田村大臣閣議後記者会見概要

H26.3.18(火)8:58 ~ 9:21 省内会見室

広報室

会見の詳細

閣議等について

大臣:
おはようございます。本日は私からは御報告はありませんので、御質問を頂きたいと思います。

質疑

記者:
昨日明らかになったインターネットのマッチングサイトを介して預けた2歳児がベビーシッター宅で亡くなっているのが見つかったという事件なんですけれども、事件は調査中ではありますけれども、すでにこの件はネットを介した匿名性とか、あとそれからベビーシッターの資格要件、事業者の要件等々、その辺りがすでに問題視というか、有識者の方々から意見として挙がっていますけれども、大臣の受け止めと、厚労省として今回の件で対応できる点があるのかをお願いいたします。
大臣:
まずはお亡くなりになられた2歳のお子さん、心から御冥福をお祈り申し上げたいと思います。その上でですね、今般の事案はインターネット上の紹介サイトというところでどういう仕組なのか、個人個人でのマッチングになっているのかどうかも含めて、状況は調査をしてみたいというふうに思います。基本的にはこれから子ども・子育て支援制度が始まりますと、例えば業としてやっておられるとすればそれは居宅訪問型の保育サービスということで、保育事業ということで、預かる方に関しましても市町村で認定を取ってもらうと。研修等々をやって認定していただいた上ですよ。事業者は認可になりますので、市町村の。そういう形で公費が入りますから制度の中に取り込む制度になると思うんですが、個人でやっているとなると、なかなかまた違う話になりますので、できれば業でやられるならば新たな制度でしっかり質を担保していただいて御提供をいただければありがたいというふうに思います。一方で、今般のような事案もありますので、厚生労働省としては注意喚起、これは留意点等々も含めて促させていただきたいというふうに思っております。あくまでも大切なお子様でございますので。今回ベビーシッターの場合は、普通は御自宅の方に来られることが多いんですけれども、今回は逗子のお子さんですかね。それが、埼玉で預かられたということでございますので。
事務方:
磯子、横浜市です。
大臣:
横浜市らしいですけれども、いずれにいたしましても都道府県を越えて見つかったということでございますので、ちょっとベビーシッターというよりかまた違った形態のような気もいたしますけれども、こういうことが起こってはですね、不幸なことでございますから、そこら辺のところも注意喚起をしっかりさせていただいて、親御さんには是非ともお子様を安全な環境な下で預かっていただけるような、そんないろんな意味で御注意をいただきたいというふうに思っております。
記者:
明日、明後日とですね、日朝の赤十字会談が開催されると思いますけれども、今回は北朝鮮で亡くなられた日本人の遺骨の収集問題というのがテーマにあると思うんですけれども、厚労省からも職員を派遣されるとか何らかの対応を取られると思うんですが、この対応と拉致問題に関して今焦点が集まっていますけれども、この辺りとの関連で何かできるかをお願いいたします。
大臣:
次の会談で、3月3日の会談に引き続いてまた御遺骨のいろんな協議がなされるということでございまして、いろんな意味で専門的な技術の助言という意味で、厚生労働省も求められておりますので、二人ほど同行をさせていただきたいというふうに考えています。我が省としましてはもちろん協議の内容はそれぞれ担当でやっていただくわけでありますが、技術的な助言、いろんなところに出てくると思いますので、そういう形の中で今般二人を派遣をさせていただくということでございます。
記者:
ベビーシッターの関係で注意喚起をということをおっしゃってましたけれども、具体的にいつどういった形で行うのかということと、あとどういったことを注意喚起されるか、中身をちょっとわかればと。
大臣:
どういう形でやるかというのはですね、例えば厚生労働省のホームページなんかを通じてだとか、いろんなツールがあると思いますから、順次使えるものを使いながら注意喚起していきたいというふうに思います。それから留意点に関してはこれから詳細には留意点をまとめさせていただきたいと思いますけれども、さっき言いましたようにですね、これちゃんと少なくとも預かる方の氏名、住所、お住まいですね、そういうことがある程度管理されているところですね、例えば事業者ならば事業者がわかっているとか、何か起こった時にちゃんと対応できるようなそういうような体制があるかどうかでありますとか、あとこれも何か起こった時にやはり保険に入っている入っていないということも一つの大きなポイントかもわかりません。そういうようないくつかのポイントがありますので、そういうことも含めてですね、整理をさせていただいて注意喚起をさせていただきたいというふうに思ってます。
記者:
続けてベビーシッターの件なんですが、今回ベビーシッターであるのか認可外保育の枠なのかというのがちょっと曖昧なところもあるんですが、いずれにしても少人数を預かる制度外の部分については今のところ何の法的なものも規制もないという状態が変わってないと思うんですが、この辺についての見直し、新制度になってもその辺は今のところは変わらないと思うんですが、その辺はいかがでしょうか。
大臣:
新制度になった場合はですね、新制度としてその中にはいっていただきますので、認可になりますから、チェックできるわけでありますけれども、認可外という形で例えばこういう小規模なものに対しては今何もないわけであります。ある程度の人数があればですね、都道府県等々に届出制があるわけでありまして、一定の基準みたいなものもあるわけでありますけれども、そういう意味からいたしますと小規模というか今回の場合は二人、しかも兄弟みたいな形で預かっておるような状況でございまして、なかなか難しいのは継続して業なのかというのもなかなか難しいですね、これ登録しておるという話でありますが、それを基に業としてなしておるのかもなかなかわかりづらくてですね、その実態もまず調査しなきゃいけないと思ってますが、今までも例えば近所の知り合いに預けるだとかそういうことは頻繁に行われてきているわけで、そこまで含めて規制するのかというような声もあると思いますし、まずは実態調査をしてみてですね、その結果を見てどのような問題点があるかということをいろいろと分析した上でどうするべきかということを考えてまいりたいというふうに思います。
記者:
新制度でもですね、ベビーシッターの場合は特に保育士の資格は求められないということで、ある程度研修ということを義務づける、まだちょっとわからないんですが、今回の方も何らかの講習は受けていたような形跡もあるんですが、その資格なしで新制度でも心配がないでしょうか、大臣のお考えとしては。
大臣:
それはもう保育士であっていただく方がいいのは間違いがないというふうに思いますが、それも含めてですね、市町村が責任を持っていただいて認定をしていただくということでございますので、そこで一定の質の担保はしていただけるのであろうなというふうに思います。
記者:
子宮頸がんワクチンについて2点お伺いしたいんですけれども、これまでのワクチン副反応検討部会の主張とか判断を見てますと、ワクチンの内容物の問題ではなくて、ワクチンのこれまで報告されている副反応というのは接種者の心身反応だというような判断かと思うんですけれども、これに対して前回の検討部会が2月26日にあった前後にですね、このワクチンに警鐘を鳴らす研究者グループが会見をしておりまして、このワクチンの副反応というのは心身の反応ではないんじゃないかというようなことでそれを否定することを示すかのようなエビデンスとともに主張しているんですけれども、この問題の全容解明のためには全数調査が必要だというような主張をしているんですが、こういった研究者グループが主張しているというようなことを大臣は承知されているのかということと、今後大臣としては全数調査の必要性をお感じになられているのかというこの2点をお願いいたします。
大臣:
これは副反応部会の中においていろんな御議論をいただいてきました。前回、他の考えをお持ちの方の御意見もお聞かせをいただいたということであります。今、副反応部会の方でいくつか意見の集約といいますか、一致を見てきているわけでありまして、その中には一つは今言われたようにこれはワクチンの成分によって引き起こしているものではなくって、どうも心身の反応からくるものではないかということ。それから、ずっと海外のことも調べておったんですが、海外でも一定程度そういう方々がおられますけれども、しかしワクチン接種というものに対してそのこと自体が大きな何らかの問題になるものではないというようなそういう判断を各世界でやられておられるということでございまして、私も非常にこれ悩ましい話なんですが、世界の中で日本のような状況になっている国というのは少なくとも調査の過程ではないということもあります。ただ一方でそういうことを主張される研究者の方々もおられますので、その方々の御意見をお聞かせをいただきながらですね、今副反応部会の方で議論を進めていただいておるというところでございますので、そちらの方の結論を待たせていただきたいというふうに思っております。
記者:
短期集中訓練の入札の問題の調査なんですが、現状ですね、どういう状況になってらっしゃるのか、あと調査結果の公表の目途はどういうふうに考えてらっしゃるのか教えていただけないでしょうか。
大臣:
現状御承知のとおり、監察本部の方でですね、第三者の方を、第三者といいますか省外の方に入っていただきまして、これ弁護士資格を持っておられる方でありますけれども、調査を始め出しました。まだ、これなかなかですね、片方だけから聞くんではなくていろんな方々から聞き取りもしなきゃいけませんし、聞いた内容に対して裏付け等々もしていかなきゃいけない話なので、全体的な調査結果はまだいつになるかわかりません。なるべく早く調査をしてですね、結果を示したいと思ってます。一方で、水曜日までにその時点である程度わかった、わかったことというのは真実かどうかは別といたしまして、ある程度聞き取りの中でこういうような内容ですよというようなそういうものがわかったことに関してはいくつかはそれは出させていただくと、厚生労働委員会の方に出させていただくということでございますのでそれはお示しをさせていただきたいと思いますが、それも含めて前回の厚生労働委員会、衆議院の時にも申し上げましたけれども、それが事実であるかどうかというのを確認するところまでまだ至っておりませんので、それはそのような形で出させていただくと思います。そのような聞き取りの中での話があったと。ただし、まだ事実かどうかは我々としては確認できていないというようなたぶん出し方になるんだと思いますけれども、出し方としてはいくつかのことは出るというふうに思って、ちょっと私も中身を見ておりませんので、ここでは具体的にどうだということは言えませんけれども、今はそういう状況でございます。
記者:
追加でなんですが、事業の再入札の方なんですが、大臣はこちらもなるべく早くとおっしゃってましたが、再入札の方は今どういった状況でしょうか。
大臣:
ちょっとまだ私も確認してないんで、順次準備はしているというふうに思います。なるべく早くこれも再入札をした上で何とか1回目の入札で落札者が出ていただいてですね、結果事業をやっていただければありがたいなというふうに思っておりますけれども、なるべく早く準備をさせていただきたいというふうに思っております。
記者:
産業競争力会議の方で年金の3号の存廃の是非もテーマになっているんですけれども、厚生労働省としての考え方と今後の対応について聞かせてください。
大臣:
厚生労働省の考え方。
記者:
3号のその今後のあり方ということで。
大臣:
これはあの今までもいろんな御議論をいただいてきてますから、そういう御議論がいろいろあるということは我々も受け止めさせていただいておりますけれども、現行制度ということを今基本にやっておりますので、3号は3号としてですね、あると。一つの考え方は夫婦ともに保険料を払っておるというような考え方の下で整理は以前させていただいた。つまり働いておられる方がですね、要は保険料を納めているわけですよね、厚生年金の。その保険料の中に、要は奥様のも入っておるというような考え方ですね。夫婦ともに働いて得られている収入というような、そういうような考え方の下に、片方しか働いてなくても。そういうような考え方に整理をさせていただいておりますので。
記者:
その中で3号そのものの存廃の是非を検討すべきというような意見もあるんですけれども。
大臣:
だからそれはもうそういう御意見はいつもいろんなところでいただいておりますし、今般もそういうお考え方もあるということでありますけれども、まだ我が省としてはそれに至っているわけでもございませんし、今の3号という考え方を良しとされる方々も国民の皆様方の中には一定程度というかかなりおられるわけであります。そもそも今の年金制度の考え方は世帯でありますので、例えば夫婦で同じ、一人の働きで例えば800万なら800万、夫婦で800万なら800万とすればですね、保険料は同じになって、給付は同じになるというのが今の制度ですよね。ですからそういう意味では世帯で見ると一緒という制度になってます。そういう形の中でやっておりますので、それを例えば分けるとなれば、奥さんから特別用保険料を頂くという話になると、世帯間での、何て言いますかね、公平性みたいな形を一つ担保に取っている今の制度がですね、いやそうじゃなくなるという話になるんで、それをどう考えるかということになるんだと思いますね。ですから非常にそういう意味では世帯というものを一つ中心に考えている制度、夫婦世帯ですけども、そういう制度なものでありますから、それをどう考えるか。もちろん一方で、最近は夫婦世帯という考え方でいいのかという御意見もあるのはよく分かっておりますけれども、今まではそういう歴史の中で年金制度をやってきてますから、いろんな御意見を頂く中で必要であるとすればまた議論をしていかなければならないというふうに思っております。
記者:
航空会社のスカイマークの件なんですけれども、5月からキャンペーン期間中の新しい制服がすごい膝上15センチですごいミニスカート姿だと。労働組合の方から、女性に対するセクシャルハラスメントじゃないかということで、組合の方が厚生労働省の方にも要請書ですか、提出したと思うんですけれども、それについての今後の対応と言いますか、所感みたいなものがありましたらお願いしたいんですが。
大臣:
よく要請書を読ましていただきますけれども、基本的には労使でしっかり話をしていただきたいですね。そこはやはり労使の信頼関係の下でですね、どのようなサービスを提供していただくのか、制服も含めてでございますので、まずは労使でしっかりと話をしていただきたいというふうに思います。その上で要請書をしっかりと拝見させていただいて、我が省としてどういう対応の取り方があるのかどうか、それは検討してまいりたいと思いますけれども。
記者:
関連ですけど、雇児局(雇用均等・児童家庭局)に聞くとですね、(男女雇用機会)均等法のなんか事業主のですね、セクハラ配慮義務に欠けるんじゃないかみたいな意見もあってですね、直接的に実はこの申し入れた労働組合の中にスカイマークの人がいないもので、なかなかすれ違いになっているようなんですけども、あとは観点としては厚労省じゃなくて航空法の問題もあるみたいですれども、どうなんだろうって、微妙な問題だなとは思って私も見ていたんですけど。
大臣:
それも含めてですね、本来労使でやっていただく話なんですが、会社側にですね、そういうような訴えと言いますか、要請も来てるんで、そういう観点はどうなんだというような話、報告をくださいというようなことは申し上げると。だから決めつけるわけじゃないですよ。決めつけるわけじゃありませんが、そういう観点からの問題提起がありますよと、どう考えているんだと、御報告を頂きたいというようなことはこちらの方から、東京労働局になるのかな、させていただくという話だと思いますね。
記者:
意向確認みたいな場。調査ではないか。
大臣:
要するにそういう懸念があるということなので。
記者:
聞き取りですかね、そうすると。
大臣:
聞き取りというか報告くださいと。どういうようなその、セクハラというようなお声もありますからね、そういう観点から今回のことに関してはどういうように考えておられるんですかというような話になると思いますね、それは。
記者:
東京五輪に向けた外国人労働者の活用について何ですけれども、政府が今月中に外国人技能実習制度を活用した形で何か方針をまとめられると思うんですけれども、ただ実際ですね、技能実習制度を巡っては賃金不払いなどの不正行為というのも相次いでいるという実態があります。そういう中で厚生労働省としては今後介護人材についても技能実習制度の延長をするかとかですね、いろいろ議論が出てくると思うんですが、どのようなスタンスで臨まれますか。
大臣:
まず、介護人材は技能実習制度に入っておりませんので、やるとすれば新しくやるかどうかという話になると思いますが、いずれにしましてもまだ事実上ですね、制度をどうするかというところまでは議論が進んできておりませんので、そういう意味ではどういうような御議論をされるか我々も注視をさせていただきたいと思います。もちろん建設業は人材が足らないという部分もありますが、以前から申し上げておりますとおり、我々としてはですね、注意点といいますか心配な点としては人材がどれぐらいの量供給されるかわかりませんけれども、それぞれ今賃金が上がりつつある中でですね、外から人材が入ってくると供給が増えるわけでありますから、本来上がるべき賃金が上がらなくなるというそういうおそれはありますが、その点は留意をしながらですね、御議論を見守らさせていただくというか、どういう御議論になってくるか、しっかりとそれを見据えながらどうすべきであるかということを考えてまいらなきゃいけないというふうに思いますね。もちろん賃金不払いという問題はありますがそれは制度の中でしっかりとそれぞれ受入れ業者の方々、事業者の方々を含めてですね、ちゃんとルールを守っていただかなきゃならんわけでありますし、そもそも技能実習制度にいたしましても何にいたしましても外国から入って来られる人材に関してですね、基本的には日本人と同等の賃金を支払うということになっておりますから、海外から入って来る方々を安く使うということは基本的にはできないはずでございますので、そういう点に関しましても留意をしていただきながらですね、いろんな議論というもの、我々もそれに対して対応させていただきたいというふうに思います。

(了)