田村大臣閣議後記者会見概要

H26.4.22(火)9:04 ~ 9:22 省内会見室

広報室

会見の詳細

閣議等について

大臣:
おはようございます。今日は私からは御報告はございませんので、御質問を頂きたいと思います。

質疑

記者:
GPIFについて質問させていただきます。運用委員会の新しいメンバーが任命されまして、任命されるんでしょうけれども、この中には政府の有識者会議で国債を中心とした資産運用を見直すということを提言した方々も含まれています。一方で、慎重な運用を求める意見も根強いですけれども、委員それぞれに対する期待することを教えていただけますか。
大臣:
これはまさに今日7名任命をさせていただくわけでありますけれども、基本ポートフォリオの見直しということでございますので、そういう意味で体制を一新させていただきました。今、経済状況が変わりつつある中において、やはりデフレから経済成長、名目で経済成長をしていくというような状況になってきつつあるわけでありまして、その中において市場環境もいろいろと変わってくると。そういうことをいろいろと見越しながら財政検証をしておるわけでありまして、必要な運用利回りをしっかりと確保しながら、一方で、やはりリスクというものを抑えていくというような運用ということでポートフォリオを作成される専門家の方でありますとか、国際的に非常に活躍をいただいておられる経験豊かな方々、そういう方々に入っていただいて、今回見直しにかかっていただくということでございます。
記者:
関連して、委員長には米澤(康博)さんが就任されるという見方が強まっていますけれども、大臣の米澤(康博)さんに対する評価と、仮に委員長に就任した場合に特に期待されることは何かございますでしょうか。
大臣:
まだ就任はされたわけでもございませんのでコメントはその点は差し控えますが、いずれにいたしましても、今日任命させていただく方々はそれぞれの分野で非常に能力がある方でありますので、委員長になられる方には全体を取りまとめていただきながら、本来のこの年金の資産運用、これの目的にしっかりと沿った、そういうような活躍をいただきたいというふうに思います。
記者:
認知症やその疑いあって行方不明となって、無事保護されたんですけれども、身元が分からないと。自宅に戻れずに自治体の保護という形で、今も介護施設なんかで暮らしているという方が取材できただけでも4人いたということです。認知症の人については地域包括ケアという形で進めていらっしゃって、特に行政の各機関が連携して支えるというものが基本だと思うんですけれども、今後高齢化、単身化、それに認知症の人が増えていくということが予想される中で、今回の事例をどのように御覧になっているのかということをまずお聞かせいただければと思います。
大臣:
社会的に超高齢社会に入ってきまして、特に日本の国は平均寿命が非常に長くなってきている国でありますので、当然のごとく認知症の方々も増えてこられるわけであります。そういう意味では厚生労働省としても5か年計画を立てて、早期のうちから対応するということで初期集中支援チームというものを作りながら、各地域で早いうちから対応をいただきたいというようなことでお願いをさせてきていただいておるわけであります。取組はそれぞれ地域、行政や自治会でありますとか、いろんな形の中で対応をいただいておりまして、例えば認知症SOSネットワークとうようなものを作っていただきながら対応しておられる自治体もありますが、基本的にはやはり自治体の中でいろいろと工夫をいただくということが中心になると思います。名簿を作るといっても、全国のデータベースというのにはなかなかいかない話でありまして、もちろん認知症で発見された方は名前や住所がわかっておられれば御自宅に戻れるわけでありますが、そういうことがなかなか意思表示ができないという方であれば、何で身元を見つけるかというと、例えば遺伝子でありますとか、そういうようなものでないとなかなかわからないわけですよね。それをやろうと思うとすごいデータベースを作らないといけない、それは個人情報の問題もありますので、なかなかそこまでのものを全国的に整備するというのは難しいわけでありますので、やはりある程度は自治体でそこは御認識をいただきながら、我々もそのような問題、どのような対応の仕方があるのかということも含めて、いろいろと自治体と力を合わせて検討をしてまいりたいというふうに思いますけれども、なかなか全国一律の名簿みたいなものを作るというわけにはいかないと。認知症の方々たくさんおられますし、そこら辺のところは難しい課題として自治体との協力体制の中で対応してまいりたいというふうに思います。
記者:
自治体の中で徘徊が収まっていればそれほどそんなに難しくないんですけれども、取材をしていますと自治体を越えて行ってしまうと。特に都心なんかですと電車に乗ってしまえばすぐ越えていくと、都道府県を越える、県境を越えるようなこともあるわけです。そういう中で本当に自治体の中だけで済むのかという、はっきりそこまで取材が行き届いているわけではないんですけれども、そういう実感もあります。そういう意味で、自治体だけではなくてもう少し広い形での取組というのが必要なのではないかと思いますが、大臣はどのように。
大臣:
基本的に認知症の方で重い方という話になると、家族と住んでおられるパターンがあるわけでありまして、家のおじいちゃん、おばあちゃんがいなくなれば普通は家族の方から捜索願が出ると。捜索願が出ればどこかでそういう徘徊されて身元不明の方が見つかればそこで警察情報と併せてということが一つあると思います。それから、独居で認知症でという形の場合も御近所の方々のコミュニティでそういう方々を把握しておられなければという話で、地域の中でそういうような情報で合わせていく。もしくは家から出られないということになればたぶんよほど介護サービス等々を受けておられる方々が想定されるので、そうなれば介護サービスの提供者の方が、例えば訪問でこられた方が本人がいないということになれば、それに対して一定の情報提供みたいな形で、そこにおられた方がおられないという形の中で、うまく情報が合わさればそこの方だということがわかるということで、そういうことも含めて、やはり徘徊をされてどこかで身元不明で発見された認知症の方に対応をしていくというのも一つであろうというふうに思いますから、そういうことを上手く工夫しながら、言われたような課題に対応していくというのが、今一番現実的な対応なんだろうなというふうに思います。
記者:
GPIFの人事についてですが、先ほど国際的に経験豊かな方々、能力のある方というお話がありましたが、人選に当たって特に留意した点、選考基準などがあったなら教えていただければと思います。
大臣:
やはりこれ、人心を一新させていただいたのは大きく経済の局面が今変わりつつあり、あわせて、運用環境も変わりつつあるということでございましたので、そういう意味で人心を一新させていただきました。御承知のとおり、年金の運用というのはやはりまずは被保険者の方々の利益というのが第一であって、安全で効率的ということであります。安全性というものはしっかり担保していただかなきゃなりません。ただ、運用環境が変わったということは何が安全かということも変わるんですね。分散投資という中において、どのような形でリスクを分散させて目標の運用利回りというものをしっかりと確保していただけるかということでございますので、そういう意味で、運用環境が変わる中においてしっかりとその中において力を発揮いただけるというふうに我々といたしまして、期待をさせていただく方々に今回そのポジションに就いていただくということであります。
記者:
新型出生前診断についてなんですけれども、19日に日本産婦人科学会が1年間で7,775人が受診して141人が陽性だったと発表しました。今後、陽性と判断された人の中絶の問題について法律でルールを定める必要があると考えてらっしゃいますか。
大臣:
これは非常に難しい問題でもあります。その倫理観だとか、生命観だとかいろんな問題、日本の国の中においてもそれぞれ違うわけでありまして、そういう中において臨床研究という形で今、学会の方々にお願いをさせていただきながら進めていただいておるわけでありまして、学会の指針に則って臨床研究を進めておられると。その1年経って結果を御発表いただいたということであります。まだ研究は続いて継続されておるわけでありますが、今回の結果から見ても6割の方々が十分にこの基礎知識というものを持っておられたわけでもないというようなお話でございまして、これは引き続きこの研究を続けていただきながら、いろんな問題点、課題等々も抽出をいただくものであろうというふうに思います。今すぐに国がどう対応するかというようなところは我々はまだ考えておりません。それよりかはこの非常に難しい問題である点に関して、この臨床研究がどのような問題点というものを我々に提起をいただけるかということも含めて注視をさせていただきたいというふうに思ってます。
記者:
先ほどの質問に関連するんですけれども、認知症で身元不明のまま自治体に保護されている方が弊紙の調査でも5人ほど仮名のまま生きられているという状況がわかって、それに至るまでに警察で保護された後、自治体に引き継がれて年間100人を超えるぐらいの方が自治体の提携している介護施設などで保護されているようなんですが、そういう実際身元不明の状態が続いている人であるとか、そこまでは至らないけれども、数日間ないし数か月にわたって身元不明の状態のまま自治体が保護せざるを得ないような人、そういうのが全国的にどれぐらい発生していて、今後厚労省としてはどういう体制を築いていきたいと、そのような考えはございますか。
大臣:
厚生労働省が国としてたぶんすべて管理するというのはなかなか難しいんだろうと思います。認知症の方、その症状の重い軽いは別にして、何百万人というような数字になってくるわけでありますので、それも含めてやはり自治体がある程度それぞれのコミュニティ等々を介して御把握をいただく、協力体制を組んでいただくということが重要なんだと思います。本当を言うとそういう例があるのは事実なので、全く以てそれに対して我々として無策でいるというわけにはいかないという認識はあるわけでありますが、ただ、本来日本のこの社会生活の中においてのコミュニティといいますか、そういうことからすれば身元が不明ならば何らかの形でどこどこに不明者がおられるということを把握する、また、できるそれだけの力を本来持っているんだと思うんですが、それは地域の状況にもよって違うので、そういうような例えば都市部で独居で多いといわれるような、そういう地域があるならばそこに対してどういうような対策を組んでいくべきであるかというのはちょっと我々もいろいろと検討してみたいと思いますが、先ほど申し上げたとおり、国が一律に全ての方々を把握して何かあった時みたいなデータベースを作ってというのは、これはもう事実上不可能に近い話であろうと思いますので、そこは自治体と協力してそれぞれそういう課題を抱えている自治体に対してはどのような解決策があるか、いろいろと相談をさせていただきながら、アドバイス等々も含めて対応してまいりたいというふうに思います。
記者:
労働時間のことでちょっとうかがいます。労働時間の適用除外を幅広く認めるべきだという民間議員の提案が今日の夕方の経済財政諮問会議に出てくるという話があります。なかなかちょっとお答えしにくいことだと思うんですが、大臣はその労働時間の適用除外を幅広く認めるということについてどのようにお考えでしょうか。
大臣:
まだ出てきてないんで、私としては今どうコメントしていいのかわかりませんが、ただ一方で子育て期の家庭、それからそれこそ高齢者の方々がおられる家庭で介護が必要なそういう家庭において、一定程度自由な働き方がないとその仕事を続けられないという課題は以前から我々も感じておりましたし、そういうような要請が一つこの産業競争力会議の中でもあるというのは我々も認識しております。ただし一方で、ワークライフバランスも守りながら労働者の健康というものをしっかり確保していかなきゃならんというのが、これは当然厚生労働省の立場でございますので、そういうことも踏まえた提案を今日うちの方からさせていただきたいなというふうに思っておりますので、その提案を見ていただいて産業競争力会議の皆様方がまたどのような御理解をしていただけるかという部分はあるんだというふうに思います。

(了)