推進者取組事例016

 
 
 
 
    株式会社 B
情報通信業における従業員の定着率向上をめざして
 
 
 
 
情報掲載年度 2017年度
情報掲載日  
都道府県 千葉県
資本金 1000万円以上~5000万円未満
 
従業員数 50人以上~100人未満
産業分類 情報通信業
推進者の役職名 開発部門担当
推進者としての従事年数 4~10年
 
 
システムインテグレーションおよびコンサルテーション(コンピュータシステムの設計・開発・運用・保守等)。
 
 
■➀全員が自由闊達に意見を言い合える「風通しのよい社風」の醸成。
■➁従業員が働きやすい職場環境づくり。
■➂事業業績の向上による全員の満足度確保。
■➃業界での知名度高揚による全員のモチベーションと従業員定着率の向上。

このように平易で分かりやすい理念・方針を掲げた背景には以下がある。
かってシステムエンジニアが人気業種であった頃は、IT業界では採用も順調で、従業員の定着率も良かった。一方最近は厳しい同業他社との競合、個人の開発能力に依存するハードで閉じこもりがちな業務環境、及び求められる高い平均賃金のために、実力者採用の困難さと漸く採用にこぎ着けた従業員の定着率の低さが課題となっていた。
そんな中、働きやすい職場環境づくりをめざして全員で話し合い、分かりやすいキャリア形成支援に繋がる理念・方針を定めるに至った。
 
 
上記の理念や方針を具現化するには、
・まず働き易い職場環境によって業界での知名度を高め、
・経験者のみならず、若年新人や女性の採用を積極的に進め、
・採用後の能力向上を図ることによる従業員の満足度向上で、賃金だけに拠らない定着率向上を実現する、
ための具体的な取組みが必要であるとの強い思いが企業代表者をはじめ推進者にあり、一旦採用に至った従業員を繋ぎ止める経営の方策について、全員参加で話し合う活動に取組んだ。そして以下のような、キャリア形成支援に関する理念・方針実現の具体策を打ち出した。
 
■➀新入社員に対して、専門機関におけるOFF-JTコンピュータ研修と受講後のOJTの機会を十分に設ける。これらは公的な助成金活用に裏打ちされた惜しみないものとする。
■➁休暇の取り易い社内風土とする。具体的にはイントラネットによる休暇申請と上司の承認の平易なものとする。
■➂妻の出産休暇を積極的に運用する。手続きは同上。
■➃育児時短への柔軟な対応を図る。手続きは同上。
これらは、従業員の採用と定着率向上において好ましい結果に繋がりつつある。
 
 
・推進者であるとの自覚が、社内の課題に注目させることに確実に繋がった。
・人事実務者という社内組織上の位置付け以上に、推進者講習等で自社以外の人材育成事例情報を知り得る機会が有った上、他社推進者と本音の人材育成課題を語り合えたことが、今回のような結果に繋がったと思料される。
・専業の人事実務者も上記取組みには不可避に加わっているが、取組み活動の初期段階では企業代表者も推進者に気軽に意見を聞けた面が有る。
・キャリア形成促進助成金(当時)の活用に、推進者の選任が繋がっている。
 
 
・上で述べてきた社内でのキャリア形成支援を更に継続すること。
・専門機関等でのコンピュータ研修には少なからずの経費を必要とするため、公的助成金の活用を進めることが求められる。
・企業におけるキャリア形成支援において、研修の成果を検証することが極めて重要であり、その実践が求められよう。
 
 
 各都道府県職業能力開発協会の職業能力開発サービスセンター活動が、平成30年度から停止され、千葉もその例外でないと聞き及んでいます。これまで幾度となくご訪問頂き、人材育成に係る助言・指導を果たして下さった人材育成コンサルタント殿に対し深く謝意を表したいと存じます。
企業活動において、人材育成と表裏一体の公的助成金を活用する意義は大きく、厚生労働省の人材育成に係るキャリア形成促進助成金(現人材開発支援助成金)の活用をお勧め頂き、更に事業内職業能力開発計画の策定における助言・指導を頂いたことを大変有り難く受け止めています。

 当社のようなサービス業のみならず、製造業や建設業、更には卸売り・小売業に至るまで、多くの企業が生き残るために、今やIoTやAI、またドローン等の先進技術を活用した経営力向上が不可欠となり、「サービス力・生産性向上面」や「ものづくり高度化面」を担う人材の育成が極めて不可欠となる時代が到来しています。
このような観点から、人材育成(厚労省系)や生産性向上(厚労省・経産省系)の公的資金助成制度や運用事例を幅広く包括的にお示し頂いた、千葉サービスセンターのコンサルタント殿には心から謝意を表します。
願わくは今後においても、サービスセンター事業の形式に捉われることなく、企業の私共が必用な場合に無償の助言・指導、事業内計画づくりなどのコンサルテーションを受けられる道を付けておいて頂けるよう、事業管理運営当局殿に於かれましての前向なご検討を切望する次第です。