人材育成事例043
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(有限会社ふれすかウェブサイト) | |||||||||||||||
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看護とは、あらゆる場であらゆる年代の個人および家族、集団、コミュニティを対象に、対象がどのような健康状態であっても、独自にまたは他と協働しておこなわれるケアの総称である。 看護には、健康増進および疾病予防、病気や障害を有する人々あるいは死に臨む人々のケアが含まれる。また、アドボカシーや環境安全の促進、研究、教育、健康政策策定への参画、患者・保健医療システムのマネージメントへの参与も、看護が果たすべき役割である。そして、看護の主体は常に患者さん、利用者さんであり、当社のビジョンは“nothing about us without us”(私たちのことは私たちで決めよう)である。 それは患者さん・利用者さんと看護師間でも、スタッフと社長間でも同様であり、ボトムアップ型でもトップダウン型でもなく、誰もが平等に意思決定に参加することが最も重要であることを示している。 病気、子育て、介護の経験を持つ看護師が社長であるからこそ、働く看護師の気持ちを理解し、スタッフ皆で充分に話し合いをし、“nothing about us without us”の気持ちを忘れず、スタッフ全員で共に意思決定をし、看護師同士が支え合える働きやすい職場環境創りやキャリア形成支援をおこなうことで、常に自分たちの看護の振り返りをしながら「看護の質の向上」に努めている。 |
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<キャリア形成支援の導入に至った背景、時期> 20年前、訪問看護ステーション制度が発足し、看護師が医療機関を開業できるようになり、看護師が自律し真の看護を地域でおこなえるようになった。 しかしながら訪問看護師はなかなか増えず、日々の訪問に疲弊しバーンアウトする看護師が多く見受けられた。 子供から高齢者まですべての人々がお住まいの地域で、できる限り安心して生活できるよう「病気になっても障害を持っても愉しく安全に暮らせる街づくり」の一端を担うべく質の高い「訪問看護師」を増やさずして、これからの超高齢化社会が迎えられるはずはない。 また、「訪問看護師が笑顔で働けなければ、利用者さんも地域で楽しく笑顔で暮らせるはずがない」との思いから「訪問看護師が楽しくそしてキャリアアップしながら長く働ける職場を自分たち看護師でつくろう」と平成15年に有限会社ふれすかを創立し、訪問看護ステーションみけを開業した。 <支援の内容> 【新人看護職員(新卒者)・長期潜在看護師採用と研修】 新卒の看護師を採用することに消極的な訪問看護業界において、当社では積極的に新卒看護師の採用をおこなっている。平成23年、訪問看護ステーションとして日本で初めて東京都新人看護職員研修事業費補助金(厚労省国庫1/2)の交付を受けた。また、子育てが終わるまで15年以上看護職から離れていた長期潜在看護師も採用するなど、新卒看護師、長期潜在看護師の採用を積極的におこなっている。下記の通り研修をおこない、不安なく訪問看護をおこなえるよう成長できるシステムを確保している。 内部研修…看護師・理学療法士の同行訪問160時間、毎月1回全職員での勉強会参加 外部研修…他ステーションでの同行訪問や在宅療養支援診療所などの見学実習他、日本看護協会や東京都ナースプラザ、大学などが主催する研修会への参加など、厚生労働省の「新人看護職員研修ガイドライン」に沿うとともに、訪問時の接遇などを加えた在宅看護ならではの研修をおこなっている。 上記研修終了後も先輩看護師との同行訪問や情報の共有により常にOJTの継続が維持できる体制を整えている。 【外部研修】 全国訪問看護事業協会、日本看護協会、東京訪問看護ステーション協議会、病院、区役所、その他関連機関による研修、講演会等の情報をその都度スタッフ全員に周知し、積極的に参加の機会を提供している。また、各個人のレベルに合わせた研修の情報をそれぞれに提供し、個々人のキャリアアップの目標を見直す機会を設けている。なお、研修や講演会参加後には、毎日おこなう朝礼にてその内容を発表し、資料をスタッフ全員が閲覧し知識や技術の共有をしている。研修参加希望者には受講料、交通費、時間休を支給し参加しやすい体制を整えている。 【社内研修】 スタッフより希望のあったテーマや、業務改善、看護倫理、個人情報保護、報酬改正後の情報確認等について、全スタッフ参加型の研修が月1回就業時間内に1時間ほどおこなわれる。 【研究発表】 日本在宅看護学会学術集会にて、学術研究発表や活動実践報告をおこなっている。 【大学進学・資格取得支援】 学士および修士取得や訪問看護認定看護師の資格取得のため大学に通いながらの勤務を希望する看護師には、就業時間や休日などの調整をおこなっている。様々な資格試験の前には既資格取得者による試験対策講習がおこなわれる。 【リーダー育成】 ステーション内でのリーダーを育成するために、外部の訪問看護管理者研修やコーチング研修などに参加している。 【研究・多職種連携支援】 当社社長(訪問看護師)が代表を務める「NPO法人 がん患者サポート研究所 きぼうの虹」、副代表を務める「NPO法人 プライマリヘルスケア研究所」の事務局を社内に有し、継続的に様々な職種の方々や地域の方々と連携をとりながらスタッフが訪問看護のみならず研究をも続けられる体制を整えている。 【ワーク・ライフ・バランス支援】 各スタッフ一人一人の家庭の事情や体調に合わせ、それぞれ勤務曜日・時間の選択が可能となっている。また、有休を1時間単位から認めており、子供の学校行事や通院などに合わせて、勤務時間内の中抜けや、遅出、早帰りなど、事前の申告により認めている。 事情があるから働けないということではなく、各スタッフのその時々の体調や事情を考慮しつつ、できる範囲で継続して働ける職場環境を整えている。 【非常勤から常勤へ】 非常勤として採用したスタッフであっても、看護師、理学療法士、事務職問わず、職務態度や能力により、常勤採用としている。 【定年期間の延長】 当社では就業規則で定年を65歳としているが、この規定に業務に支障がない限りは定年期間の延長を定めている。 また、障がい者の雇用にも積極的に応じている。 <支援に対する従業員の反応、満足度等> ・当社では半年に一度、人材育成状況のモニタリングとしてスタッフ同士の評価やスタッフが自分たちの訪問看護ステーションを評価する機会を設けている。書式に決まりはなく、率直な現在の気持ちを記入する形式を採用し、後日スタッフにフィードバックしている。 資料1 「スタッフからの声」 <支援による効果、成果(業績との関係など)> ・2003年11月の会社創立当時、看護師7名(常勤5名、非常勤2名)事務職3名(常勤1名、非常勤2名)であったが、2014年2月現在、看護師15名(常勤11名、非常勤4名)、理学療法士8名(非常勤)、事務職3名(常勤)となっている。 ・ワーク・ライフ・バランスを考慮した勤務形態により離職者が少ないことから、2014年2月には墨田区産業功労表彰「中小企業等永年勤続優良従業員表彰10年勤続」の部門で当ステーションの職員7名が表彰されている。 ・学士および修士取得、訪問看護認定看護師資格取得を目指し、3名の看護師が大学・大学院に入学し、仕事と両立している。また、第3回日本在宅看護学会学術集会において、当ステーションの発表が「ベストプラクティス賞」を受賞した。 ・スタッフの増加・定着や地域ケア連携の推進や看護の質の向上により、開業当時月間の利用者数約60名、訪問延回数約350回であった実績が、現在月間の利用者数約200名、訪問延回数約1300回となっている。 |
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・当社ではワーク・ライフ・バランスの実現を目指した勤務形態の採用や様々な研修によるキャリアアップ支援、またスタッフ全員がチームとしての意識を持つことでスタッフ数は着実に増加し、定着率も高いものとなっている。しかし社会全体を考えたとき訪問看護師数は就労看護師の2%程度と、あまりにも少ないのが現状である。 ・2012年、当社社長の椎名が「訪問看護サミット」のシンポジストとして「積極的な新卒看護師の受け入れと教育方法」について発表して以来、看護雑誌等で「新卒訪問看護師教育」について少しづつ取り上げられるようになったが、未だに訪問看護師の就労人口は増えていない。今後、新卒看護師や潜在看護師の就職先として、病院だけでなく訪問看護ステーションが選択肢の一つとなるよう、訪問看護の魅力を社会にひろめていくことは当社訪問看護ステーションの重要な使命であると感じている。 ・その使命を全うすべく、2013年度「東京都訪問看護教育ステーション事業」として東京都より指定を受けた。 (http://www.fukushihoken.metro.tokyo.jp/kourei/hoken/houkan/houkankyouiku.html) 資料2 「東京都訪問看護教育ステーション事業チラシ」 ・今後、この事業を通し訪問看護ステーション体験・研修を実施し、訪問看護への就業意欲を喚起するとともに、訪問看護師の確保・育成・定着を図り、「訪問看護の素晴らしさ」を社会に伝えて任務を継続していく。 |
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【会長奨励】 | |||||||||||||||
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