長妻大臣閣議後記者会見概要

H22.1.5(火) 11:15 ~ 11:40 省内会見室

広報室

会見の詳細

閣議等について

大臣:
閣議と閣僚懇談会が終わりましてこちらに参りました。 私の方からは、野党時代に政府に情報開示を求めた病院の耐震改修状況調査について、初めてIs値0.3未満という病院の数や場所が判明したということであります。Is値0.3未満というのは国土交通省の基準でも、震度6強の地震の震動及び衝撃に対して倒壊し、又は崩壊する危険性が高いということで、問題がある建物だと認識をしております。その建物が164あるということであります。これについては、Is値0.3未満の建物を有する病院について、何故耐震化が出来ていないのか理由等の実態調査を速やかに行って対策を講じるように事務方に指示をしたところであります。21年度の第一次補正予算では病院耐震化に関わる基金というのが1,222億円あります。それと、平成22年度の閣議決定をした予算には89億円、これはメニュー予算でありまして、その89億円の内数が病院の耐震化ですが、こういうものを活用する。あるいは平成23年度以降も速やかに耐震化を促進する手立てを講じていきます。これは地方自治体と協力をするという話になりますが、取り組んで行きたいと思います。 そして、本日も報道がございましたが、国保組合に特別調整補助金という形で補助金が出ているということで、これについては特別調整補助金というのは法律で規定されているものでありまして、そういう性格のものでありますが、ただ、厚生労働省はこれまで国保組合の補助率、税金が入っている比率がどのくらいなのかということをきちんと計算をしてこなかったという反省に立ちまして、速やかに、すべての国保組合ごとに補助率がどれくらいなのかということを公表をして、それぞれ附加給付やどういうサービスがあるのかということも一覧表にまとめて、国民の皆様、記者の皆様に今週中に公表をしていきたいと思います。そして、きちんとそのあり方も含め精査をしていこうと考えているところであります。

質疑

記者:
新年最初の会見ということで、今年の抱負をお願いいたします。
大臣:
まずは明けましておめでとうございます。1月1日から色々申し上げているので忘れていました。 年頭に当たって、厚生労働省の講堂でお話を申し上げましたが、昨年は9月16日に就任をさせていただきまして、3ヶ月余りというのはある意味では政権交代ということで、政策が急カーブで変わるということで、それをまずは軌道に乗せていくと、初めの段階でレールから落ちないようにしていくことに神経を注いだところであります。いよいよ今年は予算の審議も始まりますが、さらに政策を進化させていく。そして役所文化を変えるというのも3ヶ月で役所文化がすぐに変わるわけではありませんが、人事評価基準の変更なども含めて、国民の皆様に奉仕をする役所に変えようということであります。そして、非常に大きなテーマとしては少子高齢化をどのように乗り切っていくのか、日本の国として少子高齢化のあるべき社会の姿を提示をして世界の模範になっていくということも必要であります。同時に、少子高齢化をてこに、新成長戦略ということでそれを推し進めると、こういうような課題が待っていると考えています。
記者:
総務省が政務三役会議を報道に完全公開をしました。それに対する評価と、厚生労働省にそういう考えは今後あるのかお聞かせ下さい
大臣:
総務省が政務三役会議を公開したということは聞いております。厚生労働省においては、今も冒頭の撮影をしていただいて、冒頭の私の話を聞いていただいて、会議が終わった後はブリーフということでその中身をお知らせをすると、こういうような取扱いをしているところであります。今のところはその取扱いを進めていこうということを考えております。
記者:
昨日、官房長官と通常国会で提出をされる法案について会談をされていましたが、通常国会で提出される法案の本数と内容について具体的にお聞かせ下さい。
大臣:
これはまだ詳細は決定しておりません。いずれにしても、今週か来週の頭までには決定をしなければならないと考えております。まだ具体的な本数というのは確定をしているわけではありません。もちろん子ども手当等々皆様にお約束をして予算を確保したもので法律が必要なものは出すということは当然のことでありますが、具体的な本数で検討中のものもありますので、まだ確定はしていないということです。
記者:
国保組合の関係ですが、隠れ補助金があったという報道を受けての受け止めをお願いします。
大臣:
これにつきましても、今まで補助率を計算してこなかったという報告を受けまして、これは国民の皆様にきちんと説明責任を果たすためのデーターを提示するということが不十分だったのではないかという感想を持っておりまして、これを機に国保組合について、その情報を開示をして精査をしていくということでありますが、いずれにしても平成22年度の閣議決定された予算でも補助の見直しというのは一部既に実施をしているところでありますので、さらに御指摘をきっかけに補助率も含めて透明性を高めていこうと考えております。
記者:
補助率について今後引き下げるということも含めて検討していくということでしょうか。
大臣:
実態をきちんと見なければなりませんので、本当に財政が厳しかったり、あるいは特別調整補助金というのも基本的には一定の要件があってそれに基づいて支出をしておりますので、その中身と附加給付というようなこと、つまり他の国保組合のサービスの基準よりも進んだサービスというのがどこの財源からなされていて、それが補助率との見合いで適正なのかどうかというのを総合的に判断をしていくということで、まずはそういう調査をきちんとして、国民の皆様にも開示をして我々としても精査をすると、こういう順番になると思います。
記者:
補助率を計算してこなかったと報告を受けたということですが、どうして計算をしてこなかったのか理由は事務方からはどのような報告があったのでしょうか。
大臣:
理由まで報告はまだ来ておりませんが、基本的にこれまでの慣例的な形で金額が踏襲されたという嫌いもあるのではないかと考えています。いずれにしても税金の使い方については、国家機密やプライバシーに触れない限りは全面的に公表をするのは当然だと思いますので、今後この件については公表を定期的にしていきたいと考えております。
記者:
公設派遣村についてですが、内閣府の湯浅参与もおっしゃっていましたが、若い人が多くて雇用の流動化がその背景にあるという指摘もありますが、派遣法の改正も含めて雇用の流動化に対してどのように対処するのか、あるいはどのようなお考えなのかお聞かせ下さい。
大臣:
リーマンショック以来の景気低迷というのが非常に大きいわけでありまして、雇用全体のパイを広げる「新成長戦略」、鳩山内閣でも昨年末に基本方針を出しましたが、それを推し進めるということが重要で、当然金融政策とも絡めていくということでありますが、今おっしゃられたように私もそこに参りまして、若い方が非常に多いと、何人もの方とお話を致しまして本当に大変な状況であると。その背景には行き過ぎた雇用の規制緩和があったということは間違いのないことだと考えておりまして、それを適正なものに戻していくという努力をしなければならないという発想を持って一連の法案の準備等もしているということであります。
記者:
関連ですが、派遣法を通常国会に出されるのかという確認と、派遣法の中身について社民党の福島党首から審議会の建議が不十分だという声が出ておりますが、修正をされるおつもりはありますでしょうか。
大臣:
やはり、連立政権ですので社民党の意見もきちんと聞いて行くということで、その調整を今しているところです。法案については、基本的に通常国会に提出するような考え方で今進んでおります。
記者:
関連ですが、昨日も湯浅参与と、山井政務官が会見されましたが、生活保護のあり方、湯浅さんは具体的に住所が定まっていない方への生活保護は、今は都道府県ですが、今後は国が見るべきではないかという具体的提言もありました。また、第2のセーフティーネットの使い勝手があまりよくないと山井政務官も御指摘になっておりました。そういう見直しを早急にする要請があると思いますが、その見通しを。ナショナルミニマムの研究会を大臣は熱心に提案されておりますが、その議論をもう少し早めて行くような可能性があるのかお聞かせください。
大臣:
第2のセーフティネットの一つは求職者支援という考え方ですが、これについては平成23年度から恒久措置をすることをかねてより申し上げております。今は、基金講座ということで、基金を使った講座と生活支援ということを実行しておりますが、それについても講座の中身と受講生の方のニーズのミスマッチ、あるいは、直接就職に結びつきやすい講座を開設する必要がありますが、それがきちんとなされているのかどうか、こういう検証が必要です。早急に出来るものは手を付けていくということは当然だと考えております。そして、生活保護全体の考え方、財源をどうするのか、あるいは生活保護や、憲法25条で保障されている最低限度の生活のあり方や、それをどう国や地方自治体が支援するのかというのは、非常に大きな問題です。すぐにその結論が出るという問題ではありませんが、出来ることから始めて行くという発想で、ナショナルミニマム検討会はある意味ではそういう問題に対する哲学というか、政府としての基本的な考え方を打ち立てる場所ですが、当然、喫緊の問題についても今後研究会でも議論して行きたいと考えております。
記者:
昨日発足しました日本年金機構ですが、昨日も何回か言及されておられますが、改めて現場の実態、メールとか、直接返事をもらえるようにするのもそうですが、どう把握されるのか、また、具体的にどのような指標によって、これだけ信頼が回復したのかとするのかお聞かせください。
大臣:
これについては、紀陸理事長をはじめ、あるいは若手職員から、事前準備の中でいろいろなアイディアが出て進んだ経緯もあります。その中で、現実の実態というのは今も続けておりますが国民の皆様から苦情や御指摘をいただくものを毎週公表するというものも日本年金機構でこれからも継続して、さらに分析をして改善に役立てて行くという仕組みも、取り入れて行きたいと思います。そして、これも日本年金機構の中でも御議論をいただいているものですが、例えば、お客様がどれだけ満足されておられるのか、顧客満足度的な指標もどういう指標が適正かを検討して、その指標の向上を目指して行く。あるいは、覆面調査的な形でサービスをチェック改善して行くなど、いろいろな知恵が出て来ておりますので、そういうことも含めて取り組んで行きたいと考えているところです。 あと、紙台帳の照合というものも大変有効であるというのも、この前も発表させていただきましたが、1期4年の中で全件を照合するということは、決まっていることですので、その中で優先的に照合するカテゴリーをきちんと探して、間違いの多いところから集中して照合するということも、大きな使命であると考えております。窓口サービスだけではなくて、バックオフィスと言いますか、その作業もきちんと続けて行きたいと思います。今度は年金局と、日本年金機構が連携をして取り組むということですので、基本的にまだ実態解明が不十分な点も多々ありますので、サンプル調査も多用して実態解明も進めて行くということも取り組んで行くところです。
記者:
関連ですが、年金機構の発足に伴って年末にも質問がありましが、社会保険庁長官が解任になり、定年退職まで4年を残していたと思いますが、特に後任のポストを充てず、辞任ということにした判断理由をお聞かせください。
大臣:
あまり、個々の人事について細かく言うことがいかがなものかということもありますが、社会保険庁長官は過去に懲戒処分を受けておられました。かねてより申し上げておりますが、日本年金機構は懲戒処分を受けた方は移行しないということですので、トップだけ例外を認めるということはどう説明が付くのかという考え方もあり、いろいろ総合的に判断をいたしまして、長官から勧奨という意思もありましたので今回の人事になったということです。
記者:
全大臣にお聞きしているのですが2010年、厚生労働行政を担う大臣として、国民に「これはお約束したい」ということがありましたら、お聞かせください。
大臣:
2010年、厚生労働省を本当に国民の皆様に、奉仕する、信用出来る役所に変えて厚生労働行政をさらに国民の皆様の安心に繋げて行きたいということです。
記者:
病院の耐震化率についてですが、耐震化率が56.2%、62.4%という数字がありますが、これについての評価をお願いいたします。
大臣:
今62.4%と言われたのは「災害拠点病院及び救命救急センター」の耐震化率ですが、これについては平成22年度までに災害拠点病院及び、救急救命センターの耐震化率を71.5%とする目標を立てておりますが、その意味では今の段階では62.4%ということで目標が達成されておりませんので、あらゆる手段を使って目標を達成して行きたいと考えております。

(了)