様式集、手順書、参考資料」ということで、これは別添ということで書いてございますが、この紫の枠の中でホームページ上からダウンロードして、記録様式は1カ月のカレンダー方式になっているのですけれども、うちは、これでは1行で少ないですよといったところは半月で1ページとか、1週間に1ページということで加工ができるように、Excelファイルといった形でダウンロードできるようしてございます。
 記録様式のところはずっと飛ばしまして、「手順書」を別-12のところにこういった形で例示してございます。
 先ほど申しました交差汚染の防止が別紙の14ページにございます。ここで手順としましては、畜種ごと、食材ごとに区分保管すると。処理・加工時においては「惣菜については食肉とその他のもので区分使用する」。
 2で、切りかえ時には洗浄する。
 3で、アレルゲンごとにゴム手袋を交換する。
 留意事項としては、刃こぼれの確認とか、廃棄をするということで具体的な手順書も整理してございまして、先ほど申しましたポスターは拡大コピーができるように5Sの関係、あとはA、B、C、D、E。
 それと、計画で載せ寄った部分を抜粋して、チェックボードという形で冷蔵庫のところに磁石で張りつけられるようなことで、こういったことも準備しておりますし、手洗いのマニュアルも整理しているということでございます。
 さらに「危害の原因物質と発生要因」ということで、生物学的、科学的要因、物理的要因に加えまして、クレーム要因、髪の毛等の要因があるということで列記してございます。
 続きまして、小規模な処理業のほうにつきまして、説明いたしたいと思います。
 これも「目次」「はじめに」はほぼ共通でございますので、2ページをお開き願いたいと思います。ここがターゲットの「対象となる事業者」ということで、今回は考え方を取り入れた衛生管理ということを50人未満の食肉処理業でやるということです。
 50人以上については、2020年を目途にできるだけ早い段階でつくっていくことを予定していますということで書いています。
 「対象となる商品」については、(最終消費形態は加熱して喫食されるが、加工施設内で加熱殺菌工程はない)。先ほどの食肉販売業のみの場合のケースと同じような商品類となるということで、一般衛生管理だけということで書いてございます。
 3番目のところにどうすればいいか、どのような書類をつくるかということで一般衛生管理計画書と実施記録書ということでございます。
 先ほどの管理計画書の内容で、処理業の管理計画を共通様式で使えるということでございますけれども、これが4番目の例でございます。
 左側の大項目については、基本の部分は4つの項目です。これは変わらないのですけれども、次の小項目が施設、設備の場合であれば、販売業の1つだったのですが、3つに区分しているということで、小項目をふやして、より緻密にチェックできるようなことでやってございます。
 5ページ目が記録の様式でございまして、それと処理業の場合は数名から49名までと、肉屋さんの裏側で処理業を主に数名でやっておられる場合から、ほとんど企業的にやられている幅があるという実態を踏まえると同時に、一つはステップアップを図っていたたく。場合によってはA基準、認証を目指して、どんどんステップアップを図っていただきたいということです。
 8ページ目、振り返りということの重要性に合わせて、従業員に参加意識を持たせるということ。要はHACCP導入を目的とするのではなしにきっかけとして、従業員に参加意識を持たせていただく。やはり衛生管理は人が基本ということでございますので、ここが重要であるということと、そうすることを定着することによって、PDCAのサイクルをきちんと回すことによって、さらに衛生管理のレベルを図っていただくということで、具体的には、手順書とか計画の見直し、さらにはA基準とか認証に進んでいただくということを書いてございます。
 9ページは共通でございますので、省略させていただきます。
 大きく食肉販売業と違うのは、一般衛生管理のポイントの中で10ページ、11ページ、12ページのところで、まずは商品説明書、作業工程図をつくろうということで、商品タイプ等に応じた商品説明書の作成と作業工程図は、2つの分に分けてつくるような例示をしてございます。一番衛生管理のところはほとんど販売業と共通するようなところでございます。施設・設備の衛生管理のところは詳細に書いていて、施設ごとにどういう作業、頻度、回数、時期であるかというのを14ページは書いてございます。
 17ページ、原材料の仕入れにつきましても、入荷のときの表面温度といったチェックをきちんとやるようなことを書いてございます。
 18ページは惣菜ということではないのですけれども、汚染防止の観点からいきますと半製品ということで、衣をつけたり、たれをつけたりということで、アレルゲンを扱うようなケースもあり得るということで、惣菜ほどではないのですが、交差汚染の防止といったことをきちんとしなければいけないということで書いてございます。ここでも、刃こぼれの確認ということで最低限のチェックを行うようにしてございまして、19ページは「冷蔵庫等の温度管理」。これは、ガラス製の温度計を使わないということも書いてございます。
 20ページは<洗浄等の頻度>。器具に応じた頻度等を示してございます。
 その他の追加項目ということで、必要に応じて「防虫・防鼠対策」「異物混入の防止」ということで整理してございますし、別紙の23ページは様式、手順書、参考資料で、これもファイル化して、ダウンロードできるようにしてございます。
 一番大きく違うのは先ほど申しましたように、実態が数名から50名まであるということを踏まえまして、ほかの手引書では、1つの手順書しかなかったと思うのですけれども2段階の手順書、簡易の手順書と詳細な手順書ということで、例示を2つに分けてございます。
 別紙の10をお開き願いたいと思います。12ページ目の「処理室清掃手順書(例1)」は簡易な例ということで、食肉販売業に近いような規模のところを想定した手順書でございますし、次のところはA基準に近い水準の手順書ということで、管理の基準とか、使用器具といったことをきちんと書いている。2段階の手順書をつくっているというのが販売業と大きく違って、実態、背丈に合った手順書なり、計画をつくると同時にそれで終わらず、ステップアップを図っていただきたいということを踏まえて、こういう2段階の手順書をつくってございます。
 別紙28ページからはポスター等でございます。販売業と違うのは31で、服装・身だしなみのマニュアルを準備しているところでございます。過度な化粧では、具体的に個人差があるということでございましたので、異物混入や異臭の原因になるような化粧はしないということで、ここも修正してございます。
 別紙33、別紙34ということで、食肉販売業と違って、A基準を目指してステップアップしていただきたいということと、仮に50人未満であっても、A基準並みのものをやっていただくということも踏まえまして、HACCPについての用語解説とか、7原則12手順の解説もしてございます。
 以上でございます。
 それと、最近は過酢酸製剤というものが、次亜塩素は有機物に不活化してしまうものが多いのですけれども、かなり効果があるということで、これを普及するというか周知するということで、こういう殺菌剤もありますよということを例示してございます。
 以上でございます。
○五十君座長 ありがとうございました。
 ただいまの資料3、資料4についての説明に関しまして、御質問、御意見等がございましたらお願いしたいと思います。いかがですか。
 河村委員、どうぞ。
○河村委員 まず、食肉販売の、資料3ですけれども、21ページに例示として工程図を記載いただいているのですが、そこで揚げる作業の中で温度と時間を書いていただいて、それはそれでよろしいのですが、一度にフライパンなり、揚げ用の器具にたくさん入れてしまって、温度がずっと保てないような状況も見受けられるので、例示として、一度に揚げる量といったことについてもちょっと書いていただければと思うのです。
○全国食肉事業協同組合連合会 わかりました。これはあくまでも例示で、必須ではないのですけれども、こういうものがあったら便利ですよということで入れていますし、そういう注記は入れてまいりたいと思います。
○五十君座長 量の問題は重要になってくる可能性がありますので、御検討いただきたいと思います。
○荒木委員 むしろゴールとして、中心温度を何度まで上げるということで、揚げる条件はそれぞれのお店によって、今までのデータから決めてくださいと言ったほうがいいと思います。たくさん入れて、じわっと揚げるところもあれば、少量しか入れないというところもあるわけで、ゴールを幾つと示してあげたほうがいいように思います。
○全国食肉事業協同組合連合会 ありがとうございます。
 基本は、ここの重要管理のチェック法に書いてございますように数値管理するということではなしに、職人技で従来からやってきておられますので、見た目で判断するということで書いています。これは一般飲食業の場合と同じチェック方法ということです。
○荒木委員 見た目で大丈夫なことは、少なくとも一度は温度計を挿してくださいというのがHACCPだと思います。
○全国食肉事業協同組合連合会 日々は見た目でということ。
○荒木委員 それで結構です。
○全国食肉事業協同組合連合会 あと、定期的に中心温度の測定ということで書いてございます。
○荒木委員 フライヤーの温度を規定してしまうのではなくて、フライヤーの温度と時間はそれぞれが決めてくださいと。
○全国食肉事業協同組合連合会 わかりました。
○荒木委員 そのほうがいいと思います。
○五十君座長 20ページですか、確かにここに書いてあると時間が先行してしまいますので、その表現を事務局と相談しながら検討してください。
○全国食肉事業協同組合連合会 わかりました。
○五十君座長 よろしくお願いします。
 ほかにございますか。
 荒木委員、どうぞ。
○荒木委員 幾つかあります。今、3番のほうの食肉販売業向けの手引書で河村さんがお話しになったので、これで行きますが、11ページの「衛生管理のポイント」で雲になっているところの図がありますけれども、ウイルスはふえないのです。細菌を発生させない、ふやさないは明らかに「細菌をふやさない」でもいいと思うのですが、ウイルスはふえないので(つけない)のほうに持っていっていただければいいと思います。
○全国食肉事業協同組合連合会 ここの「ウイルス」を落とすということでいいですか。
○荒木委員 そうです。一番シンプルなのは「ウイルス」を取るということであります。
○全国食肉事業協同組合連合会 わかりました。
○荒木委員 それと、これの22ページなのですが、表の下のところの2つ目の丸ポツで「通常、肉の塊は」と言っているのですけれども、どういうものを「塊」とおっしゃっているのかがよくわかりませんということと、「表面から1cm以上の深さのところで、60℃で2分」とか、「牛肉の塊の内部は無菌であることも、証明されています」というのはユッケのときの話であって、一般論ではないので、これを書いておくことは危険だと思いますが、これは五十君先生にお話しいただいたほうがいいと思います。
○五十君座長 これは、朝倉先生が適任かと。
○荒木委員 大事なところではないですか。
○朝倉委員 荒木委員からのコメントがありましたけれども、牛肉塊の表面から1センチ内部を60度で2分加熱殺菌するという生食用食肉の規格基準は、そもそも原料肉がと畜・解体後、速やかに切り出したものという前提がございますので、もし記載されるのであれば、そういった詳細も入れないといけないとは思います。一方で、この手引書で取り扱う対象ではなく、食肉に対する一般論ではありませんので、ここであえて記載する必要はないと思います。
○全国食肉事業協同組合連合会 加熱というのもあるということで、この部分は誤解を招いたらいけないということで削除します。
○五十君座長 ほかにございますか。
 河村委員、どうぞ。
○河村委員 ほかのところにも出てくるのですけれども、22ページのチェックの方法で見た目というところです。これは従事されている方々の今までの経験上の判断だと思うのですが、焼き色とか、具体的に見た目とはどういうものなのかというのを挙げておく必要はないでしょうか。焼き目とか揚げ色とか。
○全国食肉事業協同組合連合会 あらゆるパターンがあるので、書き出したら切りがないと思う。これは一般飲食業も同じで、3つのグループで、これよりもっと簡潔に書かれていますので、それと比べてもかなり具体的に書いているほうではあります。
○河村委員 「加熱後、冷却」のところの「再加熱時に見た目で判断する」というのは、どういうふうに判断されるのでしょうか。再加熱だともう焼き色がついていますよね。
○全国食肉事業協同組合連合会 脂の状態というのですか、泡の状態というので判断する。あとは時間もございます。
○河村委員 こういう書き方をしておけば、小規模の方々もわかるということでよろしいですか。
○全国食肉事業協同組合連合会 これは一般飲食業も同じような書き方です。
○五十君座長 今の部分はよろしいですか。
○荒木委員 私も、必ず最終的には見た目、感覚でもいいけれども、少なくとも今までの経験が大丈夫だということは、一度は突き刺しておいてくださいね、というのをどこかに書いておいたほうが業界団体としてもよろしいのではないかと思います。日々突き刺せとは言いませんし、言う必要もないのです。
○全国食肉事業協同組合連合会 わかりました。
○荒木委員 この下の「食肉の場合、中心温度が75℃で1分間以上の加熱を、十分な加熱と言います」で、十分な加熱であるかはあらかじめ確認しておきましょうということだと思うのです。だから、日常的には、外観でもいいですよということでいくと、上の表の中の「火の強さや時間、焼き上がりの触感、肉汁など」と言ったほうがいいですよ。そうすれば、ほかにもあるでしょうということになる。肉汁か見た目というと、見た目はどこへかかるかで別の事項になってしまうので、ここは「など、見た目で判断してもよい」ということだと思います。
 もう一ついいですか、先生。
○五十君座長 どうぞ。
○荒木委員 両方に共通だったのですが、例えば今の販売店さんのほうでいくと16ページなのですけれども、冷蔵庫のところで問題があったときにどうするかというところなのです。改善策等、庫内の温度異常が見られたときは、原因を確認して再調整、故障及び故障の心配があるときは修理を依頼します。(極力、扉を開けないようにします)と。冷蔵庫でも、冷凍庫でもそうだと思うのですが、メーカーさんに頼んで、来てもらって、冷蔵庫が直るまでどのぐらいの時間を想定されていますか。一般的に考えて、冷蔵庫のメーカーさんはどのぐらいでしょうか。
○全国食肉事業協同組合連合会 街の肉屋さんで、街の電器屋さんだと数日の間だと思うのです。
○荒木委員 でも、その間、冷蔵庫を幾ら開けないからといって、入れておいたら中身はアウトではないですか。
○全国食肉事業協同組合連合会 冷凍庫だと、基本的に凍っているので大丈夫なのですけれども。
○荒木委員 大丈夫ですね。
○全国食肉事業協同組合連合会 冷蔵庫の種類によるのですが、時期的に言うと、例えばそこそこしっかりしている冷蔵庫で、1週間程度冬場の場合は大丈夫な状況であります。
○荒木委員 直ったときに中身を評価してくださいというのを入れておかないと、結局CCPはないとすると、冷蔵保管というのがお肉屋さんとしては品位を保つという点でも当然のことだと思うのです。それを売って、お客様の加熱がいつもどおりだと十分に加熱できないかもしれないということもあるので、やはり「直ったら中身をあけて、製品を評価してください」と書かないとストーリーとしてはおかしいかなと。多分皆さん、実際にはそうやっていらっしゃると思いますが、書いておかれたほうがいいように思いました。
○全国食肉事業協同組合連合会 言葉は「検品」とかでもいいですか。
○荒木委員 もちろん、それはもう「評価する」でいいと思います。
○全国食肉事業協同組合連合会 記載例のほうには入れていたのですけれども、こちらのほうに抜けているので、それは「原料肉等の異常がないかどうかの確認を行う」ということで入れるようにいたします。
○五十君座長 ほかにございますか。よろしいですか。
 河村委員、どうぞ。
○河村委員 処理のほうもよろしいですか。
○五十君座長 はい。
○河村委員 資料4の22ページですか、別-22と書いてあるものなのですけれども。
○全国食肉事業協同組合連合会 手順書のところですか。
○河村委員 手順書のところです。
○荒木委員 通算で47ページですね。
○河村委員 器具類洗浄の手順書の例2というところで、例示なのですけれども、「3.管理基準」は温水の温度で管理されているのだと思うのです。だが、記録は洗剤受け払い簿ということなのですけれども、この温水の温度を記録するようなところというのはどこかにあるのですか。
○全国食肉事業協同組合連合会 これは必要ですね。
○河村委員 あと、これは質問というか参考までにお聞かせ願いたいのですけれども、異物混入の関係で、自動販売機にガラス瓶を入れないというのを例示されているようなのですが、過去に自動販売機のガラス瓶を原因とする異物混入のような事例があったのですか。
○全国食肉事業協同組合連合会 やはり小さなところだと、作業者の方が飲んだオロナミンCのようなものの瓶を工場に持ってくる可能性があるので、できれば缶入りとかにしてほしいということで、そういう管理をしたほうが結果的には楽だよということで入れています。
○河村委員 わかりました。そういう事例があったかどうかをちょっとお聞きしたかっただけですので。
○全国食肉事業協同組合連合会 少しあります。
○五十君座長 ほかにございますか。
 荒木委員、どうぞ。
○荒木委員 今のところで、河村委員がコメントしてくださった別紙の22というところで、ここはクリティカル・リミットではなく、一般衛生管理の基準という意味で「温水の温度は45℃以上」とあるのですが、この機械・器具の手順書どおりきれいに洗えましたという状態はどうするのでしょうか。どうやったらわかるのでしょうか。このとおりやりましたと。上に「(1)まな板」があって、ナイフがあって、スライサーがあって、コンベアがあって、1から6、1から5までの手順を踏んだら状態はどうなっていくのですか。
○全国食肉事業協同組合連合会 基本的には、ほぼ汚れがない状態。
○荒木委員 そうですよね。だから管理の基準は「目視確認して、汚れがないこと」でいいのです。そこに温度記録が必要だったら書いていただいてもいいのですけれども、その場合は下がっていたら上げてしまうではないですか。下がっていたということを一々書くかどうかは、お湯が出なかったというときだけに書けばいいので、あえて管理の基準と言わせていただきますが、その場合の一般衛生管理は「作業終了時に目視点検して、汚れがないこと」でよろしいのです。そういうふうにちょっと直していただいたほうがいいのです。
○全国食肉事業協同組合連合会 ここで温水をわざわざ書いたのは、こびりつきを流したいということだけだったのです。
○荒木委員 それは一つの手順ですから、それだけで完結するわけではないのです。
○全国食肉事業協同組合連合会 では、手順のほうの温水のあたりに温度は注意事項で入れておいて、留意事項か何かを入れて、「管理基準」は今先生がおっしゃったように。
○荒木委員 もちろんいいのですけれども、できるだけ記録ということを楽にしてさしあげたほうがいいのかな。
○全国食肉事業協同組合連合会 了解しました。
○荒木委員 そういうふうに思います。
 次の23ページですが、水平展開がまさしくあるとすると、ベストコントロールの管理の基準は「粘着シートは毎月交換」でいいのでしょうかということですよ。「粘着シートは毎月交換」するというのも手順の一つですよね。日常的には工場の中を確認して、虫の痕跡とかネズミの跡がないということで、目視確認でいいと思うのです。せっかく手順を書いていただいているので、それをどうやったらわかりやすいかと書いていただければいいかなと思います。
 別紙の24の「ガラス製部品に破損が無いこと」は、あったらアウトですから管理の基準になります。そういうように見ていただいたらいいかなと思いました。
○五十君座長 そうすると、それに伴って記録についても形式を変えたほうがいいということですね。
○荒木委員 そうです。項目をちょっと変えるだけでよいので、逆に言うとシンプルになるのかもしれないなという気がいたします。
○五十君座長 今のご意見に対応し、管理基準を直すとすると、記録についてもそれに合わせて。
○荒木委員 ついでで、だんだんわかって見えてきたのですが、別-26のところも薬品類の管理手順書ですよね。そうすると、手順は(1)(2)(3)とありますけれども、4のところに保管場所を指定するというのが手順であって、管理の基準はみんなが守っているか、保管終了時に薬剤がちゃんと保管場所に保管されているかを目視で確認すればよくて、もし出っぱなしのものがあったらしまったということをやればいいし、防護眼鏡をかけていない人がいたら注意すればいいのではないでしょうか。全体はもう一度見直していただいたらいいかなと思います。
○五十君座長 「管理基準」については、それぞれ今のような確認をしていただいて、それに合わせて、記録様式に反映させていただくようよろしくお願いします。
 鬼武委員、どうぞ。
○鬼武委員 3のほうの食肉販売業で教えていただきたいことが1点あります。別紙の16のアレルゲンの管理のところで、手順としては、器具と専門の容器を使う等とあるのですけれども、留意事項として、アレルギーの少ないものから惣菜で加工するということは実際にやられていますか。例えば卵を最後にすると。普通はそういうふうに。
○全国食肉事業協同組合連合会 恐らく、そんなにいろいろな種類のアレルゲンを使ってはいないとは思うのですけれども、基本的にパン粉だから小麦、卵は必ず入ってきますので、それにもし乳が入るようでしたら、それは後に。
○鬼武委員 「留意事項」の「アレルゲン少ないものから順に加工する」というものを私は理解できなかったのですよ。
○全国食肉事業協同組合連合会 これは手順ですね。余り細かいことを書いていないのでどうしましょうか。
○鬼武委員 日常でやっているという方はいいのですけれども、私が外から聞いてみると、なかなか理解できなかったのです。
○全国食肉事業協同組合連合会 店舗レベルだと、そんなに機械がかえられないので、例えばまな板がそんなにないとなれば一々洗えないので、恐らく少ない順にと言っておかないとコンタミネーションの問題があるかなと。
○鬼武委員 わかりました。現場でそういうふうに工夫されても、やっていて、この言葉が通じるということであれば私は別に。
○全国食肉事業協同組合連合会 少ないというか、全くないものからということでいってアレルゲンが出てくるというか、肉自体が特定原材料ではないのですけれども推奨のアレルゲンであると。そういう肉自体から始まっていって、次に小麦という。
○鬼武委員 そういうことですね。卵とかは後のほうにするという意味ですね。
○全国食肉事業協同組合連合会 そういうことを単純に書いたと。
○全国食肉事業協同組合連合会 言葉として、単純にアレルゲンの種類が抜けていますね。
○鬼武委員 ちょっと確認してください。そちらで理解されるようだと、私は特段ないです。ちょっと気になったので確認したかっただけです。
○五十君座長 ありがとうございました。
 では、そのあたりの確認をお願いします。
 それでは、時間がなくなってまいりましたので、もし御質問があるようでしたら要点だけを御発言いただきたいと思います。いかがでしょうか。
 富松委員、どうぞ。
○富松委員 大した話ではないのですけれども、小規模な食肉処理業向けの22ページのラベルの書き方なのですが、今の話でアレルギー食品の推奨のほうもちゃんと意識されるのであれば、例えば原材料のしょうゆというのは大豆の表記が本来あったほうがいいと思うのですけれども、こういうラベルの例を出すのであれば、正確なほうがいいかなと思います。
 またここで、「4℃以下で保存」というのはどういうことでしょうか。
○全国食肉事業協同組合連合会 わかりました。
○五十君座長 「4℃以下で保存」についても、確認をしていただくということですね。
○富松委員 はい。
 もう一点、途中にExcelファイルでダウンロードできますと書いてあるのですけれども、厚労省のホームページのダウンロードはPDFですよね。これは整合性をとられたほうがいいかなと思います。
○五十君座長 PDFというところですね。わかりました。
○全国食肉事業協同組合連合会 先ほどの大豆のところは特定ではないので、あえて書かないということと、食肉処理業というのは惣菜ではないので、半製品ぐらいなのでほとんど。
○富松委員 今、推奨表示のことも触れられたので、それだったら書いたらどうかと思っただけです。
○全国食肉事業協同組合連合会 そもそも半製品程度なので、それほど。
○全国食肉事業協同組合連合会) おっしゃることはわかるのですけれども、上のところに7つと一応限定をしていて、今、20も推奨ですよということです。
○全国食肉事業協同組合連合会 一番下には推奨というわけなのです。
○富松委員 それを言われたので、それだったら書かれたほうがいいなと思っただけです。
○五十君座長 アレルギーについては、また調整、確認をしていただくということでよろしいでしょうか。
 ほかはございますか。
 2つ手引書がありますので、結構なボリュームがあると思いますが、よろしいですか。
 どうもありがとうございました。
 本日、確認していただく手引書案は以上になります。
 そのほかに、事務局から何かありますか。
○事務局 特にはございませんが、次回、第14回の開催につきましては次年度になるかと思いますけれども、また先生方と調整の上、御案内させていただきたいと思いますので、どうぞよろしくお願いいたします。
○五十君座長 それでは、本日の検討会はこれで終了いたします。
 長時間の御討議、ありがとうございました。