第136回労働政策審議会職業安定分科会 議事録

日時

平成31年2月7日(木)17:00~19:00

場所

中央合同庁舎5号館厚生労働省省議室(厚生労働省9階)
(東京都千代田区霞が関1-2-2)

議事

 

○阿部分科会長 ただいまから第136回労働政策審議会職業安定分科会を開催します。本日の委員の出欠状況ですが、公益代表の太田委員、小畑委員、玄田委員、使用者代表の今木委員、熊谷委員、吉岡委員が御欠席です。なお、熊谷委員の代理として、日本商工会議所産業政策第2部課長の高野様が、後ほどお見えになると伺っております。また、鎌田委員についても、所用により後ほどお見えになるということです。よろしくお願いします。
それでは議事に入ります。最初の議題ですが、「職業紹介における求人不受理に係る職業安定法施行令、同法施行規則及び指針の一部改正について」です。本件については、1月30日付けで厚生労働大臣から労働政策審議会会長宛て諮問を受けており、同日開催された労働需給制度部会におきまして、あらかじめ本議題に関する議論を行っていただいております。まず事務局より説明をお願いします。

○需給調整事業課調査官 需給調整事業課の調査官の古屋です。職業安定法施行令の一部を改正する政令案要綱等について、資料1-2を使って御説明します。1ページ、改正の背景についてです。ハローワークや、職業紹介事業者については、職業安定法におきまして、原則として求人を受理する義務が課せられております。例外として、法令違反がある場合や、新卒者向けの求人のうち、若者雇用促進法に基づき、政令で定められている一定の労働関係法令の違反がある場合については、ハローワークが受理することが「できる」とされておりまして、職業紹介事業者についても同様の運用をしてきたところです。平成29年の職業安定法の改正では、就職後のトラブルの未然防止を図るため、ハローワークや職業紹介事業者等において新卒求人以外にも一定の労働関係法令違反の求人者等による求人を受理しないことができるとされたところです。これに伴って、まず施行日について一定の周知期間や、職業紹介事業者等による準備期間を考慮して、2020年3月30日とすることを考えております。
次に改正後については、求人不受理の対象となる労働関係法令を政令で、対象となるケースを省令で定めることとされております。具体的内容については2ページにお示ししております。対象条項については、若者雇用促進法におきまして、新卒者向け求人の不受理の対象条項と基本的には同じものを盛り込んでおります。これに加えて、職業安定法改正の付帯決議を踏まえて、資料の真ん中の青枠で囲んでいる所ですが、職業安定法の求人者等の義務に関する規定を追加しております。具体的には、職業安定法第48条の3第3項におきまして、違反した場合に公表の対象とされる規定を追加しております。
3ページ、どのような場合に不受理の対象となるかについては、若者雇用促進法と同様の整理とさせていただいております。まず対象となる違反の程度ですが、労働基準法、最低賃金法については、過去1年間に2回以上同一条項違反で是正指導を受けている場合、対象条項違反で送検、公表された場合などです。職業安定法、雇用機会均等法、育児介護休業法については、是正勧告に従わず公表された場合としております。次に不受理の対象とする期間ですが、1つ目の○については、是正指導、是正勧告、公表の場合については、法違反が是正されるまでの期間に加えて、更に違反を重ねないことを確認するため、是正後、6か月経過するまでを不受理期間としております。
2つ目の○ですが、送検されて公表された場合です。まず送検後1年間は不受理期間としつつ、その時点で是正後6か月を経過していない場合には、是正後6か月を経過するまで延長することとしております。
4ページ、職業安定法の指針におきまして、求人不受理に関する留意事項を定めるものです。まず上段のものですが、職業紹介事業者が、求人者が不受理要件に該当するかどうかを、どのように確認するかという点について、行政が、保有する指導状況等外部に提供することは困難であるということを踏まえて、指針におきまして職業紹介事業者は、求人者に対して自己申告させるべき旨を規定しようとするものです。下の段ですが、職業安定法上、求人不受理は「できる」規定ではありますが、不受理要件に該当する求人申込みを紹介するということは、求職者に対して重大な影響を及ぼすおそれもありますので、指針におきまして、不受理要件に該当する求人の申込みについては、受理しないことが望ましい旨を規定しようとするものです。説明については以上です。

○阿部分科会長 それでは本件について御質問、御意見がありましたら御発言ください。

○柴委員 職業紹介事業者等に対する求人の不受理については、これまでも指針においてハローワークに準じた取組を進めるよう勧奨するにとどまっていますが、実態としてどの程度浸透しているのか、例えば取組事業者数などの実態把握などを行っているのか、確認させてください。

○阿部分科会長 それでは事務局お願いします。

○需給調整事業課長 今の御質問に対して、現行の若者雇用促進法における適用事例については参考資料1があります。お開きいただきますと、このような形での求人不受理の件数となっております。ただこちらについては、ハローワークにおける取組実績になっておりまして、御質問にありました、民間の紹介事業者においてどの程度勧奨的な形で取組が行われているかについて把握している実績はありませんので、今度、安定法に基づいて、今般こういった形で取組が進んでいきますと、その辺の動きについても適切にフォローしていく必要はあるのではないかという考えです。

○柴委員 よろしいですか。

○阿部分科会長 どうぞ。

○柴委員 ここの資料は今言われたとおり、ハローワークのみの把握だということですので、今後は職業紹介事業者などでも求人を受理しないことが、「できる」というできる規定が適用されることになりますが、強制力としては少し弱いのではないかと思います。特に4月から労働時間の上限規制も始り、是正勧告を受けても適切に対処しない事業者数が増加することも想定されますので、職業紹介事業者などへの指導・周知の徹底を是非お願いしたいと思います。

○阿部分科会長 御要望もありますが、事務局から何かありますか。

○需給調整事業課長 御要望を踏まえて、適切に指針も含めて、紹介事業者として社会的使命を踏まえた運用をなされるように周知をしっかりやっていきたいと思っております。

○阿部分科会長 その他はいかがですか。特段よろしいですか。それでは、ただいま御要望がありましたが、当分科会としては厚生労働省案を「妥当」と認め、その旨を私から御報告申し上げたいと思いますが、よろしいですか。

(異議なし)

○阿部分科会長 ありがとうございます。それでは報告文案の配布をお願いします。

(報告文(案)配布)

○阿部分科会長 お手元に配布された報告文(案)により、労働政策審議会長宛てに報告したいと思いますが、よろしいですか。

(了承)

○阿部分科会長 ありがとうございます。それでは、そのように報告をさせていただきます。次の議題は、「高年齢者等職業安定対策基本方針の一部改正案について」です。本件については、1月15日付けで厚生労働大臣から労働政策審議会会長宛て諮問を受けており、当日開催された雇用対策基本問題部会において、あらかじめ本議題に関する議論を行っていただいております。それでは事務局より説明をお願いします。

○高齢者雇用対策課長 高齢者雇用対策課長の野村と申します。資料に基づいて説明させていただきます。資料2-1、1枚めくると諮問文になっております。その後ろに告示案及び新旧表を付けております。御説明は資料2-2に基づいてさせていただきます。
「趣旨」にありますが、この基本方針は平成24年の高年法の改正を踏まえて改正したものです。この方針の対象期間は、昨年度より1年延長して平成30年度までとされております。一方、現在、未来投資会議において、70歳までの就業機会確保について検討されているところです。この基本方針についても未来投資会議における議論等を踏まえて、改めて審議会で御議論いただき、見直しをしていくことが適当であると考えております。このため基本方針の対象期間を平成30年度までの6年間とされているところ、平成31年度までの7年間に改正したいと考えております。以上が今回の諮問の内容です。
一方、この間、高齢者の就労に係る状況も進展しております。関連するデータについて御説明いたします。これは参考資料2-1を御覧ください。上段、下段がありますが、上のほうについては関連データということです。一番上の欄には「目標」とあります。これはこの基本方針の目標として、平成32年までの目標値として掲げておりまして、60~64歳の目標値が63%、現在は65~69歳が40%となっておりますが、平成29年のデータで見ますと、それぞれ既に達成しております。そのほか、方針で引用している60歳以上の労働力人口、完全失業率などについても直近の数値についてお示ししておりますので御確認ください。
次に参考資料2-1の2ページです。これは毎年取りまとめている高年齢者の雇用状況に係る集計結果の概要です。平成30年6月1日現在の状況を取りまとめ、昨年11月16日に公表したものです。左上、高年齢者雇用確保措置の実施状況ですが99.8%となりまして、前年度よりも0.1ポイント上昇しております。下の所、65歳定年企業の状況ですが16.1%です。これについても0.8ポイントの増加です。右上、66歳以上働くことのできる企業は、今年から集計しているところですが、何らかの制度がある企業が27.6%となっております。右下、70歳以上働ける制度のある企業の割合についても25.8%、3.2ポイント上昇しております。参考資料2-2のほうは、現在の基本方針です。説明は以上です。よろしくお願いします。

○阿部分科会長 それでは本件について御質問、御意見がありましたら御発言をお願いします。

○林委員 御説明ありがとうございました。今、御説明いただいたことに対して、念には念を入れてという意見になるかと思いますが、本方針の対象期間である2013年以降は、データでもお示しいただいたように、高齢者の方を取り巻く環境は大きく変わってきていると認識しております。また高齢法の改正などを始めとして、こういった法改正なども含めた環境ということで更に大きく変化をしています。ただ、足元では御説明でもありましたように、未来投資会議でも今後の高齢者雇用について議論がなされておりますので、本方針を改正しにくい状況ということは十分理解をしています。ただ改正を延長すればするほど方針自体が形骸化していくことも懸念されますので、やはり次年度は未来投資会議などの状況も勘案しつつ、できるだけ早い段階からしっかりと議論を行った上で、方針を改正していただきたいということを改めて意見として述べさせていただきます。よろしくお願いします。

○阿部分科会長 ありがとうございました。何かありますか。

○高齢者雇用対策課長 事務局としてもそのような御意見を踏まえて、しっかりと検討し、またこの審議会の場でもいろいろ御意見を頂ければと考えております。

○阿部分科会長 ありがとうございました。ほかにいかがですか。それでは、特段ないようですので、当分科会は厚生労働省案を「妥当」と認め、その旨を私から御報告申し上げたいと思いますが、よろしいですか。

(異議なし)

○阿部分科会長 ありがとうございます。それでは報告文(案)の配布をお願いします。

(報告文(案)配布)

○阿部分科会長 ありがとうございます。お手元に配布された報告文(案)により、労働政策審議会会長宛て報告することとしてよろしいですか。

(異議なし)

○阿部分科会長 ありがとうございます。それでは、そのように報告をさせていただきます。次の議題は「2018年度の年度目標に係る中間評価について」です。事務局より御説明をお願いします。

○総務課長 総務課長の岸本です。議題3、2018年度の年度目標に係る中間評価について御説明します。これは当分科会で7月31日に御議論を頂いた職業安定行政の2018年度の年度目標について、おおむね4月から10月までの約半年間の実績を基に、中間評価を皆様にお願いするという案件です。資料3-1と資料3-2の2点を御用意しております。
4月から10月までの実績、施策の推進状況、私どもとしての自己評価をまとめたものが資料3-2です。その中から評価内容を抜き出したものが資料3-1です。主に資料3-2を基にまず御説明します。
目標全体としては大きく3本の柱を立てております。1つ目が、ハローワークにおける職業紹介・人材確保等。この中には7つの目標を立てております。2つ目が成長分野等への人材移動として、この中には3つの目標。3つ目が、高齢者・外国人の就労促進として、この中には3つの目標。合計、13の目標を掲げております。以下、資料3-2を基に、各目標の進捗状況などを申し上げます。
資料3-2の1ページ、大きな柱1番のハローワークにおける職業紹介・人材確保等の7つの目標の進捗状況などをまとめております。表の見方としては、左から2016年度実績、2017年度実績、2017年度の4月から10月の実績、2018年度目標、2018年度の4月から10月の実績という順に5つの数字を並べております。この中の1つ目の柱の中の7つの目標を順に申し上げます。
マル1がハローワーク求職者の就職率に関する目標です。こちらは10月までの実績で30.9%となっておりまして、2018年度の目標である31.5%、あるいは昨年度の前年同期の31.4%を下回っている状況です。マル2人材確保対策コーナーにおける人材不足分野の充足数です。これは10月までの実績で8万4,958人となっておりまして、年度目標13万9,700人に対して進捗率が60.8%となっております。4月から10月までの実績としては、年度目標を達成できる見込みではないかと現時点で考えております。
マル3ハローワークにおける正社員就職件数です。10月までの実績が42万6,636件となっております。年度目標72万件に対する進捗は59.3%となっておりまして、昨年度の同期と比べても順調に推移しております。マル4マザーズハローワーク事業における重点支援対象者の就職率です。これは9月末までですが93.4%が就職をしております。年度目標の89.9%を上回って推移しております。マル5雇用保険受給者の早期再就職割合です。10月までの実績が37.5%となっておりまして、年度目標と同水準です。また昨年度の実績と比べますと高めで推移しております。マル6求職者支援制度による職業訓練の就職率、受講者の就職率です。4月分速報値におきまして基礎コース61.0%、実践コース65.0%となっておりまして、いずれも年度目標を上回っております。マル7生活保護受給者等就労自立促進事業の支援対象者の就職率です。10月までの実績が65.2%となっておりまして、年度目標67%には届いておらず、少し下回って推移しております。ただ、昨年度の実績が同期で65.3%、年度では最終的に67%に届きましたので、おおむね昨年度と同様の推移をしていると見ております。
2ページからこの7つの目標に関する目標設定の考え方をまとめておりますが、これは7月31日の会議で御説明を申し上げた内容ですので、省略します。資料の4ページからが7つの目標に関する施策の実施状況の分析です。特に4ページ中段以降では、現時点で目標値に対して低めで推移しているマル1ハローワーク求職者の就職率についての分析を御説明します。
雇用情勢は長期間にわたって改善をしておりまして、求職者は減少が続いております。その中で、求職者全体としては減少していますが、増加しているグループとして60歳以上の高齢者の求職者の方は増加しております。また、全体の就職率と比べますと高齢者の方の就職率は低い傾向です。全体として年度目標を下回る形で推移しておりますが雇用情勢が良い中でもそういった推移になっていることの原因ではないかと分析をしております。
5ページ下段が、7つの目標に対する評価、今後の方針を記載しております。これも特に下回って推移をしているマル1について申し上げます。やはり高齢求職者の就職促進をこれまで以上に強化していくことがポイントだと考えております。対応としては、全年齢を対象とした求職者担当制、予約相談など、個別支援の強化が1つです。もう1つは特に60歳以上の高年齢求職者をターゲットにして、高年齢者歓迎求人の確保、高年齢者向け面接会の開催など、就職支援を積極的に実施をしてまいりたいと考えております。
大きな柱の2番、成長分野等への人材移動について申し上げます。ここでは3つの目標を立てております。マル8が労働移動支援助成金による再就職者の早期再就職割合です。10月までの実績が67.6%と年度目標をかなり上回る水準で推移しております。次にマル9労働移動支援助成金の再就職者のうち、フルタイムで再就職できたという方の割合です。これも10月までの実績が76.3%となっておりまして、年度目標67.6%をかなり上回って推移しております。マル10が産業雇用安定センターによる出向・移籍の成立率です。10月までの実績は75.8%という水準で、年度目標64%を上回る状態で推移しております。
7ページの下からは年度目標設定の考え方を書いております。これは7月の回で御説明した内容ですので省略します。施策の実施状況に関する分析を8ページから9ページにかけて書いております。大きな柱の2番目のマル8からマル10については、いずれもこれまでのところ、年度の上半期においては順調に推移しておりますので、いずれもこれまでの取組を引き続きしっかりと継続していきたいと分析しております。
10ページからが大きな柱の3番、高齢者・外国人の就労促進に関する目標です。これも3つの目標を中で立てております。1つ目がマル11生涯現役支援窓口でのチーム支援による就職率。高齢者の方を求人側、求職者側のアプローチのチームで取り組むことでより高い就職率を実現していこうというプロジェクトです。これについて10月実績では55歳から64歳層の就職率が75.5%、65歳以上の就職率が66.4%と推移しております。昨年度実績と比べますと、いずれも上回る形で推移をしております。年度目標との関係で申しますと、65歳以上については年度目標の62.9%を上回っておりますが、55歳から64歳については、目標が75.8%ですので、若干下回っております。
マル12シルバー人材センターにおける会員の就業数については、10月実績が4,262万8,627人日です。年度目標が7,100万人日ですが、進捗率としては60%を達成しておりまして、7か月分としては順調に推移していると見ております。
マル13外国人雇用サービスセンター等を経由した留学生の就職件数です。今年度10月までの実績は848件です。年度目標が2,000件ですが、昨年度と比較しますと、4~10月実績が821件に対して、年度の実績が2,042件です。これはやはり就職が2、3月に多くなりますので、下半期に今年も伸びていくことを期待しております。そういう意味では、昨年度と比較しますと、年度目標におおむね達するペースと見ていいのではないかと見ております。これも年度目標の目標設定の考え方は7月と同じですので、10ページの一番下からの施策実施状況以下について、特に現時点で55歳から64歳層が届いていないマル11について御説明申し上げたいと思います。
マル11については、施策の実施状況に係る分析を11ページの真ん中ほどに書いておりますが、労働局などから担当課がヒアリングをして、高齢者向けの個別求人開拓について労働局によって取組がうまくいっている所と、余りうまくいっていない所とあるように見ております。
一部の労働局において個別求人開拓の実施が十分でなく、更に強化する余地があるというのがこの数値を見た私どもの分析です。
今後の方針としては、マル11に関しては65歳以上は順調に推移しておりますので引き続きこれまでの努力を継続するとともに、55歳~64歳層については個別求人開拓の徹底、特にうまくいっていない労働局に対するきめ細かな指導などに取り組んでまいりたいと考えております。以上が資料3-2でお示しをした中間評価に関する全体像です。資料3-1は今御説明した中から評価的な部分を書き出しまして、これは中間評価のたたき台として御議論を頂ければということです。
資料3-1、マル1~マル13までの各施策において、今申し上げた内容をかい摘んで記載する形で中間評価の案を書かせていただいております。特に重点的に申し上げますと、マル1ハローワークの求職者の就職率です。年度目標10月までの時点で下回っておりますので、その要因分析として高齢の求職者が増加傾向で推移していることを書くとともに、対策として、高齢者歓迎求人の確保、高齢者向け面接会の開催など、高齢者層に対するアプローチの強化を掲げております。マル2~マル6に関しては、10月までの実績はおおむね順調に推移しておりますので、要因分析のみを記載しております。マル7については若干年度目標、10月までの数値等は届いておりませんが、昨年度と比較しますと、年度末時点では目標達成が期待できるのではないかという考え方のもとに、引き続ききめ細かな就労支援を実施していくことを書いております。
2ページ下段からは大きな2つ目の柱である成長分野等への人材移動です。これはいずれも実績が順調推移ですので、要因分析のみを簡潔に書いております。3ページ中段からが大きな3つ目の柱、高齢者・外国人の就労促進です。特に目標が若干割り込んでいるマル11ですが、ここについては要因分析として労働局における個別求人開拓が十分でなかった面があるということ。また、今後の取組として、より積極的な求人開拓を進めていくということが書いてあります。議題3の説明については以上です。

○阿部分科会長 それでは本件につきまして、御質問、御意見がありましたら。

○正木委員 御説明ありがとうございます。先ほどの高年齢者の職業安定対策基本方針の一部改正のところにも関わるなと思って拝見しておりました。今の資料3-2で言うと、マル1の部分では高齢者の就業が非常に大変であるということを書いておられるのですが、一方、マル11の生涯現役支援窓口勤務支援での就職率ですが、大変高い就職率だなと思っておりまして、そうするとマル1とマル11の関係がちょっと分かりにくいと。生涯現役支援窓口も結局ハローワークに設置されているわけで、ただ、全国百数十か所にしかないから、全体におしなべていくと低くなるということなのかどうか。
また、生涯現役支援窓口の中でも一部の労働局は個別開拓は十分ではなかったけれども、そのほかでは真面目にやっている所で目標に非常に近付くことができたとのお話でした。この個別開拓で、うまくいっているほうでは具体的にどのような開拓ができているのでしょうか。これがもし、ほかの労働局でも同じような開拓ができるのであれば、もちろん生涯現役支援窓口でのチーム支援のほうでも就職率が上がりますし、マル1のほうの就職率、ハローワークでの職業紹介一般でも広がって、うまくいくような形になると思うのです。そして多分、未来投資会議での65歳以上の就業率をどうやって上げていくかという議論のほうでも役立つと思うのですが、具体的にどんな開拓というのがうまくいっているのか、その辺の実態について分かれば、御紹介をお願いいたします。

○高齢者雇用対策課長 高齢者雇用対策課長の野村です。一般窓口と生涯現役支援窓口での就職率の差ということなのですけれども、生涯現役窓口につきましては御案内かと思いますが、3者で支援するというのが基本の形になっておりまして、今、出ましたところで言いますと、まず職業相談員に加えて求人者支援員、あとは就労生活支援アドバイザー、この3者で重点的に支援する。支援する方についても、高齢者も非常に就職状況は厳しいというお話もありましたが、その中でも特に就職が必要な方に対して、重点的に支援を行うという形で結果に違いが出てきているものと受け止めております。生涯現役窓口でのノウハウを全体に波及していくことは、非常に重要かと考えております。
あともう1つ、今、生涯現役支援窓口自体は180か所作っておりまして、来年度は更に60か所増設する予定でおりますけれども、最終的には300か所ということで考えております。全体的には求人開拓、どういう分野と具体的にはお示しできないのですが、特にこれまで高齢者を雇用したことのない事業所に赴いて、こういった部分の仕事を切り出せば、これは高齢者の方でできますというようなことを、実際に事業所に訪問して求人開拓を行い、それを求人票にPOPとして示すなどの地道な取組もしております。そういった取組を横展開することによって、一般窓口、生涯現役窓口を含めて、就職率成功事例が広がっていくのではないかと考えております。以上です。

○阿部分科会長 よろしいですか。

○正木委員 是非、開拓がうまくいっている所の窓口あるいはハローワークさんが、ほかの所に展開していただくというのをやっていただければと思います。以上です。

○阿部分科会長 ありがとうございます。その他いかがですか。

○髙松委員 今の御質問、御意見と同じ所なのですけれども、4ページに就職率が上がらない原因を挙げていらっしゃいます。60歳以上の高齢労働者の増加という年齢的な問題もそうですが、先ほどのマル11のほうにもちょっと書かれていましたけれども、求人の質というものにも課題があるのではないだろうかと思っております。
一方では、ハローワークでも一定期間経過しても求人が充足しない場合に、求人条件の緩和を提案されているといった資料もホームページで最近、よく拝見させてもらっているのですが、先ほどもおっしゃいましたけれども、地道な取組というのが雇用の質を高める上で非常に重要だと思っております。是非そうした取り組みを継続していただくとともに、生涯現役支援窓口についても300か所とおっしゃいましたけれども、是非、広げていっていただきたいというのが意見です。
もう1つ、毎回申し上げていることですが、人材確保の支援コーナーや生涯現役支援窓口の設置など、いろいろな内容が高度化していることは評価しているのですが、そういう中で職員の処遇の改善による問題などがありますけれども、質を高めるという意味では、処遇の改善や人材育成というものを通じて、ハローワークの機能を高めていくことも必要ではないかと我々は思っています。是非そういう点にも力を入れていただきたいと思いますので、2点の意見として言わせていただきます。

○阿部分科会長 では、御意見として承りますが、事務局のほうで何か御発言はありますか。

○総務課長 特に頂きました御意見の後段につきましては、私どもも大変心強く受けとめさせていただきまして、これからも行政の質を高める努力を継続し、求職者・求人の方のお役に立ってまいりたいと思います。

○阿部分科会長 ほかにいかがでしょうか。

○梅田委員 マル11の所で改めてお伺いしたいと思います。先ほどの質問の中でもおおむねお答えいただいている部分がありますけれども、一部の労働局において個別求人開拓が十分でないといった分析がなされております。もう少し解説を頂きたいのですが、例えば人手が少ないといった人員的な問題で回っていないといったことなのか、それとも特定の地域において、求人そのものの数が少ないからなのかといったような課題があるのかどうか、少し解説を頂ければというのが1つ目です。
それからもう1つは、これも先ほど御回答がありましたけれども、支援窓口は最終的に300とおっしゃいました。これは年度別に具体的な増設の予定が現時点でおありなのかということについて、御確認をさせていただければと思います。よろしくお願いします。

○阿部分科会長 では、御質問ですのでお願いいたします。

○高齢者雇用対策課長 お答え申し上げます。まず、一部の局においてというのは、地域的な特性だとか、あるいは窓口での人手不足ということではなくて、成功事例のノウハウの共有が十分でなかったという面があると考えています。10月時点で目標が達成されていなかったというところですが、今は我々からも各局にお願いいたしまして、12月時点では、全体としては目標を上回る数値になってきているというところです。
あと、生涯現役支援窓口ですが、現在、平成30年度で180か所というところまで来ておりまして、これから御審議いただく平成31年度予算では、更に60か所を増設予定で、更に翌年度において残りの60か所ということで、平成31年度に60か所、平成32年度に60か所といった形で増やしていければと考えております。以上です。

○阿部分科会長 梅田委員、よろしいですか。

○梅田委員 ありがとうございます。

○阿部分科会長 ほかにいかがですか。

○久松委員 シルバー人材センターに関して2点、意見させていただきたいと思います。これまでのお話にもあったとおり、企業による70歳までの雇用が進むとシルバー人材センターの会員数自体は今後、減少が続くでしょうし、また平均年齢の上昇も避けられないのではないかと思っています。そうしますと、これまで以上に体に負担の少ない分野を重点的に紹介するといった視点も、必要になってくるのではないかなと思っています。しかし、その点は11ページの分析にもあるとおり、現在は介護分野の派遣開拓を重点的に行っているとあります。介護分野は身体的には非常に負担が大きい仕事ということもありますので、それ以外の分野の開拓も必要となるのではないのかということ、これを1点目の意見とさせていただきます。
それから2点目ですが、昨今、派遣職業紹介事業の要件緩和によりまして、週20時間から週40時間の就労も可能とするというような自治体が増加していると聞いています。平成30年1月1日時点では、134地域になっているとのことです。シルバー人材センターの適正就業ガイドラインの遵守はもちろんのこと、長時間労働になってくるということも考えていきますと、労災防止や安全衛生の観点から、派遣先、職業紹介先の企業に対して、とりわけ高齢者の作業環境の改善や、安全と健康管理のための配慮事項の整理など、ハード・ソフト両面からの継続的なフォローを行うべきだと思います。また、派遣先、職業紹介先の企業における安全衛生教育の徹底にも働き掛けていただくべきだと思っています。
昨年7月の職業安定分科会でも意見したのですが、そもそも人手不足が深刻で即戦力を求めている企業側のニーズ、それに対して生きがいや地域社会への貢献を主眼に置くシルバー人材センターに登録される方とのニーズは異なり、ミスマッチがあるということを前回にも指摘させていただきました。今後、業務拡大や派遣の仕事を開拓された業種・職種に派遣職業紹介を行う場合については、本人の同意に基づき行うことも併せて徹底していただきたいということ、以上2点、意見を申し述べさせていただきます。よろしくお願いします。

○阿部分科会長 ありがとうございました。御意見として承りますが、事務局から何かあれば。

○高齢者雇用対策課長 1件目につきましては、ここで介護の分野を紹介しておりますが、御指摘のような身体に負担の少ない分野の職域の拡大も含めて、取り組んでまいりたいと考えております。2点目の安全衛生についても、様々な機会を捉えて徹底してまいりたいと考えております。以上です。

○阿部分科会長 よろしいですか。ありがとうございます。その他いかがですか。

○村上委員 今のマル12のシルバー人材センターの部分と、マル13の外国人雇用サービスセンターについてです。まず、1点目のシルバー人材センターについてですが、今、久松委員からは派遣や職業紹介の点で要望を申し上げられたのですけれども、請負の部分について1点、どのような状況になっているのかということであります。
私ども地方の組織などから請負の場合の配分金がかなり低いといったような声が出されているところであります。2016年の法改正の際に、シルバー人材センターの適正就業ガイドラインを作成していただいたわけですが、その中でも適正な賃金、配分金水準の設定ということで、「シルバー人材センターは会員の賃金、配分金を、原則として発注者の事業所で同様の業務を行う労働者の賃金と同水準に設定する必要があります」であるとか、請負人の業務に従事する場合は、「最低賃金法は適用されませんが、配分金の総額を標準的な作業時間で除した額は、原則として最低賃金を下回らない水準を勘案したものとする必要があります」ということも記載されているわけであります。
全体的な状況がどのようになっているのかというものを私どもは把握しているわけではありませんけれども、一部、そのような状況になっていないという声も出されておりまして、このガイドラインの周知状況や配分金の水準などについて、何か把握されているのかということと、把握されている、いないにかかわらず、周知をしっかりやっていただきたいということであります。
2点目は外国人雇用サービスセンターについてです。外国人雇用サービスセンターを経由した留学生の就職件数ということで、今後も日本国内で働きたいという留学生も増加することが見込まれるかと思います。その中で現在設置されている外国人雇用サービスセンターは、以前も質問・意見を申し上げましたけれども、東京、名古屋、大阪の3か所と福岡の学生職業センターと認識しております。留学生コーナーなどで同様のサービスを提供されているということではありますけれども、今後、サービスセンターの増設・拡充などの御予定があるのかということについての質問です。
それから、同じようなことですけれども、外国人雇用管理アドバイザーによる雇用管理の改善も重要な政策であると思います。外国人雇用の管理指針も見直していくという中で、留学生にかかわらず特定技能の方々も出てくるということであれば、アドバイザーの方の需要が増えていくのではないかと思われますが、増員するような御予定はあるのかということについてお伺いします。

○阿部分科会長 それでは御質問ですので、事務局からお願いいたします。

○高齢者雇用対策課長 シルバー人材センターの件、御指摘いただきました。配分金の個別の水準については、我々で個別に把握しているわけではありませんが、御指摘がありましたガイドラインを踏まえまして、機会をとらえて、周知徹底を行っているところです。ちなみに、シルバー全体の事業実績の中では、やはり、まだ請負が9割方を占めている、平成29年度実績で申しますと、全体で3,160億円余の受注がありますが、そのうち2,870億円余が請負ということになっております。そのような実態も踏まえまして、御指摘の点は徹底してまいりたいと考えております。以上です。

○総務課長 外国人雇用関係の御質問ですが、外国人雇用サービスセンターにつきましては、これまでも留学生の就職希望の状況などを見ながら、必要に応じて増設してまいっております。今後につきましても外国人の労働市場、就職希望の状況を見ながら必要があれば、その都度、検討をしてまいりたいと思います。
それから、雇用管理アドバイザーの件ですが、おっしゃいますとおり、改正入管法のことも考えますと、外国人労働者の方々の雇用管理が各事業所において適切に行われるということの必要性は、今後ますます高まっていくと思っております。本政策も含めて、また、特に特定技能の方々の入国に備えた対策として、関連予算も平成31年度予算案、今、国会にお出ししているものの中ではアドバイザー関係の配置数、それから正規職員の増員も含めて措置をしているところでありまして、平成31年度予算が成立いたしましたら、しっかりと執行してまいりたいと思います。

○阿部分科会長 よろしいですか。ほかにはいかがでしょうか。それではこれ以上、特段ないようですが、また今後、本日御指摘の点以外に御意見があれば、2月14日までに事務局まで追加で御提出をお願いしたいということです。本日承った御意見と、それから追加で御提出していただいた御意見を踏まえて、当分科会としての中間評価について、私と事務局で相談して取りまとめていきたいと思っております。そのような形で取りまとめをしていくことについて、皆さんから御同意いただきたいと思いますが、よろしいでしょうか。

(異議なし)

○阿部分科会長 ありがとうございます。それでは追加で御意見がありましたら、2月14日まで事務局に御提出をお願いしたいと思います。ありがとうございました。
それでは次の議題、「その他」ということですが、事務局から何かあればお願いいたします。

○総務課長 総務課長の岸本でございます。「その他」ということでございますが、本日、この場をお借りいたしまして、先月公表いたしました毎月勤労統計の問題に端を発する様々な問題、職業安定行政にとっても大きな関わりがございますので、その問題の現状につきまして、御報告を若干させていただければと存じます。
毎月勤労統計の問題、全数調査で行うとしていたところを一部抽出調査で行っていた、また、そこの復元をしていなかったこと等によりまして、平成16年以降の同調査における賃金額が低めに出ていたことが問題として起こっております。これによりまして、職業安定行政におきましては、雇用保険や雇用調整助成金、就職促進手当などの給付において、給付の不足が過去から生じていたと、そこを追加給付を行うという必要性が生じているところでございます。
この点に関しましては、先月17日の当分科会の雇用保険部会、それから雇用対策基本問題部会におきまして統計上の問題の所在、それからそれを受けました雇用保険制度や助成金制度への影響などにつきまして、その時点の状況を御報告申し上げ、委員の皆様から様々な御意見を頂戴したところでございます。また、その後、幾つか動きがございますので、何点か御報告を申し上げて、現状を御紹介したいと思います。
まず、御報告の第一点でございますが、平成31年度予算案の扱いでございます。これに関しましては、本日資料No.4-1という資料で1月18日付けで厚労省で行いました記者発表資料をお付けしております。毎月勤労統計の問題によりまして、例えば雇用保険の基本手当日額の上限額や下限額などが、本来あるべき額よりも低めにこれまで算定されていたといったこと、また、その雇用保険の基本手当日額を制度上援用している雇用調整助成金の上限額も同じように低めになっていたといったようなことから、そこを追加給付するための経費を平成31年度予算案に計上しております。これは12月21日の概算決定の後に明らかになって計上したものでございますので、予算案を変更するという手続を取ったもので、その記者発表が、この1月18日の資料No.4-1でございます。
特に資料の3ページに、今回の毎月勤労統計の再集計等に伴う厚労省関係事業の見直しの影響額の一覧がございます。当分科会との関係では、一番左側の雇用保険の関係、それから右側の事業主向け助成金の関係が影響してまいります。それぞれ、雇用保険をトータルで言うと472億円の影響、それから事業主向け助成金、これは大半が雇用調整助成金関係でございますが、41億円の影響と見込んで予算計上をいたしました。
その内訳、追加給付費に幾ら、加算額に幾ら、加算額というのは追加給付を行う場合、法律的には、例えば平成16年に給付不足が生じたのであれば、平成16年の名目額で不足額が幾ら、それを追加給付するというようになるのでございますが、それを現在価値に引き直す必要があるだろうということで、一定の額を加算するというものです。それから事務費が幾らという内訳を載せてございます。現在、この金額を加えた予算案を国会に提出いたしまして、御審議を頂いております。それが予算の状況でございます。
併せまして、この表の一番下に対象人数・件数も載せてございます。雇用保険に関しましては、延べですけれども、1,942万人、それから事業主向け助成金は、延べ約30万件という非常に大きな規模となっております。その分、追加給付事務も非常にいろいろなハードルを超えていかなければいけないと思いますが、正確さ、それから迅速さ両方を両立させるような工夫をして、努力をしてまいりたいと考えております。
予算の関係についてが1つ目でございまして、次に2点目としまして、賃金構造基本統計調査の問題について、現状を御報告申し上げたいと思います。賃金構造基本統計調査に関しましては、1月の下旬でございますが、この毎月勤労統計の問題を受けて、総務省から各統計の一斉点検の号令を頂いて調査をしていた中で明らかになったことといたしまして、まず1つは調査員調査によって実施するということに調査計画上なっていたわけでございますが、これが郵送調査によって行われていたということがございました。
それから、調査票の提出期限を一律に定めているのですけれども、これが調査計画で定めた期限よりも早い期限を設定して出してもらっていたということが一部ございました。それから、調査対象範囲の産業としまして、宿泊業・飲食サービス業の中で、バー、キャバレー、ナイトクラブ、これは産業分類としては含まれるわけでございますけれども、これを調査対象から除外していたことが明らかになりました。
いずれも統計法に基づいて総務大臣が承認した調査計画とは異なる取扱いとなっていたものでございます。この点につきましては1つには、なぜそのようなことが起こったのか、動機だとか原因はどんなことなのかということが問題になっておりまして、この点については総理の御指示もあって、総務省行政評価局の力も借りて実態究明をしていくというほうに話が動いております。
一方で統計数値としてどうかという点が、もう一点ございますけれども、これにつきましては去る1月30日に、統計委員会の場にこの件を御報告し、御議論を頂きました。その中では、この統計数値としての意味合いにつきましては、調査員調査から郵送調査にしたことについては、予想される負の影響は見受けられないのではないか。十分な情報提供があれば、結果、数値はおおむねの妥当性を確認できる可能性が高いのではないかといった御指摘。また、バー等が調査されていないことにつきましては、承認された内容と相違しているという点において、これは大変不適切な問題ではありますけれども、規模的なことを考えますと、その影響は小さいという分析結果は妥当ではないかというようなことがコメントとして統計委員長から頂いたという状態になっております。
この問題については、先ほど申しました、なぜそういったことが起こったのか、いつから起こっていたのか、などについて、まだまだ実態を明らかにし、国民の皆様に説明しなければいけない点が残っておりますので、そこについて、しっかりと調べてまいりたいと思っております。一方で統計数値については、今のところそのような御評価を頂いているという状況でございます。
それから3点目としまして、具体的な追加給付の動きにつきまして、現時点の状況を説明させていただきます。資料としては、資料No.4-2と4-3の2点ございます。まず資料4-2、これは1月24日に発表した内容でございますが、この職業安定分科会の関係で申しますと、雇用保険の追加給付について、1月24日に方針の第1弾と申しますか、最初に措置をするところを発表いたしました。具体的には、現在失業なさって失業給付を受けていらっしゃる方に対してお支払いしている基本手当の金額、これが過少な額になっております。その支給が今も続いている状態でございます。
これにつきまして、この過少な状態を出来るだけ早く止めて、計算し直した額での支給に切り替えるということを、まずは第一優先でやっていこうということで、雇用保険、労災保険、船員保険、トータルで見ますと、3月から6月にかけて、順次、再計算した金額で支給していくと。雇用保険につきましては3月中に、その日以降失業していた日に対する支給については、再計算後の金額での支給を開始できるように準備を進めるということを発表したものでございます。就職促進手当についても同様の扱いを発表しております。これが1月24日の追加給付に関する1つ目の動きでございます。
それから資料4-3、これは2月4日、今週月曜日に公表した内容でございますが、今の点も含めまして追加給付全体につきまして、現時点でのスケジュールの見通しを給付の種類ごとに示す「工程表」というのを作成いたしまして、公表いたしました。
具体的には、めくっていただくと黄色い字の表がございます。さらに詳細は3枚目の色刷りの矢印がたくさん付いた図、これが現時点で公表している一番詳しい情報がまとまっている図でございますけれども、雇用保険に関してポイントを申しますと、現に給付を受けていらっしゃる方と、それから過去に給付を受け終わっている方と大きく分けております。
現に給付を受けていらっしゃる方につきましては、これは給付の種類によって若干時期がばらつくのですけれども、基本手当や育児休業給付などを今、受けていらっしゃる方につきましては、将来分は3月から御説明をして順次支払う。それから、これまで過少給付になってしまっている分につきましては、3月中から御説明を開始し、4月から6月にかけてお支払をしたいと。それ以外の給付につきましては、システム改修などに時間を要する部分がございまして、10月頃から順次お知らせを送付し、11月頃から順次お支払としております。
また、過去に給付を受けていた方につきましては、これもシステム上のデータの持ち方などによって、ちょっと違いがございまして、育児休業給付につきましては8月頃からお知らせを開始し、11月頃から支給。それから、それ以外の給付につきましては10月頃からお知らせを開始し、11月頃から支給というようなスケジュールの見通しをお示ししたところです。
今後、システム面の対応、また、現場の体制の対応などを含めまして、このスケジュールを実現すべく努力をしてまいりたいと考えております。賃金統計の端を発する問題として様々な問題、職業安定行政でも起こっておりますが、現状を御報告申し上げました。よろしくお願いいたします。

○阿部分科会長 それでは本件につきまして、御質問、御意見があれば承りたいと思いますが、いかがでしょうか。

○髙松委員 毎勤統計の件ですけれども、この件については先ほども総務課長がおっしゃいましたが、雇用保険部会等で労働側の委員からも発言はしていますので、重複は避けたいと思います。最後に御説明いただいたスケジュールですが、支給を急ぐ余りに、支給に対しての手続のミスなどが生じないように、是非、慎重な対応をお願いしたいと思います。
また、賃金構造統計調査についてですが、今、口頭で御説明があって、統計委員会では影響はないというような方向だろうとのことですが、1つ気になるのは、いわゆる均等・均衡待遇の関係の派遣労働者の労使協定の扱いのところです。労使協定方式では賃金構造統計調査を使うということになりますが、データの問題で影響が及ぶことはないと考えてよろしいのかどうか質問です。

○需給調整事業課長 需給調整事業課長でございます。御案内のとおり、同一労働同一賃金の検討の際に、派遣労働者の労使協定方式に関する一般労働者の賃金額の水準として、ハローワーク業務統計と合わせて賃金構造統計、こちらの数値も1つの基準として使っていくという扱いになっております。
先ほど総務課長から御説明申し上げましたとおり、数字自体に影響がないという前提でございますれば、そこは部会、若しくはこの分科会でも御審議いただいた方向性についての問題というのは基本的にはないのではないかというふうに思っておりますが、そこの部分が最終的にどうなるかというところは、状況の推移を見ていく必要があるのではないかと思っています。
いずれにしてもあの部会、若しくはこの分科会で御議論いただいた際に御提示しましたのは、考え方を適用するとすれば、現状はこうなりますということでございまして、最終的にあの制度を施行するときの数字としては、これから出てくる調査結果を基に局長通知等で定めていくというような扱いになってまいりますので、考え方自体は皆様方で共有されているのではないかという認識を私どもは持っておりますが、ただ、いずれにしても前提となる賃金構造統計の数字がどのような形になるのかというところを踏まえて、対応については精査してまいりたいと考えるところでございます。

○阿部分科会長 よろしいですか。

○髙松委員 はい。

○阿部分科会長 そのほか、ございますか。よろしいですか。では、この件はこれでということにさせていただきたいと思います。今回、毎月勤労統計、あるいは賃金構造基本統計について、いろいろな問題が起こったということは、雇用保険だけではなくて様々な面で影響があるかとは思います。本日も御意見がありましたので、こういった点も踏まえまして、今後、厚生労働省におかれましては、国民の皆様に不利益が生じることのないように、しっかりと対応していただきたいとお願いしたいと思います。よろしくお願いいたします。
その他、全体通して皆様から御発言があればお伺いしたいと思いますが、なければ本日はこれで終了させていただきたいと思います。本日の会議に関する議事録につきまして、労働政策審議会運営規程第6条により、分科会長のほか、お二人の委員に署名を頂くことになっております。つきましては労働者代表の柴委員、使用者代表の森下委員にお願いしたいと思います。よろしくお願いいたします。本日もお忙しい中、また少し夕方の時間になりましたけれども、活発に御議論いただきましてありがとうございました。これで終了させていただきます。