人材育成事例049
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「人手が足りないので人手を入れよう」、「一人辞めたから一人人手を採用しよう」では、人材は育ちません。人材を雇用し『その人材をどう育てていくのか?』を全員で考え、全員で実践する。その仕組みと風土を大切にしています。 また、当社では、“教育”ではなく“共育”という言葉を取り入れています。指導される側だけが育っているのではなく、指導する側も気づき学び、共に育つという考えです。そのため、共育指導者は特定の社員でなく社員全員が指導者となり、入社2・3年の社員が行なう場合もあります。 |
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<キャリア形成支援の導入に至った背景、時期> 当社は、50年以上もの間培ってきた技術や技能を駆使し、自分たちの手で製品を作り上げていきます。そのためベテラン社員の技術・技能を次の世代へと伝承していかなければ品質や生産能力に影響を及ぼすことになります。導入当時は技術・技能を受け継ぐ若手・中堅社員がいなかったため、危機感を抱き始めていました。そして技術・技能を受け継ぐ人材を確保するため、高卒者の新卒採用を開始し、どう育てていくのかを全員で追求し続けてきたのです。 <支援の内容> 当社では、若手育成・定着のため、次のような取り組みを行なっています。 ・ 新入社員研修:4月から9月までの約半年間、カリキュラム(別紙1)に基づきOJTとOff-JTを行ない、社会人としてのマナーや製造工程に必須な基本的技術・技能などを身につけます。Off-JTは、大阪府中小企業同友会開催の他社と合同の研修を受講します。 ・ 吉岡教室:月1回就業後に行なう技術編と月2回のお昼休憩を利用した技能編を開催しています。ベテラン社員が若手社員に指導したり、社員同士が自分の得意分野を教え合う場です。日常の仕事の中でもOJTを行ない、いつでも見直しできるよう内容を記録(別紙2)として残します。 ・ YMS経営会議:目標チャレンジシート(別紙3)を取り入れており、各々が1年後にどのように成長したいか、どこまで成長していなければならないのかを年1回、一泊二日の方針策定会議にて全員で考え、目標を設定・計画し、これに基づき毎月取り組むようになっています。 ・ 徹底した3S(整理・整頓・清掃)活動:毎年、国内外から200社を超える見学を受け入れています。社員教育の一環として工場案内を若手社員に任せています。人前にどんどん出ていくチャンスが多くあります。 <支援に対する従業員の反応、満足度等> 評価は明確化した基準で行なわれるので、どういう基準で評価がされるのか、次はどうしたらスキルアップできるかが一目で分かります。 評価の中には、まず成長基準を定めた評価シート(成長シート)があり、製造部、総務部、営業部など職種別・階層別で評価項目が多少異なりますが、社員全員が同じ基準で評価される仕組みになっています。3ヶ月ごとに社員と上司が個別成長会議を行ない、「どんなところが良いか」「ここをもっと頑張ったらもっと良くなる」など客観的、具体的な評価・アドバイスを受けます。若手社員2人に上司1人という少人数制で、上司がしっかりサポートしてくれる体制が整っています。これは昇格や給与にも反映されます。 そして、様々な作業を細分化したスキルマップ(別紙4)が作成・掲示してあり、溶接作業や機械操作など、自分がどんなことができるのか、どんなことがまだできていないのかを一目で簡単に知ることができます。このスキルマップとは別に、個人スキルマップ(別紙5)があり、若手社員は評価がついていないスキルマップに自分で目標を設定し、日々取り組み、半年に一度評価を行ないます。 <支援による効果、成果(業績との関係など)> 若手社員育成の取り組みについては、好事例集(別紙6)やテレビ、新聞などのメディアに取り上げられています。徹底した3Sを学ぼうと見学に来られた方々も、帰る頃には山田製作所の社員共育の取り組みや社風などに目を向ける方が多く、後日届く感想文の中には社員共育体制や社員の意識の高さに感動したという内容が多くみられます。 また、全員で考え、全員で実践する仕組みを大切にしていますので、何かを決める時は全員で話し合い、決めたことは全員で守ることを徹底し、社員間のコミュニケーションも良好です。(別紙7) |
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今までは上司が勉強会の日程や内容などを決定していましたが、若手が主体性を持って活動できるようにやり方を変えました。自分たちが知りたいこと、学びたいことを積極的に意見し取り組んでいけたらより良くなると思っています。 | |||||||||||||||
【会長奨励】 | |||||||||||||||
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