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第11回厚生科学審議会臨床研究部会 議事録
医政局研究開発振興課
日時
場所
議事
○伯野研究開発振興課長 定刻になりましたので、ただいまから第11回厚生科学審議会臨床研究部会を開催させていただきます。本日は部会の定数14名に対して、12名の委員の方々に御出席いただいておりますので、定足数に達していることを御報告申し上げます。なお、田島委員、矢守委員におかれましては、欠席されるとの御連絡を頂いております。また、今回も医薬・生活衛生局医療機器審査管理課から、田中課長補佐に御出席いただいております。
続いて、本日の会議資料についてですが、お手元のタブレットを操作して御覧いただきますようお願いいたします。タブレットを御覧いただきまして、資料0として次第がございます。次第の次に、臨床研究部会の座席表がありまして、その下に委員名簿があります。さらに資料1として「中間とりまとめ(案)」、その下に参考資料1として「臨床研究法の施行状況について」があります。更にその下に、ファイルとして第8回、第9回、第10回のそれぞれ部会の資料が添付されていると思います。資料の不足等はございませんでしょうか。よろしいでしょうか。
それでは、円滑な議事進行のため、カメラがあればここまでとさせていただきますので、御協力をお願いいたします。以後の進行につきましては、楠岡部会長にお願いいたします。
○楠岡部会長 それでは、年度末のお忙しい中にお集まりいただきまして、ありがとうございます。早速議題に入らせていただきたいと思います。本日の議題1は「臨床研究・治験の推進に関する今後の方向性中間とりまとめ(案)について」です。これまで御議論いただいたことをまとめて、本日中間とりまとめということで、まとめていきたいと思いますので、御協力よろしくお願いいたします。まず、事務局より資料1の説明をお願いします。なお、資料1は6つのパートからできていますので、各論点ごとに区切って進めていきたいと思いますので、よろしくお願いします。
○吉田治験推進室長 それでは説明いたします。タブレットの上から4番目、04資料1「中間まとめ(案)セット」を開けてください。資料1「臨床研究・治験の推進に関する今後の方向性について中間とりまとめ(案)」です。これについては、前回の会議で論点整理資料、パワーポイントの資料をお示ししましたが、それをベースにしてテキストにしたものです。すなわち、第8回から第10回までに御議論いただいた内容をベースにして、昨日までに頂いた御意見を反映させております。各項目については、「背景・課題」と「今後の対応等」の2つのパートから構成されております。
まず、2ページを御覧ください。テキストにするに当たり、第1「はじめに」という項目を付け加えました。これは第8回の部会で説明した内容を要約したものです。続いて、3ページに第2「臨床研究・治験の推進に係る基本的な考え方」という項目があります。これは、いわゆる論点を要約した部分です。詳細については、次のページの第3から始まります。
4ページを御覧ください。真ん中から、第3「各項目の背景・課題及び今後の対応等」となっています。ここのⅠ.「「新薬・新医療機器等の開発」と「治療の最適化のための研究」のバランス」ということです。このパートについては、前回お示しした資料から特に大きな変更はありません。ポイントとしては、28行目から31行目にかけて書かれていますが、質の高い医療には、治療の最適化に係る臨床研究も重要であるが、これまでこういう研究については支援が不十分ではないかという指摘があるということ。このため、こうした両者のバランスをよく進めるための方策について検討する必要があるという点です。まず、このⅠの項目について御議論いただければと思います。以上です。
○楠岡部会長 それでは、この第3のⅠの「新薬・新医療機器等の開発」と「治療の最適化のための研究」のバランスの項に関して、御意見がありましたらお伺いしたいと思います。なお、それ以前の部分の「はじめに」の所で、もし何かありましたら御指摘をお願いいたします。いかがでしょうか。よろしいでしょうか。もし何かありましたら、また最後にまとめて御議論いただくときに御指摘いただければと思います。そうしましたら、2番目の所に進んでいただきたいと思います。お願いいたします。
○吉田治験推進室長 それでは2番目の項目です。同じページのⅡ.「人材育成の強化と財政的リソースの効率化」です。以前の資料では、タイトルが「人的・財政的リソースの効率化」となっておりましたが、今申し上げたように修正しています。それに伴って15行目から17行目も修正しています。「研究開発の高度化等に伴い、研究実施に加え、研究開発を支える人材育成を強化するとともに、人材等のリソースをより一層効率的に活用する必要がある」と。続いて、28行目から30行目にかけてですが、「臨床研究の専門家を育成する枠組みが十分整備されているとは言えない」と追記しています。
次のページを御覧ください。今後の対応等の所です。5行目ですが、「医療機関の役割の分担を整理し」としております。同様に13行目、「それぞれの役割の分担を明確化することによって」と「分担」という言葉を追記しております。続いて17行目は、「支援を受ける医師・研究に携わる者が」というように修正しています。また、24行目は、「適切なリサーチクエスチョンの設定等を含め」という表現を加えています。27行目から30行目にかけては、「特に非医療職の処遇について、臨床研究を支援する様々な専門職がある中で、給与体系が整備できておらず、例えば、そのような専門職の給与体系を整備してはどうかとの意見があった」と追記しています。
次のページを御覧ください。1行目から3行目は、「医薬品・医療機器等の研究開発における国と企業の主な役割分担のイメージについては、別添1のように整理できると考える。こうしたイメージを踏まえつつ」と追記しています。これについては、一番最後から2枚目のページを御覧ください。タイトルが「国と企業の役割分担のおおまかなイメージ」という資料です。これは前回お示ししている資料からの再掲になりますが、アカデミア発のシーズがあったときに、採算性等のいろいろな要因があって、企業開発が先に進むのか、あるいは国の支援を受けて医師主導治験という形でアカデミアの開発が進むのか、そしてその後に企業導出とされるのか、こういう役割分担が大まかなイメージとしてあるのではないかという図です。
7ページにお戻りください。6行目から10行目にかけては、「また、研究部門のうち採算性が必ずしも高くない部門における人材育成に対しては、病院経営の観点から、病院長をはじめ幅広い病院関係者の理解が得られない傾向にある。適切な理解を得ていくために、例えば、病院機能評価等の項目の中に、研究に関する評価項目を追加することが有効ではないかとの意見があった」と追記しています。修正点は以上です。
○楠岡部会長 5ページからですが、まず全体のタイトルが「人材育成の強化と財政的リソースの効率化」というように変わったという点と、それに伴って少し修正が加わった点、それから6ページの今後の対応等の所に関して、「臨床研究中核病院とその支援を受ける医療機関の役割を整理」というのが前回まででしたが、その辺りを「分担」ということに書き換えているような点、この辺りに関しては清水先生からの御意見があったかと思いますが、これに関していかがでしょうか。
○清水委員 可能な限り取り上げていただいているというイメージは持っているのですが、引き続き、最初の論点整理の所でも、こういう「役割の整理」という言葉で取り上げていただいている。その整理という意味は、今あるものだけで済ませるという意味ではないというように理解しているところではありますが、日本語の問題かもしれないのですが、「整理」とか「効率化」という言葉だけで言うと、縮小する方向のようなイメージが付きまとうので、もう一工夫できないかなと思っているところではあるのですが、なかなかいい表現がないと。
それから、「人材育成の強化」という形で、強化の部分も入れていただいたのはあるのですが、育成と確保を含めた強化であるという意味で、単に育成しても、受け入れる先がなければ、その人たちのキャリアはどうなるのだという話になってしまうので、育成しなければいけないということは十分ではないという意味が含まれていると思いますので、そういう人材の育成を含めた強化であるというような表現にできれば、なおさらいいのではないかと感じている次第です。リソースを効率化すると言っても、もともとのリソースが枯れてしまえば立ち行かなくなる話なので、育成を強化するということは、その先の維持・雇用ということについても当然手当てをされるという意味だというようには取っているところではありますが、もう一段のそういう表現がないかなというのは感じているところです。そういうところがもう少し出てくると、以下に書かれている文章についても、より理解がしやすいのではないかと思います。
給与体系の整理ということも具体的に出てきて、これも歓迎すべきことだと思うのですが、そういった取組、実際には新たな俸給表を作るということには直接ではないにしても、特定職員のような事務職と研究職の中間と言うと語弊がありますが、特定の専門的技能を持った人たちを処遇するような給与体系を多くの大学で持ち始めているということ。それから拠点になっている機関では、俸給表を当てはめるに当たって、例えば医療職(一)と言うと通常は薬剤師とか臨床検査技師の免許を持っている人を処遇する俸給表ですが、その例示の中に「その他」という項目が入っていて、それと同等とみなせるような研修を受けて、その職に就いている者をそういう俸給表で処遇するということを可能にしている、そういう大学もあると伺っていますので、今後の対策として、そういったことの研究とか調査ということも含めて御検討いただければと思います。
○楠岡部会長 処遇の点は6ページの最後のほうですが、これは藤原先生から特に御指摘のあった点ですが、これに関してはいかがでしょうか。
○藤原部会長代理 最大限に書いていただいていると思います。余り詳しく書くのは越権と言われたらいけないので、このぐらい書いていただくだけでも大分違うと思います。
○楠岡部会長 あとはいかがでしょうか。
○清水委員 企業との役割分担ということで最後に添付されている別添の図も、単純に「採算性」という言葉から「採算性等」という形で、必ずしも経済的なベネフィットだけを判断の根拠にしているわけではないというイメージを出していただけているので、大分よくなったのではないかと思うのですが。私どもと企業さんとお話をさせていただいていても、単純に「採算性」というような言葉で判断できるようなことではなくて、いろいろなことを総合的に勘案されて決定されているという事情もうかがえますので、本当はもうちょっと別のいい言葉がないか散々探したのですが、ここに落ち着いているのかなと。引き続き、もう少しいい表現はないかなというのは、私としても考えたいところではあります。
せっかく直していただいたのですが、私も気が付かなかったのですが、ロジカルボックスの所は、ダイアモンドが「採算性等」になっているのですが、理由付けの所のタイトルが「採算性」だけになっていて、これも「採算性等」にしていただかないと、バランスが悪いかなと思います。細かい点ですが。
○楠岡部会長 今の別添は次に先生にお伺いしようと思っていた所で、先に御指摘いただきまして、ありがとうございました。国忠委員、羽鳥委員の順でお願いいたします。
○国忠委員 先ほどから清水先生と話をしていたのですが、前回、採算性でもって企業のgo/no-go判断が決まるというのではない、それだけではないということも、この間も清水先生からいろいろおっしゃっていただいたので、私は言わないで済んでほっとしていたのですが。ここは「採算性等」にはなっていますが、企業のgo/no-go判断はそれだけではなくて、課題の困難さであるとか、成功の確率とか、いろいろなことを総合的に判断した上で、go/no-go判断があるということを入れますといいのではないか。「等」が入って少し柔らかくはなったとは言え、「採算性・困難性・成功確率等」ぐらいにしていただけると、実際に私たちが判断するときに、そういうことをやっているのだということが少し見えてくるのかなと思いますので、追加しておきたいと思います。
○羽鳥委員 5ページの26行目の辺りからですが、医学教育における研究開発に関する項目、これは別の所で医療機器開発支援のことも医学教育の中にないということを指摘したことがあるのですが、モデル・コア・カリキュラムが決まったのが昨年ということで、次の改訂は5年以上先だと思うのです。ですから、いわゆる大学の授業の中で盛り込むのは結構ぎりぎりのカリキュラムだと思うので、何か工夫しないと学生への教育はなかなか難しいような気がしたのですが、どうなのでしょうか。
○伯野研究開発振興課長 ここは後で修正しようかと思っていた所なのですが、我々もコアカリの中で研究というのが入っていないかどうか、入っていなければ入れてほしいという要請を行おうかと思っていまして、文科省に確認したのですが、今のコアカリに一応入ってはいるようです。ただ、コアカリというのは入ったから全ての大学で絶対にやらなくてはいけないというものではなくて、正確な数字は忘れてしまったのですが、全体の中で何割以上をやるというような形で、コアカリに入っている項目の何割以上をやらなくてはいけないといった決まりがあるもののようなので、逆に、コアカリに入ってまだやられていないという実態があるのであれば、どちらかと言うと個々の大学に働き掛けを行っていくという取組が必要なのではないかと思っております。ですから、ここの「項目がなく」というのは若干言いすぎでありまして、コアカリの中に入ってはいるのだけれども、実態が伴っているかどうかというところなのかなと思っています。以上です。
○楠岡部会長 よろしいですか。そしたら、ここはまた修文するというところで。
○藤原部会長代理 今のところに関連して、前回の委員会で少し言及したかもしれませんが、看護教育についてです。大学の看護学部などの教育の中で、臨床試験看護、臨床研究、治験というのは、余り取り上げていないように思います。私もカリキュラムを見たわけではありませんが、そのように思います。薬剤師はいろいろ入っていると思いますが、検査技師、看護師、いろいろな職種、医療職がこれから臨床研究に参画されるので、そういう方々のカリキュラムなどもついでに見ていただけたらと思います。
○楠岡部会長 ほかにございますか。
○新谷委員 ただいまの人材育成に関しまして、「研修」と「e-Learning」という言葉が度々出てくるのですが、大抵の場合、研修は1日か2日のショートコースが主だと思うのです。そのような研修やe-Learningだけで十分なのかという議論が行われたのか、その必要性というのを盛り込んでいただきたいと思います。例えば私が前回お話をした大学院の教育など、アメリカでは例えば生物統計の人材育成の大学院がこれぐらいある、医師の臨床試験を教える大学院の教育がこれぐらいあるというようなところの調査も含めて、十分かどうかというところを盛り込んでいただきたいと思います。
もう一点です。CRCや生物統計家などの対遇について調査するとあるのですが、是非調査の内容に企業の統計家も含めていただきたいと思います。と言いますのも、やはりアカデミアが統計家になかなか残ってもらえないというのは、企業のほうの待遇がかなりいいというところもありますので、それも含めてお願いしたいと思います。
○楠岡部会長 ほかにございますか。よろしいでしょうか。それでは、次の論点に移っていただきたいと思います。お願いいたします。
○吉田治験推進室長 7ページの真ん中の項目のⅢ.「リアルワールドデータの利活用促進」を御覧ください。まず、19行目から21行目に、「質の高いエビデンスとして活用できるデータが示せる信頼性の高いレジストリを整備し」と追記しております。次のページの9行目から10行目の所に、「なお、リアルワールドデータを活用した医薬品開発についてどのように対応するか、PMDAが考え方を示すべきではないかとの意見があった」と追記しています。
続いて14行目の所に「CIN構想の今後の具体的な取組について、適切な利活用を想定した」ということで、「具体的な」と「適切な」という言葉を追記しています。続いて26行目から30行目に、「これに関して、リアルワールドデータを活用するための基盤整備に当たっては、データの収集・管理等を取り扱う人材育成を進めるとともに、データの活用に当たっては、その特性を適切に把握するため、統計・疫学の知識・経験がある者を積極的に参画させていくべきとの意見があった」と追記しました。以上です。
○楠岡部会長 この点に関しましてはいかがでしょうか。
○藤原部会長代理 8ページの8行目のビッグデータに関わるいろいろな人材の所です。統計と疫学の知識と経験がある者だけでは不十分で、IoTとか生命倫理とか個人情報保護法とか、利活用をいろいろな所で具体的に考える人たちがリアルワールドデータの活用には非常に必要になりますから、その3職種の追加をできればお願いしたいと思います。
○楠岡部会長 それは、その前の所の「データの収集・管理等を取り扱う人材」とはまた別ということでしょうか。
○藤原部会長代理 どちらでもいいのですが、ぼやっと書くよりも具体的に書いたほうがいいかなと思いました。統計学者とか疫学者とは全然違う、リアルワールドの専門家というのは将来必要になると思うので、本当はデータサイエンティストというのも入れたほうがいいかもしれませんが。
○楠岡部会長 そこは検討するということで。余り具体的に提示すると、そこだけに絞られてしまってほかに回らないということもあり得るので、その辺は事務局に考えていただきたいと思います。ほかにありますか。
○山口委員 内容ではなくて文字の修正についてです。8ページの23行目の所に、「新薬等の開発にも利用されうるような取組が一層進める必要がある」とありますが、「取組を」ではないでしょうか。
○楠岡部会長 ありがとうございます。
○掛江委員 藤原委員の御指摘と被っていると思うのですが、26行目の「リアルワールドデータを活用するための基盤整備に当たって」という所については、正に個人情報保護であるとか、生命倫理であるといった別の視点からきちんと見る方も入れていただく必要があるのかなと思います。データの活用に当たっては、きちんと基盤整備のところでルールが構築されましたら、知識や経験のある専門家に任せてもいいのかなというように感じているところです。
○楠岡部会長 ほかにいかがでしょうか。
○羽鳥委員 同じくリアルワールドデータの話です。リアルワールドデータはRTCに比べて1ランク落ちる研究ということになると思うのですが、これからの世の中、なかなか対照群に入ってもらうのは研究としては難しいので、これを活用していかなければいけないと思います。昨日もがん対策の会議で、新たながん検診はRTCをきちんと行わなければ導入できないという動きも一方ではあるので、この中ではリアルワールドデータの話がとても強調されているのですが、それをどのように上手に担保していくか。これだけ一生懸命集めても、最後はデータになっていないと言われるような気もするので、その辺がちょっと不安なのですが、いかがでしょうか。
○楠岡部会長 この点は何か御意見はございますか。
○新谷委員 リアルワールドデータの活用は用途によって分けて考えるべきだと考えます。例えば市販後の薬に対する治療の最適化を目指すような観察研究であれば、もっとどんどん活用していくべきだと思うのです。と言いますのも、データの中に、お薬を使った人と使っていない人、比較群というのがきちんと存在しますので。統計的な場合は、その調整法とか、押さえるべきところは押さえて活用していくという考え方、これは進めるべきだと思うのですが、創薬のほうに使う場合は、ヒストリカルなコントロールとして使うという側面があります。その場合は、より慎重に、これはちゃんとした比較になるのかどうかの議論も含めて進める必要もありますし、何でもかんでもヒストリカルがいいのかではなくて、できるならRCT、ただ希少疾患のようにどうしてもRCTが組めないというような場合のみ考えるとか、ある程度分けて考えたほうが。リアルワールドだから進めましょうということで、蓋を開けてみたらヒストリカルコントロールが山ほど出て困ったということもないとは限りませんので、そちらをお願いしたいと思います。
○羽鳥委員 何か少し書き込んでいただいて、分かりやすくしていただきたいと思います。
○楠岡部会長 事務局にお伺いしますが、9行目と10行目のリアルワールドデータの医薬品開発に関する所ですが、本日は矢守委員が欠席なのですが、PMDAから何かそういう御意見というか、指摘はございましたか。特に、これに関しては何もコメントはありませんね。
○吉田治験推進室長 特に矢守先生から御意見があったわけではないのですが、前回御指摘を受けて確認したところ、今、厚労省からPMDAにやっていただいている事業というのがありまして、その中でこの結論が出てくると聞いております。
○楠岡部会長 もう少し様子を見てというところになるということでしょうか。
○吉田治験推進室長 はい。
○楠岡部会長 ほかにございますか。
○清水委員 今の新谷先生の御意見とも関連するのですが、円滑に進めていくときに、どういうデータをどう利用するかということで、その利用方法に従って考えを区別する必要があるというのは私も賛成ですが、余りRCTができないときに限ってということではなくて。現実問題として実際に患者さん等に協力していただいて試験を進めるようなときに、今どきプラセボに当たってというようなことをすると、そういう可能性があると協力も非常に得にくいとか。ですから、どうやって活用すれば円滑に試験が進められるか、いたずらにRCTにこだわる必要はないように制度設計できれば進むのではないかなと、普段そういう設計などのお手伝いをさせていただいているときに感じるところです。
ただ、一方で余りにそれを安易にやってしまうと、比較対象が本当にgarbageであって何を比べているか分からないということになるので、どうやったら質の高い比較になるようなデータを収集できるかというところ、そういう目的に応じて個別にきちんと検討していただくという体制が必要なのではないかと思います。
○花井委員 確かにリアルワールドデータという言葉自体に広がりがありすぎて、医薬品開発というときにはレギュレーションの話なので、これはまだFDAもやっとガイドライン的なものを出したところで、PMDAは今年度から検討すると言っているので、どのようなものかはまだ分からないというのが1つあります。
あと1つ気になるのは、MID-NETというのが出てくるのですが、これは、あくまでも副作用シグナルを拾うシステムとして構想されているものなので、臨床研究とか疫学研究の文脈でMID-NETがあるからそれに準じてとやると、ちょっとよく分からない話になりやすいと。MID-NETというものは、あくまでも副作用シグナルを拾うために、データの質も担保しつつ関連病院をつないでいるシステムなので、現時点で、例えばPMDAがMID-NETのパネルに準じてヒストリカルなコントロールとして代用することができるかどうかという話は、多分PMDA内部でも正式には言っていないし、全く違う話なのだと思うのです。なので、混乱してここに書かれていると、何となくザクッとしすぎているので、書きぶりとして具体的にはあれなのですが、例えば「CIN構想の一環として、MID-NETの手法を活用して」という意味は、MID-NETでやっているデータの質の担保とか、MID-NETでやっているプロセス作業を参考にしてという意味なのですか。「MID-NETの手法を活用して」という「手法」の意味が分かりにくいので。MID-NETというのはこういうものだというのは最初から定義されていて明確なので、それをここにぐちゃぐちゃと書くと何だかよく分からなくなってくる。要するに、入口の審査のレジストリで何とかという話とMID-NETは全くコンセプトが異なっているので、書き方を整理したほうがいいような気がするのですが、いかがでしょうか。
○伯野研究開発振興課長 どういう意図で書いているかということについてですが、花井委員がおっしゃるとおり、手法というのはデータを標準化して吐き出すとか、あるいはクリーニングするというプロセスの手法であって、手法と出口の目的というのが一致しているわけではありません。ですから、ここで言っているMID-NETの目的であるPMSで用いるという意味で書いているのではなく、今申し上げたようなプロセス、標準化してデータを吐き出す仕組みとか、それをクリーニングするような作業のやり方のことを指しているということです。
○花井委員 そうですよね。ということは、診療データの標準化となると、いわゆるコントロールとして使える場合の標準化も含んでしまうようなイメージなのですが、あくまでも今おっしゃったような、割とテクニカルな部分で書いている話なので、異なるレイヤーのことがぐしゃぐしゃになっている気がするので、きれいに書いたほうがいいかもしれません。診療データの標準化と言うと、標準化されたものであれば、例えば今後、治験のコントロールで使えるのだと読めなくもないというか、それはそうではないと思います。
○伯野研究開発振興課長 手法を書いているだけで、実は目的は書いていなくて、その目的はいろいろと可能性はあるのだと思います。結果としてMID-NETのようなPMSに使える場合もあるし、もしかしたら治験のコントロールのようなものに使える可能性もあるという意味合いを含めて、標準化して吐き出して、きれいにクリーニングするような取組というのは重要だろうと、そこを進めていますということですので、文言についてはまた別途検討させていただきます。
○楠岡部会長 「リアルワールドデータ」という言葉が、使う方によって使い方が違うというか、CIN構想のように、ある程度目的が定まっていて、前向きにデータを取り込む場合と、既に電子カルテ等に蓄積されている診療データをオーガナイズして何かを見ようという場合では、当然目的も違えば手法も違ってきます。前向きであれば、かなり均質なデータ、質を担保したデータが集められるのに対して、後ろ向きの場合は穴あきだらけのデータであって、今まではそういう穴あきのデータは使いものにならないという判断だったのが、数がたくさん集まってくると、それなりに使い道があるのではないかとか。特に北欧を中心として20年、30年前から、カルテ研究でリアルワールドデータというものを使って、治験では見付けられなかったような事実が、実際に使ってみるとこのようなことが出てくるということが示された。このように、実際データを掘り起こすことで出てくるという、それがもともとリアルワールドデータの出発点であったわけです。
今は言葉の使われ方がいろいろ変わってきているので、これに関しては、ここはまだ中間とりまとめですので、指摘をすることとしておいて、今後具体的なところはまた、いろいろな所でそれに基づいて議論していただく必要があるかと思います。そのときに、リアルワールドデータを構築する場合において、取決めと言いますか、結局100個のデータベースができて、その100個がばらばらではつなぎようがないので、その辺りをどうするかということも含めて、今後考えていく必要はあるかと思います。リアルワールドデータを議論すると、これだけで1回済んでしまうぐらいなのですが、大体そのような共通認識ということでよろしいでしょうか。ありがとうございます。
それでは、その次の小児疾病・難病の所をお願いいたします。
○吉田治験推進室長 それでは9ページを御覧ください。項目のⅣ.「小児疾病・難病等の研究開発が進みにくい領域の取組」です。まず、言葉の使い方として、前回までは、「疾病領域」という言葉を使っておりましたが、言葉が重複する関係上、「領域」という言葉に置き換えております。複数箇所あります。また、27行目の所です。「引き続き、CIN構想の下で、製薬企業等のニーズ」ということで、「等」をここに挿入しております。また、32行目から次ページの2行目にかけてです。「特定領域の臨床研究の拠点については、国立成育医療研究センターや国立精神・神経医療研究センターなどの役割等について検討すべきとの意見があった」と追記しております。以上です。
○楠岡部会長 ありがとうございます。この点に関しまして、いかがでしょうか。小児に関しては、当時、掛江先生から御指摘があったと思いますが。
○掛江委員 確か、今までの議論の中で、私だけではなくて他の委員からも御発言があったと思うのです。例えば、諸外国のように、法律の中で小児医薬品の開発を義務付けていただくような御議論を進めていただく。あと、一番最後の項目の臨床研究法の絡みで書いていただいているのだとは思うのですが、やはり小児の所で、正に臨床研究法施行によって、解釈の誤解なのか、運用の理解不足なのか、今までよりも更に後退しているのではないかという危惧を感じている人たちがたくさんいることは申し上げたと思うのですが、そういったことについて、きちんと調査をした上で御対応いただくということを書いていただく。最後の臨床研究法等の関係の中では書いていただいているのですが、小児の所に、正にそこは非常に議論として何度も出てきていますので、是非、調査をして、実態を把握した上で、速やかに対応をしていただくというようなことを書き込んでいただけると非常に有り難いと思っております。
○楠岡部会長 ありがとうございます。ほかにございますか。
○藤原部会長代理 今の掛江委員の発言に関連してですが、法律に書き込めというのは、我々は議員ではないので無理だと思うのです。もし書くのであれば、小児用医薬品の市場、あるいは診療への導入をスムーズに進めるような枠組みを考慮するとか。見ていると、研究開発を振興するけどということで、目的は、小児疾患とか難病の患者さんとかが、そういう医薬品とか医療機器の恩恵を受けること、そこで初めて意味があるので、研究開発の振興よりも最終ゴールは市場あるいは診療への導入ですというのを、書き込んでおいたほうがいいように思います。
○楠岡部会長 ありがとうございます。ほかにございませんか。
○川上委員 マイナーなことなのですが、9ページの6行目から7行目の所で、「診療報酬上の手当て」とあるのですが、「手当て」というのは何か変な気がするので、「評価」と表現を改めたほうがいいかと思います。
○楠岡部会長 もう、この言葉は抜いてしまって、「診療報酬上のインセンティブ」でもいいわけです。
○川上委員 はい。
○楠岡部会長 ありがとうございます。ほかにございますか。よろしいでしょうか。
そうしましたら、Ⅴ.「国民・患者の理解や参画促進」についてお願いします。
○吉田治験推進室長 それでは10ページです。項目のⅤ.「国民・患者の理解や参画促進」ということです。この項については、特に大きな修正はございません。ポイントとしては、このページの32行目、「PPIのような、研究における患者参画の取組を継続しつつ、まずは、研究を実施する医師の理解の促進を図るなど、段階的に取組を進める」ということ。また、5行目にあります、「患者の希望に応じて臨床試験への参加について相談を受け、臨床試験実施機関との連絡調整等を行う新たな仕組みの整備を検討する」ということ。また、10行目から11行目の所、「意見発信についての教育・研修やそれを牽引するための患者会との協力等が重要との意見があった」という部分です。以上です。
○楠岡部会長 ありがとうございました。この点に関して、山口委員。
○山口委員 10ページの所で、いきなりPPIが出てくるのですが、私もAMEDのPPIに関係する委員会に入っていまして、「PPIとは」ということでガイドブックができると、研究者にとってもPPIが大事だということが広まっていくのではないかと思っていますので、ここに入れていただくことはとても大事なことだと思います。ただ、現在の書き方だと治験や臨床研究のところだけの概念のように捉われてしまうので、そうではなくて、PPIは、もう少し広い概念の考え方だと思いますので、このPPIについては、少し注釈を加えていただいたほうがいいのではないかと思います。それから、10ページの11行目を見ますと、「臨床試験プロセスの一環として患者・市民の治験を参考にする取組」と書いてあるのですが、「治験」でしょうか、「意見」。それとも「チケン」だとしたら、「知見」ではないでしょうか。これが「治験」になると、何か全然意味が変な意味になってしまうと思いますので、見直していただけたらと思います。
○伯野研究開発振興課長 すみません、誤字です。修正します。
○楠岡部会長 花井委員からは何か御意見ございますか、この部分に関して。
○花井委員 よく書き込んでいただいたと思います。患者参画といってもいろいろあって、例えば、倫理委員会に参加する患者の、いわゆる研修みたいなものと、それから一般国民に対するものとあるので、今回、中間報告の書きぶりとしては、これで結構妥当なところかと思います。患者会との連携についての具体的なことについては、今後もう少し踏み込んだことが必要かとは思いますが、中間とりまとめとしてはこれで妥当かと思います。以上です。
○楠岡部会長 ありがとうございます。ほかに御意見ございますか。
○藤原部会長代理 今の山口委員、花井委員に関係してですが、11ページの例えば10行目、PPIに当たっての患者さん、あるいは市民向けの教育・研修の話をする中で、9行目、10行目の所には、「国民・患者の臨床研究・治験に関する理解を深めるとともに」と書いてあり、その後、意見発信の仕方とか、患者参画の仕方の教育・研修をと書いてあるように読めます。しかし、少し混乱するのは、10ページ目の29行目、これまで医師会さんとか中核病院などで、患者さんや市民を対象にした治験、臨床研究に関する啓蒙を主な目的にした講習会が開かれてきたと思うのですが、ここと書きぶりがちょっとオーバーラップするところがあるのです。これでもいいかとは思うのですが、最後の11ページの11行目の辺りを、「教育・研修」の前に「患者・市民向けの教育・研修」を入れるとか、ちょっと今、すぐいい言葉が浮かばないのですが、今後の対応等の最初のパラグラフの所と、11ページ目の一番最後のパラグラフの重複感がないように、文章をもう一度考えていただければと思うのです。私も考えますが。
○渡部委員 藤原委員の御意見とちょっと重複するのですが、確か、前々回の会のときに、関心を持っていない一般の国民の方にもやはり理解をしていただくことが推進につながるという意見もあったかと思いますので、「幅広い国民への理解を」というのをどこかに追加していただくといいのかと思いました。
○楠岡部会長 ありがとうございます。ほかに御意見ございますか。よろしいでしょうか。
そうしましたら、「その他」の所へ進んでいただけますか。
○吉田治験推進室長 それでは11ページ、項目のⅥ.「その他」です。これについては、22行目から24行目の所です。「例えば、研究計画の軽微な変更の範囲の変更や適応外使用に関する考え方などについては、さらに検討を進め、必要な対応を行うべきという意見があった」と追記しました。12ページの8行目から9行目の所、「一般の委員からの意見発信を踏まえ意見集約を行う委員長向けの研修について検討する」と追記しました。また、11行目から14行目です。「特定臨床研究の結果のうち、一定の信頼性が確保されている資料については、例えば、条件付き早期承認制度に基づき承認された品目の条件解除や、成人の効能を持っている医薬品の小児への適応拡大の薬事申請資料に用いるなどの活用ができないか検討すべきとの意見があった」と追記しております。また、20行目から21行目の部分です。「国際共同臨床試験を各国規制当局への申請に耐えうるレベルで実施可能な体制整備が必要であるとの意見があった」と追記しました。以上です。
○楠岡部会長 ありがとうございます。この点に関しまして、山口委員。
○山口委員 12ページの8行目の所で、「委員長向けの研修について検討する」と加えていただいたこと、意見を取り入れていただいてありがとうございます。ただ、これは研修をやって終わりということにならないようにしていただきたいと思います。研修を受ければそれでいいということではなくて、私の経験では、御自身は問題があると自覚されていない委員長の方もいらっしゃいます。委員長の役割とは何なのかということを、例えば事務局であったりとか、あるいは他の委員もちゃんと認識した上で、やはりこういう役割を果たしていただかないといけないとか、ここは変えていただかないといけないということが言えるような関係性みたいなことも必要だと思います。ですので、是非、その辺りをチェックできるような何か取組を、更にここに書いてくださいということではなくて、やって終わりにならないように、是非していただきたいと思います。
○楠岡部会長 ありがとうございます。ほかにございますか。ここの部分に関しては、いろいろなことが書かれておりますし、いずれも、これから検討せざるを得ないような項目ですので、その点の指摘をしてということが中心になるかと思います。ほかに何か、今までの議論の中で抜け落ちているような点とか、ここに書き加えておくべき点とかがもしありましたら、山口委員。
○山口委員 少し戻ってよろしいでしょうか。
○楠岡部会長 はい。
○山口委員 5ページの教育の所で、先ほど、課長からコアカリのことについて、コアカリは全部やらなくてもいいというお話があったのですが、私はコアカリの改訂委員で、そうではなかったような気がすると思って、ちょっと今、調べてみました。教育のプログラムの3分の2はコアカリに基づかないといけなくて、3分の1が各大学が自主性を出すということになっていますので、一応、コアカリに書いてあることは教育することになっています。ですので、例えば5ページの26行目の所に、「研究に関する項目はコアカリに記載されているので、研究課題(リサーチクエスチョン等)の設定、適切な研究手法を選択した上での計画立案、研究実施に至る流れを理解できる医師となるよう、教育内容に反映させていく必要がある」とか、何かそういう内容にしていただくと、更にコアカリの中で書かれていること、何を教えればいいかが具体性をもってくるかと思いますので、是非、そのような方向で考えていただきたいと思います。
○伯野研究開発振興課長 大変、失礼しました。文言等については、修正も含めて検討させていただきます。
○藤原部会長代理 私も、ちょっと戻っていただいて、4ページ、5ページの辺りで、「「新薬・新医療機器等の開発」と「治療の最適化のための研究」のバランス」というタイトルになっているのですが、治療の最適化だけではなくて、本当は診断治療とか、その後の介護かもしれませんので、例えば、「治療」の代わりに「診療」とか、「診療の最適化のための研究」とか、もう少し広義の意味にしたほうがいいように思うのです。治療だけ最適化されてもしょうがないので。大幅な文言の解釈の違いになりますが。
○楠岡部会長 ほかに御意見ございますか。よろしいでしょうか。
そうしましたら、次、12ページの第4「臨床研究中核病院のあり方」、この点に関してお願いします。
○吉田治験推進室長 それでは12ページの下の所、第4「臨床研究中核病院のあり方」について御説明します。これについては、13ページの10行目から12行目の所です。「また、臨床研究の実施及び支援については、領域や支援業務ごとに特化した機能を持つ医療機関もあることから、それらの位置付けの整理や活用についても検討すべきである」と追記しました。そして、今後の対応等の所、ここについては、大部分の内容が新しく追記した内容ですので、読ませていただきます。22行目からです。「我が国全体で必要とされる拠点数については、米国のCTSAの事例や現状の臨床研究中核病院、橋渡し拠点や予算事業における拠点整備を行ってきた医療機関の数を踏まえると、現状よりやや多い程度が一つの目安になるのではないかとの意見があった。拠点のあり方については、以下の意見があった。拠点外への支援は必要だが、自拠点の臨床研究の数の要件を満たすことが優先され、他拠点の支援まで及んでいないのが現状である。拠点の自立を強く求められるが、リソースが足りない。必要な機能を維持していくためには、予算面でどれだけ必要なのか検討していく必要がある」。
14ページ、「拠点としての機能を維持しつつ、他施設を支援するための拠点の考え方を議論していく必要がある。小児疾病・難病等の特定領域における臨床研究の拠点については、国立高度専門医療研究センターなどの役割等を検討する必要がある。これらの領域に特定した取組のほか、他施設支援に当たっての役割として、臨床研究中核病院以外の病院でも、例えばデータセンターとして支援の一部を担うことが可能ではないかとの意見があった。また、臨床研究中核病院の承認要件については、承認要件として特定臨床研究の件数があるが、特定臨床研究は、その研究のリスクにより分類されたものであり、特定臨床研究以外の質の高い研究も要件として含めることが必要ではないかとの意見があった」。 また、次の15行目から18行目の部分は、今回、初めて事務局から提案する部分です。「国内における必要な拠点数や小児疾病・難病等の重要な領域の臨床研究・治験に関する取組を踏まえ、大学病院など領域横断的に臨床研究を推進する病院と特定領域の臨床研究を推進する病院の役割等については、別添2のように整理できる」ということで、今回、御議論いただければと考えております。これについては、本資料の一番最後のページの別添2を御覧ください。「臨床研究拠点の役割や機能について」というタイトルです。これについては、領域横断的に国際水準の大規模な臨床研究・治験を実施するとともに、実施体制の底上げを図るという、いわゆる領域横断型のものと、国民の健康に重大な影響のある特定の領域について、長期的に着実に臨床研究・治験を推進するという、いわゆる特定領域型、この2つのイメージからなるのではないかという図です。
14ページに戻ります。20行目、「我が国の臨床研究中核病院の役割や機能については、こうした意見や、基本的な考え方のⅠ.~Ⅴ.を踏まえ、引き続き議論し、整理することとする」としました。
24行目以降の第5の「おわりに」です。これについては、中間まとめを今回すること、また、臨床研究中核病院等のあり方については、引き続き議論をし、夏をめどで結論を得るということを書きました。以上です。
○楠岡部会長 ありがとうございます。少し新たに付け加わった所がありますので、この点をいろいろ見ていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
○清水委員 特定領域型のものを考えていただくということについては、私も提案した記憶があるので結構かと思うのですが、ちょっとこの図の作り方でいうと、領域横断型のものが何か地域密着型というか、地域性でグループを作っているような形になっているのですが、実際は必ずしもそのようにはなっていないと理解しております。むしろあるとすると、比較的機器の開発に強い拠点であるとか、医薬品の開発とか再生医療等製品が強いというような、そのような傾向はあります。一緒に組んで進めているような機関も、比較的近い所にあるケースも少なからずありますが、むしろ大規模な研究をしようとすると、地域で固まってやっても、例えばリクルートするにしても患者さんの数にしても、どうしてもリミテーションができるので、余りこういう領域横断型のものが、地域性を持っているような表現をしていただくのは、いかがなものかと思います。
それから、特定領域型と言っても、余り疾患領域等に特定化する形にすると、やはり開発のときというのは、想定外のことが起こり得るという前提で進まなければいけないので、原則はやはり総合的な医療環境が整っている所でやるべきだろうと。特殊性の所と考えると、むしろ小児領域とか、そういった形のものは、小児領域をやっている病院というのは、当然小児に関してはジェネラルにやれるわけで、そういった括りは良いと思うのですけれども、余り特定の疾患だけしかやらないような所で開発研究を進めるというのは、私自身は余り良い考え方ではないのではないかと思います。疾患領域でという切り方については、もう少しチューニングが必要ではないかと感じます。
○楠岡部会長 清水委員の前半の指摘の点は、本文の所には別に地域とかいうことは書かれていないのに、別添2のキャプションの所に「地域」というのが入ってくるので、ちょっとそこは違和感があるかもしれないということ、ここは少し整理が必要かもしれないと思います。
あと、特定領域に関しましては、今ここにある臨床研究中核病院、領域横断型と特定領域型というのは、言葉の上では出ていないのですが、承認要件に2つありますので、それを一応、反映しているような形にはなっているということですね。ただ、これでいいのか、もう少しそれに加えるか、あるいは条件を変えるのかというのは、今後の議論というところでということだと思います。
○清水委員 その点も承知しておりまして、研究数とかそういう要件は、特定領域だと当然少なくなっているのですが、そのほかのファクターが総合病院を前提としているような作り込みになっているというところは、若干制約が強いという意見もありますので、そこを含めて見直す必要があるのだろうとは思うのです。ただ、余りに特定の領域しか診ないような病院をコアにするというのは、ちょっと危険かなという。
○楠岡部会長 ほかに御意見はありますか。羽鳥委員はいかがですか。
○羽鳥委員 この臨床中核病院は、非常にハードルを高くして、より高い質のことを行うというのが大前提だったと思うので、その特定領域として幾つか想定されている病院は、もちろんそれはクリアしていると思いますけれども、条件をきちんと明示して、最初に決めた臨床中核拠点病院の質を落とさないようにというのは、やはり第一に担保すべきだと思います。
それから、あと、臨床中核病院の新規指定についても検討するというのが、13ページの26、27行目にありますが、この辺も少し具体的に書き込んでいただけると、チャレンジしたい病院や大学が、また意欲を持てると思うので、お願いしたいと思います。
○楠岡部会長 ここはそういう意見があったということで、あくまで意見ということです。結局、この臨床研究中核病院の数というのは、日本で実施されている臨床研究の数や質の維持のために必要なものと、個々の病院が臨床研究中核病院としてサポートできる範囲と、両者を考慮したところで初めて数が出てくるような形になるので、数だけの、要するに何個作ればいいという話でもないし、何個なければならないという話でもない。臨床研究の現状を見ながら、今の臨床研究中核病院でカバーし切れているのかどうか、もしし切れていないのであれば、特にどういう点を強化するかというところを議論していくという、そういう意味と私自身も捉えています。何か数がもう少しあってもいいのではないかというのは、あくまで意見であって、それが妥当かどうかは、今後の検討でやっていかなければならないところかとは思っております。
○新谷委員 この点についてなのですけれども、「やや多い程度が一つの目安になるのでは」という、この文章だけを読むと、もう日本もアメリカに負けないぐらいあるのではないかと、そんなに増やさなくてもいいのではないかというような意味合いもあるわけですね。ですので、この「やや多い程度」という数字の根拠というのが、よく分からないというのが1点あります。アメリカのCTSAは62施設あるわけですけれども、実際に日本で50幾つあるから、こういうことを言われているのか、きちんとエビデンスとして。「やや多い」といういい加減な量的な示し方をしないほうがいいのではないかということ。
あとは、先ほど楠岡先生が言われたように、数だけの問題ではないということなのですけれども、数だけ比較すると本当に誤解があると思うのです。もう十分だと思われるかもしれない。ただ、アメリカのCTSAでは、予算規模が相当違います。もう10何年以上続いているもので、年間1施設、10億円前後のお金が落ちて、総額500億円ぐらいの事業ですので、それと比べて日本の臨床研究中核病院には、アメリカのCTSAぐらいの資金があるのかというと、これはかなり数字としては異なってくると思います。ですので、良いところだけアメリカを引き合いにしてというような、この数字の使い方というのは、ちょっと危険ではないかと思います。
○花井委員 この別添2の図と、それから本文の書きぶりとの関係で、先ほど羽鳥委員から意見が出ていたと思うのですが、臨床研究中核病院は基本的には、やはり領域横断型だというコンセプトで、そこで必要なクライテリアを定めたと。ただし、かなりあのときは数がどのぐらいかという相場感よりも質を常に求め、やはり一番高い質を求めようという議論だったと思います。
ただし、やはり外形要件になると、特定臨床研究はリスクだと言っていますけれど、事実上、特定臨床研究の概念は、メーカーからお金をもらったものというのもある。では、なぜそれと関係するかというと、手続が複雑になるという、そういう話で、そのこと自体の研究の質そのものを振り分けるという、そもそも概念ではなくて、もともと臨床研究全体に網を法律で掛けるべきなのだけれど、全部掛けるとやはり大変なことになるので、より特定のものにしましょうとした、ある種の政策的な概念だったわけです。それがある種、質の問題の臨床研究中核の指標になっているというところは、若干仕方なしというか、そういうところもあるということです。当時の議論として確かに、具体的な名前を言ってしまえば、成育医療センターみたいな所は小児領域としてはジェネラルに、全国でやるような所はやれるのだろうなと思っていたけれど、クライテリアを上げ過ぎてしまったものだから、その件数で難しいということになって、事実上、落ちてしまったみたいな感じが当時の感覚としてはあったのです。
ここへ来て、やはりそうなると、この小児の臨床研究の、いわゆるリーダーシップを取る所がなくなって、地盤沈下が起きつつあるので、今回それを見直そうという話と、特定疾病領域みたいな特定領域の、いわゆる臨床中核拠点病院の概念を2つに割るみたいなこととは、相当距離のある話だと思うのです。ですから、この段階でこの整理でいいかどうかというのは、特定領域をやめてしまえとまでは主張しないのですが、何か取って付けて、急に臨床研究中核病院のバリアントをここで提案しているようにも思えるので、ちょっとそこは慎重な議論をして。確かに小児領域とか、特に難病領域をサポートする所が不足しているという現状の下で臨床研究中核をどう整備するかというように、素直に王道で議論したほうがよくて、最初から何か概念を分けてしまって、「そういうのも認めましょう」みたいな話だと、やはり、先ほど清水委員がおっしゃったような誤解を招くのではないかと思いました。
中間報告でどこまでこれをやめろと言うのかどうなのか、まだ今後も議論することだと思いますので、ちょっとそこを考えて、臨床研究中核については議論していただけたらなと思いました。以上です。
○楠岡部会長 ありがとうございます。ほかに御意見は。
○国忠委員 医政局が中心になって、今までいろいろな議論をされている中で、例えばナショセンのあり方を検討するという会議があったり、今日の午前中はクリニカルイノベーションネットワークをどうやって活性化させるかという議論があったり、また、今日、ここでは臨床研究中核病院についてで、これら全部が絡んでいる話だと思って聞いていたのです。そうすると、ナショセンの検討会のときに、どうして日本のナショセンの中で、臨床研究中核病院になっているのは、国立がんセンターだけなのでしょうかというような議論があったりする。実はナショセンというのは、治験を中心としてやられている病院というのは、そんなに多くはないのでありますけれども、今、話題となっているレジストリ、リアルワールドデータを作るという意味では、一番日本の中核になっているのがナショセンなのだろうと思うのです。
ですから、臨床研究の中核病院という言い方のカテゴリーをもうちょっと大きくすれば、ビッグデータを作るというものを含めれば、やはりナショセンというのは、かなり大きな仕事をやられている。そういう意味で、こういう分け方をされるというのは、私はごもっともなことなのかなと思って聞いていました。というコメントです。
○楠岡部会長 ありがとうございました。臨床研究中核病院とナショセンとの関係を今後どうしていくかも考える必要があります。両方とも臨床研究の重大な中核であるのは間違いないわけで、ただ、規模感とか、あるいはカバーする領域等において、かなりいろいろありますので、その辺をどう整理するかというのも含めて、臨床研究中核病院のあり方は議論していく必要があるかと思います。ですから、それも今後の議論の中には含まれると考えていただければ。
○清水委員 今の意見は非常に重要なポイントだと思うのですが、その要件のところでの特定臨床研究というのが、臨床研究法上の、いわゆる介入研究の部分プラス医師主導治験というような、そういう括りに今なっているわけです。だけれど、実際に中核病院そのものに求められている機能として定義されているのは、むしろ開発段階の研究をきちんと安全に質の高いことを施行できるようにということで作られているので。
一方で最初の議論にもありますように、いわゆるエビデンス研究、EM研究のような診療を最適化するための研究というのを、これは一方で重要なのですけれども、そこまで含めて臨床研究中核に、そういう支援をさせるという形で考えるのか。そういうものは臨床研究中核とは、また別の形で、質の高い研究をサポートできるようなメカニズムを持った病院を幾つかそういうものにして、いわゆるナショナルセンターがそれのコアになってやるというような発想もあるのではないかと。小児領域のうんぬんというのは、むしろ開発のところが中心の話だと思いますので、これについては先ほど花井先生だったと思いますけれども御意見あったように、きちんと整理をして、何が何でもこの高いハードルの中核病院でなければいけないかというと、こういう領域については、そうでなくてもいいのではないかというような議論はありだと思うのです。
それと、いわゆる診療最適化研究のサポートをするようなセンターとしての役割を、むしろそういうところは領域でまとまったほうが当然やりやすいわけですので、そういった機能を求めるのであれば、ナショナルセンターなどを中心に、そういうところをサポートする機能を持ってもらうというのが1つの考え方になり得るのではないのかなと思って、今、お話を伺っていたのです。それを含めてトータルに臨床研究中核という言い方にするのかどうか、それはまた別の話だと思うのですが。
そういうことを考えると、ちょっと今の段階で、今日御提案いただいた別添2のような図を、この中間とりまとめに付けるというのは、ちょっと時期が早いのではないかと。何か別のメッセージを発してしまうようなイメージになると思うので、議論としては、そういうことを今後考えましょうというところにとどめておいて、この別添2のように整理できるというのは、私はないほうがいいのではないかと思いますが。
○楠岡部会長 いかがでしょうか。今の別添2に関するところは、14ページ、16行目から19行目の所で、「役割等については、別添2のように整理できる」という形で、別添2が使われているわけでありますけれども、ここに関して1つの考えとして、別添2がなくてもいいのではないかという考え方もあり得るかとは思うのですが、この辺りはいかがでしょうか。
○渡部委員 やはり別添2だけを眺めると、領域横断型と特定領域型の違いを明らかにするために作られたスライドというのは理解できるのですけれども、イメージ(案)だけを見ると、全く別もののように見えてしまうので、どのように役割を切り分けるのかというのは、また今後、議論が必要かと思います。あるいは原則として臨床研究中核病院は、まずこういったものを機能として担いますというのがあって、更にその上で、領域横断型と特定領域型というのを切り分けるとか、もうちょっと整理が必要なのかなと思いました。
あとは、タイトルが「臨床研究拠点の役割」となっていて、イメージのほうは「臨床研究中核病院」となっているので、ちょっとそこも検討したほうがいいのかなと思いました。
○山口委員 議論の状況を見ていますと、まだ、別添2がみんなのコンセンサスを得ているわけでも何でもないので、例えば文言として、15行からの3行は残したとして、臨床研究を推進する病院の役割等については、今後も継続して議論が必要であるというのが、現状を踏まえた内容になるのではないかなと思います。
○新谷委員 私は先ほどの清水先生の意見に賛成なのですけれども、このリアルワールドデータの活用について、臨床研究中核病院にこれを全部やれと言うのは、ちょっと人材的なリソースを考えても、無理があるのではないかと思います。また、専門領域のことを考えても、必ずしも創薬開発の専門家が疫学に通じているとは限らないわけです。ですので、疫学を専門にしている方々が、今の臨床研究中核病院に人材としているのかどうか、ということを考えると、もっと別の所にそういう先生方がいらっしゃると私は個人的には思っておりますので、分けるべきかという議論は非常に重要だと思います。
それから、こちらの別添2についてなのですけれども、この言葉がランダム化比較試験のみならず、リアルワールドデータを活用したという、この2つに言及されてしまうと、臨床研究というのはRCTかリアルワールドか、これしかないのかというような誤解を与えてしまいますので、ここはどちらかと言うと、創薬開発と承認済みのお薬に対する治療の最適化、この2つの言葉のほうを使うべきではないのかなと考えます。
○楠岡部会長 臨床研究中核の役割ということは、当然この臨床研究中核病院の承認要件のみだけではなくて、その後の承認された後の役割に関しても議論が必要なところです。実際上、今、臨床研究中核病院というのは医療法の中で研究ができて、かつ支援のできる病院と位置付けられているわけですけれども、それの外縁部分で先進医療の前さばきをするとか、それから患者申出療養の受付をするとか、結構そういう本来のARO機能とはちょっと違うものも、結局お願いできる所がないので、厚生労働省はみんな臨床研究中核病院にお願いしているみたいな状況がある。その中で、そこを少し整理していかないと、何が本筋で、何が追加機能なのかということも、ごちゃごちゃになりかねないところもあるかと思います。その辺りのことは、中間とりまとめに書くような指摘点ではないですけれども、今後、議論するときには、そういう点も踏まえて考えていく必要があるのではないかと思います。
事務局のほう、今までの議論の中で、このセクションに関しては、いかがでしょうか。
○伯野研究開発振興課長 先ほどの別添2の関係については、まだまだいろいろな御意見があるというのは、よく認識しておりますので、先ほど山口委員がおっしゃったような表現でどうかなとは思っていますが、いかがでしょうか。
○花井委員 山口委員の意見でいいと思うのですが、もしかしたら、つまり私が言ったように、小児領域と難病等がちょっと遅れているので、その分野の臨床中核的なものが要るよというところは、皆さんのコンセンサスがあるのであれば、それを書いておいたほうが。継続審議になってしまうと、今からまたそれは論点になってしまうので。そうすると、もしかしたら中間とりまとめの段階で、その方向性の動きを行政ができるかもしれないというところ、ちょっとそこの含みを。できるだけ早く、この小児領域と難病等は手当てしてあげなければいけないというところに、もし委員の先生方の共通認識があるのであれば、それはちょっと応援できる書きぶりを、含みを持たせて書いていただいたほうがいいかと思いました。以上です。
○伯野研究開発振興課長 ありがとうございます。もし、そこの部分にコンセンサスがあって、枠組みについては検討が必要という御趣旨かと思いますので、もし、そういう形でよろしければ、文案も考えさせていただきます。
○楠岡部会長 花井委員の御意見に関しては、多分、ここの構成員全員同じ意見と思います。ただ、それを臨床研究中核病院とどうくっ付けるかとか、ナショセンとの役割分担をどうするかというのは、まだはっきりできていないところなので、それは今後の議論の中に残しておくのですが、問題点としては、今、花井委員の指摘されたとおりで、それは必ずこの中に残すような形で進めていきたいと思います。ほかにありますか。
そうしましたら、大体一通り最初から見てきたわけでありますが、もう一度振り返られて、何か気になる点などがありましたら、御指摘いただければと思います。よろしいですか。最終的な取りまとめを完全にするまでには、まだ若干の余裕がありますので、今日帰られて、もう一度よく読んで、気になる所があれば、是非、事務局のほうに御指摘をお願いしたいと思います。
今後のスケジュール的なことは何か、この中間とりまとめをいつ頃発表して、本体の取りまとめをいつ頃までにとか、あるいは先ほどから議論のある臨床研究中核病院に関しての議論などに関して、何かスケジュールがありましたら、お示しいただければと思います。
○伯野研究開発振興課長 中間とりまとめについては、今、頂いたような御意見を少し反映させていただいて、もしよろしければ座長のほうで御確認いただいて、中間とりまとめという形にさせていただければと思っております。一番最後にあったような臨床研究中核のあり方や拠点のあり方など、あとは臨床研究法の施行によって、いろいろな課題みたいなものもあるかと思います。そういったところの調査を行うなど、いろいろなことがここに書かれていますし、臨床研究中核病院のあり方については、引き続き御検討させていただいて、夏から秋ぐらいにかけて、少し最終的な取りまとめをさせていただきたいと思っています。
○羽鳥委員 難病と小児について、少し早めにスタートするというお話だと思うのですが、そういう意味だったら、脳卒中・心臓病対策基本法も、今年の12月までに具体的な法案をつくる必要があります。国立循環器病研究センターも取り上げていただきたいと思います。
○花井委員 今、スケジュール感を聞いて秋ぐらいとおっしゃったので、そうすると、この夏の概算要求は、この中間とりまとめしかない形になるとすれば、いわゆる臨床研究に対するファンドが、ありとあらゆるところが少ないというのは、皆さんの一致したところなので、概算要求に当たって、それなりのスタートができる書きぶりになっていないとまずい。ということになると、その辺は座長の先生に一任するので、夏までにもう一回取りまとめるかなと思って、ちょっと余裕があると考えていたのですが。つまり、ただでさえスタートが遅れれば、また遅れるので、ちょっとそれは予算獲得に説得力のある中間報告になっていることが期待されるというところで、その辺をよろしく御配慮いただけたら。
○伯野研究開発振興課長 基本的に夏までとは思っていますが、ちょっと状況を見ながらとは思っています。
○楠岡部会長 あと、今までの5か年計画ではアクションプランというものを付けて、非常に早期に解決すべき問題、あるいはすぐに手の付けられる問題と、かなり検討したり、あるいは制度改正などが必要なので、ここは5か年計画ではないですけれども、少なくとも来年、再来年ではなくて、もう少し時間を掛けてやっていくものというように分けながら整理したと思うのですが、今回はアクションプランに相当するようなものは、何か考えておられるのでしょうか。
○伯野研究開発振興課長 今、アクションプランのことを、具体的に考えているわけではありませんが、おっしゃるとおり、作っておしまいというものではないと思っていますので、進捗管理は必要だと思っています。それをアクションプランという形にするのかどうかというのはあるかと思いますが、その辺はまた引き続き、座長とも御相談させていただければと思います。
○楠岡部会長 ありがとうございます。ほかに何か、この中間とりまとめ全般に関して、何か御意見はありますか。よろしいでしょうか。そうしましたら、本日は少し新たな意見も頂きましたので、これは事務局のほうで整理していただきまして、ただ、基本的に大きな変更はないと考えておりますので、座長預りという形にさせていただいて、最終的なものを、また御確認いただくということでよろしいでしょうか。(異議なし)
○楠岡部会長 それでは、そのようにさせていただきたいと思います。そうしましたら、本日、御議論いただいたものを手直しして、中間とりまとめとして早急に発表していくということで、御了承いただいたものとさせていただきます。どうもありがとうございました。あとは事務局のほうから、その他の点で何かありますか。
○伯野研究開発振興課長 大変熱心に御議論いただきまして、ありがとうございました。次回につきましては、日程調整をさせていただいて、また事務局のほうから御連絡させていただきたいと思います。ありがとうございました。
○楠岡部会長 では、どうもありがとうございました。