人材育成事例361
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総合設備業(管工事、土木工事、水道施設工事、機械機器設置工事、消防施設工事)の設計施工と保守管理 大分の空気と水をデザインする企業 建築設備業を生業とし、受注先の大半が建設会社、売上の70%が下請です。 当社の業務内容と強み 工事…ビル・マンション・住宅・病院などの設備施工 物件ごとに異なる条件を把握・理解し、計算し、その環境にあった最善の設備を提供する、オーダーメイドの設備施工技術が強みです。
設計…空調、配管の設計
全員が一度は現場を経験して、建物の全容と現場の仕事の内容を理解しています。そのため、施主の要求はもとより、工事全体がスムーズに進行できるような設計図・施工図を描くことができます。
営業・積算
営業は、現場からの叩き上げであり、設計や工事見積のできる技術者でもあります。それにより、顧客の要求を的確に把握・理解し、満足していただくことで、信頼を得ています。
(協栄工業 株式会社ウェブサイト) |
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■経営理念…「社員満足」
・素直さと思いやりに満ちた人々が集う会社(協調・協和・共済の精神があふれる会社)
・誰もが認める、他を以って替え難い会社(オンリーワンを追求する会社)
・家族にも信頼され愛される会社(幸福を追求しつづける会社)
■経営方針…「顧客満足」 確かな技術・技能に裏打ちされた高品質の仕事と、社員一人ひとりの個性ある接客態度、その総合評価が「顧客満足」です。お客様に喜んでいただくことが、利益の出る発注やリピートオーダーをいただくことにつながります。
■求める社員像 【基本姿勢】 人の幸せにかかわれる喜びを、感謝の心と謙虚な姿勢であらわす。
【行動指針】
自分の置かれている環境に対して「ありがたいことに…」の心で行動する。 ・時間を守り、挨拶をし、決して嘘をつかない(社会人として)
・報告・連絡・相談・行動・確認の徹底(企業人として)
・整理・整頓・清掃・清潔・躾+笑顔の励行(環境経営=エコアクション21認証の継続)
・飲酒・酒気帯び・携帯電話運転は絶対しない(人として)
・くわえ煙草の禁止(健康経営=社内禁煙)
■キャリア形成支援に関する方針 「人材採用・社員教育・経営指針の浸透」を三位一体として、キャリア形成に取り組んでまいりました。今後もさらに努力してまいります。 |
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国家資格取得 ベテラン職人の言葉「自分の息子には、こんな仕事は絶対させん、こんな会社に絶対入れん」をきっかけに、社員の給料を上げたいと、1987年から全社で国家資格(1級管工事施工管理技士)取得に取り組みました。終業後に社内勉強会を続け、合格者は即 昇給・名刺を支給しました。顧客の見る目が変わり「資格に恥じない仕事を」との意識が生まれました。 目標「全社員の半数以上が国家資格者・実務経験5年以上」に向けて、今後も資格者を増やしていきます。 経営のオープン化と意識共有 「会社は経営者のものではない」「社員 皆でやっていく会社」の考えで経営を共有しています。 〇毎年、社長が経営指針(経営理念・経営方針・経営計画を含む)を作成し、幹部の意見を聞いたうえで全社員に配付。会社の使命と将来像について明確に伝えます。
〇経営状況について、一般社員にも理解してもらえるように説明の試行錯誤を続けています。経過は月次決算で社員に報告し、期末の見込みも伝えます。決算書もオープンにしています。賞与は、一般社員に約束した金額を守り続けることで、信頼を得られています。
〇17年間 続けるうちに、管理職が、経営上の数字がわかるようになり、自分のグループがこなすべき仕事の額を考え、グループ間で人員の応援をしあう「相互扶助」が浸透しました。
待遇改善・働き方改革 〇将来のモデル年収…「皆さんの待遇を〇年で〇%上げたい、そのために収益〇円、皆で上げていこう」との目標を全社員に提示。3年間、計画通りに上がっています。
〇就業規則の整備…職場にあるが誰も読まない状態だったものを、内容から作り直し「この中に皆さんの権利と義務が入っています、読んでください」と全員に配付しました。
〇当直時間の短縮…携帯電話普及もあり、21時までの当直時間を、2年かけて19時まで短縮しました。当直日誌を毎日確認し「顧客を丁寧にフォローすれば、緊急事態はそう起こらない」と確信した上で実施しました。
〇有給休暇の取得促進…「建設業なのでどうせ休めない」体質を変えるため、取得を義務づけ、毎月の取得予定を提出、場合により上司も指導します。取得率は現在54%ですが、70%を目指します。
〇ユニフォーム無償化…常に清潔感をもって顧客に接するとの趣旨から、20年前より無償支給としました。
採用・定着・育成 人材の確保と育成のため、採用には特に力を入れてきました。 〇専攻不問…工業系の学部や高校に絞りこまず、大学文系や高校普通科の出身者も育てています。
〇就職活動費用への配慮…大学とのパイプを作り、積極的に学内説明会を実施してきました。希望者には説明会場で筆記試験を実施。面接には交通費、インターンシップには日当を支給します。
〇会社見学…社長から経営指針を渡して懇切丁寧に説明することで、興味や共感を抱いてもらえるようです。
〇インターンシップ…雇用のミスマッチ防止のため、あえて酷暑の現場で肉体労働を5日間体験してもらいます。
〇メンター制度…入社後は、3-4年 上の社員がマンツーマンで仕事を教え、各自の成長度合いに応じて少しずつ手を放していくと、募集の段階から伝えています。
〇昇給…定着の良くなる入社1年後で、大きく昇給します。若い社員が家庭を持てることが大切だと考えます。
〇奨学金手当…新入社員と一緒に金額計算をして返済計画を立てます。既存社員にも支給しています。
これらにより、徐々に社員の定着率が上がり、50名中10-30代社員が30名(2017年11月現在)という「若い会社」になれました。次世代の育成 〇中堅社員の成長…現場の中で能力を発揮できるようになり、他社の人と交流して「人となり」や「品質管理」を認められたことで、施主様や建築会社様から、会社だけでなく社員個人を現場監督として指名いただくことが増えてきました。顧客の期待に応えようと本人のモチベーションも上がっています。
〇新管理者の育成…成長した層から5名の新課長が誕生しました。社長の考え・想い・悩みとともに「この会社をこうしたい」と文書で伝えます。他のグループとのコミュニケーション、部下を見て育てることなど、新任課長教育には力を入れています。
〇世代交代…長年にわたり世代交代を進めてきました。ベテランの技術は継承しつつ、若い世代が頼りすぎず・伸び悩まないように、配慮していきます。
社風づくり 〇挨拶・感謝…毎朝の「おはようございます」、毎月の全体会議での「いつもありがとうございます」など、常にまず社長から声をかけ頭を下げるよう心掛けています。
〇さんづけ運動…上下関係の厳しい業界ですが、4年前から「〇〇さん」を強く推奨し、社内融和に役立っています。
〇社員旅行・懇親会…全額会社負担で実施しています。
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従業員数・売上・給与では、九州地区に於て業界トップクラスの評価をいただけるように、次はオンリーワンをめざし、顧客満足を追求して「建築設備といえば協栄工業」と言われるようにしたいと考えています。 〇職場環境…「社員満足」を追求、働き方改革を進める。
時間短縮(残業・休日出勤の大幅縮減)、代休制の定着、有給休暇取得促進 〇人材育成…資格取得者の増加、経営指針の浸透率向上
〇ブランド化…環境経営・健康経営による企業ブランド
〇人事制度…評価制度の整備
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地域人材の育成と定着について 長年の採用活動から、学卒者が就職活動をする時点では、職業観・人生観がまだ確立されておらず、そのことも若者の早期離職の一因であると感じています。 採用の段階から「働くとはどういうことか」「何のために働くのか」「地元で働く場合の人生設計」などを企業側から問いかけて、応募者の自問自答を促しています。自分なりの答えを持ち、それに合った仕事や企業を選択してほしいためです。 また、入社後も、キャリアや人生の設計について、経営者や上司が積極的に新入社員に話すようにしています。 地域人材の育成と定着については、自社のみならず地域全体の課題ととらえ、中小企業の経営者同士で深く話し合ったり、合同企業説明会等で学生や保護者に呼びかけたりしていく必要性を感じています。 「地域で生まれ育った人材が地域に残る」「他地域からも人材が来る」大分を目指して、弊社のできる地域貢献を、今後も模索してまいります。 |