人材育成事例153
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社長以下5名で大手電機メーカーから独立し、クリーニング業を開業、クリーニング店を展開して行くうちに、「これからは古着感覚の生地が流行する」と直感、以前の会社で培った技術をベースに、生地のブラスと加工に進出。 更に技術革新を進め、形態安定加工技術、染色技術、レーザー加工技術等、次々に新しい技術を開発・特許取得を進め、現在はクリーニング業から撤退し、特殊加工に事業を一本化し、世界中の繊維メーカーからその技術力に対し評価と注目を集めている。 近年では、生地から仕上げまで一貫生産できるいわゆるメーカー(含、製品請け業務)としての体制を整え、生地の総合メーカーとして鋭意準備中である。 |
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当該企業の生命線は、その技術力・開発力とブランド力の育成にある。 したがって、人材の採用・育成に関しても、創造性、独自性といった点が重要視される。 また、加工技術に関しても、その独創性から単にルーティン業務の精度を高めることよりも、手作業を中心に付加価値の高い特殊加工技術の熟練度を求めるウエイトが高い。 これら、創造性、熟練度といったものは、客観的に評価することがかなり難しく、従来、従業員個々の自発的努力に負うことが多かった。その結果、品質のバラツキ、納期遅れ、コストアップといった問題点が作業精度が高くなればなるほど多く現れてきた。 そこで、技術の平準化、創造性の強化といった点から人材に対する育成方針も、従来のどちらかと言うと「放任」に近い体制からここの問題点を明確化し、個々の課題に応じたテーマを設定し、個別に指導・育成のできる体制に転換させるべく現在取組中である。 あわせて、業界の世界的な広がりを受け、東南アジア方面の引き合いが増えていることから、英語を含めた外国語の必要性も増して来ている。 また、ブランド化(直販化)については、製品力の強化もさることながら、その技術を伝える営業マンの力に頼ることも多く、営業力強化にも取り組む必要が出てきた。 そこで、営業マン教育にも力を注ぎ、今までやってこなかった営業の何たるかを教育する事も必要になり、その教育にも力を注ぐこととした。 また、直販の第一歩として、インターネットでの出店からはじめることとしたため、インターネットに詳しい人材の育成も急務となっている。 いずれにしても、真の意味で研究開発型企業への脱皮に向け、高度技術者としての付加価値人材化に向けての育成と自社ブランドの強力な提案のできる人材の育成が急務となっている。 |
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1.教育訓練体系
原則として、OJTをベースに社内メールを活用した毎日のホー・レン・ソーを実施・徹底に努めているが、中国工場への技術指導、ベトナムへも技術指導、直販・インターネット営業等、新たな業務のウエイトが高まってきたこともあり、人材育成への体系的な取り組みが必要となってきた。 そこで、各階層に対する必要技術・能力を明確化すると共に、教育・訓練実施も定期的に行うよう、別紙「教育訓練体系」を策定し、順次開催し人材育成に努めている。 管理者層については、「管理ができること」、「商品開発ができること」、「技術指導ができること」をキーワードに、一般的知識から専門的知識に至るまで、社長自らが育成担当責任者となり、率先して指導するよう留意している。 また、営業についても、先述の営業の必要性の高まりから、営業マンに営業の何たるかからもう一度きちんと教育しようという動きも出ている。 一般社員層についても、技術的指導だけではなく、組織人としての在り方についても再度きちんと認識させることとして、基本的なところからスタートするように配慮している。 また、指導は管理者クラスが行うことにしているが、社長が必ず同席し、社員育成と同時に管理者クラスの更なる育成も同時に実現できるよう意識的に取り組んでいる。 2.その他、特別な教育訓練 当該企業はでの事業展開(技術指導がメイン)はもとより、ベトナムでの技術指導も始まっており、現地企業より中国人技術者の技術研修の受け入れ、ベトナムに向けては内部人材の技術力強化を図るための各種研修を行っている。 期間は一週間から一ヶ月程度であるが、一度に数人から数十人を指導するため、受け入れ態勢及び指導者育成が更に緊急の課題となっている。 現在指導できる人材が限られているため、中国人教育、内部教育に時間が割かれると本来の業務に支障が生じる恐れがあるためである。その意味でも、人材の早急な育成は喫緊の課題となっている。 |
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技術研究開発型企業、メーカーとしてのブランド力を保有した企業として今後の展開を考えれば、戦略的思考のできる人材、経営管理のできる人材、技術開発のできる人材、営業のできる人材、インターネット販売のできる人材、すなわち、発展途上の企業にありがちな偏った人材配置から、各種各層、適材適所に満遍なく配置された人材層を取り揃えることが重要になってくる。 それには、リクルーティング他あらゆる手段を用いての人材採用が必要になってくるが、現実的にはまず内部の人材の底上げが重要となる。 そのためには、まず組織体制の整備が最優先課題となる。技術者集団からトータル的企業に向けて、職務・職分の明確化と組織体制の再整備を通じての近代的企業体質への転換、次に、組織構成員個々のキャリア形成手段としての人事評価規定の整備・導入、更に、体系的な人材育成制度の整備・メニューの充実が求められる。 営業、技術、生産管理等まだまだ課題は山積しているが、まずは今いる内部人材の育成・底上げを基本方向として取り組む計画である。 |
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