第25回厚生科学審議会予防接種・ワクチン分科会予防接種基本方針部会・第28回厚生科学審議会感染症部会(合同開催)

日時

平成30年12月13日(木)
18:00~19:00
 

場所

厚生労働省 講堂(低層棟2階)

議題

 
  1.   (1)今後の風しんの対策等について
  2. (2)報告事項
  3. (3)その他

議事

 
○井口結核感染症課長補佐 定刻となりましたので、ただいまより第25回「厚生科学審議会予防接種基本方針部会」及び第28回「厚生科学審議会感染症部会」を開催いたします。
開会に当たりまして、健康局長より御挨拶申し上げます。
○宇都宮健康局長 健康局長の宇都宮でございます。
本日は、年末の大変お忙しいところ、また寒くてお足元の悪いところ、御参集いただきまして、ありがとうございます。また、日ごろより感染症対策、予防接種対策に御協力、御尽力いただいておりますことをこの場をおかりしまして厚く御礼申し上げます。
さて、御存じのように、我が国では今、風しんがはやっているということでございまして、11月29日の感染症部会のほうで対応についてさまざま御議論いただきました。そういうものも含めて、現在、非常に発生の多い7都県を中心に対策を進めているところでございますが、それに加えまして、前回の御意見を踏まえて、厚労省としての追加の対応案をおととい、大臣のほうから発表させていただいたところでございます。
本日は、その案につきまして、先生方に専門的な見地から御議論いただきたいと思っております。ぜひ忌憚のない御意見を交わしていただいて、有効な対策がとれるようにしていただければと考えておりますので、よろしくお願いいたします。
○井口結核感染症課長補佐 続きまして、委員の出席状況を御報告いたします。
本日は、予防接種基本方針部会に関しては中野委員、山中委員が、感染症部会に関しては岩本委員、賀来委員、南委員、山中委員より御欠席の連絡をいただいております。現時点で定足数以上の委員に御出席いただいておりますので、会議が成立しますことを御報告いたします。
次に、資料等の確認をいたします。
議事次第、配付資料一覧、委員名簿、座席図のほか、資料1から資料5を御用意しております。不足の資料がございましたら、事務局へお申しつけください。
冒頭のカメラ撮りにつきましては、ここまでとさせていただきます。御協力をお願いいたします。
(報道関係者退室)
○井口結核感染症課長補佐 以後の議事運営については倉根部会長にお願いいたします。
○倉根部会長 こんばんは。遅くの時間にありがとうございます。
それでは、本日の議題の確認を行いたいと思います。議題1「今後の風しんの対策等について」、議題2「「報告事項」、議題3「その他」となっております。委員の皆様には忌憚のない御意見をいただきますとともに、議事運営にもぜひ御協力をお願いいたします。
それでは、事務局から審議参加に関する遵守事項について報告をお願いいたします。
○井口結核感染症課長補佐 事務局でございます。
審議参加について御報告いたします。
本日の議題では、風しんワクチン及び抗体検査に関連した審議を行います。審議品目の申請資料作成に関与した委員はおりませんでした。また、製造販売業者または競合企業から寄附金・契約金等の受領額により、審議不参加や議決不参加に該当する委員はいらっしゃいませんでした。
○倉根部会長 それでは、議事に入りたいと思います。
まず、議題1「今後の風しんの対策等について」、事務局から資料1から3の説明をお願いしたいと思います。
○岡部委員 確認しておきたいのですが、よろしいですか。
今後の風しんの対策について今回の議題になっていますが、これは検討事項と考えてよろしいのですね。というのは、私、全部のメディアを見ているわけではないですが、先ほど局長から厚労省から案を提示したとおっしゃっていましたけれども、一部の報道は「厚生労働省はこうこう決定した」と報道されています。決定しているのだったら、今日のは報告事項で、議論をする意味がなくなる。つまり、今日議論することをたたきにして、もう一回その案について検討するという考え方でよろしいかどうか、一応確認しておきたいのです。
○倉根部会長 今、岡部委員から御意見が出ておりますが、事務局、いかがでしょうか。
○井口結核感染症課長補佐 御指摘のとおりでございます。大臣のほうからも審議会の意見を伺って決めていきたいと申し上げておりますので、検討事項として取り扱っております。
○倉根部会長 岡部委員、よろしいですか。
○岡部委員 はい。
○倉根部会長 それでは、事務局から説明をお願いします。
○井口結核感染症課長補佐 事務局でございます。
まず、資料1をごらんください。「今後の風しん対策等について」と題された資料でございます。こちらの資料は、前回の感染症部会の資料の内容をしばらく再掲しております。
2ページは、風しんの概要、先天性風しん症候群(CRS)について、現在の対策の概要、風しんとCRSの発生報告数の年次推移をお示ししております。
3ページは、風しんの2011年から2018年までの累積報告数の推移でございます。
4ページは、2018年第1週から第48週、1月1日から12月2日まででございますが、計2454件のそれぞれの週ごとの報告数を記載しております。
5ページは、都道府県別に累積風しん報告数を掲げております。直近の4週のものについては色を変えて実際の伸びがわかるように記載しております。
6ページは、性別、年齢階級別に風しんの報告数を並べたものでございます。30代、40代、50代の男性で患者が多く発生していることがおわかりいただけるかと存じます。
7ページは、再度、都道府県別の風しん累積報告数でございます。多いところから、東京、神奈川、千葉、埼玉、福岡、愛知、大阪の順になっております。
8ページは、年齢・年齢群別の風しん抗体保有状況でございます。特に男性の30代から50代にかけて抗体保有率が下がっているというところがおわかりいただけるかと存じます。
9ページは、ことしの11月29日、第27回の感染症部会にお示ししたその当時の当面の対応をお示ししております。5都県の妊娠を希望する女性や妊婦の同居家族の方に抗体検査の補助を行って、抗体が陰性だった方には予防接種を受けていただくことを行っております。
現状として、このときの5都県、東京、神奈川、千葉、埼玉、愛知と同規模の水準にある地域が出てきていること、また、原則として全例に対して積極的疫学調査及びウイルス遺伝子検査を実施することとなっていることを報告した上で、届け出数が増加してきた地域に当面の対応を拡大し、ウイルス遺伝子検査を全例に対して行うことが困難な場合に厚生労働省が個別の相談に応じて柔軟な対応を可能にしてはどうかという対応方針をお示しいたしました。
10ページは、今般の風しんの届け出数の増加につきまして、男性が約8割を占めていて、中でも30代から50代の男性の患者が多いということが指摘されていること、特にこの世代は抗体価の低い方が多く、定期接種の機会が一度もなかった39~56歳の男性についてはほかの世代に比べて抗体価が低いことをお示ししております。
この後、11ページから13ページまでが第27回感染症部会において対応方針としてお示ししたものでございます。
11ページが基本的な方向性についてということで、我が国における風しんの感染拡大自体を防止することによって妊婦への感染、ひいてはCRSの発生を防止することとしてはどうか、また、東京オリンピック・パラリンピック競技大会においては輸入例の増加や感染伝播が懸念されると指摘されることを踏まえて、開催時期までに風しんの感染拡大を終息させるための取り組みを進めることとしてはどうか、また、当該大会の後も感染拡大事例が発生しないよう取り組みを進めることとしてはどうかということを掲げております。
12ページです。WHOによりますと、風しんの感染拡大を防ぐ集団免疫閾値は85%とされております。現在、日本全体の抗体保有率は既に92%の水準に達しておりますが、39~56歳の男性につきましては、ほかの世代より抗体保有率が低く約80%であり、また今般、30代から50代の男性を中心に患者数が増加していることから、このような抗体保有率が低い集団の存在によって感染拡大が散発的に起きていることが今般の風しんの拡大の一因と考えられています。以上を踏まえて、まずは対象を抗体保有率の低い世代に絞って重点的に対応することとしてはどうかということを掲げております。
また、その目標とタイムラインでございますが、2020年7月までに当該世代の抗体保有率を85%、それ以降も介入を継続して2021年度末までに全体として90%以上の水準になることを目指してはどうかということを掲げております。
13ページは、抗体保有率が低い層といいましても、約8割の方が既に抗体を保有していらっしゃることを踏まえて、ワクチンを効率的に活用する観点から、抗体検査とワクチン接種を組み合わせて対応することとしてはどうかというふうにしております。
また、ワクチン接種に先立って抗体検査を実施する場合に、抗体検査を実施する必要がある人数が多数に上ることが予想されることから、抗体検査が適切に実施できる体制を構築することとしてはどうかということを掲げております。
以上の対応方針案を掲げて御議論いただきました。そのときにいただいた主な御意見を14ページ以降にお示ししております。
まず、当面の対応ですが、重点的な対策を行う都道府県の拡大について、東京、神奈川、千葉、埼玉、愛知に加えて、大阪、福岡にも対象を広げてよいのではないかという御意見をいただきました。また、ウイルス遺伝子検査の実施は、必ずしも届け出全例に対しウイルス遺伝子検査を行う必要はないのではないか、また、自治体で全例に対するウイルス遺伝子検査が困難な場合の対応について国として考え方を示してはどうかという御意見をいただきました。
次に、今後の対策についてでございます。
まず、抗体検査を行って、抗体価が低いとわかったら予防接種を行うことが現実的に妥当であるという御意見をいただきました。
抗体検査・予防接種の対象年齢についてでございますが、2021年度末までには難しいかもしれないが、39歳から56歳のみならず、患者発生数の多い20代、30代の男性についても手をつけてほしい、具体的には、取り組みの進捗を踏まえ、定期接種1回世代である28歳から38歳の男性も対象とした接種を検討してはどうかという御意見をいただきました。
また、2020年7月までに対象世代の抗体保有率を85%、2021年度末までに90%という目標は、herd immunity(集団免疫)をベースとしており、結構だと思うという御意見をいただきました。
抗体検査の方法についてですが、感染研においてHI法、EIA法以外の抗体検査方法について、HI法の結果と読みかえができるようにしているという御指摘をいただきました。また、抗体価が十分にあるのかをスクリーニングする目的で行うのであれば、HI法において必ずしも8倍希釈から1024倍希釈までの反応を全て確認する必要はなく、8倍、16倍、32倍の3点に確認を絞ることもやむを得ないという御意見をいただきました。
また、風しんワクチンの予防接種法上の位置づけについてですが、今回行う風しんワクチンの接種を予防接種法に位置づける必要があるという御意見をいただきました。
最後、16ページの周知・広報について、成人が対象であって、企業において理解が必要である、わざわざ休みをとって抗体検査や予防接種を行うのは大変であるという御指摘をいただきました。また、夜間や休日に抗体検査や予防接種を受けられる場所を求める声が今後出てくることが考えられ、その場合に、予防接種後、何かあったときに対応できる後方医療機関の確保が必要であるという御意見をいただきました。
以上、資料1についてかいつまんで御説明申し上げました。
続きまして、資料2「風しんに関する追加的対策骨子(案)」でございます。
先ほど局長から言及がございましたが、おととい、厚生労働大臣から発表いたしました案と同じ内容のものでございます。
この骨子(案)でございますが、現在の風しんの発生状況を踏まえ、風しんの感染拡大防止のために速やかに対応することが国民生活の安心にとって極めて重要であるということで、現在とっている風しん対策の追加的な対策として以下の取り組みについて速やかに行うとしております。
実施の枠組みについてですが、まず、(2)に定める対象者については、定期接種を受ける機会がなく抗体保有率が80%と低いことから、市町村が予防接種法に基づいて風しんの定期接種を行うとしております。
ワクチンの効率的な活用のために、定期接種に先立って抗体検査を前置し、市町村は、まず対象者に抗体検査を実施して、結果が陰性だった場合に風しんの定期接種を行うとしております。
追加的対策の対象者でございますが、1962年4月2日から1979年4月1日までの間に生まれた男性としております。追加的対策の対象者の範囲等については事業の進捗等を踏まえ、必要に応じ見直しを検討としております。
実施方法ですが、地方自治体、医療関係者、事業者団体等と連携した上で、できるだけ対象者の利便性の向上を図るとしております。具体的には、いわゆる市町村国保の被保険者の方については特定健診の機会を活用して風しんの抗体検査を実施すること、事業所の被用者の方については事業所において定期的に実施する健康診断の機会を活用して風しんの抗体検査を実施すること、それから、抗体検査及び予防接種について休日・夜間の実施など医療機関で受けやすくする体制を整備することを挙げております。
実施期間・目標は、2019年から2021年度末までの約3年をかけて集中的に取り組み、タイムラインといたしまして、2020年7月までに対象世代の抗体保有率を85%以上、2021年度末までに対象となる世代の抗体保有率90%以上という目標を挙げております。
また、円滑な実施に向けまして、市町村の定期接種や抗体検査の実施に当たり、国は事務手続に関する手引(ガイドライン)を作成し、地方自治体、医療機関等に対して丁寧に説明すること、また、製造販売業者、卸売販売業者、検査会社等と連携して、ワクチンの安定供給及び抗体検査の安定した実施に努めること、また、地方自治体、事業者団体、保険者団体等と連携して普及啓発を徹底することを挙げております。
続きまして、資料3でございます。先ほどの骨子(案)に加えまして、骨子に入れるには若干技術的なことをこちらに書き出しております。こちらも含めまして御議論いただければと思っております。
「風しんに関する追加的対策に係る技術的事項について(案)」で、まず、抗体検査に関する事項です。
マル1といたしまして、現在、主に実施されているHI法、EIA法のほか、これらの方法との結果の読みかえについて十分に調査されていると認められる方法についても用いて差し支えないこととする。
マル2として、風しんの定期接種の対象となる抗体価はHI法で8倍未満、EIA法及び先ほど述べましたほかの試験法では相当する抗体価としております。具体的にそれぞれの試験法において幾つのものが定期接種の対象とするのかを別紙1にお示ししております。
マル3といたしまして、今回の追加的対策において、抗体検査は抗体価を測定することによって予防接種が必要な者をスクリーニングする目的で行うということに鑑みまして、8倍、16倍、32倍の希釈倍率について血球凝集反応の有無を確認すれば足りるものとするとしております。
マル4については、今後のことでございますけれども、現在、抗体検査は採血から結果通知まで数日以上を要するものでございますが、今後、十分に短い時間で検査できる方法が利用可能になった場合には、抗体検査から予防接種までを1日で実施することでかなりの利便性向上が図られるだろうということを考えまして、体制の構築に努めるとしております。
2番目の予防接種に関する事項についてでございますが、今回の定期接種はMRワクチンを基本として用いることとし、1回接種を行うものとしております。
3番目の目標達成の確認について、2020年7月と2021年度末にそれぞれ対象年代の抗体保有率の目標を掲げておりますので、この世代の抗体保有率をこのタイミングで調査するということを掲げております。
資料1から3の御説明は以上でございます。
○倉根部会長 ありがとうございました。
ただいま事務局から資料1から3について説明していただきましたが、委員の方々から何か御質問あるいは御意見はございますか。伊藤委員、どうぞ。
○伊藤委員 東京都など幾つかの自治体で、既に男性に対して抗体検査やワクチンの補助をしているところがあります。予防接種法で今回提案されている事業の開始までの間、せっかく進んでいる事業の接種の控えなどが起きないようにしていただきたいと思いますが、その対応はどうされるのか、教えていただけますか。
○倉根部会長 ただいま伊藤委員から懸念といいますか、質問が出ましたが、事務局、いかがでしょうか。
○井口結核感染症課長補佐 事務局でございます。
現時点で各都道府県と調整させていただいているところでございますので、確定的なことを申し上げられる状況にございませんが、いずれにしましても、今、行われている都道府県の事業と今回の事業がスムーズに接続できるように、そしてまた、ワクチンの打ち控えや抗体検査の控えというものが起こらないように極力努めていきたいと思っております。
○倉根部会長 ほか、いかがでしょうか。坂元委員、どうぞ。
○坂元委員 川崎市の坂元でございます。
定期接種化に当たり、これは市町村の自治事務という形で予防接種法の中でやられるかと思います。そこで、この対象年齢からして市町村の枠を超えて勤務とかで移動される方が非常に多いのではないかということから、例えば市町村外の医療機関等々で検査、接種を受けた場合、仕組みとしては恐らく居住の自治体のほうに費用請求が来ると思います。そうすると、基本的にどこの自治体の医療機関から費用請求が来るか想定できないと思います。自治体は費用請求の場合、事前に支払い協定を結んだ形でやるのが一般的ですが、ただ、今回はどこから請求が来るかわからないので、多分それを別の方法でやらなければならないと思います。その辺で自治体にとってもどういう形でやっていくのかというのは非常に関心があるところです。場合によっては事務が非常にふえるということで、そこら辺が懸念されます。基本的には、この予防接種を進めていかなければならないという意義は十分理解しているところでありますが、その辺の市町村間の乗り入れの部分に関してどう考えていけばいいか、自治体を交えて慎重に方法論的なものを話し合っていただければと思っております。これは要望でございます。
○倉根部会長 ただいまこういう要望がございましたが、事務局から現段階で考えておられることはありますか。
○井口結核感染症課長補佐 事務局でございます。
御指摘のとおり、抗体検査、予防接種とも基本形は恐らく市町村の中の医療機関で受けていただくということになるかと思いますが、同時に職場の健診を活用する場合には、自分の市町村外のところにお勤めの方もいらっしゃるわけですので、委員の御指摘のような事態は当然考えられるものと思っています。我々としても、自治体の方とよくお話をしながら、また前例をよくひもときながら、そういった市町村またぎのものについてどうやったら一番うまく処理できるのかを相談していきたいと思っております。
○倉根部会長 では、岡部委員、どうぞ。
○岡部委員 これまでいろいろ経緯はあったのですが、ようやくというと失礼ですけれども、風しん対策について本腰を入れていただいたという感じがするので、非常に歓迎したいと思います。先ほど冒頭に申し上げましたような、ほんのちょっとしたささいな言い方でいろんな誤解が出てくることがあります。特にリスクコミュニケーションという意味では十分に説明ができるようにしていただきたいという注文が1つと、結局、坂元委員がおっしゃったように自治体業務になってくるということもありますし、自治体側あるいは学会、医師会とか、実際の詳細はまだまだ詰めなくてはいけないことがいっぱいあると思いますが、そこをぜひ密にやっていただきたいと思います。
質問として1つは、従来やっている女性への検査あるいはワクチンに対する補助は自治体ですけれども、そういった国の事業は継続されるのかどうか。
それから、私自身の発言を訂正しなければいけないのですが、抗体の検査について前回の委員会のとき、私は、希釈倍数が8倍、16倍、32倍に絞るという方法は少しでも血球を節約できるという気持ちの上でもいいかなと申し上げました。私は自分の手でこのごろやっていないのですっかり忘れてしまったのですが、その前に処理として50%の血球を使うということなので、血球の節約という意味では3点でやるということはそんなに意味がないのではないかというので、積極的にあの3点でなくてはいけないということはないのではないかと思います。むしろ検査システムの変更とか、そういうのが大変であるならば、従来の方法でやっても節約という意味では余り変わりがないと思います。ほかの方法や何かを提示していただいて、スタンダードな読み方についての一覧を出し、HIだけに頼らないということが重要ではないかと思います。この件について発言したのが1人だったので、大きく動いたような気がするのですが、それについては訂正させていただきたいと思います。
それから、本当に8倍以下でいいのか、8倍をどうとるかというのは一度ディスカッションしておいたほうがいいのではないかと思います。
以上です。
○倉根部会長 岡部委員から今、御質問が出ましたが、この段階で答えられること、あるいは事務局としての考えは。
○井口結核感染症課長補佐 事務局でございます。
まず、現行の抗体補助事業でございますが、こちらは継続を考えております。
また、8穴ではなくて3穴を使う方法についてございますが、先生御指摘のとおり、ガチョウの血球の使用量としては余り変わりはないというのが事実でございます。
一方で、1つのキットに何検体載るのかということを考えたときに、1つのキットに載る検体の数は2倍から3倍程度になりますので、例えば反応時間や使うキットの数といったものを将来的に節約しなければならなくなった場合には有効である場面もあるかと思っております。いずれにせよ、キットメーカーともよく御相談しながら、検査会社とも御相談しながら対応させていただきたいと思っております。
また、資料3のところでございますけれども、今回、風しんの定期接種の対象となる抗体価についてはHI法で8倍未満としておりまして、8倍は含まないという案にしております。
以上です。
○倉根部会長 よろしいですか。
○岡部委員 8倍を含むか含まないかというのは提案であるので、それに対しては議論をしておいたほうがいいのではないかと思います。最終的にどっちにするかというのを皆さんの御意見や何かで決めることとして。
○倉根部会長 多屋委員、どうぞ。
○多屋委員 今回、39歳から56歳の男性への対応を検討していただいているのは本当にありがたく思っております。
抗体価の話で、今、岡部先生がお話しされましたが、8未満、8、16、32だけを測定するというやり方ですけれども、その人がこの目的で検査に出しているのか、あるいは風しんにかかった人がペアで出しているのか、女性と男性はわかると思いますが、目的が違う形で出している人を検査センターのほうで区別して、この方は1024倍まで出す、この方は32倍まで出す、そういう区別は現実的には難しいのではないかと感じます。もし血球の問題だけで大丈夫ということであれば、この人は32倍まで、この人は1024倍までという区別はつけないほうがいいのではないかと感じたところです。
それから、資料2の1の(1)に、結果が陰性だった方にワクチン接種を行うというふうな記載をしていただいていて、資料3の2ページ目に多数のキットの判断基準を書いていただいています。HI法は8未満が陰性ですが、例えば一番上に書いてあるデンカ生研のEIA法キットではEIA価4.0未満は陰性のみならず判定保留も含まれた値となります。また、ほかのキットも、陰性はこうだけれども、再検査はこうというふうに、この中には陰性だけではない値が含まれています。
また、エンザイグノストのキットはΔA、吸光度の差が書かれていますが、このような形では多分、医療機関には戻ってきていないと思います。では、方法で見ればわかるかというと、同じEIA法でもメーカーによって違いますし、同じCLEIA法でも基準が違うので、非常にややこしい数字がたくさんになります。本当にわかりやすく検査センターから医療機関に戻る手だてを考えていただかないと、数字だけでは混乱になるので、ここはぜひお願いしたいと思います。
○倉根部会長 ちょっと質問です。多屋先生がおっしゃったのは、8倍というものの意味が一つ、それから、検査キットの結果の解釈といいますか、それぞれのキットによって違うということ、この2点をおっしゃったのですか。8倍ということの意味は。
○多屋委員 済みません。8というのは、血清を8倍に希釈しても赤血球の凝集抑制があった、いわゆる陽性なのですが、それもなかった8未満がHI法で陰性です。別紙1に書かれているのは、キットによってカットオフが決められて、陰性プラス、もうちょっと上のプラスマイナスというような表現で返ってくるものも含まれていますので、そこが混乱すると医療機関の先生がわかりにくくなるのではないかと思います。
8未満は陰性、8は陽性、16も陽性で、今、産婦人科の先生は8と16の場合はお産が終わったらワクチン接種を推奨していて、低い抗体価と考えられています。8未満か、8か16か、あるいは32以上かで、今、区別されていますけれども、そこも非常に難しいとは言われていますが、さらにキットが複数になって数字がたくさんになってきますので、そこの混乱がないようにしたほうがいいように思います。
○倉根部会長 ということは、これをもう少しクリアに書けばこの形でも十分よろしいという意見ですか。
○多屋委員 クリアに書くというのはとても難しいと思います。例えば、このメーカーのキットを使って抗体価を測定しているかどうかは医療機関の先生にとってはわからないように思います。ですから、そこがわかるようにするか、あるいは検査センターのほうで厚生労働省が出された基準に合わせて判定までつけて返していただけるか、どちらかではないと恐らく大きな混乱が起こるのではないかと思います。
○倉根部会長 事務局、いかがですか。
○井口結核感染症課長補佐 ありがとうございます。
まず、資料3の別紙にあります定期接種対象となる抗体価の部分ですが、米印2に掲げておりますとおり、各試薬の添付文書において、先生が御指摘のとおり、判定保留、弱陽性とされたものも含んでおります。
こちらは、事前に感染研の先生と御相談させていただいたのですが、その際、例えば先ほど名前の挙がっておりましたEIA法でいいますと、陰性、8倍未満に相当するものが2.0未満、陽性、8倍以上に相当するものが4.0以上ということになっておりまして、2.0以上4.0未満の部分が判定保留となっているところでございます。
我々は、8倍未満については定期接種の対象とするというところで進んできておりまして、この判定保留のところは8倍未満でもなければ8倍以上でもないということで、少し悩んだところはございます。今のところ、安全を見てEIA法で言うと2.0以上4.0未満につきましては、定期接種の対象とするというところで、EIA価が4.0未満という書き方をしておりますが、このグレーゾーンの部分を定期接種の対象とするかしないかというところは御相談させていただければ幸いでございます。
○倉根部会長 岡部委員、今のに関係して、どうぞ。
○岡部委員 本来であれば、検査をやらないで該当年齢を一斉に接種対象にするというのが一番簡便であり、海外における一斉接種などはそういうふうにやっているのですが、やはり限られた資源を有効に使わなくてはいけないのと、無駄な接種をなくすという意味では、ある程度、抗体のスクリーニングでチェックしなければいけないというのは賛成なのですけれども、そのときに陰性だけが対象ではなくて、グレーゾーンをどうするかというのが議論の要るところです。私は、今おっしゃったようなことで安心したのですが、考え方として判定保留のようなものは陰性に読んだほうがいいだろうと思います。
ですから、8倍で切る、切らないも、本当は8倍も中に入れておいたほうが、従来、8倍というのは読み方次第によって随分微妙なところがあるので、今回の目的は、できるだけ感受性者をなくして、その結果としてCRSをなくすという大きい意味があるのであるならば、グレーゾーンはやはり対象にしていただいたほうがより安全度は高くなると思います。
○倉根部会長 ありがとうございます。
宮﨑委員、どうぞ。
○宮﨑委員 私も基本的にはその考えです。HI法は比較的クリアではあるのですが、この世代はワクチンを接種していなくて、抗体があれば自然感染が大部分の世代なので、割とはっきり陽性が出るだろうとは思いますが、HI法は技術的な問題があって、そういうケースで8倍ぎりぎりのときには私たちは検査的な技術を若干疑いますので、やはり8倍、弱陽性は接種に含めておいたほうがいいだろうと思います。そうすると、資料3の別紙1の米印の2の弱陽性を含むということと整合性がとれてくると思います。厳密に陰性を絞り込むことはないし、8倍ぎりぎりがとても多くなることも実はないのではないかと思います。血清疫学を見ても、8倍、16倍、32倍は、感染研のデータを見ると非常に近接していますね。検査が正しければ対象者は余り膨れないのかなとは思っています。
以上です。
○倉根部会長 大石委員、どうぞ。
○大石委員 感染研の大石です。
この件に関して、グレーゾーンの部分が抗体陰性とするポピュレーションに対してどのくらいのパーセンテージを占めるのか、もし事務局のほうでデータがありましたら御提示いただければと思います。
○倉根部会長 どうでしょうか。事務局、何かありますか。
○井口結核感染症課長補佐 事務局でございます。
議論を一部整理させていただく必要があるかと思いますが、グレーゾーンといった場合に、まずHI法以外の、例えば先ほどEIA法をお示しいたしましたけれども、8倍未満にも8倍以上にも含まれない部分、このグレーゾーンについては定期接種の対象に含めているところでございます。一方で、HI法で言うところの8倍と16倍、この部分については、現在、8倍未満というところでthresholdを切っておりますので、現在は定期接種の対象としていないところでございます。今、8倍、16倍、つまり32倍未満というところでthresholdを切った場合にどのくらい対象者がふえるかという御指摘をいただきましたが、ざっくりとした計算でございますが、30%ほど対象者は多くなるというところでございます。
また、8倍と16倍の意味づけ、なぜ我々が8倍未満というところでそもそもthresholdを切っているかということでございますが、資料におつけしておらず大変恐縮ではありますが、平成26年2月に、風しんに関する小委員会の議論を踏まえてまとめた「予防接種が推奨される風しん抗体価について」という文書がございます。その中で、8倍と16倍に関しては、風しんの発症や重症化を予防できると考えられる、しかし、確実な予防のためにワクチンの接種を希望される方はかかりつけ医と接種についてよく御相談されたいという書きぶりになっております。
今回の事業は集団免疫という観点で見ておりまして、こちらの書きぶりですと個人免疫にかなり寄った書きぶりで、個人免疫上、どうしても希望される方はかかりつけ医と御相談の上、接種を検討されたいという書きぶりになっておりますので、我々としては、8倍と16倍というのは個人免疫の部分が強いのではないか、したがって8倍未満というところで切っております。先ほどの80%、85%、90%というものも8倍未満で切った数字でお示ししております。
○倉根部会長 多屋委員、どうぞ。
○多屋委員 一つお伺いしたいのですが、今、妊婦健診で抗体価を測定したときに低いと考えられるのは8未満と8と16、16までは低いと考えています。また、医療関係者の方のガイドラインでも8未満と8と16は低いということで、8未満の方はあと2回受けてください、8や16の方はあと1回受けてくださいというガイドラインにしています。
今回、陰性ということである8未満ですが、少し幅を持たせて、HI抗体価8は定期接種の対象にするということになるのであれば、女性の基準と男性の基準が少し違うということと、医療関係者の男性はまたちょっと違うということで複数の基準が出てくるのですが、そこに違いを持たせるのであれば意味を明確にしておかなければいけないのではないかと思います。
○倉根部会長 基準が違ってくるというのは、読めばわかるということにはなるのかもしれないが、非常に難しいと思います。ここはいかがでしょうか。何か御意見はほかに、廣田委員、どうぞ。
○廣田委員 資料1の8ページ、感染症流行予測調査のグラフで風しん抗体保有状況ですが、この場合、抗体保有割合を1対8以上としてあるこの考え方はどういう考え方だったのでしょうか。
○倉根部会長 多屋委員、どうぞ。
○多屋委員 感染症流行予測調査事業ではHI法を用いて国民の抗体保有率が調べられています。地方衛生研究所の先生方が測定してくださっています。8ページのグラフでいきますと、赤い折れ線グラフよりも上の部分が8未満の人になります。赤と黄色の折れ線グラフの間にある人が8という数字になります。これはほとんどいません。次に、黄色と青の折れ線グラフの間にある人、これが16の人の割合で、これも男性についてはほとんどいません。これは、先ほど宮﨑委員がお話しされたように、男性は風しんにかかって抗体を持っているのか、全くかかってもいないしワクチン接種も受けていないという両極端だからだと思います。一方、女性は、黄色と青の間が2割ぐらいいらっしゃいますので、この方々は抗体価が低いと言われて、出産後にワクチンを勧められている、そういうふうに考えてこのグラフをごらんいただければと思います。
○倉根部会長 廣田委員、どうぞ。
○廣田委員 この赤が1対8以上ですね。
○多屋委員 はい、1対8以上の割合が赤のグラフ、1対16以上が黄色、1対32以上持っている人の割合が青、それぞれ赤と黄、黄と青の間に16の人がこれぐらいいる、8の人がこれぐらいいるというふうに見ていただければと思います。
○倉根部会長 釜萢委員、どうぞ。
○釜萢委員 私も不思議だなと思ってさっきの井口さんのお話を聞いていたのだけれども、30%もふえないのではないですか。先ほどの御説明の根拠は、それはどうですか。
○井口結核感染症課長補佐 事務局でございます。
こちらは、2017年の抗体保有状況の元データを我々はいただいておりまして、それに基づいて計算した値でございます。青い線の部分と赤い線の部分の間が、赤い線の部分と一番上までの間の約3割であるということでございます。黄色いグラフがかなり赤に近接しておりますので、黄色で見ますとそれほど差がないように見えますが、青の部分で見ますと約3割程度になっております。
○倉根部会長 宮﨑委員、どうぞ。
○宮﨑委員 非常にわかりにくい説明をされましたが、青までとるとトータル30%になるという意味ですか。それとも8倍未満で切ったときと比べて30%ふえるということを言いたいのですか。
○井口結核感染症課長補佐 後者でございます。
○宮﨑委員 後者ですね。先ほど言っているように、今、議論しているのは、16とか32ではなくて、8倍ぎりぎりをどうするかというところではパーセントはほぼ動かないですね。
○井口結核感染症課長補佐 今、8のみのデータを持っておりませんけれども。
○宮﨑委員 あるじゃないですか。
○井口結核感染症課長補佐 数字は出せませんが、赤と黄色が近接しているのは事実でございます。
○宮﨑委員 ということは8倍をとっても余りふえないということになるわけですよ。わかりますか。
○倉根部会長 岡部委員、どうぞ。
○岡部委員 この黄色は16倍以下なので、8倍のぎりぎりのところが含まれているのです。8倍未満は8倍に満たないのだけれども、8を入れると黄色い線になるので、全体の赤と黄色はそんなに差がないから、少しでもリスクの高い人は黄色で読んだほうが、つまり16倍未満というのは8倍を含むので、8倍未満と8倍、それを含めば、リスク管理という意味では非常に有効になるであろうというのが私の考えなのです。それは多分、宮﨑先生と全く同じ考えだと思うのですが、いかがですか。
○倉根部会長 ただいまの8倍も入れたとしてもそんなに変わらないのではないかという御意見、8倍は抜くということがワクチンをいかに有効に使うかという議論であるとすればという話ですね。ただ、今度は8倍というのは防御状態として認知されているのだということであれば、それは8倍未満で切ればいいという話なのですが、そこはどうなのでしょうか。防御レベルとしてと言ったほうがいいかな。
○多屋委員 感染予防レベルとしては、HIで16以下はワクチンを受けるとブースターがかかるという値で決めています。16の人や8の人はワクチンをあと1回受ければブースターがかかるという研究結果がありましたので、医療関係者はもう一回受けましょうというふうにしています。このグラフだと赤も黄色も青もそんなに変わらない。かかって陽性の人はほとんど32以上の抗体を持っているのだろうと思います。ですから、もし8以下ということにされるのであれば、男性は8以下、妊娠を希望される女性と医療関係者は16以下、2つの基準が設けられるということになるのだろうと思います。
○倉根部会長 山田委員、どうぞ。
○山田委員 それをはっきり説明すれば、基準が2つあっていいのではないですか。要は、さっきから議論になっている個人防御の話とherd immunityの話、今回はあくまでも全体的な流行を抑えるためのherd immunityをつけるため、したがって個人防御のほうを重要視するのではなくて、あくまでこの抗体価があれば今後の流行を阻止できるだろうというところでコンプロマイズさせないと、どんどん個人のほうへ移行していけばまたワクチン量がふえるわけです。そこのところで明確に厚生労働省のほうで御説明いただければそれでいいのではないかと思います。
○倉根部会長 坂元委員、どうぞ。
○坂元委員 市町村として関心があるのは、この陰性の何倍、何倍というのは判定基準が政省令の中に書き込まれるのか、それとも単純に医師が必要と認めたぐらいでとどめるのか、こういう細かいところまで政省令に書かれるのかどうかですね。市町村はそれがちゃんと的確に判断されて受けたものだということで費用の支払いをやるので、政省令の中ではどのあたりまで書き込まれることを想定しているのでしょうか。
○倉根部会長 事務局、いかがですか。
○井口結核感染症課長補佐 事務局でございます。
政省令の中では、恐らくですが、陰性、陽性という書き方をさせていただくと思います。陰性、陽性の基準については別途お示しをするということになると思います。
○倉根部会長 越田委員、どうぞ。
○越田委員 私も同様の質問をしようと思っていたところです。多分、細かいところは現場ではわからないと思います。先ほど多屋先生がおっしゃったように、検査会社の方でジャッジしていただく、それに従って臨床現場で予防接種をするかしないかを決めていただかないと予防接種事業主体である市町村としては対応しようがありません。
今回のこの対応に関しまして、まず抗体検査をしてからワクチン接種を行うという2段階の仕組みで、よく整理されたものではないかと私は思っております。しかも、今、抗体の議論がございましたが、測定法が異なっていてもきちんとした基準を決めていただくことによってすっきりする。妊婦や医療関係者の接種勧奨基準とのダブルスタンダードではありますが、何らかの基準を決めねばなりませんから。
もう一ついいことは、3年の時限を持たれたことです。この3年で何とかするぞ、CRSはもうこのあたりでおしまいにという気持ちがあって、すばらしいと思っています。その3年間に、抗体検査なりワクチン接種を平準化するような優先順位や優先地域とかいうことは考えていらっしゃるのかどうか。でなければ1年目に希望者は殺到するとワクチンや検査キットが不足する事態が起こるのではないか。どんなお考えで3年の時限を設定されたのかその意図をお聞きしたいということが1点目です。
それから、私は、ワクチン接種に関してはそんなに心配していないのですが、抗体検査の結果を実施主体である市町村がきちんと管理することができるのかどうかという懸念があります。というのは3年間でうっかり2回抗体検査を受ける人もいるかもしれないということを思うと、1回の抗体検査の結果を自治体がちゃんと把握することが必要でないかと、行政にキックバックされるかということをお尋ねしたいと思います。
もう一点は、抗体検査を行う際の実務的なスキームが難しいことです。抗体検査を特定健診にくっつけるのは比較的簡単なことだと思いますが、ただ、国民健康保険の特定健診の若い方の受診率は非常に低いです。この世代の方々はほぼどこかにお勤めをなさっていますから、職場の健診はかなりの確率で受けていただけると思います。一律ではなくて人間ドックを受けていらっしゃる方もいることを思えば、職場できっちりとこの管理をしなくてはいけませんし、その結果がちゃんと行政に戻ってくるようなスキームも必要ではないか。もちろん、検査費用の支払いだとか、ややこしいこともいろいろありますが、自治体としてクリアせねばならないと考えています。いろんなことを申し上げましたが、実務的な点について御意見をお聞かせいただければと思います。
 
○倉根部会長 事務局、いかがでしょうか。
○井口結核感染症課長補佐 事務局でございます。
まず、抗体検査、それから、ワクチン接種事業の平準化でございますが、我々はどちらかというと周知を頑張らなければいけないと思っておりまして、現段階で、例えば対象をどこどこに絞るというようなことは考えておりません。
それから、市町村への抗体検査の情報の共有ですが、御指摘のとおり、市町村から「あなたは陰性なので予防接種を受けてください」とリマインドすることが必要になってまいりますので、市町村のほうに情報が共有されることが必要と考えております。
○倉根部会長 ほか、いかがでしょうか。調委員、どうぞ。
○調委員 定期接種に連動させた抗体検査についてお伺いしたいのですが、これは市町村の事業ということだと思いますけれども、その予算は国と市町村でどういうふうに負担するのか、お聞きしたいと思います。
○倉根部会長 事務局、いかがですか。
○井口結核感染症課長補佐 事務局でございます。
資料2の1の(1)の2つ目のポツでございますが、「国は、補正予算の編成等により、地方自治体が行う抗体検査事業に対する補助を拡充する」となっております。現在、補正予算の編成作業中でございますが、国と地方自治体半々ずつというのが案として上がっております。
○倉根部会長 調委員、どうぞ。
○調委員 来年4月からの定期接種スタートとしますと、そのときまでに市町村は抗体検査の予算を立てなければいけないということになって、スケジュール的にどうなのか、若干懸念されると思います。
○倉根部会長 これは意見でしょうか。それとも今、何かそこら辺の問題はどういうふうに解決するかということでしょうか。
○調委員 予算組みについては私も余り詳しくないのですが、来年度予算は恐らく大体決まっていると思いますので、それをどういう形で4月に間に合うようにするのか、どなたか御存じの方がいたらお伺いしたいと思います。
○倉根部会長 坂元委員、どうぞ。
○坂元委員 今のお話ですと、抗体検査の費用に関しては国と市町村が半々、風しんの予防接種代に関しては、定期接種になった場合、従来どおりの解釈では、国が予防接種にかかったと思われる費用の9割相当を地方交付税で負担する、この考え方でよろしいのでしょうか。
○倉根部会長 事務局、いかがですか。
○井口結核感染症課長補佐 御指摘のとおりです。
○倉根部会長 先ほどどなたか手を挙げておられませんでしたか。矢内委員、どうぞ。
○矢内委員 東京都でございます。
要望でございます。まず1つは、ガイドラインの発出と、これから地方自治体、区市町村への御説明をされると思いますけれども、予算のお話もありましたが、非常にタイトなスケジュールになると思います。対策の実効性が上がるように区市町村が取り組みやすい、わかりやすい仕組みにしていただきたいということ、ガイドラインをできるだけ早く発出していただきたいということ、また、現在実施されている補助制度のスムーズな移行も必要でございますので、定期予防接種に向けたスケジュール感を早目にお知らせいただいて確定していただきたいということ、この3点を要望させていただきます。よろしくお願いします。
○倉根部会長 多屋委員、どうぞ。
○多屋委員 先ほど抗体価の結果は市町村のほうに戻される仕組みが考えられている話がありましたが、職場での対策ということもとても大事だと思います。2008年から行われた第3期、第4期のMRワクチンの接種は、今、大きな成果を上げて、学校での集団発生が起こらなくなっています。そのときは学校も非常に協力してくださいました。市町村と学校が一緒になったので、今度は市町村と職場が一緒になって対策をとれるように、職場もその結果を把握できるような何らかの仕組みがないかということと、それから、個人が予防接種を受けた記録が今、大人はほとんどないので、接種を受けた記録を自分でしっかり持てるような仕組みをつくっていただきたいと要望したいのですが、いかがでしょうか。
○倉根部会長 事務局、この点、何かございますか。
○井口結核感染症課長補佐 事務局でございます。
まず、抗体検査の結果について職場で把握できるようにというところでございますが、実際の事業者の方々との調整もございますので、その中で御提案をしてまいるというところかと思います。
それから、個人の予防接種の接種歴について維持する仕組みというところについては、長期的な課題になってしまうかもしれませんが、検討が必要かと思っております。
○倉根部会長 清水委員、どうぞ。
○清水委員 単純な質問で恐縮でございますが、資料3の追加接種の定期接種になる方というのは1回も予防接種を受けたことがない世代ということなのですけれども、1回接種で抗体ができるということは確実に言えるものなのでしょうか。
○倉根部会長 どなたか。宮﨑委員、どうぞ。
○宮﨑委員 100%にはならないのですが、風しんワクチンは1回接種で少なくとも95%以上の抗体陽転率を獲得でき、比較的長く免疫が続く傾向はありますので、こういうマスを対象とした対策には、まず1回接種というのは非常に現実的で有効な手段だろうと思っています。妊婦さんや妊娠する予定の方などは、やはり用心のために、8倍、16倍ぐらいまで接種に含めている、そういうことだと思います。
○倉根部会長 大石委員、どうぞ。
○大石委員 ちょっと話が交錯しますが、骨子について、実施期間や、円滑な実施に向けた措置ということで、先ほど矢内委員がガイドラインをつくって円滑に運用すべきということでした。私の意見としては、今、流行が起こっているような地域とそうでない地域はかなり意識の差が大きいと思われます。これがそのまま3年間、全国に施策が実施されてしまうと、結果的に3年間の施策終了時の抗体のレベルの違いが地域的にかなり出てくる可能性も否定できません。従って、ガイドラインで均一な方針でやれるような対策をとるべきというのが一点です。
地域的にも、流行が起っている地域、そうでない地域は、ある程度濃淡をつけて、戦略といいますか、順番をよく考えて3年間の措置を行うということも重要なのではないかと思います。質問ですけれども、そういったことについて現時点でどのような考えをお持ちでしょうか、事務局にお聞きしたいと思っています。
○倉根部会長 事務局、いかがでしょうか。
○井口結核感染症課長補佐 事務局でございます。
先ほどのお答えとも重なってくるかと思っておりますが、事務局としては、この対象年代の方々に抗体検査を受けていただく、また予防接種を受けていただくというのがかなり大変なことだろうと理解しております。その中で濃淡をつけるといったときに、濃の部分はもちろんなのですが、淡の部分をつくっていいのかどうか、若干逡巡するところがございます。周知広報を頑張った上で、先ほどの平準化のお話とも関係してくるかと思いますが、全国で抗体検査を受けていただく、それから予防接種を受けていだくということをまずは考えております。
○大石委員 今の件ですが。
○倉根部会長 どうぞ。
○大石委員 私が申し上げた濃淡というのは住民の意識の濃淡なので、薄いところにはより一層の啓発が必要であると申し上げたわけです。
○倉根部会長 まず、8倍を入れるのか入れないのかという議論は、8倍未満でいいのではないかというお考えの委員はおられますか。つまり、これまでの議論を伺いますと、やはり8というのは入れるべきではないのかという意見が多いように感じたのですが、廣田委員、どうぞ。
○廣田委員 私、先ほど山田委員がおっしゃった御意見に賛成いたします。今回の対応は、最初から限られたワクチン供給をどう活用するかというのが一本、筋が通って、議論があったかと思います。また、今回、いわゆる集団免疫に重点を置いた対応をとられるということですので、その意味からも8倍未満という基準でよろしいのではないか。決して、個人を見た場合は8倍だ、16倍だと、これを否定するものでも何でもございません。そういう意味から8倍未満でいいのではないかと考えます。
○倉根部会長 廣田委員からこのような御意見をいただいたのですが、どうでしょうか。釜萢委員、どうぞ。
○釜萢委員 ワクチンの供給量と接種の状況がどうなるかというところがわからないので難しい判断にはなりますが、男性と女性と2つの基準をつくるということは、この際やむを得ないとは思います。8倍は入れて、8倍以上と16倍以上、そういうのでいかがかなと思いますが、いかがでしょうか。
○倉根部会長 この問題で多数決というのは、技術の問題といいますか、サイエンスの問題になってくるので、難しいのだと思いますが、岡部委員、どうぞ。
○岡部委員 繰り返しにはなるのですが、陰性者を拾い出すのか、ワクチン対象者を拾い出すのかという考え方だと思います。ワクチン対象者を拾い出すのであるならば、ぎりぎりのところは対象にしておいたほうがherd immunityを上げる意味でも個人を予防するためでも感染を防ぐという意味でもいいのではないかと思います。ただ、陰性者をスクリーニングするのであれば、HI法であれば8倍未満ですが、あれは希釈倍数でやっているだけですから。
○倉根部会長 多屋委員、どうぞ。
○多屋委員 読みかえなのですけれども、これだけのキットの読みかえは結構大変な作業でもあるのですが、8未満はあります。16以下もありますけれども、8以下はやっていませんので、まだありません。それを出すのには一定の時間がかかってしまうと思いますので、8未満と16以下はありますが、8以下はまだやっていない状況です。
○倉根部会長 ということは、8以下の読みかえはできないということですか。
○多屋委員 これから検討しなければいけないということになります。
○倉根部会長 事務局、どうぞ。
○三宅結核感染症課長 どれくらい時間がかかるのですか。
○多屋委員 研究所に帰って結果を見ないと、n数とかもあるので、すぐに回答できないのですが、一定のお時間をいただきます。何年もかかるということは絶対ありませんが。
○倉根部会長 課長、どうぞ。
○三宅結核感染症課長 今までいろいろお話を聞きまして、自然感染の人たちの集団の中で8倍未満、8倍、そこをそんなに厳密に議論してはいけないのではないかということもありますので、そういう意味では、8倍自体は入れるとするとこの黄色の上になるわけですね。赤の上ではなくて黄色の上とするところでやれば、これから我々も持ち帰らなければならないかもしれませんが、そこは需要の中ではどうにか持っていけるかもしれません。
ただ、今の話で、先ほども東京都さんや自治体の方からいろいろ言っていただいているように、とにかく一日一日、どうスケジュールをつくっていくのかなので黄色か赤かということで、先ほどの基準をつくれるかで預からせていただいてということでやれば、我々もなるべく頑張りたいと思います。
○倉根部会長 そうしますと、今回、資料2、資料3が案として出てきましたが、ほかの部分についてはこの案として特に御意見はないということでよろしいですか。8倍及び8倍未満のここの議論は、ワクチンの供給量、あるいはどのくらいふえるのかという少し技術的な部分、技術的というか算数の部分、それから、多屋委員がおっしゃったように、8のところをどういうふうにするかのサイエンスの部分があるかと思うので、今日、ここで決めるということはなかなか難しいかなと思います。そのようなことでよろしいでしょうか。そして、他の部分についてはこのような形で了承ということでよろしいですか。越田委員、どうぞ。
○越田委員 開始は2019年ではなくて2019年度ですね。資料2の2のところですが、2019年4月からと解釈していいのでしょうか。
○倉根部会長 どうでしょうか。
○越田委員 この点は、我々地方自治体では予算編成上で大事なことなのです。
○倉根部会長 読み方ですね。事務局、いかがですか。
○井口結核感染症課長補佐 事務局でございます。
補正予算を使ったりすることもございまして、2019年のできるだけ早い時期からということでございますので、2019年度としているわけではございません。2019年と意図的に書いております。
○倉根部会長 宮﨑委員、どうぞ。
○宮﨑委員 年度が始まる前もあり得るかというのが一つでしょうけれども、もう一つは、抗体保有率のパーセント目標を出されて、3年間でざっと計算すると、この事業に投入するワクチン量は大ざっぱな見当がつきますが、もうちょっとはっきりこの場で言われたらどうなのですか。1年目にこれぐらいワクチンを投入する、2年目これぐらいという、少なくとも目標値は示さないとなかなかイメージがつかないのではないですか。
2点、どうですか。年度内の問題とワクチン供給量、要は、予算も必要ですが、ワクチンがないと対策はとれませんので。
○倉根部会長 事務局、どうでしょうか。
○武井健康課長 健康課長でございます。
ワクチンについては、前回の会議でも御報告させていただいたように、必要な量というのは増産もかけて確保していきたいと思っております。ある程度、概算で計算すると皆さんは想像がつくかと思いますが、最終的なところはやはり予算の成立を待ってというところもございますので、もう少し時間をいただければ明確に数字として出していきたいと考えております。
○宮﨑委員 わかりますけれども、物がなくて対策が本当に打てるか。さっきのパーセントの問題もそうですが、計算すればわかるようなことをなぜぼやかすのかもよくわかりません。
○倉根部会長 事務局、どうぞ。
○武井健康課長 ありがとうございます。
先生がおっしゃるところは、我々も重々理解してやっておりますが、ここの数値を目標にしていって、それに見合うだけの必要なものを確保していきたいと考えておりまして、それを全部セットするには必要なプロセスというものがございますので、それを今、調整しているところでございます。
○倉根部会長 坂元委員、どうぞ。
○坂元委員 もう一度確認ですが、2019年ということは、年度としては2018年度の事業として始めること、つまり、政省令が今年度中に改正されたと同時にこの事業が始まると、2019年度ではなく2018年度の事業として開始される、そういう理解でよろしいのでしょうか。
○倉根部会長 この理解はいかがでしょうか。
○三宅結核感染症課長 環境として要請されているのはそういうことだと思っております。ただ、今やっていただいている都道府県等の事業というのは、都道府県と保健所設置市と特別区があるわけですね。今度、予防接種法で対象となるのは市町村ということで、保健所設置市と特別区というのは両方に重なっているわけです。そういうところは既に医療機関といろいろ契約が済んでおりますし、人口密度も高いということで流行が濃いところでもあると思われます。全国一律にスタートしなくてもいいと考えますと、来年度前からでもやれるところはなるべく早く我々も支援して、できるところから始めていくというのもあるのではないか、そういう意味で2018年度と言っているわけでありまして、ここまでに全国一斉にやらないとだめだということは非現実的ということも我々は理解しております。
○倉根部会長 ありがとうございます。
そうしますと、これはずっと続く議論というわけにもいきませんので、まずは、資料2、資料3について、資料3の1のマル2のところについてはやはり事務局に持ち帰っていただく必要があろうかと思います。その他についてはこの委員会として、合同委員会にはなりますけれども、了承いただくということでよろしいでしょうか。
(首肯する委員あり)
○倉根部会長 ありがとうございます。
釜萢委員、どうぞ。
○釜萢委員 時間がないところで恐縮ですけれども、今回のこの取り組みは大変異例のものだろうと思います。こんなに慌ただしい中で、今、厚労省が大変苦労しておられますが、今度、各自治体が大変な思いをして整備しなければならない課題が山積しているわけです。一方、接種を担当する、あるいは採血等を担当するのは私どもでありますので、どのような体制がとれるかということについて必死で対応しなければならないと思います。
しかし、今回、このような取り組みができた背景としては、やはり東京オリンピック・パラリンピックに向けて、今、渡航自粛勧告があるような我が国の状況を何とかしようということですので、完璧な整備のもとにスタートできないかもしれないけれども、それぞれの立場の英知を結集して何とかこの事態を乗り切るということでいくべきではないかと思いまして、発言させていただきました。
○倉根部会長 釜萢委員、ありがとうございます。
そういう御意見をいただきましたので、まずは今回の議題1につきましては、今の釜萢委員の発言をもって終了したいと思います。
それでは、報告事項がございますので、事務局から議題2の「報告事項」、資料4と5についてお願いいたします。
○井口結核感染症課長補佐 再び事務局でございます。
資料4の報告事項でございます。
こちらは12月7日に発出した通知でございます。先ほどの資料1の御説明でもありましたように、今まで5都県を対象に行っていた重点的な対応ですが、そちらに、大阪府、福岡県の2府県を加えて、7都府県に対して重点的な対応をするとしたものでございます。その御報告が1点でございます。
あわせまして、資料5の御報告も申し上げます。
資料5は、12月13日、本日、発出した通知でございます。「風しん診断事例におけるウイルス遺伝子検査について」、こちらは原則として全例に行うものとしておりましたが、現時点で全例に行うのは大変困難という御指摘もいただいておりまして、それに対してどういった場合であれば省略可能であるかというものを通知でお示ししたものでございます。
2件、御報告でございます。
○倉根部会長 この報告事項に関して何か御質問はございますか。よろしいですか。宮﨑委員、何かございますか。どうぞ。
○宮﨑委員 せっかくですので。釜萢委員が先ほどおっしゃったとおりだと思います。非常に画期的な、成人を対象としたキャッチアップ接種の本格的な、ここ20~30年で初めての事業です。これがうまくいくことが非常に大事なので、細かいことはいろいろあるでしょうけれども、みんなが頑張らなければいけないと思っております。
2つあるのですが、1つは、オリンピック・パラリンピックあるいはワールドカップ、いろいろありますけれども、それを考えると、今回、風しんのことでいろいろ言われていますが、おたふく風邪だってもっと難しい問題が外国から言われる可能性があるということです。もう一つは、例えば、最近でいくと水痘やB型肝炎の定期接種が始まって、その世代はいいのですが、あとの世代がずっと積み残しのままになっていて、実際に急性B型肝炎が減るかというと20年ぐらい減らないだろう、そういうことがあるので、もし今回の事業がうまくいけば、ほかのワクチンにも同じような手法が拡大できるかどうか、そういう使命もあるものかなと思っています。
昔の話をしますと、平成6年の法改正のときに風しんは男女幼児接種に持っていって、流行阻止に向かったのですが、成人対策も一緒にやってくれと申し上げたときに、当時の厚生省が15歳以上は面倒を見ないと断言されて、議論ができなかったのです。それから四半世紀たって初めてこの対策が出てきたことは、風しんに長くかかわってきた者としては非常に感慨深いものがあります。ぜひ頑張っていただきたいと思います。
○倉根部会長 ありがとうございました。
岡部委員、どうぞ。
○岡部委員 風しんのエリミネーションということで対応をとっている国は、例えば南米が有名ですが、短期間決戦型なのです。ですから、今回、日本がとるのは多分、世界で初めてのユニークな方法で、はしかの対策も、3期、4期というのは最初はWHO会議などでも非常に批判を浴びたけれども、結果的には大変よくなっているのです。今回のこのやり方はトライアルといえばトライアルですが、いろいろ申し上げましたけれども、本当にこの努力されたことには感謝しているところです。海外に対してもきちんとデータを出しながら示していただければと思います。ありがとうございました。
○倉根部会長 廣田委員の御意見をもって終了したいと思います。
○廣田委員 前回の感染症部会で20代、30代の男性のキャッチアップの話が出ております。これとも関連して、感染症流行予測調査事業の抗体保有割合のデータが何年も続いておりますので、ぜひこれを出生コホート分析していただきたいと思います。これは、年齢別あるいはカレンダーイヤー別にいろいろ切り方を変えて解析すると相当細かいところまでわかりますので、何年ごろに生まれた人は何歳ごろから抗体保有割合が落ちるというようなことをぜひお示しいただきたいと思います。
○倉根部会長 ありがとうございます。
では、最後に。
○宮﨑委員 それを言うのを忘れていました。今回、定期接種としてはある程度限られていますが、廣田委員が言われたように、20代から30代後半ぐらいまでは実は女性も結構患者数が出ているのです。非常にハイリスクのところが今回の対策では入っていないので、その定期外のところのキャンペーンなり、自治体によっては公的補助なりというのも一緒にやっていただきたいと思っております。
もう一つは、例えば抗体検査を前置しますが、医学的には抗体検査なしでもできるのだということもきちんとアナウンスしていただきたいというふうに要望します。
以上です。
○倉根部会長 ありがとうございます。
それでは、事務局から何かございますか。
○井口結核感染症課長補佐 次回の日程に関しましては、追って御相談させていただきます。
以上です。
○倉根部会長 ありがとうございます。
本日、多くの意見をいただきまして、ありがとうございました。私の不手際の部分もございまして、少し時間が延びまして、申しわけありません。皆様の貴重な御意見をいただきまして、ありがとうございます。
それでは、これで合同部会については終了としたいと思います。ありがとうございました。