長妻大臣閣議後記者会見概要

H22.7.6(火) 10:59 ~ 11:24 省内会見室

広報室

会見の詳細

閣議等について

大臣:
閣議と閣僚懇談会、口蹄疫に関する会議を終えてこちらに参りました。閣議においては「公共サービス改革法に基づく公共サービス改革基本方針」を改定すること等が決定されました。 その他3つ報告をさせていただきたいと思います。まずは懸案である介護保険制度に関わる書類・事務手続の見直しに関するご意見募集ということを、山井政務官の強い指示により、役所にお願いをして意見を募集致しました。多くのご意見をいただきまして、細かい資料も付けさせていただいておりますが、具体的な事務負担に関するご意見が、項目が重複しているものもありますが、延べ1,255件ありました。その中で早期に対応が可能な139件については7月中に通知を出して是正をすることに致しました。139件の御指摘ですが、項目数にしますと約50程度でありまして、それを今月中に是正を致します。例えば、ケアプランの軽微な変更にあたってはサービス担当者会議の開催をする必要はないのですが、その具体例が今まで示されていなかったことによって保険者から「開くべきだ」ということで開いていた例なども散見されますので、具体例を示して「こういうケースは開かなくて良い」ということを詳細に提示をするということに致しました。更に、例えば、介護予防施策でありますが、検診の頻度が多いのではないかという御指摘もありまして、高齢者のニーズを把握するための調査でそれを代替するというようなことについても一定の見直しを図ることとしております。今後については、それを含めて延べ521件の御指摘につきましては、今後事務負担の軽減を行うということを予定しております。第一弾として7月末に今申し上げたものを実施させていただくということです。 二番目としましては、これも御指摘が多い案件ですが、介護サービス情報の公表制度についてであります。このサービスの公表制度、情報を公開するという趣旨は大切であると考えておりますが、この手法については利用者がこれを見てサービスの事業所に結びつくという例が少ないという実態があります。色々な意見を踏まえて次期制度改正時に介護サービス情報の公表制度に係る手数料負担を廃止することも含めて抜本的な見直しを行うように事務方には指示をしておりますので、これについて具体的な案を詰めて参りたいと考えております。 三点目ですが、新型インフルエンザワクチンの国内における開発体制が脆弱であるという問題意識を持っているところでございまして、全国民分の新型インフルエンザワクチンを約半年間で生産可能な体制を5年を目途に構築をすることを目指して交付事業の第一次分の採択結果が出まして、企業、組織に御協力いただこうということで評価委員会が選定をしたところでございます。

質疑

記者:
各種世論調査で内閣支持率が続落していまして、NHKでも先週の調査より7ポイント下がって結果が出たのですが、改めて大臣としては下がっている理由についてはどのように思われますか。
大臣:
一般論として内閣が成立を致しますと、その後支持は下がっていく傾向にあるというのはどの内閣も同じだと思います。そして選挙でありますので与野党の論戦が激しくなっていくという過程で一定の低下というのは我々も想定をしているところであります。ただ、消費税の議論に関しまして国民の皆さんの理解を得るべく今後とも私も含め、総理も含めきちんと説明をしていくことが重要であると考えております。もちろん消費税以外にも論点はありますので、そのことについても関係閣僚がきちんとした説明をし続けていくことが重要だと思います。
記者:
消費税を巡る論議で小沢前幹事長が否定的な考えを再三示していまして、党内の対立が激しくなっているという動きもありますが、小沢前幹事長のこういう発言に関してはどのように思われますか。
大臣:
考え方が違うということではなくて、次の衆院選挙でその信を問うて消費税の実際の着手をすると、こういうような趣旨でありまして、ムダ使いや天下りの問題を置きざりにしてやるということではないわけですので、そこの所についてはモノを言う角度、あるいは順番によって誤解を受けないように、厚生労働省でも省内事業仕分け室を作ってやっておりますし、決してムダ使い、天下り問題等々について、あるいは特別会計への切り込みなどについて全く手綱をゆるめるということではなくて同時に議論をしていくということについては、党内では一定の一致をしていると考えております。そのことについても総理、あるいは関係閣僚が説明をきちんとしていくことになると思います。
記者:
小沢前幹事長はマニフェスト変更についてかなり批判をされていましたが、厚生労働省分でも子ども手当など当初から変わった部分があると思いますが、小沢さんの発言についてどのように受け止めてらっしゃるでしょうか。
大臣:
具体的な項目について言われたのか私も直接聞いておりません。ただ一般的には国民の皆様とお約束したことを変えるということになる時は相応の説明をすることが重要であるということはどの議員もそういう認識は持っていると思います。ただ、子ども手当の満額2万6千円の現金支給におきましては、我々と致しましても今度の参議院選のマニフェストでは1万3千円の上乗せ部分について現物給付も含めて今後決めていくというようなことを書いておりますので、国民の皆様方には2万6千円の現金支給ということについては率直にお詫びをしなければいけないと考えているところでありまして、そういう説明をきちんと丁寧にしていくというようなお話だと思います。これについては詳細については4大臣合意というのもございます。平成23年度の予算編成の過程の中できちんと議論をして国民の皆様に最終的結論について御理解を得るべく説明をしていくということが必要だと思います。
記者:
所管外で恐縮ですが、賭博問題で揺れました公益法人の日本相撲協会に対して大臣から一言お願いします。名古屋場所について期待する点がありましたらお願いします。
大臣:
私も実態把握をして現状分析をした上で発言をすることが重要だと省内にも申し上げておりますので、私も報道以外では詳細に分析をしたことがありませんのでコメントについては差し控えたいと思います。
記者:
インフルエンザワクチンの生産に関して、計画が本格的にスタートしたということだと思いますが、目標は5年ということですが、この目標自体は少し前から言われていたと思いますが具体的に目標はいつを起点にして5年なのでしょうか。
大臣:
22年の1月から5年です。これも目途ということを申し上げておりますので、一定の時間を経た後に詳細な工程表も出して、それを中間的に一つ一つチェックをしていくという体制を作っていきたいと思っております。あとは、この前も報告を申し上げましたが、輸入ワクチンの解約に伴う交渉の中で一定程度の優先契約も獲得出来ましたので、そういうものも含めて鳥インフルエンザ、強毒性に対する対応を万全にしていきたいと思います。
記者:
年金改革の原則が発表されまして、関連してですが、厚生労働省として所得把握について今年度の予算計上をしているのですが、特に1号被保険者の所得把握について具体的にどのように進めていくのでしょうか。
大臣:
今後関係部局とも話合ってその手法を詰めるということになると思います。一元化といった時に所得の正確な捕捉というのは不可欠でありまして、これについては政府官邸ともども番号制ということについて国民の皆さんに選択肢を示すということも申し上げておりますので、そことも摺り合わせをしながらどういう調査が必要かという詳細について詰めていきたいと思います。
記者:
日本年金機構が発足して7月1日で半年経ちまして、やや再裁定などの支払いの件数が遅れている部分があるようなのですが、現状全体をどう見られておりますでしょうか。改革が進んでいるのか現状の御認識をお聞かせください。
大臣:
かつて三層構造と言われておりましたが、その時代に比べると風通しは一定程度良くなっていると思います。あるいはお客様へのサービスという概念も一定程度は根付いておりますが、まだまだ民間のサービスに比べると劣っているという認識を持っておりますので、それを向上させるべく取り組む必要があると思います。もう一つは再裁定については時間が経つにつれて、比較的難易度の高いものが残っておりまして、それについて一定の時間がかかっております。これについても事務センターの効率集中化を含めて、更にスピードを上げるべく取り組んで行きたいと思います。紙台帳の照合についても本人は未だに記録が抜けているとお気づきになっていない方もおられるので、そういう方に対する対応策についても取り組んで行きたいと思います。また、野党時代に我々が特殊台帳、紙台帳照合を強く政府に求めて、政府もその部分は当時の政権が始めておりましてその照合がほぼ終わりましたので、それについて気づかない方に通知を出しておりまして、結びついた人も出て来ておりますので、その成果も見て紙台帳について我々も取り組んで行きたいと思います。
記者:
B型肝炎訴訟の和解協議で、母子手帳の有無についてどういう方針で和解協議に臨まれるのか教えてください。
大臣:
本日裁判所で我々が申し上げるということにしておりまして、その場で原告の方にもそれが伝わるということです。今日の今日ですので、その時に御説明を裁判所でして、その後に皆様方にも説明を申し上げようと考えておりますので、その段階までお待ちいただければありがたいと思います。
記者:
介護保険の情報公表制度についてですが、今日の資料ですと寄せられた意見の中で情報公表を廃止出来ないかということについて「実施について検討する事項」に含まれているのですが、これは情報公表の制度そのものを廃止することを視野に入れているのでしょうか。
大臣:
先ほど申し上げましたのは、情報公表制度の手数料負担を廃止することを含めて根本的、抜本的な見直しを行うと申し上げました。やはり、手数料をいただくということはなかなか難しいと我々も考えております。冒頭でも申し上げましたが介護サービス情報の公表制度、つまり、情報公開そのものの考え方は正しい方向だと思いますので、なんらかの公表する仕組みは必要だと思っております。ただ、今やっているような仕組みそのものをそのまま残して行くことについては、我々は見直しをすると申し上げております。いずれにしても何らかの的確な公表、利用者の方が安心して利用出来るような情報提供は、民間主体か、公的機関主体かは別にして必要性は感じておりますので、それについても検討して行くというところです。
記者:
ハローワークで職員の方々が利用者の方に名刺を配るということが始まりましたが、これは大臣の思い入れが強かったのかなと思いますが、現場の職員からは名刺を配ることで悪質な嫌がらせ等が増えるのではないかという不安の声もかなり上がっているのですが、警察に届け出るような大きな暴力行為だけでも去年は年間22件ほどあったと聞いておりますが、そういった現状を把握された上で名刺を配るという決定をされたのかということと、そういった現場の不安の声についてはどのようにお考えでしょうか。
大臣:
これについても解釈についての問い合わせというのも来ております。例えば、名刺にはフルネームを必ず書かなければいけないのかとか、我々としては既に通知をお出していると思いますが、フルネームでなくても「相談員の何々です」というような名刺でもいいというQ&Aも出させていただいております。かねてよりバッジも付けているところですが、これも「国民の皆様の声」にも寄せられておりますように、多くの職員はきちんと対応していると思いますが、なかなか口の利き方や、対応の仕方、あるいはいろいろな態度の面を含めてまだまだ改善すべき点があるということがありますので、そういう意味で一つのサービスの改善ということです。ただ、当然当初の通知でも言っておりますが、一番初めの総合受付で「自分が相談する場所がどこでしょう」という問い合わせをする時に配るということではありません。これは一定の何十分か掛けて窓口で座ってその方と対面して、相談をするわけですのでその時には名刺を出していただくということです。この通知の前から、企業に訪問するハローワークの職員は昔から名刺を配っておりましたし、個別相談もこれまでハローワークでありましたが、その場合についても名刺は配っておりました。その時に私も問題意識を持っておりましたのは、役所で名刺を配る場合については自費だったのです。自分のお金で名刺を作って、それを配るということがハローワークの職場でもありましたので、きちんと皆様に配るということで、民間と異なる扱いでしたのでこれについても基本的には公費で名刺を作って配るということです。ただ、コストを最小限に抑えなければいけませんので、シートを配りプリンターで必要分を印刷して使うということにしております。これらについても我々としてもサービスを向上し、今後は職の紹介だけではなくて、生活相談などにも力を入れて行きたいと思っております。先行する年金事務所においても名刺を配っているところですので、我々としてもサービスの向上に努めて行きたいと思います。
記者:
なぜ「フルネームじゃなくていいです」ということになったのでしょうか。
大臣:
当初から通知の中でそれを明確に書いてありませんでしたが、その後、問い合わせがあって「絶対フルネームが必須なのか」ということもありましたので、「そういうわけではありません」というQ&Aを出させていただいているところです。
記者:
悪質な嫌がらせに対する不安があるということを踏まえての対応なのでしょうか。
大臣:
どういう背景があってお問い合わせがあったかという分析はしておりませんが、「基本的に必ずフルネーム、姓と名を必ず明記することが絶対条件なのか」というお問い合わせがありましたので名前だけでもということでQ&Aで返したということです。

(了)