塩崎大臣会見概要

H29.5.9(火)8:47 ~ 8:58ぶらさがり

広報室

会見の詳細

閣議等について

大臣:
おはようございます。私からは特にございません。

質疑

記者:
まとめて二点お尋ねいたします。大臣は先週、訪米されて保健福祉省と覚書を交わされましたけれども、この訪米のポイントについてお尋ねいたします。また昨日、自民党の会合で受動喫煙防止対策を巡りまして、対策は必要だということで一致したものの実態としては、厚生労働省が考えている案を実質的には基準を緩和するような方向でまとまっているということを受けて、今後の厚生労働省としての考え方をお聞かせ下さい。
大臣:
訪米につきましては、まずプライス保健福祉長官と初めての大変良い会談をいたしました。トランプ政権がどのようになるのかということは良く分からない部分がまだあるものですから、直接話をするということで、例えばグローバルヘルスの問題についても非常に前向きに考えていただいているということで意見も一致をいたしました。様々な意見交換が出来、その上で今回、この協力の覚書というものを交わすことが出来ました。これについては、幅広く日米で医療をはじめ、様々な検討をしながら協力をしていくということで一致したので、大変良かったと思います。NIH(米国国立衛生研究所)やCDC(米国疾病予防管理センター)、そしてMDアンダーソンのがんセンターについては、世界で一番大きながんセンターでありまして、日本のがんセンターの中釜理事長、それから間野研究所長も御一緒に行ってしっかり勉強してきて、この5月にもまとめるであろう日本の新しいがん対策、特にゲノムを中心とした、コンソーシアムをつくりながら、がんを無くしていくということを国家戦略として考えておりますが、それをしっかりやっていきたいと思っております。たばこにつきましては、昨日政調会長のお声がけで、党内の関係幹部議員によります会合があったと聞いております。望まない受動喫煙を無くすという考え方で一致されたということでありまして、大変結構なことだと思っております。これまでの党内での議論が整理、確認をされたと伺っておりまして、関係者の御努力に、改めて感謝を申し上げたいと思います。しかし一部報道を拝見しておりますと、飲食店における表示義務などについてお話が出たようでありますが、関係団体から既にこの問題についてはいろいろな懸念が示されてまいりました。第一点目は、職場の歓送迎会やお取引先との会合や会食などで、喫煙可能な店であった時には、事実上これは拒否を出来ないので、望まない受動喫煙、いわば嫌々受動喫煙という事態を強いられるということになることや、従業員の皆様方や大学生や高校生のアルバイトの皆様方が煙にさらされる事態に遭遇してしまうわけで、結局望まない受動喫煙を無くすということにはならないことをどう考えるのかということが一点目であります。二点目は最近若い方々を中心に、食べログなどでインターネットで予約することが良くあるわけであります。店舗の入り口に表示をしたとしても、そのような直接ではなく、まとめてインターネットの情報などで申し込みをするようなことになるわけでありますから、インターネットで予約をして行ってみるとたばこを吸う所であるということになってしまって、時すでに遅しということで、職場の歓送迎会などもやってみたら、結局たばこを吸う店に行ってしまって、例えば妊娠している女性は黙っている方もおられるわけでおられますでしょうし、人知れずがんと戦っている方々が煙にさらされるということをどう考えるのかという問題もあると思います。それから、三点目は、2008年の北京オリンピック以来、次期韓国の平昌にいたるまで、一貫したたばこフリーのオリンピック・パラリンピックをやってきた長い伝統があるわけですが、これを破ることになるのは、そのことをどう考えるのかということもあると思います。表示義務案に対しましては、このようないくつかの大きな課題が指摘されてきておりまして、今後党側と良く話し合って、考え方を伺ってまいりたいと思っております。ただ、関係者の御尽力のおかげで論点がかなり絞られて明確になってきたということもございますので、今後、今国会への関連法案を提出するということについては、昨日集まった皆様方も我々も全く同じ考えでありましょうから、我々厚生労働省としての受動喫煙対策の徹底ということについての基本的な考え方を部会などで広く説明をさせていただきながら、議論を深めて成案を得ていきたいと思っております。
記者:
熊本市の「こうのとりのゆりかご」について、10日で運用開始から10年を迎えるにあたり、大臣の所感と国との関わり方についてお聞かせください。
大臣:
私が官房長官をやっているときに赤ちゃんポストが始まっておりまして、そのとき個人的にショックを受けたことを覚えています。それはなぜかというと児童虐待の問題がここまで深刻になっているということであります。いろいろな難しいケースがあって、こういうようなことをしなければならないと考える人が出てきていたということでありますから、これはむしろ予期せぬ妊娠によって生まれてくる命がこういう形になることを、本当にそういうことが起きないようにしていくべきであって、昨年の児童福祉法の改正は、まさにその問題意識を踏まえて、子どもの健全育成を受ける権利、子どもを権利の主体として考えるということをやらさせていただいたわけであります。今国会では司法の関与で児童虐待が起きないように、起きたとしても子どもの健全育成が守られていくように、そういう子どもの権利を大事にする行政をしっかりとやっていかなければならないので、そのための法律を今国会で発表させて頂きました。特別養子縁組というのが「こうのとりのゆりかご」のある慈恵病院のやっていることでありますが、我々としても特別養子縁組を考えていただけるように産婦人科の待合室にポスターを貼るということで最終的な調整を行っておりますが、そういうことで仮に予期せぬ妊娠をしたとしても、ご自分で育てるのが一番でありますが、それができない場合にはいわゆる特別養子縁組のような命を守りながら、子どもが愛着形成を図りながら育っていくという道があるということを知って頂いたうえでご判断をしていただけるようにしていきたいと思っております。
記者:
松山市の医療クリニックでさい帯血を無届けで投与していたということで警察も捜査しておりますが、昨日、厚労省も処分を行ったということで、受け止めとともに対応をお願い致します。
大臣:
残念なことでありますけれど、私の地元でございまして、それに対しましては5月8日の月曜日に厚生労働省による立ち入り検査を致しました。その結果、法違反が確認されましたので、同日付でさい帯血を用いた再生医療を無届けで行っていた今ご指摘の松山市内のクリニックに対して、再生医療の提供の一時停止を命じる緊急命令を行いました。このクリニックに対しましては、患者への説明や過去に健康被害が発生していなかったかどうかの調査報告についても命じているわけでありまして、本件の詳細な事実関係を厚労省としては把握して、引き続き再生医療の安全性の確保に努めていかなければならないと考えております。
記者:
AMRについてお伺いします。抗生物質の適正使用について改めてガイドラインの作成の理由と、今後国民にどのように周知徹底していくかスケジュールのメドがあれば教えてください。
大臣:
去年既に4月に国別アクションプランというのを作成して、日本としての適正使用の数値目標を示しているわけでありまして、2020年までに3分の1削減をする、特に3種類の強い抗生物質については半減するという訳であります。国民の意識をどうするかという問題がありますが、その前に医療関係者、医師の処方に当たっての考え方について適正使用について考えていかなければなりませんので、こちらにどういうふうに有効性を持たせていくかということを考えていくべきであります。もちろん、患者サイドから先生方にこういうの出してくれと言われ、先生もつい出すということがあると聞いておりますので、国民に対しても更に周知しなければならないと考えております。2020年までに3分の1削減するというのが、人に対する抗生物質の投与の数値目標でありますので、これを更にもっと周知徹底をしていきたいと思います。

(了)