小宮山大臣共同記者会見概要

H23.09.05(月)13:30~14:03 省内会見室

広報室

会見の詳細

挨拶

大臣:
今日はお集まりいただきありがとうございます。このあいだの就任の日に簡単にご挨拶しましたけれども、今日は正式に皆様に新しく大臣になりました小宮山洋子からメッセージをお伝えをして、ご質問があれば質疑をさせていただきたいと思います。 まずは、台風12号大雨による被害についてお話しいたします。本日9月5日の8時現在で死者が25名、行方不明者が52名という大きな被害が出ております。お亡くなりになった方にはご冥福をお祈りし、また、被害に遭われた皆様には心からお見舞い申し上げます。ご承知のように政府としては4日の20時に総理大臣の指示が出まして、21時30分に第1回の非常災害対策本部会議を開催いたしました。そして、今日月曜日の13時から2回目の会議が今開かれているところです。厚生労働省としては5日月曜日11時の時点で被害の状況を把握いたしまして、こちらも対策本部を設置しているところです。厚生労働省として被害に対しての対応としては、災害救助法の関係ですけれども、9月4日の16時現在で鳥取県の2つの町に適用しています。法の適用日は全て9月3日で、東伯郡湯梨浜町、そして、西伯郡南部町の2つの町に鳥取県では適用しています。三重県では3市町に適用、これは、法適用日は全て9月の2日です。熊野市、南牟婁郡御浜町、南牟婁郡紀宝町この3つの市町です。さらに、和歌山県、奈良県については、適用に向けて県と調整中で、決まったらすぐに適用し、遡及を出来るようにしたいと考えています。台風の関係は以上です。 そして、組閣の日に私として何をしていきたいかは、簡単に申し上げましたけれども、もう少しその時より詳しくお話をしたいと思っています。政権交代の期待を受けて民主党中心の政権が出来て2年経ちましたが、そのときの基本的な理念である“国民の生活が第一”。これをこれから前にしっかり政策を進めるということが今回の内閣の使命だと考えています。国民の生活が第一ということからすると生活の本当に多くの分野に関わっているのがこの厚生労働行政ですので、しっかりとリーダーシップをとって全力を挙げて当たっていきたいと思っています。政治家と官僚の皆さんとの関係がいろいろと民主党政権ではうまくいっていないと言われていますけれども、本当の政治主導とはどういうことなのか、方針の決定とか全責任は私が負います。ただ、当然のことながらこの厚生労働省の官僚の皆様のあらゆる能力を活かしていただいて、どんどんスピード感を持って仕事をして欲しいと思っています。その辺りの間合いが、ずっとこの2年間試行錯誤が続いてきたと思いますが、今回私はそういう形でしっかりと官僚の皆様と連携をとりながら方針決定と責任は政治家が持つということでやっていきたいと思っています。何を主にやるかという政策の柱としては、先日も3点申し上げましたが、野田総理からの指示でもあり、この内閣の大きな方針でもあります。 まず、東日本大震災の被災者の方への対応、そして原発事故への対応が第一だと考えています。被災者の皆様に対しては、生活支援ですとか、医療や介護、そして、これまでも副大臣として『日本はひとつしごとプロジェクト』に取り組んできました雇用、こうしたところにそれぞれスピード感を持ってあたっていきたいと思っています。第3次補正予算の中でも6月に決まった基本計画に基づく基本方針を踏まえながら、元のままに復旧するだけではなくて、これからの超少子高齢社会のモデルとして、しっかり東日本の被災3県のところで形が作れるようにやっていきたいと思います。ご承知のように被災3県は非常に超高齢社会にすでになっていますので、これからの日本全体のモデルになるような地域包括ケアにしても、そうしたことを先取りできるような形になるように取り組みたいと思います。また、原発事故の関係では、私は副大臣としては、原発の作業員の健康管理などの面に当たってきましたが、今回は全体でございますので、特に皆さんの関心の高い食の安全の問題、これは、他の内閣府などとも連携をとりながらしっかり安全の基準をと。今は暫定の基準でやっておりますが、そこをしっかりとした基準値が作れるようにと。ただ、これは、生涯を通してというような数字が出ているのでやり方は、大変難しいと思っていますが、安全をしっかり確保しながら、しかも、現実的な中で対応できるようなものを作るようにしたいと思っています。また、住民の方の健康管理については、健康診断を含めて主に経済産業省がやっていくわけですが、医療の面などで厚生労働省からもバックアップしたいと思っていますし、副大臣としてやってきた原発で作業する皆様の健康管理も今、データベース作りなど取り組んでいますので、これもしっかり当たっていきたい。大震災、原発事故対応というのが1点目です。 そして、2点目は、これは野田内閣の中でも大きな方針に入っています、『社会保障と税の一体改革』。この社会保障改革については、厚生労働省で取りまとめをしていきますので、これまで私がやってきた子ども・子育て支援、そして、1人1人の参加という意味で、今回、就労も入っていますが、そこに加えまして厚生分野である年金・医療・介護についても社会保障の改革の法案をどういう形で次の通常国会に出すかということも含めて、スピード感を持って取り組んでいけるようにしたいと考えています。再三申し上げておりますように、社会保障というのは、年金・医療・介護の高齢者3経費ということが当たり前のように言われてきましたが、この政権になって全世代型、今の現役の方々にもしっかり納得していただけるように、ご負担もしていただくわけですから、そういう意味でこの政権で大事にしてきた子育て支援という子どもの部分も入れましたので、それをしっかり形にしていきたいと思っています。これは、2010年代半ばに消費税を10%上げるということで、財源を担保していくわけですので、そういう意味では、皆様方に超少子高齢社会の日本で、年を重ねても、子どもが生まれても安心できる見取り図といいますか、設計図をお示しをして、そういうことだったら、これだけの負担は納得できるというふうにしていきたい。私も子育てをしたり、介護をしたりしていますが、私の周りで聞いても、本当に福祉のサービス、社会保障制度が充実するのであれば、ある程度の負担は構わないという方が、特に女性の中では圧倒的に多いです。そういう皆様に納得していただける社会保障の一体改革のプランを作って納得していただいた上で、ご負担もいただくというふうにしていきたいと考えています。 そして、3点目は雇用の政策です。雇用情勢は依然として厳しい状況にありますが、その中で、この間の国会で通していただいた求職者支援法、これは、第2のセーフティネットということで、困ったときにいきなり生活保護に落ちないようにきちんと網を張るということですので、これを活用できるように取り組んでいきたいと思っています。また、若年者の方の就労をしっかり支援しませんと、この日本では一度正規から外れると、ずっと出来ないというようなことにもなりますので、昨年の秋に新卒者だけではなくて、卒後3年の方までトライアル雇用をしたり、本格的に雇用したときに奨励金の金額を増す形でやっています。経済界にもご理解をいただきながらですが、新卒者向けのハローワーク。ハローワークというと年配のおじさんとが行くところという感じが強い中で、若者のためのハローワークというのも御活用いただいているので、さらにそうしたことも含めて、出来れば大学などとももっと連携を取りながら、しっかりこれからの日本を担っていただく若い方達の就労支援をしていきたいと思っています。被災地については、先程申し上げたように『日本はひとつしごとプロジェクト』。これは、担当の副大臣に先頭に立ってもらうことになりますが、復興に向けた、あそこで本来あった産業、農林水産業・製造業・観光業。こうしたものをしっかり復興させると同時に、新しい再生エネルギー、新エネルギーのことですとか、地域包括ケアのモデルを作るとか、そうしたことを3次補正に基金事業としての財源を盛り込んで、推進していきたいと思います。これも基本方針にあった、高齢社会になっている東北の中で、世代で継承できるような形で、それぞれの市町村が取り組めるような仕組みも作っていければと思っています。 それと、この間までは、厚生労働省の広報担当副大臣ということで、皆様ともいいお付き合いをさせていただきましたが、今回は省を挙げて、この政権のご支持いただけないというか、色々取り組んでいてもなかなか分からないというのは、情報がきちんと発信されていないからだと思っています。そういう意味では、日本の予算の51%が厚生労働予算ですので、省を挙げて情報をしっかりと国民の皆様にお伝えしていけるように、私が先頭に立って皆様ともいいお付き合いをさせていただきたいと思いますので、情報発信にご協力お願いしたいと思います。私の大臣室は、副大臣室のときと同じように、アポを入れていただければ、いつでも入っていただいて情報交換というか、情報提供が出来るようにいたしますので、自宅に来ていただくのは遠慮申し上げますが、大臣室は非常に私はテンポ良く仕事をしますので、5分、10分ですけれども、皆様とはいつでもお会いできるような体制をとりますので、是非正しい情報をお伝えいただくようにお願い申し上げます。 私からは以上です。

質疑

記者:
子ども手当に関して、副大臣当時でしたが8月23日衆院厚労委で、これまでの子ども手当は事実上廃止だとおしゃっていましたが、改めて確認なのですが子ども手当について子ども手当に関しては今年度で廃止され、来年度以降は児童手当が復活するという言われ方もされていますが、それについての大臣の認識をお願いします。
大臣:
そこは、正確にお伝えいただきたいのですけれども、これまでの子ども手当は事実上廃止になります。それは、10月からすでに金額などは先取りする形で変わっていきますので、そういう意味でこれまでの子ども手当は事実上廃止になると。そして、24年度以降の本格的な仕組みは、恒久法である児童手当法を基にして、これまでもご協議していただいた3党間で、さらにご協議いただくと。それで、何という名前にするかということですが、今の10月以降は、子どもに対する手当というのが、正しい言い方です。それを、子ども手当と呼ぶのか、児童手当と呼ぶのか、あるいは子どもに対する手当という形にするのか、そのこともこれから協議することになっていますので、まだ決まっていません。そして、所得制限がかかるということも、当初の私どもの案とは違うのですが、これは、3党でそれぞれの考えがある中で、ぎりぎりの折衝をした結果の果実としてでありますので、そこを尊重しながら、でもご承知のように民主党は『控除から手当』で高額所得者の方の控除はやめて、必要な人に社会保障のサービス給付としての手当をするというのが理念ですけれども、これだけ東日本の大震災で財源が必要なことと、ねじれ国会の中で、各党の同意を得なければ何も進まないという中で、今回所得制限を付けることになりましたが、それも960万程度というので、まだその金額と、ご承知のように年少扶養控除を先に廃止していますので、そのままやりますと本当は手当を厚くしなければいけない、支援をしなければいけない、子育て家庭だけの重税になってしまうというおかしなことになるので、それはなんとしても避けたいということで、やってきています。それは、変わらないので、これから、4月以降所得制限をかけるときにもそこに税制上・財政上の措置を取るということが、3党で合意されていますので、税制上の措置というのは税額控除、財政上の措置というのは、今一応予算としては総額2.2~2.3兆円ということで、これも3党で合意していますが、これは1人当たり9000円のお金を支給する、あるいは9000円相当の税額控除などの税制上の措置を取るということの財源ですので、そこの在り方についても3党でご協議をいただく。とにかく、子ども子育てを社会全体で支援するという理念はなんとしても貫きながら今の国会情勢の中で3党の同意が得られる形で、いつ無くなるのか分からないというのではなくて、しっかりと継続的に支援をしていける。また、財源が確保できればそれをさらに上げていけるようなきちんとした制度を作っていきたい考えています。
記者:
要するに、子ども手当廃止というと、それについては大臣は違うということですか。
大臣:
これまでの子ども手当は事実上廃止です。
記者:
「これまでの」を取って子ども手当廃止というと違うと。
大臣:
そうすると、私の周りでも手当が一切なくなるのかと思っている方がいるわけですよ。そうではないわけだから、少なくとも10月から税制改正以外の部分については、先取りしてこのあいだ成立した法案で半年やりますが、そこでは、プラスになっているところが結構多いんです。0、1、2歳、あるいは第3子1万5000円にしたり、それから児童施設の子どもたちにしっかり支給できるようにするとか、色々な仕組みを盛り込んでおりますので、プラスになっていることもありますから、全部無くなって子ども手当全部だめよ、という話ではないということです。
記者:
介護について伺います。マニフェストでは介護労働者の賃金を4万円引き上げるとありますが、今はまだ1万6000円足りないという状況ですが、どのように取り組んでいくとお考えですか。
大臣:
基本的には介護も医療もですが、社会保障と税の一体改革の中で財源を確保しないと、もちろん早く上げるよう取り組んでおりますが、これは、小手先でやってもなかなか上がっていかないというのが実態で、ですから先程申し上げたように、次の通常国会に出す社会保障の改革の中に少しでも多くのものを盛り込むようにスピード感を持って各部局にはしっかり仕事してもらいますが、財源を確保しないことにはなかなか出来ません。それでも、これから超高齢社会の中で、介護をしっかりしてもらえればある程度自立してやっていける人もいるわけです。そういう意味で全体的な社会のコストとしては、介護労働者の賃金もアップしながら仕組みを作っていくことが大事だと思っています。あと、新成長戦略の中でも福祉の部分にしっかり対応するということもこの政権は盛り込んでいますので、それは、介護や医療、子育てとかそうしたところの人が働いていける環境を整備するということで、大変重要な課題だと思っています。ですので、それぞれ審議会などの中でもご検討いただきながら私もしっかり決意を持って取り組んでいきたいと思っています。
記者:
先程の子ども手当のところで確認ですが、大臣がおっしゃったように所得制限を受ける世代に対してどういう手立てをするかというのは、これからの調整の課題になっていくわけですが、そこは、税制上・財政上ということで幅が持たされている。そこで、大臣が先程おっしゃったのは、税制上では、税額控除を意味していて、財政上というのが給付という形と、給付の形か税金を戻すかは別として、いずれにしても一定の金額をその世帯に渡すことを想定されているご主旨だと思いますが、一方野党側の中には、年少扶養控除復活という意見もあって、野党側の受け止めとしては、税制上の中にはそれも含まれるんだという受け止めがあるようですが、そこは大臣は何度もおっしゃっているように子ども手当の理念を守る考え方からすると、控除から手当へというところは揺るがさないということですか。
大臣:
それは、「含まれている」というよりも、税制上・財政上の措置を所得制限家庭に取るということと別項目として、控除をどうするかを考えるという項目がありますので、これは、3党の中で検討します。ただ、これは子ども手当に関するところだけではなくて、民主党の税調の基本的な考え方がそうなので、それは、全体像の中での取り扱いの話になるのではないかなと思っています。その控除をどのように見直すかも検討項目の1つに挙がっていますので検討されることになると思います。私どもの最初のコンセプトは『控除から手当』ということなので。
記者:
大臣は子ども手当の理念は守りたいとおっしゃっていますけれども、その根幹の理念としては、控除から手当でこれは大事な議論であって、あくまで、年少扶養控除を戻すということではなくて、所得制限に対しては何らかの給付なり税額控除なりで対応するということで、基本的な理念は守りたいという考え方でよろしいですか。
大臣:
私がそこまで言ってしまうと、このあとの3党の協議にいろいろ協議に影響するかと思います。これは、私の思いと言うよりも民主党の税調の考え方がいろいろと生き方に対して公平でないというようなことも含めた、税の控除という税のおまけから、社会保障のサービスを必要としている人への手当に変えようというのは、民主党の税制の考え方の根幹ですので、そこをどう考えるかということも含めて3党協議の中で議論をされると思っています。ただ、社会全体で子育てを支援するという意味では、所得制限がかかる世帯にも、私は、出来れば支給するという形で、見える・手に出来るものにしたいと思いますけれども、今は、税額控除になる可能性の方が強いんじゃないかと関係者は言っています。税額控除にしても年末に還付をされるとか実感のある形にしないと、今は全員が確定申告をしているわけではないので、社会全体であなたの子どもを支援するというのを見える形に出来るように3党の中でご協議いただければいいと思っております。
記者:
社会保障と税の一体改革の中で、民主党の中でも代表選でも社会保障の消費税の引き上げについてあったように、党内でも消費税引き上げについては慎重な声があると思いますか。
大臣:
そうでしょうか。代表選は5人で戦いましたが、社会保障についての消費税を2010年代半ばに上げるということは、政府と党で合意したことなので、それに対して違うという意見はなかったと思います。今、党の中で議論があるのは、復興の財源を増税でやるのかどうかというところに議論があるので、社会保障のために消費税を2010年代半ばに10%に上げるということは、もう決まっていることですから、そこは議論があったとは思っていません。
記者:
社会保障の効率化については、大臣はどうお考えですか。やはり国民に対して説得力が、さらに党内でもやはり高齢者への負担増には非常に慎重な声も最終的には出てくると思うのですが。
大臣:
今回、党の中の仕組みを野田内閣としては変えていくと。最初の鳩山内閣のときには政調が全くありませんでした。そして、菅内閣のときには政策調査会は提言機関ということだったのが、今回の野田内閣では、前原政調会長のもとで全ての法案や条約などを政調会長の了承がいる。結局決定権を持つという形になると思いますので、そうした中で、今までは提言と言うと、どうしてもウィッシュリスト、希望をやたら積み上げるみたいなことになって、そして、その希望が受け入れられないということで、また与党の中のフラストレーションが溜まるというような、そして後ろから玉を打たれるみたいなところがあったんですけれども、そうじゃなくて、決定権を持つけれども責任を持つという形に党の中がなっていく、そうしていかなければいけないと思っています。そういう意味では、全部反対反対ということにはならないと考えています。
記者:
効率化は大臣としてはどのように考えていますでしょうか。
大臣:
効率化が出来るところは、みなさんにご負担をいただくので、そこが今の厚労省案では足りないと言われていますので、そこもしっかりと精査していきたい。特に所得のたくさんある高齢者の方には、一定のご負担していただくとか、皆様方に納得していただけるような効率化というのは是非していきたいと思います。まだ、いろいろと無駄があるところが、精査されきっていないと思っていますので、そこは、しっかり無駄を省いたり、ご負担いただけるところには負担していただいたり、ただ低所得者の方とか、弱い立場の方達が安心して高齢者としての生活が出来ないということはなんとしても避けたい。そういう意味では、生活が第一、生活を守るというのがこの省の大きな仕事だと思っています。全ての子どもにということを子ども政策でも言ってきましたが、全ての高齢者が安心して過ごされることを理想の形として、そこへ着実に進めていけるような仕組みを作りたい。そのために一方では無駄は省いて、負担をしていただける方には相当の負担をしていただくということをわかりやすく詰めていかければいけないと考えています。
記者:
3次補正ですが、9日までに各省出すようにという指示が出ましたが、厚生労働省としては、どのあたりを重点的に目玉はどういうところですか。
大臣:
厚生系のところでいけば、地域包括ケアとか、新しい高齢社会のモデルになるようなものを作る。あとは、医療についても大学などと連携して、そこにひとつの拠点を作るみたいなこともやっていますし、あとは、私がやってきた雇用のところも基本方針にあるような、新しいものも含めたずっと働き続けられるような仕事をしっかり作り出して、また、日本はひとつしごと協議会などを活用してマッチングをしていく。それと、市町村レベルでやるような全世代型で、地域を大事にしたような雇用が、そこはNPOとか企業とか入っていただいて組み立てられるようにして、それは共に基金事業になると思うのですが、しっかり予算を獲得していきたいと思っています。
記者:
食品の基準値の設定についてお伺いしますが、そう遠くない時期に食品安全委員会から答申があるかと思うのですが、その後政府内でどういう検討がなされて、それから議論して正式な基準値を決めていくのか、大臣は先程、現実的なということをおっしゃいましたが、そこのところの具体的な意味合いも含めて、どういう考え方で基準値を作っていくのか現在の所見があればお聞かせ下さい。
大臣:
大変難しいと思っています。今言っていただいたように内閣府の食品安全委員会に食品健康影響評価を依頼していまして、最終的な報告書が9月中に取りまとめられることになっています。今回の評価書の案では、生涯での追加の実績の実効線量がおおよそ100ミリシーベルト以上で、放射線による健康障害が見いだされているということで、その生涯で内部被爆と外部被爆を合わせて100ミリシーベルトというのが、非常に難しいわけです。実際に生活していれば自然界から受ける被爆もあるわけですので、その生涯でというのは皆さんがお考えになっても難しい事だと思っているので、じゃあ1年の値をどうするかというのは、内閣官房に設置されました放射性物質汚染対策顧問会議などの専門家のご意見を伺いながら規制値の設定に向けて取り組んでいきたいと思っています。その100ミリシーベルトを年間何ミリシーベルトにするのか、大人と子どもをどうするのか、というところは本当に難しいことですが、なるべく国民の皆さんにしっかり納得していただけるような基準が作れればと感じています。
記者:
ポリオワクチンのことについてですが、この春もワクチンを介した感染者が発生していまして、接種控えですとかいろいろな保健所とかありまして接種者と非接種者が増えている中で、大臣として早期に不活化ワクチン導入に切り替えるであるとか、独自に輸入しているケースに助成するとかお考えですか。
大臣:
これは、国会答弁でも何回か答えさせていただいてますが、やはり1日でも早く不活化ワクチンが導入出来るようにリーダーシップをとってやっていきたいと思っています。
記者:
たばこ増税についてお聞きしたいのですが、復興財源に充てるという話もあるのですが、来年度以降の増税については。
大臣:
それは、昨年も税調担当の副大臣として、今回行っている税調では初めて30~40分データをお示しして、たばこ価格の議論をいたしました。その中で私が申し上げたのが、毎年一定の金額を上げていくと。必ずたばこ価格を上げ続けるということが、今吸ってらっしゃる方の8~9割が本当は禁煙したいと言ってるんですね。その背中を押すような値上げをしてくれという声も大変多いんです実は。だから、そういう意味では1回きりだと思うと、まだ、500円玉1こで買えちゃうものですから、去年私が提言したのが100円ずつ毎年上げていきましょうと。例えばイギリスは毎年3%ずつ上げてるんです。今は世界の中でも高い価格になっていますが、日本はご承知のように非常に価格が低くて、世界の平均は600円台です。ただ、この政権に初めてなって、全体として5%上げました。それまでは1%しか上げたことが無かったのを上げたので、昨年は財務省の方からあれだけ大幅に上げたので税収が減るから様子を見させて欲しいと言われたのですが、元々税収を上げるためじゃなくて健康を守るためにやるんでしょという話をずっとしていまして、これはたばこ規制枠組み条約にも批准しているし、日本は国際条約に批准しながらそれを守らないという、世界で不思議な国になっています。私もここの責任者になりましたし、出来ればたばこ事業法で財源として財務省が持っているのが本当はおかしいわけなので、健康の法律として厚労省が持てるようになっていけばいいと、これは、厚労省というより禁煙の超党派の議連の最終目標がそういうことです。民主党政権もたばこ事業法見直しということは、マニフェストの中にも、政策集の中にも入れさせていただいてますので、その方向で関係者としっかり協議していきたいと思っています。
記者:
では、来年上げようということですか。
大臣:
そうですね。色々なデータからすると700円台くらいまでは実は税収も減らないんです。ですから、少なくともそこまではたどり着きたいと思っています。

(了)