塩崎大臣閣議後記者会見概要

H27.12.22(火)10:30 ~ 10:43 省内会見室

広報室

会見の詳細

閣議等について

大臣:
おはようございます。私の方からは2点ございます。まず、「がん対策加速化プラン」についてであります。本日、閣議におきまして、今年の6月に総理から私に対して指示がございまして、厚生労働省が中心となって策定いたしました「がん対策加速化プラン」を御報告いたしました。「がん対策加速化プラン」は「予防」、「治療・研究」、「がんとの共生」を3本の柱としたものでございまして、今後は「がん対策加速化プラン」に基づいて、がん検診の受診率の向上、がんのゲノム医療の推進、就労支援の充実などを図ってまいりたいと思います。なお、お手元に「がん対策加速化プラン」の概要に加えて、「日本と海外のたばこ対策の状況」を配布させていただきました。「がん対策加速化プラン」の策定に先立ちまして、がん対策推進協議会がとりまとめた提言においても、たばこ対策の充実が強く求められております。今後は、資料に示す海外の取組も大いに参考にして各府省庁とともにたばこ対策に取り組んでまいりたいと思っております。二つ目は、「すべての子どもの安心と希望の実現プロジェクト」についてでございますが、昨日、ひとり親家庭・多子世帯等の自立支援策及び児童虐待防止対策の強化を盛り込んだ「すべての子どもの安心と希望の実現プロジェクト」が子どもの貧困対策会議で決定されました。すべての子どもの安心と希望を実現するために、ひとり親家庭等の自立支援や児童虐待防止に向けた、あらゆる取組を進めていくことが重要でございまして、安倍内閣としてこれまでにも増して子どもの問題に真剣に取り組んでまいりたいと思っております。厚生労働省としては、昨日決定されましたプロジェクトに沿って、施策を着実に実施するとともに、来年の通常国会に児童扶養手当法改正案及び児童福祉法等の改正案を提出することを目指しているところでございます。以上、私からでございました。

質疑

記者:
化血研(一般財団法人化学及血清療法研究所)の問題についておうかがいします。ボツリヌス菌を運ぶ際に、必要な届出を怠っていたとして、昨日、厚労省が会社側に立入検査に入りました。化血研については血液製剤の製造をめぐる問題で、大臣はこれまでいろいろ検討した上で、刑事告訴をするかどうか判断するということをおっしゃっているかと思いますが、改めてこの問題に対する御所見と今後の厚労省の対応についてお聞かせください。
大臣:
化血研の問題につきましては、ワクチンや血液製剤の製造に関して、承認を受けた製造方法ではない作り方をするなど、長期にわたって、周到な組織的欺罔(ぎもう)隠蔽工作を行ってきたということでありまして、大変遺憾なケースでございました。これに加えて、今般、ボツリヌス毒素のような厳正な管理を求められているものについても法令上の手続違反があったということで、大変遺憾なことがまた判明したということであります。化血研に関しては、報告徴収に引き続いて、12月21日、昨日から本日まで、感染症法に基づく立入検査を実施しました。事実関係を確認した上で、厳正に対処していきたいと思っております。化血研につきましては、本事案を含めて、組織形態の変更等を含めたガバナンス体制、コンプライアンス体制の抜本的な見直しを検討することが必要だと考えておりまして、引き続き精査をしながら、どのような対応をしていくべきかについて改めて決めていきたいと思っております。
記者:
がん対策加速化プランについてうかがいます。がん対策推進協議会から示された提言では、たばこ税の引上げや、たばこ容器包装の注意文言の見直しについて明記をされましたが、今回の加速化プランからは抜け落ちています。たばこ税については表現が弱められていますけれども、これについて大臣の御所感をお願いします。
大臣:
プランにつきましては政府内、特に財務省との調整の過程で現在の記載という形になったところでございまして、厚生労働省としては、たばこ税の引上げ、それから今お話のあった容器包装のパッケージの注意文言とか、広告のあり方について、喫煙率を減らしてがんを予防するという観点から、重要な施策だと思っています。日本のたばこの販売価格及び税額は、諸外国に比べて、お手元に資料もあろうかと思いますけれども、低い価格でございます。税率も低い。厚生労働省としては、継続してたばこ税の税率の引上げを要望していきたいと思っております。たばこの容器包装についても、諸外国では画像による警告表示を導入する国が増えているわけでありますけれども、日本では画像による警告表示というのが行われていないということで、お手元に資料が届いているかと思います。たばこの広告規制についても、諸外国ではテレビ、新聞による広告を法律によって規制しています。ところが日本では、日本たばこ協会という団体の、民間団体の自主基準によるものということで、法律による規制と全く異なるという形になっています。たばこ税の税率の引上げや、容器包装の注意文言、広告のあり方、喫煙率を減らしてがんを予防するという観点から非常に重要な施策だと考えておりまして、厚生労働省としては、財務省をはじめとした関係省庁に積極的に働きかけて取り組んでいきたいと思います。御案内のように2020年には東京オリンピック、パラリンピックを控えているわけで、以前にも申し上げたと思いますけれども、罰則付きで受動喫煙を禁止していないオリンピック開催国というのは近年ないと、日本だけということを明確に国民の皆様方にも知っていただくべきではと思いますし、外国からのインバウンドをさらに受け入れようということであれば、ますますもって受動喫煙の禁止ということは極めて重要なおもてなしの心になるということではないかと思いますので、皆様方にもぜひ御協力をお願い申し上げたいと思います。
記者:
薬の誤飲の問題についておうかがいします。消費者事故調(消費者安全調査委員会)が先日厚労省に対して、子どもが誤って薬を飲む場合の事故について防ぐように、いろいろ対策を提示されていますが、これについて大臣の受け止めと、厚労省としてどのように対応されるか、お願いします。
大臣:
子どもさんが間違って飲んではいけない薬を飲んでしまうということは大変問題であって、現在厚生労働科学研究班において包装容器面を含めた誤飲事故防止対策を検討しております。包装容器を開封しにくくすることも考えてやっているわけでありますが、これが今度は逆に高齢者などにどう影響するのかということも留意しないといけないと指摘をされておりまして、今後対策をよく考えた上で示していきたいと思っております。なお、子どもさんによる医薬品の誤飲を防止するためには、まず御家庭で医薬品を適切に管理するということ、子どもの手に届かないところで管理することが極めて大事であって、厚生労働省としては地方公共団体、医療関係者などを通じて、周知や注意喚起をしていかなければならないと考えておりますので、我々としても努力をさらにしていかなければならないと思っております。
記者:
政府は一億総活躍社会の実現に向けて、3世代同居と近居を後押ししていますが、小さなお子さんをもつ人の中には同居や近居をすると保育所の入所において不利になるというのは困るという声もあります。こういった声にはどう対策しますか。
大臣:
これは身近に私の家族でも同じことがやや懸念としてあったりする、大変大事な問題だと思います。子ども・子育て支援新制度がこの4月に施行になりましたけれども、保護者の同居の親族などが保育できるという場合には、保育所の入所要件に該当しないというかつての方針は、この新制度で、そういった場合でも保育の必要性を認める取扱いに変更したわけでありますが、一方で待機児童がいる地域においては、利用の優先順位を付けないといけないということで、同居の親族などが保育できるという、おじいちゃん、おばあちゃんが近くにいる、あるいは同居しているといった場合の優先順位付けに際して判断要素として加えるということができる扱いになっています。したがって、保護者の利用希望が満たされるためには、受け皿の拡大、つまり待機児童の解消をするということ、つまり保育施設をもっと整備するということが何より大事であって、待機児童解消加速化プランによって、待機児童解消を確実に進めていかければならないということを思っておりまして、我々としてはそれをしっかりとやっていかないといけないと思っております。

(了)