第11回労働政策審議会労働政策基本部会 議事録

政策統括官付労働政策担当参事官室

日時

平成30年12月25日(火)10:00~11:30

場所

厚生労働省 専用第22会議室(18階)

出席者

委員(五十音順) 石山委員、古賀委員、後藤委員、武田委員、長谷川委員、守島部会長、森戸委員、山川委員 事務局 宮川厚生労働審議官、藤澤政策統括官(総合政策担当)、土田政策立案総括審議官、村山労働政策担当参事官、高松企画官(政策統括官付労働政策担当参事官室併任)、五百旗頭調査官(労働基準局労働関係法課)、名田企画官(職業安定局雇用政策課産業雇用政策)、吉田企画官(雇用環境・均等局総務課)、立石室長(人材開発統括官付政策企画室)、

議題

(1)部会の今後の進め方について (2)その他

議事

 

○守島部会長 それでは、定刻になりましたので、ただいまから第11回「労働政策審議会労働政策基本部会」を開催したいと思います。
皆様方におかれましては、大変お忙しい中、御出席いただき、大変ありがとうございます。
それでは、カメラの頭撮りはこのぐらいとさせていただきたいと思います。
議事に入る前に、本日の審議会の説明はタブレットで行いますので、初めに事務局より御説明をお願いいたしたいと思います。
○高松企画官(政策統括官付労働政策担当参事官室併任) 事務局の労働政策担当参事官室の高松でございます。よろしくお願いいたします。
厚生労働省では、審議会等のペーパーレス化の取り組みを推進しております。今回の部会もペーパーレスで実施させていただきます。
お手元にはタブレット、スタンド、スタイラスペンを配付してございます。使用方法につきましては、操作説明書を机上に配付しておりますが、御不明な点がございましたら、近くの職員までお申し出ください。よろしくお願いいたします。
○守島部会長 ありがとうございました。
続きまして、委員の変更についてお知らせいたしたいと思います。
当部会の部会長代理であった岩村委員が本日付で辞任されましたことをまず御報告さしあげたいと思います。
また、資料1の委員名簿にも記載しておりますとおり、本日付で新たに1名任命された委員がいらっしゃいます。慶応義塾大学法務研究科教授の森戸委員でございます。
森戸委員から、一言いただければと思います。
○森戸委員 森戸でございます。よろしくお願いいたします。
○守島部会長 ありがとうございます。
引き続き、当部会の委員は合計15名となります。よろしくお願いいたします。
ここで、岩村部会長代理の委員辞任を受け、新たに部会長代理の指名を行いたいと思います。
部会長代理は、労働政策審議会令第7条第6項の規定により、部会長に事故等があったときに、その職務を代理するとされております。その指名は、部会長から指名することとされております。
そこで、私のほうから指名させていただきたいと思います。大変恐縮ではございますけれども、部会長代理には、森戸委員にお願いいたしたいと思います。よろしくお願いいたします。
なお、本日は所用により、入山委員、大竹委員、大橋委員、川﨑委員、佐々木委員、冨山委員、御手洗委員が御欠席でございます。
続きまして、事務局に異動がありましたので、報告をお願いいたします。
○高松企画官(政策統括官付労働政策担当参事官室併任) 本年7月31日付で事務局に異動がありましたので、御報告いたします。
まず、厚生労働審議官の宮川です。
続いて、政策立案総括審議官の土田です。
続いて、参事官の村山です。
○守島部会長 それでは、議事に入ります。
本日の議題は「部会の今後の進め方について」でございます。
まずは、事務局より当部会の今後の進め方に関する御説明をお願いいたします。
○村山労働政策担当参事官 それでは、資料を御説明します。
資料一覧ですが、先ほど部会長からお話がございましたように、資料1は委員名簿、資料2は夏におまとめいただきました基本部会の報告書の概要です。この2つの資料に関しましては、説明を割愛させていただきます。
資料3、平成30年9月5日開催の第42回労働政策審議会議事録です。こちらが、9月5日に開かれた労働政策審議会の本審議会に、労働政策基本部会の報告書について、御報告したときの御議論の状況について、議事録を抜粋しているものです。
その資料の1ページ目にございますように、冒頭、本審議会委員でもいらっしゃいます守島部会長のほうから御紹介がございまして、基本部会報告書を各分科会、部会等の審議に役立てていただきたいということと、もう一つ、基本部会では、AI等の技術革新の雇用・労働への影響など、絞り切れなかった論点もあるので、それについては引き続き議論していきたいということについて、お話をいただいたということでございます。
続きまして、この点に関しましては、労使各側から御意見をいただいております。次のページからその次のページにかけてでございますが、まず、使側の2名の委員から御意見をいただいております。
使側の工藤委員からは、2ページにございますように、人口減少の中でデジタライゼーションやAI等を活用した働き方改革、そしてイノベーションを同時に進めることによって、労働生産性の向上を図っていくことは急務だという観点から、報告書に御賛同いただきますとともに、さらに3ページ目にございますように、AIに代替されない仕事は何か、労使で考えていくことが必要である。また、新技術を使いこなせる人材育成も課題であるといった御意見を頂戴したところでございます。
3ページ目の下のほうに、使用者代表委員の2人目として、渡辺委員からは、人口減少や技術発展等の雇用労働環境への影響を考慮して、中長期の政策を検討していくことが重要であるとの認識のもと、基本部会の議論をさらに深掘りしていくことを期待するという御意見を頂戴したところでございます。
続きまして、4ページ以降で、労側の2人の委員から御意見を頂戴しているところでございます。まず、4ページ目、野田委員でございます。報告書の内容について受けとめたいとしていただいた上で、労働政策の立案に当たっては、公労使の三者構成原則を遵守すべきであるという御意見を頂戴しているところでございます。
続きまして、5ページ目、難波委員でございます。AI等の技術革新と雇用については、AIとの共存、また、AIを利活用できない方への対応といった光と影の両面を見ていくべきであるという御意見。その上で、雇用類似の働き方への保護のために必要な施策の検討を省として迅速に進めてもらいたい旨の御意見を頂戴したところでございます。
以上のような各側からの御意見をいただいた上で、6ページにございますように、この報告書につきまして、労働政策審議会として了承し、今後の報告書の内容について、関係する分科会、部会において御検討いただくことでよろしいでしょうかと、樋口労政審会長のほうからお投げかけがあり、御承認をいただいたという経緯でございます。
以上、1年目の報告書に関する経過の報告でございます。
続きまして、資料4の「日本の人口・就業状況と労働生産性、新技術の導入状況等について」です。
表紙に続きまして、まず、1ページ目でございますが、日本の人口は近年減少局面を迎えており、2017年には1億2671万人となっているということ。そして、今後、高齢化が進行し、また人口減少が進行して、将来人口推計によりますと、2065年には、8808万人になると推計されていることなどが1ページに書かれております。
2ページ目でございます。そうした人口動態の変化の中で、人口構成の変化を見ている資料でございます。65歳以上の人口に関しましては、左側のグラフにございますように、2000年から2025年にかけて急増いたしましたが、2025年から2040年にかけては増加のペースが緩やかになるということ。
一方で、右側にございますように、15歳から64歳の人口に関しましては、2025年から2040年にかけて減少が加速するということが見込まれております。
現役世代の急速な減少ということが、一つの課題であるということが浮かび上がる資料かと存じます。
続きまして、3ページ目にお進みいただきたいと存じます。産業別の就業者数についてでございます。
現在の我が国における就業者数が多い産業は、そこにございますように「卸売業、小売業」、続きまして「製造業」「医療、福祉」「建設業」という順序になってございます。
米印のところにございますように、現行の日本標準産業分類と比較可能な2002年時点と比べてみますと、当時は「製造業」が一番多く1202万人、続いて「卸売業、小売業」「建設業」という順番で、「医療、福祉」はそれに次いで474万人でございましたが、大きく足元で伸びている状況が確認いただけるかと存じます。
2つ目の米印にございますように、「医療、福祉」の中でもとりわけ伸びているのが「社会保険・社会福祉・介護事業」ということで、介護等の分野での大幅な伸びが、この伸びを支えているということが確認いただけるかと存じます。
続きまして、4ページ目でございます。職業別の就業者数でございます。これに関しましては、グラフにございますとおり、「事務従事者」「専門的・技術的職業従事者」「生産工程従事者」の順となってございます。これは過去との比較におきましても、「事務従事者」に関してはほぼ横ばい、一方で「専門的・技術的職業従事者」は増加しており、「生産工程従事者」は減少していることが確認いただけるかと存じます。
続きまして、5ページ目でございます。労働生産性の国際比較でございます。我が国の労働生産性の水準をマンアワーベースで、G7の他の諸国と比較してみますと、実質で見ましても名目で見ましても低いということが確認いただけるかと存じます。つとに課題として指摘されているところかと存じます。
続きまして、6ページ目で、さらにこれを企業規模別、業種別に見てみたものでございます。このグラフの見方といたしましては、縦軸が1人当たりの労働生産性、こちらは資料の制約でマンベースでございます。横軸が雇用者の産業別構成比で、分類不能がありますので、100%のところで右側がちょっとあいておりますけれども、そういった形で見ているものということでございます。
大企業、中小企業で比べてみますと、大企業の平均値のほうが中小企業よりも高いということ。それから、産業別に見てみますと、大企業でも中小企業でも、製造業の生産性が一般に高く、そしてサービス業の中では、一部に専門・技術サービス業のように高いものもございますが、例えば「教育、学習支援業」「生活関連サービス業、娯楽業」「その他サービス業」「医療、福祉業」「宿泊業、飲食サービス業」などに関しましては、全体に「製造業」等より低くなっているということが御確認いただけるかと存じます。
そうした中で、先ほどのような産業別の就業構造の変化が生じているということを御確認いただけるかと存じます。
続きまして、7ページでございます。無形資産と全要素生産性との関係性について見ている資料ということでございます。
左側のグラフは、諸外国で見ましても、TFPは無形資産への投資によって上昇するという相関関係が見られるというものでございます。
右側のグラフは、無形資産装備率の上昇率を近年見たものでございますけれども、我が国では無形資産への投資のうち、人的資本への投資(OFF-JTへの支出等)が諸外国と比べても大幅に低く、また近年減少しているということ。また、上のところですが、情報化資産への投資、例えばソフトウエアへの支出等に関しましても、足元の伸びは諸外国と比べて力強さを欠いていることが御確認いただけるかと存じます。
続きまして、8ページでございます。業種別に見た1人当たりのICT投資でございます。製造業と非製造業で見ますと、ヨーロッパあるいはアメリカとより大きな差があり、また近年低下しているのが非製造業で、こちらに課題がうかがわれるという資料になっているかと存じます。
続きまして、9ページでございます。日本政策投資銀行のアンケート調査から抜かせていただいているものでございますけれども、近年の人手不足に対します我が国企業の対応策について見ている資料ということでございます。
対象は大企業でございますが、大企業における人手不足への対応策では、製造業、非製造業ともに「業務改善による生産性向上」との回答が最も多く、足元でも多い訳ですけれども、5年先といった中期の展望でもかなり高くなっているということでございます。
一方で、一番左側、「AIやIoT活用による生産性向上」、その次の「人材教育による生産性向上」といった項目に関しましては、5年先になりますと一定の水準に達していると認められるということかと存じます。
続きまして、10ページが、我が国企業におけます新技術の導入状況について、アンケート調査を行ったものについて「年次経済財政報告」のほうで整理されている資料ということでございます。
こちらで見ますと、上の右側の「ロボット」に関しましては、我が国のものづくりの強さの状況などを反映して、製造業等を中心に既に導入がなされているほか、下の真ん中の「クラウド」につきましても、製造業のみならず、サービス業でも導入が進んでいる状況が確認できるところでございます。
一方で、上の左側の「IoT・ビッグデータ」や、上の真ん中の「AI」等に関しましては、導入を検討している企業が一定の産業で見られますものの、既に導入済みであるのは、IoTに関しては「電気・ガス」や「金融・保険業」、AIについては「金融・保険業」や一部の「製造業」に限られているところでございます。
下の注の2番にございますように、IoTを導入している具体的な事例といたしまして、とりわけ高くなっている「電気・ガス・水道・熱供給業」ではスマートメーターの活用、「保険業」に関しましては、保険料の設定を行うサービスの提供など、また、注の3にございますように、既にAIを導入している具体的な事例といたしましては、金融業における与信判定や保険業における不正に関します効率的な検知等の事例などが挙げられているところでございます。
続きまして、11ページ以降は、AI等の導入に関する労使の考え方です。
まず、労働者の考え方について見ているのが11ページでございます。こちらは「労働経済の分析」から抜粋しておりますけれども、もともとの調査はJILPTで行った調査でございます。
正社員の方々へのアンケート調査を行ったところ、「仕事の一部が代替可能だが雇用不安を感じない」とした回答が36.9%と最も多く、全体として雇用不安を感じないという方々が真ん中とその右で、合計6割程度。
一方で、「仕事の一部が代替可能で雇用不安を感じる」という方や「仕事のほとんどが代替可能で雇用不安を感じる」という方が、合計で3割強になっているという状況でございます。
続きまして、AIの進展に伴って必要とされる能力に関しまして、さまざまな機関、白書等で取りまとめられている調査についてまとめているのが12ページ目でございます。
企業や有識者に対するアンケート結果を見ますと、今後、コミュニケーション能力が重要になっていくことが示唆される傾向にあり、「コミュニケーション等の人間的能力」がこれから大事になっていくという御回答が多いということ、また、サービスを受ける側の立場からの回答としても、コミュニケーションが必要とされる仕事に関しては人間にやってもらわないと困る仕事であると感じられている傾向にあるという資料でございます。
最後に、13ページが、AIの活用が一般化する時代において、労使が重要だと考えるスキルについて見ているものでございますが、既に御確認をいただきましたように、「2コミュニケーション能力やコーチングなどの対人関係能力」に関しましては、労使双方でこれが重要なスキルだということが認識されており、大きな違いがないという一方で、一番右側が、企業と労働者の意識のギャップを示しているものですけれども、例えば「4情報収集能力や課題解決能力、論理的思考などの業務遂行能力」等に関しましては、比較的、そのギャップが大きく、企業のほうがより重視している傾向が確認できる資料でございます。
以上、基礎資料的なものについて御説明を差し上げました。
次に、資料5に行っていただきたいと思います。資料5は、政府におけるAI等の技術革新に関する議論に関します全体の状況について御紹介している資料です。
この箱の中の政府全体、内閣府等、総務省といったところは、AI等の新技術を技術あるいは技術革新という観点から全体的に議論している場に、どのような場があるかということを整理したものでございます。
直近の状況は、一番右側の2018年度というところを見ていただきますと、全体の司令塔の「統合イノベーション戦略推進会議」の中に、AI戦略実行会議という有識者会議が設けられているということ。また、より倫理的なものなども含めました理念的な議論なども含めて、「人間中心のAI社会原則検討会議」というのが内閣府等で行われておりますが、こちらの議論も続けられており、そうした原則について、近々のうちに策定に向けて取りまとめ作業に入っているということ。
また、情報通信技術を所管する総務省において、長年にわたって「AIネットワーク社会推進会議」が開かれており、その中でも、AIの利活用の原則等が議論されているということで、こういったものについては、来年予定されておりますG20等も見据えながら、議論の取りまとめ、一定の整理が行われているような状況にあるということでございます。
また、下の※印にございますように、成長戦略という観点からは、未来投資会議の産官協議会におきまして、さまざまな分野別の議論が行われているということで、こうしたものも、来年の成長戦略、具体的には未来投資戦略の改定に向けて、深掘りの議論がなされているということでございます。
なお、今、御紹介した中で、「人間中心のAI社会原則検討会議」からは、本基本部会における検討の状況を報告してほしいというお求めもございましたので、去る10月に、この報告書の内容を私ども事務局のほうから説明さしあげているという状況でございます。
最後に、資料6「今後の検討事項について(案)」というペーパーをお開きいただきたいと思います。これから2巡目の御議論をいただく上で、どのような点について御検討いただくかの課題の整理を案としてつくっているものでございます。
「今後の検討事項について(案)」の中で、最初の○は1年目の報告書におきまして、AI等の技術革新に関して、労働政策をめぐる課題について具体的に提言いただいた部分を抜粋したものでございます。最初の矢印から御紹介さしあげます。
AI等を導入した職場における職務の再編の状況など、国内の現場に生じている変化を注意深く観察して、まずは足元の現実を業種、職種等ごとに把握することが不可欠であるということ。
続きまして、質的にポジティブな効果が期待できる新技術については、まずはパイロットモデルによって効果を検証し、その後、政策として現場への普及を進めていくことが考えられるということ。
3つ目といたしまして、やや具体的でございますが、AI等で人事データを解析し、採用や配属等に活用するいわゆるHRテック等に関しましては、効率的な人事管理ができるという期待がある一方、個人が不当に差別される可能性や、個人データの保護といった懸念もあるため、丁寧な実態把握が求められるという点。
4つ目でございますが、機械では代替困難な人間に優位性があるスキルの習得・向上や、働きがいのある人間らしい仕事を確保することができるようにしていくことが重要であるという点。
AI等の新技術を普及させることで、働く人全ての活躍を促し、生産性の向上を図ることも必要であるという点。
AI等の技術革新に対応できるスキルを持つ労働者と持たない労働者の間、業種・産業、企業規模間で格差が広がるおそれもあり、AI等の新技術を活用できる人材育成や新技術導入のための中小企業への支援を検討すべきであるという点。
過去の技術革新とAI等の新技術では、その及ぼす影響がどのように異なるのかを見きわめつつ、あるべき労働政策を今後検討していく必要がある。その際、過去の技術革新と同様の事象については、社会全体や労使で議論を重ねてきたME化等への対応も参考に、今後の対応を検討できるであろうという点などについては、既に整理をいただいているところでございます。
その上で、先ほど資料4等を御説明さしあげましたが、日本の人口の変化、とりわけ現役世代の急速な減少等に対応するには、働く現場においてAI等の新技術をどのように活用していくことが求められるか。
また、日本は諸外国に比べ労働生産性が低く、また業種ごとに労働生産性の状況も異なるが、こうした中でAI等の新技術をどのように活用していくことが考えられるか。
そして、具体的なという点について、1年目のお投げかけもあるところでございますので、今後の就業構造の変化を踏まえると、どのような職種、業種において活用を進めることが考えられるかとした上で、例えば、一つには国内外の調査研究においてAI等の新技術の導入が雇用や働き方に及ぼす影響に関する議論の焦点となっている事務職。具体的には代替可能性が高いタスクも多いのではないかという観点から関心を呼んでいる事務職でありますとか、2といたしまして、高齢化に伴いサービス需要が増加しており、今後見込まれる現役世代の急速な減少の中で人材確保が課題となる介護分野等の医療・福祉業。先ほど見ていただいたように、これまでも就業者数は拡大しておりますが、今後現役世代が減少していく中で、また生産性の観点からどのように考えていくのかというところについて、深掘りの検討をすることが考えられなかという点を案として書かせていただいております。
最後に、AI等の新技術の導入状況やその可能性と限界、また、先ほど資料4でごらんいただきましたような、新技術への労使の認識、一致している部分もあれば、やや違いのある部分もあったかと存じますが、そういったものを踏まえると、労使や行政においてどのような対応が考えられるか。また、特に留意すべき点として何があるか等について御議論いただいてはどうかということでございます。
以上、雑駁でございますが、資料の説明でございます。よろしくお願いいたします。
○守島部会長 ありがとうございました。
それでは、ただいま説明のありました資料の内容について、何か御意見や御質問等がある方は挙手をお願いしたいと思います。
よろしくお願いいたします。
後藤委員、お願いいたします。
○後藤委員 御説明ありがとうございました。
御提案いただいている内容を支持する立場で少しお話ししたいと思います。
まず、資料4で概況について御説明いただきましたが、少し懸念しておりますのは、資料の11ページから13ページにおいて、労使ともに、AIが進展していった場合、必要となるコミュニケーション能力であるとか、いろいろな認識能力が必要だと書かれてはありますが、AIの進展について、たしか石山委員から御説明いただいたのではなかったかと思いますが、介護の場でも、例えば表情を読み取って、どういった要求があるのかというところまで、既に進展しているとなると、実は今の状況でも、人間が得意とするような能力は既にAIあるいはロボット技術などを使っていくと、代替されてしまう可能性が非常に高くなってしまっているのではないかという危惧があります。
したがって、この辺の技術の進展状況がどのようになっているのかということをもう少し詳しく調査していく必要があるのではないかと思いますし、そういった状況がある中で、IoTも含めて全体的に技術が先行して、成り行きで物事が進んでいるような気がしております。その点、政府の検討会の中に「人間中心のAI社会原則検討会議」が設置されているということですので、AIに使われるのではなくて、社会としてどのようにAI等の技術を使っていくのかという倫理的な観点で、規制なども含めて考えていくことが非常に重要ではないかと感じております。
そういう意味では、もう既にAIがある程度進展してきて、その先の時代は次にどういうことが予想されるのか。今、この議論が緒に就いたばかりかもしれませんが、もう一つ先のところも見据えておかないと、これまで技術進展を労使で乗り越えてきてはいますが、新しい技術がまた次々に来るので、それに移行していける可能性があったからではないかと感じているのですが、AIの次があるのかないのかということ自体も少し見据えながら議論していく必要があるのではないかということを感じております。
以上でございます。
○守島部会長 ありがとうございました。
ほかにどなたか。
石山さん、お願いします。
○石山委員 石山です。
成り行きで進んでいって、その技術が進展していく中で、それに対応せざるを得ないみたいな進め方よりは、今、まさに御意見をいただいたように、戦略性を持ちながら、人間側できちんとマネージしていくことが大切になるのではないかと思います。
検討事項として挙げていただいている部分の感想としましては、全体としてのグランドデザインみたいなところをもう少し描いていく中での安心感みたいなところをつくっていく必要があるのかと思いまして、これは最初に資料で御説明していただいた部分とも関係すると思うのですが、例えば65歳以下の労働人口が減っていくという世界観の中で、減っていく部分の定量的な足りない部分に対して、具体的に生産性を上げる部分でどのくらい頑張るのかとか、そこに人工知能をどのように使うのかみたいなところを、戦略的にデザインしていく必要があるかと思います。
今の時点で、どこまで定量的にできるのかというところは難しい部分もあるかと思うのですが、1年後ぐらいのアウトプットを考えるということであるとすると、ある程度、欠乏部分に対して、AIでこのくらいのカバレッジができるみたいなところを具体的に提案できるような方向性に持っていったほうが、わかりやすいアウトプットになるのかとは思いました。
あとは、AIなので人事データを解析するという部分は私どもの会社でもやっているので、非常に丁寧に取り扱っていく必要があるということで、ここに書いてあるとおりかと思うのです。
例えば、採用や配属に活用することで、効率的な人事管理ができるという期待がある一方、個人が不当に差別化される可能性があるみたいな話もあるのですが、もう一方で、例えば今、実際に採用面接をやるときに、採用基準があって、採用している面接官の方は200人くらいいて、個人によるばらつきがあって、人間側がやっているときにも、実は結構不当に差別されている可能性があるというところが、逆にAIで解析することによって、そういった差別がなかったかみたいなところのフェアネスを、ある程度、定量的に評価するみたいなこともできたりすると思うのです。
人事評価で言うと、評価者の数がさらに多かったりするので、そういった部分で、労使の中で言うと、どちらかというと今、使側の観点からAIをどのように活用するのかみたいな話が比較的多くなる中で、不安が多いという形なのですけれども、今後はどちらかというと労オリエンテッドな形で、実際にAIを活用する側にとってのメリットがあるというところをきちんと打ち出していく。そういう意味で言うと、例えば、逆に不当に差別されている可能性がないか、AIできちんとバリデートしてくださいみたいなことを労側からも使に求めていくとか、そういったAIの活用の方向性もあるのではないかと思いました。
○守島部会長 ありがとうございました。
ほかにどなたか。
古賀委員、お願いいたします。
○古賀委員 少しお二人の意見と重複するかもしれませんが、この種の議論をするに当たっての幾つかの基本的なスタンスや視点について申し述べたいと思います。
1つ目は、科学や技術というのは、人間が人間のために使う。言うなれば、科学技術に振り回されない。その基本を我々は必ず認識しておかなければならない。そういう意味からすれば、先ほどございました「人間中心のAI社会原則検討会議」での方向づけというのは、全体にとって極めて重要な方向づけになるのではないかと思います。
2つ目は、この種のことが産業構造を変化させるとか、職種そのものを混在化、変化させるとか、言うなれば、そういうことからすれば働き方も変化するわけで、働き方に対して、どのようにきちんとした受け皿、仕組み、システムを整備するか。それは能力開発や人材育成ということになるわけです。
先ほど来説明がございますように、働く者はさまざまな課題を求められる。その能力をどうしていくかということとともに、みんながそれについていけるかどうかです。これだけ多種多様な価値観や、意識も違う。働くことに対する意義も違う中で、そういうことも含めた能力開発や人材育成をどうしていくかということだと思います。
3つ目は、この種のことが進むと、これまで議論してきたような曖昧な雇用や雇用類似の働き方がどんどんふえていく。これまでの雇用というものが崩れていくわけで、それに対する、働く者に対する保護が重要となります。現在の法律では、ほとんどその種のことがカバーできていない。このことを急がなければならないと思います。
4つ目は、科学は進展し、特にAIということになると、働くことそのものの意義とは何なのかという根源的なことを私たちに突きつけているのだと思います。つまり、働くこととは一体何ぞやという問いです。働くことによって生活の糧を得ている、働くことによって自己実現を図る、働くことによって自分を成長させていくということと、このAI、IoTや新しい技術というのはどういう関係があるのか。これは非常に重要なこと、根源的なことを、我々は一度じっくり考えてみる必要があるのではないかという思いもしています。
大きくはその4点ぐらいのことを、我々として、この種の議論をするときに、バックボーンとして持っておかなければならないことではないかと私自身は思いますので、提示させていただきました。
以上でございます。
○守島部会長 ありがとうございます。
ほかにどなたか。
武田委員、お願いいたします。
○武田委員 本日、これまでの議論の取りまとめと、今後の方向性について御説明をいただきまして、どうもありがとうございました。
私からは3点意見を申し上げたいと思います。既に他の委員から出た意見とも重複するところはございますが、まず一つは、今後、新技術が進展するもとで雇用を考えるときには、皆様がおっしゃったとおり、人間中心の活用といった視点が何よりも重要だと思います。
イノベーションが起きるときは、技術発でももちろん起きるでしょうけれども、より重要なのは、社会において課題を解決できる部分がどこなのかという視点で、課題があるところで社会実装していく。社会の問題を解決することに技術を使えば、人間にとってはそれが生活の質の改善になり、あるいは人生の質を高める方向に寄与するところではないかと思います。
したがって、社会課題があるところで、技術の社会実装をまずは進めてみることができれば、結果的に人に求められるタスクは何かということが見えてくるのではないかと思います。また、一部で懸念があります倫理面なども、社会実装してみると、その課題も具体的に見えてきますので、見えてきたところでそれをアジャストしていく。そうした動きが必要なのではないかと考えます。
2点目に、社会実装を進めていくと、より人に求められるタスクがみえてくると思います。私は割と楽観的で、後藤委員が懸念されていましたけれども、例えば画像診断とかができるとしても、より人間らしい仕事や人間しかできない部分が究極的に残ると思っているので、そうした部分について教育、能力開発をより進めていくことが、前向きな解決策になるのではないかと考えています。
しかし、現状、日本全体で見たときの人材ポートフォリオがどうなっていて、それが今後、どう変わりそうで、それに向けてどのような能力開発や教育が必要になってくるのかということについては、もう少しきちんとした議論が必要だと思っています。
この点については、恐らく1年で解決できることではなく、社会実装とともに、その辺のことを繰り返していくのではないかと思っております。それができて初めて、現状の人材ポートフォリオが今後どういう方向に向かうべきかということが見えてきて、政労使に対する気づきが与えられるのではないかと考えています。
3点目は、今、申し上げた政労使への気づきについてです。本日御紹介いただいた資料のアンケートを見ますと、まだ政労使が、割とのんびり構えていらっしゃると思います。
繰り返しになりますけれども、私は新技術に対して雇用が奪われるという否定的な見方では決してなく、むしろ不安におびえるよりは、社会実装をきちんと進めて準備をして、むしろ人間しかできない仕事に専念できるようにしていく。人手不足を生かしてチャンスにし、企業の側から見たら生産性を上昇させ、働く側からしたら、より質の高い労働を実現していくというチャンスの余地が十分あると思うのですが、そこへの意識がいま一つ足りていないように思います。
アンケートを見る限りは、人手不足の割には業務の改善が中心で、これはいわゆる現場のガッツでもっているところがあります。もう少し人材教育やAI、IoTを活用し、生産性を上昇する。あるいは、女性やシニアの活用も進めていく。アンケート結果が、そうしたバランスのよい結果になってもいいのではないかと思っておりますので、この基本部会が議論を進めることによって、そうした意識づけ、気づきを政労使に投げかけていくといいますか、言い方は難しいのですが、意識づけを行っていくことも重要な活動になるのではないか。
そうした議論を進めていけば、先ほど古賀委員からもございましたけれども、働くことの意義を、より働く側も考えるようになっていくのではないかと感じました。
以上3点です。ありがとうございます。
○守島部会長 ありがとうございました。
ほかにどなたか。
森戸委員、お願いいたします。
○森戸委員 今までの議論を完全にフォローし切れていないかと思いますので、本当に少し見当外れになるかもしれませんが、一応きょうのお話を伺って感想というか、少し意見を述べたいと思います。
1つ目は、石山委員や後藤委員が最初におっしゃったこととほぼ同じなのですが、今後の検討事項についての案で、○の2つ目のところを見て思ったのですけれども、今後AI等の新技術をどう活用していくことが求められるかというのは、ある意味、現場で嫌でも活用しようと頑張るだろうし、だめであればまた別のものを活用しようとするだろうし、もちろん現場ではいろいろと激しい動きがあると思うのですが、別にそれについて、政策の側から何か言うということはないのかと思っていまして、むしろ何でも規制しろと言うつもりはないですけれども、労働行政、労働法政策としての何か普遍的な、こういう問題に対する原則とか、筋とか、理念とかいうものがあり得るのかという話です。
他方で、そういうものを決めても押しとどめられない動きもありますから、そういう労働政策としての原則なり歯どめなりを決めることに、そもそも意味があるのかないのかというところも含めた議論が必要だと思います。先ほど人間中心何とかという視点が出ていましたが、きっとそういう議論がされていると思うのですが、労働法なり労働行政、政策の側から、こういう問題に対する普遍的な理念なり原則というものが何かあり得るのか、それはどういうものなのか、意味があるのかということが本来議論すべきことかと思って伺っておりました。
この検討事項の最後の○のあたりに書いてあるのはそういうことかと思いますが、そのように理解していくべきかと思いました。
もう一点は、部会の報告書でも、今後の検討事項についてのまとめ方でも出ているのですが、職種とか業種ごとに考えるという視点、そういうフレーズがちょいちょい出てきまして、そういうメリットというか、そのほうが伝統的な労働行政のやり方には合っているところもあると思うのですが、私のざっくりとした印象だと、業種とか職種とかで何か線を引いて、この業種だからこう、この職種はこうですという議論だけだといけない時代も来ているのかなという気がしていますので、もちろん、そういう議論をされてきていると思うのですが、時には伝統的な職種とか業種の切り分けみたいなものにこだわらずに議論していく必要もあるのかなということを感じました。
以上2点です。
○守島部会長 ありがとうございます。
ほかにどなたか。
長谷川委員、お願いいたします。
○長谷川委員 何を言おうかとずっと考えてきたのですが、グランドデザインが欲しいのだと思うのです。つまり、技術の進展により世の中がこんなふうに変わりますという国民がわかるようなものが必要だと思います。行政では様々な資料を出していますが、国民全体では今後どうなるかというのはまだ見えていないのです。先日、NHKが放送していましたが、ああいう形でいろいろなことが始まると、みんなが変わるのかなということが意識されてくる。
私のように70年代から働いてきた人は、ME化やOA化などを経験してきましたが、恐らく今回はもっと変化のスピードが速いのだと思います。だから労使において意外と技術革新に対する認識が遅いのではないかというのは、すごく変化のスピードが速いことが、ある意味ではまだどちらもきちんとつかめていないのだと思うのです。ただ、私は、これはすごくスピードが速いので、労働行政でやるとすれば、それを認識した上で早く方向性を出さなければいけないのかと思います。
過去の経験で言えば、過去の経験を言うのは嫌なのですけれども、新しいものにかわるときに、スキルをどうつけるかが重要となりますが、今までと全く違うものが生まれてくる。そのときの能力開発だとか、働く人たちに対する動機づけだとか、そういうものが従来よりももっと違う形で早いので、それをどうしていくのかということが問われるのではないか。
厚労省には言いにくいのですけれども、スキルアップしようとか、能力開発をしようと言うと、そういう会社がいっぱい町中に出てきて、そういうところに何かというふうになりがちですが、私はもっと違うものが今回は必要なのではないかと思います。ある意味では、学校教育を含めて、大学教育も含めてそういうことが必要なのではないかと思っています。
きょうのレジュメの中に、どういうことを検討していくのかということで、介護分野だとか、中小企業における医療福祉業務だとか、そういうところが必要だということと、事務職について必要だというのは、そうだなとは思います。特に介護は、本当に働く人が長続きしないのです。労働条件が悪く、賃金も低いため、最初はすごく理想を描いて働いた人も、こんなのは嫌だと言ってみんな辞めていくわけです。それはそうですね。お風呂に入れるとか、おむつをかえるとか、すごく大変なことが日々あるわけですから、そういうところに対しては、今回検討していきましょうというのは全くそのとおりで、そういうところがもっと明るい、いい職場だと人材は定着します。
昔、電車の掃除の仕事は人気のある仕事ではなかったわけです。それがあるときからすごく変わって、働いている人もみんなきれいな制服で、みんなすごく生き生きとして働くのですけれども、介護の職場もそうしていかなければいけないので、そういう意味ではAIやロボットの活用は非常に重要なのではないかと思っています。
事務職もそうなのです。人に評価されるよりも、かえってAIに評価されたほうが、私は評価されるのではないかと。私は評価されずにずっと来たので、嫌われてしまうので、むしろAIのほうが正しく私の能力を評価されて、もっと私は偉くなったのではないかといつも思うのですけれども、そういう意味では、評価はある一定程度のところまで公平さは担保できるのだと思いますが、その2段階とか3段階目の管理職の評価のところとどう結びつけるかなど、今後の事務職の検討の中で議論しても良いのではないか思っています。
一方で、社会全体でやっていくときに、医療介護と事務職だけなのか。もっとあるのではないか。森戸先生は産業別だけではなくて、もっと全体的に検討すべきと話されましたが、私も日本全体の中で、どういうところがあるのかというのは、もう少しいろいろな方の意見を聞いて取り入れたほうがよいと思います。もともとこの検討会は、いろいろな方に入っていただきましょう、いろいろな人の意見を聞きましょうということなので、私もいろいろな方の意見を聞きながら、方向性を合わせていくことが必要なのではないかと思います。
3点目は、労使のコミュニケーションの重要性についてです。ある意味では、日本がME化などにきちんと対応できたのは、労使のコミュニケーションがあったので、労働組合の組織率がすごく下がっているのでなかなか言いにくいのですけれども、集団的労使関係の中で、そこをきちんと議論していくことが必要なのではないかと思っています。
この検討会はどのぐらいの時間軸で、どういうものを検討して、どういうアウトプットを出すのかというのが非常に難しいのですけれども、前回と同様にいろいろな方の意見を聞きながら、みんなのイメージと、この段階ではどこをターゲットにするのかということを合わせていくことが必要なのではないか。
技術の進展は好き嫌いにかかわらず進むので、本当に私たちはしっかり公労使で対応しなければならないのではないかというのが、きょうの私の感想です。
○守島部会長 ありがとうございます。
ほかにどなたか。
山川委員、お願いいたします。
○山川委員 意見というより、教えてほしいと思っていることがあって、自分で勉強すればいいのですけれども、どうにもAIの導入のコストのところがよくわからないところがあって、例えばうちは事務所がすごく小さくて、全部で15人ぐらいしかいなくて、弁護士の仕事であったりスタッフの仕事であっても、こんなものは機械でやってほしいという作業は幾らでもあるのだけれども、超零細企業でそれを導入するのは現実的なのかがよくわからなくて、AI、AIとおっしゃっていて、大きな企業でそういうのが普及するのはすごくわかるのだけれども、中小企業レベルでどれぐらい普及するのかというのが、いま一つ私は個人的に余りイメージできなくて、それがインターネットとかメールみたいに、誰でも廉価で使えるようなものなのか、もうちょっと高いものなのか。みんながイメージしているすてきな未来は、そんなに廉価でできるのかどうかがわからなくて、そういうのもあるから、アンケートとかをとるとみんなのんびりしているのは、AIというのは大きな企業とかお金持ちが使うものというイメージがどうしても拭えなくて、導入のコストと、大企業と中小企業で格差みたいなものが生まれてしまうのかどうかみたいなことが、大きなイメージとしてあると、少し議論がしやすいかと思いました。
○守島部会長 ありがとうございます。
ほかにどなたか。
石山委員、今のコストに関することで、何かコメントはございますか。
○石山委員 まず、コストについては段階的に、どんどん安くなっていっているのが基本的な考え方と思っていまして、それはグローバルでのAIの供給側のプレーヤーの競争がどんどん激しくなっていっているので、価格面でもどんどん下がってきているのが基本的な方向だと思います。
ちょっと前までは、どちらかというと大企業側に比較的高単価なものを販売するというAIのプレーヤーが多かったのですが、最終的には市場規模全体で見ても、廉価なAIを、中小企業含めて全部使っていただいたほうが、市場規模としても大きくなるので、次第にそういうプレーヤーが徐々に出てくるのだろうなという期待があります。
ただし、大企業向けには、AIですと言って売りに行く人が多いのですけれども、中小企業向けにはリテラシーのギャップもあるので、余りAIですという売り方にはならないと思うのです。それは中小企業の方に使っていただくようなソフトウエアやICTの製品の中に、ひっそりとAIが隠れているみたいな、そういう形の導入のされ方になってくるのではないかと思います。
例えば、それこそ採用で使われるインディードみたいなものとか、会計で使われるマネーフォワードとかfreeeみたいなものも少しずつAIが導入されていく。そうすると、どちらかというと中小企業で、比較的金額が安くて使えるような、ICTとかクラウドのソフトにも少しずつAIが導入されていっているのですが、使っている側はどちらかというと、AIを使っているという感覚が気にならないような形で使えるという形が、正しい導入の方向なのかとは思います。
○守島部会長 ありがとうございます。
ほかにどなたか。2ラウンド目でも構わないです。
私が伺っている限りでは、多分幾つか論点があるように思うのです。
一つは、古賀委員であるとか、ほかの方もおっしゃったように、多少大きな議論というか、青臭い議論というか、すぐに介護の話や事務職の話に入ってしまう前に、一回大きな議論をする場もあったほうがいいのかなと、何となく皆さんの御意見を伺っていて思いました。
それに対して事務局に質問なのですけれども、人間中心のAI社会原則検討会議は2019年3月に最終報告という話なのですけれども、先ほど、こちらの話をフィードバックされたと。逆をする可能性はあるのですか。
○村山労働政策担当参事官 ありがとうございます。ただ、今の部会長からのお投げかけでございますが、まず、「人間中心のAI社会原則検討会議」のほうは、そこにも書いてございますように、3月の原則策定に向けて、具体的なアジェンダペーパーも出して、議論を詰めていらっしゃいますので、その状況について、向こうの事務局に直接来てもらうか、我々のほうで調整した上で御紹介するかは調整次第ですけれども、そういったことは十分できるのではないかと思っております。それがまず一点です。
今、部会長からおまとめいただきましたとおり、本日の委員の皆様の意見を承っていましても、いきなり個別の産業・職種とか、個別の事業者とか、AIを入れている現場のヒアリングや視察というよりは、その前によく全体を見通してというお話が委員の総意であったと思います。いみじくも長谷川委員と石山委員からグランドデザインというお話がございましたし、武田委員からも、全体の人材のポートフォリオについての御指摘もございました。
委員からもございましたように、この基本部会の一つの特性として、幅広い専門家の先生方にお集まりいただいており、先ほど来の御議論の中でも、具体的に突っ込んだ御紹介もいただいているところでございますので、事務局でももちろん努力をしていきたいと思いますが、同時にそうした専門的な知見をお持ちの委員のお力も借りながら、入り口のところで、今後の技術としてのAI等の新技術をどういうふうに見ていくのかという点を議論いただいてはどうか。
それから、もう一つは1年目のレポートでも、仕事のタスクに着目して、全体の人材のポートフォリオはどうなっていくかということを考えていく必要があるという御指摘もございましたので、個別に詳しい委員の先生も御相談をさしあげながら、委員からの全体的なお投げかけなり御知見をいただくような機会もつくって、その上で個別の中に入っていく。そのプロセスの中で、先ほど古賀委員や部会長からもありましたような、政府全体での動きなども御紹介していくという運び方も一つのあるのではないかと感じたところでございます。
雑駁ですが、以上でございます。
○守島部会長 ありがとうございます。
ほかにどなたか。
私が感じたもう一点は、この問題は労使で話し合いというか、現場で、いろいろな意味で労使の自治を活用して入れていかなければいけない部分は、原則は原則としてあるのです。長谷川委員も言われましたが、今までの労使関係の延長線上という言い方がいいかどうかわかりませんけれども、その土台の上に乗って、この問題をどのように考えて、それは出口の話になってしまうのかもしれませんけれども、そういうことも多分、皆さん方が言われていたことの一つではないかと思いました。
ほかにどなたか。よろしいですか。
森戸さん、何かありますか。
○森戸委員 いえ。
○守島部会長 よろしいですか。
石山委員、お願いいたします。
○石山委員 1つ言い忘れたことがあります。
先ほど山川委員がおっしゃってくださったことと関係するのですが、大企業、中小企業という分け方だけではなくて、自分自身がAIの、どちらかというとサプライヤーの観点で考えると、放っておくとAIのサプライヤー的には、もうかるところにAIを突っ込んでいこうという動き方になってしまうわけです。例えば、先ほどのポートフォリオみたいなことを考えたときに、労働力が足りないところに本来的にはAIをもっと開発していってくださいという話だと思うのですが、市場原理だけにのっとると、レート・オブ・リターンの高いところにどんどんAIを供給するという形になっていくので、ここでミスマッチが起きていくという形は、リスクとしてはあると思います。なので、そこを政策面で、どのようにインセンティブを設計しながらサポートしていくのかみたいなことは考える必要があると思いまして、先ほどの倫理面の話と今の論点が、もしかすると具体的にグランドデザインを描いた上で政策立案をしていくという話のときに必要になってくる観点としてはあり得るのかと思いました。
○守島部会長 ありがとうございます。重要な論点だと思います。
ほかにどなたか。そろそろよろしいですか。
それでは、一応皆様方の御意見を伺ったので、これで本日の御意見を承る会は終わりにしたいと思います。
今後の当部会につきましては、事務局から説明のあった検討事項に、今回皆様方に議論をいただいた御意見を加味して、次回以降の議論につなげていきたいと思います。
その際、AI等の新技術の働く現場への影響を十分把握するために、この分野に詳しい委員からのプレゼンテーションであるとか、新技術の活用を進めておられる事業者等の方々の御説明も交えつつ、検討を進めていければと思います。ありがとうございます。
最後に、事務局から次回の日程等についてございますでしょうか。
○高松企画官(政策統括官付労働政策担当参事官室併任) 次回の日程でございますが、2月5日の開催を予定してございます。
持ち方を含めました詳細につきましては、ただいまの部会長の整理も踏まえて調整の上、改めて御連絡させていただきますので、よろしくお願いいたします。
○守島部会長 それでは、少し早いのですけれども、本日はこのあたりで閉会とさせていただきたいと思います。
本日の会議の議事録につきましては、本審議会の運営規程により、部会長である私、そのほか2人の委員に御署名をいただくことになっております。つきましては、石山委員、山川委員に署名人になっていただきたいと思いますので、よろしくお願いいたしたいと思います。
本日の会議はこれで終了したいと思います。どうも皆様方、お忙しい中、ありがとうございました。