第12回労働政策審議会労働政策基本部会 議事録

政策統括官付労働政策担当参事官室

日時

平成31年2月5日(火)10:00~12:00

場所

厚生労働省省議室(9階)

出席者

委員(五十音順) 石山委員、大橋委員、川﨑委員、古賀委員、後藤委員、佐々木委員、武田委員、冨山委員、長谷川委員、守島部会長、森戸委員、山川委員 事務局 土田政策立案総括審議官、村山労働政策担当参事官、高松企画官(政策統括官付労働政策担当参事官室併任)、五百旗頭調査官(労働基準局労働関係法課)、名田企画官(職業安定局雇用政策課産業雇用政策)、永倉課長補佐(雇用環境・均等局在宅労働課)、立石室長(人材開発統括官付政策企画室)

議題

(1)技術革新(AI等)の動向と労働への影響等について
  (ヒアリング)
  ・武田委員
  ・石山委員
(2)その他

議事

 
○守島部会長 それでは、定刻が過ぎましたので、ただいまから第12回「労働政策審議会労働政策基本部会」を開催したいと思います。
 本日は、皆様方におかれましては、大変お忙しい中お集まりいただき、どうもありがとうございました。
 それでは、カメラはここまでなのですけれども、特にいらっしゃいませんので、進んでいきたいと思います。
 本日は、所用により、入山委員、大竹委員、御手洗委員が御欠席でございます。
 それから、所用により、事務局は、藤澤統括官が御欠席でございます。
 議事に入ります前に、本日の審議会の説明は、タブレットにより行いますので、最初に事務局より説明をお願いしたいと思います。
 よろしくお願いします。
○高松企画官(政策統括官付労働政策担当参事官室併任) 本日の部会もペーパーレスで実施させていただきます。
 お手元には、タブレット、スタンド、スタイラスペンを配付しております。
 使用方法につきましては、操作説明書を机上に配付しておりますが、御不明な点がございましたら、お近くの職員にお声がけください。よろしくお願いいたします。
○守島部会長 ありがとうございました。
 それでは、議事に入りたいと思います。
 本日の議題は「技術革新(AI等)の動向と労働への影響等について」となっております。
 まず、本日の進め方について御説明をいたしたいと思います。
 最初に、前回の部会で複数の委員から御指摘をいただいた内閣府の人間中心のAI社会原則検討会議の人間中心のAI社会原則(案)について、事務局から御説明をいただきたいと思います。
 続きまして、資料は逆になっているのですけれども、まず、きょうは石山委員から15分ほど御発表いただき、その後に、30分ほど質疑応答を行いたいと思います。
 それに続きまして、武田委員より、15分ほど御発表いただき、それから30分ほど質疑応答を行いたいと思います。
 最後に事務局より「ホワイトカラー分野において導入が進む新技術について」について説明をしていただきたいと思います。
 それでは、最初に、事務局より人間中心のAI社会原則(案)について御紹介をお願いしたいと思います。よろしくお願いいたします。
○村山労働政策担当参事官 それでは、御説明を差し上げたいと思います。
 ただいま、部会長からお話のございました関係ですが、資料1-1をお開き願いたいと思います。
 資料1-1が、AI社会原則を検討されています、人間中心のAI社会原則検討会議の運営要綱でございます。
 そこにございますように、設置目的といたしましては、AIをよりよい形で社会実装し共有するための基本原則となる人間中心のAI社会原則を策定し、この原則を国際的な議論に供するため、AI技術、それから、AIの中長期的な研究開発及び利活用等に当たって考慮すべき倫理などに関する基本原則について、多様な参画のもとに調査・検討が行われているということでございます。
 構成員の方々に関しましては、同じ資料の3ページ目の別紙に掲げられています、25名の方々ということでございます。
 続きまして、AI社会原則のほうでございますけれども、資料1-2のほうにお移りいただきたいと思います。
 資料1-2が、人間中心のAI社会原則(案)でございます。
 この(案)は、現在、パブリックコメント中でございまして、パブリックコメントは、本年2月14日まで受け付けているということでございます。
 今後のスケジュールといたしましては、原則(案)を3月中に策定し、ことしの夏のG7あるいはG20等で、これを報告、また、活用する予定になっているということでございます。
 この原則(案)は規制ではなく、AIの適切な活用を目指すものであって、拘束力を持たせるようなものではないという形のもとに議論が進められているということでございます。
 では、この原則(案)に関しまして、本基本部会とかかわりのある部分などを中心に御紹介いたしたいと思います。
 資料1-2の目次を進めていただきまして、1ページ目でございます。
 第1章の「1 はじめに」でございますが、AIは地球規模の課題や社会課題の解決の鍵であり、その便益を享受し、ネガティブな面を低減させるために、人、社会、産業、イノベーション、ガバナンスという面でAIを有効かつ安全に利用できる社会、すなわち「AI-Readyな社会」を実現することが必要であるという導入となっております。
 続きまして、2ページ目でございます。
 三角形のポンチ絵が出てまいります。これが、本文書の全体構成をあらわしてございまして、AIの活用によって実現されるべき社会については、基本理念が最上位に位置づけられており、そして、その下にビジョン、その下に人間中心のAI社会原則及びAI開発利用原則という形で整理されているところでございます。
 3ページ目からが、先ほどの構成を上から順に追っている形になっておりまして、第2章の「基本理念」のところでございます。
 冒頭の柱書きには、Society 5.0の実現に向けて、AIを人類の公共財として活用することで、地球規模で持続可能性につなげることの重要性が記されているところです。
 その上で、具体的には(1)(2)(3)の3つの理念、Dignity、Diversity & Inclusion、そしてSustainabilityということが示されておりますが、この理念の中には、幾つか本部会で議論された論点も含まれているかと考えているところでございます。
 4ページ目の第3章では、Society 5.0の実現に必要なAI-Readyな社会、AIを有効かつ安全に提供できる社会を定義しているところでございます。
 「(1)『人』」のA)につきましては、基本部会報告書でも触れられておりますように、AIの活用に当たっては、AIの情報リソースとなるデータ、アルゴリズムまたはその双方にバイアスが含まれることを認識していることが望まれる等とされております。
 続きまして、B)といたしまして、AIの利用によって、多くの人々が創造性や生産性の高い労働に従事できることが望ましく、そのための社会制度の実現が求められるとされております。
 続きまして「(2)『社会システム』」のところでは、社会システム全体が不平等でありますとか、格差の拡大、また、社会的排除への対応も含めまして、AIの進化に応じて対応できるようなものになっている必要があるとされているところでございます。
 以下、産業構造やイノベーションシステム、ガバナンス等の記述が続いておりますが、6ページ目の4章、4.1というところでAI社会原則となってございます。
 そして、その後ろにAI開発利用原則ということで体系化されているということでございます。
 AI社会原則といたしましては「人間中心の原則」を初めとした7つの原則が掲げられておりまして、特に1つ目のところで「人間中心の原則」ということが掲げられているところでございます。
 そこでは、AIの利用は、日本国憲法の保障する基本的人権を侵すものであってはならないとされており、その上で、AIは人々の能力を拡張し、多様な人々の多様な幸せの追求を可能とするために開発され、社会に展開され、活用されるべきであるとされております。
 各項目といたしましては、AIは、人間の労働の一部を代替するのみならず、高度な道具として人間を補助することにより、人間の能力や創造性を拡大することができると示されており、また、AIの利用に当たっては、人がみずからどのように利用するかの判断と決定を行うことが求められているところでございます。
 2つ目は「教育リテラシーの原則」というところで、AIの利用に当たっては、概要を理解し、正しく利用できるような素養が必要であるという前提が書かれているところでございます。
 7ページ目に入っていきますけれども、3つ目といたしまして「プライバシー確保の原則」といたしまして、個人の自由、尊厳、平等が侵害されないようにすべきという考え方が示されているところでございます。
 8ページ目で、4つ目といたしまして「セキュリティ確保の原則」として、社会の安全性の向上に努めるべきという考え方が示されております。
 その下のところでは「公正競争確保の原則」ということで、公正な競争環境を維持していくべきという考え方が示されております。
 さらに、その後で6つ目でございますが「公平性、説明責任及び透明性の原則」ということで、AIで不当な差別や扱いを受けることがないようにすべきという考え方が示されております。
 さらに、次の9ページ目になりますけれども、イノベーションの原則ということで、人材研究の両面から徹底的な国際化、多様化が行われるべきという考え方が示されております。
 以上が社会原則でございまして、その上で「4.2 AI開発利用原則」におきましては、開発者及び事業者の方々が基本理念や社会原則を踏まえた上で、それぞれの利用原則を定めて遵守していくべきであるとされております。
 「5 おわりに」というのが最後の10ページ目に付されているところでございます。
 本原則は、政府、関係企業、団体等で共有し、政策等に反映する必要があるということ。また、世界各国と共有して、国際的な議論のリーダーシップをとり、国際社会の協調的かつ創造的な発展に寄与すべきということ。
 そして、今後、AI技術の進展、社会の変化、世界の情勢等も変わっていくため、柔軟に進化・発展させるものであると結ばれているところでございます。
 以上、雑駁でしたが(案)の御紹介とさせていただきますが、以前にも申し上げましたように、この一連の検討の中で、会議の第6回、10月の回だったと思いますけれども、その時点で本部会の1回目の報告書、昨年末にお取りまとめいただきました報告書について御報告申し上げ、そういったものも一つ参酌していただきながら、こうしたものが現在、最終的な(案)として取りまとめられているということを御報告しました。
 私からの説明は、以上でございます。
○守島部会長 ありがとうございました。
 それでは、ただいまの御説明、この文書に関して何か質問とか御意見がございましたら、お伺いしたいと思います。御自由にどうぞ。
 では、長谷川委員、お願いいたします。
○長谷川委員 長谷川ですが、今の説明をお聞きして、理念としてはある程度納得できるものなのかなと思っています。
 ただ、この中にも書かれておりましたけれども、この理念は、我が国の理念でありまして、これをグローバルな競争の中で、あるいは、国際社会の中でどのようなコンセンサスを図っていくのか。最後のところで書いてはあるのですけれども、抽象的な表現になっているので、我が国としては国際的なコンセンサスを得るために、具体的にどういうことを考えているのか、現時点でのお考えをお聞かせ願いたいと思います。
○守島部会長 ありがとうございます。
 では、事務局、お願いします。
○村山労働政策担当参事官 御指摘ありがとうございます。
 最初にも申しましたように、この原則は、1つは、今、長谷川委員からございましたように、また、この文書にも最後に書いてございますように、国際的な発信、とりわけG20等の会合もあるということをにらみながら政府の中で検討されているということでございまして、国際社会への発信、また、そこに説得力のあるものを提示していくことが大変重要になっていくだろうと考えているところでございます。
 特に、ヨーロッパ等の議論におきましても、どちらかというと、そちらでは規制色の強いものも含めまして、こうした原則を打ち出していくという考え方もあるわけでございますが、そういった中で、最初にも申しましたように、この会議体におきましては、必ずしも規制というよりは、ベストプラクティスをつくるということ。それを横に広げ、ノンバインディングであるという考え方のもとに議論としては進められてきたところであり、そうした前提に立って国際社会において、これから、こうしたものを先ほど申しましたように、日本の憲法などに位置づけられた考え方を盛り込みながら発信し、できるだけ広がっていくようにということで、政府全体として取り組まれているものと承知をしているところでございます。
 雑駁な答えですが、以上でございます。
○守島部会長 長谷川委員、よろしいですか。
○長谷川委員 はい。
○守島部会長 では、冨山委員。
○冨山委員 今の長谷川委員の提起された問題に関して、私の理解は、この次元の話は、恐らく、ある種の理念表明なので、バインディングな議論になかなかしにくいのだと思うのですが、もう少し生々しいレベルで言うと、さっき指摘のあったヨーロッパのGDPRの話であるとか、あるいは、この後、データトランスファー、要するにデータのやりとりに関するルールづけの問題、これは、民法上の性格づけをどうするかとか、あるいは人格権との関係でどうするかとか、これはプライバシーも絡んでくるので、そういう話については、恐らく何らかの法的ルールにしていかなければいけないものが現実にはある。
 また、これがややこしいのは、例えば、米中というのは、割とプラットフォーマーというAIを使って大もうけしている。ところが、米中以外は、そういう巨大なプレイヤーがいないわけで、この前のダボスでもそうなっていたようなのですけれども、米中は、どちらかというと放っておいたほうがいい、規制は強化しないでくれ的な立ち位置になるし、逆にヨーロッパは、そういうのがないので、むしろちゃんとルールづけしましょうということになるし、日本もある意味ないプレイヤーなのです。
 ただ、これは、今風に言ってしまうと、データ資本主義といいましょうか、あるいはAIデータ資本主義の世界のいろんなルールをどういうふうにつくっていくかということになるので、これは、企業会計では、例えば、会計原則とかがありますね、いろんな企業会計にかかわる、似たところがあって、結局、企業会計も1つのルールにどんどん収れんしていっているのですけれども、資本市場は、すごくグローバルな性格を持っていますから、結局、ルールは1つに収れんする力が働きやすくて、恐らくデータ資本主義とかAI資本主義の世界も、どちらかというと、割とグローバルワンマーケットで物事が起きやすいのです。皆さんが使っているフェイスブックもそうだし、みんな同じものを使うようになってきますから、そうすると、恐らく共通ルールをつくるという力が、これから自然に働くのだと、私は理解しています。
 そうすると、その中で、どういうふうにルールセッティングをしていくかというのは、極めて日本にとっても世界にとっても重要な問題で、私は、個人的には、幸か不幸か日本には、少なくともデータ覇権を持っている会社もいなければ、日本はデータ覇権主義でもないですし、ある意味では、フリーハンドを持っている国であり社会であるので、ある意味、こういうルールをつくっているときに、いい意味で主導権を、要は利益誘導っぽくないので果たせるのではないかと期待している。
 幸い今の安倍政権は、外交的には、すごくイニシアティブをとれる政権になってきておりますので、私は、めったにインターナショナルなルールセッティングで日本がイニシアティブを果たすということは過去にほとんどなくて、最近、TPPとか自由貿易で、米中が自由貿易から消えてしまったのでイニシアティブをとっていますが、似たようなフォーマットで、せっかくこういうものをつくってきているので、これをむしろ、幾つかの法的拘束力のあるルールづくりのところでも生かせたらすばらしいなと個人的には思っています。
 一応、今、未来投資会議で、この問題は受けて考えているところなので、私は、そういうところからいいほうに結実していくとすばらしいなと思っています。
 ひょっとすると、この話は、ある種、労働市場のいろんな共通ルールの問題にもかかわってくると思うので、ある意味では、これはすごく高い理念を先行的に打ち出しているので、そうなってくると、私はすばらしいなと個人的には思っております。
○守島部会長 ありがとうございました。
 では、長谷川委員。
○長谷川委員 冨山先生のご発言とも重複しますが、やはり、データを持つ者と持たざる者との競争力の問題だとか、それから、今回、このペーパーではAIだけなのですけれども、今、先生がおっしゃったように、特定のプラットフォーム企業だけがビッグデータを独占するような状況に対して、どのように対応するのか。また、それらに対する規制や制限を求める必要はないのかといったことを質問しようと思ったのですけれども、全部言っていただいたので、私も説明を聞いて、なるほどと思いました。
○守島部会長 ありがとうございました。
 ほかに、どなたか。
 よろしいですかね。
 それでは、一応、この件については、これで終わりにさせていただいて、続いて、先ほど申し上げましたように、少し技術的な問題がございまして、石山委員に最初にやっていただきたいと思います。
 それでは、石山委員、御報告、御説明をお願いいたしたいと思います。よろしくお願いいたします。
○石山委員 そうしましたら、資料の3を開いていただければと思います。
 順番が入れかわっていますので、資料2ではなくて3を開いていただければと思います。よろしくお願いします。
 前回、11回の議論の中で、AIが労働に影響を与えるという中で、いろんな論点があるのですが、恐らくここから1年かけて、例えば、報告をしていくみたいなことを考えた場合に、グランドデザインみたいなものをきちんとつくっていったほうがいいのではないかみたいな議論がありましたので、普通AIの研究者は自分の興味のあるAIの話だけをして終わるというのが事例紹介のパターンなのですが、頑張って忖度してまいりまして、グランドデザインの論点を6個挙げるというトライをしてみましたので、これは「討議用資料」と書かせていただいておりますが、これをたたき台にしていただきながら、もっとこんな論点もあるとか、そういうところの意見交換をするための議論の呼び水になれればと思っております。
 まず「グランドデザイン策定のための論点整理(*現時点仮説)」と書かせていただいているのですけれども、前回の議論の中で、大枠としては労働人口が不足していく中で、AIを活用して、それを補充していきましょうというところが大目的としてあったと思います。
 この論点に関しましては、いつまでに何人分というところのゴール設定が決まらないと、いわゆる定性的な議論に終始してしまうので、具体的なターゲットの設定が、もし、できるのであるとすると、定量的な目標を持ちつつ、例えば、先日のニュースでも、2040年までに1160万人分の労働人口が減りますみたいな話があったのですが、では、2040年までに1160万人分をAIでカバーするということなのかどうなのかとか、そういったところの具体的な議論に今後具体化していくという話ですと、踏み込んでいく必要があるのかなと思っております。
 続きまして、論点の2なのですが、労働人口が不足していく中で、AIとAI以外の部分に切り分けられると思っておりまして、例えば、前回、事務局から出していただいた統計ですと、65歳以下人口の減少みたいなところがフォーカスされていたと思うのですが、例えば、そのときに65歳以上活躍みたいなところをどういうふうに促していくのかとか、あるいは、外国人材の受け入れの話も、今、ありますので、AI以外でのカバー要素がどのくらいかというところを見積もっていくみたいなことが必要なのかなと思います。
 そうしますと、論点3として、残った分をAIでどのぐらい頑張れるのかというところのターゲットが決まっていきますので、そこにAIを活用していくという形になるのですが、これは、この後で具体的に説明するのですけれども、補完的な部分と代替的な部分というところが、AIによる生産性の向上では論点として2つあると思いますので、そこの切り分けみたいなところが1つあるのではないかと思います。
 続きまして、論点の4が、そうした中で、AIによって生産性が向上していく中で、いわゆる生産性向上分に対して賃金向上というのが図られるのかどうかみたいなところが1つ論点としてあると思いますので、それが論点の4として挙げさせていただいております。
 論点の5としまして、先ほど代替的な生産性向上という話があったのですが、いわゆるAIによって雇用が奪われるみたいな話もあります。論文を書いたオックスフォード大学のマイケル・オズボーンも、今、弊社の顧問もしていただいていて、いろいろ議論をすることもあるのですが、では、具体的にAI導入先のミスマッチがあった場合に、それを解消するようなインセンティブをどういうふうに設定していくのかみたいなところを論点の5として挙げさせていただいております。
 最後に論点6としましては、先ほど事務局より御説明がありました、人間中心のAI社会原則というところで、AI導入の副作用を防止していくというところをきちんとガイドラインを引いていきましょうということだと思います。
 最後に少し動画でも御説明したいと思うのですが、逆にAI側が持っているバイアス以外に、例えば、既存の採用フロー等々で人間側が持っているバイアスというのをAIで解析していくといっぱい見つかるみたいな話もありまして、そういった事例も最後に少し御紹介をさせていただければと思います。
 一旦、このような形で論点を6個挙げさせていただいておりまして、プラスアルファーを含めまして、グランドデザインの骨格をこれからつくっていければなと思っております。
 この6個の論点について、簡単に詳細を御説明させていただければと思っていますが、次のページに行っていただきまして、まず、論点の1「ターゲットの定義」というところで、これは、前回、事務局より御提出いただいている資料になるのですが、具体的な定量目標を実際に設定できたほうがいいですねということで記載をさせていただいているという形になっております。
 続きまして、論点2なのですが「AI以外の政策」というところで、論点1で設定した定量的な目標に対して、AIでカバーする分野が、そのうちのどのくらいの期待値なのかというところを定めていくみたいなところが、具体的に活用していくということですと必要でしょうということで記載させていただいているような形になっております。
 次に論点3なのですが、ここは少し難しいので丁寧目に説明するのですけれども、よく出る議論の中で、AIが雇用を奪うという話があるのですが、実際にジョブは、例えば、この仕事をするためには、ジョブ・ディスクリプションの中で10個のタスクができてくださいというような形で書かれておりまして、いわゆる仕事自体は、実際は幾つかのタスクに分解されるという形になるのですが、そのうちの幾つをAIがやってくれるのかみたいなところで、補完的な話と代替的な話に分解できるような形で書かせていただいております。
 生産性の向上は、大きく2種類あると思っておりまして、まず、左側の補完的な生産性の向上のほうなのですが、これは、ジョブの中に10個のタスクがあるうち5個をAIがやってくれますと。そうすると、半分はAIがカバーしてくれるということなので、この人は2倍働けるという形に、単純に考えるとなりますと。
 そうすると、いわゆる人間側の生産性が、AIがサポートしてくれることによって2倍に向上するみたいな、これは、いわゆる人間とAIのコンビネーションで生産性を上げていくというほうが補完的な生産性というところです。
 反対側に代替的な生産性ということで、これは、ケースとしては補完的なものに対して少ないとは思うのですけれども、10個全部AIができてしまうというケースです。
 そうすると、こちらは人間のサポートなしでも、該当職種の労働力を補充していくことができるということで、左側のものと、右側のものをうまく活用しながら全体としての生産性を上げていくみたいなことが考えられると思います。
 後ほど話しますが、右側のほうに関しましては、ミスマッチが起きるリスクがありますので、そこをどういうふうに解消していくのかみたいなことがポイントになると思っております。
 続きまして、論点4のところなのですが「生産性向上による賃金向上」ということで、先ほど、お話ししたとおり、補完的な生産性向上の中で、例えば、人間の生産性が2倍に上がりましたという場合に、では、賃金はどの程度向上するのかということがあると思いますし、具体的にAI活用で生産性が上がっていった場合に、賃金向上が実現できた場合に、それが、最終的にマクロ経済側にどういうふうに波及効果があるのか。
 例えば、デフレ圧力に対してAIで生産性が上がって賃金向上すると、いいことがあるのかどうかとか、そういったポジティブな面みたいなところを考えながら、今後、政策を誘導していくみたいなことが必要になってくるのかなと考えております。
 続きまして、論点の5なのですが、最初のターゲットの定義のところで、労働人口不足が、いつまでに何人分という形で記載をさせていただいていたのですが、追加の論点としまして、どの産業の、どの職種に、いつまでに何人分必要なのか、あるいは中小企業にもきちんと利益があるような形になるのかどうかみたいなところが、1つ論点としてあるのではないかと思います。
 我々もAIを供給するプレイヤーの1人ではあるのですが、日々どういった市場に対して、どういうAIを活用していくのかみたいなことを考えているのですけれども、普通に手なりで導入していった場合、AIのベンダー、サプライヤー側は利益率の高い領域に導入を加速させていくという形になりまして、そうすると、実は利益率は、AI導入プレイヤーにとっては低いのだけれども、実際に足りない業種とか職種みたいなものがあったりするわけです。
 去年の事例の中で、介護の事例等々も御紹介をさせていただいたケースもあったりするのですが、実際にAI導入プレイヤーにとっては利益率が低いのだけれども、労働人口の全体で見た場合に、足りない業種、職種みたいなところに対して、誰がAIを開発して提供していくのかみたいなところが論点になってくるかと思いますので、そういったミスマッチを解消するためのインセンティブ設計みたいなところをどういうふうにデザインしていくのかみたいなことが非常にポイントになるのではないかと思っております。
 最後に論点の6なのですが、先ほど、お話があったとおり、人間中心のAI社会原則の中でも、公平性というところがきちんと切り出されておりまして、AIを実際に導入した場合に、不平等がないような形で活用していくというところが、まず、ガイドラインとして1つ考えられるということなのかなと思います。
 少し議論になるかもしれませんが、実際に、冒頭でも少しお話をしましたAI側のバイアスだけではなくて、人間側のバイアスがそもそもあって、不平等が実際に起きていて、それをAIで解析していくと、解消できるケースがあるかもしれないみたいな話がありますので、スクリーンのほうで少しデモのほうをお見せできればと思っておりますので、御紹介できればと思います。
 特に、前回の議論の中でもありましたとおり、AIを活用した場合に、例えば、採用みたいなところで、AIが採用の合否を判断するというところに、本当に不平等がないのかとか、そういった議論が実際に考えられるので、そういったところに対するガイドラインをどういうふうに整備していくのかみたいな論点もあったかと思います。
 少し御紹介させていただきますと、例えば、こういった形で採用用の人事データを人工知能で解析するみたいな形がありますと、今、エクセルに入っているデータを解析していくみたいな形のことをやっているような形です。
 読み込み終わりますと、こんな形になっておりまして、これは、ダミーデータなのですが、例えば、採用候補者の方のIDが並んでおりまして、少し見えにくい、済みません、小さいですけれども、採用候補者の方の属性が横にばっと並んでおりまして、最終的に、合格、不合格の結果がエクセルのデータの中にあって、では、採用の合否に何が効いていたのかということをAIで解析していきましょう、みたいなことが事例としてはあったりするような形になります。
 今、非常に簡単になっておりまして、こんな形で数クリックするだけでデータの解析ができるような形のインフラが用意され始めているというような形になっているのですが、こういった形で分析していきますと、採用の合否に何が効いていたのかみたいなところが、AI側が分析してくれて、ランキングが出ているという形になっています。
 例えば、一番上には、リクルートが出しているSPIの言語得点が一番効いていましたみたいな形になっているので、これは、どういうことかなという形で、クリックしていったりみたいな形になるのです。
 そうすると、こんな形のグラフの描画が例えばあったりします。横軸が国語の点数みたいなものですね、それが並んでおりまして、青が国語の点数の部分にどういう形で候補者の分布があったかみたいな形になっておりまして、赤の部分が実際の合格率みたいな形になるのですが、例えば、この会社さんの場合ですと、ダミーデータですが、実際にあったケースに近いような事例をきょう持ってきているのですけれども、20点から29点ぐらいまで足切りで落としているので、ここは合格率がゼロになっているのですが、ここは1人合格していらっしゃる方がいまして、恐らくは縁故入社か何かで入られたのだろうみたいなことが、実はAIで分析していくとわかるみたいなケースがあったりするのです。
 今度、合格率がばっと上がっていくのですが、この辺から正の相関ではなくて、少し歩留まっていくというような形になっております。
 これは、実際に御担当の方に聞いたところ、例えば、この会社さんですと、一番最初、新卒で採用したときに営業に配属しますと、面接官の方は営業マンの方が多いのです。営業マンの方の多くは、小賢いやつは嫌いということで、国語の点数が高くなっていくと、今度は逆に合格率が減っていくみたいなことがありましたということが、実際に調査をしたらわかりましたということで、最終的にはポテンシャル採用で、ローテーションもして、コーポレートスタッフとかも回すので、そういったバイアスを持ったジャッジをしないでくださいみたいな話が出たりするのです。
 実際、本当に大企業ですと、これから新卒採用実態がどうなのかという話がありますが、採用する場合に、200人ぐらいの方の面接官が同時に動くみたいな形になりますので、採用フローとか採用基準があったとしても、人間が200人いる場合には、実際はかなりバイアスがあって採用されているみたいなところがありまして、そうすると、面接官一人一人のクオリティーがどういうものなのかということをきちんと確認していく必要があるのですが、逆にAIを使って分析していくと、面接官ごとのバイアスみたいなところが、特徴としてどういうふうにあらわれていたのかみたいなことが解析できるので、そういったところにも期待されるようなところがあるのではないかと思っております。
 次を見ていきますと、また、このランキングの中で、2個目に聞いていたのが、アルバイト先というところがあるのです。
 この会社は、アルバイトでもいろんな方を受け入れられているという会社さんなのですが、A社さんが、この会社さんでして、100人くらい、この会社でバイトをしたことがある人がおりましたと。
 合格率が、その人たちは86%になっていまして、自分の会社でバイトをしていた子はかわいいので優先的に採用するということで、非常に高い合格率になっておりますと。
 これは、まだ理解できるのですが、アルバイトをしていなかった人というのが、合格率32%なのですけれども、このB社さんというのがA社さんの親会社さんでして、親会社でバイトをしていたことがある人の合格率は、バイトをしていなかった人よりもさらに低い13%になっているのですね。
 これは、お話を伺っていったら、この会社の人は、親会社のことが大嫌いなので、親会社でバイトをしていた人をどんどん落としていたことがわかりましたみたいな話だったのですが、こういうのが本当にデータを入れて、先ほど3分ぐらい回すと見えてくるみたいなことが実際にAIで解析していくと見えていく流れの中であって、かなり多くの会社の人事データを解析させていただいたりしているのですが、結構、こういうのがいっぱい見つかるというのがありまして、逆にAIを活用していくと、AIのバイアス以前に、人間が持っていたバイアスがすごいたくさん見つかるというような事例がありまして、そういった部分にうまく活用しながら、逆にAIを活用することによって公平性を高めていくというような部分にも期待ができるのではないかと思っております。
 ということで、以上、6点、論点を出させていただきました。
 報告は、以上になります。
○守島部会長 ありがとうございました。大変おもしろかったです。
 それでは、今の御発表、御説明に対して、何か質問とか御意見がございましたら、お伺いしたいと思います。
 どうぞ、御遠慮なく。
○森戸委員 非常に興味深いお話をありがとうございました。
 論点3と4にかかわるところで、私は少し理解が足りないところがあるのですけれども、3のスライドの左側ですかね、補完的な生産性向上、例えば、AIがタスクの半分ぐらいをやってくれれば、生産性が2倍に向上というふうに書いてあるのですけれども、これで4につながって読むと、そうすると、生産性が2倍に向上したのだから、賃金がどのくらいかは別にして上がり得るのかということになっているのですけれども、これは、生産性の定義にもよるのかもしれませんが、生産性が2倍に向上と言っていいのかどうかというのが、ちょっとよくわからないところがありまして、つまり、別にここは、人間は何も変わっていない訳なので、半分AIがやってくれたから、その生産性が向上したと言っていいのかと、その切り分けというか、それは、どういうふうに説明されるのかというのに少し疑問があって、代替的な生産性向上が右にあるのですけれども、どんどんタスクが補完されていくと、究極的には10分の5だけれども、10分の9までAIがやってくれたら、生産性がもっと上がるように見えるのですけれども、でも、全部代替したら、今度、右に行くと、これは、生産性が無限に向上したのか、それともゼロになったのか、どっちとも言える気がしまして、3から4の流れをどういうふうに理解したらいいのかというのをちょっと教えていただけたらと思うのですけれども、質問の趣旨がわかっていただけたらいいのですけれども、お願いします。
○石山委員 論点3に関しては、さらっと書いているのですが、実際に、いろんな企業にAIを導入しに行こうとすると、例えば、3の補完的な生産性向上を実現しようとするだけで、結構な努力が必要ですという形になっているのです。
 それは、きちんと5個の部分をサポートできるようなAIの要件定義をして開発していくということもありますし、加えて、現場の御担当の方が、きちんとAIとコラボレーションしながらジョブを実行していくということが必要になるので、現場側もAIを使いこなすためのリテラシーを上げていかなければいけないみたいな形になっていくと思うのです。
 そうすると、具体的にAIの使い方も覚えて作業をしたら生産性が2倍になりましたみたいな形になっていくので、現場の実感としては、頑張ってAIを活用したら、こんなに生産性が上がりましたみたいな、そういう雰囲気には、恐らくなるのではないかなと思います。
 あとは、具体的に補完的な部分と代替的な部分が、会社全体の中ではコンビネーションになる形になるのですが、そうすると、実は、左側の補完的な生産性向上分だけではなくて、ある程度完全に代替することができた部分も含めて生産性の向上を考えると、例えば、左側が2倍で、右側の一部のものが代替的に完成された場合に、最終的には、4倍から5倍くらいの生産性向上につながりますみたいなことが数字的にははじき出せるのではないかと思います。
 そうすると、左、右のコンビネーションで4倍から5倍くらいに生産性が上がっているというふうに見えるので、かつ、現場の御担当の方も、そのための努力もしてきましたと。
 その流れの中で、賃金向上というところが、どういうふうに実現できるのかみたいなところが論点となるのかなと思っております。
○森戸委員 ありがとうございます。
○守島部会長 ありがとうございました。
 では、佐々木委員、お願いします。
○佐々木委員 興味深い分析をありがとうございます。
 AIの動向と労働への影響の、この労働というものをどう捉えるのかということと関係するのですけれども、人間が行っている労働というのが、本当にAのものをBのところに運ぶとか、何かをつくるということだとすると、これは、これで成り立つのですけれども、あと一歩踏み込むと、いわゆる幸福度の高い生活をするために、AIがどのように影響するのかというのが一番のポイントだろうと思っていて、きょうのこのテーマだけではなくて、常に働くということイコール、人間としての満ち足りたものに向かっていくというものと関連づけない限り、何かつまらないものになり、いわゆる国民の心も動かないと思ったりするのです。
 今のデータのさらに先に、例えば、AIが進んでいったときに、幸福度とか、人間の心理、労働者の心理にどういう影響が出るのか。
 それから、その心理が、できればAIが半分仕事をしてくれたから、自分は、こういう仕事の仕方が、よりできるようになって、より私らしい働き方ができ、私らしさを認めてもらえるような職場になっていったので、幸せ度が上がり、ですので、私としての生産性が上がったというようなところにつながってほしいなと思うのです。
 曖昧な表現で申しわけないですが、そういったことの分析可能性というのは、あるのでしょうか。非常に曖昧なものだけれども、とても重要なものであり、それを忘れないようにしないと、AIの発展が、何ら人間の幸福につながらないような気がするのですが、この追加の研究の可能性というのはあるのでしょうか。
○石山委員 非常に重要な論点だと思っておりまして、確かに、今回抜けていたなと思うのですが、可能性としては、実は非常にありまして、そういった事例もたくさんあります。
 ここに出させていただいている内容が、どちらかというと、パフォーマンス中心の話なのですが、やはりモチベーションとか幸福度みたいなものを図っていくみたいなことの取り組みも始まっています。
 もう少し突っ込んで言うと、今回、私が持ってきたものは、パフォーマンスの話で、労使で言うと、どちらかというと、使側のより興味のあるような指標だけはかってしまっているという形になるのですが、逆に労側から見たときに、どのぐらい楽しく働けているのか、それは、指標としてはよくあるエンプロイ・サティスファクションみたいなものを、先ほどのデータ分析のときに分析対象としますと。
 そうすると、従業員の方の働き方の幸福度とか満足度に対して、どういう特徴が効いていたのかみたいなことを分析することができますので、そこの部分を、今度上げていくためにはどうしていくのかみたいなことを企業の中で考えるみたいな、そういった事例も実はたくさんありまして、そうすると、パフォーマンスの部分とモチベーションの部分の2つの目的に対して、どういうふうに最適化をしていくのかみたいなことが、最終的にAIによってなし遂げられていくような形になるのかなと思っております。
 済みません、その辺の事例も少し持ってくればよかったのですが、失礼いたしました。
○守島部会長 では、古賀委員、お願いいたします。
○古賀委員 佐々木さんの意見と少し重複するかもしれませんけれども、石山先生、この提起いただいた論点はすっきりするのです。しかし、何となく頭がすっきりし過ぎるのです。
 何人必要だから、これをAIにどう分解させて、どうだ、こうだというのは、頭の中では物すごくすっきりするのだけれども、人が働くというのは、そんなことなのかなというところのもやもやがずっとついて回るのです。
 しかも、これからは恐らくAIだけではなく、科学技術がどんどん進展し、産業構造や産業そのものが大きく変貌を遂げるときに、このような公式がどこにでもすぽっと当てはまるかというと、ちょっと違うのではないかなという感じがするのです。
 例えば、これは、どこかの産業でとか、どこかの企業でということなのか、日本の社会全体として、この種のことが公式的に当てはまるのかみたいなことから考えれば、何かもう少し、私も自分でノーアイデアだからわかりませんけれども、いわゆる働くということは、生身の人間が、感情を持つ人間が営むものだということを原点にしながら、そちらの面からも少し整理をしていかなければならないのではないかと。
 すみません、少し抽象的なのですけれども、そんな感じがしましたので、感想として提起をしておきたいと思います。
○守島部会長 ありがとうございました。
 石山委員、何か、もしくは川﨑委員が先でも。
 では、石山委員、お願いします。
○石山委員 では、簡単に。
 去年御紹介させていただいたケースは、例えば、介護のケースとかも出させていただいているのですが、どちらかというと、生身の人間が営む部分の科学が足りていなかったので、営むことがすごく大変だったみたいな、そういう、実際に働いていらっしゃる方もたくさんいるのだなというところを、実は感じた部分がありまして、それで、実は介護の世界の働き方のデータ解析みたいなところを始めたみたいなところがあるのですが、先ほどの人間中心のAI社会原則の中でもあったのですけれども、やはり、一番わかりやすいのは、いわゆる生身の人間が営んで働くというところの中でのネガティブポイントを先に見つけまして、そこに対してAIで解析をしていくことによって、逆にサポートすることができるかどうかみたいなことを考えていくというところも1つのアプローチとしてあるのかなと思っております。
 もう一個が、いわゆるAIが外側から来たものという感覚があるかと思うのですけれども、先ほど、現場に導入しようとすると、現場の人の努力も必要になるみたいな話なのですが、実際に導入するプロセスの中での当事者意識みたいなものとか、もっと言うと、自己効力感みたいなものをどのくらい持てるかで、AIを活用しながら働いたときの、働いている感覚の楽しさみたいなところが、実は大きく変わってくるような仮説も持っておりまして、俺がこのAIをつくって現場に導入したのだみたいな感覚が持てるかどうかというところもあると思うのです。
 そういった部分を、実際にどういうふうに巻き込みながら開発していくのか、あるいは、そういった部分のコミュニケーションをどうしていくのかみたいなところも1つあるのかなと思っております。
 私自身におきましては、もはや開発するのが職業になっているので、AIの開発自体も生身の人間の営みになっているというところもありまして、時間の流れの中で、技術の進歩とともに、現場全体がそういった形に近づいていくというマクロなトレンドがあると思うので、そのトレンドの中でAIを活用している部分自体が生身感をどういうふうに感じることができるのかみたいなことが、今後でいうと、1つポイントになってくるのかなと思っております。デジタルネイティブみたいなところの議論と重なるところだと思うのですが、以上です。
○守島部会長 ありがとうございます。
 では、川﨑委員、お願いいたします。
○川﨑委員 どうもありがとうございます。
 非常に興味深い分析内容で、おもしろく聞かせていただいたのですけれども、半分感想めいたところになるのですけれども、論点6で、どういう人材が採用されているのかというところをAIで解析すると、いろいろ既存のバイアスが出てきましたということがあって、恐らく、既存のバイアスを是正していくことによって、より適材な人材が確保できるようになっていくということにつながっていくのだと思うのですけれども、逆に今度、採用される側からしていったときに、自分がどこの企業の応募するのか、企業側をAI分析していく可能性がないのだろうか。
 もっと進めて考えていくと、やはり、先ほどの佐々木委員とか、古賀委員のコメントからもあるのですけれども、働く側からしたときに、どう自分の自己実現とか、より豊かな生活と職業生活を両立させていくために、AIをどう活用していくのか、そういう観点からの分析が、もう一方でされているようなお話がありましたけれども、出てくると、すごく納得感のあるような議論の深まりが多分できるのだろうなと思いまして、少しどこかの機会のときに、そういう話も聞かせてもらえると、非常に参考になるかと思いました。
 ありがとうございました。
○守島部会長 では、石山委員、お願いいたします。
○石山委員 いわゆる需要と共有のマッチングの一般的な問題という意味では、例えば、広告市場みたいなところもマッチングの問題でして、アドテクノロジーみたいな技術があったりするのですが、最初は、いわゆる広告を買う側の、需要側の人たちが広告の費用対効果を最適化するためのアルゴリズムをつくっていたのですけれども、そのうち、広告の媒体側の人たちが、広告売り上げを最大化するためのアルゴリズムをつくりまして、実際は、需要サイドと供給サイドが、今、実際におしゃべりをしながら価格を決定しているみたいな、そういった形になっていたりするのです。
 同じようなことが、恐らく労働市場の中にも今後発生する可能性がありまして、今、先行しているHRTechの技術は、どちらかというと、企業側に導入されるものなのですが、では、大学側に導入しようですとか、そういうことが今後、可能性としては考えられるところでありまして、少しずつ自分の会社にもそういった話が来始めていると、これができるようになりますと、今、お話しいただいたような、サプライサイドとデマンドサイドが、実際に調整することができるような形になりまして、より公平性が増していくという形になるのではないかと思います。
○守島部会長 では、冨山委員、どうぞ。
○冨山委員 総論的な話で言うと、さっきの、やや自己実現的な議論というのは、これは、大橋先生にも少し聞きたい部分があるのですけれども、もう既に消費市場において、ある種の屈曲点を迎えているような気がしていて、例えば、30年前と今で言ってしまうと、我々はただでグーグルも使っているし、フェイスブックもただで使っているのです。
 この効用は、ただで使っているのでGDPには出てこないのです。要するに、これは、経済学的に言ってしまうと、消費者余剰になっているのです。
 この消費者余剰分というのは、要は統計に出てこないので、GDPは変わっていないのだけれども、昔よりもある意味では、我々は利便性を享受しているという現象が起きています。
 でも、その一部はKDDIの売り上げになっているのですけれども、多分、大半は通信料金を使う、原価費用の上で行われているので、そこは見えていない。
 これは、恐らく、ある種労働者余剰と言ったらいいのかな、労働市場における余剰についても同じ問題があって、これをどうはかっていくのかというのが、先ほどの議論というのは、本当は価格的にはかれないと議論がしにくいので、要するに、円マークだかドルマークであらわされない、特に自己実現的な価値というのは、要は価格変換されない部分があるので、それをどう見ていくかというのは、この後、極めて今日的に言ってしまうと重要な話で、恐らく、ITのところから始まっていて、IT経済圏もAI経済圏もかなり大きい部分が限界コストゼロのサービスになってしまうのです。限界コストがゼロということになると、いわゆる価格形成というのが、いわゆる需要と供給のエックスで決まらないので、そうすると、計算の中から大変の消費者余剰が取り残されるのです。あるいは経済学的に言ってしまうと、直角三角形でほぼ決まってしまう。
 この問題は、ますます労働市場でも議論しなければいけないと、さっきの古賀さんや佐々木さんの話を理屈っぽく、科学的に考えてみたら、そんな気がしました。これは、感想です。
 ですから、そういうことを誰かやってくれないかなと、これを経済学的にできたら、ノーベル賞が取れるのではないかと、私は前から思っているのですけれども、大橋先生にノーベル賞を狙ってもらったらいいのかなと思っております。
 あと、もう一つ感想で、ここに書いてあることのAIというのは、多分、10年前だったらITという言葉を使っていたものが大半なのです。
 では、AIになると何が変わるのかなというと、あえて言えば、多分、適応領域が、ITというと、ほぼサイバーだったのが、AIになると多分リアルに出てくると、その範囲が広がっているというのがあって、人々はある種脅威を感じる、脅威も期待もリアルに出てきてしまっているので、そこに我々自身のインパクト感というのが増しているのだろうなという感想を、改めて石山さんのスライドを見ていて、ずっと見ていて、これは、多分、絶対に10年前だったらITという言葉を使っているなと思ったので、これも感想です。
 ただ、これはグッドかバットのどっちに行くのかわからないのですけれども、先ほどの就職のケースを見ていると、裏返して言ってしまうと、個人間のばらつき、生身のばらつきというものが、むしろ好ましくない領域というのは、逆にAIに競争があるような気がしていて、裏返して言ってしまうと、むしろ生身であること、個人のばらつきがあることが、経済的に言ってしまうと、経済的に評価される仕事が逆に残っていくのですね、もし、そうだとすれば。
 それ自体は悪いことではなくて、問題は、生身であることとか、個人のばらつきがあるということに対して、市場経済というものがフェアに、ちゃんと対価性を評価できるかというのは、今後、すごく大事なような気がしていて、恐らく産業化フェーズにおいては、これはネガティブだったはずなのです。製品にばらつきがあるとか、サービスにばらつきがあるということは、すごくネガティブに評価されていたはずで、むしろクリエーティブ世代は、もともとばらつきで飯を食っているわけなのですけれども、そのばらつきとか、生身であるということに対して、どれだけ広く私たちが対価を払うような社会をつくっていけるかということが大事なのだろうなと、これも理屈っぽく、毎回、こういうのを理屈でどう考えるかという癖があるので、そういうふうに思います。
 また、この脈絡の論点4のところで、これは質問であり、これは、古賀さんに対する質問に近いのですけれども、論点4の部分の議論というのは、この生産性を、仮に労働生産性という定義をしたとします。とりあえず、設定としてです。
 そうすると、これで仮に生産性が上がるとしましょう、そう考えたときに、この生産性の向上が資本装備によってもたらされる部分と、要は、いろんな工夫によってもたらされる部分、これは、実は労働生産性の概念は、分子が付加価値なので全部入ってきてしまうので、そのときに、要は資本装備によっての寄与に対するフェアの資本コストという感じの還元と、それから、労働者にどう還元するか、要するに、資本と労働の分配の問題が、すごく重要な意味を持っているような気がしていて、恐らく、ここまで起きてきたことというのは、生産性の向上の大半が、実は資本還元されていて、実は労働還元されていないので、今の分断と格差の問題が起きているのだと思うのです。
 そうすると、ここで考えなければいけないのは、これは昔から、多分、産業革命からずっと続いている問題なのだけれども、AIによる生産性向上というのは、ある程度の資本装備が必要ですね。資本装備というのは、ある意味では必要条件になっているのだけれども、その結果として向上した生産性の分配をどう考えていくのかというのは、私は大事なような気がしています。
 これは、当然のことながら、一般的に言ってしまうと、資本が必要条件になっている以上は、資本装備をする側のほうが有利になるので、だから、そこのある種の分配が、何が合理的でフェアかという問題はすごく大事なような気がしています。
 というのは、さっき石山さんが言われたように、実は、AIを考えているのは人間なので、これが、割とメカニカルに資本装備が必要条件だということで、資本側が全部とってしまうと、要は、人的資源の再生産が行われにくい構造になっていくので、結果的に資本が長期的に自殺するという現象が、ちょっとマルクスっぽくなってしまいますけれども、現実問題として起きるわけですね。この議論は、もう一度、21世紀的モデルに出てくるような気が、個人的にはしています。
 あと、論点5だけではないかな、特に、その問題がリアルの世界ということになってくると、また、ちょっと違う問題状況が起きるような気がしていて、特に中小企業のところというのは、私もむしろローカル型の中小企業にとっては、うまく使えば、賃金を上げられるチャンスだと思っているのですが、ある意味では、中小企業の世界のほうが、こういった議論をするのは難しいところがあって、要は経団連と連合で包摂できないのですね、中小企業はすごく広い辺縁があるので、ですので、こういった中小企業とか、あるいは個人的ワーカーの世界に、これは行くので、今、申し上げたような問題意識というものを、どう社会的にフェアな形で持続可能な形にもっていけるかというのは、ある種のソーシャルデザインという議論になってくるような気がしているので、この基本部会らしいテーマになるのかなと思ったもので、問題提起をする次第です。
 以上です。
○守島部会長 ありがとうございます。
 では、後藤委員。
○後藤委員 ありがとうございます。
 冨山委員が、まとめ的にお話をいただいたのに、すみません。その後にいろいろと御意見を伺っていて、働く者の視点になるかどうか分かりませんが、そうした観点から、少し気づいたことなのですけれども、まず、生産性が向上して賃金が本当に向上する流れに行くかというと、これまでの状況を見ると、余り劇的にはならないのではないかなという気がしています。
 例えば、銀行などは、たくさん店舗を持っていたところをATMにかえていって、さらには、今は人もいないような状況になっていったときに、事務的には、その業界の人たちの生産性が相当程度上がっているのだろうと思いますけれども、ドラスティックに賃金が上がってはいないような気がします。
 そうなってくると、AIがこれから進展していくに当たって、生産性が向上しますとなったときに、そこをどういうふうに賃金に反映していくかというのは、これは労使できちんと議論をして、その分の分配を受けるということをしていかなければいけないのだと思いますけれども、先ほど、冨山委員からお話があったように、労使のメカニズムの中からこぼれ落ちてしまうような人たちもたくさんいるということを考えると、割と政策的に税制なのか何なのかわかりませんけれども、併用しながら、そういった誘導をしていくということも必要なのではないかなと思います。
 それから、労働余剰というか、価値に還元されないという御意見もあったのですけれども、AIが進展していくに当たって、賃金だけではなくて、現在の日本を考えると、長時間労働のみならず、一日8時間という働き方が本当に正しいのかということも考えていくことも必要ではないかと思います。それは、賃金だけではなくて、働いている人たちにできた時間を社会に還元していくことでその価値を変えていくということでもいいのではないかなと少し思っています。
 特に、これから高齢化がどんどん進んでいくと、地域の営みというのが非常に薄れているということも言われていますので、そこに労働者がどうやって入っていくか、そうすると、時間しかないので、生活時間といいますか、そういったものに還元していくということにもつながっていければいいのではないかなと思っています。
 それと、先ほどのデモの中で、バイアスの話がありましたけれども、これは、企業からすると、割とバイアスをかけたがるのではないかなと思っていまして、平均化していくような人をとりたいということではなくて、意外とAIの中にも、わざとバイアスをかけて採用につなげていくというようなことも起こり得るのではないのかなと思っています。
 そうすると、先ほど冨山委員からお話があったように、割とばらつきのあることが全体でバランスがとれているような気がするので、使い方というのは、どういうふうにルール化というか、企業がどういうふうな意思を持って使っていくかということが、やはり、重要なのではないかなと思います。
 それと、労働者心理のところがあったのですが、これは、まだAIではないのですけれども、実際にAIを生み出しているのも人間というのがまさにそうで、職場ではまだRPAの世界なのですけれども、例えば、契約社員の方などがRPAを組み立てていったり、それを正社員に対して組み立て方や使い方をレクチャーしたりするなどしていることに対する喜びというのは、確かに実際に起きていて、社内でのセミナーであるとか、勉強会などというのを正社員だけではない人たち、あるいはつくってくれた人たちが率先してやっている勉強会なども行っていますので、そういう意味では、確かにAIをどういうふうに労働者が使い込んでいくかということも、これからリテラシーの部分になってくると思うのですが、そういうことも1つメリットといいますか、AIを導入していくというインセンティブにはなっていくのかなと感じました。
○守島部会長 ありがとうございます。
 では、大橋委員、お願いいたします。
○大橋委員 ありがとうございます。
 御質問で、デモのところで2点なのですが、おっしゃっている内容は、面接官個人のねたみとか、感情がバイアスを生み出すのではないかというところが論点だったと思うのですけれども、他方で、AIを用いることの懸念というのもないのかというのがあるのではないかと思っていて、2点申し上げます。
 1つは、基本的にAI側、実は、先ほどの冨山さんの御質問と絡むのですが、AI側は、これはベンダーさんによりますけれども、裏でつながっているとすると、同じようなシステムでスクリーニングをかけているとすると、基本的にレーティングするのだと思いますけれども、ある会社さんで落ちてしまった人は、この会社さんでも落ちるみたいな、AIの差別みたいなこと、あるいは、この会社で落ちたという情報が別の会社さんに行くみたいな、そうすると、1回落ちてしまった人は落ち続けるみたいなことというのが生じないのかなと。
 これは、恐らく労働者というのは分散的に存在するのですけれども、AIの側というのは、多分、資本的にいいものが残るとすると集中してしまう傾向があって、それが富の集中を生み出すのだと思いますけれども、そういう懸念はないのかなというのが1つ。
 2つ目は、これは、実際にやられているところ、たまたま私は障害者の教育についてAIを使っている会社さんのお話を聞いたことがあって、その会社さんは、ベータ版で、児童・生徒の自殺のレーティングをつくると。これは、何かというと、多分、何を食わせているのかというのがはっきりわからなかったのですけれども、日記とか、あるいはテストの成績とか、いろんなものを食わせて、レーティングをつくって、それで高い人に介入することで自殺を何とか防ごうということがやられている内容だとは思うのです。
 他方で、ある意味で、自殺をするかどうかの可能性というのは、本人さんもわからないのですね。だから、自分の住所とか名前以上に究極の個人情報ではないかと思っていて、そういうことが、プロファイリングでわかってしまうということがAIでできるとなると、そうしたことが、採用のときに使われるのだと思いますけれども、どういうふうに、そういうところを考えていくべきなのかなと。
 そういう情報は、採用だけに使われるわけではなくて、別のところにいろいろ使われ得るようなことがあるときに、もしかすると、個人情報とかデータの扱いの中の論点なのかもしれないですけれども、若干労働の枠を越えてしまいますが、そういうことは、AIを使う際にどういうふうにお考えなのかなというのをお伺いしたいということです。
 冨山さんがおっしゃった幾つかの論点は、すごい重要な論点で、ちょっとノーベル賞級かどうかは別にして、きちんと考え抜くことというのは、すごい重要だなと思って伺っていました。
 ちょっと、あまりここで議論をするとあれなので、済みません。
○守島部会長 ありがとうございました。
 では、石山委員、お願いいたします。
○石山委員 非常に重要な論点で、まさに、このような論点があるときに、AIを社会制度のセットでどう使うかで、ポジティブにもネガティブにも働くので、ここの設計が、まさにこの委員会でも本当に肝になってくるのかなと思っております。
 例えば、先ほど、自殺のお話もあったのですが、実際に企業の中で、鬱病で休職されている方の数が大体平均で1%から2%ぐらいいらっしゃると。実際に、その中には、自殺で亡くなられる方もいらっしゃるという形だと思うのですが、トヨタのAIの研究所のギル・プラットさんが、AIで自動走行を実現するのは、交通事故をなくしたいから実現するというお話をされていたのですけれども、実際、鬱病になられて自殺されている方の数は、これこそ本当に数の話ではないですが、交通事故で亡くなられている方よりも何倍もたくさんいらっしゃるわけですね。
 こういった部分に対して、もっとAIを活用することはできないのかみたいなことは、真摯に考えていってもいいのではないかと思っております。
 まさに、データを解析していった本人が気づくという話に関しましては、非常にセンシティブな部分があり、実際に鬱病の世界観の中でも認知行動療法みたいな話がある中で、気づかなければよかったことに気づいてしまうことによって、さらに不安が増すみたいなことが、認知機能の中でリカレントに起こっていくということ自体はありますので、こういった問題をどういうふうに回避していくのかみたいなことは考えなければいけない論点の1つだなと思います。
 それから、ある会社で勝った人が、ほかの会社でも勝ちやすくなるみたいな、採用されやすくなるみたいな、強い人がどんどん勝っていくみたいな構造にロックインされていかないかという話、実際に、どちらかというと、今、企業の採用においても、○○会社から内定が出ているから評価を上げて採用するみたいなことが普通に行われていると思うのです。
 これがAIを活用したときに、もし、そのロックイン効果自体を悪とみなすとすると、そういった部分のバイアスを除くような形の活用もできますし、どちらにも、実はアルゴリズムの設計次第なので、適用することができるというような形になりますので、この辺は、まさに、本当にそれが悪いのかどうかみたいなことに対して見きわめをしていきながら規制をかけていくみたいなことが必要になってくるのかなと思いました。
○守島部会長 ありがとうございます。
 議論は尽きないのですけれども、きょうは、もう一つ発表がございますので、一応、石山委員の御発表に関しては、ここら辺にさせていただいて、次に武田委員の御発表に入りたいと思います。
 では、武田さん、よろしくお願いいたします。
○武田委員 ありがとうございます。三菱総合研究所の武田でございます。
 既に石山さんからすばらしいプレゼンテーションがあって、議論も盛り上がりましたので、ちょっと私からは、より定量的な部分でお話をさせていただきたいと思います。
 先ほど、働くという本質についても、幾つか議論が出てきておりましたけれども、私が用意した資料も、今回は事務局からの御依頼もあって技術革新が労働の需給にどういう影響があるかということが中心でございまして、その本質的な議論を提示している資料ではない点は、御了承をいただければと思います。その点については、最後に、私なりの考えもお伝えしたいと思います。
 まず、1ページ目ですけれども、タブレットのほうの資料2のほうの1ページ目をごらんください。
 近年、労働市場を取り巻く環境として、相反する2つのことが同時に語られているような気がしております。
 1つは、人口が減少するので、労働力人口が足りなくなるという話。
 一方で、同時にAIだとかロボットがどんどん社会に進んで、むしろ人の雇用が奪われるという話。
 実は、違う話が同時にされているという状況にございます。
 したがって、まずは、その辺を冷静に見てみたらどうかということで、中長期的な労働需給の推移を一定の前提を置いて推計したものが、こちらになります。
 1つのグラフではありますが、実は、この裏には複数の分析を行っておりまして、技術についても幾つかの職業別に分けて、どの程度、いつ、実現していくかということも裏で分析したものになります。
 結論を申し上げますと、こちらのグラフのとおり、2020年代半ばまでは労働需給はますますタイト化しまして、大体2020年代の前半、非常に人手不足が厳しい状況が続くと。
 ところが、2020年代の後半以降は、徐々に需給が緩和されて、これは試算ですから、当然、幅を持って見る必要はございますが、2030年頃には、そうした需給の逼迫というのが徐々に解消されていくというような結果になります。
 しかし、問題は、棒グラフで示しておりますような職種別のギャップということで、まずは技術の進展によって事務職といったところを中心に、雇用の余剰感というのは、2030年よりも早めに増していく可能性がございます。
 一方で、専門人材、オレンジのところですけれども、こちらについては、2030年に現在の比率で行くと、むしろ不足という結果になるわけでございます。
 したがって、日本の中長的な労働市場を取り巻く本質的な課題というのは、AIが雇用を奪うということを悲観することよりは、むしろ、人材のミスマッチにどう向き合って教育あるいは人の人材のシフトというのを促していけるかということではないかと考えております。
 では、そもそも現在の日本全体の人材のポートフォリオがどうなっているのかという点について、これもかなりチャレンジングですが、一定の前提を置いて、アメリカのO-netというデータベースを用いて弊社で分析しましたのが、2ページのグラフでございます。
 こちら、2軸4象限に分けて分析しておりますけれども、この図の見方としては、縦軸に沿って、上から下に行けば行くほど業務のルーティン度、つまり定型的なタスクの度合いが高いということを示しています。
 横軸は、左に行くほど手仕事的なタスク、反対に右方向に行けば、分析的なタスクの度合いが高まるということをあらわしております。
 それぞれの丸の大きさは、就業者数の大きさ、すなわち人数を示しておりまして、2軸4象限で分けておりますので、4つの象限の人材の比率というのがグレーでシャドーがかかっているところに書かれている値となります。
 ちなみに、この2軸の概念でございますが、MITのオーターあるいはレビュー両教授、そして、ハーバード大学の教授らの共著論文のもとになった考え方であるということは、お断りさせていただきます。
 次に、同じ手法を用いて米国と英国の労働市場にも適用しましたのが、3ページのグラフでございます。
 こちらを見ると、より人材ポートフォリオの日米英の違いというものが浮かび上がってきます。
 ごらんのとおり、日本では左下の定型的、手仕事的なタスクの割合が欧米に比べますと高く、44%という結果です。
 また、右上の創造的、分析的なタスクの割合は16%と、欧米より低くなっているというのが、現在の状況でございます。
 先ほど、御紹介いただきました、人間中心のAI社会原則でも述べられておりますが、この現状から、いかにAI-Readyな社会の実現、こちらに向けて移っていくためには、ある程度の人が創造性や生産性の高い労働に従事する環境というのは、これは、実現していかなければならないということだと思っております。
 では、その望ましい人材のポートフォリオは、どんな姿かということで、石山先生もおっしゃられたように、まずは、そこをしっかり見きわめるということは、ある程度政策を動かす上で、私は必要ではないかと思っておりまして、弊社では、これを一定の前提を置いて試算したということでございます。
 その結果が、こちらのスライドになります。
 ここで私がお伝えしたいポイントは、3点ございます。
 まず、1点目のポイントとして、ポートフォリオ全体で見れば、上方へのシフトが必要ということで、各ポートフォリオにおける2015年から2030年への変化をごらんいただきますと、2030年は創造的タスクに携わる人材が増加し、定型的タスクに携わる人材が減少するということになります。
 裏返せば、そうならなければ、人材のミスマッチというものが解消されず、Society 5.0も実現がなかなか難しいということになります。
 第2に引き続き定型的なタスクへのニーズは、それでも残るということでございます。AIが進展すると、全てが創造的なタスクかと言われると、実は人数の絶対数をごらんいただきますと、そうではなくて、2030年においても定型的なタスクの人数というのが創造的なタスクの人数というのを上回っているわけでございます。同じ領域でも、これは、人間しかできない仕事、タスクというのが必ず残ると考えております。
 特に、生涯現役社会の実現においては、シニアの就労機会というのは重要なわけでございますが、65歳以上の方に絞って同様のポートフォリオの分析をしてみますと、現在、60%の方が左下、すなわち定型的、手仕事的なタスク、20%の方が定型的、分析的なタスク、つまり右下でございますが、それに従事していらっしゃいます。
 もちろん、その方のうち、非常にアクティブな方で学び直しをして、創造型タスクへシフトする方も、当然、今後ふえてくると思いますけれども、全体で考えれば、象限間移動というよりは、むしろ、その象限において体力的な衰えなどは、その技術によって補う。つまり、技術の社会実装によってより人間が、人間らしい仕事に特化しやすいように、そうした環境を整えることが極めて重要ではないかと考えております。
 そして、3番目のポイントが、非常に先ほど来の議論と関係しますけれども、私は、ポートフォリオの上方シフトを進めることが必ずしも格差の拡大につながるというような、そんな一面的なことではないのではないかと考えております。
 むしろ、今、申し上げたシニアも含めた多様な人材が労働市場へ参加し、技術を使って、社会課題の問題、つまり、介護だとか、あるいは、今、人手不足と言われているさまざまな建設だとか、あるいはインフラの維持、点検、そういったところでは、創造的なタスクを担う人材をしっかり育成しないと、技術をそういった分野で使えないという問題があるためでございます。
 したがって、AIに人間のタスクが奪われるだけ、そういったことをおそれるよりは、むしろ人間中心のAI社会を実現するために、マクロ全体では、上方に少し今よりは人材のポートフォリオをシフトしつつ、既存の仕事をいかに技術による補完を使って、より長く働けるようにして、そして、他の社会課題を解決することができるかが極めて重要なのではないかと考えております。
 では、人材のポートフォリオの上方へのシフトあるいは同じ象限内であってもより人間的な仕事、より付加価値の高い仕事を担いたい人材を増やすためには、何が必要かということでございます。
 当社では、そのために必要なサイクルとして、5ページにあります、FLAPサイクル、これを早期に形成することを提言しています。
 このFLAPとは、完全に当社の造語でございまして、まずは、人間中心で考えますと、個人が何をやりたいか、あるいは技術革新によってタスクがどう変化し、その中で自分の適性や職の特性、これをどういうふうに知ることができるかという機会、Findが大事ではないかと、その結果、スキルアップに必要な知識を学び、それがLearnですが、目指すべき方向へ行動し、Actです。そして、新たなそれぞれのステージで活躍するPerformとしていますが、そうした好循環、活躍できれば、また、さらにこの循環が回っていくということだと考えております。
 そのサイクルを回すためには、まず、個人が技術革新によるタスクの変化や、今後求められる能力だとか、あるいは自分がやりたいことということを知ることが必要で、その上で、技術の革新を前提とした職業訓練あるいは教育カリキュラム、そして、質の高い学び直しの奨励、これが求められると思っています。
 同時に、個人が新たに習得したスキルや知識を企業が評価する、そんな制度へ雇用慣行も見直していき、企業内でもより付加価値の高い仕事を担い、活躍してもいいですし、あるいは、新たに身につけたスキルを生かせる場に円滑に移動していく、そんなことでもいいと考えておりますので、より柔軟な労働市場を実現していく必要もあるのではないかと考えております。
 今、申し上げたことが、私が申し上げたいメッセージにはなるわけですが、3点補足させていただきますと、一番重要なのは、FLAPの中でもLearnの部分でございまして、特に職業訓練や教育、リカレントであると考えています。
 特に、人生100年時代を迎える中では、今後の日本社会では学び直し、これが当たり前にならなければいけないと考えています。
 では、現状がどうかということなのですけれども、残念ながら左の表にあるとおり、日本の学び直しというのは、余り活発とは言えない状況で、これは、1つの事例でしかございませんが、日本の修士課程、入学者に占める30歳以上の割合、つまり、おおむね社会人になってから学び直している人の割合というのは10%強ということで、OECD平均の3分の1にとどまっているということでございます。
 しかし若い方は、必ずしも後ろ向きではございません。右側、弊社で若者の就業者への意識調査を行った結果でございますけれども、こちらをごらんいただきますと、AIやロボットが普及した場合に行う準備・対応として新しいスキル、知識を身につけ、行動すると答えている方は、全体の3割を超えています。
 また、同じ仕事の中でもより付加価値の高い業務に特化すると考えている方も24%いらっしゃいます。
 ただ、前向きに行動したいという意識があっても、どのようなスキルを身につければいいのかとか、あるいは具体的にどうしたらいいのかというアクションにつながるためには、やはり、一定の行動変容を促す仕組みが必要なのではないかと思います。
 そのための意識づけ、あるいは動機づけとして、やはり情報の見える化というのも必要ではないかと考えております。
 その1つの手段として、こちらの資料にもございますとおり、日本版のO-NET、これは、現在、厚労省において進められていると理解しております。
 先ほどの御意見にもございましたとおり、働く側が自己実現のために、いろんな職業情報を知るということも重要で、そうしたことが双方にできると働くことを通じた自己実現、これがより可能になっていくのではないかと考えております。
 最後に、その学び直しが、自分の今後のパフォーマンスにつながることも行動変容を促す上では、重要と考えております。
 こちらは、職業別の創造的なタスクの度合いと賃金の関係を日米で比較したものでございますが、米国では、一定程度正の相関にあるのに対して、日本は、実は統計的には無相関という結果になります。
 米国のグラフの、この線を越えた上方にかなり突き抜けている点がありまして、きょうは、それをカットしているのですけれども、そうしたスキルでも説明できないような高額報酬の受け取りというのは、当然、格差の原因になるわけで、これがアメリカの社会問題になっているわけです。
 一方で、スキルを身につけても無相関という日本の慣習といいますか、そういった制度というのは、少し変えていくことが重要ではないか。つまり、スキルを身につけて創造的なタスクを担う人材が適正に評価される制度が根づかなければ、人々の学ぶインセンティブも、あるいは行動変容を促すことも難しいのではないかと思います。
 この点は、第1に技術革新による社会課題の解決。第2に、それを担うための人材をより創出していくこと。そして、第3には、生涯現役社会の実現であるとか、あるいは人生の質を高めるといったこと、これを同時にかなえていくための鍵ではないかと考えます。
 つまり、人間中心のAI社会を実現するための鍵とも理解しております。
 また、実は、この考え方というのは、政府が働き方改革で掲げている同一労働同一賃金の根本的な考え方とも同じでございます。
 これまでは、日本は正規と非正規あるいは男女の差あるいは年齢の差、こういったことによる不合理な待遇差というのがあったわけでございますが、そういった不合理な待遇差をなくすためには、究極的には、その能力だとかスキル、このスキルには当然経験も入りますので、そういったことに基づく賃金体系ということが必要になるのではないかと思います。
 最後に補足でございますけれども、今回の私どもの分析は、人材のミスマッチをスキルに基づく軸で分析をいたしましたけれども、現実の社会では、年齢だとか、あるいは地域間、そして、大企業と中小企業、そのミスマッチということも当然ありまして、さまざまな要因があるということは承知しております。今回の分析では、そこまで御紹介できておりませんが、今後の課題と考えております。
 また、働くことによる幸福度だとか、あるいは意義という点については、ここは本当に重要な論点だと思っておりまして、先ほど、なぜ、シニアの就労についてあえて言及したかと言いますと、統計アンケート調査では、これは、厚労省さんのアンケートだったと思いますが、シニアの働く目的の第1位は、実はやりがいや生きがいで、必ずしも賃金や所得ではないという結果が出てきています。
 したがって、働き続けるということの意義というのは、そういったところにもあろうかと思いますし、それから、人生のステージによっても変わってくるものなのではないかなと、私は思います。
 また、2つ目にAIが広がると、私はむしろマニュアル的な、手仕事的な仕事の価値あるいは人間らしい、人間しかできない仕事への価値、こういったものがむしろ評価として高まる可能性があると考えておりますので、こうした論点も含めて最終的にはまとめていくことが重要ではないかと考えております。
 私からの報告は、以上になります。
 御清聴いただき、ありがとうございました。
○守島部会長 ありがとうございました。
 それでは、今の御発表、御説明に関して何かコメントとか、御意見とか、御質問がございましたら、ぜひ伺いたいと思います。
 では、後藤委員、お願いいたします。
○後藤委員 ありがとうございました。
 質問が幾つかあります。2枚目のスライドの人材ポートフォリオのところなのですけれども、ここは、米国の研究とかO*NETに基づいてということでしたので、細かいところがどうなのかということなのですが、例えば、左下のマニュアル的でルーティン的なという仕事、それぞれの職業によっても割とグラデーションがあるという理解でいいのかということです。
 例えば、これを見てぱっと思い出したのが、前に冨山委員からバスの運転手さんが乗ってきたお客さんの顔色を見ながらアクセルやブレーキのコントロールをやるというようなことになると、割と手仕事的、定型的というだけではなくて、創造的ですし、分析的な仕事でもあろうかと思いますし、あるいは日本の第一次産業、例えば農業であれば、創造的なものもすごく含まれているので、ここは職業によってもかなり幅が広いという理解でいいのかということが1つです。
 それから、2点目としてFLAPサイクルのところなのですけれども、これは、1つの会社の中でのサイクルもできるでしょうし、それから、社会全体としてのサイクルにもなるのだろうと思いますが、どのくらいのスパンを想像すればいいのでしょうか。
また、一番肝になるとおっしゃられていた職業訓練のところについては、ここでは技術革新を前提とした職業訓練とありますので、教える人というのはどのように確保していくのか。技術革新を前提となると、なかなかハードルが高い気がするのですけれども、それを確保していくということについては、どのような見通しがあるのかということが3つ目です。
 最後に、学び直しをして、賃金が上がっていくというところについては、これも冨山委員から以前に御紹介があったと思うのですが、中小企業で働いている方、特に地方の方というのは、ほぼジョブ型で、どんどん仕事を移っていくというような流動性の高い市場になっているということを考えると、果たして企業規模によって学び直したことに対して米国のように高い年収を提示できるのかという問題があるのではないかと思っているのですけれども、その辺についてもお考えがあれば、少しお聞かせいただければと思います。
 以上です。
○守島部会長 では、どうぞ。
○武田委員 ありがとうございます。
 いずれも大変重要な御指摘で、コメントをいただき、どうもありがとうございます。御質問いただき、ありがとうございます。
 まず、1つ目の冨山委員が以前におっしゃられたバスの運転手さんが乗ってくる方によって運転のアクセル、ブレーキを調整されるというような論点、これは、本当に重要な論点で、実は、この分析の限界がそこにあります。
 と言いますのも、あくまでもO*NETが、日本には今ないので、米国のO*NETに基づく米国の職業の中で、どんな特色があるかということを活用して、それを日本の職業の仕分けに、2軸4象限での分け方に活用していますから、これは、バス、トラックの運転手さんだけでは決してなくて、例えば、工場の現場でも、日本はすり合わせとよく言いますけれども、例えば、アメリカの工場労働者と同じなのか、日本のほうがより現場で創造的なタスクの度合いがあるのではないかということで、これは、実は、全ての職業において、それぞれの幅というのが当然ございます。
 ただ、これは、定量的によりどの度合いが強いかという、あくまでもその強さを見ているだけですので、そこは定量的に分析する際の限界であると。
 したがって、一つ一つ職がここにあるという考え方よりは、実は、3ページにあるように、それぞれのポートフォリオを持っているのだけれども、日本全体として、より度合いとしてどこが強いかとごらんいただいたほうが適正なのかなと思います。
○冨山委員 やはり、そこの山の頂点は、ここにあると。
○武田委員 そうです。おっしゃるとおりです。
 だから、当然ながら全ての方に、全てのさまざまな特徴があり、全て4象限は当然お持ちで、その度合いがどこに一番強く出ているかということでごらんいただければよいかなと思います。
 実は、日本版O*NETがもしあれば、こういった分析をすると違った結果になるのかもしれません。そこは、今後のできた後の課題になると思います。
 2つ目、FLAPサイクルは、御指摘のとおり、これは、別にマクロ全体でもそうですし、それから、企業内でのサイクルとも捉えています。
 スパンは、正直、これは企業さんによっても、あるいは個人の生き方、あるいは人生のステージにおいても変わってくるかなと思います。
 私は、正直言うと、もし、それが可能ならば、1サイクルでもいいと思っているのです。つまり、別に、あえて全員が全て仕事を変わらなければいけないということを言っているわけではないのですが、ただ、前回の部会で、たしか長谷川委員から御意見があったように、今回の技術革新は、スピードがすごく速いので、どの程度のスピードのサイクルかと完全に予測できないのです。ですので、そのスピードの速さによってもサイクルのスピードが個々人変わってくる可能性はございます。
 3点目、教える方をどう確保していくのか、大変重要な視点で、そこは大きな課題であると思っていますけれども、今の体制であっても、もう少し、例えば、教育の現場で、単に記憶するだけではなくて、いろいろ考えさせる取り組みというのは、これはできるような気がしております。
 また、グローバルに教育の現場と、これから、どんどんAI、IOT、VRとかが出てくれば、結局、サイバー空間でつながっていきますので、そういった動きも1つ出てくる、補完する要素として出てくるのではないかと考えております。
 最後の4点目、地方はジョブ型になっているのだけれども、逆に言えば、中小企業に従事している方も多いので、実際、アメリカ型になっていくのかどうかというような御指摘だと思いますけれども、この辺は、恐らく冨山委員のほうが現実のところを御存じだと思いますけれども、当然、ジョブ型で職務に基づいて所得を得ていらっしゃるので、そこはそのスキル、ジョブの定義によっても変わってきているのだとは考えております。
 以上になります。
○守島部会長 では、冨山委員。
○冨山委員 2ページ目、ちょっと関心があるのは、左下から左上に行くという流れが、私は、実は大事だと思っていて、多分、労働市場もやや縦軸で日本の場合は少し切れてしまっているところがあるので、それは、どちらかというと、バスの運転手が消防員になるのではなくて、自動車運転従事者という仕事の山の頂点が左上にどうシフトしていくかということだと思うのです。この仕事自体が、どう左上に行けるかということが私は肝心だと思っています。
 ですから、この議論をするときに、上方へ遷移するということは、何を意味しているのかということを、皆で共有することがすごく肝心なような気がしています。
 さっきの運転手のケースも、実はある意味、バスの運転が楽になっているのです。今はもうオートマになっていますし、パワステになっているので、変な意味、変な話、余裕がある、その気になれば余裕をつくれるわけです。ですから、ある意味では、AI、IT、自動化の恩恵の部分で、前よりは余裕があるのだから、そういうことをちゃんとやろうというところで差がつくという話だと思うのです。
 ですから、先ほど来議論されているように、AIなり何なりという話が、まさに左上にどうシフトすることを補助できるかということがリアルの現場では大事なような気がしていて、これは、多分、旅館などでも同じようなことがあるし、多分、建設現場もだんだんそうなっていくのだと思うのです。
 私、雇用の総量としては、真ん中から切ってしまうと左のほうが社会全体として多いような気がしているので、そうすると、左側の世界を、どう左下から左上に持っていくかというのが、私はリアルに大事だと思っています。
 もう一方で、右下、これが実は日本型雇用の一番大きいゾーンなのです。典型的な、いわゆる日本型正社員雇用の一番大きかったゾーンで、ここは、割とシリアスに減ると思っているのです。
 そうすると、多分、労働問題として、今後、真剣に考えなければいけないのは2軸あって、左下のゾーンというのは、いわゆる貧困ゾーンなのです。この貧困ゾーンをどう左上に上げるかという問題。
 それから、右下の、いわゆる分厚い中間層を形成したゾーンというのがなくなっていく問題を、これにどう対処していくのか。
 済みません、ここの部分について、私、クリアーな答えを今のところ持ち合わせていなくて、いわゆる大企業の再建にかかわるときには、右下の雇用をどうするかというのが毎回シリアスな問題で、これは、過去、古賀さんとも一緒に頭を悩ましたゾーンなのですけれども、これを左上に持っていくのか、右上に持っていくのかという、ある種、創意工夫とか努力なのだと思うのですが、ここは、この瞬間何が一番有効なのかということは、私自身、クリアーな答えがありません。
 ただ、左下を左上に持っていくということは、私は実に可能だし、この部分の、例えば年収200万の人が、300万、400万になるということは、実は物すごく社会的にインパクトが大きいので、ここは、日本は世界に、ある意味で最も先行的にこの取り組みをすべきだし、次のページのもので言ってしまうと、ここにまだ44%いるというのは、ちょっと言い方は悪いけれども、これは、日本の社会としては恥ずべきことだと思います。やはり、もっと左上に持っていくということは、やるべきだと思っています。
 以上です。
○守島部会長 ありがとうございました。
 ほかに、山川さん、お願いします。
○山川委員 ちょっと感想めいた話というか、きょう、出てきていない話なのかなと思ったのですけれども、この話は、要は、これから社会がこう変わっていくから、それに合わせて、皆さんを再教育しましょうという話で、それは非常によくわかるし、人生100年なら、それはそうだなと思うのだけれども、他方で、教育の、どれぐらい実効性があるのかなというのがよくわからなくても、それこそルーティンでマニュアルな仕事が得意な人がいますね、それはそれで1つの個性ではないですか。その人をノンルーティンでコグニというようなところに教育で行かせることができるのかというのが1つ。
 でも、それは、個性だから、特性というのをそこまでいじれないということになると、一定程度の割合、マニュアルでルーティンな仕事が得意な方があると。それは、その人の個性だと。
 そうすると、その人の特性を仕事に合わせて変えていくという考え方もあるのだけれども、逆にその特性に合わせた仕事をはめ込んでいくという側の動きもないと、一定程度の割合、すごくこの社会は生きにくいという人が絶対に生まれてしまうと思うので、その人に対する手当をどうするかということも一緒に考えないと、なかなかうまくいかないし、その人は別に弱者とか、そういうことではなくて個性なわけだから、そういう個性を生かすのにどうすればいいのかなと、私も別に答えがあるわけではないのですけれども、いろいろ柔軟な生き方とか、仕事のやり方がこれから増えていくのであれば、そういう人も幸せに生きられる場所を見つけられるのかもしれないけれども、やはり、ある程度そういう人に対する手を差し伸べるという発想もどこかにないと、こぼれ落ちてしまう人がいるのではないかということを、この表を見ていて思いました。
○守島部会長 どうぞ。
○武田委員 冨山委員と山川委員から貴重なコメントをいただきまして、どうもありがとうございます。
 まず、今、おっしゃられたことに対する考え方なのですけれども、実は、先ほど4ページ目でかなり強調させていただいたとおり、全員が定型的タスクから創造的なタスクに移らなければいけないわけではなくて、人数で言えば、実は定型的なタスクに従事する人材、これは需要ですから、需要は相当程度あるというのが我々の分析結果で、まさにルーティン業務をすごく個性として、あるいは特性として得意な方には、むしろそこに従事していただくということは必要だと思います。
 ただ、冨山委員がおっしゃられたように、全てが1つのタスクではないので、山の分布の中で、より定型的なタスクではあるのだけれども、それにより創造的な部分をプラスアルファーしていくということができれば、より上方に使い、上方の線は越えなくても、上方に近い仕事が担えるようになり、結果的には、それで所得が上げられるのであれば、そのほうが社会全体としての健全性は高まるのではないかと。
 したがって、単に何もしないでAIで職が奪われるという発想では、むしろないというのが、今回のプレゼンテーションです。
○冨山委員 多分、今、御懸念の人たちは、左下にあまりいません。左下の業務というのは、実はそんなにルーティンではないのです。建設現場は、決してルーティンではないです。農業は全然ルーティンではないです。運転などは、全くルーティンではないです。だって、自転車は飛び出し、老人はこけるし、そういう世界です。
 それで、今の問題は右下だと思う。今おっしゃっている個性が一番生息しているのは、多分右下です。私は、そっちの問題を捉えたほうがいいような、済みません、今、触発されて言ってしまいましたけれども、そんな気がしています。
○武田委員 ありがとうございます。
 本当におっしゃるとおり右下というのは、ある意味、AIが変わりやすいということと、実はサイバー社会で、グローバルにクラウドワーカーがふえている分野でもあるというのは、冨山委員と同じような意見です。
 ただ、逆に言えば、この方々も一定程度、当然分析的なスキルを相当お持ちなので、少し今後変わっていくということを意識して学び直す機会がしっかりあれば、私は、結構上方にシフト、その上方というのは、線を越えるという方もいらっしゃるし、そこにとどまる方もいらっしゃるかもしれませんけれども、それを今からやっていくことが大事なのではないかなと、2030年になって慌てるよりは、今、やっていくということが解決につながるのではないかなと。
 ただ、今、この方々もどうやって動いていいかが、正直言うとわからないと思うので、その見える化、動機づけ、それから、学び直すことが一般的に慣習になれば、優秀な方々も多くいらっしゃる中で変わっていくのではないかと思います。
○守島部会長 では、川﨑委員、お願いいたします。
○川﨑委員 どうもありがとうございます。
 非常に今回のプレゼンテーションも興味深く聞かせていただきまして、ありがとうございました。
 今後、日本の社会全体が発展し続けていくということを目指していくと、働く人材をどういう分野のところに変えていかなければいけないのか。
 それの1つの解がプレゼンテーションの5ページにあったFLAPと、そういうものが実装されていくとできますねと。
 企業の中で、こういうものというのは非常に考えやすいと思うのですけれども、これを恐らく社会レベルとか国レベルで実装していくことを今後考えていかなければいけないと、そういうサジェスチョンだと思うのですけれども、もし、こういう取り組みが、どこか成功しているような、あるいはこういう取り組みを始めているような海外の事例でもあるのであれば、多分、私たちの参考になるのかもしれないですし、そういうものをもし御存じであれば、紹介いただけるとありがたいかなと思いました。
○守島部会長 では、どうぞ。
○武田委員 済みません、きょうは、幾つか思い浮かぶ国はあるのですけれども、具体的にもう少し確認させていただいてから、機会があれば、お話ししてもいいですし、あるいは事務局のほうから、逆に海外の事例紹介という回があってもいいのかなというふうには思います。
 ただ、北欧などでは、比較的学び直しというのは前提になっていまして、企業が抱えるというよりは、もちろん、企業でもやられているのですけれども、国全体としてどういうふうに学び直しのセーフティーネットを構築していくかという考え方、発想があるということになります。
○守島部会長 では、長谷川委員。
○長谷川委員 この資料はすごくいいですね。特に2枚目のスライドがいいです。私は最近、地域にいるものですから、スライドでいう左下の方々との接点機会が増えています。
 そうした方々に、職場はどんな感じですかと聞いたことがあるのですけれども、いろんなことが進んでいる。
 例えば、住宅建築でいえば、きざみはもうロボットがやっていて、人間は持ってきたものを組み立てる、人間とロボットが共存し合っている。これは、建設とか土木現場もそうですし、食品製造業もまさにそうです。自動車の運転手もそうですし、農業などもまさにそうなっていているのでここは理解できます。先程、先生がおっしゃったように、ピラミッドになっているので、すごくスキルの高い人、そういう人たちは、おそらくいろんな経過の中でどっちに行くかというのは自然に淘汰されていくのではないかと思います。
 問題は、やはり右の下です。武田先生がおっしゃったように、私も情報と人材育成、能力開発をやれば、ここもスムーズに行くのではないかと思っています。古賀さんは、電機業界における技術革新の中で、労働者がどのように移動してきたのかということを御存じです。労使が知恵を出し合いながら情報と職業訓練をきちんとやっていけば、ここも私は乗り超えることができるのではないかと思います。
 私は、もともと郵便局におりましたが、ちょうど国鉄の民営化のときに多くの国鉄出身の方が郵便局に移動されてきました。
 郵便局では、貯金や保険業務、郵便配達といったこれまでとは全く違う仕事をされたのです。郵政では、職業訓練や集合訓練、それから、仕事をしながらのオン・ザ・ジョブ・トレーニングも実施したことできちんと職場になじんでいったので、私は能力開発や職業訓練をすることでクリアーできるのではないかなと思います。本日の説明資料の図を、そうだ、そうだと思いながら見ていました。
 それと、FLAPのサイクルの話がありましたけれども、日本が弱いのはここなのですね。以前にも申し上げましたが、私は60歳になったときに、もう一回大学に行って学び直そうかと思ったら、入学金が100万円とか、そういうのを見た瞬間に、これはだめだと思ってやめました。学ぼうという意識はあったとしても、経済力だとか支援がないとできないです。また、どこの大学に行こうかと探すのも大変だった記憶があります。
 情報の提供と資金、支援をどうするのかというのが、官民がお互いによさを出し合うことが必要なのではないかなと思います。この間、厚労省はいろいろあって能力開発の見直しをおこない縮小したものもありますが、やはり、もう一度我が国の能力開発のあり方、AI化に向けてどういう能力開発が必要なのかというのは、とても重要なところではないかと。
 再チャレンジというのは、したくない人はいいのだけれども、働いてきた多くの人は再チャレンジするという気持ちはあると思うのです。しかし、お金と時間を考えると、躊躇してしまうというのが正直なところではないかなと思います。
 それと、私たちが言わなければいけないことですが、情報提供とか訓練をするにあたっては、我が国では労使関係が非常に寄与してきたわけです。一方で、中小企業には労働組合がないところが多く、なかなかそれができていないのですが、もっと裾野を広く労働組合がつくられていって、そういう情報提供や能力開発などに労使が知恵を出すことができればもっといいのではないかと思います。
 したがって、今回のこの議論の中で、もう一度我が国の集団的労使関係の再構築という視点が入るといいのかなと思いました。
 きょうの資料は、とてもよかったと思います。
○武田委員 ありがとうございます。
○守島部会長 ありがとうございました。
 では、大橋委員、お願いいたします。
○大橋委員 先ほど川﨑委員がおっしゃった点で、このFLAPモデルのところですけれども、Findがすごく重要だと思うのですが、ここで我が国が若干問題だなと思うのは、特に学び直しの部分も重要だと思いますが、そもそも学校教育において、その学校教育の中に職業教育とか、完全に分断されているのではないかと。特に大学、場合によると高校もそうだと思いますけれども、働くということを学ぶ機会が大学ではないところが結構問題だなと。
 何が起こっているかというと、他方で、今、経済学会から大学で学生が勉強していないということで、大学調査とかをやって、多分、調査した結果、実際に勉強していないから、もっと勉強させようみたいな方向に行くのです。
 では、誰にひずみが行っているかというと、学生にひずみが行っていて、彼らは自分で学ぶ機会を得るためにインターンに一生懸命行かなければいけないみたいな、それは、その学校とは全然外れた活動としてやらなければいけない。学生がすごく忙しくなっているなというのは肌身で感じます。
 文科省さんと厚労省さんは、決して仲が悪いわけではなくて、例えば、働いた人に関しては、BPみたいな、職業実践力育成プログラムみたいなことを一緒にやられているのですが、もう少し手前のところ、つまり大学生あるいは高校の部分で、もう少し協力して働くということの意義、そういうことを早目に学んでおくことが、ちょっとAI化という社会に対して、どういうふうに対峙していくのかということを早目に準備させるいい機会にもなるのかなと。
 AIがなくても、多分、そうしたことは重要だったのだと思いますけれども、ますます重要になっているのではないかなという気がいたしました。
 以上です。
○守島部会長 どうぞ。
○冨山委員 今の大橋先生との議論の脈絡で、5年ぐらい前ですけれども、大学などというのは、大半、基本的には高級職業訓練校だという議論を文科省でやったら、おかげさまで炎上いたしまして、全大学人の敵というレッテルを張られたのですが、実は、その背景には、学校教育法には、大学の定義があって、大学というのは、学術の最高峰であると書いてある、要するに真理を追求して、それを教える最高学府であると。
 例外が医学部と獣医学部であると、この2つだけが職業訓練的な機能を持つと書いてあるのです。
 確かに、私の言っていることは、完全に学校教育法に盾を突いているので、全大学人の敵になったと思うのですけれども、その後、職業大学がありましたね。あのときに、そもそも、きょうは厚労省だからわからないですかね、あのとき基本法を変えたのですかね、変えていないのかな、要するに、この議論というのは、実は高等教育の主機能として、アカデミックなこともちゃんとやりますと、同時に、プロフェッショナル教育もちゃんとやりますと、要するに、アカデミックスクールであり、なおかつプロフェッショナルスクールであるということを真正面から認めるかどうかという根本的なところが、私はあると思っています。
 アメリカの大学、特に大学院には御案内のように、かなりの部分は明確にプロフェッショナルスクールなのです。ですから、スタンフォードはビジネススクール、ハーバードはビジネススクール、偉そうなことを言っていますが、あれは、実態は高級職業訓練学校なのです。だから修士と言いながら簿記会計などを教えるわけです。その辺はどうなのでしょうか、あれは根本的なところは変わったのでしょうか、変わっていないのでしょうか、多分変わっていないと思うのですけれども、もし変わっていないとすれば、私は、ここのところはちゃんと根本の憲法のところは、私はチャレンジしたほうがいいような気がします。あれが変わらないと、やはり、またレッテルを張られる、別に私は構わないのですけれども、要するに、学校教育をやっている人たちの中で、多分、闘いにくいと思うので、そんな気がしています。感想です。
○高松企画官(政策統括官付労働政策担当参事官室併任) 済みません、ただいまのお尋ねのところについては、今、事務局で把握できておりません。申しわけございません。
○守島部会長 ありがとうございました。
 そろそろ時間が迫ってまいりましたので、一応、武田委員の御発表については、これで終わりにしたいと思います。
 どうもありがとうございました。
○武田委員 ありがとうございました。
○守島部会長 それでは、最後に資料4が残っておりまして、次回以降、さっきの武田委員ので言うと、右下になるのかどうかわかりませんけれども、ホワイトカラー分野の新技術の導入の影響等について、次回ヒアリングをやりたいと思っておりますので、その際に、参考になる資料を簡単に御説明いただきたいと思います。
○高松企画官(政策統括官付労働政策担当参事官室併任) 資料4の方を説明させていただきます。
 今、部会長からもありましたとおり、次回、ホワイトカラー分野における新技術につきましてヒアリングを行いますので、その導入として、こちら、それぞれの技術について御紹介をさせていただくものでございます。
 この資料は、これまで事務局が行ってまいりました企業などへのヒアリング内容をもとに作成したものでございます。
 それでは、まず、スライド番号1番をごらんいただければと思います。
 まず、RPAについてでございます。
 RPAとはRobotic Process Automationの略でございまして、ロボットによる業務の自動化ということでございます。
 これまで人間が行ってまいりました定型的なパソコン操作をソフトウエアのロボットにより自動化するというものでして、表計算ソフト、メールソフト、そういう既存のソフト、それから、ERP(基幹業務システム)こういうところの複数のアプリケーションを使用しまして、定型的な業務を自動化するというものでございます。
 下のところに導入事例を2つ載せてございます。
 1つ目は、金融業の企業におきまして、税務署からの顧客取引照会業務の複数の業務にRPAを導入して作業効率化を図った事例。
 それから、運輸業におきまして、予約記録の書きかえ業務の分野に導入したという事例を載せてございます。
 次に、スライド番号の2枚目をお願いします。
 AI-OCRでございます。
 OCRというのは、帳票等に記された文字を読み込みまして、文字認識を自動で行うというものでございますけれども、これに画像認識のAI技術を活用することで、フリーピッチと書いておりますが、記述枠のない、非定型の帳票でも読み取ることが可能となったというものでございます。
 具体例としまして、下のところに金融業における例を載せてございます。
 電力会社やガス会社など企業ごとに異なる口座振替の用紙について、AI-OCRとAIによりますレイアウト認識技術を組み合わせることで、読み込みを自動化したというものでございます。
 次に3ページをお願いいたします。
 チャットボットでございます。
 テキストや音声等を用いて会話を自動化するプログラムと説明されてございます。
 その下、導入事例としましては、生活関連サービス業の企業におきまして、サービスの内容や価格について利用者の問い合わせに対してチャットの中で最適な項目を表示してスムーズに回答するという事例。
 もう一つ下、地方自治体の事例ですけれども、ごみの分別ルールにつきまして、誰でもわかりやすく理解できるようなチャットボットのシステムを構築したというものでございます。
 次に、スライド番号4番、5番に参ります。
 4番ですけれども、AIによるの業務判断支援ということでございます。
 インターネット利用の増大、それから、IoTの普及によりまして、大量のデジタルデータ(ビッグデータ)の生成、収集、蓄積というのが進みつつございます。
 こうしたデータをAIで分析いたしまして、業務処理の効率化、予測精度の向上等に活用するというものでございます。
 事例といたしまして、1つ目、小売業におきまして、画像認識の技術を活用して、店舗の出入り口に設置しましたカメラの映像から来店客数、それから、時間別の来店客、その特性だとか、そういうところを分析してマーケティングに使っているという例でございます。
 その下、金融業の例では、自然言語処理のAIを活用いたしまして「お客さまの声」を分析している。
 スライド番号5番にまいりますけれども、保険業の企業におきまして、機械学習のAI技術を活用して、過去の事案のデータを学習することで保険金支払審査業務に活用しているという例でございます。
 最後、情報通信業における、こちらはHRTech、人材分野におけるAIの活用ということです。
 人材選考、キャリアアップの相談の関係、そういうところでAIを活用しているというものでございます。
 一番下のところ、補足でクロステックまたはエックステックということで補足してございます。
 こういうAI等の新技術をさまざまな分野に活用するという取り組みが進んでおりまして、例としてありますが、人材分野のHRTech、教育分野のEdtech、金融分野のFinTech、こういうものがあるということでございます。
 今回は、次回のヒアリングに向けた導入ということで御紹介させていただきましたので、次回のヒアリングのところで、また、議論を深めていただければということでございます。
 私からは、以上でございます。
○守島部会長 ありがとうございました。
 きょうの議論がもとになって、こういうふうな技術が入ってきたときに、どういうふうに労働に影響があるのかということについて、また、次回も議論を続けていければと思います。
 それでは、最後に、事務局から次回日程について御紹介をお願いいたします。
○高松企画官(政策統括官付労働政策担当参事官室併任) 次回の日程でございますが、3月18日月曜日、午前の開催を予定しております。
 詳細につきましては、調整の上、改めて御連絡いたします。
 よろしくお願いいたします。
○守島部会長 どうもありがとうございました。
 それでは、時間になりましたので、本日は、このあたりで閉会とさせていただきたいと思います。
 本日の議事録ですけれども、本審議会の運営規程により2名の委員に署名をいただくことになっておりますけれども、本日は、佐々木委員、冨山委員に御署名をいただきたいと思います。よろしくお願いいたします。
 それでは、皆さん方、お忙しい中、きょうはどうも御苦労さまでした。これで閉会としたいと思います。